説明

化粧料用粉体表面処理剤、及び、当該化粧料用粉体表面処理剤によって表面処理された粉体を含む化粧料

【課題】水素が発生せず安全であり、他の化粧料原料との親和性がよく、したがって、化粧料の配合安定性を向上することができ、また、化粧料に良好な耐水性、耐皮脂性、光沢、触感、毛髪・皮膚への付着性等を付与し得る化粧料用粉体の表面処理剤、並びに、該表面処理剤で表面処理された化粧料用粉体を配合してなる優れた表面保護特性、外観及び使用感を備えた化粧料を提供すること。
【解決手段】特定のカルボシロキサンデンドリマー構造を有するオルガノポリシロキサンによって化粧料用粉体を表面処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料に関し、特に、特定の構造を有するカルボシロキサンデンドリマー構造を有する重合体を含む新規な化粧料用粉体表面処理剤、並びに、当該化粧料用粉体表面処理剤によって表面処理された粉体を含む化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化粧料用の各種表面処理剤として、メチルハイドロジェンポリシロキサンが広く用いられている。メチルハイドロジェンポリシロキサンで処理した粉体は、撥水性が高いため、化粧崩れ防止性を向上させるという特徴がある。しかしながら、メチルハイドロジェンポリシロキサンは、表面処理時に粉体表面との反応ばかりでなく分子間での架橋反応も誘発するため反応率が低く、その結果、表面処理粉体に未反応のSi-H結合が残留する。したがって、条件によっては水素がガスとして発生する可能性があり、火気等の存在下では危険である。また、化粧料容器の膨張、コンパクトミラーの曇り等を起こすなど、様々な問題があった。
【0003】
これらの問題点を解決するために、特開平5−237360号公報では表面処理粉体を高温で処理して、Si-H結合をできるだけ残留させないようにする手法が提案されている。しかしながら、この手法では、熱に弱い黄色酸化鉄、赤色202号のような粉体には適用できず、更なる改善が求められていた。
【0004】
このような背景の元、残留Si−H結合が生成しない方法として特開平7−196946公報では、片末端アルコキシ変性シリコーンを用いた表面処理方法、WO2002/100356ではアルコキシシリル基を有するアクリル変性シリコーンを用いた表面処理方法がそれぞれ提案されている。しかしながら、片末端アルコキシ変性シリコーンを用いた場合は、アルコキシ基の含有量が少ないため、粉体との反応性が低いという問題があった。一方、アルコキシシリル基を有するアクリル変性シリコーンを用いた表面処理方法では、直鎖状シリコーンがアクリル主鎖にグラフトされてアクリル変性シリコーンを使用するため、耐皮脂性等が十分でないという問題点があった。また、アルコキシシリル基を有するアクリル変性シリコーンを用いて表面処理された粉体は他の化粧料用原料との親和性が低く、化粧料の配合安定性の点で問題があった。
【0005】
一方、直鎖状シリコーンに起因する問題点を改良するために、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体もしくはカルボシロキサンデンドリマー構造とフッ素化有機基の両者を有するビニル系重合体を主剤とする化粧品原料が提案されている(特開2000−63225号公報、特開2003−226611号公報参照)。しかしながら特開2000−63225号公報、特開2003−226611号公報には、各種粉体の表面処理への応用について何ら記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−237360号公報
【特許文献2】特開平7−196946公報
【特許文献3】WO2002/100356
【特許文献4】特開2000−63225号公報
【特許文献5】特開2003−226611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来技術の現状に鑑みて為されたものであり、水素が発生せず安全であり、他の化粧料原料との親和性がよく、したがって、化粧料の配合安定性を向上することができ、また、化粧料に良好な耐水性、耐皮脂性、光沢、触感、毛髪・皮膚への付着性等を付与し得る化粧料用粉体の表面処理剤、並びに、該表面処理剤で表面処理された化粧料用粉体を配合してなる優れた表面保護特性、外観及び使用感を備えた化粧料を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、下記式(1):
【化1】

{式中、
Zは、2価の有機基であり、
pは、0又は1であり、
1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
1は、i=1とした場合の下記式(2)で示されるシリルアルキル基
【化2】

(式中、
Z及びpは、前記と同じであり、
1及びR2は、前記と同じであり、
iは、前記シリルアルキル基の総階層数を示す1〜10の整数であり、
i+1は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基及び前記シリルアルキル基からなる群から選択される基であり、但し、i=c(cは前記シリルアルキル基の階層を示す1〜10の整数である)の場合は、Li+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、i<cの場合は前記シリルアルキル基であり、
aiは0〜3の整数である)である}で示されるカルボシロキサンデンドリマー構造を有する重合体を含む化粧料用粉体表面処理剤によって達成される。
【0009】
前記重合体は、少なくとも、(A)下記式(1):
【化3】

{式中、
Zは、2価の有機基であり、
pは、0又は1であり、
1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
1は、i=1とした場合の下記式(2)で示されるシリルアルキル基
【化4】

(式中、
Z及びpは、前記と同じであり、
1及びR2は、前記と同じであり、
iは、前記シリルアルキル基の総階層数を示す1〜10の整数であり、
i+1は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基及び前記シリルアルキル基からなる群から選択される基であり、但し、i=c(cは前記シリルアルキル基の階層を示す1〜10の整数である)の場合は、Li+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、i<cの場合は前記シリルアルキル基であり、
aiは0〜3の整数である)である}で示されるカルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、及び
(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体
の共重合体であることが好ましい。
【0010】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体は、一般式:
【化5】

(式中、R4は水素原子若しくはメチル基であり、R5は炭素原子数1〜10のアルキレン基である。)、若しくは、
【化6】

(式中、R4及びR5は前記と同じである。)で示されるアクリル基若しくはメタクリル基含有有機基、一般式:
【化7】

(式中、R6は水素原子若しくはメチル基であり、R7は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R8は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、bは0〜4の整数であり、cは0又は1である。)で示されるアルケニルアリール基含有有機基、及び、炭素原子数2〜10のアルケニル基からなる群から選択される基を有することが好ましい。
【0011】
前記重合体は、更に、(C)ケイ素原子結合アルコキシ基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体を共重合して得られたものでもよい。前記他の不飽和単量体はC1−6低級アルキル基を有するものが好ましい。
【0012】
そして、本発明の目的は、最終的には、上記化粧料用粉体表面処理剤によって表面処理された粉体、並びに、当該粉体を含む化粧料によって達成される。
【0013】
本発明の化粧料は、油剤を更に含むことができる。
【0014】
前記油剤はシリコーンオイルであることができ、また、当該シリコーンオイルは、25℃における粘度が0.65〜100,000mm/sの疎水性シリコーンオイルであることができる。
【0015】
また、前記シリコーンオイルは、下記一般式(3)、(4)、又は、(5):
【化8】

(式中、
9は、水素原子、水酸基、或いは、炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、アルコキシ基及び(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}lSi(CH3)2CH2CH2-(lは0〜1000の整数)で示される基から選択される基であり、
a’は、0〜3の整数であり、
b’は、0〜1000の整数であり、
c’は、0〜1000の整数であり、但し、1≦b’+c’≦2000である)
【化9】

(式中、
9は、上記と同様であり、
dは、0〜8の整数であり、
eは、0〜8の整数であり、但し、3≦d+e≦8である)
【化10】

(式中、
9は、上記と同様であり、
fは1〜4の整数であり、
gは0〜500の整数である)
で表されるオルガノポリシロキサンであることができる。
【0016】
本発明の化粧料は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び、半極性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含むことができる。
【0017】
本発明の化粧料は、粉体及び/又は着色剤を更に含むことができる。前記粉体は、平均粒子径が1nm〜20μmの範囲にある無機顔料粉体、有機顔料粉体、及び、樹脂粉体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることができる。前記粉体及び/又は前記着色剤の少なくとも一部が本発明の化粧料用粉体表面処理剤以外の表面処理剤によって撥水化処理されていてもよい。
【0018】
本発明の化粧料は、水溶性高分子、油溶性ゲル化剤、及び、有機変性粘土鉱物からなる群から選択される少なくとも1種を更に含むことができる。
【0019】
本発明の化粧料は、シリコーン樹脂、シリコーンエラストマー、及び、有機変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種を更に含むことができる。
【0020】
本発明の化粧料は、紫外線防御成分を更に含むことができる。
【0021】
本発明は、上記の化粧料を含む、スキンケア製品、毛髪製品、制汗剤製品、脱臭剤製品、メイクアップ製品、又は、紫外線防御製品にも関する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の化粧料用粉体の表面処理剤は化粧料用粉体に撥水性を付与するために好適に使用することができるが、水素を発生しないので安全である。また、本発明の化粧料用粉体の表面処理剤は、直鎖状ではなく高度に枝分かれしたデンドリマー状のシリコーンが主鎖にグラフトされている重合体を使用しているので、他の各種の化粧料原料との親和性がよく、したがって、化粧料の配合安定性が優れる。特に、(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体を使用して得られた共重合体を使用する場合は、特に、撥水性、安全性、及び、配合安定性に優れる。しかも、本発明の化粧料用粉体の表面処理剤によって表面処理された粉体は、良好な耐水性、耐皮脂性、光沢、触感、毛髪・皮膚への付着性等を化粧料に付与することができる。
【0023】
本発明の化粧料は、上記の表面処理剤によって表面処理された化粧料用粉体を含むので、耐水性、耐皮脂性、光沢、触感、毛髪・皮膚への付着性等の点で優れた表面保護特性、外観及び使用感を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】評価2におけるレオロジー測定結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の化粧料用粉体の表面処理剤は、下記式(1):
【化11】

{式中、
Zは、2価の有機基であり、
pは、0又は1であり、
1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
1は、i=1とした場合の下記式(2)で示されるシリルアルキル基
【化12】

(式中、
Z及びpは、前記と同じであり、
1及びR2は、前記と同じであり、
iは、前記シリルアルキル基の総階層数を示す1〜10の整数であり、1〜5が好ましく、1〜3が更により好ましく、1又は2が更により好ましく、
i+1は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基及び前記シリルアルキル基からなる群から選択される基であり、但し、i=c(cは前記シリルアルキル基の階層を示す1〜10の整数であり、1〜5が好ましく、1〜3が更により好ましく、1又は2が更により好ましい)の場合は、Li+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、i<cの場合は前記シリルアルキル基であり、
aiは、0〜3の整数であり、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0〜1であり、更により好ましくは0である)である}で示されるカルボシロキサンデンドリマー構造を有する重合体を含むものである。前記重合体は、ビニル重合単位を主鎖とし、側鎖にカルボシロキサンデンドリマー構造が存在しているものが好ましい。
【0026】
前記重合体は、少なくとも、(A)下記式(1):
【化13】

{式中、
Zは、2価の有機基であり、
pは、0又は1であり、
1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
1は、i=1とした場合の下記式(2)で示されるシリルアルキル基
【化14】

(式中、
Z及びpは、前記と同じであり、
1及びR2は、前記と同じであり、
iは、前記シリルアルキル基の総階層数を示す1〜10の整数であり、1〜5が好ましく、1〜3が更により好ましく、1又は2が更により好ましく、
i+1は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基及び前記シリルアルキル基からなる群から選択される基であり、但し、i=c(cは前記シリルアルキル基の階層を示す1〜10の整数であり、1〜5が好ましく、1〜3が更により好ましく、1又は2が更により好ましい)の場合は、Li+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、i<cの場合は前記シリルアルキル基であり、
aiは、0〜3の整数であり、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0〜1であり、更により好ましくは0である)である}で示されるカルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、及び
(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体
の共重合体であることが好ましい。
【0027】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、及び、前記(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体の割合は特に限定されるものではないが、(A)成分の重量/全単量体の重量は0.02〜0.7が好ましく、0.1〜0.6がより好ましく、0.2〜0.5が更により好ましい。(B)成分の重量/全単量体の重量は0〜0.5未満が好ましく、0.05〜0.4が好ましく、0.1〜0.3がより好ましい。
【0028】
2価の有機基としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状又は分岐状の二価炭化水素基が挙げられる。炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状又は分岐状の二価炭化水素基としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基;ビニレン基、アリレン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基等の炭素原子数2〜30のアルケニレン基;フェニレン基、ジフェニレン基等の炭素原子数6〜30のアリーレン基;ジメチレンフェニレン基等の炭素原子数7〜30のアルキレンアリーレン基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基で置換された基が挙げられる。二価炭化水素基は、非置換の炭素原子数1〜30の二価飽和炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であることが好ましく、ジメチレン基が特に好ましい。
【0029】
例えば、2価の有機基は、下記
【化15】

(式中、
3は、炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状又は分岐状の前記二価炭化水素基であり、既述したとおり、置換基を有していてもよく、
3’は、下記式
【化16】

で表される基から選択される基である)
から選択される基であってもよい。ケイ素原子結合水素原子及びアルケニル基の反応により導入可能な一般式−R3−又は−R−R3’−で示される2価の有機基が好ましい。同様に、ケイ素原子結合水素原子及び不飽和カルボン酸官能基の反応により導入可能な一般式−R−COO−R−又は−R−COO−R3’−で示される2価の有機基も好適である。
【0030】
特に、前記Zは、炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であることが好ましく、ジメチレン基(エチレン基)であることが特に好ましい。
【0031】
炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜10の環状のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素原子数6〜10のアリール基;ベンジル基等の炭素原子数7〜10のアラルキル基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基で置換された基が挙げられる。アルキル基、アリール又はアラルキル基は、非置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であることが好ましく、非置換の炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、又は、フェニル基が特に好ましい。
【0032】
前記カルボシロキサンデンドリマー構造は、1つのケイ素原子から放射状に高度に枝分かれした化学構造であり、前記シリルアルキル基の総階層数を示すiは枝分かれの程度を示す。例えば、総階層数iが1で、且つ、Li+1が例えばメチル基の場合、前記カルボシロキサンデンドリマー構造は以下の構造を意味する。
【化17】

(式中、Z、p、R1及びR2は前記と同じであり、aは0〜3の整数である)
【0033】
同様に、階層iが2で、且つ、Li+1が例えばメチル基の場合、前記カルボシロキサンデンドリマー構造は以下の構造(但し、p=1とする)を意味する。
【化18】

(式中、Z、R1及びR2は前記と同じであり、a及びa2は0〜3の整数である)
【0034】
更に、階層iが3で、且つ、Li+1が例えばメチル基の場合、前記カルボシロキサンデンドリマー構造は以下の構造(但し、p=1とする)を意味する。
【化19】

(式中、Z、R1及びR2は前記と同じであり、a、a2及びa3は0〜3の整数である)
【0035】
前記カルボシロキサンデンドリマー構造としては、特に、以下のものが好ましい。
【化20】

(式中、Z及びR2は前記と同じである)
【化21】

(式中、Z及びR2は前記と同じである)
【0036】
前記カルボシロキサンデンドリマー構造を有するシリルアルキル基は、カルボシロキサン単位がデンドリマー状に広がった構造を有しているため、線状或いは単なる分岐状のポリシロキサン単位に比して、高撥水性(高耐水性)を呈する官能基である。また、前記カルボシロキサンデンドリマー構造を有するシリルアルキル基は、化学的に安定であるために幅広い化粧料用原料と組み合わせて使用することができるという有利な特性を付与する官能基である。
【0037】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体は、例えば、下記式(1’)
【化22】

{式中、
Yはラジカル重合可能な不飽和含有基であり、
Z、p、R1、R2、L1及びaiは前記と同じである)
で表される。
【0038】
前記不飽和含有基は、ラジカル重合可能な不飽和を有する限り限定されるものではないが、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。
【0039】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体は、一般式:
【化23】

(式中、R4は水素原子若しくはメチル基であり、R5は炭素原子数1〜10のアルキレン基である。)、若しくは、
【化24】

(式中、R4及びR5は前記と同じである。)で示されるアクリル基若しくはメタクリル基含有有機基、一般式:
【化25】

(式中、R6は水素原子若しくはメチル基であり、R7は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R8は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、bは0〜4の整数であり、cは0又は1である。)で示されるアルケニルアリール基含有有機基、及び、炭素原子数2〜10のアルケニル基からなる群から選択される基を有するものが好ましい。
【0040】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体としては、例えば、下記式
【化26】

【化27】

で示されるものが挙げられる。
【0041】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体は、例えば、特開平11―1530号公報(特願平9−171154号)に記載された分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体の製造方法に従って製造できる。例えば、一般式:
【化28】

(式中、Y及びR2は前記と同じである)
で示されるケイ素原子結合水素原子含有ケイ素化合物と、アルケニル基含有有機ケイ素化合物とをヒドロシリル化反応させることにより製造することができる。上式で示されるケイ素化合物としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シラン,3−アクリロキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シラン,4−ビニルフェニルトリス(ジメチルシロキシ)シランが用いられる。アルケニル基含有有機ケイ素化合物としては、例えば、ビニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン,ビニルトリス(ジメチルフェニルシロキシ)シラン,5−ヘキセニルトリス(トリメチルシロキシ)シランが用いられる。尚、このヒドロシリル化反応は、塩化白金酸や白金ビニルシロキサン錯体などの遷移金属触媒の存在下に行うのが好ましい。
【0042】
前記(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体は、直鎖状若しくは分岐鎖状の、炭素原子数1〜22、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜6、更により好ましくは1〜3、更により好ましくは1又は2のアルコキシ基及びラジカル重合可能な不飽和含有基を有する限り限定されるものではない。前記アルコキシ基は、非置換のアルコキシ基又は炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基で置換されたアルコキシ基のいずれであってもよい。前記アルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられるが、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。ケイ素原子結合アルコキシ基の数も1〜3の範囲で任意であるが、2又は3が好ましく、3がより好ましい。
【0043】
ラジカル重合可能な不飽和含有基としては、不飽和結合として、分子鎖末端に炭素-炭素二重結合を有する一価炭化水素基、一価の不飽和カルボン酸から誘導される基が例示される。例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルオキシ基等が挙げられる。
【0044】
前記(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体としては、例えば、メタアクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
【0045】
前記共重合体は、少なくとも、前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、及び、前記(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体を共重合することによって合成することができる。ケイ素原子結合アルコキシ基(アルコキシリル基)が主鎖にグラフトされた共重合体は、表面処理された粉体の撥水性の持続性が効果的に改善され、さらに経日安定性等の表面特性が改善される点で好ましく使用することができる。前記(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体との共重合比は任意であるが、(A)成分の重量/全単量体の重量は0.02〜0.70が好ましく、0.1〜0.65がより好ましく、0.2〜0.6が更により好ましい。(B)成分の重量/全単量体の重量は0〜0.5未満が好ましく、0.05〜0.45が好ましく、0.1〜0.4がより好ましい。
【0046】
上記(A)及び(B)成分に加えて、更に、(C)ケイ素原子結合アルコキシ基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体を共重合してもよい。(C)ケイ素原子結合アルコキシ基を有さない不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸メチル,メタクリル酸メチル,アクリル酸エチル,メタクリル酸エチル,アクリル酸n−プロピル,メタクリル酸n−プロピル,アクリル酸イソプロピル,メタクリル酸イソプロピルなどの低級アルキルアクリレート若しくはメタクリレート;アクリル酸グリシジル,メタクリル酸グリシジル;アクリル酸n−ブチル,メタクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,メタクリル酸イソブチル,アクリル酸tert−ブチル,メタクリル酸tert−ブチル,アクリル酸n−ヘキシル,メタクリル酸n−ヘキシル,アクリル酸シクロヘキシル,メタクリル酸シクロヘキシル等のC1−6低級アルキル基を有する低級アクリレート又はメタクリレート;アクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸オクチル,メタクリル酸オクチル,アクリル酸ラウリル,メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル等の高級アルキルアクリレート又はメタクリレート;酢酸ビニル,プロピオン酸ビニルなどの低級脂肪酸ビニルエステル;酪酸ビニル,カプロン酸ビニル,2−エチルヘキサン酸ビニル,ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の高級脂肪酸エステル;スチレン,ビニルトルエン,ベンジルアクリレート,ベンジルメタクリレート,フェノキシエチルアクリレート,フェノキシエチルメタクリレート,ビニルピロリドン等の芳香族ビニル型単量体;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有ビニル系単量体;アクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチロールアクリルアミド,N−メチロールメタクリルアミド,N−メトキシメチルアクリルアミド,N−メトキシメチルメタクリルアミド,イソブトキシメトキシアクリルアミド,イソブトキシメトキシメタクリルアミド,N,N−ジメチルアクリルアミド,N,N−ジメチルメタクリルアミド等のアミド基含有ビニル型単量体;アクリル酸ヒドロキシエチル,メタクリル酸ヒドロキシエチル,アクリル酸ヒドロキシプロピルアルコール,メタクリル酸ヒドロキシプロピルアルコール等の水酸基含有ビニル型単量体;アクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,クロトン酸,フマル酸,マレイン酸等のカルボン酸含有ビニル型単量体;テトラヒドロフルフリルアクリレート,テトラヒドロフルフリルメタクリレート,ブトキシエチルアクリレート,ブトキシエチルメタクリレート,エトキシジエチレングリコールアクリレート,エトキシジエチレングリコールメタクリレート,ポリエチレングリコールアクリレート,ポリエチレングリコールメタクリレート,ポリプロピレングリコールモノアクリレート,ポリプロピレングリコールモノメタクリレート,ヒドロキシブチルビニルエーテル,セチルビニルエーテル,2ーエチルヘキシルビニルエーテル等のエーテル結合含有ビニル型単量体;片末端にアクリル基若しくはメタクリル基を含有するポリジメチルシロキサン,片末端にアルケニルアリール基を含有するポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;アクリロニトリル,メタクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;ドデシル無水コハク酸;アクリルグリシジルエーテル,メタクリルグリシジルエーテル,3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート,3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート:アクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,クロトン酸,フマル酸,マレイン酸等のラジカル重合性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩,アンモニウム塩,有機アミン塩,スチレンスルホン酸のようなスルホン酸基を有するラジカル重合性不飽和単量体及びそれらのアルカリ金属塩,アンモニウム塩,有機アミン塩;2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドのようなアクリル酸若しくはメタクリル酸から誘導される4級アンモニウム塩,メタクリル酸ジエチルアミンエステルのような3級アミン基を有するアルコールのメタクリル酸エステル及びそれらの4級アンモニウム塩が例示される。C1−6低級アルキル基を有する低級アクリレート又はメタクリレートが好ましい。
【0047】
また、多官能ビニル系単量体も使用可能であり、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,ペンタエリスリトールトリメタクリレート,エチレングリコールジアクリレート,エチレングリコールジメタクリレート,テトラエチレングリコールジアクリレート,テトラエチレングリコールジメタクリレート,ポリエチレングリコールジアクリレート,ポリエチレングリコールジメタクリレート,1,4−ブタンジオールジアクリレート,1,4−ブタンジオールジメタクリレート,1,6−ヘキサンジオールジアクリレート,1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレート,ネオペンチルグリコールジメタクリレート,トリメチロールプロパントリオキシエチルアクリレート,トリメチロールプロパントリオキシエチルメタクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジメタクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート,分子鎖両末端アルケニルアリール基封鎖ポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物が例示される。
【0048】
更に、フッ素化有機基を含有するビニル系単量体を使用してもよい。前記フッ素化有機基を含有するビニル系単量体は、一般式:CH2=CR15COORfで表されるものが好ましい。式中、R15は水素原子又はメチル基であり、Rfはフッ素化有機基であり、前記したようなフルオロアルキル基やフルオロアルキルオキシフルオロアルキレン基が挙げられる。このような(A)成分として具体的には、下記式で示される化合物が挙げられる。下式中、zは1〜4の整数である。
CH2=CCH3COO-CF3、CH2=CCH3COO-C2F5、CH2=CCH3COO-nC3F7、CH2=CCH3COO-CF(CF3)2、CH2=CCH3COO-nC4F9、CH2=CCH3COO-CF2CF(CF3)2、CH2=CCH3COO-nC5F11、CH2=CCH3COO-nC6F13、CH2=CCH3COO-nC8F17、CH2=CCH3COO-CH2CF3、CH2=CCH3COO-CH(CF3)2、CH2=CCH3COO-CH2CH(CF3)2、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)2F、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)3F、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)4F、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)6F、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)8F、CH2=CCH3COO-CH2CH2CF3、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)2F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)3F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)4F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)6F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)8F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)10F 、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)12F 、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)14F 、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)16F 、CH2=CCH3COO-CH2CH2CH2CF3 、CH2=CCH3COO-CH2CH2CH2(CF2)2F 、CH2=CCH3COO-CH2CH2CH2(CF2)2H 、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)4H 、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)3H、CH2=CCH3COO-CH2CH2CF(CF3)-[OCF2CF(CF3)]z-OC3F7、CH2=CCH3COO-CH2CH2CF2CF2-[OCF2CF(CF3)]z-OC3F7CH2=CHCOO-CF3、CH2=CHCOO-C2F5、CH2=CHCOO-nC3F7、CH2=CHCOO-CF(CF3)2、CH2=CHCOO-nC4F9、CH2=CHCOO-CF2CF(CF3)2、CH2=CHCOO-nC5F11、CH2=CHCOO-nC6F13、CH2=CHCOO-nC8F17、CH2=CHCOO-CH2CF3、CH2=CHCOO-CH(CF3)2、CH2=CHCOO-CH2CH(CF3)2、CH2=CHCOO-CH2(CF2)2F、CH2=CHCOO-CH2(CF2)3F、CH2=CHCOO-CH2(CF2)4F、CH2=CHCOO-CH2(CF2)6F、CH2=CHCOO-CH2(CF2)8F、CH2=CHCOO-CH2CH2CF3、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)2F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)3F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)4F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)6F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)8F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)10F 、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)12F 、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)14F 、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)16F 、CH2=CHCOO-CH2CH2CH2CF3 、CH2=CHCOO-CH2CH2CH2(CF2)2F 、CH2=CHCOO-CH2CH2CH2(CF2)2H 、CH2=CHCOO-CH2(CF2)4H 、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)3H、CH2=CHCOO-CH2CH2CF(CF3)-[OCF2CF(CF3)]z-OC3F7、CH2=CHCOO-CH2CH2CF2CF2-[OCF2CF(CF3)]z-OC3F7。これらの中でも、下記式で示されるビニル単量体が好ましい。CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)6F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)8F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)6F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)8F、CH2=CHCOO-CH2CF3、CH2=CCH3COO-CH2CF3。特に、下記式で示されるビニル単量体がより好ましい。CH2=CHCOO-CH2CF3、CH2=CCH3COO-CH2CF3
【0049】
(C)成分の共重合比は任意であり、C成分の重量/共重合体を構成する全単量体の重量は0.01〜0.98の範囲で適宜設定できる。しかし、C成分の重量/共重合体を構成する全単量体の重量は0.01〜0.75が好ましく、0.20〜0.60がより好ましい。
【0050】
特に、本発明の化粧料用粉体表面処理剤に配合される共重合体は、前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体 および(C)ケイ素原子結合アルコキシ基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体を{(A)成分の重量/全単量体の重量}:{(B)成分の重量/全単量体の重量}:{(C)成分の重量/全単量体の重量}が、[0.02〜0.7:0.05〜0.45:0.01〜0.75]の範囲であることが好ましく、上記の重量比が、[0.02〜0.7:0.05〜0.45:0.01〜0.75]の範囲であり、かつ{(A)成分の重量/全単量体の重量}≧{(B)成分の重量/全単量体の重量}の条件を満たす共重合体が特に好ましい。かかる重合比で得られた共重合体は、カルボシロキサンデンドリマー構造を有するシリルアルキル基およびケイ素原子結合アルコキシ基が主鎖に所定の比率でグラフトされているため、ケイ素原子結合アルコキシ基(アルコキシリル基)を有しない共重合体に比して、表面処理粉体の撥水性の持続性が効果的に改善され、さらにその経日安定性および表面特性、使用感をさらに改善することができる利点がある。このため、本発明の化粧料用粉体表面処理剤として、特に好適に使用することができる。また、(C)成分の一部または全部が、C1−6低級アルキル基を有する不飽和単量体であることが最も好ましく、化粧料用粉体表面処理剤としての経日安定性および表面特性、使用感を最もよく改善することができる。
【0051】
共重合方法としては、ラジカル重合法やイオン重合法が使用されるが、中でもラジカル重合法が好ましく、特に溶液重合法が好適に使用される。この溶液重合は、溶媒中で、上記各不飽和単量体をラジカル開始剤の存在下に50〜150℃の温度条件下で3〜20時間反応させることにより行われる。このとき用いる溶媒としては、ヘキサン,オクタン,デカン,シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル,ジブチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル類;アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル等のエステル類;メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,ブタノール等のアルコール類;オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン,ヘキサメチルジシロキサン,オクタメチルトリシロキサン等のオルガノシロキサンオリゴマーが例示される。ラジカル開始剤としては、一般にラジカル重合法に使用される従来公知の化合物が用いられ、具体的には、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾビス系化合物;過酸化ベンゾイル,過酸化ラウロイル,tert−ブチルパーオキシベンゾエート,tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物が例示される。このラジカル開始剤は1種を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。ラジカル開始剤の使用量は、上記(A)成分〜(C)成分の合計100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲であることが好ましい。また、重合時には連鎖移動剤を添加することができる。この連鎖移動剤として具体的には、2−メルカプトエタノール,ブチルメルカプタン,n−ドデシルメルカプタン,3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,メルカプトプロピル基を有するポリジメチルシロキサン等のメルカプト化合物;塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素,臭化ブチル,3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン化物が挙げられる。
【0052】
なお、重合後は、加熱下で減圧処理することにより、残存する未反応のビニル系単量体を除去する方法、もしくは水素化触媒の存在下、無溶媒もしくは溶媒中で水素添加反応による無臭化処理を行い、減圧下に窒素ガスを接触させて、軽質物を留去する方法を用いて精製することができる。特に、臭気の低減および他の化粧料成分との相溶性が求められる外用剤用途で使用する場合にはかかる精製品が好ましく用いられる。かかる水素添加反応、ストリッピング工程は、公知のオルガノポリシロキサン共重合体の精製に用いられる溶媒、反応条件、減圧条件等を特に制限なく用いることができ、また選択することができる。
【0053】
なお、ビニル系重合体の皮膚や毛髪への付着性をより一層向上させたり、使用後に適度な洗浄性を付与する目的で、(C)成分の一部にジメチルアミノエチルアクリレート,ジメチルアミノエチルメタクリレート,ジエチルアミノエチルアクリレート,ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有ビニル系単量体を用いて該ビニル系重合体の側鎖にアミノ基を導入し、次いでこれを、モノクロロ酢酸のカリウム塩,モノクロロ酢酸のアンモニウム塩,モノクロロ酢酸のアミノメチルプロパノール塩,モノブロモ酢酸のトリエタノールアミン塩,モノクロロプロピオン酸のナトリウム塩等のハロゲン化脂肪酸のアルカリ金属塩,アンモニウム塩又はアミン塩で変性したり、(C)成分の一部にアクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,クロトン酸,フマル酸,マレイン酸等のカルボン酸含有ビニル型単量体を用いて該ビニル系重合体の側鎖にカルボン酸基を導入し、次いでこれを、トリエチルアミン,ジエチルアミン,トリエタノールアミン等のアミンにより中和してもよい。
【0054】
前記共重合体の数平均分子量は、化粧料への配合のしやすさから、3,000〜2,000,000であることが好ましく、5,000〜800,000であることがより好ましい。またその性状は、液状,ガム状,ペースト状,固体状,粉体状が例示される。化粧料に配合する際には、溶媒で希釈した溶液や分散液或いは粉体状の形態であることが好ましい。
【0055】
前記共重合体は皮膜形成性を備えており、粉体の表面に皮膜を形成してその表面特性を撥水性に変更することができる。したがって、本発明の表面処理剤は、粉体の撥水化に好適に使用することができる。また、水素を発生しないので安全である。
【0056】
本発明の表面処理剤は、特に化粧品に用いられる任意の粉体(着色剤として用いられる粉体・顔料を含む)の表面処理に好適であって、使用感触が改善され、耐水性、耐皮脂性等に優れた処理粉体を得ることができる。粉体及び着色剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば、無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、タール色素、天然色素等があげられる。前記粉体は、平均粒子径が1nm〜20μmの範囲にある無機顔料粉体、有機顔料粉体、及び、樹脂粉体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ一酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。これらの粉体は、本発明の効果を妨げない範囲で複合化されたり、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で親水化又は撥水化処理したものであってもよく、必要に応じて一種、又は二種以上用いることもできる。
【0057】
本発明の化粧料用粉体表面処理剤を用いて化粧料用粉体を表面処理する場合、その処理方法は、例えば、本発明の化粧料用粉体表面処理剤を被処理粉体と乾式混合する乾式法、又は、本発明の化粧料用粉体表面処理剤を溶媒中に分散して、更に被処理粉体を混合して湿式混合を行い、その後、処理粉体を乾燥する湿式法によって実施することができる。ただし、表面処理方法はこれらに限定されるものではない。また、化粧料に用いられる油剤により本発明の化粧料用粉体表面処理剤を希釈し、該組成物を粉体と混合してスラリー状の分散体を形成させ、表面処理を行うこともできる。
【0058】
本発明の化粧料用粉体表面処理剤を用いて化粧料用粉体を表面処理する場合、湿式法がより好ましい。湿式法において、その混合温度は任意であるが60〜80℃が好ましい。また、混合時間は処理量、粉体の種類等によって異なるが、通常は、1〜3時間である。
【0059】
本発明の化粧料用粉体表面処理剤を用いて化粧料用粉体の表面処理を行う場合、その使用量は、粉体の種類によっても異なるが、通常は、未処理粉体の1〜10重量%であることが好ましく、1〜5重量%がより好ましい。1重量%より少ないと、化粧料に配合した場合に感触等の改善効果が十分に得られない場合がある。また、10重量%を超えると、化粧料に配合した場合にのびが重くなる等、使用感触が悪化する恐れがある。
【0060】
本発明の化粧料は、前記化粧料用粉体表面処理剤によって表面処理された化粧料用粉体を含む。
【0061】
本発明の化粧料中の前記表面処理済み粉体の配合量は特に限定されるものではなく、本発明の化粧料は、例えば、化粧料の全質量を基準にして1〜99重量%の前記粉体を含むことができる。具体的には、前記粉体の配合量は、化粧料の種類に応じて、例えば、10〜90重量%、20〜80重量%、30〜70重量%の範囲で適宜変更することができる。
【0062】
本発明の化粧料は、油剤を更に含んでもよい。油剤としては、化粧料一般に使用される動物油、植物油、合成油等が挙げられる。前記油剤は、疎水性であれば、起源を問わず、固形、半固形、液体のいずれでもよく、不揮発性、半揮発性、揮発性のいずれでよい。油剤は、肌や毛髪に潤滑性を付与し、肌を柔軟にし、しっとり感を付与するために用いられる。
【0063】
前記油剤としては、シリコーンオイル類が好ましい。シリコーンオイル類は、油剤である以上疎水性であり、その分子構造は、環状、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。シリコーンオイル類の25℃における粘度は、通常、0.65〜100,000mm/sの範囲であり、0.65〜10,000mm/sの範囲が好ましい。
【0064】
前記シリコーンオイル類としては、具体的には、環状オルガノポリシロキサン;直鎖状オルガノポリシロキサン、分岐状オルガノポリシロキサンが挙げられる。これらの中でも、揮発性の、直鎖状オルガノポリシロキサン、分岐状オルガノポリシロキサン及び環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0065】
前記シリコーンオイル類としては、例えば、下記一般式(3)、(4)、又は、(5):
【化29】

(式中、
9は、水素原子、水酸基、或いは、炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、アルコキシ基及び(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}lSi(CH3)2CH2CH2-(lは0〜1000の整数)で示される基から選択される基であり、
a’は、0〜3の整数であり、
b’は、0〜1000の整数であり、
c’は、0〜1000の整数であり、但し、1≦b’+c’≦2000である)
【化30】

(式中、
9は、上記と同様であり、
dは、0〜8の整数であり、
eは、0〜8の整数であり、但し、3≦d+e≦8である)
【化31】

(式中、
9は、上記と同様であり、
fは1〜4の整数であり、
gは0〜500の整数である)
で表されるオルガノポリシロキサン
を使用することができる。
【0066】
炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、及び、アルコキシ基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等の炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜30のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素原子数6〜30のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素原子数1〜30のアルコキシ基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素又はアミノ基で置換された基が挙げられる。非置換のアルキル基又はアリール基であることが好ましく、非置換の炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、又は、フェニル基が特に好ましい。
【0067】
より具体的には、これらの構造を有するシリコーンオイルとして具体的には、環状オルガノポリシロキサンとしてヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、1,1−ジエチルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、フェニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1、1−ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラシクロヘキシルテトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−カルボキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−ビニロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(p−ビニルフェニル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ[3−(p−ビニルフェニル)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−アクリロイル−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N,N−ビス(ラウロイル)−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン等が例示される。
【0068】
直鎖状オルガノポリシロキサンとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(2cstや6cstなど低粘度〜100万cstなど高粘度のジメチルシリコーン)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサン,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体,トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、フェニル(トリメチルシロキシ)シロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルアルキルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン・メチルアルキルシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジエトキシポリジメチルシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オクチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ドデシルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ヘキサデシルトリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、トリストリメチルシロキシアルキルシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン、テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサン、オクタメチル−1,7−ジヒドロキシテトラシロキサン、ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン等が例示される。
【0069】
分岐状オルガノポリシロキサンとしては、メチルトリストリメチルシロキシシラン、エチルトリストリメチルシロキシシラン、プロピルトリストリメチルシロキシシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン、フェニルトリストリメチルシロキシシラン等が挙げられる。
【0070】
本発明の化粧料に、これらのシリコーンオイルの少なくとも一種を含有せしめると、その経日安定性を改善でき、シリコーンオイル特有のさっぱりとした感触を実現することができる。
【0071】
シリコーンオイル類以外の油剤は5〜100℃で液状であることが好ましい。シリコーンオイル以外の油剤としては、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油が好ましい。これらは単独でもよいが、前記シリコーンオイルとの併用が好ましい。炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油を前記シリコーンオイルと併用することにより、シリコーンオイル特有のさっぱりとした感触に加えて、肌上の水分を保持し、化粧料に肌や毛髪が潤うような保湿感(「しっとりした感触」ともいう)や滑らかな感触を付与することができ、しかも、化粧料の経日安定性を損なわないという利点がある。さらに、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油と前記シリコーンオイルを含有する化粧料は、これらの保湿成分を肌上又は毛髪上により安定かつ均一な状態で塗布することができ、保湿成分の肌上の保湿効果が向上しており、シリコーンオイル以外の油剤(炭化水素油や脂肪酸エステル油)のみを含む化粧料に比して、より滑らかでしっとりした感触を付与するという利点がある。
【0072】
炭化水素油としては、流動パラフィン,軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン,ワセリン,n−パラフィン,イソパラフィン,イソドデカン、イソヘキサデカン、ポリイソブチレン、水素化ポリイソブチレン、ポリブテン,オゾケライト,セレシン,マイクロクリスタリンワックス,パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリピロピレンワックス、スクワラン,スクワレン、プリスタン,ポリイソプレン等が例示される。
【0073】
脂肪酸エステル油としては、オクタン酸ヘキシルデシル、オクタン酸セチル,ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ステアリン酸ブチル,ラウリン酸ヘキシル,ミリスチン酸ミリスチル,オレイン酸オレイル,オレイン酸デシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,乳酸セチル,乳酸ミリスチル,フタル酸ジエチル,フタル酸ジブチル,酢酸ラノリン,モノステアリン酸エチレングリコール,モノステアリン酸プロピレングリコール,ジオイレイン酸プロピレングリコール,モノステアリン酸グリセリル,モノオレイン酸グリセリル,トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル,トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸エチル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジオクチル、ステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチルオクチル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、N − ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/
オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル) 、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイルサルコシンイソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ネオデカン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル−10 、デカ( エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル−8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸) グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム
)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸コレステリル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、アボカド油脂肪酸エチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル等が例示される。
【0074】
上記以外にも、油脂類、高級アルコール、高級脂肪酸、フッ素系油等を油剤として使用してもよく、また、これら2種類以上を併用してもよい。例えば、下記に表される油剤の2種以上を併用してもよい。以下、本発明に用いることができるシリコーンオイル類、炭化水素油、及び、脂肪酸エステル油以外の油剤をより具体的に例示する。
【0075】
油脂としては、天然動植物油脂類及び半合成油脂として、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、オリーブスクワラン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、水添ホホバエステル、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。但し、POE はポリオキシエチレンを意味する。
【0076】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール) 、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0077】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0078】
フッ素系油としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
【0079】
本発明の化粧料は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び、両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含むことができる。
【0080】
以下に具体的に例示すると、アニオン性界面活性剤として、飽和または不飽和脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸ナトリウム,ステアリン酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,リノレン酸ナトリウム等),アルキル硫酸塩,アルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸,トクチルベンゼンスルホン酸,ドデシルベンゼンスルホン酸等)およびその塩,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩,スルホコハク酸アルキルエステル塩,ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩,ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩,アルカンスルホン酸塩,オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,アルキルスルホネート,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩,アルキルリン酸塩,ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩,アシルグルタミン酸塩,α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルまたはアルケニルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体が例示される。塩としてはナトリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、さらにはアンモニウム塩が挙げられる。
【0081】
カチオン性界面活性剤として、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジ(POE)オレイルメチルアンモニウム(2EO)、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルベンザルコニウム,塩化アルキルジメチルベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ラノリン誘導四級アンモニウム塩、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、塩化ステアロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化トール油アルキルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウム、ベンジルアンモニウム塩が例示される。
【0082】
ノニオン性界面活性剤として、ポリオキシアルキレンエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類,ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類,ポリオキシアルキレン脂肪酸ジエステル類,ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル類,ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類,ポリオキシアルキレンアルキルフェノール類,ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類,ポリオキシアルキレンフェニルフェニルエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルエステル類,ポリオキシアルキレンアルキルエステル類,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類,ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類,ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類,ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類,ポリグリセリンアルキルエーテル類,ポリグリセリン脂肪酸エステル類,ショ糖脂肪酸エステル類,脂肪酸アルカノールアミド,アルキルグルコシド類,ポリオキシアルキレン脂肪酸ビスフェニルエーテル類,ポリプロピレングリコール,ジエチレングリコール,ポリオキシアルキレン変性シリコーン,ポリグリセリル変性シリコーン,グリセリル変性シリコーン,糖変性シリコーン,フッ素系界面活性剤,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー,アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテルが例示される。
【0083】
両性界面活性剤としてイミダゾリン型、アミドベタイン型、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、アルキルスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、カルボベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸型、アミドアミノ酸型両性界面活性剤が例示される。具体的には、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルベタインなどのアルキルベタイン型両性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、硬化牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミドベタイン型両性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタインなどのアルキルスルホベタイン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタインなどのアルキルヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシホスホベタインなどのホスホベタイン型両性界面活性剤;N−ラウロイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−オレオイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−ココイル−N’−ヒドロキシエチル−N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンカリウム、N−オレオイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンカリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−オレオイル−N−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチル
エチレンジアミンナトリウム、N−ココイル−N−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N−オレオイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N−ココイル−N−ヒドロキシエチル−N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム、N−オレオイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム、N−ココイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウムなどのアミドアミノ酸型両性界面活性剤が例示される。
【0084】
半極性界面活性剤としては、アルキルアミンオキサイド型界面活性剤、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド、アルキルヒドロキシアミンオキサイドなどが例示され、炭素数10〜18のアルキルジメチルアミンオキサイド、炭素数8〜18のアルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキサイド等が好ましく用いられる。具体的には、ドデシルジメチルアミンオキサイド、ジメチルオクチルアミンオキサイド、ジエチルデシルアミンオキサイド、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキサイド、ジプロピルテトラデシルアミンオキサイド、メチルエチルへキサデシルアミンオキサイド、ドデシルアミドプロピルジメチルアミンオキサイド、セチルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイド、タロウジメチルアミンオキサイド、ジメチル−2−ヒドロキシオクタデシルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、イソステアリルジメチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アルキルジメチルアミンオキシド、カプリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、カプリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、イソステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、12−ヒドロキシステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ヒマシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドエチルジメチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドエチルジメチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アミドエチルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドエチルジエチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドエチルジエチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アミドエチルジエチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオキシド、及びヤシ脂肪酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドが例示される。
【0085】
本発明の化粧料は、上記の成分の他に、各種の化粧料用原料を含むことができる。かかる原料は、室温において、水に対して全く溶解しないか、水100gに対する該成分の溶解度が1重量%未満であるような疎水性のものが好ましい。そのような化粧料原料としては、例えば、粉体、着色剤、水溶性高分子、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、シリコーンガム、シリコーン樹脂、シリコーンエラストマー、有機変性シリコーン、紫外線防御成分等が挙げられる。
【0086】
粉体及び/又は着色剤としては既述したものを使用することができる。粉体及び/又は着色剤は、平均粒子径が1nm〜20μmの範囲にある無機顔料粉体、有機顔料粉体、及び、樹脂粉体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることができる。前記粉体及び/又は前記着色剤の少なくとも一部が本発明の化粧料用粉体表面処理剤以外の表面処理剤によって撥水化処理されていてもよい。撥水処理化の例としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、シリコーンレジン処理、シリコーンガム処理、アクリルシリコーン処理、フッ素化シリコーン処理などのオルガノシロキサン処理、ステアリン酸亜鉛処理などの金属石鹸処理、シランカップリング剤処理、アルキルシラン処理などのシラン処理、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩、パーフルオロポリエーテル処理などのフッ素化合物処理、N-ラウロイル-L-リジン処理などのアミノ酸処理、スクワラン処理などの油剤処理、アクリル酸アルキル処理などのアクリル処理などが挙げられ、これらの1種以上を組み合わせて使用することが可能である。
【0087】
水溶性高分子としては、1種又は2種以上の水溶性高分子を用いることができる。天然の水溶性高分子としては、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子が挙げられる。また、半合成の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子が挙げられる。合成の水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル系高分子、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL 940, 941; BF Goodrich社)等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、ポリエチレングリコール6,000、ポリエチレングリコール4,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、PEG/PPGメチルエーテル等の共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が例示される。その他のカチオン性水溶性高分子としては、特に、毛髪化粧料に好適に配合できる成分として、第4級窒素変性ポリサッカライド(例えば、カチオン変性セルロース、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロース、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ローカストビーンガム、カチオン変性デンプン等)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ポリ塩
化ジメチルメチレンピペリジニウム等)、ビニルピロリドン誘導体(例えば、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体塩、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン・塩化メチルビニルイミダゾリウム共重合体等)が例示できる。
【0088】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α、γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体等が挙げられる。これらは必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0089】
有機変性粘土鉱物としては、例えば、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー、ジメチルアルキルアンモニウムヘクトライト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム処理ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどが挙げられる。これらの市販品としては、ベントン27(ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド処理ヘクトライト: ナショナルレッド社製)、ベントン38(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド処理ヘクトライト: ナショナルレッド社製)等がある。
【0090】
シリコーンガムは、超高重合度の直鎖状ジオルガノポリシロキサンであり、シリコーン生ゴムやオルガノポリシロキサンガムとも称されている。シリコーン生ゴムは、その重合度が高いため、測定可能な程度の可塑度を有する点で、上記の油状シリコーン類と区別される。このようなシリコーン生ゴムとしては、ジアルキルシロキシ単位(D単位)を有する置換又は非置換のオルガノポリシロキサン、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノポリシロキサン、メチルフロロアルキルポリシロキサン等、または、それらの微架橋構造を有したものなどが挙げられ、代表例として、一般式:R10(CHSiO{(CHSiO}s{(CH)R11SiO}tSi(CH10(式中、R11はビニル基、フェニル基、炭素数が6〜20のアルキル基、炭素数3〜15のアミノアルキル基、炭素数3〜15のパーフロロアルキル基、炭素数3〜15の4級アンモニウム塩基含有アルキル基から選択される基であり、末端基R10は、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、ビニル基、炭素数3〜15のアミノアルキル基、水酸基及び炭素数1〜8のアルコキシ基から選択される基である。また、s=2,000〜6,000、t=0〜1,000、s+t=2,000〜6,000)で示されるものがある。中でも、重合度3000〜20000のジメチルポリシロキサン生ゴムが好ましい。
【0091】
シリコーン樹脂は、高度の分岐状構造、網状構造又は籠状構造を有するオルガノポリシロキサンであり、常温で液状又は固形状であり、本発明の目的に反しない限り、通常化粧料に用いられるシリコーン樹脂であればいずれのものでもよい。固形状のシリコーン樹脂には、例えば、トリオルガノシロキシ単位(M単位)(オルガノ基はメチル基のみ、メチル基とビニル基若しくはフェニル基である)、ジオルガノシロキシ単位(D単位)(オルガノ基はメチル基のみ、メチル基とビニル基若しくはフェニル基である)、モノオルガノシロキシ単位(T単位)(オルガノ基はメチル基、ビニル基、又はフェニル基である)及びシロキシ単位(Q単位)の任意の組み合わせからなるMQ樹脂、MDQ樹脂、MTQ樹脂、MDTQ樹脂、TD樹脂、TQ樹脂、TDQ樹脂がある。さらには、トリメチルシロキシケイ酸、ポリアルキルシロキシケイ酸、ジメチルシロキシ単位含有トリメチルシロキシケイ酸、アルキル(パーフルオロアルキル)シロキシケイ酸が例示される。これらのシリコーン樹脂は油溶性であり、D4やD5に溶解しうるものが特に好ましい。
【0092】
シリコーンエラストマーは、その目的に応じて任意の形態で化粧料に配合することが可能であるが、特に、オルガノポリシロキサンエラストマー粉体または架橋性オルガノポリシロキサンとして配合することが好ましい。
【0093】
シリコーンエラストマー粉体は、主として直鎖状ジオルガノポリシロキサンの架橋物であり、球状、扁平状、不定形状等種々の形状を取りうる。形状を持たずに油分散体の形態を持つものでもよい。本発明の化粧料には、粒子形状を有するシリコーンエラストマーであり、電子顕微鏡を用いた観察による一次粒子径及び/又はレーザー回析/散乱法で測定された平均一次粒子径が0.1〜50μmの範囲に入り、かつ一次粒子の形状が球状のシリコーンエラストマー粉末が好ましい。シリコーンエラストマー粉末を構成するシリコーンエラストマーは、JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」のタイプAデュロメータによる硬さが80以下が好ましく、65以下がより好ましい。オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体はシリコーンレジンやシリカなどによる表面処理がされていてもいなくても構わない。例えば、特開平2−243612号公報、特開平8−12545号公報、特開平8−12546号公報、特開平8−12524号公報、特開平9−241511号公報、特開平10−36219号公報、特開平11−193331号公報、特開2000−281523号公報等に記載されているものが挙げられる。「化粧料種別配合成分規格」収載の架橋型シリコーン末が該当する。オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体の市販品としては、例えば東レ・ダウコーニング社製のトレフィルE−506S,トレフィルE−508,9701 Cosmetic Powder,9702 Powderなどが挙げられる。これらのシリコーンエラストマー粉末は表面処理がされていてもよく、表面処理剤の例としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、シリコーンレジン、金属石鹸、シランカップリング剤、シリカ、酸化チタン等の無機酸化物、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩等のフッ素化合物が挙げられる。
【0094】
また、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体は水分散液の形態としても、本発明の化粧料で使用することができる。このような水分散液の市販品としては、例えば東レ・ダウコーニング社製のBY 29−129,PF−2001 PIF Emulsionなどが挙げられる。これらのシリコーンエラストマー粉末の水系分散体(=サスペンジョン)を配合することにより、本発明の化粧料の使用感をさらに改善することができる点で極めて有用である。
【0095】
架橋性オルガノポリシロキサンとしては、オルガノポリシロキサン鎖が架橋性成分等との反応により3次元架橋した構造のものであってポリオキシアルキレン単位などの親水部を有しない、非乳化性のものが好ましい。このような架橋性オルガノポリシロキサンであれば、希釈・性状などの物理的形態や製法等によらず制限なく使用できるが、特に好ましいものとしては米国特許第5654362号中に記載されているα,ω−ジエン架橋シリコーンエラストマー(市販品としては、DC 9040 Silicone Elastomer Blend, DC 9041 Silicone Elastomer Blend, DC 9045 Silicone Elastomer Blend, DC 9046 Silicone Elastomer Blend、米国ダウコーニング社製)が例示される。
【0096】
有機変性シリコーンは、親油性であるものが好ましい。具体的には、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、アミドアルキル変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーンを挙げることができる。該有機変性シリコーン類は、主鎖としてポリシロキサン結合の他に、アルキレン鎖、アミノアルキレン鎖又は化合物が親水性を有さない程度のポリエーテル鎖を有するものであってもよく、有機変性基は、ポリシロキサン鎖の側鎖又は末端の一方又は両方に有するものであってよい。本発明の化粧料を毛髪化粧料として使用する場合、アミノ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン又はアミノグリコール変性シリコーンを好適に用いることができ、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピル基等を有するアミノ変性シリコーンが一般的なものとして例示できる。
【0097】
紫外線防御成分には、無機系の紫外線防御成分と有機系の紫外線防御成分がある。本発明の化粧料が日焼け止め化粧料であれば、少なくとも1種の無機系又は有機系、特に有機系の紫外線防御成分を含有することが好ましい。
【0098】
無機系の紫外線防御成分は、前記の無機系の顔料粉体、金属粉末顔料等を紫外線分散剤として配合するものであっても良く、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、低次酸化チタン、鉄ドープ酸化チタン等の金属酸化物、水酸化鉄等の金属水酸化物、板状酸化鉄、アルミニウムフレーク等の金属フレーク類、炭化珪素等のセラミック類が挙げられる。このうち、平均粒子径が1〜100nmの範囲にある、粒状、板状、針状又は繊維状の微粒子金属酸化物及び微粒子金属水酸化物から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。これらの粉末は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理が好ましい)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理が好ましい)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理が好ましい)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖等を付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、シラン処理(アルキルシランやアルキルシラザン処理が好ましい)、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理(ステアリン酸やミリスチン酸塩が好ましい)、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理等がされていることが好ましく、これらの処理の複数で処理されていることが好ましい。例えば、微粒子酸化チタン表面を酸化ケイ素やアルミナ等の金属酸化物で被覆した後、アルキルシランで表面処理すること等が挙げられる。表面処理量は、粉体に対して総計で0.1〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
【0099】
有機系の紫外線防御成分は親油性の紫外線防御成分であり、有機系の紫外線防御成分は親油性の紫外線防御成分であり、例えば、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す),PABAモノグリセリンエステル,N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル,N,N−ジエトキシPABAエチルエステル,N,N−ジメチルPABAエチルエステル,N,N−ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート,メンチルサリシレート,ホモメンチルサリシレート,オクチルサリシレート,フェニルサリシレート,ベンジルサリシレート,p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート,エチル−4−イソプロピルシンナメート,メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート,エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート,メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート,プロピル−p−メトキシシンナメート,イソプロピル−p−メトキシシンナメート,イソアミル−p−メトキシシンナメート,オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート),2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート,シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート,エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート,2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート,グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート,3,4,5−トリメトキシ桂皮酸3−メチル−4−[メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル]ブチル等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン,2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン,2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン,2-ヒドロキシ−4メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩,4−フェニルベンゾフェノン,2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート,ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン,4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)-d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が例示される。
【0100】
また、前記の有機系紫外線防御成分を疎水性のポリマー粉末中に含有したものを用いることも可能である。ポリマー粉末は中空であってもなくてもよく、平均一次粒子径は0.1〜50μmの範囲にあればよく、粒度分布はブロードであってもシャープであっても構わない。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂、シリル化ポリペプチド樹脂が例示される。有機系紫外線防御成分を0.1〜30重量%の範囲で含有するポリマー粉末が好ましく、特にUV−A吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを含有するポリマー粉末が好ましい。
【0101】
本発明の化粧料において、好適に使用できる紫外線防御成分は、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、及び、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらの紫外線防御成分は、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いため好適に使用することができる。特に、無機系と有機系の紫外線防御成分を併用することが好ましく、UV−Aに対応した紫外線防御成分とUV−Bに対応した紫外線防御成分を併用することがさらに好ましい。
【0102】
本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用されるその他の成分:アルコール類、有機樹脂、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等を添加することができる。これらは特に限定されるものではない。
【0103】
アルコール類としては、1種又は2種以上の多価アルコール及び/又は低級一価アルコールを用いることができる。低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、t−ブタノール、s−ブタノール等が例示され、多価アルコールとしては、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ジブチレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、キシリトール等の4価以上の多価アルコール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、マルトトリオース、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解物、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等の糖アルコールが挙げられる。さらに、これら低分子多価アルコールのほかに、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体等が例示される。中でも、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールが特に好ましい。配合量は、化粧料全体の0.1〜50重量%の範囲が好適である。
【0104】
有機樹脂としては、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アルキルコポリマー等が挙げられる。
【0105】
保湿剤としては、例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。なお、前記した多価アルコール類等が肌上あるいは毛髪上への保湿機能を発揮することは言うまでもない。
【0106】
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素等が挙げられるが、口紅の場合は配合しないことが好ましい。
【0107】
香料としては、種々の植物の花、種子、葉、根等から抽出した香料、海藻類から抽出した香料、動物の各部位又は分泌物から抽出した香料(例、じゃこう、マッコウ)、人工的に合成した香料(例、メントール、ムスク、酢酸エステル、バニラ)が例示される。香料は、化粧料に香気、香りを付与するため、或いは不快臭をマスクするために配合される。
【0108】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等が挙げられる。
【0109】
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0110】
キレート剤としては、例えば、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。
【0111】
清涼剤としては、l−メントール、カンフル等が挙げられる。
【0112】
抗炎症剤としては、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0113】
美肌用成分としては、例えば、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0114】
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェノール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類等が挙げられる。
【0115】
アミノ酸類としては、グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。
【0116】
核酸としては、デオキシリボ核酸等が挙げられる。
【0117】
ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0118】
本発明の化粧料には、その目的に応じて天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分を配合することができる。これらの成分を2種以上配合してもよい。
【0119】
具体的な成分としては、例えばアシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。親油性のものが特に好ましい。
【0120】
本発明の化粧料には、その目的に応じて、例えば、精製水、ミネラルウォーター等の水以外に、軽質イソパラフィン、エーテル類、LPG、N−メチルピロリドン、次世代フロン等の溶媒を配合してもよい。
【0121】
また、本発明の化粧料には、本発明品の共重合体に加えて、アクリルシリコーンデンドリマーコポリマー、ポリアミド変性シリコーン、アルキル変性シリコーンワックス、アルキル変性シリコーンレジンワックスからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
【0122】
アクリルシリコーンデンドリマーコポリマーとしては、例えば、特許第4009382号公報(特開2000−063225号公報)中に記載されている、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体が、特に好ましく例示される。市販品としては、東レ・ダウコーニング社製のFA 4001 CM Silicone Acrylate, FA 4002 ID Silicone Acrylateなどが挙げられる。
【0123】
ポリアミド変性シリコーンとしては、例えば、米国特許5981680号中に記載されているシロキサンベースのポリアミドが例示され、市販品としては2−8178 Gellant, 2−8179 Gellantなど(米国ダウコーニング社製)が挙げられる。
【0124】
アルキル変性シリコーンワックスとしては、室温でワックス状のアルキル変性シリコーンであればよく、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル長鎖アルキルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン・メチル長鎖アルキルシロキサン共重合体,分子鎖両末端長鎖アルキル変性ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。これらの市販品としては、AMS−C30 Cosmetic Wax, 2503 Cosmetic Waxなど(米国ダウコーニング社製)が挙げられる。
【0125】
アルキル変性シリコーンレジンワックスとしては、例えば、特表2007−532754号公報に記載されているシルセスキオキサン樹脂ワックスが好ましく挙げられる。
【0126】
本発明の化粧料は、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状のいずれの形態をもとることができる。本発明の化粧料は、例えば、日焼け止め等の紫外線防御製品;化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、マッサージ料、洗浄剤等のスキンケア製品、ファンデーション、メークアップ下地、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、口紅等のメークアップ製品、シャンプー、リンス、トリートメント等の毛髪製品;制汗剤製品;脱臭剤製品等が挙げられる。
【実施例】
【0127】
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に例証するが、本発明は実施例に限定されるものではない。以下、単に「%」及び「部」とあるのは、それぞれ、重量%及び重量部を意味する。
【0128】
[合成例1]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、トルエンを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、100℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート36g、n−ブチルアクリレート14g、下記式(A):
【化32】

で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー40g、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 10g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を100℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体にトルエンを加え、固形分が40%になるように調整した。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は30000であった。
【0129】
[合成例2]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、トルエンを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、100℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート31g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー40g、2−エチルヘキシルアクリレート 24g、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 5g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を100℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体にトルエンを加え、固形分が40%になるように調整した。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は26000であった。
【0130】
[合成例3]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、トルエンを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、100℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート 20g、ステアリルメタクリレート 30g、n−ブチルアクリレート5g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー40g、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 5g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を100℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体にトルエンを加え、固形分が40%になるように調整した。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は26000であった。
【0131】
[合成例4]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、トルエンを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、100℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート 15g、トリフルオロエチルメタクリレート 30g、n−ブチルアクリレート10g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー40g、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 5g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を100℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体にトルエンを加え、固形分が40%になるように調整した。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は22000であった。
【0132】
[合成例5]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、トルエンを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、100℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート 38g、n−ブチルアクリレート12g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー40g、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 10g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を100℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体にトルエンを加え、固形分が40%になるように調整した。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は35000であった。
【0133】
[合成例6]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、トルエンを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、100℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート 31g、n−ブチルアクリレート9g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー50g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 10g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を100℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体にトルエンを加え、固形分が40%になるように調整した。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は20000であった。
【0134】
[合成例7]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、トルエンを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、100℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート 50g、n−ブチルアクリレート10g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー40g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を100℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体にトルエンを加え、固形分が40%になるように調整した。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は45000であった。
【0135】
[合成例8]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、トルエンを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、100℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート 27g、n−ブチルアクリレート8g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー45g、ステアリルメタクリレート 20g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を100℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体にトルエンを加え、固形分が40%になるように調整した。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は19000であった。
【0136】
[比較合成例1]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた500ミリリットル4つ口フラスコに、トルエンを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、100℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート 41g、n−ブチルアクリレート 14g、下記式:
【化33】

で示されるメタクリル変性シリコーン(25量体)40g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を80℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は98%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体にトルエンを加え、固形分が40%になるように調整した。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は42000であった。
【0137】
[実施例1〜8及び比較例1〜2]
あらかじめ粉砕機で予備粉砕した未処理酸化チタン(石原産業製、CR-50)25gに合成例1で製造した40%の表面処理剤溶液1.25gとトルエン5gを混合した溶液を加え、攪拌した。攪拌後、150℃のオーブンでトルエンを乾燥除去し、焼付け処理を行った。その後、粉砕機で粉砕して、2%のカルボシロキサンデンドリマーで処理された実施例1の処理粉体を得た。同様にして、合成例2〜8及び、比較合成例1を用いて実施例2〜8及び比較例1の(2%)表面処理粉体を得た。一方、比較例2として、同種類の未処理酸化チタンを2%のメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理して表面処理粉体を得た。
【0138】
[評価1]
実施例1〜8及び比較例1〜2の表面処理粉体について、耐水性、経日安定性、及び、水素発生性の各特性について以下のように評価を行った。結果を表1に示す。
【0139】
[耐水性]
表面処理粉体の一定量をプレスして、その表面に水滴を載せて、当該水滴の接触角を接触角計で測定した。測定装置は、自動接触角計(協和界面化学株式会社製)を用いた。
【0140】
[経日安定性]
ガラス瓶内にエタノール10g及びイオン交換水40gの混合物を導入し、表面処理粉体0.5gを加え、50℃オーブンに放置し、表面処理粉体が沈降するかどうか目視で判断した。50℃一ヶ月以上全く沈降しないものを◎、50℃一ヶ月で部分的に沈降するものを○、完全に沈降するものを△とした。
【0141】
[水素発生性]
デカメチルペンタシクロシロキサン(D5)液中に分散した表面処理粉体に水酸化カリウム/水/エタノール溶液を加え、水素が発生するかどうか確認した。発生しないものを◎、発生するものを×とした。
【0142】

【表1】

【0143】
表1に示すように、実施例1〜8の表面処理粉体は、比較例1〜2の表面処理粉体に比べて耐水性が高く、経日安定性に優れ、且つ、経日で水素も発生せず、化粧料用原料として非常に優れることが確認された。
【0144】
[評価2]
微粒子未処理酸化チタン(テイカ製、MT-500B)40gに合成例3及び6、並びに、比較合成例1で製造した40%の表面処理剤溶液2gとトルエン30gを混合した溶液を加え、攪拌した。攪拌後、150℃のオーブンでトルエンを乾燥除去し、焼付け処理を行った。その後、デカメチルペンタシクロシロキサン(D5)37g、乾燥した粉体30g、ジルコニアビーズ300g、ポリエーテル変性シリコーン7.1g(東レ・ダウコーニング製、SS2910)をペイントシェーカーで2時間、粉砕分散させて、アクリルデンドリマーで2%処理した酸化チタンスラリーを得た。また、比較例2として、同種類の未処理酸化チタンをメチルハイドロジェンポリシロキサン2%で表面処理粉体を用い、同組成で酸化チタンスラリーを作成した。
【0145】
得られた各酸化チタンスラリーのレオロジー測定を以下の装置及び条件で行った。結果を図1に示す。

測定装置: TAインスツルメンツ社製 コーンプレート型粘度計 AR1000−N
測定条件: 40 mm 1° スチール製ジオメトリー、せん断速度 0.01〜1000s−1 25℃
【0146】
図1に示すように、合成例3及び6の表面処理剤を用いると、分散条件が同じであっても比較合成例1の表面処理剤を使用した場合並びに比較例2の場合に比べてスラリーの粘度が下がり、感触に優れるスラリーを与えることが確認された。
【0147】
[評価3]
先に示した実施例1及び7の処理粉体を用い、処理効率を評価した。実施例1及び7の酸化チタンを過剰量のトルエンで1時間攪拌洗浄、その後遠心分離させて上澄みのトルエン及び未反応粉体処理剤を抽出した。この作業を3回繰り返し、トルエンを乾燥した後の処理粉体の水の接触角を測定した。結果を表2に示す。
【表2】

【0148】
本実験より、粉体処理剤にアルコキシリル基を含有していることが、撥水性を持続するために効果的であることが明らかになった。
【0149】
以下、本発明の化粧料の処方例及び製造例を具体的に示す。
【0150】
処方例1:水中油型化粧料

(成分)
1)ステアリン酸 2.5部
2)ステアリン酸グリセリル 1.9部
3)セトステアリルアルコール 0.4部
4)ベヘニルアルコール 0.1部
5)流動パラフィン 9.9部
6)プロピレングリコール 9部
7)キサンタンガム 0.5部
8)セルロースガム 0.5部
9)ヘクトライト 0.5部
10)トリエタノールアミン 1.2部
11)メチルパラベン 0.1部
12)精製水 63.3部
13)合成例1処理酸化チタン 8.6部
14)合成例1処理黄酸化鉄 1部
15)合成例1処理赤色酸化鉄 0.3部
16)合成例1処理黒酸化鉄 0.2部
【0151】
1.成分1〜5を加熱溶解する。
2.工程1で得られた油相に成分13〜16を加えて、ホモミキサーで均一に分散する。
3.成分6〜12を均一に加熱混合する。
4.工程3で得られた水相を工程2で得られた油相に加え、ホモミキサーで混合乳化する。
【0152】
処方例2:パウダーファンデーション

(成分)
1)合成例6処理タルク 32部
2)マイカ 27部
3)アルキルシラン処理酸化亜鉛 2部
4)シリコーン処理酸化チタン 10部
5)シリコーン処理黄酸化鉄 2.5部
6)シリコーン処理赤酸化鉄 1部
7)シリコーン処理黒酸化鉄 0.3部
8)硫酸バリウム 5部
9)ポリメタクリル酸メチル 1部
10)ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー/シリカ(注1) 1部
11)シクロペンタシロキサン、ジメチコンクロスポリマー(注2) 8部
12)メトキシ桂皮酸エチルヘキシル 1部
13)スクワラン 2.5部
14)フェニルメチルシリコーン 2部
15)リンゴ酸ジイソステアリル 3部
16)ポリエーテル変性シリコーン(注3) 1.5部
17)パラベン 0.2部

注1:東レ・ダウコーニング社製、DC9701を使用した。
注2:ダウコーニング社製、DC9045を使用した。
注3:東レ・ダウコーニング社製、SS-2910を使用した。
【0153】
1.成分10〜17を混合溶解する。
2.成分1〜9を混合する。
3.工程1で得られた混合物に工程2で得られた混合物を加え、混合混練し、粉砕する。
4.工程3で得られた粉砕物を金型にプレス成型し、固形粉末状ファンデーションを得る。
【0154】
処方例3:リキッドファンデーション

(成分)
相A
1)パルミチン酸デキストリン 2.1部
2)トリカプリルグリセリル トリカプリン酸グリセリル 5部
3)PEG/PPG-18/18 ジメチコン(注1) 10部
4)PEG-12 ジメチコン(注2) 1.9部

相B
5)シクロペンタシロキサン 8部
6)ジメチコン(2cs) 5部
7)フェニルトリメチコン 5部
8)トリストリメチルシロキシシシラン 2部
9)合成例2処理酸化鉄(2%処理) 3.5部
10)合成例2処理マイカ(2%処理) 3.5部
11)シクロペンタシロキサン/(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー(注3) 3部
12)シクロペンタシロキサン、ジメチコンクロスポリマー(注4) 2部

相C
13)精製水 48部
14)塩化ナトリウム 1部

注1:ダウコーニング社製、DC5225Cを使用した。
注2:ダウコーニング社製、DC193Cを使用した。
注3:東レ・ダウコーニング社製、FA4001CM Silicone Acrylateを使用した。
注4:ダウコーニング社製、DC9040を使用した。
【0155】
1.成分1〜4を80〜90℃で混合し、完全に溶解させ、溶解後50℃に冷却する。
2.成分5〜12を混合する。
3.工程1で得られた相Aと工程2で得られた相Bを混合する。
4.工程3で得られた混合物に成分13及び14を30秒かけて投入し、攪拌する。
5.投入後3分、3分、及び、4分攪拌する。
【0156】
処方例4:サンスクリーン(W/O)2層シェーキングタイプ

(成分)
1)メトキシ桂皮酸オクチル 8部
2)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2部
3)合成例2で作成したスラリー 1部
4)合成例6で処理した酸化亜鉛スラリー 32部
5)シクロペンタシロキサン 20.2部
6)シクロペンタシロキサン、ジメチコンクロスポリマー(注1) 3部
7)トリメチルシロキシケイ酸(注2) 3.3部
8)防腐剤 0.9部
9)エタノール 5部
10)1,3ブチレングリコール 3部
11)水 21.6部

注1:ダウコーニング社製DC9045を使用した。
注2:東レ・ダウコーニング社製BY11-018を使用した。
【0157】
1.成分1〜9を混合する。
2.成分10及び11を混合する。
3.工程1に工程2を加え乳化する。
【0158】
処方例5:サンスクリーン(W/O)クリーム状

(成分)
相A
1) メトキシ桂皮酸オクチル 6.0部
2) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1.5部
3)シクロペンタシロキサン 5部
4)シクロペンタシロキサン/(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー(注1) 3部
5)ジメチコン(6cs) 1部
6)トリオクタノイン 1部
7)シクロペンタシロキサン、ジメチコンクロスポリマー(注2) 3部
8)ポリシリコーン13(注3) 2部
9)酸化亜鉛、シクロペンタシロキサン(スラリー濃度 50%) 10部
10)実施例2で作成した酸化チタンスラリー 2部

相B
11)塩化ナトリウム 1部
12)パンテノール 0.5部
13)精製水 61.95部
14)グリセリン 2部
15)防腐剤 0.05部

注1:東レ・ダウコーニング社製、FA4001CM Silicone Acrylateを使用した。
注2:ダウコーニング社製DC9040を使用した。
注3:東レ・ダウコーニング社製、FZ-2233を使用した。
【0159】
1.成分1〜10をデイスパーで攪拌する。
2.成分11〜15を混合する。
3.工程1に工程2を加え、乳化する。
【0160】
処方例6:口紅

(成分)
1)セレシンワックス 10部
2)パラフィンワックス 8部
3)キャンデリラワックス 2部
4)スクワラン 21.8部
5)液状ラノリン 10部
6)イソノナン酸イソデシル 13部
7)ネオペンタン酸イソデシル 12部
8)トリ(カプリル/カプリン)酸グリセリル 5部
9)ポリエーテル変性シリコーン(注1) 9部
10)合成例8処理酸化チタン(5%) 2部
11)合成例8処理赤色201号(2%) 2部
12)合成例8処理赤色202号(2%) 1部
13)アルミニウムレーキ 3部
14)抗酸化剤 0.1部
15)香料 0.1部

注1:東レ・ダウコーニング社製、SH3775Mを使用した。
【0161】
全ての成分を加熱混合して、型に流し込む。その後冷却させる。
【0162】
処方例7:リキッドファンデーション(O/W)

(成分)
相A
1)ステアリン酸 3部
2)ステアリン酸グリセリル/PEG-100 ステアリル 2部
3)オクタン酸セチル 3部
4)スクワラン 3.4部
5)ジメチコン(6cs) 2.3部
6)トリメチルシロキシケイ酸(注1)6.7部

相B
7)1,3−ブチレングリコール 8部
8)合成例1処理酸化チタン 9.5部
9)合成例1処理赤色酸化鉄 0.35部
10)合成例1処理黒色酸化鉄 0.1部
11)合成例1処理黄色酸化鉄 1.5部
12)タルク 1部
13)防腐剤 0.3部

相C
14)精製水 57.95部

相D
15)トリエタノールアミン 0.9部

注1:東レ・ダウコーニング社製BY11-018を使用した。
【0163】
1.成分7〜13を混合する。
2.成分1〜6を80〜90℃で混合し、完全に溶解させ、溶解後50℃に冷却する。
3.成分14を85℃に加熱する。
4.工程2で得られた相Aに工程1で得られた相Bを30秒かけて加え、3000rpmで攪拌する。
5.回転数を1000rpmに落とし、工程3で得られた相Cを添加する。
6.5分間攪拌する。
7.成分15を加え、pH6〜6.5に調整する。
【0164】
処方例8:パウダーファンデーション

(成分)
1)ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー/ラウロイルリシン(注1) 1部
2)アルキルシラン処理酸化チタン 9部
3)アルキルシラン処理微粒子酸化亜鉛 5部
4)アルキルシラン処理微粒子酸化チタン 5部
5)ベンガラ 0.2部
6)黄色酸化鉄 1.4部
7)黒色酸化鉄 0.3部
8)板状硫酸バリウム(平均粒子径30μm) 7.5部
9)パラベン 0.2部
10)タルク 残量
11)合成例2処理セリサイト 3部
12)ナイロンパウダー 7.5部
13)フェニルメチルシリコーン 5部
14)C30-45アルキルジメチルシリルポリプロピルシルセスキオキサン(注2) 2部
15)メトキシ桂皮酸エチルヘキシル 1部
16)リンゴ酸ジイソステアリル 3部
17)ジメリルポリシロキサン(350cSt) 2部
18)グリセリン 0.2部
19)香料 適量

注1:東レ・ダウコーニング社製、EP-9289LLを使用した。
注2:ダウコーニング社製、SW-8005 C30 Resin Waxを使用した。
【0165】
1.成分11〜19を混合溶解する。
2.成分1〜10を混合する。
3.工程1で得られた混合物に工程2で得られた混合物を加え、混合混練し、粉砕する。
4.工程3で得られた混合物を金型にプレス成型し、固形粉末状ファンデーションを得る。
【0166】
処方例9:口紅

(成分)
相A
1)アルキル変性シリコーン(注1) 2部
2)マイクロクリスタリンワックス 1部
3)赤色酸化鉄 (69% in DC 5562 Carbinol Fluid) 1部
4)赤色7号 (42% in DC 5562 Carbinol Fluid) 10部
5)黄色酸化鉄(55% in DC 5562 Carbinol Fluid) 1部
6)リンゴ酸ジエステル 1部
7)ラウリルPEG/PPG-18/18 ジメチコン(注2) 4.2部

相B
8)有機ベントナイト(ベントン38) 2部

相C
9)ジメチコン(2cs) 18.5部
10)シクロペンタシロキサン/(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー(注3)20部
11)トリメチルシロキシケイ酸(注4) 3部
12)高重合度ジメチコン(注5) 2部
13)シリル化シリカ 1部
14)合成例3処理マイカ 9部

相D
15)カルボマー(2%aq) 20部
16)防腐剤 適量
17)精製水 4.8部

相G
18)香料 適量

注1:ダウコーニング社製、AMS-C30 COSMETIC WAXを使用した。
注2:ダウコーニング社製、DC5200Formulation Aidを使用した。
注3:東レ・ダウコーニング社製、FA4001CM Silicone Acrylateを使用した。
注4:東レ・ダウコーニング社製BY11-018を使用した。
注5:東レ・ダウコーニング社製BY11-040を使用した。
【0167】
1.成分1〜7を80℃で混合する。
2.成分8を工程1で得られた混合物に添加し、混合する。
3.成分9〜14を70℃で混合する。
4.工程2及び3でそれぞれ得られた混合物混合する。
5.成分15〜17を混合し、工程4へ添加し、乳化する。
6.成分18を添加する。
【0168】
処方例10:透明リップグロス

(成分)
1)ポリアミド変性シリコーン(2-8178) 16.5部
2)デカメチルペンタシクロシロキサン 33部
3)イソドデカン/(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー 3部
4)ミリスチン酸イソプロピル 20部
5)トリカプリル/トリカプリン酸グリセリル 21.8部
6)トリメチルペンタフェニルトリシロキサン 5.5部
7)合成例4処理酸化チタン 0.2部
【0169】
1.全ての成分を100℃で混合する。
2.金型に注ぎ込む
3.1時間放置する。
【0170】
処方例11:マスカラ

(成分)
相A
1)キャンデリラロウ 10部
2)マイクロクリスタリンワックス 7部
3)カルナバワックス 3部
4)ステアリン酸 5部
5)ステアリン酸グリセリル 5部

相B
6)水 35.5部
7)プロピレングリコール 5部
8)トリエタノールアミン 1.5部

相C
9)合成例5処理黒色酸化鉄 10部
10)ポリプロピルシルセスキオキサン(注1) 10部
11)イソドデカン 8部

注1:ダウコーニング社製、DC670Fluidを使用した。
【0171】
1. 成分1〜5を85℃に加熱して、混合する。
2. 成分9〜11を加熱して混合する。
3. 工程1、2で得られた混合物を混合する
4. 成分6〜8を混合し、80℃に加熱する。
5. 工程3で得られた混合物を1000rpmで攪拌しながら、工程1で得られた混合物を30秒かけて添加する。
6. 成分9を工程3で得られた混合物に添加し、2分間攪拌を継続し、冷却する。
【0172】
処方例12:アイシャドウ

(成分)
相A
1)タルク 39.4部
2)ステアリン酸亜鉛 5部
3)合成例6処理マイカ 10部
4)酸化鉄 30部
5)黒色酸化鉄 0.5部
6)赤色酸化鉄 1部
7)黄色酸化鉄 2部
8)ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー 3部
9)ポリアミド変性シリコーン(注1) 1部

相B
10)トリカプリル/トリカプリン酸グリセリル 4部
11)ビスヒドロキシエトキシプロピルジメチコン(注2) 4部
12)防腐剤 適量

注1:ダウコーニング社製、DC2-8178を使用した。
注2:ダウコーニング社製、DC-5562を使用した。
【0173】
1.成分1〜9を均一な色になるまで混合する。
2.成分10〜12を混合する。
3.工程2で得られた相Bを工程1で得られた相Aに攪拌しながら、添加する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1):
【化1】

{式中、
Zは、2価の有機基であり、
pは、0又は1であり、
1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
1は、i=1とした場合の下記式(2)で示されるシリルアルキル基
【化2】

(式中、
Z及びpは、前記と同じであり、
1及びR2は、前記と同じであり、
iは、前記シリルアルキル基の総階層数を示す1〜10の整数であり、
i+1は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基及び前記シリルアルキル基からなる群から選択される基であり、但し、i=c(cは前記シリルアルキル基の階層を示す1〜10の整数である)の場合は、Li+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、i<cの場合は前記シリルアルキル基であり、
aiは0〜3の整数である)である}で示されるカルボシロキサンデンドリマー構造を有する重合体を含む化粧料用粉体表面処理剤。
【請求項2】
前記重合体が、少なくとも、(A)下記式(1):
【化3】

{式中、
Zは、2価の有機基であり、
pは、0又は1であり、
1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
1は、i=1とした場合の下記式(2)で示されるシリルアルキル基
【化4】

(式中、
Z及びpは、前記と同じであり、
1及びR2は、前記と同じであり、
iは、前記シリルアルキル基の総階層数を示す1〜10の整数であり、
i+1は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基及び前記シリルアルキル基からなる群から選択される基であり、但し、i=c(cは前記シリルアルキル基の階層を示す1〜10の整数である)の場合は、Li+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、i<cの場合は前記シリルアルキル基であり、
aiは0〜3の整数である)である}で示されるカルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、及び
(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体
の共重合体である、請求項1記載の化粧料用粉体表面処理剤。
【請求項3】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体が、一般式:
【化5】

(式中、R4は水素原子若しくはメチル基であり、R5は炭素原子数1〜10のアルキレン基である。)、若しくは、
【化6】

(式中、R4及びR5は前記と同じである。)で示されるアクリル基若しくはメタクリル基含有有機基、一般式:
【化7】

(式中、R6は水素原子若しくはメチル基であり、R7は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R8は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、bは0〜4の整数であり、cは0又は1である。)で示されるアルケニルアリール基含有有機基、及び、炭素原子数2〜10のアルケニル基からなる群から選択される基を有する、請求項2記載の化粧料用粉体表面処理剤。
【請求項4】
前記重合体が、更に、(C)ケイ素原子結合アルコキシ基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体を共重合して得られる、請求項2又は3に記載の化粧料用粉体表面処理剤。
【請求項5】
前記(C)ケイ素原子結合アルコキシ基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体がC1−6低級アルキル基を有する、請求項4記載の化粧料用粉体表面処理剤。
【請求項6】
前記共重合体が
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、
前記(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体 および
前記(C)ケイ素原子結合アルコキシ基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体を
{(A)成分の重量/全単量体の重量}:{(B)成分の重量/全単量体の重量}:{(C)成分の重量/全単量体の重量}が、[0.02〜0.7:0.05〜0.45:0.01〜0.75]の条件を満たす重量比で共重合して得られる、請求項4又は5記載の化粧料用粉体表面処理剤。
【請求項7】
前記共重合体が
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、
前記(B)ケイ素原子結合アルコキシ基を有する不飽和単量体 および
前記(C)ケイ素原子結合アルコキシ基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体を
{(A)成分の重量/全単量体の重量}:{(B)成分の重量/全単量体の重量}:{(C)成分の重量/全単量体の重量}が、[0.02〜0.7:0.05〜0.45:0.01〜0.75]の範囲であり、かつ{(A)成分の重量/全単量体の重量}≧{(B)成分の重量/全単量体の重量}の条件を満たす重量比で共重合して得られる、請求項4乃至6のいずれかに記載の化粧料用粉体表面処理剤。
【請求項8】
請求項1乃至7記載の化粧料用粉体表面処理剤によって表面処理された化粧料用粉体。
【請求項9】
請求項8記載の粉体を含む化粧料。
【請求項10】
油剤を更に含む請求項9記載の化粧料。
【請求項11】
前記油剤がシリコーンオイルである、請求項10記載の化粧料。
【請求項12】
前記シリコーンオイルが25℃における粘度が0.65〜100,000mm/sの疎水性シリコーンオイルである、請求項11記載の化粧料。
【請求項13】
前記シリコーンオイルが、下記一般式(3)、(4)、又は、(5):
【化8】

(式中、
9は、水素原子、水酸基、或いは、炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、アルコキシ基及び(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}lSi(CH3)2CH2CH2-(lは0〜1000の整数)で示される基から選択される基であり、
a’は、0〜3の整数であり、
b’は、0〜1000の整数であり、
c’は、0〜1000の整数であり、但し、1≦b’+c’≦2000である)
【化9】

(式中、
9は、上記と同様であり、
dは、0〜8の整数であり、
eは、0〜8の整数であり、但し、3≦d+e≦8である)
【化10】

(式中、
9は、上記と同様であり、
fは1〜4の整数であり、
gは0〜500の整数である)
で表されるオルガノポリシロキサンである、請求項11又は12記載の化粧料。
【請求項14】
アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び、半極性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含む請求項9乃至13のいずれかに記載の化粧料。
【請求項15】
前記粉体及び/又は着色剤を更に含む、請求項9乃至14のいずれかに記載の化粧料。
【請求項16】
前記粉体が、平均粒子径が1nm〜20μmの範囲にある無機顔料粉体、有機顔料粉体、及び、樹脂粉体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項15記載の化粧料。
【請求項17】
前記粉体及び/又は前記着色剤の少なくとも一部が請求項1乃至7記載の化粧料用粉体表面処理剤以外の表面処理剤によって撥水化処理されている請求項15又は16記載の化粧料。
【請求項18】
水溶性高分子、油溶性ゲル化剤、及び、有機変性粘土鉱物からなる群から選択される少なくとも1種を更に含む請求項9乃至17のいずれかに記載の化粧料。
【請求項19】
シリコーン樹脂、シリコーンエラストマー、及び、有機変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種を更に含む請求項9乃至18のいずれかに記載の化粧料。
【請求項20】
紫外線防御成分を更に含む請求項9乃至19のいずれかに記載の化粧料。
【請求項21】
請求項9乃至20のいずれかに記載の化粧料を含む、スキンケア製品、毛髪製品、制汗剤製品、脱臭剤製品、メイクアップ製品、又は、紫外線防御製品。

【図1】
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【公開番号】特開2011−148784(P2011−148784A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286546(P2010−286546)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】