説明

化粧料組成物

【課題】保湿効果に優れ、しわを目立たなくする効果に優れた化粧料の提供。
【解決手段】次の成分(A)及び(B)を組み合わせたものを配合することを特徴とする化粧料組成物。(A)セラミド類(B)パルミトイルオリゴペプチド 成分(A)のセラミド類が、セラミド2からなる化粧料組成物。成分(B)のパルミトイルオリゴペプチドが、パルミトイル化したバリン−グリシン−バリン−アラニン−プロリン−グリシンからなる化粧料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関し、詳しくは保湿性に優れ、また、しわを目立ちにくく改善する効果を与えるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミド類は公知の物質であり、保湿効果に優れていることが知られている。香粧品で使用されるセラミド類はほ乳類の牛、馬、豚等の脳組織などの生体内より抽出される。しかしながら、牛には海綿状脳疾患があるなど、動物由来のセラミド類を使用することは人への感染が心配されるため使用できない。
【特許文献1】特開平9−176097
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近では合成セラミド類が開発され油層基材への相溶性が改善されたセラミド誘導体も報告されているが、それらの保湿効果は充分ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、請求項1記載のセラミド2とパルミトイルオリゴペプチドを組み合わせて使用することでセラミドの保湿効果を高め、しわを目立ちにくくする効果を見出し、本発明を開発するに至った。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載のセラミド2とパルミトイルオリゴペプチドを組み合わせた物は油層基材との相溶性が良好で、保湿効果も高い等の特性を化粧料に提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における成分(A)のセラミド類は香粧品で使用されるセラミド類が挙げられるが、好ましくはセラミド2が好ましい。
【0007】
本発明における成分(B)のパルミトイルオリゴペプチドは、パルミトイル化したバリン−グリシン−バリン−アラニン−プロリン−グリシンが挙げられる。
【0008】
これらの成分(A)と成分(B)を組み合わせて他の成分と配合したものを商品名「DERMAXYL」としてクローダジャパン株式会社より販売している。
【0009】
本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前記必須成分の他に、界面活性剤、天然油脂、鉱物油、合成エステル、紫外線吸収剤、保湿剤、皮膜形成剤、酸化防止剤、防腐剤、香料等を配合することが可能である。
【0010】
本発明の化粧料は、リキッドファンデーション、パウダーファンデーション、口紅、クリーム、乳液、ローション、美容液等に応用できる。
【実施例1】
【0011】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0012】
実施例、比較例に示した官能評価の試験方法は以下の通りである。以下の表に示す組成物の配合量は全て%で示す。
【0013】
表−1の処方で乳液を調整して安定性および使用感の試験を行った。10人のパネラーによる使用感および、40日での安定性試験を表−2にまとめた。DERMAXYLを配合した乳液は20日後、結晶の析出や分離もなく非常に安定であった。また、しっとりしていて、使用感もすぐれていた。これらの結果から、DERMAXYLはセラミド単独使用よりもしっとりしていて、使用感、安定性とも優れていることがわかる。また、しわの改善効果も優れていることがわかる。
【0014】
【表1】

【0015】
【表2】

安定性:30日後の外観(40℃)
使用感:
しっとり感 評価点 評価
5 非常にしっとりしている
4 しっとりしている
3 普通
2 しっとりしていない
1 まったくしっとりしていない

べたつき感 5 べたつきが全くない
4 べたつきがほとんどない
3 普通
2 べたつきがある
1 ひどくべたつく
しわの評価
1日1回乳液を塗布して56日経過後のしわの密度としてプロファイオメトリーによるイメージ分析を行った。塗布前と塗布56日経過後の数値からしわ密度を算出。

しっとり感、べたつき感とも10人のパネラーの評価点の平均をとった。
【実施例2】
【0016】
表−3の処方でリップスティックを調製して使用感の試験を行った。10人のパネラーによる使用感を表−4にまとめた。DERMAXYLを配合したリップスティックは使用感が良好であった。
【0017】
【表3】

【0018】
【表4】


使用感:
のび 評価点 評価
5 非常に良い
4 良い
3 普通
2 悪い
1 非常に悪い

のびは10人のパネラーの評価点の平均をとった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)を組み合わせて含有することを特徴とする化粧料組成物。
(A)セラミド類
(B)パルミトイルオリゴペプチド
【請求項2】
成分(A)のセラミド類が、セラミド2からなる請求項1記載の化粧料組成物。
【請求項3】
成分(B)のパルミトイルオリゴペプチドが、パルミトイル化したバリン−グリシン−バリン−アラニン−プロリン−グリシンからなる請求項1記載の化粧料組成物。

【公開番号】特開2006−28058(P2006−28058A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207194(P2004−207194)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000104995)クローダジャパン株式会社 (35)
【Fターム(参考)】