説明

化粧方法

【課題】化粧料に含まれる有効成分を効率良く浸透させ、使用感に優れた化粧方法を提供する。
【解決手段】次の化粧料(A)、(B)、及び(C):
(A)pH6〜8.5である化粧料、
(B)pH6〜8.5であり、美白剤、シワ改善剤、セラミド産生促進剤、血行促進剤、保湿剤、抗炎症剤、抗酸化剤及び細胞賦活剤から選ばれる1種以上の有効成分を含有する化粧料、
(C)pH4.5以上6未満である化粧料、
を使用する化粧方法であって、最初に化粧料(A)を使用した後、化粧料(B)を使用し、更に化粧料(C)を使用する化粧方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料として有効な成分を効率良く浸透させるために、複数の化粧料を使用する化粧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料には、美白剤や、しわ改善剤、血行促進剤などが有効成分として含有され、これらを肌に浸透させ、皮膚を改善させるために使用されている。しかし、皮膚にはバリアー機能があり、外界からの進入を防ぐと共に、体内成分の外部への放出を防ぐ機能を有している。このため、化粧料に含まれる有効成分を皮膚に十分浸透させることが難しいという問題があった。
【0003】
このような問題に対し、有効成分を浸透させる方法として、浸透促進成分を有効成分と組み合わせて使用する方法(特許文献1)、皮膚薬効成分を特定フッ素化ポリマーと組み合わせて使用する方法(特許文献2)などが知られている。しかしながら、これらの方法では、有効成分を十分浸透させられなかったり、ポリマー皮膜が違和感を与えるなど使用感においても満足できるものではなかった。
【0004】
また、アルカリ性化粧料を皮膚に塗布し、有効成分を浸透させる方法(特許文献3)も知られているが、化粧料の安定性や、使用感を満足させるものではなかった。
【特許文献1】特開平10−194920号公報
【特許文献2】特開平2000−327556号公報
【特許文献3】特表2004−500360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、化粧料に含まれる有効成分を効率良く浸透させ、使用感に優れた化粧方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、複数の化粧料を使用し、最初に使用する化粧料で、皮膚に有効成分が浸透しやすい環境にし、次に、有効成分を含む化粧料を使用し、有効成分を付与して効果的に浸透させ、最後に皮膚のバリヤー機能を正常状態に戻し、皮膚を保護するシステムとしての化粧料の組み合わせ及びその使用方法を見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の化粧料(A)、(B)、及び(C):
(A)pH6〜8.5である化粧料、
(B)pH6〜8.5であり、美白剤、シワ改善剤、セラミド産生促進剤、血行促進剤、保湿剤、抗炎症剤、抗酸化剤及び細胞賦活剤から選ばれる1種以上の有効成分を含有する化粧料、
(C)pH4.5以上6未満である化粧料、
を使用する化粧方法であって、最初に化粧料(A)を使用した後、化粧料(B)を使用し、更に化粧料(C)を使用する化粧方法を提供するものである。
また、本発明は、次の化粧料(A)、(B)、及び(C):
(A)pH6〜8.5である化粧料、
(B)pH6〜8.5であり、美白剤、シワ改善剤、セラミド産生促進剤、血行促進剤、保湿剤、抗炎症剤、抗酸化剤及び細胞賦活剤から選ばれる1種以上の有効成分を含有する化粧料、
(C)pH4.5以上6未満である化粧料、
から構成され、最初に化粧料(A)を使用した後、化粧料(B)を使用し、更に化粧料(C)を使用するための化粧キットを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の化粧料を使用することにより、化粧料に含まれる有効成分を効率良く浸透させることができ、しかも使用感に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
〔化粧料(A)〕
本発明で用いる化粧料(A)は、pH6〜8.5、好ましくはpH6〜8に設定される。この範囲に設定することで、効率的に皮膚に有効成分が浸透しやすい環境にすることができる。また、pH8.5より高い化粧料を用いると、浸透性しやすい環境にすることはできるが、化粧料の安定性や使用感を十分に満足することができない。
pHの調整には、有機酸又は無機酸、塩基を用いることができ、それぞれ、一価から多価の酸、塩基を用いることができる。これらは、好ましくは同一ではない価数を有する酸、塩基から構成され、一部が塩を構成していても良い。同一ではない価数を有する酸、塩基から構成されることにより、緩衝作用を有することができる。緩衝作用を付与することにより、肌に塗布した際、所定のpHを長く保つことが可能となる。このように設定することで、次に使用する化粧料(B)に含まれる有効成分が浸透しやすい皮膚の環境を設定することができる。
【0010】
化粧料(A)に含まれる酸成分としては、有機酸として、クエン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、リンゴ酸、シュウ酸、乳酸、ホウ酸、アジピン酸等が挙げられ、無機酸として、塩酸、リン酸、硫酸、亜硫酸、硝酸等が挙げられる。また、これらの酸の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩;アミノメチルプロパノール塩などが挙げられる。
【0011】
より具体的には、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、ホウ酸、乳酸、乳酸ナトリウム、リンゴ酸、シュウ酸、アジピン酸等が挙げられる。
特に、リン酸とその塩、コハク酸とその塩、クエン酸とその塩が好ましい。
更には、緩衝能を有する多価酸とその塩であるのが好ましい。
【0012】
また、これらの酸と塩基は、両方合わせた質量が、化粧料(A)中、0.01〜10質量%であるのが好ましく、特に0.01〜8質量%、更に0.03〜8質量%含まれることが、有効成分の浸透を促進する皮膚環境の設定の観点から、及び、塗布後の感触の点から好ましい。
【0013】
また、化粧料(A)は、グアニジン類を含有することができ、より浸透効果を高めることができる。
グアニジン類及びその塩としては、一般式(1)、(2)及び(3):
【0014】
【化1】

【0015】
〔式(1)中、B及びDは同一又は異なって、炭素数2〜8のアルキレン基を示し、Lは結合手、−CO−又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Mは水素原子、低級アルキル基、アラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、jは1〜6の数を示し、kは0〜6の数を示し、R1は水素原子、低級アルキル基又は−(BO)j−(DO)k−L−Mを示す。式(2)中、mは1〜10の数を示し、Gは水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基を示し、R1は前記と同じ意味を示す〕
【0016】
【化2】

【0017】
アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン及びモルホリンから選ばれる複素環式基を示し、R2及びR3は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基又はアミジノ基を示す)
で表されるものが挙げられる。
【0018】
一般式(1)中、B及びDで示される炭素数2〜8のアルキレン基としては、直鎖及び分岐鎖のいずれでもよく、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基等が挙げられる。これらのなかでも炭素数2〜6のものが好ましく、特に炭素数2〜4のもの、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基が好ましい。
【0019】
Lで示される炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
【0020】
M又はR1で示される低級アルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。Mで示されるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜12のものが挙げられる。Mで示されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられ、それらの置換基としては、メチル基等の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシル基;低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基又はアラルキル基でエステル型となっていてもよいカルボン酸残基;カルバモイル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の低級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の低級アルコキシル基などが挙げられる。
【0021】
jは1〜6の数を示し、1〜4の数が好ましい。kは0〜6の数を示し、0〜4が好ましい。
【0022】
一般式(2)中、R1は上記と同じである。mは1〜10の数を示し、1〜5が好ましい。また、Gとしてはヒドロキシ基、カルボキシル基、リン酸基が好ましい。
【0023】
このような一般式(1)又は(2)で表されるグアニジン類としては、例えば2−ヒドロキシグアニジン、3−ヒドロキシグアニジン、2−ヒドロキシプロピルグアニジン、4−ヒドロキシブチルグアニジン、5−ヒドロキシペンチルグアニジン、6−ヒドロキシヘキシルグアニジン、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチルグアニジン、1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−メチルグアニジン、1−(2−ヒドロキシプロピル)−1−メチルグアニジン、1−(4−ヒドロキシブチル)−1−メチルグアニジン、(2−メトキシエチル)グアニジン、(2−エトキシエチル)グアニジン、(3−メトキシプロピル)グアニジン、(2−メトキシプロピル)グアニジン、(4−メトキシブチル)グアニジン、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルグアニジン、1−(2−エトキシエチル)−1−メチルグアニジン、1−(3−メトキシプロピル)−1−メチルグアニジン、1−(2−メトキシプロピル)−1−メチルグアニジン、酢酸2−グアニジノエチル、酢酸3−グアニジノプロピル、酢酸2−グアニジノ−2−プロピル、酢酸4−グアニジノ−1−ブチル、酢酸5−グアニジノ−1−ペンチル、酢酸6−グアニジノ−1−ヘキシル、酢酸2−(2−グアニジノエトキシ)エチル、安息香酸2−グアニジノエチル、安息香酸3−グアニジノプロピル、安息香酸2−グアニジノ−2−プロピル、安息香酸4−グアニジノ−1−ブチル、安息香酸5−グアニジノ−1−ペンチル、安息香酸6−グアニジノ−1−ヘキシル、安息香酸2−(2−グアニジノエトキシ)エチル、サリチル酸2−グアニジノエチル、サリチル酸3−グアニジノプロピル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸2−グアニジノエチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸3−グアニジノプロピル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸2−グアニジノ−2−プロピル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸4−グアニジノ−1−ブチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸5−グアニジノ−1−ペンチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸6−グアニジノ−1−ヘキシル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸2−(2−グアニジノエトキシ)エチル等が挙げられる。
【0024】
これらのうち、特に、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン、グアニジノエトキシエタノール、グアニジノペンタノール、グアニジノプロパン酸、グアニジノエチルリン酸が好ましい。
【0025】
一般式(3)中、複素環式基としては、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン及びモルホリンが好ましい。
【0026】
また、R2及びR3で示されるアルキル基としては炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。当該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基が挙げられ、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基がより好ましい。当該ヒドロキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられ、特にヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基が好ましい。また、カルボキシアルキル基としては、炭素数2〜7のカルボキシアルキル基が挙げられ、炭素数2〜5のカルボキシアルキル基がより好ましい。当該カルボキシアルキル基の具体例としては、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基等が挙げられ、特にカルボキシメチル基及びカルボキシエチル基が好ましい。
また、R2及びR3は同一でも異なっていてもよい。
【0027】
グアニジン類(3)には、不斉炭素原子が存在するので立体異性が存在するが、本発明においてはこれらの立体異性体及びその混合物のいずれでも使用できる。
【0028】
グアニジン類(3)の具体例としては、N−アミジノ−プロリン、2−ヒドロキシメチル−1−ピロリジンカルボキサミジン、3−ヒドロキシ−1−ピロリジンカルボキサミジン、N−アミジノ−アジリジン−2−カルボン酸、N−アミジノ−2−ピペリジンカルボン酸、N−アミジノ−3−ピペリジンカルボン酸、N−アミジノ−4−ピペリジンカルボン酸、N−アミジノ−4−ピペリジンプロピオン酸、N−アミジノピロリジン、N−アミジノピペリジン、N−アミジノ−2−メチルピペリジン、N−アミジノ−3−メチルピペリジン、N−アミジノ−4−メチルピペリジン、N−アミジノ−2−メチルモルホリン、N−アミジノ−3−メチルモルホリン、N−アミジノ−N’−メチルピペラジン、N−アミジノ−N’−ヒドロキシエチルピペラジン、N,N’−ジアミジノ−ピペラジン等が挙げられる。
これらのグアニジン類(3)のうち、特に、N−アミジノ−プロリン、2−ヒドロキシメチル−1−ピロリジンカルボキサミジン、3−ヒドロキシ−1−ピロリジンカルボキサミジンが好ましい。
【0029】
これらのグアニジン類(1)、(2)、(3)の塩を形成するための酸としては、有機酸又は無機酸のいずれでも良く、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、安息香酸、ソルビン酸、ニコチン酸、ウロカニン酸、ピロリドンカルボン酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、o、m又はp−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシ酸;グリシン、アラニン、β−アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、セリン、トレオニン、メチオニン、システイン、シスチン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ピペコリン酸、トリプトファン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、アルギニン、アミノ安息香酸等のアミノ酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸;フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸;過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸が挙げられる。
これらのグアニジン類の塩を形成するための酸のうち、特に、コハク酸、グルタミン酸、乳酸、クエン酸が好ましい。
【0030】
グアニジン類又はその塩は、1種以上を用いることができ、化粧料(A)中に0.001〜30質量%、特に0.001〜20質量%、更に0.01〜10質量%含有させるのが、有効成分の浸透を促進する皮膚環境の設定の観点、及び使用感の観点から好ましい。
【0031】
〔化粧料(B)〕
本発明で用いる化粧料(B)は、pH6〜8.5、好ましくはpH6〜8に設定される。この範囲に設定することで、効率的に皮膚に有効成分が浸透しやすい環境にすることができる。化粧料(B)に含まれる酸、及びその塩としては、化粧料(A)に用いられるのと同様のものが挙げられ、酸、塩の種類は問わない。
【0032】
また、これらの酸と塩基は、両方合わせた質量が、0.01〜10質量%が好ましく、特に0.01〜8質量%、更に0.03〜8質量%含まれることが、有効成分の浸透を促進させる観点から、及び、塗布後の感触の点から好ましい。
【0033】
また、化粧料(B)は、美白剤、シワ改善剤、セラミド産生促進剤、血行促進剤、保湿剤、抗炎症剤、抗酸化剤及び細胞賦活剤から選ばれる1種以上の有効成分を含有する。
【0034】
美白剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えばアスコルビン酸類、アルブチン等のハイドロキノン類、コウジ酸類、トラネキサム酸類、エラグ酸類、ルシノール類、リノール酸類、アルコキシサリチル酸類、カミツレ抽出物、グルタチオン、トコトリエノール、フェルラ酸、ラズベリーケトン、アデノシン1リン酸、塩化レボカルニチン、ポリフェノール類、アセロラ抽出液、アーモンド抽出物、アルテア抽出物、アロエ抽出物、エイジツ(ノイバラ)抽出物、オウゴン(コガネバナ)抽出物、火棘抽出液、カッコン(クズ)抽出物、キウイ抽出物、クチナシ(サンシン)抽出物、クララ(クジン)抽出物、クロレア抽出物、コメヌカ抽出物、シャクヤク抽出物、ジユ(ワレモコウ)抽出物、ソウハクヒ(クワ)抽出物、ダイズ抽出物、チャ抽出物、ベニバナ(コウカ)抽出物、メリッサ(コウスイハッカ)抽出物、チョウジ抽出物、ヨクイニン(ハトムギ)抽出物、胎盤抽出物等が挙げられる。
【0035】
これらのうち、アスコルビン酸類としては、特に限定されるものではなく、例えば、アスコルビン酸リン酸エステル及びその塩、アスコルビン酸硫酸エステル及びその塩、アスコルビン酸アルカリ金属塩、アスコルビン酸土類金属塩、アスコルビン酸アルミニウム塩、2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル等が好ましいものとして挙げられる。これらの美白剤のうち、特に、L−アスコルビン酸−2−O−グルコシド、アルブチン、コウジ酸、リノール酸、トラネキサム酸類、エラグ酸、ルシノール類、カミツレ抽出物が好ましい。
【0036】
これらの美白剤は、1種以上を用いることができ、化粧料(B)中に0.00001〜30質量%、特に0.0001〜20質量%、更に0.0001〜10質量%含有させるのが、十分な美白効果が得られるとともに、使用感及び安定性により優れるので好ましい。但し、有効成分が動物又は植物の抽出物であるときは、乾燥固形分量とする。
【0037】
シワ改善剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えばグアニジン類及びその塩;ショウキョウ抽出物、マロニエ抽出物、レモン抽出物、酵母抽出物等の動物又は植物抽出物が挙げられる。
【0038】
グアニジン類及びその塩としては、化粧料(A)に用いられるのと同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
【0039】
シワ改善剤は、1種以上を用いることができ、化粧料(B)中に0.00001〜50質量%、特に0.0001〜30質量%、更に0.0001〜20質量%含有させるのが、使用感、更に保湿効果、肌荒れの予防・改善効果、シワ形成の予防・改善効果の点で好ましい。但し、有効成分が動物又は植物の抽出物であるときは、乾燥固形分量とする。
【0040】
セラミド産生促進剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、ユーカリエキス等が挙げられる。
セラミド産生促進剤は、1種以上を用いることができ、化粧料(B)中に0.00001〜30質量%、特に0.0001〜20質量%、更に0.0001〜10質量%含有させるのが、より高い保湿効果、肌荒れの予防・改善効果が得られ、また使用感及び安定性の点で好ましい。但し、有効成分が動物又は植物の抽出物であるときは、乾燥固形分量とする。
【0041】
血行促進剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、ビタミンEのエステル化物、ニコチン酸エステル、オロチン酸エステルが挙げられ、この他にニコチン酸アミド、ニコチン酸メチル等が用いられる。
【0042】
また、血行促進効果のある植物抽出物として、1986年発刊のフレグランスジャーナル臨時増刊号第6巻や1979年発刊のフレグランス ジャーナル臨時増刊号第1巻等に明記されているエキス類、例えばアルニカ、サンザシ、キナ、サルビア、ボダイジュ、オタネニンジン、トショウ、マンネンロウ、オトギリソウ、イチョウ、メリッサ、オノニス、センブリ、ニンニク、カミツレ、サイム、イラクサ、トウガラシ、ホップ、西洋トチノキ、ラベンダー、ニンジン、カラシナ、ケイ、マツ、センキュウ、ニワトコ、ヤマゼリ、ハシリドコロ、ボタン、ヤマモモ、ドクダミ、コウホネ、シブガキ、トウキンセンカ、グビジンソウ、リンドウ、ブドウ、ハマボウフウ、ダイダイ、ユズ、ショウブ、ナツミカン、ハマメリス、メリーロート、ウイキョウ、サンショウ、ヨモギ、エンメイソウ、コメ(米胚芽)、クララ、チョウジ等の植物抽出物などを用いることができる。
【0043】
これらのうち、化合物としては、ニコチン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸アミドが好ましく、植物抽出物としては、ユズエキス、センブリエキス、オトギリソウエキス、イチョウエキス、アルニカエキス、キナエキス、ハマメリスエキス、トウキンセンカエキス、エンメイソウエキス、サルビアエキス、ハマボウフウエキス、サンショウエキス、米胚芽油、ボダイジュエキス及び抽出液が好ましい。
【0044】
これらの血行促進剤は、1種以上を用いることができ、化粧料(B)中に0.00001〜30質量%、特に0.0001〜20質量%、更に0.0001〜10質量%含有させるのが、より高い保湿効果、肌荒れの予防・改善効果、顔色のくすみ等の予防・改善効果、シミ・ソバカスの予防・改善効果が得られ、また使用感及び安定性の点で好ましい。但し、有効成分が動物又は植物の抽出物であるときは、乾燥固形分量とする。
【0045】
保湿剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば化合物としてはアラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、テアニン、アルギニンなどのアミノ酸及びその誘導体、キチン、キトサン、ゼラチン、ペクチン、ピロリドンカルボン酸又はその塩、海洋性ムチン、グリコール酸、ヘパリン、コンドロイチン(コンドロイチン硫酸ナトリウム)、植物性(フィト)セラミド、セラミド、トレハロース、尿素などのNMF成分、レシチン、水素添加レシチンなどのリン脂質、乳酸又はその塩、ヒアルロン酸ナトリウム、ラクトフェリン、硫酸化トレハロースなどが挙げられる。
【0046】
また、動物又は植物抽出液としては、アルファルファエキス、アケビエキス、ウイキョウエキス、ウイッチヘーゼル(ハマメリス)エキス、ウコンエキス、キハダ(オウバク)エキス、カンゾウエキス、カワラヨモギ(インチンコウ)エキス、ブドウエキス、コンフリー(ヒレハリソウ)エキス、サボンソウエキス、サボテンエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シソエキス、シラカバエキス、スギナエキス、クワ(ソウハクヒ)エキス、ダイズエキス、タチジャコウソウエキス(タイム)、トウセンカエキス、ナツメ(タイソウ)エキス、パセリエキス、ブッチャーズブルームエキス、ヘチマエキス、マルベリーエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、キイチゴエキス、レンゲエキス、バラエキス、ローズマリー(マンネンロウ)エキス、ユリエキス、オオムギ(麦芽根)エキス、コムギエキス、アンズ(キョウニン)エキス、カラスムギエキス、トウモロコシエキス、オレンジエキス、イチゴエキス、ベニバナエキス、ゲンチヤナエキス、ハッカエキス、ミドリハッカ(スペアミント)エキス、セイヨウハッカ(ペパーミント)エキス、ムクロジエキス、クマザザエキス、オドリコソウエキス、アボガドエキス、プルーンエキス、ライムエキス、トルメンチラエキス、オウレンエキス、オリーブエキス、ベニバナ(サフラワー)エキス、ホホバエキス、マカデミアナッツエキス、メドゥホームエキス、カキニクエキス(牡蠣肉エキス)、加水分解エラスチン、加水分解ケラチン液、加水分解コラーゲン、加水分解シルク、可溶性コラーゲン、植物性コラーゲン、クインスシードエキス、グレープフルーツエキス、乳酸菌培養液、ビフィズス菌代謝物、ライスパワーエキス等が挙げられる。
【0047】
これらの保湿剤は、1種以上を用いることができ、化粧料(B)中に0.00001〜50質量%、特に0.0001〜40質量%、更に0.0001〜30質量%含有させるのが、十分な保湿効果が得られるとともに、使用感及び安定性により優れるので好ましい。但し、有効成分が動物又は植物の抽出物であるときは、乾燥固形分量とする。
【0048】
抗炎症剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、化合物としては、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられ、動物又は植物抽出液としては、甘草エキス、ヨモギエキス、シャクヤク根エキス、ローズマリーエキス、クチナシエキス、セージエキス、トウキエキス(当帰エキス)等が挙げられる。
【0049】
これらの抗炎症剤は、1種以上を用いることができ、化粧料(B)中に0.00001〜30質量%、特に0.0001〜20質量%、更に0.0001〜10質量%含有させるのが、十分な抗炎症効果が得られるとともに、使用感及び安定性により優れるので好ましい。但し、有効成分が動物又は植物の抽出物であるときは、乾燥固形分量とする。
【0050】
抗酸化剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、化合物としては、アスタキサンチン、アルファリポ酸、エルゴチオネイン、カロテノイド、カロテン、カテキン、コエンザイムQ10、フラーレン、プラチナナノコロイド等が挙げられ;動物又は植物抽出液としては、イノバラエキス、ゲンノショウコエキス、スイカズラエキス、ユキノシタエキス、油溶性甘草エキス、ヨモギ葉エキス等が挙げられる。
【0051】
これらの抗酸化剤は、1種以上を用いることができ、化粧料(B)中に0.00001〜30質量%、特に0.0001〜20質量%、更に0.0001〜10質量%含有させるのが、十分な抗酸化効果が得られるとともに、使用感及び安定性により優れるので好ましい。但し、有効成分が動物又は植物の抽出物であるときは、乾燥固形分量とする。
【0052】
細胞賦活剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、化合物としては、レチノール、シアノコバラミン、リボフラビン、ナイアシンアミド等が挙げられ;動物又は植物抽出液としては、ビルベリーエキス、大豆イソフラボン、ツボクサ抽出液、ヒオウギエキス、ブナの芽抽出液、イブキジャコウソウ抽出液等が挙げられる。
【0053】
これらの細胞賦活剤は、1種以上を用いることができ、化粧料(B)中に0.00001〜30質量%、特に0.0001〜20質量%、更に0.0001〜10質量%含有させるのが、十分な細胞賦活効果が得られるとともに、使用感及び安定性により優れるので好ましい。但し、有効成分が動物又は植物の抽出物であるときは、乾燥固形分量とする。
【0054】
なお、成分(B)において用いられる植物抽出物は、例えばこれらの植物の葉、根、茎、花等を水及び/又は親水性有機溶媒を用いて抽出して抽出液を得る方法;更にこのような抽出液から、凍結乾燥、噴霧乾燥、減圧留去等により粉末を得る方法などが挙げられる。親水性有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、グリコール類等が挙げられ、特にエタノールが好ましい。これらの溶媒は単独でも、2種以上を組合わせて使用しても良く、また、水とこれらの親水性有機溶媒を混合して使用してもよい。これらの抽出溶媒の使用量は特に制限されず、また得られた抽出液はそのまま、又は更に濃縮、精製して用いることができる。また、これらの植物抽出物の市販品も好適に用いることができる。
【0055】
〔化粧料(C)〕
本発明で用いる化粧料(C)は、pH4.5以上6未満のものである。pHの調整は、化粧料(A)及び(B)と同様にして行うことができる。この範囲に設定することにより、皮膚のバリア機能を正常状態に戻すことができる。
【0056】
化粧料(C)には、更に酸性アミノ酸、コレステロール類、セラミド類等を含有することができ、皮膚のバリアー機能を回復させ、皮膚を保護するためにより有効である。
酸性アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。
酸性アミノ酸は、1種以上を用いることができ、化粧料(C)中に0.0001〜30質量%、特に0.001〜20質量%含有するのが、皮膚のバリア機能を回復させ皮膚を保護すると共に使用感、安定性の観点から好ましい。
【0057】
コレステロール類としては、コレステロール、コレスタノール、ラノステロール、セレグロステロール、デヒドロコレステロール、コブロスタノール等の動物性ステロール類;フィトステロール、βシトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、エルゴステロール等の植物性ステロール類;ミコステロール、チモステロール等の微生物由来ステロール類などや、これらステロール類とオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オリーブ油などの天然油脂を分解して得られる脂肪酸等との脂肪酸エステル、ステロール類の水酸基の水素原子をアルキル基又はアルケニル基で置換したアルキル(アルケニル)エーテル誘導体、アシル基で置換したアルキル(アルケニル)エステル、糖残基で置換した配糖体等の誘導体が挙げられる。
【0058】
コレステロール類は、1種以上を用いることができ、化粧料(C)中に0.00001〜30質量%、特に0.0001〜20質量%含有するのが、皮膚のバリア機能を回復させ皮膚を保護すると共に使用感、安定性の観点から好ましい。
【0059】
セラミド類としては、一般式(4)で表わされるものが挙げられる。
【0060】
【化3】

【0061】
(式中、R4はヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;X2、X3及びX4は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X1は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Zがメチン基のとき、X2とX3のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X1がオキソ基を形成するとき、X4は存在しない。);R5及びR6は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R7はヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;R8は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し(但し、R4が水素原子、Zが酸素原子のときR8は総炭素数10〜30の炭化水素基であり、R4が炭化水素基のときR8は総炭素数1〜8の炭化水素基である);破線部は不飽和結合であってもよいことを示す)
【0062】
式中、R4は、ヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子である。
Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子のいずれかを示す。
【0063】
2、X3及びX4は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示す。特にX2、X3及びX4のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子であるのが好ましい。Zがメチン基のとき、X2とX3のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X1は水素原子かグリセリル基であるのが好ましい。
5及びR6は、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し、好ましいR5は水素原子又はヒドロキシメチル基であり、好ましいR6は水素原子である。
【0064】
7は、ヒドロキシル基、カルボキシ基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。好ましくは、ヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜35の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、又は該炭化水素基のω位に、ヒドロキシル基が置換してもよい炭素数8〜22の直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合又はアミド結合したものが挙げられる。結合する脂肪酸としては、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸又はリノール酸が好ましい。
【0065】
8は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基である。特に、R4が水素原子、Zが酸素原子のときR8は総炭素数10〜30の炭化水素基である。また、R4が炭化水素基であるときR8は総炭素数1〜8の炭化水素基である。このうち水素原子あるいは、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよい総炭素数1〜8の炭化水素基が好ましい。ここで、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0066】
一般式(4)で表わされるセラミド類としては、特に次の一般式(5)又は(6)で表わされるセラミド類であることが好ましい。
(I)一般式(5)で表わされる天然又は天然型セラミド類、及びその誘導体(以下、天然型セラミドと記載する。)。
【0067】
【化4】

【0068】
(式中、R11はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Z1はメチレン基又はメチン基を示し;X5、X6、及びX7は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し;X8は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Z1がメチン基のとき、X5とX6のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X8がオキソ基を形成するとき、X7は存在しない。);R12はヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R13は水素原子を示すか、炭素数1〜4のアルキル基を示し;R14はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数5〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該アルキル基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
【0069】
好ましくは、R11が炭素数7〜19、更に好ましくは炭素数13〜15の直鎖アルキル基;、R14がヒドロキシル基が置換しても良い炭素数9〜27の直鎖アルキル基又はリノール酸がエステル結合した炭素数9〜27の直鎖アルキル基である化合物が挙げられる。また、X8は水素原子を示すか、酸素原子とともにオキソ基を形成するのが好ましい。特に、R14としては、トリコシル、1−ヒドロキシペンタデシル、1−ヒドロキシトリコシル、ヘプタデシル、1−ヒドロキシウンデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したノナコシル基が好ましい。
【0070】
天然型セラミドの具体的な例示として、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1〜7(例えば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の図2、及びJ. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4記載のブタ及びヒトのセラミド類)が挙げられる。
【0071】
更にこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。特にCERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
【0072】
【化5】

【0073】
これらは天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社)、Ceramide TIC-001(高砂香料社)、CERAMIDE II(Quest International社)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(以上、DOOSAN社)、CERAMIDE2(セダーマ社)が挙げられる。
【0074】
【化6】

【0075】
(II)一般式(6)で表わされる擬似型セラミド。
【0076】
【化7】

【0077】
(式中、R15は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;X9は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;R16はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R17は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す)
【0078】
16としては、特にノニル、トリデシル、ペンタデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基が好ましい。
【0079】
17は、R15が水素原子の場合は、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数10〜30の、好ましくは総炭素数12〜20のアルキル基であり、R15がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である場合には、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜8のアルキル基を示すのものが好ましい。R17のヒドロキシアルコキシ基又はアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0080】
一般式(6)としては、R15がヘキサデシル基、X9が水素原子、R16がペンタデシル基、R17がヒドロキシエチル基のもの;R15がヘキサデシル基、X9が水素原子、R16がノニル基、R17がヒドロキシエチル基のもの;又はR15がヘキサデシル基、X9がグリセリル基、R16がトリデシル基、R17が3−メトキシプロピル基の擬似型セラミド類が好ましく、一般式(6)のR15がヘキサデシル基、X9が水素原子、R16がペンタデシル基、R17がヒドロキシエチル基のものが特に好ましい。
【0081】
セラミド類は、1種以上を用いることができ、化粧料(C)中に0.00001〜30質量%、特に0.0001〜20質量%含有するのが、バリア機能を回復させ皮膚を保護すると共に使用感、安定性の観点から好ましい。
【0082】
化粧料(A)、(B)及び(C)には、前記成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、増粘剤、粉体、清涼剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、殺菌剤、色素、紫外線吸収剤、発熱剤、冷却剤などを含有させることができる。
また、化粧料(A)は、化粧料(B)に含有される有効成分を含有することもできる。
【0083】
化粧料(A)、(B)及び(C)は、通常の方法により製造することができ、それぞれ適切な剤型の水性化粧料とすることが好ましい。例えば、化粧水、美容液、ジェル、乳液、クリーム、固形スティック、パック、含浸マスク、ミスト、ファンデーション、フォーム、スプレー等とすることができる。特に、(A)が化粧水、(B)が美容液、(C)が乳液、クリームである組み合わせとすることが好ましい。
【0084】
本発明においては、最初に化粧料(A)を使用した後、化粧料(B)を使用し、更に化粧料(C)を使用する。化粧料(A)により、皮膚に有効成分が浸透しやすい環境にすることができ、このような状態の皮膚に化粧料(B)を塗布することにより、有効成分を効果的に浸透させ、その後、化粧料(C)を塗布することにより、皮膚のバリアー機能を正常状態に戻し、皮膚を保護することができる。
【0085】
より具体的には、化粧料(A)を皮膚に塗布し、十分になじんで、表面に残っていない状態になってから(約1〜5分放置後)、化粧料(B)を塗布する。その後、同様にして、化粧料(C)を塗布して、使用される。
この場合において、化粧料(B)として、異なる有効成分を含有する2種以上の化粧料を用いることもできる。
【0086】
本発明において、化粧料(A)と化粧料(B)のpHは同一でも異なっていても良く、また、化粧料(A)と化粧料(C)は、pHの違いが1以上であるのが、皮膚のバリア機能を回復させ皮膚を保護するので好ましい。
【0087】
本発明で用いる化粧料(A)、(B)及び(C)は、前記のようにして使用するための化粧キットとすることができる。
また、化粧料(A)、(B)及び(C)は、前記のようにして使用することをリーフレットに記載することもできる。
【実施例】
【0088】
実施例1
(1)薬剤浸透:
ブタ皮膚は、中性洗剤を用いて軽く洗浄(約1分)し、皮膚表面に付着している皮脂を十分に取り除き、初期状態を揃えた。
ブタ皮膚を拡散セルにはさみ込み、表1に示す化粧料(A)をブタ皮表面に100μg/cm2塗布し、3時間(温度25℃湿度40%)放置した。3時間後、ブタ皮膚表面の化粧料(A)を水洗し、表面に残留した化粧料(A)を除去した。次に、成分の浸透の指標として蛍光色素(アクリジンオレンジ;AO)を0.01質量%含有する化粧料(B)(表2)を用いて、同じ部位に100μg/cm2塗布し、3時間(温度25℃湿度40%)放置した。その後、化粧料(B)をブタ皮表面から水洗により取り除いた後、各化粧料で処理された皮膚部をBIOPSY PUNCHで切り出し、さらに剃刀で角層及び表皮部を剥離した。角層及び表皮部に浸透したAOは、55%エタノール溶液により抽出し、分光蛍光光度計(日立社製、F−7000)で定量した。定量値は1cm2あたりの浸透量に換算して示した。
【0089】
【表1】

【0090】
【表2】

【0091】
【表3】

【0092】
表3の結果より、No.1〜3のように、pH6〜8.5である化粧料(A)及び(B)を組み合わせて浸漬処理することにより、少なくともいずれか一方がpH6未満の化粧料を組み合わせたNo.4〜6に比べ、AOの浸透量が優れていた。
【0093】
(2)皮膚バリアー能の回復:
ブタ皮膚は、中性洗剤を用いて軽く洗浄(約1分)し、皮膚表面に付着している皮脂を十分に取り除き、初期状態を揃えた。
ブタ皮膚を拡散セルにはさみ込み、化粧料(A)(表1)をブタ皮表面に100μg/cm2塗布し、3時間(温度25℃湿度40%)放置した。3時間後、ブタ皮膚表面の化粧料(A)を水洗し、表面に残留した化粧料(A)を除去した。次に、化粧料(B)(表2)を用いて、同じ部位を3時間、浸漬処理を行なった。化粧料(B)を取り除いた後、成分の浸透の指標として蛍光色素(アクリジンオレンジ;AO)を0.01質量%含有する化粧料(C)(表4)を用いて、更に同じ部位に100μg/cm2塗布し、3時間(温度25℃湿度40%)放置した。その後、化粧料(C)をブタ皮表面から水洗により取り除いた後、各化粧料で処理された皮膚部をBIOPSY PUNCHで切り出し、さらに剃刀で角層及び表皮部を剥離した。角層及び表皮部に浸透したAOは、55%エタノール溶液により抽出し、分光蛍光光度計(日立社製、F−7000)で定量した。定量値は1cm2あたりの浸透量に換算して示した。
【0094】
【表4】

【0095】
【表5】

【0096】
表5の結果より、No.7〜10のように、化粧料(A)及び(B)に、pH4.5〜6未満の化粧料(C)を組み合わせて浸漬処理することにより、pH6.8の化粧料C−3を用いたNo.11〜12に比べ、AOの浸透量が低いことから、皮膚バリアー能の回復が認められた。
【0097】
実施例2
(化粧料A)
(成分) (質量%)
エタノール 3.0
アジピン酸 0.01
メチルパラベン 0.2
リン酸二水素ナトリウム 0.36
リン酸一水素ナトリウム 0.29
コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン 0.5
N−アミジノ−L−プロリン 0.4
トリメチルグリシン 0.2
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 0.1
マロニエエキス(丸善製薬社製、マロニエ抽出液、固形分:1.0%) 1.0
ユーカリエキス(丸善製薬社製、ユーカリ抽出液BG-KA、固形分:0.2%)
0.8
水溶性ショウキョウエキス
(天津太平洋製薬有限公司製、ショウキョウSP、固形分:8.0%) 1.0
精製水 バランス
(pH6.5)
【0098】
(化粧料B)
(成分) (質量%)
水溶性ショウキョウエキス
(天津太平洋製薬有限公司製、ショウキョウSP、固形分:8.0%) 1.0
マロニエエキス(丸善製薬社製、マロニエ抽出液、固形分:1.0%) 2.0
カミツレ抽出液
(丸善製薬社製、商品名:カミツレKSQ、固形分:0.4%) 0.5
N−アミジノ−L−プロリン 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.45
コハク酸 0.29
水酸化カリウム 0.58
グリセリン 10.0
コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ
−2−プロパノール 0.2
キサンタンガム 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
精製水 バランス
(pH7.0)
【0099】
(化粧料C)
(成分) (質量%)
1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ
−2−プロパノール 0.1
N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチル
ヘキサデカナミド 2.0
長鎖二塩基酸ビス3−メトキシプロピルアミド 0.0001
L−グルタミン酸 0.034
セタノール 0.39
ステアリルアルコール 0.26
メチルポリシロキサン 5.0
グリセリン 3.0
アスナロ抽出液
(一丸ファルコス社製、アスナロリキッドK、固形分:0.25%) 1.0
コレステロール 0.001
精製水 バランス
(pH5.0)
【0100】
実施例3
(化粧料A)
(成分) (質量%)
ジプロピレングリコール 2.0
グリセリン 11.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
N−アミジノ−L−プロリン 0.4
コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン 0.5
トリメチルグリシン 2.0
リン酸二水素ナトリウム 0.36
リン酸一水素ナトリウム 0.29
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0
ジメチルシロキサン・メチル(ウンデシルグリセリルエーテル)
シロキサン共重合体 0.12
ポリオキシエチレンイソセチルエーテル(20E.O.) 0.2
メチルポリシロキサン 0.01
ユズ抽出液(丸善製薬社製、ユズ抽出液、固形分:1.2%) 1.0
精製水 バランス
(pH6.6)
【0101】
(化粧料B)
(成分) (質量%)
水溶性ショウキョウエキス
(天津太平洋製薬有限公司製、ショウキョウSP、固形分:8.0%) 1.0
ユズ抽出液(丸善製薬社製、ユズ抽出液、固形分:1.2%) 0.5
N−アミジノ−L−プロリン 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.45
コハク酸 0.29
水酸化カリウム 0.58
1,3−ブチレングリコール 5.0
コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ
−2−プロパノール 0.2
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
精製水 バランス
(pH6.9)
【0102】
(化粧料C)
(成分) (質量%)
1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ
−2−プロパノール 0.1
N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチル
ヘキサデカナミド 2.0
長鎖二塩基酸ビス3−メトキシプロピルアミド 0.0001
L−グルタミン酸 0.034
セタノール 0.39
ステアリルアルコール 0.26
メチルポリシロキサン 5.0
プロピレングリコール 3.0
海藻エキス(一丸ファルコス社製、ファルコレックス ヒバマタEX、
固形分:1.5%) 1.0
ユーカリエキス(丸善製薬社製、ユーカリ抽出液BG-KA、固形分:0.2%)
0.5
コレステロール 0.001
精製水 バランス
(pH5.0)
【0103】
実施例4
(化粧料A)
(成分) (質量%)
グリセリン 10.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
N−アミジノ−L−プロリン 0.4
コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.36
リン酸一水素ナトリウム 0.29
ポリエチレングリコール1540 2.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.001
1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ
−2−プロパノール 0.001
ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル 0.3
アルキル−1,3−ジメチルブチルエーテル 0.1
スクワラン 0.1
水溶性ショウキョウエキス
(天津太平洋製薬有限公司製、ショウキョウSP、固形分:8.0%) 1.0
精製水 バランス
(pH6.4)
【0104】
(化粧料B)
(成分) (質量%)
水溶性ショウキョウエキス
(天津太平洋製薬有限公司製、ショウキョウSP、固形分:8.0%) 1.0
酵母エキス(Silab社製、TONISKIN、固形分:3.6%) 0.1
レモンエキス(一丸ファルコス社製、レモンエキストラリキッドK、
固形分:0.65%) 0.1
N−アミジノ−L−プロリン 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.45
コハク酸 0.29
水酸化カリウム 0.58
1,3−ブチレングリコール 5.0
コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ
−2−プロパノール 0.2
キサンタンガム 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
精製水 バランス
(pH6.9)
【0105】
(化粧料C)
(成分) (質量%)
1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ
−2−プロパノール 0.15
N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチル
ヘキサデカナミド 4.0
L−グルタミン酸 0.04
セタノール 0.7
ステアリルアルコール 0.4
メチルポリシロキサン 5.0
ジプロピレングリコール 3.0
グリセリン 5.0
ユズ抽出液(丸善製薬社製、ユズ抽出液、固形分:1.2%) 1.0
ユーカリエキス(丸善製薬社製、ユーカリ抽出液BG-KA、固形分:0.2%)
0.5
コレステロール 0.001
精製水 バランス
(pH4.8)
【0106】
実施例2〜4は、最初に化粧料(A)を使用した後、化粧料(B)を使用することにより、化粧料(B)に含有された有効成分を効果的に浸透させ、最後に化粧料(C)を使用することにより皮膚のバリアー機能を回復させる有用な使用方法であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の化粧料(A)、(B)、及び(C):
(A)pH6〜8.5である化粧料、
(B)pH6〜8.5であり、美白剤、シワ改善剤、セラミド産生促進剤、血行促進剤、保湿剤、抗炎症剤、抗酸化剤及び細胞賦活剤から選ばれる1種以上の有効成分を含有する化粧料、
(C)pH4.5以上6未満である化粧料、
を使用する化粧方法であって、最初に化粧料(A)を使用した後、化粧料(B)を使用し、更に化粧料(C)を使用する化粧方法。
【請求項2】
化粧料(A)が、グアニジン類を含有するものである請求項1記載の化粧方法。
【請求項3】
化粧料(C)が、酸性アミノ酸、コレステロール類及びセラミド類から選ばれる1種以上を含有するものである請求項1又は2記載の化粧方法。
【請求項4】
化粧料(A)と化粧料(C)のpHの違いが1以上ある請求項1〜3のいずれか1項記載の化粧方法。
【請求項5】
次の化粧料(A)、(B)、及び(C):
(A)pH6〜8.5である化粧料、
(B)pH6〜8.5であり、美白剤、シワ改善剤、セラミド産生促進剤、血行促進剤、保湿剤、抗炎症剤、抗酸化剤及び細胞賦活剤から選ばれる1種以上の有効成分を含有する化粧料、
(C)pH4.5以上6未満である化粧料、
から構成され、最初に化粧料(A)を使用した後、化粧料(B)を使用し、更に化粧料(C)を使用するための化粧キット。
【請求項6】
次の化粧料(A)、(B)、及び(C):
(A)pH6〜8.5である化粧料、
(B)pH6〜8.5であり、美白剤、シワ改善剤、セラミド産生促進剤、血行促進剤、保湿剤、抗炎症剤、抗酸化剤及び細胞賦活剤から選ばれる1種以上の有効成分を含有する化粧料、
(C)pH4.5以上6未満である化粧料、
から構成される化粧キットに添付された、最初に化粧料(A)を使用した後、化粧料(B)を使用し、更に化粧料(C)を使用することを記載したリーフレット。

【公開番号】特開2009−114154(P2009−114154A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292161(P2007−292161)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】