説明

化粧用塗布具用組成物及びその発泡体

【課題】耐候性および耐油性に優れていて長期間の使用に際して変色することがなく、また好ましい触感、即ちさらさら感を与えるような触感を有し、さらに他の合成ゴムでは解決が困難である静電気対策を満たす化粧用塗布具用組成物及びその化粧用塗布具用組成物を発泡することで得られる発泡体、及び化粧用塗布具を提供する
【解決手段】(a)エピハロヒドリン系ゴム及び(b)加硫剤を含む化粧用塗布具用組成物及びその化粧用塗布具用組成物を発泡することにより得られる発泡体を用いて得られる化粧用塗布具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐候性、耐油性に優れ、親水性が高く触感が良好で帯電防止性を有した(a)エピハロヒドリン系ゴム及び(b)加硫剤を含む化粧用塗布具用組成物及びその化粧用塗布具用組成物を発泡することにより得られる発泡体からなる化粧用塗布具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧用パフとして、NBR、シリコンゴム等の合成ゴムからなるスポンジまたはポリウレタンフォームから作られたものが一般に使用されているが、シリコンスポンジからなるものは弾性に優れている反面、化粧品中に多用されているシリコンオイルにより膨潤劣化する欠点があり使用分野が制限され、NBRやポリウレタンフォームからなるものは耐候性に劣り長期間使用している内に変色を起こす欠点があった。
【0003】
また、化粧用パフにおいてはさらさら感を与える触感が求められており、その要求に応えるべく、様々な手法により、化粧用パフの触感を改良させてきた。化粧用パフの触感を変える手法としては、種々の添加剤を用いる方法が挙げられる。しかしながら、化粧用パフは洗浄して用いられるものであることから、単に添加剤を添加したものでは、添加した添加剤が洗浄を繰り返すことにより溶出してしまい、使用に伴い触感が変化してしまうといった問題があった。また、通常化粧用パフは、耐油性が必要であることから、アクリロニトリル− ブタジエン共重合ゴム(NBR) ラテックスを用いて形成されてきたが、NBRラテックスの組成を調整することにより触感を変化させることにも限界があり、特にさらさら感を与えるような触感を有する化粧用パフを得ることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−7220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は耐候性および耐油性に優れていて長期間の使用に際して変色することがなく、また好ましい触感、即ちさらさら感を与えるような触感を有し、さらに他の合成ゴムでは解決が困難である静電気対策を満たす化粧用塗布具用組成物及びその化粧用塗布具用組成物を発泡することで得られる発泡体、及び化粧用塗布具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らはこの目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、以下に示す化粧用塗布具用組成物及びその化粧用塗布具用組成物を発泡することにより得られる発泡体を用いて得られる化粧用塗布具によって本目的を達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
1) (a)エピハロヒドリン系ゴム及び(b)加硫剤を含む化粧用塗布具用組成物、
2) 更に(c)発泡剤を含む1)項に記載の化粧用塗布具用組成物、
3) 1)〜2)項に記載の化粧用塗布具用組成物を発泡させることにより得られる発泡体、及び発泡体より得られる化粧用塗布具に関するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明による化粧用塗布具は上記のエピハロヒドリン系ゴム発泡体を素材とするため、耐候性および耐油性に優れていて長期間の使用に際して変色することがなく、また、さらさら感を与えるような触感を有し、さらに帯電防止性能を持ち合わせる。
【0008】
本発明の化粧用塗布具用組成物において、(a)エピハロヒドリン系ゴムとは、エピハロヒドリンと共重合可能な他のエポキシド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル等との共重合体をいう。これらを例示すれば、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピブロムヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピブロムヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピブロムヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体等を挙げることができる。好ましくはエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体である。エピハロヒドリン単独重合体と比較して、これらの共重合体を化粧用塗布具用組成物として用いることで、得られる化粧用塗布具の帯電防止性能が向上する点で好ましい。
【0009】
それらの共重合割合は、例えば、エピハロヒドリン5mol〜95mol%、好ましくは10mol%〜75mol%、さらに好ましくは10〜65mol%、エチレンオキサイド5mol%〜95mol%、好ましくは25mol%〜90mol%、さらに好ましくは35mol%〜90mol%、アリルグリシジルエーテル0mol%〜10mol%、好ましくは1mol%〜8mol%、さらに好ましくは1mol%〜7mol%である。これら共重合体の分子量は特に制限されないが、通常ムーニー粘度表示でML1+4(100℃)=30〜150程度である。
【0010】
本発明の化粧用塗布具用組成物で用いられる(b)加硫剤としては、エピハロヒドリン系ゴムを加硫できるものであれば特に限定されないが、ハロゲン(例えば、塩素)原子の反応性を利用する公知の加硫剤、即ちポリアミン類、チオウレア類、チアジアゾール類、ポリフェノール類、メルカプトトリアジン類、キノキサリン類等が、また、側鎖二重結合の反応性を利用する公知の加硫剤、例えば、有機過酸化物、硫黄、モルホリンポリスルフィド類、チウラムポリスルフィド類等が適宜使用される。加硫剤は一種を単独で用いても、二種以上を併用しても良い。(b)加硫剤としては、チオウレア類、メルカプトトリアジン類、キノキサリン、ポリフェノール類、硫黄であることが好ましく、チオウレア類加硫剤、キノキサリン系加硫剤またはメルカプトトリアジン系加硫剤であることがより好ましく、チオウレア類であることが特に好ましい。
【0011】
これら加硫剤を例示すれば、ポリアミン類としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、p−フェニレンジアミン、クメンジアミン、N,N'−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、エチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート等が挙げられる。
【0012】
チオウレア類としては、エチレンチオウレア、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等が挙げられる。
【0013】
チアジアゾール類としては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−5−チオベンゾエート等が挙げられる。
【0014】
ポリフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS等が挙げられる。
【0015】
メルカプトトリアジン類としては、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン等が挙げられる。
【0016】
キノキサリン類としては、2,3−ジメルカプトキノキサリン、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチカーボネート等が挙げられる。
【0017】
有機過酸化物としては、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。
【0018】
モルホリンポリスルフィド類としては、モルホリンジスルフィドが挙げられる。
【0019】
チウラムポリスルフィド類としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド等が挙げられる。
【0020】
実用的に好ましい加硫剤としては、硫黄やビスフェノールA、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、エチレンチオウレア、ジブチルチオウレア、1,3−ジエチルチオウレア、トリメチルチオウレアなどが挙げられ、さらに好ましくはエチレンチオウレアが挙げられる。
【0021】
加硫剤の配合量は、エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましく、0.5〜8重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることが特に好ましい。これが0.1重量部未満では加硫せず、10重量部を超えると、得られる発泡体が弾性を失い樹脂状となるので好ましくない。
【0022】
本発明の化粧用塗布具用組成物には、更に(c)発泡剤を含有してもよい。(c)発泡剤としては、発泡体の製造に使用される発泡剤であればいずれも使用することができ、特に限定されない。物質の化学変化を利用する公知の化学発泡剤、即ちアゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、重炭酸塩類等が、また、物質の物理変化を利用する公知の物理発泡剤、即ち脂肪族炭化水素類、塩化炭化水素類、フッ化塩化炭化水素類、気体、マイクロバルーン発泡剤(熱可塑性または熱硬化性樹脂で作られたポリマー殻内に固体、気体または液体からなる加熱膨張性物質を封入した物)等が適宜使用される。好ましくは、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体系の化学発泡剤、マイクロバルーン発泡剤等の物理発泡剤であり、更に好ましくはヒドラジン誘導体系の化学発泡剤である。これらは1種類または2種類以上を併用しても良い。
【0023】
これらの発泡剤(c)を例示すれば、アゾ化合物としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、バリウムアゾジカルボキシレート、ジアゾアミノベンゼン等が挙げられ、ニトロソ化合物としては、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N, N’−ジメチル−N, N’−ジニトロソテレフタルアミド、トリニトロソトリメチレントリアミン等が挙げられ、ヒドラジン誘導体としては、4, 4’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、パラトルエンスルフォニルヒドラジド等が挙げられ、セミカルバジド化合物としては、p−トルエンスルフォニルセミカルバジド等が挙げられ、重炭酸塩類としては、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、脂肪族炭化水素類としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン等が挙げられ、塩化炭化水素類としては、ジクロルメタン、ジクロルエタン等が挙げられ、フッ化塩化炭化水素類としては、フロン等が挙げられ、気体としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス等が挙げられる。
【0024】
実用的に好ましい発泡剤は、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボン酸アミド、4, 4’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)であり、更に好ましくはアゾジカルボン酸アミド、4, 4’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)である。
【0025】
化学発泡剤の添加量はエピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して0.5〜20重量部であることが好ましく、1〜10重量部がより好ましい。これが0.5重量部未満では発泡が充分に行われず、20重量部を超えると加硫阻害するため好ましくない。
【0026】
物理発泡剤は発泡倍率に応じて適宜使用できる。とくにマイクロバルーン発泡剤を使用する場合には、エピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して0.1〜20重量部、とくには1〜10重量部が好ましい。これが0.1重量部未満では発泡が充分に行われず、20重量部を超えると殻を形成する熱可塑性または熱硬化性樹脂量が増加するためにエピハロヒドリン系ゴムの柔軟性が失われるため好ましくない。
【0027】
さらに本発明の化粧用塗布具用組成物に通常用いられる公知の老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤を本発明にそのまま用いることができる。ここでいう公知の老化防止剤とはアミン系、フェノール系、ベンツイミダゾール系、ジチオカルバミン酸塩系、チオウレア系、特殊ワックス系、有機チオ酸系、亜リン酸系などをあげることができる。これらの老化防止剤の配合割合はエピハロヒドリン系ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量部であり、これらの老化防止剤を2種以上併用しても良い。
【0028】
本発明の化粧用塗布具用組成物には、本発明の効果を損なわない限り、上記以外の配合剤、例えば、滑剤、充填剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、発泡助剤、着色剤、導電剤、帯電防止剤等を任意に配合できる。さらに本発明の特性が失われない範囲で、当該技術分野で通常行われている、ゴム、樹脂等のブレンドを行うことも可能である。
【0029】
本発明の化粧用塗布具用組成物を製造するには、従来ポリマー加工の分野において用いられている任意の混合手段を用いることができ、後述する発泡体の製造において用いられる発泡方法に適した組成物が得られる混合手段を用いればよい。混合手段としては、例えば、ミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を用いることができる。
【0030】
本発明の化粧用塗布具用組成物を発泡して得られる発泡体は従来発泡体の製造分野において用いられる任意の発泡方法、例えば化学発泡剤法、泡立て法、気体混入法、核剤溶出法、低沸点溶剤法等を用いることができ、好ましい発泡方法は化学発泡剤法、泡立て法又は気体混入法であり、更に好ましくは化学発泡剤法である。
【0031】
化学発泡剤法を用いた場合には、エピハロヒドリンゴムを加硫成型するとともに、化学発泡剤の反応が進行して(加硫発泡して)発泡体を得ることができ、所望の形状に加工されて化粧用塗布具が得られる。
【0032】
発泡と加硫が同一条件で行えない場合には、所定の方法で化粧用塗布具用組成物を発泡して得られる発泡体を加硫成型した後に所望の形状に加工されて化粧用塗布具が得られる。
【0033】
加硫成型は、金型による圧縮成型、スチーム缶、エアーバス、赤外線或いはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができ、加硫条件としては、加熱温度は100〜200℃で、時間は温度により異なるが、通常0.5〜300分の間で行えばよい。
【0034】
加工については、得られた加硫成型物の片面または両面の表皮をスライサー等により剥ぎ取り、所望の形状に打ち抜くことにより化粧用塗布具とすることができる。
【0035】
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、本発明はこの記載に限定されるものではない。
【0036】
(実施例1〜3、比較例1)
下記表1に示す各材料をニーダーおよびオープンロールで混練し、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを厚み10mmt、200mm角のシートに予備成型した。次に厚み9.5mmt、200mm角のスペーサーを準備し、この中に上記のシートを入れ、二段発泡法により140℃のプレスで15分間、一次加硫、一次発泡を行った。シートをプレスより取り出し、150℃のプレスで15分間、二次加硫、二次発泡を行った。得られたスポンジシートの裏表両面の表皮をスライサーで除去して100mmφの抜き型により厚み10mmt×100mmφの化粧用塗布具(実施例1〜3)を得た。
比較例1の化粧用塗布具はSHO−BI Corporation株式会社製(商品名Foundation Puff・NBR製化粧用パフ)を使用した。
【0037】
実施例1〜3、比較例1の化粧用塗布具を以下の項目で評価を行った。
【0038】
触感
実施例1〜3及び比較例1の化粧用塗布具を触った時の感触を記載する。結果を表2に示す。
【0039】
白さ
化粧用塗布具表面を目視検査により、○:白い、△:白さが不足、×:黄色い、の基準で、実施例1〜3及び比較例1の化粧用塗布具表面の白さを評価した。結果を表2に示す。
【0040】
耐候性
耐候性はJIS K6266に準拠し、実施例1〜3及び比較例1の化粧用塗布具を屋外の同一条件下で7日間の太陽光暴露試験を行い、化粧用塗布具の表面の色変化を目視検査により、暴露試験前の化粧用塗布具の表面との比較において、○:変化なし、×:黄変、の基準により評価した。結果を表2に示す。
【0041】
耐油性
耐油性はJIS K6258に準拠し、実施例1〜3及び比較例1の化粧用塗布具を化粧料で多用されているジメチルシロキサンの6量体中に室温で7日間浸漬させた。化粧用塗布具の浸漬前後の重量を測定し、○:重量変化なし、×:重量変化ありで評価した。結果を表2に示す。
【0042】
体積抵抗率
実施例1〜3及び比較例1の化粧用塗布具を23℃/50%RH環境下にて状態調整を行った後、JIS K6271に準拠し、三菱油化株式会社製ハイレスタを用いて体積固有抵抗値を測定した。結果を表2に示す。
【0043】
表1の各符号は以下の製品を示す。
*1 ダイソー株式会社製「エピクロマーC」、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体
*2 ダイソー株式会社製「エピクロマーCG」、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド―アリルグリシジルエーテル共重合体
*3 花王株式会社製「Splender R−300」
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
上記1において、感触は実施例1および実施例2で得られた化粧用パフは柔らかく、実施例3で得られた化粧用塗布具は硬め、いずれもさらさらとした感触であったが、比較例1は、べたつく感触が認められた。また白さは実施例1および実施例2で得られた化粧用塗布具は酸化チタンを白色顔料として添加したため優れていた。また耐候性は実施例1から実施例3の白さは変化しなかったが、比較例1は黄変した。また耐油性については実施例1から実施例3では重量変化が認められないのに対して、比較例1は重量変化が認められ、耐油性の点においても優れていた。
実施例1〜実施例3で得られた化粧用塗布具は体積抵抗率が低く、半導電性の性質を有し永久帯電防止能力を有することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の化粧用塗布具用組成物及びその化粧用塗布具用組成物を発泡させることにより得られる発泡体からなる化粧用塗布具は耐候性および耐油性に優れていて長期間の使用に際して変色することがなく、また触感、特にさらさら感を与えるような触感を有し、さらに帯電防止性能を持ち合わせる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)エピハロヒドリン系ゴム及び(b)加硫剤を含む化粧用塗布具用組成物。
【請求項2】
(a)エピハロヒドリン系ゴムがエピクロルヒドリン―エチレンオキサイド共重合体及び/又はエピクロルヒドリン―エチレンオキサイド―アリルグリシジルエーテル三元共重合体である請求項1に記載の化粧用塗布具用組成物。
【請求項3】
(b)加硫剤がポリアミン類、チオウレア類、チアジアゾール類、メルカプトトリアジン類、キノキサリン類、有機過酸化物、硫黄、モルホリンポリスルフィド類、チウラムポリスルフィド類、ポリフェノール類である請求項1又は2に記載の化粧用塗布具用組成物。
【請求項4】
更に(c)発泡剤を含む請求項1〜3いずれかに記載の化粧用塗布具用組成物。
【請求項5】
(c)発泡剤が化学発泡剤及び物理発泡剤から選択される少なくとも1種である請求項4に記載の化粧用塗布具用組成物。
【請求項6】
請求項1〜5いずれかに記載の化粧用塗布具用組成物を発泡させることにより得られる発泡体。
【請求項7】
請求項6記載の発泡体より得られる化粧用塗布具。

【公開番号】特開2012−111884(P2012−111884A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263118(P2010−263118)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000108993)ダイソー株式会社 (229)
【Fターム(参考)】