説明

医用インプラント用途のための網状粒子多孔質被覆

組成物、該組成物から構成される医用インプラント、および該組成物を作製する方法が記載される。該組成物は多孔質被覆基材を含み、該多孔質被覆は網状粒子被覆を含み、該被覆は該網状粒子を好ましくは焼結により表面に融合させることによって形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年6月7日に出願した米国仮出願第60/942,523号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、焼結網状粒子多孔質被覆を含む新規な多孔質構造体に関する。この新規な構造体は多孔質構造体が有用ないかなる用途においても有用であるが、インプラント中への組織の内部成長を促進することになる医用インプラント材料の部品として特に有用であろう。
【背景技術】
【0003】
従来の組織内部成長技術は、種々の医用インプラント用途において形態および機能の回復を助けることにおいては比較的成功してきた。しかし、それらの技術が理想的な解決策ではない患者、病態、または状況がある。従来の技術は、比較的低い多孔性、低い長期強度、高い剛性、低い初期安定性、またはそれらを広範囲の望ましい用途に対して理想的であることを制限する他の問題点を有する傾向があった。
【0004】
特に、骨成長の足場としてまたは埋植可能な医用デバイスの付着機構としての役割を果たすための改善された骨内部成長構造体への持続的な需要がある。そのような構造体は、血管新生および新生骨内部成長を可能にする多孔質枠組みならびに骨幹細胞および骨成長誘導因子に適合した部位を与えるものを提供することが望ましい。多孔質構造体の空間および隙間は骨内部成長のための表面を提供し、それにより骨組織の修復もしくは置換のためまたは関節置換用途において用いられる永久的インプラントの骨格固定を可能にする。インプラントは、完全股関節形成術、完全膝関節形成術等の従来の完全関節置換または股関節半形成術等の部分関節置換であり得る。当技術分野において骨内部成長構造体を成功させるために重要ないくつかの特徴が知られている。その中には、多孔性、生物学的親和性、周囲の骨との密接な接触、および骨内部成長を可能にする適切な初期安定性が含まれる。理想的な内部成長構造体は、良好な強度および延性、ならびに骨の剛性に匹敵する剛性を有するべきである。この技術はまた、理想的には正確な寸法のインプラントを容易に製造できることに適しているべきであり、また厚手の独立型バルク形態または固体のインプラント基材に付着した薄い被覆のいずれかの製造を可能にするべきである。
【0005】
内部成長が成功するための1つの重要な要求事項は、インプラント材料が健全な骨に隣接して設置されることである。骨伝導性または骨成長促進性多孔質構造体は、健全な骨に物理的に接触して設置された際に骨組織の内部成長を支持するであろう。健全な骨と近接していることにより、骨の内部成長に必要な骨形成細胞および血管の浸潤が可能になる。
【0006】
骨の内部成長を促進するために要求される適切な物理的性質を有する合成多孔質インプラントを開発し製造するために数多くの試みがなされてきた。金属、セラミック、ポリマー、またはコンポジット材料の多孔質表面を有するインプラントが、過去20年にわたって幅広く研究されてきた。
【0007】
表面多孔性を提供し、骨の内部成長を促進するために医用インプラントの表面に焼結ビーズを使用することは知られている(米国特許第3,855,638号)。しかし、これらの方法ではデバイスの多孔性が比較的低く(<40%)、外表面が比較的平滑となり、近傍の骨との「噛み込みが不十分」という結果をもたらす。いくつかのインプラント用途には適しているものの、これらの性質は多くのより困難な内部成長用途への最適な解決策を提供しない。
【0008】
初期の試みには、繊維金属メッシュ組成物の使用(米国特許第3,906,550号)も含まれている。これによってより大きな多孔性(約50%)が得られるが、望ましい多孔性よりまだ低い。繊維金属メッシュも比較的平滑な外表面を有しており、近傍の骨との「噛み込みが不十分」という結果をもたらす。この場合も、得られる内部成長性能は多くのより困難な内部成長用途に望まれるほど大きくはない。
【0009】
さらに、プラズマスプレーチタン医用インプラントが使用されてきた(米国特許第3,605,123号)。これらは多孔性が非常に低く、付着強度が比較的低いという欠点がある。多孔性および付着強度は医用インプラントに重要な特性であるので、この技術は多孔質内部成長用途に最適であるとは考えられない。
【0010】
焼結非対称粉末組成物も使用されてきた(米国特許第4,206,516号)。これらは中程度の多孔性(約60%)を示すものの、焼結ビーズよりも付着強度が低いという欠点があり、これはいくつかの医用インプラント用途において不利益であろう。
【0011】
Cancellous−Structured Titanium(商標)およびVoid Metal Composites(米国特許第3,852,045号)等のSacrificial Second Phase Compositionsも、再血管新生および新生骨成長を可能にする多孔質枠組みへの需要に対処するために使用されてきた。これらの技術は複雑な製造プロセスを必要とし、また外表面が比較的平滑であるという欠点があり、近傍の骨との「噛み込みが不十分」という結果をもたらす。これらにはまた、付着強度が比較的低いという欠点がある。
【0012】
一体成型多孔質構造体もまた使用されてきた(米国特許第4,781,721号)。これらの組成物においては、多孔質表面が基材と同時に成型される。もたらされる利点は急峻な界面がないことである(即ち、プロセスが堆積プロセスでないので、付着の問題が最小化される)。これらの組成物の構造的特徴および細孔は所望のものよりも大きい傾向があり、用いられる成型プロセスに適合した材料からのみ作製することができる。
【0013】
医用インプラント上に多孔質枠組みを創るために選択的レーザー焼結法が使用されてきた。しかし、これらの方法は実施不能なほどに高価であることがわかり、また微細構造を創るために用いることは困難である。
【0014】
医用インプラント用途のために網状足場を金属化するいくつかの方法が用いられてきたが、これらのアプローチは比較的高価になりがちで、比較的大きな細孔および比較的低い比表面積を有する組成物をもたらし、また非平面的表面に付着させることは困難である。1つのそのような方法においては化学蒸着法を用いて網状ガラス状炭素骨格の構造部材にタンタルを付着させる(米国特許第5,282,861号)。このプロセスは非常に高価で、有害な化学物質を含むので、望ましい選択ではない。さらに、生成する構造体は固体のインプラント表面に付着させるのが困難で、より広い種々の用途に用いることには制限がある。
【0015】
多孔質組織内部成長構造体の開発には改善の余地がある。多孔質組織内部成長構造体に、現在入手可能なものより理想的な形態学的および機械的特性を持たせ、容易かつ比較的安価に製造でき、広範な種々の組織内部成長用途に適用可能とすることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国仮出願第60/942523号
【特許文献2】米国特許第3,855,638号
【特許文献3】米国特許第3,906,550号
【特許文献4】米国特許第3,605,123号
【特許文献5】米国特許第4,206,516号
【特許文献6】米国特許第3,852,045号
【特許文献7】米国特許第4,781,721号
【特許文献8】米国特許第5,282,861号
【特許文献9】米国特許第1,919,730号
【特許文献10】米国特許第2,917,384号
【特許文献11】米国特許第3,078,552号
【特許文献12】米国特許第3,833,386号
【特許文献13】米国特許第4,569,821号
【特許文献14】米国特許第5,171,720号
【特許文献15】米国特許第5,213,612号
【特許文献16】米国特許第5,976,454号
【特許文献17】米国特許第6,087,024号
【特許文献18】米国特許第3,616,841号
【特許文献19】米国特許第3,946,039号
【特許文献20】米国特許第4,235,277号
【特許文献21】米国特許第4,600,546号
【特許文献22】米国特許第3,090,094号
【特許文献23】米国特許第3,097,930号
【特許文献24】米国特許第3,111,396号
【特許文献25】米国特許第3,408,180号
【特許文献26】米国特許第4,004,933号
【特許文献27】米国特許第4,024,212号
【特許文献28】米国特許第4,056,586号
【特許文献29】米国特許第4,371,484号
【特許文献30】米国特許第4,517,069号
【特許文献31】米国特許第4,803,025号
【特許文献32】米国特許第4,866,011号
【特許文献33】米国特許第5,531,955号
【特許文献34】米国特許第5,839,049号
【特許文献35】米国特許第6,387,149号
【特許文献36】米国特許第6,840,978号
【特許文献37】米国特許第6,977,095号
【特許文献38】米国特許第5,185,297号
【特許文献39】米国特許第5,881,353号
【特許文献40】米国特許第6,706,239号
【特許文献41】米国特許出願公開第2005/0184134号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は組成物、該組成物から形成される医用インプラント、およびそのためのプロセスを対象としている。該組成物は多孔質被覆基材を含み、該多孔質被覆は網状粒子被覆を含み、該被覆は該網状粒子を好ましくは焼結により表面に融合させることによって形成される。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のある実施形態においては細胞および組織の内部成長のための多孔質網状構造体があり、該構造体は単一の連続組成物を構成する融合した個別の三次元的網状要素を含む。
【0019】
ある実施形態においては、網状要素のそれぞれは1個以下の個別ユニットセルを含む。
【0020】
ある実施形態においては、網状要素は個別ユニットセルを有しない。
【0021】
ある実施形態においては、多孔質構造体は50〜1000μmの間の細孔寸法を有する細孔を含む。
【0022】
ある実施形態においては、多孔質構造体は100〜500μmの間の細孔寸法を有する細孔を含む。
【0023】
ある実施形態においては、網状要素は、金属、セラミック、ガラス、ガラスセラミック、ポリマー、コンポジット、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含む。
【0024】
ある実施形態においては、網状要素は、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、コバルト−クロム−モリブデン合金、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含む。
【0025】
ある実施形態においては、多孔質構造体は固体基材をさらに含む。
【0026】
固体基材を有するある実施形態においては、固体基材は、金属、セラミック、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含む。
【0027】
固体基材を有するある実施形態においては、多孔質構造体は固体基材の表面の少なくとも一部を覆い、多孔質構造体および固体基材は埋植可能医用インプラントの少なくとも一部を形成する。
【0028】
埋植可能医用インプラントのある実施形態においては、埋植可能医用インプラントは整形外科インプラントである。
【0029】
整形外科インプラントのある実施形態においては、整形外科インプラントは股関節インプラントまたは膝関節インプラントである。
【0030】
別の実施形態においては、複数の三次元的網状粒子をある形状に配置するステップと、1個または複数の粒子が1個または複数の他の粒子と接触する点において網状粒子を融合させて単一の連続組成物を形成させるステップとを含む、細胞および組織の内部成長のための多孔質構造体を製造するための方法がある。
【0031】
ある実施形態においては、網状粒子は1個以下の個別ユニットセルを含む。
【0032】
ある実施形態においては、網状粒子は個別ユニットセルを有しない。
【0033】
ある実施形態においては、網状粒子は50〜1000μmの間の窓径を有する。
【0034】
ある実施形態においては、網状粒子は100〜500μmの間の窓径を有する。
【0035】
ある実施形態においては、網状粒子は金属、セラミック、ガラス、ガラスセラミック、ポリマー、コンポジット、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含む。
【0036】
ある実施形態においては、網状粒子は、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、コバルト−クロム−モリブデン合金、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料からなる。
【0037】
ある実施形態においては、網状粒子を融合させるステップは、接着、焼結、ろう付け、溶融、溶接、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される方法によって網状粒子を融合させるステップを含む。
【0038】
ある実施形態においては、前記網状粒子を融合させるステップは、前記網状粒子を焼結させるステップを含む。
【0039】
ある実施形態においては、前記方法は前記網状粒子を固体基材に融合させるステップをさらに含む。
【0040】
網状粒子を固体基材に融合させるある実施形態においては、前記方法は融合した網状粒子および固体基材から埋植可能医用インプラントを形成するステップをさらに含む。
【0041】
ある実施形態においては、埋植可能医用インプラントを形成するステップは、股関節インプラントまたは膝関節インプラントを形成するステップを含む。
【0042】
本発明の別の実施形態においては、1個以下のユニットセルを有する三次元的網状粒子を製造するプロセスがあり、該プロセスは、三次元的網状バルク構造体を用意するステップと、バルク構造体を分割して個別の網状粒子を製造するステップと、個別の網状粒子をバルク構造体の元のユニットセル直径に基づく寸法によって分離するステップとを含む。
【0043】
ある実施形態においては、前記プロセスは前記分割ステップに先立って前記バルク構造体を脆化するステップをさらに含む。
【0044】
ある実施形態においては、脆化するステップは低温処理によって達成される。
【0045】
ある実施形態においては、脆化するステップは可逆的化学反応によって達成される。
【0046】
ある実施形態においては、可逆的化学反応は水素化/脱水素化プロセスである。
【0047】
ある実施形態においては、前記バルク構造体を分割するステップは、前記バルク構造体を粉砕するステップを含む。
【0048】
ある実施形態においては、三次元的網状バルク構造体はバルク網状構造体からのスクラップを含む。
【0049】
上記は、以下に記載する本発明の詳細な記述がより良く理解できるように、本発明の特徴および技術的利点をやや大雑把に概説したものである。本発明の追加の特徴および利点を以下に記載するが、それにより本発明の特許請求の範囲の主題が形成される。開示される概念および特定の実施形態は、他の構成を改変または設計して本発明と同じ目的を実施するための基礎として容易に利用できることが理解されるべきである。そのような等価の構成が、付記された特許請求の範囲に記載された本発明から逸脱しないことも認識されるべきである。本発明の特色であると考えられる新規な特徴は、その構成および実施方法の両方に関して、さらなる目的および利点とともに、添付する図面と関連させて考慮すれば、以下の記載から、より良く理解されるであろう。しかしながら、それぞれの図面は説明および記述の目的のみのために提供されるものであって、本発明の限界を定義することを意図していないことが明示的に理解されるべきである。
【0050】
本発明をより完全に理解するため、ここで添付する図面とともに以下の記述を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】網状金属粒子の1つまたは複数の層をともに焼結することによって創られたバルク多孔質組織内部成長構造体の略図である。
【図2】網状金属粒子の1つまたは複数の層を焼結することによって固体インプラント表面上に創られた多孔質組織内部成長被覆の略図である。
【図3】網状金属またはセラミック発泡体等の材料を粉砕することによってバルク網状構造体を網状粒子に分割する1つの方法の略図である。
【図4】三次元的網状構造体の単一ユニットセルの略図である。
【図5】網状要素の部分におけるストラットおよびノードの略図である。
【図6】本発明によって解決される非平面的表面に関する従来技術の欠陥の略図である。
【図7】個別の網状粒子を含む構造体と、それから粒子が製造された元の連続網状バルク構造体とを比較する図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本明細書においては、「a」および「an」は単数および複数の両方を含み、1または1を超える数を意味する。本明細書において一般に、他に指示がないか文脈から明白でない限り、単数は複数を含み、複数は単数を含む。
【0053】
本明細書においては、「網状構造体」という用語は、ストラットおよびノードの連続した配列によって画定されるオープンセルの相互に連結したネットワークを有する構造体を意味する。網状構造体は一般に、オープンセル発泡体またはスポンジ状形態を有するものとして記述することができる。
【0054】
本明細書においては、「ストラット」という用語は、オープンセル網状構造体における窓の間の境界材料を意味する。
【0055】
本明細書においては、「ノード」という用語は、オープンセル網状構造体における複数のストラットの交点の位置を意味する。
【0056】
本明細書においては、「ターミナルストラット」という用語は、1つのノードにのみ結合したストラットを意味する。典型的なバルク網状構造体においては、ターミナルストラットは、構造体が切断されたバルク構造体の表面にのみ現れる。
【0057】
本明細書においては、「ターミナルノード」という用語は、ストラットが1つの側のみに発するノードを意味する。典型的なバルク網状構造体においては、ターミナルノードは、構造体が切断されたバルク構造体の表面にのみ現れる。
【0058】
本明細書においては、「窓」という用語は、ストラットおよびノードの多角形(典型的には5角形または6角形)配置によって画定されるオープンセル網状構造体の2つのユニットセルを結合する一般に円形の開口部を意味する。
【0059】
本明細書においては、「ユニットセル」という用語は、ストラットおよびノードの多面体(典型的には12面体)配置によって画定される網状構造体における一般に球状の空間スペースを意味する。
【0060】
本明細書においては、「個別ユニットセル」という用語は、その構造体のユニットセルを構成することになる多面体の少なくとも半分を構成するストラットおよびノードの連続的な配列を意味する。
【0061】
本明細書においては、「網状要素」という用語は、形態学的に個別の三次元的ストラット−ノード型構造体を意味し、該構造体は1)少なくとも1つのノードおよびその軸がすべて同一平面内にない少なくとも3つのストラット、または2)少なくとも2つのノードおよび少なくとも3つのストラットを含む。網状要素は、その範囲を画定するターミナルストラットまたはターミナルノードの存在によって区別される。網状要素はより大きな連続構造体の一部であっても、そうでなくても良く、その中において、それぞれの要素の範囲によって画定される体積は重なっても良い。
【0062】
本明細書においては、「網状粒子」という用語は、より大きな連続構造体の一部ではない網状要素を意味する。
【0063】
本明細書においては、「融合させるステップ」もしくは「融合」という用語、または「融合させる」という表現は、2つの個別の集合体を結合して、物質として連続な一体の全体物とすることを意味する。「物質として連続な」は、物質の相互作用によって結合され、物理的接触のみで結合しているのではない、即ち他の物質ストランドと絡み合った物質ストランドに起因するもの等の機械的結合ではないことを意味する。これは、接着、焼結、ろう付け、溶融、溶接等、および集合体が単に機械的相互作用ではなく物質的相互作用によって結合する他の手段を含むが、それだけに限らない任意の手段によって達成することができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態においては、上述した既知の技術の不利益は克服されまたは改善される。他の実施形態においては、バルク網状構造体を任意の形態で容易に製造するためのプロセスが提供される。本発明の別の実施形態は、起伏のある固体表面上に網状構造体を同時に形成および付着させるプロセスを提供するためのものである。他の実施形態においては、実質的に開放され相互に結合した、既知技術で可能な寸法よりも小さな細孔寸法を有し得る網状構造体を製造するためのプロセスが提供される。
【0065】
本発明は、好ましくは医用インプラント用途に用いられ、網状粒子の1つまたは複数の層をともに融合させることによって創られる多孔質組織内部成長構造体に関する。網状粒子の1つまたは複数の層をともに融合させることによって創られた独立型バルク多孔質組織内部成長構造体を示す略図を図1に示す。網状粒子の1つまたは複数の層を相互におよび固体基材上にともに融合させることによって固体基材の表面上に創られた多孔質組織内部成長構造体を示す略図を図2に示す。
【0066】
図1に示す1つの具体例において、網状金属粒子1をある形状に形成し、焼結して、他の粒子と接触する点において粒子と結合し、単一の連続多孔質組成物、即ち図1で図示される例ではくさび形の組成物4を形成する。
【0067】
図2に示す別の実施形態においては、網状金属粒子1を固体金属基材7の表面に付着させ、焼結して、それぞれの接触点において粒子を他の粒子および表面と結合させ、固体基材7の表面に付着した単一の連続多孔質組成物12を含む最終生成物11を形成する。
【0068】
最終組成物およびデバイスを製造するために使用される網状粒子は、任意の材料(単数または複数)から構成することができ、当技術分野で既知の任意のプロセスにより形成することができる。好ましくは、これは網状金属またはセラミック発泡体を分割することによって達成される。あるいは、これはさらに処理されて粉末フィラー材料から誘導される組成物の網状粒子となる金属またはセラミック粉末で満たされた網状ポリマー発泡体等の金属またはセラミック発泡体の網状前駆体を分割することによって達成することができる。あるいは、これはその後に第2の被覆組成物によって被覆される第1の網状足場組成物を分割することによって達成することができる。この被覆は化学蒸着、物理蒸着、粉末被覆、スラリー被覆、ゾル−ゲル被覆、電気めっき、または他の適当な被覆法によって適用することができる。
【0069】
分割は当技術分野で既知の任意のプロセスによって達成することができる。その1例の略図を図3に示す。好ましくは、これは1個または複数の粉砕ローラー18を用いて材料15(これは非制限的な例として網状金属またはセラミック発泡体であってよい)を粉砕し、網状粒子1を製造することによって達成される。1つの実施形態においては、理想的な寸法範囲の網状セラミック粒子の製造は、特定の方向付けをされた1組のローラーの間で網状セラミック発泡体を粉砕すること(粉砕ローラーの組を通して発泡体を前進させる供給システムのコンベアまたはローラーを使用しもしくは使用せずに)によって達成される。これを概略的に図3に示す。あるいは、これは材料を磨砕、細切、または切断することによって達成することができる。分割の他の方法には、音波エネルギーを適用して網状構造体を得ることおよび/または網状構造体を制御して爆轟することが含まれてもよい。本明細書の発明に適用可能な分割は今後開発される分割法およびプロセスによって達成されてもよいことが想定される。
【0070】
分割にもっと適応させるため、延性材料から作られた発泡体を、分割に先立つ可逆的プロセスによって、一時的により脆くすることができる。例えば、延性のあるチタン発泡体を分割に先立って水素化することによって、より脆くすることができる。これに続いて、この構造体を焼結する間に(またはこの構造体を焼結するのに先立つ別の脱水素化ステップの間に)脱水素化することによって元のチタン発泡体の延性特性を取り戻すことができる。同様に、室温で延性または弾性の発泡体も、分割に先立って低温組成物に曝すなど、極低温に曝すことによって一時的により脆くすることができる。これに続いて、この構造体を室温に戻すことによって元の発泡体の延性または弾性特性を取り戻すことができる。
【0071】
網状オープンセルバルク構造体は、3個以上のストラットが交わるノードによって結合されたストラットの配列からなっている。この構造体を概略的に図4に示す。そのような構造体における空間スペースは、典型的には同一平面内にある5〜7個の(または他の数の)ストラットによって形成される開窓または窓30を通じて互いに結合した略球状の多面体ユニットセル27からなっている。ストラット21は窓の間の境界を形成し、一方ノード24は複数のストラットが交わる所である。「ストラット」および「ノード」のさらなる略図が図5に示されており、これは網状要素32および33の一部におけるストラット21およびノード24を示している。図4に示された例示的な窓30は5角形であるが、近似的に「円形」と考えることができる。このように、そのような窓の「直径」は1つのストラットから窓を通して対向する(即ち隣接していない)ストラットまで測定される。網状オープンセルバルク構造体の細孔寸法は、ユニットセルの直径および窓の直径の両方によって特性付けられる。当技術分野において既知の多くの技術において、組織内部成長に理想的であると考えられる十分に小さな細孔寸法を有する網状オープンセルバルク構造体を製造することには経済的または技術的な問題がある。さらにこの目的のため、本発明者らが知る限り、単一の連続組成物を構成する融合した個別の三次元的網状要素を含む多孔質網状構造体は知られていない。しかしながら、より大きな細孔寸法を有する網状オープンセルバルク構造体を分割することによって、より大きな直径のユニットセルの数が減少または除去され、より小さな窓の直径が大部分を占める細孔寸法を有する粒子が製造される。本発明の1つの目的は、より大きなユニットセルを有し、より安価かつより容易に製造できる網状構造体の使用を可能にし、望ましい範囲の細孔寸法を有する最終構造体を製造することである。
【0072】
金属またはセラミック網状発泡体または構造体を製造する任意の方法が、本発明に適用可能である。オープンセル網状構造体を製造するためにいくつかの方法がこれまでに利用されてきた。そのような一般的方法の1つにおいては、焼結可能な粉末が発泡可能な樹脂または樹脂システムと混合される。発泡に際して、樹脂中の表面張力によって粉末が発泡体のストラットおよびノード領域に押し込まれ、薄い樹脂の窓が発泡体のユニットセルを分離する。得られたクローズドセル網状構造体は次に加熱され、樹脂が蒸発または燃焼し、残った粉末が焼結されてオープンセル網状構造体となる(米国特許第1,919,730号、第2,917,384号、第3,078,552号、第3,833,386号、第4,569,821号、第5,171,720号、第5,213,612号、第5,976,454号、および第6,087,024号)。別の方法においては、別の材料に同様の構造を形成するため、1つのオープンセル網状構造体を用いて焼き流し鋳造を創る。この方法においては、出発構造体の構造的特徴の周囲にネガティブモールドを作製し、出発構造体を通常、燃焼、蒸発、溶融、または他の手段によって破壊的に除去する。次いで空いた空間に流体材料を注入して固化させ、ネガティブモールドを破壊的に除去して、流体材料のそれから誘導される化学物質を有する最終的なオープンセル網状構造体を残す(米国特許第3,616,841号、第3,946,039号、第4,235,277号、第4,600,546号、および第4,781,721号)。別の方法群においては、オープンセル網状構造体を足場として使用する。1つのそのような方法においては、焼結可能な粉末を含むスラリーを足場に含浸させる。次いで過剰のスラリーを除いて、足場の内部構造要素のすべてにわたって均一な薄い被覆を残す。次いで構造体を加熱して被覆を焼結し、焼結可能な粉末材料から誘導される化学物質を有するオープンセル網状構造体を創る(米国特許第3,090,094号、第3,097,930号、第3,111,396号、第3,408,180号、第4,004,933号、第4,024,212号、第4,056,586号、第4,371,484号、第4,517,069号、第4,803,025号、第4,866,011号、第5,531,955号、第5,839,049号、第6,387,149号、第6,840,978号、および第6,977,095号)。このプロセスのいくつかの変形においては焼結の間に元の足場は除去され、他の変形においては足場は最終製品中に残存する(米国特許第5,185,297号)。このプロセスのいくつかの変形においては、スラリー被覆ステップは、構造体を最初に接着剤で被覆し、次いで乾燥した焼結可能な粉末で被覆することによって置き換えられる(米国特許第5,531,955号、第5,881,353号、および第6,706,239号)。上記は、本発明の新規な多孔質網状構造体を製造するための網状金属粒子の原料として有用な網状構造体を製造するための公知な方法の例示的かつ非制限的な例に過ぎない。今後開発されるべき任意の方法および得られる網状構造体を含む他の方法および得られる網状構造体もまた適用可能であることが予想される。
【0073】
網状粒子はそのものとして形成することができ、またはより大きなバルク網状構造体を分割することによって創ることができる。ある状況においては、網状粒子は、バルク網状構造体を成形する間に除去されるもの、寸法的な許容範囲に合致しないバルク網状構造体等の、他の方法では使用できないまたは廃棄する材料を分割することによって創ることができる。この他の方法では使用できない材料は、典型的にはおそらく特別の保存要求事項または廃棄料の形態の費用をかけてもほとんどまたはまったく価値がないスクラップ物として廃棄または処理されている。他の方法では使用できないまたは廃棄する材料をリサイクルすることが可能であればかなりの費用節約が意味される。
【0074】
現在使用可能な技術を用いて、所望の多孔性、細孔寸法、および表面積を有し、広範囲のインプラント用途に容易に適用できる高強度の生体親和性網状金属発泡体を創ることは困難である。現在の技術は十分な強度を有する構造体を製造することはできず、あまりに高価で経済的に実行可能でなく、骨の内部成長に理想的であると考えられるよりは大きな細孔寸法を有する構造体の製造に限られ、または技術的にある種の内部成長への適用のみに限られている。所望の構造および強度を有するいくつかのバルク金属発泡体は作製できるが、特にインプラントの表面が非平面的である場合には、固体のインプラント基材に付着させることは非常に困難であることが見出された。このことが複雑な付着手法の開発に導いた(米国特許出願公開第2005/0184134号)。本発明のプロセスを使用することによって、任意の形態でまたは任意の表面上に、理想的な多孔性、細孔寸法、および表面積を有する、比較的低コストかつ高強度の網状金属構造体または被覆を容易に創ることができる。本発明のこの利点は、図6に示す従来技術を参照して理解することができる。図6に示すように、形成された多孔質構造体35を従来技術の方法を用いて非平面的表面に付着させることは、接続部45における間隙によって示されるように、最適でない適合性をもたらす傾向がある。被覆されるべきデバイスの表面に材料を焼結させることによって、発泡体材料を付着させる際の困難は克服され、最終デバイスにおける接触が改善される。
【0075】
さらに、得られる多孔質層は、バルク発泡体材料を表面に付着させて多孔質表面を創る際に創られる層に比べて構造的な利点がある。網状粒子を表面に焼結させて多孔質表面を創ることは、多くの小さな不規則な形をしたセルを有する表面をもたらす。図7に本発明の融合した網状粒子の構造体(大画像)と分割前の元のバルク網状構造体のそれ(右上の画像)とを比較する。得られる表面は、骨および組織の内部成長が第1の目標である医用インプラント用途におけるより良い性能を示すであろう。
【0076】
本技術の融通性は、容易に任意のバルク形態に作製または任意の表面に適用すること(他の粉末金属学的手法と同様に)ができ、しかも固体金属粉末粒子を用いて創られるより大きな多孔性および細孔寸法を有する網状粒子に由来している。構造体の強度も、密度の増大および焼結の間に粒子間に創られるネック(峡部)の数の増大によって、元の金属発泡体のそれよりも増大している。
【0077】
別の利点は、最終構造体が典型的なバルク網状構造体よりも凹凸のある表面を有することである。大部分のバルク網状金属構造体はワイヤ放電加工(EDM)によって成形する必要があり、これにより比較的平滑な表面が生成される。これは従来の機械加工が金属の塗りつけをもたらし、それにより表面の細孔が閉じるためである。本発明の概念は個別の網状粒子を用いるので、被覆を均一に適用して、より適した摩擦特性を有する粗い表面を生成することができる。
【0078】
網状粒子を表面に焼結させることは粒子を相互におよび表面に融合させる好ましい方法であるが、他の方法が適用可能で本発明の範囲内にある。例えばいくつかの実施形態において、網状粒子はポリマーまたはポリマーコンポジット(少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つの非ポリマーを含むコンポジット材料)であってよい。そのような場合においては、融合は粒子組成物を部分的に化学溶媒に溶解して溶媒を除去し、粒子を相互にまたは表面に融合させることによって達成することができる。ポリマーまたはポリマーコンポジットを実例として提供するが、化学溶媒にある程度溶解する他の材料も使用できる可能性がある。
【0079】
約50μmの最小細孔寸法が石灰化骨の内部成長を得るために必要であると一般に考えられている。1000μmまでの細孔寸法が好ましい。本発明においては1000μm超の細孔寸法も有用で、その範囲内に含まれるが、そのような大きな細孔寸法はあまり好ましくない。したがって、50〜1000μmの間の細孔寸法(または窓の直径)が好ましい。100〜500μmの範囲の細孔寸法を有する構造体において理想的な骨の内部成長が得られると考えられる。したがって、100〜500μmの細孔寸法(または窓の直径)がより好ましい。いくつかの実施形態においては、網状粒子は金属、セラミック、ガラス、ガラスセラミック、ポリマー、コンポジット、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含む。いくつかの実施形態においては、網状粒子はチタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、コバルト−クロム−モリブデン合金、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含む。
【0080】
得られる組成物は特に優れたバイオマテリアルであり、骨または組織の傍に置かれると、当初は補綴物としての役割を果たし、次いで正常組織の再生の足場として機能する。これは、正確に制御可能な形状を有すると同時に細胞および組織の内部成長に最適なマトリックスを提供するというインプラントの手段に対するニーズを満足する。さらに、多孔質構造体の物理的および機械的特性は、目前の特定の応用に対して特に適応させることができる。この新規なインプラントは、整形外科用途における使用、特に、これだけに限らないが股関節および膝関節インプラント等の整形外科インプラントにおける使用への可能性を提供する。自家移植への効果的な代替として、これはまた、これらの移植片を入手するための手術の必要性を減少させるであろう。
【0081】
本明細書に記載したオープンセル構造体の主な利点は、単純であれ複雑であれ、表面材料の適用に先立って基材材料を単に成形することによってほとんど任意の形状に容易に成形できることである。それにより、特定の用途および場所に合わせてインプラントを正確に形成することが可能になり、正確な配置が強化され、バルクの変位が防止される。さらに、手術時に使用可能な従来の歯科または整形外科用設備を用いて、手術時に必要な任意の最終成形/トリミングを最終デバイスに施すことができると思われる。
【0082】
安定な固定に必要なすべての界面に沿ってインプラントを不動とすることができれば、骨折治癒および長期安定性のための最適条件を満たすことができ、それによってリモデリング過程に対するすべての外部影響が(可能な最大限に)排除され、局所的応力/歪み場が内部成長を制御することが可能になる。
【0083】
埋植および初期の組織内部成長に続いて、発泡体デバイスは、脱落を防ぐための正確な成形および線維血管系組織の迅速な内部成長の反映として、保持用補助部材なしに設置された場所に留まる。骨とインプラントとの結合によってインプラントは安定化され、緩みが防止される。したがって、これらのインプラントは他の手段(例えば縫合糸またはセメント)によってその場所に保持する必要はないであろう。むしろ、自然の骨の内部成長はインプラント自体の性質によって促進される。しかしながら、実質的な量の内部成長が起こるまでは、組織の内部成長は埋植後の期間のデバイス保持に寄与する要素ではないであろう。
【0084】
医用インプラント用途においては、多孔質表面を形成するために用いられる網状粒子は生体親和性金属または金属合金から形成されることが好ましい。そのような生体親和性金属または金属合金の非制限的な例は、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、コバルト−クロム−モリブデン合金、およびそれらの任意の組合せである。あるいは、網状粒子はヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、生体活性ガラス、およびそれらの任意の組合せ等の生体親和性セラミックから形成することができる。あるいは、構造体は異なった材料の網状粒子の混合物からなっていてもよく、または網状粒子自体が異なった材料の混合物からなっていてもよい。
【0085】
本発明およびその利点を詳細に述べたが、添付した特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく、種々の変更、置換および改変が本明細書において可能であることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、物質の組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に制限されることを意図していない。本開示から容易に理解されるように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同一の機能を果たし、または実質的に同一の結果を達成する、現存するまたは今後開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成物、手段、方法、またはステップを利用することができる。したがって、添付した特許請求の範囲は、その範囲の中にそのようなプロセス、機械、製造、物質の組成物、手段、方法、またはステップを包含することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞および組織の内部成長のための多孔質網状構造体であって、前記多孔質網状構造体は、複数の個別の三次元的網状要素を含み、前記網状要素のそれぞれは少なくとも1つの他の網状要素と融合して、それにより単一の連続組成物を形成する、多孔質網状構造体。
【請求項2】
前記網状要素のそれぞれが、1個以下の個別ユニットセルを備えた、請求項1に記載の多孔質構造体。
【請求項3】
前記網状要素が個別ユニットセルを有しない、請求項1に記載の多孔質構造体。
【請求項4】
50〜1000μmの間の細孔寸法を有する細孔を備えた、請求項1に記載の多孔質構造体。
【請求項5】
100〜500μmの間の細孔寸法を有する細孔を備えた、請求項1に記載の多孔質構造体。
【請求項6】
前記網状要素が、金属、セラミック、ガラス、ガラスセラミック、ポリマー、コンポジット、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を備えた、請求項1に記載の多孔質構造体。
【請求項7】
前記網状要素が、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、コバルト−クロム−モリブデン合金、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を備えた、請求項1に記載の多孔質構造体。
【請求項8】
固体基材をさらに備えた、請求項1に記載の多孔質構造体。
【請求項9】
前記固体基材が、金属、セラミック、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を備えた、請求項8に記載の多孔質構造体。
【請求項10】
前記多孔質構造体が前記固体基材の表面の少なくとも一部を覆い、前記多孔質構造体および前記固体基材が埋植可能医用インプラントの少なくとも一部を形成する、請求項8に記載の多孔質構造体。
【請求項11】
前記埋植可能医用インプラントが整形外科インプラントである、請求項10に記載の多孔質構造体。
【請求項12】
前記整形外科インプラントが股関節インプラントまたは膝関節インプラントである、請求項11に記載の多孔質構造体。
【請求項13】
複数の三次元的網状粒子をある形状に配置するステップと、
1個以上の前記粒子が1個以上の他の前記粒子と接触する点において前記網状粒子を融合させて単一の連続組成物を形成させるステップとを備えた、
細胞および組織の内部成長のための多孔質構造体を製造するための方法。
【請求項14】
前記網状粒子が1個以下の個別ユニットセルを備えた、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記網状粒子が個別ユニットセルを有しない、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記網状粒子が50〜1000μmの間の窓径を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記網状粒子が100〜500μmの間の窓径を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記網状粒子が、金属、セラミック、ガラス、ガラスセラミック、ポリマー、コンポジット、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を備えた、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記網状粒子が、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、コバルト−クロム−モリブデン合金、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料からなる、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記網状粒子を融合させる前記ステップが、接着、焼結、ろう付け、溶融、溶接、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される方法によって前記網状粒子を融合させるステップを備えた、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記網状粒子を融合させる前記ステップが、前記網状粒子を焼結させるステップを備えた、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記網状粒子を固体基材に融合させるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記融合した網状粒子および固体基材から埋植可能医用インプラントを形成するステップをさらに備えた、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
埋植可能医用インプラントを形成する前記ステップが股関節インプラントまたは膝関節インプラントを形成するステップを備えた、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
三次元的網状バルク構造体を提供するステップと、
前記バルク構造体を分割して個別の網状粒子を製造するステップと、
前記個別の網状粒子を前記バルク構造体の元のユニットセル直径に基づく寸法によって分離するステップとを備えた、
1個以下のユニットセルを有する三次元的網状粒子を製造するプロセス。
【請求項26】
前記分割ステップに先立って前記バルク構造体を脆化するステップをさらに備えた、請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
前記脆化するステップが低温処理によって達成される、請求項25に記載のプロセス。
【請求項28】
前記脆化するステップが可逆的化学反応によって達成される、請求項25に記載のプロセス。
【請求項29】
前記可逆的化学反応が水素化/脱水素化プロセスである、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記バルク構造体を分割する前記ステップが前記バルク構造体を粉砕するステップを備えた、請求項25に記載のプロセス。
【請求項31】
前記三次元的網状バルク構造体がバルク網状構造体からのスクラップを備えた、請求項25に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−528765(P2010−528765A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511241(P2010−511241)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/064242
【国際公開番号】WO2008/154131
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(397071355)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (186)
【Fターム(参考)】