説明

医療用X線撮像装置

【課題】CT撮影およびパノラマ撮影の双方における電気的撮像手段の使用範囲の下端の高さを一致させ、かつ、電気的撮像手段の中心を所望の位置に設定できるように電気的撮像手段を回転する。
【解決手段】X線撮像装置は、パノラマ撮影モード時にセンサ部10bの対角線が鉛直方向になるようにエリアセンサ10を回転するセンサ回転機構8を備える。このセンサ回転機構8を、センサ部10bの角部を水平方向に移動させる第一ガイド機構8aと、センサ部10bの中心を所定の方向に案内する第二ガイド機構8bとで構成する。第一ガイド機構8aは、具体的にはパノラマ撮影の使用範囲10Pの下辺111とセンサ部10bのCT撮影時に下辺となる一辺100との交点112を水平方向に案内し、双方の撮影モードにおいて使用範囲の下端の高さを一致させる。第二ガイド機構8bは、センサ部10bの中心をガイドレール87に沿って案内し、センサ部10bの中心を所望の位置に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パノラマ撮影およびCT撮影が可能な歯科用および耳鼻科用等の医療用X線撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用X線撮像装置は、被写体にX線を照射するX線照射手段と、前記被写体を透過したX線を検出するX線検出手段と、X線照射手段およびX線検出手段を対向して旋回する旋回手段とを備える。さらに、X線検出手段は、CCDやMOS等の矩形状の電気的撮像手段を備える。
【0003】
医療用X線撮像装置には、CT撮影機能およびパノラマ撮影機能など、複数の撮影機能を併せ持つものがある。CT撮影機能は、対象歯牙を中心に旋回手段を回転させながら対象歯牙の断層撮影をする。パノラマ撮影機能は、X線ビームが歯列弓の形状に沿った軌跡を描くように、旋回手段を水平移動および水平旋回させながら断層撮影する。
【0004】
X線検出手段の電気的撮像手段は、CT撮影では平面矩形状の撮影面を必要とし、パノラマ撮影では縦長形状の撮影面を必要とする。ところで、パノラマ撮影において必要とする撮影面の高さが、CT撮影において必要とする撮影面の高さよりも高い場合がある。この場合、有効照射野の小さいCT撮影用の電気的撮像手段を用いてパノラマ撮影を行うと、CT撮影のための高さでしか撮影できないため、パノラマ撮影としての十分な撮影高さを確保できない。
【0005】
そこで、特許文献1では、矩形状の電気的撮像手段(受光部)が設けられた固体撮像装置と、この固体撮像装置の回転角を制御する回転制御部を備えたX線撮像システムを提供する。このX線撮像システムでは、パノラマ撮影またはセファロ撮影において、例えば電気的撮像手段の中心または角端のいずれか一方を回転中心に設定し、回転制御部によって固体撮像装置を回転する。そして、回転により垂直方向となった電気的撮像手段の対角線部分を撮影面とすることで、パノラマ撮影に必要な縦長形状の撮影面を確保している。これによって、必要以上に固体撮像装置を大きくすることなく、一つの固体撮像装置でCT撮影および十分な撮影高さを確保したパノラマ撮影を可能としている。
【0006】
特許文献1の固体撮像装置では、図19aに示すように、電気的撮像手段10’の中心Cを回転中心に設定し、パノラマ撮影のために電気的撮像手段を回転させると、電気的撮像手段の一つ角端C’が、回転前の電気的撮像手段(点線参照)の下辺の高さhよりも低い位置へ大きく移動する。X線撮影は患者の頭部を電気的撮像手段に接近させた状態で行うため、電気的撮像手段の角端C’が低い位置へ移動すると、患者の肩に接触する虞がある。さらに、このように電気的撮像手段10’を回転した場合、パノラマ撮影において十分な撮影高さを確保しつつ、CT撮影およびパノラマ撮影の双方の使用範囲(撮影面)の下端の高さを一致させることはできない。そのため、双方の撮影モードにおいて、使用範囲の高さと患者(被検者)の顎部の高さとを精度よく合わせることができない。
【0007】
一方、図19bに示すように、電気的撮像手段の角端C’を回転中心に設定し、パノラマ撮影のため電気的撮像手段10’を回転すれば、回転前の電気的撮像手段の下端の高さhよりも低い位置に角端C’が移動することはなく、角端C’が患者に接触する恐れはない。さらに、回転前と回転後で電気的撮像手段10’の下端の高さhは変化せず、CT撮影とパノラマ撮影との双方の使用範囲の下端の高さを一致させることができる。したがって、双方の撮影モードにおいて、使用範囲の高さと患者の顎部の高さとを精度よく合わせせることができる。しかしながら、電気的撮像手段の中心Cを回転中心に設定した場合と異なり、回転により電気的撮像手段の中心Cが大きく水平方向に移動する。例えば、電気的撮像手段10’をハウジングに内包して、ハウジング内で回転させる構成とする場合には、ハウジングの幅は、中心Cを回転中心した場合にくらべて大きくしなければならず(W’>W)、X線検出手段のスペース効率が非常に悪いものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009-279389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本願発明は、CT撮影およびパノラマ撮影の双方における電気的撮像手段の使用範囲の下端の高さが一致するように、かつ、電気的撮像手段の中心を所望の位置に設定できるように電気的撮像手段を回転する医療用X線撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る医療用X線撮像装置は、被写体にX線を照射するX線照射手段と、鉛直平面上に設けられた矩形状の電気的撮像手段と、電気的撮像手段を設け被写体を透過したX線を検出するX線検出手段と、X線照射手段およびX線検出手段を対向して旋回する旋回手段と、旋回手段を旋回するための旋回軸と、鉛直平面上で電気的撮像手段を回転する回転機構と、撮影モードとして少なくともCT撮影モードおよびパノラマ撮影モードとを備え、CT撮影モードとパノラマ撮影モードとの切り替えにおいて、回転機構が電気的撮像手段を回転可能である医療用X線撮像装置であって、回転機構は、電気的撮像手段の角部を鉛直平面上で水平方向に案内する第一ガイド機構と、電気的撮像手段の中心を鉛直平面上で所定の方向に案内する第二ガイド機構とを備え、CT撮影モードにおける電気的撮像手段の使用範囲と、パノラマ撮影モードにおける電気的撮像手段の使用範囲とで、双方の使用範囲の下端の高さが一致するように、電気的撮像手段を回転可能である。
【0011】
好ましくは、回転機構は、さらに双方の使用範囲の中心が同一鉛直線上になるように、電気的撮像手段を回転可能である。
【0012】
好ましくは、パノラマ撮影モードにおける使用範囲は矩形状であり、第一ガイド機構は、パノラマ撮影モードにおける使用範囲の下辺と、CT撮影モードにおける使用範囲の下辺との交点を水平方向に案内する。
【0013】
好ましくは、CT撮影モードは、ノーマルスキャンモードとシフトスキャンモードとを備え、回転機構は、ノーマルスキャンモードでは、X線照射手段のX線焦点と電気的撮像手段の使用範囲の中心とを結ぶ直線が旋回軸の中心を通る垂直の軸線に交わる位置に、電気的撮像手段を設定し、シフトスキャンモードでは、X線照射手段のX線焦点と電気的撮像手段の使用範囲の中心とを結ぶ直線が旋回軸の中心を通る垂直の軸線からシフトする位置に、電気的撮像手段を設定する。
【0014】
好ましくは、第二ガイド機構は、電気的撮像手段の中心を鉛直方向に案内する。
【0015】
好ましくは、第二ガイド機構は、電気的撮像手段の中心を水平方向および垂直方向に案内する。
【0016】
好ましくは、第二ガイド機構は、電気的撮像手段の中心を鉛直方向に対して傾斜する方向に案内する。
【0017】
好ましくは、電気的撮像手段の位置決めをする位置決め手段を備え、位置決め手段は、CT撮影モードとパノラマ撮影モードとのそれぞれにおける電気的撮像手段の位置決めをする。
【0018】
好ましくは、電気的撮像手段は、正方形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本願発明に係る医療用X線撮像装置では、CT撮影とパノラマ撮影との切り替えにおいて、従来のように回転中心を一つに設定して電気的撮像手段を回転させるのではなく、第一ガイド機構により電気的撮像手段の下側の角部を水平方向に案内し、かつ、第二ガイド機構により電気的撮像手段の中心を鉛直平面上の所定の方向に案内して、電気的撮像手段を鉛直平面上で回転する構成としている。
【0020】
上記構成によって、CT撮影モードにおける電気的撮像手段の使用範囲と、パノラマ撮影モードにおける電気的撮像手段の使用範囲とで、下端の高さが一致するように電気的撮像手段を回転し、かつ、電気的撮像手段の中心を所望の位置に移動させることができる。したがって、双方の撮影モードにおいて、使用範囲の高さと患者の顎部の高さとを精度良く合わせることができ、さらに、例えば、電気的撮像手段をハウジングに内包して回転する構成の場合でも、ハウジングを幅方向に大きくする必要がなく、X線検出手段のスペース効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るX線撮像装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明に係るX線撮像装置の構成を説明するための図である。
【図3】実施例1におけるX線検出部の前面(患者側)を示す図であり、(a)はエリアセンサが第一の位置にあり、(b)はエリアセンサが第二の位置にある状態を示す。
【図4】実施例1におけるセンサ回転機構を示す図であり、(a)は平面図、(b)は背面図である。
【図5】実施例1において、エリアセンサがセンサ回転機構により回転する様子を示す図である。
【図6】実施例1におけるセンサ部の使用範囲(撮影面、入力エリア)を示す図であって、(a)はCT撮影モードにおける使用範囲、(b)はパノラマ撮影モードにおける使用範囲を示す。
【図7】センサ回転機構によるエリアセンサの回転を説明するための図である。
【図8】CT撮影の動作を説明する図である。
【図9】パノラマ撮影の動作を説明する図である。
【図10】実施例2におけるセンサ回転機構を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図11】実施例2において、エリアセンサがセンサ回転機構により回転移動する様子を示す図である。
【図12】実施例2および実施例3において、X線検出部の前面を示す図であり、(a)はエリアセンサが第一の位置にあり、(b)はエリアセンサが第二の位置にあり、(c)はエリアセンサが第三の位置にある状態を示す。
【図13】実施例2および実施例3におけるセンサ部の使用範囲を示す図であって、(a)はノーマルスキャンモードにおける使用範囲、(b)はパノラマ撮影モードにおける使用範囲、(c)はシフトスキャンモードにおける使用範囲を示す。
【図14】ノーマルスキャンモードおよびシフトスキャンモードの画像再構成領域を示す図である。
【図15】ノーマルスキャンモードにおいて、(a)は使用範囲と旋回軸とX線焦点との位置関係を示す平面図、(b)は画像再構成領域を示す平面図である。
【図16】シフトスキャンモードにおいて、(a)は使用範囲と旋回軸とX線焦点との位置関係を示す平面図、(b)は画像再構成領域を示す平面図である。
【図17】実施例3におけるセンサ回転機構を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図18】実施例3において、エリアセンサがセンサ回転機構により回転移動する様子を示す図である。
【図19】従来におけるパノラマ撮影のために電気的撮像手段を回転する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて、本発明に係る医療用X線撮像装置(以下、単に「X線撮像装置」という)について説明する。
【0023】
[実施例1]
X線撮像装置は、CT撮影、パノラマ撮影およびセファロ撮影が可能なように構成されている。なお、セファロ撮影の構成は、省略している。
【0024】
図1に示されるように、X線撮像装置は、床面に設置するベース5と、ベース5から縦方向に立設された支柱6とを備える。さらに、X線撮像装置は、支持フレーム7を備える。支持フレーム7は、コ字状に構成されており、支柱6に連結支持されている。支持フレーム7は、昇降機構70(図2)を介して支柱6に沿って昇降可能である。
【0025】
さらにX線撮像装置は、旋回アーム3、X線照射部(X線照射手段)2およびX線検出部(X線検出手段)1を備える。旋回アーム3は、支持フレーム7に保持され、一端にX線照射部2を、他端にX線検出部1を垂下して備える。X線照射部2とX線検出部1とは対向して配置される。さらに、X線撮像装置は、X線照射部2とX線検出部1との間に、患者(被写体)Oの頭部を保持する頭部保持部4を備える。頭部保持部4は、チンレスト等の患者の位置決めする部材や、患者Oが把持するためハンドル等を備える。
【0026】
図2に示されるように、旋回アーム3は上部に旋回軸30を備える。旋回アーム3は、旋回軸30を介して、支持フレーム7に内蔵されたX−Y移動機構31および回転駆動機構32に連結されている。旋回アーム3は、これら31、32により、旋回軸30を中心として水平方向(X−Y方向)移動および水平旋回を可能とする。旋回アーム3の旋回角度は、角度センサ34および旋回軸30へ送る回転制御用パルス信号の双方または一方によって検出する。
【0027】
X線撮像装置は、X線撮像装置本体部71と、操作/入力部72とで構成される。X線撮像装置本体部71は、X線検出部1、X線照射部2、旋回アーム3等を備えた装置本体からなり、本体内部に制御部78(CPU)が搭載されている。この制御部78は、X線照射部2の管電流・管電圧(撮影条件)、X−Y移動機構31および回転駆動機構32の動作などを制御する。
【0028】
操作/入力部72は、例えば、制御部78に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)からなる。操作/入力部72は、例えばキーボード、リモコン、マウス等からなる入力手段76を備え、オペレータはこの入力手段76により撮影モードを選択したり、撮影条件を選択し、入力する。また、操作/入力部72は、CPU77を備える。CPU77は、入力手段76に接続されており、入力手段76により入力された情報に基づき、制御部78を介してX線撮像装置本体部71が所定の動作を行うように制御する。
【0029】
さらに、操作/入力部72は画像メモリ73と、画像再構成手段74と、画像表示手段75とを備える。X線検出部1から出力される画像信号が、画像メモリ73に入力され、デジタル信号に変換される。そして、画像再構成手段(画像再構成プログラム)74によって画像演算処理され、画像表示手段(モニター)75に所望のCT画像またはパノラマ画像が表示される。
【0030】
X線照射部2は、X線管21を内蔵し、X線管21のX線焦点2aから被写体(患者)Oに対してX線コーンビーム200を照射する。さらに、X線照射部2は、X線管21のX線コーンビーム200の照射方向に、X線コリメータ機構22を備える。X線コリメータ機構22は、選択された撮影モードに応じて、X線焦点2aから照射されたX線コーンビーム200の照射範囲を決定する。本実施例のX線コリメータ機構22は、CT撮影時には、撮影対象である頭頸部領域の範囲で例えば、任意の対象歯牙(対象撮影領域)に応じて、円柱状の三つの画像再構成領域S、M、L(図8a)を選択できるように照射範囲を決定するが、各画像再構成領域S、M、Lの下面(下端)がそれぞれ一致するように照射範囲を決定する。なお、上記画像再構成領域は、複数個あれば必ずしも三つに限る必要はない。
【0031】
X線検出部1は、図3に示すように、矩形状のエリアセンサ10を備える。エリアセンサ10は、基板部10aと、基板部10aに設けられ、MOS、CCDなどからなる平面矩形状のセンサ部10b(電気的撮像手段)(FPD)とで構成される。センサ部10bは、好ましくは、その中心がエリアセンサ10の中心となるように、基板部10aに設けられている。但し、必ずしも中心に拘る必要はない。本実施例では、センサ部10bは正方形状に構成されているが、長方形状に構成してもよい。X線検出部1は、エリアセンサ10を内包するハウジング11を備える。ハウジング11の前面(患者O側)には開口部11aが形成され、エリアセンサ10のセンサ部10bが開口部11aから現れるようになっている。なお、開口部11aは、X線の透過率の高い材料例えばカーボン板(図示せず)等によりカバーされる。
【0032】
さらに、X線撮像装置は、エリアセンサ10の後側に、エリアセンサ10を、すなわちセンサ部10bを鉛直平面上で回転するためのセンサ回転機構8を備える(図2)。このセンサ回転機構8は、ハウジング11に内包される。センサ回転機構8は、図4に示すように、センサ部10bの下側の角部の一つを鉛直平面上で水平方向へ案内する第一ガイド機構8aと、センサ部10bの中心を所定方向に案内する第二ガイド機構8bとで構成される。本実施例では、第二ガイド機構8bはセンサ部10bの中心を鉛直方向に案内する。
【0033】
第一ガイド機構8aは、水平方向に設けられた送りねじ80と、送りねじ80にねじ合わされたL字状のナット部材81とを備える。送りねじ80は、一端がステッピングモータ82に連結され、他端はベアリング83aに差し込まれ回転可能に支持される。したがって、送りねじ80は、モータ82が駆動すると軸周りに回転する。そして、ナット部材81は、送りねじ80が軸周りに回転すると、送りねじ80の軸方向に移動する。
【0034】
さらに、第一ガイド機構8aは、エリアセンサ10と送りねじ80との間に、送りねじ80と平行に配設された水平ガイドレール84を備える。また、第一ガイド機構8aは、水平ガイドレール84に沿って移動可能な移動部材85を備える。移動部材85とナット部材81とはボルト(図示略)などを介して連結されている。さらに、第一ガイド機構8aは軸部材86aを備える。この軸部材86aは、一端がナット部材81の側面に差し込まれ、他端が基板部10aに設けられたベアリング83bに差し込まれている。軸部材86aは、センサ部10bの下側の角部の位置に設けられる。
【0035】
したがって、ナット部材81が送りねじ80の軸方向に移動すると、これと一体的に移動部材85および軸部材86aが水平ガイドレール84に沿って移動する。これによって、センサ部10bの角部が水平方向に案内される。さらに、エリアセンサ10(センサ部10b)は、軸部材86aおよびベアリング83bによって、軸部材86a周りに、鉛直平面上を回転することができる。
【0036】
第二ガイド機構8bは、ガイドレール87と、ガイドレール87に沿って移動可能に設けられたベアリング83cを備える。本実施例のガイドレール87は、ベアリング83cを鉛直方向に移動できるようにハウジング11内で固定配置される。さらに、第二ガイド機構8bは軸部材86bを備える。軸部材86bは、一端がベアリング83cに差し込まれ、他端がセンサ部10bの中心に一致するように基板部10aに取り付けられる。
【0037】
したがって、ベアリング83cがガイドレール87に沿って移動することで、センサ部10bの中心を鉛直方向に昇降可能である。さらに、エリアセンサ10(センサ部10b)は、軸部材86bおよびベアリング83cによって、エリアセンサ10(センサ部10b)の中心を回転中心として鉛直平面上を回転することができる。
【0038】
上記構成からなるセンサ回転機構8において、まずモータ82を駆動することにより、第一ガイド機構8aがセンサ部10bの角部の一つを水平方向へ案内する。そして、このセンサ部10bの角部の移動に伴って、センサ部10bの中心は、第二ガイド機構8bにより鉛直方向に案内される。こうして、第一ガイド機構8aによるセンサ部10bの角部の水平移動と、第二ガイド機構8bによるセンサ部10bの中心の鉛直移動とが組み合わさることによって、センサ部10bを含むエリアセンサ10は、その中心が鉛直方向に上昇するように、鉛直平面上を回転移動できる。
【0039】
また、X線撮像装置は、エリアセンサ10の位置決めをする位置決め手段9を備える。位置決め手段9は、ばねによって付勢されたボール部材を有するボールプランジャー90a、90bおよび基板部10aに形成された切欠部91a、91bで構成される。図4に示されるように、一方のボールプランジャー90aは、エリアセンサ10の横側で、ボール部材がエリアセンサ10を押圧付勢可能なように設けられる。このボールプランジャー90aは、エリアセンサ10の回転の障害とならないように、エリアセンサ10の中心の高さよりも、少し低い位置に固定配置されている。他方のボールプランジャー90bは、エリアセンサ10の上方で、エリアセンサ10の中心と同一鉛直線上になるように、さらにボール部材が鉛直下向きになるように固定配置されている。
【0040】
さらに、X線撮像装置は、センサ回転機構8によるエリアセンサ10の回転移動を規制するため、センサフィン92と、フォトセンサ93a、93bとを備える(図4a)。センサフィン92は、ナット部材81に取付けられ、これ81と一体的に移動する。フォトセンサ93a、93bは、ハウジング11内で固定配置された取付部材94に取付け固定されている。
【0041】
図4に示すように、基板部10aの側面に形成された切欠部91aにボールプランジャー90aのボール部材が嵌り込むことによって、エリアセンサ10は、センサ部10bの下辺100が水平方向になる位置(以下、本実施例で第一の位置という)に位置決めされる。このとき、センサフィン92はフォトセンサ93aの検知領域にある。エリアセンサ10が第一の位置にあるとき、図3aに示すように、センサ部10bの一辺(下辺)100の高さと開口部11aの下辺の高さとが一致し、センサ部10b全体が開口部11aに現れる。
【0042】
上記構成によって、図3a、図4に示す状態でモータ82が駆動し正方向に回転すると、その駆動力によって切欠部91aがボールプランジャー90aから解放される。そして、エリアセンサ10は第一の位置を離れ、上述のようにセンサ回転機構8により鉛直平面上を回転する。このとき、センサフィン92は、移動部材81に取り付けられているため、移動部材81と一体となって送りねじ80の軸方向に移動する。
【0043】
そして、エリアセンサ10が第一の位置から回転移動すると、基板部10aの角端に形成された切欠部91bがボールプランジャー90bの位置に達する。このとき、センサフィン92の一端がフォトセンサ93bの検知領域に達し、センサフィン92は二つのフォトセンサ93a、93bに検知され、センサ回転機構8は停止する。こうして、図5に示すように、切欠部91bにボールプランジャー90bのボール部材が嵌り込こみ、センサ部10bの対角線の一つが鉛直方向になる位置(以下、本実施例で第二の位置という)に、エリアセンサ10が位置決めされる。エリアセンサ10が第二の位置にあるとき、図3bに示すように、センサ部10bの鉛直方向となった対角線のほぼ全体がハウジング11の開口部11aから現れる。
【0044】
一方、エリアセンサ10の第二の位置から第一の位置への回転は、モータ82を逆回転することによって行われる。モータ82が逆回転をすると、切欠部91bがボールプランジャー90bから解放される。そして、エリアセンサ10は第二の位置を離れ、回転移動し、センサフィン92の一端はフォトセンサ93bの検知領域から離れる。それから、エリアセンサ10は、切欠部91aにボールプランジャー90aが嵌り込み、第一の位置まで回転するが、エリアセンサ10は一度、第一の位置を通り過ぎ、センサフィン92の一端がフォトセンサ93aの検知領域から離れるまで回転する。このとき、センサフィン92は双方のフォトセンサ93a、93bに検知されない。そしてこの状態から、モータ82が正回転し、センサフィン92の一端が再びフォトセンサ93aの検知領域に達したときに(図4a)、センサ回転機構8が停止し、エリアセンサ10が第一の位置に位置決めされる。
【0045】
このようにして、エリアセンサ10は、第一の位置(図5の2点鎖線のエリアセンサ、図3a)と第二の位置(図5の実線のエリアセンサ、図3b)との間を回転移動する。本実施例では、センサ回転機構8により、エリアセンサ10(センサ部10b)の中心がガイドレール87に沿って鉛直方向に上昇するように、エリアセンサ(センサ部10b)は鉛直平面上を回転する。また、センサ回転機構8が、第一ガイド機構8aと第二ガイド機構8bとで構成されることで、一つの駆動源(モータ82)を備えるだけで、エリアセンサ10の中心が鉛直方向に移動するように回転移動できる。すなわち、エリアセンサ10を回転するための駆動源と、エリアセンサ10の中心を昇降するための駆動源をそれぞれ別個に設ける必要がない。
【0046】
なお、エリアセンサ10(センサ部10b)が長方形状の場合も、同様の構成によりエリアセンサ10を回転移動することができる。
【0047】
次に、CT撮影モードおよびパノラマ撮影モードにおけるセンサ部10bの使用範囲(撮影面、入力エリア)について説明する。
【0048】
CT撮影モードでは、エリアセンサ10が第一の位置にある状態で使用する。そして、図6aに示すように、CT撮影モードにおけるセンサ部10bの使用範囲10S、10M、10Lは平面矩形状であり、選択された画像再構成領域に合わせてX線コリメータ機構22によってそのX線照射野が択一的に設定されるため、センサ部10bの各使用範囲10S、10M、10Lの下端(下辺)110がいずれも、センサ部10bの下辺100に一致している。使用範囲10S、10M、10Lの大きさは画像再構成領域S、M、L(図8a)に対応しており、画像再構成領域Lの場合、センサ部10b全体を使用範囲10Lとする。
【0049】
一方、パノラマ撮影モードでは、エリアセンサ10が第二の位置にある状態で使用する。したがって、入力手段76(撮影モード選択手段)によりCT撮影モードからパノラマ撮影モードへ切り替えられると、センサ回転機構8によりエリアセンサ10が第一の位置から第二の位置へ回転する。そして、図6bに示すように、パノラマ撮影モードにおけるセンサ部10bの使用範囲10Pは、センサ部10bの鉛直方向となった対角線上において縦長の矩形状とする。そして、使用範囲10Pの下端(下辺)111の高さは、開口部11aの下辺100の高さに一致している。図5、図6bからも明らかなように、エリアセンサ10bが第一の位置にあるときは、パノラマ撮影に必要な使用範囲10Pを確保することが、すなわち必要な撮影高さを確保することができない。ところが、エリアセンサ10を回転移動して、センサ部10bの鉛直方向となった対角線を利用することで、パノラマ撮影に必要な使用範囲10Pを確保することができる。
【0050】
なお、撮影モードがパノラマ撮影モードからCT撮影モードに切り替えられた場合は、センサ回転機構8はエリアセンサ10を第二の位置から第一の位置へと回転する。このようにセンサ回転機構8は、撮影モードの切り替えに応じてエリアセンサ10を回転移動し、センサ部10bを各撮影モードに応じた所定の位置に設定する。
【0051】
このX線撮像装置では、図6からも明らかなように、CT撮影時における使用範囲10S、10M、10Lの下端110の高さと、パノラマ撮影時における使用範囲10Pの下端111の高さとがともに、ハウジング11の開口部11aの下辺の高さに一致している。すなわち、センサ回転機構8は、エリアセンサ10を双方の撮影モードにおける使用範囲の下端110、111の高さが一致するように回転する。したがって、双方の撮影モードにおいて、使用範囲の高さと、患者Oの顎部の高さとを合わせ易い。また、パノラマ撮影時に下側に位置するエリアセンサ10の角端が、CT撮影時におけるエリアセンサ10の下端の高さより大きく下側に移動することはない。そのため、エリアセンサ10の角端が患者Oの肩に接触する虞はない。
【0052】
本願発明では、CT撮影の使用範囲10S〜Lの下端の高さ110と、パノラマ撮影の使用範囲10Pの下端111の高さを一致させるために、第一ガイド機構8aが、センサ部10bのパノラマ撮影モード時に下側に位置する角部を水平方向に案内している。本実施例のようにパノラマ撮影の使用範囲10Pがセンサ部10bの対角線上において矩形状に規定される場合、具体的には図7aに示されるように、第一ガイド機構8aは、パノラマ撮影の使用範囲10Pの下辺(下端)111と、センサ部10bのCT撮影モード時に下辺となる一辺100(CT撮影の使用範囲10S〜Lの下辺(下端)110)との交点112を水平方向に案内する。このために、第一ガイド機構8aは、軸部材86aの中心が交点112に一致するように構成されている。こうして、CT撮影モードにおけるセンサ部10bの使用範囲10S〜10Lの下端110の高さと、パノラマ撮影モードにおけるセンサ部10bの使用範囲10Pの下端111の高さとを正確に一致させることができる。これは、以下の他の実施例でも同様である。
【0053】
なお、例えば図7bに示すように、矩形状でなく対角線全体を使用範囲10P’とする場合には、使用範囲10P’の下端111’を、すなわち、パノラマ撮影モード時に下側に位置するセンサ部10bの角部の角端102を水平移動する。このようにすれば、CT撮影モードにおけるセンサ部10bの使用範囲10S〜Lの下端110の高さと、パノラマ撮影モードにおけるセンサ部10bの使用範囲10P’の下端111’の高さとを正確に一致させることができる。このとき、第一ガイド機構8aは、軸部材86aの中心がセンサ部10bの角端102に一致するように構成される。
【0054】
また本実施例では、図6の通り、CT撮影の使用範囲10S〜Lの中心と、パノラマ撮影の使用範囲10Pの中心とが同一鉛直線上になるように、エリアセンサ10は回転する。そして、双方の使用範囲10S〜L、10Pの下端110、111は、ハウジング11の開口部11aの下辺と同じ高さになるように、かつ、双方の使用範囲10S〜L、10Pの中心が開口部11aの幅方向(横方向)中心に位置するように、エリアセンサ10は回転する。したがって、本実施例のようにエリアセンサ10をハウジング11に内包し、開口部11aをカーボン板などで覆う構成としても、使用範囲10S〜L、10Pと、患者Oの顎部との位置合わせがし易い。特に、パノラマ撮影の縦長形状の使用範囲10Pは、開口部11aの幅方向中心位置において、開口部11aの上辺から下辺にかけて規定されており、オペレータがパノラマ撮影の使用範囲10Pの位置を簡単に把握でき、使用範囲10Pと患者Oの顎部との位置合わせが非常にし易い。
【0055】
さらに、エリアセンサ10が回転したとしても、エリアセンサ10の中心は第二ガイド機構8bにより鉛直方向に移動するだけで、水平方向に移動することはない。そのため、本実施例のようにエリアセンサ10をハウジング11内で回転可能とする場合でも、必要とするハウジング11の幅は、エリアセンサ10の対角線の長さより少し大きい程度であれば十分であり、X線検出部1のスペース効率がよい。
【0056】
次に、CT撮影モードおよびパノラマ撮影モードにおけるX線撮像装置の動作について説明する。入力手段76によりCT撮影モードまたはパノラマ撮影モードを選択すると、制御部78の制御により、X線撮像装置は以下の操作を行う。
【0057】
CT撮影モードが選択され、エリアセンサ10が第一の位置に設定されると、さらに入力手段76により、画像再構成領域S、M、Lを選択する。選択された画像再構成領域S、M、Lに応じて、センサ部10bにおいて使用範囲10S、10M、10Lのいずれかが規定される。そして、図8に示すように、撮影対象である頭頸部領域の範囲で例えば、任意の対象歯牙(対象撮影領域)を選択すると、旋回アーム3は、X−Y移動機構31によって旋回軸30が患者Oの対象歯牙(対象撮影領域)に合致するように設定される。すなわち、旋回軸30の中心を通る垂直の軸線30aが、患者Oの対象歯牙(対象撮影領域)の中心に一致する。垂直の軸線30aの位置は、画像再構成領域S、M、Lの中心となる。このとき、図15aに示すように、センサ部10bの使用範囲10S〜10Lの中心113(センサ部10bの中心)とX線焦点2aとを結ぶ直線200aが、垂直の軸線30aと交わる。例えば、上顎歯列および下顎歯列全体を含む領域を対象撮影領域とする場合、画像再構成領域Lを選択し、図8bに示すように垂直の軸線30aを対象撮影領域の中心に設定する。また、顎関節を対象撮影領域とする場合、画像再構成領域Sを選択し、図8cに示すように垂直の軸線30aを対象撮影領域の中心に設定する。このように、対象撮影領域または診断の目的に応じて最適な画像再構成領域S、M、Lを選択する。そして、旋回アーム3は、回転駆動機構32によって、対象歯牙(対象撮影領域)を中心として360°旋回する(図8b、c)。X線照射部2は、旋回アーム3とともに旋回しながら、X線焦点2aからX線コーンビーム200を対象歯牙(対象撮影領域)に照射する。センサ部10bが患者Oに照射されたX線コーンビーム200を検知して、CT撮影が行われる。なお、CT撮影は、対象歯牙(対象撮影領域)を中心に180°回転するだけでもよい。上記の旋回角度は、180゜及び360゜に限定されることなく、180゜〜360゜間であれば良い。
【0058】
入力手段76によりパノラマ撮影モードが選択されると、センサ回転機構8が駆動しエリアセンサ10は、第一の位置から第二の位置にまで自動的に回転する。そして、センサ部10bにおいて、撮影面10Pが規定される。そして、旋回アーム3は、X−Y移動機構31および回転駆動機構32によって、水平移動および水平旋回移動をして、患者Oの歯列弓に沿って移動する。つまり、図9bに示すように、旋回アーム3は、断層軌道にそって移動しながら、約210°の回転を行う。そして、X線照射部2は、この旋回アーム3とともに移動しながら、歯列弓に沿ってX線ビームを照射する。センサ部10bが患者Oに照射されたX線ビームを検知することにより、歯弓列の全顎断層撮影が行われる。
【0059】
エリアセンサ10が第二の位置にある状態で、すなわちエリアセンサ10を回転させた状態でパノラマ撮影を行う場合、得られた画像データからパノラマ画像を画像表示手段75に表示するためには、得られた画像データを回転処理して出力する必要がある。しかしながら、単純に回転処理をして画像表示手段75にパノラマ画像を表示しても、表示されるパノラマ画像の画質は劣化する。そこで、線形補間法を適用して画像データの補間処理を行えば、エリアセンサ10を回転せずに(エリアセンサ10が第一の位置にある状態で)パノラマ撮影を行った場合と同程度のパノラマ画像を得ることができる。
【0060】
パノラマ撮影モードからCT撮影モードに撮影モードが切り替えられた場合は、上述のように、エリアセンサ10はセンサ回転機構8により回転し、第二の位置から第一の位置に自動的に戻るように制御される。
【0061】
本実施例では、入力手段76により撮影モードが選択されると、センサ回転機構8によりエリアセンサ10が自動的に回転する構成としている。そうではなく、エリアセンサ10が、センサ回転機構8により回転し、位置決め手段9により位置決めされたときに、CT撮影モードとパノラマ撮影モードとが切り替わる構成としてもよい。
【0062】
[実施例2]
X線撮像装置の他の実施例を以下に示す。なお、上述の実施例1と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明については可能な限り省略する。
【0063】
本実施例のX線撮像装置は、基本的な構成は上記実施例1と同様であるが、CT撮影モードは、ノーマルスキャンモードおよびシフトスキャンモードがある。撮影をするにあたりまず、入力手段76により、CT撮影モードとパノラマ撮影モードとのいずれかを選択する。CT撮影モードが選択された場合は、さらに、ノーマルスキャンモードとシフトキャンモードとのいずれかを選択する。そして、センサ回転機構8が、3つの撮影モードに応じてエリアセンサ10(センサ部10b)を所定の位置に設定する。
【0064】
この目的を達成するために、図10に示すように、第二ガイド機構8bのガイドレール87はL字状に構成される。このガイドレール87は、一辺が水平方向に、他辺が鉛直方向になるようにハウジング11内で固定配置されている。これによって、センサ部10の中心を、ガイドレール87に沿って水平方向および鉛直方向に案内可能となっている。
【0065】
図10に示すように、エリアセンサ10(センサ部10b)の中心がL字状のガイドレール87の中心に位置しているとき、エリアセンサ10は、右上にあるボールプランジャー90cが切欠部91bに嵌り込むことで位置決めされている。このとき、図12aに示すように、センサ部10bは、ハウジング11の開口部11aの幅方向中央において、センサ部10bの下辺100の高さが開口部11aの下辺の高さと一致するように配置される。以下、本実施例ではこのエリアセンサ10の位置を第一の位置という。
【0066】
エリアセンサ10が第一の位置にある状態において、モータ82を駆動し正方向に回転すると、その駆動力により切欠部91bがボールプランジャー90cから解放され、第一ガイド機構8aはセンサ部10bの下側の角部の一つを水平方向(図10の実線矢印)に案内する。これに伴って、センサ部10bの中心が第二ガイド機構8bによりガイドレール87に沿って鉛直方向に案内される。そして、切欠部91bにボールプランジャー90bのボール部材が嵌り込むまで、エリアセンサ10は鉛直平面上を回転移動する。こうしてエリアセンサ10は、図11に示すように(実線で示されたエリアセンサ参照)、センサ部10bの対角線の一つが鉛直方向になる位置に設定される。このとき、図12bに示すように、センサ部10bの対角線の一つは、ハウジング11の開口部11aからほぼ全体が現れるようになっており、開口部11aの幅方向の中心に位置する。以下、本実施例ではこのエリアセンサ10の位置を第二の位置という。
【0067】
一方、エリアセンサ10が第一の位置にある状態から、モータ82を駆動し逆方向に回転すると、その駆動力により切欠部91bがボールプランジャー90cから解放される。そして、第一ガイド機構8aが、センサ部10bの角部を、モータ82を正回転させた場合と反対の方向(図10の一点鎖線の矢印)に案内する。これに伴って、センサ部10bの中心は、第二イド機構8aにより、ガイドレール87に沿って水平方向に案内される。すなわち、エリアセンサ10(センサ部10b)は、第一ガイド機構8aおよび第二ガイド機構8bにより、鉛直平面上を水平方向に移動する。こうして、エリアセンサ10は、図11に示すように(一点鎖線で示されたエリアセンサ参照)、切欠部91aにボールプランジャー90aのボール部材が嵌り込むまで回転する。このとき、図12cに示すように、センサ部10bは、開口部11aから全体が現れるように、そして、センサ部10bの下辺100が開口部11aの下辺に一致するように、開口部11aの左下隅に位置する。以下、本実施例ではこのエリアセンサ10の位置を第三の位置という。
【0068】
こうして、エリアセンサ10は、第一の位置(図10、図12a)から第二の位置(図11の実線、図12b)または第三の位置(図11の一点鎖線、図12c)へ移動可能である。エリアセンサ10の第二の位置または第三の位置への制御は、センサフィン92およびフォトセンサ93a、93bによって行われるが、この方法は実施例1と同様の構成であるためその説明は省略する。一方、エリアセンサ10が第二の位置または第三の位置から第一の位置へ移動する場合、エリアセンサ10をセンサフィン92およびフォトセンサ93a、93bに基づいて第一の位置へ移動するように制御することができない。そのため、当該制御はステッピングモータ82のステップ数に基づいて行われる。なお、エリアセンサ10の第二の位置と第三の位置と間の移動は、第一の位置を経て行われる。
【0069】
CT撮影モードのノーマルスキャンモードでは、エリアセンサ10が第一の位置のある状態で行う。すなわち、入力手段76によりCT撮影が選択され、さらにノーマルスキャンモードが選択されると、センサ回転機構8はエリアセンサ10を第一の位置に設定する。ノーマルスキャンモードにおけるセンサ部10bの使用範囲10S、10M、10Lは、実施例1のCT撮影モードと同様であり(図13a)、画像再構成領域S、M、Lに対応している(図14)。
【0070】
例えば、入力手段76により、画像再構成領域Lを選択し、中心となる対象歯牙を選択すると、旋回軸30の垂直の軸線30aが患者Oの対象歯牙の中心と、画像再構成領域Lの中心が合致するように旋回アーム3がX−Y移動機構31によって水平方向に移動する。このとき、図15aに示すように、センサ部10bの使用範囲10Lの中心113とX線焦点2aとを結ぶ直線200aは、垂直の軸線30aと交わる。
【0071】
この状態で、旋回アーム3は旋回軸30を介して旋回軸30の中心30a周りを回転する。これにより、図15bに示すように、X線コーンビーム200が旋回して重なる直径L1からなる画像再構成領域Lが形成される。直径L1は、旋回軸30の中心30aを中心とし、X線コーンビーム200の一方縁201および他方縁202との間の内側距離に等しくなる。このノーマルスキャンモードは、実施例1におけるCT撮影と同様である。
【0072】
CT撮影モードのシフトスキャンモードは、エリアセンサ10が第三の位置にある状態で行う。すなわち、入力手段76によりCT撮影モードが選択され、さらにシフトスキャンモードが選択されると、センサ回転機構8はエリアセンサ10を第三の位置に設定する。図13cに示すように、シフトスキャンモードにおけるセンサ部10bの使用範囲10L’は、ノーマルスキャンモードにおける使用範囲10Lと同じであり、センサ部10b全体を使用する。しかしながら、シフトスキャンモードにおける画像再構成領域L’(図14)は、後述するようにノーマルスキャンモードにおける画像再構成領域Lよりも大きくなる。
【0073】
より大きい画像再構成領域L’を選択し、撮影対象である頭頸部領域の範囲で例えば、その中心となる任意の対象歯牙(対象撮影領域)を選択すると、旋回軸30の垂直の軸線30aが対象歯牙(対象撮影領域)の中心に合致するように旋回アーム3はX−Y移動機構31によって水平方向に移動する。この際、センサ部10bは、センサ回転機構8により第3の位置に、すなわち、ノーマルスキャンモードにおけるエリアセンサ10の位置(第一の位置)から水平方向に移動している。したがって、図16aに示すとおり、シフトスキャンモードでは、センサ部10bの使用範囲10L’の中心113’とX線焦点2aとを結ぶ直線200aが旋回軸30の垂直の軸線30aに交わらずシフトする位置に、エリアセンサ10は設定される。そして、X線コリメータ機構22によりX線コーンビーム200が画像再構成領域L’の選択により使用範囲10L’を照射するように照射範囲が決定される。
【0074】
そして、図16bに示すとおり、この状態で、旋回アーム3は、旋回軸30を介して旋回軸30の中心30a周りを回転する。これにより、X線コーンビーム200が旋回して重なる直径L2からなり旋回軸30の中心30aを中心とする画像再構成領域L’が形成される。図13a、cに示すように、ノーマルスキャンモードにおける使用範囲10Lと、シフトスキャンモードにおける使用範囲10L’とでは、その面積は同じである。しかしながら、X線コーンビーム200を旋回することで形成される画像再構成領域の横断面の直径は、シフトスキャンモードの直径L2の方が大きくなっている。すなわち、L2>L1である。この直径L2の大きさは、直線200aの旋回軸30の中心30aに対するシフト量Yn(図16a)によって決定される。言い換えると、シフトスキャンモード時にエリアセンサ10が、ノーマルスキャンモードにおけるエリアセンサ10の位置からどれだけ水平方向に移動するかによって、すなわち第一の位置と第三の位置との水平距離によって、直径L2の大きさが決定される。シフト量Ynを大きくすると直径L2は大きくなるが、シフト量Ynがセンサ部10bの幅方向(横方向)の半分の長さ115より大きくなると画像再構成領域L’を形成することはできない。したがって、第一の位置と第三の位置との水平距離をセンサ部10bの幅方向の半分の長さ115に設定すれば、直径L2を最大にすることができる。なお、シフト量Ynが大きくなるにつれて画像再構成領域L’の高さは低くなる。
【0075】
このように、シフトスキャンモードでは、直線200aが旋回軸30の軸線30aからシフトするようにエリアセンサ10を設定することで、ノーマルスキャンモードにおける画像再構成領域Lの最大径L1より大きい直径L2を有する画像再構成領域L’を確保することができる(図14)。すなわち、シフトスキャンモードにより、センサ部10bを大きくすることなく、そしてX線コーンビーム200の視野角(X線コーンビームの外側縁)を越えて、画像再構成領域を拡大することができる。したがって、患者Oを診断するにあたり、様々な画像再構成領域を選択できるとともに、画像再構成領域に対するセンサ部10bのコストを最小限に抑制できる。
【0076】
しかしながら、図16bから明らかなように、シフトスキャンモードの場合、ノーマルスキャンモードと異なり、X線コーンビーム200が画像再構成領域L’全体を絶えず包含して撮影が行われない。そのため、画像再構成時のある程度の解像度の劣化は避けられないが全体像として把握する目的では通常その使用に支障はない。その改善策のため、例えば、旋回アーム3の回転角度を720度にすることで画像データの取込み量の倍増を図り、同じ角度から取得したデータの平均値を採用することで、画像再構成時の解像度の向上を図る。また、フレーム速度の倍増、撮影時間の倍増、またはX線量の増加や、これらの組み合わせにより画像再構成時の解像度の向上を図ってもよい。
【0077】
ノーマルスキャンモードおよびシフトスキャンモードについて、具体例の説明をする。センサ部10b(FPD)の大きさが130mm×130mmである場合、例えばノーマルスキャンモードでは、画像再構成領域Sはφ40mm×H40mm、画像再構成領域Mはφ51m×H51mm、画像再構成領域Lはφ80mm×H72mmである。シフトスキャンモードでは、画像再構成領域L’は、シフト量Ynが20mmの場合、φ100mm×H70mmである。但し、FPDの大きさ、画像再構成領域の大きさおよびシフト量は、この値に限定されるものではない。
【0078】
パノラマ撮影は、エリアセンサ10が第二の位置にある状態で行う。CT撮影モードのノーマルキャンモードまたはシフトスキャンモードからパノラマ撮影モードに切り替えられた場合、センサ回転機構8は鉛直平面上でエリアセンサ10を第一の位置または第三の位置から第二の位置へ回転する。なお、シフトスキャンモードからパノラマ撮影モードへの切り替えでは、エリアセンサ10を第一の位置を経て第二の位置に設定する。なお、パノラマ撮影の説明は実施例1と同様であるため、その説明を省略する。
【0079】
なお、パノラマ撮影モードからノーマルスキャンモードまたはシフトスキャンモードへの切り替えにおいても同様に、センサ回転機構8がエリアセンサ10を回転移動し、第二の位置から第一の位置または第三の位置に設定する。
【0080】
図12、13から明らかなように、本実施例ではシフトスキャンモードにも対応できるようにするために、X線検出部1のハウジング11の開口部11aは、実施例1の場合より、幅方向を大きく形成しなければならない。
【0081】
上記のように、本実施例では、センサ部10bを大きくすることなく、センサ回転機構によりセンサ部10bを回転することで、パノラマ撮影に必要な使用範囲10Pを確保できる。さらに、センサ部10bを大きくすることなく、センサ回転機構8によりセンサ部10bを水平移動することで、画像再構領域を拡大できる。すなわち、第一ガイド機構8aおよび第二ガイド機構8bからなるセンサ回転機構8により、センサ部10bのコストを最小限に抑えながら、十分な撮影高さを確保したパノラマ撮影および多数の画像再構成領域を備えたCT撮影を行うことができる。
【0082】
本実施例では、図13から明らかなように、センサ回転機構8は、ノーマルスキャンモードの使用範囲10S〜Lの下端110の高さと、シフトスキャンモードの使用範囲10L’の下端114の高さと、パノラマ撮影の使用範囲10Pの下端111の高さとが互いに一致するように、エリアセンサ10を設定する。したがって、各撮影モードにおいて、使用範囲の高さと患者Oの顎部の高さとを精度よく合わせることができる。
【0083】
[実施例3]
X線撮像装置の他の実施例を以下に示す。なお、上述の実施例1および実施例2と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明については可能な限り省略する。
【0084】
本実施例に係るX線撮像装置では、CT撮影モードは、上記実施例2において説明したシフトスキャンモードのみを備える。そして、センサ回転機構8が、CT撮影モード(シフトスキャンモード)またはパノラマ撮影モードに応じて、エリアセンサ10を所定の位置に設定する。
【0085】
この目的を達成するために、図17に示すように、第二ガイド機構8bのガイドレール87は直線形状に形成される。そして、ガイドレール87は、鉛直方向に対して所定の角度θだけ傾斜するように、ハウジング11内で固定配置される。これによって、センサ部10bの中心を鉛直方向に対してθだけ傾斜した方向に案内可能となっている。
【0086】
図17に示されるように、エリアセンサ10の中心がガイドレール87の下側に位置しているとき、エリアセンサ10は、切欠部91aにボールプランジャー90aのボール部材が嵌り込むことで、位置決めされている。以下、本実施例で、このエリアセンサ10位置を第三の位置という。このとき、エリアセンサ10のセンサ部10bは、実施例2と同様、すなわち図12cに示したように、センサ部10b全体が開口部11に現れるように、開口部11aの左下隅に位置する。
【0087】
そして、エリアセンサ10が第三の位置にある状態からモータ82を正回転すると、その駆動力により切欠部91aがボールプランジャー90aから解放され、第一ガイド機構8aがセンサ部10bの下側の角部の一つを水平方向に案内する。これに伴って、センサ部10bの中心は、第二ガイド機構8bのガイドレール87によって、鉛直方向に対してθだけ傾斜した方向に案内される。こうして、エリアセンサ10は、切欠部91bにボールプランジャー90bのボール部材が嵌り込んで位置決めされるまで、鉛直平面上を回転移動する。エリアセンサ10が位置決めされると、図18に示すように、センサ部10bの対角線の一つが鉛直方向になる。以下、本実施例で、このエリアセンサ10の位置を第二の位置という。このとき、エリアセンサ10のセンサ部10bは、実施例2と同様に、すなわち図12bに示したように、センサ部10bの対角線の一つがハウジング11の開口部11aからほぼ全体が現れるように、開口部11aの幅方向の中心に位置する。
【0088】
こうして本実施例では、エリアセンサ10が第三の位置(図17、図12c)から第二の位置(図18、図12b)へ回転移動する。第二の位置から第三の位置への回転移動は、モータを逆回転することによって行われる。第二の位置および第三の位置へのエリアセンサ10の回転制御は、センサフィン92およびフォトセンサ93a、93bによって行われるが、この制御は実施例1と同様である。
【0089】
CT撮影モード(シフトスキャンモード)では、エリアセンサ10はセンサ回転機構8により第三の位置に設定される。シフトキャンモードの使用範囲10L’は、実施例2と同様で、センサ部10b全体を用いる(図13c)。そして、旋回軸30の中心を通る垂直の軸線30aが、患者Oの対称歯牙の中心に一致するように、旋回アーム3が移動する。このとき、エリアセンサ10は、図15bに示したように、センサ部10bの使用範囲10L’の中心113’とX線焦点2aとを結ぶ直線200aが旋回軸30の中心を通る垂直の軸線30aからシフトする位置に設定されている。この状態で、旋回アーム3が旋回軸30の中心30a周りに回転することでCT撮影が行われる。このシフトスキャンモードの撮影原理については、実施例2と同様であるため、その説明は省略する。
【0090】
パノラマ撮影モードでは、エリアセンサ10は第二の位置に設定される。したがって、エリアセンサはCT撮影モードからパノラマ撮影モードに切り替えられると、センサ回転機構8はエリアセンサ10を第三の位置から第二の位置へ回転する。パノラマ撮影における使用範囲10Pは、実施例2と同様である(図13b)。パノラマ撮影の撮影原理については、実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
【0091】
このように、第3の実施例では、CT撮影モードがシフトスキャンモードであることにより、X線コーンビーム200の視野角を越えた画像再構成領域を確保できる。さらに、エリアセンサ10を回転し、鉛直方向となったセンサ部10bの対角線を利用することで、センサ部10bを大きくすることなくパノラマ撮影に必要な使用範囲10Pを確保している。したがって、センサ部10bに必要とされる面積を可能な限り小さくすることができ、センサ部10bのコストを大きく抑えることができる。
【0092】
そして、本実施例では他の実施例と同様に、センサ回転機構8は、CT撮影モード(シフトスキャンモード)の使用範囲10L’の下端114の高さと、パノラマ撮影の使用範囲10Pの下端111の高さとが一致するように、エリアセンサ10を回転する。したがって、双方撮影モードにおいて、使用範囲の高さと患者Oの顎部の高さとを合わせ易い。
【0093】
なお、第3の実施例では、CT撮影モードはノーマルスキャンモードを備えていないため、シフトスキャンモードにおいて複数の画像再構成領域を択一的に選択できることが好ましい。
【符号の説明】
【0094】
1 X線検出部(X線検出手段)
10 エリアセンサ
10a 基板部
10b センサ部(電気的撮像手段)
10S、10M、10L ノーマルスキャンモードにおけるセンサ部の使用範囲(撮影面、入力エリア)
10L’シフトスキャンモードにおけるセンサ部の使用範囲
10P パノラマ撮影モードにおけるセンサ部の使用範囲
110 CT撮影モードにおける使用範囲の下端(下辺)
111 パノラマ撮影モードおける使用範囲の下端(下辺)
2 X線照射部(X線照射手段)
2a X線焦点
3 旋回アーム(旋回手段)
30 旋回軸
30a 旋回軸の中心を通る垂直の軸線
8 センサ回転機構(回転機構)
8a 第一ガイド機構
8b 第二ガイド機構
82 モータ(駆動源)
9 位置決め手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体にX線を照射するX線照射手段と、鉛直平面上に設けられた矩形状の電気的撮像手段と、前記電気的撮像手段を設け、前記被写体を透過した前記X線を検出するX線検出手段と、前記X線照射手段および前記X線検出手段を対向して旋回する旋回手段と、前記旋回手段を旋回するための旋回軸と、前記鉛直平面上で前記電気的撮像手段を回転する回転機構と、撮影モードとして少なくともCT撮影モードおよびパノラマ撮影モードとを備え、
前記CT撮影モードと前記パノラマ撮影モードとの切り替えにおいて、前記回転機構が前記電気的撮像手段を回転可能である医療用X線撮像装置であって、
前記回転機構は、前記電気的撮像手段の角部を前記鉛直平面上で水平方向に案内する第一ガイド機構と、前記電気的撮像手段の中心を前記鉛直平面上で所定の方向に案内する第二ガイド機構とを備え、前記CT撮影モードにおける前記電気的撮像手段の使用範囲と、前記パノラマ撮影モードにおける前記電気的撮像手段の使用範囲とで、双方の使用範囲の下端の高さが一致するように、前記電気的撮像手段を回転可能であることを特徴とする医療用X線撮像装置。
【請求項2】
前記回転機構は、さらに前記双方の使用範囲の中心が同一鉛直線上になるように、前記電気的撮像手段を回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の医療用X線撮像装置。
【請求項3】
前記パノラマ撮影モードにおける前記使用範囲は矩形状であり、
前記第一ガイド機構は、前記パノラマ撮影モードにおける前記使用範囲の下辺と、前記CT撮影モードにおける使用範囲の下辺との交点を水平方向に案内することを特徴とする請求項1に記載の医療用X線撮像装置。
【請求項4】
前記CT撮影モードは、ノーマルスキャンモードとシフトスキャンモードとを備え、
前記回転機構は、
前記ノーマルスキャンモードでは、前記X線照射手段のX線焦点と前記電気的撮像手段の使用範囲の中心とを結ぶ直線が前記旋回軸の中心を通る垂直の軸線に交わる位置に、前記電気的撮像手段を設定し、
前記シフトスキャンモードでは、前記X線照射手段のX線焦点と前記電気的撮像手段の使用範囲の中心とを結ぶ直線が前記旋回軸の中心を通る垂直の軸線からシフトする位置に、前記電気的撮像手段を設定することを特徴とする請求項1に記載の医療用X線撮像装置。
【請求項5】
前記第二ガイド機構は、前記電気的撮像手段の中心を鉛直方向に案内することを特徴とする請求項1記載から請求項3のいずれか1項に記載の医療用X線撮像装置。
【請求項6】
前記第二ガイド機構は、前記電気的撮像手段の中心を水平方向および鉛直方向に案内することを特徴とする請求項4に記載の医療用X線撮像装置。
【請求項7】
前記第二ガイド機構は、前記電気的撮像手段の中心を鉛直方向に対して傾斜する方向に案内することを特徴とする請求項1または請求項3に記載の医療用X線撮像装置。
【請求項8】
前記電気的撮像手段を位置決めするための位置決め手段を備え、
前記位置決め手段は、前記CT撮影モードおよび前記シフトスキャンモードのそれぞれにおける電気的撮像手段の位置決めを行うことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の医療用X線撮像装置。
【請求項9】
前記電気的撮像手段は、正方形状であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の医療用X線撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2011−161211(P2011−161211A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245884(P2010−245884)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000117054)朝日レントゲン工業株式会社 (36)
【Fターム(参考)】