説明

医薬組成物

【課題】ジぺプチジルぺプチダーゼIV(DPPIV)に対する優れた阻害作用を有する新規な化合物、その製造方法及びその使用などを提供する。
【解決手段】下記一般式〔I〕で示される2−シアノピロリジン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩、その製造方法、前記化合物を有効成分として含有する医薬組成物、並びに、DPPIVの活性を阻害するための前記化合物の使用等に関する。


〔式中、Rは、(1)モルホリノ又は(2)置換されていてもよいピペラジン−1−イルを表す。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジぺプチジルぺプチダーゼIV(DPPIV)に対する優れた阻害作用を有する医薬として有用な新規な2−シアノピロリジン誘導体、その製造方法、その使用およびこれを含有する医薬組成物などに関する。
【背景技術】
【0002】
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)は、ポリペプチド鎖のN末端からXaa−Pro又はXaa−Ala(Xaaはいかなるアミノ酸であってもよい)のジペプチドを特異的に加水分解するセリンプロテアーゼの1種である。
【0003】
DPPIV(CD26とも称される)の生体内での役割、疾患との関係について、種々の報告がある(非特許文献1〜4)。
【0004】
GLP−1(グルカゴン様ペプチド1)は、主にグルコース依存的にインスリン分泌を増幅する働きを有するペプチドホルモンであり、主として小腸下部から食後に分泌され膵臓で作用する。また、GLP−1が摂食抑制作用を有することを示唆する報告もある。DPPIVは、このGLP−1を加水分解し、不活性化するとともに、GLP−1のアンタゴニストとして作用するペプチドを生じさせる。
DPPIVの酵素活性を阻害する物質は、その阻害作用を介して内在性GLP−1の作用を高めることにより、経口グルコース負荷に対するインスリン分泌応答を高め、損なわれた耐糖能(impaired glucose tolerance)を改善する。
【0005】
このため、DPPIV阻害薬は、糖尿病(特に2型糖尿病)等の予防・治療に有用であると考えられている。また、損なわれた耐糖能によって誘発もしくは増悪されるその他の疾患〔過血糖(例えば、食後の過血糖)、高インスリン血症、糖尿病合併症(例えば、腎障害、神経障害)、脂質代謝異常、肥満等〕の予防・治療における効果が期待されている。さらに、GLP−1の摂食抑制作用を増強することにより改善が見込まれる疾患(過食、肥満等)の予防・治療における効果も期待される。
【0006】
また、T細胞表面などに存在するDPPIV(CD26)は、免疫系細胞においてはT細胞の活性化にともなって発現が誘導され、T細胞の活性化と増殖に重要な役割をはたしている。このDPPIV(CD26)を抗体や阻害物質によってブロックするとT細胞の活性化が抑制されることが知られている。また、コラーゲン代謝異常や免疫異常疾患において本酵素と病態との関連性に興味がもたれている。たとえば、リウマチ患者においては末梢血T細胞のDPPIV(CD26)陽性率が上昇しており、腎炎患者尿中には高いDPPIV活性が検出されている。 さらに、DPPIV(CD26)は、HIVのリンパ細胞への進入にも重要な役割を担うと考えられている。
【0007】
このため、DPPIV(CD26)を阻害する物質は、自己免疫疾患(例えば、関節炎、慢性関節リウマチ)、骨粗鬆症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、移植臓器・組織の拒絶反応などに対しても予防または治療効果が期待されている。
【0008】
一方、DPPIV阻害作用を有する2−シアノピロリジン誘導体として、
以下の特許文献1〜6等には、N−(置換グリシル)−2−シアノピロリジン誘導体が記載されている。
また、以下の特許文献7〜10には、ビシクロオクタン構造を有するN−(置換グリシル)−2−シアノピロリジン誘導体が記載されている。
【非特許文献1】Holstら、Diabetes、第47巻、第1663-1670頁、1998年
【非特許文献2】Augustynsら、Current Medicinal Chemistry、第6巻、第311-327頁、1999年
【非特許文献3】Meesterら、Immunol. Today、第20巻、第367-375頁、1999年
【非特許文献4】Fleicherら、Immunol. Today、第15巻、第180-184頁、1994年
【特許文献1】US6,011,155
【特許文献2】WO1998/19998
【特許文献3】WO2000/34241
【特許文献4】WO2001/96295
【特許文献5】WO2002/30890
【特許文献6】WO2002/30891
【特許文献7】WO2005/075421
【特許文献8】WO2005/077900
【特許文献9】WO2005/082847
【特許文献10】WO2006/012395
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)に対する優れた阻害作用を有する新規化合物、その製造方法、その使用、並びに前記化合物を含有する医薬組成物等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、DPPIVに対する優れた阻害作用を有する新規な2−シアノピロリジン誘導体を見出し、本発明を完成した。また、これを有効成分としてなる医薬組成物を創製して本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、一般式〔I〕
【0012】
【化1】

【0013】

〔式中、Rは、
(1)モルホリノ 又は
(2)置換されていてもよいピペラジン−1−イル を表す。〕
で示される2−シアノピロリジン誘導体(以下、化合物〔I〕と称する)又はその薬理的に許容し得る塩に関する。
【0014】
また、前記化合物〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩の製造方法に関する。
また、前記一般式〔I〕で示される2−シアノピロリジン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
また、前記化合物〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩の有効量を患者に投与することからなる治療又は予防方法に関する。また、前記化合物〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩の、医薬の製造のための使用に関する。
また、DPPIVの活性を阻害するための前記化合物〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩の使用に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の化合物〔I〕又はそのその薬理的に許容し得る塩は、DPPIVに対する優れた阻害作用を有する。本発明の目的化合物を有効成分として含有する医薬組成物は、DPPIVの阻害により改善が見込まれる疾患もしくは症状(糖尿病など)の治療又は予防のための医薬における有効成分として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明において、低級アルキル基、低級アルキルスルホニル基、低級アルコキシ基としては、炭素数1〜6(C1-6)の直鎖状または分岐鎖状のものが挙げられ、とりわけ炭素数1〜4(C1-4)のものが挙げられる。
また、低級アルカノイル基としては、炭素数2〜7(C2-7)のものが挙げられ、とりわけ炭素数2〜5(C2-5)のものが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等が挙げられる。
【0017】
本発明の化合物[I]において、Rで表される「置換されていてもよいピペラジン−1−イル」の好適な例としては、「4位窒素原子において置換されていてもよいピペラジン−1−イル」が挙げられる。
【0018】
「4位窒素原子において置換されていてもよいピペラジン−1−イル」における置換基としては、例えば、
低級アルカノイル;
低級アルキルスルホニル;
低級アルコキシで置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル;及び
ハロゲン原子で置換されていてもよいベンゾイル;
等が挙げられる。
【0019】
本発明の化合物〔I〕のうち、好ましい化合物群としては、
Rがモルホリノである化合物が挙げられる。
あるいはまた、Rが、4位窒素原子において置換されていてもよいピペラジン−1−イルである化合物群が挙げられる。
【0020】
また、本発明の化合物として、具体的には、例えば、後記製造例に示された各化合物のフリー体又はその薬理的に許容し得る塩が挙げられる。
【0021】
本発明の化合物は、遊離の形でも、薬理的に許容し得る塩の形でもよい。 薬理的に許容しうる塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩又は臭化水素酸塩の如き無機酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩又はマレイン酸塩の如き有機酸塩等が挙げられる。
【0022】
本発明の化合物は、その分子内塩や付加物、それらの溶媒和物或いは水和物等をいずれも含むものである。
【0023】
本発明の化合物〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩は、DPPIVの酵素活性に対する優れた阻害作用を有する。またその作用は、DPPIVに対して高い選択性を示す。
すなわち、DPPIV以外の種々のセリンプロテアーゼ(例えば、プラスミン、トロンビン、プロリルエンドペプチダーゼ、トリプシン、ジペプチジルペプチダーゼII、ジペプチジルペプチダーゼ8等)に対する阻害と比較して、特に、DPPIVに対して選択的な強い阻害活性を示す。
【0024】
また、本発明の化合物〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩は、生体内に投与した時、優れた作用持続性を示す。
【0025】
また、本発明の化合物〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩は、そのDPPIV阻害作用を介して、例えば、経口グルコース負荷に対するインスリン分泌応答を改善するなど、種々の薬効を発揮する。
【0026】
従って、本発明の化合物〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩、又はこれを有効成分として含有する医薬組成物は、DPPIVの阻害のために使用できる。また、該化合物または該医薬組成物は、DPPIVの阻害によって改善が見込まれる疾患や症状の治療又は予防のために使用できる。
【0027】
かかる疾患や症状としては、例えば、糖尿病(例えば、1型糖尿病、2型糖尿病等)、過血糖(例えば、食後の過血糖等)、高インスリン血症、糖尿病合併症(例えば、腎障害、神経障害等)、肥満、過食、脂質代謝異常(例えば、高トリグリセリド血症等の高脂血症等)、自己免疫疾患(例えば、関節炎、慢性関節リウマチ等)、骨粗鬆症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、移植臓器・組織の拒絶反応等が挙げられる。
【0028】
本発明の化合物〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩、またはこれを有効成分として含有する医薬組成物は、とりわけ、糖尿病(特に2型糖尿病)の治療又は予防のために有用である。
【0029】
本発明の化合物〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩の有効量を患者等に投与する治療又は予防方法も、前記目的に適用され、本発明に含まれる。また、本発明の化合物〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩の、医薬の製造のための使用も、前記目的に適用され、本発明に含まれる。
【0030】
本発明の化合物のDPPIV阻害作用およびそれに基づく薬効(抗血糖効果、グルコース負荷に対するインスリン分泌応答改善効果など)は、既知方法もしくはそれらと同等の方法(WO98/19998; WO00/34241;Holstら、Diabetes、第47巻、第1663-1670頁、1998年;Augustynsら、Current Medicinal Chemistry、第6巻、第311-327頁、1999年;Meesterら、Immunol. Today、第20巻、第367-375頁、1999年;Fleicherら、Immunol. Today、第15巻、第180-184頁、1994年)により確認できる。
【0031】
また、本発明の化合物のDPPIV阻害作用のin vivoでの作用持続についても、既知方法(Pedersonら、Diabetes、1998年、第47巻、第1253-1258頁などに記載の方法)により、確認することができる。
【0032】
本発明の化合物[I]又はその薬理的に許容しうる塩を、有効成分として医薬用途に使用する場合、投与方法に応じた不活性な担体とともに用い、慣用の医薬製剤(錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤、溶液、懸濁液、乳液、注射剤、点滴剤等)として製剤化して用いることができる。かかる担体としては、例えば、一般的な医薬において許容される結合剤(アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、ポリビニルピロリドン等)、賦形剤(乳糖、砂糖、コーンスターチ、ソルビット等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール等)、崩壊剤(バレイショデンプン等)などが挙げられる。注射剤や点滴剤とする場合は、注射用蒸留水、生理的食塩水、ブドウ糖水溶液などを用いて製剤化することができる。
【0033】
本発明の化合物[I]又はその薬理的に許容しうる塩を、医薬用途に使用する場合の投与方法は、特に限定されず、一般的な経口もしくは非経口的な方法(静脈内、筋肉内、皮下、経皮、経鼻、その他経粘膜、経腸など)を適用することができる。
【0034】
本発明の化合物[I]又はその薬理的に許容し得る塩を、医薬用途に使用する場合の投与量は、有効成分とする化合物のポテンシーや特性に応じ、薬効を発現するのに十分な有効量の範囲で、適宜設定すればよい。投与量は、投与方法、投与対象(患者等)の年令、体重、状態によっても異なるが、一般的な投与量、例えば1日当たり、通常、0.001〜300mg/kgの範囲で適切な量に設定される。
【0035】
本発明において、DPPIVとしては、ヒト又はヒト以外の温血動物のDPPIVが挙げられる。本発明において、医薬、医薬組成物、並びに 治療又は予防方法の適用対象としては、ヒト又はヒト以外の温血動物(とりわけ好適にはヒト)が挙げられる。
【0036】
本発明の目的化合物[I]は、下記の方法により製造することができるが、
これに限定されるものではない。
【0037】
【化2】

【0038】

一般式〔2〕
(式中、Zは反応性残基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物を、一般式〔3〕
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物またはその塩と反応させ、所望により生成物を薬理学的に許容し得る塩とすることにより目的化合物[I]を製造することができる。
【0039】
化合物〔3〕の塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等の無機酸との塩、あるいは、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩の如き有機酸塩等が使用できる。
【0040】
で表される反応性残基としては、ハロゲン原子、低級アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等の慣用の反応性残基を好適に用いることができるが、とりわけハロゲン原子が好ましい。
【0041】
化合物〔2〕と化合物〔3〕又はその塩との反応は、脱酸剤の存在下又は非存在下、適当な溶媒中又は無溶媒で実施することができる。
【0042】
脱酸剤としては、無機塩基(例えば、水素化ナトリウムなどの水素化アルカリ金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アルカリ金属、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属、等)又は有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)を好適に用いることができる。
【0043】
本反応は、0〜120℃、とりわけ室温〜80℃で好適に進行する。
【0044】
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であればよく、例えばアセトニトリル、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、アセトン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、エーテル、ジオキサン、酢酸エチル、トルエン、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム又はこれらの混合溶媒を適宜用いることができる。
【0045】
前記製造方法により製造される目的化合物〔I〕は、さらに、後記製造例に記載の方法及び/または既知方法又はそれらの組合せによって、別の目的化合物〔I〕に構造変換することができる。
【0046】
また、前記方法における原料化合物は、既知方法及び/または後記参考例に記載の方法、又はそれらの組合せによって製造できる。
【0047】
例えば、原料化合物〔2〕は、
Villhauerらの文献(Villhauerら、Journal of Medicinal Chemistry、2003年、第46巻、第2774〜2789頁)、国際公開特許WO98/19998、WO00/34241、などに記載の方法に準じて製造することができる。
【0048】
また、例えば、原料化合物〔3〕のうち、Rが、モルホリノである化合物〔3a〕は、以下のように製造できる。
【0049】
【化3】

【0050】
一般式〔11〕
(式中、Q1はアミノ基保護基を表す。)
で示される化合物またはその塩を、一般式〔12a〕
(式中、Z2及びZ3は反応性残基を表す。)
で示される化合物と反応させ、
一般式〔13〕
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物又はその塩を得る。
化合物〔13〕又はその塩から、アミノ基保護基を除去し、所望により生成物を塩とすることにより、式〔3a〕で示される化合物又はその塩を製造することができる。
【0051】
1で表されるアミノ基保護基としては、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基等の慣用のアミノ基保護基をいずれも好適に使用できる。
【0052】
2及びZ3で表される反応性残基としては、ハロゲン原子、低級アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等の慣用の反応性残基を好適に用いることができるが、とりわけハロゲン原子が好ましい。
【0053】
化合物〔11〕、〔13〕及び〔3a〕の塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等の無機酸との塩、あるいは、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩の如き有機酸塩等が使用できる。
【0054】
各反応は以下のように実施することができる。
【0055】
化合物〔11〕又はその塩と化合物〔12a〕との反応は、
脱酸剤の存在下又は非存在下、適当な溶媒中又は無溶媒で実施することができる。
【0056】
脱酸剤としては、無機塩基(例えば、水素化ナトリウムなどの水素化アルカリ金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アルカリ金属、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属、等)又は有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)を好適に用いることができる。
【0057】
本反応は、0〜120℃、とりわけ室温〜80℃で好適に進行する。
【0058】
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であればよく、例えば、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、エーテル、ジオキサン、酢酸エチル、トルエン、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム又はこれらの混合溶媒を適宜用いることができる。
【0059】
化合物〔13〕又はその塩からのアミノ基保護基(Q)の除去は、常法により実施でき、例えば、適当な溶媒中又は無溶媒で、トリフルオロ酢酸、塩酸などを用いた酸処理、チオールアルカリ金属塩等による処理、又は接触還元などにより実施することができる。
【0060】
また例えば、原料化合物〔3〕のうち、Rが、4位窒素原子において置換されていてもよいピペラジン−1−イルである化合物〔3b〕は、以下のように製造できる。
【0061】
【化4】

【0062】
一般式〔11〕
(式中、Q1はアミノ基保護基を表す。)
で示される化合物またはその塩を、一般式〔12b〕
(式中、Q2はアミノ基保護基を表し、Z4及びZ5は反応性残基を表す。)
で示される化合物と反応させ、
一般式〔14〕
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物又はその塩を得る。
化合物〔14〕又はその塩から、アミノ基保護基(Q2)を除去し、
一般式〔15〕
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物又はその塩を得る。
化合物〔15〕又はその塩に、必要に応じピペラジン−1−イルの4位窒素原子に適宜置換基を付加した後、アミノ基保護基(Q1)を除去し、所望により生成物を塩とすることにより、一般式〔3b〕
(式中、Rは、4位窒素原子において置換されていてもよいピペラジン−1−イルを表す。)
で示される化合物又はその塩を製造することができる。
【0063】
2で表されるアミノ基保護基は、Qと異なるものを用いることが好ましい。
2で表されるアミノ基保護基としては、2−ニトロベンゼンスルホニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の慣用のアミノ基保護基をいずれも好適に使用できる。
【0064】
及びZで表される反応性残基としては、ハロゲン原子、低級アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等の慣用の反応性残基を好適に用いることができるが、とりわけハロゲン原子が好ましい。
【0065】
化合物〔14〕、〔15〕及び〔3b〕の塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等の無機酸との塩、あるいは、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩の如き有機酸塩等が使用できる。
【0066】
各反応は以下のように実施することができる。
【0067】
化合物〔11〕又はその塩と化合物〔12b〕との反応は、
前記化合物〔11〕又はその塩と化合物〔12a〕又はその塩との反応と同様にして実施できる。
またアミノ基保護基(Q又はQ)の除去は前記と同様、常法により実施できる。
【0068】
上記のようにして製造される本発明の化合物[I]もしくはその原料化合物は、遊離のままあるいはその塩として単離され、精製される。塩は、通常用いられる造塩処理に付すことにより製造できる。単離精製は、抽出、濃縮、結晶化、ろ過、再結晶、各種クロマトグラフィーなど通常の化学的操作を適用して実施できる。
【0069】
本発明の化合物には、ラセミ体、光学活性体、ジアステレオマーなどの光学異性体が単独であるいは混合物として存在し得る。立体化学的に純粋な異性体は、立体化学的に純粋な原料化合物を用いるか、あるいは一般的なラセミ分割法にて光学異性体を分離することにより導くことができる。また、ジアステレオマーの混合物は、常法、例えば分別結晶化またはクロマトグラフィーなどにより分離できる。
【0070】
以下、製造例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
【0071】
また、末尾の表1 及び 参考例表には、製造例および参考例の化合物の化学構造式および物性値などを示す。
【0072】
表中、MS・APCI(m/z)は、質量分析値を表す。
(APCI:大気圧化学イオン化マススペクトル)
また、本明細書中の略号
「Me」はメチル基、
「Ph」はフェニル基、
「Ns」は、2−ニトロベンゼンスルホニル基 を各々表す。
【実施例】
【0073】
実験例1 DPPIV阻害活性の試験
酵素源としてヒト血清又は組換えヒトDPPIV(Biochim. Biophys. Acta、第1131巻、第333-336頁、1992年 および Biochem. J.、第373巻、第179-189頁、2003年)を用い、DPPIVに対する本発明の化合物の阻害活性を、以下のようにして測定した。被験化合物をジメチルスルホキシドに溶解後、順次緩衝液(40mM HEPES、1% BSA、pH7.8)にて希釈し、終濃度3pM〜10μMの検体溶液(ジメチルスルホキシドの終濃度:0.1%)を調製した。ヒト血清25μl又は組換えヒトDPPIV(0.89μg/mL)を含む酵素液25μlに、前記緩衝液150μl及び検体溶液25μlを添加し、37℃で10分間保温した。その後、基質としてグリシル−L−プロリン p−ニトロアニリド トシレート〔ペプチド研究所製 Gly−Pro−pNA・Tos〕溶液50μlを添加し(基質の終濃度:0.234mM)、反応を開始した。37℃で20分間保温して反応を行い、その間、405nmの吸光度変化をモニターすることにより、DPPIV活性を測定した。DPPIV阻害活性として50%阻害濃度(IC50)を求めた。
【0074】
その結果、本発明の製造例1.01〜2.04の化合物は、いずれも10nM以下のIC50値を示し、優れた阻害活性を有することが確認された。
【0075】
製造例 1.01
【0076】
【化5】

【0077】

(1)4−モルホリン−4−イルビシクロ[2.2.2]オクト−1−イルアミン(参考例2.01)181mg、1−クロロアセチル−(S)−2−シアノピロリジン(文献(E. B. Villhauerら、Journal of Medicinal Chemistry、2003年、第46巻、第2774-2789頁)記載の方法により合成した)149mg、炭酸カリウム357mg、ヨウ化カリウム15mgの50%アセトニトリル/クロロホルム10mL混合液を室温で4日間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧濃縮後、残渣をクロロホルムに再溶解した。前記クロロホルム溶液を、あらかじめ炭酸カリウムでpH4.5に調整した5%クエン酸水溶液で抽出し、水層をクロロホルムで3回洗浄した。水層に炭酸カリウムを加えてpH8.5とし、クロロホルムで3回抽出後、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジエチルエーテル中で摩砕、濾取することにより、(S)−2−シアノ−1−[2−(4−モルホリン−4−イルビシクロ[2.2.2]オクト−1−イルアミノ)アセチル]ピロリジン166mgを結晶性粉末として得た。

(2)前記(1)で得られたフリー体にジエチルエーテル、4mol/L塩酸1, 4−ジオキサン溶液を加え撹拌し、析出固体を摩砕、濾取することにより(S)−2−シアノ−1−[2−(4−モルホリン−4−イルビシクロ[2.2.2]オクト−1−イルアミノ)アセチル]ピロリジン2塩酸塩(後記表、製造例1.01)166mgを無色粉末として得た。
【0078】
製造例 2.01
【0079】
【化6】

【0080】
(1)[4−(4−プロピオニルピペラジン−1−イル)ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル]カルバミン酸ベンジルエステル(参考例4.01)195mg、10%パラジウム炭素50mg、及び50%エタノール/テトラヒドロフラン20mLの混合物を水素雰囲気下(1気圧)室温で4時間撹拌した。不溶物を濾去後、濾液を減圧濃縮し、
4−(4−プロパノイルピペラジン−1−イル)ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イルアミン129mgを得た。
【0081】
(2)前記(1)で得られた化合物137mg、1−クロロアセチル−(S)−2−シアノピロリジン137mg、炭酸カリウム214mg、ヨウ化カリウム10mgの38%アセトニトリル/クロロホルム16mL混合液を室温で2日間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧濃縮後、残渣をクロロホルムに再溶解した。前記クロロホルム溶液を、あらかじめ炭酸カリウムでpH4.5に調整した5%クエン酸水溶液で抽出し、水層をクロロホルムで3回洗浄した。水層に炭酸カリウムを加えてpH8.5とし、クロロホルムで3回抽出後、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:10%クロロホルム−メタノール)で精製し、得られたフリー体にジエチルエーテル、4mol/L塩酸1, 4−ジオキサン溶液を加え撹拌した。析出固体を摩砕、濾取することにより(S)−2−シアノ−1−{2−[4−(4−プロピオニルピペラジン−1−イル)ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イルアミノ]アセチル}ピロリジン2塩酸塩(後記表、製造例2.01)43mgを無色粉末として得た。
【0082】
製造例 2.02〜2.04
製造例2.01と同様にして、後記表、製造例2.02〜2.04の化合物を得た。
【0083】
参考例 1.01
【0084】
【化7】

【0085】

(1)文献(Ernest W. Dellaら、Australian Journal of Chemistry、1985年、第38巻、第1705-1718頁)記載の方法に従い合成したビシクロ[2.2.2]オクタン−1, 4−ジカルボン酸ジメチルエステル8.83gのテトラヒドロフラン88mL溶液に氷冷下、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液7.38gと蒸留水689mgの混合溶液を滴下し、室温で15分間撹拌した。反応液にn−ヘキサン88mLを加えて3時間激しく撹拌後、更にn−ヘキサン264mLを加えてよく撹拌し、析出固体を濾取した後、n−ヘキサンで洗浄することによってモノカルボン酸ナトリウム塩を得た。この化合物を蒸留水に溶解後ジエチルエーテルで洗浄し、水層を2mol/L塩酸水で酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することによりビシクロ[2.2.2]オクタン−1, 4−ジカルボン酸モノメチルエステル6.67gを無色粉末として得た。
【0086】
(2)前記(1)で得られた化合物6.67g、ジフェニルリン酸アジド9.39g、トリエチルアミン4.77mLをトルエン130mLに溶解し、室温で1時間、70℃で30分撹拌後、更に1時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷した後、ベンジルアルコール32.4mLを加え、更に5時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷し、反応混合物に水を加え、有機層を飽和重曹水、水、2mol/L塩酸水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をメタノール100mLに溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、50℃で2時間加熱撹拌した。反応液を室温に放冷後、メタノールを減圧留去し、水層をジエチルエーテルで4回洗浄後、水層を氷冷下、濃塩酸で酸性にし、析出した固体を濾取、水洗後室温で風乾することによって4−ベンジルオキシカルボニルアミノビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸8.15gを無色粉末として得た。
【0087】
(3)前記(2)で得られた化合物5.76g、ジフェニルリン酸アジド5.65g、トリエチルアミン2.85mLをトルエン110mLに溶解し、70℃で30分撹拌後、30分間加熱還流した。反応液を室温まで放冷後、トルエンを減圧留去し、残渣をジメトキシエタン10mLに溶解した。この溶液を100℃で加熱撹拌した2mol/L塩酸200mL中に滴下し、同温で2時間加熱撹拌した。反応液を室温まで放冷後、ジエチルエーテルで3回洗浄し、水層を2mol/L水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にして、クロロホルムで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することによって(4−アミノビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)カルバミン酸ベンジルエステル(後記表、参考例1.01)2.12gを淡黄色油状物として得た。
【0088】
参考例 2.01
【0089】
【化8】

【0090】

(1)アルゴン雰囲気下、(4−アミノビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)カルバミン酸ベンジルエステル(参考例1.01)332mg、ビス(2−クロロエチル)エーテル191mg、炭酸ナトリウム376mg、ヨウ化ナトリウム400mgのN, N−ジメチルアセトアミド7mL懸濁液を100℃で加熱撹拌し、30分おきにビス(2−クロロエチル)エーテル20mgずつ2回、計40mgを追加した。更に100℃で2時間撹拌後、反応液を室温まで放冷し、反応液に酢酸エチル、水を加えて撹拌して不溶物を溶解した。水層を分離後、有機層を水で4回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:0→2%クロロホルム−メタノール)で精製し、得られた固体をn−ヘキサン中で摩砕、濾取することにより(4−モルホリン−4−イルビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)カルバミン酸ベンジルエステル297mgを結晶性粉末として得た。
【0091】
(2)前記(1)で得られた化合物295mg、10%パラジウム炭素50mg、及びエタノール10mLの混合物を水素雰囲気下(1気圧)室温にて4時間撹拌した。不溶物を濾去後、濾液を減圧濃縮し、4−モルホリン−4−イルビシクロ[2.2.2]オクト−1−イルアミン(後記表、参考例2.01)180mgを無色粉末として得た。
【0092】
参考例 3.01
【0093】
【化9】

【0094】
(1)アルゴン雰囲気下、(4−アミノビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)カルバミン酸ベンジルエステル(参考例1.01)1.75g、N, N−ビス(2−クロロエチル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(日本特許公開2006-56884, WO2004/64721記載の方法により合成した)2.29g、炭酸ナトリウム2.02g、ヨウ化ナトリウム2.10gのN, N−ジメチルアセトアミド35mL懸濁液を100℃で4時間加熱撹拌した。反応液を室温まで放冷し、反応液に酢酸エチルと水を加えて撹拌して不溶物を溶解した。水層を分離後、有機層を水で5回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:0→5%クロロホルム−メタノール)で精製し、得られた固体をジエチルエーテル中で摩砕することにより{4−[4−(2−ニトロベンゼンスルホニル)ピペラジン−1−イル]ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}カルバミン酸ベンジルエステル2.77gを結晶性粉末として得た。
【0095】
(2)60%水素化ナトリウム482mgのテトラヒドロフラン30mL懸濁液に1−ドデカンチオール2.88mLのN, N−ジメチルホルムアミド10mL溶液を室温で滴下し、室温で30分間撹拌した。得られたクリーム状の反応液を氷冷し、前記(1)で得られた化合物2.77gのN, N−ジメチルホルムアミド30mL溶液を滴下後、室温で2時間撹拌した。反応液にジエチルエーテル、2mol/L塩酸水を加え有機層を分離後、水層をジエチルエーテルで洗浄した。水層を2mol/L水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にし、クロロホルムで3回抽出した。合した抽出液を飽和食塩水で洗浄後、減圧濃縮した。得られた残渣をクロロホルムで再度希釈し、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣にジエチルエーテル、4mol/L塩酸1, 4−ジオキサン溶液3.9mL溶液を加え撹拌し、析出固体を摩砕、濾取することにより(4−ピペラジン−1−イルビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)カルバミン酸ベンジルエステル2塩酸塩(後記表、参考例3.01)2.04gを淡黄色粉末として得た。
【0096】
参考例 4.01
【0097】
【化10】

【0098】

(4−ピペラジン−1−イルビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)カルバミン酸ベンジルエステル2塩酸塩(参考例3.01)250mg、塩化プロピオニル78μL、トリエチルアミン416μLの塩化メチレン10mL溶液を室温で3時間撹拌し、飽和重曹水を加えた後、水層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:0→7%クロロホルム−メタノール)で精製し、得られた固体をジエチルエーテル中で摩砕、濾取することにより[4−(4−プロピオニルピペラジン−1−イル)ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル]カルバミン酸ベンジルエステル(後記表、参考例4.01)198mgを結晶性粉末として得た。
【0099】
参考例 4.02〜4.04
参考例4.01と同様にして、後記表、参考例4.02〜4.04の化合物を得た。
【0100】
【表1】

【0101】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式〔I〕

〔式中、Rは、
(1)モルホリノ 又は
(2)置換されていてもよいピペラジン−1−イル を表す。〕
で示される2−シアノピロリジン誘導体又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる医薬組成物。
【請求項2】
Rが、モルホリノ である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
Rが、4位窒素原子において置換されていてもよいピペラジン−1−イル である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
後記の製造例に示された各化合物のフリー体又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる医薬組成物。
【請求項5】
DPPIVの阻害のための医薬組成物、又は、DPPIVの阻害により改善が見込まれる疾患又は症状の治療又は予防のための医薬組成物である、請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項6】
糖尿病の治療又は予防のためのものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項7】
2型糖尿病の治療又は予防のためのものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2009−137864(P2009−137864A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314606(P2007−314606)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(000002956)田辺三菱製薬株式会社 (225)
【Fターム(参考)】