説明

半導体レーザ素子の保護膜作製方法

【課題】半導体レーザバーの側面に保護膜を作製する際に、スペーサによってストライプ状電極に付される傷を低減する。
【解決手段】ストライプ状電極18及びボンディングパッド20を半導体積層構造14上に形成する工程と、基板を切断することにより複数の半導体レーザバー30を形成するバー形成工程と、複数の半導体レーザバー30の側面30bが載置面40の法線方向を向くように複数の半導体レーザバー30を載置面40上に並べるとともに、複数の半導体レーザバー30の間にスペーサ42を配置する工程と、複数の半導体レーザバー30の側面30bを覆うように保護膜32を形成する工程とを行う。バー形成工程より前に、主面12aを基準とする高さがストライプ状電極18より高い膜状構造体22を、複数の半導体レーザバー30となる半導体積層構造14の複数の部分それぞれの上に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レーザ素子の保護膜作製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体レーザバーを整列させ、半導体レーザバーの端面に薄膜を形成する方法が記載されている。この文献に記載された薄膜作製方法では、活性層を含む半導体積層構造が形成されたウェハを劈開することにより複数の半導体レーザバーを形成し、この複数の半導体レーザバーを劈開面を上向きにして並べ、且つ隣り合う半導体レーザバーの間にスペーサを配置したのち、各半導体レーザバーの劈開面上に薄膜を形成する。スペーサの厚さは、半導体レーザバーの共振方向の幅以下である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−123374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体レーザ素子を作製する際、半導体レーザ素子の前方から出射されるレーザ光の強度と、後方から出射されるレーザ光の強度との比を所望の大きさに調整する目的、並びに共振端面を保護する目的から、共振端面上に保護膜を形成する。このような保護膜を形成する方法として、例えば次のような方法がある。すなわち、ウエハ上に形成された半導体積層構造の上に、複数の半導体レーザ素子の為の複数のストライプ状電極を形成したのち、該複数のストライプ状電極の長手方向と直交する方向にウエハを劈開することにより、複数の半導体レーザバーを形成する。図20(a)は、半導体レーザバー100の外観を示す平面図である。また、図20(b)は、図20(a)のX−X線に沿った断面図である。この半導体レーザバー100は、ウエハが棒状に切断されて形成された基板102と、基板102上に形成された半導体積層構造104と、半導体積層構造104上に形成された絶縁膜116と、複数のストライプ状電極106と、複数のストライプ状電極106にそれぞれ給電するための複数のボンディングパッド108とを備える。なお、図20に示されるように、基板102の裏面上に電極110が形成されることがある。この半導体レーザバー100は、劈開により形成された側面100a及び100bを有する。
【0005】
続いて、図21に示されるように、この複数の半導体レーザバー100を、一方の側面100a(又は100b)を上向きにして平坦な載置面112上に並べる。また、互いに隣り合う半導体レーザバー100同士が、側面100a(又は100b)上に保護膜を形成した後に分離できなくなることを回避する為に、互いに隣り合う半導体レーザバー100の間にスペーサ114を配置する。スペーサ114は、例えばシリコンから成る細長い板状部材である。上述した特許文献1にも記載されているように、スペーサ114の厚さTaは、半導体レーザバー100の共振方向の幅Tb以下とされる。この工程ののち、保護膜をコーティングする際に半導体レーザバー100が落下することを防ぐために、複数の半導体レーザバー100の並び方向の両端からネジ締め等により力を加える。その状態を保ちつつ、複数の半導体レーザバー100の側面100a(又は100b)上に保護膜をコーティングする。
【0006】
しかしながら、上述した保護膜作製方法には、次のような問題がある。近年、より高速な動作が可能な半導体レーザ素子が求められており、そのような要求に応える為、半導体レーザ素子の共振器長が短くなってきている。そして、半導体レーザ素子の共振器長を短くする為に半導体レーザバー100の幅Tbを薄くすると、スペーサ114の厚さTaも薄くせざるを得ない。このため、スペーサ114の機械的強度が低下することとなる。故に、保護膜を作製する際にスペーサ114の両側面に対して力が加わると、図22に示されるようにスペーサ114に捻れや反り等の変形が生じ、スペーサ114の角がストライプ状電極106に押し付けられて傷(圧痕)を付けてしまうおそれがある。ストライプ状電極106にそのような傷(圧痕)が生じると、半導体レーザ素子の信頼性が低下してしまう。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、半導体レーザバーの側面に保護膜を作製する際に、スペーサによってストライプ状電極に付される傷を低減することができる半導体レーザ素子の保護膜作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明による半導体レーザ素子の保護膜作製方法は、半導体レーザ素子の端面を覆う保護膜を作製する方法であって、(1)複数の半導体レーザ素子のための半導体積層構造が基板上に形成されて成る基板生産物の半導体積層構造上に、第一方向を長手方向とし該第一方向と交差する第二方向に並ぶ複数のストライプ状電極と、該複数のストライプ状電極のそれぞれに電気的に接続される複数のボンディングパッドとを形成する電極形成工程と、(2)第二方向に沿って基板生産物を切断することにより複数の半導体レーザバーを形成するバー形成工程と、(3)複数の半導体レーザバーの側面が載置面の法線方向を向くように複数の半導体レーザバーを載置面上に並べるとともに、複数の半導体レーザバーの間にスペーサを配置する配列工程と、(4)複数の半導体レーザバーの側面を覆うように保護膜を形成する保護膜形成工程とを備える。更に、この保護膜作製方法では、バー形成工程より前に、主面を基準とする高さがストライプ状電極より高い複数の膜状構造体それぞれを、複数の半導体レーザバーとなる半導体積層構造の複数の部分それぞれの上に形成する。
【0009】
この半導体レーザ素子の保護膜作製方法では、バー形成工程より前に、複数の膜状構造体が基板生産物の半導体積層構造上に形成される。この複数の膜状構造体は、複数の半導体レーザバーとなる半導体積層構造の複数の部分それぞれの上に形成されるので、バー形成工程において形成される複数の半導体レーザバーのそれぞれは、少なくとも一つの膜状構造体を有することとなる。そして、続く配列工程では、複数の半導体レーザバーの側面が載置面の法線方向を向くように、言い換えれば複数の半導体レーザバーが横倒しになるように載置面上に並べられる。したがって、各半導体レーザバーの膜状構造体は、半導体積層構造とスペーサとの間に介在することとなる。そして、主面を基準とする膜状構造体の高さはストライプ状電極より高く形成されているので、スペーサがストライプ状電極に当接することを防止でき、スペーサによって付されるストライプ状電極の傷を少なくすることができる。
【0010】
また、上述した半導体レーザ素子の保護膜作製方法では、複数の膜状構造体の構成材料が、複数のボンディングパッドを構成する金属材料と同じであり、電極形成工程において、複数のボンディングパッドの形成と同時に複数の膜状構造体を形成することが好ましい。これにより、工程数を増加させることなく複数の膜状構造体を容易に形成することができる。
【0011】
また、上述した半導体レーザ素子の保護膜作製方法では、主面を基準とする複数の膜状構造体の高さが、主面を基準とする複数のボンディングパッドの高さ以下であることが好ましい。載置面上に複数の半導体レーザバーを並べたときに、各半導体レーザバーのボンディングパッドとスペーサとの間に隙間ができると、保護膜の為のコーティング材がその隙間に流れ込み、ボンディングパッドの少なくとも一部を覆ってしまうおそれがある。これに対し、膜状構造体の高さがボンディングパッドの高さ以下であれば、膜状構造体に妨げられることなくボンディングパッドとスペーサとが接することができ、ボンディングパッドの一部がコーティング材によって覆われることを防止できる。したがって、ボンディングパッドに接合されるワイヤとボンディングパッドとの電気的接触状態を良好にできる。
【0012】
また、上述した半導体レーザ素子の保護膜作製方法では、複数の半導体レーザバーそれぞれの上記側面と複数の膜状構造体それぞれとの間隔が、複数の半導体レーザバーそれぞれの上記側面と複数のボンディングパッドそれぞれとの間隔より短いことが好ましい。これにより、載置面上に複数の半導体レーザバーを並べたときに膜状構造体の上端がボンディングパッドより高く位置するので、ボンディングパッドでは防ぎ得ないようなスペーサの角とストライプ状電極との当接を効果的に防ぐことができる。
【0013】
また、上述した半導体レーザ素子の保護膜作製方法は、第二方向に延びる溝を基板の裏面に形成する工程を更に備え、バー形成工程において、溝を分割するように基板生産物を切断することが好ましい。これにより、複数の半導体レーザバーそれぞれの基板の裏面に段差が形成される。そして、この複数の半導体レーザバーの側面上に保護膜をコーティングすると、この段差を境に保護膜が好適に分離される。従来の方法では、半導体レーザバーより薄いスペーサを用いることにより半導体レーザバーの裏面とスペーサとの間に段差を生じさせて保護膜を分離させていたが、上記方法によればスペーサの厚さにかかわらず保護膜を分離させることができるので、より厚いスペーサを用いることが可能となる。したがって、スペーサの機械的強度を高めてその変形を小さくし、スペーサによって付されるストライプ状電極の傷を更に低減することができる。
【0014】
また、上述した半導体レーザ素子の保護膜作製方法では、溝の深さが30μm以下であることが好ましい。このように溝の深さを制限することにより、複数の半導体レーザバーに分割される以前における基板生産物の機械的強度を好適に維持することができる。
【0015】
また、上述した半導体レーザ素子の保護膜作製方法では、複数の半導体レーザバーそれぞれの側面と複数の膜状構造体それぞれとの間隔と、複数の半導体レーザバーそれぞれの側面と溝の側壁との間隔とが略等しいことが好ましい。これにより、配列工程において複数の半導体レーザバーを載置面上に並べたときに、載置面からの段差の高さと膜状構造体の高さとを略一致させることができるので、複数の半導体レーザバーを安定して保持することができる。
【0016】
また、上述した半導体レーザ素子の保護膜作製方法では、第二方向と直交する方向における複数の半導体レーザバーの幅が200μm以下であることが好ましい。このように半導体レーザバーの幅が比較的細い場合には、スペーサの厚さを薄くする必要があるのでスペーサが変形し易い。上述した半導体レーザ素子の保護膜作製方法はこのような場合に特に有効であって、スペーサがストライプ状電極に当接することを防ぎ、スペーサによって付されるストライプ状電極の傷を低減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明による半導体レーザ素子の保護膜作製方法によれば、半導体レーザバーの側面に保護膜を作製する際に、スペーサによってストライプ状電極に付される傷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、一実施形態に係る保護膜作製方法を示すフローチャートである。
【図2】図2は、基板生産物を示す図である。
【図3】図3は、電極形成工程における基板生産物を絶縁膜側から見た平面図である。
【図4】図4は、電極形成工程を示す図である。図4(a)は、複数の半導体レーザ素子にそれぞれ相当する領域である複数の単位領域の一つを絶縁膜側から見た図である。図4(b)は、図4(a)のI−I線に沿った断面を示す図である。
【図5】図5は、電極形成工程を示す図である。図5(a)は、複数の単位領域の一つを絶縁膜側から見た図である。図5(b)は、図5(a)のII−II線に沿った断面を示す図である。
【図6】図6は、電極形成工程における基板生産物をウエハの裏面側から見た図である。
【図7】図7は、電極形成工程を示す図である。図7(a)は、複数の単位領域Aの一つをウエハ12の裏面側から見た図である。図7(b)は、図7(a)のIII−III線に沿った断面を示す図である。
【図8】図8は、溝形成工程におけるウエハを裏面側から見た図である。
【図9】図9は、溝形成工程を示す図である。図9(a)は、複数の単位領域の一つをウエハの裏面側から見た図である。図9(b)は、図9(a)のIV−IV線に沿った断面を示す図である。
【図10】図10は、バー形成工程におけるウエハを裏面側から見た図である。
【図11】図11は、バー形成工程を示す図である。図11(a)は、この工程によって形成される半導体レーザバーを絶縁膜側から見た図である。図11(b)は、半導体レーザバーを裏面側から見た図である。
【図12】図12(a)は、図11(a)のV−V線に沿った断面図である。図12(b)は、図11(a)のVI−VI線に沿った断面図である。
【図13】図13は、配列工程において複数の半導体レーザバーを並べた様子を示す平面図である。
【図14】図14は、図13のVII−VII線に沿った断面の模式図である。
【図15】図15は、保護膜形成工程において複数の半導体レーザバーの側面上の全面に保護膜をコーティングする様子を示す図である。
【図16】図16(a)は、保護膜が形成された半導体レーザ素子の平面図である。図16(b)は、保護膜が形成された半導体レーザ素子の底面図である。
【図17】図17は、配列工程における半導体レーザバー付近の様子を拡大して示す図である。
【図18】図18(a)は、変形例の膜状構造体形成工程における複数の単位領域の一つを絶縁膜側から見た図である。図18(b)は、図18(a)のVIII−VIII線に沿った断面を示す図である。
【図19】図19(a)は、変形例の電極形成工程における複数の単位領域の一つを絶縁膜側から見た図である。図19(b)は、図19(a)のIX−IX線に沿った断面を示す図である。
【図20】図20は、或る方法によって作製される半導体レーザバーの外観を示す斜視図である。
【図21】図21は、図20に示された複数の半導体レーザバーを、保護膜作製の為に並べた様子を示す図である。
【図22】図20に示された複数の半導体レーザバーを保護膜作製の為に並べる際に生じる問題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明による半導体レーザ素子の保護膜作製方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る保護膜作製方法を示すフローチャートである。また、図2〜図15は、本実施形態に係る保護膜作製方法の各工程を説明するための図である。なお、図2〜図15には、理解を容易にするためXYZ直交座標系が示されている。
【0021】
<基板生産物準備工程>
まず、図2に示される基板生産物10を用意する(工程S11)。基板生産物10は、基板としてのウエハ12と、ウエハ12の主面上に結晶成長した半導体積層構造14と、半導体積層構造14上に形成された絶縁膜16とを有する板状物である。ウエハ12は、第1導電型(例えばn型)の半導体からなる略円板状の部材であり、例えばInPといったIII−V族化合物半導体からなる。半導体積層構造14は、複数の半導体レーザ素子のための構造体であって、活性層を含む複数の半導体層からなる。一実施例では、半導体積層構造14は、ウエハ12の主面上に結晶成長した第1導電型のInPからなる下部クラッド層と、下部クラッド層上に結晶成長したGaInAsPからなる活性層と、活性層上に結晶成長した第2導電型(例えばp型)のInPからなる上部クラッド層と、上部クラッド層上に結晶成長した第2導電型のInGaAsからなるコンタクト層とを有する。活性層は、井戸層とバリア層とが交互に積層された多重量子井戸構造(MQW)を有してもよく、一つの井戸層がバリア層に挟まれた単一量子井戸構造(SQW)を有してもよく、或いは、単一の半導体層から成ってもよい。絶縁膜16は、例えばSiOやSiNといったシリコン化合物から成る。
【0022】
<電極形成工程>
次に、図3〜図7を参照しながら、電極形成工程S12について説明する。図3は、基板生産物10を絶縁膜16側から見た平面図である。図4(a)及び図5(a)は、複数の半導体レーザ素子にそれぞれ相当する領域である複数の単位領域Aの一つを絶縁膜16側から見た図である。図4(b)は、図4(a)のI−I線に沿った断面を示す図である。図5(b)は、図5(a)のII−II線に沿った断面を示す図である。図6は、基板生産物10をウエハ12の裏面側から見た図である。図7(a)は、複数の単位領域Aの一つをウエハ12の裏面側から見た図である。図7(b)は、図7(a)のIII−III線に沿った断面を示す図である。
【0023】
電極形成工程S12では、まず、絶縁膜16のうちストライプ状電極が形成される領域を除去することにより開口16a(図4(b)を参照)を形成し、当該領域において半導体積層構造14を露出させる。次に、半導体積層構造14の露出した部分の上に、複数のストライプ状電極18を形成する。この工程では、ストライプ状電極18を、半導体レーザ素子となる各単位領域Aのそれぞれに対して一本ずつ形成する。また、複数の半導体レーザ素子それぞれに対応する複数のストライプ状電極18を、第一方向(X方向)を長手方向として形成し、且つ第一方向と交差する第二方向(Y方向)に並べて形成する。
【0024】
更に、この電極形成工程S12では、複数のボンディングパッドのための複数の下地パターン20aと、複数の膜状構造体のための複数の下地パターン22aとを、ストライプ状電極18と同時に形成する。本実施形態では、下地パターン20aを、複数の単位領域Aのそれぞれに対して一箇所ずつ形成する。一例では、各下地パターン20aを、各ストライプ状電極18に隣接する領域に形成し、その平面形状を例えば円形状とする。好ましくは、各下地パターン20aを、各ストライプ状電極18の長手方向における中央部付近に隣接する領域に形成する。
【0025】
図3に示されるように、本実施形態では、下地パターン22aを、複数の単位領域Aのそれぞれに2つずつ形成する。なお、本工程では、後の工程において複数の半導体レーザバーとなるべき半導体積層構造の複数の部分それぞれの上に、下地パターン22aを少なくとも一つ形成するとよい。
【0026】
本工程の一実施例では、2つの下地パターン22aを、ストライプ状電極18を挟んで下地パターン20aとは反対側に位置する領域に形成する。好ましくは、二つの下地パターン22aを、ストライプ状電極18から十分離れた領域に形成するとよい。また、好ましくは、第一方向(X方向)における単位領域Aの一端と一方の下地パターン22aとの間隔W1を、該方向における単位領域Aの一端と下地パターン20aとの間隔W2より短くするとよい。同様に、第一方向(X方向)における単位領域Aの他端と他方の下地パターン22aとの間隔W3を、該方向における単位領域Aの他端と下地パターン20aとの間隔W4より短くするとよい。
【0027】
ここで、下地パターン20a及び22aは、ストライプ状電極18と同時に形成されるため、ストライプ状電極18と同一の材料から成る。ストライプ状電極18、下地パターン20a及び22aは、例えばTi/Pt/Auといった金属を蒸着して金属膜を形成したのち、この金属膜上に金メッキを施すことによって好適に形成される。一実施例では、絶縁膜16の表面を基準とするストライプ状電極18、下地パターン20a及び22aの厚さは、それぞれ50nm、100nm及び500nmである。
【0028】
続いて、図5(a)及び図5(b)に示されるように、下地パターン20a及び22aの上に選択的に金メッキを施すことにより、追加メッキ層20b及び22bを形成する。これにより、ボンディングパッド20と膜状構造体22とが、半導体積層構造14上の各単位領域Aに形成される。すなわち、ボンディングパッド20は、下地パターン20a及び追加メッキ層20bから成り、ストライプ状電極18に電気的に接続されている。膜状構造体22は、下地パターン22a及び追加メッキ層22bから成る。また、この追加メッキ処理によって、ウエハ12の主面12aを基準とするボンディングパッド20及び膜状構造体22の高さH1及びH2は、ストライプ状電極18の高さH3よりも高くなる。一実施例では、追加メッキ層20b及び22bの厚さは、4μmである。なお、膜状構造体22の高さH1は、ボンディングパッド20の高さH2と同じか、若しくは高さH2より低いことが好ましい。
【0029】
続いて、ウエハ12の裏面を研磨することにより、ウエハ12を薄くする。一例では、研磨後のウエハ12の厚さは100μmである。その後、図6及び図7に示されるように、ウエハ12の裏面12b上に複数の裏面電極24を形成する。この工程では、これらの裏面電極24を、各単位領域Aのそれぞれに対して一つずつ形成する。一実施例では、ウエハ12の裏面12b上に複数の裏面電極24のための金属膜を形成したのち、この金属膜のうち単位領域Aの境界に沿った部分を除去する。
【0030】
<溝形成工程>
続いて、ウエハ12の裏面12bに溝を形成する(工程S13)。図8は、ウエハ12を裏面側から見た図である。図9(a)は、複数の単位領域Aの一つをウエハ12の裏面側から見た図である。図8及び図9(a)では、本工程において形成される溝12cが、ハッチングされた領域によって図示されている。図9(b)は、図9(a)のIV−IV線に沿った断面を示す図である。
【0031】
この溝形成工程では、ウエハ12の裏面12bのうち、図8及び図9(a)においてハッチングにより示された所定の領域にエッチングを施すことにより、溝12cを形成する。この工程により形成される溝12cの主な部分は、第一方向(X方向)に隣り合う単位領域Aの境界線に沿って、第二方向(Y方向)に延びている。ウエハ12の厚さが100μmである場合、溝12cの深さは例えば10μm程度である。なお、溝12cの深さは30μm以下であることが望ましい。このように溝12cの深さを制限することにより、次工程にて複数の半導体レーザバーに分割される以前における基板生産物10の機械的強度を好適に維持することができる。
【0032】
なお、本工程では、溝12cを形成する際、裏面電極24をマスクとして使用することができる。その場合、裏面電極24に与えるダメージを低減するために、ウェットエッチングにより溝12cを形成することが望ましい。レジストをマスクとする場合には、ドライエッチングにより溝12cを形成してもよい。
【0033】
<バー形成工程>
続いて、第二方向(Y方向)に沿って基板生産物10を切断することによって、複数の半導体レーザバーを形成する(工程S14)。図10は、ウエハ12を裏面側から見た図であって、第二方向(Y方向)に延びる複数の切断予定ラインBを示している。切断予定ラインBは、第一方向(X方向)に隣接する単位領域A同士の境界線と一致する。図11(a)は、本工程によって形成される半導体レーザバー30を絶縁膜16側から見た図である。図11(b)は、半導体レーザバー30を裏面12b側から見た図である。図12(a)は、図11(a)のV−V線に沿った断面図である。図12(b)は、図11(a)のVI−VI線に沿った断面図である。なお、このバー形成工程では、先の工程にてウエハ12に形成された溝12cをその中心線に沿って分割するように、基板生産物10を切断するとよい。これにより、図12(b)に示されるように、半導体レーザバー30の裏面における第一方向(X方向)両端に段差30aが形成される。
【0034】
また、先に述べた電極形成工程S12において、間隔W1(図4参照)を間隔W2より短くし、間隔W3を間隔W4より短くした場合、本工程により形成される複数の半導体レーザバー30の側面30b,30cと各膜状構造体22との間隔W5,W7は、側面30b,30cとボンディングパッド20との間隔W6,W8より短くなる。
【0035】
<配列工程>
続いて、各半導体レーザバー30の一対の側面30b,30cに保護膜を形成するための準備として、複数の半導体レーザバー30を平坦な面の上に並べる(工程S15)。図13は、複数の半導体レーザバー30を並べた様子を示す平面図である。また、図14は、図13のVII−VII線に沿った断面の模式図である。本工程では、図13及び図14に示されるように、複数の半導体レーザバー30の一対の側面30b,30cのうち一方(図13及び図14では側面30b)が平坦な載置面40の法線方向(図中の方向V)を向くように、複数の半導体レーザバー30を載置面40上に置く。言い換えれば、複数の半導体レーザバー30が同一方向に横倒しになるように、複数の半導体レーザバー30を載置面40上に置く。そして、各半導体レーザバー30の長手方向と直交する方向に、複数の半導体レーザバー30を並べる。
【0036】
更に本工程では、隣り合う半導体レーザバー30の間にスペーサ42を配置する。図13に示されるように、スペーサ42は、例えばシリコンから成る細長い板状部材であって、半導体レーザバー30の長手方向に沿って延びている。また、図14に示されるように、本実施形態のスペーサ42の厚さTaは、半導体レーザバー30の共振方向の幅Tbとほぼ等しい。なお、好適なスペーサ42の厚さTaは、載置面40を基準とする膜状構造体22の上端の高さTc以上であって、且つ半導体レーザバー30の共振方向の幅Tb以下である。このような厚さをスペーサ42が有することによって、幅Tbが短い場合であってもスペーサ42の機械的強度を確保することができる。
【0037】
<保護膜形成工程>
続いて、図13の矢印F1及びF2によって示されるように、複数の半導体レーザバー30の並び方向の両端から内側へ向けて、ネジ締め等により力を加える。これは、保護膜をコーティングする際に半導体レーザバー30が載置面40から落下することを防ぐためである。そして、その状態を保ちつつ、図15に示されるように、複数の半導体レーザバー30の側面30b(又は30c)上の全面に保護膜32をコーティングする(工程S16)。
【0038】
なお、以上に説明した各工程ののち、各半導体レーザバー30は、図3に示された単位領域Aに従ってチップ状に切断され、半導体レーザ素子となる。
【0039】
本実施形態に係る半導体レーザ素子の保護膜作製方法によれば、以下の効果を得ることができる。すなわち、この保護膜作製方法では、バー形成工程S14より前に、複数の膜状構造体22が基板生産物10の半導体積層構造14上に形成される。この複数の膜状構造体22は、複数の半導体レーザバー30となる半導体積層構造14の複数の部分それぞれの上に形成されるので、バー形成工程S14において形成される複数の半導体レーザバー30のそれぞれは、少なくとも一つの膜状構造体22を有することとなる。そして、続く配列工程S15では、図14に示されたように複数の半導体レーザバー30の側面30bが載置面40の法線方向Vを向くように並べられるので、各半導体レーザバー30の膜状構造体22は、半導体積層構造14とスペーサ42との間に介在することとなる。主面12aを基準とする膜状構造体22の高さH1(図5(a)参照)はストライプ状電極18の高さH3より高く形成されているので、スペーサ42がストライプ状電極18に当接することを防止でき、スペーサ42によってストライプ状電極18に付される傷を低減することができる。
【0040】
また、図5(a)に示されたように、膜状構造体22の高さH1がストライプ状電極18の高さH3より高く形成されているので、配列工程S15においてスペーサ42とストライプ状電極18との間に隙間が生じ(図14参照)、ストライプ状電極18上にコーティング材が回り込む。したがって、このコーティング材の回り込みを確認することによって、保護膜32が正常に形成されたか否かを正確に判定することができる。
【0041】
また、本実施形態のように、電極形成工程S12において、複数のボンディングパッド20の形成と同時に複数の膜状構造体22を形成すると良い。これにより、工程数を増加させることなく複数の膜状構造体22を容易に形成することができる。
【0042】
また、先に述べたように、ウエハ12の主面12aを基準とする複数の膜状構造体22の高さH1は、主面12aを基準とする複数のボンディングパッド20の高さH2以下であると良い。載置面40上に複数の半導体レーザバー30を並べたときに、各半導体レーザバー30のボンディングパッド20とスペーサ42との間に隙間ができると、保護膜32の為のコーティング材がその隙間に流れ込み、ボンディングパッド20の少なくとも一部を覆ってしまうおそれがある。これに対し、膜状構造体22の高さH1がボンディングパッド20の高さH2以下であれば、図14に示されたように、膜状構造体22に妨げられることなくボンディングパッド20とスペーサ42とが接することができ、ボンディングパッド20の一部がコーティング材によって覆われることを防止できる。したがって、ボンディングパッド20に接合されるワイヤとボンディングパッド20との電気的接触状態を良好にできる。なお、図16(a)は、保護膜32が形成された半導体レーザ素子の平面図であって、ハッチングされた領域D1は、半導体レーザ素子の表面側においてコーティング材が流れ込んだ領域の一例を示している。図16(a)に示されるように、本実施形態の保護膜作製方法によれば、ボンディングパッド20の上面にはコーティング材が達しないので、ワイヤとの電気的接触を良好にできる。
【0043】
また、図11(a)に示されたように、半導体レーザバー30の側面30b,30cと膜状構造体22との間隔W5,W7は、半導体レーザバー30の側面30b,30cとボンディングパッド20との間隔W6,W8より短いと良い。これにより、載置面40上に複数の半導体レーザバー30を並べたときに膜状構造体22の上端がボンディングパッド20より高く位置するので(図14参照)、ボンディングパッド20では防ぎ得ないようなスペーサ42の角とストライプ状電極18との当接を効果的に防ぐことができる。
【0044】
また、本実施形態のように、溝12cをウエハ12の裏面12bに形成したのち、バー形成工程S14において、溝12cを分割するように基板生産物10を切断すると良い。これにより、図12(b)に示されたように、半導体レーザバー30の裏面に段差30aが形成される。そして、この半導体レーザバー30の側面30b,30c上に保護膜32をコーティングすると、図15に示されたように、この段差30aを境に保護膜32が好適に分離される。従来の方法では、半導体レーザバーより薄いスペーサを用いることにより半導体レーザバーの裏面とスペーサとの間に段差を生じさせて保護膜を分離させていたが、この方法によればスペーサ42の厚さにかかわらず保護膜32を分離させることができるので、より厚いスペーサ42を用いることが可能となる。したがって、スペーサ42の機械的強度を高めてその変形を小さくし、スペーサ42によってストライプ状電極18に付される傷を更に低減することができる。
【0045】
なお、図16(b)は、保護膜32が形成された半導体レーザ素子の底面図であって、ハッチングされた領域D2は、半導体レーザ素子の裏面側においてコーティング材が流れ込んだ領域の一例を示している。図16(b)に示されるように、本実施形態の保護膜作製方法によれば、コーティング材は主に段差30aに流れ込み、裏面電極24の上面にはコーティング材が達しない。したがって、コーティング材料が裏面電極24に達することによる放熱性の低下や実装強度の低下を防ぐことができる。
【0046】
また、本実施形態では、図8に示された第一方向(X方向)における溝12cの幅の半分を、該方向における単位領域Aの端と膜状構造体22との間隔W1,W3(図4(a)参照)と略等しくすることが好ましい。これにより、図17に示されるように、半導体レーザバー30の側面30bと膜状構造体22との間隔W9と、側面30bと溝12cの側壁(すなわち段差30aの側壁)との間隔W10とが略等しくなる。この場合、配列工程S15において複数の半導体レーザバー30を載置面40上に並べたときに、載置面40からの段差の高さH4と膜状構造体22の高さH5とを略一致させることができるので、スペーサ42によって半導体レーザバー30が挟まれる際の力のバランスが良くなり、複数の半導体レーザバー30をより安定して保持することができる。
【0047】
また、図5に示されたように、単位領域Aでの膜状構造体22の形成位置は、第二方向(Y方向)における単位領域Aの端部付近であることが望ましい。これにより、スペーサ42によって半導体レーザバー30が挟まれる際に、半導体レーザバー30の長手方向において半導体レーザバー30に加わる力を均等にできる。
【0048】
また、本実施形態では、第二方向(Y方向)と直交する方向における複数の半導体レーザバー30の幅は、200μm以下であることが好ましい。従来の方法では、このように半導体レーザバーの幅が比較的細い場合には、スペーサの厚さを薄くする必要があるのでスペーサが変形し易い。本実施形態に係る保護膜作製方法はこのような場合に特に有効であって、スペーサ42がストライプ状電極18に当接することを防ぎ、スペーサ42によってストライプ状電極18に付される傷を低減することができる。
【0049】
また、一般的に、完成後の半導体レーザ素子を真空チャックのコレットを用いて運搬する際には、半導体レーザ素子の表面の一部にコレットが当接する。本実施形態では、単位領域Aでの膜状構造体22の形成位置は、半導体レーザ素子においてコレットが当接する領域を除く領域に含まれることが好ましい。
【0050】
(変形例)
図18及び図19は、上述した実施形態の一変形例を説明するための図である。本変形例では、膜状構造体を電極形成工程とは別の工程にて形成する。図18(a)及び図19(a)は、複数の単位領域Aの一つを絶縁膜16側から見た図である。図18(b)は、図18(a)のVIII−VIII線に沿った断面を示す図である。図19(b)は、図19(a)のIX−IX線に沿った断面を示す図である。
【0051】
本変形例では、基板生産物準備工程において図2に示された基板生産物10として、上記実施形態より絶縁膜16が厚いもの(例えば絶縁膜16の厚さ2μm)を用意する。そして、絶縁膜16のうち膜状構造体となるべき部分の上にのみレジストを形成したのち、絶縁膜16にドライエッチングを施し、絶縁膜16を薄くする。薄くされた絶縁膜16の厚さは、例えば0.5μmである。こうして、図18(a)及び図18(b)に示されるように、絶縁膜16の一部を膜状構造体16bとする(膜状構造体形成工程)。なお、単位領域Aにおける膜状構造体16bの形成位置、形状、及び個数は、上記実施形態の膜状構造体22と同様である。
【0052】
次に、図19(a)及び図19(b)に示されるように、絶縁膜16に開口16aを形成したのち、ストライプ状電極18及びボンディングパッド20(下地パターン20a及び追加メッキ層20b)を形成する(電極形成工程)。このとき、上記実施形態とは異なり、膜状構造体を形成しない。以後、上記実施形態と同様にして溝形成工程、バー形成工程、配列工程、及び保護膜形成工程を行うことにより、側面30b,30cに保護膜32が形成された半導体レーザバー30が得られる。
【0053】
本変形例のように、膜状構造体は金属材料とは異なる材料によって形成されてもよい。このような場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を好適に得ることができる。なお、本変形例では、例えばSiOのような絶縁膜16によって膜状構造体を形成しているが、樹脂を用いて膜状構造体を形成してもよい。
【0054】
本発明による半導体レーザ素子の保護膜作製方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、各単位領域に対して膜状構造体を2つ形成しているが、膜状構造体の個数はこれに限られるものではない。また、各単位領域における膜状構造体の形成位置が半導体レーザバーの一方の側面に寄っている場合には、ボンディングパッドの形成位置が他方の端面に寄っていることが望ましい。これにより、保護膜をコーティングする際に複数の半導体レーザバーを載置面上に安定して保持することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…基板生産物、12…ウエハ、12a…主面、12b…裏面、12c…溝、14…半導体積層構造、16…絶縁膜、16a…開口、16b…膜状構造体、18…ストライプ状電極、20…ボンディングパッド、20a…下地パターン、20b…追加メッキ層、22…膜状構造体、22a…下地パターン、22b…追加メッキ層、24…裏面電極、30…半導体レーザバー、30a…段差、30b,30c…側面、32…保護膜、40…載置面、42…スペーサ、A…単位領域、B…切断予定ライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザ素子の端面を覆う保護膜を作製する方法であって、
複数の前記半導体レーザ素子のための半導体積層構造が基板の主面上に形成されて成る基板生産物の前記半導体積層構造上に、第一方向を長手方向とし該第一方向と交差する第二方向に並ぶ複数のストライプ状電極と、該複数のストライプ状電極のそれぞれに電気的に接続される複数のボンディングパッドとを形成する電極形成工程と、
前記第二方向に沿って前記基板生産物を切断することにより複数の半導体レーザバーを形成するバー形成工程と、
前記複数の半導体レーザバーの側面が載置面の法線方向を向くように前記複数の半導体レーザバーを前記載置面上に並べるとともに、前記複数の半導体レーザバーの間にスペーサを配置する配列工程と、
前記複数の半導体レーザバーの前記側面を覆うように前記保護膜を形成する保護膜形成工程と
を備え、
前記バー形成工程より前に、前記主面を基準とする高さが前記ストライプ状電極より高い複数の膜状構造体それぞれを、前記複数の半導体レーザバーとなる前記半導体積層構造の複数の部分それぞれの上に形成することを特徴とする、半導体レーザ素子の保護膜作製方法。
【請求項2】
前記複数の膜状構造体の構成材料が、前記複数のボンディングパッドを構成する金属材料と同じであり、
前記電極形成工程において、前記複数のボンディングパッドの形成と同時に前記複数の膜状構造体を形成することを特徴とする、請求項1に記載の半導体レーザ素子の保護膜作製方法。
【請求項3】
前記主面を基準とする前記複数の膜状構造体の高さが、前記主面を基準とする前記複数のボンディングパッドの高さ以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体レーザ素子の保護膜作製方法。
【請求項4】
前記複数の半導体レーザバーそれぞれの前記側面と前記複数の膜状構造体それぞれとの間隔が、前記複数の半導体レーザバーそれぞれの前記側面と前記複数のボンディングパッドそれぞれとの間隔より短いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子の保護膜作製方法。
【請求項5】
前記第二方向に延びる溝を前記基板の裏面に形成する工程を更に備え、
前記バー形成工程において、前記溝を分割するように前記基板生産物を切断することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子の保護膜作製方法。
【請求項6】
前記溝の深さが30μm以下であることを特徴とする、請求項5に記載の半導体レーザ素子の保護膜作製方法。
【請求項7】
前記複数の半導体レーザバーそれぞれの前記側面と前記複数の膜状構造体それぞれとの間隔と、前記複数の半導体レーザバーそれぞれの前記側面と前記溝の側壁との間隔とが略等しいことを特徴とする、請求項5または6に記載の半導体レーザ素子の保護膜作製方法。
【請求項8】
前記第二方向と直交する方向における前記複数の半導体レーザバーの幅が200μm以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子の保護膜作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−174858(P2012−174858A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34700(P2011−34700)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】