説明

半導体発光素子およびランプ、電子機器、機械装置

【課題】高い電流を印加した場合における出力を向上させた半導体発光素子を提供する。
【解決手段】半導体層10と、半導体層10の一部を切り欠くことにより露出されたn型半導体層の露出面12a上に設けられたn型電極18と、半導体層10上に設けられた透明導電膜と、透明導電膜上に設けられたp型電極17とを備え、半導体層10と透明導電膜との間に、平面視で少なくとも一部がp型電極17と重なり合う光反射層39が備えられ、p型電極17が、パッド部Pと、パッド部Pから線状に延在する平面視環状の線状部Lとからなり、n型電極18が、平面視でパッド部Pの中心17aと半導体層10の中心10aとを通る直線L1上における線状部Lに囲まれた内側の領域に配置され、n型電極18の中心18aとパッド部Pの中心17aとの間の距離D3が、パッド部Pの中心17aと半導体層10の中心10aとの距離D4以上である半導体発光素子1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子およびランプ、電子機器、機械装置に関し、特に、高い電流を印加した場合でも順方向電圧(VF)を十分に小さくすることができるとともに、高い発光出力(以下出力ともいう。)が得られる半導体発光素子および半導体発光素子を備えたランプ、電子機器、機械装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、発光ダイオード(LED)などに用いられる半導体発光素子において、発光面内の輝度むらを減少させて輝度の均一性を向上させることが要求されている。
このような要求に対応する技術として、チップ面内においてp側電極およびn側電極の少なくとも一部がそれぞれ互いに並行配置され、p側電極およびn側電極において並行配置された部位を横切る方向ではp側電極とn側電極とが交互に配列されていることを特徴とするLEDチップが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、電流を効率良く利用する電極パッドを有する半導体光素子を提供する為に、pn接合の利用面上の電極パッドの下部に通電電流を制限する高抵抗層を設けることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、ここでは、p、n電極の一部に線状電極をつける技術が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−319704号公報
【特許文献2】特開平8−250769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、p型電極の下層に絶縁膜を設けた従来の半導体発光素子であっても、高い電流を印加した場合における出力をより一層向上させることが望まれていた。また、線状電極等の金属電極の下で発光した光は、この金属電極によって吸収され、発光出力の低下を招いていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて提案されたものであり、高い電流を印加した場合に高い出力が得られる半導体発光素子および半導体発光素子を備えたランプ、電子機器、機械装置を提供することを目的とする。
また、本発明では、従来に比べてチップサイズの大きな半導体発光素子に対して、順方向電圧(VF)を十分に小さくすることができる半導体発光素子および半導体発光素子を備えたランプを提供することを目的とする。
さらにまた、ボンディングパッド部から線状に延在する線状部を有する金属からなる電極を備えた半導体発光素子において、当該金属からなる電極に吸収されてしまう光の量を低減して、十分に高い発光出力を得ることができる半導体発光素子および半導体発光素子を備えたランプを提供することを目的とする。
また、発光層に注入される電流の拡散効率を高めることができる半導体発光素子および半導体発光素子を備えたランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決し、高い電流を印加した場合における半導体発光素子の出力を向上させるべく鋭意検討を行った。
その結果、半導体層上に透明導電膜を設け、前記半導体層と前記透明導電膜との間に、平面視で少なくとも一部がp型電極と重なり合う光反射層を備えることにより、光反射層を設けない場合にp型電極によって吸収されてしまう発光層から出力された光の量を少なくし、さらに、p型電極を、パッド部と、前記パッド部から線状に延在する平面視環状の線状部とからなるものにするとともに、n型電極を、平面視でパッド部の中心と半導体層の中心とを通る直線上における線状部に囲まれた内側の領域に配置し、n型電極の中心とパッド部の中心との間の距離を、パッド部の中心と半導体層の中心との距離以上とすることにより、p型電極によって吸収される発光層から出力された光の量を効果的に抑制しつつ、透明導電膜における電流拡散の均一性を向上させればよいことを見出した。すなわち、本発明は、以下の手段を提供する。
【0008】
(1) 基板上に、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを有する半導体層と、前記半導体層の一部を切り欠くことにより露出された前記n型半導体層の露出面上に設けられたn型電極と、前記半導体層上に設けられた透明導電膜と、前記透明導電膜上に設けられたp型電極とが備えられ、前記半導体層と前記透明導電膜との間に、平面視で少なくとも一部が前記p型電極と重なり合う光反射層が備えられ、前記p型電極が、パッド部と、前記パッド部から線状に延在する平面視環状の線状部とからなるものであり、前記n型電極が、平面視で前記パッド部の中心と前記半導体層の中心とを通る直線上における前記線状部に囲まれた内側の領域に配置され、前記n型電極の中心と前記パッド部の中心との間の距離が、前記パッド部の中心と前記半導体層の中心との距離以上であることを特徴とする半導体発光素子。
【0009】
(2) 前記線状部が、一部分断されていることを特徴とする(1)に記載の半導体発光素子。
(3) 前記n型電極の前記パッド部に対向する部分の形状が、平面視で前記パッド部側に凸の曲面とされていることを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体発光素子。
(4) 光反射層が絶縁材料からなるものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【0010】
(5) 前記半導体層の屈折率が、1.9〜2.6の範囲であり、前記透明導電膜の屈折率が、1.9〜2.2の範囲であり、前記光反射層がSiOからなるものであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
(6)前記半導体層が、辺の長さが450μm〜1.5mmの範囲の平面視矩形であり、
前記線状部の太さが、0.1μm〜20μmの範囲であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【0011】
(7)(1)〜(6)のいずれか一項に記載の半導体発光素子を備えることを特徴とするランプ。
(8)(7)に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする電子機器。
(9)(8)に記載の電子機器が組み込まれていることを特徴とする機械装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明の半導体発光素子は、基板上に、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを有する半導体層と、前記半導体層の一部を切り欠くことにより露出された前記n型半導体層の露出面上に設けられたn型電極と、前記半導体層上に設けられた透明導電膜と、前記透明導電膜上に設けられたp型電極とが備えられ、前記半導体層と前記透明導電膜との間に、平面視で少なくとも一部が前記p型電極と重なり合う光反射層が備えられ、前記p型電極が、パッド部と、前記パッド部から線状に延在する平面視環状の線状部とからなるものであり、p型電極によって吸収される光の量を効果的に抑制できるとともに、透明導電膜における電流拡散の均一性に優れたものとなり、高い電流を印加した場合でも順方向電圧(VF)を十分に小さくすることができ、しかも高い発光出力が得られるものとなる。
【0013】
さらに、本発明の半導体発光素子においては、前記n型電極が、平面視で前記パッド部の中心と前記半導体層の中心とを通る直線上における前記線状部に囲まれた内側の領域に配置され、前記n型電極の中心と前記パッド部の中心との間の距離が、前記パッド部の中心と前記半導体層の中心との距離以上であるので、高い発光出力が得られる。
さらに、本発明の半導体発光素子では、p型電極が、パッド部と、前記パッド部から線状に延在する平面視環状の線状部とからなるものであるので、n型電極として線状部を有する電極を形成する場合に比べて、発光層領域を大きく取ることができ、高い発光出力が得られる。
【0014】
また、本発明のランプは、本発明の半導体発光素子を備えたものであるので、高い電流を印加した場合でも順方向電圧(VF)を十分に小さくすることができるとともに、高い出力が得られるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の半導体発光素子の一例を示した平面図である。
【図2】図1に示す半導体発光素子のA−A’線における断面図である。
【図3】本発明のランプの一例を示した断面模式図である。
【図4】図4(a)は、実験例1〜実験例3の半導体発光素子の電流(mA)と順方向電圧(VF)との関係とを示したグラフであり、図4(b)は、実験例1〜実験例3の半導体発光素子の電流(mA)と発光出力(Po)との関係とを示したグラフである。
【図5】図5(a)は、実験例1、実験例4、実験例5の半導体発光素子の電流(mA)と順方向電圧(VF)との関係とを示したグラフであり、図5(b)は、実験例1、実験例4、実験例5の半導体発光素子の電流(mA)と発光出力(Po)との関係とを示したグラフである。
【図6】図6(a)は、実験例1、実験例6、実験例7の半導体発光素子の電流(mA)と順方向電圧(VF)との関係とを示したグラフであり、図6(b)は、実験例1、実験例6、実験例7の半導体発光素子の電流(mA)と発光出力(Po)との関係とを示したグラフである。
【図7】図7は比較例1の半導体発光素子の一例を示した平面図である。
【図8】図8は図7に示す半導体発光素子のB−B’線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の半導体発光素子およびランプについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、各部の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0017】
「半導体発光素子」
図1は、本発明の半導体発光素子の一例を示した平面図であり、図2は、図1に示す半導体発光素子のA−A’線における断面図である。図1および図2に示す半導体発光素子1は、フェイスアップ型の半導体発光素子1である。図1および図2に示す半導体発光素子1は、基板11上に、n型半導体層12と、発光層13と、p型半導体層14とを有する半導体層10と、半導体層10の一部を切り欠くことにより露出されたn型半導体層12の露出面12a上に設けられたn型電極18と、半導体層10上に設けられた透明導電膜15と、透明導電膜15上に設けられたp型電極17とが備えられ、半導体層10と透明導電膜15との間に、平面視でp型電極17と重なり合う絶縁層39(光反射層)が備えられているものである。
【0018】
また、図1および図2に示す半導体発光素子1では、n型電極18とp型電極17のパッド部Pの中心部を除く全域に、保護膜16が形成されている。
なお、図1においては、図面を見やすくするために、保護膜16の記載を省略して示している。
【0019】
<基板>
基板11としては、サファイア単結晶(Al;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(MgAl)、ZnO単結晶、LiAlO単結晶、LiGaO単結晶、MgO単結晶等の酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶及びZrB等のホウ化物単結晶等の周知の基板材料を何ら制限なく用いることができる。これらの基板材料の中でも、特に、基板11としてサファイア単結晶及びSiC単結晶を用いることが好ましい。基板11は、その一面の少なくとも一部の領域に凹凸形状を形成した加工基板であってもよい。
【0020】
<半導体層>
図2に示すように、基板11上には、n型半導体層12と発光層13とp型半導体層14とが積層されてなる半導体層10が形成されている。半導体層10の屈折率は、1.9〜2.6の範囲であることが好ましい。半導体層10の屈折率が1.9未満であると、半導体層10の屈折率が、絶縁層39の屈折率未満となってしまい、半導体層10の発光層13から出射された光を絶縁層39に反射させて半導体層10に戻す機能が十分に得られず、p型電極17によって吸収されてしまう発光層13から出力された光の量を少なくする効果が不十分となる場合がある。また、半導体層10の屈折率が2.6を超えると、半導体層10の形成に用いる材料が限定されてしまうため、良好な半導体層が得られない場合がある。
【0021】
本実施形態の半導体発光素子1では、半導体層10は、GaN系化合物半導体からなるものであることが好ましい。GaN系化合物半導体の屈折率は2.4である。GaN系化合物半導体としては、例えば、一般式AlGaIn1−A(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1で且つ、X+Y+Z=1。記号Mは窒素(N)とは別の第V族元素を表し、0≦A<1である。)で表わされるものを用いることができる。
【0022】
本実施形態の半導体発光素子1においては、基板11とn型半導体層12との間に、基板11側から順に中間層(バッファ層)と下地層とが形成されていてもよい。
中間層は、多結晶のAlGa1―XN(0≦x≦1)からなるものが好ましく、単結晶のAlGa1―XN(0≦x≦1)のものがより好ましく、例えば、多結晶のAlGa1―XN(0≦x≦1)からなる厚さ0.01〜0.5μmのものとすることができる。中間層は、基板11と下地層との格子定数の違いを緩和し、基板11の(0001)面(C面)上にc軸配向した単結晶層の形成を容易にする働きがある。したがって、中間層の上に単結晶の下地層を積層すると、より一層結晶性の良い下地層を形成できる。なお、本発明において、中間層は必須の構成ではない。
【0023】
下地層は、AlGa1―XN層(0≦x≦1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。下地層は、アンドープ(<1×1017/cm)であることが好ましい。下地層がアンドープである場合、良好な結晶性を維持できる。また、下地層にn型不純物をドープする場合、1×1017〜1×1019/cmの範囲内であることが好ましい。下地層にドープされるn型不純物としては、特に限定されないが、例えば、Si、Ge及びSn等を挙げることができ、Si及びGeが好ましい。
【0024】
<n型半導体層>
n型半導体層12は、n型コンタクト層と、n型クラッド層とから構成されていることが好ましい。なお、n型コンタクト層は、n型クラッド層を兼ねてもよい。
n型コンタクト層は、AlGa1―XN層(0≦x≦1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)からなるものであることが好ましい。n型コンタクト層は、n型不純物がドープされたものであることが好ましい。n型コンタクト層のn型不純物の濃度は1×1017〜1×1019/cmであることが好ましく、1×1018〜1×1019/cmであることがより好ましい。n型コンタクト層のn型不純物の濃度が1×1017〜1×1019/cmである場合、負極と良好なオーミック接触を維持できるとともに、クラックの発生を抑制でき、良好な結晶性を維持できる。n型コンタクト層のn型不純物としては、特に限定されないが、例えば、Si、Ge及びSn等を挙げることができ、Si及びGeが好ましい。
【0025】
n型クラッド層は、n型コンタクト層の最表面に平坦性の悪化した箇所があった場合に埋めることができるものであり、n型クラッド層を設けることにより、良好な平坦性が得られ、好ましい。n型クラッド層は、AlGaN、GaN、GaInN等によって形成できる。なお、明細書中、各元素の組成比を省略してAlGaN、GaInNに記述することがある。n型クラッド層は、これらの組成から選択される2つ以上の組成を複数回積層した超格子構造であってもよい。また、n型クラッド層のバンドギャップは、発光層13のバンドギャップよりも大きいものとされている。
【0026】
<発光層>
発光層13に用いられるGaN系化合物半導体としては、Ga1−sInN(0<s<0.4)が挙げられる。発光層13の膜厚は、特に限定されないが、量子効果の得られる程度の膜厚、即ち臨界膜厚とすることが好ましい。具体的には、発光層13の膜厚は1〜10nmであることが好ましく、2〜6nmであることがより好ましい。発光層13の膜厚を1〜10nmとすることにより、発光出力を向上させることができる。
【0027】
発光層13は、単一量子井戸(SQW)構造であってもよいし、多重量子井戸(MQW)構造であってもよい。多重量子井戸(MQW)構造としては、例えば、Ga1−sInNからなる井戸層(以下、GaInN井戸層)と、この井戸層よりバンドギャップエネルギーの大きいAlGa1−cN(0≦c<0.3かつb>c)からなる障壁層(以下、AlGa1−cN障璧層)とを互い違いになるように複数積層してなるものが挙げられる。多重量子井戸(MQW)構造を構成する井戸層および/または障壁層には、それぞれ不純物をドープしてもよい。具体的には、多重量子井戸(MQW)構造を構成する障壁層として、SiドープGaN障壁層を用いてもよい。
【0028】
<p型半導体層>
p型半導体層14は、pクラッド層とpコンタクト層とからなるものであることが好ましい。pコンタクト層は、pクラッド層を兼ねるものであってもよい。
pクラッド層は、発光層13のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層13へキャリアを閉じ込められるものであればよい。例えば、pクラッド層として、AlGa1−dN(0≦d≦0.4、好ましくは0.1≦d≦0.3)からなるものが挙げられる。pクラッド層は、AlGaN、GaN等によって形成できる。pクラッド層は、これらの組成から選択される2つ以上の組成を複数回積層した超格子構造であってもよい。
pクラッド層のp型ドープ濃度は1×1018〜1×1021/cmであることが好ましく、1×1019〜1×1020/cmであることがより好ましい。pクラッド層のp型ドープ濃度を1×1018〜1×1021/cmとすることにより、結晶性を低下させることなく良好なp型結晶が得られる。
【0029】
pコンタクト層としては、AlGa1−eN(0≦e<0.5、好ましくは0≦e≦0.2、より好ましくは0≦e≦0.1)を含むGaN系化合物半導体を用いることが好ましい。AlGa1−eNにおけるAl組成を0≦e<0.5とすることにより、良好な結晶性を維持できるとともに、pオーミック電極と良好にオーミック接触させることができる。また、pコンタクト層のp型ドーパントの濃度は1×1018〜1×1021/cmであることが好ましく、5×1019〜5×1020/cmであることがより好ましい。pコンタクト層のp型ドーパントの濃度を1×1018〜1×1021/cmとすることで、良好なオーミック接触を維持できるとともに、クラックの発生を防止でき、良好な結晶性を維持できる。pコンタクト層のp型ドーパント(p型不純物)としては、特に限定されないが、例えば、Mgが挙げられる。
【0030】
<透明導電膜>
図2に示すように、半導体層10のp型半導体層14上には透明導電膜15が設けられている。透明導電膜15は、p型半導体層14上の広い範囲に電流を拡散させるために、図1および図2に示すように、p型半導体層14上の全域を覆うように形成することが好ましいが、隙間を開けて格子状や樹形状に形成してもよい。
【0031】
透明導電膜15は、発光層13からの光を効率良く半導体発光素子1の外部に取り出すために、光透過性に優れたものであることが好ましい。さらに、透明導電膜15は、p型半導体層14の全面に渡って均一に電流を拡散させるために、優れた導電性を有していることが好ましい。
【0032】
また、透明導電膜15の屈折率は、1.9〜2.2の範囲であることが好ましい。透明導電膜15の屈折率が1.9未満であると、透明導電膜15の屈折率が絶縁層39の屈折率未満となってしまい、p型電極17に吸収されてしまう発光層13から出力された光の量を少なくするという絶縁層39を設けることによって得られる効果が不十分となる場合がある。また、透明導電膜15の屈折率が2.2を超えると、透明導電膜15の形成に用いる材料の選択肢が狭くなるため、好ましくない。
【0033】
透明導電膜15の比抵抗は、10-5〜10-1Ω・cmの範囲であることが好ましい。透明導電膜15の比抵抗が上記範囲内であると、p型半導体層14上に均一に効率よく電流を拡散させることができる。また、透明導電膜15の比抵抗は低いほど好ましいが、上記範囲未満である場合、透明導電膜15に用いる材料の選択肢が狭くなる。
【0034】
透明導電膜15の材料としては、In、Zn、Al、Ga、Ti、Bi、Mg、W、Ceのいずれか一種を含む導電性の酸化物、硫化亜鉛または硫化クロムのうちいずれか一種からなる群より選ばれる透光性の導電性材料が挙げられる。例えば、導電性の酸化物としては、ITO(酸化インジウム錫(In−SnO))、IZO(酸化インジウム亜鉛(In−ZnO))、AZO(酸化アルミニウム亜鉛(ZnO−Al))、GZO(酸化ガリウム亜鉛(ZnO−Ga))、フッ素ドープ酸化錫、酸化チタン等が挙げられる。
上記の中でも、光透過性および導電性に優れ、絶縁層39との屈折率の差が十分に得られるITOまたはIZOを用いることが好ましい。ITOおよびIZOの屈折率は2〜2.2の範囲である。
【0035】
透明導電膜15の膜厚は、35nm〜2000nmであることが好ましく、50nm〜1000nmであることがより好ましく、100nm〜500nmであることが最も好ましい。透明導電膜15の膜厚が35nm未満である場合、電流拡散効率が不十分となり、十分な導電性が得られない場合がある。透明導電膜15の膜厚が2000nmを超える場合には、透過率が低下して光取り出し効率が低下し、半導体発光素子1の出力が不十分となる場合がある。透明導電膜15の膜厚が35〜2000nmの範囲である場合、良好な導電性が得られるため駆動電圧が低く、しかも、光取り出し効率に優れた半導体発光素子1となる。
【0036】
<絶縁層>
絶縁層39は、光反射する絶縁材料からなるものであり、半導体層10から出射された光を反射させる光反射層として機能するものである。なお、本実施形態では、光反射層として、絶縁材料からなる絶縁層39を設ける場合を例に挙げて説明するが、絶縁層39に代えて、光反射層としてのみ機能する光反射する材料からなるものを備えていてもよい。
【0037】
絶縁層39は、図2に示すように、半導体層10と透明導電膜15との間に設けられ、図1および図2に示すように、平面視でp型電極17と重なり合う領域に配置されている。なお、絶縁層39は、平面視で少なくとも一部がp型電極17と重なり合っていればよく、絶縁層39の平面形状は、図1および図2に示すように、p型電極17の平面形状と同形であってもよいし、例えば、p型電極17の平面形状を囲むようにp型電極17の輪郭から一定の寸法で外側に拡大してなるp型電極17よりも大きい形状や、逆にp型電極17の輪郭から一定の寸法で内側に縮小してなるp型電極17よりも小さい形状であってもよい。
【0038】
しかし、絶縁層39の形状が大きすぎると、絶縁層39の絶縁効果により、半導体層10を構成する発光層13のうち、発光層13として機能しない領域が多くなり、出力が不十分となる場合がある。また、絶縁層39の形状が小さすぎると、絶縁層39を設けることによる効果が十分に得られない場合がある。
したがって、絶縁層39の平面形状は、絶縁層39の面積がp型電極17の面積の30%〜200%の範囲、より好ましくは70%〜150%の範囲、さらに望ましくは80%〜130%の範囲となるようにするのがよい。絶縁層39の面積がp型電極17の面積の30%未満であると、出射された光を絶縁層39に反射させてp型電極17に吸収される光を少なくする機能が十分に得られない恐れがある。また、絶縁層39の面積がp型電極17の面積の200%を超えると、透明導電膜15を介して発光層13に注入される電流を制限してしまう恐れが生じる。
【0039】
絶縁層39の屈折率は、半導体層10および透明導電膜15の屈折率未満とされていることが好ましく、具体的には1.9未満であることがより好ましい。絶縁層39の屈折率が、半導体層10および透明導電膜15の屈折率以上であると、半導体層10から出射された光を絶縁層39に反射させてp型電極17に吸収される光を少なくする機能が十分に得られない恐れがある。また、絶縁層39の屈折率が、1.9未満であると、絶縁層39の屈折率と半導体層10および透明導電膜15の屈折率との差を十分大きくすることができる。その結果、半導体層10から出射された光を効率よく反射させることができ、半導体層10から出射された光が透明導電膜15に入射されてp型電極17に吸収されることをより効果的に防止できる。
【0040】
本実施形態において、絶縁層39に用いられる材料は、光反射する絶縁材料であればよく、特に限定されないが、屈折率1.48であるSiOからなるものであることが好ましい。SiOからなる絶縁層39とすることで、絶縁層39の光の反射効果と、透明導電膜15とp型半導体層14との間の絶縁効果とにより、半導体層10から透明導電膜15に入射されてp型電極17に吸収される光をより効果的に抑制できる。
【0041】
<p型電極>
p型電極17は、ボンディングパッドとして使用される平面視円形のパッド部Pと、パッド部Pから線状に延在する平面視環状の線状部Lとからなるものである。
本実施形態においては、パッド部Pは、図1に示すように、平面視矩形の半導体層10を構成するいずれかの辺の長さ方向中央部における半導体層10の縁部近傍に配置されている。透明導電膜15上におけるパッド部Pの配置を図1に示す配置とした場合、パッド部Pとn型電極18との間の距離D3を容易に十分に長くすることができ、透明導電膜15における電流拡散の均一性に優れたものとなる。
【0042】
なお、透明導電膜15上におけるパッド部Pの配置は、特に限定されるものではなく、例えば、平面視矩形の半導体層10の4つの頂点から選ばれる1つの頂点の近傍に配置されていてもよい。この場合、パッド部Pとn型電極18との間の距離をさらに長くすることができ、透明導電膜15における電流拡散の均一性に優れたものとなる。
【0043】
また、パッド部Pは、図1に示すように、平面視円形とされていることが、小さい平面積であってもワイヤーボンディングを行う際に容易に作業を行うことができ好ましい。なお、パッド部Pの平面形状は、円形であることが好ましいが、円形に限定されるものではなく、例えば、多角形であってもよいし、円形の輪郭の一部と多角形の輪郭の一部とを組み合わせた形状であってもよい。なお、パッド部Pの平面形状が円形でない場合、n型電極18に対向する部分が、平面視でn型電極18側に凸の曲面とされていることが好ましい。パッド部Pのn型電極18に対向する部分が、平面視でn型電極18側に凸の曲面とされている場合、透明導電膜15における電流拡散の均一性がより一層優れたものとなる。
【0044】
線状部Lは、平面視矩形の半導体層10の4つの辺に沿って、半導体層10の縁部から内側に所定の間隔(図1において符合D1で示される間隔)で離れた位置に配置されており、線状部Lの平面形状は、半導体層10の外形形状と略相似形状とされている。また、本実施形態においては、線状部Lが、一続きに連続して設けられているが、一部分断されているものであってもよい。
【0045】
p型電極17の線状部Lの外側縁部と半導体層10の縁部(例えば半導体発光素子1の切断面(基板切断面))との間の距離D1が短すぎると、線状部Lの外側縁部が半導体発光素子1の切断面に近くなり、線状部Lを形成しにくくなる。また、線状部Lの外側縁部と半導体層10の縁部との間の距離D1が長すぎると、n型電極18から遠い線状部Lと、半導体層10の縁部との間の領域での発光出力が低下しやすくなる。したがって、線状部Lの外側縁部と半導体層10の縁部との間の距離D1は、特に制限されるものではないが、20μm〜200μmの範囲であることが好ましく、30μm〜120μmの範囲であることがより好ましい。
【0046】
また、線状部Lの太さが細すぎると、線状部Lの形成時にマスクプロセス(リソグラフィー技術)を用いることが困難となったり、スパッタ法によって線状部Lを形成することが困難となったりする虞がある。また、線状部Lの太さが太すぎると、線状部Lを設けることによる発光出力の低下が大きくなる。したがって、p型電極17の線状部Lの太さ(幅)は、特に制限されるものではないが、0.1μm〜20μmの範囲であることが好ましく、1〜15μmの範囲であることがより好ましい。
【0047】
p型電極17としては、Alからなる金属反射層とTiからなるバリア層とAuからなるボンディング層とからなる3層構造のものなど、Au、Al、NiおよびCu等の周知の材料を用いた各種構造を何ら制限無く用いることができる。p型電極17の厚さは100nm〜40μmであることが好ましく、300nm〜10μmであることがより好ましい。p型電極17の厚さを100nm以上とすることにより、ボンディングパッドとしてのボンダビリティーを向上させることができる。また、p型電極17の厚さを40μm以下にすることで、製造コストを低減できる。
【0048】
<n型電極>
n型電極18は、図1に示すように、平面視でp型電極17のパッド部Pの中心17aと半導体層10の中心10aとを通る直線L1上におけるp型電極17の線状部Lに囲まれた内側の領域に配置されている。また、n型電極18の中心18aとパッド部Pの中心17aとの間の距離D3は、パッド部Pの中心17aと半導体層10の中心10aとの距離D4以上とされている。
【0049】
本実施形態においては、n型電極18の平面形状は、円形の輪郭の一部と四角形の輪郭の一部とを組み合わせた形状とされており、n型電極18のp型電極17のパッド部Pに対向する部分が、平面視でパッド部P側に凸の円弧からなる曲面18bとされていて、それ以外の部分は矩形の半導体層10の外形形状に沿って各辺が配置されてなる略矩形の形状とされている。n型電極18のp型電極17のパッド部Pに対向する部分の曲面18bを構成する円弧の半径は、パッド部Pの円形の半径と同じ長さであることが好ましい。本実施形態においては、n型電極18の平面形状は、中心18aを中心とする円と、その円に外接する正方形とを組み合わせた形状とされている。
【0050】
なお、n型電極18の平面形状は、図1に示す形状であることが好ましいが、例えば、円形や多角形などであってもよく、図1に示す形状に限定されるものではない。
【0051】
また、n型電極18は、図1および図2に示すように、n型半導体層12の露出面12a上に形成されている。露出面12aの平面形状は、n型電極18を設けることができる大きさおよび形状であればよく、特に限定されるものではないが、露出面12aの面積を必要以上に大きくすると、発光層13の面積が小さくなるため、出力が不十分になる場合がある。このため、図1に示すように、露出面12aの平面形状を、n型電極18よりも一回り大きいn型電極18の相似形状とし、n型電極18を設けることが可能な最小限の大きさを確保することが好ましい。
【0052】
また、n型電極18は、図1および図2に示すように、n型半導体層12の露出面12a上に形成されることにより、n型半導体層12に接しており、ボンディングパッドとして使用される。n型電極18としては、例えば、露出面12a側からTi膜とAu膜とを積層してなく二層構造のものなど、周知の各種組成および構造を何ら制限無く用いることができる。
【0053】
また、本実施形態においては、図1に示すように、n型電極18とp型電極17のパッド部Pとは、異なる平面形状とされている。n型電極18とp型電極17のパッド部Pとが、異なる平面形状である場合、ワイヤーボンディングを行う際に、n型電極18とp型電極17のパッド部Pとを容易に判別することができ、n型電極18とp型電極17のパッド部Pとを間違ってワイヤーボンディングしてしまうことを効果的に防止でき、好ましい。
なお、n型電極18とp型電極17のパッド部Pとは、上述したように、図1に示すように、異なる平面形状とされていることが好ましいが、同じ平面形状であってもよい。
【0054】
また、p型電極17のパッド部Pが平面視円形であって、n型電極18の平面形状がp型電極17のパッド部Pと異なる場合、図1に示すように、n型電極18のp型電極17のパッド部Pに対向する部分に、平面視でパッド部P側に凸の曲面18bが、配置されていることが好ましい。この場合、透明導電膜15における電流拡散の均一性がより一層優れたものとなる。
【0055】
また、n型電極18とp型電極17とは、同じ材料からなるものであってもよいし、異なる材料からなるものであってもよい。n型電極18とp型電極17とが、同じ材料からなるものある場合、例えば、Auからなる第1の層、Tiからなる第2の層、Alからなる第3の層、Tiからなる第4の層、Auからなる第5の層を順に積層してなる5層構造のものとしてもよい。
【0056】
<保護膜>
保護膜16は、透明導電膜15上におけるn型電極18とp型電極17のパッド部Pの中心部を除く全域に設けられ、半導体発光素子1内部への水分等の浸入を防止して、半導体発光素子1の劣化を抑制するものである。保護膜16としては、絶縁性透明膜が用いられる。具体的には、保護膜16は、SiOを含む材料からなるものであることが好ましい。
なお、保護膜16は、半導体発光素子1の劣化を抑制するために設けられていることが好ましいが、設けられていなくてもよい。
【0057】
また、本実施形態の半導体発光素子1は、半導体層10の辺の長さが、例えば450μm〜1.5mmの範囲、より好ましくは450μm〜600μmの平面視矩形(正方形及び長方形)の中型〜大型チップであることが好ましい。
【0058】
本実施形態においては、半導体層10が、辺の長さが450〜600μの平面視矩形であり、図1に示すように、p型電極17の線状部Lの外側縁部と半導体層10の縁部との間の距離D1が、30〜120μmの範囲であり、p型電極17のパッド部Pが、直径(図1においては符号D2で示す。)60〜120μmの平面視円形であり、n型電極18の中心18aと半導体層10の中心10aとの距離D5が、0〜120μmの範囲であり、p型電極17の線状部Lの太さ(幅)が、5〜12μmの範囲であることが好ましい。
【0059】
上記寸法範囲の半導体発光素子1とした場合、半導体層10上の面積におけるp型電極17およびn型電極18の設けられている面積の割合と、p型電極17およびn型電極18の配置および面積によって決定される透明導電膜15における電流の流れが、より効果的に制御されるものとなり、透明導電膜15における電流拡散の均一性がより一層優れたものとなる。
【0060】
なお、p型電極17の線状部Lの外側縁部と半導体層10の縁部との間の距離D1が、上記範囲未満であると駆動電圧が高くなる場合があり、上記範囲を超えると、平面視で線状部Lと半導体層10の縁部との間に配置された発光層13からの光が弱くなって出力が不十分になる場合がある。
また、p型電極17のパッド部Pの直径D2が、上記範囲未満であるとワイヤーボンディングを行う際に支障を来たす恐れがある。また、p型電極17のパッド部Pの直径D2が、上記範囲を超えると、駆動電圧(順方向電圧(Vf))は低くなるが、p型電極17によって吸収される発光層13から出力された光の量が多くなり、出力(発光出力(Po))が不十分になる場合がある。
【0061】
また、n型電極18の中心18aと半導体層10の中心10aとの距離D5が、上記範囲未満である(本発明においては、n型電極18の中心18aが、半導体層10の中心よりもp型電極17のパッド部Pに近づいた位置に配置された状態を意味する)と、駆動電圧(順方向電圧(Vf))は低くなるが、透明導電膜15の面内に電流が十分に流れない領域が形成されやすくなり、出力が不十分になる場合がある。また、n型電極18の中心18aと半導体層10の中心10aとの距離D5が、上記範囲を超えると、十分な出力(発光出力(Po))が得られたとしても、透明導電膜15の面内における電流拡散のムラが大きくなり、均一な発光が得られにくくなる。
【0062】
また、p型電極17の線状部Lの太さが、上記範囲未満であると、線状部Lを設けることによる駆動電圧(順方向電圧(Vf))の低下効果が不十分となる。また、p型電極17の線状部Lの太さが、上記範囲を超えると、p型電極17によって吸収される発光層13から出力された光の量が多くなり、出力が不十分になる場合がある。
【0063】
「半導体発光素子の製造方法」
次に、本発明の半導体発光素子の製造方法として、図1および図2に示す半導体発光素子1の製造方法を例に挙げて説明する。
図1および図2に示す半導体発光素子1を製造するには、まず、基板11上に、n型半導体層12と発光層13とp型半導体層14とがこの順で積層されてなる半導体層10を設ける。なお、基板11とn型半導体層12との間に基板11側から中間層と下地層とを順次形成してもよい。
【0064】
半導体層10の形成方法は、特に限定されず、例えば、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハイドライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)などの方法を適用できる。
半導体層10がGaN系化合物半導体である場合、膜厚制御性、量産性の観点からMOCVD法を用いることが好ましい。
【0065】
GaN系化合物半導体の形成方法としてMOCVD法を用いる場合、キャリアガスとして水素(H)または窒素(N)などを用いることができ、III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)、V族原料であるN源としてアンモニア(NH)、ヒドラジン(N)などを用いることができる。
【0066】
また、MOCVD法を用いてGaN系化合物半導体を形成する場合、n型ドーパントとしてSi原料であるモノシラン(SiH)またはジシラン(Si)や、Ge原料であるゲルマンガス(GeH)や、テトラメチルゲルマニウム((CHGe)やテトラエチルゲルマニウム((CGe)等の有機ゲルマニウム化合物などを用いることができる。
また、p型ドーパントとしてMg原料であるビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)やビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム(EtCpMg)などを用いることができる。
【0067】
また、GaN系化合物半導体の形成方法としてMBE法を用いる場合、n型ドーパントとして元素状のゲルマニウムを用いることができる。
【0068】
次に、公知のフォトリソグラフィー技術を用いて、p型半導体層14上のp型電極17の平面形状に対応する領域に、スパッタ法やCVD法などを用いて絶縁層39を形成する。
次に、絶縁層39の形成された半導体層10上に、公知のフォトリソグラフィー技術を用いて、所定の形状の透光性電極15を形成する。
【0069】
次に、公知のフォトリソグラフィー技術を用いて、絶縁層39および透光性電極15の形成された半導体層10の一部をエッチングして切り欠くことにより、n型電極18を設けるべき所定の位置に、所定の形状でn型半導体層12の露出面12aを露出させる。その後、n型半導体層12の露出面12a上に所定の形状のn型電極18を設ける。
次いで、透光性電極15上の所定の位置に所定の形状のp型電極17を形成する。
【0070】
次に、保護膜16を形成する。保護膜16は、公知のフォトリソグラフィー技術及びリフトオフ技術を用いて、n型電極18とp型電極17のパッド部Pの中心部を除く全域に、スパッタ法やCVD法などの緻密な膜ができる成膜方法を用いて形成することが好ましい。特に、保護膜16の形成方法として、緻密な膜の得られるCVD法を用いることが好ましい。
その後、保護層16の形成された基板11を分割(チップ化)することにより、図1および図2に示す半導体発光素子1が得られる。
【0071】
本実施形態の半導体発光素子1は、半導体層10と透明導電膜15との間に、平面視で少なくとも一部がp型電極17と重なり合う絶縁層39が備えられ、p型電極17が、パッド部Pと、パッド部Pから線状に延在する平面視環状の線状部Lとからなるものであり、n型電極18が、平面視でp型電極17のパッド部Pの中心17aと半導体層10の中心10aとを通る直線L1上におけるp型電極17の線状部Lに囲まれた内側の領域に配置され、n型電極18の中心18aとパッド部Pの中心17aとの間の距離D3が、パッド部Pの中心17aと半導体層10の中心10aとの距離D4以上であるものであるので、絶縁層39によってp型電極17に吸収される発光層13から出力された光の量を効果的に抑制できるとともに、透明導電膜15における電流拡散の均一性に優れたものとなり、高い電流を印加した場合でも順方向電圧(VF)を十分に小さくすることができるとともに、高い出力が得られるものとなる。
【0072】
さらに、本実施形態の半導体発光素子1においては、絶縁層39が反射効果を有するものであるので、絶縁層39に反射されて半導体層10に戻された反射光が、半導体層10内で多重反射されて、例えば、半導体発光素子1の厚み方向に対して±30°以下の光などの直進性の高い光とされて、透明導電膜15を透過して出射されるものとなる。その結果、本実施形態の半導体発光素子1では、優れた光取り出し効率が得られ、高い出力が得られる。
【0073】
「ランプ」
次に、本発明のランプとして、図1および図2に示す半導体発光素子1を備えたランプを例に挙げて説明する。
図3は、本発明のランプの一例を示した断面模式図である。図3に示すランプ5(LEDランプ)においては、図1および図2に示す半導体発光素子1がフレーム51、52にワイヤー53、54により接合され、透明な樹脂からなるモールド55で砲弾型に封止されている。
【0074】
本実施形態のランプ5は、図1および図2に示す半導体発光素子1を用いて、例えば、以下に示す方法などにより製造できる。
まず、半導体発光素子1を、2本のフレーム51、52の内の一方(図3ではフレーム51)に樹脂等を用いて接着する。次に、半導体発光素子1のp型電極17のパッド部P及びn型電極18とフレーム51、52とを金等からなるワイヤー53、54でそれぞれに接合し、半導体発光素子1を実装する。その後、半導体発光素子1の周辺を、モールド55で封止することにより、ランプ5とする方法などにより得られる。
【0075】
なお、本発明のランプは、図3に示すランプ5に限定されるものではない。例えば、本発明のランプは、半導体発光素子1の発光色と蛍光体の発光色とが混色されることにより、白色光を出射するランプとされていてもよい。
また、本発明のランプは、一般用途の砲弾型であってもよいし、携帯のバックライト用途のサイドビュー型、表示器に用いられるトップビュー型等であってもよい。
【0076】
本実施形態のランプ5は、図1および図2に示す半導体発光素子1を備えたものであるので、高い電流を印加した場合でも順方向電圧(VF)を十分に小さくすることができるとともに、高い出力が得られるものとなる。
また、本実施形態のランプ5を組み込んだバックライト、携帯電話、ディスプレイ、各種パネル類、コンピュータ、ゲーム機、照明などの電子機器や、それらの電子機器を組み込んだ自動車などの機械装置は、高い発光出力が得られる半導体発光素子1を備えたものとなる。特に、バックライト、携帯電話、ディスプレイ、ゲーム機、照明などのバッテリ駆動させる電子機器においては、高い発光出力が得られる半導体発光素子1を具備した優れた製品を提供することができるため、好ましい。
【0077】
「実施例」
以下に、本発明を、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実験例1)
以下に示す方法により、図1および図2に示す半導体発光素子1を製造した。
まず、基板11上に、スパッタ法を用いる公知の方法によりAlNからなるバッファ層を形成し、次いで通常のMOCVD法を用いて、アンドープGaNからなる下地層と、Siドープn型GaNからなるn型コンタクト層と、In0.03Ga0.97Nからなるn型クラッド層とをこの順に積層して、n型半導体層12を形成した。
【0078】
次に、n型半導体層12上に、AlGa1−cN障壁層とGaInN井戸層とを6回積層し、最後にAlGa1−cN障壁層を積層して多重量子井戸構造からなる発光層13を形成した。
次に、発光層13上に、MgドープAlGaNからなるp型クラッド層と、Mgドープp型GaNからなるp型コンタクト層とを積層してp型半導体層14を形成した。
これにより、基板11上に、n型半導体層12と発光層13とp型半導体層14とからなる屈折率2.4の半導体層10を形成した。
【0079】
次に、p型半導体層14上にスパッタ法により、膜厚170nmのSiO(屈折率1.45)からなる絶縁層39を、p型半導体層14上のp型電極17の平面形状に対応する領域に形成した。なお、p型電極17のパッド部Pと平面視で重なり合う絶縁層39は、パッド部Pと同形とし、p型電極17の線状部Lと平面視で重なり合う絶縁層39の太さは、14μmとした。
次に、絶縁層39の形成された半導体層10上に、膜厚250nmのITO(屈折率2.0、比抵抗1×10−4Ω・cm)からなる透明導電膜15を形成した。
【0080】
続いて、フォトリソグラフィーの手法によりパターニングして、所定の領域の半導体層10(p型半導体層14、発光層13、n型半導体層12)の一部をエッチングして、n型電極18を設けるべき所定の位置を含む領域に、n型コンタクト層からなる露出面12aを露出させた。
次に、n型コンタクト層からなる露出面12aに、n型電極18を形成した。その後、透光性電極15上にp型電極17を形成した。
【0081】
なお、n型電極18は、平面視でp型電極17のパッド部Pの中心17aと半導体層10の中心10aとを通る直線L1上のp型電極17の線状部Lに囲まれた内側の領域であって、n型電極18の中心18aと半導体層10の中心10aとの距離が0μmである(すなわち、n型電極の中心と半導体層の中心とが一致する)位置に形成した。
また、n型電極18の平面形状は、n型電極18のp型電極17のパッド部Pに対向する部分が、平面視でパッド部P側に凸の円弧からなる曲面18bとされていて、それ以外の部分は矩形の半導体層10の外形形状に沿って各辺が配置されてなる略矩形の形状とされているものとした。なお、n型電極18のp型電極17のパッド部Pに対向する部分の曲面18bは、パッド部Pの円形の半径と同じ長さの半径を有する半円とした。
【0082】
また、p型電極17としては、絶縁層39の平面形状と同形で、絶縁層39と平面視で重なり合う平面形状であって、直径(図1に示される符号D2)90μmの平面視円形のパッド部Pと、パッド部Pから線状に延在する平面視環状の線状部Lとからなるものを形成した。なお、線状部Lとしては、線状部Lの外側縁部と半導体層10の縁部との間の距離D1が36μmであり、線状部Lの太さが4μmであるものを形成した。
また、p型電極17としては、窒化タンタルからなる第1の層、Ptからなる第2の層、Auからなる第3の層を順に積層してなる3層構造のものを形成した。
n型電極18としては、Alからなる第1の層、Tiからなる第2の層、Auからなる第3の層を順に積層してなる3層構造のものを形成した。
【0083】
次に、基板11上のp型電極17のパッド部P及びn型電極18の中心部を除く全域に、CVD法を用いてSiOからなる保護膜16を形成した。
その後、保護層16の形成された基板11を分割(チップ化)することにより、半導体層10の一辺の長さが500μmの平面視正方形である図1および図2に示す実験例1の半導体発光素子1を得た。
【0084】
(実験例2)
n型電極18のp型電極17のパッド部Pに対向する部分の曲面18bを構成する円弧の半径を、パッド部Pの半径より小さくした(円弧の半径を40μm)。また、n型電極18のp型電極17のパッド部Pとは反対側の部分を構成する正方形の辺も小さくし(辺の長さを80μm)実験例1のn型電極18と相似形にした。n型電極18の大きさを変えたこと以外は、実験例1と同様にして実験例2の半導体発光素子を得た。
(実験例3)
パッド部Pの形状に対応する領域に形成された絶縁層39の平面形状を直径100μmの平面視円形とし、曲面18bを構成する円弧の半径を50μmとしたこと以外は、実験例1と同様にして実験例3の半導体発光素子を得た。なお、n型電極18の形状は実験例1と相似形である。
【0085】
実験例1〜実験例3の構造上の特徴を表1にまとめた。
なお、表1において、「曲面」とは、n型電極18のp型電極17のパッド部Pに対向する部分に形成された、平面視でパッド部P側に凸の曲面18bを意味し、「曲面の半径」とは、曲面18bを構成する円弧の半径を意味する。また、「D1」とは、線状部Lの外側縁部と半導体層10の縁部との間の距離を意味し、「D5」とは、n型電極18の中心18aと半導体層10の中心10aとの距離を意味する。また、「パッド部P下の大きさ」とは、p型電極17のパッド部Pと平面視で重なり合う平面視円形の絶縁層39の直径を意味し、「線状部下の太さ」とは、p型電極17の線状部Lと平面視で重なり合う絶縁層39の太さを意味する。
【0086】
【表1】

【0087】
このようにして得られた実験例1〜実験例3の半導体発光素子について、プローブ針による通電で印加電流20mA〜180mAの範囲における順方向電圧(VF)を測定した。
また、実験例1〜実験例3の半導体発光素子について、TO−18缶パッケージに実装し、テスターによって印加電流20mA〜180mAの範囲における発光出力(Po)を測定した。
その結果を図4に示す。
【0088】
図4(a)は、実験例1〜実験例3の半導体発光素子の電流(mA)と順方向電圧(VF)との関係とを示したグラフであり、図4(b)は、実験例1〜実験例3の半導体発光素子の電流(mA)と発光出力(Po)との関係とを示したグラフである。
図4(a)に示すように、曲面の半径が大きいものほど(実験例3)、順方向電圧(VF)が小さくなっており、電流(mA)が大きいほど、曲面の半径による順方向電圧(VF)の差が大きくなっている。
また、図4(b)に示すように、曲面の半径が小さいもの(実験例2)ほど、発光出力(Po)が大きくなっている。
【0089】
(実験例4)
n型電極18の中心18aと半導体層10の中心10aとの距離(D5)を−35μm(すなわち、n型電極18の中心18aが半導体層10の中心10aから35μm分、p型電極17のパッド部Pに近づいた位置に配置されたもの)としたこと以外は、実験例1と同様にして実験例4の半導体発光素子を得た。
(実験例5)
n型電極18の中心18aと半導体層10の中心10aとの距離(D5)を+80μm(すなわち、n型電極18の中心18aが半導体層10の中心10aから80μm分、p型電極17のパッド部Pから遠ざかる位置に配置されたもの)としたこと以外は、実験例1と同様にして実験例5の半導体発光素子を得た。
実験例4、実験例5の構造上の特徴を表1にまとめた。
【0090】
このようにして得られた実験例4〜実験例5の半導体発光素子について、実験例1と同様にして印加電流20mA〜180mAの範囲における順方向電圧(VF)を測定するとともに、印加電流20mA〜180mAの範囲における発光出力(Po)を測定した。
その結果を図5に示す。
【0091】
図5(a)は、実験例1、実験例4、実験例5の半導体発光素子の電流(mA)と順方向電圧(VF)との関係とを示したグラフであり、図5(b)は、実験例1、実験例4、実験例5の半導体発光素子の電流(mA)と発光出力(Po)との関係とを示したグラフである。
図5(a)に示すように、n型電極18とp型電極17のパッド部Pとが近い方(実験例4)が、順方向電圧(VF)が小さくなる傾向が確認でき、電流(mA)が大きいほど、n型電極18とp型電極17のパッド部Pとの距離による順方向電圧(VF)の差が大きくなっている。
また、図5(b)に示すように、n型電極18とp型電極17のパッド部Pとが遠いほど(実験例5)、発光出力(Po)が大きくなっており、電流(mA)が大きいほど、n型電極18とp型電極17のパッド部Pとの距離による発光出力(Po)の差が大きくなっている。
【0092】
(実験例6)
p型電極17の線状部Lの太さを8μmとし、線状部Lと重なり合う領域に形成された絶縁層39の太さを18μmとしたこと以外は、実験例1と同様にして実験例6の半導体発光素子を得た。
(実験例7)
p型電極17の線状部Lの太さを13μmとし、線状部Lと重なり合う領域に形成された絶縁層39の太さを23μmとしたこと以外は、実験例1と同様にして実験例7の半導体発光素子を得た。
実験例5、実験例7の構造上の特徴を表1にまとめた。
【0093】
このようにして得られた実験例6〜実験例7の半導体発光素子について、実験例1と同様にして印加電流20mA〜180mAの範囲における順方向電圧(VF)を測定するとともに、印加電流20mA〜180mAの範囲における発光出力(Po)を測定した。
その結果を図6に示す。
【0094】
図6(a)は、実験例1、実験例6、実験例7の半導体発光素子の電流(mA)と順方向電圧(VF)との関係とを示したグラフであり、図6(b)は、実験例1、実験例6、実験例7の半導体発光素子の電流(mA)と発光出力(Po)との関係とを示したグラフである。
図6(a)に示すように、p型電極17の線状部Lの太さが太いものほど(実験例7)、順方向電圧(VF)が小さくなっており、電流(mA)が大きいほど、線状部Lの太さによる順方向電圧(VF)の差が大きくなっている。
また、図6(b)に示すように、p型電極17の線状部Lの太さが4μmである実験例1とp型電極17の線状部Lの太さが8μmである実験例6では、p型電極17の線状部Lの太さが13μmである実験例7と比較して、発光出力(Po)が大きくなっている。
【0095】
(比較例1)
図7は比較例1の半導体発光素子の一例を示した平面図であり、図8は図7に示す半導体発光素子のB−B’線における断面図である。図7および図8に示す比較例1の半導体発光素子は、p型電極17に線状部Lを設けず、n型電極180をパッド部8Pと線状部8Lとからなるものとしたことと、絶縁層を設けなかったこと以外は実験例1と同様にして、製造したものである。
【0096】
なお、比較例1においては、n型電極180の線状部8Lの外側縁部と半導体層10の縁部との間の距離を36μmとし、p型電極170の中心と半導体層の中心との距離を0μmとした。また、図7および図8において、図1および図2に示す半導体発光素子と同じ部材については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0097】
比較例1の半導体発光素子について、実験例1と同様にして印加電流20mA〜180mAの範囲における発光出力(Po)を測定した。
その結果、比較例1の半導体発光素子の発光出力(Po)は、実験例1の半導体発光素子よりも約10%低かった。
【符号の説明】
【0098】
1…半導体発光素子、5…ランプ、10…半導体層、11…基板、12…n型半導体層、13…発光層、14…p型半導体層、15…透明導電膜、16…保護膜、17…p型電極、18…n型電極、39…絶縁層、51、52…フレーム、53、54…ワイヤー、55…モールド、L…線状部、P…パッド部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを有する半導体層と、
前記半導体層の一部を切り欠くことにより露出された前記n型半導体層の露出面上に設けられたn型電極と、
前記半導体層上に設けられた透明導電膜と、
前記透明導電膜上に設けられたp型電極とが備えられ、
前記半導体層と前記透明導電膜との間に、平面視で少なくとも一部が前記p型電極と重なり合う光反射層が備えられ、
前記p型電極が、パッド部と、前記パッド部から線状に延在する平面視環状の線状部とからなるものであり、
前記n型電極が、平面視で前記パッド部の中心と前記半導体層の中心とを通る直線上における前記線状部に囲まれた内側の領域に配置され、前記n型電極の中心と前記パッド部の中心との間の距離が、前記パッド部の中心と前記半導体層の中心との距離以上であることを特徴とする半導体発光素子。
【請求項2】
前記線状部が、一部分断されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項3】
前記n型電極の前記パッド部に対向する部分の形状が、平面視で前記パッド部側に凸の曲面とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
光反射層が絶縁材料からなるものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項5】
前記半導体層の屈折率が、1.9〜2.6の範囲であり、
前記透明導電膜の屈折率が、1.9〜2.2の範囲であり、
前記光反射層がSiOからなるものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項6】
前記半導体層が、辺の長さが450μm〜1.5mmの範囲の平面視矩形であり、
前記線状部の太さが、0.1μm〜20μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の半導体発光素子を備えることを特徴とするランプ。
【請求項8】
請求項7に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項8に記載の電子機器が組み込まれていることを特徴とする機械装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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