半導体発光装置およびその製造方法
【課題】蛍光体層の注入量を均一化した半導体発光装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】フレーム部材100と、フレーム部材100の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部8と、蛍光体層注入部8に注入された蛍光体層6bとを備え、蛍光体層6bは、蛍光体層注入部8に蛍光体層6bを注入後、フレーム部材100上にガラス板10を搭載し、蛍光体層6bの熱硬化後、ガラス板10を取り外すことによって形成される半導体発光装置20およびその製造方法。
【解決手段】フレーム部材100と、フレーム部材100の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部8と、蛍光体層注入部8に注入された蛍光体層6bとを備え、蛍光体層6bは、蛍光体層注入部8に蛍光体層6bを注入後、フレーム部材100上にガラス板10を搭載し、蛍光体層6bの熱硬化後、ガラス板10を取り外すことによって形成される半導体発光装置20およびその製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光装置およびその製造方法に関し、特に蛍光体層の注入量を均一化した半導体発光装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子を用いた発光装置として、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)をパッケージの凹状のカップ部の内部に収容し、LEDの発光出力を波長変換するための蛍光物質を含む透光性部材をカップ部内に充填した構成を有するものがある(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
透光性部材をカップ部内に充填する方法としては、孔版印刷を使用する方法、或いはスキージを使用する方法などが提案されている(例えば、特許文献3および特許文献4参照。)。また、光性部材をカップ部内に充填する方法として、表面シート、注型シートを使用する方法も提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−244421号公報
【特許文献2】特開2010−114218号公報
【特許文献3】特開平10−65219号公報
【特許文献4】特開2000−223750号公報
【特許文献5】特開2006−165326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、蛍光体層の注入量のばらつきを改善し、蛍光体層の注入量を均一化した半導体発光装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、フレーム部材と、前記フレーム部材の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部と、前記蛍光体層注入部に注入された蛍光体層とを備え、前記蛍光体層は、前記蛍光体層注入部に前記蛍光体層を注入後、前記フレーム部材上にガラス板を搭載し、前記蛍光体層の熱硬化後、前記ガラス板を取り外すことによって形成される半導体発光装置が提供される。
【0007】
本発明の他の態様によれば、フレーム部材を形成する工程と、前記フレーム部材の表面に凹型に複数の蛍光体層注入部を形成する工程と、前記蛍光体層注入部に蛍光体層を注入する工程と、前記フレーム部材上にガラス板を搭載する工程と、前記ガラス板を搭載した前記フレーム部材を加熱処理して、前記蛍光体層を熱硬化する工程と、前記ガラス板を前記フレーム部材から取り外す工程とを有する半導体発光装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蛍光体層の注入量のばらつきを改善し、蛍光体層の注入量を均一化した半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の模式的断面構造図。
【図2】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入する工程を説明する模式的鳥瞰構造図。
【図3】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入した状態を示す模式的断面構造図。
【図4】(a)第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入後、反射ケースおよび蛍光体層上にガラス板を搭載した状態を示す模式的断面構造図、(b)第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を2層に分けて注入後、反射ケースおよび蛍光体層上にガラス板を搭載した状態を示す模式的断面構造図、(c)第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光装置の模式的断面構造図。
【図5】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において適用するフレーム部材であって、チップ基板上に、複数の蛍光体層注入部を有する反射ケースを配置した様子を説明する模式的鳥瞰構造図。
【図6】(a)第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置の模式的平面パターン構成図、(b)第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置の模式的断面構造図、(c)第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置の別の模式的断面構造図、(d)第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置の更に別の模式的断面構造図。
【図7】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入したフレーム部材に対してガラス板を搭載する様子を説明する模式的断面構造図。
【図8】(a)第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図、(b)第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図9】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層の熱硬化工程後、ガラス板をフレーム部材から取り外した様子を説明する模式的断面構造図。
【図10】第1の実施の形態の変形例3に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図11】第1の実施の形態の変形例4に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図12】第1の実施の形態の変形例5に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図13】第1の実施の形態の変形例6に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図14】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において適用する蛍光体層の熱硬化用装置の模式的鳥瞰構造図。
【図15】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、複数の蛍光体層注入部に蛍光体層を注入した後、ガラス板を搭載したフレーム部材を蛍光体層の熱硬化用装置に投入する様子を説明する模式的鳥瞰構造図。
【図16】(a)第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において適用するセラミックスフレーム部材の模式的鳥瞰構造図、(b)第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において適用する別のセラミックスフレーム部材の模式的鳥瞰構造図。
【図17】第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入したセラミックスフレーム部材の模式的断面構造図。
【図18】第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をセラミックスフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図19】第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層の熱硬化工程後、ガラス板をセラミックスフレーム部材から取り外した状態を説明する模式的断面構造図。
【図20】第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において適用するセラミックスフレーム部材の模式的鳥瞰構造図。
【図21】第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入したセラミックスフレーム部材の模式的断面構造図。
【図22】第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をセラミックスフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図23】第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層の熱硬化工程後、ガラス板をセラミックスフレーム部材から取り外した状態を説明する模式的断面構造図。
【図24】(a)第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、セラミックスフレーム部材を片方の面からスクライブする様子を説明する模式的断面構造図、(b)第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、セラミックスフレーム部材を表裏両方の面からスクライブする様子を説明する別の模式的断面構造図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0011】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20は、図1に示すように、フレーム部材100と、フレーム部材100の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部8と、蛍光体層注入部8に注入された蛍光体層6とを備える。ここで、蛍光体層6は、後述するように、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入後、フレーム部材100上にガラス板10(図4参照)を搭載し、蛍光体層6の熱硬化後、ガラス板10を取り外すことによって形成される。
【0013】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20において、フレーム部材100は、図1に示すように、チップ基板1と、チップ基板1上に配置され、蛍光体層注入部8を形成する反射ケース5とを備えていても良い。
【0014】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20において、蛍光体層6中には、第1発光蛍光体61・第2発光蛍光体62を透光性樹脂中に混合分散配置しても良い。発光蛍光体に関しては後で詳述する。
【0015】
また、第1の実施の形態に係る半導体発光装置20において、フレーム部材100は、図1に示すように、チップ基板1上に配置された第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、第1端子電極2a上に配置された半導体発光素子3と、半導体発光素子3と第2端子電極2kを接続するボンディングワイヤ4とをさらに備えていても良い。
【0016】
ここで、チップ基板1は、例えばエポキシ系などの樹脂から形成されている。また、反射ケース5は、蛍光体層6に接する面には、半導体発光素子3からの光を反射するための金属層などが形成されていても良い。反射ケース5の筐体の材質は、金属もしくは例えばシリコーン系、エポキシ系などの樹脂から形成されていても良い。
【0017】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法において、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入する工程は、図2に示すように、フレーム部材100の表面に凹型に配置された蛍光体層注入部8に対して、ディスペンサー7を用いて蛍光体層6を注入することによって実施される。
【0018】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法において、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入した様子を示す模式的断面構造は、図3に示すように表され、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入後、反射ケース5および蛍光体層6上にガラス板10を搭載した様子を示す模式的断面構造は、図4(a)に示すように表される。
【0019】
ここで、蛍光体層6の注入においては、蛍光体層6を構成する樹脂を多めに蛍光体層注入部8に注入し、その後の工程でフレーム部材100上にガラス板10を搭載して、蛍光体層6を構成する樹脂を押し出すことによって、蛍光体層注入部8への蛍光体層6の注入量のばらつきを改善し、蛍光体層6の注入量を均一化することができる。
【0020】
尚、ガラス板10は、蛍光体層6を構成する樹脂の状態を見易くするために用いている。ガラス板10の代わりに、耐熱性の透明樹脂板を適用してもよく、例えば、ポリカーボネートなどを使用しても良い。
【0021】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法において、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を2層(6R・6G)に分けて注入後、反射ケース5および蛍光体層6上にガラス板10を搭載した様子を示す模式的断面構造は、図4(b)に示すように表される。ここで、蛍光体層6Rは、例えば青色励起光を受光して、赤色光を発光する発光蛍光体を含む蛍光体層であり、蛍光体層6Gは、例えば青色励起光を受光して、緑色光を発光する発光蛍光体を含む蛍光体層である。
【0022】
第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光装置20の模式的断面構造は、図4(c)に示すように表される。
【0023】
蛍光体層6は、図4(c)に示すように、第1発光蛍光体61を含む第1蛍光体層6Rと、第2発光蛍光体62を含む第2蛍光体層6Gの積層構造を有するように形成されていても良い。
【0024】
第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光装置20は、図4(c)に示すように、フレーム部材100と、フレーム部材100の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部8と、蛍光体層注入部8に2層構造に注入された蛍光体層6Rおよび6Gとを備える。ここで、2層構造の蛍光体層6R・6Gは、蛍光体層注入部8に蛍光体層6R・6Gを注入後、フレーム部材100上にガラス板10を搭載し、蛍光体層6の熱硬化後、ガラス板10を取り外すことによって形成される。
【0025】
また、蛍光体層6は、蛍光体層注入部8に配置され、第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、半導体発光素子3と、ボンディングワイヤ4を封止している。
【0026】
(発光蛍光体)
また、第1の実施の形態においては、発光蛍光体は、複数種類存在していても良い。
【0027】
半導体発光素子3は、窒化物系半導体により形成された青色LEDで形成されていても良い。この場合、第1発光蛍光体61および第2発光蛍光体62は、共に黄色蛍光体で形成されていても良い。或いは、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61は赤色蛍光体、第2発光蛍光体62は、緑色蛍光体で形成されていても良い。
【0028】
ここで、青色LEDを励起光源とする黄色蛍光体としては、例えば、Ce添加YAG(Y3Al5O12:Ce)蛍光体、Eu添加α−サイアロン(CaSiAlON:Eu)、シリケート蛍光体((Sr,Ba,Ca,Mg)2SiO4:Eu)などを用いることができる。すなわち、青色発光LEDの青色光の一部を黄色蛍光体により黄色の発光に変換し、青+黄の発光により白色発光を得ることができる。
【0029】
また、青色LEDを励起光源とする緑色蛍光体としては、例えば、Eu添加β−サイアロン(Si6-zAlzOzN8-z:Eu)蛍光体、Ce添加CSSO(Ca3Sc2Si3O12:Ce)蛍光体などを用いることができる。
【0030】
また、青色LEDを励起光源とする赤色蛍光体としては、例えば、Eu添加CaAlSiN3(CaAlSiN3:Eu)蛍光体などを用いることができる。
【0031】
また、半導体発光素子3は、窒化物系半導体により形成された紫外光LEDで形成されていても良い。この場合、第1発光蛍光体61および第2発光蛍光体62は、共に黄色蛍光体で形成されていても良い。或いは、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61は青色蛍光体、第2発光蛍光体62は、黄色蛍光体で形成されていても良い。
【0032】
紫外光LEDを励起光源とする青色蛍光体としては、紫外光を受けて青色に発光するものであれば良く、例えば、ハロゲン酸塩蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ケイ酸塩蛍光体などが挙げられる。また、付活剤としては、例えば、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム、アンチモン等の元素を挙げることができる。この中でもユウロピウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。
【0033】
紫外光LEDを励起光源とする黄色蛍光体としては、青色発光を吸収して黄色に発光する蛍光体および紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体のいずれであっても良い。ここで、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61を青色蛍光体、第2発光蛍光体62を黄色蛍光体で形成する場合には、発光効率を一層高めるためには、紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体が望ましい。青色発光を吸収して黄色に発光する蛍光体としては、例えば、有機蛍光体では、アリルスルホアミド・メラミンホルムアルデヒド共縮合染色物やペリレン系蛍光体等を挙げることができ、無機蛍光体では、アルミン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩等を挙げることができる。このなかでも長時間使用可能な点から、ペリレン系蛍光体、YAG系蛍光体が特に好ましい。また、付活剤としては、例えば、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム、アンチモン等の元素を挙げることができる。この中でもセリウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。蛍光体と付活剤との組み合わせとしては、YAGとセリウムとの組み合わせが好ましい。
【0034】
また、紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体としては、例えば、(La,Ce)(P,Si)O4や、(Zn,Mg)Oなどの蛍光体を挙げることができる。また、付活剤としては、例えば、テルビウム、亜鉛などを挙げることができる。
【0035】
蛍光体層6中の第1発光蛍光体61・第2発光蛍光体62の含有量は、半導体発光素子3や蛍光体の種類などから適宜決定すればよいが、一般にその含有量は、各蛍光体とも蛍光体層6に対して1〜25wt%の範囲が望ましい。
【0036】
(製造方法)
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法において適用するフレーム部材100であって、チップ基板1上に、複数の蛍光体層注入部8を有する反射ケース5を配置した様子を説明する模式的鳥瞰構造は、図5に示すように表される。チップ基板1と反射ケース5からなるフレーム部材100上には、図5に示すように、複数の蛍光体層注入部8がマトリックス状に配置されている。フレーム部材100の横方向の寸法Xは、例えば、約170mm、縦方向の寸法Yは、例えば、約50mmであり、蛍光体層注入部8は、縦方向に、例えば8個、横方向に、例えば18個、それぞれ所定のピッチで配置されている。チップ基板1と反射ケース5との間には、リードフレーム11が配置されるが、図5では図示を省略している。
【0037】
第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置30の模式的平面パターン構成は、図6(a)に示すように表される。また、第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置30の模式的断面構造は、図6(b)示すように表され、別の模式的断面構造は、図6(c)に示すように表され、更に別の模式的断面構造は、図6(d)に示すように表される。
【0038】
図6(a)には、蛍光体層注入部38を囲むリードフレーム11が配置された様子が示されている。蛍光体層注入部38には、蛍光体層36が充填される。
【0039】
図6(a)の上下には、図示はされていないが、複数の他の半導体発光装置が配置されている。リードフレーム11は、図6(a)に示すように、端子電極2aおよび2kに接続されており、LEDチップの完成後において、リードフレーム切り離し部C1〜C4において、切り離される。切り離し後、リードフレーム11を折り曲げて、図6(c)または図6(d)のようになされていても良い。リードフレーム11を用いた半導体発光装置30においても第1の実施の形態と同様の製造方法を適用することができる。
【0040】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法は、フレーム部材100を形成する工程と、フレーム部材100の表面に凹型に複数の蛍光体層注入部8を形成する工程と、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入する工程と、フレーム部材100上にガラス板10を搭載する工程と、ガラス板10を搭載したフレーム部材100を加熱処理して、蛍光体層6を熱硬化する工程と、ガラス板10をフレーム部材100から取り外す工程とを有する。
【0041】
蛍光体層注入部8に蛍光体層6aを注入したフレーム部材100に対してガラス板10を搭載する工程は、図7に示すように表される。図7から明らかなように、蛍光体層注入部8には、蛍光体層6aが多めに注入されており、この多めに注入された蛍光体層6aおよびフレーム部材100上に、矢印で示すように、ガラス板10が搭載される。
【0042】
ガラス板10をフレーム部材100上に搭載した状態は、図8(a)および図8(b)に示すように表される。図8(b)においては、蛍光体層6bは、第1蛍光体層6Rと第2蛍光体層6Gの積層構造によって形成されている。
【0043】
ここで、蛍光体層6aの注入においては、蛍光体層6aを構成する樹脂を多めに蛍光体層注入部8に注入し、その後の工程でフレーム部材100上にガラス板10を搭載して、蛍光体層6bを構成する樹脂を押し出すことによって、蛍光体層注入部8への蛍光体層6bの注入量のばらつきを改善し、蛍光体層6bの注入量を均一化することができる。
【0044】
蛍光体層6cの熱硬化工程後、ガラス板10をフレーム部材100から取り外した様子は、図9に示すように表される。蛍光体層6cは、蛍光体層注入部8内で熱硬化され、矢印で示すように、ガラス板10が取り外される。
【0045】
蛍光体層6の主成分であるシリコーン系、エポキシ系の透光性樹脂の例では、典型的な熱硬化温度は、例えば、約180℃程度である。また、典型的な発光蛍光体の直径は、例えば、約0.4μm程度である。
【0046】
第1の実施の形態の変形例2〜5に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板10をフレーム部材100上に搭載した状態を説明する模式的断面構造は、図10〜図13に示すように表される。図10〜図13は、熱硬化工程前において、ガラス板10をフレーム部材100上に搭載した状態に対応しており、第1の実施の形態の図8(a)に対応する。
【0047】
すなわち、ガラス板10は、図10〜図13に示すように、蛍光体層注入部8に対応する位置に凸部を備え、蛍光体層6bは、凸部に対応した凹部を備えていても良い。熱硬化工程後においては、蛍光体層6bは、熱硬化されて、図9と同様に、蛍光体層6cに変質すると共に、蛍光体層6cは、凸部に対応した凹部を備える。
【0048】
凸部の形状は、図10〜図13に示すように、台形、半円形、矩形、若しくは三角形のいずれかであっても良い。
【0049】
第1の実施の形態の変形例3〜6に係る半導体発光装置の製造方法においては、ガラス板10の蛍光体層注入部8に対応する位置に凸部を備えることによって、蛍光体層6の注入量のばらつきを改善し、蛍光体層6の注入量を均一化する上で効果が得られる。
【0050】
第1の実施の形態および変形例1〜6に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層6bの熱硬化用装置40の模式的鳥瞰構造は、図14に示すように表される。熱硬化用装置40は、図14に示すように、フレーム部材投入部42を複数層備えていても良い。典型的な層数は、例えば、約20である。
【0051】
第1の実施の形態および変形例1〜6に係る半導体発光装置の製造方法において、複数の蛍光体層注入部8に蛍光体層6bを注入した後、ガラス板10を搭載したフレーム部材100を蛍光体層6bの熱硬化用装置40に投入する様子を説明する模式的鳥瞰構造は、図15に示すように表される。
【0052】
第1の実施の形態および変形例1〜6に係る半導体発光装置の製造方法においては、フレーム部材投入部42を複数層備える熱硬化用装置40を適用することによって、ガラス板10を搭載したフレーム部材100を複数枚積層化配置して、同時に熱硬化することができる。
【0053】
第1の実施の形態および変形例1〜6によれば、スキージなどは使用する必要がなく、ガラス板を使用する簡便な半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0054】
また、第1の実施の形態および変形例1〜5に係る半導体発光装置の製造方法によれば、スキージなどは使用する必要がなく、ガラス板をフレーム部材上に単純に搭載する工程を有するため、スキージの高さの管理などが不要となり、製造上の工程が容易である。
【0055】
また、第1の実施の形態および変形例1〜6によれば、繰り返しガラス板を使用することができるため、安価で簡便な半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0056】
また、第1の実施の形態および変形例1〜6によれば、ガラス板を搭載した状態で蛍光体層の熱硬化工程を実施可能であることから、蛍光体層中への異物の侵入を抑制することができ、製造歩留まりの向上した半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0057】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る半導体発光装置20は、チップ基板1aがセラミックスから構成されたセラミックスフレーム部材200を備える。すなわち、図1において、フレーム部材100は、セラミックスフレーム部材200となる。
【0058】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置20は、図1と同様に、セラミックスフレーム部材200と、セラミックスフレーム部材200の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部8と、蛍光体層注入部8に注入された蛍光体層6とを備える。ここで、蛍光体層6は、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入後、セラミックスフレーム部材200上にガラス板10を搭載し、蛍光体層6の熱硬化後、ガラス板10を取り外すことによって形成される。
【0059】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置20において、セラミックスフレーム部材200は、セラミックス製のチップ基板1aと、チップ基板1a上に配置され、蛍光体層注入部8を形成する反射ケース5とを備えていても良い。
【0060】
また、第2の実施の形態に係る半導体発光装置20において、セラミックスフレーム部材200は、セラミックス製のチップ基板1a上に配置された第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、第1端子電極2a上に配置された半導体発光素子3と、半導体発光素子3と第2端子電極2kを接続するボンディングワイヤ4とをさらに備えていても良い。
【0061】
ここで、反射ケース5は、蛍光体層6に接する面には、半導体発光素子3からの光を反射するための金属層などが形成されていても良い。反射ケース5の筐体の材質は、金属もしくは、セラミックス、或いは、例えばエポキシ系などの樹脂から形成されていても良い。
【0062】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置20においても、図4(b)或いは図4(c)と同様に、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を2層(6R・6G)に分けて注入した構造を備えていても良い。ここで、蛍光体層6Rは、例えば青色励起光を受光して、赤色光を発光する発光蛍光体を含む蛍光体層であり、蛍光体層6Gは、例えば青色励起光を受光して、緑色光を発光する発光蛍光体を含む蛍光体層である。
【0063】
尚、蛍光体層6は、第1発光蛍光体61および第2発光蛍光体62を透光性樹脂中に混合分散して形成しても良い点は、第1の実施の形態と同様である。
【0064】
また、蛍光体層6は、図4(c)と同様に、第1発光蛍光体61を含む第1蛍光体層6Rと、第2発光蛍光体62を含む第2蛍光体層6Gの積層構造を有するように形成されていても良い点は、第1の実施の形態と同様である。
【0065】
また、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の発光蛍光体の組み合わせを適用可能である。
【0066】
(製造方法)
第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において適用するセラミックスフレーム部材200の模式的鳥瞰構造は、図16(a)に示すように表され、別のセラミックスフレーム部材200の模式的鳥瞰構造は、図16(b)に示すように表される。
【0067】
図16から明らかなように、セラミックス製のチップ基板1aと反射ケース5からなるセラミックスフレーム部材200上には、複数の蛍光体層注入部8がマトリックス状に配置されている。蛍光体層注入部8は、縦方向に、例えば8個、横方向に、例えば18個配置されている。このように積層されたセラミックス製のチップ基板1aと反射ケース5との間には、端子電極2a・2kを取り出すためのパターン電極が配置されているが、図16では図示を省略している。
【0068】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法は、セラミックスフレーム部材200を形成する工程と、セラミックスフレーム部材200の表面に凹型に複数の蛍光体層注入部8を形成する工程と、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入する工程と、セラミックスフレーム部材200上にガラス板10を搭載する工程と、ガラス板10を搭載したセラミックスフレーム部材200を加熱処理して、蛍光体層6を熱硬化する工程と、ガラス板10をセラミックスフレーム部材200から取り外す工程とを有する。
【0069】
蛍光体層注入部8に蛍光体層6aを注入したセラミックスフレーム部材200の模式的断面構造は、図17に示すように表される。蛍光体層注入部8には、蛍光体層6aが多めに注入されている。尚、以下の図面においては、セラミックスフレーム部材200のみを表示し、チップ基板1aと反射ケース5は図示を省略している。
【0070】
ガラス板10をセラミックスフレーム部材200上に搭載した状態を示す模式的断面構造は、図18に示すように表される。
【0071】
ここで、蛍光体層6aの注入においては、蛍光体層6aを構成する樹脂を多めに蛍光体層注入部8に注入し、その後の工程でフレーム部材100上にガラス板10を搭載して、蛍光体層6bを構成する樹脂を押し出すことによって、蛍光体層注入部8への蛍光体層6bの注入量のばらつきを改善し、蛍光体層6bの注入量を均一化することができる。
【0072】
蛍光体層6bの熱硬化工程後、ガラス板10をセラミックスフレーム部材200から取り外した状態を説明する模式的断面構造は、図19に示すように表される。蛍光体層6cは、蛍光体層注入部8内で熱硬化された後、ガラス板10が取り外される。
【0073】
尚、ガラス板10は、図10〜図13と同様に、蛍光体層注入部8に対応する位置に凸部を備え、蛍光体層6bは、凸部に対応した凹部を備えていても良い。この場合、熱硬化工程において、蛍光体層6bは熱硬化され、蛍光体層6cに変質すると共に、蛍光体層6cは、凸部に対応した凹部を備える。
【0074】
凸部の形状は、図10〜図13と同様に、台形、半円形、矩形、若しくは三角形のいずれかであっても良い。
【0075】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法においても、蛍光体層6bの熱硬化用装置40の模式的鳥瞰構造は、図14と同様に、フレーム部材投入部42を複数層備えた構成を有していても良い。
【0076】
複数の蛍光体層注入部8に蛍光体層6bを注入した後、ガラス板10を搭載したセラミックスフレーム部材200を蛍光体層6bの熱硬化用装置40に投入する様子は、図15と同様に表される。フレーム部材投入部42を複数層備える熱硬化用装置40を適用することによって、ガラス板10を搭載したセラミックスフレーム部材200を複数枚積層化配置して、同時に熱硬化することができる。
【0077】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、セラミックスフレーム部材200は、図16(a)に示すように、複数配置された蛍光体層注入部8に隣接して、第1の方向に延伸する第1の溝部22aを備えていても良い。
【0078】
また、セラミックスフレーム部材200は、図16(b)に示すように、複数配置された蛍光体層注入部に隣接して、第1の方向に直交する第2の方向に延伸する第2の溝部22bを備えていても良い。
【0079】
溝部22a・22bの役割は、ガラス板10をセラミックスフレーム部材200上に配置する工程において、蛍光体層注入部8から溢れた蛍光体層6bの主成分である透光性樹脂を有効にリークさせるためのパスを形成することにある。
【0080】
溝部22a・22bの断面形状は、U字、V字、若しくは矩形であっても良い。
【0081】
(変形例)
第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において適用するセラミックスフレーム部材200の模式的鳥瞰構造は、図20に示すように表される。
【0082】
第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部8に蛍光体層6aを注入したセラミックスフレーム部材200の模式的断面構造は、図21に示すように表される。
【0083】
ガラス板10をセラミックスフレーム部材200上に搭載した状態を説明する模式的断面構造は、図22に示すように表される。ここで、セラミックスフレーム部材200に対向するガラス板10は、図22に示すように、複数配置された蛍光体層注入部8に隣接して、第1の方向に延伸する第3の溝部24を備える。
【0084】
また、セラミックスフレーム部材200に対向するガラス板10は、複数配置された蛍光体層注入部8に隣接して、第1の方向に直交する第2の方向に延伸する第4の溝部(図示省略)を備えていても良い。
【0085】
第3の溝部24は、図22に示すように、紙面に垂直に延伸する第1の方向に形成されており、第4の溝部は、第1の方向に直交する紙面に平行な方向に形成されている。
【0086】
溝部24の役割は、前述の溝部22aと同様に、ガラス板10をセラミックスフレーム部材200上に配置する工程において、蛍光体層注入部8から溢れた蛍光体層6の主成分である透光性樹脂を有効にリークさせるためのパスを形成することにある。
【0087】
溝部24の断面形状は、U字、V字、若しくは矩形であっても良い。
【0088】
蛍光体層6cの熱硬化工程後、ガラス板10をセラミックスフレーム部材200から取り外した状態を説明する模式的断面構造は、図23に示すように表される。
【0089】
第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、セラミックスフレーム部材200を片方の面から矢印Aに示す部分で紙面に垂直な方向にスクライブする様子を説明する模式的断面構造は、図24(a)に示すように表され、セラミックスフレーム部材200を表裏両方の面から矢印A・Bに示す部分で紙面に垂直な方向にスクライブする様子を説明する模式的断面構造は、図24(b)に示すように表される。セラミックスフレーム部材200をスクライブする場合には、セラミックスの硬度が高いことから、セラミックスフレーム部材200を表裏両方の面から矢印A・Bに示す部分で紙面に垂直な方向にスクライブすることが望ましい。
【0090】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法においても、図24(a)および図24(b)と同様に、スクライブ工程を適用可能である。第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法においては、フレーム部材100は、樹脂基板を使用していることから、フレーム部材を片方の面からスクライブする工程を採用可能である。
【0091】
また、第2の実施の形態およびその変形例に係る半導体発光装置の製造方法において採用した溝部22a・22b・24などの構成は、第1の実施の形態およびその変形例1〜5に係る半導体発光装置の製造方法においても同様に適用可能である。
【0092】
第2の実施の形態およびその変形例によれば、スキージなどは使用する必要がなく、ガラス板を使用する簡便な半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0093】
また、第2の実施の形態およびその変形例に係る半導体発光装置の製造方法によれば、スキージなどは使用する必要がなく、ガラス板をセラミックスフレーム部材上に単純に搭載する工程を有するため、スキージの高さの管理などが不要となり、製造上の工程が容易である。
【0094】
また、第2の実施の形態およびその変形例によれば、繰り返しガラス板を使用することができるため、安価で簡便な半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0095】
また、第2の実施の形態およびその変形例によれば、ガラス板を搭載した状態で蛍光体層の熱硬化工程を実施可能であることから、蛍光体層中への異物の侵入を抑制することができ、製造歩留まりの向上した半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0096】
本実施の形態によれば、蛍光体層の注入量のばらつきを改善し、蛍光体層の注入量を均一化した半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0097】
(その他の実施の形態)
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0098】
また、半導体発光素子3のLEDの構成として、例えば、1パッケージ中に「青色LED+緑色LED+赤色LED」を収容して白色LEDを構成することもできる。このようなマルチチップの例として、「赤外LED+青色LED」のマルチチップで、青色光励起によって黄色光を発光する蛍光体を組み合わせることもできる。黄色蛍光体は、赤外光による影響を受けないため、小型1パッケージで構成可能であり、占有スペースを小さくすることができ、小さなスペースに実装可能である。
【0099】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の半導体発光装置は、一般照明、道路照明、タスク照明、アクセント照明、階段灯、フラッシュライト、誘導灯、交通信号灯、自動車電装用、自動車前照灯、大型液晶バックライトなどLED照明装置全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1、1a…チップ基板
2a、2k…端子電極
3…半導体発光素子
4…ボンディングワイヤ
5…反射ケース
6、6a、6b、6c、6G、6R、36…蛍光体層
7…ディスペンサー
8、38…蛍光体層注入部
10…ガラス基板
11…リードフレーム
20…半導体発光装置
22a、22b、24…溝部
40…熱硬化用装置
42…基板部材投入部
61…第1発光蛍光体
62…第2発光蛍光体
100…フレーム部材
200…セラミックスフレーム部材
C1、C2、C3、C4…リードフレーム切り離し部
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光装置およびその製造方法に関し、特に蛍光体層の注入量を均一化した半導体発光装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子を用いた発光装置として、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)をパッケージの凹状のカップ部の内部に収容し、LEDの発光出力を波長変換するための蛍光物質を含む透光性部材をカップ部内に充填した構成を有するものがある(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
透光性部材をカップ部内に充填する方法としては、孔版印刷を使用する方法、或いはスキージを使用する方法などが提案されている(例えば、特許文献3および特許文献4参照。)。また、光性部材をカップ部内に充填する方法として、表面シート、注型シートを使用する方法も提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−244421号公報
【特許文献2】特開2010−114218号公報
【特許文献3】特開平10−65219号公報
【特許文献4】特開2000−223750号公報
【特許文献5】特開2006−165326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、蛍光体層の注入量のばらつきを改善し、蛍光体層の注入量を均一化した半導体発光装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、フレーム部材と、前記フレーム部材の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部と、前記蛍光体層注入部に注入された蛍光体層とを備え、前記蛍光体層は、前記蛍光体層注入部に前記蛍光体層を注入後、前記フレーム部材上にガラス板を搭載し、前記蛍光体層の熱硬化後、前記ガラス板を取り外すことによって形成される半導体発光装置が提供される。
【0007】
本発明の他の態様によれば、フレーム部材を形成する工程と、前記フレーム部材の表面に凹型に複数の蛍光体層注入部を形成する工程と、前記蛍光体層注入部に蛍光体層を注入する工程と、前記フレーム部材上にガラス板を搭載する工程と、前記ガラス板を搭載した前記フレーム部材を加熱処理して、前記蛍光体層を熱硬化する工程と、前記ガラス板を前記フレーム部材から取り外す工程とを有する半導体発光装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蛍光体層の注入量のばらつきを改善し、蛍光体層の注入量を均一化した半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の模式的断面構造図。
【図2】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入する工程を説明する模式的鳥瞰構造図。
【図3】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入した状態を示す模式的断面構造図。
【図4】(a)第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入後、反射ケースおよび蛍光体層上にガラス板を搭載した状態を示す模式的断面構造図、(b)第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を2層に分けて注入後、反射ケースおよび蛍光体層上にガラス板を搭載した状態を示す模式的断面構造図、(c)第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光装置の模式的断面構造図。
【図5】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において適用するフレーム部材であって、チップ基板上に、複数の蛍光体層注入部を有する反射ケースを配置した様子を説明する模式的鳥瞰構造図。
【図6】(a)第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置の模式的平面パターン構成図、(b)第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置の模式的断面構造図、(c)第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置の別の模式的断面構造図、(d)第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置の更に別の模式的断面構造図。
【図7】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入したフレーム部材に対してガラス板を搭載する様子を説明する模式的断面構造図。
【図8】(a)第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図、(b)第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図9】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層の熱硬化工程後、ガラス板をフレーム部材から取り外した様子を説明する模式的断面構造図。
【図10】第1の実施の形態の変形例3に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図11】第1の実施の形態の変形例4に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図12】第1の実施の形態の変形例5に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図13】第1の実施の形態の変形例6に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図14】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において適用する蛍光体層の熱硬化用装置の模式的鳥瞰構造図。
【図15】第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、複数の蛍光体層注入部に蛍光体層を注入した後、ガラス板を搭載したフレーム部材を蛍光体層の熱硬化用装置に投入する様子を説明する模式的鳥瞰構造図。
【図16】(a)第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において適用するセラミックスフレーム部材の模式的鳥瞰構造図、(b)第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において適用する別のセラミックスフレーム部材の模式的鳥瞰構造図。
【図17】第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入したセラミックスフレーム部材の模式的断面構造図。
【図18】第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をセラミックスフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図19】第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層の熱硬化工程後、ガラス板をセラミックスフレーム部材から取り外した状態を説明する模式的断面構造図。
【図20】第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において適用するセラミックスフレーム部材の模式的鳥瞰構造図。
【図21】第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部に蛍光体層を注入したセラミックスフレーム部材の模式的断面構造図。
【図22】第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板をセラミックスフレーム部材上に搭載した状態を説明する模式的断面構造図。
【図23】第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層の熱硬化工程後、ガラス板をセラミックスフレーム部材から取り外した状態を説明する模式的断面構造図。
【図24】(a)第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、セラミックスフレーム部材を片方の面からスクライブする様子を説明する模式的断面構造図、(b)第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、セラミックスフレーム部材を表裏両方の面からスクライブする様子を説明する別の模式的断面構造図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0011】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20は、図1に示すように、フレーム部材100と、フレーム部材100の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部8と、蛍光体層注入部8に注入された蛍光体層6とを備える。ここで、蛍光体層6は、後述するように、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入後、フレーム部材100上にガラス板10(図4参照)を搭載し、蛍光体層6の熱硬化後、ガラス板10を取り外すことによって形成される。
【0013】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20において、フレーム部材100は、図1に示すように、チップ基板1と、チップ基板1上に配置され、蛍光体層注入部8を形成する反射ケース5とを備えていても良い。
【0014】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20において、蛍光体層6中には、第1発光蛍光体61・第2発光蛍光体62を透光性樹脂中に混合分散配置しても良い。発光蛍光体に関しては後で詳述する。
【0015】
また、第1の実施の形態に係る半導体発光装置20において、フレーム部材100は、図1に示すように、チップ基板1上に配置された第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、第1端子電極2a上に配置された半導体発光素子3と、半導体発光素子3と第2端子電極2kを接続するボンディングワイヤ4とをさらに備えていても良い。
【0016】
ここで、チップ基板1は、例えばエポキシ系などの樹脂から形成されている。また、反射ケース5は、蛍光体層6に接する面には、半導体発光素子3からの光を反射するための金属層などが形成されていても良い。反射ケース5の筐体の材質は、金属もしくは例えばシリコーン系、エポキシ系などの樹脂から形成されていても良い。
【0017】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法において、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入する工程は、図2に示すように、フレーム部材100の表面に凹型に配置された蛍光体層注入部8に対して、ディスペンサー7を用いて蛍光体層6を注入することによって実施される。
【0018】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法において、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入した様子を示す模式的断面構造は、図3に示すように表され、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入後、反射ケース5および蛍光体層6上にガラス板10を搭載した様子を示す模式的断面構造は、図4(a)に示すように表される。
【0019】
ここで、蛍光体層6の注入においては、蛍光体層6を構成する樹脂を多めに蛍光体層注入部8に注入し、その後の工程でフレーム部材100上にガラス板10を搭載して、蛍光体層6を構成する樹脂を押し出すことによって、蛍光体層注入部8への蛍光体層6の注入量のばらつきを改善し、蛍光体層6の注入量を均一化することができる。
【0020】
尚、ガラス板10は、蛍光体層6を構成する樹脂の状態を見易くするために用いている。ガラス板10の代わりに、耐熱性の透明樹脂板を適用してもよく、例えば、ポリカーボネートなどを使用しても良い。
【0021】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法において、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を2層(6R・6G)に分けて注入後、反射ケース5および蛍光体層6上にガラス板10を搭載した様子を示す模式的断面構造は、図4(b)に示すように表される。ここで、蛍光体層6Rは、例えば青色励起光を受光して、赤色光を発光する発光蛍光体を含む蛍光体層であり、蛍光体層6Gは、例えば青色励起光を受光して、緑色光を発光する発光蛍光体を含む蛍光体層である。
【0022】
第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光装置20の模式的断面構造は、図4(c)に示すように表される。
【0023】
蛍光体層6は、図4(c)に示すように、第1発光蛍光体61を含む第1蛍光体層6Rと、第2発光蛍光体62を含む第2蛍光体層6Gの積層構造を有するように形成されていても良い。
【0024】
第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光装置20は、図4(c)に示すように、フレーム部材100と、フレーム部材100の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部8と、蛍光体層注入部8に2層構造に注入された蛍光体層6Rおよび6Gとを備える。ここで、2層構造の蛍光体層6R・6Gは、蛍光体層注入部8に蛍光体層6R・6Gを注入後、フレーム部材100上にガラス板10を搭載し、蛍光体層6の熱硬化後、ガラス板10を取り外すことによって形成される。
【0025】
また、蛍光体層6は、蛍光体層注入部8に配置され、第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、半導体発光素子3と、ボンディングワイヤ4を封止している。
【0026】
(発光蛍光体)
また、第1の実施の形態においては、発光蛍光体は、複数種類存在していても良い。
【0027】
半導体発光素子3は、窒化物系半導体により形成された青色LEDで形成されていても良い。この場合、第1発光蛍光体61および第2発光蛍光体62は、共に黄色蛍光体で形成されていても良い。或いは、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61は赤色蛍光体、第2発光蛍光体62は、緑色蛍光体で形成されていても良い。
【0028】
ここで、青色LEDを励起光源とする黄色蛍光体としては、例えば、Ce添加YAG(Y3Al5O12:Ce)蛍光体、Eu添加α−サイアロン(CaSiAlON:Eu)、シリケート蛍光体((Sr,Ba,Ca,Mg)2SiO4:Eu)などを用いることができる。すなわち、青色発光LEDの青色光の一部を黄色蛍光体により黄色の発光に変換し、青+黄の発光により白色発光を得ることができる。
【0029】
また、青色LEDを励起光源とする緑色蛍光体としては、例えば、Eu添加β−サイアロン(Si6-zAlzOzN8-z:Eu)蛍光体、Ce添加CSSO(Ca3Sc2Si3O12:Ce)蛍光体などを用いることができる。
【0030】
また、青色LEDを励起光源とする赤色蛍光体としては、例えば、Eu添加CaAlSiN3(CaAlSiN3:Eu)蛍光体などを用いることができる。
【0031】
また、半導体発光素子3は、窒化物系半導体により形成された紫外光LEDで形成されていても良い。この場合、第1発光蛍光体61および第2発光蛍光体62は、共に黄色蛍光体で形成されていても良い。或いは、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61は青色蛍光体、第2発光蛍光体62は、黄色蛍光体で形成されていても良い。
【0032】
紫外光LEDを励起光源とする青色蛍光体としては、紫外光を受けて青色に発光するものであれば良く、例えば、ハロゲン酸塩蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ケイ酸塩蛍光体などが挙げられる。また、付活剤としては、例えば、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム、アンチモン等の元素を挙げることができる。この中でもユウロピウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。
【0033】
紫外光LEDを励起光源とする黄色蛍光体としては、青色発光を吸収して黄色に発光する蛍光体および紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体のいずれであっても良い。ここで、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61を青色蛍光体、第2発光蛍光体62を黄色蛍光体で形成する場合には、発光効率を一層高めるためには、紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体が望ましい。青色発光を吸収して黄色に発光する蛍光体としては、例えば、有機蛍光体では、アリルスルホアミド・メラミンホルムアルデヒド共縮合染色物やペリレン系蛍光体等を挙げることができ、無機蛍光体では、アルミン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩等を挙げることができる。このなかでも長時間使用可能な点から、ペリレン系蛍光体、YAG系蛍光体が特に好ましい。また、付活剤としては、例えば、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム、アンチモン等の元素を挙げることができる。この中でもセリウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。蛍光体と付活剤との組み合わせとしては、YAGとセリウムとの組み合わせが好ましい。
【0034】
また、紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体としては、例えば、(La,Ce)(P,Si)O4や、(Zn,Mg)Oなどの蛍光体を挙げることができる。また、付活剤としては、例えば、テルビウム、亜鉛などを挙げることができる。
【0035】
蛍光体層6中の第1発光蛍光体61・第2発光蛍光体62の含有量は、半導体発光素子3や蛍光体の種類などから適宜決定すればよいが、一般にその含有量は、各蛍光体とも蛍光体層6に対して1〜25wt%の範囲が望ましい。
【0036】
(製造方法)
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法において適用するフレーム部材100であって、チップ基板1上に、複数の蛍光体層注入部8を有する反射ケース5を配置した様子を説明する模式的鳥瞰構造は、図5に示すように表される。チップ基板1と反射ケース5からなるフレーム部材100上には、図5に示すように、複数の蛍光体層注入部8がマトリックス状に配置されている。フレーム部材100の横方向の寸法Xは、例えば、約170mm、縦方向の寸法Yは、例えば、約50mmであり、蛍光体層注入部8は、縦方向に、例えば8個、横方向に、例えば18個、それぞれ所定のピッチで配置されている。チップ基板1と反射ケース5との間には、リードフレーム11が配置されるが、図5では図示を省略している。
【0037】
第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置30の模式的平面パターン構成は、図6(a)に示すように表される。また、第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置30の模式的断面構造は、図6(b)示すように表され、別の模式的断面構造は、図6(c)に示すように表され、更に別の模式的断面構造は、図6(d)に示すように表される。
【0038】
図6(a)には、蛍光体層注入部38を囲むリードフレーム11が配置された様子が示されている。蛍光体層注入部38には、蛍光体層36が充填される。
【0039】
図6(a)の上下には、図示はされていないが、複数の他の半導体発光装置が配置されている。リードフレーム11は、図6(a)に示すように、端子電極2aおよび2kに接続されており、LEDチップの完成後において、リードフレーム切り離し部C1〜C4において、切り離される。切り離し後、リードフレーム11を折り曲げて、図6(c)または図6(d)のようになされていても良い。リードフレーム11を用いた半導体発光装置30においても第1の実施の形態と同様の製造方法を適用することができる。
【0040】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法は、フレーム部材100を形成する工程と、フレーム部材100の表面に凹型に複数の蛍光体層注入部8を形成する工程と、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入する工程と、フレーム部材100上にガラス板10を搭載する工程と、ガラス板10を搭載したフレーム部材100を加熱処理して、蛍光体層6を熱硬化する工程と、ガラス板10をフレーム部材100から取り外す工程とを有する。
【0041】
蛍光体層注入部8に蛍光体層6aを注入したフレーム部材100に対してガラス板10を搭載する工程は、図7に示すように表される。図7から明らかなように、蛍光体層注入部8には、蛍光体層6aが多めに注入されており、この多めに注入された蛍光体層6aおよびフレーム部材100上に、矢印で示すように、ガラス板10が搭載される。
【0042】
ガラス板10をフレーム部材100上に搭載した状態は、図8(a)および図8(b)に示すように表される。図8(b)においては、蛍光体層6bは、第1蛍光体層6Rと第2蛍光体層6Gの積層構造によって形成されている。
【0043】
ここで、蛍光体層6aの注入においては、蛍光体層6aを構成する樹脂を多めに蛍光体層注入部8に注入し、その後の工程でフレーム部材100上にガラス板10を搭載して、蛍光体層6bを構成する樹脂を押し出すことによって、蛍光体層注入部8への蛍光体層6bの注入量のばらつきを改善し、蛍光体層6bの注入量を均一化することができる。
【0044】
蛍光体層6cの熱硬化工程後、ガラス板10をフレーム部材100から取り外した様子は、図9に示すように表される。蛍光体層6cは、蛍光体層注入部8内で熱硬化され、矢印で示すように、ガラス板10が取り外される。
【0045】
蛍光体層6の主成分であるシリコーン系、エポキシ系の透光性樹脂の例では、典型的な熱硬化温度は、例えば、約180℃程度である。また、典型的な発光蛍光体の直径は、例えば、約0.4μm程度である。
【0046】
第1の実施の形態の変形例2〜5に係る半導体発光装置の製造方法において、ガラス板10をフレーム部材100上に搭載した状態を説明する模式的断面構造は、図10〜図13に示すように表される。図10〜図13は、熱硬化工程前において、ガラス板10をフレーム部材100上に搭載した状態に対応しており、第1の実施の形態の図8(a)に対応する。
【0047】
すなわち、ガラス板10は、図10〜図13に示すように、蛍光体層注入部8に対応する位置に凸部を備え、蛍光体層6bは、凸部に対応した凹部を備えていても良い。熱硬化工程後においては、蛍光体層6bは、熱硬化されて、図9と同様に、蛍光体層6cに変質すると共に、蛍光体層6cは、凸部に対応した凹部を備える。
【0048】
凸部の形状は、図10〜図13に示すように、台形、半円形、矩形、若しくは三角形のいずれかであっても良い。
【0049】
第1の実施の形態の変形例3〜6に係る半導体発光装置の製造方法においては、ガラス板10の蛍光体層注入部8に対応する位置に凸部を備えることによって、蛍光体層6の注入量のばらつきを改善し、蛍光体層6の注入量を均一化する上で効果が得られる。
【0050】
第1の実施の形態および変形例1〜6に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層6bの熱硬化用装置40の模式的鳥瞰構造は、図14に示すように表される。熱硬化用装置40は、図14に示すように、フレーム部材投入部42を複数層備えていても良い。典型的な層数は、例えば、約20である。
【0051】
第1の実施の形態および変形例1〜6に係る半導体発光装置の製造方法において、複数の蛍光体層注入部8に蛍光体層6bを注入した後、ガラス板10を搭載したフレーム部材100を蛍光体層6bの熱硬化用装置40に投入する様子を説明する模式的鳥瞰構造は、図15に示すように表される。
【0052】
第1の実施の形態および変形例1〜6に係る半導体発光装置の製造方法においては、フレーム部材投入部42を複数層備える熱硬化用装置40を適用することによって、ガラス板10を搭載したフレーム部材100を複数枚積層化配置して、同時に熱硬化することができる。
【0053】
第1の実施の形態および変形例1〜6によれば、スキージなどは使用する必要がなく、ガラス板を使用する簡便な半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0054】
また、第1の実施の形態および変形例1〜5に係る半導体発光装置の製造方法によれば、スキージなどは使用する必要がなく、ガラス板をフレーム部材上に単純に搭載する工程を有するため、スキージの高さの管理などが不要となり、製造上の工程が容易である。
【0055】
また、第1の実施の形態および変形例1〜6によれば、繰り返しガラス板を使用することができるため、安価で簡便な半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0056】
また、第1の実施の形態および変形例1〜6によれば、ガラス板を搭載した状態で蛍光体層の熱硬化工程を実施可能であることから、蛍光体層中への異物の侵入を抑制することができ、製造歩留まりの向上した半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0057】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る半導体発光装置20は、チップ基板1aがセラミックスから構成されたセラミックスフレーム部材200を備える。すなわち、図1において、フレーム部材100は、セラミックスフレーム部材200となる。
【0058】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置20は、図1と同様に、セラミックスフレーム部材200と、セラミックスフレーム部材200の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部8と、蛍光体層注入部8に注入された蛍光体層6とを備える。ここで、蛍光体層6は、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入後、セラミックスフレーム部材200上にガラス板10を搭載し、蛍光体層6の熱硬化後、ガラス板10を取り外すことによって形成される。
【0059】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置20において、セラミックスフレーム部材200は、セラミックス製のチップ基板1aと、チップ基板1a上に配置され、蛍光体層注入部8を形成する反射ケース5とを備えていても良い。
【0060】
また、第2の実施の形態に係る半導体発光装置20において、セラミックスフレーム部材200は、セラミックス製のチップ基板1a上に配置された第1端子電極2aおよび第2端子電極2kと、第1端子電極2a上に配置された半導体発光素子3と、半導体発光素子3と第2端子電極2kを接続するボンディングワイヤ4とをさらに備えていても良い。
【0061】
ここで、反射ケース5は、蛍光体層6に接する面には、半導体発光素子3からの光を反射するための金属層などが形成されていても良い。反射ケース5の筐体の材質は、金属もしくは、セラミックス、或いは、例えばエポキシ系などの樹脂から形成されていても良い。
【0062】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置20においても、図4(b)或いは図4(c)と同様に、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を2層(6R・6G)に分けて注入した構造を備えていても良い。ここで、蛍光体層6Rは、例えば青色励起光を受光して、赤色光を発光する発光蛍光体を含む蛍光体層であり、蛍光体層6Gは、例えば青色励起光を受光して、緑色光を発光する発光蛍光体を含む蛍光体層である。
【0063】
尚、蛍光体層6は、第1発光蛍光体61および第2発光蛍光体62を透光性樹脂中に混合分散して形成しても良い点は、第1の実施の形態と同様である。
【0064】
また、蛍光体層6は、図4(c)と同様に、第1発光蛍光体61を含む第1蛍光体層6Rと、第2発光蛍光体62を含む第2蛍光体層6Gの積層構造を有するように形成されていても良い点は、第1の実施の形態と同様である。
【0065】
また、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の発光蛍光体の組み合わせを適用可能である。
【0066】
(製造方法)
第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において適用するセラミックスフレーム部材200の模式的鳥瞰構造は、図16(a)に示すように表され、別のセラミックスフレーム部材200の模式的鳥瞰構造は、図16(b)に示すように表される。
【0067】
図16から明らかなように、セラミックス製のチップ基板1aと反射ケース5からなるセラミックスフレーム部材200上には、複数の蛍光体層注入部8がマトリックス状に配置されている。蛍光体層注入部8は、縦方向に、例えば8個、横方向に、例えば18個配置されている。このように積層されたセラミックス製のチップ基板1aと反射ケース5との間には、端子電極2a・2kを取り出すためのパターン電極が配置されているが、図16では図示を省略している。
【0068】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置20の製造方法は、セラミックスフレーム部材200を形成する工程と、セラミックスフレーム部材200の表面に凹型に複数の蛍光体層注入部8を形成する工程と、蛍光体層注入部8に蛍光体層6を注入する工程と、セラミックスフレーム部材200上にガラス板10を搭載する工程と、ガラス板10を搭載したセラミックスフレーム部材200を加熱処理して、蛍光体層6を熱硬化する工程と、ガラス板10をセラミックスフレーム部材200から取り外す工程とを有する。
【0069】
蛍光体層注入部8に蛍光体層6aを注入したセラミックスフレーム部材200の模式的断面構造は、図17に示すように表される。蛍光体層注入部8には、蛍光体層6aが多めに注入されている。尚、以下の図面においては、セラミックスフレーム部材200のみを表示し、チップ基板1aと反射ケース5は図示を省略している。
【0070】
ガラス板10をセラミックスフレーム部材200上に搭載した状態を示す模式的断面構造は、図18に示すように表される。
【0071】
ここで、蛍光体層6aの注入においては、蛍光体層6aを構成する樹脂を多めに蛍光体層注入部8に注入し、その後の工程でフレーム部材100上にガラス板10を搭載して、蛍光体層6bを構成する樹脂を押し出すことによって、蛍光体層注入部8への蛍光体層6bの注入量のばらつきを改善し、蛍光体層6bの注入量を均一化することができる。
【0072】
蛍光体層6bの熱硬化工程後、ガラス板10をセラミックスフレーム部材200から取り外した状態を説明する模式的断面構造は、図19に示すように表される。蛍光体層6cは、蛍光体層注入部8内で熱硬化された後、ガラス板10が取り外される。
【0073】
尚、ガラス板10は、図10〜図13と同様に、蛍光体層注入部8に対応する位置に凸部を備え、蛍光体層6bは、凸部に対応した凹部を備えていても良い。この場合、熱硬化工程において、蛍光体層6bは熱硬化され、蛍光体層6cに変質すると共に、蛍光体層6cは、凸部に対応した凹部を備える。
【0074】
凸部の形状は、図10〜図13と同様に、台形、半円形、矩形、若しくは三角形のいずれかであっても良い。
【0075】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法においても、蛍光体層6bの熱硬化用装置40の模式的鳥瞰構造は、図14と同様に、フレーム部材投入部42を複数層備えた構成を有していても良い。
【0076】
複数の蛍光体層注入部8に蛍光体層6bを注入した後、ガラス板10を搭載したセラミックスフレーム部材200を蛍光体層6bの熱硬化用装置40に投入する様子は、図15と同様に表される。フレーム部材投入部42を複数層備える熱硬化用装置40を適用することによって、ガラス板10を搭載したセラミックスフレーム部材200を複数枚積層化配置して、同時に熱硬化することができる。
【0077】
第2の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法において、セラミックスフレーム部材200は、図16(a)に示すように、複数配置された蛍光体層注入部8に隣接して、第1の方向に延伸する第1の溝部22aを備えていても良い。
【0078】
また、セラミックスフレーム部材200は、図16(b)に示すように、複数配置された蛍光体層注入部に隣接して、第1の方向に直交する第2の方向に延伸する第2の溝部22bを備えていても良い。
【0079】
溝部22a・22bの役割は、ガラス板10をセラミックスフレーム部材200上に配置する工程において、蛍光体層注入部8から溢れた蛍光体層6bの主成分である透光性樹脂を有効にリークさせるためのパスを形成することにある。
【0080】
溝部22a・22bの断面形状は、U字、V字、若しくは矩形であっても良い。
【0081】
(変形例)
第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において適用するセラミックスフレーム部材200の模式的鳥瞰構造は、図20に示すように表される。
【0082】
第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、蛍光体層注入部8に蛍光体層6aを注入したセラミックスフレーム部材200の模式的断面構造は、図21に示すように表される。
【0083】
ガラス板10をセラミックスフレーム部材200上に搭載した状態を説明する模式的断面構造は、図22に示すように表される。ここで、セラミックスフレーム部材200に対向するガラス板10は、図22に示すように、複数配置された蛍光体層注入部8に隣接して、第1の方向に延伸する第3の溝部24を備える。
【0084】
また、セラミックスフレーム部材200に対向するガラス板10は、複数配置された蛍光体層注入部8に隣接して、第1の方向に直交する第2の方向に延伸する第4の溝部(図示省略)を備えていても良い。
【0085】
第3の溝部24は、図22に示すように、紙面に垂直に延伸する第1の方向に形成されており、第4の溝部は、第1の方向に直交する紙面に平行な方向に形成されている。
【0086】
溝部24の役割は、前述の溝部22aと同様に、ガラス板10をセラミックスフレーム部材200上に配置する工程において、蛍光体層注入部8から溢れた蛍光体層6の主成分である透光性樹脂を有効にリークさせるためのパスを形成することにある。
【0087】
溝部24の断面形状は、U字、V字、若しくは矩形であっても良い。
【0088】
蛍光体層6cの熱硬化工程後、ガラス板10をセラミックスフレーム部材200から取り外した状態を説明する模式的断面構造は、図23に示すように表される。
【0089】
第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置の製造方法において、セラミックスフレーム部材200を片方の面から矢印Aに示す部分で紙面に垂直な方向にスクライブする様子を説明する模式的断面構造は、図24(a)に示すように表され、セラミックスフレーム部材200を表裏両方の面から矢印A・Bに示す部分で紙面に垂直な方向にスクライブする様子を説明する模式的断面構造は、図24(b)に示すように表される。セラミックスフレーム部材200をスクライブする場合には、セラミックスの硬度が高いことから、セラミックスフレーム部材200を表裏両方の面から矢印A・Bに示す部分で紙面に垂直な方向にスクライブすることが望ましい。
【0090】
第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法においても、図24(a)および図24(b)と同様に、スクライブ工程を適用可能である。第1の実施の形態に係る半導体発光装置の製造方法においては、フレーム部材100は、樹脂基板を使用していることから、フレーム部材を片方の面からスクライブする工程を採用可能である。
【0091】
また、第2の実施の形態およびその変形例に係る半導体発光装置の製造方法において採用した溝部22a・22b・24などの構成は、第1の実施の形態およびその変形例1〜5に係る半導体発光装置の製造方法においても同様に適用可能である。
【0092】
第2の実施の形態およびその変形例によれば、スキージなどは使用する必要がなく、ガラス板を使用する簡便な半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0093】
また、第2の実施の形態およびその変形例に係る半導体発光装置の製造方法によれば、スキージなどは使用する必要がなく、ガラス板をセラミックスフレーム部材上に単純に搭載する工程を有するため、スキージの高さの管理などが不要となり、製造上の工程が容易である。
【0094】
また、第2の実施の形態およびその変形例によれば、繰り返しガラス板を使用することができるため、安価で簡便な半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0095】
また、第2の実施の形態およびその変形例によれば、ガラス板を搭載した状態で蛍光体層の熱硬化工程を実施可能であることから、蛍光体層中への異物の侵入を抑制することができ、製造歩留まりの向上した半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0096】
本実施の形態によれば、蛍光体層の注入量のばらつきを改善し、蛍光体層の注入量を均一化した半導体発光装置およびその製造方法を提供することができる。
【0097】
(その他の実施の形態)
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0098】
また、半導体発光素子3のLEDの構成として、例えば、1パッケージ中に「青色LED+緑色LED+赤色LED」を収容して白色LEDを構成することもできる。このようなマルチチップの例として、「赤外LED+青色LED」のマルチチップで、青色光励起によって黄色光を発光する蛍光体を組み合わせることもできる。黄色蛍光体は、赤外光による影響を受けないため、小型1パッケージで構成可能であり、占有スペースを小さくすることができ、小さなスペースに実装可能である。
【0099】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の半導体発光装置は、一般照明、道路照明、タスク照明、アクセント照明、階段灯、フラッシュライト、誘導灯、交通信号灯、自動車電装用、自動車前照灯、大型液晶バックライトなどLED照明装置全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1、1a…チップ基板
2a、2k…端子電極
3…半導体発光素子
4…ボンディングワイヤ
5…反射ケース
6、6a、6b、6c、6G、6R、36…蛍光体層
7…ディスペンサー
8、38…蛍光体層注入部
10…ガラス基板
11…リードフレーム
20…半導体発光装置
22a、22b、24…溝部
40…熱硬化用装置
42…基板部材投入部
61…第1発光蛍光体
62…第2発光蛍光体
100…フレーム部材
200…セラミックスフレーム部材
C1、C2、C3、C4…リードフレーム切り離し部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム部材と、
前記フレーム部材の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部と、
前記蛍光体層注入部に注入された蛍光体層と
を備え、前記蛍光体層は、前記蛍光体層注入部に前記蛍光体層を注入後、前記フレーム部材上にガラス板を搭載し、前記蛍光体層の熱硬化後、前記ガラス板を取り外すことによって形成されることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記蛍光体層は、発光蛍光体を透光性樹脂中に混合分散したことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記蛍光体層は、第1発光蛍光体を含む第1蛍光体層と、第2発光蛍光体を含む第2蛍光体層の積層構造を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記フレーム部材は、
チップ基板と、
前記チップ基板上に配置され、前記蛍光体層注入部を形成する反射ケースと
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記フレーム部材は、
前記チップ基板上に配置された第1端子電極および第2端子電極と、
前記第1端子電極上に配置された半導体発光素子と、
前記半導体発光素子と第2端子電極を接続するボンディングワイヤと
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記チップ基板は、樹脂からなることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記チップ基板は、セラミックスからなることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記ガラス板は、前記蛍光体層注入部に対応する位置に凸部を備え、前記蛍光体層は、前記凸部に対応した凹部を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記凸部は、台形、半円形、矩形、若しくは三角形のいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記ガラス板を搭載した前記フレーム部材を複数枚積層化配置して、同時に熱硬化することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項11】
前記フレーム部材は、複数配置された前記蛍光体層注入部に隣接して、第1の方向に延伸する第1の溝部を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項12】
前記フレーム部材は、複数配置された前記蛍光体層注入部に隣接して、前記第1の方向に直交する第2の方向に延伸する第2の溝部を備えることを特徴とする請求項11に記載の半導体発光装置。
【請求項13】
前記フレーム部材に対向する前記ガラス板は、複数配置された前記蛍光体層注入部に隣接して、第1の方向に延伸する第3の溝部を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項14】
前記フレーム部材に対向する前記ガラス板は、複数配置された前記蛍光体層注入部に隣接して、前記第1の方向に直交する第2の方向に延伸する第4の溝部を備えることを特徴とする請求項13に記載の半導体発光装置。
【請求項15】
前記溝部の断面形状は、U字、V字、若しくは矩形であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項16】
前記発光蛍光体は、複数種類であることを特徴とする請求項2に記載の半導体発光装置。
【請求項17】
前記蛍光体層は、前記蛍光体層注入部に配置され、前記第1端子電極および前記第2端子電極と、前記半導体発光素子と、前記ボンディングワイヤを封止することを特徴とする請求項5に記載の半導体発光装置。
【請求項18】
前記半導体発光素子は、窒化物系半導体により形成されたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項19】
フレーム部材を形成する工程と、
前記フレーム部材の表面に凹型に複数の蛍光体層注入部を形成する工程と、
前記蛍光体層注入部に蛍光体層を注入する工程と、
前記フレーム部材上にガラス板を搭載する工程と、
前記ガラス板を搭載した前記フレーム部材を加熱処理して、前記蛍光体層を熱硬化する工程と、
前記ガラス板を前記フレーム部材から取り外す工程と
を有することを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
【請求項20】
前記蛍光体層を熱硬化する工程は、前記ガラス板を搭載した前記フレーム部材を複数枚積層化して、同時に熱硬化することを特徴とする請求項19に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項1】
フレーム部材と、
前記フレーム部材の表面に凹型に複数配置された蛍光体層注入部と、
前記蛍光体層注入部に注入された蛍光体層と
を備え、前記蛍光体層は、前記蛍光体層注入部に前記蛍光体層を注入後、前記フレーム部材上にガラス板を搭載し、前記蛍光体層の熱硬化後、前記ガラス板を取り外すことによって形成されることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記蛍光体層は、発光蛍光体を透光性樹脂中に混合分散したことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記蛍光体層は、第1発光蛍光体を含む第1蛍光体層と、第2発光蛍光体を含む第2蛍光体層の積層構造を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記フレーム部材は、
チップ基板と、
前記チップ基板上に配置され、前記蛍光体層注入部を形成する反射ケースと
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記フレーム部材は、
前記チップ基板上に配置された第1端子電極および第2端子電極と、
前記第1端子電極上に配置された半導体発光素子と、
前記半導体発光素子と第2端子電極を接続するボンディングワイヤと
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記チップ基板は、樹脂からなることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記チップ基板は、セラミックスからなることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記ガラス板は、前記蛍光体層注入部に対応する位置に凸部を備え、前記蛍光体層は、前記凸部に対応した凹部を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記凸部は、台形、半円形、矩形、若しくは三角形のいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記ガラス板を搭載した前記フレーム部材を複数枚積層化配置して、同時に熱硬化することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項11】
前記フレーム部材は、複数配置された前記蛍光体層注入部に隣接して、第1の方向に延伸する第1の溝部を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項12】
前記フレーム部材は、複数配置された前記蛍光体層注入部に隣接して、前記第1の方向に直交する第2の方向に延伸する第2の溝部を備えることを特徴とする請求項11に記載の半導体発光装置。
【請求項13】
前記フレーム部材に対向する前記ガラス板は、複数配置された前記蛍光体層注入部に隣接して、第1の方向に延伸する第3の溝部を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項14】
前記フレーム部材に対向する前記ガラス板は、複数配置された前記蛍光体層注入部に隣接して、前記第1の方向に直交する第2の方向に延伸する第4の溝部を備えることを特徴とする請求項13に記載の半導体発光装置。
【請求項15】
前記溝部の断面形状は、U字、V字、若しくは矩形であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項16】
前記発光蛍光体は、複数種類であることを特徴とする請求項2に記載の半導体発光装置。
【請求項17】
前記蛍光体層は、前記蛍光体層注入部に配置され、前記第1端子電極および前記第2端子電極と、前記半導体発光素子と、前記ボンディングワイヤを封止することを特徴とする請求項5に記載の半導体発光装置。
【請求項18】
前記半導体発光素子は、窒化物系半導体により形成されたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項19】
フレーム部材を形成する工程と、
前記フレーム部材の表面に凹型に複数の蛍光体層注入部を形成する工程と、
前記蛍光体層注入部に蛍光体層を注入する工程と、
前記フレーム部材上にガラス板を搭載する工程と、
前記ガラス板を搭載した前記フレーム部材を加熱処理して、前記蛍光体層を熱硬化する工程と、
前記ガラス板を前記フレーム部材から取り外す工程と
を有することを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
【請求項20】
前記蛍光体層を熱硬化する工程は、前記ガラス板を搭載した前記フレーム部材を複数枚積層化して、同時に熱硬化することを特徴とする請求項19に記載の半導体発光装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−51321(P2013−51321A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188758(P2011−188758)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
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