説明

半導体発光装置及びそれを備えた電子機器並びにその製造方法

【課題】マザー基板に直接的にLEDダイを実装しようとするときに絶縁膜のピンホールが課題となる。そこでこのピンホールに係わる不具合が発生しにくい半導体発光装置を提供する。
【解決手段】このLED装置10はフリップチップ実装用のLEDダイ20を蛍光体キャップ11で被覆したものである。LEDダイ20は、マザー基板43に直接的にフリップチップ実装するため、絶縁膜14上に大きなサイズの突起電極12,13を備えている。蛍光体キャップ11は、透光性の樹脂等に蛍光体を混練したものであり、LEDダイ20の上面及び底面、並びに底部に形成した折り返し部でLEDダイ20のp型及びn型半導体層17,16の角部を覆い、ピンホールが発生しやすい部位を保護する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体層で被覆された半導体発光素子を含む半導体発光装置、及びその半導体発光装置をマザー基板に実装した電子機器、並びにその電子機器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハーから切り出した半導体発光素子(以下特に断らない限りLEDダイと呼ぶ)は、回路基板やリードフレームに実装しパッケージ化することが多い(以下LEDダイをパッケージ化したものをLED装置と呼ぶ)。パッケージ化の一例として特許文献1の図1には、無機材質基板2(回路基板)にLED1(LEDダイ)をフリップチップ実装し、LED1の上面と側面を波長変換層3(蛍光体層)で被覆したのち、ガラス蓋5でLED1を封止した発光装置10(LED装置)が示されている。このとき波長変換層3は、段落0028に記載されているように、シリコーン樹脂により作成された蛍光体キャップであり、この蛍光体キャップをLED1に被せたものである。
【0003】
LEDダイが小さい場合、特許文献1に示された発光装置10(LED装置)のように、マザー基板とLEDダイとの電極間ピッチを調整するため、インターポーザとして回路基板やリードフレームが使われる。これに対しLEDダイが大きくなると、LEDダイの底面にマザー基板の電極間ピッチと一致する接続用電極を形成できるようになる。例えば特許文献2の図5に示されている蛍光型LED20(LED装置)は、LEDダイの底部に形成した外部接続用電極7,8が直接的にマザー基板の電極に接続する。このLEDダイは、透明絶縁基板1の下面にn型及びp型の窒化物半導体層2,3及び絶縁層6を備え、p側電極5及び接続電極12を介してp型窒化物半導体層3と外部接続電極8とが接続し、同様にn側電極4及び接続電極11を介してn型窒化物半導体層2と外部接続電極7とが接続している。なおLEDダイを被覆する蛍光樹脂21は、蛍光粒子を含有する樹脂キャップ(蛍光体キャップ)であり、LEDダイに被せて固定されている。
【0004】
マザー基板と直接的に接続できるLED装置としては、ふつうLEDダイに含まれる半導体層が絶縁膜で被覆されているので、この絶縁膜上にマザー基板と直接的に接続できる電極を形成すると良い。この絶縁膜は電気的に接続するための領域が開口しているので、この開口部を塞ぐようにしながら電極のピッチを調整する。またLEDダイを被覆している蛍光体キャップは、LEDダイの周囲に均一な蛍光体層を簡単に形成できる。この蛍光体キャップは、製造を容易するのに加え、蛍光体を節約できたり、方位角による発光色のムラを低減できたりする。以上のように、マザー基板と直接的に接続できる電極と蛍光体キャップとを組合せれば構造が簡単で製造が容易なLED装置が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−177375号公報 (図1、段落0028)
【特許文献2】特開2011−9572号公報 (図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながらこのようなLED装置は、回路基板がないため、回路基板が担っていたインターポーザ以外の機能のいくつかを絶縁膜と接続電極で肩代わりしなければならなくなる。例えばLEDダイの底面から侵入しようとする汚染物質や応力の防止などである。この対策として絶縁膜を強化することも考えられるが、絶縁膜は半導体層の角部など段差がある部分でピンホールが発生しやすい。この結果、例えば金属のマイグレーションにより
ピンホールを介してp型半導体層とn型半導体層がショートたりする。
【0007】
そこで本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、蛍光体キャップを被せた半導体発光素子が絶縁膜上にマザー基板と直接的に接続する電極を備えていても、絶縁膜のピンホールに係わる不具合が抑圧され信頼性が向上する半導体発光装置、及びこの半導体発光装置をマザー基板に実装した電子機器、並びにこの半導体発光装置をマザー基板に実装するための製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明の半導体発光装置は、透明絶縁基板と、該透明絶縁基板の底面に形成された半導体層と、該半導体層を覆い開口部を有する絶縁膜と、該絶縁膜の開口部で前記半導体層と接続する突起電極とを備えた半導体発光素子を含む半導体発光装置において、
蛍光体を含有した蛍光体キャップが前記半導体発光素子の上面と側面を覆い、
さらに前記蛍光体キャップが内側に折り返した折り返し部により前記半導体層の一部を覆うことを特徴とする。
【0009】
この半導体発光装置はフリップチップ実装用の半導体発光素子を蛍光体キャップで被覆したものである。半導体発光素子は、フリップチップ実装のため、透明絶縁基板と、この透明絶縁基板の底面に形成された半導体層と、この半導体層を覆い開口部を有する絶縁膜と、この絶縁膜の開口部で半導体層と接続する突起電極とを備えている。蛍光体キャップは、透光性の樹脂等に蛍光体を混練したものからなり、半導体発光素子の上面及び底面を被覆し白色化等の波長変換を行う。さらに蛍光体キャップは、底部に形成された折り返し部が半導体発光素子の底面に回りこみ、絶縁膜の上から半導体層の角部を覆う。このようにしてピンホールが発生しやすい半導体層の角部を蛍光体キャップが保護するため、マザー基板に本発明の半導体発光装置を実装してもピンホールに係わる不具合を軽減できる。
【0010】
上記目的を達成するため本発明の電子機器は、
半導体発光装置とマザー基板を備え、
前記半導体発光装置が、
透明絶縁基板と、前記透明絶縁基板の底面に形成された半導体層と、該半導体層を覆い開口部を有する絶縁膜と、該絶縁膜の開口部で前記半導体層と接続する突起電極とを備えた半導体発光素子、
並びに蛍光体を含有し、該半導体発光素子の上面及び側面を被覆し、さらに底部で折り返すように形成した折り返し部により前記半導体層の一部を被覆する蛍光体キャップからなり、
前記マザー基板に前記半導体発光装置を実装していることを特徴とする。
【0011】
この電子機器は、半導体発光装置をマザー基板にフリップチップ実装している。この半導体発光装置は、半導体発光素子と、この半導体発光素子を被覆する蛍光体キャップからなる。半導体発光素子は、フリップチップ実装のため、透明絶縁基板と、この透明絶縁基板の底面に形成された半導体層と、この半導体層を覆い開口部を有する絶縁膜と、この絶縁膜の開口部で半導体層と接続する突起電極とを備えている。蛍光体キャップは蛍光体を混練した透光性樹脂等からなり、半導体発光素子の上面及び底面並びに半導体層の一部を覆う。このとき蛍光体キャップがピンホールの発生しやすい半導体層の角部を保護するので、マザー基板にこの半導体発光装置を実装した本発明の電子機器はピンホールに係わる不具合が軽減する。
【0012】
上記目的を達成するため本発明の製造方法は、
透明絶縁基板、該透明絶縁基板の底面に形成された半導体層、該半導体層を覆い開口部を有する絶縁膜、及び該絶縁膜の開口部で前記半導体層と接続する突起電極を備えた半導体発光素子、並びにマザー基板を準備する素子準備工程と、
前記半導体発光素子を前記マザー基板に実装する実装工程と、
蛍光体を含有し、前記半導体発光素子の半導体層の一部を覆うための折り返し部を備えた蛍光体キャップを準備する蛍光体キャップ準備工程と、
前記マザー基板に実装された前記半導体発光素子に前記蛍光体キャップを被せる被覆工程と
を備えることを特徴とする。
【0013】
この製造方法では、まずフリップチップ実装用の半導体発光素子とマザー基板を準備する。半導体発光素子は、フリップチップ実装のため、透明絶縁基板と、この透明絶縁基板の底面に形成された半導体層と、この半導体層を覆い開口部を有する絶縁膜と、この絶縁膜の開口部で半導体層と接続する突起電極とを備えている。次に半導体発光素子をマザー基板にフリップチップ実装する。続いて蛍光体を混練した透光性の樹脂等からなる蛍光体キャップを準備する。最後にこの蛍光体キャップで半導体発光素子を被覆する。蛍光体キャップは底部に折り返し部があるため、半導体発光素子の上面及び底面とともに半導体層の一部も覆う。このときピンホールが発生しやすい半導体層の角部を蛍光体キャップが保護するので、この製造方法によりマザー基板に本発明の半導体発光装置を実装した電子機器はピンホールに係わる不具合が軽減する。
【0014】
前記実装工程の後に前記半導体発光素子の発光特性を測定しても良い。
【0015】
前記蛍光体キャップ準備工程において、蛍光体の含有量が異なる複数種類の前記蛍光体キャップを準備し、前記半導体発光素子の特性にもとづいて目標とする色度に適合する蛍光体キャップを選択しても良い。
【発明の効果】
【0016】
以上のように本発明の半導体発光装置及びその半導体発光装置を備えた電子機器並びにその製造方法は、蛍光体キャップを被せた半導体発光素子が絶縁膜上にマザー基板と直接的に接続する電極を備えていても、絶縁膜のピンホールに係わる不具合が発生しにくくなり信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態におけるLED装置の外形図。
【図2】図1のLED装置の断面図。
【図3】図1のLED装置に含まれる蛍光体キャップの断面図。
【図4】図1のLED装置をマザー基板に実装した電子機器の断面図。
【図5】図1のLED装置を実装した電子機器の製造方法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図1〜5を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また説明のため部材の縮尺は適宜変更している。さらに特許請求の範囲に記載した発明特定事項との関係をカッコ内に記載している。
【0019】
図1により本発明のLED装置10(半導体発光装置)の外観を説明する。図1はLED装置10の外観を示す外形図であり、(a)が上面図、(b)が正面図、(c)が底面図である。LED装置10を上面から眺めると蛍光体キャップ11のみが見える(a)。LED装置10を正面から眺めると、蛍光体キャップ11の下部から突出した突起電極1
2,13が見える(b)。LED装置10を下から眺めると、蛍光体キャップ11の内側の領域に絶縁膜14が見え、さらにその内側に突起電極12,13が見える(c)。なお(c)では参考のためLEDダイ20(図2参照)の外形を示すためサファイア基板15(透明絶縁基板、図2参照)の外形を点線で示している。
【0020】
図2によりLED装置10の内部構造を説明する。図2は図1(a)のAA線に沿って描いたLED装置10の断面図である。LED装置10は、LEDダイ20(半導体発光素子)と蛍光体キャップ11からなる。LEDダイ20は、サファイア基板15(透明絶縁基板)と、サファイア基板15の底面に形成されたn型半導体層16と、n型半導体層16の下に形成されたp型半導体層17と、p型及びn型半導体層17,16を覆い開口部14a、14bを有する絶縁膜14と、絶縁膜14の開口部14a、14bにおいてそれぞれp型及びn型半導体層17,16と接続する突起電極12,13とを備えている。
【0021】
透明絶縁基板を有する一般的なLEDダイと同様に、LEDダイ20もp型半導体層17から露出しているn型半導体層16の領域は発光しないので小さな平面積しか割り当てられていない。このためn型半導体層16と接続する突起電極13は絶縁膜14を介してp型半導体層17と積層することにより平面サイズを大きくしている。蛍光体キャップ11は、蛍光体を含有したシリコーン樹脂からなり、LEDダイ20の上面と側面を覆い、底部で内側に折り返すように形成した折り返し部11a(図3参照)によりp型及びn型半導体層17,16の一部を覆っている。
【0022】
サファイア基板15は透明絶縁基板であり厚さが80〜120μmである。n型半導体層16はGaNバッファ層とn型GaN層からなり厚さが5μm程度である。p型半導体層17は、反射や原子拡散防止などさまざまな機能に対応する金属多層膜とp型GaN層からなり厚みが1μm程度である。図示していないが発光層はp型半導体層17とn型半導体層16の境界部にあり、平面形状はp型半導体層17とほぼ等しい。絶縁膜14はSiO2やポリイミドからなり厚さが数100nm〜1μm程度である。突起電極12,13はAu又はCuをコアとするバンプであり、電解メッキ法で形成し厚さが100μm程度である。
【0023】
次に図3により蛍光体キャップ11を説明する。図3は図1のAA線に沿って描いた蛍光体キャップ11の断面図である。蛍光体キャップ11はシリコーン樹脂に蛍光体を混練したものからなる。シリコーン樹脂はミラブルであり柔軟性を有する。ここでミラブルとはゴム状に架橋したシリコーンを硫黄でさらに架橋したものであるが、硬質のシリコーンに比べ架橋が少なくなっている。蛍光体キャップ11の上面と側面は厚さが100〜200μmである。これに対し底部で内側に折り返すように形成した折り返し部11aは、厚さが50μm程度、突き出し量も50μm程度である。
【0024】
LEDダイ20(図2参照)に蛍光体キャップ11を被せると、折り返し部11aがLEDダイ20の下面に潜り込む。LEDダイ20の端部からp型半導体層17の角部までは30μm程度なので,折り返し部11aはp型半導体層17の角部を覆うことができる。なお角部とはn型半導体層16とp型半導体層17で形成される段差部のことである。また折り返し部11aがLEDダイ20の下面に潜り込みやすくするため、折り返し部11aの角部を面取りしたり、折り返し部11aの上面を斜面としたりしても良い。蛍光体キャップ11とLEDダイ20は接着剤で固定する。この接着剤はサファイア基板15(図2参照)と蛍光体キャップ11の間の屈折率を滑らかに変化させ、発光効率を低下させないという機能も担っている。また折り返し部11aはLEDダイ20のn型半導体層16の周辺部から漏れ出そうとする光を低減又は波長変換する機能も担っている。さらに蛍光体キャップ11は、n型半導体層16(図2参照)の暴露している側面も覆うため、マ
ザー基板に実装する際、半田等がn型半導体層16の側面に接触することで発生する不具合も低減している。
【0025】
次に図4によりLED装置10を備えた電子機器40を説明する。図4はLED装置10をマザー基板43に実装した電子機器40の断面図である。マザー基板43には電極42が形成されている。マザー基板43には抵抗やコンデンサ、他のLED装置など図示していない電子部品が同時に実装されていることが多い。電極42は銅箔上にNiとAuがメッキされており、半田41で突起電極12,13と接続している。
【0026】
次に図5により電子機器40の製造方法を説明する。図5はLED装置10を実装した電子機器40の製造方法の説明図である。なお図5では、LEDダイ20のp型及びn型半導体層17,16やマザー基板43の電極42等(図4参照)を図示せず、LEDダイ20及びマザー基板43を簡略化している。
【0027】
(a)は、マザー基板43とLEDダイ20を準備する素子準備工程を示している。なおマザー基板43が小さい場合、マザー基板43が連結した大判基板に対して工程を進める場合が多い。しかし本実施形態では説明のため単個に分離されたマザー基板43で各工程の様子を示す。
【0028】
(b)は、LEDダイ20をマザー基板43に実装する実装工程を示している。マザー基板43とLEDダイ20の接続は良く知られたリフローで行う。すなわちマザー基板43の電極42(図4参照)に半田ペーストを印刷し、半田ペースト上にLEDダイ20を配置したら、260℃程度の炉にマザー基板43を入れ、突起電極12,13と電極42を接続する。
【0029】
(c)は蛍光体キャップ11を準備する蛍光体キャップ準備工程を示している。蛍光体キャップ11は射出成型で多数の蛍光体キャップ11が連結したシートを作成し、このシートを切断して単個の蛍光体キャップ11を得る。蛍光体キャップ11の材料であるシリコーン樹脂は、重合度3000から10000の線状ポリマーを主成分とし、シリカ系補強性充填剤、潤滑剤、各種添加剤を配合したもので、使用時に加硫剤を添加することにより加熱硬化する。
【0030】
(d)はマザー基板43に実装したLEDダイ20に蛍光体キャップ11を被せる被覆工程を示している。まずLEDダイ20に接着剤を塗布する。次に蛍光体キャップ11をLEDダイ20に押し当てながら被せる。このとき蛍光体キャップ11の折り返し部11aは、厚みが他の部分より薄く、突起量も小さいので、LEDダイ20の下面に滑り込む。最後に加熱し接着剤を硬化させる。なお大判基板の場合は、このあと大判基板を切断して個片化したマザー基板43を得る。
【0031】
LED装置10及びこのLED装置10を備える電子機器40の色度を正確に管理するにはLEDダイ20についてピーク波長等の発光特性を知っている必要がある。ウェハー状態でLEDダイ20の発光特性を測定し、特性の分かったLEDダイ20をマザー基板43に実装してもよいし、図5の(b)で示した実装工程の後にLEDダイ20の発光特性を測定しても良い。これと並行して、図5(c)で示した蛍光体キャップ準備工程において、蛍光体含有量の異なる複数種類の蛍光体キャップ11を準備しておく。例えばLEDダイ20が青色で発光する場合、蛍光体キャップ11に含まれる緑色の蛍光体、赤色の蛍光体の量及び比率を複数通り調整しておく。そしてLEDダイ20の特性にもとづいて目標とする色度に適合する蛍光体キャップ11を選択する。
【0032】
この手法は色度を正確に管理する場合だけでなく、色度の仕様変更に迅速に対応するの
にも役立つ。例えば顧客が色度を指定してきた場合、予め準備しておいた蛍光体キャップ実装前の電子機器40に、やはり予め準備しておいた蛍光体キャップ11を組合せて製品を提供することが可能となる。このように短時間で色度仕様の変更に対応できるため在庫管理にも柔軟に対応できる。
【0033】
回路基板を備えたLED装置の実装手順は、LEDダイを回路基板に実装してから蛍光体で被覆し、こうして作成したLED装置をマザー基板に実装するものである。この手順を踏襲するならLEDダイ20に蛍光体キャップ11を被せてから半田リフローでマザー基板43にLED装置10を実装することになるが、本実施形態ではLEDダイ20をマザー基板43に実装してから蛍光体キャップ11を被せることにより前述の効果を得ている。
【符号の説明】
【0034】
10…LED装置(半導体発光装置)、
11…蛍光体キャップ、
11a…折り返し部、
12,13…突起電極、
14…絶縁膜、
14a,14b…開口部、
15…サファイア基板(透明絶縁基板)、
16…n型半導体層、
17…p型半導体層、
20…LEDダイ(半導体発光素子)、
40…電子機器、
41…半田、
42…電極、
43…マザー基板。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明絶縁基板と、該透明絶縁基板の底面に形成された半導体層と、該半導体層を覆い開口部を有する絶縁膜と、該絶縁膜の開口部で前記半導体層と接続する突起電極とを備えた半導体発光素子を含む半導体発光装置において、
蛍光体を含有した蛍光体キャップが前記半導体発光素子の上面と側面を覆い、
さらに前記蛍光体キャップが内側に折り返した折り返し部により前記半導体層の一部を覆うことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
半導体発光装置とマザー基板を備え、
前記半導体発光装置が、
透明絶縁基板と、前記透明絶縁基板の底面に形成された半導体層と、該半導体層を覆い開口部を有する絶縁膜と、該絶縁膜の開口部で前記半導体層と接続する突起電極とを備えた半導体発光素子、
並びに蛍光体を含有し、該半導体発光素子の上面及び側面を被覆し、さらに底部で折り返すように形成した折り返し部により前記半導体層の一部を被覆する蛍光体キャップからなり、
前記マザー基板に前記半導体発光装置を実装していることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
透明絶縁基板、該透明絶縁基板の底面に形成された半導体層、該半導体層を覆い開口部を有する絶縁膜、及び該絶縁膜の開口部で前記半導体層と接続する突起電極を備えた半導体発光素子、並びにマザー基板を準備する素子準備工程と、
前記半導体発光素子を前記マザー基板に実装する実装工程と、
蛍光体を含有し、前記半導体発光素子の半導体層の一部を覆うための折り返し部を備えた蛍光体キャップを準備する蛍光体キャップ準備工程と、
前記マザー基板に実装された前記半導体発光素子に前記蛍光体キャップを被せる被覆工程と
を備えることを特徴とする電子機器の製造方法。
【請求項4】
前記実装工程の後に前記半導体発光素子の発光特性を測定することを特徴とする請求項3に記載の電子機器の製造方法。
【請求項5】
前記蛍光体キャップ準備工程において、蛍光体の含有量が異なる複数種類の前記蛍光体キャップを準備し、前記半導体発光素子の特性にもとづいて目標とする色度に適合する蛍光体キャップを選択することを特徴とする請求項3又は4に記載の電子機器の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−98202(P2013−98202A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236838(P2011−236838)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(000131430)シチズン電子株式会社 (798)
【Fターム(参考)】