説明

半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子機器

【課題】低いリフロー温度で信頼性良く接合できる接合部を備えた半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子機器を提供する。
【解決手段】素子11上に形成された第1電極12と、基板21上に形成された第2電極22との上に、それぞれSn-Bi又はSn-Inを含むはんだ層13、23を形成し、これらのはんだ層13、23の間にSn-Ga合金ボール14を、はんだ層13、23の融点よりも高く、且つSn-Ga合金ボール14の融点よりも低い温度でリフロー接合する。リフロー接合の際にはんだ層13、23とSn-Ga合金ボール14との界面にSn-Bi-Ga合金層15又はSn-In-Ga合金層が形成され、Sn-Ga合金ボール14からのGaを含む融液の拡散が阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器への鉛の使用が規制され、これに伴い半導体素子のフリップチップ接合には、Sn-Ag-Cu(スズ・銀・銅)系の無鉛はんだが広く用いられている。しかし、Sn-Ag-Cu系はんだは融点が217℃と比較的高いため、耐熱限界温度がリフロー温度にほとんど近い半導体素子や回路基板への悪影響が大きい。
【0003】
そこで、より低い温度で接合できるはんだ材料として、Sn-Bi(スズ・ビスマス)系はんだ、Sn-In(スズ・インジウム)系はんだが提案されている。また、低融点金属としては、Sn-Ga(スズ・ガリウム)系合金が知られている。
【0004】
ところが、Sn-In系はんだはIn(インジウム)を含むため高価であり、限られた用途でしか使用できない。
【0005】
また、Sn-Bi系はんだは、Sn-In系はんだに比べて安価であるが、硬くてもろい性質があり、外部からの衝撃や振動に脆弱なため、接合部の信頼性が得られない。この場合、はんだ接合部の耐衝撃性を向上させるべく、アンダーフィル樹脂を半導体素子と回路基板との間に充填する方法がある。しかし、アンダーフィル樹脂を充填すると半導体素子と回路基板とが強固に接合されてしまうため、その後に半導体素子に不良があることが判明した際に半導体素子を交換できないという欠点がある。
【0006】
さらに、Sn-Ga系合金はGa(ガリウム)を含む融液が電極の金属膜を腐食するため、接続部の信頼性が低下する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−204060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、比較的低いリフロー温度で信頼性良く接合を行える接合部を備えた半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
下記開示の一観点によれば、素子上に形成された第1電極と、前記第1電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第1のはんだと、基板上に形成された第2電極と、前記第2電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第2のはんだと、前記第1のはんだと前記第2のはんだとの間に配置されたSn-Ga合金とを具備し、前記Sn-Ga合金と前記第1のはんだとの界面、及び前記Sn-Ga合金と前記第2のはんだとの界面に、Sn-Bi-Ga合金層又はSn-In-Ga合金層をさらに有する半導体装置が提供される。
【0010】
別の一観点によれば、素子上に形成した第1電極と、基板上に形成した第2電極とに、Sn-Bi又はSn-Inを含む第1のはんだ及び第2のはんだをそれぞれ形成する工程と、前記第1のはんだの上にSn-Ga合金を配置する工程と、前記第1のはんだを介して前記第1電極に前記Sn-Ga合金をリフロー接合する工程と、前記Sn-Ga合金が接合された素子を、前記Sn-Ga合金が前記2のはんだと接触するようにして前記基板上に配置する工程と、前記第2のはんだを介して前記第2電極に前記Sn-Ga合金をリフロー接合する工程と、を有し、前記リフロー接合温度は、前記第1のはんだ、及び、前記第2のはんだの融点よりも高く、かつ前記Sn-Ga合金の融点よりも低く、前記リフロー接合により、前記Sn-Ga合金と前記第1のはんだとの界面、及び、前記Sn-Ga合金と前記第2のはんだとの界面に、Sn-Bi-Ga合金層又はSn-In-Ga合金層を形成する半導体装置の製造方法が提供される。
【0011】
さらに別の一観点によれば、素子上に形成された第1電極と、前記第1電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第1のはんだと、基板上に形成された第2電極と、前記第2電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第2のはんだと、前記第1のはんだと前記第2のはんだとの間に配置されたSn-Ga合金とを具備し、前記Sn-Ga合金と前記第1のはんだとの界面、及び前記Sn-Ga合金と前記第2のはんだとの界面に、Sn-Bi-Ga合金層又はSn-In-Ga合金層をさらに有する半導体装置を備えた電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0012】
開示の半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子機器によれば、Sn-Bi系はんだ又はSn-In系はんだを含む第1のはんだ及び第2のはんだを用いるので、リフロー接合の温度を下げることができる。また、第1のはんだ及び第2のはんだの間に接合されたSn-Ga合金が外部からの衝撃や振動を吸収するため、Sn-Bi系はんだのみ又はSn-Inはんだのみで接合する場合に比べて衝撃や振動に対する耐久性に優れる。さらに、Sn-Ga合金と第1のバンプとの界面及びSn-Ga合金と第2のバンプとの界面に形成されたSn-Bi-Ga合金層又はSn-In-Ga合金層によりGaの拡散を防ぐことができるので、第1電極及び第2電極の腐食を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1(a)、(b)は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に表す断面図である(その1)。
【図2】図2(a)、(b)は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に表す断面図である(その2)。
【図3】図3(a)、(b)は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に表す断面図である(その3)。
【図4】図4(a)、(b)は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に表す断面図である(その4)。
【図5】図5は、Sn-Ga系合金の状態図である。
【図6】図6は、実施形態に係る半導体装置の接合部を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態に係る半導体装置についてその製造方法と共に説明する。
【0015】
図1〜図4は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に表す断面図である。
【0016】
先ず、図1(a)のように、半導体素子11を用意する。この半導体素子11は、例えばシリコン単結晶基板上に半導体デバイス(不図示)を形成したものであり、その上面には半導体デバイスと電気的に接続された複数の第1電極12が形成されている。第1電極12は、例えばCu(銅)、Pt(白金)及びPd(パラジウム)等の金属膜又はこの金属膜の表面にNi(ニッケル)やAu(金)等のめっきを施したものである。第1電極12は、半導体素子11に必要とされる端子数等に応じて種々のサイズに形成され得るが、ここでは一例として、直径が600μm程度の円形に形成されているものとする。
【0017】
次に、この半導体素子11の上面に、第1電極12に対応する部分に開口31aが形成されたメタルマスク31を配置する。このメタルマスク31は、はんだと反応しにくいSUS(ステンレス鋼)等を材料とし、その厚さは例えば150μm程度である。
【0018】
次に、図1(b)のように、メタルマスク31を用いたスクリーン印刷により開口31a内にはんだペーストを塗布して、第1電極12の上に第1のはんだ層13を形成する。第1のはんだ層13は、メタルマスク31とほぼ同じ150μm程度の厚さに形成される。
【0019】
なお、本実施形態では第1のはんだ層13を、SnとBiとを重量比でそれぞれ42:58の割合で含む共晶組成のSn-Bi系はんだペーストを用いて形成する。この組成のSn-Bi系はんだは、Sn-Ag-Cu系はんだよりも低い温度138℃で融解するため、リフロー接合の温度を下げることができる。
【0020】
その後、第1のはんだ層13の形成に用いたメタルマスク31を除去する。
【0021】
次に、図2(a)のように、半導体素子11の上に、第1電極12に対応する部分に位置決め孔32aが形成されたボール配置用マスク32を配置する。ボール配置用マスク32の厚さは例えば500μm以上とする。
【0022】
次いで、Sn-Ga合金を球状に形成したSn-Ga合金ボール14を用意する。そして、このSn-Ga合金ボール14をボール配置用マスク32の位置決め孔32a内に入れて、第1のはんだ層13の上にSn-Ga合金ボール14を配置する。Sn-Ga合金ボール14の直径は、第1のはんだ層13との接触面積を広く取るために第1電極12の直径よりも大きくすることが好ましい。ここではその直径を700μm程度とする。
【0023】
次に、図2(b)のように、Sn-Ga合金ボール14が配置された半導体素子11を、第1のはんだ層13の融点よりも高く、かつSn-Ga合金ボール14よりも低い温度に加熱して、Sn-Ga合金ボール14を半導体素子11にリフロー接合する。ここでは、140℃〜150℃の温度でリフロー接合を行うものとする。
【0024】
これにより、第1のはんだ層13が融解し、この第1のはんだ層13を介してSn-Ga合金ボール14が第1電極12に接合される。このリフロー接合の際に、第1のはんだ層13に含まれるSn-Bi系はんだとSn-Ga合金ボール14とが反応して、第1のはんだ層13とSn-Ga合金ボール14との界面にSn-Bi-Ga合金層15が生成される。
【0025】
このSn-Bi-Ga合金層15はGaを含むことで融点が上昇するため、リフロー接合の温度では固相の膜状となり、第1のはんだ層13とSn-Ga合金ボール14とを仕切る。そのため、Sn-Ga合金ボール14のGaを含んだ融液の第1のはんだ層13側への拡散を阻止でき、Gaによる第1電極12の腐食を防止できる。
【0026】
次に、図3(a)のように、パッケージ等の回路基板21を用意する。この回路基板21の材料は、例えばセラミックやエポキシ樹脂等であり、その表面には第1電極12に対応する部分に複数の第2電極22が形成されている。この第2電極22の材料は、第1電極12と同様である。
【0027】
次いで、この回路基板21の上面に、第2電極22に対応する部分に開口33aが形成されたメタルマスク33を配置する。
【0028】
次に、図3(b)のように、メタルマスク33を用いたスクリーン印刷により、開口33a内にはんだペーストを塗布し、第2電極22の上に第2のはんだ層23を形成する。第2のはんだ層23は、第1のはんだ層13と同様のはんだペーストを用いて、150μm程度の厚さに形成される。その後、メタルマスク33を除去する。
【0029】
次に、図4(a)のように、半導体素子11のSn-Ga合金ボール14が形成された面を、回路基板21の第2のはんだ層23が形成された面と向かい合わせ、Sn-Ga合金ボール14と第2のはんだ層23とを接触させる。
【0030】
次いで、図4(b)のように、半導体素子11及び回路基板21を、第2のはんだ層23の融点よりも高く、且つSn-Ga合金ボール14の融点よりも低い温度に加熱して、Sn-Ga合金ボール14と第2電極22とを第2のはんだ層23でリフロー接合する。ここでは、リフロー接合の温度を140℃〜150℃とする。
【0031】
このリフロー接合の際に、第2のはんだ層23とSn-Ga合金ボール14との界面にSn-Bi-Ga合金層15が形成され、Sn-Ga合金ボール14のGaを含んだ融液が、第2電極22側に拡散するのを阻止できる。
【0032】
以上の工程により、半導体素子11の第1電極12と回路基板21の第2電極22とが第1、第2のはんだ層13、23及びSn-Ga合金ボール14を介して接合された半導体装置10が完成する。
【0033】
ここで、本実施形態のSn-Ga合金ボール14の好適な組成について説明する。
【0034】
図5は、Sn-Ga合金の状態図であり、図6は本実施形態に係る半導体装置10の接合部を拡大した断面図である。
【0035】
図5において、固相線41はSn-Ga合金が完全に凝固する凝固点を表し、液相線42はSn-Ga合金が完全に融解する融点を表している。そして、矢印Aは本実施形態のSn-Ga合金ボール14の好適な組成範囲を表している。
【0036】
Sn-Ga合金は、固相線41と液相線42に挟まれる領域で、固体のSn粒子と、液体のGaを含む融液とが混在した半固体状態(半溶融状態ともいう)となっている。この状態では、Sn粒子同士が粒界部分の融液を介して滑ることで粘弾性を示し、外部からの応力に対して変形できる。
【0037】
そのため、図6のように衝撃や振動による急激な応力Fが作用すると、Sn-Ga合金ボール14が変形してその応力を吸収し、接合部の破断や疲労を防ぐことができる。これにより、Sn-Bi系はんだのみで接合を行う場合に比べて、衝撃や振動に対する耐久性に優れる。
【0038】
但し、Sn-Ga合金中のSn成分が80%を超えると液相成分の割合が減少して粘弾性が失われ、振動や衝撃に対して脆弱となる。そのため、図5のように、本実施形態では、Sn-Ga系合金のSnの原子量比の上限を80%とする。
【0039】
一方、液相線42に示すように、Sn-Ga合金の融点はSn成分が減少するほど低くなる。Sn-Ga合金ボール14の融点がSn-Bi系はんだの融点である138℃に近い場合には、リフロー接合の際にSn-Ga合金ボール14の形が崩れて、Gaを含む融液が第1電極12及び第2電極22と接触するおそれがある。そのため、第1電極12及び第2電極22がGaを含む融液によって腐食されて接合部の信頼性が低下する。
【0040】
そこで、本実施形態ではSn-Ga系合金のSn原子量比の下限を60%とする。これにより、Sn-Ga系合金の融点を160℃以上とすることができ、Sn-Ga合金ボール14の融液と第1電極12及び第2電極22との接触を防止できる。
【0041】
上記の理由により、本実施形態では、Sn-Ga合金ボール14の材料として、Snを原子量比で60at%〜80at%含むSn-Ga合金を用いるものとする。
【0042】
以上のように、本実施形態に係る半導体装置10は、Sn-Bi系はんだを含む第1のはんだ層13及び第2のはんだ層23とを融解させてリフロー接合を行うため、140℃〜150℃と比較的低い温度で接合を行うことができる。そのため、半導体装置の熱による劣化を防止できる。
【0043】
また、粘弾性を示すSn-Ga合金ボール14を介して接合するので、衝撃や振動に対する耐久性に優れる。
【0044】
さらに、第1のはんだ層13及び第2のはんだ層23と、Sn-Ga合金ボール14との界面に形成されたSn-Bi-Ga合金層15によりGaの拡散が阻止され、Gaによる第1電極12、第2電極22の腐食を防止でき、長期間にわたって接合部の信頼性を維持できる。
【0045】
なお、上記の説明では、半導体素子11をパッケージ等の回路基板21上に接合する場合を例に説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、パーソナルコンピュータやサーバー等の電子機器の配線基板と回路基板21との接合部に適用してもよい。
【0046】
また、第1のはんだ層13及び第2のはんだ層23には、Sn-Bi系はんだに代えて、Sn-In系はんだを用いてもよい。この場合は、リフロー接合の際に、Sn-Ga合金ボール14との界面にSn-Bi-Ga合金層15に代えてSn-In-Ga合金層が形成される。Sn-Bi-Ga合金層15と同様に、Sn-In-Ga合金層はGaを含むことで融点が各はんだ13、23の融点よりも上昇するため、リフロー接合の温度では固相の膜状となり、第1のはんだ層13及び第2のはんだ層23とSn-Ga合金ボール14とを仕切る。そのため、Sn-Ga合金ボール14からのGaを含んだ融液の拡散を阻止できる。また、共晶組成のSn-In系はんだは、融点が117℃と、Sn-Bi系はんだの融点138℃よりも低いため、より低い温度でリフロー接合を行うことができる。
【0047】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0048】
(付記1)素子上に形成された第1電極と、
前記第1電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第1のはんだと、
基板上に形成された第2電極と、
前記第2電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第2のはんだと、
前記第1のはんだと前記第2のはんだとの間に配置されたSn-Ga合金と
を具備し、
前記Sn-Ga合金と前記第1のはんだとの界面、及び前記Sn-Ga合金と前記第2のはんだとの界面に、Sn-Bi-Ga合金層又はSn-In-Ga合金層をさらに有する
ことを特徴とする半導体装置。
【0049】
(付記2)前記第1のはんだ及び第2のはんだの融点は前記Sn-Ga合金の融点よりも低いことを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
【0050】
(付記3)前記Sn-Ga合金は、Snの原子量比が60%〜80%であることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
【0051】
(付記4)前記第1のはんだ及び第2のはんだは、共晶組成のSn-Bi又は共晶組成のSn-Inを含むことを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
【0052】
(付記5)前記Sn-Bi-Ga合金層及びSn-In-Ga合金層の融点は、前記第1のはんだ及び第2のはんだの融点よりも高いことを特徴とする付記1乃至4の何れか1項に記載の半導体装置。
【0053】
(付記6)前記第1電極及び第2電極は、Cu(銅)、Pt(白金)及びPd(パラジウム)の何れかの金属膜を含むことを特徴とする付記1乃至5の何れか1項に記載の半導体装置。
【0054】
(付記7)素子上に形成した第1電極と、基板上に形成した第2電極とに、Sn-Bi又はSn-Inを含む第1のはんだ及び第2のはんだをそれぞれ形成する工程と、
前記第1のはんだの上にSn-Ga合金を配置する工程と、
前記第1のはんだを介して前記第1電極に前記Sn-Ga合金をリフロー接合する工程と、
前記Sn-Ga合金が接合された素子を、前記Sn-Ga合金が前記2のはんだと接触するようにして前記基板上に配置する工程と、
前記第2のはんだを介して前記第2電極に前記Sn-Ga合金をリフロー接合する工程と、を有し、
前記リフロー接合温度は、前記第1のはんだ、及び、前記第2のはんだの融点よりも高く、かつ前記Sn-Ga合金の融点よりも低く、
前記リフロー接合により、前記Sn-Ga合金と前記第1のはんだとの界面、及び、前記Sn-Ga合金と前記第2のはんだとの界面に、Sn-Bi-Ga合金層又はSn-In-Ga合金層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0055】
(付記8)前記第1のはんだ及び第2のはんだは、共晶組成のSn-Bi又は共晶組成のSn-Inを含むことを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
【0056】
(付記9)前記Sn-Ga合金はSnの原子量比が60%〜80%であることを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
【0057】
(付記10)素子上に形成された第1電極と、
前記第1電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第1のはんだと、
基板上に形成された第2電極と、
前記第2電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第2のはんだと、
前記第1のはんだと前記第2のはんだとの間に配置されたSn-Ga合金と
を具備し、
前記Sn-Ga合金と前記第1のはんだとの界面、及び前記Sn-Ga合金と前記第2のはんだとの界面に、Sn-Bi-Ga合金層又はSn-In-Ga合金層をさらに有する半導体装置を
備えたことを特徴とする電子機器。
【符号の説明】
【0058】
10…半導体装置、11…半導体素子、12…第1電極、13…第1のはんだ層、14…Sn-Ga合金ボール、15…Sn-Bi-Ga合金層、21…回路基板、22…第2電極、23…第2のはんだ層、31、33…メタルマスク、32…ボール配置用マスク、31a、33a…開口、32a…位置決め孔、41…液相線、42…固相線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子上に形成された第1電極と、
前記第1電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第1のはんだと、
基板上に形成された第2電極と、
前記第2電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第2のはんだと、
前記第1のはんだと前記第2のはんだとの間に配置されたSn-Ga合金と
を具備し、
前記Sn-Ga合金と前記第1のはんだとの界面、及び前記Sn-Ga合金と前記第2のはんだとの界面に、Sn-Bi-Ga合金層又はSn-In-Ga合金層をさらに有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1のはんだ及び第2のはんだの融点は前記Sn-Ga合金の融点よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記Sn-Ga合金は、Snの原子量比が60%〜80%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
素子上に形成した第1電極と、基板上に形成した第2電極とに、Sn-Bi又はSn-Inを含む第1のはんだ及び第2のはんだをそれぞれ形成する工程と、
前記第1のはんだの上にSn-Ga合金を配置する工程と、
前記第1のはんだを介して前記第1電極に前記Sn-Ga合金をリフロー接合する工程と、
前記Sn-Ga合金が接合された素子を、前記Sn-Ga合金が前記2のはんだと接触するようにして前記基板上に配置する工程と、
前記第2のはんだを介して前記第2電極に前記Sn-Ga合金をリフロー接合する工程と、を有し、
前記リフロー接合温度は、前記第1のはんだ、及び、前記第2のはんだの融点よりも高く、かつ前記Sn-Ga合金の融点よりも低く、
前記リフロー接合により、前記Sn-Ga合金と前記第1のはんだとの界面、及び、前記Sn-Ga合金と前記第2のはんだとの界面に、Sn-Bi-Ga合金層又はSn-In-Ga合金層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
素子上に形成された第1電極と、
前記第1電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第1のはんだと、
基板上に形成された第2電極と、
前記第2電極上に配置されたSn-Bi又はSn-Inを含む第2のはんだと、
前記第1のはんだと前記第2のはんだとの間に配置されたSn-Ga合金と
を具備し、
前記Sn-Ga合金と前記第1のはんだとの界面、及び前記Sn-Ga合金と前記第2のはんだとの界面に、Sn-Bi-Ga合金層又はSn-In-Ga合金層をさらに有する半導体装置を
備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−41966(P2013−41966A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177608(P2011−177608)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】