説明

半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】基板を有さなくても製造工程中において容易にハンドリングすることが可能な半導体装置の構成と、このような構成を有する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体素子60を封止した封止樹脂部70と、封止樹脂部70の一方面に形成した配線層と、配線層に積層し配線層の一部を露出する開口部32を有する第1の絶縁層30と、開口部32から露出した部位に取り付けた外部接続端子80を有し、配線層は第2の絶縁層42内に形成された複数の配線パターン層14,16からなり、各配線パターン層が第2の絶縁層42の異なる高さ位置に形成され、第2の絶縁層42にビア穴44が形成され、一部のビア穴44に導電体46が充填され、配線パターン層14,16どうしが電気的に接続され、半導体素子60の電極62が他のビア穴44に挿入され、電極62と配線層の最下位置の配線パターン14と直接電気的に接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置は、ガラスエポキシ樹脂等によりなる基板上に配線パターンを形成した配線基板に半導体素子を搭載し、搭載した半導体素子と配線パターンとを電気的に接続した構成が一般的である。
図15、図16に従来の従来技術における半導体装置の構成例を示す。図15は、スルーホール110を経由して基板Kの一方側の面に形成された接続パッド112と他方側の面に形成された外部接続端子114とを電気的に接続する配線パターン116を有する配線基板において、配線基板の一方側の面に半導体素子120を搭載し、半導体素子120に形成された電極パッド122と配線基板の接続パッド112間とをボンディングワイヤ130により電気的に接続した後、封止樹脂140により半導体素子120およびボンディングワイヤ130を樹脂封止するいわゆるワイヤボンディング接続方式により形成された半導体装置200の構造を示す断面図である。また、図16は、配線基板の一方側の面に形成された接続パッド112に半導体素子120の電極126(電極パッド122とバンプ124)を接合し、接続パッド112と電極126との間にアンダーフィル樹脂150を注入した、いわゆるフリップチップ接続方式により形成された半導体装置200の構造を示す断面図である。
これらのような半導体装置200については、例えば特許文献1(ワイヤボンディング接続方式)および特許文献2(フリップチップ接続方式)において開示されている。
【特許文献1】特開平9−97860号公報
【特許文献2】特開2003−152001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図15に示すようなワイヤボンディング接続方式の半導体装置の構成に代えて、図16に示すようなフリップチップ接続方式の半導体装置の構成を採用することによって、半導体装置の厚さ寸法を大幅に薄くすることが可能になった。
近年における半導体装置には更なる薄型化が望まれており、フリップチップ接続形式の半導体装置における薄型化は限界に達しつつある。
【0004】
そこで本願発明者は、配線パターンを保持する基板を省略することにより半導体装置の厚さ寸法を薄くすることに着目し、基板を有さなくても製造工程中において容易にハンドリングすることが可能な半導体装置の構成と、このような構成を有する半導体装置の製造方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため本発明は、以下の構成を備える。
すなわち、半導体素子を封止して樹脂成形された封止樹脂部と、前記封止樹脂部の一方の面に形成された配線層と、前記配線層に積層されると共に、前記配線層の一部を露出する開口部が形成された第1の絶縁層と、前記開口部から露出した前記配線層の一部に取り付けられた外部接続端子と、を有し、前記配線層は、前記封止樹脂部と前記第1の絶縁層との間に配設された第2の絶縁層内に形成された複数の配線パターン層によりなると共に、前記配線パターン層の各々が前記第2の絶縁層の厚さ方向において異なる高さ位置に形成され、前記第2の絶縁層にはヴィア穴が複数形成され、一部のヴィア穴には導電体が充填されることにより前記各配線パターン層どうしが電気的に接続され、前記半導体素子に形成された電極がアンダーフィル樹脂と共に他のヴィア穴に挿入され、前記電極と前記配線層のうちの最下位置に形成された配線パターン層と直接電気的に接続していることを特徴とする半導体装置である。
【0006】
また、他の発明として、半導体素子を封止して樹脂成形された封止樹脂部と、前記封止樹脂部の一方の面に形成された配線層と、前記配線層に積層されると共に、開口部が形成された第1の絶縁層と、前記開口部から露出した前記配線層の一部に取り付けられた外部接続端子と、を有し、前記配線層は、前記封止樹脂部と前記第1の絶縁層との間に配設された第2の絶縁層内に形成された複数の配線パターン層によりなると共に、前記配線パターン層の各々が前記第2の絶縁層の厚さ方向において異なる高さ位置に形成され、前記第2の絶縁層にはヴィア穴とスルーホールが形成され、前記ヴィア穴には導電体が充填されることにより前記各配線パターン層どうしが電気的に接続され、前記半導体素子に形成された電極がアンダーフィル樹脂と共に前記スルーホールに挿入され、前記開口部から前記電極の下端が露出していることを特徴とする半導体装置とすることもできる。
【0007】
また、前記ヴィア穴に充填された導電体は、導電性ペーストであることを特徴とする。これにより、ヴィア穴への導電体の充填を容易に行うことができる。
【0008】
また、他の発明として半導体装置の製造方法の発明がある。
すなわち、金属箔に第1のキャリアテープを接着する工程と、前記金属箔に第1の絶縁層を積層し、該第1の絶縁層に開口部を形成する工程と、前記第1の絶縁層の表面に第2のキャリアテープを積層する工程と、前記第1のキャリアテープを除去する工程と、前記金属箔をエッチングし、第1の配線パターン層を形成する工程と、前記配線パターンを覆う配置に第2の絶縁層を積層する工程と、第2の配線パターン層が予め形成された第3のキャリアテープを前記第2の配線パターン層形成面を前記第2の絶縁層に積層し、前記第2の配線パターン層を前記第2の絶縁層内に埋没させる工程と、前記第3のキャリアテープを除去する工程と、前記第2の絶縁層にヴィア穴を形成する工程と、前記ヴィア穴の一部に導電体を充填する工程と、前記第2の配線パターン層の露出面にアンダーフィル樹脂を形成する工程と、前記導電体が充填されていないヴィア穴に電極が形成された半導体素子をフェースダウンで搭載し、前記ヴィア穴位置で露出した第1の配線パターン層に電気的に接続する工程と、前記半導体素子を樹脂成形し、封止樹脂部を形成する工程と、前記第2のキャリアテープを除去する工程と、前記第2のキャリアテープを除去したことで前記開口部から露出した前記第1の配線パターン層に外部接続端子を取り付ける工程と、を有していることを特徴とする。
【0009】
さらに他の製造方法として、金属箔に第1のキャリアテープを接着する工程と、前記金属箔に第1の絶縁層を積層し、該第1の絶縁層に開口部を形成する工程と、前記第1の絶縁層の表面に第2のキャリアテープを積層する工程と、前記第1のキャリアテープを除去する工程と、前記金属箔をエッチングし、第1の配線パターン層を形成する工程と、前記配線パターンを覆う配置に第2の絶縁層を積層する工程と、第2の配線パターン層が予め形成された第3のキャリアテープを前記第2の配線パターン層形成面を前記第2の絶縁層に積層し、前記第2の配線パターン層を前記第2の絶縁層内に埋没させる工程と、前記第3のキャリアテープを除去する工程と、前記第2の絶縁層にヴィア穴とスルーホールを形成する工程と、前記ヴィア穴に導電体を充填する工程と、前記第2の配線パターン層の露出面にアンダーフィル樹脂を形成する工程と、前記スルーホールに電極が形成された半導体素子をフェースダウンで搭載し、前記スルーホールにより連通した前記開口部に前記電極を挿入する工程と、前記半導体素子を樹脂成形し、封止樹脂部を形成する工程と、前記第2のキャリアテープを除去する工程と、前記第2のキャリアテープを除去したことで前記開口部から露出した前記第1の配線パターン層と前記電極のうち少なくとも前記第1の配線パターン層に外部接続端子を取り付ける工程と、を有していることを特徴とする半導体装置の製造方法の発明がある。
【0010】
また、前記金属箔に前記第1のキャリアテープを接着する工程においては、前記金属箔のシャイニー面にアクリル系接着剤を用いて接着していることを特徴とする。これにより、第1のキャリアテープの剥離を容易に行うことができる。
また、前記金属箔から前記第1のキャリアテープを剥離する工程と、前記第1のキャリアテープを剥離したことにより前記開口部から露出した部位に外部接続端子を接合する工程との間に、前記露出部位をプラズマ処理する工程をさらに有していることを特徴とする。
また、プラズマ処理する工程は、アルゴンプラズマエッチング工程または酸素プラズマエッチング工程のいずれかであることを特徴とする。
これらにより、外部接続端子の取り付けを確実に行うことができ、外部接続端子の接続信頼性を向上させることができる。
また、前記金属箔は、サブトラクティブ法またはセミアディティブ法のいずれかによりパターニングされることを特徴とする。これにより、必要な配線パターンの微細度に応じて適切に配線パターンを形成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明にある半導体装置の構成を採用することにより、きわめて薄い半導体装置を提供することができる。またこのような基板を有さない半導体装置を製造する際において、各段階における製造工程品を円滑にハンドリングすることができるため、生産効率が向上し、半導体装置を低コストで提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる半導体装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1〜図5は、本実施形態における半導体装置の製造方法における各段階の状態を示す断面図である。なお、図1〜図5においては単体の半導体装置が示されているが、複数個の半導体素子を搭載し、半導体装置を同時に複数個製造することももちろん可能である。
【0013】
まず、図1(a)に示すように、金属箔である銅箔10に第1のキャリアテープ20を接着し、銅箔10と第1のキャリアテープ20とを積層する。本実施形態においては、12〜15μmの膜厚さに形成された銅箔10を用い、銅箔10のシャイニー面12(平滑度が高い側の面)に第1のキャリアテープ20を積層させている。
本実施形態における第1のキャリアテープ20には、PETフィルムからなる基材の片側面にアクリル系接着剤が塗布されたものが用いられている。接着剤にアクリル系接着剤を用いていることに加え、銅箔10のシャイニー面12を接着面にしたので、第1のキャリアテープ20を後工程において除去する際に、容易にピールすることができ、接着剤が銅箔10に残存することが防止でき好都合である。
【0014】
次に図1(b)に示すように、銅箔10に第1の絶縁層であるソルダーレジスト30を積層する。本実施形態においては、フィルムタイプのソルダーレジスト30を積層した後、ソルダーレジスト30の所定の部位にレーザ光を照射することにより開口部32を形成している。
次に、図1(c)に示すように、ソルダーレジスト30の表面に第2のキャリアテープ40を積層する。第2のキャリアテープ40の積層は、例えばロールラミネータを用いることができる。第2のキャリアテープ40をローラで押圧することで、第2のキャリアテープ40をソルダーレジスト30の表面形状に倣った状態でラミネートすることができる。したがって、図1(c)に示すように、第2のキャリアテープ40は、開口部32に入り込んだ状態(充填された状態)となる。本実施形態においては、第1のキャリアテープ20の構成と同様の構成を有する第2のキャリアテープ40を用いた。第2のキャリアテープ40をソルダーレジスト30の表面にラミネートした後、図1(d)に示すように、第1のキャリアテープ20を除去する。第1のキャリアテープ20は手でピールして除去することができる。
【0015】
次に、銅箔10とソルダーレジスト30と第2のキャリアテープ40との積層体を銅箔10が上側面になるようにフリップした後、銅箔10をサブトラクティブ法によりパターニングし、第1の配線パターン層14を形成する。図2(a)は第1の配線パターン層14が形成された状態を示している。
次に、図2(b)に示すように、第1の配線パターン層14を被覆するように第2の絶縁層として、絶縁樹脂42を積層する。絶縁樹脂42にはレーザ加工に容易で硬化収縮が小さい材料が好適に用いられる。本実施形態においてはエポキシ樹脂を用いた。また、この時点においては絶縁樹脂42を未硬化の状態に維持している。絶縁樹脂42は最終製品に残存し、複数の配線パターン層からなる配線層を絶縁した状態で固定する。
【0016】
次に、表面に第2の配線パターン層16が形成された第3のキャリアテープ41を準備する。第3のキャリアテープ41への第2の配線パターン層16の形成方法としては、第3のキャリアテープ41に銅箔等の金属箔を貼り合わせた後、サブトラクティブ法等を用いることにより形成できる。このようにして第2の配線パターン層16を形成した第3のキャリアテープ41は、図2(c)に示すように、第2の配線パターン層16を絶縁樹脂42に対向させた状態にして、未硬化状態の絶縁樹脂42に向けて押圧する。
第2の配線パターン層16を絶縁樹脂42に埋め込んだ状態を図3(a)に示す。絶縁樹脂42の層厚寸法は、第1の配線パターン層14の高さ寸法と第2の配線パターン層16の高さ寸法の和よりも十分高く形成されているので、この状態においては絶縁樹脂42内において第1の配線パターン層14と第2の配線パターン層16とは電気的に接続されていない状態になっている。図3(b)からも明らかであるが、第2の配線パターン層16の上面高さ位置と絶縁樹脂42の上面高さ位置は面一状態に形成されている。次に図3(b)に示すように、第3のキャリアテープ41を除去し、絶縁樹脂42を硬化処理する。絶縁樹脂42を硬化させた後、レーザ光照射装置によりレーザ光を照射し、絶縁樹脂42の表面における所要箇所にヴィア穴44を形成する。図3(c)にあるようにヴィア穴44は第1の配線パターン層14の上面の深さ位置まで形成されている。
【0017】
次に、図4(a)に示すように、第1の配線パターン層14と第2の配線パターン層16とを電気的に接続させる部位にあるヴィア穴44に導電体46を充填する。本実施形態においては、導電体46として銀ペーストを用い、導電体46を充填するヴィア穴44の部位に開口部を有するパターンマスクを絶縁樹脂42の上面に位置合わせして重ね合わせ(図示せず)、スキージ等を用いた印刷法によりヴィア穴44に導電体46を充填した。導電体46は、導体の粉末またはフィラーが混入された導電性ペーストであればよく、銅ペーストも好適に用いることができる。また、ヴィア穴44への導電体46の充填方法は印刷法以外の方法によっても良いのはもちろんである。このようにしてヴィア穴44に導電体46を充填することにより、第1の配線パターン層14と第2の配線パターン層16とを電気的に接続することができる。
【0018】
次に、導電体46が充填されなかったヴィア穴44および導電体46の表面を含む絶縁樹脂42の表面にアンダーフィル樹脂50を配設し、金バンプ等により形成された電極62を有する半導体素子60をフリップチップ接続方式で搭載する。電極62はアンダーフィル樹脂50が配設されたヴィア穴44に進入し、アンダーフィル樹脂50を押しのけながらヴィア穴44の底面を構成している第1の配線パターン層14の表面に電気的に接続される。本実施形態においては超音波振動を半導体素子60に付与しながら電極62と第1の配線パターン層14の接続面との電気的接続を行った。図4(b)は、半導体素子60を第1の配線パターン層14に電気的に接続した状態を示している。
アンダーフィル樹脂50を硬化させた後、図4(c)に示すように、半導体素子60の搭載側の面を覆うように封止樹脂72により樹脂成形し、封止樹脂部70を形成する。樹脂封止部70を形成する際は、トランスファーモールド装置を用いればよい。
【0019】
次に、図5(a)に示すように、第2のキャリアテープ40を除去する。第2のキャリアテープ40もまた手作業等で簡単にピールすることができる。第2のキャリアテープ40の接着剤には先述のとおりアクリル系接着剤が用いられているため剥離しやすいものの、樹脂封止する際に接着剤が加熱されることによって接着剤が変質する等により、ソルダーレジスト30の開口部32に入り込んでいた部位の第1の配線パターン層14の下側面に接着剤または変質した接着剤が残留することがある。このような場合においては、図5(b)に示すように、開口部32から露出する第1の配線パターン層14の下側露出面(接続パッド面)にプラズマ処理を施せば、第1の配線パターン層14の下側露出面(接続パッド面)を洗浄することができる。プラズマ処理には、アルゴンプラズマエッチングや酸素プラズマエッチングを用いることができる。
開口部32から露出する第1の配線パターン層14の表面の洗浄を終えた後、第1の配線パターン層14の露出部にはんだバンプ等の外部接続端子80を取り付けることにより、図5(c)に示すような半導体装置100を得ることができる。半導体装置100は必要に応じてダイサー等により個片化する。
【0020】
本実施形態における半導体装置100は、ソルダーレジスト30上に第1の配線パターン層14が直接積層されていて、第1の配線パターン層14および第2の配線パターン層16(ここでは、これら2層の配線パターン層を合わせて配線層としている)を異なる高さ位置に保持する絶縁樹脂42と、絶縁樹脂42に形成されたヴィア穴44に充填した導電体46により、第1の配線パターン層14と第2の配線パターン層16とを電気的に接続すると共に、第1の配線パターン層14と直接電気的に接続されている半導体素子60がアンダーフィル樹脂50を介して搭載され、半導体素子60とアンダーフィル樹脂50と配線パターン14の一部を封止樹脂72により樹脂成形した封止樹脂部70を形成し、ソルダーレジスト30に形成された開口部32から露出した第1の配線パターン層14の下側表面に外部接続端子80を取り付けて形成したものであるから、従来の基板を有するフリップチップ接続方式により製造される半導体装置に比べてきわめて薄型の半導体装置100に形成することが可能である。
【0021】
(第2実施形態)
本実施形態においては、半導体素子60の電極62は第1の配線パターン層14の上側面に電気的に接続されているが、この形態に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、ソルダーレジスト30に形成した開口部32から電極62が露出する半導体装置100の形態を採用することもできる。
この構成を採用した場合、ヴィア穴44を形成する際に、絶縁樹脂42の表面からソルダーレジスト30の下側表面に貫通するスルーホール45を形成し、導電体46を充填する際には、スルーホール45を被覆する開口パターンに形成されたマスクプレートを用いてスキージ等を用いた印刷法を適用する。導電体46の充填を終えた後、マスクプレートを除去し、アンダーフィル樹脂50を供給した後、半導体素子60に形成された電極62をスルーホール45に差し込むことで図6に示す半導体装置100を得ることができる。スルーホール45には電極62と共にアンダーフィル樹脂50も入り込み、ソルダーレジスト30側の開口部32から電極62とアンダーフィル樹脂50が露出することになる。開口部32からはみ出した余分なアンダーフィル樹脂50は適宜取り除けばよい。
【0022】
(第3実施形態)
第1実施形態および第2実施形態においては、第1の配線パターン層14と第2の配線パターン層16とをサブトラクティブ法を用いてパターニングする形態について説明しているが、使用する銅箔10の膜厚寸法によっては、セミアディティブ法により第1の配線パターン層14および第2の配線パターン層16とを形成することができる。本実施形態においては、第1実施形態の第1および第2の配線パターン層14,16の形成工程において、サブトラクティブ法に代えてセミアディティブ法を適用した場合の実施形態を説明する。図7〜図11は第3実施形態にかかる半導体装置の製造方法における各工程での状態を示す断面図である。
【0023】
まず、図7(a)に示すように、銅箔10のシャイニー面12側に第1のキャリアテープ20を積層する。本実施形態においては厚さ寸法が2〜3μmに形成された銅箔10を用いた。続いて、第1の絶縁層としてフィルムタイプのソルダーレジスト30を銅箔10側にラミネートし、外部接続端子形成位置にレーザ光を照射してソルダーレジスト30に開口部32を形成する(図7(b))。次に図7(c)に示すように、ソルダーレジスト30の表面に第2のキャリアテープ40を積層する。続いて第1のキャリアテープ20をピールして除去する(図7(d))。第1のキャリアテープ20を除去した後、銅箔10とソルダーレジスト30と第2のキャリアテープ40とからなる積層体の上下面を入れ替えて銅箔10を上側面にする(図7(e))。
【0024】
次に、図8(a)に示すようにめっきレジスト25を銅箔10の表面にラミネートする。本実施形態におけるめっきレジスト25にはフィルム状に形成された感光性樹脂を用いた。銅箔10の表面に積層しためっきレジスト25をフォトリソグラフィー法により露光および現像し、図8(b)に示すようにめっきマスク27を形成する。めっきマスク27を形成した後、銅箔10をシードメタルとして電解銅めっきを施し、図8(c)に示すようにめっきマスク27の開口部に銅めっき層18を形成する。銅めっき層18を形成した後、めっきマスク27をウェットエッチング等により除去する。
【0025】
次に、図8(d)に示すように、めっきマスク27により覆われていた部位の銅箔10(めっきマスク27を除去したことにより露出した銅箔10の部分)をエッチングすることで、銅めっき層18を独立させて、図9(a)に示すような銅箔10と銅めっき層18とにより構成された第1の配線パターン層14を形成する。第1の配線パターン層14を形成した後は、図9(b)に示すように、第1の配線パターン層14を被覆するように第2の絶縁層として、絶縁樹脂42を積層する。絶縁樹脂42にはレーザ加工に容易で硬化収縮が小さい材料が好適に用いられる。本実施形態においてはエポキシ樹脂を用いた。また、この時点においては絶縁樹脂42を未硬化の状態に維持している。絶縁樹脂42は最終製品に残存し、複数の配線パターン層からなる配線層を絶縁した状態で固定する。
【0026】
次に、表面に第2の配線パターン層16が形成された第3のキャリアテープ41を準備する。第3のキャリアテープ41への第2の配線パターン層16の形成方法としては、第3のキャリアテープ41に薄い銅箔等の金属箔を貼り合わせた後、セミアディティブ法を適用して形成した。セミアディティブ法による銅箔のパターニング方法は、第1の配線パターン層14の形成方法と同様にして行うことができるため、ここでの詳細な説明は省略する。このようにして第2の配線パターン層16を形成した第3のキャリアテープ41は、図9(c)に示すように、第2の配線パターン層16を絶縁樹脂42に対向させた状態にして、未硬化状態の絶縁樹脂42に向けて押圧する。
【0027】
第2の配線パターン層16を絶縁樹脂42に埋め込んだ状態を図9(d)に示す。第3のキャリアテープ41の下面と絶縁樹脂42の上面とが当接するように、絶縁樹脂42に第3のキャリアテープ41を単純に積層するだけで、第2の配線パターン層16の上面位置と絶縁樹脂42の上面位置とを面一状態となるように絶縁樹脂42に第2の配線パターン層16を埋設することができる。絶縁樹脂42の層厚寸法は、第1の配線パターン層14の高さ寸法と第2の配線パターン層16の高さ寸法の和よりも十分高く形成されているので、この状態においては絶縁樹脂42内において第1の配線パターン層14と第2の配線パターン層16とは電気的に接続されていない状態になっている。
次に第3のキャリアテープ41を除去すると共に絶縁樹脂42を硬化処理した後、レーザ光照射装置によりレーザ光を照射し、絶縁樹脂42の表面における所要箇所にヴィア穴44を形成する。ヴィア穴44は第1の配線パターン層14の上面の深さ位置まで形成する。
【0028】
次に、図10(a)に示すように、第1の配線パターン層14と第2の配線パターン層16とを電気的に接続させる部位にあるヴィア穴44に導電体46を充填する。本実施形態においては、導電体46として銀ペーストを用い、導電体46を充填するヴィア穴44の部位に開口部を有するパターンマスクを絶縁樹脂42の上面に位置合わせして重ね合わせ(図示せず)、スキージ等を用いた印刷法によりヴィア穴44に導電体46を充填した。これにより、後に半導体素子60の電極62を進入させるヴィア穴44に導電体46が充填されないようにすることができる。導電体46は、導体の粉末またはフィラーが混入された導電性ペーストであればよく、銅ペーストも好適に用いることができる。また、ヴィア穴44への導電体46の充填方法は印刷法以外の方法によっても良いのはもちろんである。このようにしてヴィア穴44に導電体46を充填することにより、第1の配線パターン層14と第2の配線パターン層16とを電気的に接続することができる。
【0029】
次に、パターンマスクにより被覆されていたことにより導電体46が充填されなかったヴィア穴44および導電体46の表面を含む絶縁樹脂42の表面にアンダーフィル樹脂50を配設し、金バンプ等により形成された電極62を有する半導体素子60をフリップチップ接続方式で搭載する。電極62はアンダーフィル樹脂50が配設されたヴィア穴44に進入し、アンダーフィル樹脂50を押しのけながらヴィア穴44の底面を構成している第1の配線パターン層14の表面に電気的に接続される。本実施形態においては超音波振動を半導体素子60に付与しながら電極62と第1の配線パターン層14の接続面との電気的接続を行った。図10(b)は、半導体素子60を第1の配線パターン層14に電気的に接続した状態を示している。
アンダーフィル樹脂50を硬化した後、図10(c)に示すように、半導体素子60の搭載側の面を覆うように封止樹脂72により樹脂成形し、封止樹脂部70を形成する。樹脂封止部70を形成する際は、トランスファーモールド装置を用いればよい。
【0030】
次に、図11(a)に示すように、第2のキャリアテープ40を除去する。第2のキャリアテープ40もまた手作業等で簡単にピールすることができる。第2のキャリアテープ40の接着剤には先述のとおりアクリル系接着剤が用いられているため剥離しやすいものの、樹脂封止する際に接着剤が加熱されることによって接着剤が変質する等により、ソルダーレジスト30の開口部32に入り込んでいた部位の第1の配線パターン層14の下側面に接着剤または変質した接着剤が残留することがある。このような場合においては、開口部32から露出する第1の配線パターン層14の下側露出面(接続パッドとなる面)にプラズマ処理を施せば、第1の配線パターン層14の下側露出面を洗浄することができる。プラズマ処理には、アルゴンプラズマエッチングや酸素プラズマエッチングを用いることができる。
開口部32から露出する第1の配線パターン層14の表面の洗浄を終えた後、第1の配線パターン層14の露出部にはんだバンプ等の外部接続端子80を取り付けることにより、図11(b)に示すような半導体装置100を得ることができる。半導体装置100は必要に応じてダイサー等により個片化する。
【0031】
(第4実施形態)
以上の実施形態においては、ソルダーレジスト30と半導体素子60との間に形成された配線層は2層の配線パターン層により構成されている形態について説明しているが、配線層を構成する配線パターン層の層数は2層に限定されるものではない。ソルダーレジスト30と半導体素子60との間に形成された配線層は3層以上の配線パターン層により構成することもできる。本実施形態においては、3層の配線パターン層により配線層が構成された半導体装置100の実施形態について説明を行う。本実施形態においては、第1実施形態における配線パターン層の層数を3層にした形態を例示するが、第2実施形態や第3実施形態においても適用可能であることはもちろんである。図12は、本実施形態における半導体装置の配線層の形成工程における断面図である。
【0032】
まず、第1実施形態で説明した手順と同様の手順により、第2の配線パターン層16の形成までを行う(図1〜図3(b)まで)。なお、第1の実施形態において絶縁樹脂42と称していた部位は、本実施形態においては第1の絶縁樹脂42となる。次に、第2の配線パターン層16および第1の絶縁樹脂42の表面に第2の絶縁樹脂43を積層する。第2の絶縁樹脂43は第1の絶縁樹脂42と同じ材料を用いることができる。図12(a)には、第2の絶縁樹脂43の層厚さは、第1の絶縁樹脂42の層厚さに比べて薄く形成されているが、第1の絶縁樹脂42の層厚さが十分に薄い場合には、第1の絶縁樹脂42の層厚さと第2の絶縁樹脂43の層厚さを等しくする(絶縁樹脂材料を共通化する)こともできる。第2の絶縁樹脂43の層厚さは、第2の配線パターン層16と次の工程で形成される第3の配線パターン層17とを確実に絶縁することができれば、厚さは特に限定されるものではない。また、第2の絶縁樹脂43は未硬化の状態を維持している。
【0033】
次に、第3の配線パターン層17を表面に形成した第4のキャリアテープ47を準備する。第4のキャリアテープ47への第3の配線パターン層17の形成方法は、第3のキャリアテープ41の表面への第2の配線パターン層16の形成方法を適用すればよい。
図12(b)に示すように、第4のキャリアテープ47は、第3の配線パターン層17が形成された側の面を第2の絶縁樹脂43の表面に対向させて押圧することにより、未硬化状態の第2の絶縁樹脂43に第3の配線パターン層17を埋設させる。第3の配線パターン層17の上面高さ位置は、埋設させた第2の絶縁樹脂43の上面高さ位置と面一になるのは、第2の配線パターン層16と同様である。図12(c)は第2の絶縁樹脂43に第3の配線パターン層17を埋設した状態を示す。第3の配線パターン層17が第2の絶縁樹脂43に埋設させた後に、第4のキャリアテープ47をピールして除去する。
【0034】
次に、図13(a)に示すように、レーザ光照射装置により、第2の絶縁樹脂43と第1の絶縁樹脂42の高さ方向にヴィア穴44を形成する。第2および第3の配線パターン層16,17は、ヴィア穴44の形成位置において第1〜第3の配線パターン層14,16,17の少なくとも一層と電気的に接続されている。第1〜第3の配線パターン層14,16,17のすべてを電気的に接続する部分に形成するヴィア穴44は、開口面(第3の配線パターン層17または第2の絶縁樹脂43の表面)と底面(第1の配線パターン層14の上面)の径寸法がほぼ等しい寸胴形状に形成されていると好適である。
図13(a)において形成されたヴィア穴44に導電体46を充填し、第1〜第3の配線パターン層14,16,17のそれぞれを適宜電気的に接続する(図13(b))。ヴィア穴44への導電体46の充填方法は、先の実施形態において説明した方法を採用することができる。
【0035】
次に、第3の配線パターン層17の上面にアンダーフィル樹脂50を供給した後、バンプ等により形成された電極62が取り付けられた半導体素子60を導電体46が充填されていないヴィア穴44(アンダーフィル樹脂50は一部充填されている)に電極62を進入させ、ヴィア穴44の底部に露出している第1の配線パターン層14と電極62とを電気的に接続する(図13(c))。半導体素子60の電極62と第1の配線パターン層14との電気的な接続には、先の実施形態と同様に超音波振動を付与しながらの接合方法が好適に用いられる。
【0036】
アンダーフィル樹脂50を硬化させた後、半導体素子60が搭載された側の表面を覆うように封止樹脂72により半導体素子60を樹脂封止した。本実施形態においては、図14(a)に示すように、半導体素子60の他にも、第3の配線パターン層17、導電体46、第2の絶縁樹脂43も樹脂封止している。樹脂封止する際にはトランスファーモールド成形法が好適に用いられる。アンダーフィル樹脂50はこの樹脂封止工程における熱を用いて熱硬化させるようにしても良い。
次に、第2のキャリアテープ40を除去し、ソルダーレジスト30の開口部32から第1の配線パターン層14の下面を露出させる。トランスファーモールド成形により、第2のキャリアテープ40の接着剤が変質しているおそれがある場合には、開口部32から露出している第1の配線パターン層14の下側表面をプラズマ処理することで接続パッド面である開口部32から露出する第1の配線パターン層14の下側表面を洗浄処理することができる。プラズマ処理としては、先に説明した実施形態と同様に、アルゴンプラズマエッチングや酸素プラズマエッチングを適用することができる。
【0037】
プラズマ処理により洗浄処理された開口部32から露出する第1の配線パターン層14の下側表面(接続パッド面)にはんだバンプ等により形成された外部接続端子80を取り付けて、図14(b)に示す半導体装置100を得ることができる。
【0038】
以上に本願発明にかかる半導体装置100および半導体装置100の製造方法について実施形態に基づいて詳細に説明したが、本願発明は以上に示した実施形態に限定されるものではないのはもちろんである。例えば、第3実施形態においては、第1実施形態における第1および第2の配線パターン層14,16の形成方法をサブトラクティブ法に代えてセミアディティブ法により形成した実施形態について説明しているが、第2および第3の実施形態における配線パターン14の形成方法についても、サブトラクティブ法に代えてセミアディティブ法により形成しても良いのはもちろんである。
また、第2実施形態は、第1実施形態の変形例を示したものであるが、第3実施形態および第4実施形態に第2実施形態の構成を適用することも可能である。
【0039】
また、以上の実施形態においては、金属箔として銅箔10を用いているが、他の金属箔を用いても良いのはもちろんである。そして、第1および第2の配線パターン層14,16の形成方法に応じて銅箔10の厚さ寸法を12〜15μm(サブトラクティブ法の場合)や2〜3μm(セミアディティブ法の場合)を採用しているが、金属箔の厚さ寸法は適宜調整することができるのはもちろんである。
【0040】
また、具体的な説明はしていないが、上記のずべての実施形態を適宜組み合わせた形態であっても、本願発明の技術的範囲に属することはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1実施形態における半導体装置の製造方法における各段階の状態を示す断面図である。
【図2】第1実施形態における半導体装置の製造方法における各段階の状態を示す断面図である。
【図3】第1実施形態における半導体装置の製造方法における各段階の状態を示す断面図である。
【図4】第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法における各工程での状態を示す断面図である。
【図5】第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法における各工程での状態を示す断面図である。
【図6】第2実施形態にかかる半導体装置を示す断面図である。
【図7】第3実施形態にかかる半導体装置の製造方法における各工程での状態を示す断面図である。
【図8】第3実施形態にかかる半導体装置の製造方法における各工程での状態を示す断面図である。
【図9】第3実施形態にかかる半導体装置の製造方法における各工程での状態を示す断面図である。
【図10】第3実施形態にかかる半導体装置の製造方法における各工程での状態を示す断面図である。
【図11】第3実施形態にかかる半導体装置の製造方法における各工程での状態を示す断面図である。
【図12】第4実施形態にかかる半導体装置の製造方法における各工程での状態を示す断面図である。
【図13】第4実施形態にかかる半導体装置の製造方法における各工程での状態を示す断面図である。
【図14】第4実施形態にかかる半導体装置の製造方法における各工程での状態を示す断面図である。
【図15】従来技術における半導体装置を示す断面図である。
【図16】従来技術における半導体装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0042】
10 銅箔
12 シャイニー面
14 第1の配線パターン層
16 第2の配線パターン層
17 第3の配線パターン層
18 銅めっき層
20 第1のキャリアテープ
22 キャリアテープ
25 めっきレジスト
27 めっきマスク
30 ソルダーレジスト
32 開口部
40 第2のキャリアテープ
41 第3のキャリアテープ
42 絶縁樹脂(第1の絶縁樹脂)
43 第2の絶縁樹脂
44 ヴィア穴
45 スルーホール
46 導電体
47 第4のキャリアテープ
50 アンダーフィル樹脂
60 半導体素子
62 バンプ
70 封止樹脂部
72 封止樹脂
80 外部接続端子
90 樹脂封止された積層体
100 半導体装置
110 スルーホール
112 接続パッド
114 外部接続端子
116 配線パターン
120 半導体素子
122 電極パッド
124 バンプ
126 電極
130 ボンディングワイヤ
140 封止樹脂
150 アンダーフィル樹脂
200 半導体装置
K 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子を封止して樹脂成形された封止樹脂部と、
前記封止樹脂部の一方の面に形成された配線層と、
前記配線層に積層されると共に、前記配線層の一部を露出する開口部が形成された第1の絶縁層と、
前記開口部から露出した前記配線層の一部に取り付けられた外部接続端子と、を有し、
前記配線層は、前記封止樹脂部と前記第1の絶縁層との間に配設された第2の絶縁層内に形成された複数の配線パターン層によりなると共に、前記配線パターン層の各々が前記第2の絶縁層の厚さ方向において異なる高さ位置に形成され、
前記第2の絶縁層にはヴィア穴が複数形成され、一部のヴィア穴には導電体が充填されることにより前記各配線パターン層どうしが電気的に接続され、
前記半導体素子に形成された電極がアンダーフィル樹脂と共に他のヴィア穴に挿入され、前記電極と前記配線層のうちの最下位置に形成された配線パターン層と直接電気的に接続していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体素子を封止して樹脂成形された封止樹脂部と、
前記封止樹脂部の一方の面に形成された配線層と、
前記配線層に積層されると共に、開口部が形成された第1の絶縁層と、
前記開口部から露出した前記配線層の一部に取り付けられた外部接続端子と、を有し、
前記配線層は、前記封止樹脂部と前記第1の絶縁層との間に配設された第2の絶縁層内に形成された複数の配線パターン層によりなると共に、前記配線パターン層の各々が前記第2の絶縁層の厚さ方向において異なる高さ位置に形成され、
前記第2の絶縁層にはヴィア穴とスルーホールが形成され、前記ヴィア穴には導電体が充填されることにより前記各配線パターン層どうしが電気的に接続され、
前記半導体素子に形成された電極がアンダーフィル樹脂と共に前記スルーホールに挿入され、前記開口部から前記電極の下端が露出していることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記ヴィア穴に充填された導電体は、導電性ペーストであることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
【請求項4】
金属箔に第1のキャリアテープを接着する工程と、
前記金属箔に第1の絶縁層を積層し、該第1の絶縁層に開口部を形成する工程と、
前記第1の絶縁層の表面に第2のキャリアテープを積層する工程と、
前記第1のキャリアテープを除去する工程と、
前記金属箔をエッチングし、第1の配線パターン層を形成する工程と、
前記第1の配線パターン層を覆う配置に第2の絶縁層を積層する工程と、
第2の配線パターン層が予め形成された第3のキャリアテープを前記第2の配線パターン層形成面を前記第2の絶縁層に積層し、前記第2の配線パターン層を前記第2の絶縁層内に埋没させる工程と、
前記第3のキャリアテープを除去する工程と、
前記第2の絶縁層にヴィア穴を形成する工程と、
前記ヴィア穴の一部に導電体を充填する工程と、
前記第2の配線パターン層の露出面にアンダーフィル樹脂を形成する工程と、
前記導電体が充填されていないヴィア穴に電極が形成された半導体素子をフェースダウンで搭載し、前記ヴィア穴位置で露出した第1の配線パターン層に電気的に接続する工程と、
前記半導体素子を樹脂成形し、封止樹脂部を形成する工程と、
前記第2のキャリアテープを除去する工程と、
前記第2のキャリアテープを除去したことで前記開口部から露出した前記第1の配線パターン層に外部接続端子を取り付ける工程と、を有していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
金属箔に第1のキャリアテープを接着する工程と、
前記金属箔に第1の絶縁層を積層し、該第1の絶縁層に開口部を形成する工程と、
前記第1の絶縁層の表面に第2のキャリアテープを積層する工程と、
前記第1のキャリアテープを除去する工程と、
前記金属箔をエッチングし、第1の配線パターン層を形成する工程と、
前記第1の配線パターン層を覆う配置に第2の絶縁層を積層する工程と、
第2の配線パターン層が予め形成された第3のキャリアテープを前記第2の配線パターン層形成面を前記第2の絶縁層に積層し、前記第2の配線パターン層を前記第2の絶縁層内に埋没させる工程と、
前記第3のキャリアテープを除去する工程と、
前記第2の絶縁層にヴィア穴とスルーホールを形成する工程と、
前記ヴィア穴に導電体を充填する工程と、
前記第2の配線パターン層の露出面にアンダーフィル樹脂を形成する工程と、
前記スルーホールに電極が形成された半導体素子をフェースダウンで搭載し、前記スルーホールにより連通した前記開口部に前記電極を挿入する工程と、
前記半導体素子を樹脂成形し、封止樹脂部を形成する工程と、
前記第2のキャリアテープを除去する工程と、
前記第2のキャリアテープを除去したことで前記開口部から露出した前記第1の配線パターン層と前記電極のうち少なくとも前記第1の配線パターン層に外部接続端子を取り付ける工程と、を有していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記金属箔に前記第1のキャリアテープを接着する工程においては、前記金属箔のシャイニー面にアクリル系接着剤を用いて接着していることを特徴とする請求項4または5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記金属箔から前記第1のキャリアテープを剥離する工程と、前記第1のキャリアテープを剥離したことにより前記開口部から露出した部位に外部接続端子を接合する工程との間に、前記露出部位をプラズマ処理する工程をさらに有していることを特徴とする請求項4〜6のうちのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記プラズマ処理する工程は、アルゴンプラズマエッチング工程または酸素プラズマエッチング工程のいずれかであることを特徴とする請求項7記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記金属箔は、サブトラクティブ法によりパターニングされることを特徴とする請求項4〜8のうちのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記金属箔は、セミアディティブ法によりパターニングされることを特徴とする請求項4〜8のうちのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−302476(P2009−302476A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158241(P2008−158241)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】