半導体装置の製造方法
【課題】半導体装置の製造方法における歩留まり低下を防ぐ。
【解決手段】基材60上に絶縁膜30を積層する第1工程と、絶縁膜30にビアホール31を形成する第2工程と、絶縁膜30上に導体層を形成しパターニングすることで、ビアホール31上に貫通穴41a、42aを有する配線41、42を形成する第3工程と、貫通穴41a、42aの上部に電極12が配置されるように半導体チップ11をフェースダウンボンディングする第4工程と、を含む半導体装置1の製造方法である。
【解決手段】基材60上に絶縁膜30を積層する第1工程と、絶縁膜30にビアホール31を形成する第2工程と、絶縁膜30上に導体層を形成しパターニングすることで、ビアホール31上に貫通穴41a、42aを有する配線41、42を形成する第3工程と、貫通穴41a、42aの上部に電極12が配置されるように半導体チップ11をフェースダウンボンディングする第4工程と、を含む半導体装置1の製造方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置には、基板にビアホールを形成し、ビアホールに導体を充填することにより基板の一方の面に実装された半導体チップの電極と基板の他方の面に形成された外部電極との電気的接続をとるものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−42063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体チップが基板上に実装されているため、基板の厚みによって半導体装置全体が厚くなってしまう。そこで、半導体チップを絶縁膜上に実装しようとする試みがなされている。絶縁膜単体では絶縁膜が変形してしまうので、絶縁膜を支持基材に支持した状態でその絶縁膜上に半導体チップを実装する。そして、その絶縁膜上に封止層をモールド成形した後、基材をエッチング等で除去することになる。その後、絶縁膜に半導体チップの電極まで貫通するビアホールを形成した後、ビアホール内に導体を設けたり、絶縁膜及び封止層にスルーホールを貫通させた後、スルーホールの壁面に導体のメッキを設けたりすることにより層間接続を行う。そして、絶縁膜や封止層の表面に配線をパターニングする。
【0005】
しかし、ビアホールの形成には高い位置精度が要求されるため、歩留まりの低下要因となっている。歩留まり低下を防ぐためには、ビア底のランドを大きくする必要があり、ランドを大きくすると絶縁膜や封止層の表面における配線の自由度を制約するという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、半導体装置の製造方法における歩留まり低下を防ぐことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、本発明の一の態様によれば、基材上に絶縁膜を積層する第1工程と、前記絶縁膜にビアホールを形成する第2工程と、前記絶縁膜上に導体層を形成しパターニングすることで、前記ビアホール上に貫通穴を有する配線を形成する第3工程と、前記貫通穴の上部に電極が配置されるように半導体チップをフェースダウンボンディングする第4工程と、を含む半導体装置の製造方法が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、基材上に絶縁膜を積層する第1工程と、前記絶縁膜上に導体層を形成しパターニングすることで、貫通穴を有する配線を形成する第2工程と、前記絶縁膜の前記貫通穴の位置にビアホールを形成する第3工程と、前記貫通穴の上部に電極が配置されるように半導体チップをフェースダウンボンディングする第4工程と、を含む半導体装置の製造方法が提供される。
【0009】
好ましくは、前記貫通穴側から前記絶縁膜にレーザーを照射することにより前記ビアホールを形成する。
好ましくは、前記絶縁膜上に前記半導体チップ及び前記配線を封止する封止層を設ける第5工程を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、半導体装置の製造方法における歩留まり低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置1Aの断面図である。
【図2】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図3】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図4】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図5】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図6】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図7】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図8】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図9】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図10】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図11】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図12】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図13】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図14】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図15】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図16】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図17】本発明の変形例に係る半導体装置1Bの断面図である。
【図18】本発明の変形例に係る半導体装置1Cの断面図である。
【図19】本発明の変形例に係る半導体装置1Dの断面図である。
【図20】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置1Eの断面図である。
【図21】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図22】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図23】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図24】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図25】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図26】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図27】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図28】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図29】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図30】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図31】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置1Fの断面図である。
【図32】半導体装置1Fの製造方法の説明図である。
【図33】半導体装置1Fの製造方法の説明図である。
【図34】半導体装置1Fの製造方法の説明図である。
【図35】半導体装置1Fの製造方法の説明図である
【図36】(a)〜(c)は他の形態の半導体構成体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置1Aの断面図である。この半導体装置1Aは、半導体構成体10をパッケージしたものである。半導体構成体10は、半導体チップ11及び複数の電極12を備える。半導体チップ11は、シリコン基板の半導体基板に集積回路を設けたものである。複数の電極12は半導体チップ11の下面に設けられている。電極12は、Cuからなるものである。なお、電極12は、配線の一部であってもよい。
【0014】
図1に示すように、半導体構成体10の下面は、電極12が配線41、42と接触するように、接着樹脂層20により絶縁膜30上に接着されている。
接着樹脂層20は、エポキシ系樹脂といった熱硬化性樹脂からなり、絶縁性を有する。接着樹脂層20は、繊維強化されていない。
【0015】
絶縁膜30は、繊維強化樹脂膜である。具体的には、絶縁膜30は、ガラス布基材エポキシ樹脂、ガラス布基材ポリイミド樹脂その他のガラス布基材絶縁性樹脂複合材からなる。
絶縁膜30には、電極12、12と対応する位置にビアホール31、31が形成されている。また、半導体構成体10から離れた位置に、ビアホール32及びスルーホール33が設けられている。
【0016】
絶縁膜30の上面には、電極12と接触するように配線41、42が設けられている。配線41はビアホール31の1つとビアホール32との間に設けられており、ビアホール31の位置には貫通穴41aが設けられている。配線42はビアホール31の1つとスルーホール33との間に設けられており、ビアホール31の位置には貫通穴42aが設けられており、スルーホール33の位置には貫通穴42bが設けられている。貫通穴41a、42aの径は、ビアホール31、31よりも小さい。
【0017】
絶縁膜30の上面には、半導体構成体10、接着樹脂層20及び配線41、42を封止する封止層70が設けられている。封止層70は、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂その他の絶縁性樹脂からなる。封止層70は、フィラーを含有した熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)からなることが好ましい。なお、封止層70は、ガラス布基材絶縁性樹脂のように繊維強化されたものではないが、繊維強化樹脂からなるものとしてもよい。
封止層70には、スルーホール33及び貫通穴42bの位置にスルーホール71が設けられている。
【0018】
ビアホール31及び貫通穴41a、42aには、金属からなる充填材51、52が充填されている。充填材51、52により電極12、12と配線41、42とが導通されている。
ビアホール32には金属からなる充填材53が充填されている。また、スルーホール33、71及び貫通穴42bの内壁面には、金属壁54が形成されている。絶縁膜30の下部には、充填材53と一体に形成されたコンタクトパッド55、及び、金属壁54と一体に形成されたコンタクトパッド56が設けられている。
【0019】
封止層70の上面には、金属壁54と一体に形成されたコンタクトパッド57、その他の配線や配線と一体に設けられたコンタクトパッド58等が設けられている。
【0020】
絶縁膜30の下面、封止層70の上面及び金属壁54は、オーバーコート層90により被覆されている。オーバーコート層90のうちコンタクトパッド55、56、57、58に重なる部分には、開口95、96、97、98が形成されている。開口95、96には、コンタクトパッド55、56と導通する半田バンプ55a、56aが設けられている。
【0021】
なお、開口95、96、97、98内においてコンタクトパッド55、56、57、58の表面には、メッキ(例えば、金メッキからなる単層メッキ、ニッケルメッキ・金メッキからなる二層メッキ等)が形成されていてもよい。
【0022】
充填材51、52、53、金属壁54及びコンタクトパッド55、56、57、58は、銅若しくはニッケル又は銅とニッケルの積層体からなる。なお、充填材51、52、53、金属壁54及びコンタクトパッド55、56、57、58が他の金属からなるものとしてもよい。
【0023】
次に、半導体装置1Aの製造方法について説明する。まず、図2に示すように、両面にメッキシード層61、62を形成した絶縁膜30を、金属層60上に積層する。金属層60は絶縁膜30の取り扱いを容易にするためのキャリアであり、具体的には銅箔である。
このように準備した絶縁膜30及び金属層60のサイズは、図1に示された半導体装置1Aをダイシングにより複数個取り出せるようなサイズとなっている。
【0024】
次に、図3に示すように、レーザーを照射することにより絶縁膜30にビアホール31、31を形成し、ビアホール31内をデスミア処理する。レーザーとしては炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を用いることが好ましい。絶縁膜30が、繊維強化樹脂からなるためである。
【0025】
次に、図4に示すように、絶縁膜30の上面であって配線41、42以外の部分にメッキレジスト43を形成する。その後、無電解メッキ処理、電気メッキ処理を順に行うことによって絶縁膜30の上面にメッキ層44を形成し、メッキレジストを除去する。その後、図6に示すように、エッチングによりメッキシード層61、62を除去することにより、配線41、42を形成する。
【0026】
なお、上述のようなセミアディティブ法のほか、サブトラクティブ法により配線41、42を形成してもよい。このように形成した場合には、配線41、42の貫通穴41a、42aの径は、ビアホール31、31よりも小さくなる。
【0027】
次に、図7に示すように、絶縁膜30の上面であって配線41、42の貫通穴41a、42aが設けられた位置に接着樹脂層20を塗布し、その上に半導体構成体10をフェースダウンボンディングする。具体的には、非導電性ペースト(NCP;Non-Conductive Paste)を印刷法又はディスペンサ法によって塗布した後、又は非導電性フィルム(NCF;Non-Conductive Film)を予め供給した後、半導体構成体10の下面を非導電性ペースト又は非導電性フィルムに向けて下降させ、加熱圧着する。非導電性ペースト又は非導電性フィルムが硬化して接着樹脂層20となる。
【0028】
次に、図7の金属層60上に絶縁膜30及び半導体構成体10が形成されたものと、熱硬化性樹脂シート70a、70bと、ピーラブル金属箔63とを順に重ねる。ここで、硬化性樹脂シート70a、70bは、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂その他の熱硬化性樹脂にフィラーを含有させ、その熱硬化性樹脂を半硬化状態にしてシート状に成したものである。また、ピーラブル金属箔63は、銅板や厚手の銅箔等からなるキャリア金属板63cの上面に剥離層63bを形成し、剥離層63bの上面に金属箔63aを電解メッキで形成したものである。
【0029】
次に、図8に示すように、これらを一対の熱盤101、102の間に挟み込む。そして、熱盤101、102によって金属層60、絶縁膜30、熱硬化性樹脂シート70a、70b、及びピーラブル金属箔63をホットプレスする。加熱加圧によって熱硬化性樹脂シート70a、70bが圧縮され、硬化することによって、図9に示すように半導体構成体10及び接着樹脂層20を封止する封止層70が形成される。封止層70により封止することで配線41、42の絶縁性が高められる。なお、半導体構成体10及び接着樹脂層20の周囲は熱硬化性樹脂シート70a、70b中の熱硬化性樹脂70cが硬化することにより封止される。
【0030】
次に、図10に示すように、剥離層63bよりキャリア金属板63cを除去する。残存する金属箔63aはメッキシード層として用いられる。また、エッチングにより金属層60を除去する。
次に、図11に示すように、ビアホール31内にレーザーを照射し、電極12の下部の接着樹脂層20を除去する。このとき、電極12とともに配線41、42のランドが露出する。
また、メッキシード層62側から配線41の端部に向けてレーザーを照射することにより絶縁膜30にビアホール32を形成する。さらに、メッキシード層62側または金属箔63a側から配線42の端部に向けてレーザーを照射することにより、スルーホール33、貫通穴42b、及びスルーホール71を形成する。
【0031】
ビアホール32及びスルーホール33を形成するレーザーとしてはCO2レーザーを用いることが好ましい。絶縁膜30が、繊維強化樹脂からなるためである。なお、ビアホール32、スルーホール33を形成した後に、紫外線レーザー(UVレーザー)又は低出力のCOレーザーによりスルーホール71を形成してもよい。また、接着樹脂層20を除去する際には、UVレーザー又は低出力のCO2レーザーのいずれを用いてもよい。
【0032】
次に、無電解メッキ処理、電気メッキ処理を順に行うことによって、メッキシード層62、金属箔63aの表面を被覆するとともに、ビアホール31、32、貫通穴41a、42aに充填され、スルーホール33、71、貫通穴42bの内壁面を被覆する金属メッキ膜を形成する。次に、フォトリソグラフィー法及びエッチング法により金属メッキ膜をパターニングすることで、図12に示すように、充填材51、52、53、金属壁54及びコンタクトパッド55、56、57、58を形成する。
【0033】
なお、上述のようなサブトラクティブ法以外にも、セミアディティブ法又はフルアディティブ法によって充填材51、52、53、金属壁54及びコンタクトパッド55、56、57、58のパターンニングを行ってもよい。
【0034】
次に、ライトエッチングを行うことにより、図13に示すように、充填材51、52、53、金属壁54、コンタクトパッド55、56、57、58のいずれにも被覆されていない部分のメッキシード層62、金属箔63aを除去する。
【0035】
次に、絶縁膜30、封止層70、充填材51、52、53、金属壁54、コンタクトパッド55、56、57、58の表面及びスルーホール33、71、貫通穴42bの内の内部に樹脂材料を印刷して、その樹脂材料を硬化させることによって、オーバーコート層90をパターニングする。オーバーコート層90のパターニングにより、開口95、96、97、98が形成され、開口95、96、97、98内でコンタクトパッド55、56、57、58が露出する。
【0036】
なお、表面全体にディップコート法又はスピンコート法により感光性樹脂を塗布し、露光・現像することによって、オーバーコート層90をパターニングしてもよい。
【0037】
次に、開口95、96,97,98内においてコンタクトパッド55、56、57、58の表面に金メッキ又はニッケルメッキ・金メッキを無電界メッキ法により成長させる端子処理を行う。
次に、図15に示すように、開口95、96内に半田バンプ95a、96aを形成する。その後、図16に示すように、ダイシング処理を行うことにより複数の半導体装置1Aが切り出される。
【0038】
以上示したように、半導体構成体10をボンディングする前に絶縁膜30に配線41、42及びビアホール31、31を形成するため、不良部分への半導体構成体10のボンディングを避けられる。このため、半導体構成体10に対する歩留まりを改善することができる。また、金属層60上に積層され形状が安定した状態の絶縁膜30にビアホール31、31や配線41、42を形成するので、ビアホール31、31や配線41、42の歩留まりを改善することができる。
【0039】
<変形例>
なお、本発明は、図17〜図19に示すような半導体装置1B〜1Dについても適用することができる。
図17に示す半導体装置1Bでは、封止層70内にIVH基板72が設けられ、IVH基板72に設けられたビアホール73、73に充填された導体74、74を介して絶縁膜30下面のコンタクトパッド55、56と封止層70上面のコンタクトパッド57、58とが導通されている。
図18に示す半導体装置1Cにおいては、コンタクトパッド55とコンタクトパッド58とが、スルーホール33、71内に設けられた金属壁54により導通されている。
図19に示す半導体装置1Dにおいては、絶縁膜30上に半導体構成体10をボンディングボンディングした後に、モールディング樹脂を塗布することで封止層75を形成している。
このような半導体装置1B〜1Dにおいても、同様の効果が得られる。
【0040】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図20は本実施形態に係る半導体装置1Eの断面図である。なお、第1実施形態に係る半導体装置1Aと同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。本実施形態においては、ビアホール31の内壁面のうち配線41、42との隣接部分31aの径が大きくなっている。
本実施形態においては、ビアホール31、31と配線41、42とを形成する順序が異なる。以下、半導体装置1Eの製造方法について説明する。
【0041】
まず、図21に示すように、金属層60上に積層した絶縁膜30上に、第1実施形態と同様に配線41、42を形成する。なお、図21は電極12と配線42との接続部の拡大図であり、配線41を示していない。図22は配線42の平面図である。
【0042】
次に、図23に示すように、配線41、42の貫通穴41a、42aの部分にレーザーLを照射し、図24に示すように絶縁膜30にビアホール31を形成する。このとき、配線41、42の貫通穴41a、42a周囲のランドがマスクとなるため、ビアホール31の径が貫通穴41a、42aにより制約される。なお、レーザーにより配線41、42の温度が上昇するため、ビアホール31の内壁面のうち配線41、42との隣接部分31aが分解され径が大きくなる。次に、図25に示すように、エッチングによりビアホール31内のメッキシード層62を除去する。
【0043】
次に、絶縁膜30の上面であって配線41、42の貫通穴41a、42aが設けられた位置に接着樹脂層20を塗布し、その上に半導体構成体10をフェースダウンボンディングする。
次に、第1実施形態と同様に、熱硬化性樹脂シート70a、70bと、ピーラブル金属箔63とを順に重ね、図26に示すようにホットプレスにより一体化する。
【0044】
次に、図27に示すように、ピーラブル金属箔63の剥離層63bよりキャリア金属板63cを除去する。また、エッチングにより金属層60を除去する。
次に、ビアホール31内にレーザーを照射し、図28に示すように、電極12の下部の接着樹脂層20を除去する。
【0045】
次に、第1実施形態と同様にビアホール32、スルーホール33、貫通穴42b、及びスルーホール71を形成する。次に、無電解メッキ処理、電気メッキ処理を順に行うことによって、図29に示すように、メッキシード層62、金属箔63aの表面を被覆するとともに、ビアホール31、32、貫通穴41a、42aに充填され、スルーホール33、71、貫通穴42bの内壁面を被覆する金属メッキ膜64を形成する。
【0046】
次に、フォトリソグラフィー法及びエッチング法により金属メッキ膜をパターニングすることで、図30に示すように、充填材51、52、53、金属壁54及びコンタクトパッド55、56、57、58を形成する。
その後、第1実施形態と同様にしてオーバーコート層90を形成し、コンタクトパッド55、56、57、58の端子処理、半田バンプ95a、96aの形成、ダイシング処理を行う。
【0047】
本実施形態によれば、配線41、42の形成後であっても、ビアホール31、31を形成することができる。また、配線41、42の貫通穴41a、42a周囲のランドがマスクとなるため、ビアホール31の径を貫通穴41a、42aにより制約することができる。
【0048】
<第3実施形態>
図31は本発明の第3実施形態に係る半導体装置1Fの断面図である。なお、第2実施形態に係る半導体装置1Eと同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
本変形例においては、配線41、42が絶縁膜30に埋め込まれている。
【0049】
ここで、絶縁膜30に配線41、42を埋め込む方法について説明する。
まず、上側基材65上に、金属膜を形成し、パターニングすることにより、図32に示すように、配線41、42を形成する。
【0050】
次に、図33に示すように、金属層60上に絶縁膜30を積層するとともに、上側基材65を配線41、42が形成された面を絶縁膜30側に向けて積層する。その後、これらを一対の熱盤101、102の間に挟み込む。そして、熱盤101、102によってホットプレス成形することにより、図34に示すように一体化すると、配線41、42は絶縁膜30に埋め込まれる。
その後、図35に示すように、エッチングにより上側基材65を除去する。以後、第2実施形態と同様にして半導体装置1Fを形成することができる。
【0051】
なお、上記の実施形態において、封止される前の半導体構成体10は、図36(a)〜(c)のいずれかの形状としてもよい。
すなわち、図36(a)に示すように、半導体チップ11の仮面に絶縁膜13を形成し、その絶縁膜13にビアホール14を形成し、電極12の一部によりビアホール14が埋められる形状の半導体構成体10Aとしてもよい。絶縁膜13としては、無機絶縁層(例えば、酸化シリコン層又は窒化シリコン層)若しくは樹脂絶縁層(例えば、ポリイミド樹脂層)又はこれらの積層体である。絶縁膜13が積層体である場合、無機絶縁層が半導体チップ11の下面に成膜され、樹脂絶縁層がその無機絶縁層の表面に成膜されていてもよいし、その逆であってもよい。
【0052】
さらに、図36(b)に示すように、電極12に例えば銅からなるポスト15を凸設した形状の半導体構成体10Bとしてもよい。
あるいは、図36(c)に示すように、電極12及び絶縁膜13を覆うカバーコート16を成膜した形状の半導体構成体10Cとしてもよい。また、図36(b)のようにポスト15が形成されている場合でも、さらに図36(c)のように電極12及び絶縁膜13がカバーコート16によって覆われていてもよい。その場合、ポスト15がカバーコート16によって覆われていてもよいし、覆われていなくてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1A、1B、1C、1D、1E、1F 半導体装置
11 半導体チップ
12 電極
30 絶縁膜
31、32 ビアホール
33、71 スルーホール
41、42 配線
41a、42a、42b 貫通穴
60 基材
70 封止層
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置には、基板にビアホールを形成し、ビアホールに導体を充填することにより基板の一方の面に実装された半導体チップの電極と基板の他方の面に形成された外部電極との電気的接続をとるものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−42063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体チップが基板上に実装されているため、基板の厚みによって半導体装置全体が厚くなってしまう。そこで、半導体チップを絶縁膜上に実装しようとする試みがなされている。絶縁膜単体では絶縁膜が変形してしまうので、絶縁膜を支持基材に支持した状態でその絶縁膜上に半導体チップを実装する。そして、その絶縁膜上に封止層をモールド成形した後、基材をエッチング等で除去することになる。その後、絶縁膜に半導体チップの電極まで貫通するビアホールを形成した後、ビアホール内に導体を設けたり、絶縁膜及び封止層にスルーホールを貫通させた後、スルーホールの壁面に導体のメッキを設けたりすることにより層間接続を行う。そして、絶縁膜や封止層の表面に配線をパターニングする。
【0005】
しかし、ビアホールの形成には高い位置精度が要求されるため、歩留まりの低下要因となっている。歩留まり低下を防ぐためには、ビア底のランドを大きくする必要があり、ランドを大きくすると絶縁膜や封止層の表面における配線の自由度を制約するという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、半導体装置の製造方法における歩留まり低下を防ぐことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、本発明の一の態様によれば、基材上に絶縁膜を積層する第1工程と、前記絶縁膜にビアホールを形成する第2工程と、前記絶縁膜上に導体層を形成しパターニングすることで、前記ビアホール上に貫通穴を有する配線を形成する第3工程と、前記貫通穴の上部に電極が配置されるように半導体チップをフェースダウンボンディングする第4工程と、を含む半導体装置の製造方法が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、基材上に絶縁膜を積層する第1工程と、前記絶縁膜上に導体層を形成しパターニングすることで、貫通穴を有する配線を形成する第2工程と、前記絶縁膜の前記貫通穴の位置にビアホールを形成する第3工程と、前記貫通穴の上部に電極が配置されるように半導体チップをフェースダウンボンディングする第4工程と、を含む半導体装置の製造方法が提供される。
【0009】
好ましくは、前記貫通穴側から前記絶縁膜にレーザーを照射することにより前記ビアホールを形成する。
好ましくは、前記絶縁膜上に前記半導体チップ及び前記配線を封止する封止層を設ける第5工程を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、半導体装置の製造方法における歩留まり低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置1Aの断面図である。
【図2】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図3】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図4】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図5】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図6】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図7】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図8】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図9】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図10】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図11】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図12】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図13】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図14】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図15】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図16】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図17】本発明の変形例に係る半導体装置1Bの断面図である。
【図18】本発明の変形例に係る半導体装置1Cの断面図である。
【図19】本発明の変形例に係る半導体装置1Dの断面図である。
【図20】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置1Eの断面図である。
【図21】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図22】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図23】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図24】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図25】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図26】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図27】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図28】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図29】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図30】半導体装置1Eの製造方法の説明図である。
【図31】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置1Fの断面図である。
【図32】半導体装置1Fの製造方法の説明図である。
【図33】半導体装置1Fの製造方法の説明図である。
【図34】半導体装置1Fの製造方法の説明図である。
【図35】半導体装置1Fの製造方法の説明図である
【図36】(a)〜(c)は他の形態の半導体構成体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置1Aの断面図である。この半導体装置1Aは、半導体構成体10をパッケージしたものである。半導体構成体10は、半導体チップ11及び複数の電極12を備える。半導体チップ11は、シリコン基板の半導体基板に集積回路を設けたものである。複数の電極12は半導体チップ11の下面に設けられている。電極12は、Cuからなるものである。なお、電極12は、配線の一部であってもよい。
【0014】
図1に示すように、半導体構成体10の下面は、電極12が配線41、42と接触するように、接着樹脂層20により絶縁膜30上に接着されている。
接着樹脂層20は、エポキシ系樹脂といった熱硬化性樹脂からなり、絶縁性を有する。接着樹脂層20は、繊維強化されていない。
【0015】
絶縁膜30は、繊維強化樹脂膜である。具体的には、絶縁膜30は、ガラス布基材エポキシ樹脂、ガラス布基材ポリイミド樹脂その他のガラス布基材絶縁性樹脂複合材からなる。
絶縁膜30には、電極12、12と対応する位置にビアホール31、31が形成されている。また、半導体構成体10から離れた位置に、ビアホール32及びスルーホール33が設けられている。
【0016】
絶縁膜30の上面には、電極12と接触するように配線41、42が設けられている。配線41はビアホール31の1つとビアホール32との間に設けられており、ビアホール31の位置には貫通穴41aが設けられている。配線42はビアホール31の1つとスルーホール33との間に設けられており、ビアホール31の位置には貫通穴42aが設けられており、スルーホール33の位置には貫通穴42bが設けられている。貫通穴41a、42aの径は、ビアホール31、31よりも小さい。
【0017】
絶縁膜30の上面には、半導体構成体10、接着樹脂層20及び配線41、42を封止する封止層70が設けられている。封止層70は、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂その他の絶縁性樹脂からなる。封止層70は、フィラーを含有した熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)からなることが好ましい。なお、封止層70は、ガラス布基材絶縁性樹脂のように繊維強化されたものではないが、繊維強化樹脂からなるものとしてもよい。
封止層70には、スルーホール33及び貫通穴42bの位置にスルーホール71が設けられている。
【0018】
ビアホール31及び貫通穴41a、42aには、金属からなる充填材51、52が充填されている。充填材51、52により電極12、12と配線41、42とが導通されている。
ビアホール32には金属からなる充填材53が充填されている。また、スルーホール33、71及び貫通穴42bの内壁面には、金属壁54が形成されている。絶縁膜30の下部には、充填材53と一体に形成されたコンタクトパッド55、及び、金属壁54と一体に形成されたコンタクトパッド56が設けられている。
【0019】
封止層70の上面には、金属壁54と一体に形成されたコンタクトパッド57、その他の配線や配線と一体に設けられたコンタクトパッド58等が設けられている。
【0020】
絶縁膜30の下面、封止層70の上面及び金属壁54は、オーバーコート層90により被覆されている。オーバーコート層90のうちコンタクトパッド55、56、57、58に重なる部分には、開口95、96、97、98が形成されている。開口95、96には、コンタクトパッド55、56と導通する半田バンプ55a、56aが設けられている。
【0021】
なお、開口95、96、97、98内においてコンタクトパッド55、56、57、58の表面には、メッキ(例えば、金メッキからなる単層メッキ、ニッケルメッキ・金メッキからなる二層メッキ等)が形成されていてもよい。
【0022】
充填材51、52、53、金属壁54及びコンタクトパッド55、56、57、58は、銅若しくはニッケル又は銅とニッケルの積層体からなる。なお、充填材51、52、53、金属壁54及びコンタクトパッド55、56、57、58が他の金属からなるものとしてもよい。
【0023】
次に、半導体装置1Aの製造方法について説明する。まず、図2に示すように、両面にメッキシード層61、62を形成した絶縁膜30を、金属層60上に積層する。金属層60は絶縁膜30の取り扱いを容易にするためのキャリアであり、具体的には銅箔である。
このように準備した絶縁膜30及び金属層60のサイズは、図1に示された半導体装置1Aをダイシングにより複数個取り出せるようなサイズとなっている。
【0024】
次に、図3に示すように、レーザーを照射することにより絶縁膜30にビアホール31、31を形成し、ビアホール31内をデスミア処理する。レーザーとしては炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を用いることが好ましい。絶縁膜30が、繊維強化樹脂からなるためである。
【0025】
次に、図4に示すように、絶縁膜30の上面であって配線41、42以外の部分にメッキレジスト43を形成する。その後、無電解メッキ処理、電気メッキ処理を順に行うことによって絶縁膜30の上面にメッキ層44を形成し、メッキレジストを除去する。その後、図6に示すように、エッチングによりメッキシード層61、62を除去することにより、配線41、42を形成する。
【0026】
なお、上述のようなセミアディティブ法のほか、サブトラクティブ法により配線41、42を形成してもよい。このように形成した場合には、配線41、42の貫通穴41a、42aの径は、ビアホール31、31よりも小さくなる。
【0027】
次に、図7に示すように、絶縁膜30の上面であって配線41、42の貫通穴41a、42aが設けられた位置に接着樹脂層20を塗布し、その上に半導体構成体10をフェースダウンボンディングする。具体的には、非導電性ペースト(NCP;Non-Conductive Paste)を印刷法又はディスペンサ法によって塗布した後、又は非導電性フィルム(NCF;Non-Conductive Film)を予め供給した後、半導体構成体10の下面を非導電性ペースト又は非導電性フィルムに向けて下降させ、加熱圧着する。非導電性ペースト又は非導電性フィルムが硬化して接着樹脂層20となる。
【0028】
次に、図7の金属層60上に絶縁膜30及び半導体構成体10が形成されたものと、熱硬化性樹脂シート70a、70bと、ピーラブル金属箔63とを順に重ねる。ここで、硬化性樹脂シート70a、70bは、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂その他の熱硬化性樹脂にフィラーを含有させ、その熱硬化性樹脂を半硬化状態にしてシート状に成したものである。また、ピーラブル金属箔63は、銅板や厚手の銅箔等からなるキャリア金属板63cの上面に剥離層63bを形成し、剥離層63bの上面に金属箔63aを電解メッキで形成したものである。
【0029】
次に、図8に示すように、これらを一対の熱盤101、102の間に挟み込む。そして、熱盤101、102によって金属層60、絶縁膜30、熱硬化性樹脂シート70a、70b、及びピーラブル金属箔63をホットプレスする。加熱加圧によって熱硬化性樹脂シート70a、70bが圧縮され、硬化することによって、図9に示すように半導体構成体10及び接着樹脂層20を封止する封止層70が形成される。封止層70により封止することで配線41、42の絶縁性が高められる。なお、半導体構成体10及び接着樹脂層20の周囲は熱硬化性樹脂シート70a、70b中の熱硬化性樹脂70cが硬化することにより封止される。
【0030】
次に、図10に示すように、剥離層63bよりキャリア金属板63cを除去する。残存する金属箔63aはメッキシード層として用いられる。また、エッチングにより金属層60を除去する。
次に、図11に示すように、ビアホール31内にレーザーを照射し、電極12の下部の接着樹脂層20を除去する。このとき、電極12とともに配線41、42のランドが露出する。
また、メッキシード層62側から配線41の端部に向けてレーザーを照射することにより絶縁膜30にビアホール32を形成する。さらに、メッキシード層62側または金属箔63a側から配線42の端部に向けてレーザーを照射することにより、スルーホール33、貫通穴42b、及びスルーホール71を形成する。
【0031】
ビアホール32及びスルーホール33を形成するレーザーとしてはCO2レーザーを用いることが好ましい。絶縁膜30が、繊維強化樹脂からなるためである。なお、ビアホール32、スルーホール33を形成した後に、紫外線レーザー(UVレーザー)又は低出力のCOレーザーによりスルーホール71を形成してもよい。また、接着樹脂層20を除去する際には、UVレーザー又は低出力のCO2レーザーのいずれを用いてもよい。
【0032】
次に、無電解メッキ処理、電気メッキ処理を順に行うことによって、メッキシード層62、金属箔63aの表面を被覆するとともに、ビアホール31、32、貫通穴41a、42aに充填され、スルーホール33、71、貫通穴42bの内壁面を被覆する金属メッキ膜を形成する。次に、フォトリソグラフィー法及びエッチング法により金属メッキ膜をパターニングすることで、図12に示すように、充填材51、52、53、金属壁54及びコンタクトパッド55、56、57、58を形成する。
【0033】
なお、上述のようなサブトラクティブ法以外にも、セミアディティブ法又はフルアディティブ法によって充填材51、52、53、金属壁54及びコンタクトパッド55、56、57、58のパターンニングを行ってもよい。
【0034】
次に、ライトエッチングを行うことにより、図13に示すように、充填材51、52、53、金属壁54、コンタクトパッド55、56、57、58のいずれにも被覆されていない部分のメッキシード層62、金属箔63aを除去する。
【0035】
次に、絶縁膜30、封止層70、充填材51、52、53、金属壁54、コンタクトパッド55、56、57、58の表面及びスルーホール33、71、貫通穴42bの内の内部に樹脂材料を印刷して、その樹脂材料を硬化させることによって、オーバーコート層90をパターニングする。オーバーコート層90のパターニングにより、開口95、96、97、98が形成され、開口95、96、97、98内でコンタクトパッド55、56、57、58が露出する。
【0036】
なお、表面全体にディップコート法又はスピンコート法により感光性樹脂を塗布し、露光・現像することによって、オーバーコート層90をパターニングしてもよい。
【0037】
次に、開口95、96,97,98内においてコンタクトパッド55、56、57、58の表面に金メッキ又はニッケルメッキ・金メッキを無電界メッキ法により成長させる端子処理を行う。
次に、図15に示すように、開口95、96内に半田バンプ95a、96aを形成する。その後、図16に示すように、ダイシング処理を行うことにより複数の半導体装置1Aが切り出される。
【0038】
以上示したように、半導体構成体10をボンディングする前に絶縁膜30に配線41、42及びビアホール31、31を形成するため、不良部分への半導体構成体10のボンディングを避けられる。このため、半導体構成体10に対する歩留まりを改善することができる。また、金属層60上に積層され形状が安定した状態の絶縁膜30にビアホール31、31や配線41、42を形成するので、ビアホール31、31や配線41、42の歩留まりを改善することができる。
【0039】
<変形例>
なお、本発明は、図17〜図19に示すような半導体装置1B〜1Dについても適用することができる。
図17に示す半導体装置1Bでは、封止層70内にIVH基板72が設けられ、IVH基板72に設けられたビアホール73、73に充填された導体74、74を介して絶縁膜30下面のコンタクトパッド55、56と封止層70上面のコンタクトパッド57、58とが導通されている。
図18に示す半導体装置1Cにおいては、コンタクトパッド55とコンタクトパッド58とが、スルーホール33、71内に設けられた金属壁54により導通されている。
図19に示す半導体装置1Dにおいては、絶縁膜30上に半導体構成体10をボンディングボンディングした後に、モールディング樹脂を塗布することで封止層75を形成している。
このような半導体装置1B〜1Dにおいても、同様の効果が得られる。
【0040】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図20は本実施形態に係る半導体装置1Eの断面図である。なお、第1実施形態に係る半導体装置1Aと同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。本実施形態においては、ビアホール31の内壁面のうち配線41、42との隣接部分31aの径が大きくなっている。
本実施形態においては、ビアホール31、31と配線41、42とを形成する順序が異なる。以下、半導体装置1Eの製造方法について説明する。
【0041】
まず、図21に示すように、金属層60上に積層した絶縁膜30上に、第1実施形態と同様に配線41、42を形成する。なお、図21は電極12と配線42との接続部の拡大図であり、配線41を示していない。図22は配線42の平面図である。
【0042】
次に、図23に示すように、配線41、42の貫通穴41a、42aの部分にレーザーLを照射し、図24に示すように絶縁膜30にビアホール31を形成する。このとき、配線41、42の貫通穴41a、42a周囲のランドがマスクとなるため、ビアホール31の径が貫通穴41a、42aにより制約される。なお、レーザーにより配線41、42の温度が上昇するため、ビアホール31の内壁面のうち配線41、42との隣接部分31aが分解され径が大きくなる。次に、図25に示すように、エッチングによりビアホール31内のメッキシード層62を除去する。
【0043】
次に、絶縁膜30の上面であって配線41、42の貫通穴41a、42aが設けられた位置に接着樹脂層20を塗布し、その上に半導体構成体10をフェースダウンボンディングする。
次に、第1実施形態と同様に、熱硬化性樹脂シート70a、70bと、ピーラブル金属箔63とを順に重ね、図26に示すようにホットプレスにより一体化する。
【0044】
次に、図27に示すように、ピーラブル金属箔63の剥離層63bよりキャリア金属板63cを除去する。また、エッチングにより金属層60を除去する。
次に、ビアホール31内にレーザーを照射し、図28に示すように、電極12の下部の接着樹脂層20を除去する。
【0045】
次に、第1実施形態と同様にビアホール32、スルーホール33、貫通穴42b、及びスルーホール71を形成する。次に、無電解メッキ処理、電気メッキ処理を順に行うことによって、図29に示すように、メッキシード層62、金属箔63aの表面を被覆するとともに、ビアホール31、32、貫通穴41a、42aに充填され、スルーホール33、71、貫通穴42bの内壁面を被覆する金属メッキ膜64を形成する。
【0046】
次に、フォトリソグラフィー法及びエッチング法により金属メッキ膜をパターニングすることで、図30に示すように、充填材51、52、53、金属壁54及びコンタクトパッド55、56、57、58を形成する。
その後、第1実施形態と同様にしてオーバーコート層90を形成し、コンタクトパッド55、56、57、58の端子処理、半田バンプ95a、96aの形成、ダイシング処理を行う。
【0047】
本実施形態によれば、配線41、42の形成後であっても、ビアホール31、31を形成することができる。また、配線41、42の貫通穴41a、42a周囲のランドがマスクとなるため、ビアホール31の径を貫通穴41a、42aにより制約することができる。
【0048】
<第3実施形態>
図31は本発明の第3実施形態に係る半導体装置1Fの断面図である。なお、第2実施形態に係る半導体装置1Eと同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
本変形例においては、配線41、42が絶縁膜30に埋め込まれている。
【0049】
ここで、絶縁膜30に配線41、42を埋め込む方法について説明する。
まず、上側基材65上に、金属膜を形成し、パターニングすることにより、図32に示すように、配線41、42を形成する。
【0050】
次に、図33に示すように、金属層60上に絶縁膜30を積層するとともに、上側基材65を配線41、42が形成された面を絶縁膜30側に向けて積層する。その後、これらを一対の熱盤101、102の間に挟み込む。そして、熱盤101、102によってホットプレス成形することにより、図34に示すように一体化すると、配線41、42は絶縁膜30に埋め込まれる。
その後、図35に示すように、エッチングにより上側基材65を除去する。以後、第2実施形態と同様にして半導体装置1Fを形成することができる。
【0051】
なお、上記の実施形態において、封止される前の半導体構成体10は、図36(a)〜(c)のいずれかの形状としてもよい。
すなわち、図36(a)に示すように、半導体チップ11の仮面に絶縁膜13を形成し、その絶縁膜13にビアホール14を形成し、電極12の一部によりビアホール14が埋められる形状の半導体構成体10Aとしてもよい。絶縁膜13としては、無機絶縁層(例えば、酸化シリコン層又は窒化シリコン層)若しくは樹脂絶縁層(例えば、ポリイミド樹脂層)又はこれらの積層体である。絶縁膜13が積層体である場合、無機絶縁層が半導体チップ11の下面に成膜され、樹脂絶縁層がその無機絶縁層の表面に成膜されていてもよいし、その逆であってもよい。
【0052】
さらに、図36(b)に示すように、電極12に例えば銅からなるポスト15を凸設した形状の半導体構成体10Bとしてもよい。
あるいは、図36(c)に示すように、電極12及び絶縁膜13を覆うカバーコート16を成膜した形状の半導体構成体10Cとしてもよい。また、図36(b)のようにポスト15が形成されている場合でも、さらに図36(c)のように電極12及び絶縁膜13がカバーコート16によって覆われていてもよい。その場合、ポスト15がカバーコート16によって覆われていてもよいし、覆われていなくてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1A、1B、1C、1D、1E、1F 半導体装置
11 半導体チップ
12 電極
30 絶縁膜
31、32 ビアホール
33、71 スルーホール
41、42 配線
41a、42a、42b 貫通穴
60 基材
70 封止層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に絶縁膜を積層する第1工程と、
前記絶縁膜にビアホールを形成する第2工程と、
前記絶縁膜上に導体層を形成しパターニングすることで、前記ビアホール上に貫通穴を有する配線を形成する第3工程と、
前記貫通穴の上部に電極が配置されるように半導体チップをフェースダウンボンディングする第4工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
基材上に絶縁膜を積層する第1工程と、
前記絶縁膜上に導体層を形成しパターニングすることで、貫通穴を有する配線を形成する第2工程と、
前記絶縁膜の前記貫通穴の位置にビアホールを形成する第3工程と、
前記貫通穴の上部に電極が配置されるように半導体チップをフェースダウンボンディングする第4工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記貫通穴側から前記絶縁膜にレーザーを照射することにより前記ビアホールを形成することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記絶縁膜上に前記半導体チップ及び前記配線を封止する封止層を設ける第5工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
基材上に絶縁膜を積層する第1工程と、
前記絶縁膜にビアホールを形成する第2工程と、
前記絶縁膜上に導体層を形成しパターニングすることで、前記ビアホール上に貫通穴を有する配線を形成する第3工程と、
前記貫通穴の上部に電極が配置されるように半導体チップをフェースダウンボンディングする第4工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
基材上に絶縁膜を積層する第1工程と、
前記絶縁膜上に導体層を形成しパターニングすることで、貫通穴を有する配線を形成する第2工程と、
前記絶縁膜の前記貫通穴の位置にビアホールを形成する第3工程と、
前記貫通穴の上部に電極が配置されるように半導体チップをフェースダウンボンディングする第4工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記貫通穴側から前記絶縁膜にレーザーを照射することにより前記ビアホールを形成することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記絶縁膜上に前記半導体チップ及び前記配線を封止する封止層を設ける第5工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図17】
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【図22】
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【図25】
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【図31】
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【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2011−14680(P2011−14680A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156782(P2009−156782)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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