説明

半導体装置

【課題】半導体素子とインタポーザ基板との接合品質を安定化させる。
【解決手段】半導体装置1は、フィルム基板8に実装されてシリコンにより構成されたインタポーザ基板2と、液晶を駆動するためにインタポーザ基板2に実装された半導体素子3とを備え、インタポーザ基板2は、半導体素子3側に形成された基板突起電極4を有し、半導体素子3は、基板突起電極4と接合する素子突起電極5を有し、素子突起電極5の素子接合面の面積が、基板突起電極4の基板接合面の面積よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、例えば、フィルム基板に実装されてシリコンにより構成されたインタポーザ基板と、液晶を駆動するためにインタポーザ基板に実装された半導体素子とを備えたSOF(System On Film)に好適な半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)に組み込まれるトランジスタの数は年々多くなっており、内部に構成される回路数も多くなっている。液晶パネルは近年高精細化が進み、表示画素が増加する分、駆動回路も増加する。増加した駆動回路を補うためには、液晶パネルに実装される液晶ドラバの数を増加させるか、1つの液晶ドライバに搭載される駆動回路を増加させる必要がある。近年では液晶パネルに実装される液晶ドライバの数が増加しないように後者の液晶ドライバの駆動回路を増加で対応することが多い。
【0003】
集積回路チップは、チップサイズが小さいほど量産効率がよく、チップの原価は安くなる。そのため、多出力のドライバでは、チップサイズ縮小のためにパッドをファインピッチ化することが必要となる。また、集積回路チップのパッドのファインピッチ化に伴い、ドライバのパッケージであるフィルムのインナーリード(液晶ドライバとフィルムをつなぐ配線)のピッチもファインピッチ化する必要がある。ファインピッチ化を実現可能にする構造として、SOF(System On Film:COF(Chip On Film)とも呼ばれる)が知られている。
【0004】
図8は、従来の半導体装置91の構成を示す模式断面図である。半導体装置91は、フィルム基板98を備えている。フィルム基板98は、孔82を有している。フィルム基板98の表面には、配線パターン81が形成されている。
【0005】
半導体装置91には、インタポーザ基板92が設けられている。インタポーザ基板92のフィルム基板98側の表面の配線パターン81に対向する位置には、金によって構成された複数個の突起電極90が設けられている。インタポーザ基板92は、突起電極90及び配線パターン81を介してフィルム基板98に実装されている。
【0006】
インタポーザ基板92のフィルム基板98側の表面の孔82に対向する位置には、金によって構成された複数個の基板突起電極94が設けられている。
【0007】
フィルム基板98の孔82の中には、半導体素子93が設けられている。半導体素子93のインタポーザ基板92側の表面の各基板突起電極94に対向する位置には、金によって構成された複数個の素子突起電極95が設けられている。半導体素子93は、素子突起電極95及び基板突起電極94を介してインタポーザ基板92に実装されている。半導体素子93とフィルム基板98との間、並びに、インタポーザ基板92とフィルム基板98及び半導体素子93との間には、封止樹脂99が封止されている。
【特許文献1】特開2004−207566号公報(平成16年7月22日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の構成では、半導体素子93をインタポーザ基板92に実装する際に、素子突起電極95と基板突起電極94との接合位置ズレが生じ、素子突起電極95の接合面が、基板突起電極94の接合面からはみ出して、接合荷重が変動する結果、半導体素子93とインタポーザ基板92との接合品質が不安定になるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体素子とインタポーザ基板との接合品質を安定化させることができる半導体装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る半導体装置は、上記課題を解決するために、実装基板に実装されて半導体により構成されたインタポーザ基板と、前記インタポーザ基板に実装された半導体素子とを備え、前記インタポーザ基板は、前記半導体素子側に形成された基板突起電極を有し、前記半導体素子は、前記基板突起電極と接合する素子突起電極を有する半導体装置において、前記素子突起電極の素子接合面の面積が、前記基板突起電極の基板接合面の面積よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る他の半導体装置は、実装基板に実装されて半導体により構成されたインタポーザ基板と、前記インタポーザ基板に実装された半導体素子とを備え、前記インタポーザ基板は、前記半導体素子側に形成された基板突起電極を有し、前記半導体素子は、前記基板突起電極と接合する素子突起電極を有する半導体装置において、前記インタポーザ基板側又は前記半導体素子側から透視した場合に、前記素子突起電極の面積が前記基板突起電極の面積よりも大きいことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るさらに他の半導体装置は、実装基板に実装されて半導体により構成されたインタポーザ基板と、前記インタポーザ基板に実装された半導体素子とを備え、前記インタポーザ基板は、前記半導体素子側に形成された基板突起電極を有し、前記半導体素子は、前記基板突起電極と接合する素子突起電極を有する半導体装置において、一側面視で、前記素子突起電極の素子接合面の長さが、前記基板突起電極の基板接合面の長さよりも長いことを特徴とする。
【0013】
上記の特徴によれば、基板突起電極と素子突起電極との接合位置にズレが生じても、素子突起電極は、基板突起電極の基板接合面のうちの広い面積の面と接触することができ、接合荷重の変動が抑制されて、接合品質を安定化することができる。
【0014】
なお、突起電極とは、通常「バンプ」と呼ばれているもので、電極部の表面に形成され、電気的に接続する対象物と接合されるものである。
【0015】
本発明に係る半導体装置では、前記素子接合面及び前記基板接合面は、長方形状をしており、前記素子接合面及び前記基板接合面のそれぞれの長軸は、互いに平行に配置されており、前記素子接合面の短軸方向の幅が、前記基板接合面の短軸方向の幅よりも広いことが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、基板接合面の短軸方向に沿った接合位置のズレに対して、好適に接合荷重の変動を抑制し、接合品質を安定化することができる。
【0017】
本発明に係る半導体装置では、前記素子接合面の長軸方向の長さと前記基板接合面の長軸方向の長さとが、互いに等しいことが好ましい。
【0018】
基板突起電極の長軸方向に沿った側壁が、素子突起電極の素子接合面に食い込んで接合強度が増大するが、上記構成によれば、素子接合面に食い込む基板突起電極の側壁が長くなり、噛み合うように接合するので、接合強度が増大し、接合品質が向上する。
【0019】
本発明に係る半導体装置では、前記基板接合面の長軸方向の長さは、前記素子接合面の長軸方向の長さよりも長いことが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、基板突起電極の長軸方向に沿った側壁が、素子突起電極の素子接合面に食い込むのみならず、素子突起電極の短軸方向に沿った側壁が、基板突起電極の基板接合面に逆方向に食い込む。このため、基板突起電極と素子突起電極とが、互いに噛み合うように接合して、接合強度がより一層増大し、接合品質がより一層向上する。
【0021】
本発明に係る半導体装置では、前記インタポーザ基板に垂直な方向から見て、前記素子接合面は、前記基板接合面を囲むように配置されており、前記素子接合面及び前記基板接合面は、長方形状をしており、前記素子接合面及び前記基板接合面のそれぞれの長軸は、互いに平行に配置されており、前記インタポーザ基板に垂直な方向から見て、前記素子接合面の一辺は、前記基板接合面の対応する一辺から5〜10μm離れて配置されていることが好ましい。
【0022】
上記構成によれば、接合位置のズレがどの方向に5〜10μm生じても、接合荷重の変動を抑制し、接合品質を安定化することができる。
【0023】
本発明に係る半導体装置では、前記素子突起電極の高さと前記基板突起電極の高さとが、互いに異なっていることが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、素子突起電極または基板突起電極を低くすることができ、高さのバラツキを低減して、接合品質を安定化することができる。
【0025】
例えばテープキャリアのように曲げ加工し易いように薄くて可撓性が高い素材をパッケージ基材として構成した場合、テープキャリアにインターポーザ基板を接続する際、前記基板突起電極が低いとテープキャリアの配線とインターポーザ基板の端部の間隔が充分に確保できず、テープキャリアの配線がインターポーザ基板の端部に接触して、テープキャリアの配線導体間の短絡が生じることがある。例えば基板突起電極を15μmで作製し、基板突起電極とテープキャリアの配線を接続した場合にテープキャリアの配線とインターポーザ基板の端部との間隔は9μm程度確保できるため、基板突起電極高さが、10〜15μmであればテープキャリアの配線とインターポーザ基板の端部との間隔が充分に確保でき、配線同士の短絡を避けることができる。また、素子突起電極はそのような心配が無い為、前記基板突起電極の高さよりも低くできる。
【0026】
そのため本発明に係る半導体装置では、前記素子突起電極の高さが、前記基板突起電極の高さよりも低いことが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、素子突起電極を基板突起電極よりも低くすることができ、素子突起電極の高さのバラツキを低減して、Au使用量を削減し、接合品質を安定化することができる。
【0028】
本発明に係る半導体装置では、前記素子突起電極の高さが、5〜8μmであることが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、素子突起電極を低くすることができ、素子突起電極の高さのバラツキを低減して、Au使用量を削減してコストを低減するとともに、接合品質を安定化することができる。
【0030】
本発明に係る半導体装置では、前記基板突起電極の高さが、10〜15μmであることが好ましい。
【0031】
上記構成によれば、基板突起電極を低くして、Au使用量削減によるコストダウンを実現し、バンプ高さのバラツキを低減して、接合品質を安定化することができる。
【0032】
本発明に係る半導体装置では、前記基板突起電極は、前記素子突起電極よりも硬度が高いことが好ましい。
【0033】
上記構成によれば、硬度が高い基板突起電極が、柔らかい素子突起電極に食い込むので、接合強度が向上する。
【0034】
本発明に係る他の半導体装置は、上記課題を解決するために、実装基板に実装されて半導体により構成されたインタポーザ基板と、前記インタポーザ基板に実装された半導体素子とを備え、前記インタポーザ基板は、前記半導体素子側に形成された基板突起電極を有し、前記半導体素子は、前記基板突起電極と接合する端子を有することを特徴とする。
【0035】
上記特徴により、半導体素子側に突起電極を設けないので、Au使用量低減によるコストダウンを実現することができる。
【0036】
本発明に係る半導体装置では、前記端子は、アルミニウムによって構成され、前記基板突起電極は、金によって構成されることが好ましい。
【0037】
上記構成によれば、ワイヤーボンド等の一般的なAl−Au接合により、接合品質の安定化を図ることができる。
【0038】
本発明に係るさらに他の半導体装置は、実装基板に実装されて半導体により構成されたインタポーザ基板と、前記インタポーザ基板に実装された半導体素子とを備え、前記インタポーザ基板は、前記半導体素子側に形成された基板突起電極を有し、前記半導体素子は、前記基板突起電極と接合する素子突起電極を有する半導体装置において、前記素子突起電極の高さと前記基板突起電極の高さとが、互いに異なっていることを特徴とする。
【0039】
上記特徴により、素子突起電極を、基板突起電極よりも低く構成することができ、素子突起電極の高さのバラツキを低減して、Au使用量を削減し、接合品質を安定化することができる。
【0040】
本発明に係るさらに他の半導体装置は、実装基板に実装されて半導体により構成されたインタポーザ基板と、前記インタポーザ基板に実装された半導体素子とを備え、前記インタポーザ基板は、前記半導体素子側に形成された基板突起電極を有し、前記半導体素子は、前記基板突起電極と接合する素子突起電極を有する半導体装置において、前記素子突起電極の素子接合面及び前記基板突起電極の基板接合面は、長方形状をしており、前記素子接合面及び前記基板接合面のそれぞれの長軸は、互いに平行に配置されており、前記素子接合面の短軸方向の幅が、前記基板接合面の短軸方向の幅よりも広く、前記基板接合面の長軸方向の長さは、前記素子接合面の長軸方向の長さよりも長いことを特徴とする。
【0041】
上記特徴により、基板突起電極の長軸方向に沿った側壁が、素子突起電極の素子接合面に食い込むのみならず、素子突起電極の短軸方向に沿った側壁が、基板突起電極の基板接合面に逆方向に食い込む。このため、基板突起電極と素子突起電極とが、互いに噛み合うように接合して、接合強度がより一層増大し、接合品質がより一層向上する。
【発明の効果】
【0042】
本発明に係る半導体装置は、以上のように、基板突起電極と素子突起電極との接合位置にズレが生じても、素子突起電極は、基板突起電極の基板接合面のうちの広い面積の面と接触することができ、接合荷重の変動が抑制されて、接合品質を安定化することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明の一実施形態について図1ないし図7に基づいて説明すると以下の通りである。図1は、実施の形態に係る半導体装置1の構成を示す模式断面図である。半導体装置1は、フィルム基板8を備えている。フィルム基板8は、孔12を有している。フィルム基板8の表面には、配線パターン11が形成されている。
【0044】
半導体装置1には、インタポーザ基板2が設けられている。インタポーザ基板2のフィルム基板8側の表面の配線パターン11に対向する位置には、金によって構成された複数個の突起電極(バンプ)10が設けられている。インタポーザ基板2は、突起電極10及び配線パターン11を介してフィルム基板8に実装されている。
【0045】
インタポーザ基板2のフィルム基板8側の表面の孔2に対向する位置には、金によって構成された複数個の基板突起電極(バンプ)4が設けられている。
【0046】
フィルム基板8の孔12の中には、液晶を駆動するための半導体素子3が設けられている。半導体素子3のインタポーザ基板2側の表面の各基板突起電極4に対向する位置には、金によって構成された複数個の素子突起電極(バンプ)5が設けられている。半導体素子3は、素子突起電極5及び基板突起電極4を介してインタポーザ基板2に実装されている。半導体素子3とフィルム基板8との間、並びに、インタポーザ基板2とフィルム基板8及び半導体素子3との間には、封止樹脂9が封止されている。
【0047】
図2は、実施の形態に係る基板突起電極4の基板接合面6と素子突起電極5の素子接合面7との寸法関係を示す模式断面図であり、図1に示す断面AAに沿った模式断面図である。基板接合面6は、長方形状をしている。素子接合面7は、基板接合面6よりも大きな長方形状をしており、基板接合面6を囲むように配置されている。素子接合面7及び基板接合面6のそれぞれの長軸は、一致している。素子接合面7の短軸方向の幅W2は、基板接合面6の短軸方向の幅W1よりも広い。素子接合面7の長軸方向の長さL2は、基板接合面6の長軸方向の長さL1よりも長い。基板接合面6の長軸方向に沿った縁辺は、素子接合面7の長軸方向に沿った縁辺から距離D1だけ離れている。基板接合面6の短軸方向に沿った縁辺は、素子接合面7の短軸方向に沿った縁辺から距離D2だけ離れている。素子接合面7の長さL2は、例えば75μmであり、幅W2は、例えば45μmである。基板接合面6の長さL1は、例えば60μmであり、幅W1は、例えば30μmである。従って、距離D1及び距離D2は、7.5μmである。
【0048】
基板突起電極4は、素子突起電極5よりも硬度が高くなっている。突起電極の硬度は、アニールの有無によって調整することができる。硬くて細い基板突起電極4が、柔らかくて低い素子突起電極5に食い込むことにより、接合品質を向上させることができる。
【0049】
また、素子突起電極5の表面粗度と、基板突起電極4の表面粗度とを0.5μm以上異ならせてもよい。接触面の凹凸を大きくして接触面積を増大させ、接合強度を大きくして接合品質を増大させることができる。突起電極の表面粗度は、エッチング液に浸す時間等のメッキ条件を変更することによって調整することができる。
【0050】
また、バンプ潰れ状態を確認するためのバンプを、チップのコーナ部に設けてもよい。赤外線顕微鏡による画像により、バンプが広がっているほど、バンプ同士がぶつかり合って圧縮されていると判断することができ、この判断に基づいて微調整することが可能になるので、接合品質を向上させることができる。
【0051】
また、基板突起電極4及び素子突起電極5のインタポーザ基板3に垂直な方向から見た形状は、正方形であってもよい。従来のSOFでは、リードとの接合面積を確保するためにバンプを縦長の長方形にする必要があったが、本実施の形態では、バンプはメタル配線と接続すればよく、リードと接合する必要がなくなるため、正方形にして、接合状態を均一にし、接合品質を高めることができる。
【0052】
このように、基板突起電極4のバンプサイズと、素子突起電極5のバンプサイズとは、互いに異なっており、素子突起電極5のバンプサイズは、基板突起電極4のバンプサイズよりも大きい。このため、バンプ形成位置ズレ、立ち上げ位置ズレ、及び設備能力に起因する接合位置ズレによって生じる接合荷重の変動を抑制することができる。
【0053】
図3は、実施の形態に係る基板突起電極4と素子突起電極5との寸法関係を示す模式断面図である。基板突起電極4のバンプ高さH1は、例えば15μmであり、素子突起電極5バンプ高さH2は、例えば8μmである。このように、素子突起電極5のバンプ高さと、基板突起電極4のバンプ高さとは、互いに異なっており、素子突起電極5のバンプ高さは、基板突起電極4のバンプ高さよりも低くなっている。素子突起電極5のバンプ高さH2は、例えば5μmに低くしてもよい。
【0054】
このように、素子突起電極5のバンプ高さを低くすると、Auの使用量を削減することができ、コストを低減することができる。また、素子突起電極5のバンプ高さを低くすると、素子突起電極5の高さバラツキが低減するので、接合品質が安定する。
【0055】
基板突起電極4のバンプ高さH1は、例えば10μmに低くしてもよい。基板突起電極4を低くすると、Auの使用量を削減することができ、コストを低減することができる。また、高さバラツキが低減するので、接合品質が安定する。
【0056】
以上のように、大きくて低いバンプである素子突起電極5を、細くて高いバンプである基板突起電極4に接合すると、素子突起電極5と基板突起電極4との接合品質が安定する。
【0057】
サイズの異なる素子突起電極5と基板突起電極4とは、全バンプ中、接合面積で換算して、80%程度にする。残りの20%のバンプは、サイズを等しくしている。なお、全てのバンプにおいて、上下バンプサイズが異なるように構成してもよい。
【0058】
また、半導体素子3の入力端子に接続して設けられる入力バンプ、及び出力端子に接続して設けられる出力バンプ以外に、冗長バンプを設けてもよい。また、入力バンプにおいて、電源系及びGND系のバンプを冗長的に複数個設けると、デバイス特性の安定化により高品質化を図ることができる。
【0059】
また、素子突起電極5を設けず、半導体素子3にアルミニウムによって形成された端子に基板突起電極4を接合するように構成してもよい。ワイヤーボンド等の一般的なAl−Au接合により、接合品質を安定化することができる。
【0060】
図4は、実施の形態に係る基板突起電極4の基板接合面6と素子突起電極5の素子接合面7との他の寸法関係を示す模式断面図である。素子接合面7の長軸方向の長さと基板接合面6の長軸方向の長さとは、互いに等しくてもよい。基板突起電極4の長軸方向に沿った側壁が、素子突起電極5の素子接合面7に食い込んで接合強度が増大するが、図4に示すように構成すると、素子接合面7に食い込む基板突起電極4の側壁が、図2に示す構成よりも長くなり、噛み合うように接合するので、接合強度が増大し、接合品質が向上する。
【0061】
図5は、実施の形態に係る基板突起電極4の基板接合面6と素子突起電極5の素子接合面7とのさらに他の寸法関係を示す模式断面図である。基板接合面6の長軸方向の長さは、素子接合面7の長軸方向の長さよりも長く構成してもよい。このように構成すると、基板突起電極4の長軸方向に沿った側壁が、素子突起電極5の素子接合面7に食い込むのみならず、素子突起電極5の短軸方向に沿った側壁が、基板突起電極4の基板接合面6に逆方向に食い込む。このため、基板突起電極4と素子突起電極5とが、互いに噛み合うように接合して、接合強度がより一層増大し、接合品質がより一層向上する。
【0062】
図6は、実施の形態に係る基板突起電極4と素子突起電極5との他の寸法関係を示す模式断面図である。基板接合面6と素子接合面7との形状及びサイズとは、同一にしながら、基板突起電極4の高さと、素子突起電極5の高さとを異ならせてもよい。素子突起電極5は基板突起電極4よりも低く、基板突起電極4の高さは、例えば15μmであり、素子突起電極5の高さは、例えば8μmである。素子突起電極5の高さは、例えば5μmに低くしてもよい。
【0063】
このように構成すると、素子突起電極5を低く構成するので、Auの使用量を削減してコストを低減することができる。また、素子突起電極5が低くなるので、高さバラツキが低減し、接合品質を安定化することができる。
【0064】
図7は、実施の形態に係る基板突起電極4と素子突起電極5とのさらに他の寸法関係を示す模式断面図である。基板接合面6と素子接合面7とを同一の形状及びサイズにすると、接合ズレが発生した場合、基板突起電極4の一端が、素子突起電極5の一端からはみ出し、素子突起電極5の他端が、基板突起電極4の他端からはみ出した状態で、圧着接合される。素子突起電極5の一端からはみ出した基板突起電極4の一端と、基板突起電極4の他端からはみ出した素子突起電極5の他端とは、圧着されないことになるが、素子突起電極5の一端からはみ出した基板突起電極4の一端は、半導体素子3のインターポーザ基板2側の表面に接触せず、また、基板突起電極4の他端からはみ出した素子突起電極5の他端は、インターポーザ基板2の半導体素子3側の表面に接触しないように構成されている。このため、バンプがチップの表面に接触することによる品質低下を回避することができる。
【0065】
なお、上述した実施形態では、図2,4,5からも明らかなように、インタポーザ基板2側又は半導体素子3側から透視した場合に、素子突起電極4の面積が基板突起電極5の面積よりも大きくなっている。また、例えば図1に示すような半導体装置を側面から見た側面視において、図2の図面上下方向と図面左右方向とのいずれでも、素子突起電極5の素子接合面の長さ(L1,L2)が、基板突起電極4の基板接合面の長さ(W1,W2)よりも長くなっている。そして、同様に側面視において、図4,5の図面左右方向では、素子突起電極5の素子接合面の長さが、基板突起電極4の基板接合面の長さよりも長くなっている。
【0066】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記実施形態では、いずれも突起電極の平面形状が四角形のものを示したが、楕円形状や丸形状のものでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、フィルム基板に実装されてシリコンにより構成されたインタポーザ基板と、液晶を駆動するためにインタポーザ基板に実装された半導体素子とを備えたハイブリッドSOFに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施の形態に係る半導体装置の構成を示す模式断面図である。
【図2】実施の形態に係る基板突起電極の基板接合面と素子突起電極の素子接合面との寸法関係を示す模式断面図である。
【図3】実施の形態に係る基板突起電極と素子突起電極との寸法関係を示す模式断面図である。
【図4】実施の形態に係る基板突起電極の基板接合面と素子突起電極の素子接合面との他の寸法関係を示す模式断面図である。
【図5】実施の形態に係る基板突起電極の基板接合面と素子突起電極の素子接合面とのさらに他の寸法関係を示す模式断面図である。
【図6】実施の形態に係る基板突起電極と素子突起電極との他の寸法関係を示す模式断面図である。
【図7】実施の形態に係る基板突起電極と素子突起電極とのさらに他の寸法関係を示す模式断面図である。
【図8】従来の半導体装置の構成を示す模式断面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 半導体装置
2 インターポーザ基板
3 半導体素子
4 基板突起電極
5 素子突起電極
6 基板接合面
7 素子接合面
8 フィルム基板
9 封止樹脂
10 突起電極
11 配線パターン
12 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装基板に実装されて半導体により構成されたインタポーザ基板と、前記インタポーザ基板に実装された半導体素子とを備え、前記インタポーザ基板は、前記半導体素子側に形成された基板突起電極を有し、前記半導体素子は、前記基板突起電極と接合する端子を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記端子は、アルミニウムによって構成され、
前記基板突起電極は、金によって構成される請求項1記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−182283(P2008−182283A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110742(P2008−110742)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【分割の表示】特願2006−339048(P2006−339048)の分割
【原出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】