説明

半導体装置

【課題】半導体装置における実装時のショート防止およびリード脱落防止を図る半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体チップ8を支持するタブ5と、半導体チップ8が樹脂封止されて形成された封止部12と、タブ5を支持するタブ吊りリード4と、封止部12の裏面の周縁部に露出する被接続部とタブ側の端部に前記被接続部より薄く形成された肉薄部とを備え、かつ前記被接続部の封止部12内に配置されるワイヤ接合面2dに内側溝部2eおよび外側溝部2fが設けられた複数のリード2と、半導体チップ8のパッド7とリード2とを接続するワイヤ10とからなり、リード2の前記肉薄部が封止用樹脂によって覆われ、かつワイヤ10が前記被接続部に対して外側溝部2fと内側溝部2eとの間で接合されており、リード2の前記肉薄部と外側溝部2fと内側溝部2eとによってリード脱落防止を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、半導体装置の小型化、薄型化、低コスト化および信頼性の向上に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の樹脂封止表面実装型半導体装置では、内部導出リードとダイパッドが同一平面にあるリードフレームを用い、半導体チップとボンディングワイヤあるいはバンプにより電気的に接続されている内部導出リードの裏面を、半導体装置の外部との電気的接続部分として機能する外部電極としている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来の薄型の樹脂封止型半導体装置は、リードフレームの吊りリードがアップセット処理され、段差部を有しているので、ダイパッド部の下方にも封止樹脂を存在させることができ、薄型ではあるが実質的にリードフレームに対して両面封止型の半導体装置であり、両面封止構造であるために信頼性を保つことができるものである(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、従来の樹脂封止型半導体装置は、リードフレームの支持部に搭載された半導体素子と、この半導体素子の電極とリードフレームのインナーリード部とを接続した金属細線と、封止樹脂とを備え、支持部がインナーリード部より上方に位置するようにリードフレームをアップセット処理したので、支持部の下方にアップセットの段差分の厚さの封止樹脂が存在し、リードフレームと封止樹脂との密着性を向上させることができる(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−129473号公報(図1)
【特許文献2】特開平10−189830号公報(図1)
【特許文献3】特開平11−74440号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
小型・軽量化が進む電子機器の市場は急激に成長している。こうした状況の中、このような小型電子機器分野では、LSIの実装技術の向上、すなわち、高密度実装可能なパッケージ技術の開発が重要な課題となっている。
【0007】
また、市場の成長が進むにつれて、生産性の向上、製造コストの低減が求められるようになっている。
【0008】
このような技術課題に対処しうる第1の技術として、特開平5−129473号公報(特許文献1)に開示される技術がある。この技術は、図29に示すように、内部導出リード33とタブ34が同一平面にあるリードフレーム35を用い、半導体チップ36とボンディングワイヤ37により電気的に接続されている内部導出リード33の下面を、半導体装置の外部との電気的接続部分として機能する外部電極とすることを特徴とする樹脂封止表面実装型半導体装置である。
【0009】
しかしながら、図29に示した第1の技術の場合、タブ34の実装基板側が半導体装置の下面より露出する構造であるため、半導体装置を実装基板に実装した際、タブ34と実装基板上の配線とが接触する可能性があり、対応する実装基板部分には配線を形成することができなく、基板設計の自由度が低下するという問題があった。また、タブ34の片面のみを封止材38で封止した構造であるため、タブ34と封止材38との接触面積の低下により、密着性が損なわれ、半導体装置の信頼性が低下するという問題もあった。
【0010】
第2の技術として、特開平10−189830号公報(特許文献2)に開示される技術がある。この技術は、図30に示すようにリードフレーム39の吊りリード40で支持されたタブ41上に搭載された半導体素子42と、前記半導体素子42の上面の電極43とインナーリード部44とを電気的に接続した金属細線45と、前記半導体素子42の上面の金属細線領域を含む半導体素子42の外囲領域を封止した封止樹脂46と、前記封止樹脂46の底面領域に配列され、前記インナーリード部44と接続した外部端子47とよりなる樹脂封止型半導体装置であって、前記吊りリード40はアップセット処理され、段差部48を有し、前記タブ41の下方にも封止樹脂46が前記アップセット分の厚みで形成されていることを特徴とする樹脂封止型半導体装置である。
【0011】
この第2の技術は、リードフレーム39の吊りリード40がアップセット処理され、段差部48を有しているので、タブ41の下方にも封止樹脂46を存在させることができ、実質的にリードフレーム39に対して両面封止型の半導体装置であり、前記第1の技術よりも、信頼性が向上されるというメリットがある。
【0012】
また、タブ41の実装基板側が半導体装置の下面より露出する構造でないため、半導体装置を実装基板に実装した際、タブ41と実装基板上の配線とが接触することはなく、実装基板の設計が自由に行えるというメリットもある。
【0013】
なお、タブがアップセット処理(タブ上げ加工)された半導体装置のその他の例としては、特開平11−74440号公報(特許文献3)にその技術が開示されている。
【0014】
ところが、前記第1の技術では、薄型化を向上させるためにタブの片面のみを封止材で封止した構造であるため、封止材とタブとの接触面積の低下により、密着性が損なわれ、半導体装置の信頼性が低下するという問題がある。
【0015】
また、前記第2の技術および特開平11−74440号公報に記載された技術では、リードフレームに対して両面封止型の半導体装置であり、前記第1の技術よりも、信頼性が向上されるというメリットはあるが、段差部をアップセット処理で形成するので、第1の技術ほど半導体装置の薄型化を向上させることはできないという問題やアップセット処理時に発生するタブロケーションの問題などがある。
【0016】
すなわち、従来の第1、第2の技術でも、薄型化と信頼性の向上とを両立することに成功していないことが本発明者により明らかにされた。
【0017】
本発明の目的は、薄型化と高信頼性を両立することができる半導体装置を提供することにある。
【0018】
さらに、本発明の他の目的は、生産性の向上および製造コストの低減を実現することができる半導体装置を提供することにある。
【0019】
また、本発明の他の目的は、実装時のショート防止およびリード脱落防止を図ることができる半導体装置を提供することにある。
【0020】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0022】
すなわち、本発明は、タブと、前記タブを支持する複数のタブ吊りリードと、複数のパッドが形成された主面、および前記主面とは反対側の裏面を有し、前記タブ上に搭載された半導体チップと、前記半導体チップの周囲に配置された複数のインナーリード部と、前記半導体チップの複数のパッドと前記複数のインナーリード部とをそれぞれ電気的に接続する複数のボンディングワイヤと、前記半導体チップ、前記タブ、前記複数のタブ吊りリード、前記複数のインナーリード部、および前記複数のワイヤを封止する封止部と、前記複数のインナーリード部のそれぞれと一体に形成され、前記封止部から露出する複数のアウターリード部と、前記複数のアウターリード部のそれぞれに形成されたPbフリー半田メッキ層と、を含み、前記封止部の一部は、前記半導体チップの前記裏面と接触しているものである。
【発明の効果】
【0023】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0024】
(1).折り曲げ加工(アップセット加工)により段差部を形成するのではなく、ハーフエッチング加工により段差部を形成し、そこに封止用樹脂を存在させることができるので、薄型構造を実現しながら、タブ、タブ吊りリードを封止用樹脂により封止することが可能となり、封止用樹脂とタブとの接触面積の低下により、密着性が低下し信頼性が損なわれる課題は解消される。
【0025】
(2).半導体装置の下面からリードの下面を露出させ、それを外部接続用の端子とするので、搬送時や実装時等のリードの変形が防止可能となり、信頼性が向上される。
【0026】
(3).リードが、封止部の側面よりほんのわずかしか突出していないので、半導体装置の平面寸法の小型化が可能となる。
【0027】
(4).リードは、露出されている下面よりも封止されている上面の面積が広く形成されているので、封止用樹脂との接着面は上面と側面のみであるが、密着性が十分に確保することができ、信頼性を保つことができる。
【0028】
(5).マトリクスリードフレームの段差部は、従来のように金属板を打ち抜き加工又はエッチングによってパターンニングした後に後加工で形成するものではなく、パターンニングとハーフエッチング加工とを同時に行うものであるためマトリクスリードフレームの製造コストが低減される。
【0029】
(6).マトリクスリードフレームは、従来のようにパターンニング後のマトリクスリードフレームに対して折り曲げ加工を行うが必要がないため、曲げ加工に起因するタブロケーション等の問題の発生を防止することが可能となる。
【0030】
(7).従来のように半導体装置の外部端子に対して曲げ加工を行う必要がないため工程数が低減され、工程管理が容易になり生産性を向上することができる。
【0031】
(8).すべての工程において、既存の半導体製造装置の転用が可能であり新規設備投資をほとんど行う必要がないという利点がある。
【0032】
(9).リードの内端部の下面にハーフエッチング加工によって段差部を形成し、その段差部を封止用樹脂により封止するので、その形状やリードピッチを半導体チップの大きさやそのパッド数に応じて最適な形状に設計することができる。
【0033】
(10).タブ吊りリードにおけるタブの支持部が露出部より薄く形成されていることにより、支持部を封止部に埋め込むことができ、したがって、封止部の裏面のコーナ部の端部のみに露出部を露出させた構造にすることができる。これにより、封止部の裏面においてタブ吊りリードの露出部と、これに隣接するリードとのクリアランスを大きく形成することができ、かつ、タブが封止部に埋め込まれているため、半導体装置を実装基板などに実装した際のショートを防止することができる。
【0034】
(11).タブ吊りリードにおいて露出部が支持部より厚いことにより、露出部には封止用樹脂が配置されないため、タブ吊りリードの切断時に封止用樹脂を含まない露出部の金属のみを切断することになり、その結果、タブ吊りリード切断における切断性を向上できる。
【0035】
(12).タブを介して複数のタブ吊りリードが連結されていることにより、タブとタブ吊りリードとが一体に繋がり、かつそのチップ支持側の面が繋がった平坦な面によって形成されるため、タブ自体の平面度を向上できる。その結果、半導体チップのタブへのボンディング時の搭載を容易にできるとともに、チップ接合性を向上できる。
【0036】
(13).タブと半導体チップとが半導体チップの表面電極より内側の箇所で接合されていることにより、ワイヤボンディング時に、ボンディングステージによって半導体チップの裏面の端部付近を支持することができる。したがって、ワイヤボンディング時に適切な超音波や熱をボンディングワイヤに印加することができ、これにより、ワイヤボンディングの信頼性や接合性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態1の半導体装置の構造の一例を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す半導体装置の底面図である。
【図3】本発明の実施の形態1の単位リード部の構造の一例を示す平面図である。
【図4】図3に示す単位リード部のA−A切断線における断面図である。
【図5】図3に示す単位リード部のB−B切断線における断面図である。
【図6】図1に示す半導体装置の構造の一部を破断してその内部構造を示す平面図である。
【図7】図6に示す半導体装置のC−C切断線における断面図である。
【図8】図6に示す半導体装置のD−D切断線における断面図である。
【図9】図6に示す半導体装置のE−E切断線における断面図である。
【図10】(a),(b),(c),(d),(e) は本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法の一例を示す断面フロー図である。
【図11】本発明の実施の形態1の半導体装置の製造に用いられるマトリクスリードフレームの構造の一例を示す平面図である。
【図12】図11に示すマトリクスリードフレームの単位リードフレームの構造を示す要部拡大平面図である。
【図13】図11に示すマトリクスリードフレームの単位リードフレームの構造を示す要部拡大裏面図である。
【図14】図12に示す単位リードフレームのF−F切断線における断面図である。
【図15】図12に示す単位リードフレームのG−G切断線における断面図である。
【図16】本発明の実施の形態1の半導体装置のダイボンディング工程においてタブに接着剤を塗布する方法を示す部分断面図である。
【図17】本発明の実施の形態1の半導体装置のダイボンディング工程においてタブ上に半導体チップを搭載する方法を示す部分断面図である。
【図18】本発明の実施の形態1の半導体装置のワイヤボンディング方法を示す部分断面図である。
【図19】本発明の実施の形態1の半導体装置の樹脂封止工程において金型とマトリクスリードフレームとを位置合わせした状態を示す部分断面図である。
【図20】本発明の実施の形態1の半導体装置の樹脂封止工程において金型を型締めした状態を示す部分断面図である。
【図21】本発明の実施の形態1の半導体装置の樹脂封止工程において金型を型開きした状態を示す部分断面図である。
【図22】本発明の実施の形態1の半導体装置を実装基板へ実装した状態を示す外観斜視図である。
【図23】図22のH−H切断線における断面図である。
【図24】本発明の実施の形態2の単位リード部の構造の一例を示す平面図である。
【図25】図24に示す単位リード部のI−I切断線における断面図である。
【図26】図24に示す単位リード部のJ−J切断線における断面図である。
【図27】本発明の実施の形態2の半導体装置の構造の一部を破断してその内部構造を示す平面図である。
【図28】図27に示す半導体装置のK−K切断線における断面図である。
【図29】第1の従来技術の半導体装置の断面図である。
【図30】第2の従来技術の半導体装置の断面図である。
【図31】本発明の実施の形態3における半導体装置の一例を封止部を破断してその内部構造を示す平面図である。
【図32】図31に示す半導体装置のL−L切断線における断面図である。
【図33】図31に示す半導体装置の組み立て手順の一例を示すプロセスフロー図である。
【図34】(a),(b),(c),(d),(e) は図31に示す半導体装置の組み立てにおける主要工程ごとの構造の一例を示す断面フロー図である。
【図35】本発明の実施の形態4の半導体装置の構造の一例を示す外観斜視図である。
【図36】図35に示す半導体装置の構造を示す底面図である。
【図37】図35に示す半導体装置のM−M切断線における断面図である。
【図38】図35に示す半導体装置のN−N切断線における断面図である。
【図39】図35に示す半導体装置の組み立てにおけるワイヤボンディング時の状態の一例を示す部分断面図である。
【図40】本発明の実施の形態5の半導体装置におけるモールド終了時の構造の一例を封止部を透過してその内部を示す部分平面図である。
【図41】図40に示す半導体装置のP−P切断線における断面図である。
【図42】図40に示す半導体装置の組み立てに用いられるリードフレームの構造の一例を示す部分平面図である。
【図43】図41のT部の構造を示す拡大部分断面図である。
【図44】図41のT部におけるリード切断方法の一例を示す拡大部分断面図である。
【図45】図40のQ部のリード構造を示す図であり、(a)は底面図、(b)は平面図、(c)は溝部断面図、(d)は(b)のU−U切断線における断面図、(e)は(b)のV−V切断線における断面図である。
【図46】図40のQ部のリード構造の変形例を示す平面図である。
【図47】図40のR部の構造を示す拡大部分平面図である。
【図48】図40のS部の構造を示す図であり、(a)は拡大部分平面図、(b)は(a)のX−X切断線における断面図である。
【図49】図48(a)のW部の構造を示す図であり、(a)は拡大部分底面図、(b)は(a)の溝部断面図である。
【図50】本発明の実施の形態8の半導体装置の構造の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図51】図50(c)のY部の構造を示す拡大部分底面図である。
【図52】本発明の実施の形態9の半導体装置におけるモールド終了時の構造の一例を封止部を透過してその内部を示す部分平面図である。
【図53】図52に示す半導体装置のZ−Z切断線における断面図である。
【図54】図53のAB部の構造を示す拡大部分断面図である。
【図55】図53のAB部のリード切断方法の一例を示す拡大部分断面図である。
【図56】(a),(b),(c),(d) は本発明の半導体装置の組み立てに用いられるリードフレームの加工方法の一例であるエッチング方法を示す部分断面図である。
【図57】(a),(b),(c),(d) は本発明の半導体装置の組み立てに用いられるリードフレームの加工方法の一例であるエッチング方法を示す部分断面図である。
【図58】(a),(b),(c),(d) は本発明の半導体装置の組み立てに用いられるリードフレームの加工方法の一例であるエッチング方法を示す部分断面図である。
【図59】(a),(b),(c) は本発明の半導体装置の組み立てに用いられるリードフレームの加工方法の一例であるプレス方法を示す部分断面図である。
【図60】(a),(b),(c) は本発明の半導体装置の組み立てに用いられるリードフレームの加工方法の一例であるプレス方法を示す部分断面図である。
【図61】(a),(b),(c) は本発明の半導体装置の組み立てに用いられるリードフレームの加工方法の一例であるプレス方法を示す部分断面図である。
【図62】本発明の変形例の半導体装置におけるモールド終了時の構造を封止部を透過してその内部を示す部分平面図である。
【図63】図62の変形例の半導体装置のCC−CC切断線における断面図である。
【図64】本発明の変形例の半導体装置におけるモールド終了時の構造を封止部を透過してその内部を示す部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0039】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0040】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0041】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0042】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1の半導体装置の外観斜視図、図2はその半導体装置の底面図(下面側)、図3は実施の形態1の単位リード部(詳細は後述する)の平面図であり、図3では破線が封止領域を示している。図4は図3の単位リード部のA−A切断線における断面図、図5は図3の単位リード部のB−B切断線における断面図、図6は図1の半導体装置の構造の一部を破断してその内部構造を示す平面図、図7は図6の半導体装置のC−C切断線における断面図、図8は図6の半導体装置のD−D切断線における断面図、図9は図6の半導体装置のE−E切断線における断面図である。
【0043】
本実施の形態1の半導体装置1は、図1、図2に示すように、外部接続用の端子としてリード2の一部が半導体装置の下面側周縁に露出する構造を有する面実装型の半導体装置である。その半導体装置1は、銅系や鉄系からなり任意の形状に加工された薄板を備えている。この薄板は、図3、図4、図5に示すように中央部に4本の吊りリード(以下、タブ吊りリード4と称する。)により支持(タブ吊りリード4と一体に形成)されるタブ(チップ支持部)5と、そのタブ5の周縁近傍に、前記タブ5を囲むように複数のリード2とを有する。以下、この薄板を単位リード部3と称する。
【0044】
前記タブ吊りリード4(外端部は除く)およびタブ5の下面側は、エッチング加工が施され単位リード部3の他の部分の約半分の厚さとなっている。この加工は、一般的にハーフエッチング加工と称されている。このように本実施の形態1の単位リード部3は、下面側にハーフエッチング加工による段差部6を有する。前記単位リード部3のタブ5の上面(一主面)には、図6、図7、図8に示すようにマイコン、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイ、システムLSI(Large Scale Integration)、メモリなどの所定の集積回路およびこれら集積回路の外部端子となるAl等からなる複数のパッド7が形成された半導体チップ8が、集積回路を上にした状態で非導電性ペースト又は非導電性フィルム等の接着剤9により固定されている。
【0045】
この半導体チップ8の各パッド7は、AuやAl等からなる導電性のワイヤ10を介して前記リード2の一主面と電気的に接続されている。前記半導体チップ8、ワイヤ10、タブ5、タブ吊りリード4、リード2(上面部および側面部)は、保護、耐湿性の向上を目的にエポキシ樹脂やシリコン樹脂等の封止用樹脂11により封止されている。ただし、リード2の下面部(他の主面)は、外部接続用の端子として半導体装置の下面側に露出されている。
【0046】
以下、封止用樹脂11で封止されている部分を封止部12と称する。前記リード2は、図9に示すように、封止部12からの抜け防止のため、露出されている下面よりも封止されている上面の面積が広くなるように形成されている。
【0047】
また、耐湿性の向上および半導体装置1を実装基板へ実装する際の実装性の向上を目的に半導体装置から露出されるリード2にはPb−Sn系半田による半田メッキ処理などの外装処理が施されている。
【0048】
以下、外装処理により形成された薄膜をメッキ部13と称する。前記外装処理は、Sn−Ag系、Sn−Zn系等のPbフリー半田によるメッキ処理でも良い。前記メッキ部の厚さは10μm程度とすることで、半導体装置1は、封止部12の下面よりメッキ部13の厚さ分のスタンドオフが確保される。図2、図4において、メッキ部13は便宜上省略する。
【0049】
このように本実施の形態の半導体装置1は、従来のように、折り曲げ加工(アップセット加工)により段差部6を形成したのではなく、ハーフエッチング加工により段差部6を形成し、そこに封止用樹脂11を存在させることができるので、薄型構造を実現しながら、タブ5、タブ吊りリード4を封止用樹脂11により封止することが可能となり、封止用樹脂11とタブ5との接触面積の低下により、密着性が低下し信頼性が損なわれる課題は解消される。
【0050】
また、半導体装置1の封止部12の下面からリード2の下面を露出させ、それを外部接続用の端子とするので、搬送時や実装時等のリードの変形が防止可能となり、信頼性が向上される。また、リード2が、封止部12の側面よりほんのわずかしか突出していないので、半導体装置1の平面寸法の小型化が可能となる。また、前記リード2は、露出されている下面よりも封止されている上面の面積が広く形成されているので、封止用樹脂11との接着面は上面と側面のみであるが、密着性が十分に確保することができ、信頼性を保つことができる。
【0051】
次に、上述した本実施の形態1の半導体装置1の製造方法の一例を図10の断面フロー図および図11〜図21を用いて説明する。
【0052】
図11は前記実施の形態1の半導体装置1の製造に用いられるマトリクスリードフレームの平面図、図12は図11のマトリクスリードフレームの単位リードフレーム(詳細は後述する。)の要部拡大平面図(上面側)、図13は図11のマトリクスリードフレームの単位リードフレームの要部拡大裏面図(下面側)、図14は図12のF−F切断線における断面図、図15は図12のG−G切断線における断面図である。
【0053】
マトリクスリードフレーム14は、銅系や鉄系からなる金属板をエッチングによってパターンニングすることによって形成される。図11に示すようにマトリクスリードフレーム14には、半導体装置1個分に対応する領域(以下、単位リードフレーム15と称する)が一定の間隔で例えば長辺方向に5列、短辺方向に2列の合計10個づつ形成されている。
【0054】
また、各単位リードフレーム15の周縁には、製造工程内でマトリクスリードフレーム14に加わる応力を緩和するためのスリット(以下、応力緩和スリット16と称する。)が形成され、また、マトリクスリードフレーム14の長辺には、製造工程で保持や位置合わせ用のピンとして使用されるガイドピン17が形成されている。
【0055】
図12、図13に示すように、単位リードフレーム15の中央部には、4本のタブ吊りリード4により支持されたタブ5があり、タブ5の周縁近傍にタブ5を囲むように複数のリード2が存在し、これらは枠により支持されている。前記タブ吊りリード4(外端部は除く)およびタブ5の下面側は、ハーフエッチング加工が施され、単位リードフレーム15の他の部分の約半分の厚さとなっている。 このように実施の形態1の単位リードフレーム15は、図14、図15に示すように下面側に段差部6を有する。この段差部6は、従来のように打ち抜き又はエッチングによってパターンニングした後に別工程で形成するもの(以下、後加工と称する)でなく、パターンニングとハーフエッチング加工とを同時に行うものであるためマトリクスリードフレーム14の製造コストが低減される。また、実施の形態1のマトリクスリードフレーム14は、従来のようにパターンニング後のマトリクスリードフレームに対して折り曲げ加工を行う必要がないため、曲げ加工に起因するタブロケーション等の問題の発生を防止することが可能となる。
【0056】
次に、図11〜図15に示されるマトリクスリードフレーム14を用いた製造工程を説明する。
【0057】
図16はタブに接着剤を塗布する方法を示す部分断面図、図17はタブ上に半導体チップを搭載する方法を示す部分断面図、図18はワイヤボンディング方法を示す部分断面図、図19は樹脂封止工程において金型とマトリクスリードフレームとを位置合わせした状態を示す部分断面図、図20は樹脂封止工程において金型を型締めした状態を示す部分断面図、図21は樹脂封止工程において金型を型開きした状態を示す部分断面図である。
【0058】
始めに、図10の(a)に示すように、マトリクスリードフレーム14の各タブ5に導電性ペースト、非導電性ペーストまたは非導電性フィルム等の接着剤9により半導体チップ8を固着する。まず、図16に示すように、シリンジ18により各タブ5上に接着剤9を塗布し、その後、図17に示すようにコレット19により接着剤9が塗布された各タブ5上に半導体チップ8を搭載する。以下、この工程をダイボンディング工程と称する。
【0059】
次に、図10の(b)に示すように、半導体チップ8の各パッド7とそれに対応するリード2とをAu等からなる導電性のワイヤ10で電気的に接続する。まず、図18に示すように、半導体チップ8が搭載されたマトリクスリードフレーム14を高温に加熱したボンディングステージ20上に固定する。次に、固定した状態でAu等からなるワイヤ10で、半導体チップ8の各パッド7とそれに対応する単位リードフレーム15の各リード2とをキャピラリ21を用いて電気的に接続する。以下、この工程をワイヤボンディング工程と称する。
【0060】
次に、図10の(c)に示すように、半導体チップ8、ワイヤ10、タブ5、タブ吊りリード4(図示せず)およびリード2の上面および側面領域をトランスファーモールド法によりエポキシ樹脂やシリコン樹脂等の封止用樹脂11で封止する。まず、図19に示すように、ワイヤボンディング後のマトリクスリードフレーム14をトランスファーモールド装置の下金型22の所定の位置に搭載し、上金型23と下金型22とを型締めする。型締めした両金型の合わせ面には、各単位リードフレーム15毎に半導体チップ8、ワイヤ10、タブ5、タブ吊りリード4(図示せず)、リード2(上面部および側面部)が封止用樹脂11で封止されるような空間(以下、キャビティ24と称する。)が形成される。
【0061】
次に、図20に示すように、金型を型締めした状態で、樹脂流路であるランナ25およびゲート26を介して前記各キャビティ24に封止用樹脂11を充填する。充填された封止用樹脂11は、ハーフエッチング加工されたタブ5およびタブ吊りリード4(図示せず)の下面の段差部6に回り込み半導体チップ8、ワイヤ10、タブ5、タブ吊りリード4(図示せず)、リード2(上面部および側面部)を確実に気密封止する。この時、前記リード2の下面と封止部12の下面とは同一平面となり、リード2の下面は封止部12の下面から露出される。
【0062】
また、前記リード2の外端部は、切断工程で切断し易いように封止部12の側面から突出させておくことが望ましい。その後、図21に示すように、金型を型開きする。以下、この工程を樹脂封止工程と称する。また、上述の樹脂封止工程ではトランスファーモールド方法による封止方法を説明したが、耐熱性のシートを上金型23と下金型22の表面に均一に延ばした状態を維持しながら樹脂封止するシートモールド方法で行っても良い。この場合、リード2は、前記シートにめり込んだ分だけ封止部12より突出する。
【0063】
次に、図10の(d)に示すように、耐湿性の向上および半導体装置を実装基板へ実装する際の実装性の向上を目的に封止部12から露出されるリード2の外装処理を行う。前記外装処理は、Pb−Sn系半田による半田メッキ処理が望ましいが、Sn−Ag系、Sn−Zn系等のPbフリー半田によるメッキ処理でも良い。前記メッキ部13の厚さは10μm程度とすることで、半導体装置1は、メッキ部13の厚さ分のスタンドオフが確保される。以下、この工程を外装処理工程と称する。
【0064】
次に、図10の(e)に示すように、マトリクスリードフレーム14を各封止部12よりやや外側の位置で切断金型(図示せず)を使用し、切断して複数の単位リード部3(単位リードフレーム15から枠を除いた部分)に分割することで図1に示すような半導体装置1が得られる。以下、この工程を切断工程と称する。
【0065】
上記のように製造された半導体装置1は、所定の検査により良品と不良品とに選別され出荷される。このように、上述の製造方法は、従来のように半導体装置の外部端子に対して曲げ加工を行う必要がないため工程数が低減され、工程管理が容易になり生産性を向上することができる。また、すべての工程において、既存の半導体製造装置の転用が可能であり新規設備投資をほとんど行う必要がないという利点がある。
【0066】
なお、上記した製造方法では、半田メッキ処理による外装処理を説明したが、これに限定されるものではなく、予め、半導体装置から露出されるリード領域にPdメッキ処理等の外装処理を行ったマトリクスリードフレーム14を用意しても良い。この場合、半導体装置1の製造工程で外装処理を行う必要がないため工程数が減少し生産性が向上される。
【0067】
また、上述の切断工程では、切断金型による切断方法を説明したが、半導体チップをウエハから分割すると同様、マトリクスリードフレーム14の下面にダイシングテープを貼り付けた後、ダイシングブレードを使って、各単位リード部3に切断しても良い。この場合、切断金型で切断する場合と比べて装置の構造上制約がないため封止部12の近傍で切断することが可能となり、単位リードフレーム15同士の隙間を狭くすることができ、マトリクスリードフレーム14の利用効率を向上することができる。また、この場合、リード2は、封止部12の側面より突出していないため、切断金型で切断する場合と比べて半導体装置の平面寸法の小形化が可能になる。
【0068】
また、上記した製造方法では、ハーフエッチング加工により段差部6が形成されたマトリクスリードフレーム14を用意したが、必ずしもこれに限定されるものではなくコイニング加工によって段差部6が形成されたマトリクスリードフレーム14を用意しても良い。
【0069】
図22は本実施の形態1の半導体装置を実装基板へ実装した状態を示す外観斜視図、図23は図22のH−H切断線における断面図である。この半導体装置1を実装基板27に実装するには、半導体装置1の封止部12の下面のリード2と対応する実装基板27の配線28上にクリーム半田等の接合材29を塗布し、半導体装置1を接合材29が塗布された実装基板27の配線28に仮付けした後、加熱炉(図示せず)でリフローすれば良い。
【0070】
実施の形態1の半導体装置1は、図23に示すように、実装時の高さは1mm前後と大変薄く、しかも平面寸法はQFP(Quad Flat Package)に代表される封止部の側面からリードが突出しているパッケージに比べて遥かに小さいことから、高密度実装が実現可能となる。また、従来のようにタブが半導体装置の下面から露出していないため、タブと実装基板上の配線とのショートを防止することが可能となる。
【0071】
(実施の形態2)
図24は実施の形態2の単位リード部の平面図である。なお、図24においては、破線が封止領域を示している。図25は図24の単位リード部のI−I切断線における断面図、図26は図24の単位リード部のJ−J切断線における断面図、図27は、実施の形態2の半導体装置の構造の一部を破断してその内部構造を示す平面図、図28は図27の半導体装置のK−K切断線における断面図である。
【0072】
実施の形態1と実施の形態2との違いは、実施の形態1では、タブ吊りリード4(ただし、外端部は除く)およびタブ5の下面側に段差部6を有するので、そのタブ5およびタブ吊りリード4を封止用樹脂11により封止することが可能な構造であったが、本実施の形態2では、タブ吊りリード4(ただし、外端部は除く)、タブ5の下面側に加え、リード2のタブ5側の先端部(以下、内端部31と称する。)にも段差部6を有するので、そのタブ5、タブ吊りリード4に加え、リード2の内端部31も封止用樹脂11により封止することが可能である。この点以外は実施の形態1とほぼ同様であるため、相違する点のみ説明し、同様の点については説明を省略する。
【0073】
図24、図25、図26に示すように、実施の形態2の単位リード部3は、中央部に4本のタブ吊りリード4により支持されているタブ5を有し、そのタブ5の周縁近傍に、前記タブ5を囲むように複数のリード2が存在する。前記タブ吊りリード4(ただし、外端部は除く)、タブ5、複数のリード2の内端部31の下面は、ハーフエッチング加工が施され、単位リード部3の他の部分の約半分の厚さとなっている。
【0074】
また、リード2とタブ吊りリード4との接触防止のため、タブ吊りリード4に最も近接する各リード2のタブ吊りリード4と対面する角部32は面取り加工が施されている。図27、図28に示すように、前記単位リード部3のタブ5上には半導体チップ8が非導電性ペースト又は非導電性フィルム等の接着剤9により固定されている。この半導体チップ8の各パッド7は、AuやAl等からなる導電性のワイヤ10を介して前記複数のリード2と電気的に接続されている。
【0075】
なお、半導体チップ8、ワイヤ10、タブ5、タブ吊りリード4、リード2(上面部および側面部および内端部の下面)は、保護、耐湿性の向上を目的にエポキシ樹脂やシリコン樹脂等の封止用樹脂11により封止されている。ただし、リード2の外端部30の下面は、外部接続用の端子として半導体装置1の下面側に露出されている。このように実施の形態2の半導体装置1は、リード2の内端部31の下面にハーフエッチング加工により段差部6を形成し、その段差部6を封止用樹脂11により封止するので、リード2の内端部31が比較的自由な形状をとることが可能となった。
【0076】
すなわち、封止部12より露出されるリード2の下面は、日本電子機械工業会(Electronic Industries Association of Japan: EIAJ)などにより規格化されており、その形状は限定されてしまうが、封止部12内のリード2に関しては、規格化されておらずその形状やリードピッチを、半導体チップ8の大きさ、そのパッド数に応じて最適な形状に設計することができる。
【0077】
本実施の形態2は、ハーフエッチング加工により形成された段差部6を有する点、そこに封止用樹脂11を存在させることができる点、半導体装置1の下面からリード2の下面を露出させ、それを外部接続用の端子とする点、リード2が封止部12の側面よりほんのわずかしか突出していない点で実施の形態1と同様の効果が得られる他に、リード2の内端部31の下面にハーフエッチング加工により段差部6を形成し、その段差部6を封止用樹脂11により封止するので、リード2の内端部31はその形状やリードピッチを、半導体チップ8の大きさ、そのパッド数に応じて最適な形状に設計することができる。
【0078】
(実施の形態3)
図31は本発明の実施の形態3における半導体装置の一例を封止部を破断してその内部構造を示す平面図、図32は図31に示す半導体装置のL−L切断線における断面図、図33は図31に示す半導体装置の組み立て手順の一例を示すプロセスフロー図、図34(a)〜(e)は図31に示す半導体装置の組み立てにおける主要工程ごとの構造の一例を示す断面フロー図である。
【0079】
本実施の形態3の半導体装置は、実施の形態2で説明した半導体装置と同様のものであり、封止部12の裏面(半導体装置実装側の面)12aの周縁部に複数のリード2が配置されたペリフェラル形のQFN(Quad Flat Non-leaded Package) 49である。
【0080】
したがって、ここでは、QFN49の特徴部分のみについて説明し、実施の形態2との重複部分の説明については省略する。
【0081】
QFN49の構造は、半導体チップ8を支持するタブ5と、半導体チップ8が樹脂封止されて形成された封止部12と、タブ5を支持するタブ吊りリード4と、タブ5の周囲に配置されるとともに封止部12の裏面12aに露出し、かつ厚さ方向に対して段差を形成する肉厚部2aとこれより薄い肉薄部2bとを備えた複数のリード2と、半導体チップ8のパッド(表面電極)7とこれに対応するリード2とを接続する接続部材であるワイヤ10と、半導体チップ8とタブ5とを接合する銀ペーストなどの接着剤9とからなる。
【0082】
すなわち、図31および図32に示すQFN49において、その封止部12の裏面12aの周縁部に配置される各リード2に、肉厚部2aと肉薄部2bとが設けられ、かつリード2の肉厚部2aが封止部12の裏面12aの周縁部に露出するとともに、肉薄部2bが封止用樹脂11によって覆われている。
【0083】
つまり、リード2には、肉厚部2aに比べて厚さの薄い肉薄部2bが形成されており、そのうち、ワイヤ10が接続される肉薄部2bは、封止部12に埋め込まれてインナリードの役割を成し、一方、肉厚部2aは、その封止部12の裏面12aに露出する面が被接続部2cとなってアウタリードの役割を成す。
【0084】
また、QFN49においては、タブ5が複数のタブ吊りリード4によって支持されるとともに、後述する実施の形態4の図37に示すように、タブ吊りリード4が、タブ5を支持する支持部4aと、これに連結しかつ封止部12の裏面12aに露出する露出部4bとを備え、さらに、露出部4bより支持部4aが薄く形成されている。
【0085】
また、これら複数のタブ吊りリード4がタブ5を介して連結されているとともに、タブ吊りリード4の露出部4bとリード2の肉厚部2aとが同じ厚さに形成されている。
【0086】
すなわち、複数のタブ吊りリード4のそれぞれが、タブ5に繋がりかつこのタブ5とほぼ同じ厚さの支持部4aと、この支持部4aと連結しかつ支持部4aより厚い露出部4bとからなり、複数のタブ吊りリード4がタブ5を介して一体となって繋がっている。したがって、タブ吊りリード4には厚い箇所(露出部4b)と、薄い箇所(支持部4a)とによる段差が設けられており、複数のタブ吊りリード4がタブ5を介して繋がった状態となっている。
【0087】
これにより、タブ吊りリード4における支持部4aは、封止部12内に埋め込まれ、露出部4bは、封止部12の裏面12aのコーナ部の端部に露出している。
【0088】
なお、QFN49のリード2における肉厚部2aと肉薄部2bとによる段差の加工(肉薄部2bを形成する加工)、およびタブ吊りリード4における支持部4aと露出部4bとによる段差の加工(支持部4aを形成する加工)は、例えば、後述する実施の形態11のエッチング加工(ハーフエッチング加工)あるいは実施の形態11のコイニング加工などのプレス加工によって行うことができる。
【0089】
次に、QFN49の組み立て方法を図33に示すプロセスフロー図および図34に示す断面フロー図にしたがって説明する。
【0090】
まず、半導体チップ8を支持可能なタブ5と、タブ5を支持する支持部4aおよびこれに連結するとともに支持部4aより厚い露出部4bを備えたタブ吊りリード4と、タブ5の周囲に配置されるとともに厚さ方向に対して段差を形成する肉厚部2aおよびこれより薄い肉薄部2bを備えた複数のリード2とを有するリードフレームであるマトリクスリードフレーム14(図11参照)を準備する(ステップS1)。
【0091】
続いて、タブ5に接着剤9を塗布した後、図34(a)に示すように、タブ5と半導体チップ8とを接合する。すなわち、タブ5上に塗布した接着剤9を介してタブ5に半導体チップ8を固定するダイボンディングを行う(ステップS2)。
【0092】
さらに、図34(b)に示すように、半導体チップ8のパッド7とこれに対応するリード2とを接続部材であるワイヤ10によって接続するステップS3に示すワイヤボンディングを行う。
【0093】
ここでは、半導体チップ8のパッド7とこれに対応するリード2の肉薄部2bとを金線などのワイヤ10を用いたワイヤボンディングによって接続する。
【0094】
その後、ステップS4 に示すモールドを行って図34(c)に示すように、封止部12を形成する。
【0095】
前記モールドの際には、タブ5のチップ支持面5aと反対側の面(以降、裏面5bという)に封止用樹脂11を回り込ませるとともにリード2の肉薄部2bおよびタブ吊りリード4の支持部4aを封止用樹脂11によって覆い、かつ裏面12aに複数のリード2の肉厚部2aおよびタブ吊りリード4の露出部4bを周縁部に配置して半導体チップ8を樹脂モールドする。
【0096】
これにより、半導体チップ8およびワイヤ10、さらに、タブ5、かつ、タブ5を支持する支持部4aおよびリード2の肉薄部2bが封止部12に埋め込まれる。
【0097】
その後、図34(d)に示すように、QFN49の実装基板27(図23参照)への実装時の実装性の向上を目的として封止部12の裏面12aに露出するリード2の外装処理を行う。これにより、メッキ部13の厚さ分のスタンドオフを確保できる。なお、前記外装処理は、Pb−Sn系半田による半田メッキ処理が望ましいが、Sn−Ag系、Sn−Zn系等のPbフリー半田によるメッキ処理でも良い。
【0098】
その後、ステップS5に示す切断を行う。
【0099】
ここでは、タブ吊りリード4の露出部4bにおいてタブ吊りリード4を分割するとともに、複数のリード2をマトリクスリードフレーム14(リードフレーム)の枠部14aから分離して、図34(e)に示すQFN49を完成させる(ステップS6)。
【0100】
本実施の形態3のQFN49およびその製造方法によれば、リード2に段差すなわち肉薄部2bと肉厚部2aとが設けられ、そのうち肉薄部2bが封止部12に埋め込まれることにより、リード2のQFN高さ方向における封止部12からの脱落を防ぐことができ、したがって、リード2の封止部12からの引き抜き防止を図ることができる。
【0101】
また、タブ吊りリード4の露出する箇所である露出部4bと、リード2の露出する箇所である肉厚部2aとが同じ厚さに形成されていることにより、モールド時の金型クランプ面を同一面にすることができる。
【0102】
すなわち、タブ吊りリード4の露出する箇所(露出部4b)と、リード2の露出する箇所(肉厚部2a)とが異なった厚さである場合、その薄い側に封止用樹脂11が入り込み、リード切断時に金属とレジン(封止用樹脂11)とを一緒に切断しなければならず、この場合、不具合が発生し易いが、タブ吊りリード4の露出部4bとリード2の肉厚部2aとが同じ厚さに形成されていれば、切断箇所に封止用樹脂11が配置されることはなく、リード切断をスムーズに行うことができる。
【0103】
これにより、リード切断時の不具合の発生を抑えることができる。
【0104】
(実施の形態4)
図35は本発明の実施の形態4の半導体装置の構造の一例を示す外観斜視図、図36は図35に示す半導体装置の構造を示す底面図、図37は図35に示す半導体装置のM−M切断線における断面図、図38は図35に示す半導体装置のN−N切断線における断面図、図39は図35に示す半導体装置の組み立てにおけるワイヤボンディング時の状態の一例を示す部分断面図である。
【0105】
本実施の形態4の半導体装置は、実施の形態3で説明した半導体装置とほぼ同様のQFN50である。
【0106】
図35〜図38に示すQFN50の特徴は、複数のタブ吊りリード4が、タブ5を支持する支持部4aと、これに連結しかつ封止部12の裏面12aに露出する露出部4bとを備え、この露出部4bと支持部4aにおいて露出部4bより支持部4aが薄く形成されており、かつ、タブ5を介して前記複数のタブ吊りリード4が連結されていることである。
【0107】
すなわち、図37に示すように、複数のタブ吊りリード4が相互にタブ5を介して繋がった一体の状態のものであり、かつタブ吊りリード4に厚さの薄い箇所である支持部4aと、厚い箇所である露出部4bとが形成されており、その際、図36に示すように、タブ吊りリード4における厚い箇所である露出部4bが封止部12の裏面12aの4つのコーナ部の端部に配置されている。
【0108】
これにより、タブ吊りリード4における支持部4aが封止用樹脂11によって覆われているとともに露出部4bが封止部12の裏面12aのコーナ部の端部に配置されている。
【0109】
また、図37に示すように、タブ5のチップ支持面5aとタブ吊りリード4のチップ配置側の面4cとが同一の平坦な面に形成されている。
【0110】
つまり、本実施の形態4のQFN50は、タブ吊りリード4の封止部12の裏面12aへの露出を極力少なくして、タブ吊りリード4とこれに隣接するリード2とにおける実装基板実装時の電気的ショートを防ぐものであり、したがって、タブ吊りリード4の封止部12のコーナ部の端部に露出する露出部4b以外の箇所(支持部4a)を封止部12内に埋め込むものである。
【0111】
したがって、タブ吊りリード4における厚い箇所である露出部4bは、封止用樹脂11が配置されずに金属のみからなる箇所を有しており、ここでタブ吊りリード4のリード切断が行われる。
【0112】
なお、タブ5のチップ支持面5aとタブ吊りリード4のチップ配置側の面4cとが同一の平坦な面に形成されるように、曲げ加工によるタブ上げ加工ではなく、エッチング加工(ハーフエッチング加工)やコイニングなどのプレス加工によってタブ吊りリード4の支持部4aを露出部4bより薄く形成したものであり、したがって、タブ5とタブ吊りリード4の支持部4aとが、図37に示すように、同じ厚さで形成されている。
【0113】
例えば、タブ吊りリード4の露出部4bの厚さが0.2mm程度の場合、タブ5およびこれと同じ厚さの支持部4aの厚さは、0.08〜0.1mm程度(削り量0.1〜0.12mm)である。
【0114】
また、半導体チップ8を支持するタブ5は、図38に示すように、その大きさが半導体チップ8より小さく形成されている。すなわち、QFN50は小タブ構造のものである。
【0115】
したがって、QFN50では、タブ5と半導体チップ8とが銀ペーストなどの接着剤9を介して半導体チップ8のパッド7より内側の箇所(位置)で接合(ダイボンド)されている。
【0116】
これにより、図39に示すように、ワイヤボンディング時に、半導体チップ8の裏面8b(半導体集積回路が形成される主面8aと反対側の面)の周縁部をボンディングステージ20によって確実に支持することができる。
【0117】
なお、本実施の形態4のQFN50の製造方法は、実施の形態3のQFN49とほぼ同じであるが、ダイボンディング工程において半導体チップ8とタブ5とを接合する際に、半導体チップ8をそのパッド7より内側の箇所(領域)でタブ5と接合させる。
【0118】
さらに、リード切断工程においてタブ吊りリード4の破断(切断)を行う際に、タブ吊りリード4の露出部4bにおいて封止用樹脂11を含まない金属のみを破断することになる。
【0119】
本実施の形態4のQFN50によれば、タブ吊りリード4におけるタブ5の支持部4aが露出部4bより薄く形成されていることにより、支持部4aを封止用樹脂11によって覆って封止部12に埋め込むことができ、したがって、封止部12の裏面12aのコーナ部の端部のみに露出部4bを露出させた構造にすることができる。
【0120】
これにより、封止部12の裏面12aにおいてタブ吊りリード4の露出部4bと、これに隣接するリード2とのクリアランスを大きく形成することができ、かつ、タブ5が封止部12に埋め込まれているため、QFN50(半導体装置)を実装基板27(図23参照)などに実装した際の電気的ショートを防止することができる。
【0121】
また、タブ吊りリード4において露出部4bが支持部4aより厚いことにより、露出部4bには封止用樹脂11が配置されないため、タブ吊りリード4の切断時に封止用樹脂11を含まない露出部4bの金属のみを切断することになり、打痕不良の発生などを防ぐことができ、これにより、タブ吊りリード切断における切断性を向上できる。
【0122】
また、タブ5を介して複数のタブ吊りリード4が連結されていることにより、タブ5とタブ吊りリード4とが一体に繋がり、かつそのチップ支持側の面が繋がった平坦な面によって形成されるため、タブ5自体の平面度を向上できる。
【0123】
その結果、半導体チップ8のタブ5へのボンディング時の搭載を容易にできるとともに、チップ接合性を向上できる。
【0124】
また、タブ5と半導体チップ8とが半導体チップ8のパッド7より内側の箇所で接合されていることにより、ワイヤボンディング時に、ボンディングステージ20によって半導体チップ8の裏面8bの端部付近を支持することができる。
【0125】
したがって、ワイヤボンディング時に適切な超音波や熱をボンディング用のワイヤ10に印加することができ、これにより、ワイヤボンディングの信頼性や接合性を向上できる。
【0126】
(実施の形態5)
図40は本発明の実施の形態5の半導体装置におけるモールド終了時の構造の一例を封止部を透過してその内部を示す部分平面図、図41は図40に示す半導体装置のP−P切断線における断面図、図42は図40に示す半導体装置の組み立てに用いられるリードフレームの構造の一例を示す部分平面図、図43は図41のT部の構造を示す拡大部分断面図、図44は図41のT部におけるリード切断方法の一例を示す拡大部分断面図、図45は図40のQ部のリード構造を示す図であり、(a)は底面図、(b)は平面図、(c)は溝部断面図、(d)は(b)のU−U切断線における断面図、(e)は(b)のV−V切断線における断面図、図46は図40のQ部のリード構造の変形例を示す平面図である。
【0127】
本実施の形態5では、実施の形態4で説明したQFN50などにおけるリード2の形状についてその効果と合わせて説明する。
【0128】
なお、図40は、モールド終了時の封止部12内の構造を封止部12および半導体チップ8をそれぞれ透過して示したものである。
【0129】
また、図40に示すタブ5は、十字形の小タブ構造(タブ5が半導体チップ8より小さい構造)のものである。
【0130】
本実施の形態5の半導体装置では、複数のリード2のそれぞれが、封止部12の裏面12aの周縁部に露出する被接続部2cと、タブ5側の端部に被接続部2cより薄く形成された鍔状の肉薄部2bとを備えるとともに、それぞれのリード2にその被接続部2cの封止部12内に配置される露出側と反対側の面(以降、この面をワイヤ接合面2dという)に内側溝部(溝部)2eおよび外側溝部(溝部)2fが設けられている。
【0131】
なお、半導体チップ8のパッド7とこれに対応するリード2の被接続部2cのワイヤ接合面2dとがワイヤ10によって接続され、さらに、リード2の肉薄部2bが封止用樹脂11によって覆われているとともに、ワイヤ10が被接続部2cに対して外側溝部2fと内側溝部2eとの間で接合されている。
【0132】
ここで、本実施の形態5のリード2の肉薄部2bは、そのタブ側の端部がタブ5に向かって僅かに突出するように鍔状に形成されたものであり、エッチング加工(ハーフエッチング加工)やコイニングなどのプレス加工によって形成される。その際の突出量は、例えば、50〜150μm程度であり、この肉薄部2bによって、リード2のQFN高さ方向に対する脱落を防止することができる。
【0133】
つまり、リード2のQFN高さ方向への引き抜き防止を図ることができる。
【0134】
また、リード2のワイヤ接合面2dに設けられた内側溝部2eは、ワイヤボンディング時のボンディングポイントの目印である。すなわち、リード2のワイヤ接合面2dにおいて肉薄部2bより外側の領域に内側溝部2eを形成しておくことにより、ワイヤ10が肉薄部2bで接合されることを防止できる。
【0135】
なお、内側溝部2eは、ボンディングポイントの目印となる溝であるため、図45に示すように外側溝部2fと比べてその大きさは小さい。
【0136】
一方、外側溝部2fは、リード2の切断時の切断応力を受ける箇所であり、図44に示すリード切断時に、ワイヤ10の接合部に応力がかからないようにこの外側溝部2fに切断応力を集中させる。
【0137】
さらに、外側溝部2fは、リード2のワイヤ接合面2dに、図43に示すワイヤ接合用の銀メッキなどのメッキ層2lを形成する際にメッキ流れを阻止するものでもある。
【0138】
すなわち、外側溝部2fによる溝形状の方が平坦面より絶対距離を長くすることができるため、前記メッキを形成する際のリークパス長さを長くしてメッキ流れを防ぐことができる。
【0139】
さらに、外側溝部2fによる溝形状の方が平坦面より絶対距離を長くすることができるため、封止部12内への水分の浸入も防ぐことができる。
【0140】
なお、図45(b)に示すように、外側溝部2fは、内側溝部2eよりもその大きさが大きく形成されている。これにより、リード切断時の応力の集中とメッキ層形成時のメッキ流れ阻止とを確実に行うことができる。
【0141】
ただし、外側溝部2fと内側溝部2eの大きさや形状は、特に限定されるものではなく、例えば、図46に示すように、両者ともほぼ同じ大きさの長円形の溝であってもよい。
【0142】
また、図45(d),(e)に示すようにリード2の側面には、その幅方向に僅かに突出する鍔部2gが設けられている。
【0143】
この鍔部2gにより、リード2のQFN高さ方向に対する脱落を防止することができる。すなわち、リード2のQFN高さ方向への引き抜き防止を図ることができる。
【0144】
さらに、リード2のワイヤ接合面2dに内側溝部2eと外側溝部2fが設けられていることにより、両溝部に封止用樹脂11が入り込むため、リード2のその延在方向(QFN高さ方向と直角なQFN水平方向)に対する脱落を防止することができる。すなわち、リード2のその延在方向への引き抜き防止を図ることができる。
【0145】
なお、本実施の形態5の半導体装置の製造方法では、ワイヤボンディング工程において半導体チップ8のパッド7とこれに対応するリード2の被接続部2cとをワイヤボンディングによって接続する際に、図41に示すように、半導体チップ8のパッド7と、リード2の被接続部2cにおける内側溝部2eおよび外側溝部2fの間の箇所とをワイヤ10によって接続する。
【0146】
また、内側溝部2eと外側溝部2fについては、必ずしも両者が設けられている必要はなく、何れか一方の溝であっもよい。
【0147】
例えば、リード2のワイヤ接合面2dに1つの溝である外側溝部2fのみが設けられていてもよく、その場合、ワイヤ10が被接続部2cに対して外側溝部2fより内側で接合されていることになる。
【0148】
これにより、前記同様、リード切断時の応力の集中とメッキ層形成時のメッキ流れ阻止との効果を得ることができる。
【0149】
また、リード2のワイヤ接合面2dに1つの溝である内側溝部2eのみが設けられていてもよく、その場合、ワイヤ10が被接続部2cに対して内側溝部2eより外側で接合されていることになる。
【0150】
これにより、内側溝部2eをワイヤボンディング時のボンディングポイントの目印として的確な箇所にワイヤボンディングすることができる。
【0151】
(実施の形態6)
図47は、実施の形態5で説明した図40のR部の構造を示す拡大部分平面図である。
【0152】
本実施の形態6では、実施の形態5と同様に、実施の形態4で説明したQFN50などにおけるリード2の形状についてその効果と合わせて説明する。
【0153】
本実施の形態6は、複数のリード2のうち、タブ吊りリード4に隣接してその両側に配置されるリード2を取り上げ、このリード2のタブ吊りリード側の先端に、タブ吊りリード4との間にこれに沿った間隙部2iを形成するテーパ部(切り欠き部)2hが設けられている場合である。
【0154】
このテーパ部2hは、エッチング加工やプレス加工などによってリードパターンを形成する際の加工上必要な間隙部2iを形成するための切り欠きであり、加工上、例えば、リード板厚の80%程度の間隙が必要となる。
【0155】
特に、ピン数が増えてタブ吊りリード間に配置されるリード2の密度が増えると、タブ吊りリード4に隣接するリード2のタブ吊りリード側の先端がタブ吊りリード4に近接するため、タブ吊りリード4またはこれに隣接するリード2のパターン加工ができなくなる。
【0156】
したがって、タブ吊りリード4に隣接するリード2のタブ吊りリード側の先端に、間隙部2iを形成するテーパ部(切り欠き部)2hを設けたことにより、タブ吊りリード4に隣接して配置されるリード2のリードパターンを形成できるとともに、ピン数の増加にも対応することができる。
【0157】
(実施の形態7)
図48は、実施の形態5で説明した図40のS部の構造を示す図であり、(a)は拡大部分平面図、(b)は(a)のX−X切断線における断面図、図49は、図48(a)のW部の構造を示す図であり、(a)は拡大部分底面図、(b)は(a)の溝部断面図である。
【0158】
本実施の形態7では、実施の形態4で説明したQFN50などにおけるタブ吊りリード4の形状についてその効果と合わせて説明する。
【0159】
本実施の形態7は、タブ5を支持する複数(4つ)のタブ吊りリード4に関し、それぞれのタブ吊りリード4が、封止部12の裏面12aの端部に露出する露出部4bと、封止部12のモールドライン12b(外周部)の内側および外側にまたがる肉薄部である溝部4dとを備えている場合である。
【0160】
なお、タブ吊りリード4のモールドライン12bに対応した付近には、モールド金型のゲート26(図19参照)が形成されており、したがって、この付近には封止用樹脂11が厚く形成されるため、リード切断工程においてタブ吊りリード4は破断(引きちぎり)に近い切断となる。
【0161】
したがって、この溝部4dは、リード切断工程におけるタブ吊りリード4の破断(切断)が容易に行われるように応力を集中させるためのノッチ(切り欠き)であり、タブ吊りリード4の封止部12のモールドライン12bに対応した箇所(モールドライン12bの内側および外側にまたがる領域)に形成して、タブ吊りリード破断時のきっかけを与えるものである。
【0162】
さらに、溝部4dは、図48(a),(b)に示すように、タブ吊りリード4のチップ配置側の面4cと反対側の露出側の面に形成されている。
【0163】
すなわち、溝部4dが、タブ吊りリード4の封止部12の裏面12a側(裏側)に相当する面に形成されている。
【0164】
これにより、封止用樹脂11が溝部4dの中に入り込むことを防止でき、その結果、レジン(封止用樹脂11)屑浮遊による打痕不良の発生や、レジンカットによるパンチ摩耗を防ぐことができる。
【0165】
したがって、リード切断用のパンチ54(図44参照)の長寿命化を図ることができる。
【0166】
また、溝部4dは、図49(a),(b)に示すように、タブ吊りリード4の延在方向に長い長円形に形成され、さらに、側壁4eによって囲まれている。
【0167】
これは、モールド時の封止部12の形成位置のずれを考慮したものであり、溝部4dをタブ吊りリード4の延在方向に長い長円形(図49(a)に示すようにCD>EFとしてリード延在方向に細長い円形とする)に形成することによって、確実にモールドライン12b上に溝部4dを配置するものである。
【0168】
さらに、長円形の溝部4dのリード幅方向の両側部に、図49(a)に示す側壁4e(JK)が形成されていることにより、溝部4dにレジン屑が入り込んだことによるリード切断時のきっかけ妨害の発生を防ぐことができる。
【0169】
さらに、側壁4eによって溝部4dへのレジン屑の侵入を防ぐことができるため、前記同様、レジン屑浮遊による打痕不良の発生や、レジンカットによるパンチ摩耗を防ぐことができる。
【0170】
なお、本実施の形態7の半導体装置の製造方法では、モールド工程において、タブ吊りリード4の溝部4dと、封止部12のモールドライン12b(外周部)とを対応させて樹脂モールドして封止部12を形成する。
【0171】
すなわち、タブ吊りリード4における長円形の溝部4dがモールドライン12bの内側と外側とにまたがって配置されるように封止部12を形成する。
【0172】
これにより、リード切断(破断)時に、溝部4dによってその破断のきっかけを与えることができる。
【0173】
(実施の形態8)
図50は本発明の実施の形態8の半導体装置の構造の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、図51は図50(c)のY部の構造を示す拡大部分底面図である。
【0174】
本実施の形態8では、実施の形態4で説明したQFN50と同様の図50(a),(b),(c) に示すQFN51におけるリード2の封止部12の裏面12aの周縁部に露出する被接続部2cの長さと、タブ吊りリード4の封止部12の裏面12aのコーナ部の端部に露出する露出部4bの長さとの関係についてその効果と合わせて説明する。
【0175】
本実施の形態8は、タブ吊りリード4の露出部4bの延在方向の長さが、リード2の被接続部2cの延在方向の長さより短く形成されている場合である。
【0176】
すなわち、図51に示すように、タブ吊りリード4の露出部4bの長さ(LX)を極力短くする。これは、同パッケージサイズにおいてリード数を増やすと、タブ吊りリード4の露出部4bとこれの両側に隣接して配置されるリード2との距離が接近して実装基板実装時の電気的ショートを引き起こす可能性が高くなるため、これを防止するものである。
【0177】
したがって、タブ吊りリード4の露出部4bの長さ(LX)をリード2の被接続部2cの長さ(LP)より短く形成する(LX<LP)。さらに、好ましくは、タブ吊りリード4に隣接するリード2の被接続部2cとタブ吊りリード4の露出部4bとの距離(LY)と、隣り合ったリード間の距離(LZ)との関係を(LY)≧(LZ)とする。
【0178】
これにより、QFN51の実装基板実装時の半田などによる電気的ショート(ブリッジ)の発生を防ぐことができる。
【0179】
(実施の形態9)
図52は本発明の実施の形態9の半導体装置におけるモールド終了時の構造の一例を封止部を透過してその内部を示す部分平面図、図53は図52に示す半導体装置のZ−Z切断線における断面図、図54は図53のAB部の構造を示す拡大部分断面図、図55は図53のAB部のリード切断方法の一例を示す拡大部分断面図である。
【0180】
本実施の形態9では、タブ5の中心付近に向かってこれに接近して配置された延在部2jを有した複数のリード2を備える半導体装置におけるリード2の形状についてその効果と合わせて説明する。
【0181】
なお、図52は、モールド終了時の封止部12内の構造を封止部12および半導体チップ8をそれぞれ透過して示したものである。
【0182】
本実施の形態9の半導体装置では、タブ5の周囲に配置された複数のリード2のそれぞれが、タブ5の中心付近に向かってタブ5に接近して配置された延在部2jと、封止部12の裏面12aの周縁部に露出する被接続部2cとを備えており、さらに、各リード2における延在部2jが被接続部2cより薄く形成されて封止用樹脂11によって覆われているとともに、被接続部2cの封止部12内に配置される露出側と反対側の面であるワイヤ接合面2dにリード溝部(溝部)2kが形成されている。
【0183】
なお、本実施の形態9の半導体装置は、ピン数の増加によるパッケージの拡大化や半導体チップ8の縮小化などによってリード2と半導体チップ8との距離が長くなった際に、各リード2のタブ側の端部にこれを延長させる延在部2jを設け、リード2と半導体チップ8との距離が長くならないようにする構造のものである。
【0184】
したがって、各リード2には、ワイヤ10が接合し易いように、それぞれのタブ側の端部にタブ5の中心付近に向かって(それぞれに対応するパッド7に向かって)延在部2jが設けられている。
【0185】
すなわち、各リード2は、図52に示すように、タブ5の近傍周囲から外方に向かって放射状に延在した形状を成している。
【0186】
これにより、パッケージの大きさが大きくなったり、半導体チップ8の縮小化が図られてもワイヤ長を長くすることがないため、コストアップを抑えることができる。
【0187】
なお、EIAJ規格により、図54に示すように、封止部12の裏面12aに露出する被接続部2cの長さ(LP)が定められているため、リード2に延在部2jを設けた場合、延在部2jを封止部12に埋め込まなければならず、本実施の形態9の半導体装置では、延在部2jの位置を高めることなく(リード上げ加工を行うことなく)、延在部2jを被接続部2cより薄く形成して封止部12内に埋め込んだ構造としている。
【0188】
すなわち、図53、図54に示すように、各リード2における延在部2jが、封止部12の裏面12aに露出する被接続部2cより薄く形成され、かつこの延在部2jはタブ5とともに封止用樹脂11によって覆われている。
【0189】
なお、延在部2jが被接続部2cより薄く形成されたことにより、封止部12の厚さ方向へのリード2の脱落を防止することができる。
【0190】
さらに、延在部2jは、図41に示す鍔状の肉薄部2bと比較してこれより延在方向に長い距離であるため、ワイヤボンディング時に延在部2jの下部にボンディングステージ20(図39参照)を配置することも可能であり、ワイヤボンディング時に適正な超音波や熱をワイヤ10とリード2とに印加できる。
【0191】
なお、延在部2jはエッチング加工(ハーフエッチング加工)や、あるいはコイニングなどのプレス加工によって薄く形成することが可能である。
【0192】
また、各リード2の被接続部2cの封止部12内に配置されるワイヤ接合面2d(露出側と反対側の面)の外側寄りの箇所には、図54に示すように、リード溝部(溝部)2kが形成されている。
【0193】
このリード溝部2kは、実施の形態5で説明した外側溝部2f(図43参照)と同じ機能を有し、したがって、図55に示すパンチ54を用いたリード切断時に、ワイヤ10の接合部に応力がかからないようにこのリード溝部2kに切断応力を集中させることができる。
【0194】
さらに、リード溝部2kは、リード2のワイヤ接合面2dに、図54に示すワイヤ接合用の銀メッキなどのメッキ層2lを形成する際にメッキ流れを阻止することもできる。
【0195】
さらに、リード溝部2kによる溝形状の方が平坦面より絶対距離を長くすることができるため、封止部12内への水分の浸入も防ぐことができる。
【0196】
また、モールドによってリード溝部2kに封止用樹脂11が入り込むため、リード2のその延在方向に対するリード2の脱落を防止することができる。すなわち、リード2のその延在方向への引き抜き防止を図ることができる。
【0197】
(実施の形態10)
図56(a),(b),(c),(d) 、図57(a),(b),(c),(d) および図58(a),(b),(c),(d) は本発明の半導体装置の組み立てに用いられるリードフレームの加工方法の一例であるエッチングによる加工方法を示す部分断面図である。
【0198】
本実施の形態10は、実施の形態1〜9で説明した半導体装置のリード2およびタブ5の加工方法の一例について説明したものであり、ここでは、エッチング加工(ハーフエッチング加工)について説明する。
【0199】
なお、本実施の形態10のエッチング加工に用いるエッチング液52は、例えば、塩化第二鉄溶液などであるが、これに限定されるものではない。
【0200】
図56(a),(b),(c),(d) は、例えば、図45(e)に示すようなリード2の断面形状を形成する際の方法(手順)であり、また、図57(a),(b),(c),(d) は、例えば、図45(d)に示すようなリード2の断面形状を形成する際の方法(手順)である。
【0201】
すなわち、図56、図57では、フォトレジスト膜53が形成されていない箇所(図56、図57に示すA箇所およびB箇所)の開口幅(開口面積)を変えることにより、リード2の表裏面のエッチング量を調整し、これによって、それぞれの断面形状を得ることが可能になる。
【0202】
図56に示す加工においては、A≒BおよびG≒Hであるため、C≒D、E≒Fとなる。
【0203】
一方、図57に示す加工においては、A<BおよびI>Jであるため、C<D、E>Fとなる。
【0204】
また、図58(a),(b),(c),(d) は、例えば、図53に示すようなタブ5の裏面加工やリード2の延在部2jの薄肉化加工などを行う際の方法(手順)である。
【0205】
すなわち、図58(a) に示すように、タブ5などの加工面側のみを細かいピッチ(B)でフォトレジスト膜53を形成し、図58(b)に示すように、前記加工面側のみにエッチング液52を塗布することにより、図53に示すようなタブ5の裏面加工やリード2の延在部2jの薄肉化加工を実現できる。
【0206】
(実施の形態11)
図59(a),(b),(c) 、図60(a),(b),(c) および図61(a),(b),(c) は本発明の半導体装置の組み立てに用いられるリードフレームの加工方法の一例であるプレス方法を示す部分断面図である。
【0207】
本実施の形態11は、実施の形態1〜9で説明した半導体装置のリード2およびタブ5の加工方法の一例について説明したものであり、ここでは、コイニングなどのプレス加工について説明する。
【0208】
図59(a),(b),(c) は、例えば、図53に示すようなタブ5の裏面加工などを行う際のプレス加工による方法(手順)であり、また、図60(a),(b),(c) は、図53に示すようなリード2の延在部2jの薄肉化加工などを行う際のプレス加工による方法(手順)である。
【0209】
すなわち、両者とも、受け台55によって支持されたタブ5あるいはリード2などをパンチ54によってコイニングして薄肉化加工するものである。
【0210】
なお、この加工方法においては、素材加工の始めに前記コイニングを行ってもよいし、あるいは、リードフレームパターン形成完了後に必要な箇所のみに対して前記コイニングを行ってもよい。
【0211】
また、図61(a),(b),(c) は、例えば、図45(d)に示すようなリード断面形状を形成する際のプレス加工による方法(手順)である。
【0212】
すなわち、図61(a)に示すように、受け台55によって支持されたリード2などをパンチ54によりコイニングして薄肉化した後、図61(b),(c)に示すように、不要箇所を切断加工して必要なリード2の断面形状を取得することができる。
【0213】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0214】
例えば、前記実施の形態1〜11では、タブ5の形として円形や十字形のものを説明したが、タブ5の形状は、特に限定されるものではなく、図62や図64に示す変形例の半導体装置に用いられる形状のものなどであってもよい。
【0215】
図62、図63に示すタブ5は、4分割による小タブ構造を示しており、この場合、各タブ5の水平方向(タブ吊りリード4に水平な方向)への伸縮性を向上できるため、その結果、半導体装置の温度サイクル性を向上でき、したがって、チップクラックやパッケージクラックなども低減できる。
【0216】
また、図64に示すタブ5は、枠状の小タブ構造を示しており、この場合、封止用樹脂11と半導体チップ8の裏面8bとの接合面積を増やすことができるため、半導体チップ8の剥離などを低減できる。
【0217】
なお、前記実施の形態1〜11では、リードフレームがマトリクスリードフレーム14の場合について説明したが、前記リードフレームは、単位リードフレーム15を1列に配置した多連のものであってもよい。
【0218】
また、前記実施の形態1〜11では、半導体装置が小形のQFNの場合について説明したが、前記半導体装置は、モールドによる樹脂封止形で、かつリードフレームを用いて組み立てるペリフェラル形のものであれば、QFN以外の半導体装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0219】
本発明は、電子装置および半導体装置に好適である。
【符号の説明】
【0220】
1 半導体装置
2 リード
2a 肉厚部
2b 肉薄部
2c 被接続部
2d ワイヤ接合面
2e 内側溝部
2f 外側溝部
2g 鍔部
2h テーパ部
2i 間隙部
2j 延在部
2k リード溝部
2l メッキ層
3 単位リード部
4 タブ吊りリード
4a 支持部
4b 露出部
4c チップ配置側の面
4d 溝部
4e 側壁
5 タブ
5a チップ支持面
5b 裏面
6 段差部
7 パッド
8 半導体チップ
8a 主面
8b 裏面
9 接着剤
10 ワイヤ
11 封止用樹脂
12 封止部
12a 裏面
12b モールドライン
13 メッキ部
14 マトリクスリードフレーム
14a 枠部
15 単位リードフレーム
16 応力緩和スリット
17 ガイドピン
18 シリンジ
19 コレット
20 ボンディングステージ
21 キャピラリ
22 下金型
23 上金型
24 キャビティ
25 ランナ
26 ゲート
27 実装基板
28 配線
29 接合材
30 外端部
31 内端部
32 角部
33 内部導出リード
34 タブ
35 リードフレーム
36 半導体チップ
37 ボンディングワイヤ
38 封止材
39 リードフレーム
40 吊りリード
41 タブ
42 半導体素子
43 電極
44 インナーリード部
45 金属配線
46 封止樹脂
47 外部端子
48 段差部
49,50,51 QFN(半導体装置)
52 エッチング液
53 フォトレジスト膜
54 パンチ
55 受け台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパッドが形成された主面を有する半導体チップと、
前記半導体チップを支持するタブと、
前記タブとそれぞれ一体に形成された複数の吊りリードと、
前記タブの周囲に位置し、かつ前記複数の吊りリードの間に配置された複数のリードと、
前記半導体チップの前記複数のパッドと前記複数のリードとをそれぞれ電気的に接続する複数のワイヤと、
前記半導体チップ及び前記複数のワイヤを封止する封止部と、
を含み、
前記封止部の平面形状は、四角形からなり、
前記複数の吊りリードのそれぞれは、前記封止部内において、前記封止部の中央部から前記封止部の角部に向かって延在し、
前記複数のリードのそれぞれは、前記封止部内において、前記封止部の各辺に対して直交する第1方向にのみ延在し、
前記複数のリードは、前記吊りリードと隣接する第1リードと、前記第1リードよりも前記吊りリードから離れた第2リードとを有し、
前記第1リードは、前記タブと対向する第1先端部と、前記第1先端部とは反対側の第1後端部と、前記複数の吊りリードのうち、前記第1リードと隣接する前記吊りリードと対向する第1側面部と、前記第1側面部とは反対側の第2側面部とを有し、
前記第1先端部の長さは、前記第1後端部の長さよりも短く、
前記第1側面部の長さは、前記第2側面部の長さよりも短く、
前記封止部は、前記半導体チップの前記主面側に位置する上面と、前記上面とは反対側の下面とを有し、
前記封止部は、前記複数のリードのそれぞれの一部が前記封止部の前記下面から露出するように、前記複数のリードのそれぞれを封止していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2リードは、前記タブと対向する第2先端部と、前記第2先端部とは反対側の第2後端部と、前記第2リードの隣に配置された前記第1リードの前記第2側面部と対向する第3側面部と、前記第3側面部とは反対側の第4側面部とを有し、
前記第2先端部の長さは、前記第2後端部の長さと等しく、
前記第3側面部の長さは、前記第4側面部の長さと等しいことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第2側面部の長さは、前記第3および第4側面部のそれぞれの長さと等しいことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記複数の吊りリードのそれぞれは、前記タブ側に位置する一端部と、前記一端部とは反対側の他端部とを有し、
前記一端部と前記他端部との間の部分は、前記封止部で覆われていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記一端部と前記他端部との間の部分の厚さは、前記複数のリードのそれぞれの前記一部の厚さよりも薄いことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記半導体チップは、前記主面とは反対側の裏面を有し、
前記半導体チップの前記裏面の一部は、前記封止部と接触していることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記第2リードは、前記複数のリードのうちの前記第1リード以外のリードであることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
複数のパッドが形成された主面を有する半導体チップと、
前記半導体チップを支持するタブと、
前記タブとそれぞれ一体に形成された複数の吊りリードと、
前記タブの周囲に位置し、かつ前記複数の吊りリードの間に配置された複数のリードと、
前記半導体チップの前記複数のパッドと前記複数のリードとをそれぞれ電気的に接続する複数のワイヤと、
前記半導体チップ及び前記複数のワイヤを封止する封止部と、
を含み、
前記封止部の平面形状は、四角形からなり、
前記複数の吊りリードのそれぞれは、前記封止部内において、前記封止部の中央部から前記封止部の角部に向かって延在し、
前記複数のリードのそれぞれは、前記封止部内において、前記封止部の各辺に対して直交する第1方向にのみ延在し、
前記複数のリードは、前記吊りリードと隣接する第1リードと、前記第1リードよりも前記吊りリードから離れた第2リードとを有し、
前記第1リードは、前記タブ側に配置された第1先端部と、前記第1先端部とは反対側の第1後端部と、前記複数の吊りリードのうち、前記第1リードと隣接する前記吊りリード側に配置された第1側面部と、前記第1側面部とは反対側の第2側面部とを有し、
前記第1先端部の長さは、前記第1後端部の長さよりも短く、
前記第1側面部の長さは、前記第2側面部の長さよりも短く、
前記封止部は、前記半導体チップの前記主面側に位置する上面と、前記上面とは反対側の下面とを有し、
前記封止部は、前記複数のリードのそれぞれの一部が前記封止部の前記下面から露出するように、前記複数のリードのそれぞれを封止していることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記第2リードは、前記タブ側に配置された第2先端部と、前記第2先端部とは反対側の第2後端部と、前記第2リードと隣接する前記第1リード側に配置された第3側面部と、前記第3側面部とは反対側の第4側面部とを有し、
前記第2先端部の長さは、前記第2後端部の長さと等しく、
前記第3側面部の長さは、前記第4側面部の長さと等しいことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記第2側面部の長さは、前記第3および第4側面部のそれぞれの長さと等しいことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項8において、
前記複数の吊りリードのそれぞれは、前記タブ側に位置する一端部と、前記一端部とは反対側の他端部とを有し、
前記一端部と前記他端部との間の部分は、前記封止部で覆われていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記一端部と前記他端部との間の部分の厚さは、前記複数のリードのそれぞれの前記一部の厚さよりも薄いことを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項8において、
前記半導体チップは、前記主面とは反対側の裏面を有し、
前記半導体チップの前記裏面の一部は、前記封止部と接触していることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項8において、
前記第2リードは、前記複数のリードのうちの前記第1リード以外のリードであることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【公開番号】特開2011−29664(P2011−29664A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225542(P2010−225542)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【分割の表示】特願2004−72518(P2004−72518)の分割
【原出願日】平成12年6月30日(2000.6.30)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【出願人】(000233594)株式会社ルネサス北日本セミコンダクタ (34)
【Fターム(参考)】