説明

半導体製造用ドライエッチングガスおよびその製造方法

【課題】CClを原料としてVISIまたはULSI用に使用できる高純度のCドライエッチングガスを連続工程で製造する方法の提供。
【解決手段】オクタクロロシクロペンテンとKFとを反応させる際に、両者が交差接触反応するようにすることにより、反応を連続反応に保持させ、オクタフルオロシクロペンテン含量50〜80容量%の粗生成物を得る工程、得られた粗生成物を低沸物蒸留塔でオクタフルオロシクロペンテンより沸点の低い低沸物有機物を分別蒸留によって除去し、得られた反応物を高沸物蒸留塔で分別蒸留してオクタフルオロシクロペンテンをガス状に回収して、高純度オクタフルオロシクロペンテンを得る第2過程とを連続工程にし、C99.995容量%以上、窒素ガス50容量ppm以下、酸素ガス5容量ppm以下、水分5重量ppm以下、金属成分5重量ppb以下の半導体製造用ドライエッチングガスを連続的に製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造工程の超高密度集積回路(very large scale integrated circuit、以下「VLSI」という)または極超高密度集積回路(ultra large scale integrated circuit、以下「ULSI」という)のパターン形成用ドライエッチングガスとして使用できる高純度のオクタフルオロシクロペンテンと前記ドライエッチングガスを連続工程(continuation process)によって製造する方法に関する。
具体的には、本発明は、半導体製造用ドライエッチングガスの全量に対しオクタフルオロシクロペンテン(octafluorocyclopenten、C)が99.995容量%以上、酸素ガスが5容量ppm以下、水分が5重量ppm以下、金属成分が5重量ppb以下である半導体製造用ドライエッチングガス、及び前記エッチングガスをオクタクロロシクロペンテンを出発物質として連続工程で製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の高集積化に伴い、小さい空間に多くの情報を入れるための超微細パターンの形成に必要なドライエッチング工程がULSIの核心工程として重要な位置を占めている。酸化シリコンで代表されるシリコン化合物層にドライエッチング工程を適用する場合、既存の飽和フルオロカーボン類エッチングガスでは微細な回路線幅(0.13μm以下、アスペクト比20以上)へのエッチングが難しい。その理由は、エッチングを行うための酸化シリコン化合物層は、保護膜であるフォトレジストまたはポリシリコンに対する選択性が低くて超微細パターンへのエッチングが難しく、既存の飽和フルオロカーボン類のドライエッチングガスは、エッチング後の残留物、例えばカーボンなどが完全に除去されないため、微細パターン形成に妨害を引き起こすためである。
従来の飽和フルオロカーボン類ドライエッチングガスの代替物質として、1つの不飽和二重結合を含んでいるオクタフルオロシクロペンテン(Octafluorocyclopenten、以下「C」という)が注目を浴びている。このCは、1つの二重結合によって、飽和フルオロカーボン類に比べて、分子内にカーボンの数よりフッ素原子の数が少ないため、フォトレジストおよびポリシリコンなどの保護膜に選択的エッチングを行うことが可能であり、特にエッチング後の残留物が容易に揮発するという特性のため、回路線幅0.13μm以下までの(アスペクト比20以上)エッチングに非常に効果的である。
は、沸点26.8℃の既知物質である。
半導体装置の益々の高集積化および高性能化に伴い、Cを含んだ半導体製造用ガスも段々高純度化を要求している。この高純度化は速いエッチング速度と均一なエッチングを行うためには必須的な要素であって、特に最も重要な部分は残留する微量成分、すなわち金属成分である。この金属成分が基準値以上存在する場合、微細パターンの形成に致命的な影響を与えるうえ、半導体装置の性能を左右するため、これらガスの製造および精製過程のみならず、半導体装置の製造過程においても最も厳しく管理されている。近年、ユーザーは金属成分の含量を5ppb以下の要求がある。
【0003】
特許文献1には、1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンを窒素気流の下、DMFの中でKF(フッ化水素)と反応させて純度99.8〜99.98%のCを製造する方法を開示している。
【0004】
特許文献2には、純度95容量%以上の粗Cを粗O族ガスの中で精留して純度99.9容量%のCを製造し、ここに含有された微量の不純物を低温減圧脱気方法、分子ふるい方法、または吸着剤と接触させる方法を施して除去することにより、プラズマガスの全量に対しCの純度が99.9容量%以上であり、且つ窒素ガスと酸素ガスの合計量が200容量ppm以下であり、且つ水分含量が20重量ppm以下であるプラズマ反応用ガスの製造方法を開示している。
【0005】
従来のCの製造方法としては、オクタクロロシクロペンテン(CCl)またはヘキサクロロシクロペンタジエン(CCl)をアンチモニ(Sb)またはクロム(Cr)触媒の下でフッ化水素(Hydrogenfluoride、HF)によるフッ素化反応によって塩素原子の一部をフッ素原子に置換してクロロフルオロシクロペンテン類(CCl8−x、x=1〜7)を製造し(特許文献3)、クロロフルオロシクロペンテン類中の二重結合に結合している塩素原子は、ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide、以下「DMF」という)の溶媒下でフッ化カリウムにてフッ化してCを製造する方法が代表的に知られている方法である(特許文献1)。
二重結合に結合している塩素原子は、アンチモニまたはクロム触媒の下ではフッ化水素によるフッ化反応では置換反応が行われないため、二重結合の塩素原子のフッ素化は1段階さらに工程を経るフッ化カリウムによってフッ素化させる。アンチモニまたはクロム触媒を用いたフッ化水素によるフッ素化反応は、触媒製造、活性化および再生過程を経なければならず、過量で投入されるフッ化水素の回収、過量で生成される塩化水素の処理、反応生成物と塩化水素との分離過程における水への塩化水素の吸収、および反応生成物の乾燥など複雑な工程を伴うという問題点を持っている。
【0006】
フッ化カリウムによるオクタクロロシクロペンテンの直接的なフッ化反応は、既に知られているが(非特許文献1)、大部分の商業的な工程では、このフッ化カリウムの直接フッ化反応を採用せず、アンチモニ又はクロム触媒の下でオクタクロロシクロペンテンを部分的にフッ化して生成されたクロロフルオロシクロペンテンをフッ化カリウムでフッ化させ、オクタフルオロシクロペンテンを製造する。フッ化カリウムによるオクタクロロシクロペンテンの直接フッ化反応を行わない理由は、下記の問題により連続工程の維持が難しいためであると知られている。
装置産業である化学工程は、品質管理の面、所要人力の面および製造コストの面から連続工程に保持した方が効率であるということは、よく知られている事実である。
【0007】
1)連続工程の遂行の難しさ
オクタクロロシクロペンテンの直接フッ化反応は、部分的にフッ化されたクロロフルオロシクロペンテン(CCl8−x、x=1〜3)のフッ素化反応に比べて、多量の固体フッ化カリウム(最大8当量以上)を使用しなければならない。オクタクロロシクロペンテンの投入が終了して反応が終わると、新しい反応を行うためには、反応後に生成された反応器内の多量の固体塩化カリウム(KCl)を溶媒DMFと共に流出させ、反応器には新しいDMFとフッ化カリウムを投入し、反応温度を昇温して反応準備をしなければならないので、反応後に反応器内に蓄積された多量の固体KClの除去のために非連続的な反応によって行うしかない。
【0008】
2)フッ化カリウムおよび塩化カリウムの処理の問題点
クロロフルオロシクロペンテン(CCl8−x、x=1〜3)の、フッ化反応は、オクタクロロシクロペンテンを使用するフッ化反応に比べてフッ化カリウムの使用量が1/8〜3/8程度に少ないため、固体フッ化カリウムや特に塩化カリウムの処理が比較的容易であるが、オクタクロロシクロペンテンをフッ化する場合、フッ化カリウムの使用量が多くなるため、反応器内でDMFの下部で蓄積されるフッ化カリウムと塩化カリウムの処理が非常に困難になり、たとえ撹拌器で撹拌を行っても多量の固体(KCl)処理が容易でないから、実際、連続工程に適用することが非常に難しいという問題がある。
【0009】
3)塩化カリウムとDMFの分離
反応後に生成される塩化カリウムとDMFは反応器の下部に流出させてフィルターによって分離し、DMFは再使用する。この際、多量の塩化カリウムをフィルターリングするには困難さがあり、DMFを再使用するためには溶出したDMFを反応器にさらに戻さなければならないという問題点がある。
【0010】
特許文献2では、精留塔を装備したガラスフラスコに純度99.83%のCを沸騰石と共に仕込み、精留塔の内部をHeガスで置換し加温しながら、フラスコ内の反応物全体を還流させて純度99.97容量%のCを得る方法(実施例1)と、前記方法によって得たCをヘリウム雰囲気の下で精留して純度99.98%のCを得る方法(実施例2)について開示している。
高純度半導体用Cの精製原料として用いられるCには、反応原料、反応中間体および反応副生物などの有機物成分、水分、窒素、酸素および金属成分が不純物として含有されている。
前記有機物成分にはCより沸点が低い有機物と、Cより沸点が高い有機物が共に含有されているため、これらを除去することが非常に困難である。
特許文献2に記載の方法では、Cより沸点の低い有機物をO族ガスと共に精留して純度99.9容量%のCを得、Cより沸点の高い有機物は分子ふるい方法または特定の吸着剤と接触させる方法で吸着除去することにより、純度99.9容量%以上のCを製造している。
また、前記方法では、純度95容量%以上の既に精製された高純度のCを原料として使用し、精製工程をガラス器具を用いて行うため、金属成分の含量については言及していない。
【0011】
ところが、実際産業に利用できる工業的規模のC生産では、実時間オンライン分析を行わなければならない。この実時間オンライン分析を行うためには、金属製配管の連結、加圧、加熱などの反応条件を考慮するとき、ステンレス鋼などからなる金属製反応器および配管を介して行われるしかない。このような反応器具による金属成分の流入により、反応生成物には必然的に様々な金属成分を含有する。
したがって、ガラス器具のみを用いた精製方法は、実際産業に適用することができないという問題がある。
【0012】
半導体製造用ガスは、使用段階で高純度を要求しているため、高純度のための精製が重要である。また、超高純度の確認には微量分析が重要である。特に、常温で液体として存在するCなどのガスは大気中への窒素、酸素の混入および溶解が容易に起こるので、これらの混入を見逃さずに製品の信頼度と正確度を維持するためには、精製段階または使用段階でエッチングガスに対する実時間オンライン分析が必ず必要である。前記特許のガラス器具を使用しO族ガスを用いるCの精製方法は、大気との完全な遮断が難しい状態で蒸留、受取、貯蔵および分析を行うため、生成物Cへの窒素酸素の混入は不可避であり、精製されたCはO族不活性雰囲気中で耐圧容器に貯蔵されるので、半導体工程で使用するときまたは分析するときにO族ガスが容器の上部を占めるため、初期に一定の流速でCのみを排出することが難しい。よって、工程維持または分析の際に多量のCガスを先に流入させなければ正確な分析が不可能なので、ユーザー側ではO族ガス(He)を用いて精製した製品の使用を非常に不便に思っている実情にある。
【0013】
【特許文献1】特開平09−095458号公報
【特許文献2】国際公開特許WO2000/71497号パンフレット
【特許文献3】米国特許第6,395,940B号明細書
【非特許文献1】J.Org.Chem.28 112(1962)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、半導体製造用ドライエッチングガスにおいて、エッチングガスの全量に対しC99.995容量%以上、窒素ガス50容量ppm以下、酸素ガス5容量ppm以下、水分5重量ppm以下、金属成分含量5重量ppb以下のエッチングガス、及びこのエッチングガスをオクタクロロシクロペンテンを出発物質として連続工程によって工業的な規模で製造する方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、ULSI製造の際にエッチングガスとして使用できる高純度のCを効率よく製造する方法を提供することにある。具体的には、99.995容量%以上の純度を有し、窒素ガス50容量ppm以下、酸素ガス5容量ppm以下、水分5重量ppm以下、金属成分5重量ppb以下を含む半導体用ドライエッチングガスの製造方法を提供することにある。特に、超微細パターンの形成および半導体装置の性能に致命的な金属成分、特にAl、Ca、Cu、Fe、Mg、Mn、Na、Ni、Znなどを5重量ppb以下に除去する方法を、前記で指摘した酸素、窒素および水分と同時に除去する方法を提供することにある。
本発明は、オクタクロロシクロペンテンを出発物質として高純度のオクタクロロシクロペンテンを連続工程で製造することにその特徴がある。
を主成分とする半導体製造用エッチングガスにおいて、C99.995容量%以上、金属成分含量5重量ppb以下の超高純度のエッチングガスは、未だこの分野で生産または販売されたことがない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、オクタクロロシクロペンテンを出発物質とし、DMF溶媒中でKFをフッ素化剤としてCClをCにフッ化させる工程において、KFが入っているフィルターを並列に設置して使用することにより、KFを用いてCClをCに転換させる工程を連続工程で行うことができるようにし、前記工程で得られる粗Cを2機の蒸留塔を備えた精製装置を用いて、まず粗C中の低沸物を分別蒸留方法で除去した後、高沸物蒸留塔からCをガス状に回収して高沸物と金属成分をCと分離し除去させることにより、純度99.995容量%以上の高純度エッチングガスを連続工程で製造することができることを確認し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えばO族ガスの使用、分子ふるいの利用、吸着剤処理など新しい薬品または装備の使用なしに、CClを原料として高純度の半導体製造用Cを連続工程で製造することができるという特徴を持つ。
【発明の効果】
【0016】
本発明の方法は、CClを原料としてVISIまたはULSI用に使用できる高純度のCドライエッチングガスを連続工程で製造することができるとう効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、CClを出発原料としてC99.995容量%以上、窒素ガス50容量%以下、酸素ガス5容量%以下、水分5重量ppm以下、金属成分含量5重量ppb以下の半導体製造用ドライエッチングガスを連続工程で製造する方法に関する。
本発明は、大きく2つの工程からなっている。
その一つは、CClをKFによる連続工程でCに転換させる工程(第1工程)であり、もう一つは、粗Cを高純度のCに精製する工程(第2工程)である。
前記2つの工程は連続工程にした。
【0018】
前記第1工程において、KF(フッ化カリウム)の代わりにKF・2HF(フッ化水素カリウム)を用いて連続工程でCClを粗Cに転換させることもできる。
本発明の粗Cの製造工程(第1工程)は、CClを原料としてフッ化水素による1次フッ化反応なしにフッ化カリウムのみを用いて連続的にCを製造する方法に関する。
【0019】
ここでは、反応溶媒DMFを反応器の中間部位から反応器の下部へポンプによって速く循環させる方法によって反応を行う。ジメチルホルムアミドが速く循環される管に2機のフィルター装置を並列に連結し、フィルター装置内には予めフッ化カリウムを仕込んで、1機を先ず速く循環するジメチルホルムアミドによってフッ化カリウムが反応器に誘導されるようにした後、反応温度が140〜150℃になると、原料CClを反応器に仕込んで反応を行う。並列に連結されたフッ化カリウム入りフィルター2機中の1機は、一定量のフッ化カリウムが反応を行うにつれてKClを生成させ、反応が終了する時点では、弁操作によって、DMFと接触させていない新しいフッ化カリウムが入っているフィルター装置側に誘導し、従前のようにDMFを反応器で速く循環させ、反応を連続的に行わせる。使用済みのKF、すなわちKClが生成されたフィルター装置は、簡単な操作によってフィルターとKClを分離し、新しいKFを投入した後、次の使用準備をする。
【0020】
このような方法で反応を行うと、使用済みの反応器内のKFを交替するために原料投入を中断し且つ反応を中断しなければならない非連続的方法を改善することができる。すなわち、連続的にCClの投入が可能であり、特に連続的にCの生成が可能であるため、非常に効果的である。フィルター内に一定量のフッ化カリウムが反応しながら塩化カリウムの量が多くなって反応性が低下するが、反応が完全に終了する前に、待機中のフィルター装置と使用中のフィルター装置を弁操作によって調節して反応性の調節も可能であるが、反応器の内部を撹拌すると、一定且つ高い収率でCを製造することができる。
【0021】
反応器の上部にCを反応物質と分離して生成するが、反応器の上部に熱交換機を設置し、Cと部分フッ化された生成物ないしは溶媒DMFを分離させる。この際、熱交換器の温度をCの沸点である27℃に維持すると、Cを流出させることができるが、熱交換器との熱交換を行う過程でCが反応器内で長く留まるため、生成されるC中には高温反応条件で分解反応によって環式化合物が破れた化合物が多く含まれる。したがって、本発明では、熱交換器の温度を20〜25℃に低くして運転しながら約500〜550torrに減圧すると、生成されるCが速く流出される。この際、熱交換器の温度がCの流出が可能な温度条件となるように、減圧の程度を調節することができる。その結果、減圧を行わない場合と比較するとき、副反応物の生成を相当抑制することができることが分かった。反応器上の熱交換器を通過して流出したCは、−30〜−40℃の冷媒が循環される熱交換器を上部に設置した受取槽に送られ、この熱交換器の上部に500〜500torrの減圧下で受け取られる。この反応によって、生成組成物は、一般に80容量%以上の純度でCを得ることができる。
【0022】
〔精製工程(第2工程)における窒素、酸素および低沸物の除去工程〕
第1工程で生成される生成物の中には、反応原料に含有されるか、必要に応じて水による酸素除去工程、含有水分除去のために乾燥工程などによって微量の酸素と窒素が混入されるが、これらの反応性生物には、酸素、窒素が数百容量ppm〜数千容量ppm含有されている。また、反応過程において、炭素数4〜5の生成構造は不明なCより低沸物である幾つかの化合物が数百容量ppm生成される。
【0023】
本発明は、窒素、酸素などのガスおよびCより低沸点の有機物を除去するために、別途のO族化合物、特にヘリウムの投入なしに、第1低沸物除去塔である低沸物除去工程でこれらの低沸物を除去することができる。第1低沸物除去蒸留塔は、加熱槽、蒸留カラム、冷却凝縮槽から構成されており、蒸留カラムの理論段数は一般に50段以上であり、好ましくは60段以上である。本発明では、蒸留塔内で既存の酸素、窒素などの低沸物を完全脱離させるために、蒸留塔の運転前に蒸留塔の内部を10−4torr以上の高い真空で残留低沸物を除去させ、Cで真空を解除する過程を数回繰り返し行い、残留する窒素、酸素を完全に除去した。別途の酸と水分が除去された50〜85容量%の原料Cを真空状態の第1低沸物除去塔の中間部位に投入して、真空が解除されながら加熱槽に原料粗Cが充填され始めると、全環流を行う。この際の還流比は、3〜5以上が好ましい。蒸留塔塔頂上部の温度は、Cの沸点と同様に設定することがよく、圧力は、低沸物の濃度、排出される低沸物量に応じて固有に設定されるが、蒸留塔下部のCの次の塔(第2高沸物除去塔)への移送などを考慮して0.3〜0.5ゲージ圧が好ましい。
【0024】
全還流が行われることにより第1低沸物除去塔内の低沸物が精留塔の上部に集まり、塔の下部には低沸物の除去されたCと高沸物が形成される。この際、第1低沸物除去塔は、一定の時間間隔で分析を行うが、低沸物分析機器であるGC−DID(Gas Chromatography-Dischrge Ionization Detector、Gow−Mac社製の590series)によって窒素と酸素などの不活性ガスの含有量を測定し、GC−FID(Gas Chromatography-Flame Ionization Detector)でその他の有機低沸物の含有量を測定した。高純度半導体ガスの低沸物(酸素および窒素などの不活性ガス)分析は、オンライン分析が必須的である。オンライン分析を行わずにサンプリングまたは移送を行うと、大気中の酸素および窒素をなどのガスが混入されるため、正確な分析を行うことができない。この分析の正確度を高めるために、分析の前に毎回濃度を知っているそれぞれ3つの他の標準濃度(1容量ppm、10容量ppm、50容量ppmなど)の標準極性(standard curve)を用いて機器状態を点検し、この標準曲線の傾き値を用いて分析値を算出した。
【0025】
これらの分析は、別途のサンプルを受け取って行うと、大気中の窒素、酸素が混入される。よって、第1蒸留塔の下部に分析ラインを直接連結し、直接分析器に導入されるオンライン分析を行った。このようにオンライン分析、一定時間の分析を一定の時間間隔で行って窒素、酸素などの不活性ガスおよびオクタフルオロシクロペンテンより低沸な有機物が現れなければ、次の蒸留塔である第2高沸物除去塔に移送する。一方、蒸留塔塔頂の上部は一定の圧力以上を維持し、集められた濃縮低沸物と一部のCが排出されるが、この排出された化合物は、さらに低沸物を除去するために補助蒸留塔に送られ、低沸物と一部のCが分離される。その後、低沸物の除去された、回収したCはさらに第1蒸留塔移送貯蔵槽に送られる。
第1低沸物除去塔の下部を実時間でオンラインによって分析したところ、分析限界が0.1容量ppmであるGC−DIDとGC−FID内の分析溶出ピークは、検出限界以下を示している。これは、別途のO族化合物の混入なしにも加熱還流によって窒素、酸素などの不活性ガスとCより低沸な有機物とが完全に除去されることを示している。
【0026】
〔高沸有機物および水分の除去工程〕
第1低沸物除去塔で低沸物を除去した一部高沸有機物含有のオクタフルオロシクロペンテンは、第2高沸物除去塔に移送される。この際、移送は、圧力差により行われ、移送量は、流量計によって調節する。第2高沸物除去塔は、第1低沸物除去塔よりは理論段数が高く、60段以上、好ましくは70段以上である。内部充填物は、テフロン(「テフロン」は登録商標)樹脂材質の構造パッキング(理論段数65段)を使用した。特に、蒸留塔の内部には、金属成分の流出を最大限抑制するために、電解研磨(Electro Polishing)した配管、チューブ、容器、カラムおよび熱交換器を使用し、内部充填物は、テフロン(「テフロン」は登録商標)樹脂材質の構造パッキング(structure packing)(理論段数65段)を使用した。電解研磨を施した装置を使用した場合と、電解研磨を施していない装置を使用した場合は、流出する金属成分の含有量が数十重量ppb〜数百重量ppbの差異を示す。第2高沸物除去塔も、第1低沸物除去塔と同様に、原料移送の前に内部クリーニングを第1低沸物除去塔よりさらに長時間行った。
【0027】
内部クリーニングが完了すると、一部高沸有機物を含有したCを第1蒸留塔の下部から移送して所定の水位に満たした後、加熱還流を行う。第2蒸留塔塔頂上部の温度はCの沸点と同様に設定することがよく、第2蒸留塔塔頂上部の圧力は0.1〜0.2のゲージ圧を維持することが好ましい。還流比は、塔上部の能力に合わせて選択するが、5以上が好ましい。適切な還流条件になると、移送の前に分析を行い、99.99容量%(好ましくは99.995容量%以上)以上になると、第2蒸留塔の上部を介して熱交換器が装着され、電解研磨が行われた受取槽へ蒸留された高純度のCを移送する。第2高沸物除去塔の上部、すなわち熱交換器の上部へ蒸留された高純度のCを溶出する理由は、残存する金属製分または水分の混入を最大限防ぐためである。特に、一般的な交換器の下部に溶出することに比べて数重量ppbの金属成分を除去する効果を示す。これは、熱交換器の上部からガス状上に溶出されるためであり、このガス状のCは、熱交換器が装着された受取槽で液化凝縮されて貯蔵される。金属成分分析のために、受取槽に貯蔵されたCを一定量受け取り、前処理して、ICP−MS(Perkin Elmer、DIC−II)で分析した。水分分析は、オンラインを介してFT−IR(MIdac)で行った。
【0028】
第2蒸留塔の下部は、蒸留が行われる間、高沸物が益々蓄積されるが、この高沸物は、主に1−クロロヘプタルフルオロシクロペンテン、1,2−ジクロロヘキサフルオロペンテン、1,2,3−トリクロロペンタフルオロシクロペンテンなどである。これらの高沸点化合物は、第2蒸留塔の水位を調整しながら排出され、オクタフルオロシクロペンテン製造反応器に送られて追加のフッ化反応を行う。
【0029】
〔KF・2HFによるオクタフルオロシクロペンテンの製造工程(第1工程)〕
KF・2HF溶液を用いて、反応温度120〜140℃の下で原料CClとフッ化水素を投入してCを製造することができる。この方法は、KF・HFを反応器に投入し、フッ化水素を約38〜40wt%となるように投入した後、ゆっくり昇温してKF・2HFを製造する。その後、反応準備が完了すると、原料CClとフッ化水素を約1:8〜1:10の割合で投入し、反応器の上部に熱交換器を設置して上部から反応生成物のCと副産物の塩化水素および少量のフッ化水素を流出させる。生成されたCと塩化水素および少量のフッ化水素は、還流される水とアルカリ溶液を通過して酸で洗浄した後、乾燥過程を経て蒸留工程に送られる。この反応により、生成組成物は、一般に50容量%以上の純度でCを得ることができる。
【0030】
以上述べたように、補助蒸留塔を含んだ第1低沸物除去工程と第2高沸物除去工程を連続的に行い、生成されるガスの全量に対して金属成分(アルミニウム、カルシウム、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、ナトリウム、ニッケル、亜鉛など)が5重量ppb以下であり、純度が99.995容量%以上であり、窒素ガスが50容量ppm以下であり、酸素ガスが10容量ppm以下であり、水分が5重量ppm以下である半導体エッチング工程用ガスを製造することができる。
【0031】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0032】
実施例
ClからCへの転換工程(第1工程)
〈KF/DMFの循環による連続工程で粗Cを製造する〉
本発明において、Cの製造装置は、図1に示す次の構成のものを使用した。
【0033】
〔製造装置〕
1.反応器
2.熱交換器
3,4.配管
5.撹拌器
6.配管
7,8.フィルター
9.ポンプ
10.二重配管
11.熱交換器
12.1次受取槽
13.配管
14.真空ポンプ
15.2次受取槽配管
【0034】
〔製造方法〕
1)内部容量20Lのフィルター7、8にKF14kgをそれぞれ満たし、2機のフィルターのうち、先ず反応器の中間弁16と反応器の下部弁17を開いて反応器にフィルター7を開放させる。60LのDMFを配管3を介して反応器1に投入し、反応器の上部の熱交換器2をCの沸点より約0〜10℃低い温度の冷媒(例えば17〜27℃の水)を循環させながら、反応器の上部の撹拌器5を稼動させ、反応器の外部ジャケットにスチームを投入しながら反応器の温度を135〜140℃に昇温する。この際、反応器の中間のDMF循環ポンプ9を稼動してDMFがフィルター7内のKFと接触するようにして循環させる。
ここで、反応器1は、外部にスチームジャケットを備えた内部容量100Lのステンレス鋼からなるものを使用した。
【0035】
2)反応温度の昇温と共に、1次受取槽12の上部の真空ポンプ14を500〜550torrとなるように作動させて受取槽に真空を作る。反応温度に到達すると、予め準備した純度99%のCClを配管4を介して反応器1に1.57モル/時間(540g/時間)で投入し、反応生成物Cが流出し始めると、熱交換器2の温度がCの沸点と同様に調節する。
【0036】
3)約12時間反応を行った後、使用中であるフィルター7の弁16,17は徐々に閉じると同時に待機中のフィルター8の弁18,19は徐々に開いて、反応に用いられるフィルターを交替し、使用済みのフィルター7内のKFとKClは乾燥させて除去した後、新しいKF14kgを満たして待機させる。
【0037】
4)こうしてCが0.292kg/時間で生成され、生成されるCの純度は83.5wt%である。
ここには、CClがCに転換される反応から副生される有機物、未反応原料、微量の金属成分および水分などが不純物として含有される。
ここには、構造が分からない低沸物2種約0.12容量%;高沸物、すなわちCCl約3.87容量%、CCl約3.18容量%、CCl約1,59容量%;および環の壊れた化合物(Ring-broken compound)約5.42容量%;が含まれ、その他にNi、Fe、Mg、Alなどの金属成分300ppbおよび溶媒(DMF)が含まれる。
前記工程から副生される有機物は、Cより沸点の高い有機物とCより沸点の低い有機物に区分される。本発明では、Cの沸点(26.8℃)より沸点の低い物質を低沸物といい、Cより沸点の高い物質を高沸物という。
1次受取槽12に受け取られたCは、1次受取槽の下部に連結された配管15を介して2次受取槽(図示せず)に受け取った後、次の工程(第2工程)に送る。
【0038】
〈粗Cの生成工程(第2工程)〉
低沸物除去工程(図2)
1)10Lの加熱還流槽20、3インチ構造パッキング(structure packing)(理論段数55段)が取り付けられた蒸留カラム21、および熱交換器22からなる第1低沸物蒸留塔37に10−4torr以上の真空を発生させ、粗Cに置換する過程を数回行って系内の窒素および酸素を完全に除去する。
【0039】
2)真空状態で熱交換器にCの沸点と類似の冷媒を通過させ、第1工程で得られた純度83.5wt%の粗Cを低沸物蒸留塔カラム上部24の粗C投入口に200g/時間の速度で投入する。
【0040】
3)加熱還流槽20に粗Cが充填され始めると、加熱還流槽20に熱媒(heat carrier)を循環させ、加熱還流させる。蒸留塔の圧力が0.5ゲージ圧(gage pressure)以上になると、第1低沸物蒸留塔塔頂上部流出口35から低沸物を排出させて補助蒸留塔27に送る。
【0041】
4)加熱還流槽20の下部弁を開いて分析器25,26を用いてオンライン実時間分析を行う。蒸留が行われる間、窒素、酸素、およびCより低沸な有機物は、分光分析上、ピークが消え(分析限界0.1容量ppm)、ほぼトレース(trace)の水準になる。
ここで使用された分析器25は、窒素、酸素、不活性ガス測定用分析器GC−DID(Gas Chromatography-Discharge Ionization Detector、Gow−Mac社製)であり、分析器26は、有機物含量測定用分析器GC−FID(Gas Chromatography-Flame Ionization Detector)である。
【0042】
5)低沸物蒸留塔塔頂上部流出口35から排出されることを前記分析器25によって分析した結果、窒素450容量ppm、酸素25容量ppm、Cより低沸物の構造を明確に分かることができない2種は、分析器26ではそれぞれ735容量ppmと455容量ppmを示した。
【0043】
6)加熱還流槽の下部を実時間オンラインで分析した結果、低沸物の濃度が分析器の分析限界であるトレース水準であれば、第2高沸物除去塔29に移送する。この際、Cの純度は71.5〜75.4容量%になる。
【0044】
7)一方、低沸物蒸留塔塔頂上部流出口35から排出される高濃度の窒素、酸素および低沸物は、同じ構造を持つ補助蒸留塔27に移送し、これらの低沸物と共に排出されるCを再び分離する。分離されたCは、さらに低沸物蒸留塔37に送る。
【0045】
8)低沸物蒸留塔の下部から高沸物蒸留塔移送配管28を介して排出されるCの量は35〜45g/時間である。低沸物は低沸物蒸留塔蒸留カラム21で除去される。
【0046】
〈高沸物、水分、金属成分の除去工程〉
1)10Lの加熱還流槽29、3インチ構造パッキング(テフロン(「テフロン」は登録商標)樹脂、理論段数65段)が取り付けられた蒸留カラム30および熱交換器31、特に内部処理を電解研磨されたものを使用し、構成された高沸物蒸留塔36に10−4torr以上の真空を発生させ、低沸物蒸留塔下部の加熱還流槽20の下部に、高沸物蒸留塔移送配管28を介して低沸物が完全除去されたCを送る。
【0047】
2)真空状態で熱交換器31にCの沸点より低い温度(15〜20℃が好ましい)の冷媒を通過させ、低沸物除去塔加熱還流槽20から、高沸物蒸留塔移送配管28を介して、低沸物が除去されたCを155〜165g/時間で高沸物蒸留塔の加熱還流槽29へ移送する。
【0048】
3)高沸物除去塔の加熱還流槽29にCが充填され始めると、加熱還流槽29に熱媒を循環させ、加熱還流させる。この際、加熱還流槽29の熱媒を低沸物蒸留塔還流槽20の熱媒より多量投入して還流比を高め、熱交換器31の冷媒循環量によって蒸留塔の圧力を0.2〜0.3ゲージ圧に維持し、高沸物蒸留塔塔頂上部受取口34から蒸留された高純度のCをガス状に排出して、熱交換器が取り付けられ且つ電解研磨処理された製品受取槽32に移送して受取、貯蔵する。
反応物中の金属成分は、重いため、ガス状のCの中には殆ど含まれない。
この際、蒸留されたCの純度は99.997容量%であり、窒素は13容量ppm、酸素は3容量ppm、生成量は110〜120g/時間であり、水分および金属成分は表1のとおりである。
【0049】
4)表1は、高沸物蒸留塔塔頂上部受取口34から蒸留されたCを排出する場合と、高沸物蒸留塔塔頂下部受取口33から排出した場合の金属成分と水分の含有量を比較したものであり、特に金属成分の場合は、電解研磨処理を施していない低沸物蒸留塔37とは大きい差を示す。したがって、本発明では、電解研磨処理した蒸留塔と高沸物蒸留塔塔頂上部受取口34から蒸留されたCを排出させ、金属成分5重量ppb以下の高純度エッチングガス用Cを製造することができる。
【0050】
【表1】

【0051】
〈参考例〉
本発明において、低純度C製造工程(第1工程)は下記の方法で製造することもできる。
【0052】
〈KF・2HFによる低純度Cの製造(第1工程)〉
ここで、Cを製造するための反応装置は、図3に示した次の構成を持つ。
〔反応器〕
38.反応器
39.蒸留カラム
40.熱交換器
41.撹拌器
42.CCl投入口
43.HF投入口
44.生成物流出口
【0053】
〔製造方法〕
1)内部容量5Lのステンレス鋼製反応器38にKF・HF(フッ化水素カリウム)を4.3kg投入し、80℃まで昇温した後、フッ化水素を1.3kg徐々に投入し、内容物を液状にした後、反応温度を120℃まで昇温する。
【0054】
2)熱交換器40の温度を約20℃に合わせ、反応器が反応温度に到達すると、CCl投入口42を介して原料CClを60.0g/時間で反応器に投入し、フッ化水素をHF投入口43を介して34.9g/時間で反応器に投入する。
【0055】
3)生成されるCを水とアルカリで洗浄し、乾燥させる。前記Cは20.73g/時間で生成され、52.5%の純度を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のKF/DMFの循環によるオクタフルオロシクロペンテンの連続製造工程を示す工程図である。
【図2】本発明のオクタフルオロシクロペンテンの精製工程を示す工程図である。
【図3】本発明のKF・2HFによるオクタフルオロシクロペンテンの製造工程を示す工程図である。
【符号の説明】
【0057】
1 反応器
2 熱交換器
3,4 配管
5 撹拌器
6 配管
7,8 フィルター
9 ポンプ
10 二重配管
11 熱交換器
12 1次受取槽
13 配管
14 真空ポンプ
15 2次受取槽配管
16,17,18,19 弁
20 加熱還流槽
21 蒸留カラム
22 熱交換器
23 低沸物蒸留塔塔頂下部受取口
24 粗C投入口
25,26 分析器
27 補助蒸留塔
28 高沸物蒸留塔移送配管
29 加熱還流槽
30 蒸留カラム
31 熱交換器
32 製品受取槽
33 高沸物蒸留塔塔頂下部受取口
34 高沸物蒸留塔塔頂上部受取口
35 低沸物蒸留塔塔頂上部流出口
36 高沸物蒸留塔
37 低沸物蒸留塔
38 反応器
39 蒸留カラム
40 熱交換器
41 撹拌器
42 CCl投入口
43 HF投入口
44 生成物排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オクタクロロシクロペンテンをKFと反応させてオクタフルオロシクロペンテンを製造する方法において、
オクタクロロシクロペンテンとKFとを反応させる反応器の内部に、KFを充填したフィルター2機を並列に連結し、フィルターと反応器との間の弁を交差に開閉させて前記フィルター内のKFがオクタクロロシクロペンテンと交差接触反応するようにすることにより、オクタクロロシクロペンテンとKFとの反応を連続反応に保持させ、連続工程でオクタフルオロシクロペンテン含量50〜80容量%の粗オクタフルオロシクロペンテンを得る第1工程と、
前記第1工程で得られた粗オクタフルオロシクロペンテンを低沸物蒸留塔で粗オクタフルオロシクロペンテン中のオクタフルオロシクロペンテンより沸点の低い低沸物有機物を分別蒸留方法によって除去し、ここで得られた反応物を高沸物蒸留塔で分別蒸留してオクタフルオロシクロペンテンをガス状に回収して、金属成分とオクタフルオロシクロペンテンより沸点の高い高沸物を分離することにより、高純度オクタフルオロシクロペンテンを得る第2過程とを連続工程にし、
99.995容量%以上、窒素ガス50容量ppm以下、酸素ガス5容量ppm以下、水分5重量ppm以下、金属成分5重量ppb以下の半導体製造用ドライエッチングガスを連続工程で製造する方法。
【請求項2】
前記粗オクタフルオロシクロペンテンを得る工程を、オクタクロロシクロペンテンとKF・2HFとを反応させて粗オクタフルオロシクロペンテンを得る工程で代替することにより、半導体製造用ドライエッチングガスを連続工程で製造することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
半導体製造用ドライエッチングガスにおいて、
が99.995容量%以上であり、窒素ガスが50容量ppm以下であり、酸素ガスが5容量ppm以下であり、水分が5重量ppm以下であり、金属成分が5重量ppb以下であることを特徴とする半導体製造用ドライエッチングガス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−302663(P2007−302663A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−124396(P2007−124396)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【出願人】(505139779)蔚山化學株式会社 (7)
【氏名又は名称原語表記】Ulsan Chemical Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】290 Maeam−dong, Nam−ku, Ulsan, Republic of Korea
【Fターム(参考)】