半導体記憶装置およびその製造方法
【課題】 従来の半導体記憶装置においては、メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とが逆転することにより、誤判定が生じる。
【解決手段】 本発明の一実施形態に係る製造方法は、リファレンスセル412に隣接するようにダミーセル611〜618を形成する工程と、リファレンスセル412を覆うマスクを用いて、ダミーセル611〜618に不純物を注入する工程と、を含んでいる。ここで、不純物を注入する工程においては、リファレンスセル412にダミーセル611〜618から上記不純物が染み出すように、ダミーセル611〜618に上記不純物を注入することを特徴とする。
【解決手段】 本発明の一実施形態に係る製造方法は、リファレンスセル412に隣接するようにダミーセル611〜618を形成する工程と、リファレンスセル412を覆うマスクを用いて、ダミーセル611〜618に不純物を注入する工程と、を含んでいる。ここで、不純物を注入する工程においては、リファレンスセル412にダミーセル611〜618から上記不純物が染み出すように、ダミーセル611〜618に上記不純物を注入することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置に含まれるセンスアンプは、各メモリセルの微少な状態変化(電流、電位等の変化)を高速に大きな電位振幅として検出する回路である。センスアンプに求められる性能には、高速性、広い電圧・温度範囲、プロセスバラツキに対するマージン、電源ノイズマージン等がある。超高集積化が進んでいる現在、広い電圧・温度範囲、プロセスバラツキに対するマージンが減少し、その向上が求められている。
【0003】
従来の半導体記憶装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。同文献の半導体記憶装置は、マスクROM等の電源を切ってもメモリセルに記憶されたデータが保持される不揮発性半導体記憶装置である。この半導体記憶装置は、図4に示すように、メモリセル1111と、選択セル11211,11221と、ワード線113と、カラム線1141,1142と、ワード線駆動回路115と、カラム選択回路1161,1162と、読出駆動部1191と、バッファ1201と、リファレンス部122と、センスアンプ1231とを備えている。
【0004】
メモリセル1111は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがワード線113を介して接続されるとともに、ワード線113を介してワード線駆動回路115の出力端に接続されている。
【0005】
選択セル11211は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがカラム線1141を介して接続されるとともに、カラム線1141を介してカラム選択回路1161の出力端に接続されている。カラム選択回路1161は、外部から供給されるアドレスを第1段階のデコーディングによりデコードした結果、当該カラム線1141が選択された場合には、カラム線1141にハイ(H)レベルの信号を印加する。これにより、選択セル11211は、ゲートにHレベルの信号が印加されるので、オンして、メモリセル1111からデータを読み出すためのパスを形成する。
【0006】
選択セル11221は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがカラム線1142を介して接続されるとともに、カラム線1142を介してカラム選択回路1162の出力端に接続されている。カラム選択回路1162は、外部から供給されるアドレスを第2段階のデコーディングによりデコードした結果、当該カラム線1142が選択された場合には、カラム線1142にHレベルの信号を印加する。これにより、選択セル11221は、ゲートにHレベルの信号が印加されるので、オンして、メモリセル1111からデータを読み出すためのパスを形成する。
【0007】
センスアンプ活性化信号は、外部からデータの読み出しの信号が供給されると、データ読み出しの開始を示すロー(L)レベルの信号が印加され、読出駆動部1191、バッファ1201およびリファレンス部122に供給する。
【0008】
読出駆動部1191は、駆動トランジスタ1311と、パス形成トランジスタ1321と、パス遮断トランジスタ1331と、ノア(NOR)ゲート1341とを含んでいる。
【0009】
駆動トランジスタ1311は、MOSトランジスタからなり、バッファ1201の入力端にメモリセル1111のオン状態またはオフ状態に応じた電圧を印加する。パス形成トランジスタ1321は、MOSトランジスタからなり、ノアゲート1341から供給されるHレベルの信号によりオンして、メモリセル1111からデータを読み出すためのパスを形成する。パス遮断トランジスタ1331は、MOSトランジスタからなり、センスアンプ活性化信号から供給されるHレベルの信号によりオンして、メモリセル1111からデータを読み出すためのパスを遮断する。ノアゲート1341は、その第1の入力端にセンスアンプ活性化信号が供給される。また、ノアゲート1341は、その第2の入力端がパス形成トランジスタ1321のソースと接続され、センスアンプ活性化信号から供給される信号およびパス形成トランジスタ1321のソースの電圧がいずれもLレベルの場合に、Hレベルの信号を出力し、パス形成トランジスタ1321をオンする。
【0010】
バッファ1201は、パワーMOSトランジスタ1351,1361と、定電流源を構成するMOSトランジスタ1371とを含んでいる。このバッファ1201は、入力電圧を緩衝および増幅し、その出力電圧VD1をセンスアンプ1231の第1の入力端に印加する。
【0011】
リファレンス部122は、リファレンスセル1411,1412と、選択セル14211,14212,14221,14222と、ワード線駆動回路143と、カラム選択回路1441,1442と、駆動トランジスタ1451,1452と、パス形成トランジスタ1461,1462と、パス遮断トランジスタ1471,1472と、ノアゲート1481,1482と、パワーMOSトランジスタ1491,1492,1501,1502と、定電流源を構成するMOSトランジスタ1511,1512とを含んでいる。
【0012】
リファレンスセル1411,1412は、メモリセル1111と同一構造および同一特性のMOSトランジスタである。リファレンスセル1411は、コードリン注入がされデプレッショントランジスタ状態、すなわちオン状態に予め設定されている。一方のリファレンスセル1412は、コードリン注入がされていないエンハンストランジスタ状態、すなわちオフ状態に予め設定されている。
【0013】
選択セル14211,14212は選択セル11211と、選択セル14221,14222は選択セル11221と、ワード線駆動回路143はワード線駆動回路115と、カラム選択回路1441はカラム選択回路1161と、カラム選択回路1442はカラム選択回路1162と、駆動トランジスタ1451,1452は駆動トランジスタ1311と、パス形成トランジスタ1461,1462はパス形成トランジスタ1321と、それぞれ同一構造および同一特性である。
【0014】
同様に、パス遮断トランジスタ1471,1472はパス遮断トランジスタ1331と、ノアゲート1481,1482はノアゲート1341と、パワーMOSトランジスタ1491,1492,1501,1502はパワーMOSトランジスタ1351,1361と、MOSトランジスタ1511,1512はMOSトランジスタ1371と、それぞれ同一構造および同一特性である。
【0015】
これは、センスアンプ1231が差動増幅器により形成されているため、その第1の入力端に接続される負荷と、その第2の入力端に接続される負荷とをできるだけ等しくするためである。
【0016】
駆動トランジスタ1451は、パワーMOSトランジスタ1501のゲートにリファレンスセル1411のオン状態に応じた電圧VRONを印加する。同様に、駆動トランジスタ1452は、パワーMOSトランジスタ1502のゲートにリファレンスセル1412のオフ状態に応じた電圧VROFFを印加する。
【0017】
パワーMOSトランジスタ1491,1501と、定電流源を構成するMOSトランジスタ1511とは、駆動トランジスタ1451の出力電圧VRONを緩衝及び増幅する。一方、パワーMOSトランジスタ1492,1502と、定電流源を構成するMOSトランジスタ1512とは、駆動トランジスタ1452の出力電圧VROFFを緩衝および増幅する。すなわち、パワーMOSトランジスタ1491,1492,1501,1502と、MOSトランジスタ1511,1512とは、バッファ152を構成している。
【0018】
したがって、パワーMOSトランジスタ1501のバッファの出力電流を電流I1とし、パワーMOSトランジスタ1502の出力電流を電流I2とすると、MOSトランジスタ1511,1512それぞれによって構成される定電流源には、式(1)に示すように、電流I1と電流I2とを平均した電流IRが流れる。
IR=(I1+I2)/2…(1)
【0019】
これにより、センスアンプ1231の第2の入力端には、式(2)に示すように、リファレンスセル1411のオン状態に応じた電圧VRONと、リファレンスセル1412のオフ状態に応じた電圧VROFFと中間の電圧VRが印加されることになる。
VR=(VRON+VROFF)/2…(2)
【0020】
センスアンプ1231は、上述したように、差動増幅器からなり、バッファ1201から供給される電圧とリファレンス部122から供給される電圧との差を検出・増幅してデータを外部に出力する。
【特許文献1】特許第3578661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、かかる手法において、高集積化が進むにつれて各々のメモリセルピッチが狭くなると、上述の「同一構造および同一特性の」MOSトランジスタ、メモリセルが製造できなくなる。例として、図5を参照しつつ、マスクROMのメモリセル構成を説明する。
【0022】
図5は、図4のワード線駆動回路115、メモリセル1111およびワード線113の部分の詳細な構成を示す模式図である。同図においては、ONセルを1重の円で示し、OFFセルを2重の円で示している。本例において、メモリセル1111はOFFセルである。
【0023】
マスクROMにおけるONセルとOFFセルとは、上述のとおり、コードリンイオン注入により区別される。フォトレジスト(PR)にてONセルは開口させ、OFFセルは非開口にする。これにより、開口しているセルにはイオンが注入され、デプレッショントランジスタとなりONセルになる。一方、非開口セルはイオンが注入されずエンハンストランジスタとなりOFFセルとなる。
【0024】
ところが、高集積化進むにつれてメモリセルピッチが狭くなると、OFFセルであるメモリセル1111に対して、隣接するONセル(メモリセル1112〜1119)からイオンが染み出すことが稀にある。すると、メモリセル1111の閾値が下がり、高温時にセルのドレイン−ソース間にリーク電流が流れ、センスアンプ1231が誤判定をする。このような現象は、同一のROM配置(ONセル、OFFセルの並び方)であってもランダムに発生する。そのため、センスアンプ1231の第2の入力端に印加される電圧をVDONとVDOFFの中間に設定したとしても、誤判定が生じてしまう。
【0025】
この点について、図6を参照しつつ説明する。データの読み出しが開始されると、センスアンプ1231の第1および第2の入力端にそれぞれ印加される電圧VD1および電圧VRは、選択セル11211,11221、選択セル14211,14221および選択セル14212,14222がオンするまでは、ほぼ同様な経過で上昇していく。次に、ワード線113以外にHレベルの信号が印加されるまでについても、電圧VD1および電圧VRは同様な経過で上昇していく(図中A参照)。そして、ワード線113以外にHレベルの信号が印加されると電圧VRについては、ワード線駆動回路143がダミーであるので変わらない傾斜で上昇していき、飽和状態となる(図中B参照)。
【0026】
一方、電圧VD1については、メモリセル1111がONセルの場合は、下降していく(図中C参照)。メモリセルがOFFセル且つセルリークを発生しない場合は、さらに上昇していく(図中D参照)のに対し、メモリセルがOFFセル且つセルリークを発生する場合は、VR近傍に落ち着く(図中E参照)。したがって、メモリセル1111がOFFセル且つセルリークを発生する場合は、VD1とVRのレベルが逆転し、誤判定が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明による半導体記憶装置の製造方法は、メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とを比較することにより、上記メモリセルに記憶されたデータを読み出す半導体記憶装置を製造する方法であって、上記リファレンスセルのうちオフ状態とされるリファレンスセルに隣接するように、ダミーセルを形成する工程と、上記オフ状態とされるリファレンスセルを覆うマスクを用いて、上記ダミーセルに不純物を注入する工程と、を含み、上記不純物を注入する工程においては、上記オフ状態とされるリファレンスセルに上記ダミーセルから上記不純物が染み出すように、上記ダミーセルに上記不純物を注入することを特徴とする。
【0028】
この製造方法においては、リファレンスセルに隣接するダミーセルへの不純物注入時に、ダミーセルからリファレンスセルに不純物が染み出すようにしている。これにより、高温時に、リファレンスセルにリークが発生する。すると、リファレンスセルの電圧レベルが下がるため、メモリセルにリークが発生した場合であっても、メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とが逆転するのを防ぐことができる。
【0029】
本発明による半導体記憶装置は、2つの素子分離領域の間に設けられ、第1の不純物濃度をもつ第1の領域と、上記第1の領域と上記素子分離領域の少なくとも一方との間に設けられ、上記第1の不純物濃度よりも高い第2の不純物濃度をもつ第2の領域と、を有するリファレンスセルを備えることを特徴とする。
【0030】
この半導体記憶装置においては、不純物濃度が比較的低い第1の領域と、不純物濃度が比較的高い第2の領域とがリファレンスセルに設けられている。これにより、高温時に、リファレンスセルにリークが発生する。このため、上述のとおり、メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とが逆転するのを防ぐことができる。
【0031】
また、本発明による半導体記憶装置は、メモリセルに記憶されている情報を、基準となるリファレンスセルの情報と比較して読み出す半導体記憶装置であって、上記メモリセルは、第1のオフリーク特性を有し、上記リファレンスセルは、上記第1のオフリーク特性よりも大きい第2のオフリーク特性を有することを特徴とする。
【0032】
この半導体記憶装置においては、リファレンスセルが、メモリセルに比して大きなオフリーク特性を有している。これにより、高温時に、リファレンスセルにリークが発生する。このため、上述のとおり、メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とが逆転するのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、読出し時の誤判定確率が低減した半導体記憶装置およびその製造方法が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本発明による半導体記憶装置およびその製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0035】
図1は、本発明による半導体記憶装置の一実施形態を示す回路図である。半導体記憶装置1は、不揮発性半導体記憶装置であり、メモリセル111と、選択セル1211,1221と、ワード線13と、カラム線141,142と、ワード線駆動回路15と、カラム選択回路161,162と、読出駆動部191と、バッファ201と、リファレンス部22と、センスアンプ231とを備えている。
【0036】
メモリセル111は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがワード線13を介して接続されるとともに、ワード線13を介してワード線駆動回路15の出力端に接続されている。
【0037】
選択セル1211は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがカラム線141を介して接続されるとともに、カラム線141を介してカラム選択回路161の出力端に接続されている。カラム選択回路161は、外部から供給されるアドレスを第1段階のデコーディングによりデコードした結果、当該カラム線141が選択された場合には、カラム線141にHレベルの信号を印加する。これにより、選択セル1211は、ゲートにHレベルの信号が印加されるので、オンして、メモリセル111からデータを読み出すためのパスを形成する。
【0038】
選択セル1221は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがカラム線142を介して接続されるとともに、カラム線142を介してカラム選択回路162の出力端に接続されている。カラム選択回路162は、外部から供給されるアドレスを第2段階のデコーディングによりデコードした結果、当該カラム線142が選択された場合には、カラム線142にHレベルの信号を印加する。これにより、選択セル1221は、ゲートにHレベルの信号が印加されるので、オンして、メモリセル111からデータを読み出すためのパスを形成する。
【0039】
センスアンプ活性化信号は、外部からデータの読み出しの信号が供給されると、データ読み出しの開始を示すLレベルの信号が印加され、読出駆動部191、バッファ201およびリファレンス部22に供給する。
【0040】
読出駆動部191は、駆動トランジスタ311と、パス形成トランジスタ321と、パス遮断トランジスタ331と、ノアゲート341とを含んでいる。
【0041】
駆動トランジスタ311は、MOSトランジスタからなり、バッファ201の入力端にメモリセル111のオン状態またはオフ状態に応じた電圧を印加する。パス形成トランジスタ321は、MOSトランジスタからなり、ノアゲート341から供給されるHレベルの信号によりオンして、メモリセル111からデータを読み出すためのパスを形成する。パス遮断トランジスタ331は、MOSトランジスタからなり、センスアンプ活性化信号から供給されるHレベルの信号によりオンして、メモリセル111からデータを読み出すためのパスを遮断する。ノアゲート341は、その第1の入力端にセンスアンプ活性化信号が供給される。また、ノアゲート341は、その第2の入力端がパス形成トランジスタ321のソースと接続され、センスアンプ活性化信号から供給される信号およびパス形成トランジスタ321のソースの電圧がいずれもLレベルの場合に、Hレベルの信号を出力し、パス形成トランジスタ321をオンする。
【0042】
バッファ201は、パワーMOSトランジスタ351,361と、定電流源を構成するMOSトランジスタ371とを含んでいる。このバッファ201は、入力電圧を緩衝および増幅し、その出力電圧VD1をセンスアンプ231の第1の入力端に印加する。
【0043】
リファレンス部22は、リファレンスセル411,412と、選択セル4211,4212,4221,4222と、ワード線駆動回路43と、カラム選択回路441,442と、駆動トランジスタ451,452と、パス形成トランジスタ461,462と、パス遮断トランジスタ471,472と、ノアゲート481,482と、パワーMOSトランジスタ491,492,501,502と、定電流源を構成するMOSトランジスタ511,512とを含んでいる。
【0044】
リファレンスセル411,412は、メモリセル111と同一構造および同一特性のMOSトランジスタである。リファレンスセル411は、コードリン注入がされデプレッショントランジスタ状態、すなわちオン状態に予め設定されている。一方のリファレンスセル412は、コードリン注入がされていないエンハンストランジスタ状態、すなわちオフ状態に予め設定されている。
【0045】
選択セル4211,4212は選択セル1211と、選択セル4221,4222は選択セル1221と、ワード線駆動回路43はワード線駆動回路15と、カラム選択回路441はカラム選択回路161と、カラム選択回路442はカラム選択回路162と、駆動トランジスタ451,452は駆動トランジスタ311と、パス形成トランジスタ461,462はパス形成トランジスタ321と、それぞれ同一構造および同一特性である。
【0046】
同様に、パス遮断トランジスタ471,472はパス遮断トランジスタ331と、ノアゲート481,482はノアゲート341と、パワーMOSトランジスタ491,492,501,502はパワーMOSトランジスタ351,361と、MOSトランジスタ511,512はMOSトランジスタ371と、それぞれ同一構造および同一特性である。
【0047】
これは、センスアンプ231が差動増幅器により形成されているため、その第1の入力端に接続される負荷と、その第2の入力端に接続される負荷とをできるだけ等しくするためである。
【0048】
駆動トランジスタ451は、パワーMOSトランジスタ501のゲートにリファレンスセル411のオン状態に応じた電圧VRONを印加する。同様に、駆動トランジスタ452は、パワーMOSトランジスタ502のゲートにリファレンスセル412のオフ状態に応じた電圧VROFFを印加する。
【0049】
パワーMOSトランジスタ491,501と、定電流源を構成するMOSトランジスタ511とは、駆動トランジスタ451の出力電圧VRONを緩衝及び増幅する。一方、パワーMOSトランジスタ492,502と、定電流源を構成するMOSトランジスタ512とは、駆動トランジスタ452の出力電圧VROFFを緩衝および増幅する。すなわち、パワーMOSトランジスタ491,492,501,502と、MOSトランジスタ511,512とは、バッファ52を構成している。
【0050】
したがって、パワーMOSトランジスタ501のバッファの出力電流を電流I1とし、パワーMOSトランジスタ502の出力電流を電流I2とすると、MOSトランジスタ511,512それぞれによって構成される定電流源には、電流I1と電流I2とを平均した電流IRが流れる(式(1)参照)。
【0051】
これにより、センスアンプ231の第2の入力端には、リファレンスセル411のオン状態に応じた電圧VRONと、リファレンスセル412のオフ状態に応じた電圧VROFFと中間の電圧VRが印加されることになる(式(2)参照)。
【0052】
センスアンプ231は、上述したように、差動増幅器からなり、バッファ201から供給される電圧とリファレンス部22から供給される電圧との差を検出・増幅してデータを外部に出力する。
【0053】
図2は、半導体記憶装置1のワード線駆動回路43、リファレンスセル412およびワード線53の部分の詳細な構成を示す模式図である。同図においては、ONセルを1重の円で示し、OFFセルを2重の円で示している。本例において、リファレンスセル412はOFFセルである。
【0054】
リファレンスセル412の周囲には、ダミーセル611〜618が配置されている。これらのダミーセル611〜618は、リファレンスセル412に隣接している。ワード線駆動回路43の出力はワード線53を介して各セルのゲートと接続されている。また、各セルのドレインは下段セルのソースと接続され、最下段のセルのソースは接地されている。最上段のセルのドレインは、選択セル4222(図1参照)のソースへ接続されている。
【0055】
次に、本発明による半導体記憶装置の製造方法の一実施形態として、半導体記憶装置1の製造方法を説明する。この製造方法は、リファレンスセル412に隣接するようにダミーセル611〜618を形成する工程と、リファレンスセル412を覆うマスクを用いて、ダミーセル611〜618に不純物を注入する工程と、を含んでいる。ここで、不純物を注入する工程においては、リファレンスセル412にダミーセル611〜618から上記不純物が染み出すように、ダミーセル611〜618に上記不純物を注入することを特徴とする。なお、上記不純物としては、例えばリンイオンが挙げられる。
【0056】
具体的には、図7に示すように、上記マスクにおけるダミーセル611〜618に対応する開口(点線L1で示す)を、メモリセルのうちオン状態とされるメモリセルに対応する開口(参考として、点線L2で示す)よりも開口面積が大きくなるように設計する。同図において、上側はリファレンスセルアレイの平面図を、下側はそのA−A線に沿った断面図を示している。図からわかるように、拡散層72および素子分離領域74の延在方向と垂直な方向に沿ってワード線53が延びている。
【0057】
上述のとおりダミーセル611〜618に対応する開口を大きく設計することにより、不純物注入時に、矢印A1で示すように、ダミーセル611〜618の開口から注入された不純物がリファレンスセル412の拡散層に達する。これにより、点線C1で囲んだ領域で染み出しが発生する。かかる染み出しが発生する結果、リファレンスセル412は、2つの素子分離領域74の間に設けられ、第1の不純物濃度をもつ第1の領域と、第1の領域と素子分離領域74の少なくとも一方との間に設けられ、第1の不純物濃度よりも高い第2の不純物濃度をもつ第2の領域(不純物の染み出しが発生した領域)と、を有することとなる。ここで、リファレンスセル412の両側のダミーセル614,615の不純物濃度は、上記第2の不純物濃度以上である。また、半導体記憶装置1において、メモリセル111は第1のオフリーク特性を有し、リファレンスセル412は第1のオフリーク特性よりも大きい第2のオフリーク特性を有することとなる。
【0058】
これに対して、ダミーセル611〜618の開口の大きさをメモリセルの開口と等しくした場合には、矢印A2で示すように、ダミーセル611〜618の開口から注入された不純物がリファレンスセル412の拡散層に達しないため、染み出しが発生しない。
【0059】
また、拡散層72および素子分離領域74の延在方向について見ても、図8に示すように、ダミーセル611〜618からリファレンスセル412への不純物の染み出しが起こる。同図において、左側はリファレンスセルアレイの平面図を、右側はそのB−B線に沿った断面図を示している。なお、図7および図8のリファレンスセルアレイに対応する回路図は、図9に示すとおりである。
【0060】
続いて、本実施形態の効果を説明する。本実施形態においては、ダミーセル611〜618への不純物注入時に、ダミーセル611〜618からリファレンスセル412に不純物が染み出すようにしている。これにより、高温時に、リファレンスセル412にリークが発生する。すると、リファレンスセル412の電圧レベルが下がるため、メモリセルにリークが発生した場合であっても、メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とが逆転するのを防ぐことができる。
【0061】
この点について、図3を参照しつつ説明する。データの読み出しが開始されると、センスアンプ231の第1および第2の入力端にそれぞれ印加される電圧VD1および電圧VRは、選択セル1211,1221、選択セル4211,4221および選択セル4212,4222がオンするまでは、ほぼ同様な経過で上昇していく。次に、ワード線13以外にHレベルの信号が印加されるまでについても、電圧VD1および電圧VRは同様な経過で上昇していく(図中A参照)。
【0062】
ワード線53以外にHレベルの信号が印加されると電圧VRについては、リファレンスセル412にリークが発生し、選択セルへの接続点F(図2参照)の電位が下がり、結果としてVRは図3中のGに示すようになる。一方、電圧VDnについては、メモリセル111がONセルの場合は、下降していく(図中C参照)。メモリセル111がOFFセル且つセルリークを発生しない場合は、さらに上昇していく(図中D参照)のに対し、メモリセル111がOFFセル且つセルリークを発生する場合は、図中のEに示すようになる。したがって、 メモリセルがOFFセル且つセルリークを発生する場合でも、VDnとVRのレベルが逆転することはなく、正常に判定されるのである。また、高温以外では、リーク電流は発生しないため、VDnとVRも電圧降下はなく、安定動作を行う。
【0063】
また、上述したように、センスアンプ231の第2の入力端に、リファレンスセル411のオン状態に応じた電圧VRONと、リファレンスセル412のオフ状態に応じた電圧VROFFとの中間の電圧VRが印加されるので、電圧VRは、常に、メモリセル111がオン状態にある場合の電圧VDONと、メモリセル111がオフ状態である場合の電圧VDOFFとの中間に自動的に設定される。これにより、メモリセル111のオン状態およびオフ状態を検出するマージンをいずれも充分に確保することができる。
【0064】
本発明による半導体記憶装置およびその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態に係る製造方法は、メモリセル111に接続されるワード線よりも細くなるように、オフ状態とされるリファレンスセル412に接続されるワード線を形成する工程を含んでいてもよい。こうすることにより、選択リファレンスセル412のドレイン−ソース間の実効L寸法が細くなり、イオン注入時に染み出しが発生する。よって、高温時に必ずセルリークを発生させることができる。
【0065】
また、不純物を注入する工程においては、メモリセルのうちオン状態とされるメモリセルよりも高いドーズ量で、ダミーセル611〜618に上記不純物を注入してもよい。こうすることにより、選択リファレンスセル412に対して、ダミーセル611〜618から染み出しが発生する。よって、高温時に必ずセルリークを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明による半導体記憶装置の一実施形態を示す回路図である。
【図2】図1の半導体記憶装置のワード線駆動回路、リファレンスセルおよびワード線の部分の詳細な構成を示す模式図である。
【図3】実施形態に係る製造方法の効果を説明するためのグラフである。
【図4】従来の半導体記憶装置を示す回路図である。
【図5】図4の半導体記憶装置のワード線駆動回路、メモリセルおよびワード線の部分の詳細な構成を示す模式図である。
【図6】従来の半導体記憶装置の課題を説明するためのグラフである。
【図7】実施形態に係る製造方法を説明するための平面図および断面図である。
【図8】実施形態に係る製造方法を説明するための平面図および断面図である。
【図9】図7および図8に示すリファレンスセルアレイに対応する回路図である。
【符号の説明】
【0067】
1 半導体記憶装置
111 メモリセル
1211,1221 選択セル
13 ワード線
141,142 カラム線
15 ワード線駆動回路
161,162 カラム選択回路
191 読出駆動部
201 バッファ
22 リファレンス部
231 センスアンプ
411,412 リファレンスセル
4211,4212,4221,4222 選択セル
43 ワード線駆動回路
441,442 カラム選択回路
451,452 駆動トランジスタ
451 駆動トランジスタ
452 駆動トランジスタ
461,462 パス形成トランジスタ
471,472 パス遮断トランジスタ
481,482 ノアゲート
52 バッファ
53 ワード線
611〜618 ダミーセル
72 拡散層
74 素子分離領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置に含まれるセンスアンプは、各メモリセルの微少な状態変化(電流、電位等の変化)を高速に大きな電位振幅として検出する回路である。センスアンプに求められる性能には、高速性、広い電圧・温度範囲、プロセスバラツキに対するマージン、電源ノイズマージン等がある。超高集積化が進んでいる現在、広い電圧・温度範囲、プロセスバラツキに対するマージンが減少し、その向上が求められている。
【0003】
従来の半導体記憶装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。同文献の半導体記憶装置は、マスクROM等の電源を切ってもメモリセルに記憶されたデータが保持される不揮発性半導体記憶装置である。この半導体記憶装置は、図4に示すように、メモリセル1111と、選択セル11211,11221と、ワード線113と、カラム線1141,1142と、ワード線駆動回路115と、カラム選択回路1161,1162と、読出駆動部1191と、バッファ1201と、リファレンス部122と、センスアンプ1231とを備えている。
【0004】
メモリセル1111は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがワード線113を介して接続されるとともに、ワード線113を介してワード線駆動回路115の出力端に接続されている。
【0005】
選択セル11211は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがカラム線1141を介して接続されるとともに、カラム線1141を介してカラム選択回路1161の出力端に接続されている。カラム選択回路1161は、外部から供給されるアドレスを第1段階のデコーディングによりデコードした結果、当該カラム線1141が選択された場合には、カラム線1141にハイ(H)レベルの信号を印加する。これにより、選択セル11211は、ゲートにHレベルの信号が印加されるので、オンして、メモリセル1111からデータを読み出すためのパスを形成する。
【0006】
選択セル11221は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがカラム線1142を介して接続されるとともに、カラム線1142を介してカラム選択回路1162の出力端に接続されている。カラム選択回路1162は、外部から供給されるアドレスを第2段階のデコーディングによりデコードした結果、当該カラム線1142が選択された場合には、カラム線1142にHレベルの信号を印加する。これにより、選択セル11221は、ゲートにHレベルの信号が印加されるので、オンして、メモリセル1111からデータを読み出すためのパスを形成する。
【0007】
センスアンプ活性化信号は、外部からデータの読み出しの信号が供給されると、データ読み出しの開始を示すロー(L)レベルの信号が印加され、読出駆動部1191、バッファ1201およびリファレンス部122に供給する。
【0008】
読出駆動部1191は、駆動トランジスタ1311と、パス形成トランジスタ1321と、パス遮断トランジスタ1331と、ノア(NOR)ゲート1341とを含んでいる。
【0009】
駆動トランジスタ1311は、MOSトランジスタからなり、バッファ1201の入力端にメモリセル1111のオン状態またはオフ状態に応じた電圧を印加する。パス形成トランジスタ1321は、MOSトランジスタからなり、ノアゲート1341から供給されるHレベルの信号によりオンして、メモリセル1111からデータを読み出すためのパスを形成する。パス遮断トランジスタ1331は、MOSトランジスタからなり、センスアンプ活性化信号から供給されるHレベルの信号によりオンして、メモリセル1111からデータを読み出すためのパスを遮断する。ノアゲート1341は、その第1の入力端にセンスアンプ活性化信号が供給される。また、ノアゲート1341は、その第2の入力端がパス形成トランジスタ1321のソースと接続され、センスアンプ活性化信号から供給される信号およびパス形成トランジスタ1321のソースの電圧がいずれもLレベルの場合に、Hレベルの信号を出力し、パス形成トランジスタ1321をオンする。
【0010】
バッファ1201は、パワーMOSトランジスタ1351,1361と、定電流源を構成するMOSトランジスタ1371とを含んでいる。このバッファ1201は、入力電圧を緩衝および増幅し、その出力電圧VD1をセンスアンプ1231の第1の入力端に印加する。
【0011】
リファレンス部122は、リファレンスセル1411,1412と、選択セル14211,14212,14221,14222と、ワード線駆動回路143と、カラム選択回路1441,1442と、駆動トランジスタ1451,1452と、パス形成トランジスタ1461,1462と、パス遮断トランジスタ1471,1472と、ノアゲート1481,1482と、パワーMOSトランジスタ1491,1492,1501,1502と、定電流源を構成するMOSトランジスタ1511,1512とを含んでいる。
【0012】
リファレンスセル1411,1412は、メモリセル1111と同一構造および同一特性のMOSトランジスタである。リファレンスセル1411は、コードリン注入がされデプレッショントランジスタ状態、すなわちオン状態に予め設定されている。一方のリファレンスセル1412は、コードリン注入がされていないエンハンストランジスタ状態、すなわちオフ状態に予め設定されている。
【0013】
選択セル14211,14212は選択セル11211と、選択セル14221,14222は選択セル11221と、ワード線駆動回路143はワード線駆動回路115と、カラム選択回路1441はカラム選択回路1161と、カラム選択回路1442はカラム選択回路1162と、駆動トランジスタ1451,1452は駆動トランジスタ1311と、パス形成トランジスタ1461,1462はパス形成トランジスタ1321と、それぞれ同一構造および同一特性である。
【0014】
同様に、パス遮断トランジスタ1471,1472はパス遮断トランジスタ1331と、ノアゲート1481,1482はノアゲート1341と、パワーMOSトランジスタ1491,1492,1501,1502はパワーMOSトランジスタ1351,1361と、MOSトランジスタ1511,1512はMOSトランジスタ1371と、それぞれ同一構造および同一特性である。
【0015】
これは、センスアンプ1231が差動増幅器により形成されているため、その第1の入力端に接続される負荷と、その第2の入力端に接続される負荷とをできるだけ等しくするためである。
【0016】
駆動トランジスタ1451は、パワーMOSトランジスタ1501のゲートにリファレンスセル1411のオン状態に応じた電圧VRONを印加する。同様に、駆動トランジスタ1452は、パワーMOSトランジスタ1502のゲートにリファレンスセル1412のオフ状態に応じた電圧VROFFを印加する。
【0017】
パワーMOSトランジスタ1491,1501と、定電流源を構成するMOSトランジスタ1511とは、駆動トランジスタ1451の出力電圧VRONを緩衝及び増幅する。一方、パワーMOSトランジスタ1492,1502と、定電流源を構成するMOSトランジスタ1512とは、駆動トランジスタ1452の出力電圧VROFFを緩衝および増幅する。すなわち、パワーMOSトランジスタ1491,1492,1501,1502と、MOSトランジスタ1511,1512とは、バッファ152を構成している。
【0018】
したがって、パワーMOSトランジスタ1501のバッファの出力電流を電流I1とし、パワーMOSトランジスタ1502の出力電流を電流I2とすると、MOSトランジスタ1511,1512それぞれによって構成される定電流源には、式(1)に示すように、電流I1と電流I2とを平均した電流IRが流れる。
IR=(I1+I2)/2…(1)
【0019】
これにより、センスアンプ1231の第2の入力端には、式(2)に示すように、リファレンスセル1411のオン状態に応じた電圧VRONと、リファレンスセル1412のオフ状態に応じた電圧VROFFと中間の電圧VRが印加されることになる。
VR=(VRON+VROFF)/2…(2)
【0020】
センスアンプ1231は、上述したように、差動増幅器からなり、バッファ1201から供給される電圧とリファレンス部122から供給される電圧との差を検出・増幅してデータを外部に出力する。
【特許文献1】特許第3578661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、かかる手法において、高集積化が進むにつれて各々のメモリセルピッチが狭くなると、上述の「同一構造および同一特性の」MOSトランジスタ、メモリセルが製造できなくなる。例として、図5を参照しつつ、マスクROMのメモリセル構成を説明する。
【0022】
図5は、図4のワード線駆動回路115、メモリセル1111およびワード線113の部分の詳細な構成を示す模式図である。同図においては、ONセルを1重の円で示し、OFFセルを2重の円で示している。本例において、メモリセル1111はOFFセルである。
【0023】
マスクROMにおけるONセルとOFFセルとは、上述のとおり、コードリンイオン注入により区別される。フォトレジスト(PR)にてONセルは開口させ、OFFセルは非開口にする。これにより、開口しているセルにはイオンが注入され、デプレッショントランジスタとなりONセルになる。一方、非開口セルはイオンが注入されずエンハンストランジスタとなりOFFセルとなる。
【0024】
ところが、高集積化進むにつれてメモリセルピッチが狭くなると、OFFセルであるメモリセル1111に対して、隣接するONセル(メモリセル1112〜1119)からイオンが染み出すことが稀にある。すると、メモリセル1111の閾値が下がり、高温時にセルのドレイン−ソース間にリーク電流が流れ、センスアンプ1231が誤判定をする。このような現象は、同一のROM配置(ONセル、OFFセルの並び方)であってもランダムに発生する。そのため、センスアンプ1231の第2の入力端に印加される電圧をVDONとVDOFFの中間に設定したとしても、誤判定が生じてしまう。
【0025】
この点について、図6を参照しつつ説明する。データの読み出しが開始されると、センスアンプ1231の第1および第2の入力端にそれぞれ印加される電圧VD1および電圧VRは、選択セル11211,11221、選択セル14211,14221および選択セル14212,14222がオンするまでは、ほぼ同様な経過で上昇していく。次に、ワード線113以外にHレベルの信号が印加されるまでについても、電圧VD1および電圧VRは同様な経過で上昇していく(図中A参照)。そして、ワード線113以外にHレベルの信号が印加されると電圧VRについては、ワード線駆動回路143がダミーであるので変わらない傾斜で上昇していき、飽和状態となる(図中B参照)。
【0026】
一方、電圧VD1については、メモリセル1111がONセルの場合は、下降していく(図中C参照)。メモリセルがOFFセル且つセルリークを発生しない場合は、さらに上昇していく(図中D参照)のに対し、メモリセルがOFFセル且つセルリークを発生する場合は、VR近傍に落ち着く(図中E参照)。したがって、メモリセル1111がOFFセル且つセルリークを発生する場合は、VD1とVRのレベルが逆転し、誤判定が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明による半導体記憶装置の製造方法は、メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とを比較することにより、上記メモリセルに記憶されたデータを読み出す半導体記憶装置を製造する方法であって、上記リファレンスセルのうちオフ状態とされるリファレンスセルに隣接するように、ダミーセルを形成する工程と、上記オフ状態とされるリファレンスセルを覆うマスクを用いて、上記ダミーセルに不純物を注入する工程と、を含み、上記不純物を注入する工程においては、上記オフ状態とされるリファレンスセルに上記ダミーセルから上記不純物が染み出すように、上記ダミーセルに上記不純物を注入することを特徴とする。
【0028】
この製造方法においては、リファレンスセルに隣接するダミーセルへの不純物注入時に、ダミーセルからリファレンスセルに不純物が染み出すようにしている。これにより、高温時に、リファレンスセルにリークが発生する。すると、リファレンスセルの電圧レベルが下がるため、メモリセルにリークが発生した場合であっても、メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とが逆転するのを防ぐことができる。
【0029】
本発明による半導体記憶装置は、2つの素子分離領域の間に設けられ、第1の不純物濃度をもつ第1の領域と、上記第1の領域と上記素子分離領域の少なくとも一方との間に設けられ、上記第1の不純物濃度よりも高い第2の不純物濃度をもつ第2の領域と、を有するリファレンスセルを備えることを特徴とする。
【0030】
この半導体記憶装置においては、不純物濃度が比較的低い第1の領域と、不純物濃度が比較的高い第2の領域とがリファレンスセルに設けられている。これにより、高温時に、リファレンスセルにリークが発生する。このため、上述のとおり、メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とが逆転するのを防ぐことができる。
【0031】
また、本発明による半導体記憶装置は、メモリセルに記憶されている情報を、基準となるリファレンスセルの情報と比較して読み出す半導体記憶装置であって、上記メモリセルは、第1のオフリーク特性を有し、上記リファレンスセルは、上記第1のオフリーク特性よりも大きい第2のオフリーク特性を有することを特徴とする。
【0032】
この半導体記憶装置においては、リファレンスセルが、メモリセルに比して大きなオフリーク特性を有している。これにより、高温時に、リファレンスセルにリークが発生する。このため、上述のとおり、メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とが逆転するのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、読出し時の誤判定確率が低減した半導体記憶装置およびその製造方法が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本発明による半導体記憶装置およびその製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0035】
図1は、本発明による半導体記憶装置の一実施形態を示す回路図である。半導体記憶装置1は、不揮発性半導体記憶装置であり、メモリセル111と、選択セル1211,1221と、ワード線13と、カラム線141,142と、ワード線駆動回路15と、カラム選択回路161,162と、読出駆動部191と、バッファ201と、リファレンス部22と、センスアンプ231とを備えている。
【0036】
メモリセル111は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがワード線13を介して接続されるとともに、ワード線13を介してワード線駆動回路15の出力端に接続されている。
【0037】
選択セル1211は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがカラム線141を介して接続されるとともに、カラム線141を介してカラム選択回路161の出力端に接続されている。カラム選択回路161は、外部から供給されるアドレスを第1段階のデコーディングによりデコードした結果、当該カラム線141が選択された場合には、カラム線141にHレベルの信号を印加する。これにより、選択セル1211は、ゲートにHレベルの信号が印加されるので、オンして、メモリセル111からデータを読み出すためのパスを形成する。
【0038】
選択セル1221は、MOSトランジスタからなり、互いのゲートがカラム線142を介して接続されるとともに、カラム線142を介してカラム選択回路162の出力端に接続されている。カラム選択回路162は、外部から供給されるアドレスを第2段階のデコーディングによりデコードした結果、当該カラム線142が選択された場合には、カラム線142にHレベルの信号を印加する。これにより、選択セル1221は、ゲートにHレベルの信号が印加されるので、オンして、メモリセル111からデータを読み出すためのパスを形成する。
【0039】
センスアンプ活性化信号は、外部からデータの読み出しの信号が供給されると、データ読み出しの開始を示すLレベルの信号が印加され、読出駆動部191、バッファ201およびリファレンス部22に供給する。
【0040】
読出駆動部191は、駆動トランジスタ311と、パス形成トランジスタ321と、パス遮断トランジスタ331と、ノアゲート341とを含んでいる。
【0041】
駆動トランジスタ311は、MOSトランジスタからなり、バッファ201の入力端にメモリセル111のオン状態またはオフ状態に応じた電圧を印加する。パス形成トランジスタ321は、MOSトランジスタからなり、ノアゲート341から供給されるHレベルの信号によりオンして、メモリセル111からデータを読み出すためのパスを形成する。パス遮断トランジスタ331は、MOSトランジスタからなり、センスアンプ活性化信号から供給されるHレベルの信号によりオンして、メモリセル111からデータを読み出すためのパスを遮断する。ノアゲート341は、その第1の入力端にセンスアンプ活性化信号が供給される。また、ノアゲート341は、その第2の入力端がパス形成トランジスタ321のソースと接続され、センスアンプ活性化信号から供給される信号およびパス形成トランジスタ321のソースの電圧がいずれもLレベルの場合に、Hレベルの信号を出力し、パス形成トランジスタ321をオンする。
【0042】
バッファ201は、パワーMOSトランジスタ351,361と、定電流源を構成するMOSトランジスタ371とを含んでいる。このバッファ201は、入力電圧を緩衝および増幅し、その出力電圧VD1をセンスアンプ231の第1の入力端に印加する。
【0043】
リファレンス部22は、リファレンスセル411,412と、選択セル4211,4212,4221,4222と、ワード線駆動回路43と、カラム選択回路441,442と、駆動トランジスタ451,452と、パス形成トランジスタ461,462と、パス遮断トランジスタ471,472と、ノアゲート481,482と、パワーMOSトランジスタ491,492,501,502と、定電流源を構成するMOSトランジスタ511,512とを含んでいる。
【0044】
リファレンスセル411,412は、メモリセル111と同一構造および同一特性のMOSトランジスタである。リファレンスセル411は、コードリン注入がされデプレッショントランジスタ状態、すなわちオン状態に予め設定されている。一方のリファレンスセル412は、コードリン注入がされていないエンハンストランジスタ状態、すなわちオフ状態に予め設定されている。
【0045】
選択セル4211,4212は選択セル1211と、選択セル4221,4222は選択セル1221と、ワード線駆動回路43はワード線駆動回路15と、カラム選択回路441はカラム選択回路161と、カラム選択回路442はカラム選択回路162と、駆動トランジスタ451,452は駆動トランジスタ311と、パス形成トランジスタ461,462はパス形成トランジスタ321と、それぞれ同一構造および同一特性である。
【0046】
同様に、パス遮断トランジスタ471,472はパス遮断トランジスタ331と、ノアゲート481,482はノアゲート341と、パワーMOSトランジスタ491,492,501,502はパワーMOSトランジスタ351,361と、MOSトランジスタ511,512はMOSトランジスタ371と、それぞれ同一構造および同一特性である。
【0047】
これは、センスアンプ231が差動増幅器により形成されているため、その第1の入力端に接続される負荷と、その第2の入力端に接続される負荷とをできるだけ等しくするためである。
【0048】
駆動トランジスタ451は、パワーMOSトランジスタ501のゲートにリファレンスセル411のオン状態に応じた電圧VRONを印加する。同様に、駆動トランジスタ452は、パワーMOSトランジスタ502のゲートにリファレンスセル412のオフ状態に応じた電圧VROFFを印加する。
【0049】
パワーMOSトランジスタ491,501と、定電流源を構成するMOSトランジスタ511とは、駆動トランジスタ451の出力電圧VRONを緩衝及び増幅する。一方、パワーMOSトランジスタ492,502と、定電流源を構成するMOSトランジスタ512とは、駆動トランジスタ452の出力電圧VROFFを緩衝および増幅する。すなわち、パワーMOSトランジスタ491,492,501,502と、MOSトランジスタ511,512とは、バッファ52を構成している。
【0050】
したがって、パワーMOSトランジスタ501のバッファの出力電流を電流I1とし、パワーMOSトランジスタ502の出力電流を電流I2とすると、MOSトランジスタ511,512それぞれによって構成される定電流源には、電流I1と電流I2とを平均した電流IRが流れる(式(1)参照)。
【0051】
これにより、センスアンプ231の第2の入力端には、リファレンスセル411のオン状態に応じた電圧VRONと、リファレンスセル412のオフ状態に応じた電圧VROFFと中間の電圧VRが印加されることになる(式(2)参照)。
【0052】
センスアンプ231は、上述したように、差動増幅器からなり、バッファ201から供給される電圧とリファレンス部22から供給される電圧との差を検出・増幅してデータを外部に出力する。
【0053】
図2は、半導体記憶装置1のワード線駆動回路43、リファレンスセル412およびワード線53の部分の詳細な構成を示す模式図である。同図においては、ONセルを1重の円で示し、OFFセルを2重の円で示している。本例において、リファレンスセル412はOFFセルである。
【0054】
リファレンスセル412の周囲には、ダミーセル611〜618が配置されている。これらのダミーセル611〜618は、リファレンスセル412に隣接している。ワード線駆動回路43の出力はワード線53を介して各セルのゲートと接続されている。また、各セルのドレインは下段セルのソースと接続され、最下段のセルのソースは接地されている。最上段のセルのドレインは、選択セル4222(図1参照)のソースへ接続されている。
【0055】
次に、本発明による半導体記憶装置の製造方法の一実施形態として、半導体記憶装置1の製造方法を説明する。この製造方法は、リファレンスセル412に隣接するようにダミーセル611〜618を形成する工程と、リファレンスセル412を覆うマスクを用いて、ダミーセル611〜618に不純物を注入する工程と、を含んでいる。ここで、不純物を注入する工程においては、リファレンスセル412にダミーセル611〜618から上記不純物が染み出すように、ダミーセル611〜618に上記不純物を注入することを特徴とする。なお、上記不純物としては、例えばリンイオンが挙げられる。
【0056】
具体的には、図7に示すように、上記マスクにおけるダミーセル611〜618に対応する開口(点線L1で示す)を、メモリセルのうちオン状態とされるメモリセルに対応する開口(参考として、点線L2で示す)よりも開口面積が大きくなるように設計する。同図において、上側はリファレンスセルアレイの平面図を、下側はそのA−A線に沿った断面図を示している。図からわかるように、拡散層72および素子分離領域74の延在方向と垂直な方向に沿ってワード線53が延びている。
【0057】
上述のとおりダミーセル611〜618に対応する開口を大きく設計することにより、不純物注入時に、矢印A1で示すように、ダミーセル611〜618の開口から注入された不純物がリファレンスセル412の拡散層に達する。これにより、点線C1で囲んだ領域で染み出しが発生する。かかる染み出しが発生する結果、リファレンスセル412は、2つの素子分離領域74の間に設けられ、第1の不純物濃度をもつ第1の領域と、第1の領域と素子分離領域74の少なくとも一方との間に設けられ、第1の不純物濃度よりも高い第2の不純物濃度をもつ第2の領域(不純物の染み出しが発生した領域)と、を有することとなる。ここで、リファレンスセル412の両側のダミーセル614,615の不純物濃度は、上記第2の不純物濃度以上である。また、半導体記憶装置1において、メモリセル111は第1のオフリーク特性を有し、リファレンスセル412は第1のオフリーク特性よりも大きい第2のオフリーク特性を有することとなる。
【0058】
これに対して、ダミーセル611〜618の開口の大きさをメモリセルの開口と等しくした場合には、矢印A2で示すように、ダミーセル611〜618の開口から注入された不純物がリファレンスセル412の拡散層に達しないため、染み出しが発生しない。
【0059】
また、拡散層72および素子分離領域74の延在方向について見ても、図8に示すように、ダミーセル611〜618からリファレンスセル412への不純物の染み出しが起こる。同図において、左側はリファレンスセルアレイの平面図を、右側はそのB−B線に沿った断面図を示している。なお、図7および図8のリファレンスセルアレイに対応する回路図は、図9に示すとおりである。
【0060】
続いて、本実施形態の効果を説明する。本実施形態においては、ダミーセル611〜618への不純物注入時に、ダミーセル611〜618からリファレンスセル412に不純物が染み出すようにしている。これにより、高温時に、リファレンスセル412にリークが発生する。すると、リファレンスセル412の電圧レベルが下がるため、メモリセルにリークが発生した場合であっても、メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とが逆転するのを防ぐことができる。
【0061】
この点について、図3を参照しつつ説明する。データの読み出しが開始されると、センスアンプ231の第1および第2の入力端にそれぞれ印加される電圧VD1および電圧VRは、選択セル1211,1221、選択セル4211,4221および選択セル4212,4222がオンするまでは、ほぼ同様な経過で上昇していく。次に、ワード線13以外にHレベルの信号が印加されるまでについても、電圧VD1および電圧VRは同様な経過で上昇していく(図中A参照)。
【0062】
ワード線53以外にHレベルの信号が印加されると電圧VRについては、リファレンスセル412にリークが発生し、選択セルへの接続点F(図2参照)の電位が下がり、結果としてVRは図3中のGに示すようになる。一方、電圧VDnについては、メモリセル111がONセルの場合は、下降していく(図中C参照)。メモリセル111がOFFセル且つセルリークを発生しない場合は、さらに上昇していく(図中D参照)のに対し、メモリセル111がOFFセル且つセルリークを発生する場合は、図中のEに示すようになる。したがって、 メモリセルがOFFセル且つセルリークを発生する場合でも、VDnとVRのレベルが逆転することはなく、正常に判定されるのである。また、高温以外では、リーク電流は発生しないため、VDnとVRも電圧降下はなく、安定動作を行う。
【0063】
また、上述したように、センスアンプ231の第2の入力端に、リファレンスセル411のオン状態に応じた電圧VRONと、リファレンスセル412のオフ状態に応じた電圧VROFFとの中間の電圧VRが印加されるので、電圧VRは、常に、メモリセル111がオン状態にある場合の電圧VDONと、メモリセル111がオフ状態である場合の電圧VDOFFとの中間に自動的に設定される。これにより、メモリセル111のオン状態およびオフ状態を検出するマージンをいずれも充分に確保することができる。
【0064】
本発明による半導体記憶装置およびその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態に係る製造方法は、メモリセル111に接続されるワード線よりも細くなるように、オフ状態とされるリファレンスセル412に接続されるワード線を形成する工程を含んでいてもよい。こうすることにより、選択リファレンスセル412のドレイン−ソース間の実効L寸法が細くなり、イオン注入時に染み出しが発生する。よって、高温時に必ずセルリークを発生させることができる。
【0065】
また、不純物を注入する工程においては、メモリセルのうちオン状態とされるメモリセルよりも高いドーズ量で、ダミーセル611〜618に上記不純物を注入してもよい。こうすることにより、選択リファレンスセル412に対して、ダミーセル611〜618から染み出しが発生する。よって、高温時に必ずセルリークを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明による半導体記憶装置の一実施形態を示す回路図である。
【図2】図1の半導体記憶装置のワード線駆動回路、リファレンスセルおよびワード線の部分の詳細な構成を示す模式図である。
【図3】実施形態に係る製造方法の効果を説明するためのグラフである。
【図4】従来の半導体記憶装置を示す回路図である。
【図5】図4の半導体記憶装置のワード線駆動回路、メモリセルおよびワード線の部分の詳細な構成を示す模式図である。
【図6】従来の半導体記憶装置の課題を説明するためのグラフである。
【図7】実施形態に係る製造方法を説明するための平面図および断面図である。
【図8】実施形態に係る製造方法を説明するための平面図および断面図である。
【図9】図7および図8に示すリファレンスセルアレイに対応する回路図である。
【符号の説明】
【0067】
1 半導体記憶装置
111 メモリセル
1211,1221 選択セル
13 ワード線
141,142 カラム線
15 ワード線駆動回路
161,162 カラム選択回路
191 読出駆動部
201 バッファ
22 リファレンス部
231 センスアンプ
411,412 リファレンスセル
4211,4212,4221,4222 選択セル
43 ワード線駆動回路
441,442 カラム選択回路
451,452 駆動トランジスタ
451 駆動トランジスタ
452 駆動トランジスタ
461,462 パス形成トランジスタ
471,472 パス遮断トランジスタ
481,482 ノアゲート
52 バッファ
53 ワード線
611〜618 ダミーセル
72 拡散層
74 素子分離領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とを比較することにより、前記メモリセルに記憶されたデータを読み出す半導体記憶装置を製造する方法であって、
前記リファレンスセルのうちオフ状態とされるリファレンスセルに隣接するように、ダミーセルを形成する工程と、
前記オフ状態とされるリファレンスセルを覆うマスクを用いて、前記ダミーセルに不純物を注入する工程と、を含み、
前記不純物を注入する工程においては、前記オフ状態とされるリファレンスセルに前記ダミーセルから前記不純物が染み出すように、前記ダミーセルに前記不純物を注入することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記マスクにおける前記ダミーセルに対応する開口は、前記メモリセルのうちオン状態とされるメモリセルに対応する開口よりも開口面積が大きい、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記メモリセルに接続されるワード線よりも細くなるように、前記オフ状態とされるリファレンスセルに接続されるワード線を形成する工程を含む、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記不純物を注入する工程においては、前記メモリセルのうちオン状態とされるメモリセルよりも高いドーズ量で、前記ダミーセルに前記不純物を注入する、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項5】
2つの素子分離領域の間に設けられ、第1の不純物濃度をもつ第1の領域と、
前記第1の領域と前記素子分離領域の少なくとも一方との間に設けられ、前記第1の不純物濃度よりも高い第2の不純物濃度をもつ第2の領域と、を有するリファレンスセルを備えることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体記憶装置において、
前記リファレンスセルの両側に設けられたダミーセルを備え、
前記ダミーセルの不純物濃度は、前記第2の不純物濃度以上である半導体記憶装置。
【請求項7】
メモリセルに記憶されている情報を、基準となるリファレンスセルの情報と比較して読み出す半導体記憶装置であって、
前記メモリセルは、第1のオフリーク特性を有し、
前記リファレンスセルは、前記第1のオフリーク特性よりも大きい第2のオフリーク特性を有することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項1】
メモリセルの電圧とリファレンスセルの電圧とを比較することにより、前記メモリセルに記憶されたデータを読み出す半導体記憶装置を製造する方法であって、
前記リファレンスセルのうちオフ状態とされるリファレンスセルに隣接するように、ダミーセルを形成する工程と、
前記オフ状態とされるリファレンスセルを覆うマスクを用いて、前記ダミーセルに不純物を注入する工程と、を含み、
前記不純物を注入する工程においては、前記オフ状態とされるリファレンスセルに前記ダミーセルから前記不純物が染み出すように、前記ダミーセルに前記不純物を注入することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記マスクにおける前記ダミーセルに対応する開口は、前記メモリセルのうちオン状態とされるメモリセルに対応する開口よりも開口面積が大きい、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記メモリセルに接続されるワード線よりも細くなるように、前記オフ状態とされるリファレンスセルに接続されるワード線を形成する工程を含む、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記不純物を注入する工程においては、前記メモリセルのうちオン状態とされるメモリセルよりも高いドーズ量で、前記ダミーセルに前記不純物を注入する、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項5】
2つの素子分離領域の間に設けられ、第1の不純物濃度をもつ第1の領域と、
前記第1の領域と前記素子分離領域の少なくとも一方との間に設けられ、前記第1の不純物濃度よりも高い第2の不純物濃度をもつ第2の領域と、を有するリファレンスセルを備えることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体記憶装置において、
前記リファレンスセルの両側に設けられたダミーセルを備え、
前記ダミーセルの不純物濃度は、前記第2の不純物濃度以上である半導体記憶装置。
【請求項7】
メモリセルに記憶されている情報を、基準となるリファレンスセルの情報と比較して読み出す半導体記憶装置であって、
前記メモリセルは、第1のオフリーク特性を有し、
前記リファレンスセルは、前記第1のオフリーク特性よりも大きい第2のオフリーク特性を有することを特徴とする半導体記憶装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−53229(P2007−53229A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237235(P2005−237235)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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