説明

半導体記憶装置

【課題】設計時における遅延回路の遅延値と実デバイスにおける遅延回路の遅延値とのズレをなくすことができる半導体記憶装置を提供すること。
【解決手段】基準遅延生成回路S0において、遅延回路用パルス生成回路A1はパルス信号PULSEIがアクティブ状態“H”であるときに、信号DLYIをアクティブ状態“H”にして遅延回路A2に出力する。判定回路A3は遅延値と設定遅延値との比較結果DSTEを出力する。カウンタ回路A4は比較結果DSTEが遅延値と設定遅延値との一致を表さないとき、調整値CNT<n:0>を出力する。カウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5は比較結果DSTEが遅延値と設定遅延値との一致を表すとき、調整値CNT<n:0>を固定する。そこで、遅延回路A2は遅延値と固定された調整値CNT<n:0>とに基づいて基準遅延値を生成し、信号DLYIを基準遅延値により遅延して信号DLYOBを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置に関し、特に、信号遅延用の遅延回路を具備する半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置は、信号遅延用の遅延回路を具備している。その遅延回路の遅延値は、設計時にシミュレーションにより決定される。しかしながら、実デバイスにおける遅延回路の遅延値は、半導体記憶装置の製造時における拡散条件やウェハの面内バラツキ等により、設計時における遅延回路の遅延値とは異なる値を示してしまう。
【0003】
設計時における遅延回路の遅延値と実デバイスにおける遅延回路の遅延値とのズレをなくすことが望まれる。
【0004】
ここで、遅延に関する技術を紹介する。
【0005】
特開2000−201058号公報には、半導体装置が記載されている。この半導体装置は、比較遅延回路部と、基準遅延回路部と、遅延時間判定回路部と、遅延調整回路部とを備えている。比較遅延回路部は、遅延時間のばらつきを判定するために使用される遅延回路で構成されている。基準遅延回路部は、遅延時間の基準値となる少なくとも1つの所定の基準遅延時間に設定される遅延回路で構成されている。遅延時間判定回路部は、該基準遅延回路部の基準遅延時間を基にして上記比較遅延回路部における遅延時間のばらつきを判定する。遅延調整回路部は、異なる遅延時間に設定された複数の遅延回路を有し、遅延時間判定回路部の判定結果に応じて該各遅延回路の1つを選択して、所望の信号に対する遅延を行う。これにより、プロセスのばらつき等によって生じる遅延回路における遅延時間のばらつきを判定し、該ばらつきに応じた遅延時間の調整を行うことができる。
【0006】
特開2001−33529号公報には、所定の遅延量を有する遅延クロックを生成する遅延クロック生成装置が記載されている。この遅延クロック生成装置は、周期遅延部と、半周期遅延部と、高分解能遅延部とを備えている。周期遅延部は、前記所定の遅延量より短い基準クロックの周期の整数倍の遅延量を生成する。半周期遅延部は、前記基準クロックの半周期の遅延量を生成する。高分解能遅延部は、前記周期遅延部及び前記半周期遅延部が生成した遅延量の和と前記所定の遅延量との差分の遅延量を、前記周期遅延部及び前記半周期遅延部が生成した遅延量に加える。これにより、高分解能遅延部が生成する遅延量を小さくすることができる。
【0007】
特開2002−76858号公報には、タイミング信号生成回路が記載されている。このタイミング信号生成回路は、複数の第1遅延素子、第1選択手段、生成手段、第2遅延素子、検出手段、比較手段、特定手段、および制御手段を備えている。複数の第1遅延素子は、シリアルに接続されている。第1選択手段は、前記複数の第1遅延素子の各々から出力された複数の第1遅延信号のいずれか1つを選択する。生成手段は、前記第1選択手段によって選択された前記第1遅延信号に基づいてタイミング信号を生成する。第2遅延素子は、前記第1遅延素子と同じ遅延特性を有する。検出手段は、前記第2遅延素子による遅延時間のN倍(Nは整数)の時間を検出する。比較手段は、前記検出手段による検出時間を基準時間と比較する。特定手段は、前記検出手段の比較結果に基づいて前記検出時間と前記基準時間とが所定関係となる前記Nの値を特定する。制御手段は、前記特定手段による特定値に関連する前記第1遅延信号を前記第1選択手段に選択させる。これにより、遅延素子の温度依存特性を補償することができる。
【0008】
特開平8−274602号公報には、可変遅延回路が記載されている。この可変遅延回路は、それぞれ任意個数の可変遅延ゲートを直列に接続してなる複数のバスと、バス選択手段と、基準遅延時間生成手段と、位相比較手段と、制御信号生成手段とを具備している。バス選択手段は、前記複数のバスを選択的に接続して任意の遅延時間を設定する。基準遅延時間生成手段は、前記複数のバスに用いられる可変遅延ゲートと同じ可変遅延ゲートを直列に接続してなり、前記複数のバスに近接配置され、基準クロック信号を1周期分遅延する。位相比較手段は、前記基準クロック信号と前記基準遅延時間生成手段の遅延出力とを位相比較する。制御信号生成手段は、この位相比較手段の出力を前記可変遅延ゲートの遅延時間制御信号に変換する。この可変遅延回路は、前記遅延時間制御信号により前記基準遅延時間生成手段の可変遅延ゲートを同時に制御することを特徴としている。これにより、製造ばらつきによる遅延時間のばらつきを自動的に補償することができる。
【0009】
特開2003−32104号公報には、DLL回路が記載されている。このDLL回路は、基本位相比較器と、遅延回路と、遅延制御回路とを備えている。基本位相比較器は、2個の入力信号の基本位相差を検出する。遅延制御回路は、基本位相比較器の出力信号を受けて遅延回路の遅延量を調整する。このDLL回路は、基本位相差と異なる別の位相差を検出する少なくとも1個の別の位相比較器を設けて、基本位相差に応じて遅延量の変化量を変えることを特徴としている。これにより、所望の遅延量に収束する(ロックする)までの時間を短縮することができる。
【0010】
特開平9−304484号公報には、同期式半導体記憶装置が記載されている。この同期式半導体記憶装置は、基準ディレイ回路と、判定手段と、選択手段とを備えている。基準ディレイ回路は、外部同期信号を入力としディレイ設計値を定める1又は複数の遅延信号を出力する。判定手段は、前記外部同期信号のサイクルタイムを定める遷移エッジが前記基準ディレイ回路の1又は複数の遅延出力信号の遷移エッジに対してどのような位置にあるかを比較判定する。選択手段は、該判定結果に基づき遅延回路の実際のディレイ値と設計値の大きさの関係に応じて内部クロック信号を遅延するディレイ値を可変に選択する。前記基準ディレイ回路のディレイ値が設計値に対して遅い/早いに応じて前記内部クロック信号を遅延するディレイ値を短/長側に設定することを特徴としている。これにより、製造時のプロセスの変動によるディレイ値の変動を初期設定のモードレジスタセット時に自動的に最適な値に設定することができる。
【0011】
【特許文献1】特開2000−201058号公報
【特許文献2】特開2001−33529号公報
【特許文献3】特開2002−76858号公報
【特許文献4】特開平8−274602号公報
【特許文献5】特開2003−32104号公報
【特許文献6】特開平9−304484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、設計時における遅延回路の遅延値と実デバイスにおける遅延回路の遅延値とのズレをなくすことができる半導体記憶装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、所望の遅延値を得ることができる半導体記憶装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0014】
本発明の半導体記憶装置は、基準遅延値を生成する基準遅延生成回路(S0)を具備している。
前記基準遅延生成回路(S0)は、第1遅延回路(A2)と、遅延回路用パルス生成回路(A1)と、判定回路(A3)と、カウンタ回路(A4)と、カウンタ回路用制御パルス信号生成回路(A5)とを具備している。
前記第1遅延回路(A2)は、第1遅延値を有し、前記第1遅延値と調整値(CNT<n:0>)とに基づいて第2遅延値を生成し、第1信号(DLYI)を前記第2遅延値により遅延して第2信号(DLYOB)を出力する。
前記遅延回路用パルス生成回路(A1)は、パルス信号(PULSEI)を入力し、前記パルス信号(PULSEI)がアクティブ状態(“H”)であるときに、前記第1信号(DLYI)をアクティブ状態(“H”)にして前記第1遅延回路(A2)に出力する。ここで、前記パルス信号(PULSEI)のアクティブ状態(“H”)を表すパルス幅は、設定遅延値を表している。
前記判定回路(A3)は、前記第2遅延値と前記設定遅延値との比較結果(DSTE)を出力する。
前記カウンタ回路(A4)は、前記比較結果(DSTE)が前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表さないとき、前記第2遅延値を前記設定遅延値に調整するための前記調整値(CNT<n:0>)を出力する。
前記カウンタ回路用制御パルス信号生成回路(A5)は、前記比較結果(DSTE)が前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表すとき、カウンタ回路(A4)から出力される前記調整値(CNT<n:0>)を固定する。
そこで、前記第1遅延回路(A2)は、前記第1遅延値と前記固定された調整値(CNT<n:0>)とに基づいて前記基準遅延値を生成し、前記第1信号(DLYI)を前記基準遅延値により遅延して前記第2信号(DLYOB)を出力する。
【0015】
このように、本発明の半導体記憶装置では、半導体記憶装置の製造時における拡散条件やウェハの面内バラツキ等により、実デバイスにおける遅延回路の遅延値が設計時における遅延回路の遅延値とは異なる値を示していても、上記の基準遅延生成回路(S0)により、設計時における遅延回路の遅延値と実デバイスにおける遅延回路の遅延値とのズレをなくすことができる。
【0016】
本発明の半導体記憶装置は、更に、トリガ信号(TDEN)に対して、前記基準遅延値のm倍(mは1以上の整数)の遅延値により出力信号(OUTPS)を出力する定数倍遅延生成回路(S1)を具備している。
前記定数倍遅延生成回路(S1)は、第2遅延回路(A7)と、ラッチ部(A6)と、遅延回路用制御回路(A6)と、遅延カウンタ回路(A8)と、一致検出回路(A9)とを具備している。
前記第2遅延回路(A7)は、前記第1遅延回路(A2)と同一構成であり、前記第1遅延値を有し、前記第1遅延値と前記固定された調整値(CNT<n:0>)とに基づいて前記基準遅延値を生成し、第3信号(MDLYI)を前記基準遅延値により遅延して第4信号(MCNTS、HT<0>)を出力する。
前記ラッチ部(A6)は、前記トリガ信号(TDEN)を入力したときに、出力信号(OUTPS)をラッチする。
前記遅延回路用制御回路(A6)は、前記出力信号(OUTPS)がラッチされ、且つ、前記第4信号(HT<0>)がアクティブ状態(“H”)及びインアクティブ状態(“L”)の一方であるとき、前記第3信号(MDLYI)をアクティブ状態(“H”)及びインアクティブ状態(“L”)の他方にして前記第2遅延回路(A7)に出力する。
前記遅延カウンタ回路(A8)は、出力カウント値(HT<m:1>)を保持している。前記遅延カウンタ回路(A8)は、前記第4信号(MCNTS)がアクティブ状態(“H”)及びインアクティブ状態(“L”)の一方から他方に遷移するとき、前記出力カウント値(HT<m:1>)に1をインクリメントして出力する。
前記一致検出回路(A9)は、前記出力カウント値(HT<0>)(HT<m:1>)と、前記基準遅延値のm倍の遅延値を表す設定倍数値(MT<m:0>)とが一致したとき、一致検出信号(MTOUTB)を前記遅延回路用制御回路(A6)に出力する。
そこで、前記遅延回路用制御回路(A6)は、前記一致検出信号(MTOUTB)に応じて、前記ラッチ部(A6)にラッチされた前記出力信号(OUTPS)を出力する。
【0017】
このように、本発明の半導体記憶装置では、上記の基準遅延生成回路(S0)により基準遅延値を生成するため、定数倍遅延生成回路(S1)により、所望の遅延値として、基準遅延値のm倍の遅延値を得ることができる。
【0018】
前記遅延回路用パルス生成回路(A1)は、コマンド信号(TDEN)と前記パルス信号(PULSEI)とを入力する。
前記遅延回路用パルス生成回路(A1)は、前記コマンド信号(TDEN)を入力しているときに、前記パルス信号(PULSEI)がアクティブ状態(“H”)である場合、前記第1信号(DLYI)をアクティブ状態(“H”)にして前記第1遅延回路(A2)に出力する。
【0019】
前記判定回路(A3)は、前記パルス信号(PULSEI)と、前記第1遅延回路(A2)からの前記第2信号(DLYOB)とに応じて、前記第2遅延値と前記設定遅延値とを比較する。
前記パルス信号(PULSEI)のアクティブ状態(“H”)を表すパルス幅と、前記第2信号(DLYOB)のアクティブ状態(“H”)を表すパルス幅とが一致しないとき、前記判定回路(A3)は、前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表さない前記比較結果(DSTE)を出力する。
前記パルス信号(PULSEI)のアクティブ状態(“H”)を表すパルス幅と、前記第2信号(DLYOB)のアクティブ状態(“H”)を表すパルス幅とが一致したとき、前記判定回路(A3)は、前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表す前記比較結果(DSTE)を出力する。
【0020】
前記カウンタ回路用制御パルス信号生成回路(A5)は、前記比較結果(DSTE)が前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表さないとき、制御パルス信号(FFCK)をアクティブ状態(“H”)にして出力する。
一方、前記カウンタ回路用制御パルス信号生成回路(A5)は、前記比較結果(DSTE)が前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表すとき、前記カウンタ回路(A4)から出力される前記調整値(CNT<n:0>)を固定するために、前記制御パルス信号(FFCK)をインアクティブ状態(“L”)にして出力する。
前記カウンタ回路(A4)は、前記調整値を保持している。前記カウンタ回路(A4)は、前記制御パルス信号(FFCK)がアクティブ状態(“H”)であるとき、前記保持された調整値に1をインクリメントして前記調整値(CNT<n:0>)として出力し、前記調整値を保持する。
一方、前記カウンタ回路(A4)は、前記制御パルス信号(FFCK)がインアクティブ状態(“L”)であるとき、前記保持された調整値を前記固定された調整値(CNT<n:0>)として出力する。
【0021】
本発明の半導体記憶装置は、更に、複数の前記定数倍遅延生成回路(S1;DL0、DL1、…、DLs)を具備している。
この場合、前記複数の定数倍遅延生成回路(DL0、DL1、…、DLs)における前記設定倍数値(MT<m:0>)は、それぞれ異なっていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の半導体記憶装置は、設計時における遅延回路の遅延値と実デバイスにおける遅延回路の遅延値とのズレをなくすことができる。
本発明の半導体記憶装置は、所望の遅延値を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、本発明の半導体記憶装置について詳細に説明する。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。本発明の第1実施形態による半導体記憶装置は、基準遅延生成回路S0と、定数倍遅延生成回路S1とを具備している。基準遅延生成回路S0は、基準遅延値を生成する。定数倍遅延生成回路S1は、トリガ信号TDENに対して、基準遅延値のm倍(mは1以上の整数)の遅延値により出力信号OUTPSを出力する。
基準遅延生成回路S0は、遅延回路用パルス生成回路A1と、遅延回路A2と、判定回路A3と、カウンタ回路A4と、カウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5とを具備している。
定数倍遅延生成回路S1は、遅延回路制御回路A6と、遅延回路A7と、遅延カウンタ回路A8と、一致検出回路A9とを具備している。遅延回路A7は、遅延回路A2と同一の構成である。
【0025】
基準遅延生成回路S0について説明する。この基準遅延生成回路S0は、更に、PULSEI端子と、TDEN端子と、RST端子と、CNT<n:0>端子とを具備している。
PULSEI端子には、パルス信号PULSEIが高性能テスタ等から供給される。このパルス信号PULSEIのアクティブ状態を表すパルス幅は、設定遅延値を表している。
TDEN端子には、外部コマンドにより生成されるイネーブル信号TDENが外部から供給される。
RST端子には、リセット信号RSTが外部から供給される。
CNT<n:0>端子は、バスを介して定数倍遅延生成回路S1と接続されている。
【0026】
遅延回路用パルス生成回路A1は、上記のパルス信号PULSEIと上記のイネーブル信号TDENとが入力され、出力信号DLYIを遅延回路A2に出力する。
この遅延回路用パルス生成回路A1は、遅延回路用パルス生成回路A1は、イネーブル信号TDENを入力しているときに、パルス信号PULSEIがアクティブ状態である場合、出力信号DLYIをアクティブ状態にして遅延回路A2に出力する。
【0027】
遅延回路A2は、遅延回路用パルス生成回路A1から出力される出力信号DLYIと、カウンタ回路A4から出力されるカウント値であるバス信号CNT<n:0>とが入力され、出力信号DLYOBを判定回路A3に出力する。このバス信号CNT<n:0>の“n”は遅延回路A2の調整範囲および調整精度により決まる値であり、必要通り数を2の階乗で示した場合の指数部分をマイナス1した値となる。遅延回路A2は、上記のリセット信号RSTを入力したとき、出力信号DLYOBをリセットする。
この遅延回路A2は、第1遅延値を有する。遅延回路A2は、第1遅延値とバス信号CNT<n:0>が表す調整値とに基づいて第2遅延値を生成し、出力信号DLYIを第2遅延値により遅延して出力信号DLYOBを出力する。
【0028】
判定回路A3は、遅延回路A2からの出力信号DLYOBと、上記のパルス信号PULSEIとが入力され、判定結果信号DSTEをカウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5に出力する。判定回路A3は、上記のリセット信号RSTを入力したとき、判定結果信号DSTEをリセットする。
この判定回路A3は、パルス信号PULSEIと、遅延回路A2からの信号DLYOBとに応じて、第2遅延値と設定遅延値とを比較する。パルス信号PULSEIのアクティブ状態を表すパルス幅と、信号DLYOBのアクティブ状態を表すパルス幅とが一致しないとき、判定回路A3は、第2遅延値と設定遅延値との一致を表さない比較結果DSTEを出力する。パルス信号PULSEIのアクティブ状態を表すパルス幅と、信号DLYOBのアクティブ状態を表すパルス幅とが一致したとき、判定回路A3は、第2遅延値と設定遅延値との一致を表す比較結果DSTEを出力する。
【0029】
カウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5は、判定回路A3から出力された判定結果信号DSTEと、上記のパルス信号PULSEIと、上記のイネーブル信号TDENとが入力され、制御パルス信号FFCKをカウンタ回路A4に出力する。
このカウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5は、比較結果DSTEが第2遅延値と設定遅延値との一致を表さないとき、制御パルス信号FFCKをアクティブ状態にして出力する。一方、カウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5は、比較結果DSTEが第2遅延値と設定遅延値との一致を表すとき、カウンタ回路A4から出力されるバス信号CNT<n:0>が表す調整値を固定するために、制御パルス信号FFCKをインアクティブ状態にして出力する。
【0030】
カウンタ回路A4は、カウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5から出力される制御パルス信号FFCKが入力され、バス信号CNT<n:0>を遅延回路A2、A7に出力する。バス信号CNT<n:0>は、遅延回路A2、A7の遅延値を制御する調整用カウント値である。カウンタ回路A4は、上記のリセット信号RSTを入力したとき、そのカウント値をリセットする。
このカウンタ回路A4は、調整値を表すバス信号CNT<n:0>を保持している。カウンタ回路A4は、制御パルス信号FFCKがアクティブ状態であるとき、上記保持された調整値に1をインクリメントし、その調整値を表すバス信号CNT<n:0>として出力する。一方、カウンタ回路A4は、制御パルス信号FFCKがインアクティブ状態であるとき、上記保持された調整値を固定された調整値とし、その調整値を表すバス信号CNT<n:0>として出力する。
【0031】
上記の調整値が固定された場合、遅延回路A2は、第1遅延値と上記固定されたバス信号CNT<n:0>が表す調整値とに基づいて基準遅延値を生成し、出力信号DLYIを基準遅延値により遅延して信号DLYOBを出力する。
これにより、本発明の半導体記憶装置では、半導体記憶装置の製造時における拡散条件やウェハの面内バラツキ等により、実デバイスにおける遅延回路の遅延値が設計時における遅延回路の遅延値とは異なる値を示していても、上記の基準遅延生成回路S0により、設計時における遅延回路の遅延値と実デバイスにおける遅延回路の遅延値とのズレをなくすことができる。
【0032】
定数倍遅延生成回路S1について説明する。この定数倍遅延生成回路S1は、更に、INPS端子と、RST端子と、CNT<n:0>端子と、MT<m:0>端子と、OUTPS端子とを具備している。
INPS端子には、遅延を必要とするトリガ信号INPSが外部から供給される。
RST端子には、リセット信号RSTが外部から供給される。
CNT<n:0>端子は、バスを介して基準遅延生成回路S0と接続されている。
【0033】
遅延回路制御回路A6は、上記のトリガ信号INPSと、上記のリセット信号RSTと、遅延回路A7から出力される出力信号であるバス信号HT<0>及び出力信号MCNTSと、一致検出回路A9から出力される一致検出信号MTOUTBとが入力され、出力信号MDLYIを遅延回路A7に出力し、リセット信号DRSTを遅延回路A7と遅延カウンタ回路A8とに出力し、出力信号OUTPSを出力する。出力信号OUTPSは、遅延回路A7のもつ遅延値の定数倍化されたパルス信号である。
この遅延回路用制御回路A6は、ラッチ部を有する。そのラッチ部は、トリガ信号TDENを入力したときに、出力信号OUTPSをラッチする。遅延回路用制御回路A6は、出力信号OUTPSがラッチされ、且つ、バス信号HT<0>がアクティブ状態及びインアクティブ状態の一方であるとき、出力信号MDLYIをアクティブ状態及びインアクティブ状態の他方にして遅延回路A7に出力する。
【0034】
遅延回路A7は、遅延回路用制御回路A6から出力される出力信号MDLYIと、上記のリセット信号DRSTと、上記のカウンタ回路A4から出力されるカウント値であるバス信号CNT<n:0>とが入力され、出力信号MCNTSを遅延回路用制御回路A6と遅延カウンタ回路A8とに出力し、一致検出信号の1つであるバス信号HT<0>を出力する。
この遅延回路A7は、第1遅延値を有する。遅延回路A7は、第1遅延値と上記固定されたバス信号CNT<n:0>が表す調整値とに基づいて基準遅延値を生成し、出力信号MDLYIを基準遅延値により遅延して、出力信号DLYOBとして信号MCNTSを出力し、出力信号DLYOBの反転信号としてバス信号HT<0>を出力する。
【0035】
遅延カウンタ回路A8は、遅延回路A7から出力される出力信号MCNTSと、遅延回路制御回路A6から出力されるリセット信号DRSTとが入力され、バス信号HT<m:1>を一致検出回路A9に出力する。遅延カウンタ回路A8は、入力された出力信号MCNTSをクロック信号CLKとするバイナリカウンタ構成のカウンタ回路であり、出力カウント値をバス信号HT<m:1>として一致検出回路A9に出力する。
この遅延カウンタ回路A8は、出力カウント値(HT<m:1>)を保持している。遅延カウンタ回路A8は、出力信号MCNTSがアクティブ状態及びインアクティブ状態の一方から他方に遷移するとき、上記保持された出力カウント値HT<m:1>に1をインクリメントし、その出力カウント値を表すバス信号HT<m:1>を出力する。
【0036】
MT<m:0>端子には、予め設定されている設定倍数値を表す設定バス信号MT<m:0>が外部もしくは内部にて供給される。一致検出回路A9は、遅延回路A7および遅延カウンタ回路A8から出力されるバス信号HT<m:0>と、設定バス信号MT<m:0>とが入力され、バス信号HT<m:0>と設定バス信号MT<m:0>とが一致したときに一致検出信号MTOUTBをロー“L”にして出力する。このバス信号HT<m:0>、設定バス信号MT<m:0>の“m”は、基準遅延の何倍の遅延が必要かを示すその倍数値をバイナリ化したときのビット数である。
設定バス信号MT<m:0>が表す設定倍数値は、基準遅延値のm倍の遅延値を表している。この一致検出回路A9は、バス信号HT<m:0>が表す出力カウント値と、設定バス信号MT<m:0>が表す設定倍数値とが一致したとき、一致検出信号MTOUTBを遅延回路用制御回路A6に出力する。
【0037】
このとき、遅延回路用制御回路A6は、一致検出信号MTOUTBに応じて、ラッチ部にラッチされた出力信号OUTPSを出力する。出力信号OUTPSは、トリガ信号TDENに対して、基準遅延値のm倍の遅延値により出力される。
このように、本発明の半導体記憶装置では、上記の基準遅延生成回路S0により基準遅延値を生成するため、定数倍遅延生成回路S1により、所望の遅延値として、基準遅延値のm倍の遅延値を得ることができる。
【0038】
図2は、n=3の場合における基準遅延回路S0内の構成を示す回路図である。
【0039】
基準遅延回路S0内の遅延回路用パルス生成回路A1は、AND回路D1を含んでいる。
AND回路D1は、上記のパルス信号PULSEIと、上記のイネーブル信号TDENとが供給される。AND回路D1は、パルス信号PULSEIとイネーブル信号TDENとの両方の信号レベルがハイレベル“H”のとき、出力信号DLYIの信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。それ以外は、AND回路D1は、出力信号DLYIの信号レベルをローレベル“L”にして出力する。
【0040】
基準遅延回路S0内の遅延回路A2は、インバータ素子C1、C2、C3、C4、C29、C30と、PMOSトランジスタC5、C6、C7、C8、C13、C14、C18、C19、C21、C24、C26と、NMOSトランジスタC9、C10、C11、C12、C15、C16、C20、C22、C23、C25、C27と、バッファ素子C17と、NAND素子C28とを含んでいる。
インバータ素子C1、C2、C3、C4は、それぞれ、カウンタ回路A4から出力されるバス信号CNT<3:0>のうちのバス信号CNT<3>、CNT<2>、CNT<1>、CNT<0>が入力され、その反転信号として信号CNTB3、CNTB2、CNTB1、CNTB0を出力する。
PMOSトランジスタC5、C6、C7、C8は、それぞれ、そのソースに信号NINLが供給され、そのゲートに供給される信号CNTB3、CNTB2、CNTB1、CNTB0に応じて、上記の信号NINLを信号FLEVとしてそのドレインから出力する。
NMOSトランジスタC9、C10、C11、C12は、それぞれ、そのドレインに信号FLEVが供給され、そのゲートに供給される信号CNT<3>、CNT<2>、CNT<1>、CNT<0>に応じて、上記の信号FLEVを信号PINLとしてそのソースから出力する。
PMOSトランジスタC13は、そのソースに電源VDDが供給され、そのゲートとそのドレインに上記の信号NINLが供給される。
PMOSトランジスタC14は、そのゲートが接地(GND)され、そのソースに上記の信号NINLが供給され、そのゲートに供給される信号に応じて、上記の信号NINLを信号FLEVとしてそのドレインから出力する。
NMOSトランジスタC15は、そのゲートに電源VDDが供給され、そのドレインに上記の信号FLEVが供給され、そのゲートに供給される信号に応じて、上記の信号FLEVを信号PINLとしてそのソースから出力する。
NMOSトランジスタC16は、そのゲートとそのドレインに上記の信号PINLが供給され、そのソースが接地(GND)されている。
バッファ素子C17は、遅延回路用パルス生成回路A1の出力である出力信号DLYIが供給され、信号DLF1として出力する。
PMOSトランジスタC18は、そのソースに電源VDDが供給され、そのゲートに供給される信号PINLに応じて、そのソースに供給される信号を信号PINPとしてそのドレインから出力する。
NMOSトランジスタC23は、そのソースが接地(GND)され、そのドレインに信号NINNが供給され、そのゲートに供給される信号NINLに応じて、そのドレインに供給される信号NINNをソースに出力する。
PMOSトランジスタC19とNMOSトランジスタC20は、そのゲートを入力とし、そのドレインを出力とするインバータ(C19、C20)を構成する。PMOSトランジスタC19のソースに信号PINPが供給され、NMOSトランジスタC20のソースに信号NINNが供給されている。インバータ(C19、C20)は、そのゲートに供給される信号DLF1に応じて、上記の信号PINP又は信号NINNを信号DLF2としてそのドレインから出力する。
PMOSトランジスタC21とNMOSトランジスタC22は、そのゲートを入力とし、そのドレインを出力とするインバータ(C21、C22)を構成する。PMOSトランジスタC21のソースに信号PINPが供給され、NMOSトランジスタC22のソースに信号NINNが供給されている。インバータ(C21、C22)は、そのゲートに供給される信号DLF2に応じて、上記の信号PINP又は信号NINNを信号DLF3としてそのドレインから出力する。
PMOSトランジスタC24とNMOSトランジスタC25は、そのゲートを入力とし、そのドレインを出力とするインバータ(C24、C25)を構成する。PMOSトランジスタC24のソースに信号PINPが供給され、NMOSトランジスタC25のソースに信号NINNが供給されている。インバータ(C24、C25)は、そのゲートに供給される信号DLF3に応じて、上記の信号PINP又は信号NINNを信号DLF4としてそのドレインから出力する。
PMOSトランジスタC26とNMOSトランジスタC27は、そのゲートを入力とし、そのドレインを出力とするインバータ(C26、C27)を構成する。PMOSトランジスタC26のソースに信号PINPが供給され、NMOSトランジスタC27のソースに信号NINNが供給されている。インバータ(C26、C27)は、そのゲートに供給される信号DLF4に応じて、上記の信号PINP又は信号NINNを信号DLF5としてそのドレインから出力する。
インバータ素子C30は、リセット信号RSTが供給され、その反転信号として信号DLF6を出力する。
NAND素子C28は、信号DLF5と信号DLF6とが供給される。NAND素子C28は、信号DLF5と信号DLF6との両方の信号レベルがハイレベル“H”のとき、出力信号DLYOBの信号レベルをローレベル“L”にして、判定回路A3に出力する。それ以外は、NAND素子C28は、出力信号DLYOBの信号レベルをハイレベル“H”にして判定回路A3に出力する。
インバータ素子C29は、出力信号DLYOBが供給され、その反転信号として信号DLYOを出力する。
【0041】
基準遅延回路S0内の判定回路A3は、AND回路F1、インバータ素子F2、F6、CMOSトランスファ素子F3、F4、NOR素子F5、バッファ素子F7を含んでいる。
AND回路F1は、上記のパルス信号PULSEIと、上記のイネーブル信号TDENとが供給される。AND回路F1は、パルス信号PULSEIとイネーブル信号TDENとの両方の信号レベルがハイレベル“H”のとき、出力信号LT0の信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。それ以外は、AND回路F1は、出力信号LT0の信号レベルをローレベル“L”にして出力する。
インバータ素子F2は、信号LT0が入力され、その反転信号として信号LT1を出力する。
CMOSトランスファ素子F3は、そのNMOSトランジスタのゲートに電源VDDが供給され、そのPMOSトランジスタのゲートが接地(GND)され、そのNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのソースに信号LT0が供給される。CMOSトランスファ素子F3は、上記の信号LT0を信号LT2信号としてそのNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのドレインから出力する。
CMOSトランスファ素子F4は、そのNMOSトランジスタのゲートに信号LT2が供給され、そのPMOSトランジスタのゲートに信号LT1が供給され、そのNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのドレインにインバータ素子F6からの信号LT3が供給される。CMOSトランスファ素子F4は、信号LT1の信号レベルがローレベル“L”であり、信号LT2の信号レベルがハイレベル“H”であるとき、上記の信号LT3を出力信号DLYOBとしてそのNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのソースから出力する。
NOR素子F5は、上記のリセット信号RSTと、インバータ素子F6からの信号LT3とが供給される。NOR素子F5は、リセット信号RST及び信号LT3の一方の信号レベルがローレベル“L”のとき、信号LT4の信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。それ以外は、NOR素子F5は、信号LT4の信号レベルをローレベル“L”にして出力する。
インバータ素子F6は、信号LT4が供給され、その反転信号として信号LT3を出力する。
バッファ素子F7は、信号LT4が供給され、判定結果信号DSTEとしてカウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5に出力する。
【0042】
基準遅延回路S0内のカウンタ回路A4は、フリップフロップ素子B1、B2、B3、B4を含んでいる。フリップフロップ素子B1、B2、B3、B4は、入力端子DB、CK、出力端子Q、QB、リセット端子RSTを有する。入力端子DBと出力端子Qは接続されている。フリップフロップ素子B1の端子CKは、カウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5に接続され、フリップフロップ素子B1、B2、B3の出力端子QBは、それぞれ、フリップフロップ素子B2、B3、B4の端子CKに接続されている。
フリップフロップ素子B1は、その端子CKにカウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5からの制御パルス信号FFCKが供給される。フリップフロップ素子B1は、上記の制御パルス信号FFCKの信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータと同相の信号を信号FF1として出力端子QBに出力する。フリップフロップ素子B1は、上記の信号FF1の信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータをラッチして、その反転信号をバス信号CNT<3:0>のうちのバス信号CNT<0>として出力端子Qに出力する。
フリップフロップ素子B2は、その端子CKにフリップフロップ素子B1からの出力信号FF1が供給される。フリップフロップ素子B2は、上記の出力信号FF1の信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータと同相の信号を信号FF2として出力端子QBに出力する。フリップフロップ素子B2は、上記の信号FF2の信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータをラッチして、その反転信号をバス信号CNT<3:0>のうちのバス信号CNT<1>として出力端子Qに出力する。
フリップフロップ素子B3は、その端子CKにフリップフロップ素子B2からの出力信号FF2が供給される。フリップフロップ素子B3は、上記の出力信号FF2の信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータと同相の信号を信号FF3として出力端子QBに出力する。フリップフロップ素子B3は、上記の信号FF3の信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータをラッチして、その反転信号をバス信号CNT<3:0>のうちのバス信号CNT<2>として出力端子Qに出力する。
フリップフロップ素子B4は、その端子CKにフリップフロップ素子B3からの出力信号FF3が供給される。フリップフロップ素子B4は、上記の出力信号FF3の信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータをラッチして、その反転信号をバス信号CNT<3:0>のうちのバス信号CNT<3>として出力端子Qに出力する。
フリップフロップ素子B1、B2、B3、B4は、そのリセット端子RSTから上記のリセット信号RSTを入力したとき、出力端子Q、QBの出力をリセットする。
【0043】
基準遅延回路S0内のカウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5は、バッファ素子E1と、NAND素子E2と、インバータ素子E4、E5と、AND素子E6、E7とを含んでいる。
バッファ素子E1は、上記のパルス信号PULSEIが供給され、信号PF1として出力でする。
NAND素子E2は、信号PF1と、上記のイネーブル信号TDENとが供給される。NAND素子E2は、信号PF1とイネーブル信号TDENとの両方の信号レベルがハイレベル“H”のとき、信号PF2の信号レベルをローレベル“L”にして出力する。それ以外は、NAND素子E2は、信号PF2の信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。
バッファ素子E3は、信号PF2が供給され、信号PF3として出力する。
インバータ素子E4は、信号PF3が供給され、その反転信号として信号PF4を出力する。
インバータ素子E5は、判定回路A3からの判定結果信号DSTEが供給され、その反転信号として信号PF5を出力する。
AND素子E6は、信号PF2と信号PF4と上記のイネーブル信号TDENとが供給される。AND素子E6は、信号PF2と信号PF4とイネーブル信号TDENとの全ての信号レベルがハイレベル“H”のとき、信号PF6の信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。それ以外は、AND素子E6は、信号PF6の信号レベルをローレベル“L”にして出力する。
AND素子E7は、信号PF5と信号PF6とが供給される。AND素子E7は、信号PF5と信号PF6との両方の信号レベルがハイレベル“H”のとき、制御パルス信号FFCKの信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。それ以外は、AND素子E7は、制御パルス信号FFCKの信号レベルをローレベル“L”にして出力する。
【0044】
図3は、n=3、m=3の場合における定数倍遅延回路S1内の構成を示す回路図である。
【0045】
定数倍遅延回路S1内の遅延回路制御回路A6は、インバータ素子G1、G2と、NAND素子G3、G4と、CMOSトランスファ素子G5、G6とを含んでいる。
インバータ素子G1は、上記のトリガ信号INPSが供給され、その反転信号として信号SF1を出力する。
インバータ素子G2は、上記のリセット信号RSTが供給され、その反転信号として信号SF2を出力する。
NAND素子G3、G4は、上記のラッチ部を構成する。
NAND素子G3は、SF1信号と、NAND素子G4からのリセット信号DRSTとが供給される。NAND素子G3は、SF1信号とリセット信号DRSTとの両方の信号レベルがハイレベル“H”のとき、出力信号OUTPSの信号レベルをローレベル“L”にして、外部に出力する。それ以外は、NAND素子G3は、出力信号OUTPSの信号レベルをハイレベル“H”にして外部に出力する。
NAND素子G4は、出力信号OUTPSと、信号SF2と、一致検出回路A9からの一致検出信号MTOUTBとが供給される。NAND素子G4は、出力信号OUTPSと信号SF2と一致検出信号MTOUTBとの全ての信号レベルがハイレベル“H”のとき、リセット信号DRSTの信号レベルをローレベル“L”にして出力する。それ以外は、NAND素子G4は、リセット信号DRSTの信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。
CMOSトランスファ素子G5は、そのNMOSトランジスタのゲートに遅延回路A7からのバス信号HT<0>が供給され、そのPMOSトランジスタのゲートに遅延回路A7からのバス信号HT<0>の反転信号である出力信号MCNTSが供給され、そのNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのソースが接地(GND)されている。CMOSトランスファ素子G5は、バス信号HT<0>がハイレベル“H”であり、出力信号MCNTSの信号レベルがローレベル“L”であるとき、出力信号MDLYIの信号レベルをGNDレベルであるローレベル“L”にしてそのNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのドレインから出力する。
CMOSトランスファ素子G6は、そのNMOSトランジスタのゲートに遅延回路A7からの出力信号MCNTSが供給され、そのPMOSトランジスタのゲートに遅延回路A7からのバス信号HT<0>が供給され、そのNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのソースに出力信号OUTPSが供給されている。CMOSトランスファ素子G6は、バス信号HT<0>がローレベル“L”であり、出力信号MCNTSの信号レベルがハイレベル“H”であるとき、出力信号OUTPSを出力信号MDLYIとしてそのNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのドレインから出力する。
【0046】
定数倍遅延回路S1内の遅延回路A7は、基準遅延回路S0内の遅延回路A2と同一構成をしている遅延回路H1を含んでいる。
即ち、遅延回路H1には、カウンタ回路A4から出力されるバス信号CNT<3:0>が供給される。遅延回路H1には、遅延回路制御回路A6からの出力信号MDLYIが出力信号DLYIとして供給される。遅延回路H1には、遅延回路制御回路A6からのリセット信号DRSTがリセット信号RSTとして供給される。遅延回路H1は、出力信号DLYOBとして出力信号MCNTSを出力し、出力信号DLYOとしてバス信号HT<0>を出力する。
【0047】
定数倍遅延回路S1内の遅延カウンタ回路A8は、フリップフロップ素子I1、I2、I3を含んでいる。フリップフロップ素子I1、I2、I3は、入力端子DB、CK、出力端子Q、QB、リセット端子RSTを有する。入力端子DBと出力端子Qは接続されている。フリップフロップ素子I1の端子CKは、遅延回路A7に接続され、フリップフロップ素子I1、I2の出力端子QBは、それぞれ、フリップフロップ素子I2、I3の端子CKに接続されている。
フリップフロップ素子I1は、その端子CKに遅延回路A7からの出力信号MCNTSが供給される。フリップフロップ素子I1は、上記の出力信号MCNTSの信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータと同相の信号を信号SF6として出力端子QBに出力する。フリップフロップ素子I1は、上記の信号SF6の信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータをラッチして、その反転信号をバス信号HT<1>として出力端子Qに出力する。
フリップフロップ素子I2は、その端子CKにフリップフロップ素子I1からの信号SF6が供給される。フリップフロップ素子I2は、上記の信号SF6の信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータと同相の信号を信号SF7として出力端子QBに出力する。フリップフロップ素子I2は、上記の信号SF7の信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータをラッチして、その反転信号をバス信号HT<2>として出力端子Qに出力する。
フリップフロップ素子I3は、その端子CKにフリップフロップ素子I2からの出力信号SF7が供給される。フリップフロップ素子I3は、上記の出力信号SF7の信号レベルがハイレベル“H”に遷移されるときに、入力端子DBに供給されるDBデータをラッチして、その反転信号をバス信号HT<3>として出力端子Qに出力する。
フリップフロップ素子I1、I2、I3は、そのリセット端子RSTから上記のリセット信号DRSTを入力したとき、出力端子Q、QBの出力をリセットする。
【0048】
定数倍遅延回路S1内の一致検出回路A9は、排他的論理NOR素子J1、J2、J3、J4と、NAND素子J5とを含んでいる。
排他的論理NOR素子J1は、設定バス信号MT<3:0>のうちの設定バス信号MT<0>信号と、バス信号HT<0>とが供給される。排他的論理NOR素子J1は、設定バス信号MT<0>信号及びバス信号HT<0>の両方の信号レベルが一致しているとき、信号XT0の信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。それ以外は、排他的論理NOR素子J1は、信号XT0の信号レベルをローレベル“L”にして出力する。
排他的論理NOR素子J2は、設定バス信号MT<3:0>のうちの設定バス信号MT<1>信号と、バス信号HT<1>とが供給される。排他的論理NOR素子J2は、設定バス信号MT<1>信号及びバス信号HT<1>の両方の信号レベルが一致しているとき、信号XT1の信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。それ以外は、排他的論理NOR素子J2は、信号XT1の信号レベルをローレベル“L”にして出力する。
排他的論理NOR素子J3は、設定バス信号MT<3:0>のうちの設定バス信号MT<2>信号と、バス信号HT<2>とが供給される。排他的論理NOR素子J3は、設定バス信号MT<2>信号及びバス信号HT<2>の両方の信号レベルが一致しているとき、信号XT2の信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。それ以外は、排他的論理NOR素子J3は、信号XT2の信号レベルをローレベル“L”にして出力する。
排他的論理NOR素子J4は、設定バス信号MT<3:0>のうちの設定バス信号MT<3>信号と、バス信号HT<3>とが供給される。排他的論理NOR素子J4は、設定バス信号MT<3>信号及びバス信号HT<3>の両方の信号レベルが一致しているとき、信号XT3の信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。それ以外は、排他的論理NOR素子J4は、信号XT3の信号レベルをローレベル“L”にして出力する。
NAND素子J5は、信号XT0と信号XT1と信号XT2と信号XT3とが供給される。NAND素子J5は、信号XT0と信号XT1と信号XT2と信号XT3との全ての信号レベルがハイレベル“H”のとき、一致検出信号MTOUTBの信号レベルをローレベル“L”にして、遅延回路制御回路A6に出力する。それ以外は、NAND素子J5は、一致検出信号MTOUTBの信号レベルをハイレベル“H”にして遅延回路制御回路A6に出力する。
【0049】
次に、図4、図5を用いて、本発明の第1実施形態による半導体記憶装置の動作を説明する。
【0050】
図4は、基準遅延生成回路S0の動作を示すタイミングチャートである。
【0051】
最初に初期化動作として、1ショットパルスとしてハイレベルのリセット信号RSTを遅延回路A2、判定回路A3、カウンタ回路A4に供給して、遅延回路A2、判定回路A3、カウンタ回路A4におけるリセットを行う。
このリセット動作により、遅延回路A2は、出力信号DLYOBの信号レベルをハイレベル“H”にして出力し、判定回路A3は、判定結果信号DSTEの信号レベルをローレベル“L”にして出力し、カウンタ回路A4は、バス信号CNT<n:0>の信号レベルをローレベル“L”にして出力する。
【0052】
カウンタ回路A4からのローレベル“L”のバス信号CNT<n:0>が遅延回路A2に供給されたとき、遅延回路A2において、PMOSトランジスタC5〜C8のゲートに供給される信号の信号レベルがハイレベル“H”になり、NMOSトランジスタC9〜C12のゲートに供給される信号の信号レベルがローレベル“L”となる。このとき、遅延回路A2の遅延を決める信号PINLが低い電圧レベルになり、PMOSトランジスタC18の駆動能力が大きくなる。また、信号NINLが高い電圧レベルになり、NMOSトランジスタC23の駆動能力が大きくなる。
【0053】
これにより、遅延回路A2が、遅延回路用パルス生成回路A1からの出力信号DLYIを入力してから、出力信号DLYO、出力信号DLYOBを出力するまでの時間、すなわち遅延回路A2による遅延時間は最小となる。
【0054】
次に、外部コマンドにより生成されるイネーブル信号TDENの信号レベルをハイレベル“H”にして、遅延回路用パルス生成回路A1、判定回路A3、カウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5に供給する。
その後、高性能テスタ等から入力されるパルス信号PULSEIを遅延回路用パルス生成回路A1、判定回路A3、カウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5に供給する。
このパルス信号PULSEIのハイレベル“H”を表すパルス幅は、遅延回路A2に設定したい遅延値となる設定遅延値を表している。
【0055】
ここで、初期化状態においては、パルス信号PULSEIのパルス幅は初期化状態の遅延値より大きい値に設定する。すなわち、遅延回路A2の調整範囲としては、所望の遅延値に対して、早い側と遅い側に予想される最大の拡散条件やウェハの面内バラツキ等による遅延値のズレを加味した値の範囲で調整できるようにする必要がある。
【0056】
遅延回路用パルス生成回路A1は、パルス信号PULSEIとイネーブル信号TDENに応じて、パルス信号PULSEIと同相の出力信号DLYIを遅延回路A2に出力する。
遅延回路A2は、この出力信号DLYIをある遅延値で遅延させ、出力信号DLYOおよび出力信号DLYOBとして出力する。
判定回路A3は、この出力信号DLYOBを、パルス信号PULSEIの立下りでラッチする。
最初の段階ではパルス信号PULSEIのパルス幅を超えない遅延値で出力信号DLYIから出力信号DLYOBまで到達するので、判定回路A3は、出力結果として判定結果信号DSTEの信号レベルをローレベル“L”にして出力する。
【0057】
判定結果信号DSTEがローレベル“L”状態においては、遅延の調整が完了していないことを意味する。この場合、カウンタ回路制御パルス生成回路A5は、動作状態となり、時間T1においてパルス信号PULSEIの立下りを受けて、内部のバッファ素子等の遅延後に、1ショットパルスとしてハイレベル“H”の制御パルス信号FFCKを出力する。
カウンタ回路A4は、この制御パルス信号FFCKを入力し、その内部のフリップフロップが動作し、バス信号CNT<0>の信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。
そのハイレベル“H”のバス信号CNT<0>が遅延回路A2に供給されたとき、遅延回路A2において、PMOSトランジスタC8のゲートに供給される信号の信号レベルがローレベル“L”になり、NMOSトランジスタC12のゲートに供給される信号の信号レベルがハイレベル“H”になる。この遷移により、遅延回路A2の遅延を決める信号PINLの電圧レベルが少しあがり、また、信号NINLの電圧レベルが少し下がる。
【0058】
これにより、遅延回路A2が、遅延回路用パルス生成回路A1からの出力信号DLYIを入力してから、出力信号DLYO、出力信号DLYOBを出力するまでの遅延時間が少し延びる。
上記の遅延時間のステップ時間の設定は、遅延回路A2のPMOSトランジスタC5〜C8およびNMOSトランジスタC9〜C12の駆動能力を調整しておくことにより行われる。
【0059】
上記の遷移は、最初(1番目)のパルス信号PULSEIの立下りを表す時間T1から、次(2番目)のパルス信号PULSEIの立上りを表す時間まで行われる。
同様に、上記の遷移は、2番目のパルス信号PULSEIの立下りを表す時間T2から、3番目のパルス信号PULSEIの立上りを表す時間まで行われる。次に、3番目のパルス信号PULSEIの立下りを表す時間T3から、4番目のパルス信号PULSEIの立上りを表す時間まで行われる。次いで、4番目のパルス信号PULSEIの立下りを表す時間T4から、5番目のパルス信号PULSEIの立上りを表す時間まで行われる。このように、上記の遷移を繰り返すことで徐々に、遅延回路A2の遅延値は、遅延回路A2に入力されるパルス信号PULSEIのパルス幅“H”に近づき、時間T4のタイミングにおいては、パルス信号PULSEIと同じ遅延値となる。
【0060】
このとき、判定回路A3は、遅延回路A2からの出力信号DLYOB“H”をラッチして出力として判定結果信号DSTEの信号レベルをハイレベル“H”にする。即ち、判定回路A3は、イネーブル信号TDENの信号レベルがハイレベル“H”であるときに、パルス信号PULSEIの立下りに、遅延回路A2からの出力信号DLYOBの信号レベルがハイレベル“H”であると判定した場合、判定結果信号DSTEの信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。
この場合、カウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5は、1ショットパルスとしてハイレベル“H”の制御パルス信号FFCKを出力しない。そのため、カウンタ回路A4は動作しなくなる。
【0061】
以上の動作により、基準となる遅延回路A2の遅延情報であるバス信号CNT<3:0>の値が確定(固定・設定)したことになる。
以下、この確定(固定・設定)した遅延回路A2の遅延値を基準遅延値という。
この後、外部コマンドによりイネーブル信号TDENの信号レベルをローレベル“L”にする。
【0062】
図5は、定数倍遅延生成回路S1の動作を示すタイミングチャートである。
【0063】
定数倍遅延生成回路S1の動作として、図5に示されるように、遅延情報であるバス信号CNT<n:0>がバイナリでb‘011、かつ、遅延回路A2の遅延値の何倍の遅延値が必要かを示す設定バス信号MT<m;0>がバイナリでb’100の場合について説明する。
【0064】
最初に初期化動作として、1ショットパルスとしてハイレベルのリセット信号RSTを遅延回路制御回路A6に供給する。このとき、遅延回路制御回路A6は、リセット信号RSTを受けてリセット信号DRSTを遅延回路A7、遅延カウンタ回路A8に供給して、遅延回路A7、遅延カウンタ回路A8におけるリセットを行う。
このリセット動作により、遅延回路A7は、その回路の出力信号DLYOであるバス信号HT<0>の信号レベルをローレベル“L”にして出力し、その回路の出力信号DLYOBである出力信号MCNTSの信号レベルをハイレベル“H”にして出力する。
【0065】
ここで、リセット信号DRSTの信号レベルは、遅延回路制御回路A6のNAND素子G3、G4により、ハイレベル“H”にラッチされた状態になる。すなわち、遅延回路A7は動作しない状態になる。
また、遅延カウンタ回路A8もリセット状態となっているため、バス信号HT<m:0>の信号レベルはローレベル“L”状態となる。
このとき、一致検出回路A9は、バス信号HT<2>が示す値と設定バス信号MT<2>が示す値とが異なるため、排他的論理NOR素子J3から出力される信号XT2の信号レベルをローレベル“L”とし、NAND素子J5から出力される一致検出信号MTOUTBの信号レベルをハイレベル“H”とする。
【0066】
この状態において、1ショットパルスとしてハイレベルのトリガ信号INPSが遅延回路制御回路A6に供給されると、遅延回路制御回路A6のNAND素子G3、G4により、トリガ信号INPS“H”をラッチして、出力信号OUTPSの信号レベルをハイレベル“H”にし、リセット信号DRSTの信号レベルをローレベル“L”にする。即ち、遅延回路A7が動作可能状態になる。
バス信号HT<0>の信号レベルがローレベル“L”であり、出力信号MCNTSの信号レベルがハイレベル“H”状態であるので、CMOSトランスファ素子G6は、ハイレベル“H”の出力信号OUTPSを出力信号MDLYIとして出力する。この出力信号MDLYIは、信号DLYIとして遅延回路A7に供給される。
【0067】
遅延回路A7は、上記の基準遅延生成回路S0内のカウンタ回路A4からのバス信号CNT<3:0>により、上記の基準遅延生成回路S0内の遅延回路A2の遅延値(基準遅延値)を認識する。遅延回路A7は、基準遅延値と同じ遅延値にて、その出力信号MDLYI“H”を遅延し、その回路の出力信号DLYOとしてバス信号HT<0>の信号レベルをハイレベル“H”にし、その回路の出力信号DLYOBとして出力信号MCNTSの信号レベルをローレベル“L”とする。
【0068】
バス信号HT<0>のハイレベル“H”への遷移と、出力信号MCNTSのローレベル“L”への遷移にて、遅延回路制御回路A6のCMOSトランスファ素子G6はOFF状態となり、代わりにCMOSトランスファG5がON状態となる。
これにより、遅延回路制御回路A6は、出力信号MDLYIの信号レベルをGNDレベルのローレベル“L”にし、遅延回路A7は、基準遅延値にて出力信号MDLYI“L”を遅延した後、バス信号HT<0>の信号レベルをローレベル“L”にし、出力信号MCNTSの信号レベルをハイレベル“H”にする。
出力信号MCNTSのハイレベル“H”への遷移は、遅延カウンタ回路A8のフリップフロップ素子I1を動作させ、バス信号HT<1>の信号レベルをハイレベル“H”にする。
【0069】
バス信号HT<0>のローレベル“L”への遷移と、出力信号MCNTSのハイレベル“H”への遷移にて、遅延回路制御回路A6のCMOSトランスファ素子G5はOFF状態となり、CMOSトランスファ素子G6がON状態となる。
これにより、遅延回路制御回路A6のCMOSトランスファ素子G6は、ハイレベル“H”の出力信号OUTPSを出力信号MDLYIとして出力する。この出力信号MDLYIは、信号DLYIとして遅延回路A7に供給される。
【0070】
このような動作を繰り返すことで、遅延カウンタ回路A8は基準遅延値の2倍の遅延値ごとに、カウントアップすることになる。
そして、遅延回路A7の出力であるバス信号HT<0>の信号レベルは、基準遅延値にて“L”→“H”→“L”…と繰り返す信号となり、基準遅延値の遅延回数を示すカウント値の最下位ビットの動作と同じになる。
この遅延回路A7の出力であるバス信号HT<0>と、カウンタ回路の出力であるバス信号HT<m:1>とが基準遅延値の定数倍を示す信号となる。
【0071】
このバス信号HT<m:0>が示す値が、図5に示されるように、設定バス信号MT<m:0>が示す値b‘100と同じ値になる。即ち、バス信号HT<2>が示す値と設定バス信号MT<2>が示す値とが同じになる。このとき、一致検出回路A9は、排他的論理NOR素子J1、J2、J3、J4から出力される信号XT0、XT1、XT2、XT3の信号レベルをハイレベル“H”とし、NAND素子J5から出力される検出結果信号として一致検出信号MTOUTBの信号レベルをローレベル“L”とする。
【0072】
この状態において、ローレベル“L”の一致検出信号MTOUTBが遅延回路制御回路A6に供給されると、遅延回路制御回路A6のNAND素子G3、G4によりラッチされている信号レベルをリセットし、出力信号OUTPSの信号レベルをローレベル“L”にし、リセット信号であるリセット信号DRSTの信号レベルをハイレベル“H”にし、初期化状態と同じ状態にする。
【0073】
この動作により、基準遅延値に対して、設定バス信号MT<m:0>が示す倍数値で掛け算した値の遅延値として、ハイレベル“H”を表すパルス幅を有する出力信号OUTPSを生成することが可能になる。
図5に示される例の場合、基準遅延値の4倍の遅延時間のパルス幅を有する出力信号OUTPSを生成できることになる。
この遷移を用いることで必要遅延時間後に所望の動作を行うことが可能になる。
【0074】
以上により、本発明の半導体記憶装置では、半導体記憶装置の製造時における拡散条件やウェハの面内バラツキ等により、実デバイスにおける遅延回路の遅延値が設計時における遅延回路の遅延値とは異なる値を示していても、上記の基準遅延生成回路S0により、設計時における遅延回路の遅延値と実デバイスにおける遅延回路の遅延値とのズレをなくすことができる。
即ち、基準遅延生成回路S0において、遅延回路用パルス生成回路A1は、イネーブル信号TDENを入力しているときに、パルス信号PULSEIがアクティブ状態“H”である場合、出力信号DLYIをアクティブ状態“H”にして遅延回路A2に出力する。
判定回路A3は、パルス信号PULSEIのアクティブ状態“H”を表すパルス幅と、信号DLYOBのアクティブ状態“H”を表すパルス幅とが一致しないとき、第2遅延値と設定遅延値との一致を表さない比較結果DSTEを出力する。このとき、カウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5は、制御パルス信号FFCKをアクティブ状態“H”にして出力し、カウンタ回路A4は、保持された調整値に1をインクリメントし、その調整値を表すバス信号CNT<n:0>として出力する。遅延回路A2は、第1遅延値とバス信号CNT<n:0>が表す調整値とに基づいて第2遅延値を生成し、出力信号DLYIを第2遅延値により遅延して出力信号DLYOBを出力する。
一方、判定回路A3は、パルス信号PULSEIのアクティブ状態“H”を表すパルス幅と、信号DLYOBのアクティブ状態“H”を表すパルス幅とが一致したとき、第2遅延値と設定遅延値との一致を表す比較結果DSTEを出力する。このとき、カウンタ回路用制御パルス信号生成回路A5は、カウンタ回路A4から出力されるバス信号CNT<n:0>が表す調整値を固定するために、制御パルス信号FFCKをインアクティブ状態“L”にして出力し、カウンタ回路A4は、保持された調整値を固定された調整値とし、その調整値を表すバス信号CNT<n:0>として出力する。この場合、遅延回路A2は、第1遅延値と上記固定されたバス信号CNT<n:0>が表す調整値とに基づいて基準遅延値を生成し、出力信号DLYIを基準遅延値により遅延して出力信号DLYOBを出力する。
このように、本発明の半導体記憶装置では、上記の基準遅延生成回路S0により基準遅延値を生成するため、設計時における遅延回路の遅延値と実デバイスにおける遅延回路の遅延値とのズレをなくすことができる。
【0075】
また、本発明の半導体記憶装置では、上記の基準遅延生成回路S0により基準遅延値を生成するため、定数倍遅延生成回路S1により、所望の遅延値として、基準遅延値のm倍の遅延値を得ることができる。
即ち、定数倍遅延生成回路S1において、遅延回路A2と同一構成である遅延回路A7は、第1遅延値と上記固定されたバス信号CNT<n:0>が表す調整値とに基づいて基準遅延値を生成し、出力信号MDLYIを基準遅延値により遅延して、出力信号DLYOBとして信号MCNTSを出力し、出力信号DLYOBの反転信号としてバス信号HT<0>を出力する。
遅延回路用制御回路A6のラッチ部G3、G4は、トリガ信号TDENを入力したときに、出力信号OUTPSをラッチする。遅延回路用制御回路A6は、出力信号OUTPSがラッチされ、且つ、バス信号HT<0>がアクティブ状態“H”及びインアクティブ状態“L”の一方であるとき、出力信号MDLYIをアクティブ状態“H”及びインアクティブ状態“L”の他方にして遅延回路A7に出力する。遅延カウンタ回路A8は、出力信号MCNTSがアクティブ状態“H”及びインアクティブ状態“L”の一方から他方に遷移するとき、保持された出力カウント値HT<m:1>に1をインクリメントし、その出力カウント値を表すバス信号HT<m:1>を出力する。
一致検出回路A9は、遅延回路A7からのバス信号HT<0>と遅延カウンタ回路A8からのバス信号HT<m:1>とを入力し、基準遅延値のm倍の遅延値である設定倍数値を表す設定バス信号MT<m:0>が供給される。一致検出回路A9は、バス信号HT<m:0>が表す出力カウント値と、設定バス信号MT<m:0>が表す設定倍数値とが一致したとき、一致検出信号MTOUTBを遅延回路用制御回路A6に出力する。このとき、遅延回路用制御回路A6は、一致検出信号MTOUTBに応じて、ラッチ部G3、G4にラッチされた出力信号OUTPSを出力する。
このように、本発明の半導体記憶装置では、定数倍遅延生成回路S1により、所望の遅延値として、基準遅延値のm倍の遅延値を得ることができる。
【0076】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態による半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。第2実施形態では、第1実施形態と同じ説明を省略する。
第2実施形態による半導体記憶装置は、第1実施形態における基準遅延生成回路S0に対応する基準遅延生成回路DLCと、第1実施形態における定数倍遅延生成回路S1に対応する定数倍遅延生成回路DL0、DL1、…、DLsとを具備している。ここで、DLsの“s”は基準遅延値を必要とする遅延回路の台数を示している。
【0077】
基準遅延生成回路DLCは、第1実施形態における基準遅延生成回路S0と同様に、上述のパルス信号PULSEIが入力され、上述のイネーブル信号TDENが入力され、上述のリセット信号RSTが入力され、上述のバス信号CNT<n:0>を定数倍遅延生成回路DL0、DL1、…、DLsに出力する。
【0078】
定数倍遅延生成回路DL0、DL1、…、DLsは、第1実施形態における定数倍遅延生成回路S1と同様に、それぞれ、上述のトリガ信号INPSとしてトリガ信号INPS0、INPS1、…、INPSsが入力され、上述のリセット信号RSTが入力され、上述のバス信号CNT<n:0>が入力され、上述の設定バス信号MT<m:0>として設定バス信号MT0<m:0>、MT1<m:0>、…、MTs<m:0>が入力され、上述の出力信号OUTPSとして出力信号OUTPS0、OUTPS1、…、OUTPSsを出力する。
【0079】
基準遅延生成回路DLCの構成は、第1実施形態における基準遅延生成回路S0と同様の構成を成す。このため、基準遅延生成回路DLCの構成要素の名称をDLC/A1〜A4と称し、基準遅延生成回路DLC内でのみ使用される構成要素に入力/出力する信号をそれぞれDLC/“信号名”と称する。
定数倍遅延生成回路DL0、DL1、…、DLsの構成は、第1実施形態における定数倍遅延生成回路S1と同様の構成を成す。このため、定数倍遅延生成回路DL0、DL1、…、DLsの構成要素の名称を、それぞれDL0/A6〜A9、DL1/A6〜A9、…、DLs/A6〜A9と称し、定数倍遅延生成回路DL0、DL1、…、DLs内でのみ使用される構成要素に入力/出力する信号をDL0/“信号名”、DL1/“信号名”、DLs/“信号名”と称する。
【0080】
次に、図7A〜図7Cを用いて、本発明の第2実施形態による半導体記憶装置の動作を説明する。
基準遅延生成回路DLCの動作については、基準遅延生成回路S0と同じであるため(図4参照)、その説明を省略する。この場合、基準遅延生成後、バス信号CNT<n:0>は固定化される。
【0081】
図7Aは、定数倍遅延生成回路DL0の動作を示すタイミングチャートである。
【0082】
定数倍遅延生成回路DL0の動作として、図7Aに示されるように、上記のバス信号CNT<n:0>がバイナリでb‘011、設定バス信号MT0<m:0>がバイナリでb’101の場合について説明する。
この場合、バス信号HT<m:0>が示す値が、図7Aに示されるように、設定バス信号MT0<m:0>が示す値b‘100と同じ値になる。
【0083】
この動作により、基準遅延値に対して、設定バス信号MT0<m:0>が示す倍数値で掛け算した値の遅延値として、ハイレベル“H”を表すパルス幅を有する出力信号OUTPSを生成することが可能になる。
図7Aに示される例の場合、基準遅延値の5倍の遅延時間のパルス幅を有する出力信号OUTPSを生成できることになる。
【0084】
図7Bは、定数倍遅延生成回路DL1の動作を示すタイミングチャートである。
【0085】
定数倍遅延生成回路DL1の動作として、図7Bに示されるように、上記のバス信号CNT<n:0>がバイナリでb‘011、設定バス信号MT1<m:0>がバイナリでb‘011の場合について説明する。
この場合、バス信号HT<m:0>が示す値が、図7Bに示されるように、設定バス信号MT1<m:0>が示す値b‘100と同じ値になる。
【0086】
この動作により、基準遅延値に対して、設定バス信号MT1<m:0>が示す倍数値で掛け算した値の遅延値として、ハイレベル“H”を表すパルス幅を有する出力信号OUTPSを生成することが可能になる。
図7Bに示される例の場合、基準遅延値の3倍の遅延時間のパルス幅を有する出力信号OUTPSを生成できることになる。
【0087】
図7Cは、定数倍遅延生成回路DLsの動作を示すタイミングチャートである。
【0088】
定数倍遅延生成回路DLsの動作として、図7Cに示されるように、上記のバス信号CNT<n:0>がバイナリでb‘011、設定バス信号MTs<m:0>がバイナリでb‘110の場合について説明する。
この場合、バス信号HT<m:0>が示す値が、図7Cに示されるように、設定バス信号MTs<m:0>が示す値b‘110と同じ値になる。
【0089】
この動作により、基準遅延値に対して、設定バス信号MTs<m:0>が示す倍数値で掛け算した値の遅延値として、ハイレベル“H”を表すパルス幅を有する出力信号OUTPSを生成することが可能になる。
図7Cに示される例の場合、基準遅延値の6倍の遅延時間のパルス幅を有する出力信号OUTPSを生成できることになる。
【0090】
このように、本発明の半導体記憶装置では、複数の定数倍遅延生成回路DL0、DL1、…、DLsにおける設定バス信号MT0<m:0>、MT1<m:0>、…、MTs<m:0>が表す設定倍数値は、それぞれ異なっていてもよい。
【0091】
なお、本発明の半導体記憶装置では、上記の回路構成に限定されない。例えば、基準遅延回路S0内のカウンタ回路A4は、ヒューズ回路により構成されてもよい。
【0092】
以上の説明により、本発明の半導体記憶装置は、設計時における遅延回路の遅延値と実デバイスにおける遅延回路の遅延値とのズレをなくすことができる。
本発明の半導体記憶装置は、所望の遅延値を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の利用分野として、DRAM、SRAM等の半導体記憶装置が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態による半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、n=3の場合における基準遅延回路S0内の構成を示す回路図である。
【図3】図3は、n=3、m=3の場合における定数倍遅延回路S1内の構成を示す回路図である。
【図4】図4は、基準遅延生成回路S0の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】図5は、定数倍遅延生成回路S1の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態による半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。
【図7A】図7Aは、定数倍遅延生成回路DL0の動作を示すタイミングチャートである。
【図7B】図7Bは、定数倍遅延生成回路DL1の動作を示すタイミングチャートである。
【図7C】図7Cは、定数倍遅延生成回路DLsの動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0095】
S0 基準遅延生成回路
S1 定数倍遅延生成回路
A1 遅延回路用パルス生成回路
A2 遅延回路
A3 判定回路
A4 カウンタ回路
A5 カウンタ回路用制御パルス信号生成回路
A6 遅延回路制御回路
A7 遅延回路
A8 遅延カウンタ回路
A9 一致検出回路
CNT<n:0> バス信号(カウンタ値、調整値)
DLYI 出力信号
DLYOB 出力信号
DRST リセット信号
DSTE 判定結果信号
FFCK 制御パルス信号
HT<0> バス信号
HT<m:0> バス信号(倍数値)
INPS トリガ信号
MCNTS 出力信号
MDLYI 出力信号
MT<m:0> 設定バス信号(設定倍数値)
MTOUTB 一致検出信号
OUTPS 出力信号
PULSEI パルス信号
RST リセット信号
TDEN イネーブル信号
B1、B2、B3、B4 フリップフロップ素子
C1、C2、C3、C4、C29、C30 インバータ素子
C5、C6、C7、C8、C13、C14、C18、C19、C21、C24、C26 PMOSトランジスタ
C9、C10、C11、C12、C15、C16、C20、C22、C23、C25、C27 NMOSトランジスタ
C17 バッファ素子
C28 NAND素子
D1 AND回路
E1 バッファ素子
E2 NAND素子
E4、E5 インバータ素子
E6、E7 AND素子
F1 AND回路
F2、F6 インバータ素子
F3、F4 CMOSトランスファ素子
F5 NOR素子
F7 バッファ素子
G1、G2 インバータ素子
G3、G4 NAND素子
G5、G6 CMOSトランスファ素子
H1 遅延回路
I1、I2、I3 フリップフロップ素子
J1、J2、J3、J4 排他的論理NOR素子
J5 NAND素子
DLC 基準遅延生成回路
DL0、DL1、…、DLs 定数倍遅延生成回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準遅延値を生成する基準遅延生成回路を具備し、
前記基準遅延生成回路は、
第1遅延値を有し、前記第1遅延値と調整値とに基づいて第2遅延値を生成し、第1信号を前記第2遅延値により遅延して第2信号を出力する第1遅延回路と、
パルス信号を入力し、前記パルス信号がアクティブ状態であるときに、前記第1信号をアクティブ状態にして前記第1遅延回路に出力する遅延回路用パルス生成回路と、ここで、前記パルス信号のアクティブ状態を表すパルス幅は、設定遅延値を表し、
前記第2遅延値と前記設定遅延値との比較結果を出力する判定回路と、
前記比較結果が前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表さないとき、前記第2遅延値を前記設定遅延値に調整するための前記調整値を出力するカウンタ回路と、
前記比較結果が前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表すとき、カウンタ回路から出力される前記調整値を固定するカウンタ回路用制御パルス信号生成回路とを具備し、
前記第1遅延回路は、前記第1遅延値と前記固定された調整値とに基づいて前記基準遅延値を生成し、前記第1信号を前記基準遅延値により遅延して前記第2信号を出力する
半導体記憶装置。
【請求項2】
更に、
トリガ信号に対して、前記基準遅延値のm倍(mは1以上の整数)の遅延値により出力信号を出力する定数倍遅延生成回路を具備し、
前記定数倍遅延生成回路は、
前記第1遅延回路と同一構成であり、前記第1遅延値を有し、前記第1遅延値と前記固定された調整値とに基づいて前記基準遅延値を生成し、第3信号を前記基準遅延値により遅延して第4信号を出力する第2遅延回路と、
前記トリガ信号を入力したときに、出力信号をラッチするラッチ部と、
前記出力信号がラッチされ、且つ、前記第4信号がアクティブ状態及びインアクティブ状態の一方であるとき、前記第3信号をアクティブ状態及びインアクティブ状態の他方にして前記第2遅延回路に出力する遅延回路用制御回路と、
出力カウント値を保持し、前記第4信号がアクティブ状態及びインアクティブ状態の一方から他方に遷移するとき、前記出力カウント値に1をインクリメントして出力する遅延カウンタ回路と、
前記出力カウント値と、前記基準遅延値のm倍の遅延値を表す設定倍数値とが一致したとき、一致検出信号を前記遅延回路用制御回路に出力する一致検出回路とを具備し、
前記遅延回路用制御回路は、前記一致検出信号に応じて、前記ラッチ部にラッチされた前記出力信号を出力する
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記遅延回路用パルス生成回路は、
コマンド信号と前記パルス信号とを入力し、
前記コマンド信号を入力しているときに、前記パルス信号がアクティブ状態である場合、前記第1信号をアクティブ状態にして前記第1遅延回路に出力する
請求項1又は2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記判定回路は、
前記パルス信号と、前記第1遅延回路からの前記第2信号とに応じて、前記第2遅延値と前記設定遅延値とを比較し、
前記パルス信号のアクティブ状態を表すパルス幅と、前記第2信号のアクティブ状態を表すパルス幅とが一致しないとき、前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表さない前記比較結果を出力し、
前記パルス信号のアクティブ状態を表すパルス幅と、前記第2信号のアクティブ状態を表すパルス幅とが一致したとき、前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表す前記比較結果を出力する
請求項1〜3のいずれかに記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記カウンタ回路用制御パルス信号生成回路は、
前記比較結果が前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表さないとき、制御パルス信号をアクティブ状態にして出力し、
前記比較結果が前記第2遅延値と前記設定遅延値との一致を表すとき、前記カウンタ回路から出力される前記調整値を固定するために、前記制御パルス信号をインアクティブ状態にして出力し、
前記カウンタ回路は、
前記調整値を保持し、
前記制御パルス信号がアクティブ状態であるとき、前記保持された調整値に1をインクリメントして前記調整値として出力し、
前記制御パルス信号がインアクティブ状態であるとき、前記保持された調整値を前記固定された調整値として出力する
請求項1〜4のいずれかに記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
更に、
複数の前記定数倍遅延生成回路を具備し、
前記複数の定数倍遅延生成回路における前記設定倍数値は、それぞれ異なる
請求項2に記載の半導体記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公開番号】特開2006−270856(P2006−270856A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−89420(P2005−89420)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】