半導体集積回路およびイコライザの制御方法
【課題】回路規模の増大を抑制しつつ、受信したデータ信号の等化量を調整することが可能な半導体集積回路を提供する。
【解決手段】半導体集積回路100は、イコライザと、イコライザにより等化されたデータ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と復元クロック信号の位相とを比較し、等化されたデータ信号のビット幅が復元クロック信号の周期よりも小さいときは第1の比較信号を出力し、一方、大きいときは第2の比較信号を出力し、復元クロック信号の位相がデータ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号を出力し、遅れている場合には第4の比較信号を出力する位相比較回路と、第3、第4の比較信号および基準クロック信号に基づいて、復元クロック信号を生成する復元クロック生成回路と、少なくとも第1、第2の比較信号に基づいて、イコライザのピーキング量を制御する制御回路と、を備える。
【解決手段】半導体集積回路100は、イコライザと、イコライザにより等化されたデータ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と復元クロック信号の位相とを比較し、等化されたデータ信号のビット幅が復元クロック信号の周期よりも小さいときは第1の比較信号を出力し、一方、大きいときは第2の比較信号を出力し、復元クロック信号の位相がデータ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号を出力し、遅れている場合には第4の比較信号を出力する位相比較回路と、第3、第4の比較信号および基準クロック信号に基づいて、復元クロック信号を生成する復元クロック生成回路と、少なくとも第1、第2の比較信号に基づいて、イコライザのピーキング量を制御する制御回路と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イコライザを備えた半導体集積回路およびイコライザの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、SerDes(Serializer Deserializer)回路の高周波化が進んでいる。そして、伝送線路のローパスフィルタ(Low−Pass−Filter)特性に起因するISI(Inter−symbol−Interference)によるEye波形の劣化の影響が著しくなっている。
【0003】
上記ISIが大きい場合、接続される伝送線路の長さによって、受信器の等化(Equalizing)量を伝送線路に合わせて自動に最適化する必要性が出てくる。
【0004】
従来技術では、受信波形の低周波成分と高周波成分とを高速動作可能なデジタルフィルタで抽出し、この低周波成分と高周波成分とをほぼ一致させることにより、受信等化を行っていた。
【0005】
この上記従来技術には、比較器入出力において、入出力振幅に含まれる高周波成分を抽出し、整流(rectify)した後、これらの抽出された高周波成分の差分が最小となるようにイコライザ(Equalizer)の通過帯域を最適化するものがある(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
しかし、上記従来技術では、フィルタ、整流器、整流後の高調波成分除去用キャパシタなどが必要となり、回路規模が増大してしまうという問題があった。
【非特許文献1】J.S.Choi et,al ‘A CMOS 3.5Gbps Continuous-time Adaptive Cable Equalizer with Joint Adaptive Method of Low-Frequency Gain and High- Frequency Boosting’、2003 Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers、2003、p.103-106
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、回路規模の増大を抑制しつつ、受信したデータ信号の等化量を調整することが可能な半導体集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る実施例に従った半導体集積回路は、
受信したデータ信号の等化量を調整する半導体集積回路あって、
受信したデータ信号を等化するイコライザと、
前記イコライザにより等化された前記データ信号と復元クロック信号に基づいて復元データ信号を出力するとともに、前記イコライザにより等化された前記データ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と前記復元クロック信号の位相とを比較し、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも小さいときは第1の比較信号を出力し、一方、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも大きいときは第2の比較信号を出力し、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号を出力し、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号を出力する位相比較回路と、
前記第3、第4の比較信号および基準クロック信号に基づいて、前記復元クロック信号を生成する復元クロック生成回路と、
少なくとも前記第1、第2の比較信号に基づいて、前記イコライザのピーキング量を制御する制御回路と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る実施例に従ったイコライザの制御方法は、
受信したデータ信号の等化量を調整するイコライザの制御方法あって、
受信したデータ信号をイコライザにより等化し、
前記イコライザにより等化された前記データ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と復元クロック信号の位相とを位相比較回路により比較し、
前記位相比較回路は、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも小さい場合は第1の比較信号を出力し、一方、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも大きい場合は第2の比較信号を出力し、
前記位相比較回路は、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号を出力し、
前記位相比較回路は、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号を出力し、
前記第3、第4の比較信号および基準クロック信号に基づいて、復元クロック生成回路により、前記復元クロック信号を生成し、
少なくとも前記第1、第2の比較信号に基づいて、前記イコライザのピーキング量を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る半導体集積回路によれば、回路規模の増大を抑制しつつ、受信したデータ信号の等化量を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一態様に係る半導体集積回路は、例えば、受信信号の周波数成分の情報を入力波形から直接抽出せず、 Bang−Bang型位相比較回路による位相比較の際に得られる情報を利用する。これにより、小規模の回路構成で最適な受信等化を実現する。
【0012】
例えば、Bang−Bang型位相比較回路において得られた位相比較情報からISI発生を予測させる信号を抽出し、イコライザの閾値設定にフィードバックする。
【0013】
以下、本発明に係る実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の一態様である実施例1に係る半導体集積回路100の要部の構成を示す回路図である。
【0015】
図1に示すように、受信したデータ信号の等化量を調整する半導体集積回路(CDR(Clock Data Recovery)回路)100は、イコライザ1と、位相比較回路2と、デシリアライザ3と、第1のカウンタ4と、第2のカウンタ5と、第3のカウンタ6と、制御回路7と、デジタルフィルタ8と、復元クロック生成回路9と、を備える。
【0016】
イコライザ1は、入力端子100aを介して受信したデータ信号を等化するようになっている。
【0017】
位相比較回路2は、例えば、Bang−Bang型位相比較回路である。この位相比較回路2は、このイコライザ1により等化されたデータ信号と復元クロック信号に基づいて復元データ信号Dataを出力するようになっている。
【0018】
さらに、位相比較回路2は、イコライザ1により等化されたデータ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と復元クロック信号の位相とを比較するようになっている。そして位相比較回路2は、等化されたデータ信号のビット幅が復元クロック信号の周期よりも小さいときは第1の比較信号PSを出力し、一方、等化されたデータ信号のビット幅が復元クロック信号の周期よりも大きいときは第2の比較信号PLを出力する。また、位相比較回路2は、復元クロック信号の位相がデータ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号Earlyを出力し、一方、復元クロック信号の位相がデータ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号Lateを出力する。
【0019】
デシリアライザ3は、位相検出回路2の出力信号をパラレル変換するようになっている。このデシリアライザ3によりパラレル変換された復元データ信号は、出力端子100bを介して半導体集積回路100から出力される。
【0020】
第1のカウンタ4は、第1の比較信号PSの信号量として、例えば、所定期間、デシリアライザ3によりパラレル変換された第1の比較信号PSをカウントし、このカウントされた第1のカウント値Xを制御回路7に出力するようになっている。
【0021】
第2のカウンタ5は、第2の比較信号PLの信号量として、例えば、該所定期間、デシリアライザ3によりパラレル変換された第2の比較信号PLをカウントし、このカウントされた第2のカウント値Yを制御回路7に出力するようになっている。
【0022】
第3のカウンタ6は、該所定期間、デシリアライザ3によりパラレル変換された第3の比較信号Earlyと第4の比較信号Lateとの和(加算器6aの出力)をカウントし、このカウントされた第3のカウント値Zを制御回路7に出力するようになっている。
【0023】
制御回路7は、少なくとも第1、第2の比較信号PS、PLに基づいて、イコライザのピーキング量を制御するようになっている。すなわち、制御回路7は、第1の比較信号PSの第1のカウント値Xと第2の比較信号PLの第2のカウント値Yとを比較する。そして、制御回路7は、第1のカウント値Xが第2のカウント値Yより所定値以上大きい場合には、ピーキング量を増加するようにイコライザ1を制御する。一方、制御回路7は、第2のカウント値Yが第1のカウント値Xより所定値以上大きい場合には、ピーキング量を減少するようにイコライザ1を制御する。
【0024】
特に、制御回路7は、所定期間の第3のカウント値Zが、所定値よりも小さい場合に、上述のようにイコライザ1のピーキング量を制御するようになっている。
【0025】
また、制御回路7は、復元データ信号を取り込み、デシリアライザ3が出力した復元データのデータ列に「・・・00100・・・」、「・・・11011・・・」のパターンが含まれている場合に(すなわち、データ信号100aに高周波成分が多く含まれ、ISIの影響を受けやすいパターンが含まれている場合に)、上述のようにイコライザ1のピーキング量を制御するようにしてもよい。これにより、ランダムジッタ(random jitter)起因の場合を取り込む可能性を下げることができる。
【0026】
復元クロック生成回路9は、第3、第4の比較信号Early、Lateおよび基準クロック信号に基づいて、復元クロック信号を生成するようになっている。
【0027】
ここで、位相比較回路2に入力されるデータ信号と、出力される比較信号との関係について説明する。
【0028】
図2ないし図5は、図1の位相比較回路2に入力されるデータ信号の波形、復元クロック信号の波形、および、復元クロック信号CLKにより捕捉した値に対する真理値と出力される比較信号との関係、を示す図である。
【0029】
まず、復元クロック信号CLKがデータ信号よりも進んでいる状態について説明する(図2)。この状態で、復元クロック信号CLK、反転信号CLKBのクロックエッジp、q、rで、イコライザ1により等化されたデータ信号Dataの値を捕捉する。捕捉された値をそれぞれP、Q、Rとすると、P xor Q=1& Q xor R=0の真理値を得る。したがって、位相比較回路2は、位相比較の結果この真理値が得られたとき、復元クロック信号CLKがデータ信号よりも進んでいるので、第3の比較信号Earlyを出力する。
【0030】
次に、復元クロック信号CLKがデータ信号よりも遅れている状態について説明する(図3)。この状態で、同様に復元クロック信号CLK、反転信号CLKBのクロックエッジp、q、rで、イコライザ1により等化されたデータ信号Dataの値を捕捉する。捕捉された値をそれぞれP、Q、Rとすると、P xor Q=0& Q xor R=1の真理値を得る。したがって、位相比較回路2は、位相比較の結果この真理値が得られたとき、復元クロック信号CLKがデータ信号よりも遅れているので、第4の比較信号Lateを出力する。
【0031】
次に、データ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期よりも小さい状態について説明する(図4)。この状態で、同様に復元クロック信号CLK、反転信号CLKBのクロックエッジp、q、rで、イコライザ1により等化されたデータ信号Dataの値を捕捉する。捕捉された値をそれぞれP、Q、Rとすると、P xor Q=1& Q xor R=1の真理値を得る。したがって、位相比較回路2は、位相比較の結果この真理値が得られたとき、データ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期Tよりも小さいので、第1の比較信号PSを出力する。
【0032】
次に、データ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期よりも大きい状態について説明する(図5)。この状態で、既述のように復元クロック信号CLK、反転信号CLKBのクロックエッジp、q、rで、イコライザ1により等化されたデータ信号Dataの値を捕捉する。捕捉された値をそれぞれP、Q、Rとすると、P xor Q=0& Q xor R=0の真理値を得る。したがって、位相比較回路2は、位相比較の結果この真理値が得られたとき、データ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期Tよりも大きいので、第2の比較信号PLを出力する。
【0033】
ここで、例えば、「101010・・・」のように遷移率が高いデータ信号が入力され、かつ復元クロック信号CLKがデータ信号のビット幅T’のほぼ中央に位置する場合、復元クロック信号CLKの反転信号CLKBで捕捉する値が不安定(meta−stable)になり得る。この場合、位相比較回路2が誤って第1、第2の比較信号PS、PLを出力してしまうケースがある。
【0034】
そこで、「101010・・・」のパターンのように第3、第4の比較信号Early、Lateが多く生成されるような場合(=第3のカウント値Zの値が所定値Kよりも大きいとき)は、制御回路7は第1、第2の比較信号PS、PLを取り込まないようにする。なお、所定値Kは、外部から指定可能なパラメータの値であり、半導体集積回路(CDR回路)100の動作が安定になる値に定められる。
【0035】
これにより、誤って出力された第1、第2の比較信号PS、PLに基づいて制御回路7がイコライザ1を制御しないようにすることができる。
【0036】
次に、以上に説明された真理値表を実行する位相比較回路2の回路構成の一例について説明する。
【0037】
図6は、本実施例1に係る位相比較回路2の回路構成の一例を示す回路図である。
【0038】
図6に示すように、位相比較回路2は、イコライザ1により等化されたデータ信号および復元クロック信号CLKが入力される第1のDフリップフロップ2aと、イコライザ1により等化されたデータ信号およぶ復元クロック信号を反転させた反転クロック信号CLKBが入力される第2のDフリップフロップ2bと、を有する。
【0039】
さらに、位相比較回路2は、第2のDフリップフロップ2bの出力信号B’および復元クロック信号CLKが入力される第3のDフリップフロップ2cと、第1のDフリップフロップ2aの出力信号Aおよび復元クロック信号CLKが入力され、出力信号C(復元されたデータ信号)を出力する第4のDフリップフロップ2dと、を有する。
【0040】
さらに、位相比較回路2は、第1のDフリップフロップ2aの出力信号Aおよび第3のDフリップフロップ2cの出力信号Bが入力される第1の排他的論理和演算回路2eと、第4のDフリップフロップ2dの出力信号Cおよび第3のDフリップフロップ2cの出力信号Bが入力される第2の排他的論理和演算回路2fと、を有する。
【0041】
さらに、位相比較回路2は、第1の排他的論理和演算回路2eの出力信号(A xor B)と復元クロック信号CLKが入力される第5のDフリップフロップ2gと、第2の排他的論理和演算回路2fの出力信号(C xor B)と復元クロック信号CLKが入力される第6のDフリップフロップ2hと、を有する。
【0042】
さらに、位相比較回路2は、第1の排他的論理和演算回路2eの出力信号(A xor B)が入力されるとともに第2の排他的論理和演算回路2fの出力信号(C xor B)が反転入力され、第3の比較信号Earyを出力する第1の論理積演算回路2iと、第1の排他的論理和演算回路2eの出力信号(A xor B)が反転入力されるとともに第2の排他的論理和演算回路2fの出力信号(C xor B)が入力され、第4の比較信号Lateを出力する第2の論理積演算回路2jと、を有する。
【0043】
さらに、位相比較回路2は、第5のDフリップフロップ2gの出力信号delay(A xor B)が入力されるとともに第2の排他的論理和演算回路2fの出力信号(C xor B)が入力され、第1の比較信号PSを出力する第3の論理積演算回路2kと、第6のDフリップフロップ2hの出力信号delay(C xor B)が入力されるとともに第1の排他的論理和演算回路2eの出力信号(A xor B)が入力され、第2の比較信号PLを出力する第4の論理積演算回路2lと、を有する。
【0044】
ここで、上記図6に示す位相比較回路2が各比較信号を出力する動作のタイミングチャートの一例を以下に示す。
【0045】
図7は、復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも進んでいる場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【0046】
図7に示すように、復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも進んでいる場合、第1の論理積演算回路2iの出力として第1の比較信号Early(“High”)が出力される。
【0047】
一方、図8は、復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも遅れている場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【0048】
図8に示すように、復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも遅れている場合、第2の論理積演算回路2jの出力として第2の比較信号Late(“High”)が出力される。
【0049】
ここで、「復元クロック信号の位相が進んでいる」とは、例えば、データ信号のビット幅T’のCenter(=0.5T’)に対して復元クロック信号CLKのup−edge位相が進んでいることを指している。
【0050】
また、図9は、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも大きい場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【0051】
図9に示すように、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも大きい場合、第4の論理積演算回路2lの出力として比較信号PL(“High”)が出力される。
【0052】
一方、図10は、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも小さい場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【0053】
図10に示すように、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも小さい場合、第3の論理積演算回路2kの出力として比較信号PS(“High”)が出力される。
【0054】
なお、データ信号のビット幅T’は、図9、10ではデータ信号が“High”となる期間に相当する。したがって、データ信号の論理が反転している場合には、ビット幅T’は、データ信号が“Low”となる期間に相当する。
【0055】
次に、以上のような構成・機能を有する半導体集積回路100がイコライザのピーキング量を調整する動作の一例について説明する。
【0056】
図11は、本実施例1に係る半導体集積回路100のピーキング量を調整する動作状態の遷移を示す図である。
【0057】
まず、イコライザ1により等化されたデータ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と復元クロック信号の位相とを位相比較回路2により比較する。位相比較回路2は、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期Tよりも小さい場合は、第1の比較信号PSを出力する。一方、位相比較回路2は、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも大きい場合は第2の比較信号PLを出力する。
【0058】
そして、図11に示すように、例えば、初期状態が第1の状態State1である場合、制御回路7は、第1の比較信号PSをカウントした第1のカウント値Xと第2の比較信号PLをカウントした第2のカウント値Yを比較する。そして、第1のカウント値Xが第2のカウント値Yより所定値L(LはL<Kである自然数)以上大きい場合には、第2の状態State2に遷移し、制御回路7は、ピーキング量を増加するようにイコライザ1を制御する。
【0059】
一方、第2のカウント値Yが第1のカウント値Xより所定値L以上大きい場合には、第3の状態State3に遷移し、制御回路7は、ピーキング量を減少するようにイコライザ1を制御する。
【0060】
なお、既述のように、第1、第2のカウント値に拘わらず、第3のカウント値Zの値が所定値K以上の場合は、制御回路7はピーキング量を維持するようにしてもよい。すなわち、制御回路7は、所定期間の第3、第4の比較信号をカウントした第3のカウント値Zが、所定値Kよりも小さい場合に、イコライザ1のピーキング量を制御するようにしてもよい。
【0061】
次に、図11に示すように、第1の状態State1から第2の状態State2に遷移した後、制御回路7が、再度第1、2のカウント値X、Yを取得する。そして、第1のカウント値Xが第2のカウント値Yより所定値L以上大きい場合には、制御回路7は、再度、ピーキング量を増加するようにイコライザ1を制御する。
【0062】
なお、再度取得した第3のカウント値Zの値が所定値K以上になった場合は、制御回路7はピーキング量を維持し、第1の状態State1に遷移するようにしてもよい。また、第1のカウント値Xに対する第2のカウント値Yの差が所定値L未満の場合は、第1の状態State1に遷移するようにしてもよい。
【0063】
また、図11に示すように、第1の状態State1から第3の状態State3に遷移した後、制御回路7が、再度第1、2のカウント値X、Yを取得する。そして、第2のカウント値Yが第1のカウント値Xより所定値L以上大きい場合には、制御回路7は、再度、ピーキング量を減少するようにイコライザ1を制御する。
【0064】
なお、再度取得した第3のカウント値Zの値が所定値K以上になった場合は、制御回路7はピーキング量を維持し、第1の状態State1に遷移するようにしてもよい。また、第2のカウント値Yに対する第1のカウント値Xの差が所定値L未満の場合は、第1の状態State1に遷移するようにしてもよい。
【0065】
ここで、位相比較回路2は、上記各状態において、位相比較の結果、復元クロック信号の位相がデータ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号Earlyを出力し、復元クロック信号の位相がデータ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号Lateを出力する。
【0066】
以上の半導体集積回路100の動作を繰り返すことにより、データ信号のピーキング量が調整され、データ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期Tに近づけられる。
【0067】
なお、初期状態が第2、3の状態State2、3である場合も同様に、半導体集積回路100の動作状態が遷移する。
【0068】
以上のように、本実施例に係る半導体集積回路によれば、回路規模の増大を抑制しつつ、受信したデータ信号の等化量を調整することができる。
【0069】
なお、以上の実施例で述べたような、位相比較回路に入力されるデータ信号がイコライザにデータのデータレートと等しい場合だけでなく、位相比較回路に入力されるデータのデータレート及び復元クロックのクロック周波数がイコライザに入力されるデータのデータレートの1/n(n:自然数)の場合も本発明は同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一態様である実施例1に係る半導体集積回路100の要部の構成を示す回路図である。
【図2】図1の位相比較回路2に入力されるデータ信号の波形、復元クロック信号の波形、および、復元クロック信号CLKにより捕捉した値に対する真理値と出力される比較信号との関係、を示す図である。
【図3】図1の位相比較回路2に入力されるデータ信号の波形、復元クロック信号の波形、および、復元クロック信号CLKにより捕捉した値に対する真理値と出力される比較信号との関係、を示す図である。
【図4】図1の位相比較回路2に入力されるデータ信号の波形、復元クロック信号の波形、および、復元クロック信号CLKにより捕捉した値に対する真理値と出力される比較信号との関係、を示す図である。
【図5】図1の位相比較回路2に入力されるデータ信号の波形、復元クロック信号の波形、および、復元クロック信号CLKにより捕捉した値に対する真理値と出力される比較信号との関係、を示す図である。
【図6】本実施例1に係る位相比較回路2の回路構成の一例を示す回路図である。
【図7】復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも進んでいる場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図8】復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも遅れている場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図9】等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも大きい場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図10】等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも小さい場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図11】本実施例1に係る半導体集積回路100のピーキング量を調整する動作状態の遷移を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 イコライザ
2 位相比較回路
2a 第1のDフリップフロップ
2b 第2のDフリップフロップ
2c 第3のDフリップフロップ
2d 第4のDフリップフロップ
2e 第1の排他的論理和演算回路
2f 第2の排他的論理和演算回路
2g 第5のDフリップフロップ
2h 第6のDフリップフロップ
2i 第1の論理積演算回路
2j 第2の論理積演算回路
2k 第3の論理積演算回路
2l 第4の論理積演算回路
3 デシリアライザ
4 第1のカウンタ
5 第2のカウンタ
6 第3のカウンタ
6a 加算器
7 制御回路
8 デジタルフィルタ
9 復元クロック生成回路
100 半導体集積回路
100a 出力端子
100b 入力端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、イコライザを備えた半導体集積回路およびイコライザの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、SerDes(Serializer Deserializer)回路の高周波化が進んでいる。そして、伝送線路のローパスフィルタ(Low−Pass−Filter)特性に起因するISI(Inter−symbol−Interference)によるEye波形の劣化の影響が著しくなっている。
【0003】
上記ISIが大きい場合、接続される伝送線路の長さによって、受信器の等化(Equalizing)量を伝送線路に合わせて自動に最適化する必要性が出てくる。
【0004】
従来技術では、受信波形の低周波成分と高周波成分とを高速動作可能なデジタルフィルタで抽出し、この低周波成分と高周波成分とをほぼ一致させることにより、受信等化を行っていた。
【0005】
この上記従来技術には、比較器入出力において、入出力振幅に含まれる高周波成分を抽出し、整流(rectify)した後、これらの抽出された高周波成分の差分が最小となるようにイコライザ(Equalizer)の通過帯域を最適化するものがある(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
しかし、上記従来技術では、フィルタ、整流器、整流後の高調波成分除去用キャパシタなどが必要となり、回路規模が増大してしまうという問題があった。
【非特許文献1】J.S.Choi et,al ‘A CMOS 3.5Gbps Continuous-time Adaptive Cable Equalizer with Joint Adaptive Method of Low-Frequency Gain and High- Frequency Boosting’、2003 Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers、2003、p.103-106
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、回路規模の増大を抑制しつつ、受信したデータ信号の等化量を調整することが可能な半導体集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る実施例に従った半導体集積回路は、
受信したデータ信号の等化量を調整する半導体集積回路あって、
受信したデータ信号を等化するイコライザと、
前記イコライザにより等化された前記データ信号と復元クロック信号に基づいて復元データ信号を出力するとともに、前記イコライザにより等化された前記データ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と前記復元クロック信号の位相とを比較し、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも小さいときは第1の比較信号を出力し、一方、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも大きいときは第2の比較信号を出力し、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号を出力し、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号を出力する位相比較回路と、
前記第3、第4の比較信号および基準クロック信号に基づいて、前記復元クロック信号を生成する復元クロック生成回路と、
少なくとも前記第1、第2の比較信号に基づいて、前記イコライザのピーキング量を制御する制御回路と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る実施例に従ったイコライザの制御方法は、
受信したデータ信号の等化量を調整するイコライザの制御方法あって、
受信したデータ信号をイコライザにより等化し、
前記イコライザにより等化された前記データ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と復元クロック信号の位相とを位相比較回路により比較し、
前記位相比較回路は、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも小さい場合は第1の比較信号を出力し、一方、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも大きい場合は第2の比較信号を出力し、
前記位相比較回路は、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号を出力し、
前記位相比較回路は、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号を出力し、
前記第3、第4の比較信号および基準クロック信号に基づいて、復元クロック生成回路により、前記復元クロック信号を生成し、
少なくとも前記第1、第2の比較信号に基づいて、前記イコライザのピーキング量を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る半導体集積回路によれば、回路規模の増大を抑制しつつ、受信したデータ信号の等化量を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一態様に係る半導体集積回路は、例えば、受信信号の周波数成分の情報を入力波形から直接抽出せず、 Bang−Bang型位相比較回路による位相比較の際に得られる情報を利用する。これにより、小規模の回路構成で最適な受信等化を実現する。
【0012】
例えば、Bang−Bang型位相比較回路において得られた位相比較情報からISI発生を予測させる信号を抽出し、イコライザの閾値設定にフィードバックする。
【0013】
以下、本発明に係る実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の一態様である実施例1に係る半導体集積回路100の要部の構成を示す回路図である。
【0015】
図1に示すように、受信したデータ信号の等化量を調整する半導体集積回路(CDR(Clock Data Recovery)回路)100は、イコライザ1と、位相比較回路2と、デシリアライザ3と、第1のカウンタ4と、第2のカウンタ5と、第3のカウンタ6と、制御回路7と、デジタルフィルタ8と、復元クロック生成回路9と、を備える。
【0016】
イコライザ1は、入力端子100aを介して受信したデータ信号を等化するようになっている。
【0017】
位相比較回路2は、例えば、Bang−Bang型位相比較回路である。この位相比較回路2は、このイコライザ1により等化されたデータ信号と復元クロック信号に基づいて復元データ信号Dataを出力するようになっている。
【0018】
さらに、位相比較回路2は、イコライザ1により等化されたデータ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と復元クロック信号の位相とを比較するようになっている。そして位相比較回路2は、等化されたデータ信号のビット幅が復元クロック信号の周期よりも小さいときは第1の比較信号PSを出力し、一方、等化されたデータ信号のビット幅が復元クロック信号の周期よりも大きいときは第2の比較信号PLを出力する。また、位相比較回路2は、復元クロック信号の位相がデータ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号Earlyを出力し、一方、復元クロック信号の位相がデータ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号Lateを出力する。
【0019】
デシリアライザ3は、位相検出回路2の出力信号をパラレル変換するようになっている。このデシリアライザ3によりパラレル変換された復元データ信号は、出力端子100bを介して半導体集積回路100から出力される。
【0020】
第1のカウンタ4は、第1の比較信号PSの信号量として、例えば、所定期間、デシリアライザ3によりパラレル変換された第1の比較信号PSをカウントし、このカウントされた第1のカウント値Xを制御回路7に出力するようになっている。
【0021】
第2のカウンタ5は、第2の比較信号PLの信号量として、例えば、該所定期間、デシリアライザ3によりパラレル変換された第2の比較信号PLをカウントし、このカウントされた第2のカウント値Yを制御回路7に出力するようになっている。
【0022】
第3のカウンタ6は、該所定期間、デシリアライザ3によりパラレル変換された第3の比較信号Earlyと第4の比較信号Lateとの和(加算器6aの出力)をカウントし、このカウントされた第3のカウント値Zを制御回路7に出力するようになっている。
【0023】
制御回路7は、少なくとも第1、第2の比較信号PS、PLに基づいて、イコライザのピーキング量を制御するようになっている。すなわち、制御回路7は、第1の比較信号PSの第1のカウント値Xと第2の比較信号PLの第2のカウント値Yとを比較する。そして、制御回路7は、第1のカウント値Xが第2のカウント値Yより所定値以上大きい場合には、ピーキング量を増加するようにイコライザ1を制御する。一方、制御回路7は、第2のカウント値Yが第1のカウント値Xより所定値以上大きい場合には、ピーキング量を減少するようにイコライザ1を制御する。
【0024】
特に、制御回路7は、所定期間の第3のカウント値Zが、所定値よりも小さい場合に、上述のようにイコライザ1のピーキング量を制御するようになっている。
【0025】
また、制御回路7は、復元データ信号を取り込み、デシリアライザ3が出力した復元データのデータ列に「・・・00100・・・」、「・・・11011・・・」のパターンが含まれている場合に(すなわち、データ信号100aに高周波成分が多く含まれ、ISIの影響を受けやすいパターンが含まれている場合に)、上述のようにイコライザ1のピーキング量を制御するようにしてもよい。これにより、ランダムジッタ(random jitter)起因の場合を取り込む可能性を下げることができる。
【0026】
復元クロック生成回路9は、第3、第4の比較信号Early、Lateおよび基準クロック信号に基づいて、復元クロック信号を生成するようになっている。
【0027】
ここで、位相比較回路2に入力されるデータ信号と、出力される比較信号との関係について説明する。
【0028】
図2ないし図5は、図1の位相比較回路2に入力されるデータ信号の波形、復元クロック信号の波形、および、復元クロック信号CLKにより捕捉した値に対する真理値と出力される比較信号との関係、を示す図である。
【0029】
まず、復元クロック信号CLKがデータ信号よりも進んでいる状態について説明する(図2)。この状態で、復元クロック信号CLK、反転信号CLKBのクロックエッジp、q、rで、イコライザ1により等化されたデータ信号Dataの値を捕捉する。捕捉された値をそれぞれP、Q、Rとすると、P xor Q=1& Q xor R=0の真理値を得る。したがって、位相比較回路2は、位相比較の結果この真理値が得られたとき、復元クロック信号CLKがデータ信号よりも進んでいるので、第3の比較信号Earlyを出力する。
【0030】
次に、復元クロック信号CLKがデータ信号よりも遅れている状態について説明する(図3)。この状態で、同様に復元クロック信号CLK、反転信号CLKBのクロックエッジp、q、rで、イコライザ1により等化されたデータ信号Dataの値を捕捉する。捕捉された値をそれぞれP、Q、Rとすると、P xor Q=0& Q xor R=1の真理値を得る。したがって、位相比較回路2は、位相比較の結果この真理値が得られたとき、復元クロック信号CLKがデータ信号よりも遅れているので、第4の比較信号Lateを出力する。
【0031】
次に、データ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期よりも小さい状態について説明する(図4)。この状態で、同様に復元クロック信号CLK、反転信号CLKBのクロックエッジp、q、rで、イコライザ1により等化されたデータ信号Dataの値を捕捉する。捕捉された値をそれぞれP、Q、Rとすると、P xor Q=1& Q xor R=1の真理値を得る。したがって、位相比較回路2は、位相比較の結果この真理値が得られたとき、データ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期Tよりも小さいので、第1の比較信号PSを出力する。
【0032】
次に、データ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期よりも大きい状態について説明する(図5)。この状態で、既述のように復元クロック信号CLK、反転信号CLKBのクロックエッジp、q、rで、イコライザ1により等化されたデータ信号Dataの値を捕捉する。捕捉された値をそれぞれP、Q、Rとすると、P xor Q=0& Q xor R=0の真理値を得る。したがって、位相比較回路2は、位相比較の結果この真理値が得られたとき、データ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期Tよりも大きいので、第2の比較信号PLを出力する。
【0033】
ここで、例えば、「101010・・・」のように遷移率が高いデータ信号が入力され、かつ復元クロック信号CLKがデータ信号のビット幅T’のほぼ中央に位置する場合、復元クロック信号CLKの反転信号CLKBで捕捉する値が不安定(meta−stable)になり得る。この場合、位相比較回路2が誤って第1、第2の比較信号PS、PLを出力してしまうケースがある。
【0034】
そこで、「101010・・・」のパターンのように第3、第4の比較信号Early、Lateが多く生成されるような場合(=第3のカウント値Zの値が所定値Kよりも大きいとき)は、制御回路7は第1、第2の比較信号PS、PLを取り込まないようにする。なお、所定値Kは、外部から指定可能なパラメータの値であり、半導体集積回路(CDR回路)100の動作が安定になる値に定められる。
【0035】
これにより、誤って出力された第1、第2の比較信号PS、PLに基づいて制御回路7がイコライザ1を制御しないようにすることができる。
【0036】
次に、以上に説明された真理値表を実行する位相比較回路2の回路構成の一例について説明する。
【0037】
図6は、本実施例1に係る位相比較回路2の回路構成の一例を示す回路図である。
【0038】
図6に示すように、位相比較回路2は、イコライザ1により等化されたデータ信号および復元クロック信号CLKが入力される第1のDフリップフロップ2aと、イコライザ1により等化されたデータ信号およぶ復元クロック信号を反転させた反転クロック信号CLKBが入力される第2のDフリップフロップ2bと、を有する。
【0039】
さらに、位相比較回路2は、第2のDフリップフロップ2bの出力信号B’および復元クロック信号CLKが入力される第3のDフリップフロップ2cと、第1のDフリップフロップ2aの出力信号Aおよび復元クロック信号CLKが入力され、出力信号C(復元されたデータ信号)を出力する第4のDフリップフロップ2dと、を有する。
【0040】
さらに、位相比較回路2は、第1のDフリップフロップ2aの出力信号Aおよび第3のDフリップフロップ2cの出力信号Bが入力される第1の排他的論理和演算回路2eと、第4のDフリップフロップ2dの出力信号Cおよび第3のDフリップフロップ2cの出力信号Bが入力される第2の排他的論理和演算回路2fと、を有する。
【0041】
さらに、位相比較回路2は、第1の排他的論理和演算回路2eの出力信号(A xor B)と復元クロック信号CLKが入力される第5のDフリップフロップ2gと、第2の排他的論理和演算回路2fの出力信号(C xor B)と復元クロック信号CLKが入力される第6のDフリップフロップ2hと、を有する。
【0042】
さらに、位相比較回路2は、第1の排他的論理和演算回路2eの出力信号(A xor B)が入力されるとともに第2の排他的論理和演算回路2fの出力信号(C xor B)が反転入力され、第3の比較信号Earyを出力する第1の論理積演算回路2iと、第1の排他的論理和演算回路2eの出力信号(A xor B)が反転入力されるとともに第2の排他的論理和演算回路2fの出力信号(C xor B)が入力され、第4の比較信号Lateを出力する第2の論理積演算回路2jと、を有する。
【0043】
さらに、位相比較回路2は、第5のDフリップフロップ2gの出力信号delay(A xor B)が入力されるとともに第2の排他的論理和演算回路2fの出力信号(C xor B)が入力され、第1の比較信号PSを出力する第3の論理積演算回路2kと、第6のDフリップフロップ2hの出力信号delay(C xor B)が入力されるとともに第1の排他的論理和演算回路2eの出力信号(A xor B)が入力され、第2の比較信号PLを出力する第4の論理積演算回路2lと、を有する。
【0044】
ここで、上記図6に示す位相比較回路2が各比較信号を出力する動作のタイミングチャートの一例を以下に示す。
【0045】
図7は、復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも進んでいる場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【0046】
図7に示すように、復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも進んでいる場合、第1の論理積演算回路2iの出力として第1の比較信号Early(“High”)が出力される。
【0047】
一方、図8は、復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも遅れている場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【0048】
図8に示すように、復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも遅れている場合、第2の論理積演算回路2jの出力として第2の比較信号Late(“High”)が出力される。
【0049】
ここで、「復元クロック信号の位相が進んでいる」とは、例えば、データ信号のビット幅T’のCenter(=0.5T’)に対して復元クロック信号CLKのup−edge位相が進んでいることを指している。
【0050】
また、図9は、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも大きい場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【0051】
図9に示すように、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも大きい場合、第4の論理積演算回路2lの出力として比較信号PL(“High”)が出力される。
【0052】
一方、図10は、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも小さい場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【0053】
図10に示すように、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも小さい場合、第3の論理積演算回路2kの出力として比較信号PS(“High”)が出力される。
【0054】
なお、データ信号のビット幅T’は、図9、10ではデータ信号が“High”となる期間に相当する。したがって、データ信号の論理が反転している場合には、ビット幅T’は、データ信号が“Low”となる期間に相当する。
【0055】
次に、以上のような構成・機能を有する半導体集積回路100がイコライザのピーキング量を調整する動作の一例について説明する。
【0056】
図11は、本実施例1に係る半導体集積回路100のピーキング量を調整する動作状態の遷移を示す図である。
【0057】
まず、イコライザ1により等化されたデータ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と復元クロック信号の位相とを位相比較回路2により比較する。位相比較回路2は、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期Tよりも小さい場合は、第1の比較信号PSを出力する。一方、位相比較回路2は、等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも大きい場合は第2の比較信号PLを出力する。
【0058】
そして、図11に示すように、例えば、初期状態が第1の状態State1である場合、制御回路7は、第1の比較信号PSをカウントした第1のカウント値Xと第2の比較信号PLをカウントした第2のカウント値Yを比較する。そして、第1のカウント値Xが第2のカウント値Yより所定値L(LはL<Kである自然数)以上大きい場合には、第2の状態State2に遷移し、制御回路7は、ピーキング量を増加するようにイコライザ1を制御する。
【0059】
一方、第2のカウント値Yが第1のカウント値Xより所定値L以上大きい場合には、第3の状態State3に遷移し、制御回路7は、ピーキング量を減少するようにイコライザ1を制御する。
【0060】
なお、既述のように、第1、第2のカウント値に拘わらず、第3のカウント値Zの値が所定値K以上の場合は、制御回路7はピーキング量を維持するようにしてもよい。すなわち、制御回路7は、所定期間の第3、第4の比較信号をカウントした第3のカウント値Zが、所定値Kよりも小さい場合に、イコライザ1のピーキング量を制御するようにしてもよい。
【0061】
次に、図11に示すように、第1の状態State1から第2の状態State2に遷移した後、制御回路7が、再度第1、2のカウント値X、Yを取得する。そして、第1のカウント値Xが第2のカウント値Yより所定値L以上大きい場合には、制御回路7は、再度、ピーキング量を増加するようにイコライザ1を制御する。
【0062】
なお、再度取得した第3のカウント値Zの値が所定値K以上になった場合は、制御回路7はピーキング量を維持し、第1の状態State1に遷移するようにしてもよい。また、第1のカウント値Xに対する第2のカウント値Yの差が所定値L未満の場合は、第1の状態State1に遷移するようにしてもよい。
【0063】
また、図11に示すように、第1の状態State1から第3の状態State3に遷移した後、制御回路7が、再度第1、2のカウント値X、Yを取得する。そして、第2のカウント値Yが第1のカウント値Xより所定値L以上大きい場合には、制御回路7は、再度、ピーキング量を減少するようにイコライザ1を制御する。
【0064】
なお、再度取得した第3のカウント値Zの値が所定値K以上になった場合は、制御回路7はピーキング量を維持し、第1の状態State1に遷移するようにしてもよい。また、第2のカウント値Yに対する第1のカウント値Xの差が所定値L未満の場合は、第1の状態State1に遷移するようにしてもよい。
【0065】
ここで、位相比較回路2は、上記各状態において、位相比較の結果、復元クロック信号の位相がデータ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号Earlyを出力し、復元クロック信号の位相がデータ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号Lateを出力する。
【0066】
以上の半導体集積回路100の動作を繰り返すことにより、データ信号のピーキング量が調整され、データ信号のビット幅T’が復元クロック信号CLKの周期Tに近づけられる。
【0067】
なお、初期状態が第2、3の状態State2、3である場合も同様に、半導体集積回路100の動作状態が遷移する。
【0068】
以上のように、本実施例に係る半導体集積回路によれば、回路規模の増大を抑制しつつ、受信したデータ信号の等化量を調整することができる。
【0069】
なお、以上の実施例で述べたような、位相比較回路に入力されるデータ信号がイコライザにデータのデータレートと等しい場合だけでなく、位相比較回路に入力されるデータのデータレート及び復元クロックのクロック周波数がイコライザに入力されるデータのデータレートの1/n(n:自然数)の場合も本発明は同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一態様である実施例1に係る半導体集積回路100の要部の構成を示す回路図である。
【図2】図1の位相比較回路2に入力されるデータ信号の波形、復元クロック信号の波形、および、復元クロック信号CLKにより捕捉した値に対する真理値と出力される比較信号との関係、を示す図である。
【図3】図1の位相比較回路2に入力されるデータ信号の波形、復元クロック信号の波形、および、復元クロック信号CLKにより捕捉した値に対する真理値と出力される比較信号との関係、を示す図である。
【図4】図1の位相比較回路2に入力されるデータ信号の波形、復元クロック信号の波形、および、復元クロック信号CLKにより捕捉した値に対する真理値と出力される比較信号との関係、を示す図である。
【図5】図1の位相比較回路2に入力されるデータ信号の波形、復元クロック信号の波形、および、復元クロック信号CLKにより捕捉した値に対する真理値と出力される比較信号との関係、を示す図である。
【図6】本実施例1に係る位相比較回路2の回路構成の一例を示す回路図である。
【図7】復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも進んでいる場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図8】復元クロック信号の位相が等化されたデータ信号の位相よりも遅れている場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図9】等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも大きい場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図10】等化されたデータ信号のビット幅T’が復元クロック信号の周期Tよりも小さい場合における、図6に示す構成を有する位相比較回路2の各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図11】本実施例1に係る半導体集積回路100のピーキング量を調整する動作状態の遷移を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 イコライザ
2 位相比較回路
2a 第1のDフリップフロップ
2b 第2のDフリップフロップ
2c 第3のDフリップフロップ
2d 第4のDフリップフロップ
2e 第1の排他的論理和演算回路
2f 第2の排他的論理和演算回路
2g 第5のDフリップフロップ
2h 第6のDフリップフロップ
2i 第1の論理積演算回路
2j 第2の論理積演算回路
2k 第3の論理積演算回路
2l 第4の論理積演算回路
3 デシリアライザ
4 第1のカウンタ
5 第2のカウンタ
6 第3のカウンタ
6a 加算器
7 制御回路
8 デジタルフィルタ
9 復元クロック生成回路
100 半導体集積回路
100a 出力端子
100b 入力端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したデータ信号の等化量を調整する半導体集積回路あって、
受信したデータ信号を等化するイコライザと、
前記イコライザにより等化された前記データ信号と復元クロック信号に基づいて復元データ信号を出力するとともに、前記イコライザにより等化された前記データ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と前記復元クロック信号の位相とを比較し、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも小さいときは第1の比較信号を出力し、一方、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも大きいときは第2の比較信号を出力し、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号を出力し、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号を出力する位相比較回路と、
前記第3、第4の比較信号および基準クロック信号に基づいて、前記復元クロック信号を生成する復元クロック生成回路と、
少なくとも前記第1、第2の比較信号に基づいて、前記イコライザのピーキング量を制御する制御回路と、を備える
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記第1の比較信号の信号量と前記第2の比較信号の信号量を比較し、
前記第1の比較信号の信号量が前記第2の比較信号の信号量より所定値以上大きい場合には、ピーキング量を増加するように前記イコライザを制御し、
前記第2の比較信号の信号量が前記第1の比較信号の信号量より所定値以上大きい場合には、ピーキング量を減少するように前記イコライザを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記位相検出回路の出力信号をパラレル変換するデシリアライザと、
前記デシリアライザによりパラレル変換された前記第1の比較信号をカウントする第1のカウンタと、
前記デシリアライザによりパラレル変換された前記第2の比較信号をカウントする第2のカウンタと、をさらに備え、
前記制御回路は、
前記第1の比較信号をカウントした第1のカウント値と前記第2の比較信号をカウントした第2のカウント値を比較し、
前記第1のカウント値が前記第2のカウント値より所定値以上大きい場合には、ピーキング量を増加するように前記イコライザを制御し、
前記第2のカウント値が前記第1のカウント値より所定値以上大きい場合には、ピーキング量を減少するように前記イコライザを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記デシリアライザによりパラレル変換された前記第3の比較信号および前記第4の比較信号をカウントする第3のカウンタをさらに備え、
前記制御回路は、前記第3の比較信号および前記第4の比較信号を所定期間カウントした第3のカウント値が、所定値よりも小さい場合に、前記イコライザのピーキング量を制御する
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の半導体集積回路。
【請求項5】
受信したデータ信号の等化量を調整するイコライザの制御方法あって、
受信したデータ信号をイコライザにより等化し、
前記イコライザにより等化された前記データ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と復元クロック信号の位相とを位相比較回路により比較し、
前記位相比較回路は、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも小さい場合は第1の比較信号を出力し、一方、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも大きい場合は第2の比較信号を出力し、
前記位相比較回路は、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号を出力し、
前記位相比較回路は、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号を出力し、
前記第3、第4の比較信号および基準クロック信号に基づいて、復元クロック生成回路により、前記復元クロック信号を生成し、
少なくとも前記第1、第2の比較信号に基づいて、前記イコライザのピーキング量を制御する
ことを特徴とするイコライザの制御方法。
【請求項1】
受信したデータ信号の等化量を調整する半導体集積回路あって、
受信したデータ信号を等化するイコライザと、
前記イコライザにより等化された前記データ信号と復元クロック信号に基づいて復元データ信号を出力するとともに、前記イコライザにより等化された前記データ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と前記復元クロック信号の位相とを比較し、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも小さいときは第1の比較信号を出力し、一方、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも大きいときは第2の比較信号を出力し、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号を出力し、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号を出力する位相比較回路と、
前記第3、第4の比較信号および基準クロック信号に基づいて、前記復元クロック信号を生成する復元クロック生成回路と、
少なくとも前記第1、第2の比較信号に基づいて、前記イコライザのピーキング量を制御する制御回路と、を備える
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記第1の比較信号の信号量と前記第2の比較信号の信号量を比較し、
前記第1の比較信号の信号量が前記第2の比較信号の信号量より所定値以上大きい場合には、ピーキング量を増加するように前記イコライザを制御し、
前記第2の比較信号の信号量が前記第1の比較信号の信号量より所定値以上大きい場合には、ピーキング量を減少するように前記イコライザを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記位相検出回路の出力信号をパラレル変換するデシリアライザと、
前記デシリアライザによりパラレル変換された前記第1の比較信号をカウントする第1のカウンタと、
前記デシリアライザによりパラレル変換された前記第2の比較信号をカウントする第2のカウンタと、をさらに備え、
前記制御回路は、
前記第1の比較信号をカウントした第1のカウント値と前記第2の比較信号をカウントした第2のカウント値を比較し、
前記第1のカウント値が前記第2のカウント値より所定値以上大きい場合には、ピーキング量を増加するように前記イコライザを制御し、
前記第2のカウント値が前記第1のカウント値より所定値以上大きい場合には、ピーキング量を減少するように前記イコライザを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記デシリアライザによりパラレル変換された前記第3の比較信号および前記第4の比較信号をカウントする第3のカウンタをさらに備え、
前記制御回路は、前記第3の比較信号および前記第4の比較信号を所定期間カウントした第3のカウント値が、所定値よりも小さい場合に、前記イコライザのピーキング量を制御する
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の半導体集積回路。
【請求項5】
受信したデータ信号の等化量を調整するイコライザの制御方法あって、
受信したデータ信号をイコライザにより等化し、
前記イコライザにより等化された前記データ信号の位相を検出しこのデータ信号の位相と復元クロック信号の位相とを位相比較回路により比較し、
前記位相比較回路は、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも小さい場合は第1の比較信号を出力し、一方、等化された前記データ信号のビット幅が前記復元クロック信号の周期よりも大きい場合は第2の比較信号を出力し、
前記位相比較回路は、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも進んでいる場合には第3の比較信号を出力し、
前記位相比較回路は、前記復元クロック信号の位相が前記データ信号の位相よりも遅れている場合には第4の比較信号を出力し、
前記第3、第4の比較信号および基準クロック信号に基づいて、復元クロック生成回路により、前記復元クロック信号を生成し、
少なくとも前記第1、第2の比較信号に基づいて、前記イコライザのピーキング量を制御する
ことを特徴とするイコライザの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−270864(P2008−270864A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106850(P2007−106850)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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