半田付け装置
【課題】 溶融半田の温度低下による濡れ不良を抑制する半田付け装置を提供する。
【解決手段】
溶融半田を貯えた半田貯蓄槽2と、半田貯蓄槽2と連通し、半田貯蓄槽2から送られた溶融半田で半田貯蓄槽2の上方の基板30の所望の部位に半田付けを行うノズル20と、ノズル20の周囲を覆う外周壁11と、を備え、ノズル20と外周壁11との間は、半田貯蓄槽2と連通し、ノズル20と並行して溶融半田が流動する構成とした。
【解決手段】
溶融半田を貯えた半田貯蓄槽2と、半田貯蓄槽2と連通し、半田貯蓄槽2から送られた溶融半田で半田貯蓄槽2の上方の基板30の所望の部位に半田付けを行うノズル20と、ノズル20の周囲を覆う外周壁11と、を備え、ノズル20と外周壁11との間は、半田貯蓄槽2と連通し、ノズル20と並行して溶融半田が流動する構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板(例えば、電子部品を実装する回路基板)に対して半田付けを行う半田付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、基板に部品を搭載して半田付けを行う半田付け用装置であって、部品の挿入部分に対応する箇所に開口部を有する載置部を有し、開口部の側面は載置部載置面から下方に向けて開口が広くなるテーパー面からなるものがある(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−4527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の半田付け装置では、ノズルのみが半田貯蓄槽から突出し、ノズルが大気に直接さらされているため、ノズルから大気へ放熱し、ノズル内の溶融半田の温度低下を招き、溶融半田の濡れ不良の問題がある。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、溶融半田の温度低下による濡れ不良を抑制する半田付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題解決手段は、溶融半田を貯えた半田貯蓄槽と、前記半田貯蓄槽と連通し、前記半田貯蓄槽から送られた前記溶融半田で前記半田貯蓄槽の上方の基板の所望の部位に半田付けを行うノズルと、前記ノズルの周囲を覆う外周壁と、を備え、前記ノズルと前記外周壁との間は、前記半田貯蓄槽と連通し、前記ノズルと並行して前記溶融半田が流動する構成とした。
【0007】
上記構成において、前記ノズルの上端部は、前記外周壁の上端部より上方に位置する構成とすると良い。
【0008】
また、前記半田貯蓄槽の上面を覆い前記ノズルと前記外周壁とを設けられたプレートと、前記プレート上の前記ノズルと前記外周壁との間には、底面孔を有する構成とすると良い。
【0009】
また、前記ノズル側面に側面孔を有する構成と良い。
【0010】
また、前記ノズルの上端部は、前記ノズルの外側方向に広がるテーパー形状であると良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明の半田付け装置では、ノズルの周囲に外周壁を設けることにより、溶融半田でノズルを覆うことができるため、ノズルは大気に直接さらされず、ノズルから大気へ放熱を抑え溶融半田の温度低下を抑制でき、半田濡れ不良を抑制することができる。
【0012】
また、本発明の半田付け装置では、ノズルの上端部が外周壁の上端部より上方に位置することで、基板の所望の部位以外と溶融半田との接触を抑制し、半田ボールやブリッジ等の発生を抑制できる。
【0013】
また、本発明の半田付け装置では、半田貯蓄槽の上面を覆うプレートを有することで、半田貯蓄槽内の溶融半田は大気に直接さらされず、半田貯蓄槽内の溶融半田の温度低下を抑制できる。
【0014】
また、本発明の半田付け装置では、側面孔を有することでノズルと外周壁との間の溶融半田の湯溜まりに常に高い温度の溶融半田を供給することで、ノズルの温度低下及びノズル内の溶融半田の温度低下を防ぐことができ挿入部品の半田濡れ不良を抑制することができる。さらに、側面孔から溶融半田を流出することでノズル内での対流を防ぎノズル内の溶融半田の噴流圧を高い状態で保つことができる。
【0015】
また、本発明の半田付け装置では、ノズルの上端部に、ノズルの外側方向に広がるテーパーを設けることにより、基板と溶融半田の接触面積が増えて、挿入部品及び基板の温度を高め、挿入部品の半田濡れ不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の半田付け装置の構成を示す説明図である。
【図2】図1に示す半田付け装置のA−A断面図であり溶融半田の流動を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の半田付け装置1の説明図である。半田付け装置1は、溶融半田を貯えた半田貯蓄槽2と、半田貯蓄槽2の上面を覆うプレート10とを備える。また、プレート10は、半田貯蓄槽2と連通してプレート10より上方に突出して設けられ基板30の所望の部位30a(図2参照)に、半田付けを行うノズル20と、ノズル20の周囲を覆う外周壁11とを有する。
【0019】
半田貯蓄槽2は、半田の融点より30〜80℃高い温度で溶融半田が循環して貯められる。また、半田付けされる基板30には、半田付けされる挿入部品31と半田付けされない複数の搭載部品32とが取り付けられる。
【0020】
図2は、本発明の半田付け装置1のA−A断面で、溶融半田の流動を示す説明図である。プレート10は、ノズル20と外周壁11との間であって溶融半田で満たされる空間12と、半田貯蓄槽2と空間12とを連通する底面孔13とを有する。ノズル20は、外周壁上端部11aより高い位置に空間12とノズル20内とを連通する側面孔21を有する。なお、ノズル20は、ノズル上端部20aに、ノズル20外側方向に広がるテーパー22を有する。また、ノズル20と外周壁11との高さの差14は、基板30と搭載部品下端部32aとの高さの差15より大きい。さらに、ノズル20と外周壁11は、ステンレス材料をプレスして製作される。基板30は、挿入部品31の挿入部品下端部31aが挿入され、半田付けされるスルーホール33を有する。
【0021】
本発明の実施形態の動作について説明する。
【0022】
基板30は、図示しない組み立て工程で挿入部品31と、搭載部品32とを取り付けられた後、図示しない予備加熱工程に進む。基板30と挿入部品31と搭載部品32は、予備加熱工程で予め暖められた後、図1に記載の半田付け工程に進む。
【0023】
半田付け工程では、挿入部品下端部31a周りの基板30の所望の部位30aをノズル上端部20aに接触させ、ノズル20と外周壁11に向かう溶融半田の噴流圧を高め、ノズル20及び空間12から溶融半田を噴流させ、スルーホール33を溶融半田で満たし、基板30と挿入部品31との半田付けを行う。このとき、ノズル20内で過剰となった溶融半田は、側面孔21から空間12に流入し、外周壁上端部11aから外周壁11の外側を通りプレート10上面に流れる。また、外周壁11の外側及びプレート10の上面に流れた溶融半田は、半田貯蓄槽2に還流する。
【表1】
【0024】
表1は、従来技術と本発明の半田(溶融半田)とノズルの温度の平均値、最高温度、最低温度、平均温度差、ピーク温度を示す表である。表1から、従来技術と本発明では、溶融半田の温度はほぼ変わらないが、ノズルの温度に差があり、従来技術では溶融半田とノズルの温度差が平均8.0℃に対して、本発明では3.2℃となり、ノズル20から大気へ放熱を抑え溶融半田の温度低下を抑制していることがわかる。また、ランドピーク温度(基盤30のピーク温度)が従来技術は215.2℃に対して、本発明は218.5℃となっており、基盤30の温度が高くなっていることがわかる。
【0025】
本発明の効果について説明する。
【0026】
本発明の半田付け装置1では、ノズル20の周囲に外周壁11を設けることにより、空間12に溶融半田で満たされ、溶融半田でノズル20を覆うことができるため、ノズル20は大気に直接さらされず、ノズル20から大気へ放熱を抑え溶融半田の温度低下を抑制でき、半田濡れ不良を抑制することができる。
【0027】
また、本発明の半田付け装置1では、ノズル上端部20aが外周壁上端部11aより上方に位置することで、挿入部品31以外と溶融半田との接触を抑制し、半田ボールやブリッジ等の発生を抑制できる。
【0028】
また、本発明の半田付け装置1では、半田貯蓄槽2の上面を覆うプレート10を有することで、半田貯蓄槽2内の溶融半田は大気に直接さらされず、半田貯蓄槽2内の溶融半田の温度低下を抑制できる。
【0029】
また、本発明の半田付け装置1では、側面孔21を有することでノズル20と外周壁11との間の溶融半田の湯溜まりに常に高い温度の溶融半田を供給することで、ノズル20の温度低下及びノズル20内の溶融半田の温度低下を防ぐことができ挿入部品31の半田濡れ不良を抑制することができる。さらに、側面孔21から溶融半田を流出することでノズル20内での対流を防ぎノズル20内の溶融半田の噴流圧を高い状態で保つことができる。
【0030】
また、本発明の半田付け装置1では、ノズル上端部20aに、ノズル20の外側方向に広がるテーパー22を設けることにより、基板30と溶融半田の接触面積が増えて、挿入部品31及び基板30の温度を高め、挿入部品31の半田濡れ不良を抑制することができる。
【0031】
また、本発明の半田付け装置1では、ノズル20と外周壁11との高さの差を、基板30と搭載部品32との高さの差より大きくすることで、搭載部品32の溶融半田との接触を抑制し、半田ボールやブリッジ等の発生を抑制できる。
【0032】
また、本発明の半田付け装置1では、ノズル20と外周壁11にステンレスを用いることで、プレス、曲げ、溶接にて製作することで製造コストを抑制できる。
【0033】
なお本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に示す態様に変更しても良い。
【0034】
・ノズルはプレートに取り付けられていなくても良く、例えばノズルと外周壁と小型の半田貯蓄槽が一体となった構成でも良い。その場合、半田付け装置を小型化することができる。
【0035】
・ノズルと外周壁にチタン等の金属を用いても良い。その場合、ステンレス同様、プレス、曲げ、溶接にて製作することができ、製造コストを抑制できる。
【0036】
・ノズルと外周壁にファインセラミックス等の熱伝導率の低い材料を用いても良い。その場合、ノズル20内の溶融半田の温度低下を防ぐことができ挿入部品31の半田濡れ不良を抑制することができる。
【0037】
・側面口は必ずしも外周壁上端部より高い位置になくても良くノズルと空間とを連通すれば良い。
【符号の説明】
【0038】
1 半田付け装置
2 半田貯蓄槽
10 プレート
11 外周壁
12 空間
13 底面孔
14 高さ差
20 ノズル
21 側面孔
22 テーパー
30 基板
31 挿入部品
32 搭載部品
33 スルーホール
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板(例えば、電子部品を実装する回路基板)に対して半田付けを行う半田付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、基板に部品を搭載して半田付けを行う半田付け用装置であって、部品の挿入部分に対応する箇所に開口部を有する載置部を有し、開口部の側面は載置部載置面から下方に向けて開口が広くなるテーパー面からなるものがある(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−4527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の半田付け装置では、ノズルのみが半田貯蓄槽から突出し、ノズルが大気に直接さらされているため、ノズルから大気へ放熱し、ノズル内の溶融半田の温度低下を招き、溶融半田の濡れ不良の問題がある。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、溶融半田の温度低下による濡れ不良を抑制する半田付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題解決手段は、溶融半田を貯えた半田貯蓄槽と、前記半田貯蓄槽と連通し、前記半田貯蓄槽から送られた前記溶融半田で前記半田貯蓄槽の上方の基板の所望の部位に半田付けを行うノズルと、前記ノズルの周囲を覆う外周壁と、を備え、前記ノズルと前記外周壁との間は、前記半田貯蓄槽と連通し、前記ノズルと並行して前記溶融半田が流動する構成とした。
【0007】
上記構成において、前記ノズルの上端部は、前記外周壁の上端部より上方に位置する構成とすると良い。
【0008】
また、前記半田貯蓄槽の上面を覆い前記ノズルと前記外周壁とを設けられたプレートと、前記プレート上の前記ノズルと前記外周壁との間には、底面孔を有する構成とすると良い。
【0009】
また、前記ノズル側面に側面孔を有する構成と良い。
【0010】
また、前記ノズルの上端部は、前記ノズルの外側方向に広がるテーパー形状であると良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明の半田付け装置では、ノズルの周囲に外周壁を設けることにより、溶融半田でノズルを覆うことができるため、ノズルは大気に直接さらされず、ノズルから大気へ放熱を抑え溶融半田の温度低下を抑制でき、半田濡れ不良を抑制することができる。
【0012】
また、本発明の半田付け装置では、ノズルの上端部が外周壁の上端部より上方に位置することで、基板の所望の部位以外と溶融半田との接触を抑制し、半田ボールやブリッジ等の発生を抑制できる。
【0013】
また、本発明の半田付け装置では、半田貯蓄槽の上面を覆うプレートを有することで、半田貯蓄槽内の溶融半田は大気に直接さらされず、半田貯蓄槽内の溶融半田の温度低下を抑制できる。
【0014】
また、本発明の半田付け装置では、側面孔を有することでノズルと外周壁との間の溶融半田の湯溜まりに常に高い温度の溶融半田を供給することで、ノズルの温度低下及びノズル内の溶融半田の温度低下を防ぐことができ挿入部品の半田濡れ不良を抑制することができる。さらに、側面孔から溶融半田を流出することでノズル内での対流を防ぎノズル内の溶融半田の噴流圧を高い状態で保つことができる。
【0015】
また、本発明の半田付け装置では、ノズルの上端部に、ノズルの外側方向に広がるテーパーを設けることにより、基板と溶融半田の接触面積が増えて、挿入部品及び基板の温度を高め、挿入部品の半田濡れ不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の半田付け装置の構成を示す説明図である。
【図2】図1に示す半田付け装置のA−A断面図であり溶融半田の流動を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の半田付け装置1の説明図である。半田付け装置1は、溶融半田を貯えた半田貯蓄槽2と、半田貯蓄槽2の上面を覆うプレート10とを備える。また、プレート10は、半田貯蓄槽2と連通してプレート10より上方に突出して設けられ基板30の所望の部位30a(図2参照)に、半田付けを行うノズル20と、ノズル20の周囲を覆う外周壁11とを有する。
【0019】
半田貯蓄槽2は、半田の融点より30〜80℃高い温度で溶融半田が循環して貯められる。また、半田付けされる基板30には、半田付けされる挿入部品31と半田付けされない複数の搭載部品32とが取り付けられる。
【0020】
図2は、本発明の半田付け装置1のA−A断面で、溶融半田の流動を示す説明図である。プレート10は、ノズル20と外周壁11との間であって溶融半田で満たされる空間12と、半田貯蓄槽2と空間12とを連通する底面孔13とを有する。ノズル20は、外周壁上端部11aより高い位置に空間12とノズル20内とを連通する側面孔21を有する。なお、ノズル20は、ノズル上端部20aに、ノズル20外側方向に広がるテーパー22を有する。また、ノズル20と外周壁11との高さの差14は、基板30と搭載部品下端部32aとの高さの差15より大きい。さらに、ノズル20と外周壁11は、ステンレス材料をプレスして製作される。基板30は、挿入部品31の挿入部品下端部31aが挿入され、半田付けされるスルーホール33を有する。
【0021】
本発明の実施形態の動作について説明する。
【0022】
基板30は、図示しない組み立て工程で挿入部品31と、搭載部品32とを取り付けられた後、図示しない予備加熱工程に進む。基板30と挿入部品31と搭載部品32は、予備加熱工程で予め暖められた後、図1に記載の半田付け工程に進む。
【0023】
半田付け工程では、挿入部品下端部31a周りの基板30の所望の部位30aをノズル上端部20aに接触させ、ノズル20と外周壁11に向かう溶融半田の噴流圧を高め、ノズル20及び空間12から溶融半田を噴流させ、スルーホール33を溶融半田で満たし、基板30と挿入部品31との半田付けを行う。このとき、ノズル20内で過剰となった溶融半田は、側面孔21から空間12に流入し、外周壁上端部11aから外周壁11の外側を通りプレート10上面に流れる。また、外周壁11の外側及びプレート10の上面に流れた溶融半田は、半田貯蓄槽2に還流する。
【表1】
【0024】
表1は、従来技術と本発明の半田(溶融半田)とノズルの温度の平均値、最高温度、最低温度、平均温度差、ピーク温度を示す表である。表1から、従来技術と本発明では、溶融半田の温度はほぼ変わらないが、ノズルの温度に差があり、従来技術では溶融半田とノズルの温度差が平均8.0℃に対して、本発明では3.2℃となり、ノズル20から大気へ放熱を抑え溶融半田の温度低下を抑制していることがわかる。また、ランドピーク温度(基盤30のピーク温度)が従来技術は215.2℃に対して、本発明は218.5℃となっており、基盤30の温度が高くなっていることがわかる。
【0025】
本発明の効果について説明する。
【0026】
本発明の半田付け装置1では、ノズル20の周囲に外周壁11を設けることにより、空間12に溶融半田で満たされ、溶融半田でノズル20を覆うことができるため、ノズル20は大気に直接さらされず、ノズル20から大気へ放熱を抑え溶融半田の温度低下を抑制でき、半田濡れ不良を抑制することができる。
【0027】
また、本発明の半田付け装置1では、ノズル上端部20aが外周壁上端部11aより上方に位置することで、挿入部品31以外と溶融半田との接触を抑制し、半田ボールやブリッジ等の発生を抑制できる。
【0028】
また、本発明の半田付け装置1では、半田貯蓄槽2の上面を覆うプレート10を有することで、半田貯蓄槽2内の溶融半田は大気に直接さらされず、半田貯蓄槽2内の溶融半田の温度低下を抑制できる。
【0029】
また、本発明の半田付け装置1では、側面孔21を有することでノズル20と外周壁11との間の溶融半田の湯溜まりに常に高い温度の溶融半田を供給することで、ノズル20の温度低下及びノズル20内の溶融半田の温度低下を防ぐことができ挿入部品31の半田濡れ不良を抑制することができる。さらに、側面孔21から溶融半田を流出することでノズル20内での対流を防ぎノズル20内の溶融半田の噴流圧を高い状態で保つことができる。
【0030】
また、本発明の半田付け装置1では、ノズル上端部20aに、ノズル20の外側方向に広がるテーパー22を設けることにより、基板30と溶融半田の接触面積が増えて、挿入部品31及び基板30の温度を高め、挿入部品31の半田濡れ不良を抑制することができる。
【0031】
また、本発明の半田付け装置1では、ノズル20と外周壁11との高さの差を、基板30と搭載部品32との高さの差より大きくすることで、搭載部品32の溶融半田との接触を抑制し、半田ボールやブリッジ等の発生を抑制できる。
【0032】
また、本発明の半田付け装置1では、ノズル20と外周壁11にステンレスを用いることで、プレス、曲げ、溶接にて製作することで製造コストを抑制できる。
【0033】
なお本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に示す態様に変更しても良い。
【0034】
・ノズルはプレートに取り付けられていなくても良く、例えばノズルと外周壁と小型の半田貯蓄槽が一体となった構成でも良い。その場合、半田付け装置を小型化することができる。
【0035】
・ノズルと外周壁にチタン等の金属を用いても良い。その場合、ステンレス同様、プレス、曲げ、溶接にて製作することができ、製造コストを抑制できる。
【0036】
・ノズルと外周壁にファインセラミックス等の熱伝導率の低い材料を用いても良い。その場合、ノズル20内の溶融半田の温度低下を防ぐことができ挿入部品31の半田濡れ不良を抑制することができる。
【0037】
・側面口は必ずしも外周壁上端部より高い位置になくても良くノズルと空間とを連通すれば良い。
【符号の説明】
【0038】
1 半田付け装置
2 半田貯蓄槽
10 プレート
11 外周壁
12 空間
13 底面孔
14 高さ差
20 ノズル
21 側面孔
22 テーパー
30 基板
31 挿入部品
32 搭載部品
33 スルーホール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融半田を貯えた半田貯蓄槽と、
前記半田貯蓄槽と連通し、前記半田貯蓄槽から送られた前記溶融半田で前記半田貯蓄槽の上方の基板の所望の部位に半田付けを行うノズルと、
前記ノズルの周囲を覆う外周壁と、を備え、
前記ノズルと前記外周壁との間は、前記半田貯蓄槽と連通し、前記ノズルと並行して前記溶融半田が流動する半田付け装置。
【請求項2】
前記ノズルの上端部は、前記外周壁の上端部より上方に位置することを特徴とする請求項1に記載の半田付け装置。
【請求項3】
前記半田貯蓄槽の上面を覆い前記ノズルと前記外周壁とを設けられたプレートと、
前記プレート上の前記ノズルと前記外周壁との間には、底面孔を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の半田付け装置。
【請求項4】
前記ノズル側面に側面孔を有する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半田付け装置。
【請求項5】
前記ノズルの上端部は、前記ノズルの外側方向に広がるテーパー形状である、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半田付け装置。
【請求項1】
溶融半田を貯えた半田貯蓄槽と、
前記半田貯蓄槽と連通し、前記半田貯蓄槽から送られた前記溶融半田で前記半田貯蓄槽の上方の基板の所望の部位に半田付けを行うノズルと、
前記ノズルの周囲を覆う外周壁と、を備え、
前記ノズルと前記外周壁との間は、前記半田貯蓄槽と連通し、前記ノズルと並行して前記溶融半田が流動する半田付け装置。
【請求項2】
前記ノズルの上端部は、前記外周壁の上端部より上方に位置することを特徴とする請求項1に記載の半田付け装置。
【請求項3】
前記半田貯蓄槽の上面を覆い前記ノズルと前記外周壁とを設けられたプレートと、
前記プレート上の前記ノズルと前記外周壁との間には、底面孔を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の半田付け装置。
【請求項4】
前記ノズル側面に側面孔を有する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半田付け装置。
【請求項5】
前記ノズルの上端部は、前記ノズルの外側方向に広がるテーパー形状である、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半田付け装置。
【図1】
【図2】
【図2】
【公開番号】特開2013−10127(P2013−10127A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145343(P2011−145343)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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