説明

卓上切断機

【課題】幅方向両端部が反対側に傾斜するクラウンモールド材を傾斜切りする場合に、従来はテーブルに寝かせた状態で切断機本体を一定角度斜め切り方向に傾斜させる必要があり、この種の切断加工が面倒であり、精確に行うことが困難であった。本発明では、切断機本体は直角切り位置のままでテーブルを回転させるだけで、この種の切断材について迅速かつ精確に傾斜切りできるようにすることを目的とする。
【解決手段】固定カバー11bのスピンドル16よりも後ろ側の下端部11cを前側の下端部11dよりも上側へ寸法L0だけ逃がして切り込み深さを大きくすることにより、切断材W2を斜めに立てかけて切断できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば円形の砥石あるいは鋸刃等の回転刃具を備えた切断機本体を下動させて、テーブル上に固定した切断材を切断加工等する形態の卓上切断機に関する。
この明細書では、切断加工には、被加工材を分離する加工形態の他、被加工材を分離しないが切り込みを入れる溝入れ加工、被加工材を研削する加工等をも含むものとする。
【背景技術】
【0002】
この種の卓上切断機においては、回転刃具の上側ほぼ半周の範囲が本体ケース(ブレードケース)に覆われ、下側ほぼ半周の範囲が開閉式の可動カバーで覆われた構成としたものが提供されている。本体ケースの背面側には、駆動源としての電動モータが配置されている。この電動モータの回転出力は減速用のギヤ列を経てスピンドルに伝達される。スピンドルは本体ケース内に突き出されており、この突き出し部分に回転刃具が取り付けられている。
切断機本体の下動に伴って可動カバーが徐々に開かれて、回転刃具の下側が露出されていき、この露出部分が切断材を切り込んでいく。このため、回転刃具の切断材に対する切り込み可能な範囲は、一般的にはスピンドルよりも下側の範囲に限定される。また、通常スピンドルは本体カバーの背面側に軸受けを介して支持された構成とされていることから、結果的に回転刃具の切断材に対する切り込み可能な範囲は、最大で本体ケースから下方へ露出された範囲に限られる。
これに対して下記の特許文献には、回転刃具を取り付けたスピンドルを本体ケースの下端よりもさらに下方に変位させた構成が開示されている。この特許文献に開示された技術によれば、駆動源としての電動モータの出力軸とスピンドルとの間にベルト駆動機構を介装し、あるいは複数段階のギヤの噛み合いによる減速機構を介装することにより、電動モータの出力軸とスピンドルとの間の軸間距離を通常よりも大きく確保し、これにより、電動モータをより上方へずらした位置に配置し、また本体ケースの下端部を上方へ変位させる結果回転刃具の下方への露出範囲を広くした構成となっていた。
【特許文献1】米国特許公報第2002/0152867号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の技術にもさらに改良を加える必要があった。すなわち、上記従来の技術により、スピンドルが本体ケースの下端よりも下側に配置されたことにより回転刃具の最大の切り込み深さがスピンドルまでの範囲に広がり、その結果より板厚の大きな切断材を切断加工することが可能になったものの、この点は切断材をテーブル上面に沿って寝かせた状態で切断加工を行う場合には有効であったが、次のような特殊な形態の切断加工については未だ不十分な場合があった。
例えば、主として住宅建材用の切断材であって幅方向両端部が板厚方向に相互に反対側に傾斜したいわゆるクラウンモールド材を幅方向斜めに傾斜切りする場合には、幅方向両端部の傾斜端面について精確な角度で切り込む必要上、一般にはこれをテーブルと位置決め用のフェンスとの間に斜めに立てかけて切断材を位置決め固定して、その幅方向両端部の傾斜端面をそれぞれテーブル上面とフェンスの位置決め面に面当たり状態で当接させ、この状態でテーブルを回転させて回転刃具を斜めに切り込んで傾斜切り切断加工が行われている。
なお、この明細書では、テーブルを一定角度だけ回転させて行う切断形態(スピンドルがテーブル上面に対して平行な状態での切断形態)を「斜め切り」、切断機本体を左右に傾斜させて行う切断形態(スピンドルがテーブル上面に対して傾斜した状態での切断形態)を「傾斜切り」と称して区別する。
係る特殊な形態の切断加工(テーブルと位置決めフェンスとの間に斜めに立てかけて行う切断加工)の場合には、最大切り込み深さはスピンドルではなく、依然として本体ケースのスピンドルよりも後部側の下端部の位置による制約を受ける。このため、比較的幅広の切断材を斜めに立て掛けて切断加工を行う場合には、先に本体ケースの下端部が位置決めフェンスの上端部等に当たってそれ以上の切り込みが不可能となるため、やむを得ずテーブル上に寝かせて切断加工を行わざるを得ない場合があった。この点は、切断材を斜めに立てかけて行う切断形態の場合に限らず、幅方向を位置決めフェンスに沿って立てかけた直立状態での切断加工でも同様であった。
特に、上記したクラウンモールド材をテーブル上に寝かせて切断加工を行う場合には、幅方向両端の傾斜端面について精確な角度で切り込む必要上、テーブルを回転させて回転刃具の切り込み方向を幅方向について傾斜させることに加えて、切断機本体を斜めに傾斜させて板厚方向の切り込み方向についても適切な角度で傾斜させる必要があり、この点でこの種の切断加工に手間がかかっていた。従来、クラウンモールド材の切断加工については、その幅方向両端部の傾斜角度と、幅方向及び板厚方向について回転刃具の切り込み角度との対応関係を数値表示した一覧表等を用いて切断機本体の傾斜角度等を決定しており、この点で迅速かつ精確な傾斜切り加工を行うことが困難であった。
本発明は、主として幅広の板材をその幅方向についてテーブルと位置決めフェンスとの間に斜めに立てかけた状態若しくは位置決めフェンスの位置決め面に沿ってその幅方向を上下に立てかけた状態で切断加工を行うことができ、これにより上記クラウンモールド材のような特殊な板材の切断加工をも迅速かつ精確に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このため、本発明は、特許請求の範囲の各請求項に記載した構成の卓上切断機とした。
請求項1記載の卓上切断機によれば、切断機本体を下動させて、回転刃具の本体ケースから下方へ突き出されて露出された部分が切断材に切り込まれて当該切断材が切断加工される。切断材は、テーブル上で位置決めフェンスによりテーブル面方向に位置決めされた状態で固定されている。位置決めフェンスは、テーブル上面から上方へ立ち上がる状態に設けられてその側面がテーブル面に直交する位置決め面とされている。
本体ケースの、スピンドルに対して後ろ側となる下端部が上記位置決めフェンスとの干渉を避けるためにスピンドルに対して前側(使用者から見て手前側)となる下端部よりも上側に逃がされている。このため、スピンドルに対して後ろ側の下端部が上側に逃がされてその切り込み深さが前側よりも大きく設定されていることから、本体ケースとの干渉を問題にすることなく、高さの高い位置決めフェンスを用いることができる。高い位置決めフェンス(位置決め面)を用いることにより、幅広の切断材をテーブル上面との間に斜めに掛け渡した状態に立てかけることができ、ひいてはいわゆるクラウンモールド材の傾斜切り加工を迅速かつ精確に行うことができる。
また、スピンドルに対して後ろ側の下端部の範囲で下方へ突き出す回転刃具の切断材への切り込み深さをスピンドルに対して前側の下端部よりも大きくすることができ、これにより比較的幅広の切断材を、位置決めフェンスに沿って直立状態に立てかけた状態で、あるいはテーブル上面と位置決めフェンスとの間に斜めに掛け渡した状態で切断することができる。
請求項2記載の卓上切断機によれば、電動モータの出力軸とスピンドルとの間の軸間距離が大きくなって電動モータをより上側に変位した位置に配置することができる。電動モータがより上側へ変位していることによりその分だけより高い位置決めフェンスを用いることができることから、この点で上記クラウンモールド材等の切断加工をより一層迅速かつ精確に行うことができる。また、切断機本体をより大きな角度で電動モータ側へ傾斜させることができるので、いわゆる斜め切り可能な角度範囲を大きくして当該卓上切断機の適用範囲を拡大し、またその使い勝手をよくすることができる。
請求項3記載の卓上切断機によれば、駆動ギヤに噛み合う中間ギヤとしての従動ギヤを支持する中間軸が固定カバー部に対して軸方向には移動不能に固定されていることから、駆動ギヤと従動ギヤの噛み合いを経て発生するスラスト方向の荷重若しくは衝撃を固定カバー部側で強固に受けることができる。このため、例えば電動モータの主として起動、停止時に発生する従動ギヤに付加されるスラスト方向の衝撃を低減して、その耐久性を高め、またギヤ音の発生を抑制することができる。
請求項3記載の構成によれば、例えば電動モータを斜め下向きに配置した結果として、電動モータの出力軸に駆動ギヤとしてかさ歯ギヤを設け、従ってこれが噛み合う従動ギヤとしてかさ歯ギヤを用いる場合に、これらの噛み合いにより発生するスラスト方向の荷重及び衝撃を固定カバー部側で強固に受けることができる点で大きな作用効果を得ることができる。
請求項4記載の卓上切断機によれば、上記のクラウンモールド材について高い汎用性を持たせることができる。市場で多用されるサイズ(最大幅寸法が約168.3mm)のクラウンモールド材をテーブル上面と位置決めフェンスとの間に45°で斜めに立て掛けた場合に、当該クラウンモールド材のテーブル上面からの高さ寸法が約119mmになることから、請求項4記載の卓上切断機を用いることにより、このサイズのクラウンモールド材を斜めに立て掛けて精確かつ迅速に切断加工を行うことができる。
L1=97mm、L2=81mmである場合と、逆にL1=81mm、L2=97mmである場合の双方について、L3=119mm〜145mmに設定することにより、同様の作用効果を得ることができる。
請求項5記載の卓上切断機によれば、例えば市場で多用されるクラウンモールド材を位置決めフェンスとテーブルの上面との間に斜めに立て掛けて、10インチタイプのチップソーを用いて切断加工を行う場合に、切断材に対する固定カバー等の干渉を発生することなく、かつ切り残しを生ずることなく切断加工を行うことができる。
請求項6記載の卓上切断機によれば、電動モータの回転出力が少なくとも2段階のギヤの噛み合わせを経て減速されてスピンドルに伝達されることから、電動モータの出力軸とスピンドルとの間の軸間距離を大きく設定することができる。このため、電動モータをより上側に配置して固定カバー部の上方への逃がし寸法を大きく設定することができ、これにより回転刃具の切り込み深さを大きく設定することができる。しかも、電動モータが斜め下向きに配置されているため、切断機本体を従来よりも大きな角度で電動モータ側へ傾斜させることができ、これにより従来よりも大きな角度の斜め切り加工が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
次に、本発明の実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る卓上切断機1の全体を示している。本実施形態では、この卓上切断機1としていわゆるスライド形の卓上丸鋸盤を例示している。図1において、当該卓上切断機1の右側に使用者が位置する。以下の説明では、使用者側(図1において右側)を前側とし、使用者から遠ざかる側(図1において左側)を後ろ側とする。また、図2に示すように左右方向については使用者を基準とする。
この卓上切断機1は、切断材Wを載置するためのテーブル2と、このテーブル2を水平回転可能に支持するベース3と、テーブル2に切断機本体10を支持するための本体支持部5を備えている。テーブル2は、回転軸4を介してベース3の上面に水平回転可能に支持されている。テーブル2の前部には、当該テーブル2をベース3に対して一定の角度位置に位置決め及び固定するための位置決め機構6が設けられている。
テーブル2の上面側には、切断材をテーブル面方向に位置決めするための位置決めフェンス7が設けられている。この位置決めフェンス7は、テーブル2の上方を左右に跨った状態でベース3側に支持されており、その下端部とテーブル2の上面との間には僅かな隙間が設けられて当該テーブル2の回転が許容されるようになっている。
位置決めフェンス7の前面(使用者側の側面)が、切断材Wが当接される位置決め面7aとなっている。図2に示すようにこの位置決め面7aは、回転刃具12を通過させるための隙間をおいて左右に二分されている。両位置決め面7a,7aはその背面側で円弧形の結合部7bによって一体結合されている。
図1に示すように左右の位置決め面7a,7a(両者間の延長面)は、テーブル2の回転中心(回転軸4)に一致している。このため、平面的に見ると、テーブル2の全回転範囲について、位置決め面7a,7aは常時回転軸4(テーブル2の回転中心)を通る状態に維持される。
図2に示すように本実施形態における位置決めフェンス7は、位置決め面7a,7aのテーブル上面からの高さを大きくするための補助フェンス8を備えている。補助フェンス8を取り付けると、当該位置決めフェンス7の位置決め面7a,7aは高さ寸法が大きくなり、これにより薄板形状の切断材W1をその幅方向を上下にして位置決め面7a,7aに当接させることにより、当該切断材W1を精確に直立状態に位置決めすることができる。また、補助フェンス8,8を用いることにより位置決め面7a,7aの高さを大幅に高くすることができるので、幅方向両端部が板厚方向に傾斜した形態を有するいわゆるクラウンモールド材と呼ばれる切断材W2について、一方の傾斜端面W2aをテーブル2の上面に当接させ、他方の傾斜端面W2bを位置決め面7a,7aの上部に当接させて、当該位置決めフェンス7とテーブル2の上面との間に斜めに立て掛けた状態に位置決めすることができる。これについてはさらに後述する。
【0006】
次に、テーブル2の後部に本体支持部5が設けられている。この本体支持部5は、切断機本体10をテーブル2に対して水平方向(使用者から見て前後方向、図1において左右方向)にスライド可能かつ左右(図1において紙面に直交する方向)に傾動可能かつ上下に傾動可能に支持するもので、下スライド機構5a、左右傾動機構5b、上スライド機構5c、上下傾動機構5dを備えている。
下スライド機構5aは、テーブル2の下面側に沿って軸方向にスライド可能に支持した左右一対のスライドバー5a,5aを主体とするもので、両スライドバー5a,5aの後端部に左右傾動機構5bが取り付けられている。この左右傾動機構5bによって切断機本体10を使用者から見て左右に傾動させることができ、これによりいわゆる斜め切りを行うことができる。左右傾動機構5bを直角位置に固定するといわゆる直角切りを行うことができる。
左右傾動機構5bの上部に上スライド機構5cが取り付けられている。この上スライド機構5cも左右一対のスライドバーを主体とするもので、上下のスライド機構5a,5cのスライド方向は相互に平行に設定されている。
上スライド機構5cの前部に上下傾動機構5dが設けられている。上下傾動機構5dの傾動軸5eを介して切断機本体10が上下に傾動可能に支持されている。
切断機本体10は、本体ケース11を備えており、この本体ケース11の支持アーム部11aが傾動軸5eを介して上下傾動機構5dに上下に傾動可能に支持されている。本体ケース11は、支持アーム部11aの他に固定カバー部11bを備えている。固定カバー部11bによって回転刃具12の上側ほぼ半周の範囲が覆われている。
【0007】
回転刃具12の下側ほぼ半周の範囲は開閉可能な可動カバー13によって覆われる。この可動カバー13は、支軸13aを介して固定カバー部11bに上下に回動可能に支持されている。また、この可動カバー13は、リンクアーム14を介して上下傾動機構5dに連係されている。このため、この可動カバー13は、切断機本体10の下動に伴って図1中反時計回り方向に回動して開かれ、切断機本体10の上動に伴って時計回り方向に回動して閉じられる。可動カバー13が開かれると回転刃具12の下側が露出され、この露出部分が切断材Wに切り込まれる。切断機本体10の上動に伴って可動カバー13が閉じられると、回転刃具12が固定カバー部11bと可動カバー13によってほぼ完全に覆われた状態となる。
固定カバー部11bの背面側(図2において右側面)には、駆動源としての電動モータ15が取り付けられている。この電動モータ15は出力側を下側にしてその回転軸線を概ね45°で傾斜させた状態(後部側を上側にした状態)に取り付けられている。この電動モータ15によってスピンドル16が回転する。このスピンドル16に円形の回転刃具12が取り付けられている。スピンドル16の回転軸線が回転刃具12の回転中心Cとなる。
電動モータ15の回転出力は、回転動力伝達機構としてのギヤ列20を介してスピンドル16に伝達される。このギヤ列20を含む駆動系P1の詳細が図3に示されている。
電動モータ15の出力軸15aの先端には駆動ギヤ15bが形成されている。この駆動ギヤ15bは、従動ギヤ21に噛み合わされている。この従動ギヤ21は、第1中間軸22に固定されている。この第1中間軸22には、従動ギヤ21の他に第1中間ギヤ23が取り付けられている。この第1中間ギヤ23は、第1中間軸22を介して従動ギヤ21と一体で回転する。第1中間ギヤ23は、第2中間ギヤ24に噛み合わされている。この第2中間ギヤ24は、上記第1中間軸22に平行に配置された第2中間軸25に固定されている。この第2中間軸25及び上記第1中間軸22は、それぞれ軸受けを介して固定カバー部11bの背面側に軸線回りに回転自在に支持されている。
【0008】
第2中間ギヤ24は、スピンドル16に固定された出力ギヤ26に噛み合わされている。スピンドル16は、軸受け27,28を介して固定カバー部11bの背面側に回転自在に支持されている。このように、本実施形態では、電動モータ15の出力軸15aと、スピンドル16との間に2段階の噛み合いを有するギヤ列20が介在されている。このため、電動モータの出力ギヤが直接スピンドルの出力ギヤに噛み合わされた場合に比して、電動モータ15がスピンドル16から上方へ大きく変位した位置に配置されている。電動モー15は、スピンドル16から上方へ大きく変位した位置において、さらに上記したようにその後部側を上側とする斜め下向きの姿勢で取り付けられている。
回転刃具12は、図1において時計回り方向に回転する。固定カバー部11bの下端部中央にスピンドル16が位置している。このスピンドル16に対して後ろ側(図1において左側)となる下端部11cは、前側(図1において右側)となる下端部11dよりも上方に変位した位置に寸法L0だけ逃がされている。図1に示すように切断機本体10を下動させた状態では、後ろ側の下端部11cの下方に位置決めフェンス7が位置する。このように、下方に位置決めフェンス7が位置することとなる、固定カバー部11bの後ろ側の下端部11cが前側の下端部11dよりも上方へ寸法L0だけ逃がされていることにより、当該位置決めフェンス7に補助フェンス8,8を用いてその位置決め面7a,7aを高くしても、下端部11cを位置決めフェンス7に干渉させることなく、切断機本体10を下動端まで下動が許容されるようになっている。
上記の逃がし寸法L0は、例えば次の条件を考慮して設定することができる。図1に示すように切断機本体10を下降端位置まで下降させた状態において、回転刃具12の回転中心Cからテーブル2の上面(切断材載置面)までの垂直距離L1がL1=97mm、回転刃具12の回転中心Cから位置決めフェンス7の位置決め面7aまでの水平距離L2がL2=81mmである場合に、テーブル2の上面から後ろ側の下端部11cまでの高さ寸法(垂直距離L3)がL3=119mm〜145mmの範囲となるように、当該後ろ側の下端部11cを設定することにより、その逃がし寸法L0を適切に設定することができる。
上記のL1=97mm及びL2=81mmという数値は、10インチタイプのチップソー(直径:253mm〜262mm)を使用して通常切断を行った場合、テーブル2の上面と位置決め面7aの交点付近に切り残しができないように数mmほど余裕を残した位置設定である([972+8121/2×2=約252.74)。つまり、L1=97mmやL2=81mmのどちらかの数値を数mm大きくすると、切り残しができてしまうことになる。
垂直距離L3の最小値119mmは、市場で多用されるクラウンモールド材に合わせたものであり、そのクラウンモールド材を斜めに立て掛けた場合のテーブル上面からの高さが119mmなのである。また、垂直距離L3の最大値145mmは、大形のクラウンモールド材を切断する場合を想定した数値であり、クラウンモールド材を斜めに立て掛けて固定カバー部11bの下端部11dに干渉しないギリギリの大きさのクラウンモールド材を切断する場合に必要な数値である。本実施形態では、この垂直距離L3は125mmに設定されている。
上記垂直距離L3の最小値119mmを得るための条件である垂直距離L1と水平距離L2については、上記とは逆にL1=81mm、L2=97mmである場合にも同様の作用効果を得ることができる。
【0009】
以上のように構成した本実施形態の卓上切断機1によれば、下方に位置決めフェンス7が位置することとなる、固定カバー部11bの後ろ側の下端部11cが前側の下端部11dに対して上方へ逃がされているため、当該位置決めフェンス7に補助フェンス8,8を用いる等してその位置決め面7a,7aの高さを十分に高くした場合であっても位置決めフェンス7(補助フェンス8)に対する当該下端部11cの干渉を回避して回転刃具12の切り込み深さを十分に確保することができる。
位置決め面7a,7aを高くすることにより、例えば図1に示すように一定幅の帯板形状を有する切断材W1を直立に立てかけた状態で固定してその切断作業を行うことができる。
また、いわゆるクラウンモールド材であって、板材の幅方向両端部が相互に反対方向に傾斜して断面台形を有する切断材W2を、図1に示すようにその一方の傾斜端面W2aをテーブル2の上面に当接させ、他方の傾斜端面W2bを位置決めフェンス7の位置決め面7a,7aに当接させて両者2,7間に斜めに立て掛けた状態に位置決めして、当該切断材W2の切断加工を行うことができる。特に、この形態の切断材W2(クラウンモールド材)を幅方向に傾斜切りする場合には、これをテーブル2の上面に沿って寝かせた通常の位置決め状態あるいは位置決め面7a,7aに沿って直立に立てかけた状態とすると、単にテーブル2を直角切り位置から一定角度回転させただけでは、幅方向両端の傾斜端部について精確な角度で傾斜切りを行うことができない。このため、前記したように従来は傾斜角度対応表を用いて切断機本体10を切断進行方向に対して左若しくは右側に僅かに傾斜させることにより、幅方向両端の傾斜端部に対する傾斜切り角度の補正を行う必要があった。
この点、本実施形態の卓上切断機1によれば、幅方向両端の傾斜端面W2a,W2bをそれぞれテーブル2の上面と位置決めフェンス7の位置決め面7aに当接させて両者2,7間に斜めに立てかけた状態で切断加工を行うことができるので、切断機本体10を進行方向左側または右側に傾斜させる等してテーブル2の回転角度を補正することなく、テーブル2の回転操作のみで幅方向両端の傾斜端部について精確に傾斜切りを行うことができる。
さらに、本実施形態の卓上切断機1によれば、電動モータ15の出力軸15aとスピンドル16との間に二段階で変速させるギヤ列20を備えていることから、電動モータ15の出力軸15aとスピンドル16の軸間距離を大きくすることができ、かつ電動モータ15がその後部側を高くする斜め下向きに傾斜して配置されていることから、位置決めフェンス7若しくは補助フェンス8としてより高いものを利用することができる。より高い位置決めフェンスを利用することにより、幅広の切断材(例えばクラウンモールド材)を斜めに立て掛けて行う切断加工をより迅速かつ精確に行うことができる。また、電動モータ15がスピンドル16に対してより上側に位置することから、切断機本体10を電動モータ15側へより大きな角度で傾斜させて斜め切りを行うことができる。
【0010】
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、上下のスライド機構5a,5cを備えない卓上切断機についても同様に適用することができる。
また、位置決めフェンス7について、補助フェンス8,8を省略してもよい。本実施形態を高さが低い位置決め面に幅広の切断材W2を立てかけて切断加工する場合に適用することによっても同様の作用効果を得ることができる。
図4〜図9には、第2実施形態の卓上切断機50が示されている。この第2実施形態の卓上切断機50は、第1実施形態の卓上切断機1に、中間ストッパ機構70と補助カバー80が付加されている点で異なっている。第1実施形態と同様の部材及び構成については同位の符号を用いてその説明を省略する。
切断機本体10は、上下2段のスライド機構61,62と左右傾動支持機構60を介して前後にスライド可能かつ左右に傾動可能に支持されている。下側の下スライド機構61は、左右に一定の間隔をおいて平行に支持された一対の下スライドバー61a,61aを備えている。両下スライドバー61a,61aはテーブル2の後部に対して前後にスライド可能に支持されている。この両下スライドバー61a,61aの後端部に左右傾動支持機構60が取り付けられている。この左右傾動支持機構60は、切断機本体10を切断方向に対して左右に傾斜させていわゆる傾斜切りを実現するための機構で、上記下スライドバー61a,61aの後端部が固定された傾動基台部63と、この傾動基台部62に対して傾動支軸64を介して左右に回動可能に結合された傾動支持部65を備えている。傾動支持部65の後方に設けた固定レバー66を締め込み方向に回動操作すると、傾斜基台部63に対する傾斜支持部65の回動位置が固定され、これにより切断機本体10が直角切り位置若しくは一定角度で傾斜した傾斜切り位置に固定される。
傾動支持部65の上部に本体支持アーム部67が上方へ延びる状態に設けられている。この本体支持アーム部57の上部に上スライド機構62が装備されている。この上スライド機構62も、左右一対の相互に平行な2本の上スライドバー68,68を備えている。両上スライドバー68,68は、支持アーム部67の上部に設けた上スライド支持部69を介して前後にスライド可能に支持されている。両上スライドバー68,68の前端部は、傾動ブラケット51により相互に結合されている。この傾動ブラケット51に対して上下傾動軸52を介して切断機本体10が上下に傾動可能に支持されている。また、両上スライドバー68,68の後端部は、連結ブラケット53によって相互に結合されている。従って、両上スライドバー68,68は、相互に平行に固定された状態で一体となって前後にスライドする。両上スライドバー68,68が前後にスライドすることにより切断機本体10が前後にスライドする。図8及び図9に示すように上スライド支持部69の側部には、上スライド固定ねじ69dが設けられている。この上スライド固定ねじ69dを締め込むと、両上スライドバー68,68が上スライド支持部69に対してスライド不能に固定され、従って切断機本体10の上スライド機構62によるスライド動作がロックされた状態となる。この上スライド固定ねじ69dを緩めておくことにより、切断機本体10を上スライド機構62によって前後にスライドさせることができる。
このように上下2段の下スライド機構61と上スライド機構62及び左右傾動機構60を備えることにより、切断機本体10が前後に長いストロークでスライド可能かつこのスライド動作とは独立して左右方向に傾動可能に支持されている。また、可動カバー13と傾動ブラケット51との間にはリンクアーム14が介装されている。このリンクアーム14を介して切断機本体10の上下動作と可動カバー13の開閉動作が連動してなされる点は第1実施形態と同様である。
【0011】
上スライド機構62には、その全スライド範囲の中途位置において切断機本体10の後退動作(スライド後退端位置)を規制するための中間ストッパ機構70が組み込まれている。この中間ストッパ機構70の詳細が図8及び図9に示されている。この中間ストッパ機構70は、一方の上スライドバー68に装着したストッパ本体71を備えている。このストッパ本体71は、上スライドバー68をがたつきなく相対回転可能な状態で挿通させた円環支持部71aと、この円環支持部71aの周囲にそれぞれ一体に設けられたストッパ軸部71bと切り換えレバー部71cを備えている。
ストッパ本体71は、その円環支持部71aを傾動ブラケット51の内周側に収容され、かつ当該円環支持部71aの内周側に上スライドバー68を挿通させた位置(傾動ブラケット51と上スライドバー68との間)において、上スライドバー68の軸回りに一定の角度範囲で回動可能に保持されている。傾動ブラケット51の上部には取り付けねじ72が締め込まれている。この取り付けねじ72の先端部が円環支持部71aに係合することにより、当該円環支持部71aが上スライドバー68の軸線回りに一定の範囲で回動可能かつ軸線方向には移動不能に保持されている。
ストッパ軸部71bは、円環支持部71aから放射方向外方に延びるアーム部71dを介して上スライドバー68と平行かつ後側に延びる状態に設けられている。また、切り換えレバー部71cは、傾動ブラケット51の放射方向外側において一定の角度範囲で移動操作可能に配置されている。この切り換えレバー部71cを上スライドバー68の軸線回り方向に一定角度で回転操作することにより、円環支持部71aを同軸回りに一定の角度で回転させ、これによりストッパ軸部71bを上下に一定の範囲で回転移動させることができる。
切断機本体10の後退動作に伴って一体でストッパ軸部71bが後退する。このストッパ軸部71bの後端部が、上スライド支持部69の中リブ69aに当接することにより、切断機本体10が上スライド機構62による全スライド範囲の中途位置で後退動作が規制される。図9に示すように上スライド支持部69の前部には、上下方向に3つのリブ(上リブ69a,中リブ69b,下リブ69c)が相互に一定の間隔をおいてほぼ平行に設けられている。
切り換えレバー部71cを中間ロック位置(本実施形態では下方)に移動操作した状態で、切断機本体10を後退させると、ストッパ軸部71bが3つのリブ69a,69b,69cのうち、中リブ69bの前端面に当接してその後退動作が規制され、これにより切断機本体10が上スライド機構62による全スライド範囲の中途位置で後退動作が規制された状態となる。これに対して、切り換えレバー部71cをアンロック位置(本実施形態では上方)に移動操作すると、ストッパ軸部71bが上記突き当て位置から下側へ移動する。このため、この状態で切断機本体10を後退させると、ストッパ軸部71bが中リブ69bと下リブ69cとの間に進入する。この状態では、ストッパ軸部71bの後退動作が規制されないため、切断機本体10を上スライド機構62による全スライド範囲のスライド後退端位置までスライドさせることができる。
【0012】
第1実施形態と同様、本体ケース11は、支持アーム部11aと固定カバー部11bを備えている。固定カバー部11bによって回転刃具12の上側ほぼ半周の範囲が覆われている。固定カバー部11bの下端部の前後中央付近にスピンドル16が回転可能に支持されている。回転刃具12はこのスピンドル16に取り付けられている。このスピンドル16に対して後ろ側となる固定カバー部11bの下端部(後ろ側下端部11c)は、前側となる下端部(前側下端部11d)よりも上方に変位した位置に寸法L0だけ逃がされている。
図7に示すように切断機本体10を下動させた状態では、後ろ側下端部11cの下方に位置決めフェンス7が位置する。固定カバー部11bの後ろ側下端部11cが前側下端部11dよりも上方へ寸法L0だけ逃がされていることにより、当該位置決めフェンス7に補助フェンス8を用いてその位置決め面7a,7aを高くしても、後ろ側下端部11cが位置決めフェンス7に干渉することなく、切断機本体10を下動端まで下動させることができる。この点は前記第1実施形態と同様に構成されている。以下、固定カバー部11bの後ろ側下端部11cであって、前側下端部11dに対して上方へ寸法L0だけ逃がされた部分を固定カバー部11bの逃がし部11cともいう。この後ろ側の逃がし部11cによって、回転刃具12の、当該後側から露出される高さ方向の範囲(切り込み深さ)が大きくなっている。
固定カバー部11bに逃がし部11cを設けたことにより、切断機本体10を上動させて可動カバー13を全閉した状態であっても、当該逃がし部11cにおいて、回転刃具12の周縁部(刃先)の一部について、固定カバー部11又は可動カバー13のいずれによっても覆われない範囲が発生する。本実施形態の場合、回転刃具12の刃先の一部であって、固定カバー部11b又は可動カバー13のいずれによっても覆われない範囲は、補助カバー80によって覆われるようになっている。
この補助カバー80は、固定カバー部11bの内側に支持されている。この補助カバー80の後部は、支軸81を介して上下に傾動可能な状態で固定カバー部11bに支持されている。また、この補助カバー80は、固定カバー部11bとの間に介装した捩りばねによって下方(閉じ側、図7において時計回り方向)へ回動する方向に付勢されている。
【0013】
この補助カバー80は、左右一対の遮蔽縁83,83を備えている。この両遮蔽縁83,83の前部間に回転刃具12が進入している。両遮蔽縁83,83は、その長手方向中程と後端部寄りの二箇所において相互に平行に結合されて、当該両遮蔽縁83,83の後部間に集塵路が形成されている。この集塵路の上部は、図7に示すように切断機本体10が下動してなされる切断加工時において、集塵口19に向けられる。このように、補助カバー80は、切断加工により発生する切断粉を集塵口19へ案内(集塵)するための機能をも兼ね備えている。
補助カバー80の下端部は、図示するように下方へ突き出す山形に形成されている。当該下端部の頂部に対して前側を前側下端部80bといい、後側を後ろ側下端部80cという。両下端部80b,80cは、それぞれ平坦面を形成しており、相互に鈍角をなして頂部で連なっている。
図4に示すように切断機本体10が上動端に位置する状態では、補助カバー80が閉じ位置にロックされた状態となる。この状態では、補助カバー80の後ろ側下端部80cがテーブル20の上面に対してほぼ平行(水平)となるように、当該補助カバー80の下動端位置(閉じ位置)が適切に設定されている。一方、このとき補助カバー80の前側下端部80bは、可動カバー13の内側に進入し、かつ当該可動カバー13の端部に沿って位置している。これにより、回転刃具12の全周が固定カバー部11b、可動カバー13及び補助カバー80によって隙間なくほぼ完全に覆われた状態となっている。
また、補助カバー80が上記閉じ位置に位置する状態では、その前側下端部80bが固定カバー部11bの後ろ側下端部11cに対してほぼ平行に位置する状態となる。
図5に示すように補助カバー80は、切断機本体10の下動によっては開かれず、その上下動の全範囲において閉じ位置に保持される。このため、図5に示すように切断機本体10が下動端に位置して可動カバー13が全開状態であっても捩りばねによって閉じ位置に保持された状態となっている。
図5に示すように上下のスライド機構61,62により切断機本体10を最も前側(使用者の手前側)にスライドさせた状態でほぼ下降端まで下動させ、その後図6及び図7に示すように上下スライド機構61,62の作動により切断機本体10を後側へスライドさせると、回転刃具12が切断材W2に切り込まれてその切断加工がなされる。
切断機本体10が後側にスライドして切断加工が進行すると、補助カバー80の後ろ側下端部80cが切断材W2若しくは位置決めフェンス7(補助フェンス8)の上部に干渉し、そのまま切断機本体10がさらに後側にスライドすることによって、当該補助カバー80が上方へ押されて開かれていく。このように補助カバー80の閉じ位置では、その前側下端部80bが水平に位置する結果、後ろ側下端部80cが後ろ側ほど高くなる方向に傾斜した状態に位置して案内傾斜面として機能することにより、切断機本体10の後側へのスライド動作に伴ってスムーズに開かれていく。
【0014】
前記中間ストッパ機構70において、切り換えレバー部71cが中間ロック位置側に切り換えられた状態では、切断機本体10の後ろ側へのスライド距離が中途位置に規制される。中間ストッパ機構70によって、切断機本体10の後ろ側へのスライド距離が、上下のスライド機構61,62による全スライド距離の中途位置に規制された状態が図6及び図7に示されている。図示するように中間ストッパ機構70のストッパ軸部71bが中リブ69bに当接して切断機本体10の後退距離が中途位置に規制されることにより、位置決めフェンス7とテーブル2との間に斜めに立て掛けた切断材W2が回転刃具12により完全に切り込まれるとともに、当該切断材W2に対する固定カバー部11bの干渉が回避されて切断材Wの損傷が未然に回避される。
また、中間ストッパ機構70により規制される切断機本体の中途位置は、切断機本体10を下死点に位置させた状態で後方へスライドさせた場合に、回転刃具の刃先が、位置決めフェンス7の位置決め面7aとテーブル2の上面との交差部位を通過することとなる位置に設定されている。これにより、位置決めフェンス7とテーブル2との間に斜めに立て掛けた切断材W2のみならず、位置決め面7aに沿って直立させた切断材W1についても切り残しを発生することなく、上記の作用効果を得ることができる。
さらに、図6及び図7に示すようにこの中途位置規制状態では、補助カバー80の頂部が位置決めフェンス7に対して前側から後ろ側へ通過し、その前側下端部80bが位置決めフェンス7の上端に乗り上がった状態に規制される。このことから、中間ストッパ機構70は、補助カバー80の前側下端部80bが当該位置決めフェンス7の上端部に乗り上がった位置に設定され、これにより当該補助カバー80の全体が位置決めフェンス7の後側へ移動することがないようにするための機能を有している。このように中間ストッパ機構70によって、補助カバー80の全体が位置決めフェンス7の後側へ移動することないので、その後切断機本体10を前側へ戻す段階で、当該補助カバー80が位置決めフェンス7の背面に突き当てられ、その結果切断機本体10の前側へのスライド動作が支障を受けることが未然に回避されるようになっている。
これに対して、中間ストッパ機構70において切り換えレバー71cを予めアンロック位置に切り換え操作した状態では、切断機本体10を上下のスライド機構61,62による全スライド範囲の後退端位置までスライドさせることができる。この場合には、回転刃具12の刃先の位置が、位置決めフェンス7の位置決め面7aとテーブル2の上面の交差部位よりもかなり下方を通過することになるのでその分だけ下死点ストッパを調整して切断機本体10の下死点位置を上げることによりさらに高さの高い切断材を切断することが可能になる。
【0015】
以上のように構成した第2実施形態の卓上切断機50によれば、切断機本体10の固定カバー部11bにおいて、回転刃具12の回転中心の後ろ側となる範囲に逃がし部11cを設けることにより当該回転刃具12の大きな切り込み深さを確保することができる。この点は、第1実施形態と同様である。第2実施形態では、逃がし部11cに対応して補助カバー80を備え、この補助カバー80の位置決めフェンス7に対する移動距離を規制するための中間ストッパ機構70を備えている。
補助カバー80を備えることにより、固定カバー部11bに逃がし部11cを設けることにより当該固定カバー部11b及び可動カバー13で覆われなくなる回転刃具12の後部側を完全に覆うことができるようになる。
また、固定カバー部11bに逃がし部11cを設けた結果、切断機本体10を上下スライド機構61,62の後退端位置までスライドさせた場合には、固定カバー部11bの下端部であってスピンドル16の周辺部位が切断材W1,W2に干渉することとなる場合であっても、中間ストッパ機構70によって切断機本体10の後ろ側へのストロークを適切に規制することにより、係る干渉の問題を未然に回避することができる。
【0016】
次に、上記第2実施形態の卓上切断機1の切断機本体10において、回転刃具12は電動モータ15を駆動源とする駆動系P2によって回転する。この駆動系P2は、前記第1実施形態に係る駆動系P1とは異なる構成を備えている。この第3実施形態に係る駆動系P2の詳細が図10及び図11に示されている。この第3実施形態の駆動系P2によって、電動モータ15の回転出力が減速されてスピンドル16に伝達される。第1実施形態の駆動系P1と同様の部材及び構成については同位の符号を用いてその説明を省略する。
固定カバー部11bの背面側(右側)には、モータ台座部11eが一体に設けられている。このモータ台座部11eに、モータブラケット17を介して電動モータ15が取り付けられている。電動モータ15は、その出力軸15aの回転軸線をスピンドル16に対して約45°で傾斜させてその出力軸15a側を下側にした斜め下向きの姿勢で取り付けられている。この点は第1実施形態の駆動系P1と同様である。
電動モータ15の出力軸15aは、軸受け18を介してモータ台座部11eに対して回転可能に支持されている。出力軸15aは、ギヤ室40内に進入している。ギヤ室40は、固定カバー部11bの内側に設けた凹部(ベアリングボックス)であってギヤ室カバー41で塞がれている。このギヤ室40内にギヤ列30が収容されている。このギヤ列30によって電動モータ15の回転出力が複数段に減速されてスピンドル16に伝達される。
【0017】
電動モータ15の出力軸15aには駆動ギヤ15bが形成されている。この駆動ギヤ15bには、円錐面に噛み合い歯が形成されたかさ歯ギヤであって噛み合い歯が捻れかつ湾曲した曲がり歯ギヤ(スパイラルベベルギヤ)が用いられている。この駆動ギヤ15bは、従動ギヤ21に噛み合わされている。この従動ギヤ21も、駆動ギヤ15bに対応してかさ歯ギヤであって噛み合い歯が捻れかつ湾曲した曲がり歯ギヤ(スパイラルベベルギヤ)が用いられている。従動ギヤ21は、第1中間軸31の右側に固定されている。第1中間軸31の左側には、第1中間ギヤ31aが一体に形成されている。この第1中間ギヤ31aには、噛み合い歯が回転軸線に平行な平歯車(ヘリカルギヤ)が用いられている。
第1中間軸31は、軸受け32,33を介して回転可能に支持されている。両軸受け32,33には、内輪と外輪を有するボールベアリングが用いられている。左側の軸受け32は、ギヤ室カバー41の外側(ギヤ室40の外側)の凹部41a内に取り付けられている。第1中間軸31の左端部であって軸受け32から突き出された部分には、ねじ軸部31bが設けられている。このねじ軸部31bには、座金34を介して固定ナット35が締め込まれている。固定ナット35の締め込みによって軸受け32の内輪が座金34と当該第1中間軸31の段付き部との間に挟まれて、当該軸受け32が第1中間軸31に対して軸方向に固定されている。
軸受け32の外輪は、凹部41aの底部に当接している。また、凹部41aの口元には、ベアリングナット42が締め込まれている。このベアリングナット42と凹部41aの底部との間に軸受け32の外輪が挟み込まれている。このため、軸受け32はギヤ室カバー41に対して軸方向に固定されており、従って第1中間軸31はギヤ室カバー41に対して軸方向へ変位不能に固定されている。
【0018】
一方、右側の軸受け33は、ギヤ室40の右側(モータ台座部11e側)に設けた凹部11f内に取り付けられている。軸受け33の外輪は、凹部11fの底部に当接している。また、軸受け33の内輪には、第1中間軸31の段差部が当接している。以上のことから、第1中間軸31は、軸方向右側への変位が強固に規制された状態で軸回りに回転可能に支持されている。このため、電動モータ15の駆動ギア15bと従動ギヤ21との噛み合いにより第1中間軸31に付加される軸方向右側へのスラスト荷重が強固に受けられるようになっている。第3実施形態に係る駆動系P2は、駆動ギヤ15bと従動ギヤ21との噛み合いによりスラスト荷重を受ける第1中間軸31が荷重付加方向に固定されて、当該スラスト荷重がモータ台座部11eで受けられる構成を備える点に特徴を有している。
第1中間ギヤ31aは、第2中間ギヤ24に噛み合わされている。第2中間ギヤ24は、第2中間軸25上に固定されている。第2中間軸25は、軸受け36,37を介して第1中間軸31と平行で軸回りに回転可能に支持されている。左側の軸受け36には、内輪と外輪を有するボールベアリングが用いられている。この軸受け36は、ギヤ室カバー41の内側(ギヤ室40内)の凹部41b内に装着されている。右側の軸受け37には、第2中間軸25の軸方向の変位を許容するニードルベアリングが用いられている。この軸受け37は、ギヤ室40の右側に設けた凹部11g内に取り付けられている。
第2中間ギヤ24は、スピンドル16上に固定した出力ギヤ26に噛み合わされている。第2中間ギヤ24は、第1中間ギヤ31aと出力ギヤ26の双方に噛み合わされている。これは、第2中間ギヤ24はアイドルギヤであり、減速ギヤとしての機能を有しないことを示している。すなわち、第1中間ギヤ31aと出力ギヤ26を直接噛み合わせた場合と減速比は同一である。第2中間ギヤ24及び出力ギヤ26には、それぞれ平歯車が用いられている。スピンドル16は、軸受け27,28を介して第1、第2中間軸31,25と平行で軸回りに回転可能に支持されている。左側の軸受け27は、ギヤ室カバー41の外側の凹部41c内に取り付けられている。右側の軸受け28は、ギヤ室40の右側に設けた凹部11h内に取り付けられている。スピンドル16は、左側の軸受け27から固定カバー部11bの内側に突き出されている。この突き出し部分に回転刃具12が取り付けられている。
【0019】
モータ台座部11eとギヤ室カバー41との間に形成される空間部であるギヤ室40には、上記ギヤ列30の潤滑をするためのグリス(潤滑油)が封入されている。このギヤ室40は、区画壁45によって右側の駆動側と左側の従動側の2室に区画されている。この区画壁45には、上下2つの挿通孔45a,45bが形成されている。上側の挿通孔45a内に第1中間軸31が挿通されている。この区画壁45に対して右側(駆動側)に従動ギア21が位置し、左側(従動側)に第1中間ギヤ31aが位置している。すなわち、回転動力伝達経路について、従動ギヤ21と第1中間ギヤ31aとの間が区画壁45によって2室に区画されている。下側の挿通孔45b内には第2中間軸25の後部が挿通されている。この区画壁45によって、封入したグリスが駆動側から従動側へ流動することが防止される。これによれば、駆動ギヤ15bと従動ギヤ21を潤滑する潤滑油がギヤ室40の下方(スピンドル16側)に流れ落ちてしまうことが防止されることから、当該駆動ギヤ15及び従動ギヤ21の潤滑が適正になされる状態を維持することができる。
特に、本実施形態の場合、駆動ギヤ15bとこれに噛み合う従動ギヤ21がいわゆるスパイラルベベルギヤであることから、その性質上これらが回転することによって潤滑が一箇所に掻き寄せられやすい。しかしながら、上記例示したように、区画壁45によってギヤ室40がスパイラルベベルギヤ側(駆動ギヤ15bと従動ギヤ21)とヘリカルギヤ側(第1〜第3中間ギヤ31a,24,26)とに区画されて潤滑油の移動が規制されていることから、スパイラルベベルギヤ側のグリス量を適正に保持してその耐久性を高め、またギヤ音の発生を抑制することができる。
【0020】
このように、第3実施形態の駆動系P2によっても、電動モータ15の回転出力がギヤ列30によって3段階で減速されてスピンドル16から出力される構成であり、電動モータ15の出力軸15aとスピンドル16の軸間距離が大きくなっている。このため、固定カバー部11bの後ろ側の下端部11cを上方へ大きく逃がすことができ、これにより位置決めフェンス7としてより高いものを利用することができることから、クラウンモールド材等の幅広材を斜めに立て掛けて切断加工を迅速かつ精確に行うことができる。
また、電動モータ15がその出力軸15a側を下側にする斜め下向きに傾斜した状態に取り付けられていることから、切断機本体10を右側へ大きな角度で傾斜させていわゆる斜め切りを行うことができる。
さらに、第3実施形態の駆動系P2によれば、電動モータ15の駆動ギヤ15aに噛み合わされた従動ギヤ21は第1中間軸31に固定され、この第1中間軸31は軸回りに回転可能ではあるが、軸方向には移動しないように固定されている。このため、電動モータ15の起動、停止に伴って従動ギヤ21に繰り返し付加されるスラスト方向の荷重(衝撃)を主としてモータ台座部11e側で強固に受けることができる。これによれば、当該従動ギヤ21の取り付け位置を安定させることができるとともに、いわゆるギヤ音の発生を低減することができ、また当該従動ギヤ21及び駆動ギヤ15aの耐久性を高めることができる。
また、第3実施形態の駆動系P2によれば、複数段のギヤ列30を収容するギヤ室40が回転動力伝達経路の中途において区画壁45によって上室と下室に区画されている。このため、潤滑油が下室側に流れて上室の潤滑が不十分になることを防止することができる。
【0021】
以上説明した第3実施形態の駆動系P2は、例示した卓上形の切断機1の切断機本体10に限らず、いわゆる携帯形の切断機における駆動系としても適用することができる。図示は省略したがこの携帯形の切断機は、切断材の上面に乗せ掛けるベースの上面側に切断機本体が支持されており、ベースの下面側に回転刃具の下部が突き出された構成を備えるもので、ベースと切断機本体を一体で切断材の上面に沿って移動させることにより回転刃具が切断材に切り込まれて切断加工がなされる構成を備えている。係る携帯形の切断機における切断機本体の駆動系について、電動モータを斜め下向きに配置し、かつ減速用のギヤ列を複数段に構成することにより、回転刃具の大きな切り込み深さを確保し、傾斜切りの場合の切断機本体の傾斜角度を大きく確保することができる。
また、区画壁45は別体で用意したものをギヤ室40内に組み付ける構成を例示したが、例えばモータ台座部11eあるいはギヤ室カバー41に一体に設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係る卓上切断機の全体側面図である。
【図2】図1の(2)-(2)線断面矢視図であって、本発明の第1実施形態に係る卓上切断機の縦断面図である。
【図3】第1実施形態の卓上切断機における駆動系を拡大して示した縦断面図である。
【図4】第2実施形態の卓上切断機の全体側面図である。本図は、使用者から見て左側の側面を示している。本図は、切断機本体が上方かつスライド前端位置に戻された待機状態を示している。
【図5】第2実施形態の卓上切断機の全体側面図である。本図は、切断機本体が下動端位置まで下動され、かつスライド前端位置に保持された状態を示している。
【図6】第2実施形態の卓上切断機の全体側面図である。本図は、中間ストッパ機構によって切断機本体の後退端位置が規制されて、補助カバーの前部が位置決めフェンスの上部に乗り掛かった位置に保持された状態を示している。
【図7】図6と同じ状態における卓上切断機の内部構造を示す縦断面図である。
【図8】上スライド機構及びその周辺を後ろ側斜め上方から見た斜視図である。本図は、上スライド機構に関して切断機本体がスライド前端に位置する状態を示している。
【図9】上スライド機構及びその周辺を前側斜め上方から見た斜視図である。本図は、上スライド機構に関して切断機本体がスライド前端に位置する状態を示している。
【図10】第3実施形態の卓上切断機における駆動系を拡大して示した縦断面図である。
【図11】第3実施形態の卓上切断機における駆動系の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0023】
1…卓上切断機
2…テーブル
3…ベース
4…回転軸
5…本体支持部
5a…下スライド機構、5b…左右傾動機構、5c…上スライド機構
5d…上下傾動機構
6…テーブル位置決め機構
7…位置決めフェンス、7a…位置決め面、7b…結合部
8…補助フェンス
10…切断機本体
11…本体ケース
11a…支持アーム部、11b…固定カバー部
11c…後ろ側下端部(逃がし部)、11d…前側下端部
11e…モータ台座部、11f,11g…凹部
L0…後ろ側下端部の前側下端部に対する逃がし寸法
12…回転刃具
13…可動カバー、13a…支軸
15…電動モータ、15a…出力軸、15b…駆動ギヤ(スパイラルベベルギヤ)
16…スピンドル
17…モータブラケット
18…軸受け
P1…駆動系(第1実施形態)
20…ギヤ列(回転動力伝達機構)
21…従動ギヤ(スパイラルベベルギヤ)
22…第1中間軸
23…第1中間ギヤ
24…第2中間ギヤ(アイドルギヤ)
25…第2中間軸
26…出力ギヤ
W…テーブルに沿って寝かせた切断材
W1…位置決め面に沿って直立に立てかけた切断材
W2…テーブルと位置決めフェンスとの間に斜めに立てかけた切断材(クラウンモールド材)
P2…駆動系(第3実施形態)
30…ギヤ列(第3実施形態)
31…第1中間軸、31a…第1中間ギヤ、31b…ねじ軸部
32,33…軸受け
34…座金
35…固定ナット
36,37…軸受け
40…ギヤ室(ベアリングボックス)
41…ギヤ室カバー、41a,41b…凹部
42…ベアリングナット
45…区画壁、45a,45b…挿通孔
50…卓上切断機(第2実施形態)
51…傾動ブラケット
52…上下傾動軸
53…連結ブラケット
60…左右傾動支持機構
61…下スライド機構、61a…下スライドバー
62…上スライド機構
63…傾動基台部
64…傾動支軸
65…傾動支持部
66…固定レバー
67…本体支持アーム部
68…上スライドバー
69…上スライド支持部
69a…上リブ、69b…中リブ、69c…下リブ、69d…上スライド固定ねじ
70…中間ストッパ機構
71…ストッパ本体
71a…円環支持部、71b…ストッパ軸部、71c…切り換えレバー部
71d…アーム部
72…取り付けねじ
80…補助カバー、80b…前側下端部、80c…後ろ側下端部
81…支軸
83…遮蔽縁


【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断材を載置するテーブルと、該テーブル上に切断材を位置決めするための位置決めフェンスと、前記テーブルに対して上下動可能に支持された切断機本体を備え、該切断機本体は、駆動源としての電動モータと、該電動モータにより回転するスピンドルと、該スピンドルに取り付けられた回転刃具と、該回転刃具の上部を覆う固定カバーを備えた卓上切断機であって、
前記固定カバーは、前記スピンドルに対して使用者側となる前側の下端部と、前記スピンドルの後ろ側であって前記位置決めフェンスの上方となる後ろ側の下端部を備え、前記後ろ側の下端部が前記前側の下端部よりも上側に逃がされて前記回転刃具の前記切断材に対する切り込み深さが前側よりも大きく設定された卓上切断機。
【請求項2】
請求項1記載の卓上切断機であって、前記電動モータの回転出力を前記スピンドルに伝達するギヤ列を備え、該ギヤ列は、前記電動モータ側の駆動ギヤと、前記スピンドル側の出力ギヤと、該出力ギヤと前記駆動ギヤとの間に噛み合わされた中間ギヤを備えて前記電動モータの回転出力を少なくとも2段階のギヤの噛み合わせを経て前記スピンドルに伝達する構成とした卓上切断機。
【請求項3】
請求項2記載の卓上切断機であって、前記駆動ギヤに噛み合う中間ギヤは、前記固定カバーに支持した中間軸に取り付けられており、該中間軸は、前記スピンドルに平行で軸回りに回転可能かつ軸方向へは移動不能な状態で前記固定カバーに支持された卓上切断機。
【請求項4】
請求項1記載の卓上切断機であって、前記回転刃具の回転中心から前記テーブルの上面までの垂直距離L1と、前記回転刃具の回転中心から前記位置決めフェンスの位置決め面までの水平距離L2に関して、一方が97mmで他方が81mmである場合において、前記位置決めフェンスの位置決め面よりも前側の領域において、前記固定カバーの後ろ側の下端部と前記テーブルの上面との間の垂直距離L3が119mm〜145mmに設定された卓上切断機。
【請求項5】
請求項1記載の卓上切断機であって、前記切断機本体を下死点に位置させて、前記回転刃具の刃先が前記位置決めフェンスの位置決め面と前記テーブルの上面との交差部位を通過する位置まで後退させた時点において、前記位置決めフェンスの位置決め面よりも前側の領域における、前記固定カバーの後ろ側の下端部と前記テーブルの上面との間の垂直距離が119mm〜145mmに設定された卓上切断機。
【請求項6】
切断材を載置するテーブルと、該テーブル上に切断材を位置決めするための位置決めフェンスと、前記テーブルに対して上下動可能に支持された切断機本体を備え、該切断機本体は、駆動源としての電動モータを、該電動モータにより回転するスピンドルと、該スピンドルに取り付けられた回転刃具と、該回転刃具の上部を覆う固定カバーを備えた卓上切断機であって、
前記電動モータの回転出力を前記スピンドルに伝達するギヤ列を備え、該ギヤ列は、前記電動モータ側の駆動ギヤと、前記スピンドル側の出力ギヤと、該出力ギヤと前記駆動ギヤとの間に噛み合わされた中間ギヤを備えて前記電動モータの回転出力が少なくとも2段階のギヤの噛み合わせを経て減速されて前記スピンドルに伝達され、
かつ、前記電動モータは、その出力軸側を下側にしてその回転軸線を前記スピンドルに対して傾斜させた斜め下向き姿勢で前記ブレードケースに取り付けられて、前記駆動ギヤと、該駆動ギヤに噛み合う従動ギヤにかさ歯ギヤを用いた構成とした卓上切断機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−160727(P2009−160727A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296777(P2008−296777)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】