説明

単一分子の分離、配置、およびシークエンシング

効果な装置を必要とすることなく単一高分子を隔離、検出、および配置するための装置および方法が提供される。開示される装置および方法は、分子が特定のミクロン以下のエリアに手早くおよび効率的に運ばれることを可能にする。そのようなデバイスは、例えば、対象となる分子のシークエンスが決定される分析を実行する際に、有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本願は、2004年2月18日に出願された、現在係属中の米国特許出願番号第10/781238号の一部継続出願であり、その開示内容が参照されて本願に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、概して、分子の検出、固定、隔離、配置、および同定に関する。
【背景技術】
【0003】
生体製剤およびその他の複数のサンプルからの単一分子の高感度かつ正確な検出、隔離、および同定は、医療診断、病理学、毒物学、環境サンプリング、化学分析、法医学、および他の多数の分野における幅広い用途を有する。しかし、今日まで、単一分子を検出する信頼性が高い方法は、とらえどころのない目標となっている。単一分子のような小さな物体を検出および隔離できるようにする場合における1つの課題は、検出される物体が小さくなるにつれて、検出される物体の周囲の媒体から検出される物体を識別することが難しくなることである。溶液における検出を補助することを目的として蛍光分子標識が使用される場合は、単一蛍光分子は、溶液に関連するバックグラウンドから識別可能である必要がある。単一分子の検出については、単一分子からの信号はサンプル量に依存しないので、可能な限り少ないサンプル量が使用される。しかし、バックグラウンドは常にサンプル量に比例するので、単一分子の検出は、バックグラウンドの影響を最小限に抑えることを目的として、10pL以下のサンプル量の使用に基づく。
【0004】
この少ないサンプル量制限のため、蛍光標識されたDNA断片のような単一分子を隔離および配置する方法は、更なる分析を行うことを目的として、約1pLから約10pLのサンプル量を実現するために、流体力学フォーカシングのような方法に依存する。流体力学フォーカシングでは、サンプルのフローが、小さい開口部からの急速に流れるシース流に導入される。そして、フォーカスされたサンプルのフローは、約10μmから1μmより小さい直径を有する細くフォーカスされた励起レーザビームと交差される。放射光は、高開口数の顕微鏡対物のようなイメージング検出光学素子によって集められ、空間フィルタまたはスリットを経て、高感度の検知器上へ撮像される。(Ambrose et al. Chem. Rev.99:2929−2956(1999)を参照)。
【0005】
開示される方法および装置がよりよく理解されることを目的として、添付の図面を参照して、いくつかの実施形態が例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】本開示内容による単一分子支持体を示す第1の図である。
【図1B】本開示内容による単一分子支持体を示す第2の図である。
【0007】
【図2】Aスライド、光ファイバの先端、または本開示内容によるマイクロチャネルのような支持体表面上における、単一高分子の固定化を示す図である。
【0008】
【図3】本開示内容によるマイクロチャネル内に固定化された単一DNA分子に結合された、ストレプトアビジンでコーティングされたビーズのデジタル写真を含む図である。
【0009】
【図4】分子キャリア装置が、本開示内容によるマイクロ流体単一高分子シークエンスシステムと相互作用する仕組みを示す図である。図は原寸に比例していない点を留意すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
一実施形態では、本発明は、選択された数の対象となる高分子が結合された1つ以上のエリアを有する固体支持体によって特徴付けられる装置を提供する。結合エリアが選択された数の対象となる高分子を含むことを目的として、結合エリアは、高分子が結合しない領域から成る。概して、標的高分子は、結合エリアの補足的結合部位と相互作用できる結合部位を含むことを目的として、修飾される。
【0011】
本発明は、更に、選択された数の対象となる高分子が結合された1つ以上のエリアを有することによって特徴付けられる、固体支持体を作成する方法を提供する。そのような方法は、結合剤および非結合剤を含む結合エリアを作成すること、および、標的高分子を結合剤に結合することを含む。非結合剤に対する結合剤の比重は、特定の数の対象となる高分子が特定の結合エリアに結合されるように、容易に操作できる。結合エリア内における標的高分子の結合は、視覚化または検証されることができる。視覚化および検証技術は、選択された数の標的高分子を含む結合エリアの選択を可能にする。
【0012】
図1Aから図1Bおよび図2(a)から図2(d)を参照すると、高分子140は、モノマーの共有結合分子配列によって特徴付けられる。そのような高分子の例は、DNAおよびRNAのような核酸、タンパク質、ペプチド、炭水化物およびその他オリゴ糖類、プラスチック、樹脂、などを含むが、これらに限定されるものではない。説明の簡略化を目的として、核酸が本開示内容の方法および装置を例証するために使用されるが、開示される方法および装置は、この実施例に限定されない。
【0013】
染色体、ミトコンドリア、または葉緑体DNA、または、リボソーム、転移、ヘテロ核、またはメッセンジャRNAを含む、またこれらに限定されない、実質的に全ての自然に発生する核酸は、開示される方法によって準備および操作されることができる。核酸は、公知技術の標準的な方法によって、原核細胞または真核細胞ソースから取得されうる。RNAは、逆転写酵素を使用することにより、DNAに変換されることができる。核酸のさまざまな形態を準備および分離する方法は、公知である。(例:Berger and Kimmel eds., Guide To Molecular Cloning Techniques, Academic Press, New York, NY, 1987; Sambrook, Fritsch and Maniatis, eds., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989を参照)。しかし、本発明の実施形態は、標的核酸の準備に関して、特定の方法に限定されない。
【0014】
図2(c)が示すように、高分子140に対する修飾130および150は、標準的な分子標識技術だけでなく、いかなる化学官能基の交換も含んでもよい。特定の結合分子との結合可能性を最大化すること、および、機能性非結合分子または開示される方法および装置において使用される支持体物質表面との結合可能性を最小化することを目的として、特定の修飾のタイプが選択される。そのような修飾の例は、チオール基で修飾された高分子、アミノ基で修飾された高分子、アルデヒド基で修飾された高分子、カルボキシ基で修飾された高分子などのような小規模な官能基の変化を含むが、これらに限定されるものではない。高分子は、また、従来技術において広く使用されている標識またはタグで修飾されてもよい。核酸に対するそのような標識は、ビオチン、フルオレセイン、ジゴキシゲニンなどを含むが、これらに限定されるものではない。そのような修飾は、公知技術である。そして、商業的な核酸合成ベンダは、そのような修飾サービスを提供する(例:Qiagen−operon, Valencia, CA)。
【0015】
固定化される線状高分子は、その2つの端のそれぞれにおいて、同一(対称的修飾)または異なる(非対称的修飾)化学修飾によって、修飾されることができる。例えば、特定の高分子は、両端においてチオール基で修飾されることができる、または、一方の端においてチオール基で修飾され、もう一方の端においてビオチン基で修飾されることができる。非対称的修飾は、高分子が一方の端において、例えばチオール基と金の反応のような、特定のタイプの結合によって結合されることを可能にし、それによって、もう一方の端を、ストレプトアビジン、アビジン、または、ストレプトアビジンまたはアビジンで修飾された基質と結合することを目的として使用できるビオチンによる標識化のような、他の操作のために空けておくことを可能にする。
【0016】
特定の結合分子または特定の結合剤170(図2(b)および図2(c)を参照)は、高分子修飾と強い相互作用を形成できる分子または原子である。例えば、金は、チオール基で修飾された高分子と共有結合相互作用を形成するし、フルオレセインおよびジゴキシゲニンのような分子標識を選択的に結合する抗体は、入手可能であるし、アビジンおよびストレプトアビジンは、いくつかの共有結合と同等のエネルギーの、ビオチンとの非共有結合相互作用を有する。特定の結合分子170は、高分子上の化学修飾に特に結合することができる小規模な官能基による、基質表面の化学修飾を含む。例えば、アルデヒド基で修飾された表面は、アミノ基で修飾された高分子と容易に結合する。この後者の反応の性質は、アビジンまたはストレプトアビジン分子で官能基化された固体支持体上において、分子を固定化することを目的として使用されることができる、商業的に入手可能なビオチンで標識またはタグされた様々な分子をもたらした。本願明細書において使用される抗体という単語は、多クローンおよび単クローン抗体とこれらの断片、組み換え抗体、化学修飾抗体、およびヒト化抗体を含み、これらの全ては、一本鎖または多重鎖でありうる。
【0017】
機能性非結合分子または機能性非結合剤160(図2(b)および図2(c)を参照)は、高分子修飾と強い相互作用を形成しない分子または原子である。例えば、プラチナ(Pt)および銅(Cu)は、チオール基と結合相互作用せず、カルボキシ基で修飾された基質は、チオール基で修飾された高分子と結合せず、ウシ血清アルブミン(BSA)およびbovine IgG(BIgG)は、ビオチンと結合相互作用せず、ストレプトアビジンまたはアビジンは、ジゴキシゲニンと結合しない。
【0018】
一実施形態では、使用される特定の結合分子170および機能性非結合剤160は、ほぼ同様のサイズおよび分子量である。例えば、Au(MW 197)は、Pt(195)と同様のサイズおよび分子量であるが、Ag(MW 107.9)またはCu(65.5)とは同様のサイズおよび分子量ではない。同様に、BSA(MW 65kD)は、アビジン(MW 66kD)と同様のサイズおよび分子量である。
【0019】
マイクロエリア110(図1B)は、いかなる特定のサイズであってもよい。一実施形態では、マイクロエリア110の寸法距離の少なくとも1つ(例:直径、高さ、幅、など)は、高分子140が修飾された両端において結合することを防ぐことを目的として、高分子の長さの少なくとも2倍である。例えば、約50,000の塩基対を有するDNA分子に対しては、この距離は、約17ミクロン長である。このため、そのようなDNA分子が使用された場合、このマイクロエリア110は、約17ミクロンから約70ミリメートルの範囲であることができる。
【0020】
本発明の一実施形態において、特定の結合分子170は、固体支持体40または100(図1Aおよび図1B)上のあるマイクロエリア110において、修飾された高分子130から150が1つだけ固定化されることができるように、効果的なモル量の機能性非結合分子160と混ぜ合わせられる。機能性非結合分子160に対する特定の結合分子170のモル比率(基質比率)は、固定化される分子間において求められる距離に従って、変更および実験的に検証されることができる。いかなる基質比率が使用されてもよい。機能性非結合分子に対する特定の結合分子の比率は、特定の結合分子および機能性非結合分子の特定の組合せに従って、約1:1010から約10:1の範囲であってもよい。例えば、金が特定の結合分子であり、かつ、銅が機能性非結合分子である場合、それぞれ約1:10の比率が使用されうる。単量体アビジンが特定の結合分子であり、かつ、BSAが機能性非結合分子である場合、約1:10の比率が使用されうる。
【0021】
機能性非結合分子160に対する、特定の結合分子170に対する修飾された高分子のモル比率(対象となる比率)は、固定化される分子間において求められる距離に従って、変更および実験的に検証されることができる。いかなる対象となる比率が使用されてもよい。対象となる比率は、特定の結合分子および修飾された高分子の特定の組合せに従って、約1:1010から約1:0の範囲であってもよい。例えば、単量体アビジンが特定の結合分子であり、かつ、高分子がストレプトアビジンで修飾される場合、約1:10から約1:1000の範囲の比率が有効である。
【0022】
一実施形態では、特定の結合分子のみを含み機能性非結合分子を含まない配合を使用してもよい。本実施形態では、対称的に修飾された高分子が使用された場合、ほとんどの高分子が両端において基質に結合され、わずかな高分子のみが自由端を有したまま固定化される。この実施形態では、自由端を有する高分子は、数が限られているのでその密度は低いが、それでも容易に検出および隔離される。自由端を有さない高分子は、自由端を有する高分子の隔離を妨げない。
【0023】
一実施形態では、使用される特定の結合分子170は、複数の結合部位を有してもよい。例えば、通常のアビジンおよびストレプトアビジンは、各分子において、約4つの結合部位を有する。本実施形態では、特定の結合分子につき結合部位が1つだけ存在するように、適切な量の遮断分子が追加されてもよい。例えば、アビジンが使用された場合、4箇所の結合部位のうちの3箇所が修飾された高分子との結合から遮断されるように、フリーのビオチンがビオチン基で修飾された高分子に約3:1の割合で混ぜ合わせられることができる。遮断分子および標的分子の総数が結合部位の総数よりはるかに多数であると仮定した場合、有効な結合部位密度は、全ての結合部位の密度と、標的分子に対する遮断分子の比率とを掛け合わせることによって計算されうる。
【0024】
様々なタイプの固体支持体40および100(図1Aおよび図1B)が、開示される方法および装置において使用されうる。適切な固体支持体の例は、プレート、スライド、フィルム、細片、ロッド、チューブ、ビーズ、などを含むが、これらに限定されるものではない。これらの支持体は、金属、ガラスまたは他のシリカに基づく物質、高分子樹脂に基づく物質、などを含むがこれらに限らない様々な物質から作成されうる。説明を容易にすることを目的として、図1Aおよび図1Bが示すように、金属またはガラスのスライド100および光ファイバ40が、開示される方法および装置を例証するために使用されるが、開示される方法および装置はこれらの例に限定されない。
【0025】
引き続き図1Aから図1Bおよび図2(a)から図2(c)を参照すると、特定の結合剤170および機能性非結合剤160は、支持体の物質および使用される分子に従って、公知技術の様々な方法により固体支持体40または100に結合される。例えば、支持体が金属であり、かつ、金および銀がそれぞれ特定の結合分子および機能性非結合分子である場合、標準的な金属アニーリング法が使用されうる。支持体がガラスであり、かつ、アビジンおよびBSAがそれぞれ特定の結合分子および機能性非結合分子である場合、標準的な共有結合法が使用されうる。
【0026】
標準的な共有結合法は、表面に結合される分子または表面自体に反応基を提供することを含む。これらの反応基の例は、従来技術において広く使用されている、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、ヒドラジド基、アミド基、クロロメチル基、アルデヒド基、エポキシ基、トシル基、チオール基、などを含むが、これらに限定されない。
【0027】
例えば、アルデヒド基で修飾されたガラス表面は、タンパク質でコーティングされた表面を生成することを目的として、本適用に特に適するとして図示される。開示される方法および装置において機能性非結合および機能性結合組成物として使用される、タンパク質における末端アミノ基の存在は、支持体の表面上において1つ以上のアルデヒド基への補足的結合のために、それらが使用可能であることを保証する。生成されたイミンを削減した後、この基は、長期にわたって非常に安定的であることが証明されている。更に、これらの基のうちのどちらかに対するリガンドの結合に関する化学は、広く解明されており、関連するリガンドは、容易に商業的に入手可能である。
【0028】
アルデヒド基で修飾されたガラス表面は、少なくとも2つの過程によって準備されることができる。第1の過程は、研磨され、NoChromixおよびPiranhaで洗浄された表面を、pH5.7の4−モルホリノエタンスルホン酸(MES) 50mM にグリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)0.5%とメチルトリメトキシシラン(ETMS)4.5%とを溶かした加水分解液に30分間浸し、次に、pH7.2のPBSに過よう素酸ナトリウム(NaIO) 1mMを溶かした溶液に室温(RT)で1時間浸すことを含む。第2の過程は、研磨されGPTMS2%で洗浄された表面をEtOH95%/脱イオン水5%内で超音波処理し、EtOHで洗浄して乾燥させ、表面をpH7.2のPBSにNaIO 1mMを溶かした溶液に室温で1時間浸すことを含む。
【0029】
特定の結合分子170および機能性非結合分子160の混合物でコーティングされるマイクロエリア110は、支持体40および110の表面上のあるエリアに特定の結合分子および機能性非結合分子を置くことを目的として、標準的なインクジェット印刷、標準的なフォトリソグラフィ、密着焼き技術、またはマイクロアレイ生成に使用する技術によってコーティングされてもよい。支持体40および110は、複数の場所においてコーティングされうる。
【0030】
開示された方法および装置の特定の実施形態では、支持体40および110の特定のエリアは、これらのエリアが特定の結合分子および機能性非結合分子の混合物によってコーティングされることができないように、保護基によってプリコーティングされることができる。保護される表面のタイプに従って、特定の保護基が使用される。ガラス基質に対する保護基の例は、置換および非置換アルキルエーテル、置換および非置換ベンジルエーテル、シリルエーテル、エステル、炭酸塩、スルホン酸塩、などを含むが、これらに限定されるものではない。(例えば、T.W.Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley & Sons.(1991)を参照)。化学的に、または、支持体表面を切断またはエッチングすることによって機械的にこれらの保護基を取り除くことは、特定の結合分子170および機能性非結合分子160の混合物でコーティングされることができる、新たな基質表面を露出させる。
【0031】
そして、図2(c)の130、140、および150が示す修飾された高分子は、修飾された高分子とコーティングされた固体支持体を接触させることによって、支持体40または100のコーティングされたマイクロエリア110上に固定化される。例えば、基質が金でコーティングされた場合、チオール基で修飾された高分子が金の部分上に置かれ、金表面とチオール基間の共有結合の形成を可能にする。すべての結合されていない高分子は、緩衝液でコーティングされたエリアを洗浄することによって、取り除かれることができる。
【0032】
他の実施形態では、高分子は、基質に合成されることができる。核酸を例として用いると、まず、一方の端においてチオール基で修飾されたポリデオキシアデノシン(poly(dA))プライマーは、上述の方法を用いて表面上に固定化されることができる。そして、(標識された、または、標識されていない)ポリデオキシチミジン(poly(dT)配列を有するテンプレートDNA分子は、アデノシンとチミジンのハイブリダイゼーションによって、前もって固定されたpoly(dA)にハイブリダイゼーションまたはアニーリングすることを可能にされる。その後、poly(dA)配列は、ヌクレオチドおよび他の必要なリガンドが存在する場合に、DNAポリメラーゼによって伸張されることができる。そして、未使用のプライマー分子は、目的とする固定された核酸分子から分離されることができる。
【0033】
単一の結合された高分子140の検出、および、個々の結合された高分子間の間隔の検証は、高分子130の自由端における修飾に従い、様々な方法によって達成されることができる。これらの方法は、高分子と、高分子の自由端における修飾に対して特有の蛍光標識された結合分子または他の標識120とを接触させることにより、固定化された高分子に標識することを含むが、これに限定されるものではない。例えば、核酸分子がその自由端においてビオチンで修飾される場合、固定化された核酸は、アビジンタグで標識されることができる、または、蛍光分子またはストレプトアビジンビーズで標識されることができる。あるいは、高分子は、固定化された高分子を蛍光染料、蛍光標識、または蛍光染色液と接触させ、個々の高分子を検出し、単一光子計測装置または他の光検出装置を用いて標識からの蛍光発光の証拠をスキャンすることによって、検出されることができる。同様に、核酸分子は、エチジウム臭化物のような、核酸に特定の染料によって染色されることができる。
【0034】
開示された方法および装置の実施形態は、使用される検出装置のタイプまたは配置によって限定されない。そして、いかなる周知の検出装置が開示された方法および手段で使用されてもよい。標識が蛍光である場合、図1Aに示されるような標準的な光源10、60、または80は、一般的な蛍光染料の分子の好ましい吸収波長を提供することを目的として、使用されうる。そのような光源の例は、レーザ、水銀またはキセノンガス灯(Oriel Instruments)およびフィルタ(Omega OpticalまたはChroma)を含むが、これに限定されるものではない。例えば、分子が結合された光ファイバによって、結合された分子に光aが照射されることができるように、光ファイバ40の先端が支持体として使用されることができる。そのような実施形態では、発された蛍光bの一部は、同一の光ファイバによってキャプチャされ、光ファイバのもう一方の端へ進む。ダイクロイックミラー20は、励起光および発された蛍光の、ビームおよび波を分離することを目的として、後方散乱された蛍光を検出器30に向けて反射することにより、この検出方法の一部として使用されることができる。光ファイバからの蛍光が結合された分子からの蛍光と干渉する場合、または、配置構造または装置のサイズにより共線的なデザインの実装が難しい場合は、前方または側方散乱ジオメトリcが使用されることができる。前方散乱ジオメトリでは、励起光dが分子に照射され、発された蛍光bの一部は、光ファイバによってキャプチャされて、検出器30に直接またはダイクロイックミラー20によって反射されて進む。側方散乱ジオメトリでは、励起光eが分子に照射され、発された蛍光bの一部は、光ファイバによってキャプチャされて、検出器30に直接またはダイクロイックミラー20によって反射されて進む。
【0035】
引き続き図1Aを参照すると、光検出器30または90は、フォトダイオード検出器、アバランシェフォトダイオード検出器、検出器の電荷結合素子(CCD)アレイ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)アレイ、インテンシファイヤ付CCDカメラ、または適度な感度および速度を有する他のいかなる光検出器も含むがこれらに限定されない、標準的な光検出器または検出器のアレイであってもよい。
【0036】
N型およびP型トランジスタを使用するCMOSアレイは、論理機能を実現することを目的として使用されうる。CMOS技術は、N型金属酸化膜半導体(NMOS)またはバイポーラ回路と比較すると、電力損失が皆無またはそれに近いという有利性を有する。電力は、回路が実際に切り替えをする場合においてのみ消散される。これは、NMOSまたはバイポーラ技術よりも多くのCMOSゲートを集積回路上に統合することを可能にする。
【0037】
光ファイバによって生成される蛍光を更に削減することを目的として、励起ビームは、光ファイバの集束角の外側において、結合された分子に衝突することができる。
【0038】
概して、衝突光の約4%は、表面から反射されて、伝播におけるロスとして考えられる。他の一つの実施形態では、光ファイバの結合端は、励起光を反射して光ファイバへの励起光の入力を回避すると同時に、結合された分子からの蛍光が少ない光のロスで光ファイバに入力することを可能にするように設計された誘電体でコーティングされることができる。典型的な誘電コーティングは、励起光を10分の1まで遮断することができ、また、コーティング上に衝突した蛍光の96%以上を伝播することができる。
【0039】
図2(d)および図3において示される他の実施形態では、標識120はビーズであり、分子140は、顕微鏡または他の光学的拡大装置を使用して視覚的に検出されうる。例えば、図3は、図2(d)に示されるようにマイクロチャネル210内に固定化された単一DNA分子に結合された、ストレプトアビジンでコーティングされたビーズの、デジタル写真を示す図である。図2(d)では、基質220(大きなスポット)に結合された単一DNA分子140に結合されたビーズ120は、フロー190において、単一分子140に結合されたビーズ120および結合されていないビーズ120から識別されることができる。単一高分子が基質に結合されたエリアを識別した後、単一高分子を有する場所は、顕微鏡の試料台を使用してマークされてもよく、また、後に使用するために保存されてもよい。
シークエンシング
【0040】
他の実施形態では、本発明は、対象となる標的核酸分子のシークエンスを決定するための方法を提供する。標的核酸分子のシークエンスは、標的核酸分子を含む結合エリアをマイクロ流体システムの反応チャンバに配置することによって決定されることができる。そして、標的核酸分子は、消化され、高分子の自由端からその構成要素モノマーを解放する。消化された構成要素モノマーは、標的核酸のシークエンスが再構成されることができる方法で、検出される。
【0041】
開示される方法および装置は、DNAおよびRNAのような核酸を含む単一高分子をシークエンシングするために使用されることができる。上述のように、核酸のさまざまな形態を準備および分離する方法は、公知である。RNAは、逆転写酵素のようなポリメラーゼ酵素の使用により、cDNAに変換されうる。本願明細書において記載されているように、単一DNA分子は、固体支持体の結合領域に結合されることができる。この固体支持体は、高分子のモノマーが順次に消化されて検出されることを可能にする装置に挿入されることができる。高分子のモノマー単位(この場合ではヌクレオチド)を順次に検出することは、核酸のシークエンスが再構築されることを可能にする。
【0042】
任意に、核酸のモノマーのいくつかは、検出のために標識されてもよい。標識の結合は、共有結合または非共有結合であってもよい。本発明を限定しない実施例では、標識は、蛍光、リン光、ルミネセント、エレクトロルミネセント、化学発光、またはいかなるバルキーな基であってもよく、または、ラマンまたは他の分光学的特性を示してもよい。特定の実施形態では、ヌクレオチド前駆体は、相補鎖の合成の後、しかし標識されたヌクレオチドの検出の前に、バルキーな基で二次的に標識されてもよい。いくつかの実施形態では、ルミネッセンス、表面プラズモン共鳴、または表面増強ラマン散乱信号のようなユニークな光信号を生成する、ナノ粒子標識が使用されてもよい。ラマン信号を生成する標識は、例えば、composite organic inorganic nanocluster (COIN)(同一出願人による米国特許出願 出願番号10/830422によって記載されている)を含む。
【0043】
蛍光標識のような様々な標識に共有結合されるヌクレオチド前駆体は、通常の商業的なソース(例:Molecular Probes, Inc., Eugene, OR)から入手することができる。あるいは、標識されたヌクレオチド前駆体は、公知技術の標準的な技術によって準備されることができる。本発明の実施は、標識されたヌクレオチド前駆体を準備するために選択されうる、特定の方法に限定されない。
【0044】
本発明の様々な実施形態では、反応基および/またはハプテンと結合されたヌクレオチド前駆体は、例えば、抗体を含む標識のような、第2の標識に結合されてもよい。ラマン・タグ、フルオロフォア、発色団、放射性同位体、酵素タグ、抗体、化学発光法、電子発光法、アフィニティ標識、などのような、公知技術のいかなるタイプの検出可能な標識が使用されてもよい。当業者は、これらの標識、および、本願明細書において言及されない他の周知の標識方法が、開示される方法で使用されることができることを認識する。
【0045】
使用される標識の一部は、Alexa 350、Alexa 430、AMCA(7−アミノ−4−メチルクマリン−3−酢酸)、BODIPY(5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオン酸)630/650、BODIPY 650/665、BODIPY−FL(フルオレセイン)、BODIPY−R6G(6−カルボキシローダミン)、BODIPY−TMR(テトラメチルローダミン)、BODIPY−TRX(Texas Red−X)、Cascade Blue、Cy2(シアニン−2)、Cy3、Cy5、5−カルボキシフルオレセイン、フルオレセイン、6−JOE(2’7’−ジメトキシ−4’5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン)、Oregon Green 488、Oregon Green 500、 Oregon Green 5、Pacific Blue、Rhodamine Green、Rhodamine Red、ROX(6−カルボキシ−X−ローダミン)、TAMRA(N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン)、テトラメチルローダミン、およびTexas Redのような、フルオロフォアであってもよい。蛍光または発光標識は、Molecular Probes(Eugene, OR)のような通常の商業的ソースから入手されうる。
【0046】
開示された方法および装置のいくつかの実施形態では、テンプレート鎖、相補鎖、およびポリメラーゼの間の相互作用が立体障害なく生じるように、標識のような官能基は、架橋剤のようなリンカに共有結合されてもよい。
【0047】
DNA高分子の標識化を実現するために、標準的な分子生物学技術が使用されてもよい。標識されたデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)を前駆体として使用することにより、標識されたDNA分子は、合成されることができる。DNA分子を合成する方法は、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY, Vol. 1−3 (1989)、および、D.Glover, DNA Cloning Volume I: A Practical Approach, IRL Press, Oxford, 1985において説明されている。これらの技術は、a)ランダムプライマー法、b)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法、c)鎖置換法、およびd)プライマー伸張法を含むが、これらに限定されるものではない。ランダムプライマー法は、Feinberg(Anal. Biochem. 132: 6−13(1983)および137: 266−267(1984))の研究に基づく。ランダムプライマーは、a)6〜12ヌクレオチド長の一本鎖DNA断片を多数生成するためにDNAaseで仔ウシ胸腺または鮭の精液を消化すること、b)商業的ソース(例:Pharmacia、Roche、International Biotechnologiesなど)から、ランダムオリゴヌクレオチドを購入すること、またはc)自動DNA合成装置上で、全位置において全4つのヌクレオチドを含む、オクタマーまたは9−merの集合を合成することによって取得されうる。これらの同一の長さ、および、シークエンスの偏りの欠如のため、合成オリゴヌクレオチドが好ましい。ランダムプライマーDNA標識キットは、Panveraおよび他の会社から商業的に入手可能である。
【0048】
使用されるDNAポリメラーゼのタイプは、テンプレートの性質に従い、a)RNA依存DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)が、一本鎖RNAテンプレートをcDNAにコピーするために使用され、または、b)大腸菌DNAポリメラーゼIのKlenow断片が、テンプレートが一本鎖DNAの場合に使用される。双方の場合において、DNAの合成は、特定のタイプの分子の大部分が標識されるDNAを生み出すことを目的として、1つの標識されたdNTPのタイプと3つの標識されないdNTPのタイプとを前駆体として使用することによって、実行される。逆転写酵素キットは、Qiagen GmbH(ドイツ)および他の会社から、商業的に入手可能である。
【0049】
これらの全ての技術は、使用されるポリメラーゼに従って、1つまたは2つの過程で実行されることができる。Klenowおよび逆転写酵素については、標識化およびプライマー伸張/連鎖停止反応は、4つのdNTPのうちの1つの濃度を下げ、同一の標識されたdNTPを追加することによって、組み合わされることができる。広く使われているT7 DNAポリメラーゼを含む全てのポリメラーゼについては、これら2つの反応は、順次的に実行されることができる。標識反応では、dNTPおよび単一の標識されたdNTPの限界濃度を使用して、プライマーは、短時間に伸張される。伸張/停止段階では、伸張されたプライマーは、dNTPおよびddNTP両方の存在下において更に伸張され、シークエンスに特有の反応停止に至る。この方法の主要な有利点は、複数の標識が各連鎖に結合されること、および、標識されないdNTPで標識されるdNTPの比率を変えることによって標識の密度が制御されうることである。
【0050】
DNAを増幅するPCR法は、Hoffman−La Roche Inc. and F.Hoffmann−La Roche Ltd.に割り当てられた米国特許番号4683195および4683202に記載されている。PCR法では、結果として生じる生成物は、修飾されたヌクレオチドまたは修飾されたオリゴヌクレオチドプライマーで標識されうる。蛍光標識が直接検出、感度、複数色能力を可能にするので、これらの標識は、概して、蛍光標識である。蛍光標識されたデオキシヌクレオチド3リン酸(dNPT)および蛍光末端標識されたオリゴヌクレオチドプライマーは、PCR生成物の標識化に使用するために、Molecular Dynamicsから商業的に入手可能である。5’末端において蛍光標識されたPCRプライマーは、オリゴヌクレオチド合成の間、または、Amersham Pharmacia BiotechのFluorescent 5’−Oligolabeling Kitのような化学物質を使用することによって、新たに生成されることができる。
【0051】
標識されたヌクレオチドを検出および同定できる技術は、可視光、紫外線および赤外線分光学、ラマン分光学、核磁気共鳴、陽電子放出断層撮影法、走査プローブ顕微鏡、および公知技術の他の方法を含むが、これらに限定されない。部分的に標識された核酸のシークエンスを決定する方法は、出願中の米特許出願番号第10/782014号において開示される。
【0052】
特定の実施形態では、核酸のシークエンシングに有用な装置は、例えば、分子検出器、廃棄物口、高分子装填口、および/または、個々のモノマーを切り取るための反応剤のソースへの接続を提供する、1つ以上のマイクロ流体チャネルを備える。これら全てのコンポーネントは、コンピュータ・チップ製造またはマイクロキャピラリー・チップ製造の分野において公知であるように、バッチ製作プロセスで製造されうる。開示される方法および装置のいくつかの実施形態では、シークエンシング装置およびその個々のコンポーネントは、単一の集積回路として製造されてもよい。そのようなチップは、フォトリソグラフィおよびエッチングのような、従来技術において公知の方法によって製造されうる。しかし、製造方法は、これらに限定されず、レーザアブレーション、射出成形、キャスティング法、またはインプリンティング技術のような、公知技術の他の方法が使われてもよい。(例:Duffy, D.C. et al., "Rapid Prototyping of Microfluidic Systems in Poly(dimethylsiloxane)" Anal. Chem. 70:4974−4984,(1998)を参照)。ナノ電気機械システムの製造のための方法が、開示される方法および装置の特定の実施形態において使用されてもよい。(例:Craighead, Science 290:32−36,(2000)を参照)。微細加工チップは、Caliper Technologies Inc.(Mountain View, CA)およびACLARA BioSciences Inc.(Mountain View, CA)のようなソースから、商業的に入手可能である。シークエンシング装置およびそのコンポーネントを構成する物質は、検出器で使用される励起および発光周波数における電磁放射線を通すように選択されてもよい。ガラス、シリコン、および、可視周波数範囲において概して透明であるいかなる他の物質が、装置の構造に使用されてもよい。
【0053】
図4を参照すると、一実施形態では、高分子は、分子キャリアを、単一高分子のシークエンシングおよび検出用に装備されたマイクロ流体装置に設置することによって、シークエンシングされることができる。図1Aの分子キャリアは、単一分子270がシークエンシング装置255の反応チャンバ250に配置されるように、配置装置230でシステム内に配置される。配置装置230は、キャリアが漏出することなく出し入れされうるようにシール(図示されない)で設置されることができる。そして、化学または酵素法と、マイクロ流体との組合せを使用して、高分子鎖からの(標識された、または、標識されない)各モノマーは、順次的に切り離され、検出のためにコレクション・ボリュームに送付されうる。例えば、高分子が核酸である場合、DNA鎖を消化して、1度に1つずつ、標識されたまたは標識されていない個々のヌクレオチドモノマー280を解放するために、エキソヌクレアーゼ活性の酵素緩衝液240は、フロー制御装置260を使用してチャネルの反応チャンバ250に流される。好ましくは、この酵素溶液は、フロー制御装置260を使用して、予め定められたレートで、反応チャンバ250に送りこまれる。切り離されたヌクレオチドモノマー280は、フローf、および、モノマーまたはその標識からの信号が順次的に検出されるサンプルセル290を通過するように流れるフローgによって運ばれる。陽極300および陰極310によって発生する電界は、サンプルセルでモノマーをフォーカスさせることを支援するために使用されうる。ヌクレオチドモノマーは、任意に、コレクションまたは廃棄物チャンバ320に運ばれてもよい。
【0054】
適切なエキソヌクレアーゼの例は、エキソヌクレアーゼ1、ラムダ・エキソヌクレアーゼ、または、T4 DNAポリメラーゼまたはT7 DNAポリメラーゼのようなエキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼを含むが、これらに限定されるものではない。エキソヌクレアーゼ1は、一本鎖DNAを3’末端から5’末端まで消化し、ラムダ・エキソヌクレアーゼは、二本鎖DNAを5’末端から3’末端まで消化し、T4 DNAポリメラーゼ(エキソヌクレアーゼ)およびT7 DNAポリメラーゼ(エキソヌクレアーゼ)は、一本鎖および二本鎖DNAを3’末端から5’末端まで消化する。
【0055】
消化されたモノマーは、様々な技術によって検出されることができる。そして、開示される方法および装置の実施形態は、使用される検出装置のタイプによって限定されず、いかなる周知の検出装置が開示される方法と装置において使用されてもよい。例えば、核酸モノマーは、出願中のアメリカ出願番号第10/688680号において開示された方法および装置による表面増感コヒーレント反ストークスラマン分光法(SECARS)を使用することによって検出および同定されうる。ラマン検出については、検出細胞の内部表面は、SERSまたはSECARS信号増感を目的として、銀または金のような金属を含む、金属、金属ナノ粒子、金属ナノ粒子の集合、または、架橋金属ナノ粒子またはその集合でコーティングされることができる。標識は、分光光度計、照度計、NMR(核磁気共鳴分光学)、質量分光、画像処理システム、電荷結合素子(CCD)、CCDカメラ、光電子倍増管、アバランシェフォトダイオード、AFM(原子間力顕微鏡)、またはSTM(走査型トンネル電子顕微鏡)のような、公知技術の検出器または検出方法を使用して検出されうる。
【0056】
ナノ細孔検出技術は、モノマーを検出するためにも使用されることができる。ナノ細孔は、特定のタイプの分子がナノ細孔、または、ナノ細孔を含む細胞膜チャネルを通過したとき、イオン伝導率の変化を示す。ナノ細孔の直径は、概して、約2〜3ナノメートル単位である。ナノ細孔は、電解質溶液のみによって満たされ、陰極および陽極の配置によって誘発される電圧バイアスは、イオンにサンプルセルのナノ細孔を通過させる。イオン電流フローは、ピコアンペア単位である。単一分子が電圧バイアスによってナノ細孔に引き込まれた場合、分子は、ナノ細孔を部分的に遮って、ナノ細孔のイオン伝導率を減少させる。イオン伝導率の減少を定量化することは、増幅を必要とすることなく、ナノ秒またはマイクロ秒単位で、標識されたまたは標識されていないモノマーの直接的な特性決定を可能にする。この技術の感度は、細孔の内腔近辺の分子を、選択的に、しかし、可逆的に、分析される異なるタイプの分子に結合できる追加のセンサとして動作させるように共有結合することによって、増加させることができる。例えば、センサ分子とより強力に相互作用する分子は、電圧バイアスによって細孔の内腔に引き込まれた場合、細孔にとどまる時間を増加してかなりのイオン伝導率減少時間を作り出す、センサ分子との相互作用を起こす可能性が高い。同様に、センサ分子と弱く反応する分子は、細孔の内腔に引き込まれた場合、細孔にとどまる時間は増加されず、かなりのイオン伝導率減少時間を作り出さない。転移期間とイオン伝導率の変化をプロットすることは、それぞれユニークな標識されたまたは標識されないモノマーの同定を可能にする。ヌクレオチドモノマーに対するそのようなセンサ分子の例は、標識またはヌクレオチドを補完する塩基対に対する結合分子を含む。ナノ細孔は、DNAの単一分子のコドンをシークエンスするために使用されている(Wang et al. Nature Biotechnology, 19:622−623(2001)、Meller et al. Proc. Nat’l. Acad. Sci. 97:1079(2000)を参照)。標識されたヌクレオチドは、通常のヌクレオチドと比較して、大きなサイズおよび異なる化学的性質を有することができる。
【0057】
他の実施形態では、蛍光標識と結合した標識されたヌクレオチドは、ダイオードレーザ照明器、および、光ファイバまたはフォトトランジスタ検出器などの、光源および光検出器を使用して検出されうる。(Sepaniak et al. J.Microcol. Separations 1:155−157(1981)、Foret al., Electrophoresis 7:430−432(1986)、Horokawa et al., J.Chromatog. 463:39−49(1989)、米国特許第5302272号を参照)。光源の他の例は、例えば、Continuum Corporation Nd−YAG pumped Ti:Sapphire tunable solid−state laser、および、Lambda Physik excimer pumped dye laserのような、垂直共振器面発光レーザ、端面発光レーザ、面発光レーザ、および量子共振器レーザを含む。光検出器の他の例は、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光電子倍増管、マルチアノード光電子倍増管、フォトトランジスタ、真空フォトダイオード、シリコン・フォトダイオード、および電荷結合素子(CCD)を含む。表面増感ラマン散乱、蛍光、および他の光学的方法を用いて、単一のヌクレオチド分子は、検出および同定されることができる。(Kneipp et al., Phys. Rev. E, 57:R6281(1998)、Keir et al., Anal. Chem, 74:1503(2002)、Doering et al., J. Phys. Chem. B, 106:311(2002)を参照)。
【0058】
いくつかの実施形態では、光検出器、光源、およびナノ細孔は、N−well相補型金属酸化膜半導体(CMOS)プロセス(Orbit Semiconductor, Sunnyvale, CA)を使用して半導体チップにまとめて製造されうる。開示される方法および装置の他の実施形態では、検出器、光源、およびナノ細孔は、シリコン・オン・インシュレータCMOSプロセス(例:米国特許番号 6117643)で製造されうる。開示される方法および装置の他の実施形態では、ダイオードレーザ照射器のアレイおよびCCD検出器は、半導体チップ上に配置されてもよい(米国特許番号4874492および5061067、Eggers et al., BioTechniques, 17:516−524(1994)を参照)。
【0059】
特定の実施形態では、高感度冷却CCD検出器が使用されてもよい。冷却CCD検出器は、80%までの単一光子検出確率と、高空間分解能を有するピクセルサイズ(5ミクロン)と、近赤外線スペクトルにより可視な範囲の感度を有する。(Sheppard, Confocal Microscopy: Basic Principles and System Performance in: Multidimensional Microscopy, Springer−Verlag, New York, NY, pp.1−51(1994)を参照)。本発明の他の実施形態では、コイルド・イメージ・インテンシファイド・カプリング装置(ICCD)は、単一光子計測レベルに近づく光検出器として使用されてもよい(米国特許第6147198)。少数の光子は、照射された画像を生成する、多くの電子による蛍光スクリーンへの衝突を引き起こす。この蛍光画像は、光ファイバによって増幅器に接続されたCCDチップ領域によって感知される。開示される方法および装置のいくつかの実施形態では、チップ上のCCD検出器は、紫外線、可視光、および/または赤外線光を感知できてもよい(例:米国特許番号5846708に記載されるように)。
【0060】
いくつかの実施形態では、ナノ細孔は、光源および半導体チップ上の検出器に使用可能となるように接続されうる。開示される方法および装置の特定の実施形態では、検出器は、背景光を最小化することを目的として、光源に対して垂直に配置されてもよい。発光標識の励起によって生成される光子は、光ファイバによって収集されてもよい。収集された光子は、CCD検出器に転送され、光が検出されて定量化される。CCD検出器と使用可能となるように光ファイバを半導体チップ上に配置方法は、公知である(例:米国特許番号6274320で説明されるように)。
【0061】
いくつかの実施形態では、低光量を検出するために、アバランシェフォトダイオード(APD)が作成されてもよい。APDプロセスは、電子増倍効果(例:米国特許第6197503号で説明される)のためにフォトダイオードアレイを使用する。開示される方法および装置の他の実施形態では、発光ダイオード(LED)のような光源および/または半導体レーザは、半導体チップに含まれてもよい(米国特許第6197503号で説明される)。レーザまたはダイオード光ビームを形成する回折光学素子も、チップに統合されてもよい。
【0062】
本発明の特定の実施形態では、光源は、核酸に結合されたフルオレセインのような感光性標識を励起する電磁放射を生成する。いくつかの実施形態では、488nmの空冷アルゴンレーザーは、フルオレセイン標識された核酸分子を励起する。発せられた光は、光ファイバ、レンズ、イメージング分光計、および、0℃熱電気冷却CCDカメラまたは液体窒素冷却CCDカメラを含む集光システムによって収集されることができる。
情報処理、システム制御、およびデータ分析
【0063】
シークエンシング装置は、情報処理および制御システムを含んでもよい。実施形態は、使用される情報処理および制御システムのタイプを限定しない。情報処理および制御システムの典型的な例は、情報通信のためのバスと情報処理のためのプロセッサとを備えるコンピュータを含んでもよい。開示される方法および装置の一実施形態では、プロセッサは、Intel Corp.(Santa Clara, CA)から入手可能な、Pentium(登録商標) IIファミリ、Pentium IIIファミリ、およびPentium 4ファミリのプロセッサを含み、しかしこれらに限定されない、Pentiumファミリのプロセッサから選択される。開示される方法および装置の他の実施形態では、プロセッサは、Celeron(登録商標)、Itanium(登録商標)、Pentium Xeon(登録商標)、またはX−scaleプロセッサ(Intel Corp., Santa Clara, CA)であってもよい。開示される方法および装置の他の様々な実施形態では、プロセッサは、Intel(登録商標) IA−32またはIntel IA−64アーキテクチャのようなIntelアーキテクチャに基づいてもよい。あるいは、他のプロセッサが使用されてもよく、プロセッサのタイプの選択は、選択的である。
【0064】
特定の実装に対して、本願明細書において記載されている実施例とは異なる情報処理および制御システムが使用されてもよい。したがって、システムの構成は、開示される方法および装置の異なる実施形態においてさまざまであってもよい。プロセスは、プログラムされたプロセッサの制御下において実行されうるが、他の実施形態では、プロセスは、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、TTLロジック、または特定用途向け集積回路(ASIC)のような、プログラム可能なロジックまたはハードコードされたロジックによって、その全てまたは一部が実装されてもよい。更に、方法は、プログラムされた汎用コンピュータコンポーネントおよび/またはカスタム・ハードウェア・コンポーネントの組合せによって、実行されてもよい。
【0065】
本発明の特定の実施形態では、カスタム設計されたソフトウェア・パッケージは、検出器107から得られたデータを分析するために使用されてもよい。他の実施形態では、データ分析は、情報処理および制御システムおよび公に入手可能なソフトウェア・パッケージを使用して実行されてもよい。DNAシークエンス210の分析に使用できる入手可能なソフトウェアの非限定的な例は、PRISM DNA Sequencing Analysis Software(Applied Biosystems, Foster City, CA)、 Sequencherパッケージ(Gene Codes, Ann Arbor, MI)、およびNational Biotechnology Informationから入手可能な様々なソフトウェア・パッケージを含む。
例1
単一分子の隔離−DNAシークエンシングのためのサンプル準備
以下は、図3のデジタル写真に示されるサンプルを生成するために使用される技術の説明である。
基質の修飾
ガラス表面は、ヒドロキシル基を露出させることを目的として、アルカリ溶液(NaOH、1N)で処理される。ヒドロキシル化された表面は、次に、アルデヒド活性基質を提供することを目的として、アルデヒドを含むシランリガンド(95%エタノール内の10ミリモル)で処理される。エタノールで3回および脱イオン水で3回洗浄された後、アルデヒド活性基質は、1:10または1:1000などのような特定のモル比率のアビジンおよびBSA(ウシ血清アルブミン)を含む溶液でコーティングされる。アルデヒドは、タンパク質上の1級アミンと反応して、アルデヒドとタンパク質との間のシフ塩基結合を形成し、タンパク質をアルデヒド活性基質表面に共有結合させる。
標的分子の準備
DNAサンプルは、2つの異なる末端を有するDNA断片を生成することを目的として、2つの異なる制限酵素で消化される(例えば、10マイクログラムのイーストDNAは、50個のEcoR1と50個のBamH1とを含む、100マイクロリットルの1X制限酵素消化バッファ(New England Biolabs)で消化される)。約10ナノグラムの20kbp DNA断片は、通常の技術を有する当業者によって公知の方法で、アガロース・ゲルから隔離される。中央にビオチン部分を有し、末端に制限酵素部位を有するヘアピン型オリゴヌクレオチド(cap−oligo)は、合成されて、制限酵素によって決定される望ましい末端に結合される。結合の後、DNAは、ビオチンによる閉端と、開端とを有する。末端転移酵素(20個)および10マイクロモルのdATPを含む50マイクロリットルの酵素溶液は、DNAの開端にビオチン化されたオリゴヌクレオチドテイル(20から50ヌクレオチド長)を追加するために使用されることができる。分子の最終的な適用に従って、他の末端修飾法が使用されてもよい。
結合および確認のためのビーズ
ストレプトアビジンでコーティングされた1μmの微粒子(蛍光性)は、商業的ソース(Polysceiences Inc.)から購入されることができる。
マイクロ流体チップの製造
製造されるマイクロ流体チャネルの設計は、CADソフトウェアを使用して一定の縮尺で作図された。そして、設計は、高解像度プリンタを使用して透明シート上に印刷された。チャネルは、幅が約100μmおよび長さが約2〜3cmであった。マイクロ成型のためのシリコンマスタ上のフォトレジストは、透明マスクおよびSU−8フォトレジストを使用した標準的なフォトリソグラフィによって準備された。そして、これらのパターンド・マスタは、シリル化され、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)でのマイクロ成型のために使用された。PDMS前駆体は、シリル化されたマスタに注入され、硬化された。そして、チャネル構造を含む硬化されたPDMSは、チャネルを含ませることを目的として、圧力を加えることによって、修飾された基質に接着された。
単一分子の隔離
ビオチン化末端を有する修飾された標的DNAは、真空を使用して10nMの標的DNA溶液をマイクロ流体チャネルに5分間流すこと、および、溶液を1時間インキュベートすることによって、マイクロ流体チャネル内のアビジン/BSA基質上で固定化される。そして、チャネルは、結合されていない標的DNAを除去することを目的として、1XPBSで3回〜5回洗浄される。標的DNAの結合の確認および隔離は、Polysciences, Inc.から得られた、1μmの蛍光ストレプトアビジンでコーティングされたポリスチレンビーズ(PS)溶液を流すこと、および、蛍光ビデオ顕微鏡を使用してマイクロ流体チャネル内の基質上に固定された標的DNAに結合されたビーズのブラウン運動を観察することによって、実行された。
【0066】
上述の、開示される方法および装置の好ましい実施形態の詳細な説明は、理解を明確にするためのみに提供されたものであり、これらの実施形態から不必要な限定が理解されるべきではない。また、当業者にとっては、実施形態の変更が明白である。以上に開示された方法および装置に対する変更は、特許請求の範囲から逸れることなく実施されることができる。したがって、そのような限定は、添付の特許請求の範囲によって示されるように課されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的高分子を隔離する方法であって、
特定の結合剤と結合することができる修飾された高分子を形成するために、単一高分子の少なくとも1つの端を化学的に修飾することと、
結合剤が互いに標的高分子の長さの少なくとも2倍離れるエリアを作り出すために、固体支持体表面上のマイクロエリアを、前記修飾された高分子と結合する一定量の特定の結合剤と、前記修飾された高分子と結合しない一定量の機能性非結合剤とでコーティングすることと、
前記高分子が前記固体支持体の前記特定の結合剤に結合することを可能にする条件下において、前記修飾された高分子と前記コーティングされた固体支持体とを接触させることと
を備える方法。
【請求項2】
前記高分子は、核酸である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記高分子の少なくとも1つの端は、チオール基、カルボキシ基、またはアミノ基を含むように化学修飾される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記高分子の少なくとも1つの端は、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、およびこれらの組合せを含むグループから選択される分子で化学修飾される請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記特定の結合剤は、金を含み、前記機能性非結合剤は、銀、胴、マグネシウム、シリコン、ガリウム、またはこれらの組合せを含む請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記特定の結合剤は、アビジン、ストレプトアビジン、または抗体であり、前記機能性非結合剤は、ウシ血清アルブミンである請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記結果として生じるマイクロエリアは、3個以下の結合された標的高分子を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記結果として生じるマイクロエリアは、1個の結合された標的高分子を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記結果として生じるマイクロエリアにおける高分子間の前記平均距離は、約1μmから約70mmである請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記固体支持体は、プレート、スライド、フィルム、細片、ロッド、チューブ、およびこれらの組合せを含むグループから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記チューブは、光ファイバである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記支持体の前記表面は、保護基でプリコーティングされる請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記支持体に結合された標的高分子の前記存在を検出することを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記マイクロエリアは、約400nmから約100mmのサイズである請求項1に記載の方法。
【請求項15】
有効な結合部位間の平均距離が機能性結合剤に結合された単一標的分子を有するマイクロエリアを作り出すことができる距離となるように、機能性非結合剤と混合された一定量の特定の結合剤でコーティングされた少なくとも1つのマイクロエリアを含む表面を有する固体支持体を備える、標的高分子を隔離するための装置。
【請求項16】
前記機能性結合剤に結合された標的高分子を備える請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記結合された高分子は、核酸である請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記結合された高分子は、DNAである請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記特定の結合剤は、金であり、前記機能性非結合剤は、銅、シリコン、ガリウム、またはこれらの組合せである請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記特定の結合剤は、アビジン、ストレプトアビジン、または抗体であって、前記機能性非結合剤は、ウシ血清アルブミンである請求項15に記載の装置。
【請求項21】
前記マイクロエリアは、約400nmから約100mmである請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記核酸は、1つ以上の標識されたモノマーを含む請求項16に記載の装置。
【請求項23】
前記固体支持体は、プレート、スライド、フィルム、細片、ロッド、およびチューブを含む前記グループから選択される請求項15に記載の装置。
【請求項24】
前記チューブは光ファイバである請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記支持体の前記表面の一部は、保護基でコーティングされる請求項15に記載の装置。
【請求項26】
前記標的核酸分子をシークエンシングする方法であって、
固体基質の表面上のマイクロエリアに結合された、隔離された標的核酸分子を、マイクロ流体装置の反応チャンバに配置することと、
前記標的核酸の開端からの前記標的核酸の前記モノマーを消化することと、
前記消化されたモノマーを、前記マイクロ流体デバイスに動作可能となるように接続された検出セルに送付することと、
前記標的核酸からの前記消化されたモノマーを順次的に検出することと
を備える方法。
【請求項27】
前記検出セルは、金または銀でコーティングされた表面を含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記基質は、隔離された標的核酸を含む複数のマイクロエリアによって性質付けられる請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記標的核酸の前記消化は、エキセヌクレアーゼを含む溶液を前記マイクロ流体装置の前記反応チャンバに流すことによって生じる請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記標的核酸は、デオキシリボ核酸である請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記標的核酸は、検出可能な標識で標識された1つ以上のモノマーを含む請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記標識は、蛍光分光法によって検出可能である請求項31に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−525977(P2007−525977A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554153(P2006−554153)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/004593
【国際公開番号】WO2005/080566
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】