印刷システム、印刷方法、および印刷プログラム
【課題】補正用多次元ルックアップテーブルを用いて色補正を行う印刷システムにおいて、一度印刷した印刷物を新たに印刷する際に、RIP処理を実行することなく色補正を行うことを可能にする。
【解決手段】印刷データのラスタライズ処理を実行しつつ、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行し、画像データを生成する生成部と、画像データを記憶する記憶部と、画像データに基づく画像を最初に印刷するときには、第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して画像データの色情報を補正し、画像を新たに印刷するときには、第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、画像データの色情報を補正する補正部と、を有する印刷システム。
【解決手段】印刷データのラスタライズ処理を実行しつつ、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行し、画像データを生成する生成部と、画像データを記憶する記憶部と、画像データに基づく画像を最初に印刷するときには、第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して画像データの色情報を補正し、画像を新たに印刷するときには、第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、画像データの色情報を補正する補正部と、を有する印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像を印刷するための印刷システム、印刷方法、および印刷プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー印刷業界において、電子写真プリンターやインクジェットプリンター等のオンデマンド印刷機器が広く活用されるようになってきている。これに伴い、印刷機器の印刷品質を一定に維持するための色補正(カラーキャリブレーション)が重要になってきている。
【0003】
印刷機器の色補正に関する技術としては、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、およびK(ブラック)の各基本色の1次元カーブ(1次元LUT:1次元ルックアップテーブル)を適用して、各基本色の階調を補正する技術が知られている。1次元LUTを用いた色補正は、計算負荷が小さく短時間での処理が可能であるものの、印刷環境の大きな変化や資材ロットの切り替えによる複数の基本色の重ね合わせバランスの変化には対応できない。このため、複数の基本色の重ね合わせバランスを一定に維持する見地から、3次元または4次元の多次元LUTを用いた色補正が提案されている(たとえば、特許文献1)。多次元LUTを用いた色補正は、計算負荷が大きいため、通常、ページ記述言語(PDL)で記述された印刷データのラスタライズ処理(RIP処理)と同時に実行され、処理時間の短縮が図られている。
【0004】
一方、印刷物の生産においては、通常、必要部数の印刷が行われる前に、校正用サンプルの印刷が行われる。そして、校正用サンプルの校了後に必要部数の印刷が行われる。このため、校正用サンプルの印刷時に印刷データに対してRIP処理を実行して得られる画像データはハードディスクに記憶され、必要部数の印刷時にハードディスクから読み出されて再利用される。このような構成によれば、必要部数の印刷時に、印刷データのRIP処理を再度実行する必要がなく、処理時間が短縮される。
【0005】
しかしながら、校正用サンプルが印刷されてから必要部数の印刷が行われるまでの間に印刷環境が変動し、補正条件を変更する必要が生じる場合がある。補正条件を変更する必要が生じた場合、補正用のLUTが新たに作成される。多次元LUTを用いて色補正を行う印刷システムでは、色補正がRIP処理と同時に実行されるため、新たに作成されたLUTを適用して色補正を行い必要部数の印刷を行うには、印刷データのRIP処理を再度実行して画像データを再生成する必要があるが、処理時間が長くなり好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−089031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、補正用多次元ルックアップテーブルを用いて色補正を行う印刷システムにおいて、一度印刷した印刷物を新たに印刷する際に、RIP処理を実行することなく色補正を行うことを可能にする印刷システム、印刷方法、および印刷プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)ページ記述言語で記述された印刷データを受信する受信部と、前記受信部により受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成する生成部と、前記生成部により生成された画像データを記憶する画像データ記憶部と、前記画像データに基づく画像を最初に印刷するときには、各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記生成部により生成された画像データの色情報を補正し、前記画像データに基づく画像を新たに印刷するときには、前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正する補正部と、前記補正部により色情報が補正された画像データを出力する出力部と、を有することを特徴とする印刷システム。
【0010】
(2)前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする上記(1)に記載の印刷システム。
【0011】
(3)画像データに対してスクリーニング処理を実行するスクリーニング処理部と、複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルを、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および前記スクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けて記憶しているテーブル記憶部と、をさらに有し、前記生成部および補正部によりそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の印刷システム。
【0012】
(4)前記画像データに基づく画像を新たに印刷するとき、新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付ける受付部をさらに有し、前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記補正部は、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0013】
(5)ページ記述言語で記述された印刷データを受信するステップ(a)と、前記ステップ(a)において受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成するステップ(b)と、前記ステップ(b)において生成された画像データを画像データ記憶部に記憶させるステップ(c)と、各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記ステップ(b)において生成された画像データの色情報を補正するステップ(d)と、前記ステップ(d)において色情報が補正された画像データを出力するステップ(e)と、前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正するステップ(f)と、前記ステップ(f)において色情報が補正された画像データを出力するステップ(g)と、を有することを特徴とする印刷方法。
【0014】
(6)前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする上記(5)に記載の印刷方法。
【0015】
(7)複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルが、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および画像データに対して実行されるスクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けてテーブル記憶部に記憶されており、前記ステップ(b)、ステップ(d)、およびステップ(f)においてそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする上記(5)または(6)に記載の印刷方法。
【0016】
(8)前記ステップ(e)と前記ステップ(f)との間に、新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付けるステップ(h)をさらに有し、前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記ステップ(f)において、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報が補正されることを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれか1つに記載の印刷方法。
【0017】
(9)ページ記述言語で記述された印刷データを受信する手順(a)と、前記手順(a)において受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成する手順(b)と、前記手順(b)において生成された画像データを画像データ記憶部に記憶させる手順(c)と、各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記手順(b)において生成された画像データの色情報を補正する手順(d)と、前記手順(d)において色情報が補正された画像データを出力する手順(e)と、前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正する手順(f)と、前記手順(f)において色情報が補正された画像データを出力する手順(g)と、をコンピューターに実行させる印刷プログラム。
【0018】
(10)前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする上記(9)に記載の印刷プログラム。
【0019】
(11)複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルが、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および画像データに対して実行されるスクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けてテーブル記憶部に記憶されており、前記手順(b)、手順(d)、および手順(f)においてそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする上記(9)または(10)に記載の印刷プログラム。
【0020】
(12)前記手順(e)と前記手順(f)との間に、新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付ける手順(h)をさらに前記コンピューターに実行させ、前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記手順(f)において、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報が補正されることを特徴とする上記(9)〜(11)のいずれか1つに記載の印刷プログラム。
【0021】
(13)上記(9)〜(12)のいずれか1つに記載の印刷プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色情報が補正された画像データが画像データ記憶部に記憶され、画像データに基づく画像を新たに印刷するときには、新しい補正用1次元ルックアップテーブルを適用して画像データの色情報が補正されるため、一度印刷した印刷物を新たに印刷する際に、RIP処理を実行することなく色補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるクライアント端末の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示されるプリンターコントローラーの概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示されるプリンターコントローラーのハードディスクの内容を示すブロック図である。
【図5】LUT選択用テーブルの一例を示す図である。
【図6】図1に示されるプリンターの概略構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示されるプロファイラーの概略構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示されるプロファイラーのハードディスクの内容を示すブロック図である。
【図9】プリンターコントローラーによる第1印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】プリンターコントローラーによる第2印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】印刷システムの作用効果を説明するための図である。
【図12】プロファイラーによる補正用1次元LUT作成処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】プロファイラーによる補正用多次元LUT作成処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0026】
図1に示されるとおり、印刷システムは、クライアント端末1a,1b,1cと、プリンターコントローラー2a,2bと、プリンター3a,3bと、プロファイラー4と、測色器5とを備えている。クライアント端末1a,1b,1c、プリンターコントローラー2a,2b、およびプロファイラー4は、ネットワーク6を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク6は、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)等の規格によりコンピューターやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、あるいはLAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)等からなる。プリンターコントローラー2a,2bとプリンター3a,3bとは、たとえば、IEEE1394シリアルバス、USB(Universal Serial Bus)等の専用インターフェース用バスを介してそれぞれ接続されている。プロファイラー4と測色器5とは、専用回線を介して接続されている。
【0027】
なお、プリンターコントローラー2a,2bとプリンター3a,3bとはネットワーク6を介して接続されていてもよい。また、ネットワーク6に接続される機器の種類および台数は、図1に示す例に限定されない。
【0028】
図2は、クライアント端末の概略構成を示すブロック図である。クライアント端末1a,1b,1cは、たとえば、一般的なPC(Personal Computer)である。クライアント端末1a,1b,1cは、相互に同様の構成であるため、以下、クライアント端末1aを代表として用いて説明する。
【0029】
クライアント端末1aは、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ハードディスク14、ディスプレイ15、入力装置16、およびネットワークインターフェース17を含み、これらは信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。
【0030】
CPU11は、プログラムにしたがって、上記各部の制御や各種の演算処理を行う。ROM12は、各種プログラムや各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
【0031】
ハードディスク14は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。ハードディスク14には、文書ファイルを作成するための文書ファイル作成アプリケーションと、文書ファイルをプリンターコントローラー2a,2bが解釈可能なページ記述言語で記述された印刷データに変換するためのプリンタードライバーとがインストールされている。
【0032】
ディスプレイ15は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。入力装置16は、たとえば、マウス等のポインティングデバイスやキーボードを含み、各種情報の入力を行うために使用される。ネットワークインターフェース17は、ネットワーク6を介して他の機器と通信するためのインターフェースであり、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格が用いられる。
【0033】
図3は、プリンターコントローラーの概略構成を示すブロック図である。プリンターコントローラー2a,2bは、相互に同様の構成であるため、以下、プリンターコントローラー2aを代表として用いて説明する。
【0034】
プリンターコントローラー2aは、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、ディスプレイ25、入力装置26、ネットワークインターフェース27、およびプリンターインターフェース28を含み、これらは信号をやり取りするためのバス29を介して相互に接続されている。なお、プリンターコントローラー2aの上記各部のうち、クライアント端末1aの上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0035】
プリンターインターフェース28は、ローカル接続されたプリンター3aと通信するためのインターフェースである。
【0036】
なお、ディスプレイ25および入力装置26は、後述する色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付ける受付部として機能する。また、ネットワークインターフェース27は、印刷データを受信する受信部として機能し、プリンターインターフェース28は、印刷データから生成される画像データを出力する出力部として機能する。
【0037】
図4は、プリンターコントローラーのハードディスクの内容を示すブロック図である。プリンターコントローラー2aのハードディスク24は、データベース200として、カラーマッチング用LUT210、補正用4次元LUT220、補正用1次元LUT230、およびLUT選択用テーブル240を記憶している。
【0038】
カラーマッチング用LUT210は、出力機器間の色の違いを調整するためのLUTであり、複数記憶されている。補正用4次元LUT220は、4つの基本色を組み合わせてプリンター3aにより印刷される画像の色(重ね合わせバランス)を目標色に合わせるとともに一定に維持するためのLUTである。補正用1次元LUT230は、各基本色についてプリンター3aにより印刷される画像の色を一定に維持するためのLUTであり、C、M、Y、およびKの4つの基本色にそれぞれ対応する4つのLUTを含む。補正用4次元LUT220および補正用1次元LUT230は、プロファイラー4により作成されハードディスク24に記憶される。補正用4次元LUT220および補正用1次元LUT230には、当該LUTが作成された日時を示す日時情報が付加されており、ハードディスク24には、作成日時の異なる補正用1次元LUTおよび補正用4次元LUTが複数記憶されている。また、補正用4次元LUT220および補正用1次元LUT230は、用紙の種類およびスクリーニング処理におけるスクリーンの種類と関連付けて複数記憶されている。
【0039】
LUT選択用テーブル240は、用紙の種類およびスクリーンの種類に応じた補正用4次元LUTおよび補正用1次元LUTを選択するためのものである。図5に示されるとおり、LUT選択用テーブル240では、用紙の種類(普通紙、マット紙等)およびスクリーンの種類(ドットスクリーン、ラインスクリーン等)と補正用1次元LUTおよび補正用4次元LUTの名称(LUT−A、LUT−B等)とが関連付けられている。
【0040】
また、ハードディスク24は、RIP部(生成部)250、キャリブレーション部(補正部)260、およびスクリーニング処理部270に対応するプログラムを格納するためのそれぞれの領域を有する。RIP部250は、クライアント端末1a,1b,1cから受信した印刷データに対してRIP処理を実行して、ビットマップ形式の画像データを生成する。本実施形態のRIP部250は、カラーマッチング用LUTおよび補正用4次元LUTを適用してRIP処理と同時に色変換処理を実行し、色情報が補正された画像データを生成する。キャリブレーション部260は、補正用1次元LUTを適用して、RIP処理により生成された画像データの各画素の色情報を補正する。スクリーニング処理部270は、色情報が補正された画像データに対してスクリーニング処理を実行する。なお、RIP部250、キャリブレーション部260、およびスクリーニング処理部270の機能は、それぞれに対応するプログラムをCPU21が実行することにより発揮される。
【0041】
図6は、プリンターの概略構成を示すブロック図である。プリンター3a,3bは、相互に同様の構成であるため、以下、プリンター3aを代表として用いて説明する。プリンター3aは、CPU31、ROM32、RAM33、操作パネル部34、印刷部35、およびコントローラーインターフェース36を含み、これらは信号をやり取りするためのバス37を介して相互に接続されている。なお、プリンター3aの上記各部のうち、クライアント端末1aの上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0042】
操作パネル部34は、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。印刷部35は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、プリンターコントローラー2aから受信した画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。印刷部35は、C、M、Y、およびKの4色のトナーを用いて画像を印刷する。コントローラーインターフェース36は、プリンターコントローラー2aと通信を行うためのインターフェースである。
【0043】
図7は、プロファイラーの概略構成を示すブロック図である。プロファイラー4は、たとえば、一般的なPCである。プロファイラー4は、CPU41、ROM42、RAM43、ハードディスク44、ディスプレイ45、入力装置46、ネットワークインターフェース47、および測色器インターフェース48を含み、これらは信号をやり取りするためのバス49を介して相互に接続されている。なお、プロファイラー4の上記各部のうち、クライアント端末1aの上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0044】
測色器インターフェース48は、ローカル接続された測色器5と通信するためのインターフェースである。測色器5は、たとえば、Red、Green、Blueの光の3原色に対応する3種類のセンサを備え、カラー画像の各部に対する3種類のセンサからの出力値(RGB値)に基づいて測色する。
【0045】
図8は、プロファイラーのハードディスクの内容を示すブロック図である。プロファイラー4のハードディスク44は、データベース400として、補正基準プロファイル410、補正用4次元LUT420、および補正用1次元LUT430を記憶している。補正基準プロファイル410は、補正用4次元LUT420および補正用1次元LUT430を作成するために使用される。
【0046】
また、ハードディスク44は、補正基準プロファイル作成部450、補正用多次元LUT作成部460、および補正用1次元LUT作成部470に対応するプログラムを格納するためのそれぞれの領域を有する。
【0047】
補正基準プロファイル作成部450は、補正基準プロファイル410を作成する。補正用多次元LUT作成部460は、補正用4次元LUT420を作成する。補正用1次元LUT作成部470は、C、M、Y、およびKの各基本色に対応する補正用1次元LUT430をそれぞれ作成する。なお、補正基準プロファイル作成部450、補正用多次元LUT作成部460、および補正用1次元LUT作成部470の機能は、それぞれに対応するプログラムをCPU41が実行することにより発揮される。
【0048】
クライアント端末1a,1b,1c、プリンターコントローラー2a,2b、プリンター3a,3b、およびプロファイラー4は、上記構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0049】
以上のとおり構成される本実施形態の印刷システムでは、印刷物の生産に際し、まず、クライアント端末1aから送信される印刷データに基づいて校正用サンプルの印刷を行う1回目の印刷処理(第1印刷処理)が実行される。そして、校正用サンプルの校正が完了した後、必要部数の印刷を行う2回目の印刷処理(第2印刷処理)が実行される。以下、図9〜図13を参照して、印刷システムの動作について説明する。
【0050】
図9は、プリンターコントローラーによる第1印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プリンターコントローラー2aのハードディスク24にプログラムとして記憶されており、CPU21によって実行される。
【0051】
まず、印刷データが受信される(ステップS101)。本実施形態では、たとえば、クライアント端末1aから送信される印刷データが受信される。印刷データには、画像データを生成するための描画情報に加え、カラーマッチング用LUTを特定するための情報、画像が形成される用紙の種類を特定するための情報、およびスクリーニング処理におけるスクリーンの種類を特定するための情報が含まれる。これらの情報は、たとえば、プリンタードライバーにより提供される印刷設定画面(不図示)を介して、クライアント端末1aのユーザーにより指定される。
【0052】
続いて、カラーマッチング用LUTが読み出される(ステップS102)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている複数のカラーマッチング用LUTの中から、印刷データで指定されているカラーマッチング用LUTが読み出される。
【0053】
続いて、補正用4次元LUTが読み出される(ステップS103)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている複数の補正用4次元LUTの中から、印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる補正用4次元LUTが読み出される。具体的には、テーブル記憶部としてのハードディスク24に記憶されているLUT選択用テーブル240(図5参照)が参照され、印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる名称の補正用4次元LUTが読み出される。なお、ハードディスク24に同一名称の補正用4次元LUTが複数記憶されている場合には、最新の補正用4次元LUTが読み出される。
【0054】
続いて、RIP処理が実行される(ステップS104)。本実施形態では、ステップS101に示す処理で受信された印刷データに対してRIP処理が実行される。このとき、ステップS102,S103に示す処理で読み出されたカラーマッチング用LUTおよび補正用4次元LUTを適用して色変換処理が実行される。RIP処理と同時に色変換処理が実行されることにより、たとえば、オブジェクト単位での色変換が可能となり、計算負荷が低減される。RIP処理および色変換処理が実行されることにより、色情報が補正された画像データが生成される。なお、印刷データのRIP処理を実行しつつ、カラーマッチング用LUTおよび補正用4次元LUTを適用して色変換処理を実行する処理自体は、色変換処理を伴う一般的なRIP処理であるため、詳細な説明は省略する。
【0055】
続いて、画像データがハードディスク24に記憶される(ステップS105)。本実施形態では、ステップS104に示す処理で生成された画像データが、再利用のために、画像データ記憶部としてのハードディスク24に記憶される。
【0056】
続いて、印刷データが記憶される(ステップS106)。本実施形態では、ステップS101に示す処理で受信された印刷データが、再利用のために、画像データと関連付けてハードディスク24に記憶される。
【0057】
続いて、補正用1次元LUTが読み出される(ステップS107)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている複数の補正用1次元LUTの中から、印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる補正用1次元LUTが読み出される。具体的には、ハードディスク24に記憶されているLUT選択用テーブル240(図5参照)が参照され、印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる名称の補正用1次元LUTが読み出される。なお、ハードディスク24に同一名称の補正用1次元LUTが複数記憶されている場合には、最新の補正用1次元LUTが読み出される。
【0058】
続いて、色補正が行われる(ステップS108)。本実施形態では、ステップS107に示す処理で読み出された補正用1次元LUTを適用して、ステップS104に示す処理で生成された画像データの各画素の色情報が補正される。より具体的には、画像データの各画素のC、M、Y、Kの濃度が、各色に対応する補正用1次元LUTを適用して補正される。なお、補正用1次元LUTを適用して画像データの色情報を補正する処理自体は、一般的な色補正処理であるため、詳細な説明は省略する。また、補正用1次元LUTの名称情報は、画像データと関連付けてハードディスク24に記憶される。
【0059】
続いて、スクリーニング処理が実行される(ステップS109)。本実施形態では、ステップS108に示す処理で色情報が補正された画像データに対して、ステップS101に示す処理で受信された印刷データで指定されているスクリーニング処理が施される。なお、スクリーニング処理自体は、周知技術であるため、詳細な説明は省略する。また、本実施形態とは異なり、スクリーニング処理は、プリンター3aにより実行されてもよい。
【0060】
そして、画像データが出力され(ステップS110)、処理が終了される。本実施形態では、ステップS109に示す処理でスクリーニング処理が施された画像データが、プリンター3aに送信され、処理が終了される。画像データを受信したプリンター3aは、画像データに基づく画像を用紙に印刷する。
【0061】
以上のとおり、図9に示されるフローチャートの処理によれば、まず、印刷データのRIP処理と同時にカラーマッチング用LUTおよび補正用4次元LUTを適用した色変換処理が実行され、色情報が補正された画像データが生成される。そして、補正用1次元LUTを適用して画像データの色情報がさらに補正され、色情報が補正された画像データがプリンター3aに出力される。画像データに基づく画像が、プリンター3aにより印刷されることにより、校正用サンプルが作成される。ユーザーにより校正用サンプルが確認され問題がなければ、必要部数の印刷を行う2回目の印刷処理が実行される。
【0062】
1回目の印刷処理で印刷された校正用サンプルの色と2回目の印刷処理で印刷される画像の色を一定に維持するため、2回目の印刷処理が実行される直前に補正用1次元LUTが新たに作成される。2回目の印刷処理では、校正用サンプルの作成時にハードディスク24に記憶された、補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データが読み出され、読み出された画像データに対して最新の補正用1次元LUTが適用される。
【0063】
図10は、プリンターコントローラーによる第2印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、図10のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プリンターコントローラー2aのハードディスク24にプログラムとして記憶されており、CPU21によって実行される。
【0064】
まず、画像の選択が受け付けられる(ステップS201)。本実施形態では、2回目の印刷の対象となる画像のユーザーによる選択が受け付けられる。具体的には、まず、ハードディスク24に記憶されている画像データに対応する画像の一覧がディスプレイ25に表示される。そして、ディスプレイ25に表示される画像の一覧の中から、ユーザーにより選択された画像が受け付けられる。
【0065】
続いて、補正用4次元LUTを適用するか否かが判断される(ステップS202)。本実施形態では、補正用4次元LUTによる色補正を行うか否かが判断される。具体的には、補正用4次元LUTを適用した色変換処理を再度実行するか否かについての選択をユーザーに促す選択画面(不図示)がディスプレイ25に表示され、選択画面を通じたユーザーの選択にしたがって、補正用4次元LUTを適用するか否かが判断される。
【0066】
補正用4次元LUTを適用すると判断される場合(ステップS202:YES)、印刷データが読み出される(ステップS203)。本実施形態では、画像データと関連付けてハードディスク24に記憶されている印刷データの中から、ステップS201に示す処理で選択された画像に対応する印刷データが読み出される。
【0067】
続いて、カラーマッチング用LUTが読み出される(ステップS204)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている複数のカラーマッチング用LUTの中から、ステップS203に示す処理で読み出された印刷データで指定されているカラーマッチング用LUTが読み出される。
【0068】
続いて、補正用4次元LUTが読み出される(ステップS205)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている複数の補正用4次元LUTの中から、ステップS203に示す処理で読み出された印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる補正用4次元LUTが読み出される。なお、ハードディスク24に同一名称の補正用4次元LUTが複数記憶されている場合には、最新の補正用4次元LUTが読み出される。
【0069】
続いて、RIP処理が実行される(ステップS206)。本実施形態では、ステップS203に示す処理で読み出された印刷データに対してRIP処理が実行される。このとき、ステップS204,S205に示す処理で読み出されたカラーマッチング用LUTおよび補正用4次元LUTを適用して色変換処理が実行される。
【0070】
続いて、画像データがハードディスク24に記憶される(ステップS207)。本実施形態では、ステップS206に示す処理で生成された画像データが、再利用のために、ハードディスク24に記憶される。
【0071】
一方、ステップS202に示す処理において、補正用4次元LUTを適用しないと判断される場合(ステップS202:NO)、画像データが読み出される(ステップS208)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている画像データの中から、ステップS201に示す処理で選択された画像に対応する画像データが読み出される。ここで、画像データは、図9のステップS105に示す処理でハードディスク24に記憶された、補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データである。
【0072】
続いて、補正用1次元LUTが読み出される(ステップS209)。本実施形態では、ステップS206に示す処理で生成された画像データまたはステップS208に示す処理で読み出された画像データの色情報を補正するために、対応する補正用1次元LUTが読み出される。具体的には、ステップS206に示す処理で生成された画像データについては、ハードディスク24に記憶されている複数の補正用1次元LUTの中から、印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる補正用1次元LUTが読み出される。一方、ステップS208に示す処理で読み出された画像データについては、図9のステップS108に示す処理で画像データと関連付けて記憶された名称情報により定まる補正用1次元LUTが読み出される。なお、ハードディスク24に同一名称の補正用1次元LUTが複数記憶されている場合には、最新の補正用1次元LUTが読み出される。上述したとおり、最新の補正用1次元LUTは、2回目の印刷処理の直前に作成されている。
【0073】
続いて、色補正が行われる(ステップS210)。本実施形態では、ステップS209に示す処理で読み出された補正用1次元LUTを適用して、ステップS206に示す処理で生成された画像データまたはステップS208に示す処理で読み出された画像データの各画素の色情報が補正される。
【0074】
続いて、スクリーニング処理が実行される(ステップS211)。本実施形態では、ステップS210に示す処理で色情報が補正された画像データに対してスクリーニング処理が施される。
【0075】
そして、画像データが出力され(ステップS212)、処理が終了される。本実施形態では、ステップS211に示す処理でスクリーニング処理が施された画像データが、プリンター3aに送信され、処理が終了される。画像データを受信したプリンター3aは、画像データに基づく画像を用紙に印刷する。
【0076】
以上のとおり、図10に示されるフローチャートの処理によれば、まず、補正用4次元LUTを適用して色変換処理を実行するか否かがユーザーにより選択される。補正用4次元LUTを適用して色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択された場合、補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データがハードディスク24から読み出される。そして、最新の補正用1次元LUTを適用して画像データの色情報が補正され、画像データに基づく画像の2回目の印刷が行われる。このような構成によれば、印刷データに対してRIP処理を再度実行することなく色補正を行うことができる。
【0077】
図11は、印刷システムの作用効果を説明するための図である。図11(A)は、本実施形態の印刷システムの処理の流れを示す図である。図11(B)および図11(C)は、補正用4次元LUTのみを用いて色補正を行う印刷システムおよび補正用1次元LUTのみを用いて色補正を行う印刷システムの処理の流れを比較例として示す図である。
【0078】
図11(A)に示されるとおり、本実施形態の印刷システムでは、印刷データ(PDLデータ)のRIP処理時に、補正用4次元LUTを適用した色変換処理が実行される。続いて、印刷データに対してRIP処理を実行して得られた画像データ(RIP済みデータ)に対して、最新の補正用1次元LUTを適用して色補正がさらに実行される。そして、色補正が行われた画像データに対してスクリーニング処理が施され、スクリーニング処理が施された画像データが出力される。このような構成によれば、2回目の印刷が行われる場合、補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データに対して最新の補正用1次元LUTを適用することにより、RIP処理を実行することなく色補正を行うことができる。
【0079】
なお、環境条件が大きく変動した場合や資材ロットが切り替わった場合には、補正用4次元LUTを用いて色補正を行う必要がある。しかしながら、平常時の数日程度の変動に関しては補正用1次元LUTのみで対応することができる。
【0080】
一方、図11(B)に示されるとおり、補正用4次元LUTのみを用いて色補正を行う印刷システムでは、本実施形態の印刷システムと同様、印刷データのRIP処理時に、補正用4次元LUTを適用した色変換処理が実行される。しかしながら、補正用4次元LUTのみを適用して色補正を行う印刷システムでは、2回目の印刷を行う場合、色補正を行おうとすればRIP処理を再度実行する必要がある。RIP処理が実行されれば、処理時間が長くなってしまう。
【0081】
また、図11(C)に示されるとおり、補正用1次元LUTのみを用いて色補正を行う印刷システムでは、印刷データに対してRIP処理を実行して得られる画像データに対して、補正用1次元LUTを適用した色補正が行われる。しかしながら、補正用1次元LUTのみを適用して色補正を行う印刷システムでは、複数の基本色の重ね合わせバランスの変化に対応できず、十分な印刷品質が得られない。
【0082】
以上のとおり、本実施形態によれば、1回目の印刷処理では、印刷データのRIP処理と同時に補正用4次元LUTを適用して色補正が行われ、その後、補正用1次元LUTを適用してさらに色補正が行われる。そして、2回目の印刷処理では、補正用1次元LUTのみを適用して、補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データの色補正が行われる。その結果、2回目の印刷処理では、RIP処理を実行することなく色補正を行うことが可能になる。
【0083】
以上のとおり、本実施形態のプリンターコントローラー2aにおいて、補正用1次元LUTおよび補正用4次元LUTを適用して画像データの色情報を補正する処理について述べた。以下、図12および図13を参照して、補正用1次元LUTおよび補正用4次元LUTを作成する処理について説明する。
【0084】
図12は、プロファイラーによる補正用1次元LUT作成処理の手順を示すフローチャートである。なお、図12のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プロファイラー4のハードディスク44にプログラムとして記憶されており、CPU41によって実行される。
【0085】
まず、カラーチャートの出力が指示される(ステップS301)。本実施形態では、プリンターコントローラー2aに対して補正用カラーチャートの出力が指示される。プリンターコントローラー2aに対してカラーチャートの出力が指示されることにより、プリンター3aによりカラーチャートが印刷される。カラーチャートとしては、たとえば、YMCKの単色ステップが適切な網点面積率刻みで紙面に配置されているものを使用することができる。あるいは、補正用4次元LUTを合わせて作成する場合には、IT8.7/3(ISO12642パターン)、IT8.7/4、およびECI2002等の規格に従うものや、YMCK単色ステップとYMCKの0%、10%、20%、40%、70%、100%等を組み合わせたカラーパッチを用紙に配列したものをカラーチャートとして使用することができる。
【0086】
続いて、測色データが取得される(ステップS302)。本実施形態では、ステップS301に示す処理でプリンター3aにより印刷されたカラーチャートに含まれるカラーパッチが測色器5により測定され、測色データが取得される。測色データは、L*a*b*、XYZ等の入出力機器に依存しない表色系で表される。
【0087】
続いて、補正基準プロファイルが取得される(ステップS303)。本実施形態では、補正用1次元LUTを作成する際の基準となる補正基準プロファイルが取得される。補正基準プロファイルには、基準とする状態のプリンター3aのCMYK→L*a*b*LUTおよびL*a*b*→CMYKLUTが含まれる。なお、プリンター3aの基準状態はプリンター3aの出荷時に定められていてもよく、ユーザーにより設定されてもよい。これらは、一般的なICCデバイスプロファイルと同様に作成され得る(たとえば、特開2004−356952号公報参照)。
【0088】
そして、補正用1次元LUTが作成され(ステップS304)、処理が終了される。本実施形態では、ステップS303に示す処理で取得された補正基準プロファイルに基づいて、たとえば、補正後の各色の濃度のステップが補正基準プロファイルの濃度のステップと同じになるように補正用1次元LUTが作成される。なお、補正基準プロファイルを利用して、補正用1次元LUTを作成する方法自体は、一般的な補正用1次元LUT作成方法であるため詳細な説明は省略する。また、本実施形態と異なり、別の色彩値(たとえば、L*a*b*)の全部または一成分が等しくなるように補正用1次元LUTが作成されてもよい。
【0089】
以上のとおり、図12に示されるフローチャートの処理によれば、補正用1次元LUTが作成される。作成された補正用1次元LUTには日時情報が付加され、日時情報が付加された補正用1次元LUTは、プリンターコントローラー2aのハードディスク24に記憶される。
【0090】
図13は、プロファイラーによる補正用多次元LUT作成処理の手順を示すフローチャートである。なお、図13のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プロファイラー4のハードディスク44にプログラムとして記憶されており、CPU41によって実行される。
【0091】
まず、CMYK→L*a*b*LUTが作成される(ステップS401)。本実施形態では、図12のステップS302に示す処理で取得されたカラーチャートの測色データが利用され、補間計算により補正時のCMYK値とL*a*b*値との関係を与えるCMYK→L*a*b*LUTが作成される。
【0092】
続いて、C’M’Y’K’→L*a*b*LUTが作成される(ステップS402)。本実施形態では、図12のステップS304に示す処理で作成された補正用1次元LUTの逆カーブが算出され、ステップS401に示す処理で作成されたCMYK→L*a*b*LUTに対して逆カーブが適用されることにより、C’M’Y’K’→L*a*b*LUTが作成される。
【0093】
続いて、L*a*b*→C’M’Y’K’LUTが作成される(ステップS403)。本実施形態では、ステップS402に示す処理で作成されたC’M’Y’K’→L*a*b*LUTからL*a*b*→C’M’Y’K’LUTが作成される。
【0094】
続いて、補正基準プロファイルのCMYK→L*a*b*LUTが取得される(ステップS404)。本実施形態では、ハードディスク44に記憶されている補正基準プロファイルのCMYK→L*a*b*LUTが取得される。
【0095】
そして、CMYK→C’M’Y’K’補正用4次元LUTが作成され(ステップS405)、処理が終了される。本実施形態では、ステップS404に示す処理で取得された補正基準プロファイルのCMYK→L*a*b*LUTと、ステップS403に示す処理で作成されたL*a*b→C’M’Y’K’LUTに基づいて、補正基準プロファイルの各CMYK値と同じL*a*b*値を与える補正時のC’M’Y’K’値を求めることにより、CMYK→C’M’Y’K’となる補正用4次元LUTが作成される。
【0096】
以上のとおり、図13に示されるフローチャートの処理によれば、補正用4次元LUTが作成される。上述したとおり、本実施形態の印刷システムでは、補正用4次元LUTを適用した色変換処理後に補正用1次元LUTが別途適用されるため、補正用4次元LUTには、補正用1次元LUTの逆カーブが予め適用される。作成された補正用4次元LUTには日時情報が付加され、日時情報が付加された補正用4次元LUTは、プリンターコントローラー2aのハードディスク24に記憶される。
【0097】
なお、補正用LUTの計算においては必要に応じて三角錐補間や四角錐補間といった補間計算やガマットマッピングが用いられる。また、補正用4次元LUTを作成する場合、L*a*b*値からCMYK値を一意的に求めるためにUCR(Under Color Removal:下色除去)/GCR(Gray Color Replacement:グレイ置換)が用いられる。なお、上記の補間計算やガマットマッピング、UCR/GCRについては周知の技術であるため、詳細な説明は省略する(たとえば、特開2004−356952号公報参照)。また、補正用多次元LUTは、入力側または出力側に1次元LUTを有してもよい。たとえば、補正基準プロファイルとして一般的なICCプロファイルが用いられる場合、当該プロファイルのAtoBテーブルの入力側カーブをそのまま補正用多次元LUTの入力側カーブとすれば、補正精度が上がり望ましい。
【0098】
そして、本実施形態の印刷システムによれば、補正用LUTが補正用多次元LUTと補正用1次元LUTとに分けられ、2回目の印刷を行う場合、最新の補正用1次元LUTを適用して補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データの色情報が補正されるため、印刷データに対してRIP処理を再度実行することなく色補正を行うことができる。その結果、処理時間が短縮される。
【0099】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0100】
たとえば、上述した実施形態では、印刷データにおいて指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類に基づいて、補正用4次元LUTおよび補正用1次元LUTが選択された。しかしながら、用紙の種類やスクリーンの種類は、印刷データとは別に、プリンターコントローラー側で設定されていてもよい。また、用紙の種類およびスクリーンの種類の一方に基づいて、補正用4次元LUTおよび補正用1次元LUTが選択されてもよく、用紙の種類およびスクリーンの種類とは無関係に、補正用4次元LUTおよび補正用1次元LUTが選択されてもよい。
【0101】
また、上述した実施形態では、印刷システムにおいて2回目の印刷処理が実行される場合、最新の補正用1次元LUTが適用された。しかしながら、補正用1次元LUTは最新でなくともよい。たとえば、補正用1次元LUTに付加された日時情報を参照して、ユーザーにより1回目の印刷処理で使用された補正用1次元LUTよりも新しい1つの補正用1次元LUTが選択されてもよい。
【0102】
また、上述した実施形態では、2回目の印刷処理が実行される際、ユーザーにより補正用4次元LUTを適用するか否かが選択された。しかしながら、補正用4次元LUTおよび補正用1次元LUTの適用については、種々選択することができる。たとえば、2回目の印刷処理においても1回目の印刷処理と同じ日時に作成された補正用1次元LUTが適用され得る。あるいは、より新しい補正用4次元LUTが印刷システムに存在する場合には、当該補正用4次元LUTを必ず適用して、RIP処理が再度実行されてもよい。
【0103】
また、上述した実施形態では、プロファイラーは、プリンターコントローラーとは別に設けられた。しかしながら、プロファイラーは、プリンターコントローラーの一機能として実現されてもよく、この場合、測色器もプリンターコントローラーに接続される。あるいは、測色器は、プリンターに搭載されてもよい。
【0104】
本実施形態にかかる印刷システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD−ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、印刷システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1a,1b,1c クライアント端末、
11,21,31,41 CPU、
12,22,32,42 ROM、
13,23,33,43 RAM、
14,24,44 ハードディスク、
15,25,45 ディスプレイ、
16,26,46 入力装置、
17,27,47 ネットワークインターフェース、
18,29,37,49 バス、
2a,2b プリンターコントローラー、
28 プリンターインターフェース、
3a,3b プリンター、
34 操作パネル部、
35 印刷部、
36 コントローラーインターフェース、
4 プロファイラー、
48 測色器インターフェース、
5 測色器、
6 ネットワーク、
210 カラーマッチング用LUT、
220,420 補正用4次元LUT、
230,430 補正用1次元LUT、
240 LUT選択用テーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像を印刷するための印刷システム、印刷方法、および印刷プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー印刷業界において、電子写真プリンターやインクジェットプリンター等のオンデマンド印刷機器が広く活用されるようになってきている。これに伴い、印刷機器の印刷品質を一定に維持するための色補正(カラーキャリブレーション)が重要になってきている。
【0003】
印刷機器の色補正に関する技術としては、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、およびK(ブラック)の各基本色の1次元カーブ(1次元LUT:1次元ルックアップテーブル)を適用して、各基本色の階調を補正する技術が知られている。1次元LUTを用いた色補正は、計算負荷が小さく短時間での処理が可能であるものの、印刷環境の大きな変化や資材ロットの切り替えによる複数の基本色の重ね合わせバランスの変化には対応できない。このため、複数の基本色の重ね合わせバランスを一定に維持する見地から、3次元または4次元の多次元LUTを用いた色補正が提案されている(たとえば、特許文献1)。多次元LUTを用いた色補正は、計算負荷が大きいため、通常、ページ記述言語(PDL)で記述された印刷データのラスタライズ処理(RIP処理)と同時に実行され、処理時間の短縮が図られている。
【0004】
一方、印刷物の生産においては、通常、必要部数の印刷が行われる前に、校正用サンプルの印刷が行われる。そして、校正用サンプルの校了後に必要部数の印刷が行われる。このため、校正用サンプルの印刷時に印刷データに対してRIP処理を実行して得られる画像データはハードディスクに記憶され、必要部数の印刷時にハードディスクから読み出されて再利用される。このような構成によれば、必要部数の印刷時に、印刷データのRIP処理を再度実行する必要がなく、処理時間が短縮される。
【0005】
しかしながら、校正用サンプルが印刷されてから必要部数の印刷が行われるまでの間に印刷環境が変動し、補正条件を変更する必要が生じる場合がある。補正条件を変更する必要が生じた場合、補正用のLUTが新たに作成される。多次元LUTを用いて色補正を行う印刷システムでは、色補正がRIP処理と同時に実行されるため、新たに作成されたLUTを適用して色補正を行い必要部数の印刷を行うには、印刷データのRIP処理を再度実行して画像データを再生成する必要があるが、処理時間が長くなり好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−089031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、補正用多次元ルックアップテーブルを用いて色補正を行う印刷システムにおいて、一度印刷した印刷物を新たに印刷する際に、RIP処理を実行することなく色補正を行うことを可能にする印刷システム、印刷方法、および印刷プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)ページ記述言語で記述された印刷データを受信する受信部と、前記受信部により受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成する生成部と、前記生成部により生成された画像データを記憶する画像データ記憶部と、前記画像データに基づく画像を最初に印刷するときには、各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記生成部により生成された画像データの色情報を補正し、前記画像データに基づく画像を新たに印刷するときには、前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正する補正部と、前記補正部により色情報が補正された画像データを出力する出力部と、を有することを特徴とする印刷システム。
【0010】
(2)前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする上記(1)に記載の印刷システム。
【0011】
(3)画像データに対してスクリーニング処理を実行するスクリーニング処理部と、複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルを、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および前記スクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けて記憶しているテーブル記憶部と、をさらに有し、前記生成部および補正部によりそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の印刷システム。
【0012】
(4)前記画像データに基づく画像を新たに印刷するとき、新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付ける受付部をさらに有し、前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記補正部は、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0013】
(5)ページ記述言語で記述された印刷データを受信するステップ(a)と、前記ステップ(a)において受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成するステップ(b)と、前記ステップ(b)において生成された画像データを画像データ記憶部に記憶させるステップ(c)と、各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記ステップ(b)において生成された画像データの色情報を補正するステップ(d)と、前記ステップ(d)において色情報が補正された画像データを出力するステップ(e)と、前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正するステップ(f)と、前記ステップ(f)において色情報が補正された画像データを出力するステップ(g)と、を有することを特徴とする印刷方法。
【0014】
(6)前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする上記(5)に記載の印刷方法。
【0015】
(7)複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルが、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および画像データに対して実行されるスクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けてテーブル記憶部に記憶されており、前記ステップ(b)、ステップ(d)、およびステップ(f)においてそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする上記(5)または(6)に記載の印刷方法。
【0016】
(8)前記ステップ(e)と前記ステップ(f)との間に、新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付けるステップ(h)をさらに有し、前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記ステップ(f)において、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報が補正されることを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれか1つに記載の印刷方法。
【0017】
(9)ページ記述言語で記述された印刷データを受信する手順(a)と、前記手順(a)において受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成する手順(b)と、前記手順(b)において生成された画像データを画像データ記憶部に記憶させる手順(c)と、各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記手順(b)において生成された画像データの色情報を補正する手順(d)と、前記手順(d)において色情報が補正された画像データを出力する手順(e)と、前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正する手順(f)と、前記手順(f)において色情報が補正された画像データを出力する手順(g)と、をコンピューターに実行させる印刷プログラム。
【0018】
(10)前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする上記(9)に記載の印刷プログラム。
【0019】
(11)複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルが、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および画像データに対して実行されるスクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けてテーブル記憶部に記憶されており、前記手順(b)、手順(d)、および手順(f)においてそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする上記(9)または(10)に記載の印刷プログラム。
【0020】
(12)前記手順(e)と前記手順(f)との間に、新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付ける手順(h)をさらに前記コンピューターに実行させ、前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記手順(f)において、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報が補正されることを特徴とする上記(9)〜(11)のいずれか1つに記載の印刷プログラム。
【0021】
(13)上記(9)〜(12)のいずれか1つに記載の印刷プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色情報が補正された画像データが画像データ記憶部に記憶され、画像データに基づく画像を新たに印刷するときには、新しい補正用1次元ルックアップテーブルを適用して画像データの色情報が補正されるため、一度印刷した印刷物を新たに印刷する際に、RIP処理を実行することなく色補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるクライアント端末の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示されるプリンターコントローラーの概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示されるプリンターコントローラーのハードディスクの内容を示すブロック図である。
【図5】LUT選択用テーブルの一例を示す図である。
【図6】図1に示されるプリンターの概略構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示されるプロファイラーの概略構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示されるプロファイラーのハードディスクの内容を示すブロック図である。
【図9】プリンターコントローラーによる第1印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】プリンターコントローラーによる第2印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】印刷システムの作用効果を説明するための図である。
【図12】プロファイラーによる補正用1次元LUT作成処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】プロファイラーによる補正用多次元LUT作成処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0026】
図1に示されるとおり、印刷システムは、クライアント端末1a,1b,1cと、プリンターコントローラー2a,2bと、プリンター3a,3bと、プロファイラー4と、測色器5とを備えている。クライアント端末1a,1b,1c、プリンターコントローラー2a,2b、およびプロファイラー4は、ネットワーク6を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク6は、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)等の規格によりコンピューターやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、あるいはLAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)等からなる。プリンターコントローラー2a,2bとプリンター3a,3bとは、たとえば、IEEE1394シリアルバス、USB(Universal Serial Bus)等の専用インターフェース用バスを介してそれぞれ接続されている。プロファイラー4と測色器5とは、専用回線を介して接続されている。
【0027】
なお、プリンターコントローラー2a,2bとプリンター3a,3bとはネットワーク6を介して接続されていてもよい。また、ネットワーク6に接続される機器の種類および台数は、図1に示す例に限定されない。
【0028】
図2は、クライアント端末の概略構成を示すブロック図である。クライアント端末1a,1b,1cは、たとえば、一般的なPC(Personal Computer)である。クライアント端末1a,1b,1cは、相互に同様の構成であるため、以下、クライアント端末1aを代表として用いて説明する。
【0029】
クライアント端末1aは、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ハードディスク14、ディスプレイ15、入力装置16、およびネットワークインターフェース17を含み、これらは信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。
【0030】
CPU11は、プログラムにしたがって、上記各部の制御や各種の演算処理を行う。ROM12は、各種プログラムや各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
【0031】
ハードディスク14は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。ハードディスク14には、文書ファイルを作成するための文書ファイル作成アプリケーションと、文書ファイルをプリンターコントローラー2a,2bが解釈可能なページ記述言語で記述された印刷データに変換するためのプリンタードライバーとがインストールされている。
【0032】
ディスプレイ15は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。入力装置16は、たとえば、マウス等のポインティングデバイスやキーボードを含み、各種情報の入力を行うために使用される。ネットワークインターフェース17は、ネットワーク6を介して他の機器と通信するためのインターフェースであり、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格が用いられる。
【0033】
図3は、プリンターコントローラーの概略構成を示すブロック図である。プリンターコントローラー2a,2bは、相互に同様の構成であるため、以下、プリンターコントローラー2aを代表として用いて説明する。
【0034】
プリンターコントローラー2aは、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、ディスプレイ25、入力装置26、ネットワークインターフェース27、およびプリンターインターフェース28を含み、これらは信号をやり取りするためのバス29を介して相互に接続されている。なお、プリンターコントローラー2aの上記各部のうち、クライアント端末1aの上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0035】
プリンターインターフェース28は、ローカル接続されたプリンター3aと通信するためのインターフェースである。
【0036】
なお、ディスプレイ25および入力装置26は、後述する色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付ける受付部として機能する。また、ネットワークインターフェース27は、印刷データを受信する受信部として機能し、プリンターインターフェース28は、印刷データから生成される画像データを出力する出力部として機能する。
【0037】
図4は、プリンターコントローラーのハードディスクの内容を示すブロック図である。プリンターコントローラー2aのハードディスク24は、データベース200として、カラーマッチング用LUT210、補正用4次元LUT220、補正用1次元LUT230、およびLUT選択用テーブル240を記憶している。
【0038】
カラーマッチング用LUT210は、出力機器間の色の違いを調整するためのLUTであり、複数記憶されている。補正用4次元LUT220は、4つの基本色を組み合わせてプリンター3aにより印刷される画像の色(重ね合わせバランス)を目標色に合わせるとともに一定に維持するためのLUTである。補正用1次元LUT230は、各基本色についてプリンター3aにより印刷される画像の色を一定に維持するためのLUTであり、C、M、Y、およびKの4つの基本色にそれぞれ対応する4つのLUTを含む。補正用4次元LUT220および補正用1次元LUT230は、プロファイラー4により作成されハードディスク24に記憶される。補正用4次元LUT220および補正用1次元LUT230には、当該LUTが作成された日時を示す日時情報が付加されており、ハードディスク24には、作成日時の異なる補正用1次元LUTおよび補正用4次元LUTが複数記憶されている。また、補正用4次元LUT220および補正用1次元LUT230は、用紙の種類およびスクリーニング処理におけるスクリーンの種類と関連付けて複数記憶されている。
【0039】
LUT選択用テーブル240は、用紙の種類およびスクリーンの種類に応じた補正用4次元LUTおよび補正用1次元LUTを選択するためのものである。図5に示されるとおり、LUT選択用テーブル240では、用紙の種類(普通紙、マット紙等)およびスクリーンの種類(ドットスクリーン、ラインスクリーン等)と補正用1次元LUTおよび補正用4次元LUTの名称(LUT−A、LUT−B等)とが関連付けられている。
【0040】
また、ハードディスク24は、RIP部(生成部)250、キャリブレーション部(補正部)260、およびスクリーニング処理部270に対応するプログラムを格納するためのそれぞれの領域を有する。RIP部250は、クライアント端末1a,1b,1cから受信した印刷データに対してRIP処理を実行して、ビットマップ形式の画像データを生成する。本実施形態のRIP部250は、カラーマッチング用LUTおよび補正用4次元LUTを適用してRIP処理と同時に色変換処理を実行し、色情報が補正された画像データを生成する。キャリブレーション部260は、補正用1次元LUTを適用して、RIP処理により生成された画像データの各画素の色情報を補正する。スクリーニング処理部270は、色情報が補正された画像データに対してスクリーニング処理を実行する。なお、RIP部250、キャリブレーション部260、およびスクリーニング処理部270の機能は、それぞれに対応するプログラムをCPU21が実行することにより発揮される。
【0041】
図6は、プリンターの概略構成を示すブロック図である。プリンター3a,3bは、相互に同様の構成であるため、以下、プリンター3aを代表として用いて説明する。プリンター3aは、CPU31、ROM32、RAM33、操作パネル部34、印刷部35、およびコントローラーインターフェース36を含み、これらは信号をやり取りするためのバス37を介して相互に接続されている。なお、プリンター3aの上記各部のうち、クライアント端末1aの上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0042】
操作パネル部34は、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。印刷部35は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、プリンターコントローラー2aから受信した画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。印刷部35は、C、M、Y、およびKの4色のトナーを用いて画像を印刷する。コントローラーインターフェース36は、プリンターコントローラー2aと通信を行うためのインターフェースである。
【0043】
図7は、プロファイラーの概略構成を示すブロック図である。プロファイラー4は、たとえば、一般的なPCである。プロファイラー4は、CPU41、ROM42、RAM43、ハードディスク44、ディスプレイ45、入力装置46、ネットワークインターフェース47、および測色器インターフェース48を含み、これらは信号をやり取りするためのバス49を介して相互に接続されている。なお、プロファイラー4の上記各部のうち、クライアント端末1aの上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0044】
測色器インターフェース48は、ローカル接続された測色器5と通信するためのインターフェースである。測色器5は、たとえば、Red、Green、Blueの光の3原色に対応する3種類のセンサを備え、カラー画像の各部に対する3種類のセンサからの出力値(RGB値)に基づいて測色する。
【0045】
図8は、プロファイラーのハードディスクの内容を示すブロック図である。プロファイラー4のハードディスク44は、データベース400として、補正基準プロファイル410、補正用4次元LUT420、および補正用1次元LUT430を記憶している。補正基準プロファイル410は、補正用4次元LUT420および補正用1次元LUT430を作成するために使用される。
【0046】
また、ハードディスク44は、補正基準プロファイル作成部450、補正用多次元LUT作成部460、および補正用1次元LUT作成部470に対応するプログラムを格納するためのそれぞれの領域を有する。
【0047】
補正基準プロファイル作成部450は、補正基準プロファイル410を作成する。補正用多次元LUT作成部460は、補正用4次元LUT420を作成する。補正用1次元LUT作成部470は、C、M、Y、およびKの各基本色に対応する補正用1次元LUT430をそれぞれ作成する。なお、補正基準プロファイル作成部450、補正用多次元LUT作成部460、および補正用1次元LUT作成部470の機能は、それぞれに対応するプログラムをCPU41が実行することにより発揮される。
【0048】
クライアント端末1a,1b,1c、プリンターコントローラー2a,2b、プリンター3a,3b、およびプロファイラー4は、上記構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0049】
以上のとおり構成される本実施形態の印刷システムでは、印刷物の生産に際し、まず、クライアント端末1aから送信される印刷データに基づいて校正用サンプルの印刷を行う1回目の印刷処理(第1印刷処理)が実行される。そして、校正用サンプルの校正が完了した後、必要部数の印刷を行う2回目の印刷処理(第2印刷処理)が実行される。以下、図9〜図13を参照して、印刷システムの動作について説明する。
【0050】
図9は、プリンターコントローラーによる第1印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プリンターコントローラー2aのハードディスク24にプログラムとして記憶されており、CPU21によって実行される。
【0051】
まず、印刷データが受信される(ステップS101)。本実施形態では、たとえば、クライアント端末1aから送信される印刷データが受信される。印刷データには、画像データを生成するための描画情報に加え、カラーマッチング用LUTを特定するための情報、画像が形成される用紙の種類を特定するための情報、およびスクリーニング処理におけるスクリーンの種類を特定するための情報が含まれる。これらの情報は、たとえば、プリンタードライバーにより提供される印刷設定画面(不図示)を介して、クライアント端末1aのユーザーにより指定される。
【0052】
続いて、カラーマッチング用LUTが読み出される(ステップS102)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている複数のカラーマッチング用LUTの中から、印刷データで指定されているカラーマッチング用LUTが読み出される。
【0053】
続いて、補正用4次元LUTが読み出される(ステップS103)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている複数の補正用4次元LUTの中から、印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる補正用4次元LUTが読み出される。具体的には、テーブル記憶部としてのハードディスク24に記憶されているLUT選択用テーブル240(図5参照)が参照され、印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる名称の補正用4次元LUTが読み出される。なお、ハードディスク24に同一名称の補正用4次元LUTが複数記憶されている場合には、最新の補正用4次元LUTが読み出される。
【0054】
続いて、RIP処理が実行される(ステップS104)。本実施形態では、ステップS101に示す処理で受信された印刷データに対してRIP処理が実行される。このとき、ステップS102,S103に示す処理で読み出されたカラーマッチング用LUTおよび補正用4次元LUTを適用して色変換処理が実行される。RIP処理と同時に色変換処理が実行されることにより、たとえば、オブジェクト単位での色変換が可能となり、計算負荷が低減される。RIP処理および色変換処理が実行されることにより、色情報が補正された画像データが生成される。なお、印刷データのRIP処理を実行しつつ、カラーマッチング用LUTおよび補正用4次元LUTを適用して色変換処理を実行する処理自体は、色変換処理を伴う一般的なRIP処理であるため、詳細な説明は省略する。
【0055】
続いて、画像データがハードディスク24に記憶される(ステップS105)。本実施形態では、ステップS104に示す処理で生成された画像データが、再利用のために、画像データ記憶部としてのハードディスク24に記憶される。
【0056】
続いて、印刷データが記憶される(ステップS106)。本実施形態では、ステップS101に示す処理で受信された印刷データが、再利用のために、画像データと関連付けてハードディスク24に記憶される。
【0057】
続いて、補正用1次元LUTが読み出される(ステップS107)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている複数の補正用1次元LUTの中から、印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる補正用1次元LUTが読み出される。具体的には、ハードディスク24に記憶されているLUT選択用テーブル240(図5参照)が参照され、印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる名称の補正用1次元LUTが読み出される。なお、ハードディスク24に同一名称の補正用1次元LUTが複数記憶されている場合には、最新の補正用1次元LUTが読み出される。
【0058】
続いて、色補正が行われる(ステップS108)。本実施形態では、ステップS107に示す処理で読み出された補正用1次元LUTを適用して、ステップS104に示す処理で生成された画像データの各画素の色情報が補正される。より具体的には、画像データの各画素のC、M、Y、Kの濃度が、各色に対応する補正用1次元LUTを適用して補正される。なお、補正用1次元LUTを適用して画像データの色情報を補正する処理自体は、一般的な色補正処理であるため、詳細な説明は省略する。また、補正用1次元LUTの名称情報は、画像データと関連付けてハードディスク24に記憶される。
【0059】
続いて、スクリーニング処理が実行される(ステップS109)。本実施形態では、ステップS108に示す処理で色情報が補正された画像データに対して、ステップS101に示す処理で受信された印刷データで指定されているスクリーニング処理が施される。なお、スクリーニング処理自体は、周知技術であるため、詳細な説明は省略する。また、本実施形態とは異なり、スクリーニング処理は、プリンター3aにより実行されてもよい。
【0060】
そして、画像データが出力され(ステップS110)、処理が終了される。本実施形態では、ステップS109に示す処理でスクリーニング処理が施された画像データが、プリンター3aに送信され、処理が終了される。画像データを受信したプリンター3aは、画像データに基づく画像を用紙に印刷する。
【0061】
以上のとおり、図9に示されるフローチャートの処理によれば、まず、印刷データのRIP処理と同時にカラーマッチング用LUTおよび補正用4次元LUTを適用した色変換処理が実行され、色情報が補正された画像データが生成される。そして、補正用1次元LUTを適用して画像データの色情報がさらに補正され、色情報が補正された画像データがプリンター3aに出力される。画像データに基づく画像が、プリンター3aにより印刷されることにより、校正用サンプルが作成される。ユーザーにより校正用サンプルが確認され問題がなければ、必要部数の印刷を行う2回目の印刷処理が実行される。
【0062】
1回目の印刷処理で印刷された校正用サンプルの色と2回目の印刷処理で印刷される画像の色を一定に維持するため、2回目の印刷処理が実行される直前に補正用1次元LUTが新たに作成される。2回目の印刷処理では、校正用サンプルの作成時にハードディスク24に記憶された、補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データが読み出され、読み出された画像データに対して最新の補正用1次元LUTが適用される。
【0063】
図10は、プリンターコントローラーによる第2印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、図10のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プリンターコントローラー2aのハードディスク24にプログラムとして記憶されており、CPU21によって実行される。
【0064】
まず、画像の選択が受け付けられる(ステップS201)。本実施形態では、2回目の印刷の対象となる画像のユーザーによる選択が受け付けられる。具体的には、まず、ハードディスク24に記憶されている画像データに対応する画像の一覧がディスプレイ25に表示される。そして、ディスプレイ25に表示される画像の一覧の中から、ユーザーにより選択された画像が受け付けられる。
【0065】
続いて、補正用4次元LUTを適用するか否かが判断される(ステップS202)。本実施形態では、補正用4次元LUTによる色補正を行うか否かが判断される。具体的には、補正用4次元LUTを適用した色変換処理を再度実行するか否かについての選択をユーザーに促す選択画面(不図示)がディスプレイ25に表示され、選択画面を通じたユーザーの選択にしたがって、補正用4次元LUTを適用するか否かが判断される。
【0066】
補正用4次元LUTを適用すると判断される場合(ステップS202:YES)、印刷データが読み出される(ステップS203)。本実施形態では、画像データと関連付けてハードディスク24に記憶されている印刷データの中から、ステップS201に示す処理で選択された画像に対応する印刷データが読み出される。
【0067】
続いて、カラーマッチング用LUTが読み出される(ステップS204)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている複数のカラーマッチング用LUTの中から、ステップS203に示す処理で読み出された印刷データで指定されているカラーマッチング用LUTが読み出される。
【0068】
続いて、補正用4次元LUTが読み出される(ステップS205)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている複数の補正用4次元LUTの中から、ステップS203に示す処理で読み出された印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる補正用4次元LUTが読み出される。なお、ハードディスク24に同一名称の補正用4次元LUTが複数記憶されている場合には、最新の補正用4次元LUTが読み出される。
【0069】
続いて、RIP処理が実行される(ステップS206)。本実施形態では、ステップS203に示す処理で読み出された印刷データに対してRIP処理が実行される。このとき、ステップS204,S205に示す処理で読み出されたカラーマッチング用LUTおよび補正用4次元LUTを適用して色変換処理が実行される。
【0070】
続いて、画像データがハードディスク24に記憶される(ステップS207)。本実施形態では、ステップS206に示す処理で生成された画像データが、再利用のために、ハードディスク24に記憶される。
【0071】
一方、ステップS202に示す処理において、補正用4次元LUTを適用しないと判断される場合(ステップS202:NO)、画像データが読み出される(ステップS208)。本実施形態では、ハードディスク24に記憶されている画像データの中から、ステップS201に示す処理で選択された画像に対応する画像データが読み出される。ここで、画像データは、図9のステップS105に示す処理でハードディスク24に記憶された、補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データである。
【0072】
続いて、補正用1次元LUTが読み出される(ステップS209)。本実施形態では、ステップS206に示す処理で生成された画像データまたはステップS208に示す処理で読み出された画像データの色情報を補正するために、対応する補正用1次元LUTが読み出される。具体的には、ステップS206に示す処理で生成された画像データについては、ハードディスク24に記憶されている複数の補正用1次元LUTの中から、印刷データで指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類により定まる補正用1次元LUTが読み出される。一方、ステップS208に示す処理で読み出された画像データについては、図9のステップS108に示す処理で画像データと関連付けて記憶された名称情報により定まる補正用1次元LUTが読み出される。なお、ハードディスク24に同一名称の補正用1次元LUTが複数記憶されている場合には、最新の補正用1次元LUTが読み出される。上述したとおり、最新の補正用1次元LUTは、2回目の印刷処理の直前に作成されている。
【0073】
続いて、色補正が行われる(ステップS210)。本実施形態では、ステップS209に示す処理で読み出された補正用1次元LUTを適用して、ステップS206に示す処理で生成された画像データまたはステップS208に示す処理で読み出された画像データの各画素の色情報が補正される。
【0074】
続いて、スクリーニング処理が実行される(ステップS211)。本実施形態では、ステップS210に示す処理で色情報が補正された画像データに対してスクリーニング処理が施される。
【0075】
そして、画像データが出力され(ステップS212)、処理が終了される。本実施形態では、ステップS211に示す処理でスクリーニング処理が施された画像データが、プリンター3aに送信され、処理が終了される。画像データを受信したプリンター3aは、画像データに基づく画像を用紙に印刷する。
【0076】
以上のとおり、図10に示されるフローチャートの処理によれば、まず、補正用4次元LUTを適用して色変換処理を実行するか否かがユーザーにより選択される。補正用4次元LUTを適用して色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択された場合、補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データがハードディスク24から読み出される。そして、最新の補正用1次元LUTを適用して画像データの色情報が補正され、画像データに基づく画像の2回目の印刷が行われる。このような構成によれば、印刷データに対してRIP処理を再度実行することなく色補正を行うことができる。
【0077】
図11は、印刷システムの作用効果を説明するための図である。図11(A)は、本実施形態の印刷システムの処理の流れを示す図である。図11(B)および図11(C)は、補正用4次元LUTのみを用いて色補正を行う印刷システムおよび補正用1次元LUTのみを用いて色補正を行う印刷システムの処理の流れを比較例として示す図である。
【0078】
図11(A)に示されるとおり、本実施形態の印刷システムでは、印刷データ(PDLデータ)のRIP処理時に、補正用4次元LUTを適用した色変換処理が実行される。続いて、印刷データに対してRIP処理を実行して得られた画像データ(RIP済みデータ)に対して、最新の補正用1次元LUTを適用して色補正がさらに実行される。そして、色補正が行われた画像データに対してスクリーニング処理が施され、スクリーニング処理が施された画像データが出力される。このような構成によれば、2回目の印刷が行われる場合、補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データに対して最新の補正用1次元LUTを適用することにより、RIP処理を実行することなく色補正を行うことができる。
【0079】
なお、環境条件が大きく変動した場合や資材ロットが切り替わった場合には、補正用4次元LUTを用いて色補正を行う必要がある。しかしながら、平常時の数日程度の変動に関しては補正用1次元LUTのみで対応することができる。
【0080】
一方、図11(B)に示されるとおり、補正用4次元LUTのみを用いて色補正を行う印刷システムでは、本実施形態の印刷システムと同様、印刷データのRIP処理時に、補正用4次元LUTを適用した色変換処理が実行される。しかしながら、補正用4次元LUTのみを適用して色補正を行う印刷システムでは、2回目の印刷を行う場合、色補正を行おうとすればRIP処理を再度実行する必要がある。RIP処理が実行されれば、処理時間が長くなってしまう。
【0081】
また、図11(C)に示されるとおり、補正用1次元LUTのみを用いて色補正を行う印刷システムでは、印刷データに対してRIP処理を実行して得られる画像データに対して、補正用1次元LUTを適用した色補正が行われる。しかしながら、補正用1次元LUTのみを適用して色補正を行う印刷システムでは、複数の基本色の重ね合わせバランスの変化に対応できず、十分な印刷品質が得られない。
【0082】
以上のとおり、本実施形態によれば、1回目の印刷処理では、印刷データのRIP処理と同時に補正用4次元LUTを適用して色補正が行われ、その後、補正用1次元LUTを適用してさらに色補正が行われる。そして、2回目の印刷処理では、補正用1次元LUTのみを適用して、補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データの色補正が行われる。その結果、2回目の印刷処理では、RIP処理を実行することなく色補正を行うことが可能になる。
【0083】
以上のとおり、本実施形態のプリンターコントローラー2aにおいて、補正用1次元LUTおよび補正用4次元LUTを適用して画像データの色情報を補正する処理について述べた。以下、図12および図13を参照して、補正用1次元LUTおよび補正用4次元LUTを作成する処理について説明する。
【0084】
図12は、プロファイラーによる補正用1次元LUT作成処理の手順を示すフローチャートである。なお、図12のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プロファイラー4のハードディスク44にプログラムとして記憶されており、CPU41によって実行される。
【0085】
まず、カラーチャートの出力が指示される(ステップS301)。本実施形態では、プリンターコントローラー2aに対して補正用カラーチャートの出力が指示される。プリンターコントローラー2aに対してカラーチャートの出力が指示されることにより、プリンター3aによりカラーチャートが印刷される。カラーチャートとしては、たとえば、YMCKの単色ステップが適切な網点面積率刻みで紙面に配置されているものを使用することができる。あるいは、補正用4次元LUTを合わせて作成する場合には、IT8.7/3(ISO12642パターン)、IT8.7/4、およびECI2002等の規格に従うものや、YMCK単色ステップとYMCKの0%、10%、20%、40%、70%、100%等を組み合わせたカラーパッチを用紙に配列したものをカラーチャートとして使用することができる。
【0086】
続いて、測色データが取得される(ステップS302)。本実施形態では、ステップS301に示す処理でプリンター3aにより印刷されたカラーチャートに含まれるカラーパッチが測色器5により測定され、測色データが取得される。測色データは、L*a*b*、XYZ等の入出力機器に依存しない表色系で表される。
【0087】
続いて、補正基準プロファイルが取得される(ステップS303)。本実施形態では、補正用1次元LUTを作成する際の基準となる補正基準プロファイルが取得される。補正基準プロファイルには、基準とする状態のプリンター3aのCMYK→L*a*b*LUTおよびL*a*b*→CMYKLUTが含まれる。なお、プリンター3aの基準状態はプリンター3aの出荷時に定められていてもよく、ユーザーにより設定されてもよい。これらは、一般的なICCデバイスプロファイルと同様に作成され得る(たとえば、特開2004−356952号公報参照)。
【0088】
そして、補正用1次元LUTが作成され(ステップS304)、処理が終了される。本実施形態では、ステップS303に示す処理で取得された補正基準プロファイルに基づいて、たとえば、補正後の各色の濃度のステップが補正基準プロファイルの濃度のステップと同じになるように補正用1次元LUTが作成される。なお、補正基準プロファイルを利用して、補正用1次元LUTを作成する方法自体は、一般的な補正用1次元LUT作成方法であるため詳細な説明は省略する。また、本実施形態と異なり、別の色彩値(たとえば、L*a*b*)の全部または一成分が等しくなるように補正用1次元LUTが作成されてもよい。
【0089】
以上のとおり、図12に示されるフローチャートの処理によれば、補正用1次元LUTが作成される。作成された補正用1次元LUTには日時情報が付加され、日時情報が付加された補正用1次元LUTは、プリンターコントローラー2aのハードディスク24に記憶される。
【0090】
図13は、プロファイラーによる補正用多次元LUT作成処理の手順を示すフローチャートである。なお、図13のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プロファイラー4のハードディスク44にプログラムとして記憶されており、CPU41によって実行される。
【0091】
まず、CMYK→L*a*b*LUTが作成される(ステップS401)。本実施形態では、図12のステップS302に示す処理で取得されたカラーチャートの測色データが利用され、補間計算により補正時のCMYK値とL*a*b*値との関係を与えるCMYK→L*a*b*LUTが作成される。
【0092】
続いて、C’M’Y’K’→L*a*b*LUTが作成される(ステップS402)。本実施形態では、図12のステップS304に示す処理で作成された補正用1次元LUTの逆カーブが算出され、ステップS401に示す処理で作成されたCMYK→L*a*b*LUTに対して逆カーブが適用されることにより、C’M’Y’K’→L*a*b*LUTが作成される。
【0093】
続いて、L*a*b*→C’M’Y’K’LUTが作成される(ステップS403)。本実施形態では、ステップS402に示す処理で作成されたC’M’Y’K’→L*a*b*LUTからL*a*b*→C’M’Y’K’LUTが作成される。
【0094】
続いて、補正基準プロファイルのCMYK→L*a*b*LUTが取得される(ステップS404)。本実施形態では、ハードディスク44に記憶されている補正基準プロファイルのCMYK→L*a*b*LUTが取得される。
【0095】
そして、CMYK→C’M’Y’K’補正用4次元LUTが作成され(ステップS405)、処理が終了される。本実施形態では、ステップS404に示す処理で取得された補正基準プロファイルのCMYK→L*a*b*LUTと、ステップS403に示す処理で作成されたL*a*b→C’M’Y’K’LUTに基づいて、補正基準プロファイルの各CMYK値と同じL*a*b*値を与える補正時のC’M’Y’K’値を求めることにより、CMYK→C’M’Y’K’となる補正用4次元LUTが作成される。
【0096】
以上のとおり、図13に示されるフローチャートの処理によれば、補正用4次元LUTが作成される。上述したとおり、本実施形態の印刷システムでは、補正用4次元LUTを適用した色変換処理後に補正用1次元LUTが別途適用されるため、補正用4次元LUTには、補正用1次元LUTの逆カーブが予め適用される。作成された補正用4次元LUTには日時情報が付加され、日時情報が付加された補正用4次元LUTは、プリンターコントローラー2aのハードディスク24に記憶される。
【0097】
なお、補正用LUTの計算においては必要に応じて三角錐補間や四角錐補間といった補間計算やガマットマッピングが用いられる。また、補正用4次元LUTを作成する場合、L*a*b*値からCMYK値を一意的に求めるためにUCR(Under Color Removal:下色除去)/GCR(Gray Color Replacement:グレイ置換)が用いられる。なお、上記の補間計算やガマットマッピング、UCR/GCRについては周知の技術であるため、詳細な説明は省略する(たとえば、特開2004−356952号公報参照)。また、補正用多次元LUTは、入力側または出力側に1次元LUTを有してもよい。たとえば、補正基準プロファイルとして一般的なICCプロファイルが用いられる場合、当該プロファイルのAtoBテーブルの入力側カーブをそのまま補正用多次元LUTの入力側カーブとすれば、補正精度が上がり望ましい。
【0098】
そして、本実施形態の印刷システムによれば、補正用LUTが補正用多次元LUTと補正用1次元LUTとに分けられ、2回目の印刷を行う場合、最新の補正用1次元LUTを適用して補正用4次元LUTによる色変換処理済みの画像データの色情報が補正されるため、印刷データに対してRIP処理を再度実行することなく色補正を行うことができる。その結果、処理時間が短縮される。
【0099】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0100】
たとえば、上述した実施形態では、印刷データにおいて指定されている用紙の種類およびスクリーンの種類に基づいて、補正用4次元LUTおよび補正用1次元LUTが選択された。しかしながら、用紙の種類やスクリーンの種類は、印刷データとは別に、プリンターコントローラー側で設定されていてもよい。また、用紙の種類およびスクリーンの種類の一方に基づいて、補正用4次元LUTおよび補正用1次元LUTが選択されてもよく、用紙の種類およびスクリーンの種類とは無関係に、補正用4次元LUTおよび補正用1次元LUTが選択されてもよい。
【0101】
また、上述した実施形態では、印刷システムにおいて2回目の印刷処理が実行される場合、最新の補正用1次元LUTが適用された。しかしながら、補正用1次元LUTは最新でなくともよい。たとえば、補正用1次元LUTに付加された日時情報を参照して、ユーザーにより1回目の印刷処理で使用された補正用1次元LUTよりも新しい1つの補正用1次元LUTが選択されてもよい。
【0102】
また、上述した実施形態では、2回目の印刷処理が実行される際、ユーザーにより補正用4次元LUTを適用するか否かが選択された。しかしながら、補正用4次元LUTおよび補正用1次元LUTの適用については、種々選択することができる。たとえば、2回目の印刷処理においても1回目の印刷処理と同じ日時に作成された補正用1次元LUTが適用され得る。あるいは、より新しい補正用4次元LUTが印刷システムに存在する場合には、当該補正用4次元LUTを必ず適用して、RIP処理が再度実行されてもよい。
【0103】
また、上述した実施形態では、プロファイラーは、プリンターコントローラーとは別に設けられた。しかしながら、プロファイラーは、プリンターコントローラーの一機能として実現されてもよく、この場合、測色器もプリンターコントローラーに接続される。あるいは、測色器は、プリンターに搭載されてもよい。
【0104】
本実施形態にかかる印刷システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD−ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、印刷システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1a,1b,1c クライアント端末、
11,21,31,41 CPU、
12,22,32,42 ROM、
13,23,33,43 RAM、
14,24,44 ハードディスク、
15,25,45 ディスプレイ、
16,26,46 入力装置、
17,27,47 ネットワークインターフェース、
18,29,37,49 バス、
2a,2b プリンターコントローラー、
28 プリンターインターフェース、
3a,3b プリンター、
34 操作パネル部、
35 印刷部、
36 コントローラーインターフェース、
4 プロファイラー、
48 測色器インターフェース、
5 測色器、
6 ネットワーク、
210 カラーマッチング用LUT、
220,420 補正用4次元LUT、
230,430 補正用1次元LUT、
240 LUT選択用テーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページ記述言語で記述された印刷データを受信する受信部と、
前記受信部により受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成する生成部と、
前記生成部により生成された画像データを記憶する画像データ記憶部と、
前記画像データに基づく画像を最初に印刷するときには、各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記生成部により生成された画像データの色情報を補正し、前記画像データに基づく画像を新たに印刷するときには、前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正する補正部と、
前記補正部により色情報が補正された画像データを出力する出力部と、
を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
画像データに対してスクリーニング処理を実行するスクリーニング処理部と、
複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルを、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および前記スクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けて記憶しているテーブル記憶部と、をさらに有し、
前記生成部および補正部によりそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記画像データに基づく画像を新たに印刷するとき、新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付ける受付部をさらに有し、
前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記補正部は、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項5】
ページ記述言語で記述された印刷データを受信するステップ(a)と、
前記ステップ(a)において受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成するステップ(b)と、
前記ステップ(b)において生成された画像データを画像データ記憶部に記憶させるステップ(c)と、
各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記ステップ(b)において生成された画像データの色情報を補正するステップ(d)と、
前記ステップ(d)において色情報が補正された画像データを出力するステップ(e)と、
前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正するステップ(f)と、
前記ステップ(f)において色情報が補正された画像データを出力するステップ(g)と、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする請求項5に記載の印刷方法。
【請求項7】
複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルが、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および画像データに対して実行されるスクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けてテーブル記憶部に記憶されており、
前記ステップ(b)、ステップ(d)、およびステップ(f)においてそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする請求項5または6に記載の印刷方法。
【請求項8】
前記ステップ(e)と前記ステップ(f)との間に、
新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付けるステップ(h)をさらに有し、
前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記ステップ(f)において、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報が補正されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項9】
ページ記述言語で記述された印刷データを受信する手順(a)と、
前記手順(a)において受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成する手順(b)と、
前記手順(b)において生成された画像データを画像データ記憶部に記憶させる手順(c)と、
各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記手順(b)において生成された画像データの色情報を補正する手順(d)と、
前記手順(d)において色情報が補正された画像データを出力する手順(e)と、
前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正する手順(f)と、
前記手順(f)において色情報が補正された画像データを出力する手順(g)と、
をコンピューターに実行させる印刷プログラム。
【請求項10】
前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする請求項9に記載の印刷プログラム。
【請求項11】
複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルが、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および画像データに対して実行されるスクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けてテーブル記憶部に記憶されており、
前記手順(b)、手順(d)、および手順(f)においてそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする請求項9または10に記載の印刷プログラム。
【請求項12】
前記手順(e)と前記手順(f)との間に、
新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付ける手順(h)をさらに前記コンピューターに実行させ、
前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記手順(f)において、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報が補正されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の印刷プログラム。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1項に記載の印刷プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
ページ記述言語で記述された印刷データを受信する受信部と、
前記受信部により受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成する生成部と、
前記生成部により生成された画像データを記憶する画像データ記憶部と、
前記画像データに基づく画像を最初に印刷するときには、各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記生成部により生成された画像データの色情報を補正し、前記画像データに基づく画像を新たに印刷するときには、前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正する補正部と、
前記補正部により色情報が補正された画像データを出力する出力部と、
を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
画像データに対してスクリーニング処理を実行するスクリーニング処理部と、
複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルを、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および前記スクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けて記憶しているテーブル記憶部と、をさらに有し、
前記生成部および補正部によりそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記画像データに基づく画像を新たに印刷するとき、新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付ける受付部をさらに有し、
前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記補正部は、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項5】
ページ記述言語で記述された印刷データを受信するステップ(a)と、
前記ステップ(a)において受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成するステップ(b)と、
前記ステップ(b)において生成された画像データを画像データ記憶部に記憶させるステップ(c)と、
各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記ステップ(b)において生成された画像データの色情報を補正するステップ(d)と、
前記ステップ(d)において色情報が補正された画像データを出力するステップ(e)と、
前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正するステップ(f)と、
前記ステップ(f)において色情報が補正された画像データを出力するステップ(g)と、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする請求項5に記載の印刷方法。
【請求項7】
複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルが、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および画像データに対して実行されるスクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けてテーブル記憶部に記憶されており、
前記ステップ(b)、ステップ(d)、およびステップ(f)においてそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする請求項5または6に記載の印刷方法。
【請求項8】
前記ステップ(e)と前記ステップ(f)との間に、
新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付けるステップ(h)をさらに有し、
前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記ステップ(f)において、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報が補正されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項9】
ページ記述言語で記述された印刷データを受信する手順(a)と、
前記手順(a)において受信された印刷データに対してラスタライズ処理を実行するとともに、複数の基本色を組み合わせて印刷部により印刷される画像の色を目標色に合わせるとともに一定に維持するための補正用多次元ルックアップテーブルを適用して色変換処理を実行することにより、色情報が補正された画像データを生成する手順(b)と、
前記手順(b)において生成された画像データを画像データ記憶部に記憶させる手順(c)と、
各基本色について前記印刷部により印刷される画像の色を一定に維持するための第1の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記手順(b)において生成された画像データの色情報を補正する手順(d)と、
前記手順(d)において色情報が補正された画像データを出力する手順(e)と、
前記第1の補正用1次元ルックアップテーブルよりも新しい第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報を補正する手順(f)と、
前記手順(f)において色情報が補正された画像データを出力する手順(g)と、
をコンピューターに実行させる印刷プログラム。
【請求項10】
前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、最新の補正用1次元ルックアップテーブルであることを特徴とする請求項9に記載の印刷プログラム。
【請求項11】
複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルが、前記印刷部により画像が印刷される用紙の種類および画像データに対して実行されるスクリーニング処理におけるスクリーンの種類の少なくとも一方と関連付けてテーブル記憶部に記憶されており、
前記手順(b)、手順(d)、および手順(f)においてそれぞれ適用される補正用多次元ルックアップテーブルならびに第1および第2の補正用1次元ルックアップテーブルは、前記テーブル記憶部に記憶されている複数の補正用多次元ルックアップテーブルおよび補正用1次元ルックアップテーブルの中から、前記用紙の種類および前記スクリーンの種類の少なくとも一方に応じて選択されることを特徴とする請求項9または10に記載の印刷プログラム。
【請求項12】
前記手順(e)と前記手順(f)との間に、
新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行するか否かについてのユーザーによる選択を受け付ける手順(h)をさらに前記コンピューターに実行させ、
前記新たな補正用多次元ルックアップテーブルを適用した色変換処理を実行しないことがユーザーにより選択される場合、前記手順(f)において、前記第2の補正用1次元ルックアップテーブルを適用して、前記画像データ記憶部に記憶されている画像データの色情報が補正されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の印刷プログラム。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1項に記載の印刷プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−39676(P2013−39676A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175988(P2011−175988)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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