説明

印刷システム、及び情報処理装置

【課題】一定濃度以上で画像データを印刷することができる印刷装置をネットワーク上から検出する。
【解決手段】情報処理装置10は、地紋印刷又はコピーガード印刷が可能な画像形成装置20から状態情報を受信し、受信した状態情報から最も濃い濃度で画像データを印刷することができる画像形成装置20を選択し、印刷対象となる画像データを、選択した画像形成装置20に送信する。画像形成装置20は、画像データを受信すると、画像データに対して設定された印刷態様で、画像データを印刷する。このため、一定濃度以上で画像データを印刷することができる画像形成装置20に画像データを印刷させることができ、鮮明な画像を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像形成装置と、画像形成装置にネットワークを介して接続された情報処理装置とを備える印刷システム、及びその情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークプリンタや、複写機等の画像形成装置では、スキャンや印刷が禁止されているデータを不正に読み出したり、出力したりすることを規制する機能の実現が強く求められている。特に、企業等においては、機密文書が不正にスキャンされ、或いは印刷されて、機密情報が漏洩することが大きな問題となっている。
【0003】
このような機能を実現するための印刷態様として、地紋印刷、及びコピーガード印刷が知られている。地紋印刷は、印刷対象となる画像の背景に目視では認識することができないように紋様やメッセージ等の地紋画像を埋め込み、地紋印刷の原本を作成し、この原本の複写物に、地紋画像を浮かび上がらせる印刷態様をいう(特許文献1)。
【0004】
コピーガード印刷は、印刷対象となる画像の背景に特定パターンの画像からなる背景パターン画像を印刷し、コピーガード印刷の原本を作成し、背景パターン画像を画像形成装置に検出させ、原本の複写物の出力を禁止する印刷態様をいう(特許文献2)。
【0005】
また、特許文献3には、プリンタの種別、解像度、用紙サイズ等の印刷設定を満たすプリンタを、ネットワーク上から検索し、検索結果一覧から、出力するプリンタをユーザに選択させる情報処理装置が開示されている。
【特許文献1】特開平7−231384号公報
【特許文献2】特開2004−274092号公報
【特許文献3】特開2005−228243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3記載の情報処理装置では、プリンタの種類、解像度、用紙サイズ等の印刷設定によって画像データを印刷するプリンタがネットワーク上から検索されているにすぎない。そのため、感光体ドラムや中間転写ベルト等が劣化する、或いはトナー残量が少なくなる等の原因によって、薄い濃度でしか画像データを印刷することができないプリンタが検索される虞がある。また、薄い濃度でしか印刷できないプリンタを用いて地紋印刷の原本を作成すると、地紋画像が原本に表れる虞がある。また、薄い濃度でしか印刷できないプリンタを用いてコピーガード印刷の原本を作成すると、背景パターン画像が鮮明に現れず、原本の複写を禁止することができない虞がある。
【0007】
本発明の目的は、一定濃度以上で画像データを印刷することができる印刷装置をネットワーク上から検出する印刷システム及び情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による印刷システムは、画像データを印刷する複数の画像形成装置と、前記画像形成装置に所定のネットワークを介して接続された情報処理装置とを備える印刷システムであって、前記情報処理装置は、ユーザからの操作指令を受け付ける操作指令受付手段と、前記操作指令受付手段によって受け付けられたユーザからの操作指令を基に、印刷対象となる画像データの印刷態様を設定する印刷態様設定手段と、前記印刷態様設定手段により設定された印刷態様により前記画像データを印刷することが可能な画像形成装置を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された画像形成装置から、トナー残量を示すトナー残量情報、所定のテスト画像を所定の基準濃度以上で印刷することができるか否かを示す画像再現性情報、及び画像再現性を向上させるために過去に実施された画像形成装置の調整日時を示す調整日時情報の少なくともいずれか1つを含む状態情報を取得する状態情報取得手段と、前記状態情報取得手段によって取得された状態情報を基に、所定濃度で前記画像データを印刷することが可能な画像形成装置を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された画像形成装置に前記画像データを送信する画像データ送信手段とを備え、前記画像形成装置は、前記状態情報を前記情報処理装置に送信する状態情報送信手段と、前記画像データ送信手段から送信された画像データを印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の情報処理装置は、複数の画像形成装置に所定のネットワークを介して接続された情報処理装置であって、ユーザからの操作指令を受け付ける操作指令受付手段と、前記操作指令受付手段によって受け付けられたユーザからの操作指令を基に、印刷対象となる画像データの印刷態様を設定する印刷態様設定手段と、前記印刷態様設定手段により設定された印刷態様により前記画像データを印刷することが可能な画像形成装置を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された画像形成装置から、トナー残量を示すトナー残量情報、所定のテスト画像を所定の基準濃度以上で印刷することができるか否かを示す画像再現性情報、及び画像再現性を向上させるために過去に実施された画像形成装置の調整日時を示す調整日時情報の少なくともいずれか1つを含む状態情報を取得する状態情報取得手段と、前記状態情報取得手段によって取得された状態情報を基に、前記画像データを一定濃度以上で印刷させることが可能な画像形成装置を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された画像形成装置に前記画像データを送信する画像データ送信手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
これらの構成によれば、検索手段が、印刷態様設定手段によって設定された印刷態様で画像データを印刷することが可能な画像形成装置を検索し、状態情報取得手段が、検索手段によって検索された画像形成装置の状態情報を取得する。ここで、状態情報は、トナー残量を示すトナー残量情報、所定のテスト画像を所定の基準濃度以上で印刷することができるか否かを示す画像再現性情報、及び画像再現性を向上させるために過去に実施された画像形成装置の調整日時を示す調整日時情報の少なくともいずれか1つを含んでいる。そのため、状態情報から、一定濃度以上で画像データを印刷することができる画像形成装置であるか否かを判定することが可能となる。そして、選択手段が、状態情報を基に、一定濃度以上で画像データを印刷することが可能な画像形成装置を選択し、画像データ送信手段が、選択手段によって選択された画像形成装置に画像データを送信し、画像形成装置が画像データを印刷する。そのため、一定濃度以上で画像データを印刷することができる。
【0011】
また、上記構成において、前記印刷態様は、コピーガード印刷、及び地紋印刷を含むことが好ましい。
【0012】
この構成によれば、コピーガード印刷及び地紋印刷が可能な画像形成装置であって、一定濃度以上で画像データを印刷することができる画像形成装置が選択されるため、一定濃度以上で印刷することが要求されるコピーガード印刷の原本の作成、及び地紋印刷の原本の作成を好適に行うことができる。
【0013】
また、上記構成において、前記状態情報は、前記トナー残量情報、前記画像再現性情報、及び前記調整日時情報を含み、前記状態情報取得手段は、前記トナー残量情報が所定の基準値以上である画像形成装置を抽出する第1の抽出処理を実行し、前記第1の抽出処理により抽出した画像形成装置が1台存在する場合、その画像形成装置を、前記画像データを印刷する画像形成装置として選択し、前記第1の抽出処理により抽出した画像形成装置が複数台存在する場合、これらの画像形成装置の中から、前記画像再現性情報が所定のテスト画像を所定の基準濃度以上で印刷することができることを示す画像形成装置を抽出する第2の抽出処理を実行し、前記第2の抽出処理により抽出した画像形成装置が1台存在する場合、その画像形成装置を、前記画像データを印刷させる画像形成装置として選択し、前記第2の抽出処理により抽出した画像形成装置が複数台存在する場合、前記調整日時情報が最新の画像形成装置を、前記画像データを印刷する画像形成装置として選択することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、濃い濃度を表現することが可能な画像再現性を定める3つのパラメータであるトナー残量情報、画像再現性情報、及び調整日時情報に対して、画像再現性への影響力が高いパラメータほど高い優先順位が与えられ、これらのパラメータから優先順位に従って一定濃度以上で画像データを印刷することができる画像形成装置が選択されるため、画像再現性の高い画像形成装置を自動的に選択することができる。
【0015】
また、上記構成において、前記情報処理装置は、前記検索手段により検索された画像形成装置と、画像形成装置の状態情報とを併せて一覧表示する表示手段を更に備え、前記操作指令受付手段は、前記表示手段により一覧表示された画像形成装置のうち、いずれかの画像形成装置を選択するためのユーザからの選択指令を受け付け、前記選択手段は、前記選択指令によって選択された画像形成装置を、前記画像データを印刷する画像形成装置として選択することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、ユーザは、設定した印刷態様で印刷することが可能な画像形成装置の中から好みの画像形成装置を選択し、選択した画像形成装置に印刷データを印刷させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、検索手段が、印刷態様設定手段によって設定された印刷態様で画像データを印刷することが可能な画像形成装置を検索し、状態情報取得手段が、検索手段によって検索された画像形成装置の状態情報を取得する。ここで、状態情報は、トナー残量を示すトナー残量情報、画像データをどの程度の濃度で印刷することができるかを示す画像再現性情報、及び画像再現性を向上させるために過去に実施された画像形成装置の調整日時を示す調整日時情報の少なくともいずれか1つを含んでいる。そのため、状態情報から、一定濃度以上で画像データを印刷することができるか否かを判定することが可能となる。
【0018】
そして、選択手段が、状態情報を基に、一定濃度以上で画像データを印刷することが可能な画像形成装置を選択し、画像データ送信手段が、選択手段によって選択された画像形成装置に画像データを送信し、画像形成装置が画像データを印刷する。そのため、一定濃度以上で画像データを印刷することができ、鮮明な画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態による印刷システム(以下、「本印刷システム」と呼ぶ)について図面参照しつつ説明する。図1は、本印刷システムの全体構成図を示している。本印刷システムは、印刷対象となる印刷データを画像形成装置20に送信する情報処理装置10と、情報処理装置10にネットワーク30を介して接続された画像形成装置20とを備えている。
【0020】
情報処理装置10は、通信機能を有するコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ)により構成されている。なお、図1では、1台の情報処理装置10を示しているが、これは一例であり、本印刷システムは、複数の情報処理装置10を備えることができる。
【0021】
画像形成装置20は、通信機能を有する画像形成装置により構成されている。画像形成装置20としては、ネットワークプリンタ、ファクシミリ、複写機、又はデジタル複合機等を採用することができる。なお、図1では、3台の画像形成装置20を示しているが、これは一例にすぎず、本印刷システムは、少なくとも2台、すなわち、複数の画像形成装置20を備えることができる。ネットワーク30は、LAN(Local Area Network)から構成され、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)により種々のデータを伝送する。
【0022】
図2は、情報処理装置10の機能ブロック図を示している。情報処理装置10は、操作部(操作指令受付手段)11、表示部(表示手段)12、制御部13、記憶部14、及び通信部(画像データ送信手段)15を備える。操作部11は、キーボード、マウス等の入力装置から構成され、ユーザによってなされる種々の操作指令を受け付ける。表示部12は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又はCRTディスプレイ等の表示装置から構成され、制御部13の制御の下、種々の画像を表示する。
【0023】
制御部13は、CPU、ROM、及びRAM等から構成され、情報処理装置10の全体制御を司る。そして、CPUは、記憶部14に記憶されたオペレーティングシステム及び、情報処理プログラムを実行することで、制御部13を印刷態様設定部(印刷態様設定手段)131、検索部(検索手段)132、状態情報取得部(状態情報取得手段)133、及び選択部(選択手段)134として機能させると共に、記憶部14を画像データ記憶部141、地紋画像記憶部142、及び背景パターン画像記憶部143として機能させる。記憶部14は、ハードディスク等の外部記憶装置から構成される。
【0024】
通信部15は、LANボード等の通信モジュールから構成され、TCP/IPプロトコルに従って、ネットワーク30に種々のデータを送信すると共に、ネットワーク30から種々のデータを受信する。
【0025】
印刷態様設定部131は、操作部11が受け付けた、印刷態様を選択するためのユーザからの操作指令に従って、印刷対象となる画像データの印刷態様を設定する。印刷態様としては、地紋印刷、コピーガード印刷、及び通常印刷が含まれる。地紋印刷は、印刷対象となる画像の背景に、目視では認識することができないように紋様やメッセージ等の地紋画像を埋め込み、地紋印刷の原本を作成し、この原本の複写物に、地紋画像を浮かび上がらせる印刷態様を示す。画像形成装置20は、地紋印刷の印刷態様が設定された画像データを受信すると、受信した画像データを印刷し、地紋印刷の原本を作成する。
【0026】
コピーガード印刷は、印刷対象となる画像の背景に特定パターンの画像からなる背景パターン画像を印刷し、コピーガード印刷の原本を作成し、背景パターン画像を画像形成装置20に検出させることで、原本の複写物の出力を禁止する印刷態様である。画像形成装置20は、コピーガード印刷が印刷態様として設定された画像データを受信すると、画像データを記録紙に印刷し、コピーガード印刷の原本を作成する。
【0027】
通常印刷とは、地紋画像や背景パターン画像を埋め込むことなく印刷対象となる画像データをそのまま記録紙に印刷させる印刷態様を示す。
【0028】
検索部132は、印刷態様設定部131により地紋印刷又はコピーガード印刷が印刷態様として設定された場合、地紋印刷の原本、及びコピーガード印刷の原本のうち、少なくともいずれか一方の原本が作成可能な画像形成装置20を検索するための検索データを、通信部15を介して、ネットワーク30にブロードキャストで送信する。
【0029】
画像形成装置20は、検索データを受信したとき、検索データに応答するための検索応答データを、情報処理装置10に送信する。図3(a)に示すように、検索応答データは、検索応答データを送信する画像形成装置20のIPアドレス、及び実行可能な印刷態様を示す印刷態様データを含む。印刷態様データは、地紋印刷の原本が作成可能な画像形成装置20であれば、地紋印刷の原本が作成可能であることを示すデータ(例えば、「地紋印刷」)となり、コピーガード印刷の原本が作成可能な画像形成装置20であれば、コピーガード印刷の原本が作成可能であることを示すデータ(例えば、「コピーガード印刷」)となり、地紋印刷の原本及びコピーガード印刷の原本が作成可能な画像形成装置20であれば、地紋印刷及びコピーガード印刷が可能であることを示すデータ(例えば「地紋印刷+コピーガード印刷」)となる。
【0030】
更に、検索部132は、画像形成装置20から送信される検索応答データを、通信部15を介して受信し、受信した検索応答データから、印刷態様設定部131で設定された印刷態様に対応する画像形成装置20を検出する。
【0031】
状態情報取得部133は、検索部132によって検出された画像形成装置20から状態情報を取得するための状態情報要求データを、通信部15を介して送信する。画像形成装置20は、状態情報要求データを受信すると、自身の状態情報を情報処理装置10に送信する。
【0032】
図3(b)に示すように、状態情報は、トナー残量情報、画像再現性情報、及び調整日時情報を含む。トナー残量情報は、画像形成装置20の現在のトナー残量を示すデータである。画像再現性情報は、画像形成装置20が、所定のテスト画像を基準濃度以上の濃度で印刷することができるか否かを示すデータであり、基準濃度以上で印刷できる場合は、画像再現性が良いことを示すデータとなり、基準濃度以上で印刷できない場合は、画像再現性が悪いことを示すデータとなる。調整日時情報は、画像形成装置20が備える印刷部22(図4参照)の劣化に起因する画像再現性の低下を向上させるために実施された調整処理(キャリブレーション処理)の最新の日時を示すデータである。
【0033】
選択部134は、画像形成装置20から送信される状態情報を、通信部15を介して受信し、受信した状態情報から、最も濃い濃度で画像データを印刷することができる画像形成装置20を選択する。
【0034】
具体的には、選択部134は、トナー残量情報が基準値以上の画像形成装置20を抽出する第1の抽出処理を実行する。更に、選択部134は、第1の抽出処理の結果、トナー残量情報が基準トナー残量以上である画像形成装置20が1台しか存在しない場合は、その画像形成装置20を、画像データを印刷する画像形成装置20として選択する。
【0035】
一方、選択部134は、第1の抽出処理の結果、トナー残量情報が基準トナー残量以上である画像形成装置20が複数台以上存在すれば、これらの画像形成装置20の中から、画像再現性情報が、画像再現性が良いことを示す画像形成装置20を抽出する第2の抽出処理を実行する。
【0036】
更に、選択部134は、第2の抽出処理の結果、抽出できた画像形成装置20が1台しか存在しない場合、その画像形成装置20を、画像データを印刷する画像形成装置20として選択する。
【0037】
一方、選択部134は、第2の抽出処理の結果、抽出された画像形成装置20が複数台存在する場合、これらの画像形成装置20の中から、調整日時情報が、最近の日時を示す画像形成装置20を、画像データを印刷する画像形成装置20として選択する。
【0038】
更に、選択部134は、印刷態様設定部131により地紋印刷が設定された画像データを、画像データ記憶部141から読み出し、読み出した画像データと、地紋印刷に使用される地紋画像の画像データとから、地紋印刷の原本の画像データを作成し、作成した画像データを、印刷対象として選択した画像形成装置20に通信部15を介して送信する。
【0039】
更に、選択部134は、印刷態様設定部131によりコピーガード印刷が設定された画像データを、画像データ記憶部141から読み出し、読み出した画像データと、コピーガード印刷に使用される背景パターン画像の画像データとから、コピーガード印刷の原本の画像データを作成し、作成した画像データを、選択した画像形成装置20に通信部15を介して送信する。
【0040】
画像データ記憶部141は、印刷対象となる画像データを記憶する。印刷対象となる画像データは、ワープロソフト、表計算ソフト等のアプリケーションソフトウェア用いて、ユーザにより作成されたデータである。
【0041】
地紋画像記憶部142は、地紋印刷の原本を作成する際に、印刷対象となる画像に埋め込まれる地紋画像の画像データを記憶する。背景パターン画像記憶部143は、コピーガード印刷の原本を作成する際に、印刷対象となる画像の背景に印刷される背景パターン画像の画像データを記憶する。
【0042】
図4は、画像形成装置20の機能ブロック図を示している。画像形成装置20は、濃度センサ21、印刷部(印刷手段)22、通信部(状態情報送信手段)23、制御部24、記憶部25、トナーセンサ26、操作部27、及び表示部28を備えている。濃度センサ21は、中間転写ベルト228(図5参照)に転写されたテスト画像の濃度を測定する。
【0043】
印刷部22は、電子写真プロセスにより記録紙に画像データを印刷させる。図5は、印刷部22の構成図である。印刷部22は、マゼンタのトナー像を形成するトナー像形成部22M、シアンのトナー像を形成するトナー像形成部22C、イエローのトナー像を形成するトナー像形成部22Y、ブラックのトナー像を形成するトナー像形成部22K、中間転写ベルト228、及び転写ローラ230を備える。
【0044】
トナー像形成部22M,22C,22Y,22Kは、この順番で、中間転写ベルト228の上流側から下流側に向けて中間転写ベルト228の上側に配列されている。
【0045】
トナー像形成部22M,22C,22Y,22Kは、それぞれ、感光体ドラム221、露光装置222、現像装置223、中間転写ローラ224、クリーニングブレード225、クリーナ226、及び帯電装置227を備える。
【0046】
感光体ドラム221は、表面にアモルファスシリコン等の感光材料が積層された円筒状のローラにより構成され、時計回りに回転する。露光装置222は、レーザ光を出力するレーザ光源、レーザ光源から出力されたレーザ光を記録紙の搬送方向と直行する主走査方向に走査するポリゴンミラー等を含み、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの各色の画像データに応じて変調されたレーザ光を感光体ドラム221に照射して、感光体ドラム221の表面に画像データの静電潜像を形成する。
【0047】
現像装置223は、マゼンタ、シアン、イエロー、又はブラックのトナーを、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム221に供給し、感光体ドラム221の表面に各色のトナー像を形成する。中間転写ローラ224は、中間転写ベルト228を介して、感光体ドラム221に対向配設され、感光体ドラム221に形成されたトナー像を、中間転写ベルト228に転写する。クリーニングブレード225は、感光体ドラム221に当接され、感光体ドラム221に残留するトナーを掻き取る。クリーナ226は、感光体ドラム221を清掃する。帯電装置227は、感光体ドラム221の表面を一様に帯電させる。
【0048】
中間転写ベルト228は、3個のローラ229により反時計回りに回転される無端ベルトから構成され、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックのトナー像が重畳して転写され、カラーのトナー像を形成する。転写ローラ230は、図略の搬送部によって搬送される記録紙に、中間転写ベルト228に形成されたカラーのトナー像を転写する。
【0049】
濃度センサ21は、中間転写ベルト228の上側であって、ブラックのトナー像形成部22Kの下流側に配設され、中間転写ベルト228に形成されたトナー像の濃度を測定し、測定結果を制御部24に出力する。
【0050】
図4に示す通信部23は、制御部24の制御の下、TCP/IPに従って、種々のデータをネットワーク30に送信し、ネットワーク30から種々のデータを受信する。トナーセンサ26は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色の現像装置223のトナータンクに配設され、トナータンクに残留するトナーの残量を検出する。
【0051】
制御部24は、CPU、ROM、及びRAM等から構成され、画像再現性情報取得部241、印刷制御部242、通信制御部243、調整実行部244、及びトナー残量取得部245の機能を備えている。これらの機能は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0052】
画像再現性情報取得部241は、ユーザからの画像再現性情報を取得する操作指令を、操作部27が受け付けたとき、テスト画像記憶部255に記憶されているテスト画像を読み出し、印刷部22を制御して、テスト画像を中間転写ベルト228の表面に形成させ、形成させたテスト画像の濃度を、濃度センサ21に測定させる。そして、画像再現性情報取得部241は、測定されたテスト画像の濃度が基準濃度記憶部254に記憶された所定の基準濃度未満の場合は、画像再現性が悪いことを示すデータを画像再現性情報とし、テスト画像の濃度の測定日時と併せて、画像再現性情報記憶部252に記憶させる。一方、画像再現性情報取得部241は、濃度センサ21により測定されたテスト画像の濃度が、基準濃度記憶部254に予め記憶されている所定の基準濃度以上の場合は、画像再現性が良いことを示すデータを画像再現性情報とし、テスト画像の濃度の測定日時と併せて、画像再現性情報記憶部252に記憶させる。
【0053】
印刷制御部242は、印刷部22を制御して、情報処理装置10から送信された画像データを記録紙に印刷する。ここで、印刷制御部242は、地紋印刷が設定された画像データを受信したとき、印刷部22を制御して、印刷対象となる画像の網点と地紋画像の網点との線密度を変え、印刷対象となる画像のみが視認され、地紋画像が肉眼では視認できないように画像データを記録紙に印刷し、地紋印刷の原本を作成する。
【0054】
一方、印刷制御部242は、コピーガード印刷が設定された画像データを受信したとき、印刷部22を制御して、印刷対象となる画像と背景パターン画像とを含む画像データを記録紙に印刷し、コピーガード印刷の原本を作成する。
【0055】
通信制御部243は、通信部23が、情報処理装置10から送信される状態情報要求データを受信したとき、画像再現性情報記憶部252に記憶された最新の画像再現性情報と、トナー残量情報記憶部251に記憶された最新のトナー残量情報と、調整日時情報記憶部253に記憶された最新の調整日時情報とを読み出し、読み出した画像再現性情報、トナー残量情報、及び調整日時情報を含む状態情報を生成し、通信部23を介して、情報処理装置10に送信する。
【0056】
調整実行部244は、操作部27が、ユーザから画像再現性を向上させるための調整処理(キャリブレーション処理)を実行する操作指令を受け付けたとき、以下に示すキャリブレーション処理を実行する。
【0057】
まず、調整実行部244は、パッチ画像記憶部256からパッチ画像の画像データを読み出し、中間転写ベルト228に、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各々のパッチ画像を形成する。次に、調整実行部244は、濃度センサ21に、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各々のパッチ画像の濃度を測定させる。次に、調整実行部244は、測定したマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各々のパッチ画像の濃度が、所定の基準濃度となるように、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各々の現像装置223のバイアス電流の値を調整し、調整したマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各々のバイアス電流の値を、調整処理の実行日時と併せて、調整日時情報記憶部253に記憶させる。なお、印刷制御部242は、調整日時情報記憶部253に記憶された調整日時が最新のバイアス電流の値を用いて現像装置223を制御して、感光体ドラム221にトナーを供給させる。
【0058】
トナー残量取得部245は、トナーセンサ26に、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各々の現像装置223が図略のトナータンクに貯溜するトナー残量を測定させ、測定されたトナー残量を、トナー残量情報として、トナー残量情報記憶部251に記憶させる。ここで、トナー残量情報としては、トナー残量の満タン時に対する比率を%で表した数値が採用される。また、トナー残量取得部245は、周期的にトナー残量を取得する。基準トナー残量情報としては、画像再現性に支障をきたさないトナー残量、すなわち、テスト画像を基準濃度以上で印刷することができるトナー残量が採用されている。ここで、トナー残量取得部245は、トナー残量情報記憶部251に最新のトナー残量のみを記憶させる。
【0059】
通信部23は、LANボード等の通信モジュールから構成され、TCP/IPプロトコルに従って、ネットワーク30に種々のデータを送信すると共に、ネットワーク30から種々のデータを受信する。
【0060】
記憶部25は、トナー残量情報記憶部251、画像再現性情報記憶部252、調整日時情報記憶部253、基準濃度記憶部254、テスト画像記憶部255、及びパッチ画像記憶部256を備える。
【0061】
トナー残量情報記憶部251は、トナー残量取得部245により取得された、最新のトナー残量情報を記憶する。画像再現性情報記憶部252は、画像再現性情報取得部241により取得された画像再現性情報を記憶する。調整日時情報記憶部253は、調整実行部244により実行されたキャリブレーション処理の実行日時を記憶する。
【0062】
テスト画像記憶部255は、画像再現性情報取得部241が、画像再現性情報を取得する際に使用するテスト画像の画像データを記憶している。図6は、テスト画像の一例を示した図である。図6に示すように、テスト画像は、網点から構成されている。この網点の背景に対する面積比は、例えば20%である。
【0063】
基準濃度記憶部254は、画像再現性情報取得部241が、画像再現性の良し悪しを判定する際に用いる基準濃度を記憶する。ここで、基準濃度は、テスト画像を本来再現することができる濃度に対して、例えば50%の濃度が採用される。
【0064】
パッチ画像記憶部256は、調整実行部244がキャリブレーション処理を実行する際に使用するパッチ画像の画像データを記憶する。ここで、パッチ画像は、矩形状の画像から構成される。
【0065】
トナーセンサ26は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各々の現像装置223の現像タンク内に配設され、各現像装置223のトナー残量を測定する。操作部27は、ユーザによりなされる画像形成装置20に対する種々の操作指令を受け付ける。表示部28は、液晶パネル等から構成され、制御部24の制御の下、画像形成装置20の状態等を表示する。
【0066】
図7は、本印刷システムの動作を示すフローチャートである。まず、情報処理装置10の印刷態様設定部131は、操作部11が印刷態様を選択するためのユーザからの操作指令を受け付けた場合(ステップS1でYES)、受け付けられた印刷態様を、印刷対象となる画像データの印刷態様として設定する。ここで、設定される印刷態様として、地紋印刷、コピーガード印刷及び通常印刷が含まれる。一方、印刷態様設定部131は、操作部11が印刷態様を選択するためのユーザからの操作指令を受け付けない場合(ステップS1でNO)、処理をステップS1に戻す。本フローチャートでは、ユーザは印刷態様として、地紋印刷、又はコピーガード印刷を設定したものとする。
【0067】
次に、検索部132は、検索データをネットワーク30にブロードキャストで送信し(ステップS2)、画像形成装置20の通信部23は、検索データを受信する(ステップS21)。次に、画像形成装置20の通信制御部243は、検索データに対して応答するために検索応答データを送信する(ステップS22)。ここで、画像形成装置20は、地紋印刷を実行することが可能な場合、検索応答データに「地紋印刷」の印刷態様データを含ませ、コピーガード印刷が可能な場合、検索応答データに「コピーガード印刷」の印刷態様データを含ませ、コピーガード印刷及び地紋印刷を実行することが可能な場合、検索応答データに「コピーガード印刷+地紋印刷」の印刷態様データを含ませる。
【0068】
次に、情報処理装置10の通信部15は、検索応答データを受信する(ステップS3)。次に、状態情報取得部133は、受信した検索応答データから印刷態様データを抽出し、地紋印刷又はコピーガード印刷を実行することが可能な画像形成装置20が少なくとも1台存在する場合(ステップS4でYES)、処理をステップS5に進め、地紋印刷又はコピーガード印刷を実行することが可能な画像形成装置が全く存在しない場合(ステップS4でNO)、処理を終了する。
【0069】
次に、状態情報取得部133は、ステップS4で地紋印刷又はコピーガード印刷を実行することが可能である画像形成装置20から状態情報を取得するために、状態情報要求データを送信する(ステップS5)。次に、画像形成装置20の通信部23は、状態情報要求データを受信する(ステップS23)。
【0070】
次に、通信制御部243は、トナー残量情報記憶部251からトナー残量情報を読み出し、画像再現性情報記憶部252から最新の画像再現性情報を読み出し、調整日時情報記憶部253から最新の調整日時情報を読み出し、これら3つの情報を含む状態情報を生成し(ステップS24)、画像形成装置20に送信する(ステップS25)。
【0071】
次に、情報処理装置10の通信部15は、状態情報を受信する(ステップS6)。次に、選択部134は、ステップS6で受信された状態情報を用いて、上記第1〜第2の抽出処理を実行し、最も濃い濃度で画像データを印刷することができる画像形成装置20を選択する。
【0072】
次に、選択部134は、ステップS7で選択した画像形成装置20に、印刷対象となる画像データを送信する(ステップS8)。この画像データには、ステップS1で設定された印刷態様を示す印刷態様データが含まれる。
【0073】
次に、画像形成装置20の通信部23は、画像データを受信し(ステップS26)、受信した画像データを、この画像データに対して設定された印刷態様で印刷させる(ステップS27)。
【0074】
以上説明したように、本印刷システムによれば、情報処理装置10が、印刷対象となる画像データの印刷態様を設定し、地紋印刷又はコピーガード印刷が可能な画像形成装置20を検索するための検索データをブロードキャストで送信する。画像形成装置20は、検索データを受信すると、地紋印刷及びコピーガード印刷の少なくとも一方の原本を作成することが可能であるかを示す検索応答データを情報処理装置10に送信する。情報処理装置10は、検索応答データを受信すると、検索応答データに含まれる印刷態様データから、ユーザによって選択された印刷態様で印刷可能な画像形成装置20を検出し、検出した画像形成装置20から状態情報を取得するための状態情報要求データを送信する。
【0075】
画像形成装置20は、状態情報要求データを受信すると、状態情報を生成し、情報処理装置10に送信する。情報処理装置10は、状態情報を受信すると、最も濃い濃度で画像データを印刷することができる画像形成装置20を選択し、印刷対象となる画像データを、選択した画像形成装置20に送信する。画像形成装置20は、画像データを受信すると、画像データに対して設定された印刷態様で、画像データを印刷する。このため、一定濃度以上で画像データを印刷することができる画像形成装置20に画像データを印刷させることができ、鮮明な画像を得ることができる。
【0076】
特に、一定濃度以上で画像データを印刷することが要求される地紋印刷の原本の作成、及びコピーガード印刷の原本の作成を好適に行うことが可能となる。
【0077】
なお、上記実施の形態では、通信制御部243は、状態情報要求データを受信したとき、画像再現性情報を画像再現性情報記憶部252から読み出す態様を示したが、これに限定されない。すなわち、通信制御部243は、状態情報要求データを受信したとき、上記テスト画像を中間転写ベルト28に形成し、テスト画像の濃度を濃度センサ21に測定させ、測定したテスト画像の濃度を基準濃度と比較することで画像再現性情報を取得し、取得した画像再現性情報を状態情報に含ませても良い。
【0078】
また、通信制御部243は、状態情報要求データを受信したとき、トナー残量情報をトナー残量情報記憶部251から読み出す態様を示したが、これに限定されない。すなわち、通信制御部243は、状態情報要求データを受信したとき、濃度センサ21に、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色のトナー濃度を測定し、トナー残量情報として状態情報に含ませても良い。
【0079】
また、選択部134は、状態情報から最も濃い濃度で印刷することができる画像データを選択したが、これに限定されず、検索部132により検出された画像形成装置と、画像形成装置の状態情報とを一覧表示する状態情報リスト画像を作成し、表示部12に表示させる。選択部134は、状態情報リスト画像に表示された画像形成装置20の中から、いずれか1台の画像形成装置20を、操作部11からユーザに選択させ、選択された画像形成装置20に画像データを印刷させてもよい。
【0080】
また、情報処理装置10が備える機能を画像形成装置20に組み込み、画像形成装置20に情報処理装置10が備える機能を実現させてもよい。
【0081】
また、上記実施の形態では、画像再現性情報は、画像再現性が良いことを示すデータまたは画像再現性が悪いことを示すデータのいずれかであったが、これに限定されない。すなわち、テスト画像を本来再現することができる濃度を100としたときの濃度センサ21により測定されたテスト画像の濃度の比率を画像再現性情報としてもよい。この場合、情報処理装置10の選択部134は、例えば画像再現性情報が50%以上の画像形成装置20を、画像再現性の良い画像形成装置20として抽出すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本印刷システムの全体構成図を示している。
【図2】情報処理装置¥の機能ブロック図である。
【図3】(a)は検索応答データのデータ構造図であり、(b)は状態情報のデータ構造図である。
【図4】画像形成装置の機能ブロック図を示している。
【図5】印刷部の構成図である。
【図6】テスト画像の一例を示した図である。
【図7】本印刷システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
10 情報処理装置
11 操作部
12 表示部
13 制御部
14 記憶部
15 通信部
20 画像形成装置
21 濃度センサ
22M,22C,22Y,22K トナー像形成部
22 印刷部
23 通信部
24 制御部
25 記憶部
26 トナーセンサ
27 操作部
28 表示部
30 ネットワーク
131 印刷態様設定部
132 検索部
133 状態情報取得部
134 選択部
141 画像データ記憶部
142 地紋画像記憶部
143 背景パターン画像記憶部
241 画像再現性情報取得部
242 印刷制御部
243 通信制御部
244 調整実行部
245 トナー残量取得部
251 トナー残量情報記憶部
252 画像再現性情報記憶部
253 調整日時情報記憶部
254 基準濃度記憶部
255 テスト画像記憶部
256 パッチ画像記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを印刷する複数の画像形成装置と、前記画像形成装置に所定のネットワークを介して接続された情報処理装置とを備える印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
ユーザからの操作指令を受け付ける操作指令受付手段と、
前記操作指令受付手段によって受け付けられたユーザからの操作指令を基に、印刷対象となる画像データの印刷態様を設定する印刷態様設定手段と、
前記印刷態様設定手段により設定された印刷態様により前記画像データを印刷することが可能な画像形成装置を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された画像形成装置から、トナー残量を示すトナー残量情報、所定のテスト画像を所定の基準濃度以上で印刷することができるか否かを示す画像再現性情報、及び画像再現性を向上させるために過去に実施された画像形成装置の調整日時を示す調整日時情報の少なくともいずれか1つを含む状態情報を取得する状態情報取得手段と、
前記状態情報取得手段によって取得された状態情報を基に、一定濃度以上で前記画像データを印刷することが可能な画像形成装置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された画像形成装置に前記画像データを送信する画像データ送信手段とを備え、
前記画像形成装置は、
前記状態情報を前記情報処理装置に送信する状態情報送信手段と、
前記画像データ送信手段から送信された画像データを印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記印刷態様は、コピーガード印刷、及び地紋印刷を含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記状態情報は、前記トナー残量情報、前記画像再現性情報、及び前記調整日時情報を含み、
前記状態情報取得手段は、
前記トナー残量情報が所定の基準値以上である画像形成装置を抽出する第1の抽出処理を実行し、前記第1の抽出処理により抽出した画像形成装置が1台存在する場合、その画像形成装置を、前記画像データを印刷する画像形成装置として選択し、
前記第1の抽出処理により抽出した画像形成装置が複数台存在する場合、これらの画像形成装置の中から、前記画像再現性情報が、所定のテスト画像を所定の基準濃度以上で印刷することができることを示す画像形成装置を抽出する第2の抽出処理を実行し、前記第2の抽出処理により抽出した画像形成装置が1台存在する場合、その画像形成装置を、前記画像データを印刷させる画像形成装置として選択し、
前記第2の抽出処理により抽出した画像形成装置が複数台存在する場合、前記調整日時情報が最新の画像形成装置を、前記画像データを印刷する画像形成装置として選択することを特徴とする請求項1又は2記載の印刷システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記検索手段により検索された画像形成装置と、画像形成装置の状態情報とを併せて一覧表示する表示手段を更に備え、
前記操作指令受付手段は、前記表示手段により一覧表示された画像形成装置のうち、いずれかの画像形成装置を選択するためのユーザからの選択指令を受け付け、
前記選択手段は、前記選択指令によって選択された画像形成装置を、前記画像データを印刷する画像形成装置として選択することを特徴とする請求項1又は2記載の印刷システム。
【請求項5】
複数の画像形成装置に所定のネットワークを介して接続された情報処理装置であって、
ユーザからの操作指令を受け付ける操作指令受付手段と、
前記操作指令受付手段によって受け付けられたユーザからの操作指令を基に、印刷対象となる画像データの印刷態様を設定する印刷態様設定手段と、
前記印刷態様設定手段により設定された印刷態様により前記画像データを印刷することが可能な画像形成装置を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された画像形成装置から、トナー残量を示すトナー残量情報、所定のテスト画像を所定の基準濃度以上で印刷することができるか否かを示す画像再現性情報、及び画像再現性を向上させるために過去に実施された画像形成装置の調整日時を示す調整日時情報の少なくともいずれか1つを含む状態情報を取得する状態情報取得手段と、
前記状態情報取得手段によって取得された状態情報を基に、一定濃度以上で前記画像データを印刷することが可能な画像形成装置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された画像形成装置に、前記画像データを送信する画像データ送信手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−324884(P2007−324884A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−152347(P2006−152347)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】