印刷制御システムおよび印刷制御装置および印刷制御方法および印刷制御プログラム
【課題】
ユーザの利便性と、消費電力削減の両方を考慮した印刷制御システムおよび印刷制御装置および印刷制御方法および印刷制御プログラムを提供する。
【解決手段】
クライアント端末10から印刷要求が行われると、プリントサーバ30は、該印刷要求を要求受付部32で受信するとともに、当該要求に基づいて印刷ジョブを生成しキュー33へ格納する。このとき、印刷ジョブ制御部35は、キュー状態監視部34へキュー33に格納される印刷ジョブ数を問い合わせ、応答によって取得した印刷ジョブ数を所定の閾値と比較して閾値以上ならば、節電中のプリンタ20を印刷先に設定し、当該プリンタ20へ印刷ジョブを送信する。一方、キュー33に格納される印刷ジョブが閾値を越えていない場合は、稼動中のプリンタ20を使って印刷ジョブを実行することとなる。
ユーザの利便性と、消費電力削減の両方を考慮した印刷制御システムおよび印刷制御装置および印刷制御方法および印刷制御プログラムを提供する。
【解決手段】
クライアント端末10から印刷要求が行われると、プリントサーバ30は、該印刷要求を要求受付部32で受信するとともに、当該要求に基づいて印刷ジョブを生成しキュー33へ格納する。このとき、印刷ジョブ制御部35は、キュー状態監視部34へキュー33に格納される印刷ジョブ数を問い合わせ、応答によって取得した印刷ジョブ数を所定の閾値と比較して閾値以上ならば、節電中のプリンタ20を印刷先に設定し、当該プリンタ20へ印刷ジョブを送信する。一方、キュー33に格納される印刷ジョブが閾値を越えていない場合は、稼動中のプリンタ20を使って印刷ジョブを実行することとなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、節電状態とそれ以外の待機中、印刷処理中を含む稼動状態とを切替可能な複数のプリンタと、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を前記複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置とを有する印刷制御システムに係わり、詳しくは、ユーザの利便性と、消費電力削減の両方を考慮した印刷制御システムおよび印刷制御装置および印刷制御方法および印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、複数のユーザが印刷を行うようなオフィス、学校等においては、プリントサーバが配設され、複数のユーザが複数のプリンタを共有して利用できるような印刷環境が構築されている。
【0003】
従来、このような印刷環境においては、印刷処理が行われていないときにも、多大な電力が消費されることとなるため、環境負荷の軽減を図るためにも、無駄なエネルギーを極力使わないように配慮したものが種々提案されている。例えば、特許文献1記載の「印刷制御システムの制御方法」が開示されている。
【0004】
この特許文献1の発明は、原則的に予め設定された設定時刻になると自動的に電源を遮断させるようにしながら、印刷要求の状況に応じて、印刷装置の管理者やユーザ等が、遮断時刻を柔軟に延長させることのできるという技術について言及されている。
【0005】
一方、効率よく印刷処理が行えるように、利便性を高めた技術も種々提案されており、例えば、印刷待ち時間を抑制する技術として特許文献2記載の「印刷制御方法、印刷制御システム、プログラム及び記憶媒体」が開示されている。
【0006】
この特許文献2の発明は、複数部の印刷データを複数台の印刷デバイスで分散印刷処理を行う場合であって、印刷デバイスにエラー(紙ジャム、トナー切れ等)が発生した際には、エラー発生デバイスで未処理の印刷部数を自動で他の印刷デバイスに振り分けることができるという技術について言及されている。
【特許文献1】特開2000−276322号
【特許文献2】特開2002−342055号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したオフィス、学校等において、プリンタが1台しか配設されていないならば、印刷が頻繁に行われた場合には印刷待ちが発生することとなり、業務効率が低下していた。
【0008】
このような場合に、複数のプリンタを導入し、ユーザからの印刷要求を複数のプリンタに適当に配分したならば、印刷待ちの発生が抑制でき業務効率が向上することとなる。しかしその反面、複数のプリンタを導入した場合は、導入台数に応じて消費電力が大きくなってしまう。
【0009】
そのため、消費電力を削減するために、プリンタを節電(状態)モードで運用すれば、ある程度は消費電力を削減できるが、節電モードから印刷できる状態への移行にはある程度の時間がかかり、やはり利便性が損なわれ、業務効率の低下につながる。
【0010】
このように、利便性と消費電力の削減は、両立することが難しいため、その結果、業務効率を優先するあまり消費電力が過大になってしまうか、或いは消費電力削減を優先するあまり利便性を犠牲にせざるを得なかった。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザの利便性と、消費電力削減の両方を考慮した印刷制御システムおよび印刷制御装置および印刷制御方法および印刷制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、節電状態とそれ以外の待機中、印刷処理中を含む稼動状態とを切替可能な複数のプリンタと、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を前記複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置とを有する印刷制御システムにおいて、前記印刷制御装置は、各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理手段と、前記管理手段で管理される管理情報に基づき前記蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段を更に具備し、前記印刷指示手段は、前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行うことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記管理手段は、各プリンタに対応して該プリンタの印刷速度および電力消費量を含む能力情報と、印刷処理中であるか否かを示す動作情報とを含む管理情報を記憶管理し、前記印刷指示手段は、前記印刷ジョブに対応して前記クライアント端末から要求された要求情報および前記管理手段で管理される管理情報に基づき該印刷ジョブの印刷指示を行うことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記印刷指示手段は、前記クライアント端末から要求された要求情報が印刷速度優先の場合は、稼動状態のプリンタがあれば、その中で印刷速度が最も速いプリンタを選択して印刷指示を行い、稼動状態のプリンタが一台もなければ、印刷速度が速いプリンタの中から、電力消費量が小さいプリンタを選択して印刷指示を行うことを特徴とする。
【0016】
また、請求項5の発明は、請求項3の発明において、前記印刷指示手段は、前記クライアント端末から要求された要求情報が印刷速度最優先の場合は、稼動状態でかつ印刷処理中でないプリンタがあれば、その中から印刷速度が速いプリンタを選択して印刷指示を行い、全てのプリンタが印刷処理中の場合は、印刷速度が高速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が高速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が中速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が中速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が低速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が低速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が高速のプリンタを選択して印刷指示を行うことを特徴とする。
【0017】
また、請求項6の発明は、請求項3の発明において、前記印刷指示手段は、前記クライアント端末から要求された要求情報が消費電力優先の場合は、節電状態のプリンタで、電力消費量が小さいプリンタがあれば、その中で印刷速度が速いプリンタを選択し、節電状態のプリンタで、電力消費量が小さいプリンタがない場合は、稼動状態のプリンタの中で、電力消費量が小さくかつ印刷速度が速いプリンタを選択し、全てのプリンタが稼動状態である場合は、電力消費量が小さいプリンタの中から印刷速度が速いプリンタを選択して印刷指示を行うことを特徴とする。
【0018】
また、請求項7の発明は、請求項3の発明において、前記印刷指示手段は、前記クライアント端末から要求された要求情報が消費電力最優先の場合は、稼動状態のプリンタがある場合は、その中で最も電力消費量が小さいプリンタを選択して印刷指示を行い、全てのプリンタが節電状態である場合は、他の印刷ジョブによって稼動状態になったプリンタを選択して印刷指示を行うことを特徴とする。
【0019】
また、請求項8の発明は、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置において、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段と、各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理手段と、前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段とを具備することを特徴とする。
【0020】
また、請求項9の発明は、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置において、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段と、各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報と、印刷速度および電力消費量を含む能力情報と、印刷処理中であるか否かを示す動作情報とを含む管理情報を記憶管理する管理手段と、前記印刷ジョブに対応して前記クライアント端末から要求された要求情報および前記管理手段で管理される管理情報に基づき該印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段とを具備することを特徴とする。
【0021】
また、請求項10の発明は、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御方法において、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視手段で監視し、各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を管理手段で記憶管理し、前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を印刷指示手段で行うことを特徴とする。
【0022】
また、請求項11の発明は、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御をコンピュータに実行させる印刷制御プログラムであって、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視ステップと、各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理ステップと、前記監視ステップにより監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、クライアント端末からの印刷要求の受信とともに、当該要求に基づいて印刷ジョブを生成し、該生成された印刷ジョブの数を監視して、該印刷ジョブ数が予め設定された閾値を越えると、節電状態であるプリンタに対して印刷ジョブの印刷指示を行うように構成したため、ユーザが特に意識することなく省電力が図れるとともに、印刷待ち時間の発生も抑制できるため利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明に係わる印刷制御システムおよび印刷制御装置および印刷制御方法および印刷制御プログラムの実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明に係わる印刷制御システムの全体構成を示すブロック図の一例である。
【0026】
この印刷制御システムは、クライアント端末10と、プリンタ20と、プリントサーバ30とを具備して構成され、それぞれの装置はLAN(Local Area Network)40を介して接続されている。なお、ここでは、それぞれの装置がLAN40を介して接続されることで相互通信可能とするが、本発明の機能が実行されるのであれば、LAN以外の形態で接続を行うように構成してもよい。
【0027】
クライアント端末10は、ユーザが扱うパーソナルコンピュータなどを示しており、LAN40上には複数台のクライアント端末10が接続されている。クライアント端末10から印刷処理を行う場合には、必ずプリントサーバ30を介してプリンタ20で印刷出力することとなる。
【0028】
プリンタ20は、プリントサーバ30を介してクライアント端末10からの印刷要求を受信して、該印刷要求に基づいて印刷処理を行う。このプリンタ20は、それぞれが種々の特性を持ち合わせており、例えば、印刷速度は速いが消費電力が大きいプリンタや、印刷速度が遅く消費電力も大きいといったプリンタなどがある。
【0029】
また、このプリンタ20は、通常の運用状態である待機状態(待機中)と、消費電力量の低減が図れる節電状態(節電中若しくは節電モード)と、印刷処理を実行中である処理中状態(印刷処理中)とがあり、本実施の形態で用いる「稼動状態(稼動中若しくは通常モード)」とは、節電状態以外の状態をいう。
【0030】
プリントサーバ30は、本発明の要部であり、詳細は後述するが、クライアント端末10からの印刷要求を受信して、当該要求に基づいて印刷ジョブ生成後、自装置が管理する複数台のプリンタ20のいずれかに該印刷ジョブを送信する。また、プリンタ20が節電状態であるか、若しくは稼動状態であるかといった情報を管理し、稼動状態である場合は、さらに印刷処理中であるか、若しくは待機中であるかの情報を管理する。
【実施例1】
【0031】
ここで、図1に示すような基本構成を有する印刷制御システムにおける、第1の実施例について説明する。
【0032】
図2は、第1の実施例に係わるプリントサーバ30の内部構成を示すブロック図である。なお、ここでは、本発明に係わる構成要素のみを挙げて説明する。上記図1と同一の符号が付してあるものは略同様に動作するので、説明を省略するものもある。
【0033】
プリントサーバ30は、各種処理機能部として、通信部31と、要求受付部32と、キュー33と、キュー状態監視部34と、印刷ジョブ制御部35とを具備して構成される。
【0034】
通信部31は、プリントサーバ30とLAN40とを接続するインターフェース装置であり、具体的には、クライアント端末10から印刷要求の受信若しくは、当該要求に基づいて生成した印刷ジョブをプリンタ20へ送信するといった通信処理全般を行う処理部である。
【0035】
要求受付部32は、上述した通信部31を介してクライアント端末10からの印刷要求を受け付ける処理部である。印刷要求を受け付けると、当該要求に基づいて印刷を行うための制御コマンドおよびデータを記述した印刷ジョブを生成後、後述するキュー33へ格納する。
【0036】
キュー33は、上述した要求受付部32によって生成された印刷ジョブを先入れ先出し法で管理する。後述する印刷ジョブ制御部35から実行要求がある場合は、先に格納された印刷ジョブから順に実行されるよう印刷ジョブの管理を行う。
【0037】
キュー状態監視部34は、上述したキュー33に格納される印刷ジョブ数を監視する。後述する印刷ジョブ制御部35からジョブ数問合せ要求がある場合は、その時点でキュー33に格納される印刷ジョブ数を応答する。
【0038】
印刷ジョブ制御部35は、上述したキュー34に格納される印刷ジョブの制御を行う処理部である。具体的には、要求受付部32で印刷要求を受信するとともに、キュー状態監視部34へキュー33に格納される印刷ジョブ数を問い合わせる。応答によって取得した印刷ジョブ数を所定の閾値と比較して閾値以上ならば、節電中のプリンタ20を印刷先に設定し、当該プリンタ20へ印刷ジョブを送信する。この場合、節電中のプリンタ20は、印刷ジョブ受信とともに、節電モードを解除して稼動状態に移行し、印刷処理を行うこととなる。一方、キュー33に格納される印刷ジョブ数が閾値を越えていない場合は、稼動中のプリンタ20を使って印刷ジョブを実行する。
【0039】
すなわち、印刷ジョブ制御部35では、自装置が管理するプリンタ20が節電状態であるか、稼動状態であるかといった情報を管理し、その情報に基づいて節電状態であるプリンタ20への印刷ジョブの送信若しくは、稼動状態であるプリンタ20への印刷ジョブの送信を行う。
【0040】
なお、プリンタ20が節電状態であるか、稼動状態であるかといったプリンタ20の状態は、必ずしも管理しておく必要はなく、その都度プリンタ20に問い合わせるようにしてもよい。
【0041】
また、上述した所定の閾値は、印刷処理の頻度などを考慮して、機械管理者等によって予め設定されるものである。以上がプリントサーバ30の内部構成を示す各機能ブロックの説明である。
【0042】
プリンタ20(プリンタ20a、プリンタ20b、プリンタ20c、プリンタ20d、プリンタ20e:以下、プリンタ20と総称することもある)は、ここでは5台がプリントサーバ30にそれぞれ管理されており、プリントサーバ30の指示に従って、所定の印刷処理を行う。
【0043】
図3は、第1の実施例に係わる印刷制御システムにおける印刷制御処理の動作を説明するフローチャートである。なお、ここでは、上記図2で説明したプリンタ20は、20aのみが稼動状態にあり、それ以外(プリンタ20b、プリンタ20c、プリンタ20d、プリンタ20e)は節電中であるものとして説明する。
【0044】
この印刷制御処理は、プリントサーバ30において、複数台のクライアント端末10のいずれかから、印刷要求を受信すると開始される(ステップS101でYES)。
【0045】
この印刷制御処理が開始されると、まず、プリントサーバ30の要求受付部32は、通信部31を介してクライアント端末10からの印刷要求を受信し、当該要求に基づいて印刷ジョブを生成するとともに、生成した印刷ジョブをキュー33へ格納する(ステップS102)。この際、要求受付部32は、キュー33に印刷ジョブを格納した旨を印刷ジョブ制御部35に通知する(ステップS103)。
【0046】
要求受付部32から印刷ジョブを格納した旨の通知を受けた印刷ジョブ制御部35は、キュー33の状態を取得するために、キュー状態監視部34へ問合せを行う。この問合せとともに、キュー状態監視部34は、キュー33に格納される印刷ジョブ数を取得し、印刷ジョブ制御部35からの問合せに対して印刷ジョブ数を応答する(ステップS104)。
【0047】
キュー状態監視部34からの応答により、キュー33に格納される印刷ジョブ数を取得した印刷ジョブ制御部35は、取得した印刷ジョブ数と、所定の閾値とを比較する(ステップS105)。
【0048】
比較の結果、取得した印刷ジョブ数が閾値を越えていないと判断された場合(ステップS105でNO)、印刷ジョブ制御部35は、稼動状態であるプリンタ20aを印刷先として設定するとともに、当該印刷ジョブを送信し(ステップS107)、この印刷制御処理を終了する。すなわち、キュー33に格納される印刷ジョブ数が閾値を越えていない場合は、現在稼動中であるプリンタ20aだけでも、適度な印刷待ち時間内で印刷処理が行えると判断し、それ以外の節電中であるプリンタ20(20b〜20e)を稼動させる必要はないと判断する。
【0049】
一方比較の結果、取得した印刷ジョブ数が閾値を越えていると判断された場合(ステップS105でYES)、稼動状態であるプリンタ20aだけでは印刷待ち時間が多大になってしまうため、印刷ジョブ制御部35は、節電中のプリンタ20(20b〜20e)のいずれかを印刷先として設定するとともに、当該印刷ジョブを送信し(ステップS106)、この印刷制御処理を終了する。なお、節電中のプリンタ20は、印刷ジョブ受信とともに、節電モードを解除して稼動状態に移行後、印刷処理を行うこととなる。
【0050】
以上説明したように第1の実施例においては、プリントサーバ30内で印刷待ち状態にある印刷ジョブ数と所定の閾値とを比較し、該比較結果により、印刷ジョブ数が閾値を越えていると判断された場合は、節電中のプリンタ20で印刷処理を行い、それ以外の場合は、稼動中のプリンタ20で印刷処理を行うように構成したため、ユーザが特に意識することなく省電力が図れるとともに、印刷待ち時間の発生も抑制できるため利便性を高めることができる。
【実施例2】
【0051】
次に、図1に示すような基本構成を有する印刷制御システムにおける、第2の実施例について説明する。
【0052】
上記第1の実施例では、所定の閾値を設け、該閾値によって、プリンタ20を新たに稼動させるか否かを判断し、印刷制御を行う場合を説明したが、第2の実施例では、プリンタ20各々の性能(印刷速度、消費電力量)を考慮して印刷制御を行う実施形態について説明する。
【0053】
図4は、第2の実施例に係わるプリントサーバ30の内部構成を示すブロック図である。なお、上記第1の実施例を説明した図2と同一の符号が付してあるものは、略同様に動作するので、説明を省略するものもある。
【0054】
プリントサーバ30は、各種処理機能部として、通信部31と、要求受付部32と、キュー33と、印刷ジョブ制御部35と、プリンタ管理データベース36と、を具備して構成される。すなわち、上記図2の構成からキュー状態監視部34を除いて、プリンタ管理データベース36を設けた構成となる。
【0055】
要求受付部32は、クライアント端末10からの印刷要求を受け付けるとともに、当該要求に基づいて印刷ジョブを生成し、キュー33へ格納する。このクライアント端末10からの印刷要求には、印刷速度を優先させるか若しくは省電力を優先させるかを示す配分指定情報が付加されており、要求受付部32は、受信した印刷要求から配分指定情報を抽出して印刷ジョブ制御部35へと通知する。
【0056】
印刷ジョブ制御部35は、上述した配分指定情報に基づいて、後述するプリンタ管理データベース36に管理されるテーブルを参照し、自装置で管理するプリンタ20の内、どのプリンタ20に印刷を指示するか判断する。
【0057】
プリンタ管理データベース36は、プリントサーバ30が管理するプリンタ20各々に関する性能情報等をテーブルで管理する。詳細は後述するが、プリンタ管理データベース36は、プリンタ情報テーブル36aと、印刷速度情報テーブル36bと、消費電力情報テーブル36cと、配分指定テーブル36dとを含む情報を管理している。以上が第2の実施例に係わるプリントサーバ30の内部構成を示す各機能ブロックの説明である。
【0058】
クライアント端末10は、先に述べた通り、配分指定情報を付加した印刷要求をプリントサーバ30へと送信する。この配分指定情報を付加した印刷要求は、例えば、印刷要求を行うに際して、図5に示すような印刷設定画面で指示することができる。画面内、優先モード設定100に配設される「印刷速度:省電力配分指定」項目のリストボックスからユーザ所望の項目を選択して、印刷速度を優先させるか若しくは省電力を優先させるかを決定する。このようにして指示された印刷要求には配分指定情報が付加されることとなる。
【0059】
同図に示されるように、配分指定情報は、印刷速度最優先、印刷速度優先、省電力優先、省電力最優先などの指定が行え、例えば、印刷速度最優先を選択し印刷要求を行った場合、プリントサーバ30は、印刷速度のみ考慮して最短で印刷処理が行えるプリンタ20で当該要求に基づく印刷処理を実行するように制御する。
【0060】
ここで、図6乃至8を参照しながら、プリンタ管理データベース36が管理するテーブルについて説明する。
【0061】
図6は、プリンタ情報テーブル36aのテーブルレイアウトの一例が示されている。
【0062】
プリンタ情報テーブル36aは、プリンタ20各々の性能情報をテーブルで管理しており、「プリンタ識別情報」に対応して「印刷速度レベル」と「消費電力レベル」とを含む各種データを記憶している。
【0063】
「プリンタ識別情報」は、プリントサーバ30が管理するプリンタ20各々を識別するための情報が設定される項目であり、プリンタ名やIP(Internet Protocol)アドレスなどのプリンタを識別できる情報であればよい。ここでは、設定値として上記図4で説明したプリンタ20がそれぞれ設定されている。
【0064】
「印刷速度レベル」は、プリンタ20の印刷速度を低速、中速、高速の3段階のレベルに分けて設定する項目であり、実際のプリンタ20の速度と、上記3段階で示したレベルとの関係は、後述する印刷速度情報テーブル36bで関連付けられる。
【0065】
「消費電力レベル」は、プリンタ20の消費電力を低、中、高の3段階のレベルに分けて設定する項目であり、実際のプリンタ20の消費電力量と、上記3段階で示したレベルとの関係は、後述する消費電力情報テーブル36cで関連付けられる。
【0066】
例えば、同図でいうと、プリンタ20aは、印刷速度が中速であり、消費電力量も中であるため、平均的な性能であり、性能に応じた消費電力量を要するプリンタであるといえる。一方、プリンタ20dは、印刷速度が低速であるにもかかわらず、消費電力量が高(大きい)であり、あまり経済的なプリンタとはいえない。
【0067】
なお、図6においては、「印刷速度レベル」および「消費電力レベル」にそれぞれ3段階のレベルを設けた場合を説明したが、何段階にでも適宜変更できるものであることはいうまでもない。
【0068】
図7は、印刷速度情報テーブル36bおよび消費電力情報テーブル36cのテーブルレイアウトの一例が示されている。
【0069】
印刷速度情報テーブル36bは、上記図6で説明した「印刷速度レベル」に対応した実際のプリンタの印刷速度を示す「速度設定値」を管理している。
【0070】
「速度設定値」は、プリンタ20の印刷速度をレベル分けする際の基準となる実際の印刷速度が設定される項目であり、ここでは、1分間に何枚の印刷処理が行えるかの情報が設定されている。
【0071】
例えば、同図でいうと、「印刷速度レベル」が低速に該当するプリンタ20は、1分間に20枚以下の印刷処理ならば可能であり、中速に該当するプリンタ20は、1分間に21枚以上の印刷処理ならば可能であるが、51枚以上の印刷処理は行えない旨の情報が設定されている。
【0072】
また、消費電力情報テーブル36cは、上記図6で説明した「消費電力レベル」に対応した実際のプリンタ20の消費電力量を示す「消費電力量設定値」を管理している。
【0073】
「消費電力量設定値」は、プリンタ20の消費電力をレベル分けする際の基準となる実際の消費電力量が設定される項目であり、ここでは、プリンタ20が稼動中である場合の電力の大きさが設定されている。
【0074】
例えば、同図でいうと、「消費電力レベル」が低に該当するプリンタ20は、稼動状態であるとき500W以下の消費電力で済むが、中に該当するプリンタ20は、稼動状態であるとき501W以上かつ1000W以下の電力を消費するという旨の情報が設定されている。
【0075】
図8は、配分指定テーブル36dのテーブルレイアウトの一例が示されている。
【0076】
配分指定テーブル36dは、印刷処理に際して印刷速度を優先させるか省電力を優先させるかの配分指定情報を管理しており、「配分指定レベル」に対応して「印刷速度優先度」と「省電力優先度」とを含む各種データを記憶している。
【0077】
この場合、「印刷速度優先度」および「省電力優先度」は、それぞれ0〜3の4段階で優先度が設定されており、値が大きい3は優先度が最も高く、逆に0は、優先度が最も低いことを示している。
【0078】
また、「配分指定レベル」は、上述した印刷要求に付加される配分指定情報と対応しており、上記図5で説明した印刷設定画面内に配設される「印刷速度:省電力配分指定」項目のリストボックスで「印刷速度最優先」が選択され印刷要求がなされた場合、当該要求に付加された配分指定情報(この場合、印刷速度最優先)をキーとして、配分指定テーブル36d上を走査し、該当するレコードから「印刷速度優先度」と「省電力優先度」を抽出することとなる。以上がプリンタ管理データベース36に管理される各種テーブルの説明である。
【0079】
図9は、第2の実施例に係わる印刷制御システムにおける印刷制御処理の動作を説明するフローチャートである。
【0080】
この印刷制御処理は、プリントサーバ30において、複数台のクライアント端末10のいずれかから、配分指定情報を付加した印刷要求を受信すると開始される(ステップS201でYES)。
【0081】
この印刷制御処理が開始されると、まず、プリントサーバ30の要求受付部32は、通信部31を介してクライアント端末10からの印刷要求を受信し、該印刷要求に付加された配分指定情報を抽出する(ステップS202)。続いて、当該要求に基づいて印刷ジョブを生成するとともに、生成した印刷ジョブをキュー33へ格納する(ステップS203)。この際、要求受付部32は、抽出した配分指定情報を印刷ジョブ制御部35に通知する(ステップS204)。
【0082】
要求受付部32から配分指定情報の通知を受けた印刷ジョブ制御部35は、該配分指定情報を解釈し、該解釈した情報に基づいて該当するプリンタ20を選定して印刷処理を行う(ステップS205)。具体的には、印刷要求から抽出した配分指定情報をキーにして、配分指定テーブル36dを走査し、該当するレコードから印刷速度優先度および省電力優先度を抽出する。続いて、抽出した優先度に基づいてプリンタ情報テーブル36aを参照して、条件に合うプリンタ20を選定して当該プリンタ20において印刷処理を行うこととなる。
【0083】
ここで、配分指定情報が「印刷速度最優先」である場合(ステップS206でYES)、上記図8で説明した配分指定テーブル36dに印刷速度優先度と省電力優先度が3対0の割合で設定されているため、詳細は後述するが、ジョブ制御部35は、印刷速度のみ考慮して最短で印刷処理が行えるプリンタ20を印刷先として設定し(ステップS207)、当該プリンタ20へと印刷ジョブを送信して(ステップS213)、この印刷制御処理を終了する。
【0084】
また、配分指定情報が「印刷速度優先」である場合(ステップS206でNOの後、ステップS208でYES)、上記図8で説明した配分指定テーブル36dに印刷速度優先度と省電力優先度が2対1の割合で設定されているため、詳細は後述するが、ジョブ制御部35は、印刷速度に重みを置きつつ省電力も考慮して印刷処理が行えるプリンタ20を印刷先として設定し(ステップS209)、当該プリンタ20へと印刷ジョブを送信して(ステップS213)、この印刷制御処理を終了する。
【0085】
また、配分指定情報が「省電力優先」である場合(ステップS208でNOの後、ステップS210でYES)、上記図8で説明した配分指定テーブル36dに印刷速度優先度と省電力優先度が1対2の割合で設定されているため、詳細は後述するが、ジョブ制御部35は、省電力に重みを置きつつ、印刷速度も考慮して印刷処理が行えるプリンタ20を印刷先として設定し(ステップS211)、当該プリンタ20へと印刷ジョブを送信して(ステップS213)、この印刷制御処理を終了する。
【0086】
また、配分指定情報が「省電力最優先」である場合(ステップS210でNO)、上記図8で説明した配分指定テーブル36dに印刷速度優先度と省電力優先度が0対3の割合で設定されているため、詳細は後述するが、ジョブ制御部35は、省電力のみ考慮して最も消費電力の小さいプリンタを印刷先として設定し(ステップS212)、当該プリンタ20へと印刷ジョブを送信して(ステップS213)、この印刷制御処理を終了する。
【0087】
ここで、図10を参照しながら、上述したステップS207の印刷速度最優先処理の動作を説明する。
【0088】
図10において、この印刷速度最優先処理が開始されると、プリントサーバ30は、自装置が管理するプリンタ20の内、稼動状態にあるプリンタ20があるか否かを判断する(ステップS301)。
【0089】
判断の結果、プリンタ20全てが稼動状態以外、すなわち節電中である場合(ステップS301でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、節電中のプリンタ20の中から、最も印刷速度が速いプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS308)、この印刷速度最優先処理を終了する。この場合、まず、プリンタ情報テーブル36aの「印刷速度レベル」に高速が設定されているプリンタ20を検索し、該当するプリンタ20がなければ、中速、低速の順にプリンタ20を検索する。該当するプリンタ20が見つかれば、当該プリンタ20を印刷先として印刷ジョブを送信することとなる。
【0090】
また、上記ステップS301での判断の結果、稼動中のプリンタ20がある場合(ステップS301でYES)、印刷ジョブ制御部35は、稼動中のプリンタ20が印刷処理中であるか否かを判断する(ステップS302)。
【0091】
ここで、待機状態、すなわち印刷処理中でないプリンタ20があると判断された場合(ステップS302でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、待機中のプリンタ20の中から、最も印刷速度が速いプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS303)、この印刷速度最優先処理を終了する。
【0092】
一方、判断結果により稼動中のプリンタ20全てが印刷処理中であると判断された場合(ステップS302でYES)、印刷ジョブ制御部35は、キュー33に格納されている他の印刷ジョブを参照して、これら印刷ジョブに設定されている印刷先プリンタ20を調べる。すなわち、キュー33には、印刷待ち状態となっている印刷ジョブが格納されており、それらの印刷ジョブに割り当てられた印刷先プリンタ20を調べる。
【0093】
この結果、印刷先に高速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が、所定の閾値を越えているか否かを判断し、閾値を越えていない場合は(ステップS304でNO)、当該プリンタ20を印刷先に設定し(ステップS305)、この印刷速度最優先処理を終了する。上記高速プリンタは、プリンタ情報テーブル36aの「印刷速度レベル」に高速が設定されているプリンタ20である。
【0094】
また、印刷先に高速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が、所定の閾値を越えている場合は(ステップS304でYES)、続いて、印刷先に中速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が所定の閾値を越えているか否かを判断し(ステップS306)、閾値を越えていない場合は(ステップS306でNO)、当該プリンタ20を印刷先に設定し(ステップS305)、この印刷速度最優先処理を終了する。
【0095】
また、印刷先に中速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が、所定の閾値を越えている場合は(ステップS306でYES)、続いて、印刷先に低速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が所定の閾値を越えているか否かを判断し(ステップS307)、閾値を越えていない場合は(ステップS307でNO)、当該プリンタ20を印刷先に設定し(ステップS305)、この印刷速度最優先処理を終了する。
【0096】
ここで、印刷先に低速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が、所定の閾値を越えている場合は(ステップS307でYES)、高速プリンタを印刷先に設定して(ステップS308)、この印刷速度最優先処理を終了する。
【0097】
次に、図11を参照しながら、上述したステップS209の印刷速度優先処理の動作を説明する。
【0098】
図11において、この印刷速度優先処理が開始されると、プリントサーバ30は、自装置が管理するプリンタ20の内、稼動状態にあるプリンタ20があるか否かを判断する(ステップS401)。
【0099】
判断の結果、プリンタ20全てが稼動状態以外、すなわち節電中である場合(ステップS401でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、節電中のプリンタ20の中から、最も印刷速度が速く、その中で最も省電力のプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS403)、この印刷速度優先処理を終了する。この場合、まず、プリンタ情報テーブル36aの「印刷速度レベル」に高速が設定されているプリンタ20を検索し、該当するプリンタ20がなければ、中速、低速の順にプリンタ20を検索する。該当するプリンタ20が複数見つかれば、その内、「消費電力レベル」に低が設定されているプリンタ20を検索し、該当するプリンタがなければ、中、高の順にプリンタ20を検索する。該当するプリンタ20が見つかれば、当該プリンタ20を印刷先として印刷ジョブを送信することとなる。
【0100】
また、上記ステップS401での判断の結果、稼動中のプリンタ20がある場合(ステップS401でYES)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、待機中のプリンタ20の中から、最も印刷速度が速いプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS402)、この印刷速度優先処理を終了する。
【0101】
次に、図12を参照しながら、上述したステップS211の省電力優先処理の動作を説明する。
【0102】
図12において、この省電力優先処理が開始されると、プリントサーバ30は、自装置が管理するプリンタ20全てが稼動状態にあるか否かを判断する(ステップS501)。
【0103】
判断の結果、プリンタ20全てが稼動状態である場合(ステップS501でYES)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、稼動中のプリンタ20の中から、最も省電力のプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS503)、この省電力優先処理を終了する。この場合、まず、プリンタ情報テーブル36aの「消費電力レベル」に低が設定されているプリンタ20を検索し、該当するプリンタ20がなければ、中、高の順にプリンタ20を検索する。該当するプリンタ20が複数見つかれば、その内、「印刷速度レベル」に高速が設定されているプリンタ20を検索し、該当するプリンタがなければ、中速、低速の順にプリンタを検索する。該当するプリンタ20が見つかれば、当該プリンタ20を印刷先として印刷ジョブを送信することとなる。
【0104】
また、上記ステップS501での判断の結果、自装置が管理するプリンタ20全てが稼動状態ではない場合(ステップS501でNO)、稼動状態にあるプリンタ20があるか否かを判断し(ステップS502)、プリンタ20全てが稼動状態以外、すなわち節電中である場合(ステップS502でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、節電中のプリンタ20の中から、最も省電力で、その中で最も印刷速度が速いプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS506)、この省電力優先処理を終了する。
【0105】
一方、上記ステップS502での判断の結果、稼動中のプリンタ20がある場合(ステップS502でYES)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、待機中のプリンタ20の中から、「消費電力レベル」が低であるプリンタ20があるか否かを判断し(ステップS504)、該当するプリンタ20がある場合は(ステップS504でYES)、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS505)、この省電力優先処理を終了するが一方、待機中のプリンタ20の中に「消費電力レベル」が低であるプリンタ20がない場合は(ステップS504でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、節電中のプリンタ20の中から、最も省電力であり、その中で最も印刷速度が速いプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS506)、この省電力優先処理を終了する。
【0106】
次に、図13を参照しながら、上述したステップS212の省電力最優先処理の動作を説明する。
【0107】
図13において、この省電力最優先処理が開始されると、プリントサーバ30は、自装置が管理するプリンタ20の内、稼動状態にあるプリンタ20があるか否かを判断する(ステップS601)。
【0108】
判断の結果、プリンタ20全てが稼動状態以外、すなわち節電中である場合(ステップS601でNO)、印刷ジョブ制御部35は、他の印刷ジョブによってプリンタ20が稼動されるまで印刷ジョブを待機させ(ステップS604)、この省電力最優先処理を終了する。なお、他の印刷ジョブによってプリンタ20が稼動するとともに、当該プリンタ20を印刷先として設定することとなる。
【0109】
また、上記ステップS601での判断の結果、稼動中のプリンタ20がある場合(ステップS601でYES)、稼動状態にあるプリンタ20が1台のみか否かを判断し(ステップS602)、1台だけである場合(ステップS602でYES)、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS605)、この省電力最優先処理を終了するが一方、稼動状態にあるプリンタが複数台ある場合(ステップS602でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、稼動中のプリンタ20の中から、最も省電力のプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS603)、この省電力最優先処理を終了する。
【0110】
以上説明したように第2の実施例においては、プリントサーバ30が自装置で管理するプリンタ20各々の性能情報(印刷速度、消費電力量)を管理し、クライアント端末10からユーザ所望の配分指定情報(印刷速度優先:省電力優先)を付加した印刷要求を受信した場合、該配分指定情報と上記性能情報に基づいてプリンタ20を選択し、印刷処理を行うように構成したため、印刷速度を重視する場合には迅速な印刷処理が行え一方、印刷処理を急がない場合には、消費電力を削減して印刷処理が行えるので、利便性と省電力の両方、若しくはいずれか一方に配慮した印刷処理が適宜行えることとなる。
【0111】
なお、上記実施例においては、本発明に係わる印刷制御システムにより本発明の印刷制御処理を行うように構成したが、この印刷制御方法をコンピュータにインストールされた印刷制御プログラムにより行うように構成してもよい。
【0112】
この他、本発明は、上記および図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の印刷制御システムおよび印刷制御装置および印刷制御方法および印刷制御プログラムは、複数台の印刷装置(プリンタ等)を管理する印刷制御装置(プリントサーバ等)を介して印刷処理を行う印刷環境全般に適用可能であり、特に、一般的なオフィス(企業、官公庁)、学校等において有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明に係わる印刷制御システムの全体構成を示す図である。
【図2】第1の実施例に係わるプリントサーバ30の内部構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1に係わる印刷制御システムにおける印刷制御処理の動作を説明するフローチャートである。
【図4】第2の実施例に係わるプリントサーバ30の内部構成を示すブロック図である。
【図5】第2の実施例に係わるクライアント端末10に表示される画面の一例を示す図である。
【図6】プリンタ情報テーブル36aのテーブルレイアウトの一例を示す図である。
【図7】印刷速度情報テーブル36bおよび消費電力情報テーブル36cのテーブルレイアウトの一例を示す図である。
【図8】配分指定テーブル36dのテーブルレイアウトの一例を示す図である。
【図9】第2の実施例に係わる印刷制御システムにおける印刷制御処理の動作を説明するフローチャートである。
【図10】図9に示した印刷速度最優先処理の動作を説明するフローチャートである。
【図11】図9に示した印刷速度最優先処理の動作を説明するフローチャートである。
【図12】図9に示した省電力優先処理の動作を説明するフローチャートである。
【図13】図9に示した省電力最優先処理の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0115】
10 クライアント端末
20 プリンタ
30 プリントサーバ
31 通信部
32 要求受付部
33 キュー
34 キュー状態監視部
35 印刷ジョブ制御部
36 プリンタ管理データベース
36a プリンタ情報テーブル
36b 印刷速度情報テーブル
36c 消費電力情報テーブル
36d 配分指定テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、節電状態とそれ以外の待機中、印刷処理中を含む稼動状態とを切替可能な複数のプリンタと、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を前記複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置とを有する印刷制御システムに係わり、詳しくは、ユーザの利便性と、消費電力削減の両方を考慮した印刷制御システムおよび印刷制御装置および印刷制御方法および印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、複数のユーザが印刷を行うようなオフィス、学校等においては、プリントサーバが配設され、複数のユーザが複数のプリンタを共有して利用できるような印刷環境が構築されている。
【0003】
従来、このような印刷環境においては、印刷処理が行われていないときにも、多大な電力が消費されることとなるため、環境負荷の軽減を図るためにも、無駄なエネルギーを極力使わないように配慮したものが種々提案されている。例えば、特許文献1記載の「印刷制御システムの制御方法」が開示されている。
【0004】
この特許文献1の発明は、原則的に予め設定された設定時刻になると自動的に電源を遮断させるようにしながら、印刷要求の状況に応じて、印刷装置の管理者やユーザ等が、遮断時刻を柔軟に延長させることのできるという技術について言及されている。
【0005】
一方、効率よく印刷処理が行えるように、利便性を高めた技術も種々提案されており、例えば、印刷待ち時間を抑制する技術として特許文献2記載の「印刷制御方法、印刷制御システム、プログラム及び記憶媒体」が開示されている。
【0006】
この特許文献2の発明は、複数部の印刷データを複数台の印刷デバイスで分散印刷処理を行う場合であって、印刷デバイスにエラー(紙ジャム、トナー切れ等)が発生した際には、エラー発生デバイスで未処理の印刷部数を自動で他の印刷デバイスに振り分けることができるという技術について言及されている。
【特許文献1】特開2000−276322号
【特許文献2】特開2002−342055号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したオフィス、学校等において、プリンタが1台しか配設されていないならば、印刷が頻繁に行われた場合には印刷待ちが発生することとなり、業務効率が低下していた。
【0008】
このような場合に、複数のプリンタを導入し、ユーザからの印刷要求を複数のプリンタに適当に配分したならば、印刷待ちの発生が抑制でき業務効率が向上することとなる。しかしその反面、複数のプリンタを導入した場合は、導入台数に応じて消費電力が大きくなってしまう。
【0009】
そのため、消費電力を削減するために、プリンタを節電(状態)モードで運用すれば、ある程度は消費電力を削減できるが、節電モードから印刷できる状態への移行にはある程度の時間がかかり、やはり利便性が損なわれ、業務効率の低下につながる。
【0010】
このように、利便性と消費電力の削減は、両立することが難しいため、その結果、業務効率を優先するあまり消費電力が過大になってしまうか、或いは消費電力削減を優先するあまり利便性を犠牲にせざるを得なかった。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザの利便性と、消費電力削減の両方を考慮した印刷制御システムおよび印刷制御装置および印刷制御方法および印刷制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、節電状態とそれ以外の待機中、印刷処理中を含む稼動状態とを切替可能な複数のプリンタと、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を前記複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置とを有する印刷制御システムにおいて、前記印刷制御装置は、各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理手段と、前記管理手段で管理される管理情報に基づき前記蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段を更に具備し、前記印刷指示手段は、前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行うことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記管理手段は、各プリンタに対応して該プリンタの印刷速度および電力消費量を含む能力情報と、印刷処理中であるか否かを示す動作情報とを含む管理情報を記憶管理し、前記印刷指示手段は、前記印刷ジョブに対応して前記クライアント端末から要求された要求情報および前記管理手段で管理される管理情報に基づき該印刷ジョブの印刷指示を行うことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記印刷指示手段は、前記クライアント端末から要求された要求情報が印刷速度優先の場合は、稼動状態のプリンタがあれば、その中で印刷速度が最も速いプリンタを選択して印刷指示を行い、稼動状態のプリンタが一台もなければ、印刷速度が速いプリンタの中から、電力消費量が小さいプリンタを選択して印刷指示を行うことを特徴とする。
【0016】
また、請求項5の発明は、請求項3の発明において、前記印刷指示手段は、前記クライアント端末から要求された要求情報が印刷速度最優先の場合は、稼動状態でかつ印刷処理中でないプリンタがあれば、その中から印刷速度が速いプリンタを選択して印刷指示を行い、全てのプリンタが印刷処理中の場合は、印刷速度が高速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が高速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が中速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が中速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が低速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が低速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が高速のプリンタを選択して印刷指示を行うことを特徴とする。
【0017】
また、請求項6の発明は、請求項3の発明において、前記印刷指示手段は、前記クライアント端末から要求された要求情報が消費電力優先の場合は、節電状態のプリンタで、電力消費量が小さいプリンタがあれば、その中で印刷速度が速いプリンタを選択し、節電状態のプリンタで、電力消費量が小さいプリンタがない場合は、稼動状態のプリンタの中で、電力消費量が小さくかつ印刷速度が速いプリンタを選択し、全てのプリンタが稼動状態である場合は、電力消費量が小さいプリンタの中から印刷速度が速いプリンタを選択して印刷指示を行うことを特徴とする。
【0018】
また、請求項7の発明は、請求項3の発明において、前記印刷指示手段は、前記クライアント端末から要求された要求情報が消費電力最優先の場合は、稼動状態のプリンタがある場合は、その中で最も電力消費量が小さいプリンタを選択して印刷指示を行い、全てのプリンタが節電状態である場合は、他の印刷ジョブによって稼動状態になったプリンタを選択して印刷指示を行うことを特徴とする。
【0019】
また、請求項8の発明は、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置において、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段と、各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理手段と、前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段とを具備することを特徴とする。
【0020】
また、請求項9の発明は、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置において、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段と、各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報と、印刷速度および電力消費量を含む能力情報と、印刷処理中であるか否かを示す動作情報とを含む管理情報を記憶管理する管理手段と、前記印刷ジョブに対応して前記クライアント端末から要求された要求情報および前記管理手段で管理される管理情報に基づき該印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段とを具備することを特徴とする。
【0021】
また、請求項10の発明は、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御方法において、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視手段で監視し、各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を管理手段で記憶管理し、前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を印刷指示手段で行うことを特徴とする。
【0022】
また、請求項11の発明は、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御をコンピュータに実行させる印刷制御プログラムであって、前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視ステップと、各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理ステップと、前記監視ステップにより監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、クライアント端末からの印刷要求の受信とともに、当該要求に基づいて印刷ジョブを生成し、該生成された印刷ジョブの数を監視して、該印刷ジョブ数が予め設定された閾値を越えると、節電状態であるプリンタに対して印刷ジョブの印刷指示を行うように構成したため、ユーザが特に意識することなく省電力が図れるとともに、印刷待ち時間の発生も抑制できるため利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明に係わる印刷制御システムおよび印刷制御装置および印刷制御方法および印刷制御プログラムの実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明に係わる印刷制御システムの全体構成を示すブロック図の一例である。
【0026】
この印刷制御システムは、クライアント端末10と、プリンタ20と、プリントサーバ30とを具備して構成され、それぞれの装置はLAN(Local Area Network)40を介して接続されている。なお、ここでは、それぞれの装置がLAN40を介して接続されることで相互通信可能とするが、本発明の機能が実行されるのであれば、LAN以外の形態で接続を行うように構成してもよい。
【0027】
クライアント端末10は、ユーザが扱うパーソナルコンピュータなどを示しており、LAN40上には複数台のクライアント端末10が接続されている。クライアント端末10から印刷処理を行う場合には、必ずプリントサーバ30を介してプリンタ20で印刷出力することとなる。
【0028】
プリンタ20は、プリントサーバ30を介してクライアント端末10からの印刷要求を受信して、該印刷要求に基づいて印刷処理を行う。このプリンタ20は、それぞれが種々の特性を持ち合わせており、例えば、印刷速度は速いが消費電力が大きいプリンタや、印刷速度が遅く消費電力も大きいといったプリンタなどがある。
【0029】
また、このプリンタ20は、通常の運用状態である待機状態(待機中)と、消費電力量の低減が図れる節電状態(節電中若しくは節電モード)と、印刷処理を実行中である処理中状態(印刷処理中)とがあり、本実施の形態で用いる「稼動状態(稼動中若しくは通常モード)」とは、節電状態以外の状態をいう。
【0030】
プリントサーバ30は、本発明の要部であり、詳細は後述するが、クライアント端末10からの印刷要求を受信して、当該要求に基づいて印刷ジョブ生成後、自装置が管理する複数台のプリンタ20のいずれかに該印刷ジョブを送信する。また、プリンタ20が節電状態であるか、若しくは稼動状態であるかといった情報を管理し、稼動状態である場合は、さらに印刷処理中であるか、若しくは待機中であるかの情報を管理する。
【実施例1】
【0031】
ここで、図1に示すような基本構成を有する印刷制御システムにおける、第1の実施例について説明する。
【0032】
図2は、第1の実施例に係わるプリントサーバ30の内部構成を示すブロック図である。なお、ここでは、本発明に係わる構成要素のみを挙げて説明する。上記図1と同一の符号が付してあるものは略同様に動作するので、説明を省略するものもある。
【0033】
プリントサーバ30は、各種処理機能部として、通信部31と、要求受付部32と、キュー33と、キュー状態監視部34と、印刷ジョブ制御部35とを具備して構成される。
【0034】
通信部31は、プリントサーバ30とLAN40とを接続するインターフェース装置であり、具体的には、クライアント端末10から印刷要求の受信若しくは、当該要求に基づいて生成した印刷ジョブをプリンタ20へ送信するといった通信処理全般を行う処理部である。
【0035】
要求受付部32は、上述した通信部31を介してクライアント端末10からの印刷要求を受け付ける処理部である。印刷要求を受け付けると、当該要求に基づいて印刷を行うための制御コマンドおよびデータを記述した印刷ジョブを生成後、後述するキュー33へ格納する。
【0036】
キュー33は、上述した要求受付部32によって生成された印刷ジョブを先入れ先出し法で管理する。後述する印刷ジョブ制御部35から実行要求がある場合は、先に格納された印刷ジョブから順に実行されるよう印刷ジョブの管理を行う。
【0037】
キュー状態監視部34は、上述したキュー33に格納される印刷ジョブ数を監視する。後述する印刷ジョブ制御部35からジョブ数問合せ要求がある場合は、その時点でキュー33に格納される印刷ジョブ数を応答する。
【0038】
印刷ジョブ制御部35は、上述したキュー34に格納される印刷ジョブの制御を行う処理部である。具体的には、要求受付部32で印刷要求を受信するとともに、キュー状態監視部34へキュー33に格納される印刷ジョブ数を問い合わせる。応答によって取得した印刷ジョブ数を所定の閾値と比較して閾値以上ならば、節電中のプリンタ20を印刷先に設定し、当該プリンタ20へ印刷ジョブを送信する。この場合、節電中のプリンタ20は、印刷ジョブ受信とともに、節電モードを解除して稼動状態に移行し、印刷処理を行うこととなる。一方、キュー33に格納される印刷ジョブ数が閾値を越えていない場合は、稼動中のプリンタ20を使って印刷ジョブを実行する。
【0039】
すなわち、印刷ジョブ制御部35では、自装置が管理するプリンタ20が節電状態であるか、稼動状態であるかといった情報を管理し、その情報に基づいて節電状態であるプリンタ20への印刷ジョブの送信若しくは、稼動状態であるプリンタ20への印刷ジョブの送信を行う。
【0040】
なお、プリンタ20が節電状態であるか、稼動状態であるかといったプリンタ20の状態は、必ずしも管理しておく必要はなく、その都度プリンタ20に問い合わせるようにしてもよい。
【0041】
また、上述した所定の閾値は、印刷処理の頻度などを考慮して、機械管理者等によって予め設定されるものである。以上がプリントサーバ30の内部構成を示す各機能ブロックの説明である。
【0042】
プリンタ20(プリンタ20a、プリンタ20b、プリンタ20c、プリンタ20d、プリンタ20e:以下、プリンタ20と総称することもある)は、ここでは5台がプリントサーバ30にそれぞれ管理されており、プリントサーバ30の指示に従って、所定の印刷処理を行う。
【0043】
図3は、第1の実施例に係わる印刷制御システムにおける印刷制御処理の動作を説明するフローチャートである。なお、ここでは、上記図2で説明したプリンタ20は、20aのみが稼動状態にあり、それ以外(プリンタ20b、プリンタ20c、プリンタ20d、プリンタ20e)は節電中であるものとして説明する。
【0044】
この印刷制御処理は、プリントサーバ30において、複数台のクライアント端末10のいずれかから、印刷要求を受信すると開始される(ステップS101でYES)。
【0045】
この印刷制御処理が開始されると、まず、プリントサーバ30の要求受付部32は、通信部31を介してクライアント端末10からの印刷要求を受信し、当該要求に基づいて印刷ジョブを生成するとともに、生成した印刷ジョブをキュー33へ格納する(ステップS102)。この際、要求受付部32は、キュー33に印刷ジョブを格納した旨を印刷ジョブ制御部35に通知する(ステップS103)。
【0046】
要求受付部32から印刷ジョブを格納した旨の通知を受けた印刷ジョブ制御部35は、キュー33の状態を取得するために、キュー状態監視部34へ問合せを行う。この問合せとともに、キュー状態監視部34は、キュー33に格納される印刷ジョブ数を取得し、印刷ジョブ制御部35からの問合せに対して印刷ジョブ数を応答する(ステップS104)。
【0047】
キュー状態監視部34からの応答により、キュー33に格納される印刷ジョブ数を取得した印刷ジョブ制御部35は、取得した印刷ジョブ数と、所定の閾値とを比較する(ステップS105)。
【0048】
比較の結果、取得した印刷ジョブ数が閾値を越えていないと判断された場合(ステップS105でNO)、印刷ジョブ制御部35は、稼動状態であるプリンタ20aを印刷先として設定するとともに、当該印刷ジョブを送信し(ステップS107)、この印刷制御処理を終了する。すなわち、キュー33に格納される印刷ジョブ数が閾値を越えていない場合は、現在稼動中であるプリンタ20aだけでも、適度な印刷待ち時間内で印刷処理が行えると判断し、それ以外の節電中であるプリンタ20(20b〜20e)を稼動させる必要はないと判断する。
【0049】
一方比較の結果、取得した印刷ジョブ数が閾値を越えていると判断された場合(ステップS105でYES)、稼動状態であるプリンタ20aだけでは印刷待ち時間が多大になってしまうため、印刷ジョブ制御部35は、節電中のプリンタ20(20b〜20e)のいずれかを印刷先として設定するとともに、当該印刷ジョブを送信し(ステップS106)、この印刷制御処理を終了する。なお、節電中のプリンタ20は、印刷ジョブ受信とともに、節電モードを解除して稼動状態に移行後、印刷処理を行うこととなる。
【0050】
以上説明したように第1の実施例においては、プリントサーバ30内で印刷待ち状態にある印刷ジョブ数と所定の閾値とを比較し、該比較結果により、印刷ジョブ数が閾値を越えていると判断された場合は、節電中のプリンタ20で印刷処理を行い、それ以外の場合は、稼動中のプリンタ20で印刷処理を行うように構成したため、ユーザが特に意識することなく省電力が図れるとともに、印刷待ち時間の発生も抑制できるため利便性を高めることができる。
【実施例2】
【0051】
次に、図1に示すような基本構成を有する印刷制御システムにおける、第2の実施例について説明する。
【0052】
上記第1の実施例では、所定の閾値を設け、該閾値によって、プリンタ20を新たに稼動させるか否かを判断し、印刷制御を行う場合を説明したが、第2の実施例では、プリンタ20各々の性能(印刷速度、消費電力量)を考慮して印刷制御を行う実施形態について説明する。
【0053】
図4は、第2の実施例に係わるプリントサーバ30の内部構成を示すブロック図である。なお、上記第1の実施例を説明した図2と同一の符号が付してあるものは、略同様に動作するので、説明を省略するものもある。
【0054】
プリントサーバ30は、各種処理機能部として、通信部31と、要求受付部32と、キュー33と、印刷ジョブ制御部35と、プリンタ管理データベース36と、を具備して構成される。すなわち、上記図2の構成からキュー状態監視部34を除いて、プリンタ管理データベース36を設けた構成となる。
【0055】
要求受付部32は、クライアント端末10からの印刷要求を受け付けるとともに、当該要求に基づいて印刷ジョブを生成し、キュー33へ格納する。このクライアント端末10からの印刷要求には、印刷速度を優先させるか若しくは省電力を優先させるかを示す配分指定情報が付加されており、要求受付部32は、受信した印刷要求から配分指定情報を抽出して印刷ジョブ制御部35へと通知する。
【0056】
印刷ジョブ制御部35は、上述した配分指定情報に基づいて、後述するプリンタ管理データベース36に管理されるテーブルを参照し、自装置で管理するプリンタ20の内、どのプリンタ20に印刷を指示するか判断する。
【0057】
プリンタ管理データベース36は、プリントサーバ30が管理するプリンタ20各々に関する性能情報等をテーブルで管理する。詳細は後述するが、プリンタ管理データベース36は、プリンタ情報テーブル36aと、印刷速度情報テーブル36bと、消費電力情報テーブル36cと、配分指定テーブル36dとを含む情報を管理している。以上が第2の実施例に係わるプリントサーバ30の内部構成を示す各機能ブロックの説明である。
【0058】
クライアント端末10は、先に述べた通り、配分指定情報を付加した印刷要求をプリントサーバ30へと送信する。この配分指定情報を付加した印刷要求は、例えば、印刷要求を行うに際して、図5に示すような印刷設定画面で指示することができる。画面内、優先モード設定100に配設される「印刷速度:省電力配分指定」項目のリストボックスからユーザ所望の項目を選択して、印刷速度を優先させるか若しくは省電力を優先させるかを決定する。このようにして指示された印刷要求には配分指定情報が付加されることとなる。
【0059】
同図に示されるように、配分指定情報は、印刷速度最優先、印刷速度優先、省電力優先、省電力最優先などの指定が行え、例えば、印刷速度最優先を選択し印刷要求を行った場合、プリントサーバ30は、印刷速度のみ考慮して最短で印刷処理が行えるプリンタ20で当該要求に基づく印刷処理を実行するように制御する。
【0060】
ここで、図6乃至8を参照しながら、プリンタ管理データベース36が管理するテーブルについて説明する。
【0061】
図6は、プリンタ情報テーブル36aのテーブルレイアウトの一例が示されている。
【0062】
プリンタ情報テーブル36aは、プリンタ20各々の性能情報をテーブルで管理しており、「プリンタ識別情報」に対応して「印刷速度レベル」と「消費電力レベル」とを含む各種データを記憶している。
【0063】
「プリンタ識別情報」は、プリントサーバ30が管理するプリンタ20各々を識別するための情報が設定される項目であり、プリンタ名やIP(Internet Protocol)アドレスなどのプリンタを識別できる情報であればよい。ここでは、設定値として上記図4で説明したプリンタ20がそれぞれ設定されている。
【0064】
「印刷速度レベル」は、プリンタ20の印刷速度を低速、中速、高速の3段階のレベルに分けて設定する項目であり、実際のプリンタ20の速度と、上記3段階で示したレベルとの関係は、後述する印刷速度情報テーブル36bで関連付けられる。
【0065】
「消費電力レベル」は、プリンタ20の消費電力を低、中、高の3段階のレベルに分けて設定する項目であり、実際のプリンタ20の消費電力量と、上記3段階で示したレベルとの関係は、後述する消費電力情報テーブル36cで関連付けられる。
【0066】
例えば、同図でいうと、プリンタ20aは、印刷速度が中速であり、消費電力量も中であるため、平均的な性能であり、性能に応じた消費電力量を要するプリンタであるといえる。一方、プリンタ20dは、印刷速度が低速であるにもかかわらず、消費電力量が高(大きい)であり、あまり経済的なプリンタとはいえない。
【0067】
なお、図6においては、「印刷速度レベル」および「消費電力レベル」にそれぞれ3段階のレベルを設けた場合を説明したが、何段階にでも適宜変更できるものであることはいうまでもない。
【0068】
図7は、印刷速度情報テーブル36bおよび消費電力情報テーブル36cのテーブルレイアウトの一例が示されている。
【0069】
印刷速度情報テーブル36bは、上記図6で説明した「印刷速度レベル」に対応した実際のプリンタの印刷速度を示す「速度設定値」を管理している。
【0070】
「速度設定値」は、プリンタ20の印刷速度をレベル分けする際の基準となる実際の印刷速度が設定される項目であり、ここでは、1分間に何枚の印刷処理が行えるかの情報が設定されている。
【0071】
例えば、同図でいうと、「印刷速度レベル」が低速に該当するプリンタ20は、1分間に20枚以下の印刷処理ならば可能であり、中速に該当するプリンタ20は、1分間に21枚以上の印刷処理ならば可能であるが、51枚以上の印刷処理は行えない旨の情報が設定されている。
【0072】
また、消費電力情報テーブル36cは、上記図6で説明した「消費電力レベル」に対応した実際のプリンタ20の消費電力量を示す「消費電力量設定値」を管理している。
【0073】
「消費電力量設定値」は、プリンタ20の消費電力をレベル分けする際の基準となる実際の消費電力量が設定される項目であり、ここでは、プリンタ20が稼動中である場合の電力の大きさが設定されている。
【0074】
例えば、同図でいうと、「消費電力レベル」が低に該当するプリンタ20は、稼動状態であるとき500W以下の消費電力で済むが、中に該当するプリンタ20は、稼動状態であるとき501W以上かつ1000W以下の電力を消費するという旨の情報が設定されている。
【0075】
図8は、配分指定テーブル36dのテーブルレイアウトの一例が示されている。
【0076】
配分指定テーブル36dは、印刷処理に際して印刷速度を優先させるか省電力を優先させるかの配分指定情報を管理しており、「配分指定レベル」に対応して「印刷速度優先度」と「省電力優先度」とを含む各種データを記憶している。
【0077】
この場合、「印刷速度優先度」および「省電力優先度」は、それぞれ0〜3の4段階で優先度が設定されており、値が大きい3は優先度が最も高く、逆に0は、優先度が最も低いことを示している。
【0078】
また、「配分指定レベル」は、上述した印刷要求に付加される配分指定情報と対応しており、上記図5で説明した印刷設定画面内に配設される「印刷速度:省電力配分指定」項目のリストボックスで「印刷速度最優先」が選択され印刷要求がなされた場合、当該要求に付加された配分指定情報(この場合、印刷速度最優先)をキーとして、配分指定テーブル36d上を走査し、該当するレコードから「印刷速度優先度」と「省電力優先度」を抽出することとなる。以上がプリンタ管理データベース36に管理される各種テーブルの説明である。
【0079】
図9は、第2の実施例に係わる印刷制御システムにおける印刷制御処理の動作を説明するフローチャートである。
【0080】
この印刷制御処理は、プリントサーバ30において、複数台のクライアント端末10のいずれかから、配分指定情報を付加した印刷要求を受信すると開始される(ステップS201でYES)。
【0081】
この印刷制御処理が開始されると、まず、プリントサーバ30の要求受付部32は、通信部31を介してクライアント端末10からの印刷要求を受信し、該印刷要求に付加された配分指定情報を抽出する(ステップS202)。続いて、当該要求に基づいて印刷ジョブを生成するとともに、生成した印刷ジョブをキュー33へ格納する(ステップS203)。この際、要求受付部32は、抽出した配分指定情報を印刷ジョブ制御部35に通知する(ステップS204)。
【0082】
要求受付部32から配分指定情報の通知を受けた印刷ジョブ制御部35は、該配分指定情報を解釈し、該解釈した情報に基づいて該当するプリンタ20を選定して印刷処理を行う(ステップS205)。具体的には、印刷要求から抽出した配分指定情報をキーにして、配分指定テーブル36dを走査し、該当するレコードから印刷速度優先度および省電力優先度を抽出する。続いて、抽出した優先度に基づいてプリンタ情報テーブル36aを参照して、条件に合うプリンタ20を選定して当該プリンタ20において印刷処理を行うこととなる。
【0083】
ここで、配分指定情報が「印刷速度最優先」である場合(ステップS206でYES)、上記図8で説明した配分指定テーブル36dに印刷速度優先度と省電力優先度が3対0の割合で設定されているため、詳細は後述するが、ジョブ制御部35は、印刷速度のみ考慮して最短で印刷処理が行えるプリンタ20を印刷先として設定し(ステップS207)、当該プリンタ20へと印刷ジョブを送信して(ステップS213)、この印刷制御処理を終了する。
【0084】
また、配分指定情報が「印刷速度優先」である場合(ステップS206でNOの後、ステップS208でYES)、上記図8で説明した配分指定テーブル36dに印刷速度優先度と省電力優先度が2対1の割合で設定されているため、詳細は後述するが、ジョブ制御部35は、印刷速度に重みを置きつつ省電力も考慮して印刷処理が行えるプリンタ20を印刷先として設定し(ステップS209)、当該プリンタ20へと印刷ジョブを送信して(ステップS213)、この印刷制御処理を終了する。
【0085】
また、配分指定情報が「省電力優先」である場合(ステップS208でNOの後、ステップS210でYES)、上記図8で説明した配分指定テーブル36dに印刷速度優先度と省電力優先度が1対2の割合で設定されているため、詳細は後述するが、ジョブ制御部35は、省電力に重みを置きつつ、印刷速度も考慮して印刷処理が行えるプリンタ20を印刷先として設定し(ステップS211)、当該プリンタ20へと印刷ジョブを送信して(ステップS213)、この印刷制御処理を終了する。
【0086】
また、配分指定情報が「省電力最優先」である場合(ステップS210でNO)、上記図8で説明した配分指定テーブル36dに印刷速度優先度と省電力優先度が0対3の割合で設定されているため、詳細は後述するが、ジョブ制御部35は、省電力のみ考慮して最も消費電力の小さいプリンタを印刷先として設定し(ステップS212)、当該プリンタ20へと印刷ジョブを送信して(ステップS213)、この印刷制御処理を終了する。
【0087】
ここで、図10を参照しながら、上述したステップS207の印刷速度最優先処理の動作を説明する。
【0088】
図10において、この印刷速度最優先処理が開始されると、プリントサーバ30は、自装置が管理するプリンタ20の内、稼動状態にあるプリンタ20があるか否かを判断する(ステップS301)。
【0089】
判断の結果、プリンタ20全てが稼動状態以外、すなわち節電中である場合(ステップS301でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、節電中のプリンタ20の中から、最も印刷速度が速いプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS308)、この印刷速度最優先処理を終了する。この場合、まず、プリンタ情報テーブル36aの「印刷速度レベル」に高速が設定されているプリンタ20を検索し、該当するプリンタ20がなければ、中速、低速の順にプリンタ20を検索する。該当するプリンタ20が見つかれば、当該プリンタ20を印刷先として印刷ジョブを送信することとなる。
【0090】
また、上記ステップS301での判断の結果、稼動中のプリンタ20がある場合(ステップS301でYES)、印刷ジョブ制御部35は、稼動中のプリンタ20が印刷処理中であるか否かを判断する(ステップS302)。
【0091】
ここで、待機状態、すなわち印刷処理中でないプリンタ20があると判断された場合(ステップS302でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、待機中のプリンタ20の中から、最も印刷速度が速いプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS303)、この印刷速度最優先処理を終了する。
【0092】
一方、判断結果により稼動中のプリンタ20全てが印刷処理中であると判断された場合(ステップS302でYES)、印刷ジョブ制御部35は、キュー33に格納されている他の印刷ジョブを参照して、これら印刷ジョブに設定されている印刷先プリンタ20を調べる。すなわち、キュー33には、印刷待ち状態となっている印刷ジョブが格納されており、それらの印刷ジョブに割り当てられた印刷先プリンタ20を調べる。
【0093】
この結果、印刷先に高速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が、所定の閾値を越えているか否かを判断し、閾値を越えていない場合は(ステップS304でNO)、当該プリンタ20を印刷先に設定し(ステップS305)、この印刷速度最優先処理を終了する。上記高速プリンタは、プリンタ情報テーブル36aの「印刷速度レベル」に高速が設定されているプリンタ20である。
【0094】
また、印刷先に高速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が、所定の閾値を越えている場合は(ステップS304でYES)、続いて、印刷先に中速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が所定の閾値を越えているか否かを判断し(ステップS306)、閾値を越えていない場合は(ステップS306でNO)、当該プリンタ20を印刷先に設定し(ステップS305)、この印刷速度最優先処理を終了する。
【0095】
また、印刷先に中速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が、所定の閾値を越えている場合は(ステップS306でYES)、続いて、印刷先に低速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が所定の閾値を越えているか否かを判断し(ステップS307)、閾値を越えていない場合は(ステップS307でNO)、当該プリンタ20を印刷先に設定し(ステップS305)、この印刷速度最優先処理を終了する。
【0096】
ここで、印刷先に低速プリンタ20が設定されている印刷ジョブ数が、所定の閾値を越えている場合は(ステップS307でYES)、高速プリンタを印刷先に設定して(ステップS308)、この印刷速度最優先処理を終了する。
【0097】
次に、図11を参照しながら、上述したステップS209の印刷速度優先処理の動作を説明する。
【0098】
図11において、この印刷速度優先処理が開始されると、プリントサーバ30は、自装置が管理するプリンタ20の内、稼動状態にあるプリンタ20があるか否かを判断する(ステップS401)。
【0099】
判断の結果、プリンタ20全てが稼動状態以外、すなわち節電中である場合(ステップS401でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、節電中のプリンタ20の中から、最も印刷速度が速く、その中で最も省電力のプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS403)、この印刷速度優先処理を終了する。この場合、まず、プリンタ情報テーブル36aの「印刷速度レベル」に高速が設定されているプリンタ20を検索し、該当するプリンタ20がなければ、中速、低速の順にプリンタ20を検索する。該当するプリンタ20が複数見つかれば、その内、「消費電力レベル」に低が設定されているプリンタ20を検索し、該当するプリンタがなければ、中、高の順にプリンタ20を検索する。該当するプリンタ20が見つかれば、当該プリンタ20を印刷先として印刷ジョブを送信することとなる。
【0100】
また、上記ステップS401での判断の結果、稼動中のプリンタ20がある場合(ステップS401でYES)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、待機中のプリンタ20の中から、最も印刷速度が速いプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS402)、この印刷速度優先処理を終了する。
【0101】
次に、図12を参照しながら、上述したステップS211の省電力優先処理の動作を説明する。
【0102】
図12において、この省電力優先処理が開始されると、プリントサーバ30は、自装置が管理するプリンタ20全てが稼動状態にあるか否かを判断する(ステップS501)。
【0103】
判断の結果、プリンタ20全てが稼動状態である場合(ステップS501でYES)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、稼動中のプリンタ20の中から、最も省電力のプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS503)、この省電力優先処理を終了する。この場合、まず、プリンタ情報テーブル36aの「消費電力レベル」に低が設定されているプリンタ20を検索し、該当するプリンタ20がなければ、中、高の順にプリンタ20を検索する。該当するプリンタ20が複数見つかれば、その内、「印刷速度レベル」に高速が設定されているプリンタ20を検索し、該当するプリンタがなければ、中速、低速の順にプリンタを検索する。該当するプリンタ20が見つかれば、当該プリンタ20を印刷先として印刷ジョブを送信することとなる。
【0104】
また、上記ステップS501での判断の結果、自装置が管理するプリンタ20全てが稼動状態ではない場合(ステップS501でNO)、稼動状態にあるプリンタ20があるか否かを判断し(ステップS502)、プリンタ20全てが稼動状態以外、すなわち節電中である場合(ステップS502でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、節電中のプリンタ20の中から、最も省電力で、その中で最も印刷速度が速いプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS506)、この省電力優先処理を終了する。
【0105】
一方、上記ステップS502での判断の結果、稼動中のプリンタ20がある場合(ステップS502でYES)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、待機中のプリンタ20の中から、「消費電力レベル」が低であるプリンタ20があるか否かを判断し(ステップS504)、該当するプリンタ20がある場合は(ステップS504でYES)、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS505)、この省電力優先処理を終了するが一方、待機中のプリンタ20の中に「消費電力レベル」が低であるプリンタ20がない場合は(ステップS504でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、節電中のプリンタ20の中から、最も省電力であり、その中で最も印刷速度が速いプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS506)、この省電力優先処理を終了する。
【0106】
次に、図13を参照しながら、上述したステップS212の省電力最優先処理の動作を説明する。
【0107】
図13において、この省電力最優先処理が開始されると、プリントサーバ30は、自装置が管理するプリンタ20の内、稼動状態にあるプリンタ20があるか否かを判断する(ステップS601)。
【0108】
判断の結果、プリンタ20全てが稼動状態以外、すなわち節電中である場合(ステップS601でNO)、印刷ジョブ制御部35は、他の印刷ジョブによってプリンタ20が稼動されるまで印刷ジョブを待機させ(ステップS604)、この省電力最優先処理を終了する。なお、他の印刷ジョブによってプリンタ20が稼動するとともに、当該プリンタ20を印刷先として設定することとなる。
【0109】
また、上記ステップS601での判断の結果、稼動中のプリンタ20がある場合(ステップS601でYES)、稼動状態にあるプリンタ20が1台のみか否かを判断し(ステップS602)、1台だけである場合(ステップS602でYES)、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS605)、この省電力最優先処理を終了するが一方、稼動状態にあるプリンタが複数台ある場合(ステップS602でNO)、印刷ジョブ制御部35は、プリンタ情報テーブル36aを走査して、稼動中のプリンタ20の中から、最も省電力のプリンタ20を選定し、当該プリンタ20を印刷先に設定して(ステップS603)、この省電力最優先処理を終了する。
【0110】
以上説明したように第2の実施例においては、プリントサーバ30が自装置で管理するプリンタ20各々の性能情報(印刷速度、消費電力量)を管理し、クライアント端末10からユーザ所望の配分指定情報(印刷速度優先:省電力優先)を付加した印刷要求を受信した場合、該配分指定情報と上記性能情報に基づいてプリンタ20を選択し、印刷処理を行うように構成したため、印刷速度を重視する場合には迅速な印刷処理が行え一方、印刷処理を急がない場合には、消費電力を削減して印刷処理が行えるので、利便性と省電力の両方、若しくはいずれか一方に配慮した印刷処理が適宜行えることとなる。
【0111】
なお、上記実施例においては、本発明に係わる印刷制御システムにより本発明の印刷制御処理を行うように構成したが、この印刷制御方法をコンピュータにインストールされた印刷制御プログラムにより行うように構成してもよい。
【0112】
この他、本発明は、上記および図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の印刷制御システムおよび印刷制御装置および印刷制御方法および印刷制御プログラムは、複数台の印刷装置(プリンタ等)を管理する印刷制御装置(プリントサーバ等)を介して印刷処理を行う印刷環境全般に適用可能であり、特に、一般的なオフィス(企業、官公庁)、学校等において有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明に係わる印刷制御システムの全体構成を示す図である。
【図2】第1の実施例に係わるプリントサーバ30の内部構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1に係わる印刷制御システムにおける印刷制御処理の動作を説明するフローチャートである。
【図4】第2の実施例に係わるプリントサーバ30の内部構成を示すブロック図である。
【図5】第2の実施例に係わるクライアント端末10に表示される画面の一例を示す図である。
【図6】プリンタ情報テーブル36aのテーブルレイアウトの一例を示す図である。
【図7】印刷速度情報テーブル36bおよび消費電力情報テーブル36cのテーブルレイアウトの一例を示す図である。
【図8】配分指定テーブル36dのテーブルレイアウトの一例を示す図である。
【図9】第2の実施例に係わる印刷制御システムにおける印刷制御処理の動作を説明するフローチャートである。
【図10】図9に示した印刷速度最優先処理の動作を説明するフローチャートである。
【図11】図9に示した印刷速度最優先処理の動作を説明するフローチャートである。
【図12】図9に示した省電力優先処理の動作を説明するフローチャートである。
【図13】図9に示した省電力最優先処理の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0115】
10 クライアント端末
20 プリンタ
30 プリントサーバ
31 通信部
32 要求受付部
33 キュー
34 キュー状態監視部
35 印刷ジョブ制御部
36 プリンタ管理データベース
36a プリンタ情報テーブル
36b 印刷速度情報テーブル
36c 消費電力情報テーブル
36d 配分指定テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
節電状態とそれ以外の待機中、印刷処理中を含む稼動状態とを切替可能な複数のプリンタと、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を前記複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置とを有する印刷制御システムにおいて、
前記印刷制御装置は、
各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理手段と、
前記管理手段で管理される管理情報に基づき前記蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段と
を具備することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項2】
前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段
を更に具備し、
前記印刷指示手段は、
前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項1記載の印刷制御システム。
【請求項3】
前記管理手段は、
各プリンタに対応して該プリンタの印刷速度および電力消費量を含む能力情報と、印刷処理中であるか否かを示す動作情報とを含む管理情報を記憶管理し、
前記印刷指示手段は、
前記印刷ジョブに対応して前記クライアント端末から要求された要求情報および前記管理手段で管理される管理情報に基づき該印刷ジョブの印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項1または2記載の印刷制御システム。
【請求項4】
前記印刷指示手段は、
前記クライアント端末から要求された要求情報が印刷速度優先の場合は、
稼動状態のプリンタがあれば、その中で印刷速度が最も速いプリンタを選択して印刷指示を行い、
稼動状態のプリンタが一台もなければ、印刷速度が速いプリンタの中から、電力消費量が小さいプリンタを選択して印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項3記載の印刷制御システム。
【請求項5】
前記印刷指示手段は、
前記クライアント端末から要求された要求情報が印刷速度最優先の場合は、
稼動状態でかつ印刷処理中でないプリンタがあれば、その中から印刷速度が速いプリンタを選択して印刷指示を行い、
全てのプリンタが印刷処理中の場合は、
印刷速度が高速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、
前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が高速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が中速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、
前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が中速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が低速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、
前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が低速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が高速のプリンタを選択し
て印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項3記載の印刷制御システム。
【請求項6】
前記印刷指示手段は、
前記クライアント端末から要求された要求情報が消費電力優先の場合は、
節電状態のプリンタで、電力消費量が小さいプリンタがあれば、その中で印刷速度が速いプリンタを選択し、
節電状態のプリンタで、電力消費量が小さいプリンタがない場合は、稼動状態のプリンタの中で、電力消費量が小さくかつ印刷速度が速いプリンタを選択し、
全てのプリンタが稼動状態である場合は、電力消費量が小さいプリンタの中から印刷速度が速いプリンタを選択し
て印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項3記載の印刷制御システム。
【請求項7】
前記印刷指示手段は、
前記クライアント端末から要求された要求情報が消費電力最優先の場合は、
稼動状態のプリンタがある場合は、その中で最も電力消費量が小さいプリンタを選択して印刷指示を行い、
全てのプリンタが節電状態である場合は、他の印刷ジョブによって稼動状態になったプリンタを選択して印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項3記載の印刷制御システム。
【請求項8】
クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置において、
前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段と、
各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理手段と、
前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段と
を具備することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項9】
クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置において、
前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段と、
各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報と、印刷速度および電力消費量を含む能力情報と、印刷処理中であるか否かを示す動作情報とを含む管理情報を記憶管理する管理手段と、
前記印刷ジョブに対応して前記クライアント端末から要求された要求情報および前記管理手段で管理される管理情報に基づき該印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段と
を具備することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項10】
クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御方法において、
前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視手段で監視し、
各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を管理手段で記憶管理し、
前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を印刷指示手段で行う
ことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項11】
クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御をコンピュータに実行させる印刷制御プログラムであって、
前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視ステップと、
各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理ステップと、
前記監視ステップにより監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示ステップと
を含むことを特徴とする印刷制御プログラム。
【請求項1】
節電状態とそれ以外の待機中、印刷処理中を含む稼動状態とを切替可能な複数のプリンタと、クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を前記複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置とを有する印刷制御システムにおいて、
前記印刷制御装置は、
各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理手段と、
前記管理手段で管理される管理情報に基づき前記蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段と
を具備することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項2】
前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段
を更に具備し、
前記印刷指示手段は、
前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項1記載の印刷制御システム。
【請求項3】
前記管理手段は、
各プリンタに対応して該プリンタの印刷速度および電力消費量を含む能力情報と、印刷処理中であるか否かを示す動作情報とを含む管理情報を記憶管理し、
前記印刷指示手段は、
前記印刷ジョブに対応して前記クライアント端末から要求された要求情報および前記管理手段で管理される管理情報に基づき該印刷ジョブの印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項1または2記載の印刷制御システム。
【請求項4】
前記印刷指示手段は、
前記クライアント端末から要求された要求情報が印刷速度優先の場合は、
稼動状態のプリンタがあれば、その中で印刷速度が最も速いプリンタを選択して印刷指示を行い、
稼動状態のプリンタが一台もなければ、印刷速度が速いプリンタの中から、電力消費量が小さいプリンタを選択して印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項3記載の印刷制御システム。
【請求項5】
前記印刷指示手段は、
前記クライアント端末から要求された要求情報が印刷速度最優先の場合は、
稼動状態でかつ印刷処理中でないプリンタがあれば、その中から印刷速度が速いプリンタを選択して印刷指示を行い、
全てのプリンタが印刷処理中の場合は、
印刷速度が高速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、
前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が高速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が中速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、
前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が中速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が低速のプリンタで、前記蓄積手段に蓄積された該プリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えていないならば該プリンタを選択し、
前記蓄積手段に蓄積された印刷速度が低速のプリンタ宛ての印刷ジョブ数が所定の閾値を越えている場合は、印刷速度が高速のプリンタを選択し
て印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項3記載の印刷制御システム。
【請求項6】
前記印刷指示手段は、
前記クライアント端末から要求された要求情報が消費電力優先の場合は、
節電状態のプリンタで、電力消費量が小さいプリンタがあれば、その中で印刷速度が速いプリンタを選択し、
節電状態のプリンタで、電力消費量が小さいプリンタがない場合は、稼動状態のプリンタの中で、電力消費量が小さくかつ印刷速度が速いプリンタを選択し、
全てのプリンタが稼動状態である場合は、電力消費量が小さいプリンタの中から印刷速度が速いプリンタを選択し
て印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項3記載の印刷制御システム。
【請求項7】
前記印刷指示手段は、
前記クライアント端末から要求された要求情報が消費電力最優先の場合は、
稼動状態のプリンタがある場合は、その中で最も電力消費量が小さいプリンタを選択して印刷指示を行い、
全てのプリンタが節電状態である場合は、他の印刷ジョブによって稼動状態になったプリンタを選択して印刷指示を行う
ことを特徴とする請求項3記載の印刷制御システム。
【請求項8】
クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置において、
前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段と、
各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理手段と、
前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段と
を具備することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項9】
クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御装置において、
前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視手段と、
各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報と、印刷速度および電力消費量を含む能力情報と、印刷処理中であるか否かを示す動作情報とを含む管理情報を記憶管理する管理手段と、
前記印刷ジョブに対応して前記クライアント端末から要求された要求情報および前記管理手段で管理される管理情報に基づき該印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示手段と
を具備することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項10】
クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御を行う印刷制御方法において、
前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視手段で監視し、
各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を管理手段で記憶管理し、
前記監視手段により監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を印刷指示手段で行う
ことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項11】
クライアント装置からの印刷要求にかかわる印刷ジョブを蓄積手段に蓄積して、該蓄積手段に蓄積された印刷ジョブの印刷を複数のプリンタのいずれかに指示することにより該印刷ジョブの印刷制御をコンピュータに実行させる印刷制御プログラムであって、
前記蓄積手段に蓄積されている印刷ジョブの数を監視する監視ステップと、
各プリンタに対応して該プリンタが節電状態であるか否かを示す節電情報を少なくとも含む管理情報を記憶管理する管理ステップと、
前記監視ステップにより監視された印刷ジョブの数が予め設定された閾値を越えると、この時点に前記管理手段で節電状態であると管理されているプリンタに対して次に印刷する印刷ジョブの印刷指示を行う印刷指示ステップと
を含むことを特徴とする印刷制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−88590(P2006−88590A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−278377(P2004−278377)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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