印刷制御装置、方法及びプログラム
【課題】先行ジョブのための処理中に後続の印刷ジョブが入力された場合、効率的に印刷処理を実行させる。
【解決手段】複数ページを有する印刷ジョブを入力する入力手段と、前記入力手段で入力された印刷ジョブをページ単位のページデータに分割し、メモリに保持させる分割手段と、前記分割手段で分割されたページデータを印刷順序に従って印刷を実行させる印刷制御手段と、前記入力手段により入力された先行ジョブが前記分割手段による処理実行中に当該先行ジョブより優先度の高い後続ジョブが前記入力手段により入力された場合、当該後続ジョブを待機させて前記先行ジョブの前記分割手段による処理を継続させる。
【解決手段】複数ページを有する印刷ジョブを入力する入力手段と、前記入力手段で入力された印刷ジョブをページ単位のページデータに分割し、メモリに保持させる分割手段と、前記分割手段で分割されたページデータを印刷順序に従って印刷を実行させる印刷制御手段と、前記入力手段により入力された先行ジョブが前記分割手段による処理実行中に当該先行ジョブより優先度の高い後続ジョブが前記入力手段により入力された場合、当該後続ジョブを待機させて前記先行ジョブの前記分割手段による処理を継続させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複数の印刷ジョブの処理を行わせることができる印刷制御装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、先行している印刷ジョブの印刷処理を中断させ、後続の印刷ジョブを先に印刷させる割込み印刷が知られている。この場合、先行している印刷ジョブを記憶装置において保持させておき、後続の印刷ジョブを実行させる（特許文献１参照）。
【０００３】
また、印刷処理の方法として、中綴じ製本印刷が知られている。中綴じ製本では、１枚のシートの同一面に２ページ分の画像を印刷する。それを複数枚重ねて折り畳み、中央部を綴じることによって最終的な製本処理が完成する。例えば、図９に示すように１６ページ分の画像を中綴じ製本印刷させる場合、１ページ目から順に印刷データを入力させてもすぐには印刷を開始できない。例えば、最も内側に来るページから印刷させる場合でも９ページ目の準備ができるまで印刷が行えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００７−３０２５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述の中綴じ製本等のように入力されたページ順に印刷処理が行えないような印刷ジョブを割り込ませる場合、印刷開始に必要なページが揃うまで記憶装置に印刷データを記憶させておく必要がある。しかしながら、このとき記憶装置の空き容量が不足していた場合、割込み印刷を実行することができなくなってしまう。そのため、場合によっては割込み印刷のための処理を開始した後、記憶装置の空き容量不足のため処理が滞ってしまい、結果として全ての印刷ジョブの進行に影響を及ぼしてしまう。
【０００６】
特許文献１では、記憶装置の空き容量が不足していた場合、先行していた印刷ジョブを補助記憶装置に退避させ、空いた記憶領域を用いて割込み印刷をさせるようにしている。
【０００７】
しかしながら、特許文献１のように先行していた印刷ジョブを退避させる場合、この退避の処理及び退避していた印刷ジョブを戻すために時間がかかってしまったり処理負荷が高くなってしまったりする。また、予め割込み印刷ジョブで使用する記憶装置の容量が分からないこともあるため、先行している印刷ジョブを退避させることによって割込み印刷を開始できるかどうかも判断できないこともある。
【０００８】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであり、先行ジョブのための処理中に後続の印刷ジョブが入力された場合、効率的に印刷処理を実行させることのできる印刷制御装置、方法及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するため、本発明の印刷制御装置は、複数ページを有する印刷ジョブを入力する入力手段と、前記入力手段で入力された印刷ジョブをページ単位のページデータに分割し、メモリに保持させる分割手段と、前記分割手段で分割されたページデータを印刷順序に従って印刷を実行させる印刷制御手段と、前記入力手段により入力された先行ジョブが前記分割手段による処理実行中に当該先行ジョブより優先度の高い後続ジョブが前記入力手段により入力された場合、当該後続ジョブを待機させて前記先行ジョブの前記分割手段による処理を継続させる制御手段とを有する。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、先行ジョブのための処理中に優先度の高い印刷ジョブが入力された場合であっても先行ジョブの処理を継続させ、複数の印刷ジョブを効率的に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の実施形態の一例である画像形成装置の構成を示す図である。
【図２】図１の画像形成装置の制御に関わる構成を示すブロック図である。
【図３】本実施形態によるシートの両面への印刷のための処理の流れを示すフローチャートである。
【図４】本実施形態によるＲＩＰ処理の流れを説明するための図である。
【図５】本実施形態による印刷ジョブにおける処理の流れを説明するための図である。
【図６】本実施形態による印刷ジョブの処理のための各処理部の処理を説明するための図である。
【図７】本実施形態によるページ分割処理の流れを示すフローチャートである。
【図８】本実施形態によるＲＩＰ処理の流れを示すフローチャートである。
【図９】中綴じ製本のための印刷処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、この実施の形態で用いる装置の各構成要素の相対配置、装置形状等は、あくまで例示であり、それらのみに限定するものではない。
【００１３】
図１は、本実施形態における印刷制御装置の一例となる画像形成装置の概略構成を示す図である。図１の画像形成装置は、外部装置から受信したデータに基づく画像を印刷する印刷機能のみを有したものを示すが、これに限らず、原稿上の画像を読取る読取装置をさらに備えて複写機として機能するものや他の機能を加えた複合装置としてもよい。また、印刷処理を行う記録材（被記録媒体または記録シート）としてロールシートを用いたものを例に説明する。このロールシートは連続シートの例であるが、同一面への複数ページ分の印刷を途中で切断せずに続けて行える長尺の連続シートであれば、ロール状となったものには限らない。また、連続シートの切断は、画像形成装置が自動的に切断するものであってもよいし、ユーザがマニュアル指示を行って切断するものであってもよい。記録材の材質も紙には限らず、印刷処理可能なものであれば種々のものを用いることができる。また、画像形成装置は、連続シートへの印刷のみではなく、所定のサイズに予めカットされたカットシートへの印刷をも可能な画像形成装置としてもよい。また、印刷方式は後述する画像印刷用液体インクを用いたインクジェット方式による画像の印刷には限らない。記録材に付与する記録剤として固形インクを用いてもよいし、トナーを用いた電子写真方式や昇華方式、熱転写方式、ドットインパクト方式など種々のものを採用可能である。また、複数色の記録剤を用いたカラー記録を行うものには限らず、黒色（グレーを含む）のみによるモノクロ記録を行うものとしてもよい。また、印刷は、可視画像の印刷には限らず、不可視もしくは視認が困難な画像の印刷としてもよいし、一般的な画像以外の、例えば配線パターン、部品の製造における物理的パターン、ＤＮＡの塩基配列等のプリントなど種々のものの印刷としてもよい。つまり、記録剤を記録材に付与可能なものであれば種々のタイプの記録装置に適用可能である。また、図１の画像形成装置と接続された外部装置からの指示で当該画像形成装置における印刷処理の動作を制御させる場合、この外部装置が印刷制御装置となる。
【００１４】
図１は、記録材としてロールシート（搬送方向において印刷単位（１ページ）の長さよりも長い連続した連続シート）を用いた画像形成装置の全体構成の概略を示す断面図である。画像形成装置は、以下の構成要素１０１〜１１５を含み、これらが１つの筐体内に配置される。ただし、これらの構成要素を複数の筐体に分けて構成してもよい。
【００１５】
制御ユニット１０８は、コントローラ（ＣＰＵまたはＭＰＵを含む）やユーザインターフェース情報の出力器（表示情報や音響情報などの発生器）、各種Ｉ／Ｏインターフェースを備えた制御部を内蔵し、画像形成装置全体の各種制御を司る。
【００１６】
ロールシートを保持し、そして供給するユニットとして上段シートカセット１０１ａと下段シートカセット１０１ｂの２基を備える。使用者はロールシート（以下、シート）をマガジンに装着してから画像形成装置本体に装填する。上段シートカセット１０１ａから引き出されたシートは図中ａ方向に、下段シートカセット１０１ｂから引き出されたシートは図中ｂ方向にそれぞれ搬送される。いずれのカセットからのシートも図中ｃ方向に進行して搬送ユニット１０２に到達する。搬送ユニット１０２は、複数の回転ローラ１０４を通して印刷処理中にシートを図中ｄ方向（水平方向）に搬送する。供給元のシートカセットを一方から他方に切り替える際は、既に引き出されているシートをカセット内に巻き戻し、新たに給紙させるシートがセットされているカセットから新たに供給する。また、一連の印刷処理を終えたときも既に引き出されているシートをカセット内に巻き戻し、新たな印刷ジョブが受け付けられると、カセットから新たにシートを供給する。
【００１７】
搬送ユニット１０２の上方にはヘッドユニット１０５が搬送ユニット１０２と対向して配置される。ヘッドユニット１０５では複数色（本実施形態では７色）分の独立した印刷ヘッド１０６がシートの搬送方向に沿って保持されている。本例ではＣ（シアン）、Ｍ（マゼンタ）、Ｙ（イエロー）、ＬＣ（ライトシアン）、ＬＭ（ライトマゼンタ）、Ｇ（グレー）、Ｋ（ブラック）の７色に対応した７つの印刷ヘッドを有す。もちろん、これら以外の色を用いたものでもよいし、これらの全てを用いる必要もない。本画像形成装置は、搬送ユニット１０２によるシートの搬送に同期させて、印刷ヘッド１０６からインクを吐出させてシート上に画像を形成する。なお、印刷ヘッド１０６はインクの吐出先が回転ローラ１０４と重ならない位置に配置される。インクはシートに直接吐出させるのに代え、中間転写体にインクを付与した後、そのインクをシートに付与することによって画像を形成させるものとしてもよい。
【００１８】
これら搬送ユニット１０２、ヘッドユニット１０５、印刷ヘッド１０６を含んで本実施形態の印刷用ユニットが構成されている。インクタンク１０９は各色のインクを独立して貯蔵する。インクタンク１０９からはチューブによって各色に対応して設けられたサブタンクまでインクが供給され、サブタンクから各印刷ヘッド１０６までチューブを介してインクが供給される。印刷ヘッド１０６は、印刷時の搬送方向ｄ方向に沿って各色用のラインヘッドが並んでいる。各色のラインヘッドは、継ぎ目無く単一のノズルチップで形成されたものであってもよいし、分割されたノズルチップが一列又は千鳥配列のように規則的に並べられたものであってもよい。本実施形態では、本装置が使用可能な最大サイズのシートの印刷領域の幅分をカバーする範囲にノズルが並んでいる所謂フルマルチヘッドとする。ノズルからインクを吐出するインクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、ＭＥＭＳ素子を用いた方式等を採用することができる。印刷データに基づいて各ヘッドのノズルからインクが吐出されるが、吐出のタイミングは搬送用エンコーダ１０３の出力信号によって決定される。
【００１９】
シートに画像が形成された後、当該シートは搬送ユニット１０２から、スキャナユニット１０７まで搬送される。スキャナユニット１０７では、シート上の印刷画像や特殊パターンを光学的に読取って印刷画像に問題がないかどうかの確認や、インクの吐出状態を含む本装置の状態確認等を行う。印刷画像の確認方法としてはヘッドの状態の確認するためのパターンを読み込むことによるインクの吐出状態を確認するものでもよいし、元画像との比較を行うことによる印刷の成否を確認するものでもよい。確認の方法は種々のものの中から適宜選択することが可能である。
【００２０】
シートはスキャナユニット１０７近傍からｅ方向に搬送され、カッタユニット１１０に導入される。カッタユニット１１０ではシートを所定の印刷単位の長さ毎に切断する。印刷する画像サイズに応じてこの所定の印刷単位の長さは異なる。例えばＬ版サイズの写真では搬送方向の長さは１３５ｍｍ、Ａ４サイズでは搬送方向の長さは２９７ｍｍとなる。カッタユニット１１０は、片面印刷の場合はページ単位でシートを切断するが、印刷ジョブの内容によってはページ単位で切断しない場合もある。また、カッタユニット１１０は両面印刷の場合、シートの第１面（先に印刷が行われる面。たとえばおもて面）はページ単位で切断せずに所定の長さ分まで画像を連続して印刷し、第２面（後に印刷が行われる面。たとえば裏面）を印刷した場合にページ単位で切断する。なお、カッタユニット１１０は、片面印刷や両面印刷の裏面印刷に際し、１枚の画像毎に切断するものに限らない。所定の長さ分搬送されるまで切断せず、所定の長さまで搬送された後で切断し、１枚（１頁）の画像毎に切り離すのは別のカッタ装置で手動操作等によって切断するものとしてもよい。またシートの幅方向に関しては、切断が必要な場合、別のカッタ装置を用いて切断することになる。
【００２１】
カッタユニット１１０から搬送されたシートは、ユニット内を図中ｆ方向に搬送され、裏面印字ユニット１１１に搬送される。裏面印字ユニット１１１は、シートの片面のみに画像を印刷する場合に、シートの裏面に所定の情報を印刷させるためのユニットである。シートの裏面に印刷する情報としては、印刷画像毎に対応した文字、記号、コード等の情報（例えば、オーダー管理用番号等）が含まれる。裏面印字ユニット１１１は、印刷ヘッド１０６が両面印刷の印刷ジョブのための画像を印刷する場合、印刷ヘッド１０６が画像を印刷する領域以外に上記のような情報を印刷する。裏面印字ユニット１１１は、記録剤の押印、熱転写、インクジェットなどの方式を採用可能である。
【００２２】
裏面印字ユニット１１１を通ったシートは、次に乾燥ユニット１１２に搬送される。乾燥ユニット１１２は、インクが付与されたシートを短時間で乾燥させるために、ユニット内を図中ｇ方向に通過するシートを温風（加温された気体（空気））で加熱するユニットである。なお、乾燥の方法は温風を用いるのに代え、冷風、ヒーターによる加温、待機させることのみによる自然乾燥、紫外光等の電磁波の照射など種々のものも採用可能である。印刷単位長さに切断されたシートは１枚ずつ乾燥ユニット１１２内を通過して、図中ｈ方向に搬送されて仕分けユニット１１４に搬送される。
【００２３】
仕分けユニット１１４は、複数のトレー（本実施形態では１８個）を保持しており、印刷単位の長さ等に応じでシートの排出先のトレーを区別する。各トレーにはトレー番号が割り当てられている。仕分けユニット１１４では、ユニット内を図中ｉ方向に通過するシートを、各トレー上に設けられたセンサでトレーの空きやシートが満載か否かなどを確認しながら印刷画像毎に設定されたトレー番号に対応するトレーに排出していく。切断されたシートの排出先となるトレーは、印刷ジョブの発行元（ホスト装置）で特定のものが指定される場合や、画像形成装置側で空いているトレーが任意に指定される場合がある。１つのトレーには予め決められた枚数まで排出可能である。この予め決められた枚数を超える印刷ジョブの場合、複数のトレーに跨って排出される。トレーに対して排出可能なシートの枚数やサイズ、種類などは、そのトレーの大きさ（タイプ）等によって異なっている。図１において縦（上下）に並んでいるトレー（以下、大トレー）群は大サイズ（Ａ４サイズ等、Ｌ版サイズより大きいもの）のシート、小サイズ（Ｌ版サイズ）の両方のシートの排出が可能である。また、横（左右）に並んでいるトレー（以下、小トレー）群は小サイズ（Ｌ版サイズ）のシートの排出が可能であるが大サイズのシートの排出はできない。そして、大トレーの方が小トレーより排出可能なシートの出力枚数が多い。また、シート排出中や排出完了等の状態は、表示器を用いてユーザが識別可能にする（例えば、ＬＥＤ等を用いる）。例えば、トレーのそれぞれに互いに異なる色で発光する複数のＬＥＤを設け、点灯しているＬＥＤの色や点灯状態か点滅状態かなどによって各トレーの種々の状態をユーザに通知可能である。また、複数のトレーのそれぞれには優先順位を付すことができ、画像形成装置は、印刷ジョブを実行するにあたり、空いている（シートが存在しない）トレーを、優先順位に従って順にシートの排出先として割り当てていく。デフォルトでは、大トレーは上のトレーほど優先順位が高く、小トレーは左側ほど優先順位が高い。また大トレーより、小トレーの優先順位が高い。この優先順位はユーザがシートを取り出しやすい位置の優先順位を予め高く設定しておいてもよい。またユーザによる操作等で適宜変更可能なものとしてもよい。
【００２４】
シート巻取りユニット１１３は、回転動作により、ページ毎に切断されずにおもて面が印刷されたシートの巻取りを行う。両面印刷の際にはまずおもて面に画像形成が行われたシートを、カッタユニット１１０でページ単位では切断せず、連続したおもて面の印刷が終了した後に切断する。おもて面が印刷されたシートは、ユニット内を図中のｊ方向に通過し、シート巻取りユニット１１３が巻取る。そして、一連のページ分のおもて面の画像形成が終了して、巻き取られたシートは、先のおもて面とは反対面を印刷可能な面にして、つまり印刷ヘッド１０６に対向させる面を反転させて、再度ユニットの図中のｋ方向に搬送される。このように搬送させることで、先のおもて面とは反対の裏面の画像の印刷を行わせる。通常の片面印刷の場合は、画像が印刷されたシートは、シート巻取りユニット１１３による巻取りを行わせずに仕分けユニット１１４に搬送される。
【００２５】
このように、両面印刷の際は、シート巻取りユニット１１３を用いてシートの巻取りを行い、シートを反転させて裏面の印刷を行うため、片面印刷のときと両面印刷のときとでは仕分けユニット１１４への排出の際のシートの面が異なる。即ち、片面印刷の場合はシート巻取りユニット１１３を用いたシートの反転が行われないので、先頭ページの画像が印刷されたシートは先頭ページの画像が下を向いた状態で排出される。そして１つの印刷ジョブが複数ページあるジョブの場合、先頭ページのシートからトレーに排出され、以後後続のページへと順次排出されシートが重なっていく。このような排出をフェイスダウン排出と呼ぶ。一方、両面印刷の場合はシート巻取りユニット１１３を用いたシートの反転が行われるので、先頭ページの画像が印刷されたシートは先頭ページの画像が上を向いた状態で排出される。そして１つの印刷ジョブが複数枚のシートの出力を行うジョブの場合、最後のページを含むシートからトレーに排出され、以後若いページのシートへと順次排出されシートが重なっていき、最終的に先頭ページの画像が印刷されたシートが排出される。このような排出をフェイスアップ排出と呼ぶ。なお、片面印刷の場合と両面への印刷の場合とで排出の際のシートの面を同じ（フェイスアップまたはフェイスダウンに統一）とすべく、片面印刷時と両面への印刷時とで第１面の印刷順序（降順とするか昇順とするか）を変えるよううにしてもよい。
【００２６】
操作ユニット１１５は、ユーザが種々の操作を行ったり、ユーザに種々の情報を通知したりするためのユニットである。例えば、ユーザに指定された画像が印刷されたシートはどこのトレーに積載されているか、あるいは当該画像が印刷中か印刷終了かなど、オーダー毎の印刷状況の確認が可能である。また、インク残量や、シートの残量等、装置の各種状態の確認、ヘッドクリーニング等の装置メンテナンスの実施の指示を行うためにユーザが操作／確認可能である。
【００２７】
なお、本実施形態の画像形成装置は、製本印刷が指示された場合、指定された製本の内容に応じた印刷を行うが、製本自体の処理は他の装置にて行う。即ち、例えば、中綴じ製本印刷が指示された場合、第２面への印刷が行われると、２ページ分を単位としてシートを切断させる。このときの印刷順序は図９（ａ）に示すような順序で印刷済みのシートが積み重なるようにする。そしてこれを複数枚重ねた状態で製本機にて中央部への綴じ処理を行うとともに折り畳み処理を行わせる。他の製本印刷（くるみ製本等）においても同様に画像形成装置では製本の種類に応じた配置で画像を印刷させ、これによって得た印刷物を製本機で製本処理させる。ただし、画像形成装置に製本機の機能も設けることによって自動的に最終的な製本結果を画像形成装置によって得られるようにしてもよい。
【００２８】
図２は、図１で示した画像形成装置における制御に関わる構成の一例を説明するためのブロック図である。画像形成装置２００は図１に示した画像形成装置である。
【００２９】
ＣＰＵ２０１、ＲＯＭ２０２、ＲＡＭ２０３、画像処理部２０７、エンジン制御部２０８、スキャナ制御部２０９が主に制御ユニット１０８に含まれる。そして、制御ユニット１０８にＨＤＤ２０４、操作部２０６、外部Ｉ／Ｆ２０５などがシステムバス２１０を介して接続される。
【００３０】
ＣＰＵ２０１は、マイクロプロセッサ（マイクロコンピュータ）形態の中央演算処理部であり、図１の制御ユニット１０８に含まれる。ＣＰＵ２０１は、プログラムの実行やハードウェアの起動により画像形成装置２００全体の動作を制御する。ＲＯＭ２０２は、ＣＰＵ２０１が実行するためのプログラムや画像形成装置２００の各種動作に必要な固定データを格納する。ＲＡＭ２０３は、ＣＰＵ２０１がワークエリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。ＨＤＤ２０４は、ＣＰＵ２０１が実行するためのプログラム、印刷データ、画像形成装置２００の各種動作に必要な設定情報を、内蔵するハードディスクに記憶させたり、読み出したりすることが可能である。また、ＣＰＵ２０１は、印刷ジョブが入力されるとＨＤＤ２０４内のジョブキューに受け付けた印刷ジョブを特定可能なＩＤをセットし、印刷順序の管理を行う。なお、ＨＤＤ２０４に代えて、他の大容量記憶装置としてもよい。
【００３１】
操作部２０６は、ユーザが種々の操作を行うためのハードキーやタッチパネル、またユーザに種々の情報を提示（通知）するための表示部を含み、図１の操作ユニット１１５に対応するものである。またユーザへの情報の提示は音声発生器からの音響情報に基づく音響（ブザー、音声等）を出力することによっても行うこともできる。
【００３２】
画像処理部２０７は、画像形成装置２００で扱う印刷データ（例えば、ページ記述言語で表されたデータ）のレンダリング処理（ＲＩＰ（Ｒａｓｔｅｒ Ｉｍａｇｅ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ）処理）を行う。そして、このＲＩＰ処理によって画像データ（ビットマップ画像）への展開（変換）や画像処理を行う。ＲＩＰ処理に際しては複数ページで構成された印刷データ（例えばＰＤＦ（Ｐｏｒｔａｂｌｅ Ｄｏｃｕｍｅｎｔ Ｆｏｒｍａｔ）やＸＰＳ（ＸＭＬ Ｐａｐｅｒ Ｓｐｅｃｉｆｉｃａｔｉｏｎ））を入力した場合、まずこれをページ毎に分割する。その後分割された各ページの印刷データを、印刷順に応じたページ単位でＲＩＰ処理する。ＪＰＥＧ（Ｊｏｉｎｔ Ｐｈｏｔｇｒａｐｈ Ｅｘｐｅｒｔ Ｇｒｏｕｐ）のような複数ページで構成されない印刷データが入力された場合、ページ毎に分割する処理は含まれない。入力された印刷データに含まれる画像データの色空間（たとえばＹＣｂＣｒ）を、標準的なＲＧＢ色空間（たとえばｓＲＧＢ）に変換する。また、画像データに対し、有効な（画像形成装置２００が印刷処理可能な）画素数への解像度変換、画像解析、画像補正等、様々な画像処理が必要に応じて施される。これらの画像処理によって得られた画像データ（ＲＩＰ済みデータ）は、ＲＡＭ２０３または、ＨＤＤ２０４に格納される。
【００３３】
エンジン制御部２０８は、ＣＰＵ２０１等から受信した制御コマンドに応じて、印刷データに基づく画像をシート上に印刷する処理の制御を行う。各色の印刷ヘッド１０６へのインク吐出指示や、記録媒体上でのドット位置（インクの着弾位置）を調整するための吐出タイミング設定、ヘッド駆動状態取得に基づく調整等を行う。印刷データに応じて印刷ヘッドの駆動制御を行い、印刷ヘッドからインクを吐出させシート上に画像を形成させる。また、カセットからシートを引き出す引き出しローラの駆動指示、引き出されたシートを搬送させる搬送ローラの駆動指示、搬送ローラの回転状況取得等を行う等、搬送ローラの制御を行い、シートを適切な速度及び経路で搬送および停止させる。
【００３４】
スキャナ制御部２０９は、ＣＰＵ２０１等から受信した制御コマンドに応じて、イメージセンサーの制御を行い、シート上の画像を読取り、赤（Ｒ）、緑（Ｇ）および青（Ｂ）色のアナログ輝度データを取得し、デジタルデータに変換する。イメージセンサーとしては、ＣＣＤイメージセンサーやＣＭＯＳイメージセンサー等を採用可能である。また、イメージセンサーはリニアイメージセンサーとしてもエリアイメージセンサーとしてもよい。また、スキャナ制御部２０９は、イメージセンサーの駆動指示、該駆動に基づくイメージセンサーの状況取得を行い、イメージセンサーから取得した輝度データを解析し、印刷ヘッド１０６からのインクの不吐やシートの切断位置の検出等を行う。スキャナ制御部２０９で画像が正しく印刷されていると判定されたシートは、シート上のインクの乾燥処理が施された後に、指定された仕分けユニットのトレーに排出される。
【００３５】
ホスト装置２１１は、上述した外部装置に対応し、本画像形成装置２００の外部に接続され、画像形成装置２００に印刷を行わせるための画像データの供給源となる装置であり、種々の印刷ジョブのオーダーを発行する。ホスト装置２１１は、汎用のパーソナルコンピュータ（ＰＣ）によって実現してもよいし、他のタイプのデータ供給装置としてもよい。他のタイプのデータ供給装置としては、画像をキャプチャーして画像データを生成する画像キャプチャー装置がある。画像キャプチャー装置は、原稿上の画像を読取って画像データを生成するリーダ（スキャナ）、ネガフィルムやポジフィルムを読取って画像データを生成するフィルムスキャナなどである。また、画像キャプチャー装置の他の例として静止画を撮影してデジタル画像データを生成するデジタルカメラ、動画を撮影して動画像データを生成するデジタルビデオもある。その他、ネットワーク上にフォトストレージを設置したり、着脱可能な可搬性メモリを挿入するソケットを設けたりし、フォトストレージや可搬性メモリに格納された画像ファイルを読み出して画像データに生成して印刷するものとしてもよい。また、汎用的なＰＣに代え、本画像形成装置専用の端末とするなど、種々のデータ供給装置としてもよい。これらのデータ供給装置は画像形成装置の構成要素としてもよいし、画像形成装置の外部に接続した別の装置としてもよい。また、ホスト装置２１１をＰＣとした場合、ＰＣの記憶装置に、ＯＳ、画像データを生成するアプリケーションソフトウェア、画像形成装置２００用のプリンタドライバがインストールされる。プリンタドライバは、本画像形成装置２００を制御したり、アプリケーションソフトウェアから供給された画像データを画像形成装置２００が扱える形式に変換して印刷データを生成したりする。また、印刷データから画像データへの変換をホスト装置２１１側で行ってから画像形成装置２００に供給するようにしてもよい。なお、以上の処理の全てをソフトウェアで実現することは必須ではなく、一部または全部をＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ Ｃｕｉｒｃｕｉｔ）等のハードウェアによって実現するようにしてもよい。ホスト装置２１１から供給される画像データやその他のコマンド、更にステータス信号等は、外部Ｉ／Ｆ２０５を介して画像形成装置２００と送受信可能である。外部Ｉ／Ｆ２０５はローカルＩ／ＦであってもネットワークＩ／Ｆであってもよい。また、外部Ｉ／Ｆ２０５は、有線による接続であっても無線による接続であっても構わない。
【００３６】
画像形成装置２００内の上記した各構成はシステムバス２１０を介して接続され、互いに通信可能である。
【００３７】
なお、以上の例では、１つのＣＰＵ２０１が図２に示した画像形成装置２００内の全ての構成要素を制御するものとしたが、この構成以外としてもよい。即ち、各機能ブロックのいくつかが別途ＣＰＵを備え、それぞれのＣＰＵによって個別に制御するものとしてもよい。また、各機能ブロックは図２に示した構成以外の分担のさせ方により個別の処理部または制御部として適宜分割したり、いくつかを統合したりするなど、種々の形態を採用可能である。また、メモリからのデータの読み出しにはＤＭＡＣ（Ｄｉｒｅｃｔ Ｍｅｍｏｒｙ Ａｃｃｅｓｓ Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｒ）も用いることもできる。
【００３８】
次に以上の構成において、画像形成装置２００によりシートの両面に画像を印刷する印刷ジョブを実行する際の処理の流れについて説明する。シートの両面に画像を印刷する印刷ジョブとしては両面印刷、製本印刷が含まれる。製本印刷には中綴じ製本、くるみ製本などが含まれる。図３はこの印刷ジョブを実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、ＣＰＵ２０１が、ＲＯＭ２０２またはＨＤＤ２０４に格納されている制御プログラムをＲＡＭ２０３にロードし、それを実行することにより行われる処理の流れを示す。
【００３９】
Ｓ１０１において、外部Ｉ／Ｆ２０５を介して印刷ジョブを受け付けると、この印刷ジョブの処理を開始する。受け付けた印刷ジョブは一旦ＨＤＤ２０４に蓄積される。そしてＳ１０２に進み、画像処理部２０７において印刷ジョブのＲＩＰ処理を行う。なお、印刷ジョブを複数受け付けている場合、受付順、優先度（通常ジョブか割込みジョブかなど）、印刷モード（片面、両面、製本等）、シートサイズ、使用するトレーなどに基づいてＲＩＰ処理の順序が決定される。ＲＩＰ処理が行われた印刷データはＲＩＰ済みデータとしてＨＤＤ２０４に蓄積される。
【００４０】
次にＳ１０３においてエンジン制御部２０８によりＨＤＤ２０４に蓄積されているシートの第１面用のＲＩＰ済みデータに基づきシートの第１面への印刷を開始する。ここでは複数の印刷ジョブの第１面への印刷を連続して行うようにしてもよいし、１つの印刷ジョブの第１面への印刷を行うようにしてもよい。なお、本フローはシートの両面に印刷を行う場合の処理であるため、第１面への印刷後、１ページ単位（または２ページ単位）でのシートの切断は行わず、第１面への印刷がなされたシートはシート巻取りユニット１１３で巻き取る。そして第１面へ連続して印刷させる分の印刷が終了すると、その後端でＳ１０４においてカッタユニット１１０によりシートのカットを行う。
【００４１】
そしてＳ１０５において、シート巻取りユニット１１３から反転されたシートに対してエンジン制御部２０８によりＨＤＤ２０４に蓄積されている第２面用ＲＩＰ済みデータに基づき印刷を行う。そしてここでは１ページ単位または２ページ単位でカッタユニット１１０によるシートのカットを行う。ここでシートのカットを１ページ単位で行うか２ページ単位で行うかは印刷モードによって決定される。即ち、通常の両面印刷の場合は１ページ単位となるが、中綴じ製本用の印刷を行う場合は図９（ａ）に示すように切断後のシートの同一面に２ページ分の画像が印刷されるため２ページ単位となる。なお、２ページ単位でシートをカットする際、ページレイアウトによっては第１面あるいは第２面に１ページ分のみあるいは１ページも画像が印刷されない場合もある。なお、以下の説明では中綴じ製本用の印刷として図９（ｂ）に示すように１ページ目におもて表紙用の画像、２〜１５ページは見開き状態で１つの画像となる２ページ分の画像、１６ページ目が裏表紙用の画像を用いるものとする。これを印刷する際は、図９（ｃ）に示すように最も内側にくる８、９ページ以外は１ページ分ずつ組合せて印刷することになる。また、本来であれば第１面に印刷される全てのページの印刷を行ってから第２面の印刷を行うことになるが、以下では説明の簡単のため８、９ページ、６、１１ページを印刷したらシートを切断して第２面の５、１２ページ、７、１０ページの印刷を行うものとする。
【００４２】
そして、第２面への画像の印刷がなされ、カッタユニット１１０でカットされたシートは順次仕分けユニット１１４のトレーに排出される。
【００４３】
次に印刷データのＲＩＰ処理に関わる処理の詳細について説明する。図４は、ＲＩＰ処理の流れを説明するための図である。印刷ジョブ受信部４０２、ジョブ制御部４０３、画像処理送受信部４０５、ＵＩ制御部４０７、プリンタエンジン送信部４０８は、ＣＰＵ２０１が、ＲＯＭ２０２またはＨＤＤ２０４に格納されている制御プログラムを実行することで実現される機能である。インプットスプーラ４０１、アウトプットスプーラ４０４、ページスプーラ４０６はＨＤＤ２０４内に構築される。
【００４４】
印刷ジョブ受信部４０２は、外部Ｉ／Ｆ２０５を介してホスト装置２１１から送られてきた印刷ジョブを受信する。インプットスプーラ４０１は、印刷ジョブ受信部４０２が受信した印刷ジョブを格納する。印刷ジョブはインプットスプーラ４０１に格納された順などを示すパラメータ情報と対応付けられて記憶される。
【００４５】
ジョブ制御部４０３は、受け付けた印刷ジョブの処理を管理するとともに統括的に制御する。ジョブ制御部４０３は、ジョブ解析部４１１、ページ分割部４１２、実行制御部４１３を含む。ジョブ解析部４１１は、インプットスプーラ４０１に格納された印刷ジョブの内容を解析し、ジョブの優先度や出力シートサイズ、シート種、印刷モード（片面、両面、製本等）等を判定する。ページ分割部４１２は、複数ページで構成された印刷ジョブをページ単位（画像単位またはシート単位となることもある）に分割し、ページスプーラ４０６にページデータとして格納する。実行制御部４１３は、印刷ジョブの実行順の決定、ページデータの最適なＲＩＰ順の決定等を行う。
【００４６】
画像処理送受信部４０５は、ジョブ制御部４０３からの指示に基づき、決定されたＲＩＰ順に従って画像処理部２０６に対しページデータを送信し、ＲＩＰ処理を行わせる。また、画像処理送受信部４０５は、画像処理部２０６によって展開処理されたＲＩＰ済みデータをアウトプットスプーラ４０４に格納し、当該ＲＩＰ処理に用いたページデータをページスプーラ４０６から削除する。また、画像処理送受信部４０５は、受け付けた印刷ジョブの印刷が正常に終了した場合や印刷のキャンセルが指示された場合、ＲＩＰ済みデータをアウトプットスプーラ４０４から削除する。
【００４７】
ここでは、インプットスプーラ４０１、ページスプーラ４０６、アウトプットスプーラ４０６を別々の構成としたが、これらを統合して１つ、または２つとしてもよい。
【００４８】
プリンタエンジン制御部４０８は、ジョブ制御部４０３からの指示に基づいてＲＩＰ済みデータをエンジン制御部２０８に送信し、印刷を実行させる。全てのページが正常に印刷されるとジョブ制御部４０３はアウトプットスプーラ４０４から該当の印刷ジョブを削除する。
【００４９】
ＵＩ制御部４０７は、操作部２０６を介したユーザからの指示を受け付け、印刷ジョブの優先度を変更させたり、印刷ジョブをキャンセルさせたりする。印刷ジョブの優先度の変更やキャンセルは操作部２０６を介した指示の他、外部Ｉ／Ｆ２０５を介して接続されたホスト装置２１１からの指示によっても行うことが可能である。
【００５０】
次に複数の印刷ジョブを受け付け、順次処理が進行し、インプットスプーラ４０１、ページスプーラ４０６、アウトプットスプーラ４０４に格納される際の処理の流れを説明する。図５は、これを模式的に示した図である。
【００５１】
図５（ａ）は、通常優先度のＪＰＥＧのジョブデータ５０１（１２個のＪＰＥＧファイル）がまずインプットスプーラ４０１に入力され、その後、通常優先度の中綴じ製本が指定されたＰＤＦのジョブデータ５０２が入力された場合を示す。インプットスプーラ４０１に入力されたジョブデータは順次ページ単位でページスプーラ４０６に格納され、ＲＩＰ処理がなされると順次アウトプットスプーラ４０４に格納される。図中、５０３はジョブデータ５０１の各ページを指し、５０４はジョブデータ５０２がページ単位で分割されたページデータを指す。ページデータ５０４において、２、３ページ、４、５ページ、６、７ページ、８、９ページが連結されているのは、製本後の見開きが繋がった状態となる画像（１つの画像を分割して２ページとしたもの）であるためである。これらは印刷に際しては図９に示すように分離されて印刷される。おもて表紙、裏表紙となる画像はそれぞれ１ページ分、独立した画像である。また、図５（ａ）においてはジョブデータ５０１の４ページ目まで（５０６〜５０９）がＲＩＰ済みである。同一面に印刷される２ページ分の画像は連続して処理されるため、アウトプットスプーラにおいても２ページ分を１単位としてスプールされる。５０５、５１０はそれぞれ空き領域である。
【００５２】
図５（ｂ）は、通常優先度のＪＰＥＧのジョブデータ５０１が入力された後、高優先度の割込みジョブとして中綴じ製本が指定されたＰＤＦのジョブデータ５１２が入力された場合を示す。図５（ｂ）では、ジョブデータ５１１の３ページ目までＲＩＰ処理が終了したところ（５１６〜５１８）で、これより優先度の高いジョブデータ５１２のＲＩＰ処理に切り替えていることを示している。ジョブデータ５１２は図９において折り畳まれた場合に内側に来る画像から印刷させるため８、９ページ（５１９）からＲＩＰ処理が行われる。そして６、１１ページ（５２０）の印刷を行った後、第２面への印刷に切り替え、６、１１ページの反対面に５、１２ページの印刷を行うためこれらのＲＩＰ処理（５２１）を行うことを示している。２ページ分のページデータのＲＩＰ処理についてはページスプーラにおいてスプールした２ページ分の印刷データを半分に分割する処理が含まれる場合もある。ページスプーラにおいてスプールした２ページ分のページデータのＲＩＰ処理が終了したら該当するページデータは削除される（図中、８、９ページ目）。
【００５３】
図５（ｃ）は、通常優先度の中綴じ製本が指定されたＰＤＦのジョブデータ５３１が入力された後、高優先度の割込みジョブとして中綴じ製本が指定されたＰＤＦのジョブデータ５３２が入力された場合を示す。図５（ｃ）では、先行している通常優先度のジョブの５３１のＲＩＰ処理が５３６〜５３９まで終了していることを示している。
【００５４】
次に図５（ａ）〜図５（ｃ）に示した各状態における図４に示した各処理部の処理内容について説明する。図６（ａ）〜図６（ｃ）はそれぞれ図５（ａ）〜図５（ｃ）に対応する。
【００５５】
図６（ａ）において、印刷ジョブ受信部４０２は、印刷ジョブ５０１を受信し、インプットスプーラ４０１に格納した後（Ｓ２０１）、印刷ジョブ５０２を受信し、インプットスプーラ４０１に格納する（Ｓ２０２）。そしてページ分割部４１２はインプットスプーラ４０１に格納された印刷ジョブ５０１、５０２をページ単位に分割しページスプーラ４０６に格納する（Ｓ２０３、Ｓ２０４）。
【００５６】
実行制御部４１３は、印刷ジョブ５０１のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する（Ｓ２０５）。このとき、ここではページ分割部４１２が分割処理中ではないため、ページ分割部４１２に印刷ジョブ５０１のページ分割の指示を出す。そして実行制御部４１３は、印刷ジョブ５０２のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する（Ｓ２０６）。このとき、ここではページ分割部４１２は印刷ジョブ５０１のためのページ分割処理を実行中であるため、通常優先度の印刷ジョブ５０２のページ分割の指示は出さない。実行制御部４１３は印刷ジョブ５０１の全てのページデータがページスプーラ４０６に格納されたときに印刷ジョブ５０２のページ分割処理の指示を出す（Ｓ２０７）。
【００５７】
そして実行制御部４１３はページデータがページスプーラ４０６に格納されると、ＲＩＰ処理に必要なページが揃っているか判断し、揃っていると判断した場合、画像処理送受信部４０５に対してＲＩＰ処理の開始を指示する（Ｓ２０８）。
【００５８】
画像処理送受信部４０５は、印刷ジョブ５０１がページ単位に分割されてページスプーラ４０６に格納されると、そのページデータを画像処理部２０６に送信する。これにより印刷ジョブ５０１が展開（ＲＩＰ）され、ＲＩＰ済みデータが生成される。そして生成されたＲＩＰ済みデータは画像処理送受信部４０５においてアウトプットスプーラ４０４に格納される（Ｓ２０９）。また画像処理送受信部４０５は印刷ジョブ５０１のＲＩＰ処理が終了したときに、続いて印刷ジョブ５０２のＲＩＰ処理を開始させる。そして印刷ジョブ５０２のＲＩＰ済みデータもアウトプットスプーラ４０４に格納させる。以上の処理により印刷ジョブ５０１、５０２がＲＩＰ済みとなると印刷準備が完了となる。
【００５９】
以上のように図６（ａ）では、印刷ジョブの投入順に処理が進行する。
【００６０】
図６（ｂ）において、Ｓ２１１、２１２において印刷ジョブ受信部４０２が印刷ジョブ５１１、５２２をその受信順にインプットスプーラ４０１に格納するのは図６（ａ）の場合と同様である。しかし、図６（ｂ）の場合、ページ分割部４１２によって印刷ジョブ５１１のページ分割処理（Ｓ２１３）を行っている途中で、優先度の高い印刷ジョブ５１２を受信したので、印刷ジョブ５１１のページ分割処理を中断し、印刷ジョブ５１２のページ分割処理に切り替える（Ｓ２１４）。そして印刷ジョブ５１２のページ分割処理が終了したら中断していた印刷ジョブ５１１のページ分割処理を再開させる（Ｓ２１５）。
【００６１】
実行制御部４１３は、印刷ジョブ５１１のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する（Ｓ２１６）。このとき、ここではページ分割部４１２がページ分割処理中ではないため、ページ分割部４１２に印刷ジョブ５１１のページ分割の指示を出す。そして実行制御部４１３は、印刷ジョブ５１２のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する。このとき、ここでは印刷ジョブ５１２は優先度の高いジョブであるためページ分割部４１２に印刷ジョブ５１１のページ分割処理の中断を指示し、高優先の印刷ジョブ５１２のページ分割処理を指示する（Ｓ２１７）。そして印刷ジョブ５１２の全てのページデータがページスプーラ４０６に格納されると、ページ分割処理が中断されていた印刷ジョブ５１１のページ分割を再開させる（Ｓ２１８）。
【００６２】
そして実行制御部４１３は印刷ジョブ５１１のページデータがページスプーラ４０６に格納されると、ＲＩＰ処理に必要なページが揃っているか判断し、揃っていると判断した場合、画像処理送受信部４０５に対してＲＩＰ処理の開始を指示する（Ｓ２１９）。また実行制御部４１３は印刷ジョブ５１２のページデータがページスプーラ４０６に格納されると同様にＲＩＰ処理に必要なページが揃っているか判断する。Ｓ２２０では中綴じ製本用のページデータが揃っていないため、必要なページが揃っていないと判断し、ＲＩＰ処理の指示を出さない。そしてＳ２２１で印刷ジョブ５１２のＲＩＰ処理が開始できる状態になると、印刷ジョブ５１２のＲＩＰ処理を優先的に行うため、より優先度の低い印刷ジョブ５１１のＲＩＰ処理を中断させ、印刷ジョブ５１２のＲＩＰ処理に切り替える。以降、同様にして優先度の高い印刷ジョブ５１２のページデータがページスプーラ４０６に格納されるとＲＩＰ処理に必要なページが揃っているか判断し、揃っていると判断したらＲＩＰ処理の指示を行う。優先度の高い印刷ジョブ５１２のＲＩＰ処理が全て完了すると、続いて通常優先度の印刷ジョブ５１１のＲＩＰ処理を再開する（Ｓ２２２）。
【００６３】
画像処理送受信部４０５は、印刷ジョブ５１１がページ単位に分割されてページスプーラ４０６に格納されると、そのページデータを画像処理部２０６に送信する。これにより印刷ジョブ５１１が展開（ＲＩＰ）され、ＲＩＰ済みデータが生成される。そして生成されたＲＩＰ済みデータは画像処理送受信部４０５においてアウトプットスプーラ４０４に格納される（Ｓ２２３）。しかし、印刷ジョブ５１２は印刷ジョブ５１１よりも優先度が高いため、印刷ジョブ５１１の処理に割り込んで、先にＲＩＰ処理を完了させる。この場合にも展開対象となる印刷ジョブ５１２に基づくＲＩＰ済みデータがアウトプットスプーラ４０４に格納される（Ｓ２２４）。以上の処理を行い、印刷ジョブ５１２及び印刷ジョブ５１１がＲＩＰ済みとなると印刷準備が完了となる。
【００６４】
このように図６（ｂ）の場合には実行制御部４１３において、ページ分割処理の開始とＲＩＰ処理の開始をそれぞれ制御することで、印刷ジョブを受信した順番とは異なり、優先度の高い印刷ジョブが先に印刷準備完了となるようにしている。具体的には、ページ分割処理は即座に割込むが、ＲＩＰ処理についてはＲＩＰ処理に必要なページが揃ってから割り込むことでスループットの低下を防いでいる。
【００６５】
図６（ｃ）において、Ｓ２３１、２３２において印刷ジョブ受信部４０２が印刷ジョブ５３１、５３２をその受信順にインプットスプーラ４０１に格納するのは図６（ａ）、（ｂ）の場合と同様である。図６（ｃ）においては、ページ分割部４１２が印刷ジョブ５３１のページ分割処理を行っている途中で優先度の高い印刷ジョブ５３２が投入されたものとする。ここでは印刷ジョブ５３１と印刷ジョブ５３２がともにページ順の並び替えの必要な印刷ジョブ（中綴じ製本）であり、いずれもページ分割処理を完了させるまでＲＩＰ処理を開始できず、かつページスプーラ４０６をどれぐらい使用するかも判断できない。そのため印刷ジョブ５３１の処理を中断させ、後続の印刷ジョブ５３２を実行させても処理が滞ってしまうおそれがある。また、ページスプーラ４０６の空き容量を確保するために印刷ジョブ５３１の処理済みページデータを他の領域に退避させようとすると処理負荷が高くパフォーマンスが落ちてしまう。そこで、図６（ｃ）の場合、優先度の高い後続の印刷ジョブが投入されても先行している印刷ジョブのＲＩＰ処理を先に実行させる。
【００６６】
実行制御部４１３は、印刷ジョブ５３１のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する（Ｓ２３５）。このとき、ここではページ分割部４１２がページ分割処理中ではないため、ページ分割部４１２に印刷ジョブ５３１のページ分割の指示を出す。そして実行制御部４１３は、印刷ジョブ５３２のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する（Ｓ２３６）。ここでは実行制御部４１３は印刷ジョブ５３２の優先度の方が高いが、先行している印刷ジョブ５３１が中綴じ製本のための印刷ジョブであるため印刷ジョブ５３２を割り込ませずに印刷ジョブ５３１の処理を継続させることを決定する。そして印刷ジョブ５３１のページ分割処理が終了すると、続いて印刷ジョブ５３２のページ分割処理を開始させる（Ｓ２３７）。また実行制御部４１３は印刷ジョブ５３１のページ分割処理が終了していると判断した場合、印刷ジョブ５３１のページデータのＲＩＰ処理を開始させる（Ｓ２３９）。
【００６７】
画像処理送受信部４０５は、印刷ジョブ５３１がページ単位に分割されてページスプーラ４０６に格納されると、そのページデータを画像処理部２０６に送信する。これにより印刷ジョブ５３１が展開（ＲＩＰ）され、ＲＩＰ済みデータが生成される。そして生成されたＲＩＰ済みデータは画像処理送受信部４０５においてアウトプットスプーラ４０４に格納される（Ｓ２４０）。これによって印刷ジョブ５３１の印刷準備が完了となる。そして同様に印刷ジョブ５３２についても同様にＲＩＰ処理を実行しＲＩＰ済みデータをアウトプットスプーラ４０４に格納し、印刷準備が完了となる。
【００６８】
このように図６（ｃ）の場合、ページ分割処理とＲＩＰ処理の開始をし、ページスプーラの使用領域が大となる可能性が高い場合に、割込みを禁止し先行している印刷ジョブをそのまま実行させることにより、全体としてのスループットを向上させることができる。
【００６９】
なお、ページ分割部４１２によるページ分割処理により、各印刷ジョブがどれだけの量であるかが判定できるので、この結果により後続の優先度の高い印刷ジョブを先に実行できる場合があるため、この場合には印刷ジョブ５３２のＲＩＰ処理を先に行い、先に印刷されるようにしてもよい。
【００７０】
また、図６（ｃ）の場合、印刷ジョブ５３２の実行指示を受けた場合、割込みができない旨を操作部２０６へ表示することによりユーザに通知し、当該印刷ジョブの実行の要否をユーザに選択させるようにしてもよい。また、強制的に印刷ジョブ５３１よりも先に印刷ジョブ５３２を実行させるようにしてもよい。
【００７１】
次に図７、８を用いて以上の印刷ジョブの処理の流れの詳細について説明する。図７、８のフローチャートは、ＣＰＵ２０１が、ＲＯＭ２０２またはＨＤＤ２０４に格納されている制御プログラムをＲＡＭ２０３にロードし、それを実行することにより行われる処理の流れを示す。
【００７２】
図７は、印刷ジョブのページ分割処理の流れを示すフローチャートである。ページ分割処理は、印刷ジョブがインプットスプーラ４０１に投入されると開始される。ページ分割処理が開始されると、ジョブ制御部４０３は、投入された印刷ジョブの全ての印刷ジョブが処理されるまでＳ３０１〜Ｓ３２０の処理を繰り返し行う。
【００７３】
Ｓ３０１では、ジョブ制御部４０３は、ページ分割処理中の印刷ジョブが存在するかどうかを判断する処理を行う。ここで、ページ分割処理中の印刷ジョブが存在しないと判断されれば（Ｓ３０１でＮＯ）、ジョブ制御部４０３は、投入された印刷ジョブについて、全てのページを分割する処理を実施する（Ｓ３１０〜Ｓ３２０）。一方、ページ分割処理中の印刷ジョブが存在すると判断されれば（Ｓ３０１でＹＥＳ）、ジョブ制御部４０３は、新たに投入された印刷ジョブがページ分割中の印刷ジョブよりも優先して処理すべきかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０２）。Ｓ３０２でジョブ制御部４０３は、新たに投入された印刷ジョブとページ分割中の印刷ジョブの優先度を比較する。例えば、印刷ジョブに割込み設定がなされている場合に印刷ジョブの優先度を高いと判断する。
【００７４】
ここで、新たに投入された印刷ジョブがページ分割中の印刷ジョブよりも低い優先度と判断されると（Ｓ３０２でＮＯ）、新たに投入された印刷ジョブのページ分割処理を保留して待たせる処理を行う（Ｓ３０３）。ページ分割処理を保留された印刷ジョブは、現在処理中のページ分割が終了すると、保留されている印刷ジョブの中で一番優先度の高い印刷ジョブのページ分割処理を再開する処理を行う。一方、新たに投入された印刷ジョブがページ分割中の印刷ジョブよりも高い優先度と判断されると（Ｓ３０２でＹＥＳ）、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式かどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０４）。ここでは、説明を簡略化するために単純に中綴じ形式かどうか判断するものとするが、ページ分割を終えた後、ページの並び順を変更してＲＩＰ処理する他のジョブでも同様である。
【００７５】
ここで、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式と判断されると（Ｓ３０４でＹＥＳ）、新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式かどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０５）。一方、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式でない判断されると（Ｓ３０４でＮＯ）、ページ分割中の印刷ジョブが印刷中かどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０６）。
【００７６】
新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式であると判断されると（Ｓ３０５でＹＥＳ）、新たに投入された印刷ジョブのページ分割処理を保留して待たせる処理を行う（Ｓ３０３）。一方、新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式でないと判断されると（Ｓ３０５でＮＯ）、ページデータを保存するためのページスプーラ４０６の空き領域が十分にあるかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０７）。空き領域が十分に存在するかどうかは、例えばページ分割処理において、１ページ目からページデータをページスプーラ４０６に格納する場合には、ＲＩＰ処理を開始するまで十分にページデータを格納できるだけの領域があるかどうかで判断する。他の例として、ページ分割処理において任意のページデータをページスプーラ４０６に格納する場合には、ＲＩＰ処理に必要なページデータ数分の空き領域があるかどうかであってもよい。また、同時処理可能な印刷ジョブ数に応じて決定してもよく、静的に決めてもよく、印刷装置１００の状態に応じて動的に変更してもよいものとする。
【００７７】
ここで、ページスプーラ４０６の空き領域が十分に存在すると判断されると（Ｓ３０７でＹＥＳ）、ページ分割中の印刷ジョブの処理を中断する処理を行う（Ｓ３０９）。一方、ページスプーラ４０６の空き領域が十分に存在しないと判断されると（Ｓ３０７でＮＯ）、新たに投入された印刷ジョブのページ分割処理を保留して待たせる処理を行う（Ｓ３０３）。
【００７８】
また、ページ分割中の印刷ジョブが印刷中であると判断されると（Ｓ３０６でＹＥＳ）、新たに投入された印刷ジョブのページ分割処理を保留して待たせる処理を行う（Ｓ３０３）。一方、ページ分割中の印刷ジョブが印刷中でないと判断されると（Ｓ３０６でＮＯ）、新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式かどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０８）。
【００７９】
ここで、新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式であると判断されると（Ｓ３０８でＹＥＳ）、ページデータを保存するためのページスプーラ４０６の空き領域が十分にあるかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０７）。新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式でないと判断されると（Ｓ３０８でＮＯ）、ページ分割中の印刷ジョブの処理を中断する処理を行う（Ｓ３０９）。
【００８０】
ジョブ制御部４０３は、印刷ジョブが投入されると、全てのページが分割されるまでＳ３１１〜Ｓ３１９を繰り返す。ジョブ制御部４０３は、１ページ分のページデータを格納するための空き領域が存在するかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３１１）。ここで、空き領域が存在すると判断されると（Ｓ３１１でＹＥＳ）、ジョブ制御部４０３は、ページ分割処理を行い、ページスプーラ４０６の空き領域にページデータを格納する処理を行う（Ｓ３１２）。一方、空き領域が存在しないと判断されると（Ｓ３１１でＮＯ）、ジョブ制御部４０３は、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式の印刷ジョブであるかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３１３）。
【００８１】
ここで、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式でないと判断されると（Ｓ３１３でＮＯ）、ジョブ制御部４０３は、空き領域が生じるまで待つ処理をする（Ｓ３１４）。一方、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式であると判断されると（Ｓ３１３でＹＥＳ）、ジョブ制御部４０３は、投入されている印刷ジョブについて、ＲＩＰ処理を開始可能な印刷ジョブが存在するかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３１５）。
【００８２】
ここで、ＲＩＰ処理を開始可能な印刷ジョブが存在すると判断された場合は（Ｓ３１５でＹＥＳ）、ジョブ制御部４０３は、空き領域が生じるまで待つ処理をする（Ｓ３１４）。一方、ＲＩＰ処理を開始可能な印刷ジョブが存在しないと判断された場合は（Ｓ３１５でＮＯ）、ジョブ制御部４０３は、ページ分割処理をキャンセルする処理を行う（Ｓ３１６）。
【００８３】
ジョブ制御部４０３は、以降のページ分割処理について、印刷ジョブがページデータをスプール領域に格納する度にＲＩＰ処理可能なページデータが揃うかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３１７）。ここで、以降のページ分割処理について、印刷ジョブがページデータをページスプーラ４０６に格納する度にＲＩＰ可能なページデータが揃うと判断すると（Ｓ３１７でＹＥＳ）、優先度の高い印刷ジョブを待たせているかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３１８）。
【００８４】
ここで、優先度の高い印刷ジョブを待たせていると判断すると（Ｓ３１８でＹＥＳ）、優先度の高い印刷ジョブのページ分割処理を開始する処理を行う（Ｓ３１９）。なお、ここでは、ページ分割処理中の印刷ジョブと並行して処理を開始するように説明しているが、通常優先度の印刷ジョブの処理を中断して、優先度の高い処理のみを先にページ分割処理してもよい。
【００８５】
ジョブ制御部４０３は、投入された全ての印刷ジョブに対して、全てページ分割が完了しているかどうかを判断し（Ｓ３２０）、全て完了すると本シーケンスを終了する。
【００８６】
以上のように、ページデータが揃う順番とＲＩＰ処理可能な順番が同じ場合と異なる場合で、ページ分割処理の割込み方法を異ならせる。これにより、ページデータを退避することなく、割込みジョブ投入時におけるトータルでのスループットを向上させる。
【００８７】
次に、図８を用いて、ＲＩＰ処理の流れの一例について説明する。印刷ジョブが投入されてページスプーラ４０６にページデータが格納されるとＲＩＰ処理が開始される。ＲＩＰ処理が開始されると、ジョブ制御部４０３は、ページスプーラ４０６内の全てのページデータが処理されるまでＳ４０１〜Ｓ４０７の処理を繰り返し行なう。
【００８８】
Ｓ４０１でジョブ制御部４０３は、ＲＩＰに必要なページデータがそろっているかどうかを判断する処理を行う。ここで、ＲＩＰに必要なページデータがそろっていると判断されると（Ｓ４０１でＹＥＳ）、ジョブ制御部４０３は、ＲＩＰ指示中の印刷ジョブの中で優先度の低い印刷ジョブが存在するかどうかを判断する処理を行う（Ｓ４０２）。一方、ＲＩＰ処理に必要なページデータがそろっていないと判断されると（Ｓ４０１でＮＯ）、ＲＩＰ処理を中断した印刷ジョブが存在するかどうかを判断する処理を行う（Ｓ４０３）。
【００８９】
ジョブ制御部４０３は、ＲＩＰ指示中の印刷ジョブの中で優先度の低い印刷ジョブが存在すると判断すると（Ｓ４０２でＹＥＳ）、優先度の低い印刷ジョブのＲＩＰを中断する（Ｓ４０４）。一方、ＲＩＰ指示中の印刷ジョブの中で優先度の低い印刷ジョブが存在しない場合は（Ｓ４０２でＮＯ）、処理をスキップする。そしてＳ４０５においてジョブ制御部４０３は、ページデータを画像処理送受信部４０５に送りＲＩＰ処理を開始させる。またジョブ制御部４０３は、ＲＩＰを中断した印刷ジョブが存在すると判断すると（Ｓ４０３でＹＥＳ）、中断した印刷ジョブのＲＩＰを再開する（Ｓ４０６）。一方、ＲＩＰを中断した印刷ジョブが存在しない場合は（Ｓ４０３でＮＯ）、ページデータがそろうまで待つ処理を行う（Ｓ４０７）。そして以上の処理によりＲＩＰ処理が行われると、順次エンジン制御部２０８による制御に基づきシートへの画像の印刷が実行される。
【００９０】
以上のように、優先度の高い印刷ジョブをページ分割処理などのリソース制約の厳しい期間だけ優先度を一時的に落とすことで、印刷ジョブのスムーズなＲＩＰ処理と優先度制御を実現し、トータルでのスループットの向上を実現する。
【００９１】
なお、以上の説明において、印刷を行う部分を除いた、印刷順序のスケジューリングや割込みの可否の決定等の処理をホスト装置や外付けコントローラなどの外部装置で実現し、それに従って画像形成装置に印刷を実行させるようにしてもよい。その際、外部装置は画像形成装置からステータス（現在の印刷状況等の情報）を取得して印刷順序や割込みタイミングを決定することが好ましい。
【００９２】
また、以上の実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア（プログラム）を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ（またはＣＰＵやＭＰＵ等）がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムは、１つのコンピュータで実行させても、複数のコンピュータが連動して実行するようにしてもよい。また、上記した処理の全てをソフトウェアで実現する必要はなく、一部または全部をハードウェアによって実現するようにしてもよい。
【００９３】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形（他の実施形態への応用、他の実施形態との組合せ等を含む）も可能である。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複数の印刷ジョブの処理を行わせることができる印刷制御装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、先行している印刷ジョブの印刷処理を中断させ、後続の印刷ジョブを先に印刷させる割込み印刷が知られている。この場合、先行している印刷ジョブを記憶装置において保持させておき、後続の印刷ジョブを実行させる（特許文献１参照）。
【０００３】
また、印刷処理の方法として、中綴じ製本印刷が知られている。中綴じ製本では、１枚のシートの同一面に２ページ分の画像を印刷する。それを複数枚重ねて折り畳み、中央部を綴じることによって最終的な製本処理が完成する。例えば、図９に示すように１６ページ分の画像を中綴じ製本印刷させる場合、１ページ目から順に印刷データを入力させてもすぐには印刷を開始できない。例えば、最も内側に来るページから印刷させる場合でも９ページ目の準備ができるまで印刷が行えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００７−３０２５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述の中綴じ製本等のように入力されたページ順に印刷処理が行えないような印刷ジョブを割り込ませる場合、印刷開始に必要なページが揃うまで記憶装置に印刷データを記憶させておく必要がある。しかしながら、このとき記憶装置の空き容量が不足していた場合、割込み印刷を実行することができなくなってしまう。そのため、場合によっては割込み印刷のための処理を開始した後、記憶装置の空き容量不足のため処理が滞ってしまい、結果として全ての印刷ジョブの進行に影響を及ぼしてしまう。
【０００６】
特許文献１では、記憶装置の空き容量が不足していた場合、先行していた印刷ジョブを補助記憶装置に退避させ、空いた記憶領域を用いて割込み印刷をさせるようにしている。
【０００７】
しかしながら、特許文献１のように先行していた印刷ジョブを退避させる場合、この退避の処理及び退避していた印刷ジョブを戻すために時間がかかってしまったり処理負荷が高くなってしまったりする。また、予め割込み印刷ジョブで使用する記憶装置の容量が分からないこともあるため、先行している印刷ジョブを退避させることによって割込み印刷を開始できるかどうかも判断できないこともある。
【０００８】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであり、先行ジョブのための処理中に後続の印刷ジョブが入力された場合、効率的に印刷処理を実行させることのできる印刷制御装置、方法及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するため、本発明の印刷制御装置は、複数ページを有する印刷ジョブを入力する入力手段と、前記入力手段で入力された印刷ジョブをページ単位のページデータに分割し、メモリに保持させる分割手段と、前記分割手段で分割されたページデータを印刷順序に従って印刷を実行させる印刷制御手段と、前記入力手段により入力された先行ジョブが前記分割手段による処理実行中に当該先行ジョブより優先度の高い後続ジョブが前記入力手段により入力された場合、当該後続ジョブを待機させて前記先行ジョブの前記分割手段による処理を継続させる制御手段とを有する。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、先行ジョブのための処理中に優先度の高い印刷ジョブが入力された場合であっても先行ジョブの処理を継続させ、複数の印刷ジョブを効率的に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の実施形態の一例である画像形成装置の構成を示す図である。
【図２】図１の画像形成装置の制御に関わる構成を示すブロック図である。
【図３】本実施形態によるシートの両面への印刷のための処理の流れを示すフローチャートである。
【図４】本実施形態によるＲＩＰ処理の流れを説明するための図である。
【図５】本実施形態による印刷ジョブにおける処理の流れを説明するための図である。
【図６】本実施形態による印刷ジョブの処理のための各処理部の処理を説明するための図である。
【図７】本実施形態によるページ分割処理の流れを示すフローチャートである。
【図８】本実施形態によるＲＩＰ処理の流れを示すフローチャートである。
【図９】中綴じ製本のための印刷処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、この実施の形態で用いる装置の各構成要素の相対配置、装置形状等は、あくまで例示であり、それらのみに限定するものではない。
【００１３】
図１は、本実施形態における印刷制御装置の一例となる画像形成装置の概略構成を示す図である。図１の画像形成装置は、外部装置から受信したデータに基づく画像を印刷する印刷機能のみを有したものを示すが、これに限らず、原稿上の画像を読取る読取装置をさらに備えて複写機として機能するものや他の機能を加えた複合装置としてもよい。また、印刷処理を行う記録材（被記録媒体または記録シート）としてロールシートを用いたものを例に説明する。このロールシートは連続シートの例であるが、同一面への複数ページ分の印刷を途中で切断せずに続けて行える長尺の連続シートであれば、ロール状となったものには限らない。また、連続シートの切断は、画像形成装置が自動的に切断するものであってもよいし、ユーザがマニュアル指示を行って切断するものであってもよい。記録材の材質も紙には限らず、印刷処理可能なものであれば種々のものを用いることができる。また、画像形成装置は、連続シートへの印刷のみではなく、所定のサイズに予めカットされたカットシートへの印刷をも可能な画像形成装置としてもよい。また、印刷方式は後述する画像印刷用液体インクを用いたインクジェット方式による画像の印刷には限らない。記録材に付与する記録剤として固形インクを用いてもよいし、トナーを用いた電子写真方式や昇華方式、熱転写方式、ドットインパクト方式など種々のものを採用可能である。また、複数色の記録剤を用いたカラー記録を行うものには限らず、黒色（グレーを含む）のみによるモノクロ記録を行うものとしてもよい。また、印刷は、可視画像の印刷には限らず、不可視もしくは視認が困難な画像の印刷としてもよいし、一般的な画像以外の、例えば配線パターン、部品の製造における物理的パターン、ＤＮＡの塩基配列等のプリントなど種々のものの印刷としてもよい。つまり、記録剤を記録材に付与可能なものであれば種々のタイプの記録装置に適用可能である。また、図１の画像形成装置と接続された外部装置からの指示で当該画像形成装置における印刷処理の動作を制御させる場合、この外部装置が印刷制御装置となる。
【００１４】
図１は、記録材としてロールシート（搬送方向において印刷単位（１ページ）の長さよりも長い連続した連続シート）を用いた画像形成装置の全体構成の概略を示す断面図である。画像形成装置は、以下の構成要素１０１〜１１５を含み、これらが１つの筐体内に配置される。ただし、これらの構成要素を複数の筐体に分けて構成してもよい。
【００１５】
制御ユニット１０８は、コントローラ（ＣＰＵまたはＭＰＵを含む）やユーザインターフェース情報の出力器（表示情報や音響情報などの発生器）、各種Ｉ／Ｏインターフェースを備えた制御部を内蔵し、画像形成装置全体の各種制御を司る。
【００１６】
ロールシートを保持し、そして供給するユニットとして上段シートカセット１０１ａと下段シートカセット１０１ｂの２基を備える。使用者はロールシート（以下、シート）をマガジンに装着してから画像形成装置本体に装填する。上段シートカセット１０１ａから引き出されたシートは図中ａ方向に、下段シートカセット１０１ｂから引き出されたシートは図中ｂ方向にそれぞれ搬送される。いずれのカセットからのシートも図中ｃ方向に進行して搬送ユニット１０２に到達する。搬送ユニット１０２は、複数の回転ローラ１０４を通して印刷処理中にシートを図中ｄ方向（水平方向）に搬送する。供給元のシートカセットを一方から他方に切り替える際は、既に引き出されているシートをカセット内に巻き戻し、新たに給紙させるシートがセットされているカセットから新たに供給する。また、一連の印刷処理を終えたときも既に引き出されているシートをカセット内に巻き戻し、新たな印刷ジョブが受け付けられると、カセットから新たにシートを供給する。
【００１７】
搬送ユニット１０２の上方にはヘッドユニット１０５が搬送ユニット１０２と対向して配置される。ヘッドユニット１０５では複数色（本実施形態では７色）分の独立した印刷ヘッド１０６がシートの搬送方向に沿って保持されている。本例ではＣ（シアン）、Ｍ（マゼンタ）、Ｙ（イエロー）、ＬＣ（ライトシアン）、ＬＭ（ライトマゼンタ）、Ｇ（グレー）、Ｋ（ブラック）の７色に対応した７つの印刷ヘッドを有す。もちろん、これら以外の色を用いたものでもよいし、これらの全てを用いる必要もない。本画像形成装置は、搬送ユニット１０２によるシートの搬送に同期させて、印刷ヘッド１０６からインクを吐出させてシート上に画像を形成する。なお、印刷ヘッド１０６はインクの吐出先が回転ローラ１０４と重ならない位置に配置される。インクはシートに直接吐出させるのに代え、中間転写体にインクを付与した後、そのインクをシートに付与することによって画像を形成させるものとしてもよい。
【００１８】
これら搬送ユニット１０２、ヘッドユニット１０５、印刷ヘッド１０６を含んで本実施形態の印刷用ユニットが構成されている。インクタンク１０９は各色のインクを独立して貯蔵する。インクタンク１０９からはチューブによって各色に対応して設けられたサブタンクまでインクが供給され、サブタンクから各印刷ヘッド１０６までチューブを介してインクが供給される。印刷ヘッド１０６は、印刷時の搬送方向ｄ方向に沿って各色用のラインヘッドが並んでいる。各色のラインヘッドは、継ぎ目無く単一のノズルチップで形成されたものであってもよいし、分割されたノズルチップが一列又は千鳥配列のように規則的に並べられたものであってもよい。本実施形態では、本装置が使用可能な最大サイズのシートの印刷領域の幅分をカバーする範囲にノズルが並んでいる所謂フルマルチヘッドとする。ノズルからインクを吐出するインクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、ＭＥＭＳ素子を用いた方式等を採用することができる。印刷データに基づいて各ヘッドのノズルからインクが吐出されるが、吐出のタイミングは搬送用エンコーダ１０３の出力信号によって決定される。
【００１９】
シートに画像が形成された後、当該シートは搬送ユニット１０２から、スキャナユニット１０７まで搬送される。スキャナユニット１０７では、シート上の印刷画像や特殊パターンを光学的に読取って印刷画像に問題がないかどうかの確認や、インクの吐出状態を含む本装置の状態確認等を行う。印刷画像の確認方法としてはヘッドの状態の確認するためのパターンを読み込むことによるインクの吐出状態を確認するものでもよいし、元画像との比較を行うことによる印刷の成否を確認するものでもよい。確認の方法は種々のものの中から適宜選択することが可能である。
【００２０】
シートはスキャナユニット１０７近傍からｅ方向に搬送され、カッタユニット１１０に導入される。カッタユニット１１０ではシートを所定の印刷単位の長さ毎に切断する。印刷する画像サイズに応じてこの所定の印刷単位の長さは異なる。例えばＬ版サイズの写真では搬送方向の長さは１３５ｍｍ、Ａ４サイズでは搬送方向の長さは２９７ｍｍとなる。カッタユニット１１０は、片面印刷の場合はページ単位でシートを切断するが、印刷ジョブの内容によってはページ単位で切断しない場合もある。また、カッタユニット１１０は両面印刷の場合、シートの第１面（先に印刷が行われる面。たとえばおもて面）はページ単位で切断せずに所定の長さ分まで画像を連続して印刷し、第２面（後に印刷が行われる面。たとえば裏面）を印刷した場合にページ単位で切断する。なお、カッタユニット１１０は、片面印刷や両面印刷の裏面印刷に際し、１枚の画像毎に切断するものに限らない。所定の長さ分搬送されるまで切断せず、所定の長さまで搬送された後で切断し、１枚（１頁）の画像毎に切り離すのは別のカッタ装置で手動操作等によって切断するものとしてもよい。またシートの幅方向に関しては、切断が必要な場合、別のカッタ装置を用いて切断することになる。
【００２１】
カッタユニット１１０から搬送されたシートは、ユニット内を図中ｆ方向に搬送され、裏面印字ユニット１１１に搬送される。裏面印字ユニット１１１は、シートの片面のみに画像を印刷する場合に、シートの裏面に所定の情報を印刷させるためのユニットである。シートの裏面に印刷する情報としては、印刷画像毎に対応した文字、記号、コード等の情報（例えば、オーダー管理用番号等）が含まれる。裏面印字ユニット１１１は、印刷ヘッド１０６が両面印刷の印刷ジョブのための画像を印刷する場合、印刷ヘッド１０６が画像を印刷する領域以外に上記のような情報を印刷する。裏面印字ユニット１１１は、記録剤の押印、熱転写、インクジェットなどの方式を採用可能である。
【００２２】
裏面印字ユニット１１１を通ったシートは、次に乾燥ユニット１１２に搬送される。乾燥ユニット１１２は、インクが付与されたシートを短時間で乾燥させるために、ユニット内を図中ｇ方向に通過するシートを温風（加温された気体（空気））で加熱するユニットである。なお、乾燥の方法は温風を用いるのに代え、冷風、ヒーターによる加温、待機させることのみによる自然乾燥、紫外光等の電磁波の照射など種々のものも採用可能である。印刷単位長さに切断されたシートは１枚ずつ乾燥ユニット１１２内を通過して、図中ｈ方向に搬送されて仕分けユニット１１４に搬送される。
【００２３】
仕分けユニット１１４は、複数のトレー（本実施形態では１８個）を保持しており、印刷単位の長さ等に応じでシートの排出先のトレーを区別する。各トレーにはトレー番号が割り当てられている。仕分けユニット１１４では、ユニット内を図中ｉ方向に通過するシートを、各トレー上に設けられたセンサでトレーの空きやシートが満載か否かなどを確認しながら印刷画像毎に設定されたトレー番号に対応するトレーに排出していく。切断されたシートの排出先となるトレーは、印刷ジョブの発行元（ホスト装置）で特定のものが指定される場合や、画像形成装置側で空いているトレーが任意に指定される場合がある。１つのトレーには予め決められた枚数まで排出可能である。この予め決められた枚数を超える印刷ジョブの場合、複数のトレーに跨って排出される。トレーに対して排出可能なシートの枚数やサイズ、種類などは、そのトレーの大きさ（タイプ）等によって異なっている。図１において縦（上下）に並んでいるトレー（以下、大トレー）群は大サイズ（Ａ４サイズ等、Ｌ版サイズより大きいもの）のシート、小サイズ（Ｌ版サイズ）の両方のシートの排出が可能である。また、横（左右）に並んでいるトレー（以下、小トレー）群は小サイズ（Ｌ版サイズ）のシートの排出が可能であるが大サイズのシートの排出はできない。そして、大トレーの方が小トレーより排出可能なシートの出力枚数が多い。また、シート排出中や排出完了等の状態は、表示器を用いてユーザが識別可能にする（例えば、ＬＥＤ等を用いる）。例えば、トレーのそれぞれに互いに異なる色で発光する複数のＬＥＤを設け、点灯しているＬＥＤの色や点灯状態か点滅状態かなどによって各トレーの種々の状態をユーザに通知可能である。また、複数のトレーのそれぞれには優先順位を付すことができ、画像形成装置は、印刷ジョブを実行するにあたり、空いている（シートが存在しない）トレーを、優先順位に従って順にシートの排出先として割り当てていく。デフォルトでは、大トレーは上のトレーほど優先順位が高く、小トレーは左側ほど優先順位が高い。また大トレーより、小トレーの優先順位が高い。この優先順位はユーザがシートを取り出しやすい位置の優先順位を予め高く設定しておいてもよい。またユーザによる操作等で適宜変更可能なものとしてもよい。
【００２４】
シート巻取りユニット１１３は、回転動作により、ページ毎に切断されずにおもて面が印刷されたシートの巻取りを行う。両面印刷の際にはまずおもて面に画像形成が行われたシートを、カッタユニット１１０でページ単位では切断せず、連続したおもて面の印刷が終了した後に切断する。おもて面が印刷されたシートは、ユニット内を図中のｊ方向に通過し、シート巻取りユニット１１３が巻取る。そして、一連のページ分のおもて面の画像形成が終了して、巻き取られたシートは、先のおもて面とは反対面を印刷可能な面にして、つまり印刷ヘッド１０６に対向させる面を反転させて、再度ユニットの図中のｋ方向に搬送される。このように搬送させることで、先のおもて面とは反対の裏面の画像の印刷を行わせる。通常の片面印刷の場合は、画像が印刷されたシートは、シート巻取りユニット１１３による巻取りを行わせずに仕分けユニット１１４に搬送される。
【００２５】
このように、両面印刷の際は、シート巻取りユニット１１３を用いてシートの巻取りを行い、シートを反転させて裏面の印刷を行うため、片面印刷のときと両面印刷のときとでは仕分けユニット１１４への排出の際のシートの面が異なる。即ち、片面印刷の場合はシート巻取りユニット１１３を用いたシートの反転が行われないので、先頭ページの画像が印刷されたシートは先頭ページの画像が下を向いた状態で排出される。そして１つの印刷ジョブが複数ページあるジョブの場合、先頭ページのシートからトレーに排出され、以後後続のページへと順次排出されシートが重なっていく。このような排出をフェイスダウン排出と呼ぶ。一方、両面印刷の場合はシート巻取りユニット１１３を用いたシートの反転が行われるので、先頭ページの画像が印刷されたシートは先頭ページの画像が上を向いた状態で排出される。そして１つの印刷ジョブが複数枚のシートの出力を行うジョブの場合、最後のページを含むシートからトレーに排出され、以後若いページのシートへと順次排出されシートが重なっていき、最終的に先頭ページの画像が印刷されたシートが排出される。このような排出をフェイスアップ排出と呼ぶ。なお、片面印刷の場合と両面への印刷の場合とで排出の際のシートの面を同じ（フェイスアップまたはフェイスダウンに統一）とすべく、片面印刷時と両面への印刷時とで第１面の印刷順序（降順とするか昇順とするか）を変えるよううにしてもよい。
【００２６】
操作ユニット１１５は、ユーザが種々の操作を行ったり、ユーザに種々の情報を通知したりするためのユニットである。例えば、ユーザに指定された画像が印刷されたシートはどこのトレーに積載されているか、あるいは当該画像が印刷中か印刷終了かなど、オーダー毎の印刷状況の確認が可能である。また、インク残量や、シートの残量等、装置の各種状態の確認、ヘッドクリーニング等の装置メンテナンスの実施の指示を行うためにユーザが操作／確認可能である。
【００２７】
なお、本実施形態の画像形成装置は、製本印刷が指示された場合、指定された製本の内容に応じた印刷を行うが、製本自体の処理は他の装置にて行う。即ち、例えば、中綴じ製本印刷が指示された場合、第２面への印刷が行われると、２ページ分を単位としてシートを切断させる。このときの印刷順序は図９（ａ）に示すような順序で印刷済みのシートが積み重なるようにする。そしてこれを複数枚重ねた状態で製本機にて中央部への綴じ処理を行うとともに折り畳み処理を行わせる。他の製本印刷（くるみ製本等）においても同様に画像形成装置では製本の種類に応じた配置で画像を印刷させ、これによって得た印刷物を製本機で製本処理させる。ただし、画像形成装置に製本機の機能も設けることによって自動的に最終的な製本結果を画像形成装置によって得られるようにしてもよい。
【００２８】
図２は、図１で示した画像形成装置における制御に関わる構成の一例を説明するためのブロック図である。画像形成装置２００は図１に示した画像形成装置である。
【００２９】
ＣＰＵ２０１、ＲＯＭ２０２、ＲＡＭ２０３、画像処理部２０７、エンジン制御部２０８、スキャナ制御部２０９が主に制御ユニット１０８に含まれる。そして、制御ユニット１０８にＨＤＤ２０４、操作部２０６、外部Ｉ／Ｆ２０５などがシステムバス２１０を介して接続される。
【００３０】
ＣＰＵ２０１は、マイクロプロセッサ（マイクロコンピュータ）形態の中央演算処理部であり、図１の制御ユニット１０８に含まれる。ＣＰＵ２０１は、プログラムの実行やハードウェアの起動により画像形成装置２００全体の動作を制御する。ＲＯＭ２０２は、ＣＰＵ２０１が実行するためのプログラムや画像形成装置２００の各種動作に必要な固定データを格納する。ＲＡＭ２０３は、ＣＰＵ２０１がワークエリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。ＨＤＤ２０４は、ＣＰＵ２０１が実行するためのプログラム、印刷データ、画像形成装置２００の各種動作に必要な設定情報を、内蔵するハードディスクに記憶させたり、読み出したりすることが可能である。また、ＣＰＵ２０１は、印刷ジョブが入力されるとＨＤＤ２０４内のジョブキューに受け付けた印刷ジョブを特定可能なＩＤをセットし、印刷順序の管理を行う。なお、ＨＤＤ２０４に代えて、他の大容量記憶装置としてもよい。
【００３１】
操作部２０６は、ユーザが種々の操作を行うためのハードキーやタッチパネル、またユーザに種々の情報を提示（通知）するための表示部を含み、図１の操作ユニット１１５に対応するものである。またユーザへの情報の提示は音声発生器からの音響情報に基づく音響（ブザー、音声等）を出力することによっても行うこともできる。
【００３２】
画像処理部２０７は、画像形成装置２００で扱う印刷データ（例えば、ページ記述言語で表されたデータ）のレンダリング処理（ＲＩＰ（Ｒａｓｔｅｒ Ｉｍａｇｅ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ）処理）を行う。そして、このＲＩＰ処理によって画像データ（ビットマップ画像）への展開（変換）や画像処理を行う。ＲＩＰ処理に際しては複数ページで構成された印刷データ（例えばＰＤＦ（Ｐｏｒｔａｂｌｅ Ｄｏｃｕｍｅｎｔ Ｆｏｒｍａｔ）やＸＰＳ（ＸＭＬ Ｐａｐｅｒ Ｓｐｅｃｉｆｉｃａｔｉｏｎ））を入力した場合、まずこれをページ毎に分割する。その後分割された各ページの印刷データを、印刷順に応じたページ単位でＲＩＰ処理する。ＪＰＥＧ（Ｊｏｉｎｔ Ｐｈｏｔｇｒａｐｈ Ｅｘｐｅｒｔ Ｇｒｏｕｐ）のような複数ページで構成されない印刷データが入力された場合、ページ毎に分割する処理は含まれない。入力された印刷データに含まれる画像データの色空間（たとえばＹＣｂＣｒ）を、標準的なＲＧＢ色空間（たとえばｓＲＧＢ）に変換する。また、画像データに対し、有効な（画像形成装置２００が印刷処理可能な）画素数への解像度変換、画像解析、画像補正等、様々な画像処理が必要に応じて施される。これらの画像処理によって得られた画像データ（ＲＩＰ済みデータ）は、ＲＡＭ２０３または、ＨＤＤ２０４に格納される。
【００３３】
エンジン制御部２０８は、ＣＰＵ２０１等から受信した制御コマンドに応じて、印刷データに基づく画像をシート上に印刷する処理の制御を行う。各色の印刷ヘッド１０６へのインク吐出指示や、記録媒体上でのドット位置（インクの着弾位置）を調整するための吐出タイミング設定、ヘッド駆動状態取得に基づく調整等を行う。印刷データに応じて印刷ヘッドの駆動制御を行い、印刷ヘッドからインクを吐出させシート上に画像を形成させる。また、カセットからシートを引き出す引き出しローラの駆動指示、引き出されたシートを搬送させる搬送ローラの駆動指示、搬送ローラの回転状況取得等を行う等、搬送ローラの制御を行い、シートを適切な速度及び経路で搬送および停止させる。
【００３４】
スキャナ制御部２０９は、ＣＰＵ２０１等から受信した制御コマンドに応じて、イメージセンサーの制御を行い、シート上の画像を読取り、赤（Ｒ）、緑（Ｇ）および青（Ｂ）色のアナログ輝度データを取得し、デジタルデータに変換する。イメージセンサーとしては、ＣＣＤイメージセンサーやＣＭＯＳイメージセンサー等を採用可能である。また、イメージセンサーはリニアイメージセンサーとしてもエリアイメージセンサーとしてもよい。また、スキャナ制御部２０９は、イメージセンサーの駆動指示、該駆動に基づくイメージセンサーの状況取得を行い、イメージセンサーから取得した輝度データを解析し、印刷ヘッド１０６からのインクの不吐やシートの切断位置の検出等を行う。スキャナ制御部２０９で画像が正しく印刷されていると判定されたシートは、シート上のインクの乾燥処理が施された後に、指定された仕分けユニットのトレーに排出される。
【００３５】
ホスト装置２１１は、上述した外部装置に対応し、本画像形成装置２００の外部に接続され、画像形成装置２００に印刷を行わせるための画像データの供給源となる装置であり、種々の印刷ジョブのオーダーを発行する。ホスト装置２１１は、汎用のパーソナルコンピュータ（ＰＣ）によって実現してもよいし、他のタイプのデータ供給装置としてもよい。他のタイプのデータ供給装置としては、画像をキャプチャーして画像データを生成する画像キャプチャー装置がある。画像キャプチャー装置は、原稿上の画像を読取って画像データを生成するリーダ（スキャナ）、ネガフィルムやポジフィルムを読取って画像データを生成するフィルムスキャナなどである。また、画像キャプチャー装置の他の例として静止画を撮影してデジタル画像データを生成するデジタルカメラ、動画を撮影して動画像データを生成するデジタルビデオもある。その他、ネットワーク上にフォトストレージを設置したり、着脱可能な可搬性メモリを挿入するソケットを設けたりし、フォトストレージや可搬性メモリに格納された画像ファイルを読み出して画像データに生成して印刷するものとしてもよい。また、汎用的なＰＣに代え、本画像形成装置専用の端末とするなど、種々のデータ供給装置としてもよい。これらのデータ供給装置は画像形成装置の構成要素としてもよいし、画像形成装置の外部に接続した別の装置としてもよい。また、ホスト装置２１１をＰＣとした場合、ＰＣの記憶装置に、ＯＳ、画像データを生成するアプリケーションソフトウェア、画像形成装置２００用のプリンタドライバがインストールされる。プリンタドライバは、本画像形成装置２００を制御したり、アプリケーションソフトウェアから供給された画像データを画像形成装置２００が扱える形式に変換して印刷データを生成したりする。また、印刷データから画像データへの変換をホスト装置２１１側で行ってから画像形成装置２００に供給するようにしてもよい。なお、以上の処理の全てをソフトウェアで実現することは必須ではなく、一部または全部をＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ Ｃｕｉｒｃｕｉｔ）等のハードウェアによって実現するようにしてもよい。ホスト装置２１１から供給される画像データやその他のコマンド、更にステータス信号等は、外部Ｉ／Ｆ２０５を介して画像形成装置２００と送受信可能である。外部Ｉ／Ｆ２０５はローカルＩ／ＦであってもネットワークＩ／Ｆであってもよい。また、外部Ｉ／Ｆ２０５は、有線による接続であっても無線による接続であっても構わない。
【００３６】
画像形成装置２００内の上記した各構成はシステムバス２１０を介して接続され、互いに通信可能である。
【００３７】
なお、以上の例では、１つのＣＰＵ２０１が図２に示した画像形成装置２００内の全ての構成要素を制御するものとしたが、この構成以外としてもよい。即ち、各機能ブロックのいくつかが別途ＣＰＵを備え、それぞれのＣＰＵによって個別に制御するものとしてもよい。また、各機能ブロックは図２に示した構成以外の分担のさせ方により個別の処理部または制御部として適宜分割したり、いくつかを統合したりするなど、種々の形態を採用可能である。また、メモリからのデータの読み出しにはＤＭＡＣ（Ｄｉｒｅｃｔ Ｍｅｍｏｒｙ Ａｃｃｅｓｓ Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｒ）も用いることもできる。
【００３８】
次に以上の構成において、画像形成装置２００によりシートの両面に画像を印刷する印刷ジョブを実行する際の処理の流れについて説明する。シートの両面に画像を印刷する印刷ジョブとしては両面印刷、製本印刷が含まれる。製本印刷には中綴じ製本、くるみ製本などが含まれる。図３はこの印刷ジョブを実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、ＣＰＵ２０１が、ＲＯＭ２０２またはＨＤＤ２０４に格納されている制御プログラムをＲＡＭ２０３にロードし、それを実行することにより行われる処理の流れを示す。
【００３９】
Ｓ１０１において、外部Ｉ／Ｆ２０５を介して印刷ジョブを受け付けると、この印刷ジョブの処理を開始する。受け付けた印刷ジョブは一旦ＨＤＤ２０４に蓄積される。そしてＳ１０２に進み、画像処理部２０７において印刷ジョブのＲＩＰ処理を行う。なお、印刷ジョブを複数受け付けている場合、受付順、優先度（通常ジョブか割込みジョブかなど）、印刷モード（片面、両面、製本等）、シートサイズ、使用するトレーなどに基づいてＲＩＰ処理の順序が決定される。ＲＩＰ処理が行われた印刷データはＲＩＰ済みデータとしてＨＤＤ２０４に蓄積される。
【００４０】
次にＳ１０３においてエンジン制御部２０８によりＨＤＤ２０４に蓄積されているシートの第１面用のＲＩＰ済みデータに基づきシートの第１面への印刷を開始する。ここでは複数の印刷ジョブの第１面への印刷を連続して行うようにしてもよいし、１つの印刷ジョブの第１面への印刷を行うようにしてもよい。なお、本フローはシートの両面に印刷を行う場合の処理であるため、第１面への印刷後、１ページ単位（または２ページ単位）でのシートの切断は行わず、第１面への印刷がなされたシートはシート巻取りユニット１１３で巻き取る。そして第１面へ連続して印刷させる分の印刷が終了すると、その後端でＳ１０４においてカッタユニット１１０によりシートのカットを行う。
【００４１】
そしてＳ１０５において、シート巻取りユニット１１３から反転されたシートに対してエンジン制御部２０８によりＨＤＤ２０４に蓄積されている第２面用ＲＩＰ済みデータに基づき印刷を行う。そしてここでは１ページ単位または２ページ単位でカッタユニット１１０によるシートのカットを行う。ここでシートのカットを１ページ単位で行うか２ページ単位で行うかは印刷モードによって決定される。即ち、通常の両面印刷の場合は１ページ単位となるが、中綴じ製本用の印刷を行う場合は図９（ａ）に示すように切断後のシートの同一面に２ページ分の画像が印刷されるため２ページ単位となる。なお、２ページ単位でシートをカットする際、ページレイアウトによっては第１面あるいは第２面に１ページ分のみあるいは１ページも画像が印刷されない場合もある。なお、以下の説明では中綴じ製本用の印刷として図９（ｂ）に示すように１ページ目におもて表紙用の画像、２〜１５ページは見開き状態で１つの画像となる２ページ分の画像、１６ページ目が裏表紙用の画像を用いるものとする。これを印刷する際は、図９（ｃ）に示すように最も内側にくる８、９ページ以外は１ページ分ずつ組合せて印刷することになる。また、本来であれば第１面に印刷される全てのページの印刷を行ってから第２面の印刷を行うことになるが、以下では説明の簡単のため８、９ページ、６、１１ページを印刷したらシートを切断して第２面の５、１２ページ、７、１０ページの印刷を行うものとする。
【００４２】
そして、第２面への画像の印刷がなされ、カッタユニット１１０でカットされたシートは順次仕分けユニット１１４のトレーに排出される。
【００４３】
次に印刷データのＲＩＰ処理に関わる処理の詳細について説明する。図４は、ＲＩＰ処理の流れを説明するための図である。印刷ジョブ受信部４０２、ジョブ制御部４０３、画像処理送受信部４０５、ＵＩ制御部４０７、プリンタエンジン送信部４０８は、ＣＰＵ２０１が、ＲＯＭ２０２またはＨＤＤ２０４に格納されている制御プログラムを実行することで実現される機能である。インプットスプーラ４０１、アウトプットスプーラ４０４、ページスプーラ４０６はＨＤＤ２０４内に構築される。
【００４４】
印刷ジョブ受信部４０２は、外部Ｉ／Ｆ２０５を介してホスト装置２１１から送られてきた印刷ジョブを受信する。インプットスプーラ４０１は、印刷ジョブ受信部４０２が受信した印刷ジョブを格納する。印刷ジョブはインプットスプーラ４０１に格納された順などを示すパラメータ情報と対応付けられて記憶される。
【００４５】
ジョブ制御部４０３は、受け付けた印刷ジョブの処理を管理するとともに統括的に制御する。ジョブ制御部４０３は、ジョブ解析部４１１、ページ分割部４１２、実行制御部４１３を含む。ジョブ解析部４１１は、インプットスプーラ４０１に格納された印刷ジョブの内容を解析し、ジョブの優先度や出力シートサイズ、シート種、印刷モード（片面、両面、製本等）等を判定する。ページ分割部４１２は、複数ページで構成された印刷ジョブをページ単位（画像単位またはシート単位となることもある）に分割し、ページスプーラ４０６にページデータとして格納する。実行制御部４１３は、印刷ジョブの実行順の決定、ページデータの最適なＲＩＰ順の決定等を行う。
【００４６】
画像処理送受信部４０５は、ジョブ制御部４０３からの指示に基づき、決定されたＲＩＰ順に従って画像処理部２０６に対しページデータを送信し、ＲＩＰ処理を行わせる。また、画像処理送受信部４０５は、画像処理部２０６によって展開処理されたＲＩＰ済みデータをアウトプットスプーラ４０４に格納し、当該ＲＩＰ処理に用いたページデータをページスプーラ４０６から削除する。また、画像処理送受信部４０５は、受け付けた印刷ジョブの印刷が正常に終了した場合や印刷のキャンセルが指示された場合、ＲＩＰ済みデータをアウトプットスプーラ４０４から削除する。
【００４７】
ここでは、インプットスプーラ４０１、ページスプーラ４０６、アウトプットスプーラ４０６を別々の構成としたが、これらを統合して１つ、または２つとしてもよい。
【００４８】
プリンタエンジン制御部４０８は、ジョブ制御部４０３からの指示に基づいてＲＩＰ済みデータをエンジン制御部２０８に送信し、印刷を実行させる。全てのページが正常に印刷されるとジョブ制御部４０３はアウトプットスプーラ４０４から該当の印刷ジョブを削除する。
【００４９】
ＵＩ制御部４０７は、操作部２０６を介したユーザからの指示を受け付け、印刷ジョブの優先度を変更させたり、印刷ジョブをキャンセルさせたりする。印刷ジョブの優先度の変更やキャンセルは操作部２０６を介した指示の他、外部Ｉ／Ｆ２０５を介して接続されたホスト装置２１１からの指示によっても行うことが可能である。
【００５０】
次に複数の印刷ジョブを受け付け、順次処理が進行し、インプットスプーラ４０１、ページスプーラ４０６、アウトプットスプーラ４０４に格納される際の処理の流れを説明する。図５は、これを模式的に示した図である。
【００５１】
図５（ａ）は、通常優先度のＪＰＥＧのジョブデータ５０１（１２個のＪＰＥＧファイル）がまずインプットスプーラ４０１に入力され、その後、通常優先度の中綴じ製本が指定されたＰＤＦのジョブデータ５０２が入力された場合を示す。インプットスプーラ４０１に入力されたジョブデータは順次ページ単位でページスプーラ４０６に格納され、ＲＩＰ処理がなされると順次アウトプットスプーラ４０４に格納される。図中、５０３はジョブデータ５０１の各ページを指し、５０４はジョブデータ５０２がページ単位で分割されたページデータを指す。ページデータ５０４において、２、３ページ、４、５ページ、６、７ページ、８、９ページが連結されているのは、製本後の見開きが繋がった状態となる画像（１つの画像を分割して２ページとしたもの）であるためである。これらは印刷に際しては図９に示すように分離されて印刷される。おもて表紙、裏表紙となる画像はそれぞれ１ページ分、独立した画像である。また、図５（ａ）においてはジョブデータ５０１の４ページ目まで（５０６〜５０９）がＲＩＰ済みである。同一面に印刷される２ページ分の画像は連続して処理されるため、アウトプットスプーラにおいても２ページ分を１単位としてスプールされる。５０５、５１０はそれぞれ空き領域である。
【００５２】
図５（ｂ）は、通常優先度のＪＰＥＧのジョブデータ５０１が入力された後、高優先度の割込みジョブとして中綴じ製本が指定されたＰＤＦのジョブデータ５１２が入力された場合を示す。図５（ｂ）では、ジョブデータ５１１の３ページ目までＲＩＰ処理が終了したところ（５１６〜５１８）で、これより優先度の高いジョブデータ５１２のＲＩＰ処理に切り替えていることを示している。ジョブデータ５１２は図９において折り畳まれた場合に内側に来る画像から印刷させるため８、９ページ（５１９）からＲＩＰ処理が行われる。そして６、１１ページ（５２０）の印刷を行った後、第２面への印刷に切り替え、６、１１ページの反対面に５、１２ページの印刷を行うためこれらのＲＩＰ処理（５２１）を行うことを示している。２ページ分のページデータのＲＩＰ処理についてはページスプーラにおいてスプールした２ページ分の印刷データを半分に分割する処理が含まれる場合もある。ページスプーラにおいてスプールした２ページ分のページデータのＲＩＰ処理が終了したら該当するページデータは削除される（図中、８、９ページ目）。
【００５３】
図５（ｃ）は、通常優先度の中綴じ製本が指定されたＰＤＦのジョブデータ５３１が入力された後、高優先度の割込みジョブとして中綴じ製本が指定されたＰＤＦのジョブデータ５３２が入力された場合を示す。図５（ｃ）では、先行している通常優先度のジョブの５３１のＲＩＰ処理が５３６〜５３９まで終了していることを示している。
【００５４】
次に図５（ａ）〜図５（ｃ）に示した各状態における図４に示した各処理部の処理内容について説明する。図６（ａ）〜図６（ｃ）はそれぞれ図５（ａ）〜図５（ｃ）に対応する。
【００５５】
図６（ａ）において、印刷ジョブ受信部４０２は、印刷ジョブ５０１を受信し、インプットスプーラ４０１に格納した後（Ｓ２０１）、印刷ジョブ５０２を受信し、インプットスプーラ４０１に格納する（Ｓ２０２）。そしてページ分割部４１２はインプットスプーラ４０１に格納された印刷ジョブ５０１、５０２をページ単位に分割しページスプーラ４０６に格納する（Ｓ２０３、Ｓ２０４）。
【００５６】
実行制御部４１３は、印刷ジョブ５０１のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する（Ｓ２０５）。このとき、ここではページ分割部４１２が分割処理中ではないため、ページ分割部４１２に印刷ジョブ５０１のページ分割の指示を出す。そして実行制御部４１３は、印刷ジョブ５０２のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する（Ｓ２０６）。このとき、ここではページ分割部４１２は印刷ジョブ５０１のためのページ分割処理を実行中であるため、通常優先度の印刷ジョブ５０２のページ分割の指示は出さない。実行制御部４１３は印刷ジョブ５０１の全てのページデータがページスプーラ４０６に格納されたときに印刷ジョブ５０２のページ分割処理の指示を出す（Ｓ２０７）。
【００５７】
そして実行制御部４１３はページデータがページスプーラ４０６に格納されると、ＲＩＰ処理に必要なページが揃っているか判断し、揃っていると判断した場合、画像処理送受信部４０５に対してＲＩＰ処理の開始を指示する（Ｓ２０８）。
【００５８】
画像処理送受信部４０５は、印刷ジョブ５０１がページ単位に分割されてページスプーラ４０６に格納されると、そのページデータを画像処理部２０６に送信する。これにより印刷ジョブ５０１が展開（ＲＩＰ）され、ＲＩＰ済みデータが生成される。そして生成されたＲＩＰ済みデータは画像処理送受信部４０５においてアウトプットスプーラ４０４に格納される（Ｓ２０９）。また画像処理送受信部４０５は印刷ジョブ５０１のＲＩＰ処理が終了したときに、続いて印刷ジョブ５０２のＲＩＰ処理を開始させる。そして印刷ジョブ５０２のＲＩＰ済みデータもアウトプットスプーラ４０４に格納させる。以上の処理により印刷ジョブ５０１、５０２がＲＩＰ済みとなると印刷準備が完了となる。
【００５９】
以上のように図６（ａ）では、印刷ジョブの投入順に処理が進行する。
【００６０】
図６（ｂ）において、Ｓ２１１、２１２において印刷ジョブ受信部４０２が印刷ジョブ５１１、５２２をその受信順にインプットスプーラ４０１に格納するのは図６（ａ）の場合と同様である。しかし、図６（ｂ）の場合、ページ分割部４１２によって印刷ジョブ５１１のページ分割処理（Ｓ２１３）を行っている途中で、優先度の高い印刷ジョブ５１２を受信したので、印刷ジョブ５１１のページ分割処理を中断し、印刷ジョブ５１２のページ分割処理に切り替える（Ｓ２１４）。そして印刷ジョブ５１２のページ分割処理が終了したら中断していた印刷ジョブ５１１のページ分割処理を再開させる（Ｓ２１５）。
【００６１】
実行制御部４１３は、印刷ジョブ５１１のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する（Ｓ２１６）。このとき、ここではページ分割部４１２がページ分割処理中ではないため、ページ分割部４１２に印刷ジョブ５１１のページ分割の指示を出す。そして実行制御部４１３は、印刷ジョブ５１２のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する。このとき、ここでは印刷ジョブ５１２は優先度の高いジョブであるためページ分割部４１２に印刷ジョブ５１１のページ分割処理の中断を指示し、高優先の印刷ジョブ５１２のページ分割処理を指示する（Ｓ２１７）。そして印刷ジョブ５１２の全てのページデータがページスプーラ４０６に格納されると、ページ分割処理が中断されていた印刷ジョブ５１１のページ分割を再開させる（Ｓ２１８）。
【００６２】
そして実行制御部４１３は印刷ジョブ５１１のページデータがページスプーラ４０６に格納されると、ＲＩＰ処理に必要なページが揃っているか判断し、揃っていると判断した場合、画像処理送受信部４０５に対してＲＩＰ処理の開始を指示する（Ｓ２１９）。また実行制御部４１３は印刷ジョブ５１２のページデータがページスプーラ４０６に格納されると同様にＲＩＰ処理に必要なページが揃っているか判断する。Ｓ２２０では中綴じ製本用のページデータが揃っていないため、必要なページが揃っていないと判断し、ＲＩＰ処理の指示を出さない。そしてＳ２２１で印刷ジョブ５１２のＲＩＰ処理が開始できる状態になると、印刷ジョブ５１２のＲＩＰ処理を優先的に行うため、より優先度の低い印刷ジョブ５１１のＲＩＰ処理を中断させ、印刷ジョブ５１２のＲＩＰ処理に切り替える。以降、同様にして優先度の高い印刷ジョブ５１２のページデータがページスプーラ４０６に格納されるとＲＩＰ処理に必要なページが揃っているか判断し、揃っていると判断したらＲＩＰ処理の指示を行う。優先度の高い印刷ジョブ５１２のＲＩＰ処理が全て完了すると、続いて通常優先度の印刷ジョブ５１１のＲＩＰ処理を再開する（Ｓ２２２）。
【００６３】
画像処理送受信部４０５は、印刷ジョブ５１１がページ単位に分割されてページスプーラ４０６に格納されると、そのページデータを画像処理部２０６に送信する。これにより印刷ジョブ５１１が展開（ＲＩＰ）され、ＲＩＰ済みデータが生成される。そして生成されたＲＩＰ済みデータは画像処理送受信部４０５においてアウトプットスプーラ４０４に格納される（Ｓ２２３）。しかし、印刷ジョブ５１２は印刷ジョブ５１１よりも優先度が高いため、印刷ジョブ５１１の処理に割り込んで、先にＲＩＰ処理を完了させる。この場合にも展開対象となる印刷ジョブ５１２に基づくＲＩＰ済みデータがアウトプットスプーラ４０４に格納される（Ｓ２２４）。以上の処理を行い、印刷ジョブ５１２及び印刷ジョブ５１１がＲＩＰ済みとなると印刷準備が完了となる。
【００６４】
このように図６（ｂ）の場合には実行制御部４１３において、ページ分割処理の開始とＲＩＰ処理の開始をそれぞれ制御することで、印刷ジョブを受信した順番とは異なり、優先度の高い印刷ジョブが先に印刷準備完了となるようにしている。具体的には、ページ分割処理は即座に割込むが、ＲＩＰ処理についてはＲＩＰ処理に必要なページが揃ってから割り込むことでスループットの低下を防いでいる。
【００６５】
図６（ｃ）において、Ｓ２３１、２３２において印刷ジョブ受信部４０２が印刷ジョブ５３１、５３２をその受信順にインプットスプーラ４０１に格納するのは図６（ａ）、（ｂ）の場合と同様である。図６（ｃ）においては、ページ分割部４１２が印刷ジョブ５３１のページ分割処理を行っている途中で優先度の高い印刷ジョブ５３２が投入されたものとする。ここでは印刷ジョブ５３１と印刷ジョブ５３２がともにページ順の並び替えの必要な印刷ジョブ（中綴じ製本）であり、いずれもページ分割処理を完了させるまでＲＩＰ処理を開始できず、かつページスプーラ４０６をどれぐらい使用するかも判断できない。そのため印刷ジョブ５３１の処理を中断させ、後続の印刷ジョブ５３２を実行させても処理が滞ってしまうおそれがある。また、ページスプーラ４０６の空き容量を確保するために印刷ジョブ５３１の処理済みページデータを他の領域に退避させようとすると処理負荷が高くパフォーマンスが落ちてしまう。そこで、図６（ｃ）の場合、優先度の高い後続の印刷ジョブが投入されても先行している印刷ジョブのＲＩＰ処理を先に実行させる。
【００６６】
実行制御部４１３は、印刷ジョブ５３１のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する（Ｓ２３５）。このとき、ここではページ分割部４１２がページ分割処理中ではないため、ページ分割部４１２に印刷ジョブ５３１のページ分割の指示を出す。そして実行制御部４１３は、印刷ジョブ５３２のインプットスプーラ４０１への格納が開始されたときにページ分割処理を開始するか否かを判定する（Ｓ２３６）。ここでは実行制御部４１３は印刷ジョブ５３２の優先度の方が高いが、先行している印刷ジョブ５３１が中綴じ製本のための印刷ジョブであるため印刷ジョブ５３２を割り込ませずに印刷ジョブ５３１の処理を継続させることを決定する。そして印刷ジョブ５３１のページ分割処理が終了すると、続いて印刷ジョブ５３２のページ分割処理を開始させる（Ｓ２３７）。また実行制御部４１３は印刷ジョブ５３１のページ分割処理が終了していると判断した場合、印刷ジョブ５３１のページデータのＲＩＰ処理を開始させる（Ｓ２３９）。
【００６７】
画像処理送受信部４０５は、印刷ジョブ５３１がページ単位に分割されてページスプーラ４０６に格納されると、そのページデータを画像処理部２０６に送信する。これにより印刷ジョブ５３１が展開（ＲＩＰ）され、ＲＩＰ済みデータが生成される。そして生成されたＲＩＰ済みデータは画像処理送受信部４０５においてアウトプットスプーラ４０４に格納される（Ｓ２４０）。これによって印刷ジョブ５３１の印刷準備が完了となる。そして同様に印刷ジョブ５３２についても同様にＲＩＰ処理を実行しＲＩＰ済みデータをアウトプットスプーラ４０４に格納し、印刷準備が完了となる。
【００６８】
このように図６（ｃ）の場合、ページ分割処理とＲＩＰ処理の開始をし、ページスプーラの使用領域が大となる可能性が高い場合に、割込みを禁止し先行している印刷ジョブをそのまま実行させることにより、全体としてのスループットを向上させることができる。
【００６９】
なお、ページ分割部４１２によるページ分割処理により、各印刷ジョブがどれだけの量であるかが判定できるので、この結果により後続の優先度の高い印刷ジョブを先に実行できる場合があるため、この場合には印刷ジョブ５３２のＲＩＰ処理を先に行い、先に印刷されるようにしてもよい。
【００７０】
また、図６（ｃ）の場合、印刷ジョブ５３２の実行指示を受けた場合、割込みができない旨を操作部２０６へ表示することによりユーザに通知し、当該印刷ジョブの実行の要否をユーザに選択させるようにしてもよい。また、強制的に印刷ジョブ５３１よりも先に印刷ジョブ５３２を実行させるようにしてもよい。
【００７１】
次に図７、８を用いて以上の印刷ジョブの処理の流れの詳細について説明する。図７、８のフローチャートは、ＣＰＵ２０１が、ＲＯＭ２０２またはＨＤＤ２０４に格納されている制御プログラムをＲＡＭ２０３にロードし、それを実行することにより行われる処理の流れを示す。
【００７２】
図７は、印刷ジョブのページ分割処理の流れを示すフローチャートである。ページ分割処理は、印刷ジョブがインプットスプーラ４０１に投入されると開始される。ページ分割処理が開始されると、ジョブ制御部４０３は、投入された印刷ジョブの全ての印刷ジョブが処理されるまでＳ３０１〜Ｓ３２０の処理を繰り返し行う。
【００７３】
Ｓ３０１では、ジョブ制御部４０３は、ページ分割処理中の印刷ジョブが存在するかどうかを判断する処理を行う。ここで、ページ分割処理中の印刷ジョブが存在しないと判断されれば（Ｓ３０１でＮＯ）、ジョブ制御部４０３は、投入された印刷ジョブについて、全てのページを分割する処理を実施する（Ｓ３１０〜Ｓ３２０）。一方、ページ分割処理中の印刷ジョブが存在すると判断されれば（Ｓ３０１でＹＥＳ）、ジョブ制御部４０３は、新たに投入された印刷ジョブがページ分割中の印刷ジョブよりも優先して処理すべきかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０２）。Ｓ３０２でジョブ制御部４０３は、新たに投入された印刷ジョブとページ分割中の印刷ジョブの優先度を比較する。例えば、印刷ジョブに割込み設定がなされている場合に印刷ジョブの優先度を高いと判断する。
【００７４】
ここで、新たに投入された印刷ジョブがページ分割中の印刷ジョブよりも低い優先度と判断されると（Ｓ３０２でＮＯ）、新たに投入された印刷ジョブのページ分割処理を保留して待たせる処理を行う（Ｓ３０３）。ページ分割処理を保留された印刷ジョブは、現在処理中のページ分割が終了すると、保留されている印刷ジョブの中で一番優先度の高い印刷ジョブのページ分割処理を再開する処理を行う。一方、新たに投入された印刷ジョブがページ分割中の印刷ジョブよりも高い優先度と判断されると（Ｓ３０２でＹＥＳ）、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式かどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０４）。ここでは、説明を簡略化するために単純に中綴じ形式かどうか判断するものとするが、ページ分割を終えた後、ページの並び順を変更してＲＩＰ処理する他のジョブでも同様である。
【００７５】
ここで、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式と判断されると（Ｓ３０４でＹＥＳ）、新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式かどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０５）。一方、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式でない判断されると（Ｓ３０４でＮＯ）、ページ分割中の印刷ジョブが印刷中かどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０６）。
【００７６】
新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式であると判断されると（Ｓ３０５でＹＥＳ）、新たに投入された印刷ジョブのページ分割処理を保留して待たせる処理を行う（Ｓ３０３）。一方、新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式でないと判断されると（Ｓ３０５でＮＯ）、ページデータを保存するためのページスプーラ４０６の空き領域が十分にあるかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０７）。空き領域が十分に存在するかどうかは、例えばページ分割処理において、１ページ目からページデータをページスプーラ４０６に格納する場合には、ＲＩＰ処理を開始するまで十分にページデータを格納できるだけの領域があるかどうかで判断する。他の例として、ページ分割処理において任意のページデータをページスプーラ４０６に格納する場合には、ＲＩＰ処理に必要なページデータ数分の空き領域があるかどうかであってもよい。また、同時処理可能な印刷ジョブ数に応じて決定してもよく、静的に決めてもよく、印刷装置１００の状態に応じて動的に変更してもよいものとする。
【００７７】
ここで、ページスプーラ４０６の空き領域が十分に存在すると判断されると（Ｓ３０７でＹＥＳ）、ページ分割中の印刷ジョブの処理を中断する処理を行う（Ｓ３０９）。一方、ページスプーラ４０６の空き領域が十分に存在しないと判断されると（Ｓ３０７でＮＯ）、新たに投入された印刷ジョブのページ分割処理を保留して待たせる処理を行う（Ｓ３０３）。
【００７８】
また、ページ分割中の印刷ジョブが印刷中であると判断されると（Ｓ３０６でＹＥＳ）、新たに投入された印刷ジョブのページ分割処理を保留して待たせる処理を行う（Ｓ３０３）。一方、ページ分割中の印刷ジョブが印刷中でないと判断されると（Ｓ３０６でＮＯ）、新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式かどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０８）。
【００７９】
ここで、新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式であると判断されると（Ｓ３０８でＹＥＳ）、ページデータを保存するためのページスプーラ４０６の空き領域が十分にあるかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３０７）。新たに投入された印刷ジョブが中綴じ形式でないと判断されると（Ｓ３０８でＮＯ）、ページ分割中の印刷ジョブの処理を中断する処理を行う（Ｓ３０９）。
【００８０】
ジョブ制御部４０３は、印刷ジョブが投入されると、全てのページが分割されるまでＳ３１１〜Ｓ３１９を繰り返す。ジョブ制御部４０３は、１ページ分のページデータを格納するための空き領域が存在するかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３１１）。ここで、空き領域が存在すると判断されると（Ｓ３１１でＹＥＳ）、ジョブ制御部４０３は、ページ分割処理を行い、ページスプーラ４０６の空き領域にページデータを格納する処理を行う（Ｓ３１２）。一方、空き領域が存在しないと判断されると（Ｓ３１１でＮＯ）、ジョブ制御部４０３は、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式の印刷ジョブであるかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３１３）。
【００８１】
ここで、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式でないと判断されると（Ｓ３１３でＮＯ）、ジョブ制御部４０３は、空き領域が生じるまで待つ処理をする（Ｓ３１４）。一方、ページ分割中の印刷ジョブが中綴じ形式であると判断されると（Ｓ３１３でＹＥＳ）、ジョブ制御部４０３は、投入されている印刷ジョブについて、ＲＩＰ処理を開始可能な印刷ジョブが存在するかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３１５）。
【００８２】
ここで、ＲＩＰ処理を開始可能な印刷ジョブが存在すると判断された場合は（Ｓ３１５でＹＥＳ）、ジョブ制御部４０３は、空き領域が生じるまで待つ処理をする（Ｓ３１４）。一方、ＲＩＰ処理を開始可能な印刷ジョブが存在しないと判断された場合は（Ｓ３１５でＮＯ）、ジョブ制御部４０３は、ページ分割処理をキャンセルする処理を行う（Ｓ３１６）。
【００８３】
ジョブ制御部４０３は、以降のページ分割処理について、印刷ジョブがページデータをスプール領域に格納する度にＲＩＰ処理可能なページデータが揃うかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３１７）。ここで、以降のページ分割処理について、印刷ジョブがページデータをページスプーラ４０６に格納する度にＲＩＰ可能なページデータが揃うと判断すると（Ｓ３１７でＹＥＳ）、優先度の高い印刷ジョブを待たせているかどうかを判断する処理を行う（Ｓ３１８）。
【００８４】
ここで、優先度の高い印刷ジョブを待たせていると判断すると（Ｓ３１８でＹＥＳ）、優先度の高い印刷ジョブのページ分割処理を開始する処理を行う（Ｓ３１９）。なお、ここでは、ページ分割処理中の印刷ジョブと並行して処理を開始するように説明しているが、通常優先度の印刷ジョブの処理を中断して、優先度の高い処理のみを先にページ分割処理してもよい。
【００８５】
ジョブ制御部４０３は、投入された全ての印刷ジョブに対して、全てページ分割が完了しているかどうかを判断し（Ｓ３２０）、全て完了すると本シーケンスを終了する。
【００８６】
以上のように、ページデータが揃う順番とＲＩＰ処理可能な順番が同じ場合と異なる場合で、ページ分割処理の割込み方法を異ならせる。これにより、ページデータを退避することなく、割込みジョブ投入時におけるトータルでのスループットを向上させる。
【００８７】
次に、図８を用いて、ＲＩＰ処理の流れの一例について説明する。印刷ジョブが投入されてページスプーラ４０６にページデータが格納されるとＲＩＰ処理が開始される。ＲＩＰ処理が開始されると、ジョブ制御部４０３は、ページスプーラ４０６内の全てのページデータが処理されるまでＳ４０１〜Ｓ４０７の処理を繰り返し行なう。
【００８８】
Ｓ４０１でジョブ制御部４０３は、ＲＩＰに必要なページデータがそろっているかどうかを判断する処理を行う。ここで、ＲＩＰに必要なページデータがそろっていると判断されると（Ｓ４０１でＹＥＳ）、ジョブ制御部４０３は、ＲＩＰ指示中の印刷ジョブの中で優先度の低い印刷ジョブが存在するかどうかを判断する処理を行う（Ｓ４０２）。一方、ＲＩＰ処理に必要なページデータがそろっていないと判断されると（Ｓ４０１でＮＯ）、ＲＩＰ処理を中断した印刷ジョブが存在するかどうかを判断する処理を行う（Ｓ４０３）。
【００８９】
ジョブ制御部４０３は、ＲＩＰ指示中の印刷ジョブの中で優先度の低い印刷ジョブが存在すると判断すると（Ｓ４０２でＹＥＳ）、優先度の低い印刷ジョブのＲＩＰを中断する（Ｓ４０４）。一方、ＲＩＰ指示中の印刷ジョブの中で優先度の低い印刷ジョブが存在しない場合は（Ｓ４０２でＮＯ）、処理をスキップする。そしてＳ４０５においてジョブ制御部４０３は、ページデータを画像処理送受信部４０５に送りＲＩＰ処理を開始させる。またジョブ制御部４０３は、ＲＩＰを中断した印刷ジョブが存在すると判断すると（Ｓ４０３でＹＥＳ）、中断した印刷ジョブのＲＩＰを再開する（Ｓ４０６）。一方、ＲＩＰを中断した印刷ジョブが存在しない場合は（Ｓ４０３でＮＯ）、ページデータがそろうまで待つ処理を行う（Ｓ４０７）。そして以上の処理によりＲＩＰ処理が行われると、順次エンジン制御部２０８による制御に基づきシートへの画像の印刷が実行される。
【００９０】
以上のように、優先度の高い印刷ジョブをページ分割処理などのリソース制約の厳しい期間だけ優先度を一時的に落とすことで、印刷ジョブのスムーズなＲＩＰ処理と優先度制御を実現し、トータルでのスループットの向上を実現する。
【００９１】
なお、以上の説明において、印刷を行う部分を除いた、印刷順序のスケジューリングや割込みの可否の決定等の処理をホスト装置や外付けコントローラなどの外部装置で実現し、それに従って画像形成装置に印刷を実行させるようにしてもよい。その際、外部装置は画像形成装置からステータス（現在の印刷状況等の情報）を取得して印刷順序や割込みタイミングを決定することが好ましい。
【００９２】
また、以上の実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア（プログラム）を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ（またはＣＰＵやＭＰＵ等）がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムは、１つのコンピュータで実行させても、複数のコンピュータが連動して実行するようにしてもよい。また、上記した処理の全てをソフトウェアで実現する必要はなく、一部または全部をハードウェアによって実現するようにしてもよい。
【００９３】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形（他の実施形態への応用、他の実施形態との組合せ等を含む）も可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数ページを有する印刷ジョブを入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された印刷ジョブをページ単位のページデータに分割し、メモリに保持させる分割手段と、
前記分割手段で分割されたページデータを印刷順序に従って印刷を実行させる印刷制御手段と、
前記入力手段により入力された先行ジョブが前記分割手段による処理実行中に当該先行ジョブより優先度の高い後続ジョブが前記入力手段により入力された場合、当該後続ジョブを待機させて前記先行ジョブの前記分割手段による処理を継続させる制御手段とを有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項２】
前記メモリの空き容量を判断する判断手段を有し、
前記制御手段は、前記判断手段により前記メモリの空き容量が不足すると判断された場合に前記後続ジョブを待機させることを特徴とする請求項１に記載の印刷制御装置。
【請求項３】
前記制御手段は、前記判断手段により前記メモリの空き容量が十分であると判断された場合、前記先行ジョブの前記分割手段による処理を中断させて前記後続ジョブの処理を実行させることを特徴とする請求項２に記載の印刷制御装置。
【請求項４】
複数ページを有する印刷ジョブを入力し、
入力された印刷ジョブをページ単位のページデータに分割し、メモリに保持させ、
前記分割されたページデータを印刷順序に従って印刷を実行させ、
先行ジョブのためのページデータへの分割処理実行中に当該先行ジョブより優先度の高い後続ジョブが入力された場合、当該後続ジョブを待機させて前記先行ジョブのためのページデータへの分割処理を継続させることを特徴とする印刷制御方法。
【請求項５】
請求項１〜３のいずれか１項に記載の印刷制御装置の各手段、または請求項４に記載の印刷制御方法をコンピュータにより実現することを特徴とするプログラム。
【請求項１】
複数ページを有する印刷ジョブを入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された印刷ジョブをページ単位のページデータに分割し、メモリに保持させる分割手段と、
前記分割手段で分割されたページデータを印刷順序に従って印刷を実行させる印刷制御手段と、
前記入力手段により入力された先行ジョブが前記分割手段による処理実行中に当該先行ジョブより優先度の高い後続ジョブが前記入力手段により入力された場合、当該後続ジョブを待機させて前記先行ジョブの前記分割手段による処理を継続させる制御手段とを有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項２】
前記メモリの空き容量を判断する判断手段を有し、
前記制御手段は、前記判断手段により前記メモリの空き容量が不足すると判断された場合に前記後続ジョブを待機させることを特徴とする請求項１に記載の印刷制御装置。
【請求項３】
前記制御手段は、前記判断手段により前記メモリの空き容量が十分であると判断された場合、前記先行ジョブの前記分割手段による処理を中断させて前記後続ジョブの処理を実行させることを特徴とする請求項２に記載の印刷制御装置。
【請求項４】
複数ページを有する印刷ジョブを入力し、
入力された印刷ジョブをページ単位のページデータに分割し、メモリに保持させ、
前記分割されたページデータを印刷順序に従って印刷を実行させ、
先行ジョブのためのページデータへの分割処理実行中に当該先行ジョブより優先度の高い後続ジョブが入力された場合、当該後続ジョブを待機させて前記先行ジョブのためのページデータへの分割処理を継続させることを特徴とする印刷制御方法。
【請求項５】
請求項１〜３のいずれか１項に記載の印刷制御装置の各手段、または請求項４に記載の印刷制御方法をコンピュータにより実現することを特徴とするプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１３−７１３６１（Ｐ２０１３−７１３６１Ａ）
【公開日】平成２５年４月２２日（２０１３．４．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２１２９５８（Ｐ２０１１−２１２９５８）
【出願日】平成２３年９月２８日（２０１１．９．２８）
【出願人】（０００００１００７）キヤノン株式会社 (59,756)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年４月２２日（２０１３．４．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年９月２８日（２０１１．９．２８）
【出願人】（０００００１００７）キヤノン株式会社 (59,756)
【Ｆターム（参考）】
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