説明

印刷物作製方法、印刷物作製装置、真偽判別方法、真偽判別装置及び印刷物

【課題】 二値画像データを原画像データ内で潜像化した二値画像データ潜像化済み画像データを基にして二値画像が潜像化された印刷物を作製し、印刷物に含まれる真偽判別対象画像を読み取って判別用画像データを生成し、この判別用画像データと基準画像データとを比較、照合して真偽判別することによって、印刷物の偽造、変造を防止することを課題とする。
【解決手段】 本発明に係る印刷物作製方法は、画像データ入力過程とハートレー変換過程と配列並べ換え過程とデータ合成過程と逆ハートレー変換過程と印刷過程から成り、真偽判別装置は、真偽判別対象画像データ取得部と高速ハートレー変換部と配列並べ換え部と数値変換部と判別用画像データ生成部と真偽判別部とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原画像データに二値画像データを潜像情報として合成する潜像情報合成技術に関するものであり、証券、証書、紙幣、印紙、証紙、切手、旅券、身分証明書、通行証、会員証、クレジットカードを含む印刷物の識別や真偽判別に利用できる技術である。
【背景技術】
【0002】
従来、画像データに情報を合成する技術として、振幅変調、周波数変調、位相変調の各変調方式が提案されている。これらの情報合成技術は、通常、ディジタル画像データに表面的には知覚できない形で情報を合成しておき、合成された情報を検出することにより、ディジタル画像データの真偽判別や不正コピーの発見を行うものである。
【0003】
その一例として、振幅変調を用いた情報の合成例としては、モジュロ演算により直接変調する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、位相変調を用いた情報の合成例には、濃度パターン法によるものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、位相変調を用いた情報の合成例には、ディザ法によるものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、周波数変調を用いた情報の合成例としては、フーリエ変換を用いたものが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
【特許文献1】特願平08-213540号公報
【特許文献2】特願平08-058617号公報
【特許文献3】特願昭62-047310号公報
【特許文献4】特開2000-148015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特願平08-213540号公報の振幅変調を用いた情報の合成方法は、印刷物に適用しようとすると、中間調表現が可能な印刷方式に限定される上、インキの濃度ムラや時間経過による色あせ、照明ムラなどの影響を受けやすいため、合成した情報を安定して検出することが困難である。
【0009】
また、特願平08-058617号公報と特願昭62-047310号公報の位相変調を用いた情報の合成方法は、印刷物に適用しようとすると、情報を検出する際に高精度な位置合わせが必要になるうえ、イメージスキャナやイメージセンサカメラなどを用いて印刷物を再度ディジタルデータ化する際に、照明ムラなどによって画像データのピクセル値が正しく復元できないと合成した情報を安定して検出することが困難になる場合がある。
【0010】
また、特開2000-148015号公報の周波数変調を用いた情報の合成方法は、彩紋模様やリボン、花びら等の二値画像のパターンを原画像データ内で潜像化したものではなく、画像データの周波数領域の実数部や振幅情報から、彩紋模様やリボン、花びら等の二値画像のパターンを目視可能な画像パターンとして検出することは不可能であった。また、フーリエ変換を用いた情報の合成方法では、処理するシーケンスが実数値のシーケンスの場合、フーリエ変換は複素数値のシーケンスを生成するが、その半分は余分な情報であり、この余分な情報のためにコンピュータのメモリを使用するという欠点があった。
【0011】
本発明は、前述した問題点を解決することを目的としたもので、原画像に二値画像が潜像化された印刷物を作製し、この印刷物から読み取った真偽判別対象画像データをハートレー変換した二次元の実数データ配列に所定の処理を施して判別用画像データ(二値画像のパターン)を生成し、この判別用画像データと基準画像データとを比較、照合して、印刷物の真偽判別を行うものである。
【0012】
また、本発明は、印刷物の偽造、変造を防止することを目的とした印刷物作製方法、印刷物作製装置、真偽判別方法、真偽判別装置及び印刷物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)本発明は、原画像データfと二値画像データgを入力する入力過程と、原画像データfをハートレー変換して二次元の実数データ配列Fを生成するハートレー変換過程と、前記二次元の実数データ配列Fと前記二値画像データgとを合成して二次元の実数データ配列Hを生成するデータ合成過程と、前記二次元の実数データ配列Hを逆ハートレー変換して二値画像データ潜像化済み画像データを生成する逆ハートレー変換過程と、前記二値画像データ潜像化済み画像データを基に二値画像が潜像化された印刷物を作製する印刷過程と、から成ることを特徴とする印刷物作製方法である。
【0014】
(2)本発明は、原画像データfと二値画像データgを入力する入力過程と、原画像データfをハートレー変換して二次元の実数データ配列Fを生成するハートレー変換過程と、前記二値画像データgに所定の配列並べ換え処理を行って二値画像データg'を生成する配列並べ換え過程と、前記二次元の実数データ配列Fと前記二値画像データg'とを合成して二次元の実数データ配列Hを生成するデータ合成過程と、前記二次元の実数データ配列Hを逆ハートレー変換して二値画像データ潜像化済み画像データを生成する逆ハートレー変換過程と、前記二値画像データ潜像化済み画像データを基に二値画像が潜像化された印刷物を作製する印刷過程と、から成ることを特徴とする印刷物作製方法である。
【0015】
(3)本発明は、前記二値画像データgが、左右対称かつ上下対称の二値画像データであることを特徴とする印刷物作製方法である。
【0016】
(4)本発明は、前記配列並べ換え過程が、前記二値画像データgを垂直方向に二等分するとともに水平方向に二等分した四つの部分配列のうち、右上の部分配列を左下の部分配列の位置に移動し、左下の部分配列を右上の部分配列の位置に移動し、左上の部分配列を右下の部分配列の位置に移動し、右下の部分配列を左上の部分配列の位置に移動して、前記四つの部分配列の並べ換えを行い、前記二値画像データg'を生成することを特徴とする印刷物作製方法である。
【0017】
(5)本発明は、前記データ合成過程が、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データgの配列要素値をg(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする印刷物作製方法である。
【0018】
(6)本発明は、前記データ合成過程が、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データgの配列要素値をg(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする印刷物作製方法である。
【0019】
(7)本発明は、前記データ合成過程が、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データg'の配列要素値をg'(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする印刷物作製方法である。
【0020】
(8)本発明は、前記データ合成過程が、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データg'の配列要素値をg'(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする印刷物作製方法である。
【0021】
(9)本発明は、原画像データfと二値画像データgとを入力する画像データ入力部と、前記原画像データfにハートレー変換を行って二次元の実数データ配列Fを生成するハートレー変換部と、前記二次元の実数データ配列Fと前記二値画像データgとを合成して二次元の実数データ配列Hを生成するデータ合成部と、前記二次元の実数データ配列Hに逆ハートレー変換を行って二値画像データ潜像化済み画像データを生成する逆ハートレー変換部と、前記二値画像データ潜像化済み画像データを基にして印刷物を作製する印刷部と、を具備することを特徴とする印刷物作製装置である。
【0022】
(10)本発明は、原画像データfと二値画像データgとを入力する画像データ入力部と、前記原画像データfにハートレー変換を行って二次元の実数データ配列Fを生成するハートレー変換部と、前記二値画像データgに所定の配列並べ換え処理を行って二値画像データg'を生成する配列並べ換え部と、前記二次元の実数データ配列Fと前記二値画像データg'とを合成して二次元の実数データ配列Hを生成するデータ合成部と、前記二次元の実数データ配列Hに逆ハートレー変換を行って二値画像データ潜像化済み画像データを生成する逆ハートレー変換部と、前記二値画像データ潜像化済み画像データを基にして印刷物を作製する印刷部と、を具備することを特徴とする印刷物作製装置である。
【0023】
(11)本発明は、前記二値画像データgが、左右対称かつ上下対称の二値画像データであることを特徴とする印刷物作製装置である。
【0024】
(12)本発明は、前記配列並べ換え部が、前記二値画像データgを垂直方向に二等分するとともに水平方向に二等分した四つの部分配列のうち、右上の部分配列を左下の部分配列の位置に移動し、左下の部分配列を右上の部分配列の位置に移動し、左上の部分配列を右下の部分配列の位置に移動し、右下の部分配列を左上の部分配列の位置に移動して、前記四つの部分配列の並べ換えを行い、前記二値画像データg'を生成することを特徴とする印刷物作製装置である。
【0025】
(13)本発明は、前記データ合成部が、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データgの配列要素値をg(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする印刷物作製装置である。
【0026】
(14)本発明は、前記データ合成部が、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データgの配列要素値をg(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする印刷物作製装置である。
【0027】
(15)本発明は、前記データ合成部が、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データg'の配列要素値をg'(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする印刷物作製装置である。
【0028】
(16)本発明は、前記データ合成部が、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データg'の配列要素値をg'(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする印刷物作製装置である。
【0029】
(17)本発明は、真偽判別対象画像を有する印刷物を読み取って真偽判別対象画像データを生成する真偽判別対象画像データ取得過程と、前記真偽判別対象画像データをハートレー変換して二次元の実数データ配列Jを生成するハートレー変換過程と、前記二次元の実数データ配列Jにおける各画素ごとの実数データの絶対値の小数を切り捨て、又は切り上げ、又は四捨五入して、二次元の整数データ配列を生成する数値変換過程と、前記二次元の整数データ配列に所定の階調変換を行って判別用画像データを生成する判別用画像データ生成過程と、あらかじめ定められた基準画像データと前記判別用画像データとを比較、照合して真偽判別を行い、真偽判別結果を出力する真偽判別過程と、から成ることを特徴とする真偽判別方法である。
【0030】
(18)本発明は、真偽判別対象画像を有する印刷物を読み取って真偽判別対象画像データを生成する真偽判別対象画像データ取得過程と、前記真偽判別対象画像データをハートレー変換して二次元の実数データ配列Jを生成するハートレー変換過程と、前記二次元の実数データ配列Jに所定の配列並べ換え処理を行って二次元の実数データ配列J'を生成する配列並べ換え過程と、前記二次元の実数データ配列J'における各画素ごとの実数データの絶対値の小数を切り捨て、又は切り上げ、又は四捨五入して、二次元の整数データ配列を生成する数値変換過程と、前記二次元の整数データ配列に所定の階調変換を行って判別用画像データを生成する判別用画像データ生成過程と、あらかじめ定められた基準画像データと前記判別用画像データとを比較、照合して真偽判別を行い、真偽判別結果を出力する真偽判別過程と、から成ることを特徴とする真偽判別方法である。
【0031】
(19)本発明は、前記配列並べ換え過程が、前記二次元の実数データ配列Jを垂直方向に二等分するとともに水平方向に二等分した四つの部分配列のうち、右上の部分配列を左下の部分配列の位置に移動し、左下の部分配列を右上の部分配列の位置に移動し、左上の部分配列を右下の部分配列の位置に移動し、右下の部分配列を左上の部分配列の位置に移動して、前記四つの部分配列の並べ換えを行い、前記二次元の実数データ配列J'を生成することを特徴とする真偽判別方法である。
【0032】
(20)本発明は、真偽判別対象画像を有する印刷物を読み取って真偽判別対象画像データを生成する真偽判別対象画像データ取得部と、前記真偽判別対象画像データにハートレー変換を行って二次元の実数データ配列Jを生成するハートレー変換部と、前記二次元の実数データ配列Jにおける各画素ごとの実数データの絶対値の小数を切り捨て、又は切り上げ、又は四捨五入して、二次元の整数データ配列を生成する数値変換部と、前記二次元の整数データ配列に所定の階調変換を行って判別用画像データを生成する判別用画像データ生成部と、あらかじめ定められた基準画像データと前記判別用画像データとを比較、照合して真偽判別を行い、真偽判別結果を出力する真偽判別部と、を具備することを特徴とする真偽判別装置である。
【0033】
(21)本発明は、真偽判別対象画像を有する印刷物を読み取って真偽判別対象画像データを生成する真偽判別対象画像データ取得部と、前記真偽判別対象画像データにハートレー変換を行って二次元の実数データ配列Jを生成するハートレー変換部と、前記二次元の実数データ配列Jに所定の配列並べ換え処理を行って二次元の実数データ配列J'を生成する配列並べ換え部と、前記二次元の実数データ配列J'における各画素ごとの実数データの絶対値の小数を切り捨て、又は切り上げ、又は四捨五入して、二次元の整数データ配列を生成する数値変換部と、前記二次元の整数データ配列に所定の階調変換を行って判別用画像データを生成する判別用画像データ生成部と、あらかじめ定められた基準画像データと前記判別用画像データとを比較、照合して真偽判別を行い、真偽判別結果を出力する真偽判別部と、を具備することを特徴とする真偽判別装置である。
【0034】
(22)本発明は、前記配列並べ換え部が、前記二次元の実数データ配列Jを垂直方向に二等分するとともに水平方向に二等分した四つの部分配列のうち、右上の部分配列を左下の部分配列の位置に移動し、左下の部分配列を右上の部分配列の位置に移動し、左上の部分配列を右下の部分配列の位置に移動し、右下の部分配列を左上の部分配列の位置に移動して、前記四つの部分配列の並べ換えを行い、前記二次元の実数データ配列J'を生成することを特徴とする真偽判別装置である。
【0035】
(23)本発明は、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の印刷物作製方法により得られる印刷物である。
【発明の効果】
【0036】
本発明では、ハートレー変換を用いて、周波数変調による二値画像データの潜像化を行っている。したがって、イメージスキャナやイメージセンサカメラなどを用いて印刷物をディジタルデータ化する際に、位相変調方式のように基準位置の検出やサイズの補正、回転ズレの補正を高精度に行う必要がなく、また、振幅変調方式に比べインキの色あせや照明ムラなどの影響を受けにくいため、印刷物の真偽判別を正確に行うことが可能である。
【0037】
また、本発明では、ハートレー変換を用いて生成された二値画像データ潜像化済み画像データの一部から、潜像化された二値画像のパターンを検出することが可能である。例えば、二値画像データ潜像化済み画像データの画素数が512×512の場合、この512×512画素の領域内の256×256画素の画像データや128×128画素の画像データから二値画像のパターンを検出することが可能である。
したがって、二値画像データ潜像化済み画像データを印刷した場合、この印刷物の一部に破れや穴あきなどの欠損が生じたり、印刷物の一部が汚れた場合でも、それらを除く残りの部分から潜像化された二値画像のパターンを検出することによって、印刷物の真偽判別を行うことが可能である。
【0038】
また、本発明では、例えば、二値画像データ潜像化済み画像データの画素数が512×512の場合、この画像データの一部分である256×256画素の画像データや128×128画素の画像データは、この512×512画素の領域内であれば、どの位置にあってもよい。
したがって、精密な位置合わせを行わずに、潜像化された二値画像のパターンを容易に検出することが可能である。
【0039】
また、本発明では、例えば、二値画像データ潜像化済み画像データの画素数が512×512の場合、二値画像のパターンが、同心円状のパターンのように回転しても左右対称かつ上下対称であれば、上記の画素数が512×512の二値画像データ潜像化済み画像データが回転しても、この回転した512×512画素の領域内の256×256画素の画像データや128×128画素の画像データから、潜像化された同心円状のパターンを検出することが可能である。
したがって、二値画像のパターンが、同心円状のパターンのように回転しても左右対称かつ上下対称であれば、回転ズレの補正を行わずに、印刷物の真偽判別を容易に行うことが可能である。
【0040】
また、本発明では、二値画像データ潜像化済み画像データを印刷したときの画像解像度と、イメージスキャナやイメージセンサカメラなどを用いて再度ディジタルデータ化したときの画像解像度が異なる場合、二値画像のパターンの大きさは変化しても形状は変化しないため、目視によって、印刷物の真偽判別を容易に行うことが可能である。
【0041】
また、本発明では、判別用画像データ(二値画像のパターン)は、印刷物から読み取った真偽判別対象画像データをハートレー変換した二次元の実数データ配列に所定の処理を施すことによって、目視可能な画像パターンとして生成される。このため、判別用画像データと基準画像データとを目視によって比較、照合し、印刷物の真偽判別を行うことができる。また、生成された判別用画像データと基準画像データとを、機械処理によって比較、照合し、印刷物の真偽判別を行うことも可能である。
【0042】
また、本発明では、高速ハートレー変換を用いて二値画像データの潜像化を行う。従来の技術のうち、フーリエ変換を用いた情報の合成方法では、処理するシーケンスが実数値のシーケンスの場合、フーリエ変換は複素数値のシーケンスを生成するが、その半分は余分な情報であり、この余分な情報のためにコンピュータのメモリを使用するという欠点があった。ハートレー変換は、フーリエ変換が生成する情報と同じ情報を生成するのにメモリを半分しか使用しないという利点を有しているため、装置の小型化や低コスト化、処理の高速化を実現することが可能である。
【0043】
また、本発明では、潜像化する画像に二値画像データを用い、そのパターンに目視でもその形状を確認できるような図柄等を用いることにより、モニタやプリンタ等の出力部を付設した判別装置によって、潜像化済み画像データから得られる当該二値画像データのパターンを判別装置上で判別できるだけでなく、目視でも当該二値画像を確認することができる。
【0044】
また、本発明により作製された二値画像が潜像化された印刷物は、プリンタ、印刷機など様々な出力装置を用いて、紙、プラスチック、金属、布など様々な基材に簡便に印刷した印刷物であるので、本発明は、証券、紙幣、印紙、証紙、切手、旅券、身分証明書、通行証、会員証、クレジットカードを含む印刷物の識別や真偽判別を要する多方面の分野に利用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明に係る印刷物作製装置及び真偽判別装置の実施形態を図面を参照して説明する。なお、本発明に係る印刷物作製方法、真偽判別方法及び印刷物の実施形態の説明は、各装置の作用の説明の中で行う。また、本発明に係る印刷物作製方法、印刷物作製装置、真偽判別方法、真偽判別装置及び印刷物の実施の態様は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明に係る特許請求の範囲に記載した技術事項の範囲内であれば各種の態様を採用することができる。
【0046】
(印刷物作製装置)
以下、本発明に係る印刷物作製装置100の具体的な構成を説明する。図1に示す印刷物作製装置100は、画像データ入力部110と、高速ハートレー変換部120と、配列並べ換え部130と、データ合成部140と、逆高速ハートレー変換部150と、記憶部160と、印刷部170から構成されている。
【0047】
図1の画像データ入力部110は、原画像データf410及び二値画像データg420の入力を行う。ここで、原画像データf410及び二値画像データg420は、それぞれ画素数が2s×2t(s,tは正の整数)であるピクセルの二次元配列である。また、二値画像データg420は、左右対称かつ上下対称の二値画像データである。
【0048】
図1の高速ハートレー変換部120は、原画像データf410をハートレー変換して二次元の実数データ配列F430を生成する。
【0049】
図1の配列並べ換え部130は、二値画像データg420を垂直方向に二等分するとともに水平方向に二等分した四つの部分配列のうち、右上の部分配列を左下の部分配列の位置に移動し、左下の部分配列を右上の部分配列の位置に移動し、左上の部分配列を右下の部分配列の位置に移動し、右下の部分配列を左上の部分配列の位置に移動して、四つの部分配列の並べ換えを行い、二値画像データg'440を生成する。
【0050】
図1のデータ合成部140は、二次元の実数データ配列F430の配列要素値をF(u,v)とし、二値画像データg'440の配列要素値をg'(u,v)とし、二次元の実数データ配列H450の配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出して、二次元の実数データ配列H450を生成する。ここで、g'(u,v)の値は、0又は1のいずれかである。
【0051】
あるいは、図1のデータ合成部140は、二次元の実数データ配列F430の配列要素値をF(u,v)とし、二値画像データg'440の配列要素値をg'(u,v)とし、二次元の実数データ配列H450の配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出して、二次元の実数データ配列H450を生成する。ここで、g'(u,v)の値は、0または1のいずれかである。
【0052】
図1の逆高速ハートレー変換部150は、二次元の実数データ配列H450を逆ハートレー変換して二値画像データ潜像化済み画像データ460を生成する。
【0053】
図1の記憶部160は、データ記憶装置を備えており、二値画像データ潜像化済み画像データ460の書き込み、記憶、読み出しを行う。
【0054】
図1の印刷部170は、プリンタや印刷機などの画像出力機器を備えており、二値画像データ潜像化済み画像データ460の全部又はその一部を、紙、プラスチック、金属、布を含む所定の基材の表面の所定の位置に所定の解像度で出力することによって、証券、紙幣、印紙、証紙、切手、旅券、身分証明書、通行証、会員証、クレジットカードを含む二値画像が潜像化された印刷物310を作製する。
【0055】
(印刷物作製装置の作用)
本発明に係る印刷物作製装置の実施例の作用について、図2に示すフローチャートにより説明する。
【0056】
図2のステップST101では、図1の画像データ入力部110において、原画像データf410の入力を行う。ここで、ステップST103で原画像データf410をハートレー変換するため、原画像データf410の画素数は、2s×2t(s,tは正の整数)である必要がある。
【0057】
図5に、図1の画像データ入力部110で入力した原画像データf410の一例を示す。ここで、図5の例では、原画像データf410は、画素数が256×256の二次元配列であり、1画素当たり8ビットの階調を有する。
【0058】
図2のステップST102では、図1の画像データ入力部110において、二値画像データg420の入力を行う。ここで、二値画像データg420の画素数は、原画像データf410の画素数と同じ、2s×2t(s,tは正の整数)である。その理由は、ステップST105で二次元の実数データ配列F430と二値画像データg'440とを合成する際、二次元の実数データ配列F430と二値画像データg'440は同じサイズである必要があるが、原画像データf410と二次元の実数データ配列F430は同じサイズであり、二値画像データg420と二値画像データg'440は同じサイズであるため、二値画像データg420と原画像データf410は同じサイズである必要があるからである。
また、原画像データf410をハートレー変換して生成した実数データ配列F430は、左右対称かつ上下対称の二次元配列であるため、ステップST105で二次元の実数データ配列F430と二値画像データg'440とを合成する際、二値画像データg'440は、左右対称かつ上下対称である必要がある。したがって、二値画像データg420は、左右対称かつ上下対称である必要がある。
【0059】
図6に、二値画像データg420の一例を示す。ここで、図6の例では、二値画像データg420は、画素数が256×256の二次元配列であり、左右対称かつ上下対称の二値画像データである。また、図6の例では、二値画像データg420の画素値は、白い画素の値が1、黒い画素の値が0である。
【0060】
図2のステップST103では、原画像データf410をハートレー変換して二次元の実数データ配列F430を生成する。ここで、実数信号系列 x[n]( n=0,1,...,N-1,Nはデータ数)の高速ハートレー変換出力 X[k]( k=0,1,...,N-1)は、数1で定義される。
画像データは、ピクセルの二次元配列であるため、例えば、一次元の高速ハートレー変換によって画像データの高速ハートレー変換を行う場合には、まず、画像データの各行ごとに一次元の高速ハートレー変換を行った後に配列の転置を行い、次に、各列ごとに一次元の高速ハートレー変換を行った後に配列の転置を行う。
【0061】
【数1】

【0062】
図7に、図5の原画像データf410をハートレー変換して生成した二次元の実数データ配列F430を示す。ここで、図7の実数データ配列F430は、原画像データf410及び二値画像データg'440と同サイズで、256×256の二次元配列である。
【0063】
図2のステップST104では、図1の配列並べ換え部130で述べた方法に基づいて、二値画像データg420から二値画像データg'440に配列の並べ替えを行う。
以下、この理由について述べる。空間領域の原画像データf410をハートレー変換によって周波数領域の二次元の実数データ配列F430に変換すると、低周波成分は図7に示す二次元の実数データ配列F430の周辺部に、高周波成分は中心部に分布する。図5に示すような通常の模様、文字、写真等の図柄の原画像データをハートレー変換して得られる二次元の実数データ配列F430は、一般的に、低周波成分が高周波成分と比べて多い。そのため、二次元の実数データ配列F430において成分の多い低周波から中周波にかけての領域と、二値画像データg'440において画素値が1の領域とを合成することによって、図3の真偽判別装置200の判別用画像データ生成部250において、より良い画質の判別用画像データ510を得ることができる。
このような理由から、二値画像データg420から二値画像データg'440に配列の並べ替えを行う。なお、この配列の並べ替えを行わなければ本発明の効果がなくなるというものではなく、配列の並べ替えを行わなくとも、判別用画像データ510を得ることはできる。
【0064】
図8に、図6の二値画像データg420の配列を並べ替えた二値画像データg'440を示す。ここで、図8の例では、二値画像データg'440は、画素数が256×256の二次元配列であり、左右対称かつ上下対称の二値画像データである。また、二値画像データg'440の画素値は、白い画素の値が1、黒い画素の値が0である。
【0065】
図2のステップST105では、二次元の実数データ配列F430と二値画像データg'440との合成を行う。以下、合成方法に関して、図9、図10、図11を用いて説明する。
【0066】
図9(a)に、図7の二次元の実数データ配列F430の配列要素値F(u,v)を示す。また、図9(b)に、図8の二値画像データg'440の配列要素値g'(u,v)を示す。前述のように、図1のデータ合成部140では、二次元の実数データ配列H450の配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出して、二次元の実数データ配列H450を生成する。ここで、g'(u,v)の値は、0又は1のいずれかである。
【0067】
あるいは、図1のデータ合成部140では、二次元の実数データ配列H450の配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出して、二次元の実数データ配列H450を生成する。ここで、g'(u,v)の値は、0又は1のいずれかである。
【0068】
図10(a)は、図7の二次元の実数データ配列F430の三次元表示である。また、図10(b)は、二次元の実数データ配列F430の各配列要素値F(u,v)に実数α(α= 16384.0)を加えた二次元配列の三次元表示である。
【0069】
図11(a)は、図8の二値画像データg'440の三次元表示である。図11(b)は、図10(b)と同じ図であり、配列要素値(F(u,v)+α)の二次元配列を三次元表示したものである。図11(c)は、図11(a)と図11(b)との積を求めた結果であり、配列要素値H(u,v)、つまり{g'(u,v)×(F(u,v)+α)}の二次元配列である実数データ配列H450を三次元表示したものである。
【0070】
ここで、図7の二次元の実数データ配列F430の各配列要素値F(u,v)は、F(u,v)≧0となる場合と、F(u,v)<0となる場合がある。図1のデータ合成部140では、F(u,v)≧0とF(u,v)<0のどちらの場合においても、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出して、二次元の実数データ配列H450を生成する方法と、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出して、二次元の実数データ配列H450を生成する方法のいずれかを選択することができる。
【0071】
上記のように、ステップST105では、図9、図10、図11で説明した手順にしたがって、図7の二次元の実数データ配列F430と図8の二値画像データg'440とを合成して、二次元の実数データ配列H450を生成する。
【0072】
ここで、二次元の実数データ配列F430の各配列要素値F(u,v)に実数α(α≧0)を加えたり、あるいは、F(u,v)<0の場合に、F(u,v)から実数α(α≧0)を差し引く理由について、図12、図13、図14の例を用いて説明する。
【0073】
図12(a)に、画素数が256×256で、各画素値が約128でほぼ一定の値を有する原画像データf410の例を示す。図12(b)は、図6と同じ二値画像データg420であり、画素数が256×256で、画素値に関しては、白い画素の値が1、黒い画素の値が0である。
【0074】
図13(a)に、図12(a)の原画像データf410と図12(b)の二値画像データg420とを基にして生成した二値画像データ潜像化済み画像データ460(実数α=0.0の場合)を示す。また、図13(b)に、図13(a)の二値画像データ潜像化済み画像データ460を印刷した後、図3の真偽判別対象画像データ取得部210で読み込み、図3の判別用画像データ生成部250で生成した判別用画像データ510を示す。
図13(b)の結果は、実数αの値をα=0.0にして、図12(a)の原画像データf410に図12(b)の二値画像データg420を潜像化した場合、図13(b)の判別用画像データ510に、図12(b)の二値画像データg420のパターンが弱く現れていることを示している。
【0075】
図14(a)に、図12(a)の原画像データf410と図12(b)の二値画像データg420とを基にして生成した二値画像データ潜像化済み画像データ460(実数α=256.0の場合)を示す。また、図14(b)に、図14(a)の二値画像データ潜像化済み画像データ460を印刷した後、図3の真偽判別対象画像データ取得部210で読み込み、図3の判別用画像データ生成部250で生成した判別用画像データ510を示す。
図14(b)の結果から、実数αの値をα=256.0にして、図12(a)の原画像データf410に図12(b)の二値画像データg420を潜像化した場合、図14(b)の判別用画像データ510に、図12(b)の二値画像データg420のパターンが強く現れていることが分かる。
【0076】
以上のことから、二次元の実数データ配列F430の各配列要素値F(u,v)に実数α(α≧0)を加えたり、あるいは、F(u,v)<0の場合に、F(u,v)から実数α(α≧0)を差し引く理由は、原画像データf410と二値画像データg420とを基にして二値画像データ潜像化済み画像データ460を生成する際に、実数αの値を0以上の適切な値に設定して二次元の実数データ配列F430の各配列要素値F(u,v)に加えたり、あるいは、F(u,v)<0の場合に、F(u,v)から実数αを差し引くことによって、図3の判別用画像データ生成部250で生成される判別用画像データ510の画質を向上させることができるからである。
【0077】
図2のステップST106では、二次元の実数データ配列H450を逆ハートレー変換して二値画像データ潜像化済み画像データ460を生成する。ここで、実数信号系列 X[k]( k=0,1,...,N-1,Nはデータ数)の逆高速ハートレー変換出力 x[n]( n=0,1,...,N-1)は、数2で定義される。
実数データ配列H450は、二次元配列であるため、例えば、一次元の逆高速ハートレー変換によって二次元の実数データ配列H450の逆高速ハートレー変換を行う場合には、まず、二次元の実数データ配列H450の各行ごとに一次元の逆高速ハートレー変換を行った後に配列の転置を行い、次に、各列ごとに一次元の逆高速ハートレー変換を行った後に配列の転置を行う。
【0078】
【数2】

【0079】
図15に、二次元の実数データ配列H450を逆高速ハートレー変換して生成した二値画像データ潜像化済み画像データ460の一例を示す。ここで、図15の例では、二値画像データ潜像化済み画像データ460は、画素数が256×256で、8ビットの階調を有する。また、図15の例では、二次元の実数データ配列F430と二値画像データg'440とを合成する際、αの値をα= 16384.0として、F(u,v)≧0とF(u,v)<0のどちらの場合においても、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出して、二次元の実数データ配列H450を生成した。
【0080】
ここで、二次元の実数データ配列F430と二値画像データg'440とを合成する際、αの値をα= 16384.0として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出して、二次元の実数データ配列H450を生成しても、図15の例とほぼ同様の結果が得られるが、その差異に関しては、後述する。
【0081】
図2のステップST107では、二値画像データ潜像化済み画像データ460を図1の記憶部160に書き込んで保存する。
【0082】
図2のステップST108では、前述のように、プリンタや印刷機などの画像出力機器を用いて、二値画像データ潜像化済み画像データ460の全部又はその一部を、紙、プラスチック、金属、布を含む所定の基材の表面の所定の位置に所定の解像度で出力することによって、証券、紙幣、印紙、証紙、切手、旅券、身分証明書、通行証、会員証、クレジットカードを含む二値画像が潜像化された印刷物310を作製する。
【0083】
図16(a)に、図15の二値画像データ潜像化済み画像データ460を白黒のレーザプリンタ(FUJI XEROX Laser Press 4150PS)に、72dpi、8ビットのグレースケール画像として出力して作製した二値画像が潜像化された印刷物310の一例を示す。図16(b)に、図3の真偽判別対象画像データ取得部210で読み込む真偽判別対象画像を示す。
図16(b)は、図15の二値画像データ潜像化済み画像データ460の全部を利用して正方形の形状で紙に出力したものであるが、紙以外に、プラスチック、金属、布などの基材の所定の位置に所定の解像度で出力してもよい。
【0084】
また、二値画像が潜像化された印刷物310を作製する際には、必ずしも二値画像データ潜像化済み画像データ460の全部を利用して正方形や長方形の形状で出力する必要はなく、例えば、その一部を楕円形などの形状にして切り出し、プリンタや印刷機などの画像出力機器に出力してもよい。
図17(a)は、図15の二値画像データ潜像化済み画像データ460を円形に切り出し、白黒のレーザプリンタ(FUJI XEROX Laser Press 4150PS)に、72dpi、8ビットのグレースケール画像として出力して作製した二値画像が潜像化された印刷物310の一例である。図17(b)は、図3の真偽判別対象画像データ取得部210で読み込む真偽判別対象画像である。
【0085】
また、図16(a)や図17(a)の例では、一つの二値画像データ潜像化済み画像データ460を出力して印刷物が作製されているが、複数の二値画像データ潜像化済み画像データ460を出力して印刷物を作製してもよい。その際、それぞれの二値画像データ潜像化済み画像データ460ごとに、原画像データf410の絵柄や二値画像データg420のパターンを変えてもよい。
【0086】
また、図16(a)や図17(a)は、二値画像データ潜像化済み画像データ460を8ビットのグレースケール画像として印刷して作製した二値画像が潜像化された印刷物310の例であるが、カラー画像を色分解した各色成分(例えば、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエロー、黒などの成分)を原画像データf410とし、各色成分ごとに、原画像データf410と様々なパターンを有する二値画像データg420とを基にして二値画像データ潜像化済み画像データ460を生成し、これらの二値画像データ潜像化済み画像データ460を色合成して得られたカラー画像データを印刷して、二値画像が潜像化された印刷物310を作製してもよい。
【0087】
また、二値画像データ潜像化済み画像データ460を二値化した画像データを印刷して、二値画像が潜像化された印刷物310を作製してもよい。
【0088】
また、二値画像データ潜像化済み画像データ460を印刷する際に、特定の波長の光を反射、又は吸収、又は透過するインキや、励起光を照射すると特定の波長の光を発光するインキなどを用いて、二値画像が潜像化された印刷物310を作製してもよい。
【0089】
(真偽判別装置)
次に、本発明に係る真偽判別装置200の具体的な構成を説明する。図3に示す真偽判別装置200は、真偽判別対象画像データ取得部210と、高速ハートレー変換部220と、配列並べ換え部230と、数値変換部240と、判別用画像データ生成部250と、記憶部260と、真偽判別部270から構成されている。
【0090】
図3の真偽判別対象画像データ取得部210は、イメージスキャナやイメージセンサカメラなどを備えており、印刷物320に含まれる真偽判別対象画像を読み取って、真偽判別対象画像データ470を生成する。ここで、真偽判別対象画像データ470は、画素数が2s-p×2t-p(s-p,t-pは正の整数、pは0以上の整数)であるピクセルの二次元配列である。
【0091】
図3の高速ハートレー変換部220は、真偽判別対象画像データ470を二次元の実数データ配列J480に変換する。
【0092】
図3の配列並べ換え部230は、この二次元の実数データ配列J480を垂直方向に二等分するとともに水平方向に二等分した四つの部分配列のうち、右上の部分配列を左下の部分配列の位置に移動し、左下の部分配列を右上の部分配列の位置に移動し、左上の部分配列を右下の部分配列の位置に移動し、右下の部分配列を左上の部分配列の位置に移動して、四つの部分配列の並べ換えを行い、二次元の実数データ配列J'490を生成する。
【0093】
図3の数値変換部240は、この二次元の実数データ配列J'490における各画素ごとの実数データの絶対値の小数を切り捨て、又は切り上げ、又は四捨五入して、二次元の整数データ配列500を生成する。
【0094】
図3の判別用画像データ生成部250は、この二次元の整数データ配列500に所定の階調変換を行って判別用画像データ510を生成する。
【0095】
図3の記憶部260は、データ記憶装置を備えており、真偽判別に用いる基準画像データ520の書き込み、記憶、読み出しを行う。
【0096】
図3の真偽判別部270は、あらかじめ定められた基準画像データ520と判別用画像データ510とを比較、照合して真偽判別を行い、基準画像データ520と判別用画像データ510との類似度があらかじめ定めた類似度以上となるときに、印刷物320を真正な印刷物として判別し、真偽判別結果330を出力する。
【0097】
(真偽判別装置の作用)
本発明に係る真偽判別装置の実施例の作用について、図4に示すフローチャートにより説明する。
【0098】
図4のステップST201では、図3の真偽判別対象画像データ取得部210において、印刷物320に含まれる真偽判別対象画像を読み取って、真偽判別対象画像データ470を生成する。ここで、真偽判別対象画像データ470は、画素数が2s-p×2t-p(s-p,t-pは正の整数、pは0以上の整数)であるピクセルの二次元配列である。
【0099】
図18は、イメージスキャナ(EPSON GT-7000S)を用いて、図16(b)の真偽判別対象画像を72dpi、8ビットのグレースケール画像として読み取った真偽判別対象画像データ470である。図18の真偽判別対象画像データ470は、画素数が256×256の二次元配列であり、1画素当たり8ビットの階調を有する。
ここで、図16(b)の真偽判別対象画像は、図15に示す画素数が256×256の二値画像データ潜像化済み画像データ460を72dpiの解像度で印刷したものとすると、図18の真偽判別対象画像データ470は、図16(b)の真偽判別対象画像を72dpiの解像度でディジタル化したものであるため、図18の真偽判別対象画像データ470の画素数は、必然的に256×256となる。
【0100】
図19は、イメージスキャナ(EPSON GT-7000S)を用いて、図17(b)の円形状の真偽判別対象画像の一部を72dpi、8ビットのグレースケール画像として読み取った真偽判別対象画像データ470である。図19の真偽判別対象画像データ470は、画素数が128×128の二次元配列であり、1画素当たり8ビットの階調を有する。
ここで、図19に関しては、図17(b)の円形状の真偽判別対象画像内であれば、どの部分をディジタル化して真偽判別対象画像データ470を生成してもよい。
【0101】
図4のステップST202では、真偽判別対象画像データ470をハートレー変換して二次元の実数データ配列J480に変換する。ハートレー変換の方法は、図2のステップST103で述べた方法と同様である。ここで、真偽判別対象画像データ470をハートレー変換して二次元の実数データ配列J480に変換する理由は、二次元の実数データ配列J480に対して、後述する一連の処理を施すことによって、潜像化された二値画像データg420のパターンを判別用画像データ510において得るためである。
【0102】
図4のステップST203では、図3の配列並べ換え部230で述べた方法に基づいて、二次元の実数データ配列J480の配列並べ換えを行い、二次元の実数データ配列J'490を生成する。
以下、二次元の実数データ配列J480の配列並べ替えを行う理由について述べる。図2のステップST104では、二値画像データg420から二値画像データg'440に配列の並べ替えを行った。このため、もし、図4のステップST203で二次元の実数データ配列J480の配列を並べ替えないと、図4のステップST205で生成される判別用画像データ510に、二値画像データg'440のパターンが得られることになる。したがって、判別用画像データ510において二値画像データg420と同一のパターンを得るためには、図4のステップST203で二次元の実数データ配列J480の配列並べ替えを行う必要がある。
なお、この配列の並べ替えを行わなければ二値画像データg420に対応するパターンが得られないわけではなく、配列の並べ替えを行わなくとも判別用画像データ510において潜像化されていた二値画像データg420に対応したパターンを得ることができ、これから真偽判別を行うことは可能であり、本発明の効果がなくなるものではない。
【0103】
図4のステップST204では、まず、二次元の実数データ配列J'490における各画素ごとの実数データの振幅を求めるため、各画素ごとの実数データの絶対値を求める。次に、ステップST205でルックアップテーブル変換などの階調変換を行うため、二次元の実数データ配列J'490における各画素ごとの実数データの絶対値の小数を切り捨て、又は切り上げ、又は四捨五入して、二次元の整数データ配列500を生成する。
【0104】
図4のステップST205では、ステップST207で行う真偽判別に適した階調を有する判別用画像データ510を生成するために、二次元の整数データ配列500に所定の階調変換を行う。
階調変換の一例としては、例えば、ステップST204で生成した二次元の整数データ配列500における各画素ごとの整数データが符号なし32ビット整数の場合、この符号なし32ビット整数を符号なし8ビット整数に変換するルックアップテーブルを用いて、各画素ごとの整数データの階調を32ビットから8ビットに変換してもよい。
【0105】
また、階調変換の別の例としては、二次元の整数データ配列500における各画素ごとの整数データが符号なし32ビット整数の場合、図20に示すように、符号なし32ビット整数を二進数で表し、下位ビットの1ビット目から上位ビットの32ビット目の間で、判別用画像データ510に二値画像データg420のパターンを得るのに適したビット位置を選択し、このビット位置を起点として所定のビット幅、例えばビット幅が8ビットの二進数データを抽出して、各画素ごとの整数データの階調を32ビットから8ビットに変換してもよい。
【0106】
図21に、判別用画像データ510の一例を示す。図21の例は、図18の真偽判別対象画像データ470をハートレー変換して二次元の実数データ配列J480を生成し、この二次元の実数データ配列J480の配列並べ換えを行って二次元の実数データ配列J'490を生成し、この二次元の実数データ配列J'490における各画素ごとの実数データの絶対値の小数を四捨五入して、各画素ごとの整数データが符号なし32ビット整数となる二次元の整数データ配列500を生成し、この二次元の整数データ配列500における各画素ごとの符号なし32ビット整数を二進数で表し、この二進数の下位から15ビット目のビット位置を起点として下位方向にビット幅が8ビットの二進数データを抽出して、各画素ごとの整数データの階調を32ビットから8ビットに変換し、この各画素が8ビットの階調を有する二次元の整数データ配列に1/4乗補正のルックアップテーブル変換を行ってコントラストを改善し、図6の二値画像データg420のパターンを目視可能な画像パターンとして判別用画像データ510を得たものである。
【0107】
図22に、判別用画像データ510のもう一つの例を示す。図22の例は、図19の真偽判別対象画像データ470をハートレー変換して二次元の実数データ配列J480を生成し、この二次元の実数データ配列J480の配列並べ換えを行って二次元の実数データ配列J'490を生成し、この二次元の実数データ配列J'490における各画素ごとの実数データの絶対値の小数を四捨五入して、各画素ごとの整数データが符号なし32ビット整数となる二次元の整数データ配列500を生成し、この二次元の整数データ配列500における各画素ごとの符号なし32ビット整数を二進数で表し、この二進数の下位から14ビット目のビット位置を起点として下位方向にビット幅が8ビットの二進数データを抽出して、各画素ごとの整数データの階調を32ビットから8ビットに変換し、この各画素が8ビットの階調を有する二次元の整数データ配列に1/4乗補正のルックアップテーブル変換を行ってコントラストを改善し、図6の二値画像データg420のパターンを1/4の大きさで判別用画像データ510を得たものである。
【0108】
図4のステップST206では、図3の真偽判別部270において、判別用画像データ510との比較、照合を行うため、図3の記憶部260から基準画像データ520の読み出しを行う。
【0109】
図4のステップST207では、印刷物320が真正な印刷物かどうかを判別するために、判別用画像データ510と基準画像データ520とを比較、照合して真偽判別を行う。ここで、判別用画像データ510と基準画像データ520との類似度が、あらかじめ定めた類似度以上となるときに、印刷物320を真正な印刷物として判別し、真偽判別結果330を出力する。
機械による真偽判別方法としては、例えば、正規化相関などのパターンマッチング手法を用いて、判別用画像データ510と基準画像データ520との類似度を数値化し、この類似度があらかじめ定めた類似度以上となるときに、印刷物320を真正な印刷物として判別する。また、目視による真偽判別方法としては、例えば、人間が目視できるように判別用画像データ510と基準画像データ520の両方を画像表示し、両者を目視によって比較、照合して真偽判別を行う。
【0110】
図23に、図6で示した同心円状のパターンを有する二値画像データg420以外の例として、図23(a)彩紋模様、図23(b)リボン、図23(c)花びらの各パターンを有する二値画像データg420の三例を示す。ここで、図23の三例では、各二値画像データg420は、画素数が256×256の二次元配列であり、左右対称かつ上下対称の二値画像データである。また、図23の三例では、各二値画像データg420の画素値は、白い画素の値が1で、黒い画素の値が0である。
【0111】
図24に、図5の原画像データf410及び図23の二値画像データg420の三例を基にして生成した二値画像データ潜像化済み画像データ460を印刷した後、図3の真偽判別対象画像データ取得部210で読み込み、図3の判別用画像データ生成部250で生成した判別用画像データ510の三例を示す。図24の三例は、図21で示した同心円状のパターンを有する判別用画像データ510以外に、様々なパターンを有する判別用画像データ510が生成可能であることを示している。
【0112】
図25は、図18の真偽判別対象画像データ470を拡大表示したものである。図25は、図1のデータ合成部140において、二次元の実数データ配列F430の配列要素値をF(u,v)とし、二値画像データg'440の配列要素値をg'(u,v)とし、二次元の実数データ配列H450の配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出して、二次元の実数データ配列H450を生成した場合の真偽判別対象画像データ470である。図25では、画像の四隅に年輪状の画線が現れているが、これは、F(u,v)≧0とF(u,v)<0のどちらの場合においても、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出したことによる。
【0113】
図26は、図21の判別用画像データ510を拡大表示したものである。したがって、図26は、図25の真偽判別対象画像データ470をハートレー変換した二次元の実数データ配列J480に、所定の処理を施して生成した判別用画像データ510に相当する。
【0114】
図27は、図1のデータ合成部140において、二次元の実数データ配列F430の配列要素値をF(u,v)とし、二値画像データg'440の配列要素値をg'(u,v)とし、二次元の実数データ配列H450の配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出して、二次元の実数データ配列H450を生成した場合の真偽判別対象画像データ470である。図27では、画像の四隅に年輪状の画線が現れていないが、これは、図1のデータ合成部140において、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出したことによる。
【0115】
図28は、図27の真偽判別対象画像データ470をハートレー変換した二次元の実数データ配列J480に、所定の処理を施して生成した判別用画像データ510に相当する。図28は、図26に比べ、画像のシャープネスやノイズが改善されているが、これは、図1のデータ合成部140において、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出したことによる。
【0116】
実施例では二値画像データの二値が0と1である場合について説明したが、これに限定するものではなく、生成される潜像化済み画像データを考慮して適宜選択すればよい。また、各画像の画素数も実施例に限定されるものではない。
【0117】
以上、本発明に係る印刷物作製方法、印刷物作製装置、真偽判別方法、真偽判別装置及び印刷物の実施の形態を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明に係る印刷物作製方法、印刷物作製装置、真偽判別方法、真偽判別装置及び印刷物の実施の態様は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明に係る特許請求の範囲に記載した技術事項の範囲内であれば各種の態様を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に係る印刷物作製装置の全体構成を説明するための図。
【図2】本発明に係る印刷物作製装置における印刷物作製手順を示すフローチャート。
【図3】本発明に係る真偽判別装置の全体構成を説明するための図。
【図4】本発明に係る真偽判別装置における真偽判別手順を示すフローチャート。
【図5】本発明に係る印刷物作製装置の画像データ入力部で入力した原画像データfの一例を示す図。
【図6】本発明に係る印刷物作製装置の画像データ入力部で入力した二値画像データgの一例を示す図。
【図7】本発明に係る印刷物作製装置の高速ハートレー変換部で生成された二次元の実数データ配列Fの一例を示す図。
【図8】本発明に係る印刷物作製装置の配列並べ換え部で生成された二値画像データg'の一例を示す図。
【図9】(a)二次元の実数データ配列Fの配列要素値F(u,v)を示す図。 (b)二値画像データg'の配列要素値g'(u,v)を示す図。
【図10】(a)二次元の実数データ配列Fの三次元表示。 (b)実数データ配列Fの各配列要素値F(u,v)に実数α(α≧0)を加えた二次元配列の三次元表示。
【図11】(a)二値画像データg'の三次元表示。 (b)配列要素値(F(u,v)+α)の二次元配列の三次元表示。 (c)配列要素値{g'(u,v)×(F(u,v)+α)}の二次元配列の三次元表示。
【図12】(a)画素値がほぼ一定の原画像データfの一例を示す図。 (b)図6の二値画像データgを示す図。
【図13】(a)図12(a)の原画像データfと図12(b)の二値画像データgを基にして生成した二値画像データ潜像化済み画像データ(実数α=0.0の場合)を示す図。 (b)図13(a)の二値画像データ潜像化済み画像データを印刷した後、図3の真偽判別対象画像データ取得部で読み込み、図3の判別用画像データ生成部で生成した判別用画像データを示す図。
【図14】(a)図12(a)の原画像データfと図12(b)の二値画像データgを基にして生成した二値画像データ潜像化済み画像データ(実数α=256.0の場合)を示す図。 (b)図14(a)の二値画像データ潜像化済み画像データを印刷した後、図3の真偽判別対象画像データ取得部で読み込み、図3の判別用画像データ生成部で生成した判別用画像データを示す図。
【図15】本発明に係る印刷物作製装置の逆高速ハートレー変換部で生成された二値画像データ潜像化済み画像データの一例を示す図。
【図16】(a)本発明に係る印刷物作製装置の印刷部で作製された二値画像が潜像化された印刷物の一例を示す図(図15の二値画像データ潜像化済み画像データの全部を正方形のまま印刷した場合)。 (b)図16(a)の印刷物における真偽判別対象画像を示す図。
【図17】(a)本発明に係る印刷物作製装置の印刷部で作製された二値画像が潜像化された印刷物の一例を示す図(図15の二値画像データ潜像化済み画像データの一部を円形にして印刷した場合)。 (b)図17(a)の印刷物における真偽判別対象画像を示す図。
【図18】本発明に係る真偽判別装置の真偽判別対象画像データ取得部で、図16(b)の真偽判別対象画像の全部をディジタル化して生成した真偽判別対象画像データを示す図。
【図19】本発明に係る真偽判別装置の真偽判別対象画像データ取得部で、図17(b)の真偽判別対象画像の一部をディジタル化して生成した真偽判別対象画像データを示す図。
【図20】二進数で表した符号なし32ビット整数における所定のビット位置と所定のビット幅の一例を示す図。
【図21】図18の真偽判別対象画像データを基にして、図3の判別用画像データ生成部で生成された判別用画像データを示す図。
【図22】図19の真偽判別対象画像データを基にして、図3の判別用画像データ生成部で生成された判別用画像データを示す図。
【図23】本発明に係る印刷物作製装置の画像データ入力部で入力した二値画像データgの三例を示す図。
【図24】図5の原画像データfと図23の二値画像データgの三例を基にして生成した二値画像データ潜像化済み画像データを印刷した後、図3の真偽判別対象画像データ取得部で読み込み、図3の判別用画像データ生成部で生成した判別用画像データの三例を示す図。
【図25】図18の真偽判別対象画像データを拡大表示した図。
【図26】図21の判別用画像データを拡大表示した図。
【図27】図1のデータ合成部において、二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、二値画像データg'の配列要素値をg'(u,v)とし、二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとにH(u,v)の値を算出して、二次元の実数データ配列Hを生成した場合の真偽判別対象画像データを示す図。
【図28】図27の真偽判別対象画像データをハートレー変換した二次元の実数データ配列Jに、所定の処理を施して生成した判別用画像データを示す図。
【符号の説明】
【0119】
100 印刷物作製装置
110 画像データ入力部
120 高速ハートレー変換部
130 配列並べ換え部
140 データ合成部
150 逆高速ハートレー変換部
160 記憶部
170 印刷部
200 真偽判別装置
210 真偽判別対象画像データ取得部
220 高速ハートレー変換部
230 配列並べ換え部
240 数値変換部
250 判別用画像データ生成部
260 記憶部
270 真偽判別部
310 二値画像が潜像化された印刷物
320 印刷物
330 真偽判別結果
410 原画像データf
420 二値画像データg
430 実数データ配列F
440 二値画像データg'
450 実数データ配列H
460 二値画像データ潜像化済み画像データ
470 真偽判別対象画像データ
480 実数データ配列J
490 実数データ配列J'
500 整数データ配列
510 判別用画像データ
520 基準画像データ
ST101 原画像データfの入力
ST102 二値画像データgの入力
ST103 高速ハートレー変換
ST104 配列の並べ換え
ST105 実数データ配列Fと二値画像データg'との合成
ST106 逆高速ハートレー変換
ST107 画像データの保存
ST108 画像データの印刷
ST201 真偽判別対象画像データの取得
ST202 高速ハートレー変換
ST203 配列の並べ換え
ST204 数値変換
ST205 判別用画像データの生成
ST206 基準画像データの読み出し
ST207 真偽判別


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原画像データfと二値画像データgを入力する入力過程と、原画像データfをハートレー変換して二次元の実数データ配列Fを生成するハートレー変換過程と、前記二次元の実数データ配列Fと前記二値画像データgとを合成して二次元の実数データ配列Hを生成するデータ合成過程と、前記二次元の実数データ配列Hを逆ハートレー変換して二値画像データ潜像化済み画像データを生成する逆ハートレー変換過程と、前記二値画像データ潜像化済み画像データを基に二値画像が潜像化された印刷物を作製する印刷過程と、から成ることを特徴とする印刷物作製方法。
【請求項2】
原画像データfと二値画像データgを入力する入力過程と、原画像データfをハートレー変換して二次元の実数データ配列Fを生成するハートレー変換過程と、前記二値画像データgに所定の配列並べ換え処理を行って二値画像データg'を生成する配列並べ換え過程と、前記二次元の実数データ配列Fと前記二値画像データg'とを合成して二次元の実数データ配列Hを生成するデータ合成過程と、前記二次元の実数データ配列Hを逆ハートレー変換して二値画像データ潜像化済み画像データを生成する逆ハートレー変換過程と、前記二値画像データ潜像化済み画像データを基に二値画像が潜像化された印刷物を作製する印刷過程と、から成ることを特徴とする印刷物作製方法。
【請求項3】
前記二値画像データgは、左右対称かつ上下対称の二値画像データであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷物作製方法。
【請求項4】
前記配列並べ換え過程は、前記二値画像データgを垂直方向に二等分すると共に水平方向に二等分した四つの部分配列のうち、右上の部分配列を左下の部分配列の位置に移動し、左下の部分配列を右上の部分配列の位置に移動し、左上の部分配列を右下の部分配列の位置に移動し、右下の部分配列を左上の部分配列の位置に移動して、前記四つの部分配列の並べ換えを行い、前記二値画像データg'を生成することを特徴とする請求項2に記載の印刷物作製方法。
【請求項5】
前記データ合成過程は、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データgの配列要素値をg(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする請求項1に記載の印刷物作製方法。
【請求項6】
前記データ合成過程は、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データgの配列要素値をg(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする請求項1に記載の印刷物作製方法。
【請求項7】
前記データ合成過程は、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データg'の配列要素値をg'(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする請求項2に記載の印刷物作製方法。
【請求項8】
前記データ合成過程は、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データg'の配列要素値をg'(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする請求項2に記載の印刷物作製方法。
【請求項9】
原画像データfと二値画像データgとを入力する画像データ入力部と、前記原画像データfにハートレー変換を行って二次元の実数データ配列Fを生成するハートレー変換部と、前記二次元の実数データ配列Fと前記二値画像データgとを合成して二次元の実数データ配列Hを生成するデータ合成部と、前記二次元の実数データ配列Hに逆ハートレー変換を行って二値画像データ潜像化済み画像データを生成する逆ハートレー変換部と、前記二値画像データ潜像化済み画像データを基にして印刷物を作製する印刷部と、を具備することを特徴とする印刷物作製装置。
【請求項10】
原画像データfと二値画像データgとを入力する画像データ入力部と、前記原画像データfにハートレー変換を行って二次元の実数データ配列Fを生成するハートレー変換部と、前記二値画像データgに所定の配列並べ換え処理を行って二値画像データg'を生成する配列並べ換え部と、前記二次元の実数データ配列Fと前記二値画像データg'とを合成して二次元の実数データ配列Hを生成するデータ合成部と、前記二次元の実数データ配列Hに逆ハートレー変換を行って二値画像データ潜像化済み画像データを生成する逆ハートレー変換部と、前記二値画像データ潜像化済み画像データを基にして印刷物を作製する印刷部と、を具備することを特徴とする印刷物作製装置。
【請求項11】
前記二値画像データgは、左右対称かつ上下対称の二値画像データであることを特徴とする請求項9又は10に記載の印刷物作製装置。
【請求項12】
前記配列並べ換え部は、前記二値画像データgを垂直方向に二等分すると共に水平方向に二等分した四つの部分配列のうち、右上の部分配列を左下の部分配列の位置に移動し、左下の部分配列を右上の部分配列の位置に移動し、左上の部分配列を右下の部分配列の位置に移動し、右下の部分配列を左上の部分配列の位置に移動して、前記四つの部分配列の並べ換えを行い、前記二値画像データg'を生成することを特徴とする請求項10に記載の印刷物作製装置。
【請求項13】
前記データ合成部は、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データgの配列要素値をg(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする請求項9に記載の印刷物作製装置。
【請求項14】
前記データ合成部は、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データgの配列要素値をg(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする請求項9に記載の印刷物作製装置。
【請求項15】
前記データ合成部は、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データg'の配列要素値をg'(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする請求項10に記載の印刷物作製装置。
【請求項16】
前記データ合成部は、前記二次元の実数データ配列Fの配列要素値をF(u,v)とし、前記二値画像データg'の配列要素値をg'(u,v)とし、前記二次元の実数データ配列Hの配列要素値をH(u,v)とし、αを実数(α≧0)として、F(u,v)≧0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)+α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出し、F(u,v)<0の場合は、H(u,v)=g'(u,v)×(F(u,v)−α)となるように各座標(u,v)ごとに前記H(u,v)の値を算出して、前記二次元の実数データ配列Hを生成することを特徴とする請求項10に記載の印刷物作製装置。
【請求項17】
真偽判別対象画像を有する印刷物を読み取って真偽判別対象画像データを生成する真偽判別対象画像データ取得過程と、前記真偽判別対象画像データをハートレー変換して二次元の実数データ配列Jを生成するハートレー変換過程と、前記二次元の実数データ配列Jにおける各画素ごとの実数データの絶対値の小数を切り捨て、又は切り上げ、又は四捨五入して、二次元の整数データ配列を生成する数値変換過程と、前記二次元の整数データ配列に所定の階調変換を行って判別用画像データを生成する判別用画像データ生成過程と、あらかじめ定められた基準画像データと前記判別用画像データとを比較、照合して真偽判別を行い、真偽判別結果を出力する真偽判別過程と、から成ることを特徴とする真偽判別方法。
【請求項18】
真偽判別対象画像を有する印刷物を読み取って真偽判別対象画像データを生成する真偽判別対象画像データ取得過程と、前記真偽判別対象画像データをハートレー変換して二次元の実数データ配列Jを生成するハートレー変換過程と、前記二次元の実数データ配列Jに所定の配列並べ換え処理を行って二次元の実数データ配列J'を生成する配列並べ換え過程と、前記二次元の実数データ配列J'における各画素ごとの実数データの絶対値の小数を切り捨て、又は切り上げ、又は四捨五入して、二次元の整数データ配列を生成する数値変換過程と、前記二次元の整数データ配列に所定の階調変換を行って判別用画像データを生成する判別用画像データ生成過程と、あらかじめ定められた基準画像データと前記判別用画像データとを比較、照合して真偽判別を行い、真偽判別結果を出力する真偽判別過程と、から成ることを特徴とする真偽判別方法。
【請求項19】
前記配列並べ換え過程は、前記二次元の実数データ配列Jを垂直方向に二等分するとともに水平方向に二等分した四つの部分配列のうち、右上の部分配列を左下の部分配列の位置に移動し、左下の部分配列を右上の部分配列の位置に移動し、左上の部分配列を右下の部分配列の位置に移動し、右下の部分配列を左上の部分配列の位置に移動して、前記四つの部分配列の並べ換えを行い、前記二次元の実数データ配列J'を生成することを特徴とする請求項18に記載の真偽判別方法。
【請求項20】
真偽判別対象画像を有する印刷物を読み取って真偽判別対象画像データを生成する真偽判別対象画像データ取得部と、前記真偽判別対象画像データにハートレー変換を行って二次元の実数データ配列Jを生成するハートレー変換部と、前記二次元の実数データ配列Jにおける各画素ごとの実数データの絶対値の小数を切り捨て、又は切り上げ、又は四捨五入して、二次元の整数データ配列を生成する数値変換部と、前記二次元の整数データ配列に所定の階調変換を行って判別用画像データを生成する判別用画像データ生成部と、あらかじめ定められた基準画像データと前記判別用画像データとを比較、照合して真偽判別を行い、真偽判別結果を出力する真偽判別部と、を具備することを特徴とする真偽判別装置。
【請求項21】
真偽判別対象画像を有する印刷物を読み取って真偽判別対象画像データを生成する真偽判別対象画像データ取得部と、前記真偽判別対象画像データにハートレー変換を行って二次元の実数データ配列Jを生成するハートレー変換部と、前記二次元の実数データ配列Jに所定の配列並べ換え処理を行って二次元の実数データ配列J'を生成する配列並べ換え部と、前記二次元の実数データ配列J'における各画素ごとの実数データの絶対値の小数を切り捨て、又は切り上げ、又は四捨五入して、二次元の整数データ配列を生成する数値変換部と、前記二次元の整数データ配列に所定の階調変換を行って判別用画像データを生成する判別用画像データ生成部と、あらかじめ定められた基準画像データと前記判別用画像データとを比較、照合して真偽判別を行い、真偽判別結果を出力する真偽判別部と、を具備することを特徴とする真偽判別装置。
【請求項22】
前記配列並べ換え部は、前記二次元の実数データ配列Jを垂直方向に二等分すると共に水平方向に二等分した四つの部分配列のうち、右上の部分配列を左下の部分配列の位置に移動し、左下の部分配列を右上の部分配列の位置に移動し、左上の部分配列を右下の部分配列の位置に移動し、右下の部分配列を左上の部分配列の位置に移動して、前記四つの部分配列の並べ換えを行い、前記二次元の実数データ配列J'を生成することを特徴とする請求項21に記載の真偽判別装置。
【請求項23】
請求項1〜8のいずれかに記載の方法により得られる印刷物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2006−295893(P2006−295893A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26651(P2006−26651)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】