説明

印刷物検査装置、印刷物欠陥除去装置、印刷物検査方法、印刷物欠陥除去方法、印刷物検査システム

【課題】検査時と欠陥除去時との間で印刷物の形態が変化した場合であっても、作業負担を増大させることなく検査結果に基づいて欠陥箇所の探索を行うことを可能とする印刷物検査システム等を提供する。
【解決手段】印刷物検査システム1は、検査装置2及び欠陥除去装置20及び制御部30を備える。検査装置2は、印刷物10の側端部に所定間隔でマーク13をマーキングする。検査装置2は、印刷物10を撮像して検査画像を取得し、検査画像に基づいて欠陥を検出し、検査結果として欠陥検出位置を保持する。欠陥除去装置20は、欠陥検出位置とマーク13が示す位置とが一致する位置で印刷物10の走行を停止させ、欠陥を含む除去領域の切断及び貼り合わせを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物を検査する印刷物検査システム等に関する。詳細には、巻取材(ロール紙やウエブ状フィルム材)に印刷された印刷物を検査する印刷物検査システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物検査装置は、良品の印刷物から得られた基準画像と検査対象の印刷物から得られた検査画像とを比較し、欠陥検出を行う。また、巻取材(ロール紙やウエブ状フィルム材)の印刷物を検査する印刷物検査装置は、磁気テープを挿入したりICタグを挿入することにより、検査結果を印刷物に直接マーキングする(例えば、[特許文献1]参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−62015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の印刷物検査装置は、欠陥箇所の切断及び貼り合わせのため、検査結果として保持する巻長データとマーキング位置とが一致しないという問題点がある。また、検査時の巻き出し工程と欠陥除去時の巻き戻し工程とでは巻取材の張力が異なり、巻取材自体の伸縮により、検査結果として保持する巻長データとマーキング位置とが一致しないという問題点がある。
また、欠陥が検出されても最初は軽微な欠陥であるとしてマーキングされない場合、後に重大な欠陥であることが判明しても、当該欠陥箇所を探索することが困難であるという問題点がある。
【0005】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、検査時と欠陥除去時との間で印刷物の形態が変化した場合であっても、作業負担を増大させることなく検査結果に基づいて欠陥箇所の探索を行うことを可能とする印刷物検査システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために第1の発明は、走行する印刷物を撮像した画像に基づいて前記印刷物の検査を行う印刷物検査装置であって、前記印刷物の所定部分に対して前記走行する方向に所定間隔で位置を示すマークを付するマーキング手段と、前記印刷物を撮像して検査画像を取得する撮像部と、前記検査画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出手段と、前記欠陥の検出位置を保持する欠陥検出位置保持手段と、を具備することを特徴とする印刷物検査装置である。
【0007】
印刷物検査装置は、巻取材に印刷された印刷物を検査する装置である。巻取材は、例えば、ロール紙やウエブ状フィルム材である。印刷物検査装置は、印刷物の側端部等に巻長等の位置を示すマークを付し、印刷物を撮像して検査画像を取得し、検査画像に基づいて欠陥を検出し、欠陥の検出位置を保持する。印刷物検査装置は、例えば、レーザマーカやインクジェットヘッドを用いて、印刷物に直接マークを印字したり印刷したりする。
【0008】
第1の発明では、検査結果として保持する欠陥検出位置と印刷物にマーキングした巻長とが対応付けられるので、伸縮や切断及び貼り合わせ等により、検査時と欠陥除去時とで印刷物の形態が変化した場合であっても、作業負担を増大させることなく検査結果に基づいて欠陥箇所の探索や特定を行うことができる。
【0009】
第2の発明は、走行する印刷物から欠陥を探索して除去する印刷物欠陥除去装置であって、前記欠陥の検出位置を取得する欠陥検出位置取得手段と、前記印刷物に付されたマークを読み取るマーク読取手段と、前記欠陥の検出位置と前記マークが示す位置とが一致する位置で前記印刷物の走行を停止させる停止手段と、前記印刷物から前記欠陥を除去する欠陥除去手段と、を具備することを特徴とする印刷物欠陥除去装置である。
【0010】
印刷物欠陥除去装置は、印刷物に付されたマークを読み取り、検査結果が示す欠陥の検出位置とマークが示す位置とが一致する位置で印刷物の走行を停止させ、切断及び貼り合わせ等を行って印刷物から欠陥を除去する。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の印刷物検査装置により検査された印刷物に対して欠陥の除去を行う印刷物欠陥除去装置に関する発明である。
【0012】
第3の発明は、走行する印刷物を撮像した画像に基づいて前記印刷物の検査を行う印刷物検査装置と、検査済の印刷物を巻き戻して前記欠陥を探索して除去する印刷物欠陥除去装置と、を備える印刷物検査システムであって、前記印刷物検査装置は、前記印刷物の所定部分に対して前記走行する方向に所定間隔で位置を示すマークを付するマーキング手段と、前記印刷物を撮像して検査画像を取得する撮像部と、前記検査画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出手段と、前記欠陥の検出位置を保持する欠陥検出位置保持手段と、を具備し、前記印刷物欠陥除去装置は、前記欠陥の検出位置を取得する欠陥検出位置取得手段と、前記印刷物に付されたマークを読み取るマーク読取手段と、前記欠陥の検出位置と前記マークが示す位置とが一致する位置で前記印刷物の走行を停止させる停止手段と、前記印刷物から前記欠陥を除去する欠陥除去手段と、を具備することを特徴とする印刷物検査システムである。
【0013】
第3の発明は、走行する印刷物を撮像した画像に基づいて印刷物の検査を行う印刷物検査装置と、検査済の印刷物を巻き戻して欠陥を探索して除去する印刷物欠陥除去装置と、を備える印刷物検査システムに関する発明である。
【0014】
第4の発明は、走行する印刷物を撮像した画像に基づいて前記印刷物の検査を行う印刷物検査方法であって、前記印刷物の所定部分に対して前記走行する方向に所定間隔で位置を示すマークを付するマーキングステップと、前記印刷物を撮像して検査画像を取得する撮像ステップと、前記検査画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出ステップと、前記欠陥の検出位置を保持する欠陥検出位置保持ステップと、を具備することを特徴とする印刷物検査方法である。
【0015】
第4の発明は、走行する印刷物を撮像した画像に基づいて印刷物の検査を行う印刷物検査方法に関する発明である。
【0016】
第5の発明は、走行する印刷物から欠陥を探索して除去する印刷物欠陥除去方法であって、前記欠陥の検出位置を取得する欠陥検出位置取得ステップと、前記印刷物に付されたマークを読み取るマーク読取ステップと、前記欠陥の検出位置と前記マークが示す位置とが一致する位置で前記印刷物の走行を停止させる停止ステップと、前記印刷物から前記欠陥を除去する欠陥除去ステップと、を具備することを特徴とする印刷物欠陥除去方法である。
【0017】
第5の発明は、走行する印刷物から欠陥を探索して除去する印刷物欠陥除去方法に関する発明である。
【0018】
第6の発明は、走行する印刷物を撮像した画像に基づいて前記印刷物の検査を行い、検査済の印刷物を巻き戻して前記欠陥を探索して除去する、印刷物検査方法であって、前記印刷物の所定部分に対して前記走行する方向に所定間隔で位置を示すマークを付するマーキングステップと、前記印刷物を撮像して検査画像を取得する撮像ステップと、前記検査画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出ステップと、前記欠陥の検出位置を保持する欠陥検出位置保持ステップと、前記欠陥の検出位置を読み出す欠陥検出位置読出ステップと、前記印刷物に付されたマークを読み取るマーク読取ステップと、前記欠陥の検出位置と前記マークが示す位置とが一致する位置で前記印刷物の走行を停止させる停止ステップと、前記印刷物から前記欠陥を除去する欠陥除去ステップと、を具備することを特徴とする印刷物検査方法である。
【0019】
第6の発明は、走行する印刷物を撮像した画像に基づいて印刷物の検査を行い、検査済の印刷物を巻き戻して欠陥を探索して除去する、印刷物検査方法に関する発明である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、検査時と欠陥除去時との間で印刷物の形態が変化した場合であっても、作業負担を増大させることなく検査結果に基づいて欠陥箇所の探索を行うことを可能とする印刷物検査システム等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る印刷物検査システム等の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0022】
(1.印刷物検査システム1の構成)
最初に、図1〜図3を参照しながら、印刷物検査システム1の構成について説明する。印刷物検査システム1は、検査装置2及び欠陥除去装置20及び制御部30から構成される。尚、図1〜図3の印刷物検査システム1の構成は一例であり、様々な構成を採ることが可能である。
【0023】
(1−1.検査装置2)
図1は、検査装置2の構成図である。
検査装置2は、巻取材(ロール紙やウエブ状フィルム材)の印刷物10を検査する装置である。印刷物10は、巻出部6から巻き出され、撮像部4の視野範囲内を走行し、巻取部7に巻き取られる。検査装置2は、マーキング部3及び撮像部4を備える。
【0024】
マーキング部3は、印刷物10にマーク13をマーキングする装置である。マーキング部3は、印刷図柄11以外の余白領域(例えば、側端部)にマーク13をマーキングする。マーク13は、印刷物の巻長を示すマークである。マーク13は、例えば、巻長を示す数字や目盛、スケールである。マーキング部3は、例えば、レーザマーカやインクジェットヘッドを用いて、マーク13を印字したり印刷したりする。
【0025】
撮像部4は、印刷物10の画像を取得する装置である。撮像部4は、例えば、受光素子(画素)を配列したCCD(Charge Coupled Device)等の光センサ、駆動回路、結像光学系等からなるカメラである。撮像部4として、カラーラインセンサカメラを用いることができる。また、複数台のカメラを設けることが望ましい。
【0026】
(1−2.欠陥除去装置20)
図2は、欠陥除去装置20の構成図である。
欠陥除去装置20は、検査装置2により検出された欠陥箇所を印刷物10から除去する装置である。欠陥除去装置20は、切断部21及び貼合部22を備える。切断部21は、印刷物10を切断する装置である。貼合部22は、切断した印刷物10を貼り合わせて繋ぎ合わせる装置である。
【0027】
検査装置2により検査された印刷物10は、巻出部23から巻き戻され、切断部21及び貼合部22により欠陥箇所の切断及び貼り合わせが行われ、巻取部24に巻き取られる。
【0028】
(1−3.制御部30)
図3は、制御部30の構成図である。
制御部30は、検査装置2及び欠陥除去装置20の動作制御や操作指示、画像処理及び演算処理を行う装置である。制御部30は、CPU31、メモリ32、記憶部33、表示部34、入力部35、出力部36、通信部37がシステムバス38を介して接続された構成される。
【0029】
検査装置2及び欠陥除去装置20は、記憶部33やROMや記録媒体に格納されるプログラム(アプリケーションプログラム、OSのプログラム等)をメモリ32のRAMにロードしてCPU31の制御の下に、各種処理を実行する。
【0030】
CPU31(Central Processing Unit)は、演算処理(四則演算や比較演算等)やハードウェアやソフトウェアの動作制御を行う装置である。
【0031】
メモリ32は、RAM及びROM等のメモリである。RAM(Random Access Memory)は、ROM(Read Only Memory)や記憶部33から読み出されたOS(Operating System)のプログラム、アプリケーションプログラム等を記憶する。RAMは、CPU31の主メモリやワークエリアとして機能する。
【0032】
記憶部33は、各種データを記憶する装置であり、例えば、ハードディスクである。記憶部33は、CPU31が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS、各種データベース等が格納される。記憶部33は、基準画像39及び検査情報40を保持する。基準画像39は、検査の基準となる画像である。尚、検査情報40については後述する。
【0033】
表示部34は、表示装置であり、例えば、CRTモニタ、液晶パネルである。表示部34は、コンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路(ビデオアダプタ等)を有する。
【0034】
入力部35は、各種データの入力装置であり、例えば、キーボード、マウスである。出力部36は、各種データの出力装置であり、例えば、プリンタである。各種メディアとのデータ入出力を行うドライブ装置を入力部35及び出力部36として用いることもできる。
【0035】
通信部37は、検査装置2及び欠陥除去装置20と接続・通信する通信制御装置である。
システムバス38は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0036】
(2.検査情報40)
図4は、検査情報40の一態様を示す図である。
検査情報40は、欠陥検出位置41、検査画像42、判定結果43、切断貼合位置44の各フィールドを有する。
【0037】
欠陥検出位置41は、検査装置2において検出された欠陥の検出位置を示す。欠陥検出位置41は、例えば、印刷物10の巻長「200」である。
検査画像42は、検査装置2において撮像された印刷物10の画像を示す。検査画像42は、例えば、画像データファイル名「kensa11.jpg」である。検査画像42として画像データを保持するようにしてもよいし、当該画像データの参照先を保持するようにしてもよい。
【0038】
判定結果43は、欠陥に対するオペレータの判定結果を示す。オペレータは、検査装置2が検出した欠陥に対して、検査画像42に基づいて、除去が必要か否か等を判定する。判定結果43は、例えば、「不良(除去が必要)」「良(除去は不要)」である。
切断貼合位置44は、欠陥除去装置20において切断及び貼り合わせが行われた位置を示す。切断貼合位置44は、例えば、切断して除去した巻長「175−225」である。
【0039】
(3.印刷物検査システム1の動作)
次に、図5〜図11を参照しながら、印刷物検査システム1の動作について説明する。
【0040】
(3−1.検査装置2の動作)
図5は、検査装置2の動作を示すフローチャートである。
図8は、マーキングを示す図である(図5のステップ102)。
図9は、撮像及び欠陥検出を示す図である(図5のステップ103〜ステップ105)。
【0041】
検査装置2は、巻出部6から印刷物10を巻き出す(ステップ101)。
検査装置2は、マーキング部3により、印刷物10に対して走行方向に所定間隔でマーク13をマーキングする(ステップ102)。尚、検査装置2は、印刷図柄11以外の余白領域(例えば、側端部)にマーク13をマーキングする。
検査装置2は、撮像部4により印刷図柄11の画像を撮像し、検査画像42を取得する(ステップ103)。検査装置2は、記憶部33から基準画像39を読み出し、基準画像39と検査画像42とを比較検査して欠陥51を検出する(ステップ104)。検査装置2は、欠陥51に関する欠陥検出位置41及び検査画像42を記録し、検査情報40を更新して記憶部33に保持する(ステップ105)。
検査装置2は、巻取部7に印刷物10を巻き取る(ステップ106)。
検査装置2は、印刷物10の検査を継続する場合(ステップ107のNO)、ステップ101からの処理を繰り返す。
【0042】
以上の過程を経て、検査装置2は、印刷物10の側端部に所定間隔でマーク13をマーキングし、印刷物10を撮像して検査画像42を取得し、検査画像42に基づいて欠陥51を検出し、検査情報40の欠陥検出位置41及び検査画像42を更新して保持する。
【0043】
尚、マーキング部3及び撮像部4の位置関係及び処理タイミングに関しては、マーキング部3と撮像部4とを同一巻長の位置に設けて、マーキングと撮像とを同時に行うようにしてもよい。また、マーキング部3の後段に撮像部4を設けて、マーキングを行った後に撮像を行うようにしてもよい。この場合、検査情報40の欠陥検出位置41を適宜補正して記録することが望ましい。
【0044】
(3−2.欠陥判定)
図6は、欠陥判定における制御部30の動作を示すフローチャートである。
【0045】
制御部30は、検査情報40を読み出し、検査画像42を表示部34に表示する(ステップ201)。オペレータは、表示部34に表示される検査画像42を確認して、欠陥の除去が必要であるか否かを判定する(ステップ202)。制御部30は、入力部35を介して判定結果43が入力されると、検査情報40の判定結果43を記録して記憶部33に保持する(ステップ203)。
【0046】
以上の過程を経て、制御部30は、検査画像42を表示して欠陥の判定結果43が入力されると、検査情報40の判定結果43を記録して記憶部33に保持する。
【0047】
(3−3.欠陥除去装置20)
図7は、欠陥除去装置20の動作を示すフローチャートである。
図10は、欠陥箇所の探索及び切断を示す図である(図7のステップ302〜ステップ304)。
図11は、欠陥箇所の除去及び貼り合わせを示す図である(図7のステップ305〜ステップ306)。
【0048】
欠陥除去装置20は、巻出部23から検査済の印刷物10を巻き戻す(ステップ301)。
欠陥除去装置20は、記憶部33から検査情報40を読み出す(ステップ302)。欠陥除去装置20は、検査情報40の判定結果43を参照し、除去が必要とされる欠陥51の探索を開始する。欠陥除去装置20は、検査情報40の欠陥検出位置41とマーク13が示す位置とを照合する。欠陥除去装置20は、欠陥検出位置41とマーク13が示す位置とが一致する位置で、印刷物10の巻き戻しを停止させる(ステップ303)。欠陥除去装置20は、切断部21により欠陥51を含む除去領域53の切断を行う(ステップ304)。
【0049】
欠陥除去装置20は、除去領域53を除去し、貼合部22により、切断した印刷物10を貼り合わせて繋ぎ合わせる(ステップ305)。欠陥除去装置20は、検査情報40の切断貼合位置44を記録して記憶部33に保持する(ステップ306)。
欠陥除去装置20は、巻取部24に印刷物10を巻き取る(ステップ307)。
欠陥除去装置20は、欠陥除去を継続する場合(ステップ308のNO)、ステップ301からの処理を繰り返す。
【0050】
以上の過程を経て、欠陥除去装置20は、検査情報40の欠陥検出位置41とマーク13が示す位置とが一致する位置で印刷物10の走行を停止させ、欠陥51を含む除去領域53の切断及び貼り合わせを行う。
【0051】
尚、印刷物10の欠陥51の探索に関しては、オペレータが印刷物10のマーク13を目視し、検査情報40の欠陥検出位置41と一致するマーク31の位置で印刷物10の巻き戻しを停止させるようにしてもよい。
また、欠陥除去装置20に、マーク13を読み取るマーク読取部(図示しない。)を設けてもよい。欠陥除去装置20は、マーク読取部が撮像した画像に対して画像処理を行ってマーク13が示す位置を取得し、欠陥検出位置41と一致した位置で印刷物10の巻き戻しを自動的に停止させるようにしてもよい。
また、欠陥除去装置20は、検査情報40の欠陥検出位置41及び切断貼合位置44を参照して印刷物10の巻き戻し量や停止位置を算出するようにしてもよい。
【0052】
(4.効果等)
以上詳細に説明したように本発明によれば、印刷物検査システム1は、印刷物の側端部に所定間隔で巻長をマーキングし、記憶部に保持した欠陥検出位置を示す巻長に基づいて欠陥箇所の探索を行い、印刷物にマーキングした巻長と一致した位置で印刷物の走行を停止させて欠陥除去を行う。
【0053】
このように、印刷物検査システム1では、検査結果として保持する欠陥検出位置と印刷物にマーキングした巻長とが対応付けられるので、伸縮や切断及び貼り合わせ等により、検査時と欠陥除去時とで印刷物の形態が変化した場合であっても、作業負担を増大させることなく検査結果に基づいて欠陥箇所の探索や特定を行うことができる。
また、欠陥が検出されても最初は軽微な欠陥であるとしてラベル等を貼付していなかった場合であっても、後に当該欠陥箇所を探索することができる。
また、必ずしも欠陥毎にラベル等の個別のマーキングを行う必要がないが、検査装置にラベル貼付部を設け、明らかな欠陥に対しては検出箇所にラベル等の個別のマーキングを行ってもよい。
【0054】
以上、添付図面を参照しながら、本発明にかかる印刷物検査システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】検査装置2の構成図
【図2】欠陥除去装置20の構成図
【図3】制御部30の構成図
【図4】検査情報40の一態様を示す図
【図5】検査装置2の動作を示すフローチャート
【図6】欠陥判定における制御部30の動作を示すフローチャート
【図7】欠陥除去装置20の動作を示すフローチャート
【図8】マーキングを示す図(図5のステップ102)
【図9】撮像及び欠陥検出を示す図(図5のステップ103〜ステップ105)
【図10】欠陥箇所の探索及び切断を示す図(図7のステップ302〜ステップ304)
【図11】欠陥箇所の除去及び貼り合わせを示す図(図7のステップ305〜ステップ306)
【符号の説明】
【0056】
1………印刷物検査システム
2………検査装置
3………マーキング部
4………撮像部
6………巻出部
7………巻取部
10………印刷物
11………印刷図柄
13………マーク
20………欠陥除去装置
21………切断部
22………貼合部
23………巻出部
24………巻取部
30………制御部
31………CPU
32………メモリ
33………記憶部
34………表示部
39………基準画像
40………検査情報
41………欠陥検出位置
42………検査画像
43………判定結果
44………切断貼合位置
51………欠陥
53………除去領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する印刷物を撮像した画像に基づいて前記印刷物の検査を行う印刷物検査装置であって、
前記印刷物の所定部分に対して前記走行する方向に所定間隔で位置を示すマークを付するマーキング手段と、
前記印刷物を撮像して検査画像を取得する撮像部と、
前記検査画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出手段と、
前記欠陥の検出位置を保持する欠陥検出位置保持手段と、
を具備することを特徴とする印刷物検査装置。
【請求項2】
前記マーキング手段は、前記印刷物の側端部に前記マークを付することを特徴とする請求項1に記載の印刷物検査装置。
【請求項3】
前記マーキング手段が付与するマーク及び前記欠陥検出位置保持手段が保持する欠陥の検出位置は、前記印刷物の巻長に関する情報を位置情報として含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷物検査装置。
【請求項4】
走行する印刷物から欠陥を探索して除去する印刷物欠陥除去装置であって、
前記欠陥の検出位置を取得する欠陥検出位置取得手段と、
前記印刷物に付されたマークを読み取るマーク読取手段と、
前記欠陥の検出位置と前記マークが示す位置とが一致する位置で前記印刷物の走行を停止させる停止手段と、
前記印刷物から前記欠陥を除去する欠陥除去手段と、
を具備することを特徴とする印刷物欠陥除去装置。
【請求項5】
前記欠陥除去手段は、切断及び貼り合わせにより前記欠陥を除去することを特徴とする請求項4に記載の印刷物欠陥除去装置。
【請求項6】
走行する印刷物を撮像した画像に基づいて前記印刷物の検査を行う印刷物検査装置と、検査済の印刷物を巻き戻して前記欠陥を探索して除去する印刷物欠陥除去装置と、を備える印刷物検査システムであって、
前記印刷物検査装置は、
前記印刷物の所定部分に対して前記走行する方向に所定間隔で位置を示すマークを付するマーキング手段と、
前記印刷物を撮像して検査画像を取得する撮像部と、
前記検査画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出手段と、
前記欠陥の検出位置を保持する欠陥検出位置保持手段と、を具備し、
前記印刷物欠陥除去装置は、
前記欠陥の検出位置を取得する欠陥検出位置取得手段と、
前記印刷物に付されたマークを読み取るマーク読取手段と、
前記欠陥の検出位置と前記マークが示す位置とが一致する位置で前記印刷物の走行を停止させる停止手段と、
前記印刷物から前記欠陥を除去する欠陥除去手段と、を具備することを特徴とする印刷物検査システム。
【請求項7】
前記マーキング手段は、前記印刷物の側端部に前記マークを付することを特徴とする請求項6に記載の印刷物検査システム。
【請求項8】
前記マーキング手段が付与するマーク及び前記欠陥検出位置保持手段が保持する欠陥の検出位置は、前記印刷物の巻長に関する情報を位置情報として含むことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の印刷物検査システム。
【請求項9】
前記欠陥除去手段は、切断及び貼り合わせにより前記欠陥を除去することを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれかに記載の印刷物検査システム。
【請求項10】
走行する印刷物を撮像した画像に基づいて前記印刷物の検査を行う印刷物検査方法であって、
前記印刷物の所定部分に対して前記走行する方向に所定間隔で位置を示すマークを付するマーキングステップと、
前記印刷物を撮像して検査画像を取得する撮像ステップと、
前記検査画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出ステップと、
前記欠陥の検出位置を保持する欠陥検出位置保持ステップと、
を具備することを特徴とする印刷物検査方法。
【請求項11】
前記マーキングステップは、前記印刷物の側端部に前記マークを付することを特徴とする請求項10に記載の印刷物検査方法。
【請求項12】
前記マーキングステップが付与するマーク及び前記欠陥検出位置保持ステップで保持される欠陥の検出位置は、前記印刷物の巻長に関する情報を位置情報として含むことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の印刷物検査方法。
【請求項13】
走行する印刷物から欠陥を探索して除去する印刷物欠陥除去方法であって、
前記欠陥の検出位置を取得する欠陥検出位置取得ステップと、
前記印刷物に付されたマークを読み取るマーク読取ステップと、
前記欠陥の検出位置と前記マークが示す位置とが一致する位置で前記印刷物の走行を停止させる停止ステップと、
前記印刷物から前記欠陥を除去する欠陥除去ステップと、
を具備することを特徴とする印刷物欠陥除去方法。
【請求項14】
前記欠陥除去ステップは、切断及び貼り合わせにより前記欠陥を除去することを特徴とする請求項13に記載の印刷物欠陥除去方法。
【請求項15】
走行する印刷物を撮像した画像に基づいて前記印刷物の検査を行い、検査済の印刷物を巻き戻して前記欠陥を探索して除去する、印刷物検査方法であって、
前記印刷物の所定部分に対して前記走行する方向に所定間隔で位置を示すマークを付するマーキングステップと、
前記印刷物を撮像して検査画像を取得する撮像ステップと、
前記検査画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出ステップと、
前記欠陥の検出位置を保持する欠陥検出位置保持ステップと、
前記欠陥の検出位置を読み出す欠陥検出位置読出ステップと、
前記印刷物に付されたマークを読み取るマーク読取ステップと、
前記欠陥の検出位置と前記マークが示す位置とが一致する位置で前記印刷物の走行を停止させる停止ステップと、
前記印刷物から前記欠陥を除去する欠陥除去ステップと、を具備することを特徴とする印刷物検査方法。
【請求項16】
前記マーキングステップは、前記印刷物の側端部に前記マークを付することを特徴とする請求項15に記載の印刷物検査方法。
【請求項17】
前記マーキングステップが付与するマーク及び前記欠陥検出位置保持ステップで保持される欠陥の検出位置は、前記印刷物の巻長に関する情報を位置情報として含むことを特徴とする請求項15または請求項16に記載の印刷物検査方法。
【請求項18】
前記欠陥除去ステップは、切断及び貼り合わせにより前記欠陥を除去することを特徴とする請求項15から請求項17までのいずれかに記載の印刷物検査方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−68434(P2008−68434A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246690(P2006−246690)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】