説明

印刷装置、及び画像形成装置

【課題】名刺等のカードを分類する上で必要な識別IDを多様に設定することが可能であって、文字認識不可能な印刷画像をも管理したり印刷することを可能にする。
【解決手段】第1及び第2スキャナ41、43により読取られた名刺の表裏の印刷画像及び文字認識装置82により認識された文字列に基づき名刺の識別IDを抽出しているので、文字列が縦書き及び横書きかのいずれであるか、あるいは名刺の表裏に印刷画像が印刷されているか否か等を識別IDとして抽出することができ、名刺の印刷画像の分類方法を多様化して、名刺一覧画像の印刷態様を多様化することができる。また、名刺の印刷画像を記録用紙に記録しているので、印刷画像に含まれている写真やロゴ等を記録用紙に印刷することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、名刺等のカードを読取り整理して印刷する印刷装置、及びそれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1では、名刺に印刷されている印刷画像をスキャナにより読取り、読取られた印刷画像に含まれる文字列を認識して、文字列から識別IDを抽出設定し、文字列と識別IDを対応付けてメモリに記憶し、識別IDに基づき文字列の検索、表示デバイスへの文字列の表示、及び文字列の印刷を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−36260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、名刺に印刷されている文字列から識別IDを抽出設定することから、識別IDの内容が限られ、識別IDに基づく文字列の検索、表示デバイスへの文字列の表示、及び文字列の印刷も多様性がなく、使い勝手が悪かった。
【0005】
例えば、名刺によっては縦書きや横書があるが、これらを区別して印刷することができなかった。あるいは、表だけが印刷されているものや、表裏のいずれにも印刷されているものがあるが、これらを区別して印刷することができなかった。また、文字認識不可能な印刷画像(顔写真やロゴ等)を考慮しておらず、これらを管理したり印刷することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、名刺等のカードを分類する上で必要な識別IDを多様に設定することが可能であって、文字認識不可能な印刷画像をも管理したり印刷することが可能な印刷装置及びそれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、カードに印刷された印刷画像を読取るスキャナと、前記スキャナにより読取られた印刷画像に含まれる文字列を認識する文字認識部と、前記スキャナにより読取られた印刷画像及び前記文字認識部により認識された文字列に基づき前記カードの識別IDを抽出する識別ID抽出部と、前記スキャナにより読取られた印刷画像と前記識別ID抽出部により抽出された識別IDを対応付けて記憶する記憶部と、識別IDを入力指示する識別ID入力部と、前記識別ID入力部で入力指示された識別IDに対応する印刷画像を前記記憶部から読み出して記録用紙に印刷する印刷制御部とを備えている。
【0008】
このような本発明では、スキャナにより読取られた印刷画像及び文字認識部により認識された文字列に基づきカードの識別IDを抽出しているので、文字列だけに基づきカードの識別IDを抽出する場合と比較すると、識別IDを多様に設定することができ、識別IDに対応する印刷画像も多様に設定することができる。また、カードの印刷画像と識別IDを対応付けて記憶部に記憶しておき、カードの印刷画像を記憶部から読出して記録用紙に記録しているので、印刷画像に含まれている写真やロゴ等を記録用紙に印刷することができる。
【0009】
また、本発明の印刷装置においては、前記識別ID抽出部は、前記スキャナにより読取られた印刷画像及び前記文字認識部により認識された文字列に基づき前記カードの印刷画像に含まれる文字列が縦書き及び横書きかのいずれであるかを前記識別IDとして抽出している。
【0010】
この場合は、前記印刷制御部は、前記識別ID抽出部で縦書き及び横書きかのいずれを示す前記識別IDが入力されると、前記識別IDに応じて、前記カードの印刷画像を縦又は横にして記録用紙に印刷する。
【0011】
このようにカードの印刷画像に含まれる文字列が縦書き及び横書きかのいずれであるかを識別IDとして抽出することができ、識別IDに対応する縦書き又は横書きのカードの印刷画像を選択的に印刷することが可能になる。
【0012】
更に、また、本発明の印刷装置においては、前記スキャナにより前記カードの表裏に印刷されたそれぞれの印刷画像を読取り、前記文字認識部により前記カードの表裏の印刷画像に含まれるそれぞれの文字列を認識し、前記識別ID抽出部は、前記スキャナにより読取られた印刷画像もしくは前記文字認識部により認識された文字列に基づき前記カードの表裏に印刷画像が印刷されているか否かを前記識別IDとして抽出している。
【0013】
この場合は、前記印刷制御部は、前記識別ID抽出部で前記カードの表裏に印刷画像が印刷されているか否かを示す前記識別IDが入力されると、前記識別IDに基づき前記カードの表の印刷画像又は表裏の印刷画像を記録用紙に印刷する。
【0014】
このようにカードの表裏に印刷画像が印刷されているか否かを識別IDとして抽出することができ、識別IDに対応するカードの表又は表裏の印刷画像を選択的に印刷することができる。
【0015】
また、本発明の印刷装置においては、記録用紙の空白領域を検出する空白検出部を備え、前記印刷制御部は、前記空白検出部により検出された記録用紙の空白領域に、前記記憶部から読み出した印刷画像を印刷している。
【0016】
これにより、追加されたカードの印刷画像を記録用紙の空白領域に印刷することが可能になる。
【0017】
更に、本発明の印刷装置においては、前記カードは、名刺又は葉書である。
【0018】
一方、本発明の画像形成装置は、上記本発明の印刷装置を備えている。
【0019】
このような本発明の画像形成装置においても、上記本発明の印刷装置と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0020】
このような本発明によれば、スキャナにより読取られた印刷画像及び文字認識部により認識された文字列に基づきカードの識別IDを抽出しているので、文字列だけに基づきカードの識別IDを抽出する場合と比較すると、識別IDを多様に設定することができ、識別IDに対応する印刷画像も多様に設定することができる。また、カードの印刷画像と識別IDを対応付けて記憶部に記憶しておき、カードの印刷画像を記憶部から読出して記録用紙に記録しているので、印刷画像に含まれている写真やロゴ等を記録用紙に印刷することができる。
【0021】
例えば、カードの印刷画像に含まれる文字列が縦書き及び横書きかのいずれであるかを識別IDとして抽出することができる。あるいは、カードの表裏に印刷画像が印刷されているか否かを識別IDとして抽出することができる。このため、カードの印刷画像の分類方法が多様化し、縦書き又は横書きのカードの印刷画像を選択的に印刷したり、あるいはカードの表又は表裏の印刷画像を選択的に印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の印刷装置の第1実施形態を適用した画像形成装置を示す断面図である。
【図2】図1の画像形成装置の本体上部に搭載された画像読取り装置を示す断面図である。
【図3】第1実施形態の印刷装置を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の印刷装置により生成される名刺解析データを概念的に示す図である。
【図5】縦書きの各名刺の表側の印刷画像を並べてなる名刺一覧画像を例示する図である。
【図6】縦書き及び横書きの各名刺の表側の印刷画像を並べてなる名刺一覧画像を例示する図である。
【図7】縦書き及び横書きの各名刺の表側の印刷画像及び裏側の印刷画像を並べてなる名刺一覧画像を例示する図である。
【図8】第1実施形態の印刷装置による名刺の印刷画像の読取りから記録までの処理を示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態の印刷装置による名刺の印刷画像の読取りから記録までの処理を示すフローチャートである。
【図10】以前に名刺一覧画像を印刷した記録用紙の空白領域を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の印刷装置の第1実施形態を適用した画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置1は、スキャナ機能、複写機能、プリンター機能、及びファクシミリ機能等を有する所謂複合機であり、画像読取り装置2により読取られた原稿の画像を外部に送信したり(スキャナ機能に相当する)、この読取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で記録用紙に記録形成する(複写機能、プリンター機能、及びファクシミリ機能に相当する)。
【0025】
この画像形成装置1は、画像を記録用紙に印刷するべく、レーザ露光装置11、現像装置12、感光体ドラム13、クリーナ装置14、帯電器15、中間転写ベルト装置16、定着装置17、用紙搬送経路S、給紙トレイ18、及び用紙排出トレイ19等を備えている。
【0026】
画像形成装置1において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、現像装置12、感光体ドラム13、クリーナ装置14、及び帯電器15は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0027】
各感光体ドラム13は、それらの表面に光感光層を有している。各帯電器15は、それぞれの感光体ドラム13の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられる。
【0028】
レーザ露光装置11は、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された各感光体ドラム13表面を画像データに応じて露光して、それらの表面に画像データに対応する静電潜像を形成する。
【0029】
各現像装置12は、それぞれの感光体ドラム13表面に形成された静電潜像を各色のトナーにより現像し、これらの感光体ドラム13表面にトナー像を形成する。各クリーナ装置14は、現像及び画像転写後にそれぞれの感光体ドラム13表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0030】
中間転写ベルト装置16は、各感光体ドラム13の上方に配置されており、中間転写ベルト21、中間転写ベルト駆動ローラ22、従動ローラ23、4つの中間転写ローラ24、及び中間転写ベルトクリーニング装置25を備えている。
【0031】
中間転写ベルト21は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを無端ベルト状に形成したものである。中間転写ベルト駆動ローラ22、従動ローラ23、各中間転写ローラ24等は、中間転写ベルト21を張架して支持し、中間転写ベルト21を矢印C方向に周回移動させる。
【0032】
各中間転写ローラ24は、中間転写ベルト21近傍に回転可能に支持され、中間転写ベルト21を介してそれぞれの感光体ドラム13に押圧されている。
【0033】
各感光体ドラム13表面のトナー像が中間転写ベルト21に順次重ねて転写されて、中間転写ベルト21上にカラーのトナー像(各色のトナー像)が形成される。各感光体ドラム13から中間転写ベルト21へのトナー像の転写は、中間転写ベルト21裏面に圧接されている各中間転写ローラ24によって行われる。各中間転写ローラ24は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われたローラである。各中間転写ローラ24には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されており、その導電性の弾性材により高電圧が記録用紙に対して均一に印加される。
【0034】
こうして各感光体ドラム13表面のトナー像は、中間転写ベルト21で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト21と共に搬送され、中間転写ベルト21と2次転写装置26の転写ローラ26a間のニップ域で記録用紙上に転写される。
【0035】
2次転写装置26の転写ローラ26aには、中間転写ベルト21上の各色のトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。また、中間転写ベルト21と2次転写装置26の転写ローラ26a間のニップ域を定常的に得るために、転写ローラ26aもしくは中間転写ベルト駆動ローラ22の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0036】
また、2次転写装置26によって中間転写ベルト21上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト21上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置25によって残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置25には、例えばクリーニング部材として、中間転写ベルト21に接触して残留トナーを除去するクリーニングブレードが設けられており、クリーニングブレードが接触する部位で、従動ローラ23により中間転写ベルト21裏側が支持されている。
【0037】
記録用紙は、中間転写ベルト21と2次転写装置26の転写ローラ26a間のニップ域でカラーのトナー像を転写された後、定着装置17へと搬送される。定着装置17は、加熱ローラ31及び加圧ローラ32等を備えており、加熱ローラ31と加圧ローラ32間に記録用紙を挟み込んで搬送する。
【0038】
加熱ローラ31は、図示しない温度検出器の検出出力に基づき、所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ32と共に記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたカラーのトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる。
【0039】
一方、給紙トレイ18は、記録用紙を格納しておくためのトレイであり、画像形成装置1の下部に設けられて、トレイ内の記録用紙を供給する。また、手差しトレイ7は、記録用紙を載置するためのトレイであり、画像形成装置1の側壁に設けられて、このトレイ内の記録用紙を供給する。
【0040】
画像形成装置1には、給紙トレイ18又は手差しトレイ7から供給された記録用紙を2次転写装置26や定着装置17を経由させて用紙排出トレイ19に送るための、Sの字形状の用紙搬送経路Sが設けられている。この用紙搬送経路Sに沿って、用紙レジストローラ34、定着装置17、搬送ローラ35、及び排紙ローラ36等が配置されている。
【0041】
給紙トレイ18の端部には用紙ピックアップローラ33が、設けられており、この用紙ピックアップローラ33により給紙トレイ18から記録用紙が1枚ずつ引き出されて用紙搬送経路Sへと搬送される。また、手差しトレイ7の端部にはピックアップローラ8が設けられており、このピックアップローラ8により手差しトレイ7から記録用紙が1枚ずつ引き出されて用紙搬送経路Sへと送り出される。
【0042】
搬送ローラ35は、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラであり、複数組設けられている。
【0043】
用紙レジストローラ34は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト21と2次転写装置26の転写ローラ26a間のニップ域で中間転写ベルト21上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、各感光体ドラム13及び中間転写ベルト21の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【0044】
例えば、用紙レジストローラ34は、図示しないレジスト前検知スイッチの検出出力に基づき、中間転写ベルト21と2次転写装置26の転写ローラ26a間のニップ域で中間転写ベルト21上のカラーのトナー像の先端が記録用紙の画像形成領域の先端に合うように、記録用紙を搬送する。
【0045】
更に、記録用紙は、定着装置17でカラーのトナー像を定着され、定着装置17を通過した後、排紙ローラ36によって用紙排出トレイ19上にフェイスダウンで排出される。
【0046】
また、記録用紙の表面だけではなく、裏面の印字を行う場合は、記録用紙を用紙搬送経路Sの排紙ローラ36により搬送する途中で、排紙ローラ36を停止させてから逆回転させ、記録用紙を反転経路Srに通して、記録用紙の表裏を反転させ、記録用紙を用紙レジストローラ34へと導き、記録用紙の表面と同様に、記録用紙の裏面に画像を記録して定着し、記録用紙を用紙排紙トレイ19に排出する。
【0047】
次に、図2を参照しつつ、図1の画像形成装置1の本体上部に搭載された画像読取り装置2を説明する。図2は、画像読取り装置2を拡大して示す断面図である。
【0048】
この画像読取り装置2は、下側の第1スキャナ41と、上側の原稿搬送部42とを備えている。上側の原稿搬送部42は、その奥一辺をヒンジ(図示せず)により下側の第1スキャナ41の奥一辺に枢支され、その手前部分を上下させることにより開閉される。原稿搬送部42が開かれたときには、下側の第1スキャナ41のプラテンガラス44が開放され、このプラテンガラス44上に原稿が載置される。
【0049】
第1スキャナ41は、プラテンガラス44、第1走査ユニット45、第2走査ユニット46、結像レンズ47、及びCCD(Charge Coupled Device)48等を備えている。第1走査ユニット45は、光源51、及び第1反射ミラー52を備えており、副走査方向へと原稿サイズに応じた距離だけ一定速度Vで移動しながら、プラテンガラス44上の原稿を光源51によって露光し、その反射光を第1反射ミラー52により反射して第2走査ユニット46へと導き、これにより原稿表面の画像を副走査方向に走査する。第2走査ユニット46は、第2及び第3反射ミラー53、54を備えており、第1走査ユニット45に追従して速度V/2で移動しつつ、原稿の反射光を第2及び第3反射ミラー53、54により反射して結像レンズ47へと導く。結像レンズ47は、原稿の反射光をCCD48に集光して、原稿表面の画像をCCD48上に結像させる。CCD48は、原稿の画像を繰り返し主走査方向に走査し、その度に、1主走査ラインのアナログ画像信号を出力する。
【0050】
第1及び第2走査ユニット45、46には、それぞれのプーリー(図示せず)が設けられており、これらのプーリーにワイヤー(図示せず)が架け渡され、このワイヤーがステッピングモータにより駆動されて、第1及び第2走査ユニット45、46が同期移動される。
【0051】
また、第1スキャナ41は、静止原稿だけではなく、原稿搬送部42により搬送されている原稿表面の画像を読取ることができる。この場合は、図2に示すように第1走査ユニット45を原稿読取りガラス55下方の読取り位置に移動し、第1走査ユニット45の位置に応じて第2走査ユニット46を位置決めし、この状態で、原稿搬送部42による原稿の搬送を開始する。
【0052】
原稿搬送部42では、ピックアップローラ56を原稿トレイ57上の原稿に押し当て回転させて、原稿を引き出し、原稿を原稿搬送路58を通じて搬送し、原稿を第1スキャナ41の原稿読取りガラス55と読取りガイド板59間に通過させ、更に原稿を第2スキャナ43に通させて排紙ローラ61から排紙トレイ62へと搬送する。原稿搬送路58に沿って、原稿をその先端を揃えてから搬送するレジストローラ63や、原稿を搬送する搬送ローラ64が配置されている。
【0053】
この原稿の搬送に際し、第1走査ユニット45の光源51により原稿表面を原稿読取りガラス55を介して照明し、原稿表面からの反射光を第1及び第2走行ユニット45、46の各反射ミラーにより結像レンズ47へと導き、原稿表面からの反射光を結像レンズ47によりCCD48に集光させ、原稿表面の画像をCCD48上に結像させ、これにより原稿表面の画像を読取る。
【0054】
また、原稿搬送部42により搬送されている原稿表面の画像を読取ると同時に、原稿搬送部42に内蔵の第2スキャナ43により原稿裏面の画像を読取ることができる。この第2スキャナ43は、プラテンガラス44の上方に配置されており、密着印刷画像センサ(Contact Image Sensor、以下CISと称する)71と、原稿が通過するガラス板72とを備えている。CIS71は、原稿裏面を照明するLEDアレイ74、画素毎に、原稿の反射光を集光するセルフォック(登録商標)レンズアレイ75、及びセルフォックレンズアレイ75を通じて受光した原稿の反射光を光電変換してアナログの画像信号を出力するラインセンサ76を備えている。第1スキャナ41の原稿読取りガラス55上を通過した原稿は、第2スキャナ43のガラス板72下を通過して排紙トレイ62へと排出される。このガラス板72下の通過に際し、LEDアレイ74により原稿裏面が照明され、原稿裏面からの反射光がセルフォックレンズアレイ75を介してラインセンサ76に入射し、ラインセンサ76により原稿裏面の画像が読取られる。
【0055】
このようにCCD48及びCIS71により読取られた原稿の画像は、CCD48及びCIS71からアナログ画像信号として出力され、このアナログ画像信号がデジタル画像信号にA/D変換される。そして、このデジタル画像信号(画像データ)は、種々の画像処理を施されてから画像形成装置1のレーザ露光装置11へと送受され、画像形成装置1において画像が記録用紙に記録され、この記録用紙が複写原稿として出力される。
【0056】
ところで、本実施形態の印刷装置は、画像形成装置1に内蔵されたものであり、画像読取り装置2の第1及び第2スキャナ41、43により名刺の表又は表裏に印刷された印刷画像を読取り、この印刷画像に含まれる文字列を文字認識し、印刷画像及び文字列に基づき名刺の識別IDを抽出設定し、印刷画像と識別IDを対応付けてメモリに記憶する。そして、識別IDが入力指示されると、識別IDに対応する印刷画像をメモリから読み出して記録用紙に印刷する。
【0057】
図3は、そのような本実施形態の印刷装置21を示すブロック図である。図3において、制御部81は、画像形成装置1及び印刷装置21を統合的に制御するものであって、CPUや各種のインターフェース等からなる。文字認識装置82(OCR)は、画像形成装置1にオプションとして付設され、制御部81によりアプリケーションソフトを実行して具現化される。入力操作部83は、例えば複数の入力キーや液晶表示装置からなる。メモリ84は、例えばハードディスク装置(HDD)である。印刷部85は、図1におけるレーザ露光装置11、現像装置12、感光体ドラム13、クリーナ装置14、帯電器15、中間転写ベルト装置16、定着装置17、用紙搬送経路S、給紙トレイ18、及び用紙排出トレイ19等に相当し、電子写真方式により印刷画像を記録用紙に印刷する。画像読取り装置2は、第1スキャナ41、原稿搬送部42、及び第2スキャナ43等を有する。
【0058】
このような構成において、原稿搬送部42の原稿トレイ57(図2に示す)上に少なくとも1枚の名刺をセットし、入力操作部83を操作して、名刺に印刷されている印刷画像の読取りを指示すると、これに応答して制御部81は、原稿搬送部42を制御して、原稿搬送部42により名刺を搬送させ、また第1及び第2スキャナ41、42により名刺の表裏の印刷画像を読取らせる。
【0059】
このとき、図2に示す原稿搬送部42においては、原稿トレイ57から名刺を1枚ずつ引き出して搬送し、名刺を第1スキャナ41の原稿読取りガラス55上に通過させ、更に名刺を第2スキャナ43のガラス板72下に通過させてから排紙トレイ62へと排出する。第1スキャナ41では、CCD48により名刺の表側の印刷画像を読取り、この名刺の表側の印刷画像を示す画像データを制御部81に出力する。また、第2スキャナ43は、CIS71により名刺の裏側の印刷画像を読取り、この名刺の裏側の印刷画像を示す画像データを制御部81に出力する。
【0060】
制御部81は、名刺の表裏の印刷画像を示す画像データを入力すると、名刺の裏側の印刷画像を示す画像データに基づき名刺の裏側に印刷画像が印刷されているか否かを判定し、名刺の裏側に印刷画像が印刷されていなければ、この名刺の表側の印刷画像を文字認識装置82で処理して、名刺の表側の印刷画像に含まれる文字列を認識すると共に、この文字列の文字の上下の向きを判定し、この文字列の文字が正立するように名刺の表側の印刷画像を回転させてから、名刺の表側の印刷画像(画像データ)及び文字列をメモリ84に記憶する。
【0061】
また、名刺の裏側に印刷画像が印刷されていれば、この名刺の表裏の印刷画像を文字認識装置82で処理して、名刺の表裏の印刷画像に含まれるそれぞれの文字列を認識すると共に、これらの文字列の文字の上下の向きを判定し、これらの文字列の文字が正立するように名刺の表裏の印刷画像を回転させてから、名刺の表裏の印刷画像(画像データ)及びそれぞれの文字列をメモリ84に記憶する。
【0062】
引き続いて、制御部81は、名刺の印刷画像及び文字列に基づき名刺の識別IDを生成して、識別IDをメモリ84に記憶する。例えば、先に述べた名刺の裏側に印刷画像が印刷されているか否かを識別IDとしてメモリ84に記憶する。
【0063】
また、文字列が縦書きか横書きかを判定し、この判定結果を識別IDとしてメモリ84に記憶する。具体的には、名刺の印刷画像に基づき名刺の縦方向(長辺に沿う方向)及び横方向(短辺に沿う方向)を判定し、文字列の文字の上下が名刺の縦方向に沿っていれば、縦書きであると判定し、文字列の文字の上下が名刺の横方向に沿っていれば、横書きであると判定する。
【0064】
また、制御部81は、名刺の文字列から会社名及び氏名を抽出して、会社名及び氏名を識別IDとしてメモリ84に記憶する。この会社名及び氏名の抽出方法は、既に提案されている方法でよい。例えば、名刺が縦書きであれば、名刺の中央領域から最大サイズの文字列を抽出して、この文字列を氏名とし、名刺の左右領域から最大サイズの文字列を抽出して、この文字列を会社名とする。また、名刺が横書きであれば、名刺の中央領域から最大サイズの文字列を抽出して、この文字列を氏名とし、名刺の上下領域から最大サイズの文字列を抽出して、この文字列を会社名とする。
【0065】
このような名刺の印刷画像の読取りと記憶、印刷画像からの文字列の抽出と記憶、及び識別IDの記憶は、名刺の印刷画像が読取られる度に行われる。これにより、図4に示すような名刺解析データDがメモリ84内に作成されて記憶される。
【0066】
図4の名刺解析データDでは、名刺の読取り順序で生成されたシリアルNo、名刺の読取り年月日、識別ID(会社名、氏名、縦書き又は横書き、裏無し又は有り)、名刺の表側の印刷画像のアドレス(表側イメージID)、名刺の裏側の印刷画像のアドレス(裏側イメージID)、及び印刷画像に含まれる文字列が対応付けて記憶されており、名刺の印刷画像の読取りが行われる度に、シリアルNoが歩進されて追加され、この追加されたシリアルNoに対応して読取り年月日、識別ID、印刷画像のアドレス、及び文字列が記憶される。
【0067】
表側イメージID(アドレス)は、メモリ84における表側の印刷画像が記憶されているアドレスであり、このアドレスに基づき表側の印刷画像を読出すことができる。同様に、裏側イメージID(アドレス)も、メモリ84における裏側の印刷画像が記憶されているアドレスであり、このアドレスに基づき裏側の印刷画像を読出すことができる。
【0068】
こうして名刺の印刷画像が読取られて、名刺解析データDへの記録が行われた後、入力操作部83を操作して、名刺解析データDにおける識別IDを選択して指定し、名刺の記録を指示すると、これに応答して制御部81は、名刺解析データDを参照して、指示された識別IDに該当する複数の名刺の印刷画像を抽出し、これらの名刺の印刷画像を並べてなる名刺一覧画像を生成し、この名刺一覧画像を示す画像データを印刷部85に出力して、印刷部85で名刺一覧画像を記録用紙に記録させる。
【0069】
例えば、入力操作部83の操作により縦書きを識別IDとして指定し、名刺の記録を指示すると、これに応答して制御部81は、名刺解析データDを参照して、縦書きを示す識別IDの全てを選択して、これらの識別IDに対応するそれぞれの表側イメージIDを読取って、これらの表側イメージID(アドレス)に対応する各名刺の表側の印刷画像をメモリ84から読出し、記録用紙における各名刺の表側の印刷画像のレイアウトを設定し、各名刺の表側の印刷画像をそのレイアウトで並べてなる名刺一覧画像を生成し、この名刺一覧画像を示す画像データを印刷部85に出力する。印刷部85は、画像データを入力すると、この画像データによって示される名刺一覧画像を印刷する。図5は、縦書きの各名刺の表側の印刷画像を並べてなる名刺一覧画像91を例示している。
【0070】
また、入力操作部83の操作により縦書き及び横書きを識別IDとして指定し、名刺の記録を指示すると、これに応答して制御部81は、名刺解析データDを参照して、縦書き及び横書きを示す識別IDの全てを選択して、これらの識別IDに対応するそれぞれの表側イメージIDを読取って、これらの表側イメージID(アドレス)に対応する各名刺の表側の印刷画像をメモリ84から読出し、記録用紙における各名刺の表側の印刷画像のレイアウトを設定し、各名刺の表側の印刷画像をそのレイアウトで並べてなる名刺一覧画像を生成し、この名刺一覧画像を示す画像データを印刷部85に出力する。印刷部85は、画像データを入力すると、この画像データによって示される名刺一覧画像を印刷する。図6は、縦書き及び横書きの各名刺の表側の印刷画像を並べてなる名刺一覧画像92を例示している。
【0071】
更に、入力操作部83の操作により縦書き及び横書きを識別IDとして指定すると共に、裏有りを識別IDとして指定し、名刺の記録を指示すると、これに応答して制御部81は、名刺解析データDを参照して、縦書き及び横書きを示す識別IDの全てを選択して、これらの識別IDに対応するそれぞれの表側イメージIDを読取ると共に、識別ID毎に、名刺の裏側の印刷画像が有るか否かを判定し、裏側の印刷画像が有れば、表側イメージIDと共に裏側イメージIDも読取る。そして、これらの表側イメージID(アドレス)及び裏側イメージID(アドレス)に対応する各名刺の表裏の印刷画像をメモリ84から読出し、記録用紙における各名刺の表側の印刷画像及び裏側の印刷画像のレイアウトを設定し、各名刺の表側の印刷画像及び裏側の印刷画像をそのレイアウトで並べてなる名刺一覧画像を生成し、この名刺一覧画像を示す画像データを印刷部85に出力する。印刷部85は、画像データを入力すると、この画像データによって示される名刺一覧画像を印刷する。図7は、縦書き及び横書きの各名刺の表側の印刷画像及び裏側の印刷画像を並べてなる名刺一覧画像93を例示している。
【0072】
また、入力操作部83の操作により氏名の先頭文字があ行であることを識別IDとして指定し、名刺の記録を指示すると、これに応答して制御部81は、名刺解析データDを参照して、識別IDに基づき先頭文字があ行である氏名の全てを選択して、これらの氏名に対応する各名刺の表側の印刷画像をメモリ84から読出し、記録用紙における各名刺の表側の印刷画像のレイアウトを設定し、各名刺の表側の印刷画像をそのレイアウトで並べてなる名刺一覧画像を生成し、この名刺一覧画像を示す画像データを印刷部85に出力する。印刷部85は、画像データを入力すると、この画像データによって示される名刺一覧画像を印刷する。
【0073】
更に、入力操作部83の操作により任意の会社名を識別IDとして指定し、名刺の記録を指示すると、これに応答して制御部81は、名刺解析データDを参照して、識別IDに基づき任意の会社名に対応する各名刺の表側の印刷画像の全てをメモリ84から読出し、記録用紙における各名刺の表側の印刷画像のレイアウトを設定し、各名刺の表側の印刷画像をそのレイアウトで並べてなる名刺一覧画像を生成し、この名刺一覧画像を示す画像データを印刷部85に出力する。印刷部85は、画像データを入力すると、この画像データによって示される名刺一覧画像を印刷する。
【0074】
尚、会社名、氏名、縦書き又は横書き、及び裏無し又は有りが他の組合わせで選択されて、識別IDが指定されれば、この識別IDに対応する印刷画像が読出され並べられて印刷される。
【0075】
次に、図8のフローチャートを参照しつつ、名刺の印刷画像の読取りから記録までの処理を整理して説明する。
【0076】
まず、入力操作部83の操作により名刺の印刷モードが指示された状態で、原稿搬送部42の原稿トレイ57上に少なくとも1枚の名刺がセットされると、原稿トレイ57上の名刺がセンサ(図示せず)により検出され、このセンサの検出出力が制御部81に入力される(ステップS101)。制御部81は、このセンサの検出出力に基づき名刺がセットされたことを判定し、名刺の読取り指示を待機する(ステップS102)。
【0077】
引き続いて、入力操作部83の操作により名刺の読取りが指示されると、これに応答して制御部81は、原稿搬送部42を制御して、原稿搬送部42により名刺を1枚ずつ搬送させ、第1及び第2スキャナ41、42により名刺の表裏の印刷画像を読取らせる(ステップS103)。
【0078】
制御部81は、名刺の表裏の印刷画像を入力すると(ステップS104)、名刺の裏側の印刷画像に基づき名刺の裏側に印刷画像が印刷されているか否かを判定し、名刺の裏側に印刷画像が印刷されていなければ、名刺の表側の印刷画像に含まれる文字列を認識し、この文字列の文字が正立するように名刺の表側の印刷画像を回転させてから、名刺の表側の印刷画像及び文字列をメモリ84に記憶する。また、名刺の裏側に印刷画像が印刷されていれば、この名刺の表裏の印刷画像に含まれるそれぞれの文字列を認識し、これらの文字列の文字が正立するように名刺の表裏の印刷画像を回転させてから、名刺の表裏の印刷画像及びそれぞれの文字列をメモリ84に記憶する(ステップS105)。更に、制御部81は、名刺の印刷画像及び文字列に基づき名刺の識別IDを生成して、識別IDをメモリ84に記憶する(ステップS106)。
【0079】
原稿トレイ57上に読取り前の名刺が有る限りは(ステップS107で「No」)、ステップS104〜S106の処理を繰り返す。これにより、図4に示すような名刺解析データDが作成される。
【0080】
そして、原稿トレイ57上の名刺全ての読取りが終了すると(ステップS107で「Yes」)、ステップS104〜S106の処理を終了する。
【0081】
こうして名刺の印刷画像が読取られて、名刺解析データDへの記録が行われた後、入力操作部83の操作により識別IDが指定されて、名刺の記録が指示されると、これに応答して制御部81は、名刺解析データDを参照して、指示された識別IDに該当する名刺の印刷画像を抽出する(ステップS108)。
【0082】
このとき、ユーザは、入力操作部83を操作して、記録用紙の改頁の条件を入力する(ステップS109)。例えば、記録用紙1枚当たりの名刺の印刷枚数を改頁の条件として入力したり、先頭文字があ行である氏名、先頭文字がか行である氏名、先頭文字がさ行である氏名、……のそれぞれに記録用紙を1枚ずつ割付けることを改頁の条件として入力する。制御部81は、入力された改頁の条件に応じてステップS108で抽出した名刺の印刷画像の全てを複数の記録用紙に順次割付けてレイアウトして、それぞれの名刺一覧画像を生成し(ステップS110)、名刺の印刷画像の全ての割付けを終了すると(ステップS111で「Yes」)、各名刺一覧画像を示すそれぞれの画像データを印刷部85に出力する。印刷部85は、これらの画像データを入力すると、給紙トレイ18から記録用紙を順次引き出して、それらの画像データによって示される各名刺一覧画像をそれぞれの記録用紙に印刷する(ステップS112)。
【0083】
このように本実施形態の印刷装置21では、第1及び第2スキャナ41、43により読取られた名刺の表裏の印刷画像及び文字認識装置82により認識された文字列に基づき名刺の識別IDを抽出しているので、文字列が縦書き及び横書きかのいずれであるか、あるいは名刺の表裏に印刷画像が印刷されているか否か等を識別IDとして抽出することができ、名刺の印刷画像の分類方法を多様化して、名刺一覧画像の印刷態様を多様化することができる。また、名刺の印刷画像を記録用紙に印刷しているので、印刷画像に含まれている写真やロゴ等を記録用紙に印刷することができる。
【0084】
次に、第2実施形態の印刷装置21Aについて説明する。本実施形態の印刷装置21Aは、図3の印刷装置21と同様の構成であって、図1の画像形成装置1に適用されるが、名刺の印刷画像の読取りから記録までの処理の一部が異なる。
【0085】
図9は、印刷装置21Aによる名刺の印刷画像の読取りから記録までの処理を示すフローチャートである。図9においては、図8と同様のステップに同一の符号(S101〜S111)を付している。また、ステップS121〜S124は、図8の処理とは異なり、以前に名刺一覧画像を印刷した記録用紙の空白領域に新たな名刺の印刷画像を追加印刷することを可能にする処理である。
【0086】
先に述べたように原稿トレイ57上の名刺がセンサ(図示せず)により検出され(ステップS101)、名刺の読取り指示を待機し(ステップS102)、入力操作部83の操作により名刺の読取りが指示されると、原稿トレイ57上の名刺全ての読取りが終了するまで(ステップS107で「Yes」)、ステップS104〜S106の処理を繰り返して、第1及び第2スキャナ41、42により名刺の表裏の印刷画像を読取り、名刺解析データDへの記録を行う。引き続いて、入力操作部83の操作により識別IDが指定されて、名刺の記録が指示されると、名刺解析データDを参照して、指示された識別IDに該当する名刺の印刷画像を抽出する(ステップS108)。
【0087】
この後、制御部81は、新たな名刺の印刷画像の追加印刷を行うか否かを問うメッセージを入力操作部83の液晶表示装置の画面に表示する(ステップS121)。このとき、ユーザが入力操作部83を操作して、追加印刷を行わない旨を入力すると、これに応答して制御部81は、1枚の新たな記録用紙への印刷を決定する(ステップS122)。そして、入力操作部83の操作により記録用紙の改頁の条件が入力されると(ステップS109)、これに応答して制御部81は、ステップS108で生成された名刺の印刷画像の全てを複数の記録用紙に割付けてレイアウトしてなるそれぞれの名刺一覧画像を示す各画像データを生成し(ステップS110)、名刺の印刷画像の全ての割付けを終了すると(ステップS111で「Yes」)、それらの名刺一覧画像を示す各画像データを印刷部85に出力する。印刷部85は、各画像データを入力すると、給紙トレイ18から記録用紙を順次引き出して、各画像データによって示されるそれぞれの印刷画像をそれぞれの記録用紙に印刷する(ステップS123)。従って、追加印刷を行わない場合は、図8と同様の処理が行われる。
【0088】
また、ユーザが入力操作部83を操作して、追加印刷を行う旨を入力すると、これに応答して制御部81は、名刺解析データDを参照して、ステップS108で生成された名刺の印刷画像のうちから作成日が最近の日付となっている新しい名刺の印刷画像を追加印刷するものとして選択する。そして、制御部81は、以前に名刺一覧画像を印刷した記録用紙を原稿搬送部42の原稿トレイ57上にセットして読取る旨を入力操作部83の液晶表示装置の画面に表示する。ユーザは、以前に名刺一覧画像を印刷した記録用紙を原稿トレイ57上にセットし、入力操作部83を操作して、その記録用紙の読取りを指示する。これに応答して制御部81は、第1スキャナ41によりその記録用紙を読取らせて、第1スキャナ41により読取られたその記録用紙の画像を示す画像データを入力し、この画像データに基づき記録用紙の空白領域を判定する(ステップS124)。更に、ユーザは、以前に名刺一覧画像を印刷した記録用紙を画像形成装置1の手差しトレイ7にセットする。
【0089】
この後、制御部81は、入力操作部83の操作により記録用紙の改頁の条件が入力されると(ステップS109)、ステップS124で追加印刷するものとして選択された新しい名刺の印刷画像の全てをステップS124で判定された記録用紙の空白領域に割付けてレイアウトしてなる新しい名刺一覧画像を生成する。また、新しい名刺の印刷画像の全てを記録用紙の空白領域にレイアウトし切れなければ、新しい名刺の印刷画像の全てを記録用紙の空白領域及び次頁の新たな記録用紙に割付けてレイアウトしてなる新しいそれぞれの名刺一覧画像を生成する(ステップS110)。そして、新しい名刺の印刷画像の全ての割付けを終了すると(ステップS111で「Yes」)、新しい名刺一覧画像を示す画像データを印刷部85に出力する。
【0090】
印刷部85は、記録用紙の空白領域に割付けてレイアウトしてなる新しい名刺一覧画像を示す画像データを入力すると、手差しトレイ7から記録用紙を引き出して、ステップS124で判定した記録用紙の空白領域にその新しい名刺一覧画像を印刷する(ステップS123)。例えば、図10に示すように以前に名刺一覧画像を印刷した記録用紙に空白領域Kがあったとすると、この空白領域Kに新しい名刺一覧画像が記録される。
【0091】
また、印刷部85は、次頁の新たな記録用紙に割付けてレイアウトしてなる新しい名刺一覧画像を示す画像データを入力すると、給紙トレイ18から記録用紙を引き出して、この記録用紙にその新しい名刺一覧画像を印刷する(ステップS123)。
【0092】
このように本実施形態では、以前に名刺一覧画像を印刷した記録用紙の空白領域Kに、新たに読取った名刺の印刷画像を追加記録することができる。
【0093】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。例えば、本発明は、名刺だけではなく、年賀状等の葉書にも適用することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 画像形成装置
2 画像読取り装置
7 手差しトレイ
11 レーザ露光装置
12 現像装置
13 感光体ドラム
14 クリーナ装置
15 帯電器
16 中間転写ベルト装置
17 定着装置
18 給紙トレイ
19 用紙排出トレイ19
21 印刷装置
41 第1スキャナ
42 原稿搬送部
43 第2スキャナ
81 制御部
82 文字認識装置
83 入力操作部
84 メモリ
85 印刷部
S 用紙搬送経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードに印刷された印刷画像を読取るスキャナと、
前記スキャナにより読取られた印刷画像に含まれる文字列を認識する文字認識部と、
前記スキャナにより読取られた印刷画像及び前記文字認識部により認識された文字列に基づき前記カードの識別IDを抽出する識別ID抽出部と、
前記スキャナにより読取られた印刷画像と前記識別ID抽出部により抽出された識別IDを対応付けて記憶する記憶部と、
識別IDを入力指示する識別ID入力部と、
前記識別ID入力部で入力指示された識別IDに対応する印刷画像を前記記憶部から読み出して記録用紙に印刷する印刷制御部とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記識別ID抽出部は、前記スキャナにより読取られた印刷画像及び前記文字認識部により認識された文字列に基づき前記カードの印刷画像に含まれる文字列が縦書き及び横書きかのいずれであるかを前記識別IDとして抽出することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記印刷制御部は、前記識別ID抽出部で縦書き及び横書きかのいずれを示す前記識別IDが入力されると、前記識別IDに応じて、前記カードの印刷画像を縦又は横にして記録用紙に印刷することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の印刷装置であって、
前記スキャナにより前記カードの表裏に印刷されたそれぞれの印刷画像を読取り、前記文字認識部により前記カードの表裏の印刷画像に含まれるそれぞれの文字列を認識し、
前記識別ID抽出部は、前記スキャナにより読取られた印刷画像もしくは前記文字認識部により認識された文字列に基づき前記カードの表裏に印刷画像が印刷されているか否かを前記識別IDとして抽出することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷装置であって、
前記印刷制御部は、前記識別ID抽出部で前記カードの表裏に印刷画像が印刷されているか否かを示す前記識別IDが入力されると、前記識別IDに基づき前記カードの表の印刷画像又は表裏の印刷画像を記録用紙に印刷することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の印刷装置であって、
記録用紙の空白領域を検出する空白検出部を備え、
前記印刷制御部は、前記空白検出部により検出された記録用紙の空白領域に、前記記憶部から読み出した印刷画像を印刷することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の印刷装置であって、
前記カードは、名刺又は葉書であることを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の印刷装置を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−245688(P2011−245688A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119566(P2010−119566)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】