説明

印刷装置、画像読取装置および印刷システム

【課題】シートに印刷される情報の管理性を従来よりも向上させることが可能な印刷装置、画像読取装置および印刷システムを提供する。
【解決手段】印刷装置は、印刷データに、当該印刷データの利用を制限するための第1制限条件が付与されていると判断した場合、印刷対象画像をシートに印刷した後に画像読取装置が当該印刷対象画像を読み取ることで生成される読取データに対し、当該読取データの利用を制限するための第2制限条件を付与するための制限情報を、当該シートに付加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、画像読取装置および印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像読取装置および印刷装置を備え、画像読取装置が機密文書を読み取って生成した読取データに対して不正なアクセスがされても、印刷装置による当該読取データに基づく印刷を防止することにより、機密情報の漏洩を防ぐことができる印刷システムがある。具体的には、機密文書には公開鍵情報が付加されており、画像読取装置は、当該機密文書を読み取ると、読取画像から公開鍵情報を抽出し、その公開鍵情報を用いて読取データに暗号化処理を行う。これにより、読取データに対して不正アクセスがされても、その暗号化が解除されない限り、印刷装置による印刷などが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−211264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の印刷システムでは、情報の管理を十分に行うことができない場合があり、更なる改良が望まれていた。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、シートに印刷される情報の管理性を従来よりも向上させることが可能な印刷装置、画像読取装置および印刷システムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、第1発明に係る印刷装置は、印刷データに基づく印刷対象画像をシートに印刷する印刷部と、前記印刷データに、当該印刷データの利用を制限するための第1制限条件が付与されているかどうかを判断する第1判断部と、前記第1判断部が肯定判断した場合、前記印刷部が前記印刷対象画像を前記シートに印刷した後に画像読取装置が当該印刷対象画像を読み取ることで生成される読取データに当該読取データの利用を制限するための第2制限条件を付与するための制限情報を、前記シートに付加する付加部と、を備える。
【0007】
この発明によれば、印刷データに制限条件が付与されている場合、当該印刷データに基づく印刷対象画像が印刷されるシートに制限情報を付加する。これにより、印刷部が印刷対象画像をシートに印刷した後に画像読取装置が当該印刷対象画像を読み取ることで生成される読取データに制限条件が付与される。従って、印刷対象画像の再読み取り後も読取データの利用制限を徹底することができ、シートに印刷される情報の管理性を向上させることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の印刷装置であって、前記付加部は、前記印刷データが複数頁分の画像データを有する場合、前記制限情報を分割して複数の分割制限情報を生成し、当該複数の分割制限情報を、互いに異なる頁の印刷対象画像が印刷される各シート又は各シート面に付加する分割付加処理を行う。
【0009】
この発明によれば、制限情報を分割して複数の分割制限情報を生成し、それら複数の分割制限情報を、各頁の印刷対象物が印刷される互いに異なる各シート又は各シート面に付加する。このため、制限情報を同じシートまたはシート面にまとめて付与する構成に比べて、制限情報が容易に解読されることを抑制することができる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明の印刷装置であって、前記付加部は、前記各頁の印刷対象画像が印刷されるシートに、当該頁の印刷対象画像に基づく読取データの単独利用は禁止されていることを意味する禁止情報を付加する。
【0011】
この発明によれば、各頁の印刷対象画像が印刷されるシートに、当該頁の印刷対象画像に基づく読取データの単独利用は禁止されていることを意味する禁止情報を付加する。これにより、各頁の印刷対象画像の読取データについて単独の利用を抑制することができる。
【0012】
第4の発明は、第2または第3の発明の印刷装置であって、区分けパターンを指定する指定部を備え、前記付加部は、前記複数頁分の画像データに対し、前記指定部で指定された区分けパターンに基づき区分けされたグループごとに前記分割付加処理を行う。
【0013】
この発明によれば、1つの制限情報を分割して生成された分割制限情報を複数のシートまたはシート面に付加する分割付加処理を、区分けされたグループごとに行う。これにより、全頁でなくても一部のグループに対して画像読取装置による画像読み取りを行うことで制限情報を復元し、その読取データに第2制限条件を付与することができる。
【0014】
第5の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明の印刷装置であって、シートに印刷された画像を読み取って読取データを生成する画像読取部と、前記画像読取部が読み取った画像中に前記制限情報の画像が含まれている場合に、前記読取データを、前記制限情報の画像が消去された読取データに変換する変換部とを備える。
この発明によれば、読み取った画像中に制限情報の画像が残ることを回避することができる。
【0015】
第6の発明は、第1から第5のいずれか一つの発明の印刷装置であって、前記第2制限条件は、前記読取データの暗号化を解除することである。
本発明では、第2制限条件として、読取データの暗号化を解除することとするのが特に有効である。
【0016】
第7の発明は、第6の発明の印刷装置であって、前記第1制限条件は、前記印刷データの暗号化を解除することであり、且つ、前記第1制限条件と前記第2制限条件とで暗号化を解除するための鍵情報が同じである。
【0017】
この発明によれば、印刷データの暗号化解除時と読取データの暗号化解除とで共通の鍵情報を使用できるため、個別の鍵情報を利用する場合に比べて利便性を向上させることができる。
【0018】
第8の発明に係る画像読取装置は、シートに印刷された画像を読み取って読取データを生成する画像読取部と、前記シートに分割制限情報が付加されているかどうかを判断する第2判断部と、複数のシートに付加された複数の分割制限情報に基づき、制限情報を復元する復元部と、前記復元部により制限情報が復元できた場合には、前記画像読取部が前記複数の分割制限情報に対応する複数の画像を読み取って生成した読取データに、当該制限情報に基づいて、当該読取データの利用を制限するための制限条件を付与する付与部と、を備える。
【0019】
この発明によれば、制限情報が複数のシートに分割して付加されている場合でも、当該複数のシートに対応する読取データに、利用を制限するための制限条件を付与することができる。これによりシートに印刷される情報の管理性を向上させることができる。
【0020】
第9の発明は、第8の発明の画像読取装置であって、前記付与部は、前記復元部が、前記複数の分割制限情報のうち、少なくとも2つの分割制限情報に基づいて前記制限情報を復元できた場合には、前記制限条件を前記読取データに付与する。
【0021】
この発明によれば、複数のシートに付加された複数の分割制限情報の内の、少なくとも2つの分割制限情報に基づいて制限情報を復元できた場合には、当該複数のシートの全てに印刷された画像を読み取って生成された読取データ全体について制限条件を付与することができる。従って、制限情報を復元する際に用いた分割制限情報が付加された一部のシートに印刷された画像だけでなく、それ以外のシートに印刷された画像も含めた一つの読取データについて制限条件を付与することができる。
【0022】
第10の発明は、第8または第9の発明の画像読取装置であって、前記分割制限情報は、当該分割制限情報が付加されたシートの属性を示す属性情報を含み、前記複数の分割制限情報に含まれる複数の属性情報が同一の属性を示すものであるか否かを判断する第3判断部を更に備え、前記復元部は、前記第3判断部が肯定判断した場合にのみ、前記制限条件を復元できることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、異なるシート群に属する複数のシートについて同時に画像読取処理を行った場合、各シートに付加された全ての分割制限情報が同一の属性を示すものでないため、これら複数のシートに付加された分割制限情報に基づいて制限情報が復元されることはない。従って、これら複数のシートに印刷された画像に基づく1つの読取データに対して制限条件が不適切に付与されることがなくなり、利便性が上がる。
【0024】
第11の発明は、第8から第10のいずれか一つの発明の画像読取装置であって、前記復元部が前記制限情報を復元できなかった場合には前記読取データを破棄する破棄部を備える。
この発明によれば、分割制限情報が付加されたシートに対応して生成される読取データが、無制限に利用されることを抑制することができる。
【0025】
第12の発明に係る画像読取装置は、シートに印刷された画像を読み取って第1読取データを生成する画像読取部と、当該画像に制限情報の画像が含まれているかどうかを判断する第2判断部と、前記第2判断部が肯定判断をした場合に、前記第1読取データを、前記制限情報の画像が消去された第2読取データに変換する変換部と、前記第2読取データの利用を制限するための制限条件を、前記制限情報に基づいて前記第2読取データに付与する付与部と、を備える。
【0026】
第13の発明に係る印刷システムは、印刷装置と前記印刷装置に印刷データを送信する情報処理装置とを互いに通信可能に備える印刷システムであって、前記印刷データに基づく印刷対象画像をシートに印刷する印刷部と、前記印刷データに、当該印刷データの利用を制限するための第1制限条件が付与されているかどうかを判断する第1判断部と、前記印刷装置に設けられ、前記第1判断部が肯定判断した場合、前記印刷部が前記印刷対象画像を前記シートに印刷した後に画像読取装置が当該印刷対象画像を読み取ることで生成される読取データに当該読取データの利用を制限するための第2制限条件を付与するための制限情報を、前記シートに付加する付加部と、を備える。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、シートに印刷される情報の管理性を従来よりも向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態1に係る印刷システムの電気的構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態1における印刷情報の利用制限の工程を示す説明図
【図3】本発明の実施形態1における印刷処理のフローチャートを示す図
【図4】本発明の実施形態1における分割付加処理を説明するための模式図
【図5】本発明の実施形態1における読取処理のフローチャートを示す図
【図6】本発明の実施形態2における読取処理のフローチャートを示す図
【図7】本発明の変形例における、警告文字が付加された読取データに基づく印刷結果を示す図
【発明を実施するための形態】
【0029】
<実施形態1>
本発明の実施形態1について図1乃至図5を参照して説明する。
1.印刷システムの電気的構成
図1は、本実施形態の印刷システム1の電気的構成を示すブロック図である。印刷システム1は、端末装置10(例えばパーソナルコンピュータ 情報処理装置の一例)とプリンタ30(印刷装置の一例)とを備える。
【0030】
端末装置10は、CPU11、ROM12、RAM13、HDD(ハードディスクドライブ)14、操作部15、表示部16、ネットワークインターフェイス17等を備えている。操作部15は図示しないキーボードやポインティングデバイス等を有し、表示部16は図示しない液晶ディスプレイ等を有する。ネットワークインターフェイス17は通信回線20に接続されている。
【0031】
HDD14には、OSや、印刷用の画像データを作成可能なアプリケーションソフト、プリンタ30を制御するためのプリンタドライバなどの各種プログラムが記憶されている。CPU11は、ROM12から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM13に記憶させながら、端末装置10の動作を制御する。
【0032】
プリンタ30は、例えばコピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能を実行可能な複合機であり、CPU31(第1判断部、付加部、第2判断部、付与部、破棄部、変換部)、ROM32、RAM33、HDD(ハードディスクドライブ)34、操作部35、表示部36、印刷部37、スキャナ部38(画像読取部の一例)、ファクシミリ部39、ネットワークインターフェイス21等を備えている。ROM32には、プリンタ30の動作を制御するための各種プログラムや、後述する印刷処理や読取処理を実行するためのプログラム等が記録されている。CPU31は、ROM32から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM33に記憶させながら、プリンタ30の動作を制御する。
【0033】
操作部35は、図示しない複数のボタンを備え、ユーザによる印刷開始の指示等の各種の入力操作を受け付ける。表示部36は、図示しない液晶ディスプレイやランプ等を備えており、各種の設定画面や動作状態等を表示することが可能である。
【0034】
ネットワークインターフェイス21は、通信回線20を介して端末装置10等に接続されており、相互にデータ通信が可能となっている。スキャナ部38は、図示しない原稿の画像を読み取って、読取データを生成する。ファクシミリ部39は、図示しない外部のファクシミリ装置からファクシミリデータを受信する。
【0035】
印刷部37は、例えば電子写真方式やインクジェット方式により、印刷データに基づく画像をシートW(例えば用紙、OHPシート:図2)に印刷する。印刷データには、端末装置10や外部メモリなどから受信した画像データや、スキャナ部38により生成された読取データ、ファクシミリ部39にて受信したファクシミリデータを印刷処理可能に変換したデータが含まれる。
【0036】
2.印刷情報の利用制限
プリンタ30は、シートW(図2)に印刷された情報の利用を制限することが可能である。具体的には、プリンタ30のCPU31は、電源が投入されると、次に示す印刷処理及び読取処理を繰り返し実行する。図2は印刷情報の利用制限の工程を示す説明図である。
【0037】
2−1.印刷処理
プリンタ30による印刷処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。当該印刷処理では、まず、CPU31は、印刷要求が有ったかどうかを判断する(S1)。CPU31は、例えば次のいずれかの場合に印刷要求有りと判断する。
(A)PC印刷の実行により、端末装置10から印刷用の画像データを受信した場合。PC印刷とは、ユーザが端末装置10にて印刷要求の操作をすることにより、印刷用の画像データを端末装置10からプリンタ30に送信して印刷することをいう。
(B)ダイレクト印刷の実行により、プリンタ30の内部メモリ(例えばHDD34)や外部メモリ(例えばUSBメモリ)から画像データを取り込んだ場合。ダイレクト印刷とは、ユーザが操作部35にて内部メモリ等内に格納された画像データを指定して印刷指示する操作を行うことにより、端末装置10を要することなく内部メモリ等から直接画像データを取り込んで印刷することをいう。
(C)外部のファクシミリ装置からファクシミリデータを受信した場合。
【0038】
印刷要求がなければ(S1:NO)、CPU31は、印刷処理を終了する。一方、CPU31は、印刷要求が有ったと判断すると(S1:YES)、その印刷要求に対応する印刷データ(上記画像データやファクシミリデータ)に、その印刷データの利用を制限するための制限条件(第1制限条件の一例)が付与されているかどうかを判断する(S3)。このときCPU31は「第1判断部」として機能する。
【0039】
制限条件が付与されている印刷データは、通常、暗号化された状態で所定のメモリ内に格納されており、ユーザは、特定の鍵情報(例えば所定のパスワードやユーザ識別情報 以下、「パスワード」という)を入力して暗号化を解除することにより、上記PC印刷やダイレクト印刷等の実行が可能になる。つまり、制限条件が付与されている印刷データは、暗号化が解除された状態で、例えばPC印刷の実行により端末装置10からプリンタ30へ送信される。
【0040】
そして、CPU31は、S3にて、例えば印刷データのヘッダ情報にパスワードが含まれていれば制限条件が付与されていると判断し、含まれていなければ制限条件が付与されていないと判断する。
なお、本実施形態では、制限条件とは、パスワードを入力して印刷データの暗号化を解除することであり、利用を制限するとは印刷データに基づく印刷の実行を禁止することである。
【0041】
制限条件が付与されていなければ(S3:NO)、印刷データに基づく印刷対象画像をシートWに印刷するよう、印刷部37を制御し(S9)、当該印刷処理を終了する。一方、制限条件が付与されていれば(S3:YES)、印刷データが複数頁分の画像データを有するかどうかを判断する(S5)。
【0042】
2−1−1.印刷データが単数頁分の画像データを有する場合
印刷データが単数頁分の画像データのみを有する場合には(S5:NO)、CPU31は印刷データに基づく印刷対象画像に、制限情報および禁止情報を付加画像として合成(付加)して合成画像データを生成する第1合成処理を行う(S7)。
【0043】
ここで、制限情報とは、次述するS9で印刷対象画像をシートWに印刷した後に、その印刷済シート上の印刷対象画像を読み取ることで生成される読取データに、当該読取データの利用を制限するための制限条件(第2制限条件の一例)を付与するための情報である。この制限情報により付与される制限条件は、上記S3にて印刷データに付与されていると判断された制限条件と同じであり、制限情報は上記パスワードを含む。なお、制限情報は、文字に限らず、例えばQRコード(図2参照)やバーコードであってもよい。
【0044】
また、禁止情報とは、シートWに印刷された印刷対象画像の利用を制限することを意味する警告メッセージであり、文字や記号、図形等で表され、図2に示す「無断複製・電子化禁止」が禁止情報の一例である。
【0045】
そして、CPU31は、印刷対象画像に付加画像を合成した合成画像を合成画像データに基づきシートWに印刷するよう、印刷部37を制御し(S9)、当該印刷処理を終了する。このときCPU31および印刷部37は「付加部」として機能する。
【0046】
2−1−2.印刷データが複数頁分の画像データを有する場合
一方、印刷データが複数頁分の画像データを有する場合には(S5:YES)、CPU31は、ユーザに対し、区分け頁数Nの指定を要求する(S11)。具体的には、CPU31は、PC印刷による印刷要求の場合には端末装置10の表示部16に、それ以外による印刷要求の場合には表示部36に、区分け頁数Nの指定画面(図示せず)を表示させる。
【0047】
この指定画面には、例えば印刷データの総頁数や、区分け頁数Nを指定するための項目が表示される。ユーザが区分け頁数Nを操作部15や操作部35(指定部の一例)にて指定すると、CPU31は、印刷データに含まれる総頁数を先頭頁からN頁毎に区分けして複数のグループに分ける区分け処理を行う(S13)。例えば図4に示すように総頁数が「4」であり、区分け頁数Nが「2」である場合、1,2頁目が1つ目のグループとされ、3,4頁が2つ目のグループとされる。次に、CPU31は、印刷データのヘッダ情報からパスワードを抽出し、当該パスワードをN個に分割して複数のワード情報を生成する分割処理を行う(S15)。図4の例では、パスワードとして「PASSWORD」なる文字が、ワード情報「PASS」とワード情報「WORD」に分割されている。
【0048】
そして、全てのグループについて次の第2合成処理が完了していなければ(S17:NO)、次グループの先頭頁について第2合成処理を行う(S19)。この第2合成処理では、まず、現在頁について分割制限情報を生成する。この分割制限情報は、対応のワード情報の先頭に分割番号と分割数を付加することにより生成される。分割番号は、現在頁がグループ内の何番目の頁であるかを示す番号であり、分割数は区分け頁数Nに対応する番号である。図4の例では、ワード情報としての「PASS」の先頭に、分割番号としての"1"と、分割数としての"2"が付加されたものが、第1頁の分割制限情報として生成される。そして、現在頁の画像データに基づく印刷対象画像に、当該分割制限情報、区分け頁数N、頁番号(総頁数を含んでもよい)、および禁止情報を付加画像として合成(付加)することにより、合成画像データを生成する。
【0049】
なお、少なくとも分割制限情報および区分け頁数Nは、文字に限らず、例えばQRコードやバーコードであってもよい。図4の例では、分割制限情報および区分け頁数Nを表す付加画像として、QRコードを使用している。
【0050】
そして、CPU31は、現在のグループに属する全ての頁について第2合成処理が完了したか否かを判断し(S21)、完了していなければ(S21:NO)、現在のグループの次頁について第2合成処理を実行する(S19)。一方、現在のグループに属する全ての頁について第2合成処理が完了すると(S21:YES)、S17へ戻る。
【0051】
全グループについて第2合成処理が完了していれば(S17:YES)、合成画像データに基づき各シートW(両面印刷の場合は各シート表面・裏面)に合成画像を印刷するよう、印刷部37を制御し(S9)、当該印刷処理を終了する(分割付加処理)。
【0052】
これにより、図4に示すように、各シートWに各頁の印刷対象画像および禁止情報が印刷されると共に、1、3枚目のシートW1、W3には、分割制限情報としての「1/2 PASS」および区分け頁数Nを意味するQRコードが印刷され、2、4枚目のシートW2、W4には分割制限情報としての「2/2 WORD」および区分け頁数Nを意味するQRコードが印刷される。なお、ここでいう禁止情報は、各シートWに印刷された各頁の印刷対象画像の単独利用を制限することを意味する文字、記号や図形であり、図4に示す「無断複製・電子化禁止」が一例である。これにより、各頁の印刷対象画像の読取データについて単独の利用を抑制することができる。
【0053】
2−2.読取処理
次に、本実施形態における読取処理について図5に示すフローチャートを参照して説明する。CPU31は、まず、読取要求が有ったか否かを判断する(S101)。読取要求がなければ(S101:NO)、読取処理を終了させる。一方、例えば、ユーザが操作部35を操作して、プリンタ30による印刷物に対する画像読取処理の実行を指示すると、CPU31は読取要求が有ったと判断する(S101:YES)。そして、スキャナ38により印刷物に印刷された画像を読み取って、得られた読取データを例えばHDD34に一時的に格納する(S103)。
【0054】
次にCPU31は、画像解析により、上記読取データに基づく読取画像に、制限情報(分割制限情報)が含まれているかどうかを判断する(S105)。制限情報(分割制限情報)が含まれていなければ(S105:NO)、当該読取処理を終了する。一方、制限情報(分割制限情報)が含まれていれば(S105:YES)、読取データが複数頁分の画像データを有するかどうかを判断する(S107)。
【0055】
2−2−1.読取データが単数頁分の画像データを有する場合
読取データが単数頁分の画像データのみを有する場合には(S107:NO)、CPU31は、読取データから制限情報および禁止情報を抽出し(S109)、読取データを、読取画像から制限情報および禁止情報の画像を消去した画像に基づくデータへ変換するデータ変換処理を行う(S111)。このときCPU31は「変換部」として機能する。
【0056】
そして、CPU31は、抽出した制限情報に基づく制限条件を変換後の読取データに付与する(S113)。これにより、変換後の読取データは暗号化され、ユーザがパスワードを入力しない限り、少なくとも当該変換の読取データに基づく印刷の実行が禁止される。このときCPU31は「付与部」として機能する。そして当該読取処理を終了する。
【0057】
2−2−2.読取データが複数頁分の画像データを有する場合
一方、読取データが複数頁分の画像データを有する場合には(S107:YES)、CPU31は現在頁の画像データから、分割制限情報、頁番号、区分け頁数Nおよび禁止情報の抽出を試みる(S115)。次に、分割制限情報がS115にて抽出されたか否かを判断する(S117)。ここで、CPU31は、S115にて区分け頁数Nが抽出された場合には、S115で抽出した制限情報は分割制限情報であると判断し、分割制限情報がS115にて抽出されたと判断する(S117:YES)。一方、区分け頁数NがS115にて抽出されなかった場合には、分割制限情報がS115にて抽出されなかったと判断する(S117:NO)。
【0058】
分割制限情報が抽出されなかった場合には(S117:NO)、S135へ移行する。一方、分割制限情報が抽出された場合には(S117:YES)、現在頁の画像データを、現在頁の読取画像から分割制限情報、区分け頁数N、及び禁止情報の画像を消去した画像に基づくデータへ変換するデータ変換処理を行う(S119)。これにより、読取画像に分割制限情報等が残ることを回避することができる。なお、頁番号は消去してもしなくてもよい。
【0059】
そして、S115にて抽出した分割制限情報に含まれる分割番号が、例えばHDD34に格納されているか否かを判断する(S121)。格納されていない場合には(S121:NO)、CPU31は当該分割番号と、S115にて抽出した分割制限情報に含まれるワード情報とを、HDD34に格納し(S123)、全頁についてデータ変換処理が完了したか否かを判断する(S127)。全ての頁についてデータ変換処理が完了していない場合には(S127:NO)、S115へ戻り、次頁について処理を繰り返す。
【0060】
一方、分割番号が格納されている場合には(S121:YES)、S115にて抽出した分割制限情報に含まれるワード情報と一致するワード情報が、HDD34に格納されているか否かを判断する(S125)。格納されている場合には(S125:YES)、S127へ移行し、格納されていない場合には(S125:NO)、HDD34に格納されている読取データ(変換後の読取データを含む)を全て消去すると共に、表示部16又は表示部36に読取(電子化)不可を示すエラー表示を表示させ(S135)、HDD34に格納されている全ての分割番号とワード情報を消去して(S137)、当該読取処理を終了する。このときCPU31は「破棄部」として機能する。
【0061】
一方、全ての頁についてデータ変換処理が完了すると(S127:YES)、HDD34に格納されている複数のワード情報を分割番号順に整列して1の文字列を作成し(S129)、当該文字列が例えば予めHDD34に格納されたパスワード(制限情報)と一致するかどうかを判断する(S131)。つまり、上記複数のワード情報に基づき、所定の制限情報を復元できたか否か、を判断する。復元できなかった場合には(S131:NO)、S135へ移行し、復元できた場合には(S131:YES)、全ての読取データ(変換後の読取データ)を1のファイルとし、当該ファイルに対し、パスワードに基づく制限条件を付与する(S133)。これにより、複数頁分の読取データ(変換後の読取データ)は暗号化され、ユーザがパスワードを入力しない限り、少なくとも当該読取データに基づく印刷の実行が禁止される。その後、HDD34に格納されている全ての分割番号とワード情報を消去して(S137)、当該読取処理を終了する。
【0062】
3.本実施形態の効果
本実施形態によれば、印刷データに制限条件が付与されている場合、当該印刷データに基づいて印刷を行うと、印刷対象画像と共に制限情報(分割制限情報)もシートWに印刷される。そして、当該シートW上の画像を読み取って読取データを生成すると、当該読取データに制限条件が付与される。従って、画像を読み取って生成した読取データの利用制限を徹底することができ、シートWに印刷される情報の管理性を向上させることができる。
【0063】
また、印刷データが複数頁分の画像データを有する場合には、パスワードを分割して複数のワード情報を生成し、それら複数のワード情報を、印刷対象画像と共に複数のシートWに印刷する。このため、パスワードを分割しない状態で各シートに印刷する構成に比べて、パスワードが容易に解読されることを抑制することができる。
【0064】
また、複数のワード情報に基づいて所定のパスワード(制限情報)を復元することができた場合には、そのパスワードに基づく制限条件を読取データに付与するので、シートWに印刷される情報の管理性を向上させることができる。
【0065】
しかも、印刷処理において、分割制限情報を画像に付加(合成)する第2合成処理(S17)を各グループごとに行うため、印刷後のシートWについて、一部のグループのみについて読取処理を行えば、全てのシートWについて読取処理を行わなくても、パスワードが復元され(S129)、読取データに制限条件を付与することができる。
【0066】
一方、例えば、分割制限情報が付加されたシートWを単独で読み取った場合等、パスワードが復元できなかった場合には、読取データは全て破棄される。これにより、当該頁画像の情報が無制限に利用されることを抑制することができる。
【0067】
また、上記読取処理では、図5に示すように複数のグループに分割された一連のシートW1〜W4(1つの文書群)については、データ変換処理(S119)を継続して行い、得られた読取データを1つのファイルとして保存することができる。一方、このような一連の文書群に当該文書群に属さない別のシートが混ざっている場合には、今回の読取処理に関する全ての読取データを消去してエラー表示をする(S135)。別のシートが混ざっていると判断されるケースとしては、例えば、HDD34に分割番号"1"とワード情報"PASS"が格納されている状態で、分割番号が"1"であるものの(S121:YES)、抽出されたワード情報に対応するワード情報がHDD34に格納されていない場合(S125:NO)や、読取データが複数頁分の画像データを有するにも係わらず、S115にて分割制限情報が抽出できない場合(S117:NO)がある。
【0068】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について図6を参照して説明する。本実施形態は、図6に示される読取処理を実行する点で、上記実施形態1と異なる。図6の読取処理において、S101乃至S119における処理は図5に示す上記実施形態1におけるものと同一であるので、説明は省略する。
【0069】
図6に示す読取処理において、CPU31は、S201で、先頭グループに含まれるN頁分の読取データについてデータ変換処理(S119)が完了したかどうかを判断する(S201)。完了していなければ(S201:NO)、S115へ戻り、次頁について処理を繰り返す。一方、完了していれば(S201:YES)、S115にて抽出された分割制限情報に含まれる複数のワード情報を分割番号順に整列して1の文字列(パスワード)を作成し、当該文字列が例えば予めHDD34に格納されたパスワード(制限情報)と一致するかどうか、つまり、所定の制限情報が復元できたか否か、を判断する(S203)。復元できなければ(S203:NO)、HDD34に格納されている読取データ(変換後の読取データを含む)を全て消去すると共に、表示部16又は表示部36に読取(電子化)不可を示すエラー表示を表示させ(S209)、当該読取処理を終了する。
【0070】
一方、復元できた場合には(S203:YES)、次頁分の画像データについてデータ変換処理を行い(S205)、全ての頁についてデータ変換処理が完了したか判断する(S206)。完了していなければ(S206:NO)、S205へ戻り、次頁についてデータ変換処理を行う。一方、完了している場合には(S206:YES)、全ての読取データを1のファイルとし、当該ファイルに対してパスワードに基づく制限条件を付与して(S207)、当該読取処理を終了する。
【0071】
これにより、本実施形態では、先頭グループに属するN頁分の画像データに基づき有効なパスワードが復元できた場合には、以降の頁についてはデータ変換処理のみを行う。そして、得られた全頁分の読取データを1つのファイルとして、先頭グループにて復元されたパスワードに基づく制限条件が付与される。
【0072】
<他の実施形態>
本発明は上記記述および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。特に、各実施形態の構成要素のうち、最上位の発明の構成要素以外の構成要素は、付加的な要素なので適宜省略可能である。
(1)制限条件付き印刷データは、特定のパスワードが入力されない限り、少なくとも印刷処理が禁止されることにより利用が制限される印刷データであればよく、例えば閲覧は可能だが、印刷処理が禁止されている印刷データでもよいし、閲覧も禁止される印刷データでもよい。更には、印刷処理に加えて、印刷データの編集、削除や複製が禁止された印刷データであってもよい。また、特定ユーザ以外の利用(少なくとも印刷処理)が禁止されており、その特定ユーザの識別情報を入力しない限り、その禁止を解除できない印刷データでもよい。
【0073】
(2)上記実施形態では、制限条件が付与されている印刷データについては、暗号化され印刷が禁止されることにより利用が制限されていたが、本発明はこれに限られない。制限条件は印刷データ、及び読取データに対する利用制限(アクセス制限)を示す情報であればよい。例えば、カラーでのみ印刷可能という制限条件でもよいし、特定のユーザのみ閲覧可能という制限条件でもよい。更には、削除や複製が可能という制限条件であってもよい。
【0074】
(3)上記実施形態では、制限情報(分割制限情報を含む)や禁止情報を、シートWに対して画像として印刷することにより付加したが、本発明はこれに限られない。例えば、制限情報等を、印刷対象画像が印刷されたシートWの裏面に印刷してもよい。また、シートWが電子チップ(RFID)付きである場合、所定の書込装置により制限情報等をデータとして電子チップに書き込むことで付加してもよい。
【0075】
(4)上記実施形態では、印刷データに付与されていた制限条件と、読取データに付与する制限条件とを同一のものとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、パスワードを互いに異ならせてもよい。但し、上記実施形態の構成であれば、印刷データの暗号化解除と読取データの暗号化解除とで共通のパスワードを使用できるため、個別のパスワードを利用する場合に比べて利便性を向上させることができる。
【0076】
(5)上記実施形態では、パスワードの復元が成功しなかった場合等には、読取データ等を消去したが、本発明はこれに限らない。例えば、パスワードの復元が成功しなかった場合等でも全ての頁についてデータ変換処理を行い、得られた読取データに「無断複製禁止」のウォーターマークを付加して当該読取データを扱いにくくしてもよい。つまり、このような読取データに基づいて印刷を行うと、図7に示すように、シートWRの紙面一杯に「無断複製禁止」のウォーターマークが印刷されるので、図2に示すようにウォーターマークが印刷されない通常の場合と比較して、読取データを扱いにくくできる。
【0077】
(6)上記実施形態では、印刷データが複数頁分の画像データを有する場合、全頁について分割制限情報を付加したが、本発明はこれに限られない。例えば、一部の頁範囲(例えば特に重要事項が記載されている範囲)をユーザに予め指定させて当該頁範囲のみについて分割制限情報を付加してもよい。
【0078】
(7)上記実施形態では、区分け頁数Nを指定することにより総頁数を均等頁数Nごとに区分けしたが、本発明はこれに限られない。例えば、互いに異なる頁数(2頁分、4頁分、6頁分・・・)でグループ分けをし、各グループ毎にパスワードの分割処理及び分割制限情報の付加処理を行う構成でもよい。
【0079】
(8)上記実施形態では、印刷処理及び読取処理をプリンタ30側で行う構成であったが、本発明はこれに限られない。例えばPC印刷において、印刷処理の一部(例えば図3のS3〜S7の全部または一部、S11〜S21の全部または一部)や、読取処理の一部(例えば図5のS103〜137の全部または一部、図6のS103〜S209の全部または一部)を端末装置10側で行う構成でもよい。
【符号の説明】
【0080】
1...印刷システム
10...端末装置
15,35...操作部
30...プリンタ
31...CPU
37...印刷部
38...スキャナ部
W...シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データに基づく印刷対象画像をシートに印刷する印刷部と、
前記印刷データに、当該印刷データの利用を制限するための第1制限条件が付与されているかどうかを判断する第1判断部と、
前記第1判断部が肯定判断した場合、前記印刷部が前記印刷対象画像を前記シートに印刷した後に画像読取装置が当該印刷対象画像を読み取ることで生成される読取データに当該読取データの利用を制限するための第2制限条件を付与するための制限情報を、前記シートに付加する付加部と、を備える印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記付加部は、前記印刷データが複数頁分の画像データを有する場合、前記制限情報を分割して複数の分割制限情報を生成し、当該複数の分割制限情報を、互いに異なる頁の印刷対象画像が印刷される各シート又は各シート面に付加する分割付加処理を行う、印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記付加部は、前記各頁の印刷対象画像が印刷されるシートに、当該頁の印刷対象画像に基づく読取データの単独利用は禁止されていることを意味する禁止情報を付加する、印刷装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の印刷装置であって、
区分けパターンを指定する指定部を備え、
前記付加部は、前記複数頁分の画像データに対し、前記指定部で指定された区分けパターンに基づき区分けされたグループごとに前記分割付加処理を行う、印刷装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
シートに印刷された画像を読み取って読取データを生成する画像読取部と、
前記画像読取部が読み取った画像中に前記制限情報の画像が含まれている場合に、前記読取データを、前記制限情報の画像が消去された読取データに変換する変換部とを更に備える、印刷装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
前記第2制限条件は、前記読取データの暗号化を解除することである、印刷装置。
【請求項7】
請求項6に記載の印刷装置であって、
前記第1制限条件は、前記印刷データの暗号化を解除することであり、且つ、前記第1制限条件と前記第2制限条件とで暗号化を解除するための鍵情報が同じである、印刷装置。
【請求項8】
シートに印刷された画像を読み取って読取データを生成する画像読取部と、
前記シートに分割制限情報が付加されているかどうかを判断する第2判断部と、
複数のシートに付加された複数の分割制限情報に基づき、制限情報を復元する復元部と、
前記復元部により制限情報が復元できた場合には、前記画像読取部が前記複数の分割制限情報に対応する複数の画像を読み取って生成した読取データに、当該制限情報に基づいて、当該読取データの利用を制限するための制限条件を付与する付与部と、を備える、画像読取装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像読取装置であって、
前記付与部は、前記復元部が、前記複数の分割制限情報のうち、少なくとも2つの分割制限情報に基づいて前記制限情報を復元できた場合には、前記制限条件を前記読取データに付与する、画像読取装置。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の画像読取装置であって、
前記分割制限情報は、当該分割制限情報が付加されたシートの属性を示す属性情報を含み、
前記複数の分割制限情報に含まれる複数の属性情報が同一の属性を示すものであるか否かを判断する第3判断部を更に備え、
前記復元部は、前記第3判断部が肯定判断した場合にのみ、前記制限条件を復元できる、画像読取装置。
【請求項11】
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の画像読取装置であって、
前記復元部が前記制限情報を復元できなかった場合には前記読取データを破棄する破棄部を更に備えることを特徴とする、画像読取装置。
【請求項12】
シートに印刷された画像を読み取って第1読取データを生成する画像読取部と、
当該画像に制限情報の画像が含まれているかどうかを判断する第2判断部と、
前記第2判断部が肯定判断をした場合に、前記第1読取データを、前記制限情報の画像が消去された第2読取データに変換する変換部と、
前記第2読取データの利用を制限するための制限条件を、前記制限情報に基づいて前記第2読取データに付与する付与部と、を備える画像読取装置。
【請求項13】
印刷装置と前記印刷装置に印刷データを送信する情報処理装置とを互いに通信可能に備える印刷システムであって、
前記印刷データに基づく印刷対象画像をシートに印刷する印刷部と、
前記印刷データに、当該印刷データの利用を制限するための第1制限条件が付与されているかどうかを判断する第1判断部と、
前記印刷装置に設けられ、前記第1判断部が肯定判断した場合、前記印刷部が前記印刷対象画像を前記シートに印刷した後に画像読取装置が当該印刷対象画像を読み取ることで生成される読取データに当該読取データの利用を制限するための第2制限条件を付与するための制限情報を、前記シートに付加する付加部と、を備える、印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−71959(P2011−71959A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107297(P2010−107297)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】