説明

印刷装置及びその制御方法

【課題】 裏表紙304に相当する用紙が、用紙順に影響するタブ紙や差込紙の場合、最初にタブ紙、差込紙を印刷する必要があるが、従来の技術では正しい用紙順で印刷することができない。
【解決手段】 リング製本のための印刷ジョブを受信し、その印刷ジョブに含まれるページ情報を取得する。そのページ情報を基に、リング製本の裏表紙に使用する用紙が、挿入される順番が予め決められている順次挿入紙かどうかを判定し、順次挿入紙であると判定すると、順次挿入紙のセットのうち、裏表紙に使用する順次挿入紙までの順次挿入紙を排出し、裏表紙に使用する順次挿入紙に印刷するように制御し、リング製本の中紙となる用紙、及びリング製本の表表紙となる用紙の順に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リング製本装置で製本される用紙(シート)を印刷する印刷装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物にパンチャで穴をあけ、それら印刷物を針金状のリングで綴じるリング製本装置が存在する。特に近年は、印刷装置と直接接続され、印刷された印刷物を直接リング製本することが可能な、インライン・リング製本装置も実用化されてきている。このようなインライン・リング製本装置の中には、リング製本された冊子から一部のページを差し替えてリング製本を自動的に行うものも存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図2(A)(B)は、リング製本に用いられるリングの一例を示す図である。
【0004】
リング201は、1本の針金を折り曲げてつくられており、ダブルループリングと呼ばれていて、綴じる前はC字の形態になっている。このC字の形態の上下(図2(A)では左右方向)から圧を加えてリングをかしめることにより、図2(B)のように針金が変形して円状になり、綴じられた紙が脱落しないようになっている。
【0005】
リング製本においては、前述のように、かしめ綴じを行うため、綴じ位置202が表われる。この綴じ位置202は見た目が良くない、また、上下の端に針金の切断部が表われて手触りも良くない。一般には製本した状態で背に綴じ位置が表われないように、裏表紙の直前に綴じ位置202が隠れるように製本がなされる。
【0006】
図3(A)(B)は、リング製本の綴じ過程を説明する模式図である。
【0007】
図3(A)に示すように、リング製本を行う場合には、まず裏表紙304を印刷し、次に表表紙303を印刷し、最後に中紙302を印刷する。次に、これら用紙(裏表紙304、表表紙303及び中紙302)をパンチャで穿孔してリング製本機にセットする。そして、リング201を、それら穿孔された穴に通し、図2(B)で説明したようにリング201に圧をかけて綴じる。
【0008】
次に図3(B)に示すように、裏表紙304をリングに沿って回転させることにより、表表紙303、中紙302、そして裏表紙304からなる、所望の成果物(製本物)を得ることができる。
【0009】
図4は、従来のリング製本ジョブにおける用紙構成を説明する図である。
【0010】
ここでは、全ての用紙は、両面印刷されているとする。図3(A)のような用紙構成にするためには、まず裏表紙304に当たる(N−1)ページ目、Nページ目を印刷し、次に表表紙303に対応する表(1ページ目)、裏(2ページ目)を順に印刷する。そして最後に、中紙302に相当する3ページ目〜(N−2)ページ目の用紙の表・裏を順に印刷することによりNページからなる1部目の印刷が終了する。ここでは、これら動作を3回繰り返すことにより、3部の印刷を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−143072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前述の従来技術には以下のような問題がある。例えば、裏表紙304に相当する用紙が、用紙順に影響するタブ紙や差込紙の場合である。この場合、最初にタブ紙、差込紙を印刷する必要があるが、従来の技術では正しい用紙順で印刷することはできないという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、上述の問題点を解決することにある。
【0014】
本発明の特徴は、リング製本のための印刷ジョブにおいて、例えばタブ紙や差込紙等の順次挿入紙が使用されていても、正しい用紙順で印刷を行ってリング製本を行うことができる印刷装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る印刷装置は以下のような構成を備える。即ち、
リング製本のための印刷ジョブを受信する受信手段と、
前記印刷ジョブに含まれるページ情報を取得する取得手段と、
前記ページ情報を基に、前記リング製本の裏表紙に使用する用紙が、挿入される順番が予め決められている順次挿入紙かどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記順次挿入紙であると判定すると、前記順次挿入紙のセットのうち、前記裏表紙に使用する順次挿入紙までの順次挿入紙を排出し、前記裏表紙に使用する順次挿入紙に印刷するように制御する挿入紙印刷制御手段と、
前記リング製本の中紙となる用紙、及び前記リング製本の表表紙となる用紙の順に印刷する印刷制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リング製本のための刷ジョブにおいて、例えばタブ紙や差込紙等の順次挿入紙が使用されていても、正しい用紙順で印刷を行ってリング製本を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る製本システムを説明するブロック図。
【図2】リング製本に用いられるリングの一例を示す図。
【図3】リング製本の綴じ過程を説明する模式図。
【図4】従来のリング製本ジョブにおける用紙構成を説明する図。
【図5】実施形態に係る印刷装置のコントローラの構成を表すブロック図。
【図6】実施形態に係る印刷装置のソフトウェアモジュールを説明するブロック図。
【図7】実施形態に係る印刷ジョブを説明する図。
【図8】実施形態1に係る印刷装置による処理を説明するフローチャート。
【図9】実施形態1と本実施形態2におけるタブ紙の出力制御を表す図。
【図10】実施形態2に係る印刷装置による処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る製本システムを説明するブロック図である。
【0020】
印刷装置100は、現像ステーション101と定着ステーション102、給紙デッキ109を有し、リング製本で使用する用紙(印刷物)を印刷する印刷処理を実行可能である。コントローラ130は、各々の装置の制御を司る制御部である。現像ステーション101では、CMYKそれぞれの現像器104〜107において、コントローラ130からの入力画像が、現像器に内蔵される不図示の感光ドラムに現像され、その画像部分にトナーが付着する。こうして現像されたCMYKそれぞれのトナー画像が、中間転写ベルト108に転写された後、給紙デッキ109から給紙された用紙(シート)に転写される。こうしてトナー画像が転写された用紙は、定着ステーション102に送られ、定着ローラ110により熱と圧力が与えられることによりトナーが融解して紙面上に定着し、印刷が完了する。
【0021】
リング製本装置103は、印刷装置100の定着ステーション102に直接接続されている。印刷装置100より送られた印刷済の用紙はリング製本装置103に入力され、リング製本ジョブである場合は、パンチャ120により、リングに適合した穿孔が行われる。次にその用紙はスタック部121に送られて、そこに積載される。このようにして1冊分の用紙が全てスタック部121に積載されると、リングかしめ部122が、スタックされた用紙の穴にリング201を回転するようにして貫通させる。次にリングの上下から圧を加えてかしめ綴じを行う。
【0022】
以上のように制御することによって、自動的に印刷からリング製本までを行うことが可能となる。
【0023】
図5は、本発明の実施形態に係る印刷装置100のコントローラ130の構成を表すブロック図である。
【0024】
コントローラ130は、以下のような構成を有する。中央演算装置(CPU)501は、システムバス507を介して装置内各部の制御、演算、及び記憶装置に格納されたプログラムの実行を司る。ランダムアクセスメモリ(RAM)503は、印刷装置100の動作時における一時記憶領域、及び、ワークメモリとして利用される。ハードディスクドライブ(HDD)504は大容量の記憶装置であり、CPU501により実行される各種制御プログラムを格納している。また、処理されるデータの一時的な記憶領域としても利用される。ROM506は、印刷装置100の起動処理プログラムが格納された記憶装置である。ネットワークインターフェイス(I/F)502は、外部ネットワークを介してホストコンピュータなどの他の装置と通信を行う。エンジンインターフェイス(I/F)505は、プリンタエンジン508との通信、制御を司る。尚、プリンタエンジン508は、図1における現像ステーション101と定着ステーション102等を含む。操作パネル510は、操作パネルインタフェース511を介して接続されており、ユーザにより操作されるタッチパネルや各種ハードキー等を備えている。
【0025】
図6は、本発明の実施形態に係る印刷装置100のソフトウェアモジュールを説明するブロック図である。
【0026】
各々のソフトウェアモジュールはRAM503に展開されたプログラムにより呼び出されてCPU501により実行される。ジョブ受信部601は、ネットワークインターフェイス(I/F)502を介して印刷ジョブを受信し、スプーラ610に一時格納する。ジョブ展開部602は、その受信した印刷ジョブを解析し、スプーラ610から展開してPDLインタプリタ603に渡す。PDLインタプリタ603は、その印刷ジョブに含まれるPDL(ページ記述言語)データを展開し、中間データフォーマットに変換する。ここで、PDLデータは、例えばAdobe Systems社のPDF(Portable Document Format)である。
【0027】
RIP処理部604は、変換された中間データフォーマットを受け取り、RIP処理を行ってイメージデータに変換し、スプーラ620に一時格納する。ページ処理部605は、スプーラ620に格納されているイメージデータに対し、ページ順序を並べ替える処理を行う。ジョブ送信部606は、その並び替えが施されたイメージデータを、エンジンインターフェイス505を介してプリンタエンジン508に出力して印刷を行う。ここで、スプーラ610,620は、RAM503に実装されていても良いし、HDD504に実装されていてもよい。
【0028】
次に、本実施形態1に係る印刷装置100による制御処理について説明する。
【0029】
図7(A)〜(C)は、実施形態に係る印刷ジョブを説明する図である。ここでは、タブ紙を含む印刷ジョブをリング製本するときの用紙の制御を図示している。ここでタブ紙は、例えば、タブ耳の位置等により、その挿入される順番が予め決められている順次挿入紙の一例として挙げている。
【0030】
図7(A)では、使用するタブ紙71〜75が5タブで1セットであり、71は一番上部にタブ耳のある第1タブ紙、72はその下にタブ耳がある第2タブ紙、以下、73は第3タブ紙、74は第4タブ紙で、75は最も下にタブ耳がある第5タブ紙である。これらタブ紙は、図に示すように上から71,72,73,74,75の順番を一組として必要な組数分、用紙トレイに積載される。このとき印刷ジョブで印刷される中紙は、4ページ分が両面で2枚の用紙に印刷される。
【0031】
図7(B)は、タブ紙を挿入した印刷ジョブを示す。71,72は印刷されたタブ紙であり、76は1ページ目と2ージ目とが両面印刷された用紙(S1)である。また77は、3ページ目と4ページ目が両面印刷された用紙(S2)である。
【0032】
ここでは、このジョブは、タブ紙が3枚(71,72,73)、中紙となる用紙が2枚(76,77)で構成される。ここで図7(A)で説明したように、タブ紙は1セット5タブであるため、1部を出力するたびに使用しないタブが2枚(74,75)が余ることになり、それらは排出される(残タブ排紙処理)。
【0033】
図7(C)は、前述のジョブをリング製本するときの用紙の印刷順を示した図である。図7(B)で最後のタブ紙が73であるため、まず701でタブ紙71,72を排出して、裏表紙がタブ紙73となって最初に印刷される。その次に表表紙となるタブ紙71を印刷するためには、702で、タブ紙74,75を排紙する残タブ排紙処理を行う必要がある。そして、2セット目のタブ紙71を給紙して、それに印刷する。そして用紙(S1)、タブ紙72、用紙(S2)の順に印刷して、それらをリング製本する。
【0034】
図8は、実施形態1に係る印刷装置100による処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムは、そのプログラムの実行時には、例えばHDD504からRAM503に展開され、CPU501の制御の下に実行される。
【0035】
リング製本ジョブの印刷では、まずS801で、コントローラ130が起動され、ネットワークI/F502が、印刷ジョブデータを受信する。次にS802に進み、ジョブ展開部602が、S801で入力した印刷ジョブをPDLインタプリタ603に送信し、さらにRIP処理部604が、PDLインタプリタ603が生成した中間データからイメージデータを生成してスプーラ610に格納する。次にS803に進み、ページ処理部605が、入力した印刷ジョブデータのシート構成を解析する。
【0036】
S804では、入力した印刷ジョブがタブ紙を含むジョブかどうかを判定し、タブ紙を含むジョブでないと判断するとS815に進むが、タブ紙を含むジョブであると判断した場合はS805に進む。S815〜S818の処理は、従来と同様の処理である。即ち、タブ紙を含まないリング製本印刷ジョブでは、ページ処理部605は裏表紙を印刷し、次にS816で、表表紙から裏表紙の前のシートまでを印刷する。そしてS817に進み、コントローラ130は、リング製本装置103を制御して、それら印刷された用紙のリング製本を行う。これにより図3(A)に示すようなリング製本が完了する。そしてS818において、最終の部かどうかを判断し、そうでないときはS815に戻って処理を繰り返す。こうして最終の部の処理を終了すると、この処理を終了する。
【0037】
一方、タブ紙を含むジョブの場合はS805に進み、ページ処理部605は、入力した印刷ジョブのタブ紙の挿入位置を調べ、裏表紙がタブ紙かどうかを判定する。裏表紙がタブ紙である場合はS806に進み、裏表紙がタブ紙ではない場合はS809に進む。S806では、裏表紙となるタブ紙を印刷するために、タブ紙給紙部に格納されている一番上のタブ紙から裏表紙のタブ紙の上のタブ紙までを排出する(図7(C)の701に相当)。
【0038】
例えば、図7(B)の印刷ジョブでは、裏表紙のタブ紙は第3タブ紙(上から3番目のタブがあるタブ紙)であるので、ページ処理部605は、第1タブ紙71、第2タブ紙72を不図示のエスケープトレイに排出する。次にS807に進み、第3タブ紙を裏表紙として印刷する(挿入紙印刷制御)。次にS808に進み、ページ処理部605は、一番上のタブ紙を使用できるように第4タブ紙、第5タブ紙(図7(B)では74,75)を排紙して(図7(C)の702に相当)S811に進む。
【0039】
一方、S809では、ページ処理部605は、印刷ジョブで使用するタブ紙給紙部に積載されている一番上のタブ紙が第1タブ紙ではない場合は残タブ排紙を行う。そしてS810に進み、ページ処理部605は裏表紙を印刷してS811に進む。
【0040】
S811では、ページ処理部605は、表表紙から裏表紙の直前の用紙までを印刷する。即ち、図7(B)の例では、第1タブ紙71、S1(76)、第2タブ紙72、S2(77)を印刷する(印刷制御)。次にS812に進み、コントローラ130は、リング製本装置103を制御して、印刷された用紙のリング製本を行う。そしてS813に進み、ページ処理部605が、これら印刷された部が最終の部かどうかを判断し、最終の部であると判断した場合はS814に進み、残タブ排紙を行って処理を終了する。またS813で、最終の部ではないと判断した場合はS805に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0041】
以上説明したように本実施形態1によれば、リング製本印刷ジョブにおいて、裏表紙の種類によって印刷するページ順を制御することによって、タブ紙や差込紙を用いてリング製本を実施することができる。
【0042】
[実施形態2]
前述の実施形態1では、裏表紙から印刷するために印刷ジョブに使用しないタブ紙の排出処理が多く発生する。図7(A)の印刷ジョブを、3部リング製本で印刷したときのタブ紙の出力パターンを図9(A)に示す。図9(A)における濃い色のタブ紙は、印刷ジョブに含まれないタブ紙、薄い色のタブ紙は印刷に使用されるタブ紙である。このように実施形態1では、(部数+1)のタブセットを使用し、(部数+2)回のタブ紙の排出処理が発生する。タブ紙給紙部からのタブ紙を給紙する処理から、通常の用紙給紙部から用紙を給紙する処理への変更には時間がかかるため、比較的部数の少ない場合には、タブ紙を含まない印刷ジョブと比較して大きく印刷効率が低下してしまう。
【0043】
そこで実施形態2では、印刷を開始する前に、その印刷ジョブで使用するタブ紙の順番を通知し、残タブ排紙をすることなくリング製本を実行する。図9(B)は、図7(A)の印刷ジョブで、タブ紙給紙部に格納するタブ紙の順番を示す。ここでは第3タブ紙73、第1タブ紙71、第2タブ紙72の順になるようにタブ紙をセットする。尚、実施形態2に係る印刷装置100の構成、及びリング製本装置等の接続及び構成は前述の実施形態1と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0044】
図10は、本発明の実施形態2に係る印刷装置100の制御処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムは、そのプログラムの実行時には、例えばHDD504からRAM503に展開され、CPU501の制御の下に実行される。
【0045】
リング製本ジョブの印刷において、まずS1001で、コントローラ130による処理が開始され、ネットワークI/F502が、印刷ジョブデータを受信する。次にS1002に進み、ジョブ展開部602が、その入力された印刷ジョブをPDLインタプリタ603に送信し、更に、RIP処理部604が、PDLインタプリタ603が生成した中間データからイメージデータを生成してスプーラ610に格納する。次にS1003に進み、ページ処理部605が、その入力された印刷ジョブデータのシート構成を解析して、その印刷ジョブのページ情報を取得する。
【0046】
次にS1004に進み、その印刷ジョブがタブ紙を含むジョブかどうかを判定し、タブ紙を含むと判定するとS1005に進むが、タブ紙を含まないと判定するとS1013に進む。尚、S1013〜S1016の処理は、前述の図8のS815〜S818の処理と同じであるため、その説明を省略する。
【0047】
S1005では、ページ処理部605は、その印刷ジョブのタブ紙の挿入位置を調べ、裏表紙がタブ紙かどうかを判定する。裏表紙がタブ紙である場合はS1006に進み、そうでないときはS1007に進む。S1006では、コントローラ130は、S1003のシート構成の解析結果に基づき、タブ紙の積載方法を指示するメッセージを、印刷装置100の操作パネル510に表示してS1008に進む。
【0048】
図7(A)の印刷ジョブの例では、「タブ紙73−71−72の順で、Nセット入れてください。またタブ紙74と75は予め取り除いてください」と表示する。ここでNは印刷ジョブの部数である。
【0049】
一方、S1007では、コントローラ130は、S1003のシート構成の解析結果に基づき、タブ紙の積載方法を指示するメッセージを印刷装置100の操作パネル510に表示してS1008に進む。このS1007ではタブ紙の順番を入れ替える必要はないが、ジョブで使用されないタブ紙を予め取り除いておくように指示する。例えば、図7(A)の例では、「タブ紙を正順でNセット入れてください、タブ紙74と75は予め取り除いてください」のように表示する。
【0050】
S1008では、印刷開始が指示されたかどうかを判定し、操作パネルでOKが選択されて印刷が指示されるとS1009に進むが、キャンセルが選択された場合には、この処理を終了する。S1009では、ページ処理部605は第3タブ紙を裏表紙として印刷する。次にS1010に進み、ページ処理部705は、表表紙から裏表紙の直前の用紙までを印刷する。即ち、図7(B)のように、第1タブ紙、S1、第2タブ紙、S2を印刷する。次にS1011に進み、コントローラ130は、リング製本装置103を制御し、それら印刷された用紙のリング製本を行う。S1012では、ページ処理部605は、印刷された部が最終の部かどうかを判定し、そうであれば処理を終了するが、最終の部ではない場合はS1009に戻って、前述の処理を繰り返す。
【0051】
前述の実施形態1では、タブ紙を手動でセットする必要がないため、大量部数のリング製本に適している。
【0052】
一方、実施形態2は、タブ紙をセットする手間はかかるが、タブ紙を排出する処理を省けるので、印刷に要する時間を短くすることができる。またこれら実施形態1の方式と、実施形態2の方式を印刷装置100の操作パネルまたはクライアントコンピュータから選択できるようしてもよい。
【0053】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング製本のための印刷ジョブを受信する受信手段と、
前記印刷ジョブに含まれるページ情報を取得する取得手段と、
前記ページ情報を基に、前記リング製本の裏表紙に使用する用紙が、挿入される順番が予め決められている順次挿入紙かどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記順次挿入紙であると判定すると、前記順次挿入紙のセットのうち、前記裏表紙に使用する順次挿入紙までの順次挿入紙を排出し、前記裏表紙に使用する順次挿入紙に印刷するように制御する挿入紙印刷制御手段と、
前記リング製本の中紙となる用紙、及び前記リング製本の表表紙となる用紙の順に印刷する印刷制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記リング製本の表表紙となる用紙は、前記裏表紙に使用する順次挿入紙とは別の順次挿入紙のセットの用紙であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記裏表紙に使用する順次挿入紙が、前記順次挿入紙のセットの最後の用紙でない場合、当該セットの前記裏表紙に使用する順次挿入紙より後の用紙を排出する手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
リング製本のための印刷ジョブを受信する受信手段と、
前記印刷ジョブに含まれるページ情報を取得する取得手段と、
前記ページ情報を基に、前記リング製本の裏表紙に使用する用紙が、挿入される順番が予め決められている順次挿入紙かどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記順次挿入紙であると判定すると、印刷の順番に従って前記順次挿入紙、前記リング製本の中紙となる用紙、及び前記リング製本の表表紙となる用紙の順となるように用紙をセットするように指示する指示手段と、
前記指示手段によって指示された用紙の順に印刷する印刷制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
前記順次挿入紙は、タブ紙または差込紙であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
リング製本のための印刷ジョブを実行可能な印刷装置を制御する制御方法であって、
受信手段が、リング製本のための印刷ジョブを受信する受信工程と、
取得手段が、前記印刷ジョブに含まれるページ情報を取得する取得工程と、
判定手段が、前記ページ情報を基に、前記リング製本の裏表紙に使用する用紙が、挿入される順番が予め決められている順次挿入紙かどうかを判定する判定工程と、
挿入紙印刷制御手段が、前記判定工程が前記順次挿入紙であると判定すると、前記順次挿入紙のセットのうち、前記裏表紙に使用する順次挿入紙までの順次挿入紙を排出し、前記裏表紙に使用する順次挿入紙に印刷するように制御する挿入紙印刷制御工程と、
印刷制御手段が、前記リング製本の中紙となる用紙、及び前記リング製本の表表紙となる用紙の順に印刷する印刷制御工程と、
を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−52626(P2013−52626A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193276(P2011−193276)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】