印刷装置及び印刷装置に印刷を実行させるコンピュータプログラム
【課題】印刷レイアウトを柔軟に変更可能な印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷レイアウトを定義するレイアウト定義データに従って印刷画像データをレイアウトし印刷を実行可能な印刷装置であって、当該印刷装置に対して発行された印刷ジョブに第1レイアウト定義データが含まれていた場合、第2レイアウト定義データを取得するレイアウト取得手段(S305、S304)と、前記印刷ジョブに含まれる前記第1レイアウト定義データを、前記レイアウト取得手段によって取得された前記第2レイアウト定義データに置き換えるレイアウト置換手段(S313、S307)と、前記レイアウト置換手段によって置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って、印刷画像データをレイアウトし生成する画像生成手段(S314)と、前記画像生成手段により生成された印刷画像データに基づき、印刷を実行する印刷実行手段とを備える。
【解決手段】印刷レイアウトを定義するレイアウト定義データに従って印刷画像データをレイアウトし印刷を実行可能な印刷装置であって、当該印刷装置に対して発行された印刷ジョブに第1レイアウト定義データが含まれていた場合、第2レイアウト定義データを取得するレイアウト取得手段(S305、S304)と、前記印刷ジョブに含まれる前記第1レイアウト定義データを、前記レイアウト取得手段によって取得された前記第2レイアウト定義データに置き換えるレイアウト置換手段(S313、S307)と、前記レイアウト置換手段によって置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って、印刷画像データをレイアウトし生成する画像生成手段(S314)と、前記画像生成手段により生成された印刷画像データに基づき、印刷を実行する印刷実行手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及び印刷装置に印刷を実行させるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DLNA(Digital Living Network Alliance:登録商標)ガイドラインに対応したホストデバイスとしての機器が、同じくDLNA(登録商標)ガイドラインに対応した印刷装置に印刷ジョブを発行する場合がある。
係る場合に発行される印刷ジョブには、XHTML−printの規格に対応して記述された印刷データを含むもの、あるいは、XHTML−printの規格に対応して記述された印刷データの所在を示したURI(URL)を含むものがある。印刷装置は、それら発行された印刷ジョブに含まれるXHTML−printデータ、または、指定されたURIから取得したXHTML−printデータを解析して、印刷を実行していた。
【0003】
また、印刷ジョブを発行するホストデバイスは、印刷レイアウトを指示するための記述であるCSS(Cascade Style Sheet)データ等の印刷設定情報を印刷ジョブに含めて発行することもある。CSSデータによる印刷レイアウトの指示は、XHTML−printデータの中に直接記述される場合もあれば、XHTML−printデータ内にCSSデータの参照URIが記述されている場合もある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
例えば、上記DLNA(登録商標)ガイドラインに対応したホストデバイスとしての機器は、その機器の特性に合わせて予め設定されたレイアウトで印刷指示するように、CSSデータを印刷ジョブに組み込むよう構成されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−127133号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のようにホストデバイスが用意しているCSSデータが印刷ジョブに含まれるような状況下では、印刷装置は、ホストデバイスがCSSデータで指定するレイアウト以外のレイアウトで印刷ジョブを実行することが出来なかったため、印刷レイアウトが限定されてしまうことがあった。
【0007】
本発明は、以上のような背景に鑑みてなされたものであり、印刷レイアウトを柔軟に変更可能な印刷装置および印刷装置に印刷を実行させるコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決するため、本発明は、印刷レイアウトを定義するレイアウト定義データに従って印刷画像データをレイアウトし印刷を実行可能な印刷装置であって、当該印刷装置に対して発行された印刷ジョブに第1レイアウト定義データが含まれていた場合、第2レイアウト定義データを取得するレイアウト取得手段と、前記印刷ジョブに含まれる前記第1レイアウト定義データを、前記レイアウト取得手段によって取得された前記第2レイアウト定義データに置き換えるレイアウト置換手段と、前記レイアウト置換手段によって置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って、印刷画像データをレイアウトし生成する画像生成手段と、前記画像生成手段により生成された印刷画像データに基づき、印刷を実行する印刷実行手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、前記した課題を解決するための本発明は、印刷レイアウトを定義するレイアウト定義データに従って印刷画像データをレイアウトし印刷装置に印刷を実行させるコンピュータプログラムであって、前記印刷装置に対して発行された印刷ジョブに第1レイアウト定義データが含まれていた場合、第2レイアウト定義データを取得するレイアウト取得手段と、前記印刷ジョブに含まれる前記第1レイアウト定義データを、前記レイアウト取得手段によって取得された第2レイアウト定義データに置き換えるレイアウト置換手段と、前記レイアウト置換手段によって置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って、印刷画像データをレイアウトし生成する画像生成手段と、前記画像生成手段により生成された印刷画像データに基づき、印刷を実行する印刷実行手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0010】
このような印刷装置やコンピュータプログラムによれば、印刷ジョブに含まれる、例えばCSSデータなどのレイアウト定義データを他のレイアウト定義データに差し替えることができるので、印刷要求元のホストデバイスが指定してくるレイアウト定義データに制限されることなく、様々なレイアウトで印刷することが可能となる。
【0011】
前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブを送信してくる送信元の機種を特定する情報に基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データをネットワーク上のレイアウト提供サーバから検索して取得するように構成してもよい。
また、前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブ内に含まれている前記第1レイアウト定義データから生成した検索キーまたは前記第1レイアウト定義データを指定する参照先から生成した検索キーに基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データをネットワーク上のレイアウト提供サーバから検索して取得するように構成してもよい。
【0012】
このように、ホストデバイスなどの印刷ジョブの送信元の機種を特定する情報や、印刷ジョブ内に含まれている第1レイアウト定義データまたは第1レイアウト定義データを指定する参照先から生成した検索キーに基づき、ネットワーク上のレイアウト提供サーバからレイアウト定義データを取得することで、印刷ジョブを送信してくるホストデバイスに適合した印刷レイアウトを適用することができる。
なお、ここでの検索キーとは、第1レイアウト定義データそのもの、第1レイアウト定義データを規格化したデータ、第1レイアウト定義データまたはその規格化したデータから生成したハッシュ値、第1レイアウト定義データを指定するURI、そのURIから生成したハッシュ値などであるがこれらに限定されるものではない。
【0013】
前記印刷装置は、前記レイアウト取得手段により取得された前記第2レイアウト定義データを印刷装置が備える記憶装置内に蓄積するレイアウト蓄積手段をさらに備えることが望ましい。
前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブを送信してくる送信元の機種を特定する情報に基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データを前記第2レイアウト定義データを印刷装置が備える記憶装置内から検索して取得するように構成してもよい。
また、前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブ内に含まれている前記第1レイアウト定義データから生成した検索キーまたは前記第1レイアウト定義データを指定する参照先から生成した検索キーに基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データを前記第2レイアウト定義データを印刷装置自体に備えられた記憶装置内から検索して取得するように構成してもよい。
【0014】
このように、印刷装置が備える記憶装置内に、新たに取得したレイアウト定義データを蓄積していくことで、次回からこの記憶装置内を検索することで迅速に第2レイアウト定義データを取得できる。また、ネットワークの障害があった場合にも必要な第2レイアウト定義データを取得することができる。
【0015】
前記レイアウト定義データは、期間を規定するデータが対応付けられており、前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブに含まれる日時のデータによって示される日時が前記期間に含まれる場合、該期間を既定するデータに対応付けられた前記レイアウト定義データを前記第2レイアウト定義データとして取得することができる。
このようにレイアウト定義データを印刷ジョブに含まれる日時のデータをキーとして検索し、取得することで、日時が8月1日であれば夏の期間、1月20日であれば冬の期間に対応したレイアウト定義データを利用することができる。すなわち、時期に応じた印刷レイアウトを用いることができる。なお、この期間は、複数の日にわたる場合だけでなく、特定の1日であってもよい。
この日時のデータは、印刷対象であるドキュメントに係る日時とし、または印刷ジョブが送信された日時とすることができる。
【0016】
また、本発明は、前記レイアウト取得手段が複数の前記第2レイアウト定義データを取得した場合に、当該複数の第2レイアウト定義データの中から、前記第1レイアウト定義データと置き換える第2レイアウト定義データを選択する選択手段をさらに備え、前記レイアウト置換手段は、前記選択手段で選択された前記第2レイアウト定義データを、前記第1レイアウト定義データと置き換え、前記画像生成手段は、前記レイアウト置換手段により置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って印刷画像データを生成する構成とすることができる。
このような構成では、第2レイアウト定義データが複数取得された場合に、選択手段により一つのレイアウト定義データに選択される。ここでの選択手段は、印刷装置自体が所定の規則により一つのレイアウト定義データを決定するものでもよいし、ユーザに選択させて一つのレイアウト定義データを決定するものでもよい。
【0017】
ユーザにレイアウト定義データを選択させるのであれば、前記印刷装置は、表示装置をさらに備え、前記選択手段は、前記表示装置上に前記複数の前記第2レイアウト定義データから一つのレイアウト定義データをユーザに選択させるユーザインタフェースを表示させる構成とすることができる。
このようにすることで、ユーザは自分の好みを反映させた印刷をすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ホストデバイスの用意したレイアウト定義データに限定されることなく、印刷装置側でレイアウト定義データを置き換えられるので印刷可能なレイアウトを増やすことができる。特に、ホストデバイスに変更を加える必要がなく、印刷装置側だけの機能で印刷バリエーションを増やすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら説明する。参照する図において、図1は、本発明の一実施形態としての印刷装置が使用されるDLNA(登録商標)対応のネットワークの全体構成図である。
【0020】
[DLNA(登録商標)ネットワークの構成]
図1に示すように、本発明の印刷装置の一例であるデジタル複合機100が使用されるDLNA(登録商標)対応機器のネットワークは、LAN(Local Area Network)10と、LAN10からルータRTを介して接続されたインターネットINTとで構成されている。LAN10には、デジタル複合機100の他に、携帯電話D1、テレビD2、デジタルカメラD3、HDD(Hard Disk Drive)レコーダD4などが接続されている。なお、携帯電話D1は、無線LANアクセスポイントAPを介してLAN10に接続されている。
これらのDLNA(登録商標)対応機器D1〜D4は、それぞれ、他の機器との間でデータをやりとりして付加的機能を実現しており、それぞれ、コンテンツとして画像データC1、テキストデータC2、XHTML−printのテンプレートC3、XHTML−printのレイアウト定義データとしてのCSSデータC4を各機器の記憶装置内に備えている。なお、各コンテンツは、各機器D1〜D4内に記憶しているのではなく、他の装置(機器D1〜D4を含む)に記憶されているデータを参照してもよい。
各機器D1〜D4は、デジタル複合機100に印刷を要求するホストデバイスである。
【0021】
インターネットINT上には、レイアウト提供サーバとして置換CSSデータ提供サイトST1が設置されている。置換CSSデータ提供サイトST1(具体的には、サーバプログラムおよびCSSデータが備えられたサーバコンピュータ)には、CSS検索プログラムSP1、CSS送信プログラムSP2、およびCSSデータベースSD1が記憶されている。
なお、置換CSSデータ提供サイトST1は、各機器D1〜D4のメーカが運営するサーバであったり、印刷レイアウトを提供するコンテンツ会社の運営するサーバであったりする。
【0022】
CSS検索プログラムSP1は、デジタル複合機100や各機器D1〜D4からCSSデータの検索要求を受けた場合に、CSSデータベースSD1の中から、検索要求に合致するCSSデータを検索する。そして、置換CSSデータ提供サイトST1は、CSS送信プログラムSP2により、検索を要求してきたデジタル複合機100や各機器D1〜D4に対し検索結果として得られたCSSデータを送信するようになっている。CSS検索プログラムSP1の詳細は、具体的な動作をもって後で説明する。
【0023】
また、インターネットINT上には、サービス提供サイトST2が設置されている。サービス提供サイトST2は、画像データSC1を記憶しており、各機器D1〜D4やデジタル複合機100からの要求に従い、画像データSC1を読み出して送信する機能を有する。例えば、サービス提供サイトST2はウェブサーバであって、XHTML−printのデータ内に印刷すべき画像がサービス提供サイトST2へのリンク(URI)として記述されていた場合に、該当するURIの画像を送信する。
【0024】
[デジタル複合機100の構成]
図2は、本実施形態に係るデジタル複合機の機能ブロック図である。
図2に示すように、デジタル複合機100は、機能的に分解して示すと、書類などを電子データとして読み取るスキャナ1と、ホストデバイスが要求した印刷や、コピー機能の一部としての印刷を行うため、印刷画像にしたがって用紙にトナーを転写し定着する印刷部2と、電話回線を介して画像を送受信するFAX部3と、各種の装置を制御する制御部4と、ユーザがFAX番号の入力や、コピーの操作、および印刷レイアウトの選択を含むその他の操作を行うための操作部5と、メッセージを表示するための液晶パネルなどからなる表示装置としての表示部6(以下、液晶パネルを例として説明する)と、電話回線インタフェース(I/F)7と、LANインタフェース(I/F)8とを備え、それぞれの間でデータの転送が可能に接続されている。
【0025】
図3は、制御部のブロック構成図であり、図4は、制御部の詳細ブロック構成図であり、(a)はRAM内の構成、(b)はNVRAM内の構成、(c)はROM内の構成を示す。
図3に示すように、制御部4は、演算、データ転送などを行うCPU(Central Processing Unit) 41、揮発性記憶装置であるRAM(Random Access Memory)42、不揮発性RAMであるNVRAM(Non Volatile RAM)43、読み取り専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)44を備えている。
【0026】
図4(a)に示すように、RAM42には、基本機能ワーク領域421、XHTML−printデータ処理用ワーク領域422が適宜確保される。
【0027】
図4(b)に示すように、NVRAM43には、基本機能パラメータ記憶領域431と、CSSデータ記憶領域432と、置換CSSデータ検索用テーブル領域433が確保され、適宜各データが記憶される。
【0028】
図4(c)に示すように、ROM44には、基本機能プログラム441、XHTML−print・中間データ変換処理プログラム442、中間データ・印刷画像変換処理プログラム443、CSSデータ取得プログラム444、CSSデータ置換処理プログラム445、CSS検索キー生成プログラム446、CSS検索プログラム447、CSS選択UI(User Interface)プログラム448、CSS選択プログラム449およびホストデバイス登録プログラム450が記憶されている。
【0029】
上記の各プログラムは、適宜RAM42にロードされてCPU41により実行され、デジタル複合機100を制御する手段として機能する。
【0030】
基本機能プログラム441は、デジタル複合機の基本機能、例えば、印刷、FAX、コピーなどの機能や、操作部5からのデータ入力や、液晶パネルへのデータ出力などを実行するため、各機器の動作制御をするプログラムであり、印刷画像データに基づき印刷を実行する印刷実行手段としての機能も有する。
【0031】
XHTML−print・中間データ変換処理プログラム442は、各機器D1〜D4から送信されてきたXTHML−print型式の印刷ジョブ内のデータを、レイアウト定義データであるCSSを参照しながら中間データ、すなわち所定のプロトコルで記述した印刷用データに変換するプログラムである。
【0032】
中間データ・印刷画像変換処理プログラム443は、XHTML−print・中間データ変換処理プログラム442で生成された中間データを、ビットマップ構成された印刷画像データに変換するプログラムである。
上述のXHTML−print・中間データ変換処理プログラム442および中間データ・印刷画像変換処理プログラム443は、画像生成手段として機能する。
【0033】
CSSデータ取得プログラム444は、LAN10、インターネットINTなどを利用したネットワーク経由で置換CSSデータ提供サイトST1などからCSSデータを検索して取得するプログラムである。つまり、CSSデータ取得プログラム444は、印刷ジョブを送信してきた送信元の情報または印刷ジョブ内に含まれている第1レイアウト定義データとしてのCSSデータをキーとして、第2レイアウト定義データとしての置換CSSデータを置換CSSデータ提供サイトST1から検索して取得する。
また、CSSデータ取得プログラム444は、取得したCSSデータをNVRAM43のCSSデータ記憶領域へ蓄積するレイアウト蓄積手段でもある。
【0034】
CSSデータ置換処理プログラム445は、CSS検索プログラム447が検索して取得したCSSデータ(第2レイアウト定義データ)を、印刷ジョブとして送られてきたXHTML−printデータの中に記述して元のCSSデータ(第1レイアウト定義データ)と置き換えるプログラムである。CSSデータ置換処理プログラム445は、レイアウト置換手段の一例である。
【0035】
CSS検索キー生成プログラム446は、インターネットINT上の置換CSSデータ提供サイトST1や、デジタル複合機100内のCSSデータ記憶領域432および置換CSSデータ検索用テーブル領域433からCSSデータを検索する際に、検索キーとしてのハッシュ値を演算するプログラムである。
【0036】
CSS検索プログラム447は、前記したハッシュ値や、機器D1〜D4の機器名などをキーとして、デジタル複合機100内のCSSデータ記憶領域432および置換CSSデータ検索用テーブル領域433から、印刷ジョブに適合したCSSデータを検索するプログラムである。つまり、CSS検索プログラム447は、印刷ジョブを送信してきた送信元の情報または印刷ジョブ内に含まれている第1レイアウト定義データとしてのCSSデータをキーとして、第2レイアウト定義データとしての置換CSSデータをNVRAM43から検索して取得する。
CSSデータ取得プログラム444と、CSS検索キー生成プログラム446と、CSS検索プログラム447とは、レイアウト取得手段の一例である。
【0037】
CSS選択UIプログラム448は、CSSデータ取得プログラム444またはCSS検索プログラム447により複数のCSSデータの候補が得られたときに、液晶パネルなどの表示部6に、CSSデータの選択を促すユーザインタフェースを表示するプログラムである。
【0038】
CSS選択プログラム449は、CSS選択UIプログラム448で液晶パネルに表示した選択肢に対する、ユーザの操作部5の操作により、印刷ジョブに適用すべき置換CSSデータを決定するプログラムである。また、CSS選択プログラム449は、所定の決定規則により印刷ジョブに適用すべき置換CSSデータを決定するプログラムである。
CSS選択プログラム449およびCSS選択UIプログラム448は選択手段として機能する。
【0039】
ホストデバイス登録プログラム450は、ユーザが新しいホストデバイスをLAN10に接続したときに、ユーザの操作によりNVRAM43内にホストデバイスの情報を記憶するとともに、インターネットINTを介して置換CSSデータ提供サイトST1からホストデバイス用の置換CSSデータを取得し、NVRAM43に蓄積するプログラムである。
【0040】
図5は、CSSデータ記憶領域および置換CSSデータ検索用テーブル領域の内容を説明する図であり、(a)は、置換CSSデータ検索用テーブル領域の内容を示す図、(b)は、CSSデータ記憶領域の図、(c)は、CSSデータ情報の図である。
図5(a)に示すように、置換CSSデータ検索用テーブル領域には、登録ホスト数データT1と、登録ホスト情報テーブルT2と、CSS検索テーブルT3とが記憶されている。
【0041】
登録ホスト数データT1は、デジタル複合機100に登録されているホストデバイスの数である。例えば、図1のLAN10のように4つの機器D1〜D4が登録されているなら、登録ホスト数nhは、4が記憶される。
【0042】
登録ホスト情報テーブルT2は、デジタル複合機100に登録されているホストデバイスの情報を管理しているテーブルである。
例えば、図1のLAN10の例であれば、4台のホストデバイスが登録されるのでインデックス(idx)が0〜3までの4つのレコードが作成される。登録ホスト情報テーブルT2には、ホストデバイスに関する情報、その情報の最終更新日時、CSS検索キー数、CSS検索テーブルT3へのリンク先が記憶されている。
CSS検索キー数は、DLNA(登録商標)対応機器ごとに記憶しているCSSデータ群を検索するキーの数である。
CSS検索テーブルT3へのリンク先は、DLNA(登録商標)対応機器ごとに、デジタル複合機100が記憶しているどこの記憶領域で検索を実行するかを指し示す情報である。
【0043】
CSS検索テーブルT3には、DLNA(登録商標)対応機器ごとに、検索キーと、CSSデータ情報の関係を記憶している。なお、図5(a)のCSS検索テーブルT3は、登録ホスト情報テーブルT2のインデックス1に関連づけられたリンク1に対応したものを示している。検索キーは、例えば、第1レイアウト定義データとして印刷ジョブ中に記述されたCSSデータを指定する情報をハッシュ演算して得たハッシュ値を用いることができる。CSSデータの指定は、図6(a)に示すXHTML−printデータ中のレイアウト定義部分21のように、CSSデータが存在するURIを記述してなされることもあれば、図6(b)に示すXHTML−printデータ中のレイアウト定義部分22のようにXHTML−printデータ中にCSSデータを直接記述する場合もある。
その他にも、検索キーとしては、ホストデバイスの機種、レイアウト名をハッシュ演算して得た値や、ホストデバイスの機種、レイアウト名から所定の規則に従って作ったデータを用いてもよい。
【0044】
検索キーの数は、図5(a)に示した例では、登録ホスト情報テーブルT2のインデックス1のCSS検索キー数が[5]であるから、5つ([キー0]から[キー4])となっている。
【0045】
CSSデータ数は、各検索キーに対応するCSSデータ情報の数である。例えば、図5(a)の[キー0]に対しては、[情報1:0:0]〜[情報1:0:4]の5つのCSSデータ情報が対応している。このCSSデータ情報の数は、置き換えるべきCSSデータ、すなわち第2レイアウト定義データの候補の数となる。
【0046】
決定規則は、複数のCSSデータ(第2レイアウト定義データ)の候補から1つのCSSデータを決定する規則である。図5(a)の例では、0,1,2などの数字があてられている。例えば、0はユーザによる選択、1は、印刷ジョブを発行した日時による選択、2は、印刷ジョブ内のドキュメント(写真など)に係る日時(例えば、撮影日時)による選択などと、数字と決定規則とが対応づけられている。
【0047】
CSSデータ情報は、実際のCSSデータが保存されている記憶領域などを示した情報である。例えば、図5(c)に示すように、CSSデータ情報は、パネル表示情報、選択条件情報、リンク情報を有している。
【0048】
パネル表示情報は、ユーザの選択によりCSSデータの候補から一つのCSSデータを決定する場合、液晶パネルに表示する情報である。例えば、CSSデータに応じて、[クリスマス]、[夏]、[空]などの印刷レイアウトのタイトルが記憶される。
【0049】
選択条件情報は、CSSデータの候補をある条件により決定する場合の、CSSデータ側の条件である。例えば、印刷日時やドキュメントに係る日時などでCSSデータを一つに決定する場合には、選択条件情報として、[12月10日〜12月25日]、[6月〜8月]などの期間を示す情報が記憶される。
【0050】
リンク情報は、CSSデータが記憶されている記憶領域を示す情報である。
【0051】
前記したCSSデータ検索プログラム447は、デジタル複合機100内からCSSデータを検索するときは、印刷ジョブ内のCSSデータを指定する部分から検索キーを求め、登録ホスト情報テーブルT2で指示されるCSS検索テーブルT3から対応する検索キーのCSSデータ情報を得る。そして、対応する決定規則に従い、CSSデータ情報内に示されたリンク情報の記憶領域から置き換え後の第2レイアウト定義データとしての置換CSSデータ(図5(b)参照)を取得する。
【0052】
[デジタル複合機100の動作]
次に、具体的なデジタル複合機100の動作について、図7〜図16のフローチャートを参照しながら説明する。
≪起動時≫
図7は、デジタル複合機の起動処理を示すフローチャートである。
デジタル複合機100を起動したときには、ウォームアップ、各種の基本機能のプログラムの読み込みなど、通常の起動処理を行い(S110)。そして、置換CSSデータ検索用テーブル領域433およびCSSデータ記憶領域を更新する処理を行う(S120)。
【0053】
図8は、置換CSSデータ検索用テーブル領域とCSSデータ記憶領域を更新する処理を示すフローチャートである。
図8に示すように、デジタル複合機100の制御部4内のCSS置換データを更新する際には、まず、置換CSSデータ検索用テーブル領域433の登録ホスト数データT1を参照して、登録ホスト数nhを取得する(S121)。
そして、カウンタiを0に設定する(S122)。次に、iが登録ホスト数nhより大きければ(S123,No)処理を終了し、小さければ(S123,Yes)、CSSデータの取得の処理に入る(S124〜S129)。
【0054】
この処理は、レイアウト提供サーバである置換CSSデータ提供サイトST1に「ホストiに関する情報」を送信して、CSS置換データの最終データ更新日時の情報を取得する(S124)。
そして、取得した更新日時を置換CSSデータ検索用テーブル領域433に記憶されたホストiの更新日時[日時i]と比較する(S125)。
比較の結果、置換CSSデータ検索用テーブル領域433のデータの方が古い場合には(S126,Yes)、置換CSSデータ提供サイトST1からホストiに関する置換CSSデータをダウンロードし(S127)、ダウンロードした置換CSSデータを置換CSSデータ検索用テーブル領域433およびCSSデータ記憶領域432に記憶(蓄積)する(S128)。なお、ステップS126で、置換CSSデータ検索用テーブル領域433のデータの方が古くない場合には(S126,No)、置換CSSデータのダウンロード処理を行わない。
そして、カウンタiをインクリメントして(S129)、ステップS123からの処理を繰り返す。
なお、図7において、ステップS120の処理は起動時に動作したが、デジタル複合機のアイドリング状態時に一定時間間隔で動作させてもよい。ここでいう、アイドリング状態時とは、印刷ジョブなどの各種ジョブを受け付けていない状態のことである。
【0055】
≪ホストデバイスの登録時≫
図9は、ユーザがホストデバイスを登録する場合の処理を示すフローチャートである。
ユーザが新しく携帯電話D1などのホストデバイスを購入した場合には、ユーザの所定の操作により制御部4がホストデバイス登録プログラム450を実行して、ホストデバイス情報の入力画面が液晶パネルに表示される(S201)。
そして、制御部4は、ユーザがボタンなどの操作部5を操作して、ホストデバイス情報を入力するのを受け付ける(S202)。ユーザにより機種名などの必要な情報が入力されると、その情報が置換CSSデータ検索用テーブル領域433に記憶される(S203)。
なお、ホストデバイスの登録は、このようにユーザの手動操作により行うのではなく、UPnP(Universal Plug and Play)仕様に則り、LAN内に存在するデバイス相互の検出及びそれぞれのデバイスに関する情報を交換する手順を通して、ホストデバイス情報を自動的に置換CSSデータ検索用テーブル領域433に記憶してもよい。
【0056】
≪印刷処理≫
次に、具体的な印刷の処理について説明する。図10は、本実施形態に係るデジタル複合機での印刷処理を示すフローチャートである。
まず、制御部4は、ホストデバイスから印刷ジョブを受け取ると、その印刷ジョブがプッシュタイプか否かが判断される(S301)。
【0057】
印刷ジョブの発行形態には、プッシュタイプとプルタイプがある。
プッシュタイプは、XHTML−printデータを直接デジタル複合機100に送信する形態で、プルタイプは、XHTML−printデータが保存されたURIをデジタル複合機100に送信する形態である。
プッシュタイプの場合、例えば、テレビD2がデジタルカメラD3内の画像を印刷する印刷ジョブを発行するとき、テレビD2内のテキストデータC2、テンプレートC3およびCSSデータC4を用い、画像のデータは、デジタルカメラD3内の画像を参照するURIを記述してXHTML−printのデータを作成する。デジタル複合機100は、そのURIから画像を取得し、中間データを作成する。
プルタイプの場合、例えば、携帯電話D1がテレビD2に対して印刷用のXHTML−printデータの生成を指示し、テレビD2は、上記したプッシュタイプの場合と同様のXHTML−printデータを生成する。携帯電話D1は、そのXHTML−printデータのURIをデジタル複合機100に印刷ジョブとして発行し、デジタル複合機100は、そのURIからXHTML−printデータを取得して、中間データを作成する。
【0058】
ここで処理の説明に戻ると、印刷ジョブがプッシュタイプであった場合には(S301,Yes)、XHTML−printデータが取得できているので、ステップS303へ進む。プッシュタイプでない場合、すなわちプルタイプの場合には(S301,No)、印刷ジョブ内に印刷データを指示されたサーバに取りに行くよう指示があるので、指示されたサーバにXHTML−printデータを送信するよう要求し、かかるデータを取得する(S302)。
【0059】
次に、制御部4は、XHTML−printデータ内に指定されたCSSデータ適用形式がファイル参照方式か否か判断する(S303)。ファイル参照方式、つまり図6(a)に示したように、CSSデータを指定のURIを参照して取得する場合には、CSSデータへのURI情報から置換CSSデータを検索する(S304)。この処理の詳細は後述する。一方、ファイル参照方式でなかった場合には(S303,No)、XHTML−printデータの<style>タグの中から置き換えるべきCSSデータを検索する(S305)。この処理の詳細も後述する。
【0060】
そして、CSSデータの検索の結果、置換候補があるか否かを判断し(S306)、置換候補がなかった場合には(S306,No)、元のXHTML−printデータで指定されたCSSデータを解釈して、XHTML−print・中間データ変換処理プログラム442により中間データを作成する(S307)。
【0061】
置換候補があった場合には(S306,Yes)、置換候補が複数あるか否か判断する(S308)。置換候補が一つしかなかった場合(S308,No)、置換CSSデータは決定するので、ステップS312へ進む。
置換候補が複数あった場合には(S308,Yes)、ユーザによる選択をするか否かを判断する(S309)。これは、前記した置換CSSデータ検索用テーブル領域433内の決定規則の値により判断する。例えば、決定規則が0であり、ユーザによる選択をする場合(S309,Yes)、CSS選択UIプログラム448が、液晶パネルにパネル表示情報を表示して、操作部5によりユーザにCSSデータを選択させる(S310)。また、例えば決定規則が1や2であり、印刷ジョブの発行日時やドキュメントの作成日時により置換CSSデータを決定する場合(S309,No)には、印刷ジョブの情報によるCSSデータの選択処理(S311)をする。ステップS310とS311の詳細は後述する。
【0062】
以上の処理において、置換CSSデータが選択された場合には(S312,Yes)、CSSデータ置換処理プログラム445により元のCSSデータを置換CSSデータに置き換えて、XHTML−printデータと置換CSSデータの解釈により中間データを生成する(S313)。
一方、置換CSSデータが選択されなかった場合(S312,No)、例えば、ユーザが選択をせずにタイムアウトした場合とか、決定規則の条件に合わなかった場合には、XHTML−printデータと元のCSSデータの解釈により中間データを生成する(S307)。
なお、中間データの形式として、一般的なPDL(Page Description Language)であるPCLやPostscript、あるいは、固有のページ記述データ形式を用いるとよい。
また、中間データを用いずに直接印刷画像に変換するようにしてもよい。
【0063】
そして、中間データが生成された後は、中間データ・印刷画像変換処理プログラム443により中間データを解釈して印刷画像が生成される(S314)。さらに、基本機能プログラム441が印刷部2を動かして印刷が実行される。
【0064】
次にステップS305の処理の詳細を説明する。
図11は、<style>タグから置換CSSデータを検索する処理を示すフローチャートである。
ステップS305は、XHTML−printデータ内にCSSデータが記述されている場合である。このとき、制御部4は、CSS検索キー生成プログラム446により、<style>タグ内のCSSデータを定義する文字列を抽出する(S401)。
そして、レイアウト設定のルールセット単位および宣言ブロック単位でアルファベット順にソートする。さらに、改行、スペース、タブコードを削除した文字列を生成する(S402)。これは、CSSデータが、同じ印刷レイアウトでも記述の順序が必ずしも一定でないことから、一定になるよう規格化するためである。これにより、後で生成するハッシュ値が印刷レイアウトごとに一定となる。
次に、生成した文字列について、ハッシュ演算をしてハッシュ値を生成する(S403)。以上のステップS401〜S403は、CSS検索キー生成プログラム446により行われる。
【0065】
次に、CSS検索プログラム447により、生成したハッシュ値をキーとして置換CSSデータ検索用テーブル領域433を検索する(S404)。
この検索により、置換CSSデータ検索用テーブル領域433に一致する項目があった場合には(S405,Yes)、置換候補を取得して(S410)処理を終了する。
一致する項目がなかった場合には(S405,No)、CSSデータ取得プログラム444により、ハッシュ値をキーとして、置換CSSデータ提供サイトST1に検索依頼を発行する(S406)。
【0066】
その結果、置換CSSデータ提供サイトST1に一致する項目があった場合は(S407,Yes)、一致したCSSデータを取得し(S408)、ハッシュ値と取得した置換CSSデータを置換CSSデータ検索用テーブル領域433とCSSデータ記憶領域432に追加登録(蓄積)する(S409)。
一方、置換CSSデータ提供サイトST1に一致する項目がなかった場合には(S407,No)、処理を終了する。
【0067】
以上の一連の処理により、デジタル複合機100または置換CSSデータ提供サイトST1から置換CSSデータがある場合には取得される。
【0068】
次に、ステップS304の処理の詳細を説明する。
図12は、CSSデータへのURI情報から置換CSSデータを検索する処理を示すフローチャートである。
ステップS304は、XHTML−printデータ内にCSSデータの参照先がURIなどで示されている場合である。このとき、制御部4は、CSS検索キー生成プログラム446により、URI情報文字列について、ハッシュ演算をしてハッシュ値を生成する(S501)。
そして、生成したハッシュ値をキーとして、置換CSSデータ検索用テーブル領域433を検索する(S502)。
この検索により、置換CSSデータ検索用テーブル領域433に一致する項目があった場合には(S503,Yes)、置換候補を取得して(S508)処理を終了する。
一致する項目がなかった場合には(S503,No)、CSSデータ取得プログラム444により、ハッシュ値をキーとして、置換CSSデータ提供サイトST1に検索依頼を発行する(S504)。
【0069】
その結果、置換CSSデータ提供サイトST1に一致する項目があった場合は(S505,Yes)、一致したCSSデータを取得し(S506)、ハッシュ値と取得した置換CSSデータを置換CSSデータ検索用テーブル領域433とCSSデータ記憶領域432に追加登録(蓄積)する(S507)。
一方、置換CSSデータ提供サイトST1に一致する項目がなかった場合には(S505,No)、処理を終了する。
【0070】
以上の一連の処理により、デジタル複合機100または置換CSSデータ提供サイトST1から置換CSSデータがある場合には取得される。
【0071】
次に、ステップS310の処理の詳細を説明する。
図13は、液晶パネルを介してユーザに置換CSSデータを選択させる処理を示すフローチャートである。
このとき、制御部4は、CSS選択UIプログラム448により、CSSデータ情報内のパネル表示情報を液晶パネルに表示させる(S601)。液晶パネルに表示した複数の置換CSSデータの候補は、キーやタッチパネルなどの入力手段により選択可能にしておく。
そして、制御部4は、選択待ちタイマーをスタートさせる(S602)。入力手段によりユーザが選択するのを待ち(S603)、制限時間以内に選択されたならば(S604,Yes)、選択されたCSSデータを置換CSSデータと決定し、制限時間以内に選択されなかったならば(S604,No)、元のXHTML−printデータに指示されていたCSSデータを利用することを決定する(S605)。
【0072】
次に、ステップS311の例について2つの例を説明する。
図14は、印刷ジョブの情報によるCSSデータを選択する処理の1つ目の例を示すフローチャートである。
制御部4は、CSS選択プログラム449により印刷ジョブの生成日時の情報を取得する(S701)。そして、置換CSSデータ検索用テーブル領域433のCSSデータ情報を参照して、印刷ジョブの生成日時と複数の置換CSSデータに対応する選択条件情報と比較して、生成日時に最も適合する選択条件情報に対応する置換CSSデータを選択する(S702)。
例えば、4つの置換CSSデータの選択条件情報が月を表す情報として、春夏秋冬を示す[3月〜5月]、[6月〜8月]、[9月〜11月]、[12月〜2月]の各期間の上限、下限を示す数値が記憶されていたとする。そして、ステップS701で取得した印刷ジョブの生成日時が9月10日であれば、[9月〜11月]の選択条件情報に合致するので、[9月〜11月]の選択条件情報に対応する置換CSSデータが取得される。
【0073】
図15は、印刷ジョブの情報によるCSSデータを選択する処理の2つ目の例を示すフローチャートである。
2つ目の例は、テレビD2でデジタルカメラD3内の画像を表示中に印刷ジョブを発行した場合である。このとき、制御部4は、XHTML−printデータ中の画像のリンク先を示すURIにアクセスして、exif画像を取得する(S801)。
そして、取得した画像のexif形式の情報の中から撮影日時情報を取得する(S802)。
次に、1つ目の例のステップS702と同様に、置換CSSデータ検索用テーブル領域433のCSSデータ情報を参照して、撮影日時と複数の置換CSSデータに対応する選択条件情報と比較して、撮影日時に最も適合する選択条件情報に対応する置換CSSデータを選択する(S803)。
【0074】
以上のようにして、複数の置換CSSデータの候補があった場合に、印刷日時や画像の撮影日時を基準として、最も適合する置換CSSデータを選択することができる。
【0075】
≪置換CSSデータ提供サイトST1の動作≫
次に、レイアウト提供サーバの一例である置換CSSデータ提供サイトST1の処理について図16を参照しながら説明する。
図16は、置換CSSデータ提供サイトの処理を示すフローチャートである。
置換CSSデータ提供サイトST1は、ステップS901〜S905を繰り返し行っている。
置換CSSデータ提供サイトST1は、常時、クライアントからの問合せ待ちをしている(S901)。
そして、問合せがあった場合、ホストデバイスに関するCSSデータ関連の問合せか否か判断する(S902)。
ホストデバイスに関する問合せであった場合(S902,Yes)、そのホストデバイスのCSSデータが更新日時の問合せか判断する(S903)。
更新日時の問合せではなかった場合には(S903,No)、CSSデータのダウンロード要求か否か判断する(S904)。
CSSデータのダウンロード要求ではなかった場合(S904,No)、その他の処理(S905)をして、クライアントからの問合せ待ち(S901)に戻る。
【0076】
ステップS902でホストデバイスに関する問合せでなかった場合(No)、CSSデータの検索要求か否か判断する(S906)。CSSデータの検索要求だった場合(S906,Yes)、デジタル複合機100から送られてきた検索キーに対応したCSSデータがあるか検索し(S907)、対応するCSSデータがあった場合には(S908,Yes)、”有り”の情報を送信し(S909)、対応するCSSデータがなかった場合には(S908,No)”無し”の情報を送信する(S910)。ここで、”有り”の情報をデジタル複合機100が受け取ったときは、デジタル複合機は、改めてCSSデータの要求をしてくるので、置換CSSデータ提供サイトST1は、ステップS911〜S914の処理を行う。
【0077】
ステップS906で検索要求ではなかった場合、CSSデータのダウンロード要求か否か判断し(S911)、ダウンロード要求だった場合には(S911,Yes)、デジタル複合機100から送られてきた検索キーに対応したCSSデータを検索し(S912)、対応するCSSデータがあった場合には(S913,Yes)、CSSデータを送信し(S914)、対応するCSSデータがなかった場合には(S913,No)、”無し”の情報を送信する(S910)。
一方、ステップS911でCSSデータのダウンロード要求ではなかった場合(S911,No)、ステップS905に進んで、その他の処理へ入る。
【0078】
ステップS903で更新日時の問合せで合った場合(Yes)、例えば、デジタル複合機100が起動時に更新日時を問い合わせて来た場合には、ホスト情報に対応するCSSデータを検索し(S915)、対応するCSSデータがあった場合には(S916,Yes)、そのCSSデータの更新日時を送信し(S917)、対応するCSSデータがなかった場合には(S916,No)、”無し”の情報を送信する(S910)。
【0079】
ステップS904でCSSデータのダウンロード要求であった場合(Yes)、ホスト情報に対応するCSSデータを検索し(S918)、取得したCSSデータをデジタル複合機100に送信する(S919)。
【0080】
以上のようにして、置換CSSデータ提供サイトST1が、デジタル複合機100の要求に対して、更新されたCSSデータを提供することができる。
【0081】
以上のような本実施形態のデジタル複合機100によれば、次のような効果を奏する。
デジタル複合機100は、ホストデバイスから発行された印刷ジョブにCSSデータの指定があった場合には、自己の置換CSSデータ検索用テーブル領域433または置換CSSデータ提供サイトST1からそのCSSデータや、ホストデバイスに対応した置換CSSデータを検索して、置換CSSデータがあった場合には、取得してXHTML−print内のCSSデータを置き換えるので、ホストデバイスが記憶しているCSSデータに制限されることなく、様々なCSSデータを利用して印刷することができる。
【0082】
置換CSSデータの候補が複数あった場合には、ユーザに選択させることで、ユーザの好みを反映することができる。もしくは、印刷ジョブの発行日時をキーとしてその日時に適合する置換CSSデータを検索して取得することで、印刷の時期に合った印刷レイアウトにすることができる。また、画像の撮影日時をキーとしてその日時に適合する置換CSSデータを検索して取得することで、撮影の時期に合った印刷レイアウトとすることができる。
【0083】
デジタル複合機100は、起動時や、印刷時に、置換CSSデータ提供サイトST1から更新されたデータを取得し置換CSSデータ検索用テーブル領域433およびCSSデータ記憶領域432に蓄積するので、必要なときに自己の記憶領域内を参照して置換CSSデータを取得できるので、迅速にデータを得ることができる。また、ネットワークの障害があった場合にも、置換CSSデータを得ることができる。
【0084】
以上に、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されず、適宜変形して実施することができる。
例えば、本実施形態では、印刷装置の一例としてデジタル複合機100を説明したが、印刷装置は、印刷機能のみを有するプリンタであってもよいし、印刷機能を有する限り、他の装置と組み合わされていてもよい。
また、印刷装置が備えた書き換え可能な記憶装置は、NVRAMを例示したが、ハードディスクや、磁気テープであっても構わない。
【0085】
前記実施形態では、ドキュメントに係る日時のデータとして撮影日時を例示したが、電子メールを印刷する場合であれば、送信日または受信日を利用することもできるし、ワープロ文書の作成日を利用することもできる。
【0086】
前記実施形態では、ユーザに置換CSSデータを選択させるユーザインタフェースを、デジタル複合機100の液晶パネルに表示させたが、デジタル複合機100とは別個に設けた液晶ディスプレイやブラウン管に表示させてもよい。
【0087】
また、実施形態においては、デジタル複合機100という機械について説明したが、デジタル複合機やプリンタを制御するコンピュータプログラムとして本発明を構成することも可能である。
【0088】
前記実施形態では、印刷ジョブのデータとしてXHTML−printのデータ形式を例示し、レイアウト定義データとしてCSSデータを例示したが、これらに限定されることなく、印刷ジョブのデータやレイアウト定義データは、他の規定に従ったデータ形式であっても構わない。
【0089】
前記実施形態では、DLNA(登録商標)対応機器を例にしたが、それに限られるものではなく、CSSデータのようにレイアウトを定義するデータを含んだ印刷ジョブを発行するものであればよい。
【0090】
前記実施形態では、デジタル複合機100の起動時にホストデバイスの情報、つまり送信元の情報に基づき、置換CSSデータを置換CSSデータ提供サイトST1から取得し、印刷処理時には、印刷ジョブ内のレイアウト定義データに基づいて置換CSSデータを取得したが、印刷処理時に、送信元の機種を特定する情報に基づき置換CSSデータ提供サイトST1から置換CSSデータを取得するように構成してもよい。例えば、印刷処理の通信過程で得るホストデバイスの機種名もしくはその機種名のハッシュ値などに基づいて置換CSSデータ提供サイトST1から置換CSSデータ提供サイトST1から置換CSSデータを検索することができる。
具体的には、図10のS303の前処理として、印刷ジョブ発行デバイスの特定を行い、その後、特定されたデバイスを図8のホストiとしてS124〜S128に相当する処理を実行し、さらに、S303以降の処理を継続させることで実現できる。ここでの印刷ジョブ発行デバイスの特定は、印刷ジョブに含まれる情報と置換CSSデータ検索用テーブル領域443内の「ホストに関する情報」を比較することで可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の一実施形態としての印刷装置が使用されるDLNA(登録商標)対応のネットワークの全体構成図である。
【図2】本実施形態に係るデジタル複合機の機能ブロック図である。
【図3】制御部のブロック構成図である。
【図4】制御部の詳細ブロック構成図であり、(a)はRAM内の構成、(b)はNVRAM内の構成、(c)はROM内の構成を示す。
【図5】CSSデータ記憶領域および置換CSSデータ検索用テーブル領域の内容を説明する図であり、(a)は、置換CSSデータ検索用テーブル領域の内容を示す図、(b)は、CSSデータ記憶領域の図、(c)は、CSSデータ情報の図である。
【図6】(a)は、CSSデータをURIで参照して指示したXHTML−printデータの例であり、(b)は、CSSデータを直接記述して指示したXHTML−printデータの例である。
【図7】デジタル複合機の起動処理を示すフローチャートである。
【図8】置換CSSデータ検索用テーブル領域とCSSデータ記憶領域を更新する処理を示すフローチャートである。
【図9】ユーザがホストデバイスを登録する場合の処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係るデジタル複合機での印刷処理を示すフローチャートである。
【図11】<style>タグから置換CSSデータを検索する処理を示すフローチャートである。
【図12】CSSデータへのURI情報から置換CSSデータを検索する処理を示すフローチャートである。
【図13】液晶パネルを介してユーザに置換CSSデータを選択させる処理を示すフローチャートである。
【図14】印刷ジョブの情報によるCSSデータを選択する処理の1つ目の例を示すフローチャートである。
【図15】印刷ジョブの情報によるCSSデータを選択する処理の2つ目の例を示すフローチャートである。
【図16】置換CSSデータ提供サイトの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
100 デジタル複合機
421 基本機能ワーク領域
422 XHTML−printデータ処理用ワーク領域
431 基本機能パラメータ記憶領域
432 CSSデータ記憶領域
433 置換CSSデータ検索用テーブル領域
440 ホストデバイス登録プログラム
441 基本機能プログラム
442 XHTML−print・中間データ変換処理プログラム
443 中間データ・印刷画像変換処理プログラム
444 CSSデータ取得プログラム
445 CSSデータ置換処理プログラム
446 CSS検索キー生成プログラム
447 CSS検索プログラム
448 CSS選択UIプログラム
449 CSS選択プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及び印刷装置に印刷を実行させるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DLNA(Digital Living Network Alliance:登録商標)ガイドラインに対応したホストデバイスとしての機器が、同じくDLNA(登録商標)ガイドラインに対応した印刷装置に印刷ジョブを発行する場合がある。
係る場合に発行される印刷ジョブには、XHTML−printの規格に対応して記述された印刷データを含むもの、あるいは、XHTML−printの規格に対応して記述された印刷データの所在を示したURI(URL)を含むものがある。印刷装置は、それら発行された印刷ジョブに含まれるXHTML−printデータ、または、指定されたURIから取得したXHTML−printデータを解析して、印刷を実行していた。
【0003】
また、印刷ジョブを発行するホストデバイスは、印刷レイアウトを指示するための記述であるCSS(Cascade Style Sheet)データ等の印刷設定情報を印刷ジョブに含めて発行することもある。CSSデータによる印刷レイアウトの指示は、XHTML−printデータの中に直接記述される場合もあれば、XHTML−printデータ内にCSSデータの参照URIが記述されている場合もある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
例えば、上記DLNA(登録商標)ガイドラインに対応したホストデバイスとしての機器は、その機器の特性に合わせて予め設定されたレイアウトで印刷指示するように、CSSデータを印刷ジョブに組み込むよう構成されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−127133号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のようにホストデバイスが用意しているCSSデータが印刷ジョブに含まれるような状況下では、印刷装置は、ホストデバイスがCSSデータで指定するレイアウト以外のレイアウトで印刷ジョブを実行することが出来なかったため、印刷レイアウトが限定されてしまうことがあった。
【0007】
本発明は、以上のような背景に鑑みてなされたものであり、印刷レイアウトを柔軟に変更可能な印刷装置および印刷装置に印刷を実行させるコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決するため、本発明は、印刷レイアウトを定義するレイアウト定義データに従って印刷画像データをレイアウトし印刷を実行可能な印刷装置であって、当該印刷装置に対して発行された印刷ジョブに第1レイアウト定義データが含まれていた場合、第2レイアウト定義データを取得するレイアウト取得手段と、前記印刷ジョブに含まれる前記第1レイアウト定義データを、前記レイアウト取得手段によって取得された前記第2レイアウト定義データに置き換えるレイアウト置換手段と、前記レイアウト置換手段によって置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って、印刷画像データをレイアウトし生成する画像生成手段と、前記画像生成手段により生成された印刷画像データに基づき、印刷を実行する印刷実行手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、前記した課題を解決するための本発明は、印刷レイアウトを定義するレイアウト定義データに従って印刷画像データをレイアウトし印刷装置に印刷を実行させるコンピュータプログラムであって、前記印刷装置に対して発行された印刷ジョブに第1レイアウト定義データが含まれていた場合、第2レイアウト定義データを取得するレイアウト取得手段と、前記印刷ジョブに含まれる前記第1レイアウト定義データを、前記レイアウト取得手段によって取得された第2レイアウト定義データに置き換えるレイアウト置換手段と、前記レイアウト置換手段によって置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って、印刷画像データをレイアウトし生成する画像生成手段と、前記画像生成手段により生成された印刷画像データに基づき、印刷を実行する印刷実行手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0010】
このような印刷装置やコンピュータプログラムによれば、印刷ジョブに含まれる、例えばCSSデータなどのレイアウト定義データを他のレイアウト定義データに差し替えることができるので、印刷要求元のホストデバイスが指定してくるレイアウト定義データに制限されることなく、様々なレイアウトで印刷することが可能となる。
【0011】
前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブを送信してくる送信元の機種を特定する情報に基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データをネットワーク上のレイアウト提供サーバから検索して取得するように構成してもよい。
また、前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブ内に含まれている前記第1レイアウト定義データから生成した検索キーまたは前記第1レイアウト定義データを指定する参照先から生成した検索キーに基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データをネットワーク上のレイアウト提供サーバから検索して取得するように構成してもよい。
【0012】
このように、ホストデバイスなどの印刷ジョブの送信元の機種を特定する情報や、印刷ジョブ内に含まれている第1レイアウト定義データまたは第1レイアウト定義データを指定する参照先から生成した検索キーに基づき、ネットワーク上のレイアウト提供サーバからレイアウト定義データを取得することで、印刷ジョブを送信してくるホストデバイスに適合した印刷レイアウトを適用することができる。
なお、ここでの検索キーとは、第1レイアウト定義データそのもの、第1レイアウト定義データを規格化したデータ、第1レイアウト定義データまたはその規格化したデータから生成したハッシュ値、第1レイアウト定義データを指定するURI、そのURIから生成したハッシュ値などであるがこれらに限定されるものではない。
【0013】
前記印刷装置は、前記レイアウト取得手段により取得された前記第2レイアウト定義データを印刷装置が備える記憶装置内に蓄積するレイアウト蓄積手段をさらに備えることが望ましい。
前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブを送信してくる送信元の機種を特定する情報に基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データを前記第2レイアウト定義データを印刷装置が備える記憶装置内から検索して取得するように構成してもよい。
また、前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブ内に含まれている前記第1レイアウト定義データから生成した検索キーまたは前記第1レイアウト定義データを指定する参照先から生成した検索キーに基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データを前記第2レイアウト定義データを印刷装置自体に備えられた記憶装置内から検索して取得するように構成してもよい。
【0014】
このように、印刷装置が備える記憶装置内に、新たに取得したレイアウト定義データを蓄積していくことで、次回からこの記憶装置内を検索することで迅速に第2レイアウト定義データを取得できる。また、ネットワークの障害があった場合にも必要な第2レイアウト定義データを取得することができる。
【0015】
前記レイアウト定義データは、期間を規定するデータが対応付けられており、前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブに含まれる日時のデータによって示される日時が前記期間に含まれる場合、該期間を既定するデータに対応付けられた前記レイアウト定義データを前記第2レイアウト定義データとして取得することができる。
このようにレイアウト定義データを印刷ジョブに含まれる日時のデータをキーとして検索し、取得することで、日時が8月1日であれば夏の期間、1月20日であれば冬の期間に対応したレイアウト定義データを利用することができる。すなわち、時期に応じた印刷レイアウトを用いることができる。なお、この期間は、複数の日にわたる場合だけでなく、特定の1日であってもよい。
この日時のデータは、印刷対象であるドキュメントに係る日時とし、または印刷ジョブが送信された日時とすることができる。
【0016】
また、本発明は、前記レイアウト取得手段が複数の前記第2レイアウト定義データを取得した場合に、当該複数の第2レイアウト定義データの中から、前記第1レイアウト定義データと置き換える第2レイアウト定義データを選択する選択手段をさらに備え、前記レイアウト置換手段は、前記選択手段で選択された前記第2レイアウト定義データを、前記第1レイアウト定義データと置き換え、前記画像生成手段は、前記レイアウト置換手段により置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って印刷画像データを生成する構成とすることができる。
このような構成では、第2レイアウト定義データが複数取得された場合に、選択手段により一つのレイアウト定義データに選択される。ここでの選択手段は、印刷装置自体が所定の規則により一つのレイアウト定義データを決定するものでもよいし、ユーザに選択させて一つのレイアウト定義データを決定するものでもよい。
【0017】
ユーザにレイアウト定義データを選択させるのであれば、前記印刷装置は、表示装置をさらに備え、前記選択手段は、前記表示装置上に前記複数の前記第2レイアウト定義データから一つのレイアウト定義データをユーザに選択させるユーザインタフェースを表示させる構成とすることができる。
このようにすることで、ユーザは自分の好みを反映させた印刷をすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ホストデバイスの用意したレイアウト定義データに限定されることなく、印刷装置側でレイアウト定義データを置き換えられるので印刷可能なレイアウトを増やすことができる。特に、ホストデバイスに変更を加える必要がなく、印刷装置側だけの機能で印刷バリエーションを増やすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら説明する。参照する図において、図1は、本発明の一実施形態としての印刷装置が使用されるDLNA(登録商標)対応のネットワークの全体構成図である。
【0020】
[DLNA(登録商標)ネットワークの構成]
図1に示すように、本発明の印刷装置の一例であるデジタル複合機100が使用されるDLNA(登録商標)対応機器のネットワークは、LAN(Local Area Network)10と、LAN10からルータRTを介して接続されたインターネットINTとで構成されている。LAN10には、デジタル複合機100の他に、携帯電話D1、テレビD2、デジタルカメラD3、HDD(Hard Disk Drive)レコーダD4などが接続されている。なお、携帯電話D1は、無線LANアクセスポイントAPを介してLAN10に接続されている。
これらのDLNA(登録商標)対応機器D1〜D4は、それぞれ、他の機器との間でデータをやりとりして付加的機能を実現しており、それぞれ、コンテンツとして画像データC1、テキストデータC2、XHTML−printのテンプレートC3、XHTML−printのレイアウト定義データとしてのCSSデータC4を各機器の記憶装置内に備えている。なお、各コンテンツは、各機器D1〜D4内に記憶しているのではなく、他の装置(機器D1〜D4を含む)に記憶されているデータを参照してもよい。
各機器D1〜D4は、デジタル複合機100に印刷を要求するホストデバイスである。
【0021】
インターネットINT上には、レイアウト提供サーバとして置換CSSデータ提供サイトST1が設置されている。置換CSSデータ提供サイトST1(具体的には、サーバプログラムおよびCSSデータが備えられたサーバコンピュータ)には、CSS検索プログラムSP1、CSS送信プログラムSP2、およびCSSデータベースSD1が記憶されている。
なお、置換CSSデータ提供サイトST1は、各機器D1〜D4のメーカが運営するサーバであったり、印刷レイアウトを提供するコンテンツ会社の運営するサーバであったりする。
【0022】
CSS検索プログラムSP1は、デジタル複合機100や各機器D1〜D4からCSSデータの検索要求を受けた場合に、CSSデータベースSD1の中から、検索要求に合致するCSSデータを検索する。そして、置換CSSデータ提供サイトST1は、CSS送信プログラムSP2により、検索を要求してきたデジタル複合機100や各機器D1〜D4に対し検索結果として得られたCSSデータを送信するようになっている。CSS検索プログラムSP1の詳細は、具体的な動作をもって後で説明する。
【0023】
また、インターネットINT上には、サービス提供サイトST2が設置されている。サービス提供サイトST2は、画像データSC1を記憶しており、各機器D1〜D4やデジタル複合機100からの要求に従い、画像データSC1を読み出して送信する機能を有する。例えば、サービス提供サイトST2はウェブサーバであって、XHTML−printのデータ内に印刷すべき画像がサービス提供サイトST2へのリンク(URI)として記述されていた場合に、該当するURIの画像を送信する。
【0024】
[デジタル複合機100の構成]
図2は、本実施形態に係るデジタル複合機の機能ブロック図である。
図2に示すように、デジタル複合機100は、機能的に分解して示すと、書類などを電子データとして読み取るスキャナ1と、ホストデバイスが要求した印刷や、コピー機能の一部としての印刷を行うため、印刷画像にしたがって用紙にトナーを転写し定着する印刷部2と、電話回線を介して画像を送受信するFAX部3と、各種の装置を制御する制御部4と、ユーザがFAX番号の入力や、コピーの操作、および印刷レイアウトの選択を含むその他の操作を行うための操作部5と、メッセージを表示するための液晶パネルなどからなる表示装置としての表示部6(以下、液晶パネルを例として説明する)と、電話回線インタフェース(I/F)7と、LANインタフェース(I/F)8とを備え、それぞれの間でデータの転送が可能に接続されている。
【0025】
図3は、制御部のブロック構成図であり、図4は、制御部の詳細ブロック構成図であり、(a)はRAM内の構成、(b)はNVRAM内の構成、(c)はROM内の構成を示す。
図3に示すように、制御部4は、演算、データ転送などを行うCPU(Central Processing Unit) 41、揮発性記憶装置であるRAM(Random Access Memory)42、不揮発性RAMであるNVRAM(Non Volatile RAM)43、読み取り専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)44を備えている。
【0026】
図4(a)に示すように、RAM42には、基本機能ワーク領域421、XHTML−printデータ処理用ワーク領域422が適宜確保される。
【0027】
図4(b)に示すように、NVRAM43には、基本機能パラメータ記憶領域431と、CSSデータ記憶領域432と、置換CSSデータ検索用テーブル領域433が確保され、適宜各データが記憶される。
【0028】
図4(c)に示すように、ROM44には、基本機能プログラム441、XHTML−print・中間データ変換処理プログラム442、中間データ・印刷画像変換処理プログラム443、CSSデータ取得プログラム444、CSSデータ置換処理プログラム445、CSS検索キー生成プログラム446、CSS検索プログラム447、CSS選択UI(User Interface)プログラム448、CSS選択プログラム449およびホストデバイス登録プログラム450が記憶されている。
【0029】
上記の各プログラムは、適宜RAM42にロードされてCPU41により実行され、デジタル複合機100を制御する手段として機能する。
【0030】
基本機能プログラム441は、デジタル複合機の基本機能、例えば、印刷、FAX、コピーなどの機能や、操作部5からのデータ入力や、液晶パネルへのデータ出力などを実行するため、各機器の動作制御をするプログラムであり、印刷画像データに基づき印刷を実行する印刷実行手段としての機能も有する。
【0031】
XHTML−print・中間データ変換処理プログラム442は、各機器D1〜D4から送信されてきたXTHML−print型式の印刷ジョブ内のデータを、レイアウト定義データであるCSSを参照しながら中間データ、すなわち所定のプロトコルで記述した印刷用データに変換するプログラムである。
【0032】
中間データ・印刷画像変換処理プログラム443は、XHTML−print・中間データ変換処理プログラム442で生成された中間データを、ビットマップ構成された印刷画像データに変換するプログラムである。
上述のXHTML−print・中間データ変換処理プログラム442および中間データ・印刷画像変換処理プログラム443は、画像生成手段として機能する。
【0033】
CSSデータ取得プログラム444は、LAN10、インターネットINTなどを利用したネットワーク経由で置換CSSデータ提供サイトST1などからCSSデータを検索して取得するプログラムである。つまり、CSSデータ取得プログラム444は、印刷ジョブを送信してきた送信元の情報または印刷ジョブ内に含まれている第1レイアウト定義データとしてのCSSデータをキーとして、第2レイアウト定義データとしての置換CSSデータを置換CSSデータ提供サイトST1から検索して取得する。
また、CSSデータ取得プログラム444は、取得したCSSデータをNVRAM43のCSSデータ記憶領域へ蓄積するレイアウト蓄積手段でもある。
【0034】
CSSデータ置換処理プログラム445は、CSS検索プログラム447が検索して取得したCSSデータ(第2レイアウト定義データ)を、印刷ジョブとして送られてきたXHTML−printデータの中に記述して元のCSSデータ(第1レイアウト定義データ)と置き換えるプログラムである。CSSデータ置換処理プログラム445は、レイアウト置換手段の一例である。
【0035】
CSS検索キー生成プログラム446は、インターネットINT上の置換CSSデータ提供サイトST1や、デジタル複合機100内のCSSデータ記憶領域432および置換CSSデータ検索用テーブル領域433からCSSデータを検索する際に、検索キーとしてのハッシュ値を演算するプログラムである。
【0036】
CSS検索プログラム447は、前記したハッシュ値や、機器D1〜D4の機器名などをキーとして、デジタル複合機100内のCSSデータ記憶領域432および置換CSSデータ検索用テーブル領域433から、印刷ジョブに適合したCSSデータを検索するプログラムである。つまり、CSS検索プログラム447は、印刷ジョブを送信してきた送信元の情報または印刷ジョブ内に含まれている第1レイアウト定義データとしてのCSSデータをキーとして、第2レイアウト定義データとしての置換CSSデータをNVRAM43から検索して取得する。
CSSデータ取得プログラム444と、CSS検索キー生成プログラム446と、CSS検索プログラム447とは、レイアウト取得手段の一例である。
【0037】
CSS選択UIプログラム448は、CSSデータ取得プログラム444またはCSS検索プログラム447により複数のCSSデータの候補が得られたときに、液晶パネルなどの表示部6に、CSSデータの選択を促すユーザインタフェースを表示するプログラムである。
【0038】
CSS選択プログラム449は、CSS選択UIプログラム448で液晶パネルに表示した選択肢に対する、ユーザの操作部5の操作により、印刷ジョブに適用すべき置換CSSデータを決定するプログラムである。また、CSS選択プログラム449は、所定の決定規則により印刷ジョブに適用すべき置換CSSデータを決定するプログラムである。
CSS選択プログラム449およびCSS選択UIプログラム448は選択手段として機能する。
【0039】
ホストデバイス登録プログラム450は、ユーザが新しいホストデバイスをLAN10に接続したときに、ユーザの操作によりNVRAM43内にホストデバイスの情報を記憶するとともに、インターネットINTを介して置換CSSデータ提供サイトST1からホストデバイス用の置換CSSデータを取得し、NVRAM43に蓄積するプログラムである。
【0040】
図5は、CSSデータ記憶領域および置換CSSデータ検索用テーブル領域の内容を説明する図であり、(a)は、置換CSSデータ検索用テーブル領域の内容を示す図、(b)は、CSSデータ記憶領域の図、(c)は、CSSデータ情報の図である。
図5(a)に示すように、置換CSSデータ検索用テーブル領域には、登録ホスト数データT1と、登録ホスト情報テーブルT2と、CSS検索テーブルT3とが記憶されている。
【0041】
登録ホスト数データT1は、デジタル複合機100に登録されているホストデバイスの数である。例えば、図1のLAN10のように4つの機器D1〜D4が登録されているなら、登録ホスト数nhは、4が記憶される。
【0042】
登録ホスト情報テーブルT2は、デジタル複合機100に登録されているホストデバイスの情報を管理しているテーブルである。
例えば、図1のLAN10の例であれば、4台のホストデバイスが登録されるのでインデックス(idx)が0〜3までの4つのレコードが作成される。登録ホスト情報テーブルT2には、ホストデバイスに関する情報、その情報の最終更新日時、CSS検索キー数、CSS検索テーブルT3へのリンク先が記憶されている。
CSS検索キー数は、DLNA(登録商標)対応機器ごとに記憶しているCSSデータ群を検索するキーの数である。
CSS検索テーブルT3へのリンク先は、DLNA(登録商標)対応機器ごとに、デジタル複合機100が記憶しているどこの記憶領域で検索を実行するかを指し示す情報である。
【0043】
CSS検索テーブルT3には、DLNA(登録商標)対応機器ごとに、検索キーと、CSSデータ情報の関係を記憶している。なお、図5(a)のCSS検索テーブルT3は、登録ホスト情報テーブルT2のインデックス1に関連づけられたリンク1に対応したものを示している。検索キーは、例えば、第1レイアウト定義データとして印刷ジョブ中に記述されたCSSデータを指定する情報をハッシュ演算して得たハッシュ値を用いることができる。CSSデータの指定は、図6(a)に示すXHTML−printデータ中のレイアウト定義部分21のように、CSSデータが存在するURIを記述してなされることもあれば、図6(b)に示すXHTML−printデータ中のレイアウト定義部分22のようにXHTML−printデータ中にCSSデータを直接記述する場合もある。
その他にも、検索キーとしては、ホストデバイスの機種、レイアウト名をハッシュ演算して得た値や、ホストデバイスの機種、レイアウト名から所定の規則に従って作ったデータを用いてもよい。
【0044】
検索キーの数は、図5(a)に示した例では、登録ホスト情報テーブルT2のインデックス1のCSS検索キー数が[5]であるから、5つ([キー0]から[キー4])となっている。
【0045】
CSSデータ数は、各検索キーに対応するCSSデータ情報の数である。例えば、図5(a)の[キー0]に対しては、[情報1:0:0]〜[情報1:0:4]の5つのCSSデータ情報が対応している。このCSSデータ情報の数は、置き換えるべきCSSデータ、すなわち第2レイアウト定義データの候補の数となる。
【0046】
決定規則は、複数のCSSデータ(第2レイアウト定義データ)の候補から1つのCSSデータを決定する規則である。図5(a)の例では、0,1,2などの数字があてられている。例えば、0はユーザによる選択、1は、印刷ジョブを発行した日時による選択、2は、印刷ジョブ内のドキュメント(写真など)に係る日時(例えば、撮影日時)による選択などと、数字と決定規則とが対応づけられている。
【0047】
CSSデータ情報は、実際のCSSデータが保存されている記憶領域などを示した情報である。例えば、図5(c)に示すように、CSSデータ情報は、パネル表示情報、選択条件情報、リンク情報を有している。
【0048】
パネル表示情報は、ユーザの選択によりCSSデータの候補から一つのCSSデータを決定する場合、液晶パネルに表示する情報である。例えば、CSSデータに応じて、[クリスマス]、[夏]、[空]などの印刷レイアウトのタイトルが記憶される。
【0049】
選択条件情報は、CSSデータの候補をある条件により決定する場合の、CSSデータ側の条件である。例えば、印刷日時やドキュメントに係る日時などでCSSデータを一つに決定する場合には、選択条件情報として、[12月10日〜12月25日]、[6月〜8月]などの期間を示す情報が記憶される。
【0050】
リンク情報は、CSSデータが記憶されている記憶領域を示す情報である。
【0051】
前記したCSSデータ検索プログラム447は、デジタル複合機100内からCSSデータを検索するときは、印刷ジョブ内のCSSデータを指定する部分から検索キーを求め、登録ホスト情報テーブルT2で指示されるCSS検索テーブルT3から対応する検索キーのCSSデータ情報を得る。そして、対応する決定規則に従い、CSSデータ情報内に示されたリンク情報の記憶領域から置き換え後の第2レイアウト定義データとしての置換CSSデータ(図5(b)参照)を取得する。
【0052】
[デジタル複合機100の動作]
次に、具体的なデジタル複合機100の動作について、図7〜図16のフローチャートを参照しながら説明する。
≪起動時≫
図7は、デジタル複合機の起動処理を示すフローチャートである。
デジタル複合機100を起動したときには、ウォームアップ、各種の基本機能のプログラムの読み込みなど、通常の起動処理を行い(S110)。そして、置換CSSデータ検索用テーブル領域433およびCSSデータ記憶領域を更新する処理を行う(S120)。
【0053】
図8は、置換CSSデータ検索用テーブル領域とCSSデータ記憶領域を更新する処理を示すフローチャートである。
図8に示すように、デジタル複合機100の制御部4内のCSS置換データを更新する際には、まず、置換CSSデータ検索用テーブル領域433の登録ホスト数データT1を参照して、登録ホスト数nhを取得する(S121)。
そして、カウンタiを0に設定する(S122)。次に、iが登録ホスト数nhより大きければ(S123,No)処理を終了し、小さければ(S123,Yes)、CSSデータの取得の処理に入る(S124〜S129)。
【0054】
この処理は、レイアウト提供サーバである置換CSSデータ提供サイトST1に「ホストiに関する情報」を送信して、CSS置換データの最終データ更新日時の情報を取得する(S124)。
そして、取得した更新日時を置換CSSデータ検索用テーブル領域433に記憶されたホストiの更新日時[日時i]と比較する(S125)。
比較の結果、置換CSSデータ検索用テーブル領域433のデータの方が古い場合には(S126,Yes)、置換CSSデータ提供サイトST1からホストiに関する置換CSSデータをダウンロードし(S127)、ダウンロードした置換CSSデータを置換CSSデータ検索用テーブル領域433およびCSSデータ記憶領域432に記憶(蓄積)する(S128)。なお、ステップS126で、置換CSSデータ検索用テーブル領域433のデータの方が古くない場合には(S126,No)、置換CSSデータのダウンロード処理を行わない。
そして、カウンタiをインクリメントして(S129)、ステップS123からの処理を繰り返す。
なお、図7において、ステップS120の処理は起動時に動作したが、デジタル複合機のアイドリング状態時に一定時間間隔で動作させてもよい。ここでいう、アイドリング状態時とは、印刷ジョブなどの各種ジョブを受け付けていない状態のことである。
【0055】
≪ホストデバイスの登録時≫
図9は、ユーザがホストデバイスを登録する場合の処理を示すフローチャートである。
ユーザが新しく携帯電話D1などのホストデバイスを購入した場合には、ユーザの所定の操作により制御部4がホストデバイス登録プログラム450を実行して、ホストデバイス情報の入力画面が液晶パネルに表示される(S201)。
そして、制御部4は、ユーザがボタンなどの操作部5を操作して、ホストデバイス情報を入力するのを受け付ける(S202)。ユーザにより機種名などの必要な情報が入力されると、その情報が置換CSSデータ検索用テーブル領域433に記憶される(S203)。
なお、ホストデバイスの登録は、このようにユーザの手動操作により行うのではなく、UPnP(Universal Plug and Play)仕様に則り、LAN内に存在するデバイス相互の検出及びそれぞれのデバイスに関する情報を交換する手順を通して、ホストデバイス情報を自動的に置換CSSデータ検索用テーブル領域433に記憶してもよい。
【0056】
≪印刷処理≫
次に、具体的な印刷の処理について説明する。図10は、本実施形態に係るデジタル複合機での印刷処理を示すフローチャートである。
まず、制御部4は、ホストデバイスから印刷ジョブを受け取ると、その印刷ジョブがプッシュタイプか否かが判断される(S301)。
【0057】
印刷ジョブの発行形態には、プッシュタイプとプルタイプがある。
プッシュタイプは、XHTML−printデータを直接デジタル複合機100に送信する形態で、プルタイプは、XHTML−printデータが保存されたURIをデジタル複合機100に送信する形態である。
プッシュタイプの場合、例えば、テレビD2がデジタルカメラD3内の画像を印刷する印刷ジョブを発行するとき、テレビD2内のテキストデータC2、テンプレートC3およびCSSデータC4を用い、画像のデータは、デジタルカメラD3内の画像を参照するURIを記述してXHTML−printのデータを作成する。デジタル複合機100は、そのURIから画像を取得し、中間データを作成する。
プルタイプの場合、例えば、携帯電話D1がテレビD2に対して印刷用のXHTML−printデータの生成を指示し、テレビD2は、上記したプッシュタイプの場合と同様のXHTML−printデータを生成する。携帯電話D1は、そのXHTML−printデータのURIをデジタル複合機100に印刷ジョブとして発行し、デジタル複合機100は、そのURIからXHTML−printデータを取得して、中間データを作成する。
【0058】
ここで処理の説明に戻ると、印刷ジョブがプッシュタイプであった場合には(S301,Yes)、XHTML−printデータが取得できているので、ステップS303へ進む。プッシュタイプでない場合、すなわちプルタイプの場合には(S301,No)、印刷ジョブ内に印刷データを指示されたサーバに取りに行くよう指示があるので、指示されたサーバにXHTML−printデータを送信するよう要求し、かかるデータを取得する(S302)。
【0059】
次に、制御部4は、XHTML−printデータ内に指定されたCSSデータ適用形式がファイル参照方式か否か判断する(S303)。ファイル参照方式、つまり図6(a)に示したように、CSSデータを指定のURIを参照して取得する場合には、CSSデータへのURI情報から置換CSSデータを検索する(S304)。この処理の詳細は後述する。一方、ファイル参照方式でなかった場合には(S303,No)、XHTML−printデータの<style>タグの中から置き換えるべきCSSデータを検索する(S305)。この処理の詳細も後述する。
【0060】
そして、CSSデータの検索の結果、置換候補があるか否かを判断し(S306)、置換候補がなかった場合には(S306,No)、元のXHTML−printデータで指定されたCSSデータを解釈して、XHTML−print・中間データ変換処理プログラム442により中間データを作成する(S307)。
【0061】
置換候補があった場合には(S306,Yes)、置換候補が複数あるか否か判断する(S308)。置換候補が一つしかなかった場合(S308,No)、置換CSSデータは決定するので、ステップS312へ進む。
置換候補が複数あった場合には(S308,Yes)、ユーザによる選択をするか否かを判断する(S309)。これは、前記した置換CSSデータ検索用テーブル領域433内の決定規則の値により判断する。例えば、決定規則が0であり、ユーザによる選択をする場合(S309,Yes)、CSS選択UIプログラム448が、液晶パネルにパネル表示情報を表示して、操作部5によりユーザにCSSデータを選択させる(S310)。また、例えば決定規則が1や2であり、印刷ジョブの発行日時やドキュメントの作成日時により置換CSSデータを決定する場合(S309,No)には、印刷ジョブの情報によるCSSデータの選択処理(S311)をする。ステップS310とS311の詳細は後述する。
【0062】
以上の処理において、置換CSSデータが選択された場合には(S312,Yes)、CSSデータ置換処理プログラム445により元のCSSデータを置換CSSデータに置き換えて、XHTML−printデータと置換CSSデータの解釈により中間データを生成する(S313)。
一方、置換CSSデータが選択されなかった場合(S312,No)、例えば、ユーザが選択をせずにタイムアウトした場合とか、決定規則の条件に合わなかった場合には、XHTML−printデータと元のCSSデータの解釈により中間データを生成する(S307)。
なお、中間データの形式として、一般的なPDL(Page Description Language)であるPCLやPostscript、あるいは、固有のページ記述データ形式を用いるとよい。
また、中間データを用いずに直接印刷画像に変換するようにしてもよい。
【0063】
そして、中間データが生成された後は、中間データ・印刷画像変換処理プログラム443により中間データを解釈して印刷画像が生成される(S314)。さらに、基本機能プログラム441が印刷部2を動かして印刷が実行される。
【0064】
次にステップS305の処理の詳細を説明する。
図11は、<style>タグから置換CSSデータを検索する処理を示すフローチャートである。
ステップS305は、XHTML−printデータ内にCSSデータが記述されている場合である。このとき、制御部4は、CSS検索キー生成プログラム446により、<style>タグ内のCSSデータを定義する文字列を抽出する(S401)。
そして、レイアウト設定のルールセット単位および宣言ブロック単位でアルファベット順にソートする。さらに、改行、スペース、タブコードを削除した文字列を生成する(S402)。これは、CSSデータが、同じ印刷レイアウトでも記述の順序が必ずしも一定でないことから、一定になるよう規格化するためである。これにより、後で生成するハッシュ値が印刷レイアウトごとに一定となる。
次に、生成した文字列について、ハッシュ演算をしてハッシュ値を生成する(S403)。以上のステップS401〜S403は、CSS検索キー生成プログラム446により行われる。
【0065】
次に、CSS検索プログラム447により、生成したハッシュ値をキーとして置換CSSデータ検索用テーブル領域433を検索する(S404)。
この検索により、置換CSSデータ検索用テーブル領域433に一致する項目があった場合には(S405,Yes)、置換候補を取得して(S410)処理を終了する。
一致する項目がなかった場合には(S405,No)、CSSデータ取得プログラム444により、ハッシュ値をキーとして、置換CSSデータ提供サイトST1に検索依頼を発行する(S406)。
【0066】
その結果、置換CSSデータ提供サイトST1に一致する項目があった場合は(S407,Yes)、一致したCSSデータを取得し(S408)、ハッシュ値と取得した置換CSSデータを置換CSSデータ検索用テーブル領域433とCSSデータ記憶領域432に追加登録(蓄積)する(S409)。
一方、置換CSSデータ提供サイトST1に一致する項目がなかった場合には(S407,No)、処理を終了する。
【0067】
以上の一連の処理により、デジタル複合機100または置換CSSデータ提供サイトST1から置換CSSデータがある場合には取得される。
【0068】
次に、ステップS304の処理の詳細を説明する。
図12は、CSSデータへのURI情報から置換CSSデータを検索する処理を示すフローチャートである。
ステップS304は、XHTML−printデータ内にCSSデータの参照先がURIなどで示されている場合である。このとき、制御部4は、CSS検索キー生成プログラム446により、URI情報文字列について、ハッシュ演算をしてハッシュ値を生成する(S501)。
そして、生成したハッシュ値をキーとして、置換CSSデータ検索用テーブル領域433を検索する(S502)。
この検索により、置換CSSデータ検索用テーブル領域433に一致する項目があった場合には(S503,Yes)、置換候補を取得して(S508)処理を終了する。
一致する項目がなかった場合には(S503,No)、CSSデータ取得プログラム444により、ハッシュ値をキーとして、置換CSSデータ提供サイトST1に検索依頼を発行する(S504)。
【0069】
その結果、置換CSSデータ提供サイトST1に一致する項目があった場合は(S505,Yes)、一致したCSSデータを取得し(S506)、ハッシュ値と取得した置換CSSデータを置換CSSデータ検索用テーブル領域433とCSSデータ記憶領域432に追加登録(蓄積)する(S507)。
一方、置換CSSデータ提供サイトST1に一致する項目がなかった場合には(S505,No)、処理を終了する。
【0070】
以上の一連の処理により、デジタル複合機100または置換CSSデータ提供サイトST1から置換CSSデータがある場合には取得される。
【0071】
次に、ステップS310の処理の詳細を説明する。
図13は、液晶パネルを介してユーザに置換CSSデータを選択させる処理を示すフローチャートである。
このとき、制御部4は、CSS選択UIプログラム448により、CSSデータ情報内のパネル表示情報を液晶パネルに表示させる(S601)。液晶パネルに表示した複数の置換CSSデータの候補は、キーやタッチパネルなどの入力手段により選択可能にしておく。
そして、制御部4は、選択待ちタイマーをスタートさせる(S602)。入力手段によりユーザが選択するのを待ち(S603)、制限時間以内に選択されたならば(S604,Yes)、選択されたCSSデータを置換CSSデータと決定し、制限時間以内に選択されなかったならば(S604,No)、元のXHTML−printデータに指示されていたCSSデータを利用することを決定する(S605)。
【0072】
次に、ステップS311の例について2つの例を説明する。
図14は、印刷ジョブの情報によるCSSデータを選択する処理の1つ目の例を示すフローチャートである。
制御部4は、CSS選択プログラム449により印刷ジョブの生成日時の情報を取得する(S701)。そして、置換CSSデータ検索用テーブル領域433のCSSデータ情報を参照して、印刷ジョブの生成日時と複数の置換CSSデータに対応する選択条件情報と比較して、生成日時に最も適合する選択条件情報に対応する置換CSSデータを選択する(S702)。
例えば、4つの置換CSSデータの選択条件情報が月を表す情報として、春夏秋冬を示す[3月〜5月]、[6月〜8月]、[9月〜11月]、[12月〜2月]の各期間の上限、下限を示す数値が記憶されていたとする。そして、ステップS701で取得した印刷ジョブの生成日時が9月10日であれば、[9月〜11月]の選択条件情報に合致するので、[9月〜11月]の選択条件情報に対応する置換CSSデータが取得される。
【0073】
図15は、印刷ジョブの情報によるCSSデータを選択する処理の2つ目の例を示すフローチャートである。
2つ目の例は、テレビD2でデジタルカメラD3内の画像を表示中に印刷ジョブを発行した場合である。このとき、制御部4は、XHTML−printデータ中の画像のリンク先を示すURIにアクセスして、exif画像を取得する(S801)。
そして、取得した画像のexif形式の情報の中から撮影日時情報を取得する(S802)。
次に、1つ目の例のステップS702と同様に、置換CSSデータ検索用テーブル領域433のCSSデータ情報を参照して、撮影日時と複数の置換CSSデータに対応する選択条件情報と比較して、撮影日時に最も適合する選択条件情報に対応する置換CSSデータを選択する(S803)。
【0074】
以上のようにして、複数の置換CSSデータの候補があった場合に、印刷日時や画像の撮影日時を基準として、最も適合する置換CSSデータを選択することができる。
【0075】
≪置換CSSデータ提供サイトST1の動作≫
次に、レイアウト提供サーバの一例である置換CSSデータ提供サイトST1の処理について図16を参照しながら説明する。
図16は、置換CSSデータ提供サイトの処理を示すフローチャートである。
置換CSSデータ提供サイトST1は、ステップS901〜S905を繰り返し行っている。
置換CSSデータ提供サイトST1は、常時、クライアントからの問合せ待ちをしている(S901)。
そして、問合せがあった場合、ホストデバイスに関するCSSデータ関連の問合せか否か判断する(S902)。
ホストデバイスに関する問合せであった場合(S902,Yes)、そのホストデバイスのCSSデータが更新日時の問合せか判断する(S903)。
更新日時の問合せではなかった場合には(S903,No)、CSSデータのダウンロード要求か否か判断する(S904)。
CSSデータのダウンロード要求ではなかった場合(S904,No)、その他の処理(S905)をして、クライアントからの問合せ待ち(S901)に戻る。
【0076】
ステップS902でホストデバイスに関する問合せでなかった場合(No)、CSSデータの検索要求か否か判断する(S906)。CSSデータの検索要求だった場合(S906,Yes)、デジタル複合機100から送られてきた検索キーに対応したCSSデータがあるか検索し(S907)、対応するCSSデータがあった場合には(S908,Yes)、”有り”の情報を送信し(S909)、対応するCSSデータがなかった場合には(S908,No)”無し”の情報を送信する(S910)。ここで、”有り”の情報をデジタル複合機100が受け取ったときは、デジタル複合機は、改めてCSSデータの要求をしてくるので、置換CSSデータ提供サイトST1は、ステップS911〜S914の処理を行う。
【0077】
ステップS906で検索要求ではなかった場合、CSSデータのダウンロード要求か否か判断し(S911)、ダウンロード要求だった場合には(S911,Yes)、デジタル複合機100から送られてきた検索キーに対応したCSSデータを検索し(S912)、対応するCSSデータがあった場合には(S913,Yes)、CSSデータを送信し(S914)、対応するCSSデータがなかった場合には(S913,No)、”無し”の情報を送信する(S910)。
一方、ステップS911でCSSデータのダウンロード要求ではなかった場合(S911,No)、ステップS905に進んで、その他の処理へ入る。
【0078】
ステップS903で更新日時の問合せで合った場合(Yes)、例えば、デジタル複合機100が起動時に更新日時を問い合わせて来た場合には、ホスト情報に対応するCSSデータを検索し(S915)、対応するCSSデータがあった場合には(S916,Yes)、そのCSSデータの更新日時を送信し(S917)、対応するCSSデータがなかった場合には(S916,No)、”無し”の情報を送信する(S910)。
【0079】
ステップS904でCSSデータのダウンロード要求であった場合(Yes)、ホスト情報に対応するCSSデータを検索し(S918)、取得したCSSデータをデジタル複合機100に送信する(S919)。
【0080】
以上のようにして、置換CSSデータ提供サイトST1が、デジタル複合機100の要求に対して、更新されたCSSデータを提供することができる。
【0081】
以上のような本実施形態のデジタル複合機100によれば、次のような効果を奏する。
デジタル複合機100は、ホストデバイスから発行された印刷ジョブにCSSデータの指定があった場合には、自己の置換CSSデータ検索用テーブル領域433または置換CSSデータ提供サイトST1からそのCSSデータや、ホストデバイスに対応した置換CSSデータを検索して、置換CSSデータがあった場合には、取得してXHTML−print内のCSSデータを置き換えるので、ホストデバイスが記憶しているCSSデータに制限されることなく、様々なCSSデータを利用して印刷することができる。
【0082】
置換CSSデータの候補が複数あった場合には、ユーザに選択させることで、ユーザの好みを反映することができる。もしくは、印刷ジョブの発行日時をキーとしてその日時に適合する置換CSSデータを検索して取得することで、印刷の時期に合った印刷レイアウトにすることができる。また、画像の撮影日時をキーとしてその日時に適合する置換CSSデータを検索して取得することで、撮影の時期に合った印刷レイアウトとすることができる。
【0083】
デジタル複合機100は、起動時や、印刷時に、置換CSSデータ提供サイトST1から更新されたデータを取得し置換CSSデータ検索用テーブル領域433およびCSSデータ記憶領域432に蓄積するので、必要なときに自己の記憶領域内を参照して置換CSSデータを取得できるので、迅速にデータを得ることができる。また、ネットワークの障害があった場合にも、置換CSSデータを得ることができる。
【0084】
以上に、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されず、適宜変形して実施することができる。
例えば、本実施形態では、印刷装置の一例としてデジタル複合機100を説明したが、印刷装置は、印刷機能のみを有するプリンタであってもよいし、印刷機能を有する限り、他の装置と組み合わされていてもよい。
また、印刷装置が備えた書き換え可能な記憶装置は、NVRAMを例示したが、ハードディスクや、磁気テープであっても構わない。
【0085】
前記実施形態では、ドキュメントに係る日時のデータとして撮影日時を例示したが、電子メールを印刷する場合であれば、送信日または受信日を利用することもできるし、ワープロ文書の作成日を利用することもできる。
【0086】
前記実施形態では、ユーザに置換CSSデータを選択させるユーザインタフェースを、デジタル複合機100の液晶パネルに表示させたが、デジタル複合機100とは別個に設けた液晶ディスプレイやブラウン管に表示させてもよい。
【0087】
また、実施形態においては、デジタル複合機100という機械について説明したが、デジタル複合機やプリンタを制御するコンピュータプログラムとして本発明を構成することも可能である。
【0088】
前記実施形態では、印刷ジョブのデータとしてXHTML−printのデータ形式を例示し、レイアウト定義データとしてCSSデータを例示したが、これらに限定されることなく、印刷ジョブのデータやレイアウト定義データは、他の規定に従ったデータ形式であっても構わない。
【0089】
前記実施形態では、DLNA(登録商標)対応機器を例にしたが、それに限られるものではなく、CSSデータのようにレイアウトを定義するデータを含んだ印刷ジョブを発行するものであればよい。
【0090】
前記実施形態では、デジタル複合機100の起動時にホストデバイスの情報、つまり送信元の情報に基づき、置換CSSデータを置換CSSデータ提供サイトST1から取得し、印刷処理時には、印刷ジョブ内のレイアウト定義データに基づいて置換CSSデータを取得したが、印刷処理時に、送信元の機種を特定する情報に基づき置換CSSデータ提供サイトST1から置換CSSデータを取得するように構成してもよい。例えば、印刷処理の通信過程で得るホストデバイスの機種名もしくはその機種名のハッシュ値などに基づいて置換CSSデータ提供サイトST1から置換CSSデータ提供サイトST1から置換CSSデータを検索することができる。
具体的には、図10のS303の前処理として、印刷ジョブ発行デバイスの特定を行い、その後、特定されたデバイスを図8のホストiとしてS124〜S128に相当する処理を実行し、さらに、S303以降の処理を継続させることで実現できる。ここでの印刷ジョブ発行デバイスの特定は、印刷ジョブに含まれる情報と置換CSSデータ検索用テーブル領域443内の「ホストに関する情報」を比較することで可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の一実施形態としての印刷装置が使用されるDLNA(登録商標)対応のネットワークの全体構成図である。
【図2】本実施形態に係るデジタル複合機の機能ブロック図である。
【図3】制御部のブロック構成図である。
【図4】制御部の詳細ブロック構成図であり、(a)はRAM内の構成、(b)はNVRAM内の構成、(c)はROM内の構成を示す。
【図5】CSSデータ記憶領域および置換CSSデータ検索用テーブル領域の内容を説明する図であり、(a)は、置換CSSデータ検索用テーブル領域の内容を示す図、(b)は、CSSデータ記憶領域の図、(c)は、CSSデータ情報の図である。
【図6】(a)は、CSSデータをURIで参照して指示したXHTML−printデータの例であり、(b)は、CSSデータを直接記述して指示したXHTML−printデータの例である。
【図7】デジタル複合機の起動処理を示すフローチャートである。
【図8】置換CSSデータ検索用テーブル領域とCSSデータ記憶領域を更新する処理を示すフローチャートである。
【図9】ユーザがホストデバイスを登録する場合の処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係るデジタル複合機での印刷処理を示すフローチャートである。
【図11】<style>タグから置換CSSデータを検索する処理を示すフローチャートである。
【図12】CSSデータへのURI情報から置換CSSデータを検索する処理を示すフローチャートである。
【図13】液晶パネルを介してユーザに置換CSSデータを選択させる処理を示すフローチャートである。
【図14】印刷ジョブの情報によるCSSデータを選択する処理の1つ目の例を示すフローチャートである。
【図15】印刷ジョブの情報によるCSSデータを選択する処理の2つ目の例を示すフローチャートである。
【図16】置換CSSデータ提供サイトの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
100 デジタル複合機
421 基本機能ワーク領域
422 XHTML−printデータ処理用ワーク領域
431 基本機能パラメータ記憶領域
432 CSSデータ記憶領域
433 置換CSSデータ検索用テーブル領域
440 ホストデバイス登録プログラム
441 基本機能プログラム
442 XHTML−print・中間データ変換処理プログラム
443 中間データ・印刷画像変換処理プログラム
444 CSSデータ取得プログラム
445 CSSデータ置換処理プログラム
446 CSS検索キー生成プログラム
447 CSS検索プログラム
448 CSS選択UIプログラム
449 CSS選択プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷レイアウトを定義するレイアウト定義データに従って印刷画像データをレイアウトし印刷を実行可能な印刷装置であって、
当該印刷装置に対して発行された印刷ジョブに第1レイアウト定義データが含まれていた場合、第2レイアウト定義データを取得するレイアウト取得手段と、
前記印刷ジョブに含まれる前記第1レイアウト定義データを、前記レイアウト取得手段によって取得された前記第2レイアウト定義データに置き換えるレイアウト置換手段と、
前記レイアウト置換手段によって置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って、印刷画像データをレイアウトし生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段により生成された印刷画像データに基づき、印刷を実行する印刷実行手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記レイアウト取得手段は、
前記印刷ジョブを送信してくる送信元の機種を特定する情報に基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データをネットワーク上のレイアウト提供サーバから検索して取得することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記レイアウト取得手段は、
前記印刷ジョブ内に含まれている前記第1レイアウト定義データから生成した検索キーまたは前記第1レイアウト定義データを指定する参照先から生成した検索キーに基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データをネットワーク上のレイアウト提供サーバから検索して取得することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記レイアウト取得手段により取得された前記第2レイアウト定義データを当該印刷装置が備える記憶装置内に蓄積するレイアウト蓄積手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記レイアウト取得手段は、
前記印刷ジョブを送信してくる送信元の機種を特定する情報に基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データを当該印刷装置が備える記憶装置内から検索して取得することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記レイアウト取得手段は、
前記印刷ジョブ内に含まれている前記第1レイアウト定義データから生成した検索キーまたは前記第1レイアウト定義データを指定する参照先から生成した検索キーに基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データを当該印刷装置が備える記憶装置内から検索して取得することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記レイアウト定義データは、期間を規定するデータが対応付けられており、
前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブに含まれる日時のデータによって示される日時が前記期間に含まれる場合、該期間を規定するデータに対応付けられた前記レイアウト定義データを前記第2レイアウト定義データとして取得することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記レイアウト取得手段が複数の前記第2レイアウト定義データを取得した場合に、当該複数の第2レイアウト定義データの中から、前記第1レイアウト定義データと置き換える第2レイアウト定義データを選択する選択手段をさらに備え、
前記レイアウト置換手段は、
前記選択手段で選択された前記第2レイアウト定義データを、前記第1レイアウト定義データと置き換えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
表示装置をさらに備え、
前記選択手段は、
前記表示装置上に前記複数の前記第2レイアウト定義データの中から、前記第1レイアウト定義データと置き換える第2レイアウト定義データをユーザに選択させるユーザインタフェースを表示させることを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記日時のデータは、印刷対象であるドキュメントに係る日時であることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記日時のデータは、印刷ジョブが送信された日時であることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項12】
印刷レイアウトを定義するレイアウト定義データに従って印刷画像データをレイアウトし印刷装置に印刷を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記印刷装置に対して発行された印刷ジョブに第1レイアウト定義データが含まれていた場合、第2レイアウト定義データを取得するレイアウト取得手段と、
前記印刷ジョブに含まれる前記第1レイアウト定義データを、前記レイアウト取得手段によって取得された前記第2レイアウト定義データに置き換えるレイアウト置換手段と、
前記レイアウト置換手段によって置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って、印刷画像データをレイアウトし生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段により生成された印刷画像データに基づき、印刷を実行する印刷実行手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
印刷レイアウトを定義するレイアウト定義データに従って印刷画像データをレイアウトし印刷を実行可能な印刷装置であって、
当該印刷装置に対して発行された印刷ジョブに第1レイアウト定義データが含まれていた場合、第2レイアウト定義データを取得するレイアウト取得手段と、
前記印刷ジョブに含まれる前記第1レイアウト定義データを、前記レイアウト取得手段によって取得された前記第2レイアウト定義データに置き換えるレイアウト置換手段と、
前記レイアウト置換手段によって置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って、印刷画像データをレイアウトし生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段により生成された印刷画像データに基づき、印刷を実行する印刷実行手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記レイアウト取得手段は、
前記印刷ジョブを送信してくる送信元の機種を特定する情報に基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データをネットワーク上のレイアウト提供サーバから検索して取得することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記レイアウト取得手段は、
前記印刷ジョブ内に含まれている前記第1レイアウト定義データから生成した検索キーまたは前記第1レイアウト定義データを指定する参照先から生成した検索キーに基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データをネットワーク上のレイアウト提供サーバから検索して取得することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記レイアウト取得手段により取得された前記第2レイアウト定義データを当該印刷装置が備える記憶装置内に蓄積するレイアウト蓄積手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記レイアウト取得手段は、
前記印刷ジョブを送信してくる送信元の機種を特定する情報に基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データを当該印刷装置が備える記憶装置内から検索して取得することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記レイアウト取得手段は、
前記印刷ジョブ内に含まれている前記第1レイアウト定義データから生成した検索キーまたは前記第1レイアウト定義データを指定する参照先から生成した検索キーに基づき、前記第1レイアウト定義データと置換可能な前記第2レイアウト定義データを当該印刷装置が備える記憶装置内から検索して取得することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記レイアウト定義データは、期間を規定するデータが対応付けられており、
前記レイアウト取得手段は、前記印刷ジョブに含まれる日時のデータによって示される日時が前記期間に含まれる場合、該期間を規定するデータに対応付けられた前記レイアウト定義データを前記第2レイアウト定義データとして取得することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記レイアウト取得手段が複数の前記第2レイアウト定義データを取得した場合に、当該複数の第2レイアウト定義データの中から、前記第1レイアウト定義データと置き換える第2レイアウト定義データを選択する選択手段をさらに備え、
前記レイアウト置換手段は、
前記選択手段で選択された前記第2レイアウト定義データを、前記第1レイアウト定義データと置き換えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
表示装置をさらに備え、
前記選択手段は、
前記表示装置上に前記複数の前記第2レイアウト定義データの中から、前記第1レイアウト定義データと置き換える第2レイアウト定義データをユーザに選択させるユーザインタフェースを表示させることを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記日時のデータは、印刷対象であるドキュメントに係る日時であることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記日時のデータは、印刷ジョブが送信された日時であることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項12】
印刷レイアウトを定義するレイアウト定義データに従って印刷画像データをレイアウトし印刷装置に印刷を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記印刷装置に対して発行された印刷ジョブに第1レイアウト定義データが含まれていた場合、第2レイアウト定義データを取得するレイアウト取得手段と、
前記印刷ジョブに含まれる前記第1レイアウト定義データを、前記レイアウト取得手段によって取得された前記第2レイアウト定義データに置き換えるレイアウト置換手段と、
前記レイアウト置換手段によって置き換えられた前記第2レイアウト定義データに従って、印刷画像データをレイアウトし生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段により生成された印刷画像データに基づき、印刷を実行する印刷実行手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−87294(P2008−87294A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269709(P2006−269709)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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