説明

印刷装置

【課題】 両面印刷処理時において、用紙の片面に対する印刷処理を終えた時点で用紙の引き抜きが発生しても印刷処理を中断することなく続行することが可能な印刷装置を提供する。
【解決手段】 媒体の両面に複数ページから成る画像データを印刷する印刷装置であって、給紙部から給紙した媒体に画像データを印刷する画像印刷部と、画像データが印刷された媒体を排出機構より排出させる排出部と、画像データが印刷された媒体の一部を排出機構から排出させた後、媒体を装置内に引き戻し、画像印刷部に搬送し反転する反転部と、画像データが印刷された媒体が排出機構から、両面印刷する媒体の第一面のみ印刷された段階で引き抜かれたことを検出する引き抜き検出部と、引き抜き検出部により、媒体の引き抜きが検出された場合は、画像印刷部が引き抜かれた媒体の第ニ面に印刷すべき画像データから印刷すべく制御する印刷制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排出ローラの回転方向を切り替えるスイッチバック方式を用いて用紙の両面へのトナー画像の形成を可能とする両面印刷機構を有する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の印刷装置は、両面印刷処理時において、用紙の片面(第1面)への画像形成処理及び画像定着処理を終えると、先ず、排出ローラを正方向に回転させて該用紙を排出口方向に搬送し、該用紙の一部(先端)を排出口から排出させた状態で該ローラの回転を停止させる。次に、この印刷装置は、上記停止状態の排出ローラを逆方向に回転させる、いわゆるスイッチバックを行って用紙を再び装置内に引き込み、該用紙を第2面が上側になるよう反転させるべく、反転経路に搬送する。その後、この印刷装置は、反転経路を経て反転した用紙の第2面に対して同様に画像形成処理及び画像定着処理を行い、該用紙を排出口から排出させる。
【0003】
ところで、上記印刷装置では、排出口から用紙の一部が排出された状態において、ユーザが印刷処理が完了したものと誤認して該用紙を引き抜くことがある。上記印刷装置では、このような引き抜きが生じると、例えば反転経路の入口付近に設置されたセンサにより反転経路への用紙の未着を検知するので、ジャム(用紙詰まり)が発生したと判定して印刷処理を中断する。この時、上記印刷装置は、装置が有するディスプレイに、装置からジャムを取り除く旨を通知するための通知情報を表示させる。
【0004】
ユーザは、上記通知情報を参照して印刷装置のカバーを開き、用紙の不存在を確認した後、該カバーを閉じる。この印刷装置は、装置内に設置された各種センサにより、上記カバーの開閉を検知し、かつ装置内にジャムが無いことを検知すると、再び両面印刷処理を開始する。
【0005】
このように、上記印刷装置では、用紙引き抜きが生じると、ジャムと判定して印刷処理を中断するので、再び両面印刷処理を開始させるためにはジャム発生時と同様のカバーの開閉を含む作業を行わなければならず、ユーザにとっては使い勝手が悪かった。
【0006】
このような用紙の引き抜きに対処すべく、特許文献1に開示されているように、排出ローラをステッピングモータで駆動し、排出ローラの停止時にステッピングモータに流れる電流を保持することで該ローラに回転負荷を与え、これにより、両面印刷処理におけるスイッチバック時の用紙の引き抜きを防止する画像形成装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−249342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記用紙の引き抜きを防止する構成を有する画像形成装置であっても、両面印刷処理時に排出口から用紙の一部が排出されるため、やはりユーザにより該用紙が引き抜かれてしまうとジャムとして装置を止めてしまうために、ユーザが印刷を再度し直さなければならなかった。
【0009】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、両面印刷処理時において、用紙の片面に対する印刷処理を終えた時点で用紙の引き抜きが発生しても印刷処理を中断することなく続行することが可能な印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
<構成>
本発明の印刷装置は、媒体の両面に複数ページから成る画像データを印刷する印刷装置であって、給紙部から給紙した媒体に画像データを印刷する画像印刷部と、画像データが印刷された媒体を排出機構より排出させる排出部と、画像データが印刷された媒体の一部を排出機構から排出させた後、媒体を装置内に引き戻し、画像印刷部に搬送し反転する反転部と、画像データが印刷された媒体が排出機構から、両面印刷する媒体の第一面のみ印刷された段階で引き抜かれたことを検出する引き抜き検出部と、引き抜き検出部により、媒体の引き抜きが検出された場合は、画像印刷部が引き抜かれた媒体の第ニ面に印刷すべき画像データから印刷すべく制御する印刷制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像印刷部において一方の面の印刷処理を終えた媒体が、排出機構から引き抜かれると、引き抜き検出部が該媒体の引き抜きを検出し、画像印刷部が引き抜かれた媒体の第ニ面に印刷すべき画像データから印刷処理するよう制御するので、媒体の引き抜き発生後も印刷処理を続行することができる。これにより、媒体の引き抜きをジャムとして判定していた場合に生じていた印刷処理の中断及びジャム発生時と同様の作業を行う必要がなくなるので、ユーザに対する利便性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る実施例1の印刷装置の制御構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る実施例1及び2の印刷装置の概略構成図である。
【図3】本発明に係る実施例1及び2の印刷装置からの用紙引き抜きを説明するための図である。
【図4】本発明に係る実施例1及び2の操作パネル35の例示図である。
【図5】本発明に係る実施例1の選択通知情報の表示の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る実施例1の印刷制御データの構成及び印刷出力結果の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る実施例1の印刷装置における用紙引き抜き後の印刷順序の設定に係る動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る実施例1の印刷装置の両面印刷動作を示すフローチャート(その1)である。
【図9】本発明に係る実施例1の印刷装置の両面印刷動作を示すフローチャート(その2)である。
【図10】本発明に係る実施例2の印刷装置の制御構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る実施例2の印刷制御データ2の構成及び印刷出力結果の一例を示す図である。
【図12】本発明に係る実施例2の用紙挿入指示情報の表示の一例を示す図である。
【図13】本発明に係る実施例2の印刷装置の両面印刷動作を示すフローチャート(その1)である。
【図14】本発明に係る実施例2の印刷装置の両面印刷動作を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。ここでは、印刷装置がプリンタであり、上位装置がPC(Personal Computer)等のユーザ端末であることを例に、説明を行う。
【実施例1】
【0014】
<実施例1の構成>
図2は、本発明に係る実施例1及び2の印刷装置の概略構成図である。
先ず、本実施例の印刷装置と、両面印刷とについて説明する。
印刷装置100の下部には、図2に示すように、用紙1が積載保持されている給紙部20に含まれる給紙カセット201が着脱可能に装着されている。本実施例では、印刷装置100は、1つの給紙カセット201を有する構成となっているが、本発明はこれに限らず、複数の給紙カセットを有する構成にも適用可能である。また、本実施例では、給紙カセット201から用紙1を給紙する構成として説明するが、本発明はこれに限らず、印刷装置100の側部に配設された手差しトレイ36に用紙1を挿入し、該用紙1を手差し給紙ローラ対37を用いて給紙させることも可能である。
【0015】
給紙カセット201の繰り出し側には、該カセット内に積載されている用紙1を、上から1枚ずつ順に繰り出すための給紙部20に含まれる給紙ローラ対202が配設されている。
給紙ローラ対202は、給紙カセット201に積載されている最上部の用紙1に圧接するように配置されており、印刷制御部110(図1参照)の制御に基づき駆動される図示しない駆動部により回転駆動されると、該回転に基づいて用紙1を該カセット内から繰り出す。給紙ローラ対202により繰り出された用紙1は、搬送経路Aに給紙される。
【0016】
給紙ローラ対202の前方には給紙センサ21が配され、この給紙センサ21は、給紙ローラ対202により給紙カセット201から用紙1が給紙されたことを検知するために用いるセンサであり、用紙1の先端を検知すると、制御部101(図1参照)を介して印刷制御部110へ給紙検知信号の出力を開始する(給紙センサON)。この給紙センサ21は、用紙1の後端が該センサを通過し終えると、給紙検知信号の出力を停止する(給紙センサOFF)。
【0017】
レジストローラ対23の前方には入口センサ22が配され、この入口センサ22は、印刷制御部110が上記駆動部を制御して停止しているレジストローラ対23を回転駆動させるタイミングを検知するために用いるセンサであり、用紙1の先端を検知すると、制御部101を介して印刷制御部110へ入口検知信号の出力を開始する(入口センサON)。この入口センサ22は、用紙1の後端が該センサを通過し終えると、入口検知信号の出力を停止する(入口センサOFF)
【0018】
印刷制御部110は、上記給紙検知信号を受信後、上記入口検知信号を受けると、上記駆動部を制御して、レジストローラ対23を回転させる。従って、用紙1は、回転を開始したレジストローラ対23により、搬送経路Bに沿って後方に配された書き出しセンサ24へ向けて搬送される。
【0019】
書き出しセンサ24は、図2に示す画像形成部25が有する各画像形成ユニット25K〜25Yの各感光ドラム上に形成された各色の現像剤像を用紙1上に形成するために、各感光ドラム上の現像剤像の開始位置と、用紙1の各色の現像剤像の書き出し開始位置とを合わせるために用いるセンサであり、レジストローラ対23から搬送された印刷媒体1の先端を検知すると、制御部101を介して印刷制御部110へ書き出し検知信号の出力を開始する(書き出しセンサON)。この書き出しセンサ24は、用紙1の後端が該センサを通過し終えると、書き出し検知信号の出力を停止する(書き出しセンサOFF)。
【0020】
画像形成ユニット25Kは、黒色であるブラック(K)色の現像剤像を形成するための機構であり、図2に示すように、ブラック色の現像剤であるトナーを収容するトナー貯蔵部251Kから供給されたブラック色のトナーを用いて感光ドラム252K上に現像剤像を形成する。
【0021】
画像形成ユニット25Cは、シアン(C)色の現像剤像を形成するための機構であり、トナー貯蔵部がシアン色のトナーを収容することと、感光ドラム上にシアン色の現像剤像を形成することとを除き、画像形成ユニット25Kの構成と同じである。
【0022】
画像形成ユニット25Mは、マゼンダ(M)色の現像剤像を形成するための機構であり、トナー貯蔵部がマゼンダ色のトナーを収容することと、感光ドラム上にマゼンダ色の現像剤像を形成することとを除き、画像形成ユニット25Kの構成と同じである。
【0023】
画像形成ユニット25Yは、イエロー(Y)色の現像剤像を形成するための機構であり、トナー貯蔵部がイエロー色のトナーを収容することと、感光ドラム上にイエロー色の現像剤像を形成することとを除き、画像形成ユニット25Kの構成と同じである。
【0024】
印刷制御部110は、上記書き出し検知信号を受けると、画像形成ユニット25Kの図示しない露光器に露光を指示する。
【0025】
上記露光器は、例えば配列したLED(Light Emitting Diode)から成り、上記露光の指示に基づいて発光し、帯電する感光ドラム252Kの表面に画像メモリ103(図1参照)に記憶された画像データに基づく静電潜像を形成する。
【0026】
感光ドラム252Kの表面に静電潜像が形成されると、トナー貯蔵部251Kから供給されたブラック色のトナーは、印刷制御部110の制御により、図示しない供給ローラを介して現像ローラの表面に付着し、その後、図示しない層形成ブレードにより均一の厚さに形成され、該感光ドラム252K上の該静電潜像に現像される。これにより、感光ドラム252Kの表面には、静電潜像に応じたブラック色の現像剤像が形成される。
【0027】
同様に、画像形成ユニット25C、25M、25Yにおける画像形成処理により、各画像形成ユニットが有する感光ドラムの表面には、静電潜像に応じたシアン色、マゼンダ色、イエロー色の各現像剤像が形成される。
【0028】
各画像形成ユニット25K〜25Yの各感光ドラムと対向する位置には、画像転写部26が配されている。この画像転写部26は、各画像形成ユニット25K〜25Yの各感光ドラム上に形成された各色の現像剤像を用紙1上に転写するための機構であり、図2に示すように、転写ベルト261と、ベルト駆動ローラ262と、従動ローラ263と、該転写ベルト261を介して各感光ドラムと対向して配設される各転写ローラ264K、264C、264M、264Yとから構成されている。この転写ベルト261は、ベルト駆動ローラ262及び従動ローラ263に巻き掛けられ、該ベルト駆動ローラ172の駆動により走行して用紙1を搬送する。また、転写ベルト261は、搬送経路Bの一部である。
【0029】
画像形成部25、画像転写部26は、印刷制御部110の制御により、同期して駆動される。上記転写ベルト261上に静電吸着され、該ベルトの回転走行に伴い搬送される用紙1は、先ず、感光ドラム252K及び転写ローラ264K間に搬送される。その際、転写ローラ264Kには印刷制御部110の制御により転写電圧が印加され、感光ドラム252Kの表面に形成されたブラック色の現像剤像が、用紙1の第1面に転写される。ブラック色の現像剤像が転写された用紙1は、その後、順次各画像形成ユニット25C〜25Yの各感光ドラム及び各転写ローラ264C〜264Y間に搬送され、シアン色、マゼンダ色、イエロー色の現像剤像が順次用紙1の第1面に転写される。全色の現像剤像が転写された用紙1は、転写ベルト261の走行に伴い、更に画像定着部27へと搬送される。
【0030】
尚、各画像形成ユニット25K〜25Yの各感光ドラムの表面に残留する転写残トナーは、例えば図示しないクリーニングブレードによって掻き取り除去され、廃トナー収容室に回収される。
【0031】
画像定着部27は、用紙1上に転写された現像剤像を該用紙1に定着するための機構であり、加熱ローラ271と、該加熱ローラ271と圧接して配設される加圧ローラ272とから構成される。この加熱ローラ271は、ローラ内に該加熱ローラ271を加熱するための図示しないヒータを有する。
【0032】
各色の現像剤像が転写された用紙1は、加熱ローラ271と、加圧ローラ272とに挟まれて加熱、加圧されながら搬送され、転写された各色の現像剤像が定着される。その後、用紙1は、搬送経路Bに沿って後方に配された反転経路切替レバー281へ向けて搬送される。
上記画像形成部25と、画像転写部26と、画像定着部27とは、用紙1に対する印刷処理を行う画像印刷部である。
【0033】
反転経路切替レバー281は、反転部28に含まれ、両面印刷処理時において、後述する第1面に対する印刷処理を終え、排出ローラ対301、302の逆回転によりスイッチバックして再び引き込まれた用紙1を、反転経路Dに搬送するための機構である。この反転経路切替レバー281は、印刷制御部110の制御により上方向に回転すると、所定時間が経過した後、下方向に回転して定位置に戻る。
【0034】
反転経路切替レバー281が定位置にある場合は、搬送経路Bから搬送された用紙1は、排出部30が位置する装置の上方向(搬送経路C)に送り出される。
【0035】
排出部30は、図2に示すように、排出ローラ対301、302と、排出口303とを有し、印刷処理済みの用紙1を装置外の排出スタッカ32に排出するための機構である。
この排出部30は、用紙1を外部(排出スタッカ32)に排出するための排出機構である。
【0036】
搬送経路Cの入口には排出センサ29が配され、この排出センサ29は、印刷制御部110が上記駆動部を制御して排出ローラ対301、302を正方向に回転、回転を停止、逆方向に回転させるタイミングを検知するために用いるセンサであり、用紙1の先端を検知すると、制御部101を介して印刷制御部110へ排出検知信号の出力を開始する(排出センサON)。この排出センサ29は、用紙1の後端が該センサを通過し終えると、排出検知信号の出力を停止する(排出センサOFF)。
【0037】
印刷制御部110は、上記排出検知信号を受けると、上記駆動部を制御し、排出ローラ対301、302を正方向に回転させる。従って、用紙1は、回転を開始した排出ローラ対301、302により、搬送経路Cに沿って媒体搬送方向における下流側に配された引き抜きセンサ31へ向けて搬送される。
【0038】
そして、印刷制御部110は、両面印刷処理時において、用紙1の第1面に対する印刷処理終了後に上記排出検知信号を受けると、設定情報記憶部106(図1参照)に予め設定された媒体送り出し時間を制御部101を介して取得する。その後、印刷制御部110は、取得した上記時間を該印刷制御部110が有するカウンタ部1101のカウンタ値にセットし、該カウンタ値のカウントダウンを開始する。
【0039】
引き抜きセンサ31は、排出口303の近傍に配され、該排出口303から排出される、又は引き戻される用紙1を検知するために用いるセンサであり、用紙1の先端を検知すると、制御部101を介して印刷制御部110へ排出口近傍検知信号の出力を開始する(引き抜きセンサON)。この引き抜きセンサ31は、用紙1の後端が該センサを通過し終えると、排出口近傍検知信号の出力を停止する(引き抜きセンサOFF)。
【0040】
印刷制御部110は、上記排出口近傍検知信号を受信し、かつ上記カウンタ値が0になると、上記駆動部を制御して排出ローラ対301、302の回転を停止する。この時、用紙1は、該用紙1の一部(先端)が排出口303から排出され、かつ排出ローラ対301、302に狭持された状態で停止する。この時、引き抜きセンサ31は、停止している用紙1を検知しているため、排出口近傍検知信号を出力し続ける(引き抜きセンサON)。また、上記状態時において、用紙1の後端が排出センサ29を通過し終えているので、排出センサ29は、排出検知信号の出力を停止している(排出センサOFF)。
【0041】
図3は、本発明に係る実施例1及び2の印刷装置からの用紙引き抜きを説明するための図である。
用紙1の一部(先端)が排出口303から排出され、かつ排出ローラ対301、302に狭持された状態において、図3に示すように、ユーザが両面印刷処理を完了したと誤認して、排出口303から停止している用紙1を引き出す場合がある。排出口303から用紙1が引き抜かれると、引き抜きセンサ31は、排出口近傍検知信号の出力を停止する(引き抜きセンサOFF)。この用紙引き出しが生じた場合の動作に係る構成については、後述する制御構成の説明時に詳細説明する。
【0042】
そして、印刷制御部110は、排出ローラ対301、302の回転を停止させ、予め設定された、例えば1秒にも満たない短時間、つまり用紙1の後端が排出ローラ対302を通過するまでの時間が経過すると、上記駆動部を制御して、該排出ローラ対301、302を逆方向に回転させる。これにより、排出ローラ対301、302に狭持されて停止していた用紙1は、再び排出センサ29方向に搬送される。
【0043】
排出センサ29は、用紙1の先端(スイッチバック前までは後端)を検知すると、制御部101を介して印刷制御部110へ排出検知信号の出力を開始する(排出センサON)。
【0044】
印刷制御部110は、上記排出検知信号を受けると、排出ローラ対301、302を逆方向に回転させているので、上記駆動部を制御して反転経路切替レバー281を定位置から上方向へ回転させる。
【0045】
反転部28は、両面印刷処理時に用いられ、第1面である表面側の印刷処理を終えた用紙1を第2面である裏面側が上側になるよう反転させるための機構である。この反転部28は、上記反転経路切替レバー281と、反転搬送ローラ対282、283、284、285とを有し、これらレバー及び各ローラ対と、排出部30が有する排出ローラ対301、302とを用いて用紙1を反転させて、レジストローラ対23まで用紙1を搬送する。
この反転部28と、排出ローラ対301、302と、反転経路Dと、反転経路Eと、反転経路Fとは、用紙1の一部を排出部30により一旦排出口303から外部に排出させてから装置内部に引き戻して反転させる反転部である。
【0046】
反転経路切替レバー281が定位置から上方向に回転している場合には、搬送経路Cに沿って装置内に引き戻される用紙1は、反転経路D方向へ搬送される。
【0047】
反転入口センサ33は、反転経路Dの前方に配され、反転経路である反転経路Dから反転経路Eに向けて搬送される用紙1を検知するためのセンサであり、用紙1の先端を検知すると、制御部101を介して印刷制御部110へ反転入口検知信号を出力する(反転入口センサON)。この反転入口センサ33は、用紙1の先端が該センサを通過後に、反転入口検知信号の出力を終了する(反転入口センサOFF)。
【0048】
印刷制御部110は、上記反転入口検知信号を受けると、上記駆動部を制御して各反転搬送ローラ対282、283、284、285を回転させる。従って、用紙1は、先ず、回転を開始した各反転搬送ローラ対282、283、284により、反転経路Eに沿って後方に配された反転給紙センサ34の方向へ向けて搬送される。
【0049】
反転給紙センサ34は、反転経路Eに沿って用紙1が給紙(搬送)されていることを検知するために用いるセンサであり、用紙1の先端を検知すると、制御部101を介して印刷制御部110へ反転給紙検知信号の出力を開始する(反転給紙センサON)。この反転給紙センサ34は、用紙1の後端が該センサを通過し終えると、反転給紙検知信号の出力を終了する(反転給紙センサOFF)。
【0050】
反転給紙センサ34を通過した用紙1は、反転搬送ローラ対285の回転により、反転経路F方向へ向けて搬送される。その後、反転経路Fに沿って搬送される用紙1は、レジストローラ対23を経て、再び搬送経路B方向に搬送される。
【0051】
搬送経路B方向に搬送され、再び入口センサ22に先端を検知された用紙1は、第2面が上側に、つまり、既に印刷済の第1面が下側になっている。その後、第2面が上側の用紙1が画像形成部25及び画像定着部27を通過することで、該用紙1の第2面は、上記第1面と同様に印刷処理される。第2面側の印刷処理が終了した用紙1は、定位置にある反転経路切替レバー281を通過し、搬送経路Cに沿って排出部30方向に搬送される。
【0052】
搬送経路C方向に搬送された両面印刷済みの用紙1の先端を排出センサ29が検知すると(排出センサON)、印刷制御部110は、上記駆動部を制御して排出ローラ対301、302を正方向に回転させる。従って、両面印刷済みの用紙1は、回転を開始した排出ローラ対301、302により、搬送経路Cに沿って後方に配された引き抜きセンサ31へ向けて搬送される。
【0053】
搬送経路Cに沿って搬送される両面印刷済みの用紙1の先端を引き抜きセンサ31が検知すると(引き抜きセンサON)、印刷制御部110は、該用紙1への両面印刷処理を終えているので、カウンタ部1101のカウンタ値に上記引き戻し時間をセットすることなく、上記駆動部を制御して排出ローラ対301、302の正方向への回転を継続させる。従って、両面印刷済みの用紙1は、排出口303へ向けて搬送される。
【0054】
排出口303へ向けて搬送された両面印刷済みの用紙1は、排出ローラ対301、302の正方向への回転に基づき、排出口303から排出される。そして、排出口303から排出される用紙1の後端が引き抜きセンサ31を通過し終えると(引き抜きセンサOFF)、印刷制御部110は、上記駆動部を制御して排出ローラ対301、302の回転を停止させる。引き抜きセンサ31を通過し終えた両面印刷済みの用紙1は、排出口303から装置外に排出されて排出スタッカ32上に積載される。
【0055】
以下に、本発明に係る実施例1の印刷装置100の特徴となる制御構成について説明する。
図1は、本発明に係る実施例1の印刷装置100の制御構成を示すブロック図である。
印刷装置100は、該装置が有する上記各部を制御するための構成として、図1に示すように、装置全体を制御する制御部101と、上位装置200と通信を行うためのI/F(Inter Face)部102と、画像メモリ103と、入力表示部104と、選択通知情報記憶部105と、設定情報記憶部106と、印刷制御データ生成部107と、印刷制御データ記憶部108と、印刷制御データ管理部109と、印刷制御部110と、反転完了判定部111と、引き抜き判定部112とを備える。
【0056】
図4は、本発明に係る実施例1及び2の操作パネル35の例示図である。
入力表示部104は、ユーザが印刷装置100を操作するための操作パネル35を有する。この操作パネルは、図3に示すように、ユーザが各種指示を入力するためのメニューキー351と、決定キー352と、戻りキー353と、キャンセルキー354と、ユーザへの各種通知情報を表示させるためのディスプレイ355とから成る。また、操作パネル35は、図2に示すように、印刷装置100の上部に位置する。
操作パネル35は、操作部であり、ディスプレイ355は、表示部である。
【0057】
選択通知情報記憶部105は、用紙引き抜きが発生した後の印刷順について、「引き抜かれた用紙の第2面に印刷を予定していた画像を、次の用紙1に片面印刷し、それ以降の画像を順次両面印刷する」、又は「引き抜かれた用紙の第2面に印刷を予定していた画像から順次両面印刷を行う」のいずれか一つをユーザに選択させるための選択通知情報を予め記憶する部分である。この選択通知情報については、後述する図5の説明時において詳細説明する。
【0058】
ユーザは、用紙引き抜きが発生した後の印刷順を設定するために、印刷装置100の入力表示部104が有する操作パネル35内のメニューキー351を操作して、用紙引き抜き後の印刷順序の設定を指示する。
【0059】
図5は、本発明に係る実施例1の選択通知情報の表示の一例を示す図である。
制御部101は、用紙引き抜き後の印刷順序の設定の指示を受けると、選択通知情報記憶部105に記憶されている上記選択通知情報を入力表示部104が有する操作パネル35内のディスプレイ355に、図5に示すようなフォーム50として表示させる。
【0060】
フォーム50には、図5に示すように、用紙引き抜き後の印刷順序を設定するために、2つの選択肢である「1、引き抜かれた用紙の第2面に印刷を予定していた画像を次の用紙に片面印刷し、それ以降の画像を順次両面印刷する」、「2、引き抜かれた用紙の第2面に印刷を予定していた画像から順次両面印刷を行う」のいずれか一方を選択する旨を通知するためのメッセージ51が含まれる。
【0061】
ユーザが上記ディスプレイに表示されたフォーム50を参照し、上記メニューキー351を用いて「1、引き抜かれた用紙の第2面に印刷を予定していた画像を、次の用紙に片面印刷し、それ以降の画像を順次両面印刷する」を選択し、上記決定キー352を押下すると、制御部101は、「1枚のみ片面、以降順次両面」を示す引き抜き後印刷順序情報を生成し、該情報を制御部101に送信する。
【0062】
一方、ユーザが「2、引き抜かれた用紙の第2面に印刷を予定していた画像から順次両面印刷を行う」を選択、上記決定キーを押下すると、制御部101は、「順次両面」を示す引き抜き後印刷順序情報を生成し、該情報を制御部101に送信する。
【0063】
設定情報記憶部106は、印刷制御部110が印刷制御に用いる各種設定情報を記憶するための部分である。上記「引き抜き後印刷順序情報」と、前述した「媒体送り出し時間」と、後述する「反転にかかる最大時間」とを記憶する。
【0064】
制御部101は、上記引き抜き後印刷順序情報を受けると、「1枚のみ片面、以降順次両面」又は「順次両面」を示す該情報を設定情報記憶部106に記憶する。この設定情報記憶部106は、不揮発性メモリであり、印刷装置100の図示しない電源がOFFにされても、該記憶部内に記憶されるデータは保持されたままである。また、設定情報記憶部106に記憶された引き抜き後印刷順序情報は、上記ユーザの操作パネル35を介した操作により、随時設定変更が可能である。更に、設定情報記憶部106には、予め上記「1枚のみ片面、以降順次両面」又は「順次両面」を示す引き抜き後印刷順序情報が初期設定情報として記憶されている。
【0065】
制御部101は、I/F部102を介して上位装置200から印刷データを受信すると、印刷装置100の図示しないラスタライズ変換部を用いて画像データに変換する。本実施例では、上記印刷データには、片面印刷又は両面印刷を示す印刷指示情報が付与されている。ここで、画像データには、印刷データに付与されていた上記印刷指示情報がそのまま付与される。
【0066】
制御部101は、画像メモリ103に画像データを記憶すると、印刷制御データ生成部107に印刷制御データの生成を指示する。
【0067】
図6は、本発明に係る実施例1の印刷制御データの構成及び印刷出力結果の一例を示す図である。本実施例では、両面印刷の場合の印刷制御データの構成の一例を示す。
印刷制御データ生成部107は、印刷制御部110が印刷処理に用いる印刷制御データを生成する部分である。即ち、印刷制御データ生成部107は、印刷制御データの生成の指示を受けると、画像メモリ103に記憶された画像データ(片面印刷又は両面印刷かを示す印刷指示情報が付与)と、設定情報記憶部106に記憶された引き抜き後印刷順序情報「1枚のみ片面、以降順次両面」又は「順次両面印刷」に基づいて、図6(a)に示すような、画像データの各奇数ページを各用紙1の第1面に印刷し、各偶数ページを各用紙1の第2面に印刷するよう設定された「初期印刷順序」の印刷制御データを生成する。用紙引き抜きが発生せず、この「初期印刷順序」の印刷制御データに基づいて印刷処理が行われると、図6(a)´に示すように、用紙1の第1面には画像データの各奇数ページが印刷され、第2面には画像データの各偶数ページが印刷される印刷出力結果を得る。
【0068】
印刷制御データ生成部107が印刷制御データを生成すると、制御部101は、印刷制御データ管理部109に印刷制御データの新規登録を指示すると共に、該印刷制御データを転送する。
【0069】
印刷制御データ記憶部108は、図6(a)に示すように、画像データの印刷順序を示す印刷順序リストを記憶するための印刷順序リスト記憶領域1081と、上記印刷指示情報を記憶するための印刷指示情報記憶領域1082と、上記引き抜き後印刷順序情報を記憶するための引き抜き後の印刷順序記憶領域1083とから構成される。
【0070】
印刷制御データ管理部109は、印刷制御データ記憶部108で記憶する印刷制御データを管理する管理部である。即ち、印刷制御データ管理部109は、印刷制御データの新規登録の指示と共に、印刷制御データを受けると、印刷制御データ記憶部108に新規の印刷制御データを記憶する。この時、印刷制御データ管理部109は、図6(a)に示すように、印刷順序リスト記憶領域1081に、画像データの各奇数ページを各用紙1の第1面に印刷し、各偶数ページを各用紙1の第2面に印刷するよう設定された「初期印刷順序」を示す印刷順序リストを記憶する。そして、印刷制御データ管理部109は、図6(a)に示すように、印刷指示情報記憶領域1082に、片面印刷又は両面印刷を示す印刷指示情報を記憶する。また、印刷制御データ管理部109は、図6(a)に示すように、引き抜き後の印刷順序記憶領域1083に、上記「1枚のみ片面、以降順次両面」又は「順次両面印刷」を示す引き抜き後印刷順序情報を記憶する。
【0071】
印刷制御データ管理部109により印刷制御データ記憶部108に印刷制御データが新規登録されると、制御部101は、印刷制御部110に印刷処理を指示する。
【0072】
印刷制御部110は、印刷制御データ記憶部108に記憶された印刷制御データと、画像メモリ103に記憶された画像データに基づく印刷処理を制御する部分であり、プリンタエンジンを構成する上記各部位を制御する。プリンタエンジンは、図1に示すように、給紙部20と、画像形成部25と、画像転写部26と、画像定着部27と、反転部28と、排出部30とから構成される。即ち、印刷制御部110は、印刷処理の指示を受けると、上記駆動部を制御して給紙ローラ対202を回転させ、給紙カセット201の最上部に載置された用紙1を給紙させると共に、印刷順序リスト記憶領域1081に記憶された印刷順序リストに基づき、該リストの各ページに該当する画像データを画像メモリ103から順次読み出し、両面印刷処理を行う。本実施例では、印刷装置100は、両面印刷処理を実行する場合について説明する。
印刷制御部110は、上記プリンタエンジンを構成する上記各部位を制御して、用紙1に対する両面印刷処理を行う印刷制御部である。
【0073】
印刷制御部110は、第1面のみに対する印刷処理が終了した用紙1を反転させるべく、該用紙1を装置内に引き戻す動作を行うため、上記駆動部を制御して排出ローラ対301、302を逆方向に回転させると共に、設定情報記憶部106に予め設定された「反転にかかる最大時間」を制御部101を介して取得する。その後、印刷制御部110は、取得した上記時間を該印刷制御部110が有するカウンタ部1101のカウンタ値にセットし、該カウンタ値のカウントダウンを開始すると共に、反転完了判定部111に反転完了したか否かの判定を指示する。印刷制御部110は、上記カウンタ値が0になると、「反転にかかる最大時間」が経過したことを示す経過信号を制御部101を介して反転完了判定部111へ出力する。この「反転にかかる最大時間」は、本実施例では、印刷装置100を製造するメーカにより実験データに基づき算出され、設定情報記憶部106に記憶された時間である。
【0074】
反転完了判定部111は、制御部101を介して取得する反転入口センサ33のON/OFF状態と、上記「反転にかかる最大時間」が経過したか否かに基づいて、用紙1の反転経路Eへの搬送処理(反転処理)が完了したか否かを判定する部分である。即ち、反転完了判定部111は、反転完了の判定の指示を受けると、反転入口センサ33から反転入口検知信号を受けている場合には(反転入口センサON)、用紙1の先端が反転入口センサ33を通過したので、反転完了と判定する。
【0075】
一方、反転完了判定部111は、上記反転入口検知信号を未受信(反転入口センサOFF)のまま、上記経過信号を受けた場合には、用紙1が反転経路Eに存在していないので、反転未完了と判定する。
【0076】
反転完了判定部111が反転完了と判定すると、制御部101は、該判定結果を印刷制御部110に転送する。印刷制御部110は、反転完了の判定結果を受けると、上記駆動部を駆動して各反転搬送ローラ対282、283、284、285を回転させる。これにより、先端部分が反転入口センサ33を通過した用紙1は、これら各反転搬送ローラ対により搬送され、レジストローラ対23を経て、搬送経路Bへ搬送される。そして、印刷制御部110は、反転し第2面が上側になった用紙1に対し、印刷制御データの次ページの画像データに基づく印刷処理を行う。その後、印刷制御部110は、用紙1に対する両面印刷処理を終えると、印刷順序リスト記憶領域1081に記憶された印刷順序リストに基づいて全ページの画像データに基づく印刷処理を終えるまで、該リストに基づく印刷処理を実行する。
【0077】
一方、反転完了判定部111が反転未完了と判定すると、制御部101は、引き抜き判定部112に引き抜き判定を指示する。
【0078】
引き抜き判定部112は、制御部101を介して取得する引き抜きセンサ31、排出センサ29のON/OFF状態に基づいて、用紙引き抜きが発生したか否かを判定する部分である。即ち、引き抜き判定部112は、引き抜き判定の指示を受けると、引き抜きセンサ31及び排出センサ29がOFFの場合には、搬送経路C及び反転経路Dに用紙1が存在していないので、引き抜き発生と判定する。
尚、本願では、反転入口センサ33の出力結果をきっかけに引き抜き判定を行う構成としたが、カウンタによりカウントした引き抜きセンサ31における、用紙1の排出時のON、用紙1の通過時のOFF、用紙引き戻し時のONの切り替る時間から引き抜き判定を開始する構成にしてもよい。
【0079】
一方、引き抜き判定部112は、少なくとも引き抜きセンサ31及び排出センサ29のいずれか一方がONの場合には、搬送経路Cに用紙1が存在するので、引き戻し中にジャム発生と判定する。
【0080】
引き抜き判定部112が引き抜き発生と判定すると、制御部101は、該判定結果を印刷制御部110に転送すると共に、印刷制御データ管理部109に印刷制御データの変更を指示する。
【0081】
一方、引き抜き判定部112が引き戻し中にジャム発生と判定すると、制御部101は、該判定結果を印刷制御部110に転送する。印刷制御部110は、引き戻し中にジャム発生の判定結果を受けると、プリンタエンジンを構成する上記各部を停止させると共に、図示しないメモリに予め設定されたジャム発生通知情報を操作パネル35のディスプレイ355上に表示させる。ユーザは、ディスプレイ355上に表示された上記通知情報を参照し、装置のカバーを開けてジャムを取り除き、その後、カバーを閉める。制御部101は、図示しないセンサによりカバーの開閉を検知後、各種センサのON/OFFの状態に基づいて装置内にジャムが発生していないと判定すると、印刷制御部110に印刷再開を指示する。印刷制御部110は、印刷再開の指示を受けると、印刷順序リスト記憶領域1081に記憶された印刷順序リストに基づいて、再び両面印刷処理を開始する。
【0082】
印刷制御データ管理部109は、印刷制御データの変更の指示を受けると、引き抜き後の印刷順序記憶領域1083に記憶された引き抜き後印刷順序情報が「1枚目片面、以降順次両面」であると、該情報に基づいて、印刷順序リスト記憶領域1081に記憶された図6(a)に示す「初期印刷順序」の印刷順序リストを、図6(b)に示すように、引き抜かれた用紙1の第2面に印刷する予定であったページの画像データを次の用紙1の第1面に片面印刷し、それ以降は奇数ページが各用紙1の第1面、偶数ページが各用紙1の第2面に印刷される両面印刷となる印刷順序を示す印刷順序リストに変更する。
【0083】
一方、印刷制御データ管理部109は、引き抜き後の印刷順序記憶領域1083に記憶された引き抜き後印刷順序情報が「順次両面」であると、該情報に基づいて、印刷順序リスト記憶領域1081に記憶された「初期印刷順序」の印刷順序リストを、図6(c)に示すように、引き抜かれた用紙1の第2面に印刷する予定であったページの画像データを次の用紙1の第1面に印刷し、それ以降は奇数ページが各用紙1の第2面、偶数ページが各用紙1の第1面に印刷される両面印刷となる印刷順序を示す印刷順序リストに変更する。
【0084】
印刷制御データ管理部109が印刷制御データを変更すると、制御部101は、印刷制御部110に印刷制御データの変更完了を通知する。
【0085】
印刷制御部110は、引き抜き発生の判定結果を受け、かつ印刷制御データの変更完了の通知を受けると、印刷制御データ記憶部108に記憶された変更された印刷制御データに基づいて、給紙ローラ対202を回転させて給紙カセット201から次の用紙1を給紙し、該用紙1に印刷処理すべき画像データを画像メモリ103から読み出して印刷処理を行う。この時、印刷制御部110が図6(b)に示すような「1枚目片面、以降順次両面」に変更された印刷制御データに基づく印刷制御を行うと、図6(b)´に示すように、引き抜かれた用紙1の第2面に印刷予定であった画像データに基づく印刷処理が次の用紙1の片面になされ、それ以降は各用紙1に対して順次両面印刷がなされた印刷結果が出力される。
【0086】
一方、印刷制御部110が図6(c)に示すような「順次両面」に変更された印刷制御データに基づく印刷制御を行うと、図6(c)´に示すように、引き抜かれた用紙1の第2面に印刷予定であった画像データから次の用紙1以降の各用紙に対して順次両面印刷がなされた印刷結果が出力される。
【0087】
<実施例1の動作>
図7は、本発明に係る実施例1の印刷装置100における用紙引き抜き後の印刷順序の設定に係る動作を示すフローチャートである。
次に、本発明の実施例1の印刷装置100における用紙引き抜き後の印刷順序の設定に係る動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0088】
ユーザは、印刷装置100の操作パネル35内のメニューキー351を操作して、用紙引き抜き後の印刷順序の設定を指示する(ステップS101)。
【0089】
制御部101は、上記指示を受けると、上記選択通知情報を操作パネル35内のディスプレイ355に、図5に示すようなフォーム50として表示させる(ステップS102)。
【0090】
ユーザが上記フォーム50を参照し、メニューキー351を用いて「1、引き抜かれた用紙の第2面に印刷を予定していた画像を次の用紙に片面印刷し、それ以降の画像を順次両面印刷する」を選択し、決定キー352を押下すると(ステップS103)、制御部101は、「1枚のみ片面、以降順次両面」を示す用紙引き抜き後印刷順序情報を生成し(ステップS104)、該情報を制御部101に送信する。
【0091】
一方、ユーザが「2、引き抜かれた用紙の第2面に印刷を予定していた画像から順次両面印刷を行う」を選択し、決定キー352を押下すると、制御部101は、「順次両面」を示す用紙引き抜き後印刷順序情報を生成し(ステップS105)、該情報を制御部101に送信する。
【0092】
制御部101は、上記用紙引き抜き後印刷順序情報を受けると、「1枚のみ片面、以降順次両面」又は「順次両面」を示す該情報を設定情報記憶部106に記憶する(ステップS106)。
【0093】
図8は、本発明に係る実施例1の印刷装置100における両面印刷処理動作を示す図(その1)であり、図9は、本発明に係る実施例1の印刷装置100における両面印刷処理動作を示す図(その2)である。
次に、本発明の実施例1の印刷装置100における両面印刷処理動作について、図8及び図9のフローチャートを用いて説明する。
【0094】
印刷装置100の制御部101は、I/F部102を介して上位装置200から印刷データを受信すると(ステップS201)、上記ラスタライズ変換部を用いて画像データに変換する。この画像データには、印刷データに付与されていた両面印刷を示す印刷指示情報がそのまま付与される。
【0095】
制御部101は、画像メモリ103に画像データを記憶すると(ステップS202)、印刷制御データ生成部107に印刷制御データの生成を指示する。
【0096】
印刷制御データ生成部107は、印刷制御データの生成の指示を受けると、画像メモリ103に記憶された全6ページの画像データ(両面印刷を示す印刷指示情報が付与)と、設定情報記憶部106に記憶された引き抜き後印刷順序情報「1枚のみ片面、以降順次両面」に基づいて、図6(a)に示すような、画像データの各奇数ページ(1、3、5ページ)を各用紙1の第1面に印刷し、各偶数ページ(2、4、6ページ)を各用紙1の第2面に印刷するよう設定された「初期印刷順」の印刷制御データを生成する(ステップS203)。
【0097】
印刷制御データ生成部107が印刷制御データを生成すると、制御部101は、印刷制御データ管理部109に印刷制御データの新規登録を指示すると共に、該印刷制御データを転送する。
【0098】
印刷制御データ管理部109は、上記新規登録の指示と共に、印刷制御データを受けると、印刷制御データ記憶部108に新規の印刷制御データを記憶する。この時、印刷制御データ管理部109は、図6(a)に示すように、印刷順序リスト記憶領域1081に、画像データの各奇数ページ(1、3、5ページ)を各用紙1の第1面に印刷し、各偶数ページ(2、4、6ページ)を各用紙1の第2面に印刷するよう設定された「初期印刷順序」を示す印刷順序リストを記憶する。そして、印刷制御データ管理部109は、図6(a)に示すように、印刷指示情報記憶領域1082に、「両面印刷」を示す印刷指示情報を記憶する。また、印刷制御データ管理部109は、図6(a)に示すように、引き抜き後の印刷順序記憶領域1083に、上記「1枚のみ片面、以降順次両面」又は「順次両面印刷」を示す引き抜き後印刷順序情報を記憶する(ステップS204)。
【0099】
印刷制御データ管理部109により印刷制御データ記憶部108に印刷制御データが新規登録されると、制御部101は、印刷制御部110に印刷処理を指示する。
【0100】
印刷制御部110は、印刷処理の指示を受けると、上記駆動部を制御して給紙ローラ対202を回転させ、給紙カセット201の最上部に載置された用紙1を給紙させると共に、印刷順序リスト記憶領域1081に記憶された印刷順序リストに基づき、該リストの1ページ目に該当する画像データを画像メモリ103から読み出し、両面印刷処理を開始する(ステップS205)。
【0101】
印刷制御部110は、第1面(1ページ目の画像データ)のみに対する印刷処理が終了した用紙1を反転させるべく、該用紙1を装置内に引き戻す動作を行うため、上記駆動部を制御して排出ローラ対301、302を逆方向に回転させると共に、設定情報記憶部106に予め設定された「反転にかかる最大時間」を制御部101を介して取得する。その後、印刷制御部110は、取得した上記時間をカウンタ部1101のカウンタ値にセットし、該カウンタ値のカウントダウンを開始する(ステップS206)と共に、反転完了判定部111に反転完了の判定を指示する。印刷制御部110は、上記カウンタ値が0になると、「反転にかかる最大時間」が経過したことを示す経過信号を制御部101を介して反転完了判定部111へ出力する。
【0102】
反転完了判定部111は、反転完了の判定の指示を受けると、反転入口センサ33から反転入口検知信号を受けている反転入口センサONの場合には(ステップS207)、反転完了と判定する(ステップS208)。
【0103】
一方、反転完了判定部111は、上記反転入口検知信号を未受信(反転入口センサOFF)のまま、上記経過信号を受けた場合には(ステップS209)、用紙1が反転経路Eに存在していないので、反転未完了と判定する(ステップS210)。
【0104】
反転完了判定部111が反転完了と判定すると、制御部101は、該判定結果を印刷制御部110に転送する。印刷制御部110は、反転完了の判定結果を受けると、上記駆動部を駆動して各反転搬送ローラ対282、283、284、285を回転させる。これにより、先端部分が反転入口センサ33を通過した用紙1は、これら各反転搬送ローラ対により搬送され、レジストローラ対23を経て、搬送経路Bへ搬送される。そして、印刷制御部110は、反転し第2面が上側になった用紙1に対し、印刷制御データの次ページ(2ページ目)の画像データに基づく印刷処理を行う(ステップS211)。その後、印刷制御部110は、用紙1に対する両面印刷処理を終えると、上記印刷順序リストに基づいて6ページ目の画像データに基づく印刷処理を終えるまで(ステップS212)、該リストに基づく印刷処理を実行する。
【0105】
一方、反転完了判定部111が反転未完了と判定すると、制御部101は、引き抜き判定部112に引き抜き判定を指示する。
【0106】
引き抜き判定部112は、引き抜き判定の指示を受けると、引き抜きセンサ31及び排出センサ29がOFFの場合には(ステップS213)、搬送経路C及び反転経路Dに用紙1が存在していないので、引き抜き発生と判定する(ステップS214)。
【0107】
一方、引き抜き判定部112は、少なくとも引き抜きセンサ31及び排出センサ29のいずれか一方がONの場合には、搬送経路Cに用紙1が存在するので、引き戻し中にジャム発生と判定する(ステップS215)。
【0108】
引き抜き判定部112が引き抜き発生と判定すると、制御部101は、該判定結果を印刷制御部110に転送すると共に、印刷制御データ管理部109に印刷制御データの変更を指示する。
【0109】
一方、引き抜き判定部112が引き戻し中にジャム発生と判定すると、制御部101は、該判定結果を印刷制御部110に転送する。印刷制御部110は、引き戻し中にジャム発生の判定結果を受けると、プリンタエンジンを構成する上記各部を停止させると共に、上記ジャム発生通知情報をディスプレイ355上に表示させる(ステップS216)。ユーザは、上記通知情報を参照し、装置のカバーを開けてジャムを取り除き、その後、カバーを閉める。制御部101は、図示しないセンサによりカバーの開閉を検知後、各種センサのON/OFFの状態に基づいて装置内にジャムが発生していないと判定すると(ステップS217)、印刷制御部110に印刷再開を指示する。印刷制御部110は、印刷再開の指示を受けると、上記印刷順序リストに基づいて、再び両面印刷処理を開始する。
【0110】
印刷制御データ管理部109は、印刷制御データの変更の指示を受けると、上記引き抜き後印刷順序情報が「1枚目片面、以降順次両面」であると(ステップS218)、該情報に基づいて、印刷順序リストを、図6(b)に示すように、引き抜かれた1枚目の用紙1の第2面に印刷する予定であった2ページ目の画像を2枚目の用紙1の第1面に片面印刷し、それ以降は3及び5ページ目の画像が各用紙1の第1面、4及び6ページ目の画像が各用紙1の第2面に印刷されるような印刷順序を示すリストに変更する(ステップS219)。
【0111】
一方、印刷制御データ管理部109は、上記引き抜き後印刷順序情報が「順次両面」であると(ステップS220)、該情報に基づいて、印刷順序リストを、図6(c)に示すように、引き抜かれた用紙1の第2面に印刷する予定であった2ページ目の画像を2枚目の用紙1の第1面に印刷し、それ以降は3及び5ページ目の画像が各用紙1の第2面、4及び6ページ目の画像が各用紙1の第1面に印刷されるような印刷順序を示すリストに変更する。
【0112】
印刷制御データ管理部109が印刷制御データを変更すると、制御部101は、印刷制御部110に印刷制御データの変更完了を通知する。
【0113】
印刷制御部110は、引き抜き発生の判定結果を受け、かつ印刷制御データの変更完了の通知を受けると、印刷制御データ記憶部108に記憶された変更された印刷制御データに基づいて、給紙ローラ対202を回転させて給紙カセット201から次の用紙1を給紙し、該用紙1に印刷処理すべき画像データを画像メモリ103から読み出して印刷処理を行う。
【0114】
<実施例1の効果>
本実施例1の印刷装置100では、両面印刷処理時において、用紙1の片面に対する印刷処理を終え、該用紙1を反転させるべく排出ローラ対301、302を逆方向に回転させてから「反転にかかる最大時間」が経過した時点で反転入口センサ33が該用紙1を検知していない場合(反転未完了)、引き抜きセンサ31及び排出センサ29の各センサがOFFの状態であると、用紙の引き抜きが発生したと判定するので、用紙の引き抜きを検知することができ、かつ入力表示部104を介してユーザにより予め設定された上記引き抜き発生後印刷順序情報に基づいて印刷処理を続行することができる。
【0115】
また、印刷装置100では、印刷続行した印刷結果は、引き抜きが発生した用紙を除いて、予定した印刷結果を得ることができる。
【実施例2】
【0116】
<実施例2の構成>
実施例1の印刷装置100では、両面印刷処理時において、用紙引き抜きが生じると、引き抜かれた用紙1は片面(第1面)のみしか印刷処理が成されないため、ユーザが所望する形態で印刷出力させることができなかった。その問題を解決すべく、本発明の実施例2の印刷装置100aは、印刷装置100に対し、引き抜き判定部111において用紙引き抜きが生じたことを判定すると、手差しトレイ36に引き抜かれた用紙1を第2面側が上側になるよう載置させ、該引き抜かれた用紙1の第2面に当初印刷予定のページの画像データを印刷処理することで、ユーザの所望する形態での印刷出力を可能とする構成に変更したものである。
【0117】
また、実施例1の印刷装置100では、両面印刷処理時において、1枚の用紙1に対し両面印刷処理が終了すると、次の用紙1を給紙する印刷制御を行ったが、実施例2の印刷装置100aでは、両面印刷処理時の動作を高速化させるべく、2枚の用紙1を連続して給紙し、該2枚の用紙1の各第1面に対し順次印刷処理を実行し、その後、順次反転させた2枚の用紙1の各第2面に対し順次印刷処理を実行する印刷制御を行う。
【0118】
先ず、実施例2の印刷装置100aの印刷処理動作に用いる構成について、図2を用いて説明する。実施例1の印刷装置100にて説明済みの構成については詳細説明を割愛する。
印刷制御部110a(図10参照)は、印刷装置100a内を搬送中の用紙1の枚数をカウントするための搬送枚数カウンタ部1102(図10参照)を有する。この搬送枚数カウンタ部1102は、用紙1が給紙される毎にカウンタ値をインクリメントし、用紙1が排出口303から排出され排出スタッカ32に積載される、又は引き抜き判定部111が用紙引き抜きを判定する毎に該カウンタ値をディクリメントする。また、上記カウンタ値は、装置内にジャムが発生後、該ジャムが解消されると、初期化される。
【0119】
そして、印刷制御部110aは、制御部101aから印刷指示を受けると、搬送枚数カウンタ部1102の搬送枚数カウンタ値が2未満(0又は1)の場合には、図示しない駆動部を制御して給紙ローラ対202を回転させ、給紙カセット201の最上部に載置された用紙1を給紙させる。給紙ローラ対202により繰り出された用紙1は、搬送経路Aに給紙される。
【0120】
給紙ローラ対202の前方に配された給紙センサ21は、用紙1の先端を検知すると、制御部101a(図10参照)を介して印刷制御部110aへ給紙検知信号の出力を開始する(給紙センサON)。
【0121】
印刷制御部110aは、両面印刷処理時において、上記給紙検知信号を受けると、該印刷制御部110aが有する搬送枚数カウンタ部1102の搬送枚数カウンタ値をインクリメントする(カウンタ値=1)。
【0122】
レジストローラ対23の前方に配された入口センサ22は、用紙1の先端を検知すると、制御部101aを介して印刷制御部110aへ入口検知信号の出力を開始する(入口センサON)。
【0123】
印刷制御部110aは、上記給紙検知信号を受信後、上記入口検知信号を受けると、上記駆動部を制御して、レジストローラ対23を回転させる。従って、用紙1は、回転を開始したレジストローラ対23により、搬送経路Bに沿って後方に配された書き出しセンサ24へ向けて搬送される。
【0124】
そして、印刷制御部110aは、用紙1の後端が入口センサ22を通過し終え、該センサが入口検知信号の出力を停止する(入口センサOFF)と、上記駆動部を制御して給紙ローラ対202を回転させ、給紙カセット201に積載されている次の用紙1を搬送経路Aに給紙する。
【0125】
給紙センサ21は、次の用紙1の先端を検知すると、制御部101aを介して印刷制御部110aへ給紙検知信号の出力を開始する(給紙センサON)。
【0126】
印刷制御部110aは、上記給紙検知信号を受けると、搬送枚数カウンタ部1102の搬送枚数カウンタ値をインクリメントする(カウンタ値=2)と共に、上記駆動部を制御して給紙ローラ対202の回転を停止させる。従って、次の用紙1は、回転を停止した給紙ローラ対202に狭持された状態で停止する。
【0127】
書き出しセンサ24は、レジストローラ対23から搬送された用紙1の先端を検知すると、制御部101aを介して印刷制御部110aへ書き出し検知信号の出力を開始する(書き出しセンサON)。
【0128】
印刷制御部110aは、上記書き出し検知信号を受けると、上記駆動部を制御して画像形成部25、画像転写部26、画像定着部27を駆動させ、用紙1の第1面に対し印刷処理を行う。第1面側の印刷処理が終了した用紙1は、反転させるべく該用紙1の一部(先端)が排出口303から排出され、かつ印刷制御部110aの制御により回転を停止した排出ローラ対301、302により狭持された状態で停止する。この時、引き抜きセンサ31は、停止している用紙1を検知しているため、排出口近傍検知信号を出力し続ける(引き抜きセンサON)。また、上記状態時において、用紙1の後端が排出センサ29を通過し終えているので、排出センサ29は、排出検知信号の出力を停止している(排出センサOFF)。
【0129】
用紙1の一部(先端)が排出口303から排出され、かつ排出ローラ対301、302に狭持された状態で停止している上記状態時において、図3に示すように、ユーザが両面印刷処理を完了したと誤認して、排出口303から停止している用紙1を引き出す場合がある。排出口303から用紙1が引き抜かれると、引き抜きセンサ31は、排出口近傍検知信号の出力を停止する(引き抜きセンサOFF)。この用紙引き抜き時の動作にかかる構成については、後述する制御構成において詳細説明する。
【0130】
そして、印刷制御部110aは、排出ローラ対301、302の回転を停止させ、予め設定された例えば1秒にも満たない短時間が経過すると、上記駆動部を制御して、該排出ローラ対301、302を逆方向に回転させる。これにより、排出ローラ対301、302に狭持されて停止していた用紙1は、再び装置内に引き込まれ、反転経路D方向に沿って搬送される。
【0131】
反転経路Dに沿って配される反転入口センサ33は、用紙1の先端を検知すると、制御部101aを介して印刷制御部110aへ反転入口検知信号の出力を開始する(反転入口センサON)。
【0132】
印刷制御部110aは、上記反転入口検知信号を受けると、上記駆動部を制御して各反転搬送ローラ対282、283、284、285を回転させると共に、給紙ローラ対202を回転させる。従って、用紙1は、回転を開始した各反転搬送ローラ対282、283、284により、反転経路Eに沿って後方に配された反転給紙センサ34へ向けて搬送される。また、給紙ローラ対202に狭持され停止していた次の用紙1は、搬送経路Aを沿って入口センサ22へ向けて搬送される。
【0133】
反転経路Eに沿って配される反転給紙センサ34は、用紙1の先端を検知すると、制御部101aを介して印刷制御部110aへ反転給紙検知信号の出力を開始する(反転給紙センサON)。
【0134】
印刷制御部110aは、反転給紙検知信号を受けると、上記駆動部を制御して各反転搬送ローラ対282、283、284、285の回転を停止させる。これにより、用紙1は、停止する各反転搬送ローラ対282、283、284に狭持された状態で停止する。
【0135】
一方、入口センサ22は、搬送経路Aを沿って搬送された次の用紙1の先端を検知すると、制御部101aを介して印刷制御部110aへ入口検知信号の出力を開始する(入口センサON)。その後、画像形成部25、画像転写部26、画像定着部27の各動作に基づいて第1面側の印刷処理が終了した次の用紙1は、反転させるべく該次の用紙1の一部(先端)が排出口303から排出され、かつ印刷制御部110aの制御により回転を停止した排出ローラ対301、302により狭持された状態で停止する。
【0136】
次の用紙1の一部(先端)が排出口303から排出され、かつ排出ローラ対301、302に狭持された状態で停止している上記状態時において、同様に、ユーザが両面印刷処理を完了したと誤認して、排出口303から停止している用紙1を引き出す場合がある。排出口303から用紙1が引き抜かれると、引き抜きセンサ31は、排出口近傍検知信号の出力を停止する(引き抜きセンサOFF)。この時、ユーザが今回の用紙である次の用紙1のみを引き抜いてしまう、又は前回の用紙である用紙1に続き該次の用紙1も引き抜いてしまう(2枚の用紙を連続して引き抜く)場合があり、この用紙引き抜き時の動作にかかる構成についても、後述する制御構成において詳細説明する。
【0137】
そして、印刷制御部110aは、排出ローラ対301、302の回転を停止させると、上記駆動部を制御して各反転搬送ローラ対282、283、284、285の回転を再開させる。
【0138】
停止した各反転搬送ローラ対282、283、284に狭持されて停止していた用紙1は、これら各ローラ対の回転により、反転経路Fに沿って入口センサ22方向へ搬送される。従って、用紙1は、第2面が上側になった状態で反転経路Fへ搬送される。
【0139】
第2面が上側になった用紙1の先端が入口センサ22に検知され、該用紙1の後端が入口センサ22を通過し終えると(入口センサONからOFF)、印刷制御部110aは、上記駆動部を制御して排出ローラ対301、302を逆方向に回転させる。従って、停止した排出ローラ対301、302に狭持されて停止していた次の用紙1は、再び装置内に引き込まれ、反転経路E方向に沿って搬送される。
【0140】
反転経路Eに沿って配される反転給紙センサ34は、次の用紙1の先端を検知すると、制御部101aを介して印刷制御部110aへ反転給紙検知信号の出力を開始する(反転給紙センサON)。
【0141】
印刷制御部110aは、反転給紙検知信号を受けると、上記駆動部を制御して各反転搬送ローラ対282、283、284、285の回転を停止させる。これにより、次の用紙1は、停止する各反転搬送ローラ対282、283、284に狭持された状態で停止する。
【0142】
一方、画像形成部25、画像転写部26、画像定着部27の各動作に基づいて第2面側の印刷処理が終了した用紙1は、印刷制御部110aの上記駆動部の制御によって正方向へ回転する排出ローラ対301、302の回転に基づいて排出口303へ搬送される。そして、両面印刷済みの用紙1の先端を引き抜きセンサ31が検知すると(引き抜きセンサON)、印刷制御部110aは、反転経路Eで待機中の次の用紙1の第2面側への印刷処理を実行するべく、上記駆動部を制御して各反転搬送ローラ対282、283、284、285の回転を再開する。その後、第2面が上側の用紙1は、排出ローラ対301、302の正方向の回転に基づいて排出口303から徐々に排出され、排出スタッカ32に積載される。印刷制御部110aは、用紙1に対する両面印刷処理を終了すると、搬送枚数カウンタ部1102の搬送枚数カウンタ値をディクリメントする(カウンタ値=1)。
【0143】
また、各反転搬送ローラ対282、283、284の回転に基づいて、次の用紙1は、反転経路Eに沿って後方に配された反転給紙センサ34へ向けて搬送される。
【0144】
印刷制御部110aは、上記搬送枚数カウンタ部1102のカウンタ値が2未満(カウンタ値=1)になると、図示しない駆動部を制御して給紙ローラ対202を回転させ、給紙カセット201の最上部に載置された更に次の用紙1を給紙させる。給紙ローラ対202により繰り出された更に次の用紙1は、搬送経路Aに給紙される。この更に次の用紙1は、前述した印刷制御部110aにおける用紙1の搬送と同様の制御に基づいて印刷処理される。
【0145】
一方、入口センサ22は、第2面が上側になった次の用紙1の先端を検知すると、制御部101aを介して印刷制御部110aへ入口検知信号を出力する(入口センサON)。その後、第2面が上側になった次の用紙1の後端が入口センサ22を通過し終えると、入口センサ22は、入口検知信号の出力を停止する(入口センサOFF)。その後、画像形成部25、画像転写部26、画像定着部27の各動作に基づいて第2面側の印刷処理が終了した次の用紙1は、印刷制御部110aの上記駆動部の制御によって正方向へ回転する排出ローラ対301、302の回転に基づいて排出口303へ搬送され、排出口303から装置外に排出されて排出スタッカ32に積載される。印刷制御部110aが後述する印刷制御データ2に基づく全ページの画像データの印刷処理を終えた時点で、搬送枚数カウンタ部1102のカウンタ値は0になる。
【0146】
以下に、本発明に係る実施例2の印刷装置100aの特徴となる制御構成について説明する。
図10は、本発明に係る実施例2の印刷装置100aの制御構成を示すブロック図である。
印刷装置100aは、該装置が有する上記各部を制御するための構成として、図1に示すように、制御部101aと、上位装置200と通信を行うためのI/F(Inter Face)部102と、画像メモリ103と、入力表示部104と、設定情報記憶部106aと、印刷制御データ生成部107aと、印刷制御データ記憶部108aと、印刷制御データ管理部109aと、印刷制御部110aと、反転完了判定部111と、引き抜き判定部112と、引き抜き用紙挿入指示情報記憶部113とを備える。
【0147】
制御部101aは、I/F部102を介して上位装置200から印刷データを受信すると、印刷装置100aの図示しないラスタライズ変換部を用いて画像データに変換する。本実施例では、上記印刷データには、片面印刷又は両面印刷を示す印刷指示情報が付与されている。ここで、画像データには、印刷データに付与されていた上記印刷指示情報がそのまま付与される。
【0148】
制御部101aは、画像メモリ103に画像データを記憶すると、印刷制御データ生成部107aに印刷制御データ2の生成を指示する。
【0149】
設定情報記憶部106aは、印刷制御部110aが印刷制御に用いる各種設定情報を記憶するための部分であり、上記「媒体送り出し時間」と、「反転にかかる最大時間」とを記憶する。
【0150】
図11は、本発明に係る実施例2の印刷制御データ2の構成及び印刷出力結果の一例を示す図である。本実施例では、両面印刷の場合の印刷制御データ2の構成の一例を示す。
印刷制御データ生成部107aは、印刷制御部110aが印刷処理に用いる印刷制御データ2を生成する部分である。即ち、印刷制御データ生成部107aは、印刷制御データ2の生成の指示を受けると、画像メモリ103に記憶された画像データ(片面印刷又は両面印刷かを示す印刷指示情報が付与)と、図11(a)に示すような、2枚の用紙1を連続して給紙し、該2枚の用紙1の各第1面に対し順次印刷処理を実行し、その後、順次反転させた2枚の用紙1の各第2面に対し順次印刷処理を実行するよう設定された「初期印刷順序」の印刷制御データ2を生成する。用紙引き抜きが発生せず、この「初期印刷順序」の印刷制御データ2に基づいて印刷処理が行われると、図11(a)´に示すように、用紙1の第1面には画像データの各奇数ページが印刷され、第2面には画像データの各偶数ページが印刷される印刷出力結果を得る。
【0151】
印刷制御データ生成部107aが印刷制御データ2を生成すると、制御部101aは、印刷制御データ管理部109aに印刷制御データ2の新規登録を指示すると共に、該印刷制御データ2を転送する。
【0152】
印刷制御データ記憶部108aは、図11(a)に示すように、画像データの印刷順序を示す印刷順序リストを記憶するための印刷順序リスト記憶領域1081aと、上記印刷指示情報を記憶するための印刷指示情報記憶領域1082とから構成される。
【0153】
印刷制御データ管理部109aは、印刷制御データ記憶部108aで記憶する印刷制御データ2を管理する管理部である。即ち、印刷制御データ管理部109aは、印刷制御データ2の新規登録の指示と共に、印刷制御データ2を受けると、印刷制御データ記憶部108aに新規の印刷制御データ2を記憶する。この時、印刷制御データ管理部109aは、図11(a)に示すように、印刷順序リスト記憶領域1081aに、2枚の用紙1を連続して給紙し、該2枚の用紙1の各第1面に対し順次印刷処理を実行し、その後、順次反転させた2枚の用紙1の各第2面に対し順次印刷処理を実行するよう設定された「初期印刷順序」を示す印刷順序リストを記憶する。そして、印刷制御データ管理部109aは、図11(a)に示すように、印刷指示情報記憶領域1082に、片面印刷又は両面印刷を示す印刷指示情報を記憶する。
【0154】
印刷制御データ管理部109aが印刷制御データ記憶部108aに印刷制御データ2を新規登録すると、制御部101aは、印刷制御部110aに印刷処理を指示する。
【0155】
印刷制御部110aは、印刷制御データ記憶部108aに記憶された印刷制御データ2と、画像メモリ103に記憶された画像データとに基づく印刷処理を制御する部分であり、プリンタエンジンを構成する上記各部位を制御する。即ち、印刷制御部110aは、印刷処理の指示を受けると、両面印刷処理の場合には、印刷順序リスト記憶領域1081aに記憶された印刷順序リストに基づき、上記駆動部を制御して給紙ローラ対202を回転させ、給紙カセット201に載置された2枚の用紙1を連続して給紙し、該2枚の用紙1の各第1面に対し順次印刷処理を実行させるべく印刷制御を行う。
【0156】
印刷制御部110aが片面に対する印刷処理が終了した用紙1を反転させるべく、用紙1を装置内に引き戻す上記動作を行うと、反転完了判定部111は、制御部101aに対して用紙1の反転が完了したか否かの判定結果(判定完了、又は判定未完了)を出力する。
【0157】
制御部101aは、反転完了判定部111から用紙1に対する反転完了の判定結果を受けると、該判定結果を印刷制御部110aへ転送する。印刷制御部110aは、上記結果を受けると、次の用紙1の第1面に対して印刷処理を行い、その後、該次の用紙1を反転経路に引き込むための上記制御動作を行う。
【0158】
一方、制御部101aは、反転完了判定部111から用紙1に対する反転未完了の判定結果を受けると、引き抜き判定部112に引き抜き判定を指示する。
【0159】
引き抜き判定部112は、引き抜き判定の指示を受けると、制御部101aに対して用紙1を引き戻し中にジャムが発生したか、又は引き抜きが発生したかのいずれかを示す判定結果を出力する。
【0160】
制御部101aは、引き抜き判定部112から用紙1に対する引き戻し中にジャムが発生したか、又は引き抜きが発生したかのいずれかの判定結果を受けると、該判定結果を印刷制御部110aへ転送する。
【0161】
印刷制御部110aは、用紙1に対する反転完了の判定結果を受けた後、連続して給紙された次の用紙1に対する反転完了の判定結果を受けると、上記駆動部を制御して給紙ローラ対202を回転させ、給紙部20から更に次の用紙1を給紙する。
【0162】
一方、印刷制御部110aは、用紙1に対する反転完了の判定結果を受けた後、次の用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けると、1枚の用紙1が引き抜かれたので、印刷制御データ2を変更すれば印刷処理の継続が可能であるため、制御部101aに印刷制御データ2の変更を指示する。
【0163】
また、印刷制御部110aは、用紙1に対する反転完了の判定結果を受けた後、次の用紙1に対する引き戻し中にジャム発生の判定結果を受けると、プリンタエンジンを構成する上記各部を停止させると共に、図示しないメモリに予め設定されたジャム発生通知情報を操作パネル35のディスプレイ355上に表示させる。ユーザは、ディスプレイ355上に表示された上記通知情報を参照し、装置のカバーを開けてジャムを取り除き、その後、カバーを閉める。制御部101aは、図示しないセンサによりカバーの開閉を検知後、各種センサのON/OFFの状態に基づいて装置内にジャムが発生していないと判定すると、印刷制御部110aに印刷再開を指示する。印刷制御部110aは、印刷再開の指示を受けると、搬送枚数カウンタ部1102のカウンタ値を初期化し、印刷順序リスト記憶領域1081aに記憶された印刷順序リストに基づいて、再び両面印刷処理を開始する。
【0164】
一方、印刷制御部110aは、用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けると、次の用紙1の第1面に対して印刷処理を行い、その後、該次の用紙1を反転経路に引き込むための上記制御動作を行う。
【0165】
また、印刷制御部110aは、用紙1に対する引き戻し中にジャム発生の判定結果を受けると、プリンタエンジンを構成する上記各部を停止させると共に、制御部101aを介して上記ジャム発生通知情報をディスプレイ355上に表示させる。
【0166】
印刷制御部110aは、用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けた後、次の用紙1に対する反転完了の判定結果を受けると、制御部101aに印刷制御データ2の変更を指示する。
【0167】
一方、印刷制御部110aは、用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けた後、次の用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けると、連続して2枚の用紙1が引き抜かれたため、印刷制御データ2の変更が不可となり、印刷処理が継続できないため、プリンタエンジンを構成する上記各部を停止させると共に、制御部101aを介して上記ジャム発生通知情報をディスプレイ355上に表示させる。
【0168】
また、印刷制御部110aは、用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けた後、次の用紙1に対する引き戻し中にジャム発生の判定結果を受けると、プリンタエンジンを構成する上記各部を停止させると共に、制御部101aを介して上記ジャム発生通知情報をディスプレイ355上に表示させる。
【0169】
制御部101aは、印刷制御データ2の変更の指示を受けると、該指示を印刷制御データ管理部109aに転送する。
【0170】
印刷制御データ管理部109aは、印刷制御データ2の変更の指示を受けると、印刷順序リスト記憶領域1081aに記憶された図11(a)に示す「初期印刷順序」の印刷順序リストを、図11(b)に示すように、1枚の用紙1が引き抜かれると、搬送枚数カウンタ部1102のカウンタ値がインクリメントされるため(カウンタ値が2未満になる)、給紙部20において次の用紙1が給紙される印刷制御構成に対応させた印刷処理を行うための印刷順序を示す印刷順序リストに変更する。
【0171】
引き抜き用紙挿入指示情報記憶部113は、ユーザにより用紙が引き抜かれた場合、引き抜かれた該用紙1を手差しトレイ36に挿入させるための指示情報を予め記憶する部分である。この指示情報については、後述する図12の説明時において詳細説明する。
【0172】
印刷制御データ管理部109aが印刷制御データ2を変更すると、制御部101aは、操作パネル35のディスプレイ355上に引き抜き用紙挿入指示情報記憶部113に記憶された上記用紙挿入指示情報を図12に示すフォーム60として表示させる。
【0173】
図12は、本発明に係る実施例2の用紙挿入指示情報の一例を示す図である。
フォーム60は、図12に示すように、ユーザにより用紙1が引き抜かれた場合、引き抜かれた該用紙1を第2面を上側にして手差しトレイ36に挿入させ、その後決定キー352を押下させる旨を指示するためのメッセージ61が含まれる。
手差しトレイ36は、給紙カセット201とは別の給紙機構であり、本願では、引き抜かれた用紙1を印刷装置100aに挿入するための手差し機構である。
【0174】
ユーザが上記ディスプレイに表示されたフォーム60を参照して手差しトレイ36に引き抜かれた用紙1を第2面を上側にして挿入し、操作パネル35の決定キー352を押下すると、制御部101aは、印刷制御部110aに手差しトレイ36からの給紙を指示する。
挿入検知部は、操作パネル35が有する決定キー352の押下に基づいて、手差しトレイ36に用紙1が挿入されたことを検知する。
【0175】
印刷制御部110aは、手差しトレイ36からの給紙の指示を受けると、上記駆動部を制御して手差し給紙ローラ対37を回転させる。手差し給紙ローラ対37の回転に基づいて、手差しトレイ36に挿入された第2面が上側の用紙1は、レジストローラ対23方向に搬送される。
【0176】
レジストローラ対23の前方に配された入口センサ22は、手差しトレイ36から搬送された第2面が上側の用紙1の先端を検知すると、制御部101aを介して印刷制御部110aに入口検知信号を出力する(入口センサON)。
【0177】
印刷制御部110aは、印刷制御データ記憶部108aに記憶された変更された印刷制御データ2に基づいて、手差しトレイ36に挿入された第2面が上側の用紙1を給紙して片面印刷し、該用紙1を排出スタッカ32に排出する。従って、印刷制御部110aが変更された印刷制御データ2に基づく印刷制御を行うと、図11(b)´に示すように、引き抜かれた用紙1の第2面に当初予定していた画像データが印刷された、ユーザの所望する形態の印刷結果が出力される。その後、印刷制御部110aは、次の用紙1に対する両面印刷処理を終えると、上記印刷順序リストに基づいて全ページの画像データに基づく印刷処理を終えるまで該リストに基づく印刷処理を実行する。
【0178】
<実施例2の動作>
図13は、本発明に係る実施例2の印刷装置100aにおける両面印刷処理動作を示す図(その1)であり、図14は、本発明に係る実施例2の印刷装置100aにおける両面印刷処理動作を示す図(その2)である。
次に、本発明の実施例2の印刷装置100aにおける両面印刷処理動作について、図13及び図14のフローチャートを用いて説明する。
【0179】
印刷装置100aの制御部101aは、I/F部102を介して上位装置200から印刷データを受信すると(ステップS301)、図示しないラスタライズ変換部を用いて画像データに変換する。
【0180】
制御部101aは、画像メモリ103に画像データを記憶すると(ステップS302)、印刷制御データ生成部107aに印刷制御データ2の生成を指示する。
【0181】
印刷制御データ生成部107aは、印刷制御データ2の生成の指示を受けると、画像メモリ103に記憶された画像データ(両面印刷を示す印刷指示情報が付与)と、図11(a)に示すような、1枚目、2枚目の用紙1を連続して給紙し、各用紙1の第1面に対し、1ページ、3ページの画像データを順次印刷処理し、その後、順次反転させた各用紙1の各第2面に対し、2ページ、4ページの画像データを順次印刷処理し、最後に3枚目の用紙1を給紙し、該3枚目の用紙1の第1面に対し、5ページの画像データを印刷処理し、その後、反転させた該3枚目の用紙1の第2面に対し、6ページの画像データを印刷処理するよう設定された「初期印刷順序」の印刷制御データ2を生成する(ステップS303)。
【0182】
印刷制御データ生成部107aが印刷制御データ2を生成すると、制御部101aは、印刷制御データ管理部109aに印刷制御データ2の新規登録を指示すると共に、該印刷制御データ2を転送する。
【0183】
印刷制御データ管理部109aは、印刷制御データ2の新規登録の指示と共に、印刷制御データ2を受けると、印刷制御データ記憶部108aに新規の印刷制御データ2を記憶する。この時、印刷制御データ管理部109aは、図11(a)に示すように、印刷順序リスト記憶領域1081aに、上記「初期印刷順序」を示す印刷順序リストを記憶する。そして、印刷制御データ管理部109aは、図11(a)に示すように、印刷指示情報記憶領域1082に、両面印刷を示す印刷指示情報を記憶する(ステップS304)。
【0184】
印刷制御データ管理部109aが印刷制御データ記憶部108aに印刷制御データ2を新規登録すると、制御部101aは、印刷制御部110aに印刷処理を指示する。
【0185】
印刷制御部110aは、印刷処理の指示を受けると、印刷順序リスト記憶領域1081aに記憶された印刷順序リストに基づき、上記駆動部を制御して給紙ローラ対202を回転させ、給紙カセット201に載置された1枚目、2枚目の用紙1を連続して給紙し、該2枚の用紙1の各第1面に対し順次印刷処理を実行させるべく印刷制御を行う(ステップS305)。
【0186】
印刷制御部110aが第1面に対する印刷処理が終了した1枚目の用紙1を反転させるべく、該1枚目の用紙1を装置内に引き戻す上記動作を行うと、反転完了判定部111は、制御部101aに対して該1枚目の用紙1の反転が完了したか否かの判定結果(判定完了、又は判定未完了)を出力する。
【0187】
制御部101aは、反転完了判定部111から1枚目の用紙1に対する反転完了の判定結果を受けると(ステップS306)、該判定結果を印刷制御部110aへ転送する。印刷制御部110aは、上記結果を受けると、2枚目の用紙1の第1面に対して印刷処理を行い(ステップS307)、その後、2枚目の用紙1を反転経路に引き込むための上記制御動作を行う。
【0188】
一方、制御部101aは、反転完了判定部111から用紙1に対する反転未完了の判定結果を受けると、引き抜き判定部112に引き抜き判定を指示する。
【0189】
引き抜き判定部112は、引き抜き判定の指示を受けると、制御部101aに対して用紙1を引き戻し中にジャムが発生したか、又は引き抜きが発生したかのいずれかを示す判定結果を出力する。
【0190】
制御部101aは、引き抜き判定部112から用紙1に対する引き戻し中にジャムが発生したか、又は引き抜きが発生したかのいずれかの判定結果を受けると、該判定結果を印刷制御部110aへ転送する。
【0191】
印刷制御部110aは、1枚目の用紙1に対する反転完了の判定結果を受けた後、2枚目の用紙1に対する反転完了の判定結果を受けると(ステップS308)、2枚目の用紙1の第2面に対し印刷処理を行う(ステップS309)。その後、3枚目の用紙1に対し、印刷制御データ2に基づく印刷処理を行う。
【0192】
一方、印刷制御部110aは、1枚目の用紙1に対する反転完了の判定結果を受けた後、2枚目の用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けると(ステップS310)、2枚目の用紙1(合計1枚の用紙)が引き抜かれたので、印刷制御データ2を変更すれば印刷処理の継続が可能であるため、制御部101aに印刷制御データ2の変更を指示する。
【0193】
また、印刷制御部110aは、1枚目の用紙1に対する反転完了の判定結果を受けた後、2枚目の用紙1に対する引き戻し中にジャム発生の判定結果を受けると(ステップS311)、プリンタエンジンを構成する上記各部を停止させると共に、上記ジャム発生通知情報をディスプレイ355上に表示させる(ステップS312)。制御部101aは、その後のユーザによるジャムの取り除き作業により、装置内のジャムが解消されたと判定すると(ステップS313)、印刷制御部110aに印刷再開を指示する。印刷制御部110aは、印刷再開の指示を受けると、搬送枚数カウンタ部1102のカウンタ値を初期化し、印刷順序リスト記憶領域1081aに記憶された印刷順序リストに基づいて、再び両面印刷処理を開始する。
【0194】
一方、印刷制御部110aは、1枚目の用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けると(ステップS314)、2枚目の用紙1の第1面に対して印刷処理を行い、その後、該2枚目の用紙1を反転経路に引き込むための上記制御動作を行う。
【0195】
また、印刷制御部110aは、1枚目の用紙1に対する引き戻し中にジャム発生の判定結果を受けると(ステップS315)、プリンタエンジンを構成する上記各部を停止させると共に、制御部101aを介して上記ジャム発生通知情報をディスプレイ355上に表示させる。
【0196】
印刷制御部110aは、1枚目の用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けた後、2枚目の用紙1に対する反転完了の判定結果を受けると(ステップS316)、1枚目の用紙1(合計1枚の用紙)が引き抜かれたので、印刷制御データ2を変更すれば印刷処理の継続が可能であるため、制御部101aに印刷制御データ2の変更を指示する。
【0197】
一方、印刷制御部110aは、1枚目の用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けた後、2枚目の用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けると(ステップS317)、合計2枚の用紙1が引き抜かれたため、印刷制御データ2の変更が不可となり、印刷処理が継続できないため、プリンタエンジンを構成する上記各部を停止させると共に、制御部101aを介して上記ジャム発生通知情報をディスプレイ355上に表示させる。
【0198】
また、印刷制御部110aは、1枚目の用紙1に対する引き抜き発生の判定結果を受けた後、2枚目の用紙1に対する引き戻し中にジャム発生の判定結果を受けると(ステップS318)、プリンタエンジンを構成する上記各部を停止させると共に、制御部101aを介して上記ジャム発生通知情報をディスプレイ355上に表示させる。
【0199】
制御部101aは、印刷制御データ2の変更の指示を受けると、該指示を印刷制御データ管理部109aに転送する。
【0200】
印刷制御データ管理部109aは、印刷制御データ2の変更の指示を受けると、印刷順序リスト記憶領域1081aに記憶された図11(a)に示す「初期印刷順序」の印刷順序リストを、図11(b)に示すように、1枚の用紙1が引き抜かれると、搬送枚数カウンタ部1102のカウンタ値がインクリメントされるため(カウンタ値が2未満になる)、給紙部20において3枚目の用紙1が給紙される印刷制御構成に対応させた印刷処理を行うための印刷順序を示す印刷順序リストに変更する(ステップS319)。
【0201】
印刷制御データ管理部109aが印刷制御データ2を変更すると、制御部101aは、ディスプレイ355上に引き抜き用紙挿入指示情報記憶部113に記憶された上記用紙挿入指示情報を図12に示すフォーム60として表示させる(ステップS320)。
【0202】
ユーザが上記フォーム60を参照して手差しトレイ36に引き抜かれた1枚目の用紙1を第2面を上側にして挿入し、上記決定キー352を押下すると(ステップS321)、制御部101aは、印刷制御部110aに手差しトレイ36からの給紙を指示する。
【0203】
印刷制御部110aは、手差しトレイ36からの給紙の指示を受けると、上記駆動部を制御して手差し給紙ローラ対37を回転させる。手差し給紙ローラ対37の回転に基づいて、手差しトレイ36に挿入された第2面が上側の用紙1は、レジストローラ対23方向に搬送される(ステップS322)。
【0204】
レジストローラ対23の前方に配された入口センサ22は、手差しトレイ36から搬送された第2面が上側の用紙1の先端を検知すると、制御部101aを介して印刷制御部110aに入口検知信号を出力する(入口センサON)。
【0205】
印刷制御部110aは、印刷制御データ記憶部108aに記憶された変更された印刷制御データ2に基づいて、手差しトレイ36に挿入された第2面が上側の1枚目の用紙1を給紙して片面印刷し(ステップS323)、該用紙を排出スタッカ32に排出する。印刷制御部110aが変更された印刷制御データ2に基づく印刷制御を行うと、図11(b)´に示すように、引き抜かれた1枚目の用紙1の第2面に当初予定していた画像データが印刷された、ユーザの所望する形態の印刷結果が出力される。その後、印刷制御部110aは、2枚目の用紙1に対する両面印刷処理を終えると、上記印刷順序リストに基づいて6ページの画像データに基づく印刷処理を終えるまで(ステップS324)、該リストに基づく印刷処理を実行する。
【0206】
<実施例2の効果>
本実施例2の印刷装置100aでは、両面印刷処理時において、用紙引き抜きが生じると、ユーザに手差しトレイ36に引き抜かれた用紙を第2面側が上側になるよう挿入させ、該用紙を給紙するので、該引き抜かれた用紙の第2面に当初印刷予定のページの画像データを印刷処理することができ、従って、ユーザの所望する形態での印刷出力が可能となる。
【0207】
尚、本実施例1の印刷装置100では、ユーザが入力表示部104を介して、印刷制御データ記憶部108の引き抜き後の印刷順序記憶領域1083に「1枚のみ片面、以降順次両面」及び「順次両面」のいずれか一方の用紙引き抜き後の印刷順序を設定する構成にしたが、これに限らず、実施例2の印刷装置100aの用紙引き抜き後の印刷制御構成である、手差しトレイ36に引き抜かれた用紙1を第2面が上側になるよう挿入させ、該用紙1を給紙して片面印刷し、以降順次両面印刷処理を行わせるための「手差しトレイから給紙した媒体に対し片面印刷、以降順次両面」も用紙引き抜き後の印刷順序として該入力表示部104を介して印刷順序記憶領域1083に設定可能にする構成を印刷装置100に追加してもよい。
【0208】
また、本実施例2の印刷装置100aでは、用紙引き抜きが生じると、予め設定された用紙引き抜き後の印刷順序に基づいて、手差しトレイ36に引き抜かれた用紙1を第2面が上側になるよう挿入させ、該用紙1を給紙して片面印刷し、以降順次両面印刷処理を行わせる構成にしたが、これに限らず、実施例1の印刷装置100が有する構成である、入力表示部104を介してユーザが用紙引き抜き後の印刷順序を設定可能にする構成に変更してもよい。上記構成の場合、印刷装置100aの印刷制御データ記憶部108aは、引き抜き後の印刷順序記憶領域を有し、該領域に印刷順序を記憶する。印刷装置100aを上記構成に変更した場合、ユーザは、入力表示部104を介して「1枚のみ片面、以降順次両面」、「順次両面」、「手差しトレイから給紙した媒体に対し片面印刷、以降順次両面」のいずれか1つの用紙引き抜き後の印刷順序を選択することができる。また、上記選択結果は、印刷制御データ記憶部108aの上記引き抜き後の印刷順序記憶領域に記憶される。そして、上記構成に変更された印刷装置100aは、用紙引き抜きが生じると、上記選択された用紙引き抜き後の印刷順序に基づいて印刷処理を行う。
【0209】
実施例1の印刷装置100の入力表示部104と、印刷制御データ記憶部108の引き抜き後の印刷順序記憶領域1083とは、引き抜き判定部112により用紙1の引き抜きが検知された場合において、印刷制御部110が画像印刷部(画像形成部25、画像転写部26、画像定着部27)に対し、給紙部20から給紙した次の用紙1を供給するか、又は手差しトレイ36から給紙された用紙1(引き抜かれた用紙)を供給するかを設定するための設定部である。
また、実施例2の印刷装置100aの入力表示部104と、印刷制御データ記憶部108aの引き抜き後の印刷順序記憶領域とは、同様に設定部である。
【産業上の利用可能性】
【0210】
本実施例では、本発明の印刷装置をプリンタとして説明したが、これに限る必要はなく、例えばプリンタ機能を有する複合機(MFP)にも適用可能である。
【0211】
また、本発明の印刷装置は、I/F部をファクシミリ用にITU−T30プロトコル手順制御及びモデム制御に変更すれば、ファクシミリ装置、又はファクシミリ機能を有する複合機(MFP)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0212】
1 用紙
20 給紙部
201 給紙カセット
202 給紙ローラ対
25 画像形成部
26 画像転写部
27 画像定着部
28 反転部
281 反転切替レバー
29 排出センサ
30 排出部
301 排出ローラ対
302 排出ローラ対
31 引き抜きセンサ
33 反転入口センサ
36 手差しトレイ
37 手差し給紙ローラ対
100 印刷装置
101 制御部
102 I/F部
103 画像メモリ
104 入力表示部
105 選択通知情報記憶部
106 設定情報記憶部
107 印刷制御データ生成部
108 印刷制御データ記憶部
1081 印刷順序リスト記憶領域
1082 印刷指示情報記憶領域
1083 引き抜き後の印刷順序記憶領域
109 印刷制御データ管理部
110 印刷制御部
1101 カウンタ部
1102 搬送枚数カウンタ部
111 反転完了判定部
112 引き抜き判定部
113 引き抜き用紙挿入指示情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の両面に複数ページから成る画像データを印刷する印刷装置であって、
給紙部から給紙した前記媒体に前記画像データを印刷する画像印刷部と、
前記画像データが印刷された前記媒体を排出機構より排出させる排出部と、
前記画像データが印刷された前記媒体の一部を前記排出機構から排出させた後、前記媒体を装置内に引き戻し、前記画像印刷部に搬送し反転する反転部と、
前記画像データが印刷された前記媒体が前記排出機構から、両面印刷する媒体の第一面のみ印刷された段階で引き抜かれたことを検出する引き抜き検出部と、
前記引き抜き検出部により、媒体の引き抜きが検出された場合は、前記画像印刷部が引き抜かれた媒体の第ニ面に印刷すべき画像データから印刷すべく制御する印刷制御部とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷制御部は、前記引き抜き検出部により媒体の引き抜きが検出された場合、前記給紙部から別の媒体を順次給紙し、前記画像印刷部が前記引き抜かれた媒体の第ニ面に印刷すべき画像データから順次両面印刷すべく制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷制御部は、前記引き抜き検出部により媒体の引き抜きが検出された場合、前記給紙部から別の媒体を順次給紙し、前記画像印刷部が前記引き抜かれた媒体の第ニ面に印刷すべき画像データを片面印刷し、その次の画像データから順次両面印刷すべく制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷装置は、媒体を挿入するための手差し機構と、
前記手差し機構に媒体が挿入されたことを検知するための挿入検知部と、
前記挿入検知部により前記手差し機構に媒体が挿入されたことを検知すると、該手差し機構に挿入された媒体を給紙する手差し給紙部とを更に備え、
前記印刷制御部は、前記引き抜き検出部により媒体の引き抜きが検出され、かつ前記挿入検知部により前記手差し機構に媒体が挿入されたことを検知すると、前記画像印刷部が前記引き抜かれた媒体の第ニ面に印刷すべき画像データを前記手差し給紙部により給紙された媒体の第ニ面に印刷すべく制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷装置は、前記引き抜き検出部により媒体の引き抜きが検出された場合、表示部に引き抜いた媒体を印刷未処理の面を上側にして前記手差し機構に挿入させるべく通知するための通知情報を表示させる表示制御部を更に備えることを特徴とする請求項1及び4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記挿入検知部は、前記手差し機構に媒体が挿入されたことを、操作部が有する決定キーの押下に基づいて検知することを特徴とする請求項1及び4に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記印刷装置は、前記引き抜き検出部により媒体の引き抜きが検出された場合、前記印刷制御部が前記給紙部から新規の媒体を給紙して印刷を継続するか、又は引き抜かれた媒体を前記手差し機構に挿入させて印刷を継続するかを設定するための設定部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷制御部は、前記引き抜き検出部により媒体の引き抜きが検出された場合、前記給紙部からの後続する媒体の給紙が完了している場合は、前記画像印刷部が該後続する媒体に印刷を行うよう制御し、該媒体を前記反転部内に搬送させ、
前記表示制御部は、前記印刷制御部が前記後続する媒体を前記反転部内に搬送させてから、前記表示部に前記通知情報を表示させることを特徴とする請求項1、4、5に記載の印刷装置
【請求項9】
前記引き抜き検出部は、前記排出機構の近傍に配設され該排出機構より外部に排出される媒体の有無及び前記反転部により内部に引き戻された媒体の有無を検知する第一センサと、媒体が前記反転部内に挿入されたか否かを検知する第二センサとを有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記引き抜き検出部は、前記反転部が媒体を内部へ引き戻すべく処理を開始してから所定時間を経過しても、前記第一センサ及び前記第二センサが該媒体を検知しない場合において、媒体の引き抜きが生じたと検出することを特徴とする請求項1及び9に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−228422(P2010−228422A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81384(P2009−81384)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】