説明

原位置でのSTEMサンプル作製方法

【課題】フリップステージなしにFIB−STEMシステムで使用されることができるSTEMサンプル作製および解析のための方法を提供する。
【解決手段】方法は、約60度の最大傾斜を有する典型的な傾斜ステージを有するデュアル・ビームFIB/STEMシステムが、基板からSTEMサンプルを抜き出し、TEMサンプル・ホルダ上にサンプルを搭載し、FIBミリングを使用してサンプルを薄化し、かつサンプル面がSTEM撮像のために垂直電子カラムに垂直であるように、サンプルを回転するために使用されることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプル作製方法、および走査透過電子顕微鏡による解析のためのサンプル取り扱い方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製作などの半導体製造は、通常はフォトリソグラフィを使用する。その上に回路が形成される、通常シリコン・ウェハである半導体基板は、放射に露光されたときに溶解性を変えるフォトレジストなどの材料で被覆される。放射源と半導体基板との間に配置されるマスクまたはレチクルなどのリソグラフィ・ツールは、基板のどの領域が放射に露光されるかを制御するために影を投じる。露光後、フォトレジストは、以降のエッチングまたは拡散プロセスの間にウェハの部分を保護する、パターン形成されたフォトレジストの層を残して露光された領域あるいは露光されていない領域から取り除かれる。
【0003】
フォトリソグラフィ・プロセスによって、しばしば「チップ」と呼ばれる複数の集積回路デバイスまたは電子機械デバイスを、各ウェハ上に形成することができる。ウェハは、次に、それぞれ単一の集積回路デバイスまたは電子機械デバイスを含む個別のダイに切り分けられる。最終的に、これらダイは、更なる工程を経て、個別の集積回路チップまたは電子機械デバイスにパッケージングされる。
【0004】
製造プロセスの間、露光および焦点における変動は、パターンの寸法が許容可能な範囲内にあるかどうかを判定するために、リソグラフィ・プロセスによって作られたパターンを連続して監視または測定することを必要とする。しばしばプロセス制御と呼ばれるそのような監視の重要性は、パターン・サイズがより小さくなると、特に最小特徴部サイズが、リソグラフィ・プロセスによって利用可能な解像度の限界に近づくときにかなり増大する。より高いデバイス密度を達成するために、ますますより小さい特徴部サイズが必要である。これは、相互接続ラインの幅および間隔、コンタクト・ホールの間隔および直径、ならびに様々な特徴部の角部および縁部などの表面幾何形状を含むことがある。ウェハ上の特徴部は、三次元構造であり、完全な特徴付けは、ラインまたはトレンチの頂部幅などのまさに表面寸法ではなく、特徴部の完全な三次元プロファイルを記載しなければならない。プロセス技術者は、製作プロセスを微細に調整しかつ所望のデバイス幾何形状が得られることを確実にするために、そのような表面特徴部の臨界寸法(CD)を正確に測定することができなければならない。
【0005】
典型的にCD測定は、走査電子顕微鏡(SEM)などの機器を使用して行われる。走査電子顕微鏡(SEM)において、一次電子ビームが、観察されるべき表面を走査する微細なスポットに集束される。二次電子が、一次ビームが当たったときに表面から放出される。二次電子が検出され、かつ画像が形成され、画像の各点での輝度が、ビームが表面の対応するスポットに当たるときに検出される二次電子の数によって決定される。しかしながら、特徴部がますますより小さくなり続けると、測定されるべき特徴部が、通常のSEMによって提供される解像度に対して小さすぎる点になる。
【0006】
透過電子顕微鏡(TEM)は、観察者がナノメートルのオーダで非常に小さい特徴部を見ることを可能にする。材料の表面を撮像するだけのSEMとは対照的に、TEMは、サンプルの内部構造の解析をも可能にする。TEMにおいて、広帯域ビームが、サンプルに当たり、サンプルを通って伝導する電子は、サンプルの画像を形成するために集束される。サンプルは、一次ビームにおける多くの電子が、サンプルを通って移動して反対側のサイトで出ることを可能にするために十分に薄くなければならない。サンプルは、典型的に100nm厚み未満である。
【0007】
走査透過電子顕微鏡(STEM)において、一次電子ビームは、微細なスポットに集束され、スポットは、サンプル表面を亘って走査される。基板を通って伝導される電子は、サンプルの離れた側の電子検出器によって収集され、画像の各点の強度は、一次ビームが表面の対応する点に当たるときに収集された電子の数に対応する。
【0008】
サンプルは、透過電子顕微鏡(TEMまたはSTEMのいずれか)で観察するために非常に薄くなければならないので、サンプル作製は、繊細で時間がかかる作業であり得る。本明細書で使用される用語「TEM」は、TEMまたはSTEMを含み、TEMのためのサンプルの調整とは、STEMで観察するためにサンプルを作製することも含むと理解されるべきである。本明細書で使用される用語「STEM」も、TEMおよびSTEMの両方を含む。TEMサンプルを作製する1つの方法は、イオン・ビームを使用して基板からサンプルを切断することである。プローブが、サンプルが完全に切り離される前または後のいずれかで、サンプルに取り付けられる。プローブは、例えば静電的に、あるいはFIB堆積によって、または接着剤によって取り付けられることができる。プローブが取り付けられたサンプルは、その切り離された基板から取り出され、典型的には、FIB堆積、静電的、または接着剤を使用してTEMグリッドまたはサンプル・ホルダに取り付けられる。
【0009】
図1は、部分的な円形の3mmリングを備える典型的なTEMサンプル・ホルダ10を示す。いくつかの応用例において、サンプル20は、イオン・ビーム堆積または接着剤によってTEMサンプル・ホルダの1つまたは複数のフィンガ14に取り付けられることができる。TEMにおいて、電子ビーム(図13に示される)が、TEMグリッドの平面が電子ビームに対して垂直であるときに、サンプル20を通ってサンプル下で検出器への自由経路を有するように、フィンガ16から延在する。
【0010】
TEM試料を作製するためのいくつかの技術が知られている。これらの技術は、へき開、化学研磨、機械研磨、または広帯域ビームの低エネルギ・イオン・ミリング、あるいは上記の1つまたは複数の組合せを含むことができる。これら技術の欠点は、それら技術が、サイトに特定ではなく、しばしば開始材料をより小さい片に分割する必要があり、それによって元のサンプルの多くを破壊することである。
【0011】
一般に「リフト・アウト(lift−out)」技術と呼ばれる他の技術は、基板の周囲の部品を破壊または損傷することなく、基板またはバルク・サンプルからサンプルを切断するために集束イオン・ビームを使用する。そのような技術は、集積回路の製作に使用されるプロセスの結果、ならびに物理または生物科学に一般的な材料の解析に有用である。これらの技術は、任意の向き(例えば、断面または平面図のいずれか)でサンプルを解析するために使用されることができる。いくつかの技術は、TEMで直接使用するために十分に薄くサンプルを抜き出し、他の技術は、観察前にさらに薄くすることを必要とする「チャンク」または大きなサンプルを抜き出す。さらに、これら「リフト・アウト」試料は、TEM以外の他の解析ツールによって直接解析することもできる。サンプルを、(ウェハ全体が、サンプル除去のために他のツールに移されるときに)FIBシステム真空室の外側に基板から抜き出す技術は、一般に、「外位置(ex−situ)」技術と呼ばれ、サンプル除去を、真空室内側で行う技術は、「原位置(in−situ)」技術と呼ばれる。原位置リフト・アウト技術は、2007年5月3日に出願された「S/TEM Sample and Method of Extracting S/TEM Sample」でTanguayらへの米国特許仮出願で議論されている。
【0012】
チャンク・タイプのサンプルの原位置リフト・アウトは、典型的に図2から図5に示される以下の連続ステップで達成される。最初に、図2から図5に示されるように、サンプル20は、集束イオン・ビーム22を用いるミリングによって、基板21から完全にまたは部分的に分離される。このステップは、典型的に、本発明の譲受人であるOR、HillsboroのFEI Companyから入手可能な、Expida(商標)1255DualBeam(商標)Systemなどのデュアル・ビームFIB/SEMシステムを使用して達成される。次に、図4に示されるように、マイクロプローブ先端23が、FIB誘導化学蒸着によってサンプルに取り付けられる。部分的にだけ分離されたサンプルの場合、サンプルは、次にさらなるFIBミリングによって完全に自由にされる。このプロセスは、典型的にほぼ10×5×5μmのサイズである、図6に示されるようなくさび形状のサンプル60を結果として生じる。頂部表面62は、このようにほぼ10μm長さ×5μm幅である。
【0013】
図5および図7に示されるように、サンプルは、次に、取り付けられたマイクロプローブによってTEMサンプル・ホルダ24へ移送される。サンプルの移送は、典型的には、その頂部表面がTEMサンプル・ホルダの平面に対して垂直に向けられたままになるように、その向きを変えない。サンプル20は、サンプル・ホルダ24に取り付けられ(やはりFIB誘導CVDを用いて)、次に、マイクロプローブ23が取り付けられたサンプルの端部は自由に切り離される。このステップのシーケンスは、図8から図10に示される。
【0014】
この時点で、同じFIBシステム内でまたは第2のFIBシステムへ移送された後のいずれかで、サンプルは、電子を透過する薄いセクションに薄化される。サンプルの薄化は、図11〜図13に示される。サンプルは、次に、図14に示されるようにTEMまたはSTEMにおいて電子ビーム25で撮像することができる。典型的なデュアル・ビームFIB/SEMは、サンプルに対して垂直に(90度に)向けられたSEMカラムと、ほぼ52度の角度のFIBカラムとを有する。FIBは、薄化プロセスの間にサンプルの頂部表面にほぼ垂直であるべきであり(したがって、薄化されたサンプルの所望の表面に平行)、またSEMは、STEM撮像の間にサンプル面に対して垂直であるべきなので、薄化ステップと撮像ステップとの間でサンプルを再配置して、サンプル向きを変更する必要がしばしばある。結果として、多くの従来技術のシステムで、薄化ステップと撮像ステップとの間でサンプルを再配置するために、真空を中断する必要がある。
【0015】
さらに、しばしば、SEMを使用してミリングする間にサンプルを撮像することが望ましい。サンプルを薄化している間にSEMまたはSTEMを使用して行う撮像は、サンプルの厚みおよびサンプル内の関心対象の特徴部の位置を直接監視することを可能にする。STEM撮像は、サンプル表面が電子ビームに対してある角度にあるときでも(サンプルが、ミリングの間にイオン・ビームに向けられる場合である)、数学的に角度を補償することによって使用することができる。SEM撮像は、100nm以下の特徴部の断面がCD−SEMによって測定されるのと同じ方法で、サンプルを監視するために使用することもできる。FIB薄化を制御するためのトップダウンSEM撮像の使用は、Blackwoodらの「Method for S/TEM Sample Analysis」の米国特許仮出願第60/853183号で議論された。
【0016】
一般的な傾斜サンプル・ステージが、多くのFIB/SEMシステムで使用されるが、そのようなステージは、典型的には約60度の最大傾斜を有する。これは、SEMがサンプル面に垂直(90度で)であるように、サンプルを回転することを可能にするのに十分でないことは明らかである。
【0017】
90度以上の回転範囲でサンプル・ステージを旋回することが知られている。1つのそのような「フリップステージ(flipstage)」配置は、「Method for the manufacture and transmissive irradiation of a sample,and particle−optical system」のAsselbergsらへの米国特許第6963068号に記載される。このタイプのステージは、本発明の譲渡人であるOR、HillsboroのFEI CompanyからFlipstage(商標)として商業的に入手可能である。
【特許文献1】米国特許仮出願、Tanguayら、「S/TEM Sample and Method of Extracting S/TEM Sample」
【特許文献2】米国特許仮出願第60/853183号
【特許文献3】米国特許第6963068号
【特許文献4】米国特許第5851413号
【特許文献5】米国特許第5435850号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
フリップステージ・システムは、多くの利点を提供するが、そのようなシステムは、高価でありかつ既存のFIB/SEMシステムに追加することは容易ではない。必要なことは、サンプルがFIBミリング、上記からのSEM/STEM撮像、およびサンプルを通るSTEM撮像のために適切に再配置することを可能にし、かつフリップステージなしにデュアル・ビーム(Dual Beam)FIB−STEMシステムで使用されることができる、TEMサンプル作製および解析のための改善された方法である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
したがって、本発明の目的は、フリップステージなしにFIB−STEMで使用することができるSTEMサンプル作製および解析のための改善された方法を提供することである。本発明の好ましい実施形態は、約60度の最大傾斜を有する典型的な傾斜ステージを有するデュアル・ビームFIB−STEMシステムが、基板からSTEMサンプルを抜き出し、TEMサンプル・ホルダ上にサンプルを搭載し、FIBミリングを使用してサンプルを薄化し、かつサンプル面がSTEM撮像のために垂直電子カラムに直角になるように、サンプルを回転するために使用することを可能にする。
【0020】
前述は、以下の本発明の詳細な説明が、より良好に理解されることができるために、本発明の特徴および技術的な利点をより広範に概説した。本発明の追加の特徴および利点は、以降に説明される。開示される概念および特定の実施形態は、本発明の同一の目的を実行するために修正または他の構造を設計するための基礎として容易に使用されることができることは、当業者には理解されるべきである。また、そのような等価な制約は、添付の特許請求の範囲に示される本発明の精神および範囲から逸脱しないことは、当業者には認識されるべきである。
【0021】
次に、本発明およびその利点をより完全に理解するために、添付の図面に関連して行われる以下の説明への参照が行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の好ましい実施形態は、フリップステージなしにFIB−STEMシステムで使用することができるSTEMサンプル作製および解析のための改善された方法を提供する。
【0023】
本発明の好ましい方法または装置は、多くの新規な態様を有し、本発明が、異なる目的のために異なる方法または装置で実現することができるので、全ての態様は、全ての実施形態で示される必要はない。さらに、説明される実施形態の多くの態様は、別々に特許可能であり得る。
【0024】
本発明によるSTEM撮像のためのサンプル作製の好ましい方法は、以下のステップを含む。すなわち、
垂直SEMカラムおよびSEMカラムに対してある角度に向けられたFIBカラムを備えるデュアル・ビームFIB/STEMシステムの内部に、基板を提供するステップと、
抜き出されたSTEMサンプルを保持するためのサンプル・ホルダを提供するステップであって、サンプル・ホルダは、FIB/STEMシステムの内部のサンプル・ステージ上に搭載され、サンプル・ステージは、サンプル・ステージ平面を有し、かつ90度未満の最大傾斜を有する回転および傾斜ステージを備え、サンプル・ホルダは、サンプル・ステージ平面に垂直なサンプル・ホルダ平面を有する、サンプル・ホルダを提供するステップと、
イオン・ビームを使用して基板からサンプルを切り離すステップであって、切り離されたサンプルは頂部表面を有している、サンプルを自由にするステップと、
サンプル・ステージを傾斜することによって、第1の角度にサンプル・ホルダを傾斜させるステップと、
サンプルの頂部表面が、サンプル・ホルダ平面に対して前記第1の角度に向けられるように、傾斜したTEMサンプル・ホルダ上にサンプルを搭載するステップと、
サンプル・ステージ平面が0度傾斜であるように、サンプル・ステージを傾斜させるステップと、
サンプル・ホルダを180度だけ回転するステップと、
第1の角度と第2の角度の組合せが、結果として搭載されたサンプルの頂部表面をFIBカラムの向きに垂直に向けられるように、回転されたサンプル・ホルダを第2の角度に傾斜させるステップと、
サンプルのミリングによってイオン・ビームを使用してサンプルを薄化するステップであって、ミリングが、FIBカラムの向きに平行なサンプル面を作る、サンプルを薄化するステップと、
第1の角度と第3の角度の組合せが、ほぼ90度に等しく、かつサンプル面が、垂直SEMカラムに実質的に直角に向けられるように、サンプル・ホルダを第3の角度に傾斜させるステップと、
搭載されたサンプルをSTEMを用いて観察するステップとである。
【0025】
図15は、本発明の好ましい実施形態による1つまたは複数のサンプルを作りかつ撮像するステップを示すフローチャートである。プロセスにおける様々なステップは、図16から図22に示される。
【0026】
最初にステップ301において、半導体ウェハなどの基板は、FIBカラムおよびSEMカラムの両方を有するデュアル・ビームFIB/STEMシステムに搭載される。また図16を参照すると、典型的なデュアル・ビーム構成は、垂直方向に対して傾斜された(通常ほぼ52度の傾斜で)軸168を有するイオン・カラム166を備える、垂直軸164を有する電子カラム162である。ウェハは、手動でも移送することができるが、ウェハは、当技術分野でよく知られているように、好ましくはマルチ・ウェハ・キャリアおよび自動搭載ロボットによって移送される。
【0027】
ステップ302において、基板から抜き出されるべきサンプル(関心対象の特徴部を含む)の位置が決定される。例えば、基板は、半導体ウェハまたはその一部であることができ、抜き出されるべき部分は、STEMを使用して観察されるべき集積回路の一部を含むことができる。
【0028】
ステップ304において、サンプルは、上述されかつ図2〜図3に示されるように集束イオン・ビームを用いるミリングによって基板から分離される。次に、ステップ306において、マイクロプローブ先端が、FIB誘導化学蒸着によってサンプルに取り付けられ、サンプルは、上述されかつ図4〜図5に示されるように、基板から切り離される。ステップ304および306は、好ましくは、(サンプル・ステージ平面が、垂直方向に対して直角であるように)ゼロ度の傾斜のFIB/STEMサンプル・ステージを用いて実行される。
【0029】
ステップ308において、サンプルは、次に、TEMサンプル・ホルダに取り付けられたマイクロプローブによって移送される。サンプル・ホルダは、好ましくは、図1に示されるものなどTEMフィンガ・グリッドを備える。図16も参照すると、TEMサンプル・ホルダは、好ましくは、TEMサンプル・ホルダ12の垂直軸が、サンプル・ステージ表面の平面169に垂直であるように、ステージ上に垂直に搭載される。さらに、ステージは、好ましくは、90度未満の最大傾斜を有する回転および傾斜ステージを備える。(換言すれば、最大傾斜でのサンプル・ステージ平面の角度は、ゼロ度の傾斜のサンプル・ステージ平面に対して90度未満である。)いくつかの状況において、90度以上の最大傾斜を有するステージを使用して、本発明の方法を用いることが望ましいことではあるが、通常は、このタイプのフリップステージを用いて、サンプルは通常通りに搭載され、ミリングおよびSTEM観察のための所望の角度に傾斜されることができる。
【0030】
ステップ310において、TEMサンプル・ホルダを保持するステージは、好ましくは、サンプル・ステージを傾斜することによって第1の角度に予め傾斜される(サンプル・ステージ平面169は、傾斜が0度のサンプル・ステージ平面に対して第1の角度で傾斜される)。例えば図16において、TEMステージは、38度の角度で事前傾斜され、次に38度の角度に(ゼロ度のステージ傾斜を有するTEMサンプル・ホルダ平面に対して)TEMサンプル・ホルダ平面170を傾斜する。第1の角度は、好ましくは、ステージの最大傾斜と、最大傾斜と90度との間の差異との間の範囲内にある。例えば、ステージが60度の最大傾斜を有する場合に、第1の角度は、好ましくは、30度から60度である。ステップ312において、サンプル(ゼロ度の傾斜のままである)は、次に、図23に示されるように傾斜されたグリッドに取り付けられ、取り付けられたマイクロプローブは、自由に切断される。TEMサンプル・ホルダが、第1の角度に傾斜され、かつサンプル頂部表面が、その元々の向きに留まるので、搭載されたサンプルの頂部表面は、TEMサンプル・ホルダ平面に対して同じ第1の角度に配置される。
【0031】
ステップ314において、ステージ(サンプル・ホルダとともに)は、図17に示されるようにゼロ度に戻される。ステップ316において、図18および図19に示され、ステージは、次に180度だけ回転され、次に図19に示される実施形態において14度である第2の角度に傾斜される。第1の事前傾斜角度(38°)および第2の角度(14°)の組合せにより、サンプル表面が、垂直方向に対して52度の傾斜で配向されるFIBカラムに対して垂直になる。
【0032】
この点で、ステップ318において、サンプルは、図24および図25に示されるようにイオン・ビームを用いてミリングすることによって、サンプル表面28を有し電子を透過する薄いセクションに薄化される。FIBミリングの間に、サンプルは、SEMまたはSTEMのいずれかを使用して撮像することができる。必要であれば、ステージは、より良好な品質制御のためにいずれかの側に数度だけ傾斜することができる。最終的なSEM画像だけが必要であるなら、サンプルは、一方側だけ薄化することができる。そうでなければ、サンプルは、好ましくは両側から薄化される。
【0033】
薄化が完了すると、ステップ320において、ステージは、STEM撮像のために第3の角度に傾斜される。第3の角度および第1の角度を組み合わせることにより、図26に示されるように垂直SEMカラムからの電子ビーム25に対してサンプル面28が垂直になるように傾斜されるように、好ましくは90度に等しい。事前傾斜角度が30°より大きい限り、最大60°傾斜ステージ(典型的な傾斜ステージ)で上記の方法が有効に作用する。事前傾斜角度および最終傾斜角度は、α+β=90°(ここで、αは事前傾斜角度であり、βは最終STEM撮像傾斜角度である)の簡単な式に従う。
【0034】
図21に示される実施形態において、ステージは52度に傾斜される。サンプルは、38度の角度に搭載されるので、第1の角度と第3の角度との組合せは、SEMカラムに垂直なサンプル面を結果として生じる(52°+38°=90°)。上述の方法による角度の他の好ましい選択は、52°で(回転0°)でステージを事前傾斜し、次に0°のステージ傾斜で(回転180°)薄化し、38°のステージ傾斜で(回転180°)で最終STEM画像を終了する。
【0035】
最終的に、ステップ322で、サンプル面28がSEMカラムに対して垂直であるように、サンプルが傾斜されると、サンプル20は、図26に示されるように電子ビーム25およびSTEM検出器26を使用して撮像することができる。
【0036】
図20は、本発明を実行するのに適した典型的なデュアル・ビーム・システム210を示しており、垂直搭載されたSEMカラムおよび垂直方向からほぼ52度の角度に搭載された集束イオン・ビーム(FIB)カラムを備えている。適切なデュアル・ビーム・システムは、例えば、本出願の譲受人であるOregon、HillsboroのFEI Companyから商業的に入手可能である。適切なハードウェアの実施例は、以下に提供されるが、本発明は、任意の特定のタイプのハードウェアでの実施に制限されない。
【0037】
走査電子顕微鏡241は、電源および制御ユニット245とともにデュアル・ビーム・システム210に備わっている。電子ビーム243は、カソード252とアノード254との間に電圧を印加することによって、カソード252から放出される。電子ビーム243は、集光レンズ256および対物レンズ258によって微細なスポットに集束される。電子ビーム243は、偏向コイル260によって試料上で二次元に走査される。集光レンズ256、対物レンズ258、および偏向コイル260の動作は、電源および制御ユニット245によって制御される。
【0038】
電子ビーム243は、下部室226内の可動X−Yステージ225上にある基板222上に集束することができる。電子ビーム内の電子が基板222に当たるとき、二次電子が放出される。これら二次電子は、以下に述べられるように二次電子検出器240によって検出される。TEMサンプル・ホルダ224およびステージ225の下に配置されるSTEM検出器262は、上記に述べられるようにTEMサンプル・ホルダ上に搭載されたサンプルを通って伝導される電子を収集することができる。
【0039】
デュアル・ビーム・システム210は、また集束イオン・ビーム(FIB)システム211を含み、集束イオン・ビーム(FIB)システム211は、イオン源214、および抽出電極および静電光学システムを含む集束カラム216が内部に配置された上部ネック部分212を有する排気されたチャンバを備える。集束カラム216の軸は、電子カラムの軸から52度傾斜される。イオン・カラム212は、イオン源214、抽出電極215、集束要素217、偏向要素220、および集束イオン・ビーム218を含む。イオン・ビーム218は、イオン源214からカラム216を通って基板222に向かって220で概略的に示される静電偏向手段間を通過し、基板222は、例えば、下部室226内の可動X−Yステージ225上に配置される半導体デバイスを備える。
【0040】
ステージ225は、サンプルが、半導体デバイスから抜き出されかつTEMサンプル・ホルダに移動することができるように、1つまたは複数のTEMサンプル・ホルダ224も支持することができる。ステージ225は、好ましくは、水平平面内(XおよびY軸)および垂直に(Z軸)移動することができる。ステージ225は、また、ほぼ60度傾斜しかつZ軸を中心に回転することができる。いくつかの実施形態において、別個のTEMサンプル・ステージ(図示されず)を使用することができる。そのようなTEMサンプル・ステージは、また好ましくはX、Y、およびZ軸で可動である。ドア261は、X−Yステージ225上に基板222を挿入するために、かつまた内部ガス供給リザーバが用いられる場合にはそれを使用するために開放される。ドアは、システムが真空下にある場合に開放できないように、インタロックされる。
【0041】
イオン・ポンプ228は、ネック部分212を排気するために用いられる。チャンバ226は、真空コントローラ232の制御下でターボ分子および機械ポンピング・システム230で排気される。真空システムは、チャンバ226内にほぼ1×10-7Torr(1.3×10-7mbar)と5×10-4Torr(6.7×10-4mbar)との間の真空を提供する。エッチ・アシスト、エッチ遅延ガス、または蒸着前駆ガスが使用される場合、チャンババックグラウンド圧力は、典型的に約1×10-5Torrに上昇する。
【0042】
高電圧電源が、イオン・ビーム218を給電しかつ集束するために、集束カラム216で集束するイオン・ビーム内の電極に適切な加速電圧を提供する。それが基板222に当たるとき、サンプルから材料がスパッタリングされる、すなわち物理的に放出される。あるいは、イオン・ビーム218は、材料を堆積するために前駆ガスを分解することができる。
【0043】
高電圧電源234は、1keVから60keVのイオン・ビーム218を適切に形成し、かつそのイオン・ビーム218をサンプルに向けるために、液体金属イオン源214ならびにイオン・ビーム集束カラム216内の適切な電極に接続される。パターン生成器238によって提供される所定のパターンに従って動作する偏向コントローラおよび増幅器236は偏向プレート220に結合され、それによって、イオン・ビーム218を手動でまたは自動で制御することができるようになり、基板222の上部表面上の対応するパターンを描くことができる。いくつかのシステムにおいて、偏向プレートは、従来技術で知られているように最終レンズ前に配置される。イオン・ビーム集束カラム216内のビーム・ブランキング開口(図示されず)は、ブランキング・コントローラ(図示されず)が、ブランキング電極にブランキング電圧を印加するとき、基板222の代わりにブランキング開口(図示されず)にイオン・ビーム218を当てさせる。
【0044】
液体金属イオン源214は、典型的にガリウムの金属イオン・ビームを提供する。源は、典型的に、イオン・ミリング、強化エッチ、材料蒸着によって基板222を修正するためか、または基板222を撮像するための目的のいずれかで、基板222に10分の1マイクロメートル以下のビーム幅に集束することができる。
【0045】
二次イオンまたは電子放出を検出するために使用される、Everhart Thornleyまたはマルチ・チャネル・プレートなどの荷電粒子検出器240は、ビデオ・モニタ244へ駆動信号を供給しかつコントローラ219から偏向信号を受けるビデオ回路242に接続される。下部室226内の荷電粒子検出器240の位置は、異なる実施形態において変更することができる。例えば、荷電粒子検出器240は、イオン・ビームと同軸であり、かつイオン・ビームが通過することを可能にする孔を含むことができる。他の実施形態において、二次粒子は、最終レンズを介して収集され、かつ次に収集のために軸から外されることができる。
【0046】
Texas、DallasのOmniprobe,Inc.からのAutoProbe 200(商標)、または独国Reutlingen、Kleindiek NanotechnikからのModel MM3Aなどのマイクロマニピュレータ247は、真空室内の対象物を正確に移動することができる。マイクロマニピュレータ247は、真空室内に配置された部分249のX、Y、Zおよびシータ制御を提供するために、真空室の外側に配置される精密電気モータ248を備えることができる。マイクロマニピュレータ247は、小さな対象物を操作するために異なるエンド・エフェクタに取り付けることができる。本明細書に説明される実施形態において、エンド・エフェクタは、薄いプローブ650である。
【0047】
ガス送出システム246は、基板222に向かってガス蒸気を導入しかつ向けるために下部室226内に延在する。本発明の譲受人に譲渡された「Gas Delivery Systems for Particle Beam Processing」のCasellaらへの米国特許第5851413号は、適切なガス送出システム246を説明する。他のガス送出システムは、やはり本発明の譲受人に譲渡された「Gas Injection System」のRasmussenへの米国特許第5435850号で説明される。例えば、ヨウ素がエッチングを強化するために送出されることができ、または有機金属化合物が金属を堆積するために送出されることができる。
【0048】
システム・コントローラ219は、デュアル・ビーム・システム210の様々な部品の動作を制御する。システム・コントローラ219を介して、ユーザは、イオン・ビーム218または電子ビーム243が、従来のユーザ・インタフェース(図示されず)に入力されるコマンドを介して所望の方法で走査されるようにすることができる。代わりに、システム・コントローラ219は、プログラムされた指示に従ってデュアル・ビーム・システム210を制御することができる。いくつかの実施形態において、デュアル・ビーム・システム210は、関心対象の領域を自動的に識別するために、Massachusetts、Natick、Cognex Corporationから商業的に入手可能なソフトウェアなどの画像認識ソフトウェアを組み込んだ上で、本発明によって手動でまたは自動でサンプルを抜き出すことができる。例えば、システムは、複数のデバイスを含む半導体ウェハ上の類似する特徴部を自動的に位置決めし、異なる(または同じ)デバイス上のこれら特徴部のサンプルを取り出すことができる。
【0049】
上述された本発明は、広範に応用可能性を有し、上記実施例で説明されかつ示されるように多くの利点を提供することができる。実施形態は、特定の応用に応じて大きく変わり、必ずしも全ての実施形態が、全ての利点を提供し、かつ本発明によって達成可能である全ての目的を満たすものではない。例えば、好ましい実施形態において、TEMサンプルは、サブ・マイクロメートル・スポットに集束されるガリウム・イオンのビームを作るために、ガリウム液体金属イオン源を使用して生成される。そのような集束イオン・ビーム・システムは、例えば、本発明の譲受人であるFEI Companyから商業的に入手可能である。しかしながら、前記説明の多くは、FIBミリングの使用に関するものであるが、所望のTEMサンプルを処理するために使用されるミリング・ビームは、例えば、電子ビーム、レーザ・ビーム、または、例えば液体金属イオン源もしくはプラズマ・イオン源からの集束されたあるいは整形されたイオン・ビーム、あるいは任意の他の荷電粒子ビームを含むことができる。さらに、前記説明の多くは、半導体ウェハに関するが、本発明は、任意の適切な基板または表面に適用することができる。
【0050】
本発明およびその利点は、詳細に説明されるが、様々な変化、置換、および代替が、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に説明される実施形態に行われることができることは理解されるべきである。さらに、本出願の範囲は、明細書に記載されるプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、およびステップの特定の実施形態に限定することを目的としない。当業者は、本発明の開示から容易に理解されるので、現在存在し、または実質的に同じ機能を実行しまたは本明細書で説明される対応する実施形態と実質的に同じ結果を達成する後で開発される、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップは、本発明に従って利用されることができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップをそれらの範囲内に含むことを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】典型的な従来技術のTEMサンプル・ホルダを示す。
【図2】従来技術によるチャンク・タイプのTEMサンプルの典型的な原位置リフト・アウトにおけるステップを示す。
【図3】従来技術によるチャンク・タイプのTEMサンプルの典型的な原位置リフト・アウトにおけるステップを示す。
【図4】従来技術によるチャンク・タイプのTEMサンプルの典型的な原位置リフト・アウトにおけるステップを示す。
【図5】従来技術によるチャンク・タイプのTEMサンプルの典型的な原位置リフト・アウトにおけるステップを示す。
【図6】図2〜図5に示されるプロセスによって作られる典型的なくさび形状サンプルを示す。
【図7】従来技術によるTEMサンプル・ホルダに図2〜図5のサンプルを取り付けるプロセスを示す。
【図8】従来技術によるTEMサンプル・ホルダに図2〜図5のサンプルを取り付けるプロセスを示す。
【図9】従来技術によるTEMサンプル・ホルダに図2〜図5のサンプルを取り付けるプロセスを示す。
【図10】従来技術によるTEMサンプル・ホルダに図2〜図5のサンプルを取り付けるプロセスを示す。
【図11】従来技術による図6〜図9のサンプル薄化のプロセスを示す。
【図12】従来技術による図6〜図9のサンプル薄化のプロセスを示す。
【図13】従来技術による図6〜図9のサンプル薄化のプロセスを示す。
【図14】従来技術によるSTEMを使用する図10〜図13の薄化されたサンプルの撮像を例示する。
【図15】本発明によるサンプルの処理および撮像におけるステップを示すフローチャートである。
【図16】本発明によるサンプルの処理および撮像における様々なステップを示す。
【図17】本発明によるサンプルの処理および撮像における様々なステップを示す。
【図18】本発明によるサンプルの処理および撮像における様々なステップを示す。
【図19】本発明によるサンプルの処理および撮像における様々なステップを示す。
【図20】本発明によるサンプルの処理および撮像における様々なステップを示す。
【図21】本発明によるサンプルの処理および撮像における様々なステップを示す。
【図22】本発明を実装するため使用されることができる典型的なデュアル・ビームFIB/STEMシステムを示す。
【図23】本発明によるサンプルの搭載および薄化のステップを示す。
【図24】本発明によるサンプルの搭載および薄化のステップを示す。
【図25】本発明によるサンプルの搭載および薄化のステップを示す。
【図26】本発明によるSTEMを使用する図23〜図25の薄化されたサンプルの撮像を例示する。
【符号の説明】
【0052】
10、224 TEMサンプル・ホルダ
14、16 フィンガ
20 サンプル
21、222 基板
22、218 集束イオン・ビーム
23 マイクロプローブ先端
25、243 電子ビーム
26、262 STEM検出器
28 サンプル面
60 くさび形状サンプル
62 頂部表面
162 電子カラム
164、168 軸
166 イオン・カラム
169 サンプル・ステージ平面
170 TEMサンプル・ホルダ平面
210 デュアル・ビーム・システム
211 集束イオン・ビーム・システム
212 上部ネック部分
214 イオン源
215 抜き出し電極
216 集束カラム
217 集束要素
219 システム・コントローラ
220 偏向要素、偏向プレート
225 X−Yステージ
226 下部室
228 イオン・ポンプ
230 ポンピング・システム
232 真空コントローラ
234 高電圧電源
236 偏向コントローラおよび増幅器
238 パターン生成器
240 二次電子検出器、荷電粒子検出器
241 捜査電子顕微鏡
242 ビデオ回路
244 ビデオ・モニタ
245 電源および制御ユニット
246 ガス送出システム
247 マイクロマニピュレータ
248 精密電気モータ
249 部分
252 カソード
254 アノード
256 集光レンズ
258 対物レンズ
260 偏向コイル
261 ドア
650 薄いプローブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
STEM撮像のためにサンプルを作製する方法であって、
垂直SEMカラムおよび前記SEMカラムに対してある角度に向けられたFIBカラムを備えるデュアル・ビームFIB/STEMシステム内側に、基板を提供するステップと、
抜き出されたSTEMサンプルを保持するためのサンプル・ホルダを提供するステップであって、前記サンプル・ホルダは、前記FIB/STEMシステム内部のサンプル・ステージ上に搭載され、前記サンプル・ステージは、サンプル・ステージ平面を有し、かつ90度未満の最大傾斜を有する回転および傾斜ステージを備え、前記サンプル・ホルダは、前記サンプル・ステージ平面に垂直なサンプル・ホルダ平面を有する、サンプル・ホルダを提供するステップと、
イオン・ビームを使用して前記基板からサンプルを切り離すステップであって、切り離された前記サンプルは頂部表面を有している、サンプルを切り離すステップと、
前記サンプル・ステージを傾斜することによって、第1の角度に前記サンプル・ホルダを傾斜させるステップと、
前記サンプルの前記頂部表面が、前記サンプル・ホルダ平面に対して前記第1の角度に向けられるように、傾斜した前記TEMサンプル・ホルダ上に前記サンプルを搭載するステップと、
前記サンプル・ステージ平面が0度傾斜であるように、前記サンプル・ステージを傾斜させるステップと、
前記サンプル・ホルダを180度だけ回転するステップと、
前記第1の角度と第2の角度の組合せが、結果として搭載された前記サンプルの前記頂部表面が前記FIBカラムの向きに垂直に向けられるように、回転された前記サンプル・ホルダを前記第2の角度に傾斜させるステップと、
前記サンプルのミリングによって前記イオン・ビームを使用して前記サンプルを薄化するステップであって、前記ミリングが、前記FIBカラムの向きに平行なサンプル面を作る、サンプルを薄化するステップと、
前記第1の角度と第3の角度の組合せが、ほぼ90度に等しく、かつ前記サンプル面が、前記垂直SEMカラムに実質的に垂直に向けられるように、前記サンプル・ホルダを前記第3の角度に傾斜させるステップと、
搭載された前記サンプルを、前記STEMを用いて観察するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記第1の角度は、前記ステージの前記最大傾斜の角度と、前記最大傾斜と90度との差との間の角度範囲から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サンプル・ステージは、60度の最大傾斜を有し、前記第1の角度は、30度より大きい請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記FIBカラムは、前記垂直SEMカラムからほぼ52度の角度をなす請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記サンプル・ホルダは、TEMフィンガ・グリッドである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
走査電子顕微鏡を使用して搭載された前記サンプルを観察するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
SEMまたはSTEMを使用して、イオン・ビーム・ミリングの間に搭載された前記サンプルを撮像するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1の角度に前記サンプル・ホルダを傾斜するステップは、前記サンプル・ホルダをほぼ38度に傾斜するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第2の角度に前記サンプル・ホルダを傾斜するステップは、ほぼ14度に前記サンプル・ホルダを傾斜するステップを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第3の角度に前記サンプル・ホルダを傾斜するステップは、ほぼ52度に前記サンプル・ホルダを傾斜するステップを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1の角度に前記サンプル・ホルダを傾斜するステップは、ほぼ52度に前記サンプル・ホルダを傾斜するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第3の角度に前記サンプル・ホルダを傾斜するステップは、ほぼ38度に前記サンプル・ホルダを傾斜するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記イオン・ビームを使用して前記サンプルを薄化するステップは、前記ミリング・プロセスの間に前記サンプル・ステージを傾斜するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記イオン・ビームを使用して前記サンプルを薄化するステップは、前記サンプルを電子を透過する薄いセクションに薄化するステップを含む請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−14709(P2009−14709A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−140448(P2008−140448)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(501419107)エフ・イ−・アイ・カンパニー (78)
【Fターム(参考)】