説明

原稿供給装置及びその制御方法、画像読取システム、並びにプログラム

【課題】画像読取後などの原稿の並び替え作業が不要となり、ユーザの作業効率を向上させることができる自動原稿供給装置を提供する。
【解決手段】自動原稿供給装置は、搬送される原稿を表裏を反転して排出するUターン排紙パスと、原稿をストレートで排出するストレート排紙パスと、排紙路を切り替えるフラッパとを備え、ストレート排紙パスへ排出する原稿を予め設定するための設定手段を備え、設定された原稿のみをストレート排紙パスへ排出し、それ以外の原稿をUターン排紙パスへ排出するように排紙切り替えを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿供給装置及びその制御方法、画像読取システム、並びにプログラムに関し、特に、2つの排紙路を切り替えて原稿を排出することが可能な原稿供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ファクシミリやプリンタ等の画像形成装置、スキャナ等の画像読取装置には、原稿台に載置された原稿束から原稿を1枚ずつ給送する原稿供給装置が搭載されている。
【0003】
原稿供給装置は、原稿を表裏反転して排紙するUターン排紙部と、原稿をストレートで排紙するストレート排紙部とを備えるものがある。通常の原稿はUターン排紙部へ、名刺などの厚手原稿やプラスチックカードはストレート排紙部へ排出される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−114960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、原稿供給装置には以下に示すような問題点がある。金融機関の窓口業務などで、免許証やIDカードといったプラスチックカードと申し込み用紙などの原稿を合わせて画像読取をする場合、全てをストレート排紙部へ排紙させると、原稿の順番が逆になり、画像読取後に並べ替えをしなければならない。また、プラスチックカードと合わせて複数枚の原稿の画像読取をする場合は、画像読取後の並べ替えをしないために、プラスチックカードのみストレート排紙部へ排出させる。そして、その他の原稿はUターン排紙部へ切り替えて排紙させるが、切り替える手間が煩雑になったり、切り替えを忘れてしまったりすることがある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、画像読取後などの原稿の並び替え作業が不要となり、ユーザの作業効率を向上させることができる原稿供給装置及びその制御方法、画像読取システム、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の原稿供給装置は、原稿を積載する原稿台と、前記原稿台に積載された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、前記原稿搬送手段により搬送される原稿を表裏を反転して排出するUターン排紙路と、前記原稿搬送手段により搬送される原稿をストレートで排出するストレート排紙路と、前記Uターン排紙路と前記ストレート排紙路とを切り替える排紙路切替手段と、前記排紙路切替手段を制御する制御手段と、前記ストレート排紙路へ排出する原稿を予め設定するための設定手段とを備え、前記制御手段は、前記設定手段により設定された原稿のみを前記ストレート排紙路へ排出し、それ以外の原稿を前記Uターン排紙路へ排出するように前記排紙路切替手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ストレート排紙とUターン排紙の切り替え作業がなくなり、切り替え忘れもなくなるので、スループットの向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る原稿供給装置が適用された画像読取装置の概略構造を示す図である。
【図2】図1の画像読取装置におけるストレート排紙時の状態を示す図である。
【図3】図1の画像読取装置が備える機能の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図1のPCが備える機能の概略構成を示すブロック図である。
【図5】PCが実行する原稿排紙パスの切替制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】PCからの指示に応じて実行される画像読取装置の原稿排紙パスの切替動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】排紙自動切替を設定するための画面の一例を示す図であり、(a)は排紙枚数が設定可能な場合、(b)は1枚目のみをストレート排紙する設定の場合である。
【図8】第2の実施形態におけるPC100が実行する原稿排紙パスの切替動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】第3の実施形態の画像読取装置が実行する原稿排紙パスの切替制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る原稿供給装置が適用された画像読取装置の概略構造を示す図である。
【0012】
図1において、画像読取装置50は、原稿(シートを含む)を表裏を反転して排出するためのUターン排紙路と原稿をストレートで排出するためのストレート排紙路の2つの排紙路を有する自動原稿供給装置が適用されたスキャナ等から成る。画像読取装置50は、USBケーブル又はネットワークを介してパーソナルコンピュータ(PC)100(情報処理装置)に接続され、画像読取システムを構成する。
【0013】
画像読取装置50は、原稿束Dを載置するための原稿台1と、原稿台1に載置された原稿を検知する原稿検知センサ9と、原稿束Dから原稿を搬送路に送り出すピックアップローラ2とを備える。
【0014】
また、画像読取装置50は、ピックアップローラ2によりピックアップされた原稿を装置内に供給する送りローラ3と、ピックアップローラ2により複数枚の原稿が給紙された場合には原稿を1枚ずつ分離するための分離ローラ4とを備える。
【0015】
また、画像読取装置50は、原稿の画像読み取りと給紙のタイミングを調整するためのレジストセンサ11と、原稿を所定のタイミングで画像読取部へ搬送するレジストローラ対5とを備える。
【0016】
さらに、画像読取装置50は、画像読取部として、原稿の表面を読み取る表面画像読取部34と、原稿の裏面を読み取る裏面画像読取部35とを備える。表面画像読取部34は、原稿の画像情報をコンタクトガラス81を介して読み取るラインイメージセンサ71を備える。裏面画像読取部35は、原稿の画像情報をコンタクトガラス82を介して読み取るラインイメージセンサ72を備える。
【0017】
また、画像読取装置50は、画像読取部の下流に搬送ローラ6と、所定の押圧力で搬送ローラ6に押圧される搬送ローラ23とを備える。
【0018】
また、画像読取装置50は、搬送路の中央に原稿を保持しつつ搬送するUターン搬送ローラ7と、所定の押圧力でUターン搬送ローラ7に押圧されるUターン従動ローラ33とを備える。
【0019】
また、画像読取装置50は、第1のシート搬送路であるUターンパス21(Uターン排紙路)と、Uターンパス21を通過した原稿が排紙されるUターン排紙トレイ12とを備える。
【0020】
さらに、画像読取装置50は、Uターンパス21を通過した原稿をUターン排紙トレイ12に排出するための排紙ローラ8と、所定の押圧力で排紙ローラ8に押圧される排紙ローラ44とを備える。
【0021】
また、画像読取装置50は、第2のシート搬送路であるストレートパス22(ストレート排紙路)と、画像読取装置50に軸13aを支点に回動可能に取り付けられ、ストレートパス22を通過した原稿が排紙されるストレート排紙トレイ13とを備える。
【0022】
フラッパ14は、Uターンパス21とストレートパス22との分岐点に設けられた排紙路切替手段であり、回動可能に支持されており、不図示のソレノイドによりUターンパス21側かストレートパス22側に搬送路を切り替えるようになっている。
【0023】
次に、図1の画像読取装置50における原稿搬送動作について説明する。
【0024】
まず、原稿束Dが原稿台1に載置され、画像読取装置50に接続されたPC100から画像の読み取り指示が出されると、ピックアップローラ2が降下する。ピックアップローラ2が下降すると原稿束D上に接触し、原稿検知センサ9で原稿を検知すると不図示の給紙ローラ駆動モータによりピックアップローラ2が回転して原稿が給紙される。給紙された原稿は送りローラ3によって搬送路内に送り出される。なお、ピックアップローラ2により複数枚の原稿が給紙されてしまった場合、複数枚の原稿は、送りローラ3と、この送りローラ3と逆方向に回転する分離ローラ4とにより、装置内に1枚だけ送り出されるよう分離される。
【0025】
次に、装置内に送り出された原稿は、レジストローラ対5によって表面画像読取部34又は裏面画像読取部35の読取解像度に合わせた読取速度で搬送される。原稿がレジストセンサ11を通過すると、その通過した際の検知信号から読み取りのタイミングを計って表面画像読取部34又は裏面画像読取部35による画像の読み取りが開始される。また、レジストセンサ11が原稿の先端を検知すると、ピックアップローラ2及び送りローラ3を回転させる給紙ローラ駆動モータ(不図示)を停止させる。
【0026】
図2は、図1の画像読取装置におけるストレート排紙時の状態を示す図である。
【0027】
原稿が厚紙等の屈曲しにくいものでなく通常の原稿の場合、図1に示すように、フラッパ14がUターンパス21側に向けて切り替えられているため、画像読取部を通過した原稿は搬送ローラ6によりUターンパス21側に搬送される。Uターンパス21側に搬送された原稿は、Uターンパス21に設けられたUターン搬送ローラ7,33を通過し、固有の速度でUターン排紙トレイ12に排出される。
【0028】
一方、厚紙等の屈曲しにくい原稿を読み取る場合は、不図示のソレノイドによりフラッパ14の先端部を持ち上げることで、図2に示すように、搬送ローラ6,23以降の搬送路がストレートパス22に切り替えられる。なお、このようにストレートパス22に搬送路が切り替えられた場合、画像読取装置50の消費電力を抑えるために、排紙ローラ8,44を回転させる不図示の排紙ローラ駆動モータを停止させる。
【0029】
予めストレートパス22に搬送路が切り替えられた後、既述したようにレジストローラ対5によって読取解像度に合わせた読取速度で搬送された原稿は、表面画像読取部34又は裏面画像読取部35により画像読み取りが行われる。画像読取部を通過した原稿は、搬送ローラ6,23によりストレートパス22に搬送され、ストレート排紙トレイ13に排出される。
【0030】
原稿検知センサ9により原稿台1上の原稿が検知された場合は、ピックアップローラ2及び送りローラ3を回転させて原稿台1に載置されている原稿を装置内へ搬送して上述と同様の制御がなされ、原稿台1に原稿がなくなるまで繰り返される。
【0031】
図3は、図1の画像読取装置50が備える機能の概略構成を示すブロック図である。
【0032】
画像読取装置50は、ラインイメージセンサ71(表),72(裏)が接続された画像処理部302を備える。画像処理部302は、これらのセンサを用いて読み取られて生成された画像データに対して、色調補正等の所定の画像処理を行う。メモリ303は、画像処理部302において画像処理を施された画像データを記憶する。
【0033】
画像読取装置50は、装置全体の動作を制御するCPU301を備える。CPU301に接続されたフラッシュメモリ304は、CPU301が実行する各種制御プログラムを保持する。タイマ305は、駆動制御部306等をCPU301が制御するためのタイミング信号を発生する。
【0034】
CPU301は、以下に説明する各制御部を制御することにより、画像読取装置50における各種の機能を実現する。駆動制御部306は、原稿を搬送する各種モータを制御する。原稿検知センサ制御部309は、原稿検知センサ9、レジストセンサ11を制御する。また、CPU301は、通信インタフェースとしてUSBI/F310を介してPC100と接続されている。なお、通信方法は、USBに代えて、SCSIやIEEE1394等が用いられてもよい。
【0035】
PC100には、後述するように、画像読取装置50を制御するためのスキャナドライバやアプリケーションがインストールされている。PC100は、これらのドライバやアプリケーションを利用して、画像読取装置50に対して画像の読み取り指示等を送信する。このように、画像読取装置50とPC100は互いに接続され、連携して画像の読取処理を実現する画像読取システムを形成する。
【0036】
図4は、図1のPC100が備える機能の概略構成を示すブロック図である。以下に説明する各ブロックの機能を実現するプログラムは、PC100におけるハードディスク(図示せず)にインストールされている。当該プログラムは、ユーザの操作又は他のプログラムからの呼び出しによって、RAM(図示せず)に読み込まれ、これをCPU(図示せず)が実行することにより、所定の機能が実現される。
【0037】
PC100に電源が投入されるとオペレーティングシステム(OS)521が起動される。OS521が起動されると、ジョブモニタ522が呼び出される。ジョブモニタ522は、RAM上に常駐し、画像読取装置50上の操作パネルのスタートボタン(不図示)が押下されたか否かを監視する。スタートボタンの押下は画像の読み取りを開始するためのユーザ操作の一例である。また、例えばタッチパネルや静電スイッチ等を画像読取装置50に設けてユーザ操作を行ってもよい。
【0038】
ジョブモニタ522は、スタートボタンが押下されたか否かを示す情報に関する要求を含むスタートボタン読出しコマンドを、スキャナドライバ524を介して画像読取装置50に対して所定の時間間隔で送信する。また、ジョブモニタ522は、当該要求に対する画像読取装置50からの応答を確認することにより、当該監視処理を実現する。操作パネル上のスタートボタンが押下されたことが検知されると、ジョブモニタ522によってジョブアプリケーション523が起動される。ジョブアプリケーション523は、スキャナドライバ524を介して画像読取装置50から画像データを取得することが可能である。
【0039】
汎用アプリケーション525は、ジョブアプリケーション523が起動していない場合に、ユーザの操作によって任意のタイミングで起動され得る。汎用アプリケーション525もまた、ジョブアプリケーション523と同様に、スキャナドライバ524を介して画像読取装置50から画像データを取得することができる。
【0040】
PC100は、画像読取装置50において原稿の読取処理を実行する読取ジョブに関するジョブ設定を、ハードディスク(図示せず)に保持し、これを画像読取装置50に対して提供する。ジョブ設定や後述する排紙自動切替の設定は、PC100においてマウス/キーボード(不図示)を用いた操作によって行われる。なお、設定されたジョブ設定や排紙自動切替の設定に関する情報は、PC100内ではなく、予め画像読取装置50へ転送されて、画像読取装置50に保持されていてもよい。
【0041】
次に、図1の画像読取システムにおけるUターン排紙とストレート排紙の自動切替動作について図5及び図6を参照して説明する。
【0042】
図5は、PC100が実行する原稿排紙パスの切替制御処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、スキャナドライバ524、ジョブアプリケーション523、又は汎用アプリケーション525等に基づいて実行される。
【0043】
まず、ユーザは原稿台1に原稿束Dを積載する。
PC100は、スキャナドライバ等により図7(a)に示すダイアログ200を表示し、原稿台1に積載された原稿束Dの何枚目の原稿をストレート排紙トレイ13へ排出するかという排紙自動切替の設定を受け付ける(ステップS301)。ステップS301は設定工程の一例である。
【0044】
ユーザが排紙自動切替を設定する場合、例えば、「ストレート排紙あり」のラジオボタン201をクリックした後、ストレート排紙を行う原稿のページ数をページ設定欄202に入力する。図示例では、原稿束の1枚目から3枚目までをストレート排紙するように設定されている。この場合は、設定された枚数分の原稿がストレート排紙された後、それ以降の原稿がUターン排紙される。ストレート排紙するように設定された枚数(ページ数)Nの情報は、不図示のRAM等に一時記憶される。なお、ステップS301では、排紙自動切替の設定の他に、画像の読み取り設定をも受け付ける。
【0045】
次に、PC100は、画像読取装置50から原稿検知センサ9による検知結果を取得し、原稿台1に原稿があるか否かを判定する(ステップS302)。原稿台1に原稿があると判定した場合、PC100は、画像読取装置50に画像読取開始指示を送信する(ステップS303)。なお、ステップS302で原稿台1に原稿がないと判定される場合とは、例えば、ユーザが原稿台1に原稿束Dを載置していなかった場合である。
【0046】
次に、PC100は、画像読取装置50にてカウントされた搬送原稿の枚数(ページ数)を画像読取装置50から取得する(ステップS304)。ステップS304は原稿枚数取得工程の一例である。つづいて、PC100は、取得した搬送原稿の枚数が、ステップS301で設定された原稿の枚数Nに達したか否かを判定する(ステップS305)。ステップS305は原稿枚数判定工程の一例である。設定された原稿の枚数Nに達したと判定した場合、PC100は、画像読取装置50に画像読取停止指示を行った後(ステップS306)、排紙パスの切替要求を行う(ステップS307)。ステップS307は排紙路切替要求工程の一例である。本実施形態では、ステップS301でストレート排紙への切り替えが設定されていることからストレート排紙要求が行われる。
【0047】
次に、PC100は、画像読取装置50に画像読取開始指示を送信した後(ステップS308)、画像読取装置50にてカウントされた搬送原稿の枚数(ページ数)を画像読取装置50から取得する(ステップS309)。つづいて、PC100は、取得した搬送原稿の枚数が、ステップS301で設定された原稿の枚数Nを超えたか否か判定する(ステップS310)。設定された原稿の枚数Nを超えたと判定した場合、PC100は、画像読取装置50に画像読み取りの停止指示を行った後(ステップS311)、排紙パスの切替要求を行う(ステップS312)。本実施形態では、1〜3枚目の原稿をストレート排紙するように設定されていることから、搬送原稿の枚数が、設定された原稿の枚数N=3を超えた場合には、Uターン排紙要求が行われる。
【0048】
次に、PC100は、画像読取装置50に画像読取開始指示を送信した後(ステップS313)、画像読取装置50から原稿検知センサ9による検知結果を取得し、原稿台1に原稿があるか否かを判定する(ステップS314)。原稿台1に原稿がないと判定した場合は、PC100は本処理を終了する。
【0049】
このように、ステップS301でストレート排紙するように設定された原稿がN(N〜N+n)枚目であった場合は、N(N〜N+n)枚目がストレート排紙された後に、PC100から画像読取装置50にUターン排紙要求が行われるものとする。
【0050】
図6は、PC100からの指示に応じて実行される画像読取装置50の原稿排紙パスの切替動作の流れを示すフローチャートである。
【0051】
まず、画像読取装置50は、原稿検知センサ9による検知結果をPC100に送信する(ステップS401)。次に、画像読取装置50は、PC100から画像読取開始指示を受信したか否かを判定する(ステップS402)。画像読取開始指示を受信した場合、画像読取装置50は給紙動作が開始する(ステップS403)。給紙動作を開始すると、ピックアップローラ2、送りローラ3、及び分離ローラ4により原稿が1枚ずつ装置内へ搬送される。そして、レジストセンサ11により原稿先端が検知され、画像読取のタイミングが調整された後、表面画像読取部34又は裏面画像読取部35により画像読み取りが行われる。それと同時に、レジストセンサ11により検知された搬送原稿の枚数がカウントされ、フラッシュメモリ304に記憶される。ここで、画像読取装置50における排紙方向がUターン排紙ではなくストレート排紙になっていた場合には、ユーザに対して何らかの方法で通知を行うようにしてもよい。
【0052】
次に、画像読取装置50は、レジストセンサ11により検知した搬送原稿の枚数をカウントし(ステップS404)、カウントした枚数をPC100に送信する(ステップS405)。次に、画像読取装置50は、PC100から画像読取停止指示を受け付けたか否かを判定し(ステップS406)、画像読取停止指示を受け付けたときは、給紙動作を停止する(ステップS407)。
【0053】
次に、画像読取装置50は、PC100から排紙パスの切替要求を受信したか否かを判定し(ステップS408)、排紙パスの切替要求を受信した場合、フラッパ14の切り替えを行う(ステップS409)。
【0054】
画像読取装置では、Uターン排紙からストレート排紙に切り替わる設定の場合、設定された原稿の1枚前の原稿の後端がレジストセンサ11で検知されたとき、原稿後端がフラッパ14を通過するまでレジストローラ対5と搬送ローラ6,23で原稿を搬送させる。その後に、フラッパ14をUターンパス21側からストレートパス22側へ切り替える。
【0055】
また、ストレート排紙設定された原稿の1枚前の原稿の後端をレジストセンサ11で検知した後すぐに給紙動作を開始せずに、所定の時間待機(ステップS410)した後に、PC100からの画像読取開始指示に応じて給紙動作を開始する(ステップS403)。
【0056】
一方、ストレート排紙からUターン排紙に切り替わる設定の場合、原稿後端がレジストセンサ11で検知されると、原稿後端がフラッパ14を通過するまでレジストローラ対5と搬送ローラ6,23で原稿を搬送させる。その後に、フラッパ14をストレートパス22側からUターンパス21側へ切り替える。このときも、原稿の後端をレジストセンサ11で検知した後すぐに給紙動作を開始せずに、所定の時間待機(ステップS410)した後に、PC100からの画像読取開始指示に応じて次の原稿の給紙動作を開始する(ステップS403)。
【0057】
そして、例えば、ステップS404〜S406の間において、原稿検知センサ9による検知結果から原稿台1に原稿がないと判定した場合は、上記処理を終了する。
【0058】
上記第1の実施形態によれば、予め指定した原稿のみをストレート排紙部へ排出し、それ以外の原稿をUターン排紙部へ排出することにより、画像読取後の原稿の並び替え作業が不要となり、ユーザの作業効率を向上させることができる。
【0059】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施の形態では、図1〜図4に示す構成が上記第1の実施の形態と同じであり、第1の実施の形態と同様の部分については、同一の符号を用いてその説明を省略する。以下に、上記第1の実施の形態と異なる点のみを説明する。
【0060】
混載原稿の画像読取において、1枚目に名刺などの厚手原稿、IDカードや免許証といったプラスチックカードを、2枚目以降に申し込み用紙や付随資料等の紙原稿を順番に重ねてセットする場合が多い。一般的に、名刺やIDカード等に較べて申し込み用紙等の方が大きいことから、名刺やIDカード等を2枚目以降に重ねた場合、これらがどの位置にあるか分かり難くなる。その結果、ピックアップローラに接触しない位置にセットされると、装置内に搬送されない場合がある。
【0061】
そこで、1枚目にのみ名刺やIDカード等をセットした場合には、1枚目のみをストレート排紙トレイに排出すればよいことになる。この場合、PC100は、図7(b)に示すダイアログ400を表示し、原稿束の1枚目のみをストレート排紙トレイ13に排出する排紙自動切替の設定を受け付ける。
【0062】
なお、本実施形態では、PC100から排紙自動切替設定を行うように構成されているが、画像読取装置50の操作部(不図示)から排紙自動切替設定を行うように構成されていてもよい。
【0063】
次に、第2の実施形態におけるPC100が実行する原稿排紙パスの切替制御処理の流れを図8を参照して説明する。
【0064】
図8は、第2の実施形態におけるPC100が実行する原稿排紙パスの切替動作の流れを示すフローチャートである。本処理は、スキャナドライバ524、ジョブアプリケーション523、又は汎用アプリケーション525等に基づいて実行される。
【0065】
まず、ユーザは、1枚目に厚手原稿やプラスチックカード等を、2枚目以降に申し込み用紙や付随資料などを順番に重ねた原稿束Dを原稿台1にセットする。
【0066】
次に、PC100は、スキャナドライバ又はアプリケーションにより図7(b)に示すダイアログ400を表示し、原稿束Dの1枚目の原稿をストレート排紙トレイ13へ排出するかという排紙自動切替の設定を受け付ける(ステップS501)。
【0067】
ユーザが排紙自動切替を設定する場合、ダイアログ400上の「1枚目のみストレート排紙」のラジオボタン401をクリックする。
【0068】
なお、ステップS501では、排紙自動切替の設定の他に、画像の読み取り設定をも受け付ける。
【0069】
次に、PC100は、画像読取装置50から原稿検知センサ9による検知結果を取得し、原稿台1に原稿があるか否かを判定する(ステップS502)。原稿台1に原稿があると判定した場合、PC100は、画像読取装置50にストレート排紙への切替要求を行った後(ステップS503)、画像読取装置50に画像読取開始指示を送信する(ステップS504)。
【0070】
次に、PC100は、画像読取装置50にてカウントされた搬送原稿の枚数(ページ数)を画像読取装置50から取得し、取得した原稿の枚数が2枚目か否かを判定する(ステップS505)。2枚目と判定した場合、PC100は、画像読取装置50に画像読取停止指示を送信する(ステップS506)。つづいて、PC100は、画像読取装置50にUターン排紙への切替要求を行い(ステップS507)、画像読取装置50に画像読取開始指示を送信する(ステップS508)。次に、PC100は、画像読取装置50から原稿検知センサ9による検知結果を取得し、原稿台1に原稿があるか否かを判定する(ステップS509)。原稿台1に原稿がないと判定した場合は、PC100は本処理を終了する。
【0071】
一方、画像読取装置50では、原稿検知センサ9による検知結果をPC100に送信した後、PC100から排紙パスの切替要求を受信した否かを判定する。排紙パスの切替要求を受信した場合は、画像読取装置50は給紙動作を開始する前に、フラッパ14をストレートパス22側に切り替える。給紙動作を開始すると、ピックアップローラ2、送りローラ3、及び分離ローラ4により原稿が1枚ずつ装置内へ搬送される。そして、レジストセンサ11により原稿先端が検知され、画像読取のタイミングが調整された後、表面画像読取部34又は裏面画像読取部35により画像読み取りが行われる。それと同時に、レジストセンサ11により検知された搬送原稿の枚数がカウントされ、フラッシュメモリ304に記憶される。
【0072】
次に、画像読取装置50は、カウントした原稿の枚数をPC100に送信し、PC100から画像読取停止指示を受信したか否かを判定する。画像読取停止指示を受信した場合は、画像読取装置50は給紙動作を停止し、PC100から受信した排紙パスの切替要求に応じて、フラッパ14をUターンパス21側に切り替える。すなわち、1枚目の原稿の後端がレジストセンサ11で検知されると、1枚目の原稿の後端がフラッパ14を通過するのに必要な時間が経過した後、フラッパ14をストレートパス22側からUターンパス21側へ切り替える。また、1枚目の原稿の後端がレジストセンサ11で検知した後すぐに給紙動作を開始せずに、所定の時間が経過した後に次の原稿の給紙動作を開始する。
【0073】
上記第2の実施形態によれば、厚手原稿やプラスチックカードと普通原稿を合わせて画像読取した場合、厚手原稿やプラスチックカードはストレート排紙部へ、その他の原稿はUターン排紙部へ排出される。これにより、画像読取後の原稿の並び替え作業がなくなり、ユーザの作業効率が向上する。
【0074】
[第3の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態では、PC100のスキャナドライバやアプリケーション等が原稿排紙パスの切替制御処理を実行している場合について説明したが、画像読取装置50が切替制御処理を実行する構成であってもよい。
【0075】
図9は、画像読取装置50が実行する原稿排紙パスの切替制御処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、CPU301が制御プログラムを実行することによりなされる処理である。
【0076】
まず、ユーザは原稿台1に原稿束Dを積載する。画像読取装置50は、ダイアログ200又はダイアログ400を表示し、原稿台1に積載された原稿束Dの何枚目(または何枚目から何枚目まで)の原稿をストレート排紙トレイ13へ排出するかという排紙自動切替の設定を受け付ける(ステップS601)。
【0077】
次に、画像読取装置50は、原稿検知センサ9による原稿台1上の原稿の有無を判定し(ステップS602)、原稿があると判定した場合には、PC100から画像読取開始指示を受信したか否かを判定する(ステップS603)。画像読取開始指示を受信した場合、画像読取装置50は、給紙動作が開始する(ステップS604)。給紙動作を開始すると、ピックアップローラ2、送りローラ3、及び分離ローラ4により原稿が1枚ずつ装置内へ搬送される。そして、レジストセンサ11により原稿先端が検知され、画像読取のタイミングが調整された後、表面画像読取部34又は裏面画像読取部35により画像読み取りが行われる。それと同時に、レジストセンサ11により検知された搬送原稿の枚数がカウントされ(ステップS606)、フラッシュメモリ304に記憶される。なお、ステップS605では、原稿台1上の原稿の有無が判定され、原稿台上の原稿の全てを読み取った場合には、本処理を終了する。
【0078】
次に、画像読取装置50は、カウントした原稿の枚数がステップS601で設定された枚数に達したか否かを判定する(ステップS607)。設定された枚数に達した場合、画像読取装置50は、給紙動作を停止し(ステップS608)、フラッパ14の切り替えを行う(ステップS609)。例えば、ステップS609では、n枚目の原稿の後端がレジストセンサ11で検知されると、n枚目の原稿の後端がフラッパ14を通過するのに必要な時間が経過した後、フラッパ14をストレートパス22側からUターンパス21側へ切り替える。また、n枚目の原稿の後端がレジストセンサ11で検知した後すぐに給紙動作を開始せずに、所定の時間が経過した後に次の原稿の給紙動作を開始する(ステップS610)。
【0079】
上記第3の実施形態によれば、予め指定した原稿のみをストレート排紙部へ排出し、それ以外の原稿をUターン排紙部へ排出することにより、画像読取後の原稿の並び替え作業が不要となり、ユーザの作業効率を向上させることができる。
【0080】
上記第1〜第3の実施形態では、自動原稿供給装置が適用された画像読取装置について説明したが、これに限定されず、原稿のUターン排紙とストレート排紙が可能な装置であればどのようなものでもよい。
【0081】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0082】
9 原稿検知センサ
12 Uターン排紙トレイ
13 ストレート排紙トレイ
14 フラッパ
21 Uターンパス
22 ストレートパス
50 画像読取装置
100 PC
301 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を積載する原稿台と、
前記原稿台に積載された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、
前記原稿搬送手段により搬送される原稿を表裏を反転して排出するUターン排紙路と、
前記原稿搬送手段により搬送される原稿をストレートで排出するストレート排紙路と、
前記Uターン排紙路と前記ストレート排紙路とを切り替える排紙路切替手段と、
前記排紙路切替手段を制御する制御手段と、
前記ストレート排紙路へ排出する原稿を予め設定するための設定手段とを備え、
前記制御手段は、前記設定手段により設定された原稿を前記ストレート排紙路へ排出し、それ以外の原稿を前記Uターン排紙路へ排出するように前記排紙路切替手段を制御することを特徴とする原稿供給装置。
【請求項2】
原稿を積載する原稿台と、
前記原稿台に積載された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、
前記原稿搬送手段により搬送される原稿を表裏を反転して排出するUターン排紙路と、
前記原稿搬送手段により搬送される原稿をストレートで排出するストレート排紙路と、
前記Uターン排紙路と前記ストレート排紙路とを切り替える排紙路切替手段と、
前記排紙路切替手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記原稿台に積載された原稿束の1枚目の原稿を前記ストレート排紙路へ排出し、それ以外の原稿を前記Uターン排紙路へ排出するように前記排紙路切替手段を制御することを特徴とする原稿供給装置。
【請求項3】
前記原稿搬送手段により搬送される原稿を検知する原稿検知手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記原稿検知手段による検知結果に基づいて、前記排紙路切替手段が切り替わった後に、次の原稿の先端が前記排紙路切替手段に達するように、前記原稿搬送手段による給紙のタイミングを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の原稿供給装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記原稿検知手段により検知した原稿をカウントし、カウントした枚数が、前記設定手段により設定された枚数に達したときに、前記排紙路切替手段を制御して前記原稿を前記ストレート排紙路へ排出させることを特徴とする請求項3記載の原稿供給装置。
【請求項5】
原稿を積載する原稿台と、前記原稿台に積載された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、前記原稿搬送手段により搬送される原稿を表裏を反転して排出するUターン排紙路と、前記原稿搬送手段により搬送される原稿をストレートで排出するストレート排紙路と、前記Uターン排紙路と前記ストレート排紙路とを切り替える排紙路切替手段と、前記排紙路切替手段を制御する制御手段とを備える原稿供給装置の制御方法であって、
前記ストレート排紙路へ排出する原稿を予め設定するための設定工程と、
前記設定手段により設定された原稿を前記ストレート排紙路へ排出し、それ以外の原稿を前記Uターン排紙路へ排出するように前記排紙路切替手段を制御する制御工程とを備えることを特徴とする原稿供給装置の制御方法。
【請求項6】
原稿を積載する原稿台と、前記原稿台に積載された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、前記原稿搬送手段により搬送される原稿を表裏を反転して排出するUターン排紙路と、前記原稿搬送手段により搬送される原稿をストレートで排出するストレート排紙路と、前記Uターン排紙路と前記ストレート排紙路とを切り替える排紙路切替手段と、前記排紙路切替手段を制御する制御手段とを備える原稿供給装置の制御方法であって、
前記原稿台に積載された原稿束の1枚目の原稿を前記ストレート排紙路へ排出し、それ以外の原稿を前記Uターン排紙路へ排出するように前記排紙路切替手段を制御する制御工程を備えることを特徴とする原稿供給装置の制御方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の制御方法を原稿供給装置に実行させるためのコンピュータに読み取り可能なプログラム。
【請求項8】
原稿の画像を読み取る画像読取装置と、前記画像読取装置に接続された情報処理装置とを有する画像読取システムであって、
前記画像読取装置は、原稿を積載する原稿台と、前記原稿台に積載された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、前記原稿搬送手段により搬送される原稿を表裏を反転して排出するUターン排紙路と、前記原稿搬送手段により搬送される原稿をストレートで排出するストレート排紙路と、前記Uターン排紙路と前記ストレート排紙路とを切り替える排紙路切替手段とを備える一方、
前記情報処理装置は、前記ストレート排紙路へ排出する原稿を予め設定するための設定手段と、前記画像読取装置から前記原稿搬送手段により搬送される原稿の枚数を取得する原稿枚数取得手段と、前記取得した原稿の枚数が前記設定手段で設定された所定の枚数に達したか否かを判定する原稿枚数判定手段と、前記原稿枚数判定手段により所定の枚数に達したと判定した場合に、前記画像読取装置に前記Uターン排紙路と前記ストレート排紙路の切替要求を行う排紙路切替要求手段とを備えることを特徴とする画像読取システム。
【請求項9】
原稿を積載する原稿台と、前記原稿台に積載された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、前記原稿搬送手段により搬送される原稿を表裏を反転して排出するUターン排紙路と、前記原稿搬送手段により搬送される原稿をストレートで排出するストレート排紙路と、前記Uターン排紙路と前記ストレート排紙路とを切り替える排紙路切替手段とを備える画像読取装置と、前記画像読取装置に接続された情報処理装置とで構成される画像読取システムの制御方法であって、
前記ストレート排紙路へ排出する原稿を予め設定するための設定工程と、
前記画像読取装置から前記原稿搬送手段により搬送される原稿の枚数を取得する原稿枚数取得工程と、
前記取得した原稿の枚数が前記設定手段で設定された所定の枚数に達したか否かを判定する原稿枚数判定工程と、
前記原稿枚数判定工程にて所定の枚数に達したと判定した場合に、前記画像読取装置に前記Uターン排紙路と前記ストレート排紙路の切替要求を行う排紙路切替要求工程とを備えることを特徴とする画像読取システムの制御方法。
【請求項10】
請求項9記載の制御方法を情報処理装置に実行させるためのコンピュータに読み取り可能なプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−206841(P2012−206841A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74700(P2011−74700)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】