説明

双方向運動装置

本発明はモータ補助運動、及び少なくとも1つの双方向車輪を有するモバイルX線システムに関する。特に限定空間において高精度で重い物体を位置決めすることは厄介で面倒な仕事であり得る。その結果、少なくとも1つの双方向車輪を有するモータ補助運動装置及びX線システムが提示される。本発明によれば、少なくとも1つの双方向車輪18と、少なくとも1つの双方向車輪18に付随するモータ装置とを有するモータ補助運動装置19が提供される。モータ補助運動装置19は表面上を動くように構成され、少なくとも1つの双方向車輪18は少なくとも第1の方向20と少なくとも第2の方向22に回転するように構成され、第1の方向20と第2の方向22は非平行である。モータ補助運動装置19は表面に対するモータ補助運動装置19の所望運動の指示16を検出するように構成され、モータ装置は指示16に従って表面に対するモータ補助運動装置19の運動を補助するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、特に医療用途における、運動装置の双方向運動に関する。より具体的には、これは双方向車輪を有するモータ補助運動装置及び双方向車輪を有するX線システムに関する。
【0002】
特に、これは検査対象に対するX線システムの運動及び位置決めに関する。
【背景技術】
【0003】
X線システムは特に診断目的で、例えば検査対象のX線画像を取得するために使用される。
【0004】
X線画像を取得するために、X線システムは通常はX線発生装置とX線検出器とを有する。X線発生装置とX線検出器は検査対象の両側に配置され、X線画像の取得のために動作可能なように結合される。X線放射はX線検出器の方へX線発生装置によって放出される。従ってX線検出器とX線発生装置の間に位置する検査対象はX線放射によって貫通される。X線検出器の検出器素子は空間減衰したX線放射に従って情報を取得し、この情報はその後対象のX線画像の生成のために使用される。
【0005】
通常、X線発生装置とX線検出器は両方とも重く、かなりの重さを持つ強固に作られた構成要素である。従って、表面上、例えば手術室の床の上でX線システムを動かすためには、所望の配置及び位置決めのためにX線システムにかなりの力が加えられなければならない。
【0006】
特に、検査対象に関して正確な位置決め、従って正確な許容誤差内の位置決めが要求され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、減少した力要求と、増加した操作及び位置決め精度で、対象(例えば検査対象)に対する装置、特にX線システムの補助された、しかし制御された運動及び位置決めが必要であり得る。
【0008】
以下では、独立請求項にかかるモータ補助運動装置、X線システム、モータ補助運動の方法及びモータ補助運動装置の使用法が提供される。
【0009】
本発明の実施形態例によれば、少なくとも1つの双方向車輪と、少なくとも1つの双方向車輪に付随するモータ装置とを有するモータ補助運動装置が提供される。モータ補助運動装置は、表面上を動くように構成され、表面に対するモータ補助運動装置の所望運動の指示を検出するように構成される。少なくとも1つの双方向車輪は少なくとも1つの第1の方向と少なくとも1つの第2の方向に回転するように構成され、第1の方向と第2の方向は非平行である。モータ装置は指示に従って表面に対するモータ補助運動装置の運動を補助するように構成される。
【0010】
本発明のさらなる実施形態例によれば、X線発生装置と、X線検出器と、少なくとも1つの双方向車輪とを有するX線システムが提供される。少なくとも1つの双方向車輪は表面上でX線システムを動かすのに適しており、少なくとも第1の方向と少なくとも第2の方向に回転するように構成され、第1の方向と第2の方向は非平行である。X線発生装置とX線検出器は検査対象のX線画像の取得のために動作可能なように結合される。
【0011】
本発明のさらなる実施形態例によれば、表面に対するモータ補助運動装置の所望運動の手動指示としてモータ補助運動装置に外力を加えるステップと、モータ装置若しくはモータ素子において外力を検出するステップと、所望運動を補助するステップとを有する、モータ補助運動のための方法が提供される。
【0012】
本発明のさらなる実施形態例によれば、本発明にかかるモータ補助運動装置はX線システム、モバイルX線システム、及びCアークシステムのうちの少なくとも1つにおいて使用される。
【0013】
例えば、術中シナリオにおいて、例えばCアークX線システムなどのモバイルX線システムが利用され得る。オペレータ、例えばX線技師は術前、術中及び術後に例えば外科医のために関連画像を取得することが求められ得る。特に術中、OR内の空間要求若しくは空間制限は、画像が取得されない間は手術台から遠いモバイルX線システムの位置決めを必要とし得る。その結果、X線画像の取得の必要性が生じるとき、モバイルX線システムはX線画像の取得とその後のX線システムの保管のために手術現場を出入りしなければならない可能性がある。モバイルX線システムは、特にX線発生装置とX線検出器両方のかなりの重さのために、それ自体1つの重い機器を構成し得るので、X線システムの再配置は面倒な務めであり得る。
【0014】
従って、表面上で動かすためのX線システムのモータ補助でありながら手動制御の運動が有用であり得る。
【0015】
オペレータは例えばモバイルX線システムを手術台の方へ動かして所望運動を開始し得る。X線システム若しくは少なくともその一部は、開始された運動、又は、例えば所望運動を決定するためにモバイルX線システムに与えられる力など、少なくとも所望運動の指示(例えば所望運動方向の空間ベクトル)を検出し得る。
【0016】
モバイルX線システム、特に所望運動とその運動ベクトルをそれぞれ検出するように構成される制御素子は、重ね合わせる若しくは付加的な力を加え得る適切に配置されたモータ素子と係合し得る。少なくとも1つのモータ素子によるかかる支持力はモバイルX線システムを動かそうとするオペレータによって知覚される摩擦感及び/又は質量感を軽減し得る。言い換えれば、オペレータは例えばX線システムを所望方向に動かして若しくは押してX線システムに手動指示を与え得る。モバイルX線システムは所望方向を検出し、所望方向の運動を補助するために少なくとも1つのモータ素子と係合し得る。
【0017】
例えばX線システムを押すことによって、所望運動の特に手動の指示を用いると、X線システム及びその運動方向をそれぞれ操縦若しくは制御するためのセンサやスイッチなどが必要ない可能性がある。従って、個別の専用の"運動許可(move enable)"アクチュエータ、スイッチ若しくはボタンが必要ない可能性がある。しかしながら、かかるアクチュエータ、スイッチ若しくはボタンは全自動運動モードにとって有用であり得る。方向、従って表面上のX線システムの所望運動のベクトルを示すために例えばジョイスティックが利用され得る。
【0018】
好適な若しくは所定の位置へのガイダンスのため、例えばX線システムを規定の及び/又は前に使用された位置へ再配置するために、プログラム可能な停止(arret stop)のようなさらなる機能が実現され得る。また、異なる個々のレベルのモータ補助を伴う個々のユーザプロファイルの実現も考えられる。
【0019】
モータ素子は特に、例えば直接駆動モータ素子を用いることによって、直接駆動動作をとって実現され得る。直接駆動モータ素子は、変速比を持つ個別の変速機を必要としない若しくは利用しないモータ素子とみなされ得る。
【0020】
特に、直接駆動モータ素子の使用は異なる動作モードを、例えばドライブ動作モード、クラッチ動作モード、若しくはフリーホイール動作モード及びブレーキ動作モードを可能にし得る。
【0021】
ドライブ動作モードは手動制御されたモータ補助運動を可能にし得る。
【0022】
さらなるドライブモード、例えば自動ドライブモード若しくは電動ドライブモードが、例えばボタン、スイッチ、ジョイスティック若しくは音声制御などのユーザインターフェース素子を利用することによって実現され得る。さらなる動作モードはクラッチ動作モード若しくはフリーホイール動作モードであり得る。かかるモードはモータ素子に供給される電力を遮断することによって得られる。ここで、X線システムの非モータ補助手動運動を超えてさらに加えられる力を必要とせずに、本質的に自走しているとみなされ得る実質的に自走モータ素子が得られる。
【0023】
さらに、X線システムが所定位置において停止し得る、及び例えば人が意図せずX線システムに衝突することによってX線システムへ加えられる力に、場合によっては無意識に対抗するモータ素子によって前記位置に維持され得る、ブレーキ動作モードが考えられる。
【0024】
モータ素子はブラシ付き(brushed)若しくはブラシレスの特性であり得る。ブラシレスモータ素子は特に高トルク及びゼロ速度を含む低速でよい制御動作を提供し得る。その結果、高効率力伝達をもたらす低速ギア駆動系若しくは直接駆動素子が利用され得る。
【0025】
さらに、例えば直接駆動モータ素子などの直接駆動原理を利用することによって、モータ素子電流が例えばX線システムに加わるトルク若しくは力による規定負荷における各トルクに対する好適な尺度若しくは指標になり得る。運動制御素子は、モータ素子に加わるトルク若しくは力が結果として生じるモータ電流若しくは差動モータ電流によって決定され得る、トルク若しくは電流モードに設定され得、これはモータ補助機能の基礎となり得る。言い換えれば、モータはオペレータがX線システムを押している若しくは引いている方向を決定し得、この場合モータ素子は例えばX線システムを所望方向に動かすようにモータ素子に動力供給することによって、その所望方向への運動を補助するように駆動される。
【0026】
停止、好適な位置決め及びブレーキのようなさらなる機能は、例えば"オンザフライスイッチング"など、トルクモードから速度若しくは位置モードへの実質的に瞬間的なスイッチングによって実現され得る。速度若しくは位置モードにおいて、その上で動かされる表面に対するX線システムの絶対位置若しくは少なくとも相対位置を決定することが好適であり得る。
【0027】
モータ補助機能のさらなる問題は安全面であり得る。通常、検査対象、例えば患者の近くでモータ素子を利用するとき、かかる電動システムは"デッドマン制御"下で制御され得る。ここで、故障若しくは操作エラーの場合に解除される専用ボタン若しくはスイッチを利用することによってモータ素子は停止し、従って運動が実質的に即座に停止する。
【0028】
本発明の一態様は専用駆動素子、例えばモータ駆動運動の制御及び/又は開始のためのスイッチ若しくはボタンの放出とみなされ得るため、さらなる安全対策が実施されなければならない可能性がある。従って、例えば補助運動のトルク及び/又は運動速度は実質的に一定の力若しくはオペレータからの所望運動の指示を必要とするレベルに制限され得る。この場合、一定の力若しくは指示がもはや存在しない場合、運動もまた基本的に直ちに停止し得る。かかる安全機能は"単一故障安全要件"を満たし、これはいかなる単一部品故障若しくは所要の一定の力若しくは指示の提供の失敗も、安全状態へのモータ補助運動の実質的に即座のシャットダウンにつながり、その後各問題が修正されるまで自動操作を防ぐことを意味する。
【0029】
本発明のさらなる態様は双方向車輪の実現とみなされ得る。モバイルX線システムで双方向車輪を用いることによって、場合によっては双方向車輪をモータ素子及び/又は適切な制御システムと組み合わせて、モバイルX線システムは任意方向に動かされ得るか、若しくは任意の点の周りを回転し得る。
【0030】
所望運動は手動指示によって若しくは制御素子とユーザインターフェースによって操縦され得る。手動指示に関して、X線システムはX線システムを動かす若しくは位置付ける間オペレータを補助するようにモータ素子を駆動するのにも適し得る。
【0031】
X線システムにおいて通常利用されるキャスター車輪とは違って、双方向車輪は特に実際の運動が起こる前若しくは可能になる前に運動方向に回転する必要がない。双方向車輪は所望運動を開始するときに実質的に即座に任意の方向に回転し始め得る。双方向車輪は従って運動を開始及び維持するための力の低下につながり、従ってX線システムの正確な位置決めのために小さな左右運動若しくは小さな縦運動を場合により組み合わせて利用する必要なく、対象に関するX線システムの微調整が可能であり得る。
【0032】
キャスター車輪を利用するX線システムにおいて、X線システムの配置の微調整を提供するために追加の小さな運動軸が設計され得る。これらの小さな追加運動軸は左右運動、小さな角運動に対する軸、及び小さな縦運動、すなわち表面上のX線システムの運動面における小さな水平運動に対する軸とみなされ得る。
【0033】
双方向車輪を利用することはかかる小さな運動軸を実現する要件を除き得る。双方向車輪はお互いに異なる2つの運動方向を有する車輪とみなされ得る。各運動方向において、車輪は実質的にいかなる滑りもなく回転するように構成され得る。
【0034】
双方向車輪は通常2つの異なる方向の各々において運動可能若しくは回転可能であるように回転しない。従って、双方向車輪はステアリングギア若しくはステアリング機構を必要とせずに二次元運動を可能にし得る。特に、双方向車輪は少なくとも第1の回転素子と少なくとも第2の回転素子とを有し、これらは互いに異なりこれら回転素子の両方は特定方向に回転するように構成され、これら2方向は互いに異なる。
【0035】
2つの軸の互いに対する配向は任意であり得るが、特に2方向の場合、運動方向が実質的に互いに垂直であると有利であり得る。少なくとも2つの回転素子の各々、第1の回転素子と第2の回転素子は適切な駆動モータ素子と組み合わされ得、第1の回転素子及び第2の回転素子のそれぞれ第1の方向及び第2の方向での支持された、補助された、若しくは自動の運動若しくは回転を可能にする。
【0036】
第1の回転素子と第2の回転素子の運動を組み合わせることによって、二次元平面における任意運動が得られる。結果として生じる運動方向はベクトル加法によって決定され得る。少なくとも1つの第1の回転素子と少なくとも1つの第2の回転素子に付随するモータ素子は、場合により重いX線システムの移動及び位置決めが容易にかつ正確に実行され得るように、オペレータがX線システムを例えば患者に対して手で若しくは手動指示によって位置付けているとき、駆動素子に力を与えるのにオペレータを補助するように構成され得る。
【0037】
電動モードにおいて、モータ素子は例えばX線システムを操縦するためのジョイスティックを利用することによって、所望運動方向に従って制御素子によって駆動され得る。
【0038】
従って、X線システムの微細な位置決めに必要な力が削減され得る。双方向車輪を利用することによって追加の小さな運動軸の縦運動と左右運動が省略されながら、モータ補助モードを採用することによって手動位置決めが正確にかつ便利に実行され得る。
【0039】
以下において、本発明のさらなる実施形態例が特にモータ補助運動装置に関して記載される。しかしながら、これらの説明はまたX線システム、モータ補助運動の方法、及びモータ補助運動装置の使用法にも当てはまることが理解されるものとする。
【0040】
クレームされた物体間、特に装置タイプクレーム、方法タイプクレーム、及び使用タイプクレームに関する実施形態間での単一の若しくは複数の特徴の任意変更及び交換が考えられ、本特許出願の範囲及び開示の範囲内であることが明示される。
【0041】
本発明のさらなる実施形態例によれば、少なくとも1つの双方向車輪は少なくとも1つの第1の回転素子及び/又は少なくとも1つの第2の回転素子を有し、少なくとも1つの第1の回転素子は第1の方向に回転するように構成され、及び/又は少なくとも1つの第2の回転素子は第2の方向に回転するように構成される。
【0042】
異なる個別方向に回転するように構成される個々の回転素子を持つ双方向車輪を実現することにより、運動の双方向性が容易に実現可能になり得、例えば床の表面上など所定面内での任意の二次元運動をもたらす。
【0043】
本発明のさらなる実施形態例によれば、モータ装置は少なくとも1つの双方向車輪に、特に少なくとも1つの第1の回転素子に付随する少なくとも1つの第1のモータ素子を有し、少なくとも1つの第1の回転素子はモータ補助運動装置/第1の回転素子を第1の方向に動かすように構成され得る。
【0044】
モータ素子を利用することによって、第1の方向の補助された若しくは自動化された運動が容易に得られる。
【0045】
本発明のさらなる実施形態例によれば、モータ装置は少なくとも1つの双方向車輪に、特に少なくとも1つの第2の回転素子に付随する少なくとも1つの第2のモータ素子をさらに有し、少なくとも1つの第2のモータ素子はモータ補助運動装置を第2の方向に動かすように構成され得る。
【0046】
かかる第2の方向の補助された若しくは電動の運動により、モータ補助運動装置は減少した操作力と増加した位置決め精度で二次元平面で運動可能になり得る。
【0047】
本発明のさらなる実施形態例によれば、モータ装置、第1のモータ素子及び/又は第2のモータ素子は、所望運動の指示と、モータ装置、第1のモータ素子及び/又は第27のモータ素子にはたらく力及び/又はトルクとを検出するように構成され得る。
【0048】
かかる指示、力若しくはトルクは所望運動方向を示すとみなされ得る。従って、モータ装置、第1のモータ素子及び/又は第2のモータ素子は一方では所望運動方向を決定することができ、他方では所望運動を直接支援若しくは補助することができる。
【0049】
本発明のさらなる実施形態によれば、指示は手動指示であり得る。
【0050】
これは特に専用ボタン若しくはスイッチ若しくは他の制御素子を必要とせずにモータ補助運動装置にかかる力であり得る。
【0051】
本発明のさらなる実施形態例によれば、モータ補助運動装置は、ドライブモード、クラッチモード、フリーホイールモード、ブレーキモード、モータ補助モード、位置モード及び電動モードから成る群から少なくとも1つのモードを有し得る。
【0052】
かかるモード若しくは動作モードは、一般にモータ補助運動装置の、及び特にモータ素子の挙動を異なる動作シナリオに適合させることを可能にし、例えばドライブモードは、場合により位置モードと関連して、モータ補助運動装置の増加した精度で補助された位置決めを可能にし、一方ブレーキモードは、所望位置が得られたときに駆動され、モータ補助運動装置を所望の位置に正確に維持することを可能にし得る。
【0053】
本発明のさらなる実施形態例によれば、モータ補助運動装置は自動的再配置に適し得る。
【0054】
自動再配置はモータ補助運動装置が、例えば室内のX線システムの表面に対する相対運動若しくは絶対位置決めを考慮しながら、例えば制御素子若しくは制御システムによって予め設定された若しくは既知の位置に自動的に少なくとも部分的に再配置されることを可能にし得る。
【0055】
本発明のさらなる実施形態例によれば、モータ装置はモータ補助運動装置の知覚した運動抵抗及び/又は運動力を少なくとも部分的に減らすことによってモータ補助運動装置の運動を補助するように構成され得る。
【0056】
従って、所望運動を補助するとき、モータ素子が所望運動方向に駆動されているので、オペレータはモータ補助運動装置を運動させる若しくは移動しようとする際に減少した運動抵抗若しくは運動力を知覚し得る。
【0057】
本発明のさらなる実施形態例によれば、表面に対するモータ補助運動装置の運動を制御するための運動制御素子が設けられ得る。
【0058】
かかる運動制御素子は所望運動の指示を提供する若しくは受け取るように構成され得、場合によりそれを所望運動の電気表現若しくはベクトルに変換し、又は補助された運動若しくは自動化された運動を提供するために第1のモータ素子及び/又は第2のモータ素子の少なくとも1つを制御する。
【0059】
本発明のさらなる実施形態例によれば、モータ装置は直接駆動モータ装置であり得る。
【0060】
直接駆動モータ装置は特に所望運動方向を決定するために適切なフィードバックを提供し得る。
【0061】
以下において、本発明のさらなる実施形態例が特にX線システムに関して望まれる。しかしながら、これらの説明はモータ補助運動装置、モータ補助運動の方法、及びモータ補助運動装置の使用法にも当てはまることが理解されるものとする。
【0062】
本発明のさらなる実施形態例によれば、X線システムは本発明にかかるモータ補助運動装置をさらに有し、少なくとも1つの双方向車輪は運動装置のものである。
【0063】
言い換えれば、モータ補助運動装置を有するX線システムは全体でそれでも1つの双方向車輪を有するのみであり得る。モータ補助運動装置をX線システムに設けることは、患者、例えば操作シナリオに関してX線システムを容易にかつ便利に動かし位置付けることを可能にし得る。
【0064】
本発明のこれらの及び他の態様は以下に記載の実施形態から明らかとなり、それを参照して解明される。
【0065】
本発明の実施形態例は以下の図面を参照して以下に記載される。
【0066】
図面中の図は略図である。異なる図において、同様の若しくは同一の要素は同様の若しくは同一の参照数字を与えられる。
【0067】
図面は縮尺通りでないが、定性的比率を描写し得る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】X線システムを動かす実施形態例。
【図2a】本発明にかかる双方向車輪の実施形態例。
【図2b】本発明にかかる双方向車輪の実施形態例。
【図2c】本発明にかかる双方向車輪の実施形態例。
【図3】本発明にかかる双方向車輪の実施形態例の詳細図。
【図4a】本発明にかかる双方向車輪を有するモータ補助運動装置の異なる運動シナリオ。
【図4b】本発明にかかる双方向車輪を有するモータ補助運動装置の異なる運動シナリオ。
【図4c】本発明にかかる双方向車輪を有するモータ補助運動装置の異なる運動シナリオ。
【図4d】本発明にかかる双方向車輪を有するモータ補助運動装置の異なる運動シナリオ。
【図5】本発明にかかるモータ補助運動装置のための運動制御システムの実施形態例の略図。
【図6】本発明にかかるモータ補助位置決めのための方法の実施形態例。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1を参照すると、X線システムを動かす実施形態例が描かれる。
【0070】
図1において、Cアークシステムとして例示的に描かれるX線システム2は、X線発生装置4、例えばX線管と、X線検出器6を有する。対象10はX線発生装置4からX線検出器6の方へ発し対象10を貫通するX線放射7の経路内に概略的に描かれる。車輪9を有する車輪装置8は、表面、例えば手術室の床など表面上でX線システムを動かすためにX線システム2の本体に位置する。
【0071】
オペレータ12はハンドル15を用いてX線システム2を押すことによって所望運動方向14にX線システム2を動かしている。
【0072】
従って、オペレータ12は所望運動方向14にX線システム2を動かすためにX線システム2に所望運動の指示16を適用している。
【0073】
図2a‐cを参照すると、本発明にかかる双方向車輪の実施形態例が描かれる。
【0074】
図2a,bは特に双方向車輪18の個々の実施形態を示し、一方図2cはここでは例示的に3つの双方向車輪18を有するモータ補助運動装置19の実施形態例を示す。
【0075】
図2aにおいて、双方向車輪18は第1の方向20に双方向車輪18を回転させる、実質的には双方向車輪18の外周上を回転させるための軸28を有する。双方向車輪18の外周は従って第1の回転素子24であるとみなされ得る。従って、双方向車輪18は第2の方向22に回転するための追加の第2の回転素子26を有しながら専用の第1の回転素子24の有無にかかわらず第1の方向20に回転可能であり得る。
【0076】
第2の回転素子26は2列の個々のローラを有し、この2列は一方の列の2つの隣接する回転素子26の間の間隙を他方の列の回転素子26によって効果的に埋めるために互いに対してオフセットされる。従って、双方向車輪18が第2の方向22に動くことができないかもしれないデッドスポットが生じない。再度、軸28に関する双方向車輪18の外周、若しくは全ての第2の回転素子26は一緒に第1の回転素子24とみなされ得る。
【0077】
図2bを参照すると、双方向車輪18のさらなる実施形態が描かれる。図2bにおいて、個々の第2の回転素子26は実質的に図2aの実施形態と比較して大きいが、基本原則は維持される。
【0078】
個々の第2の回転素子26の各列は3つの回転素子26を有する。再度、両列の回転素子26は、双方向車輪18を第2の方向22に回転させる機能を常に提供するよう、隣接する第2の回転素子26間の間隙を埋めるために、互いに対してずらされる若しくはオフセットされる。
【0079】
図2cに関して、例示的に3つの双方向車輪18を有するモータ補助運動装置19が描かれる。少なくとも3つの双方向車輪18を用いることは、モータ補助運動装置19を表面上でしっかりと位置付け、動かすことを可能にする。
【0080】
しかしながら、1、2、4、5、6、7、8若しくはそれ以上の双方向車輪18のような任意の数の双方向車輪が、場合により少なくとも1つ若しくは2つの支持車輪を追加して、考えられ得る。モータ補助運動装置19の各双方向車輪18a,b,cはその個々の第1の方向20a,b,cの各双方向車輪18a,b,cの運動のためにその個々の軸28の周りを回転するように構成される。
【0081】
回転軸28に関して双方向車輪18a,b,cの外周上に、複数の第2の回転素子26が配置される。第2の回転素子26は、モータ補助運動装置19が各双方向車輪18に対して異なる方向である方向22に動かされることを可能にし、第2の方向22は図2cの実施形態例における軸28に平行である。
【0082】
図3を参照すると、本発明にかかる双方向車輪の実施形態例の詳細図が描かれる。
【0083】
第1のモータ素子40は、双方向車輪18を第1の方向20に動かすため、実質的に双方向車輪18をその外周上で回転させるために、双方向車輪18の回転軸28に位置する。外周及び第2の回転素子26はそれぞれ第1の回転素子24を構成するとみなされ得る。
【0084】
軸28に関して双方向車輪18の外周上に、複数の第2の回転素子26が配置される。図3において、第2の回転素子26の1列だけが描かれ、第2の回転素子26は場合により、狭い間隙と場合により第2の回転素子26の小さな寸法のために、外周/軸28に関する双方向車輪の考えられる全ての角度位置において第2の方向22の運動が可能であるように位置する。
【0085】
しかしながら、図2a若しくは2bと同様に、第2の回転素子26のさらなる列が考えられる。
【0086】
各第2の回転素子26は、第2の方向22の運動が実行され得るように運動可能であり得る。第2の方向22の運動をもたらす第2の回転素子26の運動、従って回転は、例えば双方向車輪18を少なくとも部分的に第2の方向22に押すことによる受動運動であり得、又は第2の方向22の運動のための第2の回転素子26の駆動のために少なくとも第2の回転素子26のサブグループと関連する第2のモータ素子42を利用することによる能動運動であり得る。
【0087】
双方向車輪18が双方向車輪18の外周上を回転することによって第1の方向20に動いている間、方向22における第2の回転素子26を利用することによる変位は、第1の方向20の運動及び第2の方向22の運動の両方から成るベクトル加算運動36をもたらし、従ってベクトル加算運動36をもたらす。
【0088】
図4aから4dを参照すると、本発明にかかる双方向車輪を有するモータ補助運動装置の異なる運動シナリオが描かれる。
【0089】
図4aにおいて、3つの双方向車輪18a,b,cを有するモータ補助運動装置19は所望運動方向14に動かされるものとする。双方向車輪18aに関して、結果として生じる運動30/36を得るためのベクトル加法の原理が描かれる。双方向車輪18aは第1の回転素子24aを用いることによって第1の方向20に動いており、これは第1の回転素子24aの運動32aをもたらす。
【0090】
双方向車輪18bは例示的に、両方の双方向車輪18a,bが第1の方向20a,bに関して平行に配列していないため、その第1の方向20bに関して同様の運動を実行している。方向20a,bのみにおける双方向車輪18a,bの結果として生じる運動は双方向車輪18a,bのある種の外側への滑りをもたらし得る。外側への滑りは第2の方向22a,bにおける双方向車輪18a,bの、特に第2の回転素子26a,bの運動によって補正されるとみなされ得る。
【0091】
従って、双方向車輪18の結果として生じるベクトル加算運動36が得られ、これは所望運動方向14に平行であり、従ってモータ補助運動装置19の運動30をもたらす。
【0092】
図4aにおいて、第3の双方向車輪18cは、所望運動方向14がこの場合第1の方向20に垂直であるため、その第2の方向22cに動くことだけを要する。
【0093】
図4bに関して、実質的に回転点38の周りの適所におけるモータ補助運動装置の回転が描かれる。従って所望運動14は回転点38の周りのモータ補助運動装置19の回転をもたらす円運動である。この運動30は実質的に双方向車輪18a,b,cを回転のために第1の方向20a,b,cに動かすだけで得られる。
【0094】
図4cに関して、実質的に双方向車輪18aの第1の方向20aにおける直線横ばい運動が得られる。従って、双方向車輪18b,cのベクトル加算運動36b,cは、所望運動方向14における結果として生じる運動30が得られるようでなければならない。再度、双方向車輪18b,cに関して、第1の方向20b,c、及び第2の方向22b,cにおける運動によって成る結果として生じるベクトル加算運動36が、結果として生じる運動30を得るために利用されなければならない。
【0095】
図4dに関して、回転点38の周りの回転が実現される。図4dにおける回転点38はモータ補助運動装置19の中心内にないため、実質的に3つの双方向車輪全て18a,b,cは結果として生じる運動30を所望運動14として得るために第1の方向20a,b,c及び第2の方向22a,b,cにおける運動を利用しなければならない。
【0096】
図5を参照すると、本発明にかかるモータ補助運動装置の運動制御素子の実施形態例の略図が描かれる。
【0097】
モータ装置40/42は例えば、CアークX線システム2、特に例えば双方向車輪18などの車輪9の駆動のためのブラシレスAC、ベクトル制御モータ装置40/42であり得る。ブラシレスAC(BLAC)モータは特に電子的正弦波ベクトル制御整流システムを利用し得る。かかる種類のモータはゼロから始まる連続四象限トルク及び速度範囲を提供し得る。
【0098】
モータ装置40/42は増幅器Kを介して駆動電力を受信し、整流及びサーボ制御のために絶対位置フィードバックエンコーダによってその位置に関するフィードバックを提供する。図5において、2つの基本モードが設定され得、モードA、PID若しくは位置モード、及びモードB、トルク/電流モードと記載される。サーボ制御装置はブラシレスAC整流制御、トルク/電流制御ループ、位置(PID)制御ループ及び"オンザフライ"制御ループ切替機構のような機能を提供する。
【0099】
増幅器は電子的整流及び電流ループを提供し得る。モータトルクが場合により電流と比例する(K)ため、トルク制御が実現され得る。PID制御は位置誤差に反応してそれを最小化し得る。これを実現するために、PID制御装置は誤差信号から比例値、積分値及び微分値を提供し得る。"オンザフライ"モード切替は移行中に何も感じられないことを確実にし得る。これは3つのPIDパラメータを滑らかに増加若しくは減少させることによって実現され得る。
【0100】
制御原理は図5に示したブロック図によって描かれ、これはモータ制御装置の全機能の概観を与える。機能はサーボ制御装置と制御素子にある。増幅器は整流及び制御ループを提供する。電流設定値はPID制御装置及びフィードフォワードオフセットによって生成される。モータ位置フィードバックは高分解能絶対値エンコーダによって提供され得る。
【0101】
フィードフォワード制御システムが提供される場合、設定電流は特に位置、速度及び加速設定値、並びに質量、減衰、摩擦及び不平衡パラメータに応じて、フィードフォワードアルゴリズムによって決定され得る。この場合、設定電流は特にオフセット電流に等しくなり得る。PID制御装置はフィードフォワードモデルの偏差を修正し得る。
【0102】
PIDモード又は位置若しくは速度制御モードにおいて、サーボ制御装置内の"動作/設定入力スイッチ"素子及び"オン/オフPID"におけるスイッチは"モードA"に設定される。フィードフォワードアルゴリズムは例えば物理的運動モデルに基づいて予想モータ電流を計算若しくは決定し得る。モデルは摩擦、減衰、質量及び不平衡のようなパラメータを含み、各々の物理的式をあらわし得る。モデリングが一致する場合、特にモデル化された実際の系に実質的に完全に一致する場合、PID制御装置から増幅器への電流設定値への寄与は必要ないかもしれない。この理論的場合において、X線システム2の運動はPID制御装置の支援なしに要求された若しくは所望の軌道に従い得る。かかるモデルはまた補助モードの補助設定のための参照としても使用され得る。
【0103】
補助モード中、PID制御は切られ、運動設定値は、各値が設定値発生器によって提供されるPIDモードとは対照的に微分器フィルタからの実際の設定値によって置き換えられる。補助モードにおいて、フィードフォワード機構はアクティブのままであり得るが、量は必要な補助レベルに下げられ得る。補助モードにおいて、不平衡フィードフォワードは完全加算され得る。減衰寄与は例えば反作用力を与えることによって高過ぎる手動速度を防ぐために利用され得、これは実質的に機械的モータ出力若しくは補助運動若しくは均等反作用若しくは均等反発を減らす結果になり得、この場合Pdはゼロ未満ですらあり得る。
【0104】
知覚パラメータ若しくは因子P,P及びPにより、必要な若しくは所望の補助が調節され得る。補助モードにおいて、これらのパラメータは0から1未満であり得、一方PIDモードにおいてパラメータは1に等しくなり得る。因子の許容範囲は0から1で両端が含まれる。
【0105】
実際の速度及び加速度は、微分器フィルタにおいて実行される実際の位置フィードバックの微分及びフィルタリングによって取得される。運動は特に運動制御装置が位置交換を検出するときに駆動され得る。
【0106】
また、好適な位置決めが実現され得る。補助モードを用いることによって、予めプログラムされた位置での停止が実現され得る。ユーザは所望運動方向の手動指示を与え、その方向に、プログラムされた位置が位置し得る。この位置の近くで、滑らかで正確な停止と予めプログラムされた位置を強制するよう、PID位置制御装置によって制御は自動的に支配され得る。ユーザモード制御装置は電流ループからPIDループへの滑らかな制御モード切替を提供する。運動が停止した後、補助モードは再度利用可能になり得る。
【0107】
さらに、ブレーキモードが実現され得、これは上記のような好適な位置における停止に実質的に等しい。また、ブレーキ位置を離れたときのみモータが駆動され、PIDモードにおいて位置を維持することによって、ホールド/ブレーキ機能が実現され得る。
【0108】
図6を参照すると、本発明にかかるモータ補助位置決めのための方法の一実施形態例が描かれる。
【0109】
モータ補助運動の方法46が提供され、表面に対するモータ補助運動装置の所望運動の手動指示としてモータ補助運動装置に外力を加えるステップ48と、モータ装置若しくはモータ素子における外力を検出するステップ50と、所望運動を補助するステップ52とを有する。
【0110】
"有する"という語は他の要素若しくはステップを除外せず、"a"若しくは"an"は複数を除外しないことが留意されるべきである。また、異なる実施形態に関連して記載される要素は組み合されてもよい。
【0111】
請求項における参照数字は請求項の範囲を限定するものと解釈されてはならないこともまた留意されるべきである。
【符号の説明】
【0112】
2 X線システム
4 X線発生器
6 X線検出器
7 X線放射
8 車輪装置
9 車輪
10 対象
12 オペレータ
14 所望運動方向
15 ハンドル
16 所望運動の指示
18a,b,c 双方向車輪
19 モータ補助運動装置
20a,b,c 第1の方向
22a,b,c 第2の方向
24 第1の回転素子
26 第2の回転素子
28 軸
30 モータ補助運動装置の運動/結果として生じる運動
32 第1の回転素子の運動
34 第2の回転素子の運動
36 車輪のベクトル加算運動
38 回転点
40 第1のモータ素子
42 第2のモータ素子
44 運動制御システム
46 モータ補助運動の方法
48 ステップ:モータ補助運動装置に外力を加える
50 ステップ:モータ装置若しくはモータ素子における外力を検出する
52 ステップ:所望運動を補助する

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ補助運動装置であって、
少なくとも1つの双方向車輪と、
前記少なくとも1つの双方向車輪に付随するモータ装置とを有し、
前記モータ補助運動装置が表面上を動き、
前記少なくとも1つの双方向車輪が少なくとも第1の方向と少なくとも第2の方向に回転し、前記第1の方向と前記第2の方向が非平行であり、
前記モータ補助運動装置が前記表面に対する前記モータ補助運動装置の所望運動の指示を検出し、
前記モータ装置が前記指示に従って前記表面に対する前記モータ補助運動装置の運動を補助する、
モータ補助運動装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの双方向車輪が、
少なくとも1つの第1の回転素子と、
少なくとも1つの第2の回転素子とを有し、
前記少なくとも1つの第1の回転素子が前記第1の方向に回転し、
前記少なくとも1つの第2の回転素子が前記第2の方向に回転する、
請求項1に記載のモータ補助運動装置。
【請求項3】
前記モータ装置が、
前記少なくとも1つの双方向車輪に、特に前記少なくとも1つの第1の回転素子に付随する少なくとも1つの第1のモータ素子を有し、
前記少なくとも1つの第1のモータ素子が前記第1の方向に前記モータ補助運動装置を動かす、請求項1又は2に記載のモータ補助運動装置。
【請求項4】
前記モータ装置がさらに、
前記少なくとも1つの双方向車輪に、特に前記少なくとも1つの第2の回転素子に付随する少なくとも1つの第2のモータ素子を有し、
前記少なくとも1つの第2のモータ素子が前記第2の方向に前記モータ補助運動装置を動かす、請求項1乃至3の何れか一項に記載のモータ補助運動装置。
【請求項5】
前記モータ装置、前記第1のモータ素子及び/又は前記第2のモータ素子が、前記モータ装置、前記第1のモータ素子及び/又は前記第2のモータ素子にはたらく力及び/又はトルク、所望運動の指示を検出する、請求項1乃至4の何れか一項に記載のモータ補助運動装置。
【請求項6】
前記指示が手動指示である、請求項1乃至5の何れか一項に記載のモータ補助運動装置。
【請求項7】
前記モータ補助運動装置が、ドライブモード、クラッチモード、フリーホイールモード、ブレーキモード、モータ補助モード、位置モード、及び電動モードから成る群から少なくとも1つのモードを有する、請求項1乃至6の何れか一項に記載のモータ補助運動装置。
【請求項8】
前記モータ補助運動装置が自動再配置に適している、請求項1乃至7の何れか一項に記載のモータ補助運動装置。
【請求項9】
前記モータ装置が前記モータ補助運動装置の知覚された運動抵抗及び/又は運動力を少なくとも部分的に減らすことによって前記モータ補助運動装置の運動を補助する、請求項1乃至8の何れか一項に記載のモータ補助運動装置。
【請求項10】
前記表面に対する前記モータ補助運動装置の運動を制御するための運動制御素子をさらに有する、請求項1乃至9の何れか一項に記載のモータ補助運動装置。
【請求項11】
前記モータ装置が直接駆動モータ装置である、請求項1乃至10の何れか一項に記載のモータ補助運動装置。
【請求項12】
X線システムであって、
X線発生装置と、
X線検出器と、
少なくとも1つの双方向車輪とを有し、
前記少なくとも1つの双方向車輪が前記X線システムを表面上で動かし、
前記少なくとも1つの双方向車輪が少なくとも第1の方向と少なくとも第2の方向に回転し、前記第1の方向と前記第2の方向は非平行であり、
検査対象のX線画像の取得のために前記X線発生装置と前記X線検出器が動作可能なように結合される、
X線システム。
【請求項13】
請求項1乃至11のうちの少なくとも1つに記載のモータ補助運動装置を有し、
前記少なくとも1つの双方向車輪が前記モータ補助運動装置のものである、請求項12に記載のX線システム。
【請求項14】
モータ補助運動の方法であって、
表面に対するモータ補助運動装置の所望運動の手動指示として前記モータ補助運動装置に外力を加えるステップと、
モータ装置若しくはモータ素子における前記外力を検出するステップと、
前記所望運動を補助するステップとを有する、方法。
【請求項15】
X線システム、モバイルX線システム、及びCアークシステムのうちの少なくとも1つにおける、請求項1乃至11のうちの少なくとも1つに記載のモータ補助運動装置の使用。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−503778(P2013−503778A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527439(P2012−527439)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053922
【国際公開番号】WO2011/030255
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】