説明

反応性希釈剤としての植物油脂肪酸のエポキシ化エステル

本発明は、植物油脂肪酸のエポキシ化エステルを含有する組成物と、かかる組成物を調製する方法とに関する。エステルは、植物油脂肪酸のC1−6アルキルもしくはC2−6アルケニル、モノグリセロールもしくはジグリセロール、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルである。前記組成物には、エポキシ化エステルを含んでなるラテックスコーティング組成物、エポキシ化エステルを含んでなるエポキシ樹脂組成物、エポキシ化エステルを含んでなる熱硬化性プラスチック組成物、およびエポキシ化エステルを含んでなるPVC組成物が含まれる。本発明は、さらに、植物油脂肪酸の、エポキシ化モノグリセリドもしくはジグリセリド、およびエポキシ化C4−6ポリオールエステルに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、植物油脂肪酸のエポキシ化エステルを含む組成物と、前記組成物を調製する方法とに関する。かかる組成物には、ラテックスコーティング組成物、エポキシ樹脂組成物、熱硬化性プラスチック組成物、およびポリ塩化ビニル組成物が含まれる。
【背景技術】
【0002】
関連技術
大豆油やアマニ油のエポキシ化は、当技術分野では公知であり、工業規模で実施されている。エポキシ化油は、望ましい光安定性と熱安定性を有する。エポキシ化油は、特定のポリマーにおいて、可塑剤や安定剤として、使用される。例えば、エポキシ化油は、ポリ塩化ビニルポリマーにおいて、使用される。
【0003】
一般的な脂肪酸のエポキシ化は、強い触媒(例えば、硫酸)、酸化剤(例えば、H)、およびカルボン酸を使用する。反応槽の適切な攪拌および温度制御は、エポキシ化反応を実施するのに好適である。「脂肪酸誘導体の合成における最近の進歩(Recent Developments in the Synthesis of Fatty Acid Derivatives)」の10章、G.クノーテ(Knothe)およびJ.デルクセン(Derksen)編集、イリノイ州シャンペーンのAOCSプレス(AOCS Press,Champaign IL)1999年、157〜159頁)を参照のこと。
【0004】
エポキシ樹脂のための一般的な反応性希釈剤として、ブチルグリシドエーテル、C12−14脂肪族グリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテルおよび2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが挙げられる。コスト削減、樹脂粘性の低下、および硬化樹脂の特性の改変などの多くの理由で、反応性希釈剤が、エポキシ樹脂に添加される。反応性希釈剤は、多くの場合、より優れた充填材の装填と、顔料のより良好な湿潤とを可能にする。さらに、反応性希釈剤は、複合樹脂を充填材と含浸させる間に、良好な結合/表面湿潤を達成するのに、重要である。希釈剤は、粘性をかなり低減させるのに寄与し、エポキシ樹脂と同様な反応速度を有する。
【0005】
プロピレングリコールモノエステル(PGME)は、ラテックス塗料における効果的な凝集助剤である。PGMEは、VOC凝集溶剤を取り替えることにより、ラテックス塗料中の揮発性有機化合物(VOC)濃度を低下させる。コーティング用の不揮発性脂肪酸エステルは、バン・デ・マルク(Van de Mark)らの(米国特許出願公開第20040039095号明細書)に記載される。従来型の凝集剤は、ラテックスポリマーのガラス転移温度(T)を下げるように可塑剤として作用することにより、ラテックス塗料のフィルム形成を促進する。その結果、ポリマー粒子は、合流して、連続したフィルムを形成する。フィルム形成後、凝集剤は、コーティングから徐々に蒸発する。蒸発後、ポリマーのTは上昇し、コーティングは、硬化する。不飽和脂肪酸エステルの凝集剤は、コーティングから蒸発しない。代わりに、不飽和脂肪酸エステルの凝集剤は、酸化硬化を起こし、コーティング系の他の成分と反応する能力を有する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の簡単な要約
本発明は、植物油脂肪酸のエポキシ化エステルを含有する組成物と、前記組成物を調製する方法とに関する。上記エステルは、植物油脂肪酸のC1−6アルキルまたはC2−6アルケニル、モノグリセロールまたはジグリセロール、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルである。上記組成物には、上記エポキシ化エステルを含むラテックスコーティング組成物、上記エポキシ化エステルを含むエポキシ樹脂組成物、上記エポキシ化エステルを含む硬化性プラスチック組成物、および上記エポキシ化エステルを含むPVC組成物が含まれる。本発明は、植物油脂肪酸のエポキシ化モノグリセリドもしくはジグリセリド、およびエポキシ化C4−6ポリオールエステルに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
発明の詳細な説明
一態様において、本発明は、ラテックス樹脂と、植物油脂肪酸のC1−6アルキルもしくはC2−6アルケニル、モノグリセロールもしくはジグリセロール、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルとを含むコーティング組成物に関し、上記エステルは、脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を有する。埋め込まれたオキシラン環を含有する植物脂肪酸エステルは、同様にエポキシ化植物脂肪酸エステルと呼ばれる。
【0008】
植物油脂肪酸の適切なエポキシ化エステルとして、植物油脂肪酸のモノエステルおよびジエステルが挙げられる。コーティング組成物に好適なエステルは、植物油脂肪酸のグリコールモノもしくはジエステル、C1−6アルキルもしくはC2−6アルケニルエステル、モノグリセリドおよびジグリセリド、およびC4−6ポリオールエステルである。適切なエステルを調製する方法は、当技術分野で公知である。
【0009】
適切なエステルが誘導され得る好適なグリコールの例として、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールおよびジエチレングリコールが挙げられるが、それらに限定されない。
【0010】
エポキシ化植物油脂肪酸の好適なC1−6アルキルエステルの例として、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステルまたはブチルエステルが挙げられる。
【0011】
好適なC2−6アルケニルエステルの例として、エポキシ化植物油脂肪酸のアリルエステルおよびビニルエステルが挙げられる。これらの基に存在する二重結合は、場合により、同様に最終生成物においてエポキシ化され得る。
【0012】
エポキシ化植物油脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリドも、同様に好適である。
【0013】
適切なエステルが調製され得る好適なC4−6ポリオールの例として、単糖などの単純な炭水化物が挙げられる。好適なC4−6ポリオールは、本明細書に記載される通りにエステル化され得る。この種のさらに好適なエステルは、以下の構造A〜Fで例示されるC4−6残基を含有する。好適な単糖として、ピラノースとフラノースの両方の化合物が挙げられる。上記C4−6ポリオールが、エポキシ化植物油脂肪酸のソルビトールエステルであるのが、さらに好ましい。エポキシ化植物油脂肪酸のイソソルビドエステル、ソルビタンエステル、およびソルビトールイソソルビドエステルも、同様に好適である。これらのエステルは、以下の構造A、BおよびCとして各々表される残基C4−6ポリオールを含有し得る。
【0014】
植物油脂肪酸は、植物油から誘導される。好適な植物油として、大豆油、アマニ油、向日葵油、ヒマシ油、トウモロコシ油、カノーラ油、ナタネ油、パーム核油、綿実油、落花生油、ヤシ油、パーム油、桐油、サフラワー油およびそれらの誘導体、共役誘導体、遺伝子改変誘導体および混合物が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書に使用される通り、植物油の表す意味には、上記のその誘導体が含まれる。例えば、用語「アマニ油」の使用には、共役アマニ油を含む全ての誘導体が含まれる。上記植物油は、飽和でも不飽和でも可能である。
【0015】
植物油から誘導される脂肪酸には、約2〜約24個の炭素の炭素鎖を含有する脂肪酸が含まれる。炭素鎖は、約12〜約24個の炭素を含有するのがさらに好ましい。炭素の数は、約16〜18であるのが最も好ましい。脂肪酸は、不飽和であるのが好ましい。不飽和部位は、当技術分野で公知の方法により、エポキシ化され得る。本発明において、該脂肪酸鎖は、1個もしくは複数個のオキシラン環を有し得る。従って、複数の不飽和部位を有する脂肪酸は、かなりの程度までエポキシ化され得る。しかしながら、脂肪酸鎖の全ての二重結合が、エポキシ化される必要はない。炭素鎖の2つの隣接炭素間に形成された1個のオキシラン環を含有する脂肪酸鎖は、適切なエステルが誘導され得る脂肪酸である。少なくとも1個のオキシラン環が、上記の如く、隣接炭素に埋め込まれる限り、複数の不飽和部位を有する脂肪酸は、1個もしくは複数個の二重結合を有し得る。最も好適な実施形態において、該脂肪酸鎖は、2つ以下の不飽和部位を有する。好適な脂肪酸として、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、リシノール酸、アラキドン酸、セトレイン酸またはエルカ酸が挙げられるが、それらに限定されない。
【0016】
最も好適な実施形態において、脂肪酸鎖内に2つ以下の不飽和部位が存在するので、リノレン酸残基の量は、最少となる。上記のエポキシ化方法により、不飽和部位が環状となりオキシラン環を形成する脂肪酸残基が生じ、最も好適な実施形態において、最多で2つの不飽和部位が残る。
【0017】
上記エステルが、植物油脂肪酸のC2−6アルケニルエステルである場合、該アルケニル部分は、エポキシ化に適切な二重結合部位を提供する。従って、適切なアルケニルエステルは、脂肪酸部分の炭素鎖内の隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を含有し、場合によりアルケニル部分にオキシラン環を含有することが可能である。上記の如く、アルケニル部分は、エポキシ化植物脂肪酸エステルのアリルおよびビニル形であるのが好ましい。
【0018】
コーティング組成物中の成分として適切な任意のラテックス樹脂が、本発明において使用され得る。上記のラテックス樹脂は、市販されており、当技術分野で公知である。適切なラテックス樹脂として、スチレン−アクリル、スチレン系、ビニル−アクリル、スチレン−ブタジエン、ビニルアセタート、ビニルベルサテート等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0019】
コーティング組成物に関して、エステル、ならびに植物油および脂肪酸原料等の適切なタイプは、上記の通りである。
【0020】
コーティング組成物において、該エステルが、植物油脂肪酸のプロピレングリコールモノエステル、メチルエステルまたはアリルエステルであるのがさらに好ましい。
【0021】
コーティング組成物において、該植物油が、大豆油、向日葵油、トウモロコシ油、またはアマニ油であるのがさらに好ましい。該植物油が、大豆油であるのが最も好ましい。
【0022】
コーティング組成物において、本明細書に記載されるエポキシ化植物エステルは、本明細書に記載される所望の流動学的特性を有する最終コーティング組成物が結果として生じる任意の量で存在することが可能である。エポキシ化エステルの量は、上記エステルとブレンドされるラテックス樹脂の特定の種類によって、変わり得る。多くの有用な組成物において、ラテックス樹脂に対するエステルの量は、上記樹脂の70重量%以下である。上記エポキシ化植物エステルは、ラテックス樹脂の約1重量%〜約70重量%の量で存在するのが好ましい。上記植物エステルは、約5%〜約40%の量で存在するのが好ましい。上記植物エステルは、約10%〜約20%の量で存在するのが最も好ましい。
【0023】
本発明は、さらに、ラテックス樹脂と、植物油脂肪酸のC1−6アルキルもしくはC2−6アルケニル、モノグリセロールもしくはジグリセロール、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルとを組み合わせることを含むコーティング組成物を調製する方法に関し、上記エステルは、脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を有し、コーティング組成物が調製される。
【0024】
別の態様において、本発明は、エポキシ樹脂と、植物油脂肪酸のC1−6アルキルもしくはC2−6アルケニル、モノグリセロールもしくはジグリセロール、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルとを含むエポキシ樹脂組成物に関し、上記エステルは、脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を有する。
【0025】
エポキシ樹脂組成物中の成分として適切な任意のエポキシ樹脂が、本発明に使用され得る。上記のエポキシ樹脂は、市販されており、当技術分野で公知である。適切なエポキシ樹脂として、ビスフェノールAおよびF、ノボラック、エポキシアクリレート、エポキシビニルエステル樹脂、グリコールエポキシおよび臭素化エポキシ樹脂が挙げられるが、それらに限定されない。
【0026】
本発明のこの態様において、適切な植物油脂肪酸エポキシ化エステルには、植物油脂肪酸のモノエステルおよびジエステルが含まれる。エポキシ樹脂組成物において、好適なエステルは、植物油脂肪酸のグリコールモノエステル、C1−6アルキルエステルおよびアリルエステルである。エステルが誘導され得る適切なグリコールの例は、上記の通りである。エポキシ樹脂組成物において、該エステルが、植物油脂肪酸のプロピレングリコールモノエステル、メチルエステルまたはアリルエステルであるのがさらに好ましい。該エステルが、プロピレングリコールモノエステルであるのが最も好ましい。
【0027】
植物油脂肪酸は、植物油から誘導される。好適な植物油は、上記の通りである。エポキシ樹脂組成物において、該植物油が、大豆油、トウモロコシ油、向日葵油またはアマニ油であるのがさらに好ましい。該植物油が、アマニ油であるのが最も好ましい。最も好適な実施形態において、該エステルは、アマニ油の脂肪酸から誘導されるエポキシ化プロピレングリコールモノエステルまたはアリルエステルである。
【0028】
好適な脂肪酸には、上記の脂肪酸が含まれる。エポキシ樹脂組成物に関して、オレイン酸が、さらに好適である。
【0029】
エステルが、植物油脂肪酸のC2−6アルケニルエステルである場合、アルケニル部分は、エポキシ化に適切な二重結合部位を提供する。従って、適切なC2−6アルケニルエステルは、脂肪酸部分の炭素鎖内の隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を含有し、場合によりアルケニル部分に1個のオキシラン環を含有することが可能である。エポキシ樹脂組成物の最も好適な実施形態において、該エステルは、オレイン酸のエポキシ化アルキルエステルである。
【0030】
エポキシ樹脂組成物において、本明細書に記載される植物エステルは、エポキシ樹脂の約1重量%〜約70重量%の量で存在する。上記植物エステルは、約5%〜約40%の量で存在するのが好ましい。上記植物エステルは、約10%〜約20%の量で存在するのが最も好ましい。
【0031】
本発明は、さらに、エポキシ樹脂と、植物油脂肪酸のC1−6アルキルもしくはC2−6アルケニル、モノグリセロールもしくはジグリセロール、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルとを組み合わせることを含む上記のエポキシ樹脂組成物を調製する方法に関し、上記エステルが、脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を有し、エポキシ樹脂組成物が調製される。
【0032】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載されるエポキシ樹脂組成物とアミンとを含む熱硬化性プラスチック組成物に関する。上記組成物のエステル成分の脂肪酸部分に含有される1個もしくは複数個のオキシラン環は、アミンと反応して、ウレタンを形成することが可能である。オキシランと結合してウレタン結合を形成することが可能なあらゆるアミンが、適切なアミンである。上記アミンが、硬化の際に、複数のオキシラン部分と反応して、それによって、架橋したウレタン熱硬化性プラスチックを生じることができるジアミンもしくはトリアミンであるのが好ましい。好適なアミンには、2種以上の第一級もしくは第二級アミンを含有するか、または含有しない、脂肪族および芳香族アミンが含まれ得る。さらなる例として、エチレンジアミン、メチレンジアニリンジエチレントリアミン、ポリアミド、イミダゾールおよび無水物(例、ピロメリト酸二無水物等)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0033】
本発明は、さらに、(a)植物油脂肪酸のC1−6アルキルもしくはC2−6アルケニル、モノグリセロールもしくはジグリセロール、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルを含んでなり、前記エステルが、脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1つのオキシラン環を有するエポキシ樹脂と、(b)アミンとを組み合わせることを含む熱硬化性プラスチックを調製する方法に関する。上記アミンは、硬化の際に、複数のオキシラン部分と反応し、それにより架橋したウレタン熱硬化性プラスチックを生じることが可能であるジアミンもしくはトリアミンであるのが好ましい。オキシランと結合してウレタン結合を形成することが可能である全てのアミンが、適切なアミンである。好適なアミンには、上記のアミンが含まれる。
【0034】
別の態様において、本発明は、ポリ塩化ビニル(PVC)と、植物油脂肪酸のC1−6アルキルもしくはC2−6アルケニル、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルとを含むポリマー組成物に関し、前記エステルは、脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1つのオキシラン環を有する。
【0035】
本発明のこの態様において、適切な植物油脂肪酸エポキシ化エステルには、植物油脂肪酸のモノエステルおよびポリオールエステルが含まれる。PVCポリマー組成物において、好適なエステルは、植物油脂肪酸のグリコールモノエステル、C4−6ポリオールエステルおよびアリルエステルである。
【0036】
エステルが誘導され得る適切なグリコールの例は、上記の通りである。PVCポリマー組成物において、該エステルが、プロピレングリコールモノエステルであるのがさらに好ましい。PVC組成物に使用されるのに好適な他のエステルは、以下のA〜Fに例示されるC4−6残基を含有し得る。構造A〜Eは、一般的に、各々、イソソルビド、ソルビタン、テトラヒドロフランジメタノール、フランジメタノール、およびソルビトールとも呼ばれる。
【0037】
植物油脂肪酸は、植物油から誘導される。好適な植物油は、上記の通りである。PVCポリマー組成物において、該植物油が、大豆油、向日葵油、トウモロコシ油またはアマニ油であるのがさらに好ましい。該植物油が、大豆油であるのが最も好ましい。最も好適な実施形態において、該エステルは、大豆油から誘導される脂肪酸のエポキシ化プロピレングリコールモノエステルである。
【0038】
植物油脂肪酸は、上記の通りである。
【0039】
本発明は、さらに、ポリ塩化ビニルと、植物油脂肪酸のC1−6アルキルもしくはC2−6アルケニル、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルとを組み合わせることを備えるポリマー組成物を調製する方法に関し、該エステルは、前記脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を有する。
【0040】
PVCポリマー組成物において、本明細書に記載される植物エステルは、該ポリマーの約1重量%〜約70重量%の量で存在する。上記植物エステルは、約5%〜約40%の量で存在するのが好ましい。上記植物エステルは、約10%〜約20%の量で存在するのが最も好ましい。
【0041】
本発明は、さらに、エポキシ化植物油脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、C4−6ポリオールエステルに関する。かかる化合物には、本明細書に記載される植物油脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリドが含まれ、少なくとも1個のオキシラン環が、脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成される。ジグリセリドは、1,2ジグリセリドもしくは1,3ジグリセリドであり得る。
【0042】
本発明の化合物には、単糖と、少なくとも1個のオキシラン環が脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された植物油脂肪酸とのエステル化により、形成されるエステルが含まれる。本実施形態において、好適な化合物には、植物油脂肪酸のエポキシ化ソルビトールエステル、およびそれらの誘導体が含まれる。エポキシ化ソルビタンエステルおよびイソソルビドエステルも、同様に本発明の化合物に含まれる。
【0043】
上記C4−6ポリオールエステルは、任意のC4−6ポリオールから誘導されることが可能であり、環状および2環式ポリオールを含む。好適な環状構造として、フランおよびピラン誘導体が挙げられる。適切なC4−6ポリオールの多くは、炭水化物である。好適なポリオールは、ソルビトールである。好適な2環式ポリオールは、イソソルビドである。
【0044】
上記脂肪酸鎖は、2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を含有する。上記脂肪酸鎖は、1個もしくは複数個の二重結合を含有することもある。従って、本発明は、植物油脂肪酸の部分的にエポキシ化されたエステルに関する。かかる二重結合は、共役でも非共役でもよい。かかる脂肪酸鎖は、またさらに置換され得る。本実施形態において、かかる炭素鎖の炭素は、水素、ヒドロキシ(C1−10)アルキル、アミノ(C1−10)アルキル、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C6−10アリール、ヒドロキシ、ヘテロアリール、C3−6シクロアルキルおよびフェニル(C1−4)アルキルからなる群から選択される1つもしくは複数の置換基で独立して置換される。該炭素は、その最終用途における鎖の物理的および化学的特性を改変する置換基を含有するように、誘導されるのが好ましい。かかる改変には、界面活性特性、流動点、粘性、結晶化、重合等に影響を与える改変が含まれる。上記の目的のために付加される好ましい置換基として、エステル、アルコール、アミド、アミン、ケトン、エポキシド、カルボン酸、アルケン、アルキン、アジド、ヒドラジド、イミン、オキシム等が挙げられる。さらに好適な置換基は、脂肪族アルコール(分岐または直鎖)および脂肪族アミンである。これらの脂肪族基の付加により、鎖パッキングを分断させ、結晶化を回避することが可能である。
【0045】
本発明の化合物は、式
【化1】

[式中、
AおよびBは、
【化2】

からなる群から選択され、
AまたはBの少なくとも1つが、
【化3】

であり、
各例におけるRは、水素、ヒドロキシ(C1−10)アルキル、アミノ(C1−10)アルキル、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C6−10アリール、ヒドロキシ、ヘテロアリール、C3−6シクロアルキルおよびフェニル(C1−4)アルキルからなる群から独立して選択され、
mは、約2〜約10の整数であり、
nは、約2〜約10の整数であり、および
Zは、
【化4】

【化5】


(式中、yは、約2〜約50の整数である)および
【化6】

(式中、R’は、各々の場合において、水素、カルボキシアリル、カルボキシ(C1−5)アルキル、C1−5アルキルおよび
【化7】

(式中、R、A、B、mおよびnは、上記の通りである)
からなる群から独立して選択される)
からなる群から選択される]の化合物を含む。
【0046】
有用な化合物には、AおよびBが上に記載されるそれらの化合物が含まれる。全ての実施形態において、AまたはBの少なくとも1つが、炭素鎖に埋め込まれたオキシラン環である。部分的にエポキシ化されたエステルにおいて、AまたはBの1つが、−(CR=CR)−または−CR−であり得る。
【0047】
有用な化合物には、Rが上記の通りであるそれらの化合物が含まれる。好適な化合物として、各例におけるRが、独立して、水素、ヒドロキシ(C1−10)アルキル、またはアミノ(C1−10)アルキルであるそれらの化合物が挙げられる。全ての実施形態において、各例におけるRは、同一分子における他の例のRから独立して選択される。
【0048】
mおよびnの有用な値は、上に記載される。好適な実施形態において、mは、約2〜約5の整数である。nの好適な値として、約4〜約7の整数が挙げられる。
【0049】
有用な化合物は、Zが上記の通りに定義される化合物である。Zが、
【化8】

である場合、yは、使用されるPGE(ポリグリセロールエステル)のサイズにより、決定される。PGEは、当技術分野で公知である。有用なPGEの例として、デカグリセロールモノオレアート、デカグリセロールデカオレアート、デカグリセロールモノステアラート、トリグリセロールモノオレアート、トリグリセロールモノステアラート等が挙げられる。従って、yの有用な値は、約2〜約50の整数である。yの値が、約2〜約30の整数であるのが好ましい。yの値が、約2〜約20の整数であるのがさらに好ましい。yの値は、ポリマーのサイズに基づく。従って、該化合物に組み込まれ得るPGEを同定することだけが目的とされ、PGE中のモノマーの数に関する正確な値ではない。
【0050】
Zが
【化9】

である場合、R’のうちひとつだけが、構造aとして上記に図示する脂肪酸部分であり得る。その他のR’は、水素、カルボキシアリル、カルボキシ(C1−5)アルキルまたはC1−5アルキルであり、脂肪酸ではない。
【0051】
全ての好適な実施形態において、R’は、Zの値に関係なく、水素である。全ての実施形態において、各例におけるR’は、独立して、同一分子におけるその他の例のR’から選択される。
【0052】
本発明は、さらに、該ポリマー組成物に上記の化合物の有効量を加えることにより、ポリマー組成物のTを下げる方法に関する。該化合物を含む組成物のTは、上記化合物を添加する前に測定した組成物のTよりも低くなる。「有効量」は、Tを約2℃以上下げることができる任意の量である。ポリマー組成物のTを下げる方法は、Tが約5℃以上下がるように、化合物を添加することを含むのが好ましい。Tが約10℃以上下がるのがさらに好ましい。上記の化合物は、ポリマーと反応してポリマーマトリックスの一部になる前に、可塑剤として機能することもある。具体的には、PVCポリマーの場合、化合物は、可塑剤として働き、ポリマーと容易に反応しない。
【0053】
上記化合物は、安定剤としても有用である。上記化合物は、ポリマー中で自然に形成することがあるHイオンを捕捉することが可能である。これは、PVC組成物において、特に有用である。組成物を安定させるのに必要な化合物の量は、Tを約2℃以上下げるのに必要である量よりも少なくてよい。存在する化合物の任意の量が、Hを中和させるように働き、それにより安定化作用を提供する。
【0054】
本明細書に記載される「アルケニル」は、少なくとも1つの不飽和部位を含有する、任意の分岐もしくは未分岐、置換もしくは未置換の炭素鎖を表す。例は、「アリル」エステルであり、それは、脂肪酸とアリルアルコールのエステル化により、或いはオレアートとアリルアルコールのエステル交換反応により、生成される植物油脂肪酸のエステルである。
【0055】
本明細書に単独でもしくは別の基の一部として使用される用語「アルキル」は、直鎖と分岐鎖の両方の10個までの炭素、好ましくは6個の炭素、さらに好ましくは4個の炭素の基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、およびイソブチル等)を意味する。
【0056】
用語「アルコキシ」は、その鎖長がそれに制限されることと、酸素原子に結合することとを除いて上に定義される通りの、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を意味するように本明細書で使用され、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ等が挙げられるが、それらに限定されない。そのアルコキシ鎖は、1〜10個の炭素原子の長さであるのが好ましく、1〜4個の炭素原子の長さであるのがさらに好ましい。
【0057】
本明細書に単独でもしくは別の基の一部として使用される用語「アリール」は、環部分に6〜12個の炭素、好ましくは環部分に6〜10個の炭素を含有する単環式もしくは2環式芳香族基を意味し、例として、フェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル等の炭素環式基が挙げられる。用語「アリール」は、フェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル等の炭素環式アリール基だけでなく、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、およびピラニル等の複素環式アリール(「ヘテロアリール」)基も表すことが可能である。
【0058】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、5〜14個の環原子を有し、環状配列に6、10または14個のπ−電子を共有し、炭素原子と1、2または3個の酸素、窒素または硫黄ヘテロ原子を含有する基を意味する。ヘテロアリール基の例として、チエニル、イミダゾリル(imadizolyl)、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピラニル、チアントレニル、ピラゾリル、ピラジニル、インドリジニル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、キサンテニル、2H−ピロリル、ピロリル、3H−インドリル、ヒドリル、インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニル、およびフェノキサジニル基が挙げられる。殊に好適なヘテロアリール基として、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、3−アミノ−1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、ピリジン、および2−アミノピリジンが挙げられる。
【0059】
本明細書に単独でもしくは別の基の一部として使用される用語「シクロアルキル」は、3〜9個の炭素原子、さらに好ましくは3〜8個の炭素原子を含有するシクロアルキル基を意味する。典型的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびシクロノニルである。
【0060】
本明細書で使用される用語「フェニル(C1−4)アルキル」は、フェニル置換基を有する上記のC1−4アルキル基を意味し、例としてベンジルが挙げられる。
【0061】
本明細書で使用される用語「カルボキシ」は、酸素に二重結合する炭素を称する。その炭素は、さらに置換されることもある。
【0062】
本明細書で使用される用語「カルボキシアリル」は、酸素に二重結合する炭素を称し、その炭素は、さらにアリル基で置換される。
【0063】
本明細書で使用される用語「カルボキシ(C1−5)アルキル」は、酸素に二重結合する炭素を称し、その炭素は、さらにC1−5アルキル基で置換される。
【0064】
本発明が、立体異性体、ジアステレオマーおよび光学異性体の使用を包含することが、理解される。
【0065】
任意の変数が、任意の組成において複数回存在する場合、各存在でのその定義は、他の全ての存在でのその定義から独立している。さらに、置換基および/または変数の組み合わせは、かかる組み合わせが、結果として安定した化合物を生じる場合に限り、許容される。
【0066】
本開示内容は、特定の植物油エステルのエポキシ化と、それらの使用とを記載する。本明細書に記載した、結果として得られるエポキシ化植物エステルは、とりわけ、ラテックス塗料中の凝集助剤として、エポキシ樹脂剤中の反応性希釈剤として、およびポリマー用の可塑剤として、使用され得る。付加されるエポキシド官能基は、脂肪酸鎖内の炭素−炭素二重結を置換することが可能である。しかしながら、1個もしくは複数個の二重結合が、上記鎖内に依然として存在し得る。さらに、本明細書に記載される組成物中のエポキシ化植物エステルの機能は、明記されている機能に限定されない。
【0067】
以下の図は、エポキシ化脂肪酸誘導体を調製するための合成経路を表す。
【0068】
スキーム1は、エポキシ化脂肪酸誘導体の合成のための一般的な反応スキームを表す。アルキルエステル(好ましくはメチルもしくはエチル)の脂肪酸は、エステル、アルコールまたはポリオール間のエステル化もしくはエステル交換反応により、調製され得る。エステル化/エステル交換反応は、リパーゼ酵素により触媒され得る。エステル合成後、C=C結合は、酸化剤(例、過酸化水素等)を用いて、エポキシ化される。化学経路は、通常、ギ酸、または酢酸と強鉱酸との組み合わせを用いる。エポキシ化を促進することが可能な酵素として、ノボザイム(Novozyme)435等のカンジダアンタルチカ(Candida antartica)由来のリパーゼが挙げられる。(クラス(klass,M.R.)およびウォーウェル(Warwel,S.)の「10章、不飽和脂肪酸、エステルおよびトリグリセリドのための新規の酸化方法(New Oxidation Methods for Unsaturated Fatty Acids,Esters and Triglycerides)」脂肪酸誘導体の合成における最近の進歩(Recent Developments in the Synthesis of Fatty Acid Derivatives)(G.クノーテ(Knothe)およびJ.デルクセン(Derksen)、編)イリノイ州シャンペーンのAOCSプレス(AOCS Press,Champaign, IL,1999年)。リパーゼを用いるならば、そのプロセスは、ワン−ポット合成で稼動する可能性を有する。
【化10】

スキーム2は、エポキシ化脂肪酸誘導体のジアンヒドロヘキシトール(イソソルビド)エステルを調製するための合成経路を表す。
【化11】

【0069】
スキーム3は、エポキシ化脂肪酸誘導体のPGEエステルを調製するための合成経路を表す。
【化12】

【0070】
スキーム4は、エポキシ化脂肪酸エステル誘導体のTHF−グリコールエステルを調製するための合成経路を表す。
【化13】

【0071】
スキーム5は、エポキシ化脂肪酸エステル誘導体のフランジメタノールエステルを調製するための合成経路を表す。
【化14】

【0072】
脂肪酸鎖内の二重結合は、酸化のための反応部位であり、乾燥フィルムの経時的な黄変を助長する傾向があることが知られている。エポキシド基は、二重結合と同じ空気酸化を受けない。従って、二重結合の数が減少すれば、黄変は減少し得る。
【0073】
さらに、エポキシド基は、アミンおよびエポキシ樹脂剤に通常使われる他の硬化剤と反応する。従って、本明細書に記載されるエポキシ化植物エステルは、エポキシ剤中の反応性希釈剤/樹脂改質剤として、使用され得る。
【0074】
本明細書に記載されるエポキシ化植物エステルは、プラスチック中に組み込まれ、ポリマーの特性を改変することができる(例、ガラス転移温度の低下等)。エポキシド基は、高分子系において反応部位である。従って、エポキシドをコーティングおよび本明細書に記載したポリマーへ組み込むことにより、可撓性、強度、耐溶剤性、融解−粘性、硬化速度およびゲル化点等の性質に影響を与えることが可能である。さらに、PVCポリマーにおいて、エポキシドは、PVC分解中に遊離するHClを捕捉することにより、安定剤として働く。
【実施例】
【0075】
実施例
実施例1
大豆油脂肪酸のエポキシ化プロピレングリコールモノエステル
蒸留した大豆油(soy)PGME(150g)を、水溶性過酸化水素(100mL、50%)、ギ酸(10mL、98%)およびトゥイーン(Tween)20(0.1g)と共に、丸底フラスコに加えた。混合液を室温で24時間激しく攪拌した。反応混合液をヘキサン/エチルアセタートで分液漏斗に抽出し、水溶性の亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を脱イオン水でさらに数回洗浄した後、硫酸マグネシウム(無水)で乾燥させ、濾過した後、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。生成したエポキシ化PGMEは、室温で無色の液体であった。エポキシ化PGMEのNMR分析により、オレフィンプロトンのシグナル(約5.2〜5.4ppm)が減少して、新たなオキシランプロトンのシグナル(2.8〜3.0ppm)に替わったことを確認した。
【0076】
実施例2
エポキシ樹脂中の反応性希釈剤としてのエポキシ化PGME
35グラムのビスフェノールエポキシ樹脂(D.E.R.331、ダウケミカル(Dow Chemical))をアマニ油のエポキシ化プロピレングリコールモノエステル(20グラム)と混合した。透明で均質溶液の状態である混合液を生成した。その混合液は、580cPの粘性(ブルックフィールド(Brookfield)、番号4スピンドル、22.5℃で30RPM)を有した。初期のエポキシ樹脂は、22.5℃で16300cPの粘性を有した。
【0077】
実施例3
エポキシ化アリルオレアートの合成
アリルオレアート(30g)のエポキシ化を、実施例1に記載の通りに実施した。
【0078】
実施例4
エポキシ樹脂中の反応性希釈剤としてのエポキシ化アリルオレアート
エポキシ化アリルオレアートを10%と20%でDER331樹脂(ダウケミカル(Dow Chemical))とブレンドした。純樹脂と2種のブレンドの粘性をブルックフィールド(Brookfield)粘度計(番号4スピンドル、22.5℃で30RPM)で測定した。
【0079】
【表1】

【0080】
実施例5
エポキシ化アリルオレアート−エポキシ樹脂熱硬化性プラスチックの合成
ビスフェノールA ジグリシドエーテル樹脂(DER331、ダウケミカル(Dow Chemical))、ジエチレントリアミン(DETA)およびエポキシ化アリルオレアートを化合して、エポキシ熱硬化性プラスチックを生成した。DER331のエポキシド当量(EEW)は、185.4であった。エポキシ化アリルオレアートのEEWを測定し177.26であった([354.52g/モルのエポキシ化アリルオレアート)/(分子当り2モルのエポキシド官能基)]=177.26)。DETAのアミン当量は、20.6であった。DER331を有する20%エポキシアリルオレアート(EAO)混合物(総重量60g)のEEWを以下の通り計算した。:EEWmix=60g混合物/[12gEAO/177.26)+(48b DER331/185.4)]=183.7。
添加されるDETAの量:
アミン当量=20.6
phrアミン=(20.6×100)/183.7=100部の混合物当り11.2部のアミン
50gのEAO/DER331混合物を5.6グラムのDETAと混合して、最終の熱硬化性プラスチックを生成した。プラスチック製の六角形の秤量ボート内で混合物を十分に混ぜ合わせて、一晩中硬化させた。
【0081】
実施例6
ポリ塩化ビニル(PVC)のための可塑剤としてのエポキシ化大豆油PGME
A.高分子量のPVC(10.0g)とエポキシ化大豆油PGME(7.0g)をガラス瓶に加え、十分に混ぜ合わせ、液状PGMEをPVC粒子上に分散させた。その混合物を100℃のオーブン内に2時間置いた。その材料は、易流動性の粉末であった。試料材料を示差走査熱量計(DSC)のパンに加えた。−40℃〜120℃でDSCをスキャンした。試験中に、非常に広範囲の低温遷移(−10〜20℃)を記録した。DSCパンから除去したPVCは、室温で、軟質でゴム状の透明な固体であった。可塑剤無添加のPVCのガラス転移温度(T)は、87℃であった。
【0082】
B.高分子量PVC(10.0g)とエポキシ化大豆油PGME(1.0g)をガラス瓶に加え、十分に混ぜ合わせ、液状PGMEをPVC粒子上に分散させた。その混合物を100℃のオーブン内に2時間置いた。その材料は、易流動性の粉末であった。試料材料を示差走査熱量計(DSC)のパンに加えた。DSCを−40℃〜120℃でスキャンした。試験中に、ガラス転移温度64.8℃を記録した。DSCパンから除去したPVCは、室温で、軟質でゴム状の透明な固体であった。可塑剤無添加のPVCのガラス転移温度(T)は、87℃であった。
【0083】
実施例7
ラテックスエマルション樹脂の可塑化
ラテックスエマルション樹脂UCAR 379G(ビニルアクリル、ダウケミカル)とSG30(アクリル、ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas))を製造業者から受け取った状態で使用した。上の実施例1に記載した通りにエポキシ化PGMEを調製した。ラテックス固体の12重量%で、エポキシ化PGMEをUCAR 379Gに加えた。試料を十分に混ぜ合わせた。混合後、純粋のUCAR 379G(エポキシ化PGME無添加)と、12%のエポキシ化PGMEを含有するUCAR 379Gとで、フィルムを成型した。
【0084】
試料を室温で5日間乾燥させた。5日後、示差走査熱量計により、フィルムのガラス転移温度を分析した。UCAR 379G(純)は、15.6℃のガラス転移温度を有した。12%のエポキシ化PGMEを含有するUCAR 379Gは、7.4℃のガラス転移温度を有した。
【0085】
SG30(純)と、6%のエポキシ化PGMEを含有するSG30とを用いて、上記の試験を繰り返した。SG30(純)は、19.9℃のガラス転移温度を有した。6%のエポキシ化PGMEを含有するSG30は、6.9℃のガラス転移温度を有した。
【0086】
今や、本発明は、十分に説明され、本発明やそれらのいかなる実施形態の範囲に影響を及ぼすことなく、同一なことが、条件、薬剤、および他のパラメータの広範囲および等価範囲内で実施できることを、当業者は理解するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0087】
図面の簡単な説明
【図1】本発明の使用に適切なエポキシ化C2−6アルケニル部分のエステルを含むエポキシ化植物脂肪酸エステルを図示する。
【図2】数種のエポキシ化植物脂肪酸エステルを図示する。
【図3】数種のエポキシ化植物脂肪酸エステルを図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラテックス樹脂と、植物油脂肪酸のC1−6アルキル、C2−6アルケニル、エポキシ化C2−6アルケニル、モノグリセロール、ジグリセロール、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルとを含むコーティング組成物であって、前記エステルが、前記脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を有するコーティング組成物。
【請求項2】
前記エステルが、前記ラテックス樹脂の約1重量%〜約70重量%の量で存在する請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項3】
前記エステルが、前記ラテックス樹脂の約5重量%〜約40重量%の量で存在する請求項2に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記エステルが、前記ラテックス樹脂の約10重量%〜約20重量%の量で存在する請求項3に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
前記エステルが、グリコールモノエステルである請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
前記エステルが、プロピレングリコールモノエステル、ジプロピレングリコールモノエステル、エチレングリコールモノエステルまたはジエチレングリコールモノエステルである請求項5に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
前記エステルが、プロピレングリコールモノエステルである請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
前記エステルが、C1−6アルキルエステルである請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記エステルが、メチルエステルである請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
前記エステルが、アリルエステルである請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
前記エステルが、不飽和植物油脂肪酸から誘導される請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
前記不飽和植物油脂肪酸が、大豆油、アマニ油、向日葵油、ヒマシ油、トウモロコシ油、カノーラ油、ナタネ油、パーム核油、綿実油、落花生油、ヤシ油、パーム油、桐油、サフラワー油およびそれらの誘導体、共役誘導体、遺伝子改変誘導体、ならびに混合物からなる群から選択される不飽和植物油から誘導される請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
前記不飽和植物油が、大豆油、向日葵油またはアマニ油である請求項12に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
前記不飽和植物油が、大豆油である請求項13に記載のコーティング組成物。
【請求項15】
前記グリコールまたはC4−6ポリオールエステルが、以下の構造
【化1】

[式中、
AおよびBは、
【化2】

からなる群から選択され、
AまたはBの少なくとも1つが、
【化3】

であり、
各例におけるRは、水素、ヒドロキシ(C1−10)アルキル、アミノ(C1−10)アルキル、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C6−10アリール、ヒドロキシ、ヘテロアリール、C3−6シクロアルキルおよびフェニル(C1−4)アルキルからなる群から独立して選択され、
mは、約2〜約10の整数であり、
nは、約2〜約10の整数であり、および
Zは、
【化4】

【化5】

(式中、yは、約2〜約50の整数である)および
【化6】

(式中、R’は、各々の場合において、水素、カルボキシアリル、カルボキシ(C1−5)アルキル、C1−5アルキルおよび
【化7】

(式中、R、A、B、mおよびnは、上記の通りである)
からなる群から独立して選択される)
からなる群から選択される]を有する請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項16】
ラテックス樹脂と、植物油脂肪酸のC1−6アルキル、エポキシ化C2−6アルケニル、C2−6アルケニル、モノグリセロール、またはジグリセロール、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルとを組み合わせる工程を含む請求項1に記載のコーティング組成物を調製する方法であって、前記エステルが、前記脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を有し、コーティング組成物が調製される方法。
【請求項17】
前記エステルが、グリコールモノエステル、C1−6アルキルエステル、ソルビトールエステル、ソルビタンエステル、イソソルビドエステル、フルフラールアルコールエステルまたはアリルエステルである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記エステルが、プロピレングリコールモノエステルである請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記エステルが、不飽和植物油脂肪酸から誘導される請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記エステルが、不飽和植物油脂肪酸のプロピレングリコールモノエステルである請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記不飽和植物油脂肪酸が、不飽和大豆油から誘導される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
エポキシ樹脂と、植物油脂肪酸のC1−6アルキル、C2−6アルケニル、エポキシ化C2−6アルケニル、モノグリセロール、ジグリセロール、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルとを含んでなり、前記エステルが、前記脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を有するエポキシ樹脂組成物。
【請求項23】
前記エステルが、前記エポキシ樹脂の約1重量%〜約70重量%の量で存在する請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項24】
前記エステルが、前記エポキシ樹脂の約5重量%〜約40重量%の量で存在する請求項23に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項25】
前記エステルが、前記エポキシ樹脂の約10重量%〜約20重量%の量で存在する請求項24に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項26】
前記エステルが、グリコールモノエステルである請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項27】
前記エステルが、プロピレングリコールモノエステル、ジプロピレングリコールモノエステル、エチレングリコールモノエステルまたはジエチレングリコールモノエステルである請求項26に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項28】
前記エステルが、プロピレングリコールモノエステルである請求項27に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項29】
前記エステルが、C1−6アルキルエステルである請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項30】
前記エステルが、メチルエステルである請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項31】
前記エステルが、アリルエステルである請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項32】
前記グリコールまたはC4−6ポリオールが、以下の構造
【化8】

[式中、
AおよびBは、
【化9】

からなる群から選択され、
AまたはBの少なくとも1つが、
【化10】

であり、
各例におけるRは、水素、ヒドロキシ(C1−10)アルキル、アミノ(C1−10)アルキル、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C6−10アリール、ヒドロキシ、ヘテロアリール、C3−6シクロアルキルおよびフェニル(C1−4)アルキルからなる群から独立して選択され、
mは、約2〜約10の整数であり、
nは、約2〜約10の整数であり、および
Zは、
【化11】

【化12】

(式中、yは、約2〜約50の整数である)および
【化13】

(式中、R’は、各々の場合において、水素、カルボキシアリル、カルボキシ(C1−5)アルキル、C1−5アルキルおよび
【化14】

(式中、R、A、B、mおよびnは、上記の通りである)
からなる群から独立して選択される)
からなる群から選択される]を有する請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項33】
前記エステルが、不飽和植物油脂肪酸から誘導される請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項34】
前記不飽和植物油脂肪酸が、大豆油、アマニ油、向日葵油、ヒマシ油、トウモロコシ油、カノーラ油、ナタネ油、パーム核油、綿実油、落花生油、ヤシ油、パーム油、桐油、サフラワー油およびそれらの誘導体、共役誘導体、遺伝子改変誘導体、ならびに混合物からなる群から選択される不飽和植物油から誘導される請求項33に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項35】
前記不飽和植物油が、大豆油またはアマニ油である請求項34に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項36】
前記不飽和植物油が、アマニ油である請求項35に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項37】
前記エステルが、アマニ油の脂肪酸から誘導されるプロピレングリコールモノエステルである請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項38】
前記エステルが、オレイン酸のアリルエステルである請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項39】
エポキシ樹脂と、植物油脂肪酸のC1−6アルキル、C2−6アルケニル、エポキシ化C2−6アルケニル、モノグリセロール、ジグリセロール、C4−6ポリオールまたはグリコールエステルとを組み合わせる工程を含む請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物を調製する方法であって、前記エステルが、前記脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を有し、エポキシ樹脂組成物が調製される方法。
【請求項40】
前記エステルが、植物油脂肪酸のアリルまたはプロピレングリコールモノ−エステルである請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記エステルが、オレイン酸のアリルエステルである請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記エステルが、アマニ油から誘導される脂肪酸のプロピレングリコールモノエステルである請求項39に記載の方法。
【請求項43】
請求項22、32に記載のエポキシ樹脂組成物とアミンとを含む熱硬化性プラスチック組成物。
【請求項44】
前記アミンが、芳香族アミン、エチレンジアミン、メチレンジアニリンジエチレントリアミン、ポリアミド、イミダゾールおよび無水アミンからなる群から選択される請求項43に記載の熱硬化性プラスチック組成物。
【請求項45】
前記アミンが、ジエチレントリアミンである請求項43に記載の熱硬化性プラスチック組成物。
【請求項46】
熱硬化性プラスチック組成物を調製する方法であって、請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物と、アミンとを組み合わせる工程を含む、熱硬化性プラスチック組成物が調製される方法。
【請求項47】
ポリ塩化ビニルと、植物油脂肪酸のC2−6アルケニル、エポキシ化C2−6アルケニル、C4−6ポリオールまたはグリコールモノエステルとを含むポリマー組成物であって、前記エステルが、前記脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1つのオキシラン環を有し、前記C4−6ポリオールエステルが、以下の構造
【化15】

[式中、
AおよびBは、
【化16】

からなる群から選択され、
AまたはBの少なくとも1つが、
【化17】

であり、
各例におけるRは、水素、ヒドロキシ(C1−10)アルキル、アミノ(C1−10)アルキル、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C6−10アリール、ヒドロキシ、ヘテロアリール、C3−6シクロアルキルおよびフェニル(C1−4)アルキルからなる群から独立して選択され、
mは、約2〜約10の整数であり、
nは、約2〜約10の整数であり、および
Zは、
【化18】

【化19】

(式中、R’は、各々の場合において、水素、カルボキシアリル、カルボキシ(C1−5)アルキル、C1−5アルキルおよび
【化20】

(式中、R、A、B、mおよびnは、上記の通りである)
からなる群から独立して選択される)
からなる群から選択される]を有するポリマー組成物。
【請求項48】
前記エステルが、前記ポリ塩化ビニルの約1重量%〜約70重量%の量で存在する請求項47に記載のポリマー組成物。
【請求項49】
前記エステルが、前記ポリ塩化ビニルの約5重量%〜約40重量%の量で存在する請求項47に記載のポリマー組成物。
【請求項50】
前記エステルが、前記ポリ塩化ビニルの約10重量%〜約20重量%の量で存在する請求項47に記載のポリマー組成物。
【請求項51】
前記エステルが、グリコールモノエステルである請求項47に記載のポリマー組成物。
【請求項52】
前記エステルが、プロピレングリコールモノエステル、ジプロピレングリコールモノエステル、エチレングリコールモノエステルまたはジエチレングリコールモノエステルである請求項47に記載のポリマー組成物。
【請求項53】
前記エステルが、プロピレングリコールモノエステルである請求項47に記載のポリマー組成物。
【請求項54】
前記エステルが、アリルエステルである請求項47に記載のポリマー組成物。
【請求項55】
前記エステルが、不飽和植物油脂肪酸から誘導される請求項47に記載のポリマー組成物。
【請求項56】
前記不飽和植物油脂肪酸が、大豆油、アマニ油、向日葵油、ヒマシ油、トウモロコシ油、カノーラ油、ナタネ油、パーム核油、綿実油、落花生油、ヤシ油、パーム油、桐油、サフラワー油およびそれらの誘導体、遺伝子改変誘導体、ならびに混合物からなる群から選択される不飽和植物油から誘導される請求項47に記載のポリマー組成物。
【請求項57】
前記不飽和植物油が、大豆油、トウモロコシ油、向日葵油またはアマニ油である請求項47に記載のポリマー組成物。
【請求項58】
前記不飽和植物油が、大豆油である請求項57に記載のポリマー組成物。
【請求項59】
前記エステルが、大豆油から誘導される脂肪酸のプロピレングリコールモノエステルである請求項47に記載のポリマー組成物。
【請求項60】
請求項47に記載のポリマー組成物を調製する方法であって、ポリ塩化ビニルと、植物油脂肪酸の前記エステルとを組み合わせる工程を含む、ポリマー組成物が、調製される方法。
【請求項61】
植物油脂肪酸のC2−6アルケニル、エポキシ化C2−6アルケニル、またはC4−6ポリオールエステルを含むエポキシ化植物油脂肪酸のエステルであって、前記エステルが、前記脂肪酸の炭素鎖内の2つの隣接炭素間に形成された少なくとも1個のオキシラン環を有し、前記C4−6ポリオールエステルが、以下の構造
【化21】

[式中、
AおよびBは、
【化22】

からなる群から選択され、
AまたはBの少なくとも1つが、
【化23】

であり、
各例におけるRは、水素、ヒドロキシ(C1−10)アルキル、アミノ(C1−10)アルキル、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C6−10アリール、ヒドロキシ、ヘテロアリール、C3−6シクロアルキルおよびフェニル(C1−4)アルキルからなる群から独立して選択され、
mは、約2〜約10の整数であり、
nは、約2〜約10の整数であり、および
Zは、
単糖の残基
【化24】

【化25】

(式中、R’は、各々の場合において、水素、カルボキシアリル、カルボキシ(C1−5)アルキル、C1−5アルキルおよび
【化26】

(式中、R、A、B、mおよびnは、上記の通りである)
からなる群から独立して選択される)
からなる群から選択される]を有するエステル。
【請求項62】
前記C4−6ポリオールエステルが、単糖から誘導される請求項61に記載のエステル。
【請求項63】
前記C4−6ポリオールエステルが、ソルビトール、ソルビタンまたはイソソルビドから誘導される請求項61に記載のエステル。
【請求項64】
前記C4−6ポリオールエステルが、ヒドロキシメチルフルフラールから誘導される請求項61に記載のエステル。
【請求項65】
前記植物油脂肪酸が、大豆油、トウモロコシ油、向日葵油またはアマニ油から誘導される請求項61に記載のエステル。
【請求項66】
各例におけるRが、独立して、水素、ヒドロキシ(C1−10)アルキル、またはアミノ(C1−10)アルキルであり、
R’が、水素である請求項61に記載のエステル。
【請求項67】
mが、約2〜約5の整数であり、
nが、約4〜約7の整数である請求項61に記載のエステル。
【請求項68】
第1のTを有するポリマーを含む組成物のガラス転移温度、Tを下げる方法であって、
前記方法は、
ポリマーを含む前記組成物と請求項61に記載のエステルとを組み合わせる工程を含む、前記第1のTが、約2℃以上、下がる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−506016(P2008−506016A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520470(P2007−520470)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/023971
【国際公開番号】WO2006/014483
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(503298977)アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド カンパニー (9)
【Fターム(参考)】