説明

収穫機

【課題】エンジンボンネットの上方に配置された運転座席を有した収穫機において、運転部を大型化せずに排ガス浄化装置と運転座席の機体上下方向での重なりを回避しながら排ガス浄化装置をエンジンボンネット内のディーゼルエンジンの上方に設けることができようにする。
【解決手段】ディーゼルエンジン21の排気ガスを導入して排気ガスの浄化処理を行う排ガス浄化装置50を、排ガス浄化装置50の全体が運転座席12に対して刈取り部側に偏倚し、かつ排ガス浄化装置50の機体横方向での一部が運転部の刈取り部側横壁11cから刈取り部側に突出する配置でエンジンボンネット22内に設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンを内装するエンジンボンネットを備え、前記エンジンボンネットの上方に配置された運転座席を有した運転部を備え、前記運転部の横側方で走行機体に昇降操作自在に連結された刈取り部を備えた収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、エンジンを内装するエンジンボンネットを備え、このエンジンボンネットの上方に運転座席が配置されたコンバインがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−213605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ディーゼルエンジンが備えられた収穫機において、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれる粒子状物質を減少させるなどの排ガス浄化装置をエンジンボンネット内に設けると、排ガス浄化装置の温度管理にディーゼルエンジンの放熱を利用しやすいとか、排ガス浄化装置とディーゼルエンジンを接続する配管を短く済ませ得るなど有利となる。しかし、排ガス浄化装置と運転座席とが機体上下方向に重なり合うことになった場合、運転座席の配置高さが高くなり、これに伴って運転パネルを操作し易い配置高さに配置変更するなどの設計変更が必要になりがちとなる。また、排ガス浄化装置と運転座席の機体上下方向での重なりを回避するように運転座席を機体前方向や機体横方向に位置変更した場合、運転座席の移動のために運転部の機体前後方向や機体横方向での大きさが大きくなりがちとなる。
【0005】
本発明の目的は、運転部を大型化せずに排ガス浄化装置と運転座席の機体上下方向での重なりを回避しながら排ガス浄化装置をエンジンボンネット内に設けることができる収穫機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明は、ディーゼルエンジンを内装するエンジンボンネットを備え、前記エンジンボンネットの上方に配置された運転座席を有した運転部を備え、前記運転部の横側方で走行機体に昇降操作自在に連結された刈取り部を備えた収穫機において、
前記ディーゼルエンジンの排気ガスを導入して排気ガスの浄化処理を行う排ガス浄化装置を、この排ガス浄化装置の全体が前記運転座席に対して刈取り部側に偏倚し、かつ前記排ガス浄化装置の機体横方向での一部が前記運転部の刈取り部側横壁から前記刈取り部側に突出する配置で前記エンジンボンネット内に設けてある。
【0007】
本第1発明の構成によると、排ガス浄化装置の機体横方向での一部が運転部の刈取り部側横壁から刈取り部側に突出することで、排ガス浄化装置の全体が運転座席に対して刈取り部側に偏倚する配置で排ガス浄化装置をエンジンボンネット内に設けることができる。よって、運転座席と排ガス浄化装置とが機体上下方向に重なり合うことを回避しながら、運転座席の機体前方向や機体横方向への位置変更を不要することができる。
【0008】
従って、排ガス浄化装置とディーゼルエンジンを接続する配管を極力短く済ませるなど有利な状態で排ガス浄化装置を設けて排ガスの浄化を行なえる収穫機を、運転座席と排ガス浄化装置の機体上下方向での重なり合いを回避して運転パネルの配置高さを高くするなどの運転部の設計変更を不要や抑制して安価に、かつ運転座席の位置変更による運転部の大型化を回避や抑制してコンパクトに得ることができる。
【0009】
本第2発明は、本第1発明の構成において、前記排ガス浄化装置を前記ディーゼルエンジンの上方に配置してある。
【0010】
本第2発明の構成によると、排ガス浄化装置をエンジンボンネット内のより内側に位置させることができ、エンジンボンネット内を流動するエンジン冷却風が良好に接触する排ガス浄化装置の表面積が大になってエンジン冷却風を排ガス浄化装置の冷却に効果的に活用できる。
【0011】
本第3発明は、本第1又は第2発明の構成において、前記エンジンボンネットから前記刈取り部側に流出したエンジン冷却風を前記排ガス浄化装置の前記刈取り部側に突出する部位に向かうよう流動案内する流動ガイドを設けてある。
【0012】
本第3発明の構成によると、刈取り部側に突出してエンジン冷却風が触れにくくなりがちな排ガス浄化装置の一部に、エンジンボンネット内から刈取り部側に流出するエンジン冷却風を流動ガイドによる案内によって向けて流動させて良好に接触させることができる。
【0013】
従って、排ガス浄化装置の一部を刈取り部側に突出させるものでありながら、流動ガイドを設けるだけの簡単な対策により、排ガス浄化装置の過熱を防止するなどの排ガス浄化装置の温度管理にエンジン冷却風を利用することができる。
【0014】
本第4発明は、本第1〜第3発明のいずれか一つの構成において、前記排ガス浄化装置の制御のためのセンサを前記排ガス浄化装置の前記刈取り部側に突出する部位に装備してある。
【0015】
本第4発明の構成によると、センサを排ガス浄化装置より高い配置高さに配置する場合でも、排ガス浄化装置の刈取り部側に突出する部位に装備することにより、エンジンボンネットの天板部の配置高さをセンサのために高くすることなく、センサを排ガス浄化装置に装備することができる。
【0016】
従って、センサを排ガス浄化装置に装備してセンサと排ガス浄化装置の連係距離を短く済ませながら、天板部の配置高さを低く済ませて原動部のコンパクト化を図ることができる。
【0017】
本第5発明は、本第4発明の構成において、前記エンジンボンネットを前記走行機体に揺動開閉自在に支持させ、
前記センサの上方を覆うセンサカバーを、前記エンジンボンネットから刈取り部側に向かって延出されるとともに前記エンジンボンネットに固定された固定カバー部と、前記固定カバー部の延出端側に下降閉じ姿勢と上昇開き姿勢とに揺動開閉自在に支持された開閉カバー部とを備えて構成してある。
【0018】
本第5発明の構成によると、開閉カバー部を下降閉じ姿勢に切換えることにより、エンジンボンネットを閉じた状態では、開閉カバー部がセンサに極力近づいてセンサを覆うから、センサを確実に保護することができる。一方、エンジンボンネットを開き操作する際には、開閉カバー部を上昇開き姿勢に切換えることにより、開閉カバー部をセンサから離して、エンジンボンネットの揺れ動きなどに起因する開閉カバー部のセンサに対する接触を回避しやすくなる。
【0019】
従って、通常時には、開閉カバー部をセンサに極力近づけて、センサカバーによってセンサを適確に保護しながら、原動部の点検時などエンジンボンネットを開き操作する場合、開閉カバー部がセンサに接触しにくくセンサの損傷や破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】収穫機の全体を示す右側面図である。
【図2】収穫機の全体を示す左側面図である。
【図3】収穫機の全体を示す平面図である。
【図4】運転部及び原動部を示す右側面図である。
【図5】原動部を示す左側面図である。
【図6】運転部及び原動部を示す平面図である。
【図7】運転部及び原動部のエンジンボンネット縦断面状態での正面図である。
【図8】原動部のエンジンボンネット縦断面状態での正面図である。
【図9】原動部を示す平面図である。
【図10】原動部を示す左側面図である。
【図11】排ガス浄化装置の支持構造を示す分解状態での斜視図である。
【図12】エンジンボンネット及びサイド運転パネルを示す斜視図である。
【図13】第1の別実施構造を備えた原動部を示す縦断後面図である。
【図14】第2の別実施構造を備えた原動部を示す平面図である。
【図15】第3の別実施構造を備えた原動部のセンサカバーを示す説明図である。
【図16】第4の別実施構造を備えた収穫機を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る収穫機の全体を示す右側面図である。図2は、本発明の実施例に係る収穫機の全体を示す左側面図である。図3は、本発明の実施例に係る収穫機の全体を示す平面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係る収穫機は、左右一対のクローラ走行装置1,1によって自走するよう構成され、かつ運転キャビン11が装備された乗用型の運転部10、及び運転座席12の下方に位置するディーゼルエンジン21が装備された原動部20を機体フレーム2の前端部の横一端側に設けられた走行機体と、走行機体の機体フレーム2に運転部10の横側方で連結された刈取り部3と、走行機体の機体フレーム2の後部側に刈取り部3の後方に配置して設けられた脱穀装置4と、走行機体の機体フレーム2の後部側の脱穀装置4の横側に配置して設けられた穀粒タンク5とを備えて構成してあり、稲、麦などの収穫作業を行なう。
【0022】
刈取り部3は、機体フレーム2から機体前方向きに上下揺動自在に延出された刈取り部フレーム3aを備え、この刈取り部フレーム3aが昇降シリンダ6によって揺動操作されることにより、刈取り部3の前端部に機体横方向に並べて設けてある分草具3bが地面近くに下降した下降作業状態と、分草具3bが地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作される。刈取り部3を下降作業状態にして走行機体を走行させることにより、刈取り部3は、刈取対象の植立穀稈を分草具3bによって後方の引起し装置3cに導入して引起し処理し、引起し処理される植立穀稈をバリカン形の刈取り装置3dによって刈取処理し、刈取り穀稈を供給装置3eによって後方に搬送して脱穀装置4の脱穀フィードチェーン4aに供給する。脱穀装置4は、供給装置3eによって供給された刈取り穀稈の株元側を脱穀フィードチェーン4aによって走行機体後方向きに挟持搬送しながら、穂先側を扱室に供給して脱穀処理する。穀粒タンク5は、脱穀装置4から送り込まれる脱穀粒を貯留し、貯留した脱穀粒をスクリューコンベヤでなるオーガ7によって搬出する。
【0023】
運転部10について説明する。
図1,2,3,4,6に示すように、運転部10は、運転キャビン11を備える他、運転キャビン11の内部にその前後に並べて設けた運転座席12とフロント運転パネル13、運転キャビン11の内部に運転座席12の刈取り部側の横側方に配置して設けたサイド運転パネル14を備えて構成してある。
【0024】
図4,7に示すように、運転座席12は、エンジンボンネット22の機体前方側部の上方箇所に配置され、エンジンボンネット22の天板部30のうちの運転座席12の下方に位置する座席下方部31(図12参照)に座席支持機構15を介して取付けられている。座席支持機構15は、天板部30の座席下方部31に設けられた取付けボルト孔31a(図12参照)によって座席下方部31に連結された左右一対の支持レール15a,15aを備え、この支持レール15a,15aによって運転座席12を機体前後方向にスライド調節自在に支持しており、運転座席12は、機体前後方向に取付け位置変更できるようになっている。
【0025】
図6,12に示すように、サイド運転パネル14は、エンジンボンネット22における天板部30の機体横内側端部の上方箇所とフロント運転パネル13の機体横内側端部とに亘って位置するパネル天板14aと、このパネル天板14aの運転座席側の横端に上端が連なる運転座席側の横縦板14bと、パネル天板14aの刈取り部側(運転座席側とは反対側)の横端に上端が連なる刈取り部側の横縦板14cとを備えて構成してある。サイド運転パネル14には、走行用変速装置(図示せず)を変速操作する変速レバー16、及び刈取り部3を駆動及び停止操作する刈取クラッチレバー17が揺動操作自在に配備されている。
【0026】
パネル天板14a及び運転座席側の横縦板14bは、エンジンボンネット22の天板部30における浄化装置上方部32の機体前方側部分の上方箇所とフロント運転パネル13の機体横内側端部とに亘って設けられている。運転座席側の横縦板14bと運転座席12との機体横方向での間隔が天板部30における浄化装置上方部32と運転座席12との機体横方向での間隔よりも大になるように、運転座席側の横縦板14bは、天板部30における浄化装置上方部32の運転座席側の横端32aに対して運転座席側と反対側に偏倚させてある。
【0027】
原動部20について説明する。
図7,8,9に示すように、原動部20には、エンジンボンネット22に内装されたディーゼルエンジン21(以下、エンジン21と略称する。)を備えてある。
【0028】
エンジンボンネット22は、エンジン21の機体前方側に位置する前壁部22a(図12参照)、エンジン21の機体後方側に位置する後壁部、及びエンジン21の上方に位置する天板部30を備えて構成してある。
【0029】
図1,4,5,7,8に示すように、エンジン21は、クランク軸方向が機体横方向となる搭載姿勢で機体フレーム2に搭載してある。エンジン21とエンジンボンネット22の機体横外側端部に備えられた吸気壁23との間に、エンジン21に冷却水循環パイプ24aを介して接続されたエンジン冷却用のラジエータ24を機体フレーム2に支持させた状態で設け、ラジエータ24とエンジン21の間に、冷却ファン25をエンジン21に回転駆動自在に支持された状態で設けて、エンジン21の冷却を行なうように構成してある。
【0030】
すなわち、吸気壁23は、エンジンボンネット22の前壁部22a及び後壁部の機体横外側端部に支持される壁枠23aと、この壁枠23aに張設された除塵体に兼用の吸気板23bとを備えて構成してある。冷却ファン25がエンジン21によって回転駆動されて発揮する吸気及び送風作用により、エンジンボンネット22の外部の空気を吸気板23に設けられた多数の吸気孔からエンジンボンネット22の内部に吸引してエンジン冷却風を発生させ、このエンジン冷却風をエンジンボンネット22の内部において機体横外側から機体横内側に向かう機体横向きに流動させ、エンジン冷却風をラジエータ24に供給してエンジン冷却風とエンジン冷却水との熱交換によるエンジン冷却水の冷却を行い、ラジエータ24を通り抜けたエンジン冷却風をエンジン21に供給する。
【0031】
吸気壁23を構成する壁枠23aは、エンジンボンネット22の前壁部22a及び後壁部の機体横外側端部に固定された固定枠26にヒンジ27(図1参照)を介して支持されており、吸気壁23は、ヒンジ27が備える機体上下向き軸芯まわりに揺動開閉自在となっており、機体横外側に揺動開放されることにより、エンジンボンネット22の内部を機体横外側向きに開放する。
【0032】
図4〜9に示すように、運転キャビン11の天井部11aの後方近くにプレエアクリーナ40を天井部11aが備える支持部11bに支持された状態で設け、運転座席12の後方に形成されたエアクリーナ室41にエアクリーナ42を設け、エンジンボンネット22の内部のエンジン上部の機体前方側付近に過給機43を設け、エンジンボンネット22の内部の吸気壁23とラジエータ24との間にインタークーラ44を設けて、エンジン21に燃焼用空気を供給するよう構成してある。
【0033】
すなわち、プレエアクリーナ40の排気口とエアクリーナ42の吸気口42aとを、エアクリーナ室41を形成する上部構造体41aに設けたパイプ孔を通るクリーナ吸引パイプ45を介して接続してある。エアクリーナ42の排気口42bと過給機43における圧縮部43aの吸引口とを、エアクリーナ室41を形成する天板部30に設けた接続筒46に連結された過給機吸引パイプ47を介して接続してある。過給機43における圧縮部43aの吐出口とインタークーラ44の導入口44aとを供給パイプ48を介して接続し、インタークーラ44の送出口44bとエンジン21の吸気マニホールド28とをエンジン吸引パイプ49を介して接続してある。過給機43におけるタービン部43bの吸引口43cをエンジン21の排気マニホールド29に接続してある。
【0034】
つまり、過給機43をエンジン21が排出する排気ガスによって駆動し、エンジンボンネット22の外部の空気をプレエアクリーナ40に吸引して徐塵を行い、この徐塵後の空気をクリーナ吸引パイプ45を介してエアクリーナ42に吸引して再度の除塵を行い、この除塵後の空気を過給機吸引パイプ47を介して過給機43に吸引させて圧縮空気を発生させ、この圧縮空気を供給パイプ48を介してインタークーラ44に送り込んで冷却処理を行い、冷却後の圧縮空気をエンジン吸引パイプ49を介してエンジン21に燃焼用空気として供給する。
【0035】
図4,6,8に示すように、エアクリーナ室41は、エンジンボンネット22の運転座席12の後方に位置する部位に機体上方向きに立設された上部構造体41aとエンジンボンネット22における天板部30のうちのエアクリーナ42の下方に位置するエアクリーナ下方部33とによって形成されている。天板部30のエアクリーナ下方部33は、エアクリーナ室41の床体となっている。上部構造体41aは、エンジンボンネット22の吸気壁23に一体形成された機体横外側壁41bを備えて構成してあり、機体横外側壁41bは、機体上下向き軸芯まわりにエンジンボンネット22の吸気壁23と一体に揺動開閉されてエアクリーナ室41を開閉する。
【0036】
図4,6,8,12に示すように、エンジンボンネット22の天板部30におけるエアクリーナ下方部33を、水平またはほぼ水平に位置するよう形成されたエアクリーナ支持部33aと、このエアクリーナ支持部33aの機体横外側端から機体横外方向き及び機体下方向きに斜めに延出する傾斜横端部33bとを備えて構成し、エアクリーナ22の機体横方向での中央部の下側に設けられた取付け部42cを、エアクリーナ支持部33aに設けられた取付け孔33cに装着した連結ボルト42dによってエアクリーナ支持部33aに締め付け連結することにより、エアクリーナ42をエアクリーナ支持部33aに支持させてある。エアクリーナ42は、これの機体横外側端部から機体下方向きに延出されたオーバフロー筒42eを備え、流入した空気にエンジン21の燃焼用を超えた余剰分が発生した場合、余剰分の空気をオーバフロー筒42eから流出させる。エアクリーナ42は、オーバフロー筒42eがエアクリーナ下方部33における傾斜横端部33bの上にこの傾斜横端部33bに沿って位置する取付け姿勢でエアクリーナ支持部33aに支持されている。エアクリーナ下方部33における傾斜横端部33bの延出端部が、エンジンボンネット22の機体横外側端部に設けられた固定枠26が備えている機体前後向き桟部26aに連結されている。
【0037】
図5〜9に示すように、エンジンボンネット22の内部に排ガス浄化装置50を設け、エンジン21が排出する排ガスを浄化処理してから機体外に排出するよう構成してある。
【0038】
すなわち、図5〜10に示すように、排ガス浄化装置50は、これの全体が運転座席12に対して刈取り部側に偏倚し、かつ排ガス浄化装置50の機体横方向での一部がエンジンボンネット22の機体内側端に位置する開口22bから刈取り部側に突出することで、運転部10の刈取り部側横壁としての運転キャビン11の刈取り部側横壁11cから刈取り部側に突出して運転部10と刈取り部3とに間に位置し、さらに排ガス浄化装置50の機体前方側部分がサイド運転パネル14の下方に位置する状態でエンジン21の機体横内側部分の上方に配置してある。排ガス浄化装置50は、エンジン21の機体前後側に連結した一対の支持部材61,62によってエンジン21の上方にエンジン21のクランク軸方向A(図7,11参照)と交差する方向に並べて形成された一対の支持部61a,62aに連結して、エンジン21に支持させてある。排ガス浄化装置50は、これの長手方向での両端側に設けられた排ガス導入口51及び排ガス排出口52を備えており、排ガス導入口51及び排ガス排出口52が機体上下方向視でエンジン21から外れた箇所に位置するように、排ガス浄化装置50の長手方向がエンジン21のクランク軸方向と交差する取付け姿勢で一対の支持部61a,62aに連結してある。
【0039】
排ガス浄化装置50の排ガス導入口51を、過給機43におけるタービン部43bの排気口から延出された排気管で成るエンジン側の排気管53に接続してある。排ガス浄化装置50の排ガス排出口52を、この排ガス排出口52から延出する浄化装置側の排気管54を介して機体側の排気管55に連通させてある。
【0040】
浄化装置側の排気管54は、排ガス浄化装置50の排ガス排出口52から機体横内側(刈取り部側)に向かって水平又はほぼ水平に延出する基端側部54aと、この基端側部54aの延出端から機体横外側向きにかつ機体下方後方向きに屈曲して延出して延出端部が機体側の排気管55を構成するエジェクタ排気管56の入口側に連通している屈曲先端側部54bとを備えて構成してある。機体側の排気管55は、浄化装置側の排気管55の延出端部に入口側が外嵌している機体上下向きのエジェクタ排気管56と、このエジェクタ排気管56の出口側に入口側に接続された排気管本体57とを備えて構成してある。排気管本体57は、エジェクタ排気管56の出口側に連通する前端側部が機体上下向きとなり、後端側部が機体前後向きとなるように機体側面視で屈曲した形状に形成されている。排気管本体57は、機体前後向きの後端側部にワラ屑などが載らないように後端側部の上方を覆うカバー58、及び排気管本体57の出口57aから排出される排ガスを機体下方向きに流動するよう案内する傾斜ガイド59を備えている。機体側の排気管55は、排気管本体57の出口57aが機体フレーム2の下方の左右のクローラ走行装置1,1の後端部での間に位置するよう配管されている。
【0041】
排ガス浄化装置50は、排ガス導入口51から導入した排ガスに含まれるディーゼル微粒子を捕集フィルター(図示せず)によって減少させるように排ガスの浄化処理を行い、浄化処理した後の排ガスを排ガス排出口52から送り出す。
【0042】
つまり、エンジン21から排出されて過給機43のターボ部43bを通過した排ガスを、排ガス導入口51から排ガス浄化装置50に導入してディーゼル微粒子を減少させる浄化処理を行い、浄化処理を終えて排ガス排出口52から排出される排ガスを、浄化装置側の排気管54によって機体側の排気管55に流入させ、この機体側の排気管55によって機体後方側に案内して左右のクローラ走行装置1,1の後端部どうしの間で排気管55から排出する。エジェクタ排気管56は、浄化装置側の排気管54からエジェクタ排気管56に排ガスが送り込まれるに伴い、エジェクタ排気管56の外部の空気をエジェクタ排気管56と浄化装置側の排気管54との隙間から内部に吸引して浄化装置側の排気管55からの排ガスに混入させて排ガスの冷却を行なう。
【0043】
排ガス浄化装置50は、捕集フィルターが目詰まりを起こして浄化機能が低下した場合、ヒータなどで燃焼再生させるセルフクリーニング機構(図示せず)、セルフクリーニング機構を操作するクリーニング制御手段(図示せず)、排ガス浄化装置50の刈取り部側に突出している部位に装備されたセンサ60(図7参照)を備えている。センサ60は、排ガス浄化装置50の上端より高い配置高さに配置して装備されている。センサ60は、捕集フィルターより上流側を流動する排ガスと捕集フィルターより下流側を流動する排ガスとの圧力差を基に捕集フィルターの目詰まり発生を検出し、検出状態になるとクリーング制御手段にクリーニング指令を出力してセルフクリーニング機構を作動させる制御をクリーニング制御手段に実行させる。
【0044】
図8,10,11に示すように、排ガス浄化装置50をエンジン21に支持させる一対の支持部材61,62は、一対の支持部61a,62aをエンジン21のクランク軸21aに対して機体前後側に分散配置して形成している。一対の支持部材61,62のうち、クランク軸21aに対して機体前方側に位置する支持部61aを形成する支持部材61は、過給機43におけるタービン部43bの排気口から延出された排気管で成るエンジン側の排気管53に備えられた連結フランジ63と、この連結フランジ63からエンジン側(機体後方側)に延出する状態で連結フランジ63に一体形成された延出支持部64と、この延出支持部64に長手方向での中間部が連結ボルト65によって脱着自在に連結される支持部61aとを備えて構成してある。支持部61aは、エンジン21のクランク軸方向Aに沿った長い形状となるように形成され、排ガス浄化装置50の機体横方向での広範囲に亘って連結するようになっている。支持部61aは、延長支持部64に連結ボルト65によって連結される水平またはほぼ水平姿勢の帯板部61bと、この帯板部61bから機体上方向きに立ち上がって排ガス浄化装置50のフランジ部50aに連結ボルト66によって連結される縦板部61cとを備えて構成してある。
【0045】
一対の支持部材61,62のうち、クランク軸21aに対して機体後方側に位置する支持部62aを形成する支持部材62は、エンジン21のクランク軸方向Aでの一端側(機体横内方側)に位置する壁部に下端部が連結ボルト67によって脱着自在に連結される平板形の機体上下向き脚部68と、エンジン21のクランク軸方向Aでの他端側(機体横外方側)に位置するブロック部21cに下端側が連結ボルト69によって脱着自在に連結される丸パイプ製の機体上下向き脚部70と、両脚部68,70の上端側に連結された支持部62aとを備えて構成してある。支持部62aは、一方の機体上下向き脚部70に一体形成された丸パイプ製のベース部62bと、このベース部62bに板金部材を付設して形成された台座62cに連結された板金材でなる連結体62dとを備えて構成してある。ベース部62bは、機体上下向き脚部68には連結ボルト71によって連結される。支持部62aは、エンジン21のクランク軸方向Aに沿った長い形状となるように形成され、排ガス浄化装置50の機体横方向での広範囲に亘って連結するようになっている。連結体62dでは、台座62cに連結される水平またはほぼ水平姿勢の帯板部62eと、この帯板部62eから機体上方向きに立ち上がって排ガス浄化装置50のフランジ部50bに連結ボルト66によって連結される縦板部62fとを備えて構成してある。平板形の機体上下向き脚部68は、エンジン21の吊り上げ支持に使用するように吊り上げ孔68aが設けられている。
【0046】
図11に示す操作ケーブル85は、冷却ファン25の羽根角度を変更して冷却ファン25が発生させる風の向きを吸気方向と排気方向とに切換えるように冷却ファン25に備えられた羽根角操作部(図示せず)と、この羽根角操作部を遠隔操作する電動モータ(図示せず)とを連動させるものである。この操作ケーブル85は、操作ケーブル85の排ガス浄化装置50に対する接触をかわす支持手段に支持部材62を活用するように支持部材62における支持部62aの下側を通して配備してある。
【0047】
図12は、エンジンボンネット22の天板部30を示す斜視図である。この図及び図6,7,8に示すように、天板部30のうちの排ガス浄化装置50の上方に位置する浄化装置上方部32とエアクリーナ42の下方に位置するエアクリーナ下方部33との間に、浄化装置上方部32の配置高さがエアクリーナ下方部33の配置高さより高くなる段差H1が形成され、浄化装置上方部32と運転座席12の下方に位置する座席下方部31との間に、浄化装置上方部32の配置高さが座席下方部31の配置高さより高くなる段差H2が形成され、エアクリーナ下方部33と座席下方部31との間に、エアクリーナ下方部32の配置高さが座席下方部31の配置高さより高くなる段差H3が形成される段付き形状に天板部30を形成してある。すなわち、天板部30の段付き形状を、浄化装置上方部32の配置高さがエアクリーナ下方部33の配置高さより高くなり、エアクリーナ下方部33の配置高さが座席下方部31の配置高さより高くなる三段形状にしてある。
【0048】
浄化装置上方部32の運転座席側の横端32aとエアクリーナ下方部33及び座席下方部31の機体横内側(刈取り部側)の横端とを連結するように天板部30に設けた縦板部34、及びエアクリーナ下方部33の機体前方側端と座席下方部31の機体後方側端と連結するように天板部30に設けた縦板部35は、座席下方部31やエアクリーナ下方部33に対する姿勢が座席下方部31やエアクリーナ下方部33に対して直角またはほぼ直角に連結する縦向き姿勢となるように形成してある。
【0049】
サイド運転パネル14とエンジンボンネット22の天板部30における浄化装置上方部32との配置関係が、サイド運転パネル14のパネル天板14aが浄化装置上方部32の配置高さより高い配置高さに位置し、サイド運転パネル14の運転座席側の横縦板14bが浄化装置上方部32の運転座席側の横端32aに対して運転座席側とは反対側に偏倚する配置関係となるように天板部30を形成してある。
【0050】
図3に示すように、エンジンボンネット22は、エンジンボンネット後端側の機体横内側部に装備されたヒンジ手段75を介して走行機体の支持部76に連結されており、ヒンジ手段75が備える機体上下向き軸芯Pまわりに揺動開閉自在に枢支されている。
【0051】
図3に破線で示すエンジンボンネット22及び実線で示す運転キャビン11は、原動部20及び刈取り部3の運転部側の横側部を閉じる閉じ状態でのエンジンボンネット22及び運転キャビン11を示し、図3に二点鎖線で示すエンジンボンネット22及び運転キャビン11は、原動部20や刈取り部3の運転部側の横側部を開く開き状態でのエンジンボンネット22及び運転キャビン11を示す。この図に示すように、エンジンボンネット22は、機体上下向き軸芯Pまわりに機体横外側に揺動操作されることにより、エンジンボンネット22の機体横内側端に位置する開口22bによってエンジン21及び排ガス浄化装置50などの設置箇所を通過し、エンジンボンネット22の前端側が機体横外側に突出することによって開き状態になる。このとき、穀粒タンク5を、エンジンボンネット22の揺動開放の障害物にならないようにオーガ5を構成する縦スクリューコンベヤ7aの軸芯Xまわりに機体横外側に揺動開放しておく。また、エアクリーナ42と過給機43を接続する過給機吸引パイプ47を、天板部30のエアクリーナ下方部33に設けられた接続筒46から取り外しておく。エンジンボンネット22が揺動開閉される場合、運転部10を構成する運転キャビン11、フロント運転パネル13、サイド運転パネル14及びエアクリーナ室41などがエンジンボンネット22と一体に揺動開閉する。
【0052】
図13は、第1の別実施構造を備えた収穫機における原動部20を示す縦断後面図である。この図に示すように、第1の別実施構造を備えた収穫機における原動部20では、天板部30における浄化装置上方部32の運転座席側の横端32aとエアクリーナ下方部33の機体横内側(刈取り部側)の横端とを連結する縦板部34を、機体前後方向視での縦断面形状が上端側ほど浄化装置上方部側に位置するよう傾斜した傾斜形状となるように形成してある。縦板部34の下方に、縦板部34と平行又はほぼ平行に位置するよう傾斜姿勢で支持された冷却風ガイド板77を設けてある。冷却風ガイド板77は、排ガス浄化装置50を支持するようエンジン21に取り付けられた支持部材78に支持されている。
【0053】
つまり、エンジンボンネット22の内部を排ガス浄化装置50側に向けて機体横向きに流動するエンジン冷却風が、冷却風ガイド板77及び縦板部34の傾斜による案内を受けて、浄化装置上方部32の機体横方向での端部においてよどまずに浄化装置上方部32に沿ってスムーズに流動して、かつ広範囲に分散しないで排ガス浄化装置50の上部側に纏まって流動して、排ガス浄化装置50の上部に良好に触れて冷却作用するように構成してある。
【0054】
図14は、第2の別実施構造を備えた収穫機における原動部20を示す平面図である。この図に示すように、第2の別実施構造を備えた原動部20では、エンジンボンネット22から刈取り部側に突出した排ガス浄化装置部50の一部の機体前方箇所に流動ガイド80をエンジボンネット22に支持された状態で設けてある。
【0055】
つまり、エンジンボンネット22から刈取り部側に流出したエンジン冷却風を流動ガイド80による案内を受けて排ガス浄化装置部50に向けて流動して冷却作用するよう構成し、排ガス浄化装置50の過剰な温度上昇の防止にエンジン冷却風を利用してある。
【0056】
図15は、第3の別実施構造を備えた収穫機における原動部20を示す正面図である。この図に示すように、第3の別実施構造を備えた原動部20では、排ガス浄化装置50に装備されたセンサ60の上方をセンサカバー81によって覆うように構成してある。
【0057】
センサカバー81は、エンジンボンネット22から刈取り部側に向けて延出する状態でエンジンボンネット22に固定された固定カバー部81aと、この固定カバー部81aの延出端側に設けた支点部81bに機体前後向き軸芯Zまわりに下降閉じ姿勢と上昇開き姿勢とに揺動開閉自在に支持された開閉カバー部81cとを備えて構成してある。
【0058】
図15に示すように、開閉カバー部81cを開閉操作する操作ガイド82を、センサ60に対してエンジンボンネット22の開移動下手側に配置して排ガス浄化装置50に支持させてあり、開閉カバー部81cは、エンジンボンネト22が揺動開閉されることによって下降閉じ姿勢と上昇開き姿勢とに自動的に切換えられるようになっている。
【0059】
すなわち、図15(a)に示すように、エンジンボンネット22が閉じ状態にある場合、操作ガイド82が開閉カバー部81cから外れ、開閉カバー部81cは、操作ガイド82による操作を受けず、支点部81bに設けられた閉じ付勢バネ(図示せず)によって下降操作されるとともに支点部81bに設けられたストッパ(図示せず)によって受け止め支持されて下降閉じ姿勢となり、センサ60をこれの近くから覆って保護する。図15(b)に示すように、エンジンボンネット22が開き側に揺動していくと、開閉カバー部81cは、エンジンボンネット22と共に移動して操作ガイド82の傾斜形状の開き操作開始部82a及びこれに続く水平形状の開き維持操作部82bに当接して操作ガイド82による押し上げ操作を受けて閉じ付勢バネに抗して上昇開き姿勢に開き操作され、センサ60から上方に大きく離間した状態となりこの離間状態でセンサ60からボンネット移動方向に離れていく。図15(c)に示すように、エンジンボンネット22が開き側に更に揺動して開閉カバー部81cの全体がセンサ60からエンジンボンネット移動方向に外れた箇所に位置すると、開閉カバー部81cは、操作ガイド82から外れて操作ガイド82による押し上げ操作を受けなくなって支点部81bに位置する閉じ付勢バネとストッパとによって下降閉じ姿勢になり、この後、開閉カバー部81bは、下降閉じ姿勢でエンジンボンネット22と共に移動していく。
【0060】
図15(d),(e)に示すように、エンジンボンネット22が閉じ側に揺動していくと、開閉カバー部81cは、エンジンボンネット22と共に移動して操作ガイド82の傾斜形状の開き操作開始部82c及びこれに続く水平形状の開き維持操作部82bに摺動して操作ガイド82による押し上げ操作を受けて閉じ付勢バネに抗して上昇開き姿勢に開き操作され、センサ60から上方に大きく離間した状態となりこの離間状態でセンサ60の上方を移動していく。図15(a)に示すように、エンジンボンネット22が閉じ状態になると、開閉カバー部81cは、操作ガイド82から外れて操作ガイド82による上昇操作を受けなくなり、支点部81bに位置する閉じ付勢バネとストッパとによって下降閉じ姿勢になる。
【0061】
図16は、第4の別実施構造を備えた収穫機を示す概略正面図である。この図に示すように、第4の別実施構造を備えた収穫機では、排ガス浄化装置50においてディーゼル微粒子を減少させるよう浄化処理された後の排ガスを窒素酸化物の浄化を行なうよう浄化処理する尿素SCRシステムを備え、この尿素SCRシステムを構成するよう尿素水タンク及び尿素水添加システムを備えた装置部83を穀粒タンク5の傾斜底部と脱穀装置4との間の空スペースに配備している。
【0062】
〔別実施例〕
【0063】
(1)上記した実施例では、排ガス浄化装置50をエンジンボンネット内のディーゼルエンジン21の上方に位置する箇所に設けた例を示したが、エンジンボンネット内であって、ディーゼルエンジン21に対して機体横側に外れた箇所に設けて実施してもよい。
【0064】
(2)上記した実施例では、排ガスからディーゼル微粒子を減少させる排ガス浄化装置50をエンジンボンネット22内のエンジン上方に設けた例を示したが、排ガスの窒素酸化物を浄化する排ガス浄化装置を設けて実施してもよい。
【0065】
(3)上記した実施例では、開閉カバー部81cが操作ガイド82によって開閉操作されるよう構成した例を示したが、開閉カバー部81cを人為操作によって開閉するよう構成して実施してもよい。
【0066】
(4)上記した実施例では、エンジンボンネット22の天板部30を段付き形状に形成した例を示したが、浄化装置上方部32、座席下方部31及びエアクリーナ下方部33にわたって平坦面となるように平板形状に形成して実施してもよい。
【0067】
(5)上記した実施例では、運転部10に運転キャビン11を備えた例を示したが、運転ンキャビン11を備えない運転部10を設けて実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、コンバインの他、玉葱や人参などの各種の作物を収穫対称とする収穫機に利用できる。
【符号の説明】
【0069】
3 刈取り部
10 運転部
11c 刈取り部側横壁
12 運転座席
21 ディーゼルエンジン
22 エンジンボンネット
50 排ガス浄化装置
60 センサ
80 流動ガイド
81 センサカバー
81a 固定カバー部
81c 開閉カバー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼルエンジンを内装するエンジンボンネットを備え、前記エンジンボンネットの上方に配置された運転座席を有した運転部を備え、前記運転部の横側方で走行機体に昇降操作自在に連結された刈取り部を備えた収穫機であって、
前記ディーゼルエンジンの排気ガスを導入して排気ガスの浄化処理を行う排ガス浄化装置を、この排ガス浄化装置の全体が前記運転座席に対して刈取り部側に偏倚し、かつ前記排ガス浄化装置の機体横方向での一部が前記運転部の刈取り部側横壁から前記刈取り部側に突出する配置で前記エンジンボンネット内に設けてある収穫機。
【請求項2】
前記排ガス浄化装置を前記ディーゼルエンジンの上方に配置してある請求項1記載の収穫機。
【請求項3】
前記エンジンボンネットから前記刈取り部側に流出したエンジン冷却風を前記排ガス浄化装置の前記刈取り部側に突出する部位に向かうよう流動案内する流動ガイドを設けてある請求項1又は2記載の収穫機。
【請求項4】
前記排ガス浄化装置の制御のためのセンサを前記排ガス浄化装置の前記刈取り部側に突出する部位に装備してある請求項1〜3のいずれか一項に記載の収穫機。
【請求項5】
前記エンジンボンネットを前記走行機体に揺動開閉自在に支持させ、
前記センサの上方を覆うセンサカバーを、前記エンジンボンネットから刈取り部側に向かって延出されるとともに前記エンジンボンネットに固定された固定カバー部と、前記固定カバー部の延出端側に下降閉じ姿勢と上昇開き姿勢とに揺動開閉自在に支持された開閉カバー部とを備えて構成してある請求項4記載の収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−1(P2013−1A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130561(P2011−130561)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】