説明

取り外しが容易にできる水平または垂直のタイル張りを実現するモジュール装置

三つの連携モジュールから構成される水平または垂直のタイル張りを実現するモジュラー装置。底壁(10)と、対称的に相対する位置にありかつ弾力的な分岐になりえる二つの縁(11)によって縁取られた、U字型の断面のある第一の直線外形(1)、縁(11)はそれぞれ内部の小さな縦長の溝(11a)および外形(1)の開口に向かって傾斜された部分(11c)に接続された外部の歯(11b)が備わり、さらに、コーティングされる壁または床に安定して固定するための適切な手段が備わる。二つの垂直翼(20、21)が備わるT字型の断面のある第二直線外形(2)。第一翼は第一U字型外形(1)の二つの縁(11)の間に係合されるよう適合され、および縁(11)に設けられた内部溝(11a)と連携する固定手段が備わる。および、周辺縁が不規則な形のタイル(3)。外面(FE)から内面(FI)に、第二外形(2)の第二翼(21)のほぼ半分を受容するよう設計された段(30)、第一外形(1)の縁(11)にそれぞれ設けられた外部の歯(11b)を受容するよう設計された、基本的にL字型の先細りになる壁龕(31)、および深空洞(32)が備わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外しが容易にできる水平または垂直のタイル張りを実現するモジュール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な工事は、床仕上げ、または、配列されかつ中間連結線を有する横列に一枚ずつ接着された複数のタイルで組み立てられたコーティング面のある垂直壁から、構成される。
【0003】
従来の技術の主な限界は、前記コーティングが取り外せないという事実によって生じる。
【0004】
同様の状態では、数枚のタイルを破壊的に取り外さずに、コーティングの背面を調査すること、またはコーティングに組み込まれた衛生器具または配管を取り外すことが不可能である。
【発明の開示】
【0005】
上記の先行技術の臨界試験により、素早い、信頼性のある水平または垂直タイル張りの取り付けを保証し、同時に、検査の実行、衛生器具の交換、パイプの補修などを行うため、同じタイル張りの全面あるいは一部を素早く破壊的でなく取り外すよう設計される、本発明のモジュール装置の開発が生じた。
【0006】
これを受けて出願者は、非破壊性のタイル張りの除去を防止する、従来の接着剤を使用しない型のコーティングを考案した。
【0007】
本発明の着想により、タイルは、連結の取り外しが可能な型をつくる適切な接続手段を用いて設置される。
【0008】
より正確には、この手段により、基本的にU字型の横断面およびかたどられた側面が備わる第一直線部分からなる、タイルの代わりの安定した接合が可能である。
【0009】
前記第一部分はコーティングされる床または壁に、二つの隣接するタイル列の間の中間位置に、ねじ留めされる。
【0010】
タイルにはそれぞれ、U字型部分のかたどられた側で角柱連結された、適切にかたどられた周辺縁が備わる。
【0011】
上記の見解から、二列のタイルの右側とU字型部分の左側は、U字型部分のかたどられた側に対して反対側から完全に係合される。
【0012】
この操作が行われると、二列のタイルの位置はそれらの間に設けられた第一部分に対して安定されることが可能である。
【0013】
これは、第一U字型部分の空洞の内部にスナップ式接合を与える、基本的にT字型の横断面が備わる第二直線部分を使用することにより得られる。
【0014】
下記に詳細に示されるように、第二部分により二列のタイルの右側と第一U字型部分の左側の位置が安定化され、前記タイルの縁が第一部分の側面との角柱連結から外れることを防ぐ。
【0015】
前記タイル張りは、反対の作業順序に従って素早くかつ実用的に取り外されることが可能である、ということが明白になる。
【0016】
そのような場合、U字型の外形からT字型の外形を外すだけでよく、ゆえに隣接する列のタイルを保持する制約のみの取り外しで、今度は一つずつ簡単に取り外すことができる。
【0017】
二つの連携する部分は、すべての列および全体が取り外し可能な床全体のタイルの線を固定するために使用されなければならない。
【0018】
いくつかの格子の層が要求される同様の床を取り付けるこの手段は、複数のU字型部分および適応する数のT字型部分を得る。
【0019】
床の表面で可視できるT字型部分は、基本的に、従来通りに接着された床の、隣接するタイルの列と線の間に見られる接合線によって生成される、外部効果を再生するということが言える。
【0020】
添付の図を参照して、本発明のモジュラー装置は、施される特定のコーティングによって決められる量およびモードで、結合に使用される三つの異なる要素(またはモジュール)から構成される。
【0021】
前記装置の第一モジュールは、底壁(10)、および対称的に相対する位置にあり弾力的な分岐になりえる二つの縁(11)が備わる、基本的にU字型の横断面のある前述の直線部分(1)から構成される。
【0022】
特に縁(11)はそれぞれ、その高さのおよそ四分の三のところに小さな縦長の溝(11a)を内部に備え、それらはそれぞれ、部分(1)の開口に向かって傾斜された部分(11c)に接続される歯(11b)を外側に備える。
【0023】
図2に示されるように、第一部分(1)は底壁(10)の背面に平行位置に、側面に突出する片(12)を内蔵する。
【0024】
本発明の装置の追加的なモジュールは、第一U字型部分(1)の空洞の内部に適合されることのできる第一翼(20)および第二垂直翼(21)が備わる、基本的にT字型の横断面のある第二部分(2)から構成される。第一翼(20)は反対側に、対応する縦長の肋材(20a)を有するよう提供される。
【0025】
本発明の装置の最後のモジュールは、角柱連結を達成するため二つの部分(1、2)と完璧に連携することができる、周辺境界が特別な不規則形であるタイル(3)から構成される。
【0026】
外面(FE)から内面(FI)まで、前記形は段(30)、タイルの外面(FE)に向かって深さが減少する基本的にL字型の壁龕(31)、および深空洞(32)を含む。
【0027】
本発明の装置の三つのモジュール(1、2、3)の説明の後、本説明は取り外し可能なモジュラータイル張りを得るために使用される連携モードを記述することにより継続される。
【0028】
第一の操作は、コーティングされる壁または床に対するU字型部分(1)の固定から構成される。
【0029】
固定は、U字型部分(1)の底壁に設けられた側面片(12)をねじ留めすることにより得られ、壁または床に対して、規則的に間隔を空けられた一連の通り穴(12a)に適合するよう提供される。
【0030】
第二の操作は、図2に示されるように、第一部分(1)の側面それぞれに対しタイル(3)をしっかりと係合することから構成される。
【0031】
前述のように、角柱連結はそれぞれのタイル(3)の縁とU字型部分(1)の側面の間に得られる。
【0032】
図2を参照に、U字型部分(1)の縁それぞれの外側に設けられた歯(11b)は、タイル(3)の縁に設けられた対応するL字型の先細りになる壁龕(31)にしっかりと係合され、U字型部分(1)の背面に設けられた側面片(12)はタイル(3)の内面(FI)にある空洞(32)に係合される。
【0033】
その後、T字型部分(2)は、前に連結されたモジュール(1、3)の連携を安定させるために、図3および4に順に示されるように取り付けられる。
【0034】
そのためには、第二部分(2)の第一翼(20)は、U字型部分(1)の空洞の中にエネルギー的に係合される。
【0035】
第一部分(1)の縁(11)の内在変形能を考慮して、エネルギー的連結は、第一部分(1)の内側に設けられる溝(11a)の内部への、第二部分(2)の二つの側面肋材(20a)のスナップ式接合を決定する。
【0036】
それらの干渉により、第二部分(2)の二つの肋材(20a)は第一部分の縁(11)の分岐を決定する。対応する溝(11a)を貫通するとすぐ、第一部分(1)の縁(11)は自然に近づいてゆき、それにより、“自動”締め付けを達成する。
【0037】
前記連結によって生じるさらなる効果は、反対側から第一部分(1)の側面に対して接合される二つのタイル(3)に設けられた二つの段(30)の中へ、T字型部分(2)の第二翼(21)を係合することである。
【0038】
この位置では、T字型部分(2)の第二翼(21)は、従来の連結線と同じ態様を有する二つの隣接するタイル(3)の連結が外れることを防ぐ。
【0039】
本発明のモジュール装置で得られる全体または部分的な床の取り外しは、逆の一連の操作を通して容易に達成されることができる。第一の操作は、外部の牽引を用いて対応するU字型部分(1)からT字型部分(2)の連結を外すことである。
【0040】
牽引力は、縁(11)の新しい強制分岐に従って、T字型部分(2)の肋材(20a)をU字型部分(1)の対応する溝(11a)から引き出すために、エネルギー的に十分なものでなければならない。
【0041】
二つの部分(1、2)の連結を外した後、タイル(3)はU字型部分(1)の側面から離すように動かして、簡単に取り外すことが可能である。
【0042】
さらに、U字型部分(1)は、側面片(12)に設けられた穴に以前に固く締めた固定ねじを緩めることにより、床または壁から取り外すことが可能である。
【0043】
第一部分(1)は、側面片(12)のない、異なる建築様式で実現され得ることに注目されるべきである。
【0044】
そのような代替的な実施例では、固定ねじの穴は、部分(1)の底壁(10)に提供され、床または壁の表面に直接固定されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明のより明確な説明のため、説明的なものとしてのみ提供され、例を制限するものではない添付の図面の参照を続ける:
【図1】本発明のモジュラー装置によって得られるタイル張り部分の投影図である。
【図2】前記装置の様々な構成材を取り付けるために使用される操作順序を示す前面図である。
【図3】前記装置の様々な構成材を取り付けるために使用される操作順序を示す前面図である。
【図4】前記装置の様々な構成材を取り付けるために使用される操作順序を示す前面図である。
【符号の説明】
【0046】
1. 第一部分
2. 第二部分
3. タイル
10. 底壁
11. 縁
11a.溝
11b.歯
11c.傾斜部分
12. 片
12a.通り穴
20. 第一垂直翼
20a.肋材
21. 第二垂直翼
30. 段
31. 壁龕
32. 深空洞

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁(10)と、対称的に相対する位置にありかつ弾力的な分岐になりえる二つの縁(11)によって縁取られた、基本的にU字型の横断面のある第一直線部分(1)であって、縁にはそれぞれ、内部に提供される小さな縦長の溝(11a)、および前記部分(1)の開口に向かって傾斜された部分(11c)に接続される外部の歯(11b)が備わり、さらに、部分(1)にはコーティングされる壁または床に安定して固定するための適切な手段が備わる第一直線部分と、
二つの垂直翼(20、21)が備わる、基本的にT字型の断面が備わる第二直線部分(2)であって、前記第一翼(20)は前記第一U字型部分(1)の二つの縁の間に係合され、前記縁(11)に設けられた手段と連携する固定手段が備わる第二直線部分と、
周辺縁が特別な不規則形であるタイル(3)であって、外面(FE)から内面(FI)に、第二部分(2)の前記第二翼のほぼ半分を受容するよう設計された段(30)、前記第一部分(1)の縁(11)それぞれに、外部に設けられた歯(11b)を受容するよう設計された基本的にL字型の先細りになる壁龕(31)、および深空洞(32)が備わるタイルと、
から特に成る、三つの連携モジュールから構成されることを特徴とする、水平または垂直のタイル張りを実現するモジュラー装置。
【請求項2】
前記第一部分(1)をコーティングされる床または壁に固定するために使用される手段が、前記部分(1)の前記底壁(10)に得られるねじに対応するための複数の通り穴から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一部分(1)をコーティングされる床または壁に固定するために使用される手段が、前記第一部分(1)の前記底壁(10)の背面に外側に突出し、前記タイル(3)の前記内面(FI)に得られる深空洞(32)の中に係合される片(12)に得られるねじに対応するための複数の通り穴(12a)から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第二部分(2)の前記第一翼(20)を前記第一部分(1)の空洞の中に相互安定固定するために使用される手段が、前記第一部分の縁(11)の内面に得られる、逆の対となる対応する縦長の溝(11a)にしっかりと適合されるよう設計される、前記第二部分(2)の前記第一翼(20)の相対する側に得られる一対の縦長の肋材(20a)から構成されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−534559(P2009−534559A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506048(P2009−506048)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【国際出願番号】PCT/IT2007/000287
【国際公開番号】WO2007/122658
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(508313183)
【Fターム(参考)】