説明

取付機構および機能ユニット

【課題】取付機構からの部品の取り外しの作業性がよく、また、係合アームの破損を防止できる取付機構を提供する。
【解決手段】取付機構200は、第1形状部210A,210B、第2形状部220A,220Bおよび第3形状部230A,230Bを備える。第1形状部210A,210Bは、取付機構200に対してカプラ対300が挿脱するための通過口を形成する。第2形状部220A,220Bは、第1形状部210A,210B間から挿入されたカプラ対300が回転可能な空間を形成する。第3形状部230A,230Bは、第2形状部220A,220B間に配置されるカプラ対300を所定角度回転させたときに係合アーム312A,312Bと係合する。なお、第3形状部230A,230Bは、第2形状部220A,220Bに含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を取り付けるための取付機構およびこの取付機構を備える機能ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の電子機器は、二次転写ベルトユニット等の機能ユニットを備える。機能ユニットは、電磁クラッチやセンサ等の電気部品を有する。電気部品の電気回路に含まれる中継ケーブルの途中には、電力線や信号線等の複数の電気配線同士をまとめて接続する端子であるカプラ対が設けられることがある。
【0003】
カプラ対は、互いに着脱可能な第1カプラおよび第2カプラを含む。第1カプラ等の部品の中には、幅方向の力に対する弾性力を有する一対の係合アームを備えるものがある。このような第1カプラは、筐体に設けられたパネル状の取付部の係合孔に、一対の係合アームを係合させることで取り付けられ、取付部に取り付けられた第1カプラに第2カプラが接続される(例えば、特許文献1参照。)。これによって、複数の電気配線の接続の作業性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−280425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電気部品の交換等の理由で第1カプラを取付部から取り外す場合は、係合アームを弾性力に抗して変形させながら第1カプラが係合孔から引き抜かれる。このため、第1カプラの取付部からの取り外しの作業性が悪く、また、係合アームの破損の虞がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、取付機構からの部品の取り外しの作業性がよく、また、係合アームの破損を防止できる取付機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の取付機構は、係合アームが所定の位置およびその位置に対して反対側の位置に備えられる部品が取り付けられる。また、本発明の取付機構は、第1形状部、第2形状部および第3形状部を備える。
【0008】
第1形状部は、取付機構本体に対して部品が挿脱するための通過口を形成する。第2形状部は、第1形状部間から挿入された部品が回転可能な空間を形成する。第3形状部は、第2形状部間に配置される部品を所定角度回転させたときに係合アームと係合する。なお、第3形状部は、第2形状部に含まれる。
【0009】
また、第1形状部は、係合アームが部品における鉛直上下方向に位置している場合にのみ部品が通過できるように構成されている。第2形状部は、第1形状部間以外から部品が脱離しないように構成されている。第3形状部は、部品の挿入時における回転方向と逆方向に部品を回転させると係合アームとの係合が解除するように構成されている。
【0010】
この構成では、取付機構に部品を取り付ける際に、部品は、第1形状部によって形成された通過口を通過して挿入される。このとき、部品に備えられた係合アームは、部品における鉛直上下方向に位置している。そして、第2形状部によって形成された空間に部品を位置させると、部品を取付機構に固定するために部品を回転させる。このとき、部品は、第2形状部から脱離することがない。当該空間において部品を所定角度回転させると、部品における係合アームは、第3形状部と係合し、取付機構に部品が固定される。
【0011】
したがって、部品を取付機構に取り付ける際の作業性がよいため、取付機構を備える機能ユニットのメンテナンス等を容易に行うことができる。
【0012】
また、この構成では、取付機構から部品を取り外す際に、取り付け時の回転方向と逆方向に部品を回転させると第3形状部と係合アームとの係合が解除される。そして、係合アームが鉛直上下方向に位置するまで部品を回転させると、部品を第1形状部間から脱離させることができる。
【0013】
したがって、部品を取付機構から取り外す際の作業性がよいため、取付機構を備える機能ユニットのメンテナンス等を容易に行うことができる。
【0014】
さらに、係合アームに対して余分な力を加えることなく部品の取り付け作業や取り外し作業を行うことができるため、部品に備えられる係合アームの破損を防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明における取付機構は、取付機構からの部品の取り外しの作業性がよく、また、係合アームの破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る取付機構を有する二次転写ベルトユニットを備える画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る取付機構を備える二次転写ベルトユニットの平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る取付機構に取り付けられるカプラ対を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る取付機構を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る取付機構を示す正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る取付機構とカプラ対との関係を示す平面断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る取付機構に取り付けられるカプラ対を構成する第1カプラを示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る取付機構に取り付けられるカプラ対を構成する第2カプラを示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る取付機構に取り付けられるカプラ対を構成する第2カプラを示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係る取付機構にカプラ対が取り付けられる様子を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係る取付機構にカプラ対が取り付けられる様子を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係る取付機構にカプラ対が取り付けられる様子を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る取付機構にカプラ対が取り付けられる様子を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係る取付機構にカプラ対が取り付けられている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る取付機構を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る取付機構200を有する二次転写ベルトユニット57を備える画像形成装置100の構成を示す図である。
【0019】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色または単色の画像を形成するものである。画像形成装置100は、原稿処理装置120、給紙部80、画像形成部110および排紙部90から構成されている。
【0020】
原稿処理装置120は、原稿載置台121、原稿搬送装置122および原稿読取部123を有する。原稿載置台121は、透明ガラスからなり、原稿が載置可能な構成となっている。原稿搬送装置122は、原稿トレイに積載された原稿を1枚ずつ搬送する。また、原稿搬送装置122は、矢印124方向に回動自在に構成され、原稿載置台121の上を開放することにより原稿載置台121に原稿を置くことができるようになっている。原稿読取部123は、原稿搬送装置122で搬送中の原稿または原稿載置台122に載置された原稿を読み取る。
【0021】
給紙部80は、給紙カセット81、手差し給紙カセット82、ピックアップローラ83およびピックアップローラ84が設けられている。給紙カセット81は、定形シートを蓄積しておくためのトレイである。手差し給紙カセット82は、不定形シートを載置することができるトレイである。ピックアップローラ83は、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路101に供給する。同様にピックアップローラ84は、手差し給紙カセット82の端部近傍に設けられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路101に供給する。
【0022】
画像形成部110は、画像形成ステーション31,32,33,34、露光ユニット30、中間転写ベルトユニット50および定着ユニット70から構成されている。画像形成ステーション31,32,33,34、露光ユニット30、中間転写ベルトユニット50および定着ユニット70は、本発明の機能ユニットに相当する。画像形成ステーション31,32,33,34は、それぞれ感光体ドラム10、帯電器20、現像器40およびクリーナユニット60が設けられており、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。本実施形態では、画像形成ステーション31について説明する。
【0023】
感光体ドラム10は、画像形成時に回転し、現像剤像を担持するためのものである。感光体ドラム10の周囲には、回転方向上流から帯電器20、露光ユニット30、現像器40、中間転写ベルトユニット50、クリーナユニット60の順に配置されている。定着ユニット70は、搬送路101上において画像形成部110の最も下流に位置する。
【0024】
帯電器20は、感光体ドラム10の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0025】
露光ユニット30は、帯電された感光体ドラム10を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。露光ユニット30は、レーザ射出部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット30は、レーザ光を走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム10に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット30としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書き込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0026】
現像器40は、感光体ドラム10上に形成された静電潜像をトナーにより顕像化するものである。
【0027】
中間転写ベルトユニット50は、中間転写ベルト51、中間転写ベルト駆動ローラ52、中間転写ベルト従動ローラ53、中間転写ローラ54および中間転写ベルトクリーニングユニット55を備えている。
【0028】
中間転写ベルト駆動ローラ52、中間転写ベルト従動ローラ53および中間転写ローラ54は、中間転写ベルト51を張架して回転駆動させる。また、中間転写ローラ54は、感光体ドラム10のトナー像を、中間転写ベルト51上に転写するための転写バイアスを与える。
【0029】
中間転写ベルト51は、感光体ドラム10に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム10に形成されたトナー像を中間転写ベルト51に転写することによって、中間転写ベルト51上にトナー像を形成する機能を有している。中間転写ベルト51は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0030】
感光体ドラム10から中間転写ベルト51へのトナー像の転写は、中間転写ベルト51の裏側に接触している中間転写ローラ54によって行われる。中間転写ローラ54には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ54は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト51に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0031】
上述のように感光体ドラム10上で顕像化された静電潜像は中間転写ベルト51で積層される。このように積層された画像情報は、中間転写ベルト51の回転によって、用紙と中間転写ベルト51との接触位置に配置される転写ローラ56を含む二次転写ベルトユニット57によって用紙上に転写される。二次転写ベルトユニット57は、本発明の機能ユニットに相当する。
【0032】
このとき、中間転写ベルト51と転写ローラ56は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ56にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ56は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ56もしくは中間転写ベルト駆動ローラ52のいずれか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0033】
また、上記のように、感光体ドラム10に接触することにより中間転写ベルト51に付着したトナーもしくは転写ローラ56によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト51上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット55によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット55には、中間転写ベルト51に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト51は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ53で支持されている。
【0034】
クリーナユニット60は、現像・画像転写後における感光体ドラム10上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
【0035】
定着ユニット70は、加熱ローラ71および加圧ローラ72を備えており、加熱ローラ71および加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。また加熱ローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写されたトナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。また、加熱ローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0036】
排紙部90は、排紙トレイ91および排紙ローラ92を有する。定着ユニット70を通過した用紙は、排紙ローラ92を経て排紙トレイ91に排出される。排紙トレイ91は、印刷済みのシートを集積するためのトレイである。
【0037】
また、両面印字要求のときは、上記のように片面印字が終了し定着ユニット70を通過したシートの後端が排紙ローラ92で把持されたときに、排紙ローラ92が逆回転することによってシートを搬送ローラ102,103に導く。そしてその後レジストローラ104を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0038】
図2は、本発明の実施形態に係る取付機構200を備える二次転写ベルトユニット57の平面図である。
【0039】
本実施形態では、機能ユニットの一例として、二次転写ベルトユニット57について説明する。二次転写ベルトユニット57は、電磁クラッチ330、筐体590、取付機構200およびカプラ対300を備えている。電磁クラッチ330は、本発明の電気部品に相当する。電磁クラッチ330は、二次転写駆動ローラ58を駆動制御している。電磁クラッチ330には、電源制御ユニット570から電力及び制御信号が入力する。筐体590は、電磁クラッチ330を支持する。取付機構200については後述する。
【0040】
なお、本実施形態では、機能ユニットとして二次転写ベルトユニット57を例にとって説明しているが、これに限られない。例えば、定着ユニット70を機能ユニットとしてもよい。また、本実施形態では、電気部品として電磁クラッチ330を例にとって説明しているが、これに限られない。例えば、駆動モータを電気部品としてもよい。
【0041】
電磁クラッチ330と電源制御ユニット570との間の電気配線576,578,580の途中に、第1カプラ310及び第2カプラ320が設けられている。第1カプラ310と第2カプラ320とは、カプラ対300を構成し、互いに着脱可能である。カプラ対300は、本発明の部品に相当する。カプラ対300は、取付機構200に取り付けられている。
【0042】
なお、本実施形態では、部品としてカプラ対300を例にとって説明しているが、これに限られない。例えば、送風機を部品としてもよい。
【0043】
一例として、第1カプラ310は雄カプラであり、第2カプラ320は雌カプラである。第1カプラ310及び第2カプラ320はそれぞれ、複数の信号線同士をまとめて接続するための端子である。電気配線576,578,580は、それぞれ1本の線で示されているが、複数の信号線を含んでいる。
【0044】
電源制御ユニット570には、電気配線576を介して第1接続端子572が繋がっている。第1接続端子572に対して着脱自在な第2接続端子574に、電気配線578を介して第2カプラ320が繋がっている。第1カプラ310は、電気配線580を介して電磁クラッチ330に繋がっている。
【0045】
例えば、電磁クラッチ330を交換する際は、まず、カプラ対300を取付機構200から取り外し、次に、第1カプラ310が第2カプラ320から取り外され、次に、新たに装備される電磁クラッチ330の第1カプラ310が第2カプラ320に接続され、最後に、カプラ対300を取付機構200に取り付ける。
【0046】
図3は、本発明の実施形態に係る取付機構200に取り付けられるカプラ対300を示す斜視図である。
【0047】
カプラ対300は、上述のように、第1カプラ310および第2カプラ320を備える。第1カプラ310は、係合アーム312Aが所定の位置に備えられ、係合アーム312Bが当該位置に対して反対側の位置に備えられる。本実施形態では、係合アーム312A,312Bは、第1カプラ310の幅方向の面にそれぞれ備えられている。第2カプラ320は、第1カプラ310を外嵌してカプラ対300を構成する。カプラ対300は、後述する取付機構200に挿脱可能に取り付けられる。
【0048】
図4は、本発明の実施形態に係る取付機構200を示す斜視図である。図5は、本発明の実施形態に係る取付機構200を示す正面図である。図6は、本発明の実施形態に係る取付機構200とカプラ対300との関係を示す平面断面図である。
【0049】
取付機構200は、第1形状部210A,210B、第2形状部220A,220Bおよび第3形状部230A,230Bを備える。
【0050】
第1形状部210A,210Bは、取付機構200に対してカプラ対300が挿脱するための通過口を形成する。第2形状部220A,220Bは、第1形状部210A,210B間から挿入されたカプラ対300が回転可能な空間を形成する。第3形状部230A,230Bは、第2形状部220A,220B間に配置されるカプラ対300を90度回転させたときに係合アーム312A,312Bとそれぞれ係合する。
【0051】
なお、第3形状部230A,230Bは、第2形状部220A,220Bに含まれる。また、本実施形態では、所定角度を90度としているが、取付機構200に対して安定してカプラ対300を取付可能な角度であれば何度であってもかまわない。
【0052】
また、第1形状部210A,210Bは、係合アーム312A,312Bがカプラ対300における鉛直上下方向に位置している場合にのみカプラ対300が通過できるように構成されている。すなわち、第1形状部210A,210Bは、係合アーム312A,312Bがカプラ対300における鉛直上下方向以外の方向に位置している場合には、カプラ対300が第1形状部210A,210B間を通過できない程度の間隔を有する。
【0053】
第2形状部220A,220Bは、第1形状部210A,210B間以外からカプラ対300が脱離しないように構成されている。すなわち、図6に示すように、第2形状部220A,220Bは、係合アーム312A,312Bを支持しているため、カプラ対300のスラスト方向への移動が制限されているので、カプラ対300に対してスラスト方向に向けて力が加わっても、カプラ対300がスラスト方向に向けて脱離することがない。
【0054】
第3形状部230A,230Bは、カプラ対300の挿入時における回転方向と逆方向にカプラ対300を回転させると係合アーム312A,312Bとの係合が解除するように構成されている。すなわち、第3形状部230A,230Bと係合アーム312A,312Bとの係合は、カプラ対300の挿入時における回転方向と逆方向に所定以上の力を加えることにより解除可能である。
【0055】
この構成では、カプラ対300を取付機構200に取り付ける際の作業性がよいため、取付機構200を備える二次転写ベルトユニット57のメンテナンス等を容易に行うことができる。また、カプラ対300を取付機構200から取り外す際の作業性がよいため、取付機構200を備える二次転写ベルトユニット57のメンテナンス等を容易に行うことができる。さらに、係合アーム312A,312Bに対して余分な力を加えることなくカプラ対300の取り付け作業や取り外し作業を行うことができるため、カプラ対300に備えられる係合アーム312A,312Bの破損を防止することができる。
【0056】
また、取付機構200は、第4形状部240A,240Bをさらに備えると好ましい。
【0057】
第4形状部240A,240Bは、第1形状部210A,210B間から挿入されたカプラ対300を90度回転させるまでの間、および、第3形状部230A,230Bと係合アーム312A,312Bとが係合した状態からカプラ対300の挿入時における回転方向と逆方向にカプラ対300を回転させて係合アーム312A,312Bがカプラ対300における鉛直上下方向に位置するまでの間、係合アーム312A,312Bを案内する。
【0058】
なお、第4形状部240A,240Bは、第2形状部220A,220Bに含まれる。
【0059】
この構成では、取付機構200にカプラ対300を取り付ける際および取り外す際の作業性が向上するため、取付機構200を備える二次転写ベルトユニット57のメンテナンス等を容易に行うことができる。
【0060】
さらに、取付機構200は、第5形状部250をさらに備えると好ましい。
【0061】
第5形状部250は、第1形状部210A,210B間から挿入されたカプラ対300が挿入方向下流側端部において当接する。
【0062】
なお、第5形状部250は、第2形状部220A,220Bに含まれる。
【0063】
この構成では、第1形状部210A,210B間から挿入されたカプラ対300が第5形状部250に当接することによって、ユーザは、カプラ対300の回転開始タイミングを知ることができる。よって、取付機構200にカプラ対300を取り付ける際の作業性が向上するため、取付機構200を備える二次転写ベルトユニット57のメンテナンス等を容易に行うことができる。
【0064】
係合アーム312A,312Bは、弾性力を有すると好ましい。そうすると、第3形状部230A,230Bは、第1形状部210A,210B間から挿入されたカプラ対300を90度回転させたときに係合アーム312A,312Bと圧接する。
【0065】
この構成では、第3形状部230A,230Bと係合アーム312A,312Bとの圧接によって生じる摩擦力によって、第3形状部230A,230Bと係合アーム312A,312Bとが係合したことがわかる。したがって、ユーザがカプラ対300を回転させすぎることを防止できるため、係合アーム312A,312Bに過負荷がかかることを防止することができる。
【0066】
図7は、本発明の実施形態に係る取付機構200に取り付けられるカプラ対300を構成する第1カプラ310を示す斜視図である。
【0067】
第1カプラ310は、係合アーム312A,312B、挿入部314および接続部316を有する。
【0068】
係合アーム312A,312Bは、取付機構200における第3形状部230A,230Bと係合可能である。挿入部314は、第2カプラ320に挿入される部分であって第2カプラ320と結合する部分である。接続部316は、電気配線580が接続される部分である。
【0069】
図8および図9は、本発明の実施形態に係る取付機構200に取り付けられるカプラ対300を構成する第2カプラ320を示す斜視図である。
【0070】
第2カプラ320は、外嵌部322および接続部324を有する。
【0071】
外嵌部322は、第1カプラ310に外嵌する部分であって第1カプラ310と結合する部分である。接続部324は、電気配線578が接続される部分である。
【0072】
図10〜図13は、本発明の実施形態に係る取付機構200にカプラ対300が取り付けられる様子を示す斜視図である。図14は、本発明の実施形態に係る取付機構200にカプラ対300が取り付けられている状態を示す断面図である。
【0073】
図10は、取付機構200に対してカプラ対300が取り付けられる前の状態を示す。取付機構200にカプラ対300を取り付ける場合は、カプラ対300は、図10に示すような姿勢、すなわち、係合アーム312A,312Bがカプラ対300における鉛直上下方向に位置するような姿勢をとる必要がある。
【0074】
図11は、カプラ対300が、取付機構200における第1形状部210A,210B間を通過して第5形状部250に当接した状態を示す。この状態では、係合アーム312A,312Bが第2形状部220A,220Bに支持されているため、カプラ対300にスラスト方向(長手方向)に向けて力が加わったとしても、カプラ対300がスラスト方向に向けて脱離することがない。また、カプラ対300が第5形状部250に当接しているため、ユーザは、カプラ対300の回転開始タイミングがわかる。
【0075】
図12は、カプラ対300が、第2形状部220A,220Bによって形成された空間内で、取付機構200への挿入時における姿勢から45度回転した状態を示す。この状態では、第4形状部240A,240Bによって係合アーム312A,312Bが案内されるため、ユーザは、カプラ対300をスムーズに回転をさせることができる。また、係合アーム312A,312Bが第2形状部220A,220Bに支持されているため、カプラ対300にスラスト方向(長手方向)に向けて力が加わったとしても、カプラ対300がスラスト方向に向けて脱離することがない。
【0076】
図13および図14は、カプラ対300が取付機構200に取り付けられた状態を示す。この状態では、第3形状部230A,230Bに係合アーム312A,312Bが圧接するため、取付機構200にカプラ対300が強固に取り付けられる。また、係合アーム312A,312Bが第2形状部220A,220Bに支持されているため、カプラ対300にスラスト方向(長手方向)に向けて力が加わったとしても、カプラ対300がスラスト方向に向けて脱離することがない。さらに、第3形状部230A,230Bと係合アーム312A,312Bとの圧接によって生じる摩擦力によって、第3形状部230A,230Bと係合アーム312A,312Bとが係合したことがわかる。したがって、ユーザがカプラ対300を回転させすぎることを防止できるため、係合アーム312A,312Bに過負荷がかかることを防止することができる。
【0077】
なお、取付機構200に取り付けられたカプラ対300を取り外すときは、図13、図12、図11、図10の順でカプラ対300を操作すればよい。すなわち、取付機構200へのカプラ対300の挿入時における回転方向と逆方向にカプラ対300を回転させて第3形状部230A,230Bと係合アーム312A,312Bとの係合を解除し、係合アーム312A,312Bがカプラ対300における鉛直上下方向に位置するまで回転させて、カプラ対300をその姿勢に保持したまま第1形状部210A,210B間から脱離させる。
【0078】
また、図10に示すように、カプラ対300は、取付機構200からの脱離方向における第1形状部210A,210Bよりも下流側に配置自在であると好ましい。
【0079】
この構成では、第1形状部210A,210Bよりも上側の空間を利用して第1カプラ310と第2カプラ320との接続または脱離が可能であるため、カプラ対300の取付機構200に対する作業性が向上する。
【0080】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0081】
200 −取付機構
210A−第1形状部
210B−第1形状部
220A−第2形状部
220B−第2形状部
230A−第3形状部
230B−第3形状部
240A−第4形状部
240B−第4形状部
250 −第5形状部
300 −カプラ対
310 −第1カプラ
312A−係合アーム
312B−係合アーム
320 −第2カプラ
330 −電磁クラッチ
576 −電気配線
578 −電気配線
580 −電気配線
590 −筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
係合アームが所定の位置および前記位置に対して反対側の位置に備えられる部品が取り付けられる取付機構であって、
取付機構本体に対して前記部品が挿脱するための通過口を形成する第1形状部と、
前記第1形状部間から挿入された前記部品が回転可能な空間を形成する第2形状部と、
前記第2形状部間に配置される前記部品を所定角度回転させたときに前記係合アームと係合する、前記第2形状部に含まれる第3形状部と、
を備え、
前記第1形状部は、前記係合アームが前記部品における鉛直上下方向に位置している場合にのみ該部品が通過できるように構成されており、
前記第2形状部は、前記第1形状部間以外から前記部品が脱離しないように構成されており、
前記第3形状部は、前記部品の挿入時における回転方向と逆方向に該部品を回転させると前記係合アームとの係合が解除するように構成されている
取付機構。
【請求項2】
前記第1形状部間から挿入された前記部品を前記所定角度回転させるまでの間、および、前記第3形状部と前記係合アームとが係合した状態から該部品の挿入時における回転方向と逆方向に該部品を回転させて前記係合アームが該部品における鉛直上下方向に位置するまでの間、前記係合アームを案内する、前記第2形状部に含まれる第4形状部をさらに備える
請求項1に記載の取付機構。
【請求項3】
前記第1形状部間から挿入された前記部品が挿入方向下流側端部において当接する、前記第2形状部に含まれる第5形状部をさらに備える
請求項1または2に記載の取付機構。
【請求項4】
前記係合アームは、弾性力を有し、
前記第3形状部は、前記第1形状部間から挿入された前記部品を所定角度回転させたときに前記係合アームと圧接する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の取付機構。
【請求項5】
前記部品は、電気部品の電気配線の途中に設けられた互いに着脱可能な第1カプラおよび第2カプラから構成されるカプラ対である
請求項1〜4のいずれか1項に記載の取付機構。
【請求項6】
前記カプラ対は、前記取付機構本体からの脱離方向における前記第1形状部よりも下流側に配置自在である
請求項5に記載の取付機構。
【請求項7】
電気部品と、
前記電気部品を支持する筐体と、
前記筐体に設けられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の取付機構と、
前記取付機構に取り付けられる前記部品と、
を備える機能ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−138169(P2012−138169A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287634(P2010−287634)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】