受信装置
【課題】3つのチューナを備えても、単一の処理部が、所定時間内に鍵情報の処理をできる受信装置を提供する。
【解決手段】受信装置は、CPUを備える。CPUは、デスクランブルされた第1のデータが外部機器に出力され、デスクランブルされた第2のデータが記録部に記録され、デスクランブルされた第3のデータが記録部に記録される場合、処理部に第1の鍵更新情報と第2の鍵更新情報と第3の鍵更新情報のうちいずれか1つまたは2つと、第1の鍵情報と第2の鍵情報と第3の鍵情報とを処理部にて処理するように選択する。
【解決手段】受信装置は、CPUを備える。CPUは、デスクランブルされた第1のデータが外部機器に出力され、デスクランブルされた第2のデータが記録部に記録され、デスクランブルされた第3のデータが記録部に記録される場合、処理部に第1の鍵更新情報と第2の鍵更新情報と第3の鍵更新情報のうちいずれか1つまたは2つと、第1の鍵情報と第2の鍵情報と第3の鍵情報とを処理部にて処理するように選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、放送波を受信可能な受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スクランブルされた映像データなどが含まれる放送波を受信するためには、映像データをデスクランブル処理する必要がある(例えば、特許文献1参照)。デスクランブル処理には、受信装置に備えられた処理部が放送波に含まれる鍵情報を変換した変換鍵を要する。鍵情報は、処理部が備える鍵情報変換手段によって、変換処理される。また、放送波には、鍵更新情報が含まれる。処理部は、鍵更新情報を用いて鍵情報変換手段を更新する処理を行う。また、処理部は、シリアル処理のみ行うことができる。処理部は、鍵情報の変換処理を、所定時間内に終了させる必要がある。所定時間内に処理が終了できなかった場合は変換鍵が生成できない。その場合、受信装置は、デスクランブル処理に失敗し、映像がブロックノイズになるなどの問題が発生する。
【0003】
ところで、従来の受信装置では、2つのチューナを備える場合、2つのチューナから送られる情報を、単一の処理部により処理していた。まず、第1のチューナは、鍵更新情報1を受信する。続いて第1のチューナは鍵情報1を受信する。次に第1のチューナは、鍵情報1を受信してから所定時間経過後に、デスクランブル処理する映像データおよび音声データなどを受信する。第2のチューナは、鍵更新情報2を受信する。続いて第2のチューナは鍵情報2を受信する。次に第2のチューナは、鍵情報2を受信してから所定時間経過後に、デスクランブル処理する映像データおよび音声データなどを受信する。この場合、図6に示すように、処理部は、鍵情報1、鍵更新情報1、鍵情報2、および鍵更新情報2の処理をシリアルに行う。従来は、以上の処理を所定時間内に完了することが可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−244717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、放送のディジタル化が進み、放送が多チャンネル化しつつある。受信装置には、より多くのチューナを備える要求がある。受信装置が3つのチューナと単一の処理部を備える場合、映像データなどのデスクランブル処理に失敗し、映像がブロックノイズになるなどの問題が発生するなどの課題がある。つまり、単一の処理部が、3つのチューナから送られる鍵情報の処理を所定時間内に完了できない場合が発生するためである。
【0006】
ここに開示された技術は、上記課題を解決するためになされたもので、3つのチューナを備えても、単一の処理部が、所定時間内に鍵情報の処理をできる受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、以下の受信装置によって解決される。受信装置は、放送波から、スクランブルされた第1のデータと第1のデータをデスクランブルするために第1のデータより所定時間前に送信される第1の鍵情報と第1の鍵更新情報とを含む、第1の放送信号を選局する第1のチューナと、放送波から、スクランブルされた第2のデータと第2のデータをデスクランブルするために第2のデータより所定時間前に送信される第2の鍵情報と第2の鍵更新情報とを含む、第2の放送信号を選局する第2のチューナと、放送波から、スクランブルされた第3のデータと第3のデータをデスクランブルするために第3のデータより所定時間前に送信される第3の鍵情報と第3の鍵更新情報とを含む、第3の放送信号を選局する第3のチューナと、第1のデータ、および/または第2のデータ、および/または第3のデータをデスクランブルするデスクランブルモジュールを有する制御部と、デスクランブルされた第1のデータ、および/またはデスクランブルされた第2のデータ、および/またはデスクランブルされた第3のデータを記録する記録部と、デスクランブルされた第1のデータ、またはデスクランブルされた第2のデータ、またはデスクランブルされた第3のデータを外部機器に出力する出力部と、第1の鍵情報と第2の鍵情報と第3の鍵情報と第1の鍵更新情報と第2の鍵更新情報と第3の鍵更新情報とをシリアルに処理可能な処理部と、を備える。制御部は、処理部が処理する情報を選択する選択部をさらに有し、選択部は、デスクランブルされた第1のデータが外部機器に出力され、デスクランブルされた第2のデータが記録部に記録され、デスクランブルされた第3のデータが記録部に記録される場合、処理部に第1の鍵更新情報と第2の鍵更新情報と第3の鍵更新情報のうちいずれか1つまたは2つと、第1の鍵情報と第2の鍵情報と第3の鍵情報とを処理部にて処理するように選択する。
【発明の効果】
【0008】
3つのチューナを備えても、単一の処理部が、所定時間内に鍵情報の処理をできる受信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態における受信装置の機能的構成を示すブロック図
【図2】同機能的構成を詳細に表したブロック図
【図3】放送波のチャンネル構成を示す図
【図4】鍵情報および鍵更新情報の処理シーケンスを示す図
【図5】本実施の形態における処理部の動作を示す図
【図6】従来の受信装置における処理部の動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態)
[1.受信装置100の概要]
図1および図2を用いて本実施の形態における受信装置100について説明する。図1に示すように、受信装置100は、アンテナ101で、スクランブルされた画像データなどを含む放送波を検出し、チューナ部102により特定の放送信号(チャンネル)の信号を検出・増幅し、復調処理を行うものである。復調された信号は、制御部103に入力される。制御部103は、処理部104を用いてデスクランブル処理を行う。処理部104は、デスクランブル処理を行うための変換鍵を生成する。変換鍵は、処理部104が備える鍵情報変換手段である複数のIC(Integrated Circuit)チップにより鍵情報を変換することにより、生成される。鍵情報変換手段は、放送波の複数のチャンネルで共通の場合もあれば、チャンネルによって異なる場合もある。さらに、制御部103は、デスクランブルされた映像データ、音声データなどをデコーダ105に送る。デコーダ105は映像データおよび音声データのデコード処理を行う。デコード処理された映像、音声などが含まれた放送番組などは、出力部106からテレビモニタなどの外部機器に出力される。さらに受信装置100は、記録部としてHDD(Hard Disk Drive)107を備える。HDD107は、制御部103から送られたデコード前の映像データおよび音声データなどを記録する。
【0011】
図2に示すように、チューナ部102は第1チューナ201、第2チューナ202、および第3チューナ203により構成される。制御部103は、デスクランブルモジュール204、CPU(Central Processing Unit)205を含む。CPU205では第1チューナ201、第2チューナ202、第3チューナ203のそれぞれから受信した放送信号により、処理部104の処理内容を決定する。処理内容は後に詳しく述べられる。CPU205は、処理部104から受信するデータを用いてデスクランブルモジュール204の制御を行う。つまり、デスクランブルモジュール204が映像データ、音声データなどのデスクランブルを行う。その後、制御部103は、デコーダ105に映像データ、音声データなどを送る。デコーダ105は、映像データ、音声データなどをデコードする。
【0012】
すなわち、本実施の形態においては、CPU204が処理部104と通信処理を行うことで、放送番組の視聴や録画を可能としている。
【0013】
図3は、放送波のチャンネル構成の一例を示した図である。例えばCH1(チャンネル1)、CH2、CH3は、鍵更新情報を含まない。しかしCH1、CH2、CH3には、鍵情報を含む場合がある。一方、CH4、CH5、CH6は、鍵更新情報も鍵情報も含んでいる場合がある。
【0014】
[2.処理シーケンス]
次に、デスクランブルモジュール204、CPU205、および処理部104の処理シーケンスを図4で説明する。SE101において、CPU205は鍵情報を処理部104に送信する。SE102において、処理部104は、鍵情報変換手段であるICチップによって鍵情報の変換処理を行う。さらに、処理部104は鍵情報の変換処理によって生成された変換鍵をCPU205に送信する。SE103において、CPU205は処理部104から送信された変換鍵をデスクランブルモジュール204に送信する。SE104において、デスクランブルモジュール204は、CPU205から送信された変換鍵を用いて、映像データ、音声データなどをデスクランブルする。
【0015】
また、SE105において、CPU205は鍵更新情報を処理部104に送信する。SE106において、処理部104は鍵更新処理を行い、鍵情報変換手段の更新を行う。処理部104は、鍵情報変換手段の更新確認をCPU205に送信する。
【0016】
[3.処理部104による処理]
本実施の形態においては、3つのチューナの受信処理時は鍵更新情報の処理を視聴中の1つのチューナ分のみ行うことで、3つの鍵情報処理を規定時間内に終了させるものである。具体的には、第1のチューナ201が受信した第1の放送信号は、視聴者に視聴されている。第2のチューナ202が受信した第2の放送信号は、HDD107に記録されている。第3のチューナ203が受信した第3の放送信号は、HDD107に記録されている。このとき、第1のチューナは鍵更新情報1と鍵情報1およびスクランブルされた第1のデータを受信する。次に第2のチューナが鍵更新情報2と鍵情報2およびスクランブルされた第2のデータを受信する。次に第3のチューナが鍵更新情報3と鍵情報3およびスクランブルされた第3のデータを受信する。ここでCPU205は、鍵更新情報1と鍵情報を処理部104に送る。つまり、CPU205は、この時点では、鍵更新情報2および鍵更新情報3を処理部104に送らない。処理部104は、鍵更新情報2と鍵更新情報3を処理せずに、鍵更新情報1と鍵情報1と鍵情報2と鍵情報3とをシリアルに処理する。よって、処理部104は、所定時間内に処理を完了できる。次のサイクルでは、鍵更新情報2と鍵情報1から3とを処理し、その次のサイクルでは鍵更新情報3と鍵情報1から3とを処理することで、鍵情報1から3を所定時間内に処理することができる(図5)。
【0017】
または処理部104は、鍵更新情報3を処理せずに、鍵更新情報1と鍵更新情報2と鍵情報1と鍵情報2と鍵情報3とを処理しても良い。さらにその後に、鍵更新情報3と鍵情報1と鍵情報2と鍵情報3とを処理するように、鍵更新情報と鍵情報を処理部104に送ってもよい。要するに、CPU205は、まず鍵更新情報1〜3のうちの1つまたは2つだけを処理部104が処理するように選択し、次のサイクルで前サイクルで処理できなかった別の鍵更新情報を処理するように選択することができる。上記の構成においても、処理部104は、所定時間内に処理を完了できる。なお、鍵更新情報1から3の処理と鍵情報1から3との処理については、鍵情報1から3の処理を優先して先に処理部で処理するように選択しても良い。
【0018】
[4.まとめ]
本実施の形態における受信装置100は、放送波から、スクランブルされた第1のデータと第1のデータをデスクランブルするために第1のデータより所定時間前に送信される第1の鍵情報と第1の鍵更新情報とを含む、第1の放送信号を選局する第1のチューナ201と、放送波から、スクランブルされた第2のデータと第2のデータをデスクランブルするために第2のデータより所定時間前に送信される第2の鍵情報と第2の鍵更新情報とを含む、第2の放送信号を選局する第2のチューナ202と、放送波から、スクランブルされた第3のデータと第3のデータをデスクランブルするために第3のデータより所定時間前に送信される第3の鍵情報と第3の鍵更新情報とを含む、第3の放送信号を選局する第3のチューナ203と、第1のデータ、および/または第2のデータ、および/または第3のデータをデスクランブルするデスクランブルモジュールを有する制御部103と、デスクランブルされた第1のデータ、および/またはデスクランブルされた第2のデータ、および/またはデスクランブルされた第3のデータを記録する記録部であるHDD107と、デスクランブルされた第1のデータ、またはデスクランブルされた第2のデータ、またはデスクランブルされた第3のデータを外部機器に出力する出力部106と、第1の鍵情報と第2の鍵情報と第3の鍵情報と第1の鍵更新情報と第2の鍵更新情報と第3の鍵更新情報とをシリアルに処理可能な処理部104と、を備える。制御部103は、処理部104が処理する情報を選択する選択部であるCPU205をさらに有し、CPU205は、デスクランブルされた第1のデータが外部機器に出力され、デスクランブルされた第2のデータがHDD107に記録され、デスクランブルされた第3のデータがHDD107に記録される場合、処理部104に第1の鍵更新情報と第2の鍵更新情報と第3の鍵更新情報のうちいずれか1つまたは2つと、第1の鍵情報と第2の鍵情報と第3の鍵情報とを処理部にて処理するように選択する。
【0019】
上記の構成の受信装置によれば、3つのチューナを備えても、単一の処理部が、所定時間内に鍵情報の処理をできる。よって、映像データなどのデスクランブル処理に失敗し、映像がブロックノイズになるなどの問題が発生することを低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
ここに開示された受信装置は、光ディスクレコーダー、HDDレコーダーなどに広く有用である。
【符号の説明】
【0021】
100 受信装置
101 アンテナ
102 チューナ部
103 制御部
104 処理部
105 デコーダ
106 出力部
107 HDD
201 第1のチューナ
202 第2のチューナ
203 第3のチューナ
204 デスクランブルモジュール
205 CPU
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、放送波を受信可能な受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スクランブルされた映像データなどが含まれる放送波を受信するためには、映像データをデスクランブル処理する必要がある(例えば、特許文献1参照)。デスクランブル処理には、受信装置に備えられた処理部が放送波に含まれる鍵情報を変換した変換鍵を要する。鍵情報は、処理部が備える鍵情報変換手段によって、変換処理される。また、放送波には、鍵更新情報が含まれる。処理部は、鍵更新情報を用いて鍵情報変換手段を更新する処理を行う。また、処理部は、シリアル処理のみ行うことができる。処理部は、鍵情報の変換処理を、所定時間内に終了させる必要がある。所定時間内に処理が終了できなかった場合は変換鍵が生成できない。その場合、受信装置は、デスクランブル処理に失敗し、映像がブロックノイズになるなどの問題が発生する。
【0003】
ところで、従来の受信装置では、2つのチューナを備える場合、2つのチューナから送られる情報を、単一の処理部により処理していた。まず、第1のチューナは、鍵更新情報1を受信する。続いて第1のチューナは鍵情報1を受信する。次に第1のチューナは、鍵情報1を受信してから所定時間経過後に、デスクランブル処理する映像データおよび音声データなどを受信する。第2のチューナは、鍵更新情報2を受信する。続いて第2のチューナは鍵情報2を受信する。次に第2のチューナは、鍵情報2を受信してから所定時間経過後に、デスクランブル処理する映像データおよび音声データなどを受信する。この場合、図6に示すように、処理部は、鍵情報1、鍵更新情報1、鍵情報2、および鍵更新情報2の処理をシリアルに行う。従来は、以上の処理を所定時間内に完了することが可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−244717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、放送のディジタル化が進み、放送が多チャンネル化しつつある。受信装置には、より多くのチューナを備える要求がある。受信装置が3つのチューナと単一の処理部を備える場合、映像データなどのデスクランブル処理に失敗し、映像がブロックノイズになるなどの問題が発生するなどの課題がある。つまり、単一の処理部が、3つのチューナから送られる鍵情報の処理を所定時間内に完了できない場合が発生するためである。
【0006】
ここに開示された技術は、上記課題を解決するためになされたもので、3つのチューナを備えても、単一の処理部が、所定時間内に鍵情報の処理をできる受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、以下の受信装置によって解決される。受信装置は、放送波から、スクランブルされた第1のデータと第1のデータをデスクランブルするために第1のデータより所定時間前に送信される第1の鍵情報と第1の鍵更新情報とを含む、第1の放送信号を選局する第1のチューナと、放送波から、スクランブルされた第2のデータと第2のデータをデスクランブルするために第2のデータより所定時間前に送信される第2の鍵情報と第2の鍵更新情報とを含む、第2の放送信号を選局する第2のチューナと、放送波から、スクランブルされた第3のデータと第3のデータをデスクランブルするために第3のデータより所定時間前に送信される第3の鍵情報と第3の鍵更新情報とを含む、第3の放送信号を選局する第3のチューナと、第1のデータ、および/または第2のデータ、および/または第3のデータをデスクランブルするデスクランブルモジュールを有する制御部と、デスクランブルされた第1のデータ、および/またはデスクランブルされた第2のデータ、および/またはデスクランブルされた第3のデータを記録する記録部と、デスクランブルされた第1のデータ、またはデスクランブルされた第2のデータ、またはデスクランブルされた第3のデータを外部機器に出力する出力部と、第1の鍵情報と第2の鍵情報と第3の鍵情報と第1の鍵更新情報と第2の鍵更新情報と第3の鍵更新情報とをシリアルに処理可能な処理部と、を備える。制御部は、処理部が処理する情報を選択する選択部をさらに有し、選択部は、デスクランブルされた第1のデータが外部機器に出力され、デスクランブルされた第2のデータが記録部に記録され、デスクランブルされた第3のデータが記録部に記録される場合、処理部に第1の鍵更新情報と第2の鍵更新情報と第3の鍵更新情報のうちいずれか1つまたは2つと、第1の鍵情報と第2の鍵情報と第3の鍵情報とを処理部にて処理するように選択する。
【発明の効果】
【0008】
3つのチューナを備えても、単一の処理部が、所定時間内に鍵情報の処理をできる受信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態における受信装置の機能的構成を示すブロック図
【図2】同機能的構成を詳細に表したブロック図
【図3】放送波のチャンネル構成を示す図
【図4】鍵情報および鍵更新情報の処理シーケンスを示す図
【図5】本実施の形態における処理部の動作を示す図
【図6】従来の受信装置における処理部の動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態)
[1.受信装置100の概要]
図1および図2を用いて本実施の形態における受信装置100について説明する。図1に示すように、受信装置100は、アンテナ101で、スクランブルされた画像データなどを含む放送波を検出し、チューナ部102により特定の放送信号(チャンネル)の信号を検出・増幅し、復調処理を行うものである。復調された信号は、制御部103に入力される。制御部103は、処理部104を用いてデスクランブル処理を行う。処理部104は、デスクランブル処理を行うための変換鍵を生成する。変換鍵は、処理部104が備える鍵情報変換手段である複数のIC(Integrated Circuit)チップにより鍵情報を変換することにより、生成される。鍵情報変換手段は、放送波の複数のチャンネルで共通の場合もあれば、チャンネルによって異なる場合もある。さらに、制御部103は、デスクランブルされた映像データ、音声データなどをデコーダ105に送る。デコーダ105は映像データおよび音声データのデコード処理を行う。デコード処理された映像、音声などが含まれた放送番組などは、出力部106からテレビモニタなどの外部機器に出力される。さらに受信装置100は、記録部としてHDD(Hard Disk Drive)107を備える。HDD107は、制御部103から送られたデコード前の映像データおよび音声データなどを記録する。
【0011】
図2に示すように、チューナ部102は第1チューナ201、第2チューナ202、および第3チューナ203により構成される。制御部103は、デスクランブルモジュール204、CPU(Central Processing Unit)205を含む。CPU205では第1チューナ201、第2チューナ202、第3チューナ203のそれぞれから受信した放送信号により、処理部104の処理内容を決定する。処理内容は後に詳しく述べられる。CPU205は、処理部104から受信するデータを用いてデスクランブルモジュール204の制御を行う。つまり、デスクランブルモジュール204が映像データ、音声データなどのデスクランブルを行う。その後、制御部103は、デコーダ105に映像データ、音声データなどを送る。デコーダ105は、映像データ、音声データなどをデコードする。
【0012】
すなわち、本実施の形態においては、CPU204が処理部104と通信処理を行うことで、放送番組の視聴や録画を可能としている。
【0013】
図3は、放送波のチャンネル構成の一例を示した図である。例えばCH1(チャンネル1)、CH2、CH3は、鍵更新情報を含まない。しかしCH1、CH2、CH3には、鍵情報を含む場合がある。一方、CH4、CH5、CH6は、鍵更新情報も鍵情報も含んでいる場合がある。
【0014】
[2.処理シーケンス]
次に、デスクランブルモジュール204、CPU205、および処理部104の処理シーケンスを図4で説明する。SE101において、CPU205は鍵情報を処理部104に送信する。SE102において、処理部104は、鍵情報変換手段であるICチップによって鍵情報の変換処理を行う。さらに、処理部104は鍵情報の変換処理によって生成された変換鍵をCPU205に送信する。SE103において、CPU205は処理部104から送信された変換鍵をデスクランブルモジュール204に送信する。SE104において、デスクランブルモジュール204は、CPU205から送信された変換鍵を用いて、映像データ、音声データなどをデスクランブルする。
【0015】
また、SE105において、CPU205は鍵更新情報を処理部104に送信する。SE106において、処理部104は鍵更新処理を行い、鍵情報変換手段の更新を行う。処理部104は、鍵情報変換手段の更新確認をCPU205に送信する。
【0016】
[3.処理部104による処理]
本実施の形態においては、3つのチューナの受信処理時は鍵更新情報の処理を視聴中の1つのチューナ分のみ行うことで、3つの鍵情報処理を規定時間内に終了させるものである。具体的には、第1のチューナ201が受信した第1の放送信号は、視聴者に視聴されている。第2のチューナ202が受信した第2の放送信号は、HDD107に記録されている。第3のチューナ203が受信した第3の放送信号は、HDD107に記録されている。このとき、第1のチューナは鍵更新情報1と鍵情報1およびスクランブルされた第1のデータを受信する。次に第2のチューナが鍵更新情報2と鍵情報2およびスクランブルされた第2のデータを受信する。次に第3のチューナが鍵更新情報3と鍵情報3およびスクランブルされた第3のデータを受信する。ここでCPU205は、鍵更新情報1と鍵情報を処理部104に送る。つまり、CPU205は、この時点では、鍵更新情報2および鍵更新情報3を処理部104に送らない。処理部104は、鍵更新情報2と鍵更新情報3を処理せずに、鍵更新情報1と鍵情報1と鍵情報2と鍵情報3とをシリアルに処理する。よって、処理部104は、所定時間内に処理を完了できる。次のサイクルでは、鍵更新情報2と鍵情報1から3とを処理し、その次のサイクルでは鍵更新情報3と鍵情報1から3とを処理することで、鍵情報1から3を所定時間内に処理することができる(図5)。
【0017】
または処理部104は、鍵更新情報3を処理せずに、鍵更新情報1と鍵更新情報2と鍵情報1と鍵情報2と鍵情報3とを処理しても良い。さらにその後に、鍵更新情報3と鍵情報1と鍵情報2と鍵情報3とを処理するように、鍵更新情報と鍵情報を処理部104に送ってもよい。要するに、CPU205は、まず鍵更新情報1〜3のうちの1つまたは2つだけを処理部104が処理するように選択し、次のサイクルで前サイクルで処理できなかった別の鍵更新情報を処理するように選択することができる。上記の構成においても、処理部104は、所定時間内に処理を完了できる。なお、鍵更新情報1から3の処理と鍵情報1から3との処理については、鍵情報1から3の処理を優先して先に処理部で処理するように選択しても良い。
【0018】
[4.まとめ]
本実施の形態における受信装置100は、放送波から、スクランブルされた第1のデータと第1のデータをデスクランブルするために第1のデータより所定時間前に送信される第1の鍵情報と第1の鍵更新情報とを含む、第1の放送信号を選局する第1のチューナ201と、放送波から、スクランブルされた第2のデータと第2のデータをデスクランブルするために第2のデータより所定時間前に送信される第2の鍵情報と第2の鍵更新情報とを含む、第2の放送信号を選局する第2のチューナ202と、放送波から、スクランブルされた第3のデータと第3のデータをデスクランブルするために第3のデータより所定時間前に送信される第3の鍵情報と第3の鍵更新情報とを含む、第3の放送信号を選局する第3のチューナ203と、第1のデータ、および/または第2のデータ、および/または第3のデータをデスクランブルするデスクランブルモジュールを有する制御部103と、デスクランブルされた第1のデータ、および/またはデスクランブルされた第2のデータ、および/またはデスクランブルされた第3のデータを記録する記録部であるHDD107と、デスクランブルされた第1のデータ、またはデスクランブルされた第2のデータ、またはデスクランブルされた第3のデータを外部機器に出力する出力部106と、第1の鍵情報と第2の鍵情報と第3の鍵情報と第1の鍵更新情報と第2の鍵更新情報と第3の鍵更新情報とをシリアルに処理可能な処理部104と、を備える。制御部103は、処理部104が処理する情報を選択する選択部であるCPU205をさらに有し、CPU205は、デスクランブルされた第1のデータが外部機器に出力され、デスクランブルされた第2のデータがHDD107に記録され、デスクランブルされた第3のデータがHDD107に記録される場合、処理部104に第1の鍵更新情報と第2の鍵更新情報と第3の鍵更新情報のうちいずれか1つまたは2つと、第1の鍵情報と第2の鍵情報と第3の鍵情報とを処理部にて処理するように選択する。
【0019】
上記の構成の受信装置によれば、3つのチューナを備えても、単一の処理部が、所定時間内に鍵情報の処理をできる。よって、映像データなどのデスクランブル処理に失敗し、映像がブロックノイズになるなどの問題が発生することを低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
ここに開示された受信装置は、光ディスクレコーダー、HDDレコーダーなどに広く有用である。
【符号の説明】
【0021】
100 受信装置
101 アンテナ
102 チューナ部
103 制御部
104 処理部
105 デコーダ
106 出力部
107 HDD
201 第1のチューナ
202 第2のチューナ
203 第3のチューナ
204 デスクランブルモジュール
205 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波から、スクランブルされた第1のデータと前記第1のデータをデスクランブルするために前記第1のデータより所定時間前に送信される第1の鍵情報と第1の鍵更新情報とを含む、第1の放送信号を選局する第1のチューナと、
前記放送波から、スクランブルされた第2のデータと前記第2のデータをデスクランブルするために前記第2のデータより所定時間前に送信される第2の鍵情報と第2の鍵更新情報とを含む、第2の放送信号を選局する第2のチューナと、
前記放送波から、スクランブルされた第3のデータと前記第3のデータをデスクランブルするために前記第3のデータより所定時間前に送信される第3の鍵情報と第3の鍵更新情報とを含む、第3の放送信号を選局する第3のチューナと、
前記第1のデータ、および/または前記第2のデータ、および/または前記第3のデータをデスクランブルするデスクランブルモジュールを有する制御部と、
デスクランブルされた第1のデータ、および/またはデスクランブルされた第2のデータ、および/またはデスクランブルされた第3のデータを記録する記録部と、
前記デスクランブルされた第1のデータ、または前記デスクランブルされた第2のデータ、または前記デスクランブルされた第3のデータを外部機器に出力する出力部と、
前記第1の鍵情報と前記第2の鍵情報と前記第3の鍵情報と前記第1の鍵更新情報と前記第2の鍵更新情報と前記第3の鍵更新情報とをシリアルに処理可能な処理部と、
を備え、前記第1の鍵更新情報と前記第2の鍵更新情報と前記第3の鍵更新情報のうちいずれか1つまたは2つと、前記第1の鍵情報と前記第2の鍵情報と前記第3の鍵情報とを前記処理部にて処理するように選択する、受信装置。
【請求項1】
放送波から、スクランブルされた第1のデータと前記第1のデータをデスクランブルするために前記第1のデータより所定時間前に送信される第1の鍵情報と第1の鍵更新情報とを含む、第1の放送信号を選局する第1のチューナと、
前記放送波から、スクランブルされた第2のデータと前記第2のデータをデスクランブルするために前記第2のデータより所定時間前に送信される第2の鍵情報と第2の鍵更新情報とを含む、第2の放送信号を選局する第2のチューナと、
前記放送波から、スクランブルされた第3のデータと前記第3のデータをデスクランブルするために前記第3のデータより所定時間前に送信される第3の鍵情報と第3の鍵更新情報とを含む、第3の放送信号を選局する第3のチューナと、
前記第1のデータ、および/または前記第2のデータ、および/または前記第3のデータをデスクランブルするデスクランブルモジュールを有する制御部と、
デスクランブルされた第1のデータ、および/またはデスクランブルされた第2のデータ、および/またはデスクランブルされた第3のデータを記録する記録部と、
前記デスクランブルされた第1のデータ、または前記デスクランブルされた第2のデータ、または前記デスクランブルされた第3のデータを外部機器に出力する出力部と、
前記第1の鍵情報と前記第2の鍵情報と前記第3の鍵情報と前記第1の鍵更新情報と前記第2の鍵更新情報と前記第3の鍵更新情報とをシリアルに処理可能な処理部と、
を備え、前記第1の鍵更新情報と前記第2の鍵更新情報と前記第3の鍵更新情報のうちいずれか1つまたは2つと、前記第1の鍵情報と前記第2の鍵情報と前記第3の鍵情報とを前記処理部にて処理するように選択する、受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−156601(P2012−156601A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11384(P2011−11384)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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