説明

受光装置

【課題】紙や合成樹脂などのシート材として取り扱うことが可能な、薄型の光タグや光電池などの受光装置を提供する。
【解決手段】紙や合成樹脂からなるフィルム状基材1の表面に、銀などの金属を印刷してブルズアイパターンを形成してプラズモンアンテナ2が構成されている。フィルム状基材1の裏面には半導体チップ3が貼り付けられている。フィルム状基材1には、ブルズアイパターンの中心の位置に孔9が設けられており、半導体チップ3のフォトダイオードの受光面が孔9に対向している。半導体チップ3には、フォトダイオードに接続される様々な回路が設けられている。フォトダイオードは受光した光を電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーに基づいて各回路が駆動され、メモリー回路に情報が書き込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光タグおよび/または光電池として機能する受光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電波(例えばマイクロ波)によって情報を読み書きするRFタグ(Radio Frequency タグ、ミューチップとも言う)は広く普及し始めているが、光(例えば赤外光)によって情報を読み書きする光タグは未だ殆ど使われていない。
【0003】
電波を用いるRFタグは、紙や合成樹脂からなるフィルム状基材に印刷された金属パターンからなる、電波を受信するためのアンテナに接続されている。RFタグに内蔵されている半導体チップ(タグチップ)に比べて大面積(外形が一辺数cmの四角形程度)のアンテナで受信したマイクロ波電力を、一辺が数十μm程度の小さな半導体チップに供給することにより、効果的にマイクロ波電力を集めて半導体の各回路を駆動することができる。
【0004】
これに対して光を用いる光タグの場合には、図8に示すように、実用上、平行光31を半導体チップ32の受光素子33(例えばフォトダイオード)上に集めるための集光レンズなどの光学部品34が必要である。通常、これらの光学部品34は、ある程度の大きさ(例えば直径数mm程度)が必要であり、それ以下に小さくすることは困難である。特にレンズの場合には、集光性能を確保するためにはある程度の厚さが必要であり、しかも形状および曲率が変化しないように剛体である必要がある。また、受光素子33の受光面に合焦させるために、受光素子33とレンズの位置関係には制約がある。このような、半導体チップ32の受光素子33上に集光させるための光学部品34を、RFタグの電波受信用アンテナと同様にフィルム状基材に半導体チップ32と並べて貼り付けて用いることは難しい。そのため、光タグの応用範囲は、電波を用いるRFタグに比べて狭い。
【特許文献1】特開2000−171763号公報
【特許文献2】特開2005−252399号公報
【特許文献3】特開平08−9440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した通り、従来の光タグは、レンズなどの集光用の光学部品34の材質、形状、大きさ等の制約から、電波を利用するRFタグのように、薄いフィルム状基材に貼り付けて用いることは難しい。特に、レンズなどの集光用の光学部品34は、厚さ方向の小型化が困難である。このような集光用の光学部品34を用いない構成にすると、光タグが受ける光の信号強度が不足し、情報の読み書きができないおそれがある。従って、レーザー光のような非常に強い光を直接半導体チップ32の受光素子33に照射する構成にしない限り、十分な感度が得られず、実用に耐えない。
【0006】
本発明の目的は、前記した従来の光タグの欠点を解消し、電波を利用するRFタグと同様に、紙や合成樹脂などのシート材として取り扱うことが可能な、光タグや光電池などの受光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の受光装置は、フィルム状基材の表面に形成されたパターンからなる、可撓性を有し、照射された光を集光する集光機構と、フィルム状基材に取り付けられており、集光機構によって集光された光を受光し、受光した光を電気エネルギーに変換する受光素子とを有することを特徴とする。
【0008】
集光機構は金属パターンからなるプラズモンアンテナであってもよい。その場合、フィルム状基材の、集光機構によって光が集められる位置に孔が開けられており、受光素子は、受光面が孔に対向するようにフィルム状基材の裏面に取り付けられているとよい。
【0009】
このような受光装置の場合、光学レンズ等の厚く硬い剛体の光学部材を必要とせず、効率よく集光することができる。したがって、光を用いて電力の供給および/または情報の記憶を行うような受光装置の小型化、特に薄型化が図れる。それによって、可撓性のシート材として取り扱うことができる受光装置を構成することが可能になる。しかも、レーザー光などの特別に強い光を発生する光源を必要とせず、自然光を利用して動作させることができる。
【0010】
受光素子を外部部材に接続させる接続端子部を有し、外部部材に電力を供給可能であってもよい。このような受光装置は光電池として用いることができる。
【0011】
また、受光素子は半導体チップ上に設けられており、半導体チップには、情報を記憶して保存するメモリー回路と、メモリー回路に情報を読み書きする制御回路と、情報に基づいて演算処理を行う論理演算回路と、電気エネルギーを用いて各回路を駆動する電源回路がさらに設けられており、受光素子が受光した光に基づいてメモリー回路に情報が書き込まれるものであってもよい。このような受光装置は、いわゆる光タグとして用いることができる。その場合、メモリー回路に書き込まれた情報を光を用いて出力するために半導体チップに設けられた発光素子と、フィルム状基材の裏面に発光素子と対向するように形成された出力用集光機構とを有する。さらに、出力用集光機構は出力用プラズモンアンテナであり、フィルム状基材の、出力用プラズモンアンテナによって光が集められる部分に対向する位置に孔が開けられており、発光素子は、孔に発光面が対向するように、フィルム状基材の裏面に取り付けられているとよい。
【0012】
フィルム状基材は物品の包装材の少なくとも一部として用いられ、メモリー回路に書き込まれる情報は被包装物である物品に関する情報であってもよい。このようにしてメモリー回路に書き込まれた情報は、物品の生産、販売、または流通の管理に用いることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、光を電気エネルギーに変換する受光装置を小型化することができる。特に、薄型化することによって、可撓性のシート状の受光装置を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の受光装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
本発明の受光装置の一例である光タグ10は、図1(a)に示すように、紙や合成樹脂(ポリエチレン等のポリマーを含む)などからなるフィルム状基材1の表面上に、プラズモンアンテナ2として機能するパターンが形成されている。このパターンは、表面プラズモンポラリトンを励振し易い金属(例えば銀)などからなり、プラズモン共鳴が強く起こるような同心円状のパターン(いわゆるブルズアイ(Bull's Eye)パターンなど)である。パターンは、金属を蒸着した後にエッチングすることによって形成してもよく、または、金属粉末を含むインクを用いて直接印刷して形成してもよい。
【0016】
図1(b)に示すように、フィルム状基材1の裏面には、プラズモンアンテナ2を構成するパターンと位置を合わせて半導体チップ3が貼り付けられている。半導体チップ3は、図2に模式的に示すように、受光素子であるフォトダイオード4と、このフォトダイオード4に接続されている各種の回路、例えば、電源回路5、メモリー回路6、論理演算回路7、制御回路8を有している。フォトダイオード4は、受光した光の一部を電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーに基づいて電源回路5は他の回路6〜8を駆動する。制御回路8はメモリー回路6に情報を読み書きし、メモリー回路6は書き込まれた情報を記憶し、論理演算回路7はその情報に関する演算処理を行う。
【0017】
本実施形態では、フィルム状基材1の、プラズモンアンテナ2を構成する同心円状のブルズアイパターンの中心の位置に、直径が数μmから数十μm程度の微小な孔9が開けられている。そして、フォトダイオード4は、受光面が孔9に対向するように位置合わせされて取り付けられている。
【0018】
従って、この光タグ10に光が照射されると、ブルズアイパターンに照射された光のエネルギーが、プラズモン共鳴によって同心円の中心に集められる。そして、この円状のパターンの中心部分に、プラズモン共鳴による非常に強い近接場光が生じる。こうしてブルズアイパターンによって集められた光のエネルギーは、非常に強い近接場光となって、孔9の裏側から滲み出す。こうして滲み出した光は、受光素子であるフォトダイオード4の受光面に入射する。すなわち、金属製のパターンがプラズモンアンテナ2として機能し、集光レンズのように光を集めてフォトダイオード4の受光面に効率よく入射させる。
【0019】
フォトダイオード4の受光面に非常に強い近接場光が入射すると、フォトダイオード4はその光を電気エネルギーに変換し、電源回路5はその電気エネルギーによって各回路6〜8を駆動して、それぞれ所定の動作を行わせる。このように、本実施形態の光タグ10は光をエネルギー源として機能する。特に、パターンがプラズモンアンテナ2として集光レンズのような働きをするため、硬く厚い集光レンズなどの光学部品を別途設けなくても、また、レーザー光のような非常に強い光を用いなくても、光を効率よく電気エネルギーに変換して、情報の読み書きや、記憶や、演算などの様々な処理を行うことができる。
【0020】
なお、前記したように近接場光が、金属パターンからなるプラズモンアンテナ2から孔9を通してフィルム1の裏側に滲み出すためには、孔9の深さがせいぜい数十nm程度でなければならない。従って、フィルム状基材1の厚さを数十nm以下程度にするか、あるいはフィルム状基材1の一部を数十nm以下程度に薄くして、その薄い部分に、プラズモンアンテナ2となるパターンと半導体チップ3を設けるようにすればよい。このように、本実施形態の光タグ10は非常に薄い構造になる。
【0021】
プラズモンアンテナ2として機能するために、同心円状のパターンを構成する各リング間の間隔は、パターンを形成する金属の種類やプラズモン共鳴を起こさせる光の波長によっても異なるが、可視光に対しては約1μmであればよく、その時のリングの幅は0.5μm程度であればよい。プラズモンアンテナ2、すなわち同心円状のパターン全体の面積は、1mm2から数cm2程度であれば、効率よく光を集められる。プラズモンアンテナ2は、フィルム状基材1の表面に印刷等によって形成されたごく薄い金属膜からなるパターンであるため、フィルム状基材1の可撓性や柔軟性を損なうことがない。
【0022】
一方、半導体チップ3は、一辺が数十μmから数百μm程度の四角形などであればよい。この程度の大きさの半導体チップ3は、フィルム状基材1に貼り付けても、あるいは紙等の繊維の中に漉き込まれても、フィルム状基材1の可撓性や柔軟性を損なうことはない。
【0023】
従って、前記したように少なくとも部分的に数十nm以下程度の厚さに形成されたフィルム状基材1の表面にパターンを形成してプラズモンアンテナ2を構成するとともに、裏面に半導体チップ3を貼り付けても、フィルム状基材1の柔軟性や取り扱い易さに影響を及ぼさない。すなわち、このフィルム状基材1は、プラズモンアンテナ2と半導体チップ3からなる光タグ10を構成していることを使用者にほとんど意識させることなく、広い用途に(例えば包装紙として)使用することができる。
【0024】
包装紙として用いられる場合などには、プラズモンアンテナ2を構成するパターンに皺がよったり折れ曲がったりすることが考えられる。しかし、パターンが完全に隠れてしまい露出しないような場合を除いては、ある程度形状が保たれていれば集光用のプラズモンアンテナ2として十分に機能する。
【0025】
なお、プラズモンアンテナ2は光の共鳴を用いて集光するので、パターンのリングの形状によって、受光感度を有する光の波長域を任意に設定できる。パターンのリングの周期を変えることにより、例えば赤い光または青い光のみに感度を有する光タグ10が得られる。従って、様々な形状のパターンを準備しておけば、あらゆる波長の光に対して感度を有する光タグ10を容易に形成することができる。
【0026】
また、本実施形態では、プラズモンアンテナ2として同心円状のブルズアイパターンを形成しているが、この形状に限定されるものではない。パターンは、プラズモン共鳴を効果的に生じさせることができれば、四角形状でも三角形状でも構わない。パターンの材料は銀に限られず、銅やアルミなどを用いることも可能である。
【0027】
[第2の実施形態]
次に、本発明の受光装置の一例である光タグの第2の実施形態について、図3を参照して説明する。第1の実施形態と同様の部分については同一の符号を付与し説明を省略する。
【0028】
本実施形態の光タグ11は、フィルム状基材1に形成された、プラズモンアンテナ2を構成するパターンに照射された光によって、半導体チップ12内のメモリー回路6に情報を記憶させるものである。すなわち、前記した第1の実施形態と同様に、パターンからなるプラズモンアンテナ2に照射された光が集光されて、受光素子であるフォトダイオード4に入射する。この入射光がフォトダイオード4および受光回路13によって効率よく電気信号に変換され、さらに、この電気信号から書き込み情報が読み出され、読み出された情報がメモリー回路6に書き込まれる。
【0029】
論理演算回路(CMOS)7等の回路を動作させるための電源としては、半導体チップ12上に小型のバッテリー(図示せず)を搭載することも考えられるが、プラズモンアンテナ2であるパターンによって受光された光を変換した電気エネルギーの一部を、各回路の駆動のために用いてもよい。あるいは、情報書き込み用のプラズモンアンテナ2およびフォトダイオード4に加えて、電源供給用のもう1組のプラズモンアンテナおよびフォトダイオード(図示せず)が設けられた構成にすることもできる。
【0030】
このようにメモリー回路6に情報が書き込まれる構成の光タグ11において、図示しないが、記憶され保存されている情報を電波によって出力する構成、すなわち、情報の書き込みは光を利用して行い、情報の出力は電波を利用して行う(外部の装置が電波を利用して情報を読み出す)、いわば、光と電波のハイブリッド型のタグとすることも考えられる。
【0031】
しかし、前記した情報の書き込みに加えて情報の出力も光を利用して行う、オール光のタグを構成することも可能である。その場合、図3に示すように、前記した情報書き込み用のプラズモンアンテナ2およびフォトダイオード4に加えて、情報読み出し用(出力用)のプラズモンアンテナ14、発光素子15、および駆動回路16が設けられた構成にすればよい。この構成によると、半導体チップ12上に設けられた発光素子15に対向するように、プラズモンアンテナ14を構成する金属パターンが形成されている。そして、駆動回路16が発光素子15を発光させて、その光を、パターンからなるプラズモンアンテナ14が集光レンズのように集光して放射することができる。この放射光を外部の受光装置(図示せず)が受光することによって、メモリー回路6に記憶されていた情報の読み出しが可能である。
【0032】
なお、図3では、見易くするために、フィルム状基材1を省略して、プラズモンアンテナ2,14と、受光素子(フォトダイオード)4と、発光素子15と、各回路5〜7,13,16がすべて見えるように模式的に図示している。
【0033】
また、図2,3では、見易くするために特に主要な回路だけを示しているが、実際には、他の様々な回路が半導体チップ3,12上に構成されている場合がある。例えば、図2に示す半導体チップ3には、図3に示されているのと同様な受光回路13が設けられ、図3に示す半導体チップ12には、図2に示されているのと同様な制御回路8が設けられるが、図面中では簡略化のために省略されている。
【0034】
[光タグチップの用途]
以下、本発明の受光装置の一例である光タグ10または11の用途について、図4,5を参照して説明する。なお、以下に説明する用途において、第1の実施形態と同様な光タグ10と第2の実施形態と同様な光タグ11のいずれを用いるか、またはこれらの両方を用いるかは、必要に応じて適宜決定すればよい。
【0035】
前記した光タグ10,11の第1の用途として、電波によって読み書きするRFタグが従来用いられているのと同様に、本発明の光タグ10,11を物品の管理に用いることができる。つまり、図4に示すように、本発明の光タグ10,11を包装紙やパッケージに貼り付けるか、あるいは包装紙やパッケージの中に組み込み、光タグ10,11のフィルム状基材1の少なくとも一部を包装材として用いる。この時、内部に収容する物品に関する情報を、光を利用して半導体チップ3,12に記憶させておく。そして、必要な時にその情報を読み出すことにより、例えば、生産、販売、流通などの管理に役立てることができる。
【0036】
また、別の用途として、本発明の光タグチップ10,11を衣服の生地等に貼り付けておくことが考えられる。例えば、図5に示すように、本発明の光タグ10,11を子供服に貼り付け、または、子供服の模様(デザイン)の一部となるように印刷によって形成しておく。この光タグ10,11は、子供を凶悪な犯罪から守るための防犯用として、または、犯罪や事故に巻き込まれた場合の捜査の手がかりとなる情報の記憶用として使用することが可能である。つまり、この子供服が残されていた場合に、その子供服に装着されている光タグ10,11に記録されている情報を読み出すことにより、その子供服が置かれていた場所の光に関する情報(光の波長、色、強さなど)がわかる。その情報に基づいて、その子供服を身に着けていた子供がどういう状況下にいたのか、どのような場所で、何らかの事件や事故に巻き込まれたのかを推測することができる。
【0037】
[受光素子からなる光電池]
前記した説明はすべて、光を利用して情報を記憶することができる光タグに関するものである。しかし、本発明の受光装置として、前記した各実施形態と同様なプラズモンアンテナ2と受光素子であるフォトダイオード4と電源回路5を用いて外部の部材に電力を供給する光電池(太陽電池)17を構成することもできる。例えば、図1,2に示す構成のうち、フィルム状基材1の表面のプラズモンアンテナ2と、裏面のフォトダイオード4と、電源回路5のみを設け、電源回路5を外部部材に接続する接続端子部(図示せず)を付加した構成にする。この構成によると、外部からの光をプラズモンアンテナ2に集光し、フォトダイオード4および電源回路5によってその光を電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーを、接続端子部を介して外部の部材に供給することができる。このようにして、電気エネルギーを外部の部材に供給可能な光電池17が完成する。
【0038】
例えば、図6に示すように、前記した光電池17を衣服に取り付け、携帯音楽プレーヤーや携帯電話(図示せず)に接続することが考えられる。その場合、衣服に取り付けられた光電池17が外光を受けて電気エネルギーを発生し、その電気エネルギーが携帯音楽プレーヤーや携帯電話に供給されて、携帯音楽プレーヤーや携帯電話が駆動される。
【0039】
また、図7に示すように、建物の壁や窓ガラスに本発明の光電池17を多数貼り付けておき、光電池17を建物内部の様々な電気機器に接続できるようにする。それによって、これらの光電池17によって、様々な電気機器の駆動電力を供給可能になる。
【0040】
なお、このように外部の部材に電力を供給する光電池17としての機能と、様々な情報を記憶する前記した光タグ10,11としての機能とを両方備えた受光装置を構成することもできる。
【0041】
なお、光タグ10,11および光電池17の数や大きさや配置場所については、図4〜7に示される例に全く限定されず、必要に応じて任意に決めればよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】(a)は本発明の受光装置の一例である光タグの第1の実施形態の表面を示す平面図、(b)はその裏面を示す平面図である。
【図2】図1の光タグの半導体チップを模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明の受光装置の一例である光タグの第2の実施形態の、フィルム状基材を省略して模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明の受光装置の一例である光タグの用途の第1の例を示す説明図である。
【図5】本発明の受光装置の一例である光タグの用途の第2の例を示す説明図である。
【図6】本発明の受光装置の他の例である光電池の用途の第1の例を示す説明図である。
【図7】本発明の受光装置の他の例である光電池の用途の第2の例を示す説明図である。
【図8】従来の光タグの構成を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 フィルム状基材
2 プラズモンアンテナ(パターン)
3,12 半導体チップ
4 フォトダイオード(受光素子)
5 電源回路
6 メモリー回路
7 論理演算回路
8 制御回路
9 孔
10,11 光タグ(受光装置)
13 受光回路
14 情報読み出し用のプラズモンアンテナ(出力用プラズモンアンテナ)
15 発光素子
16 駆動回路
17 光電池(受光装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム状基材の表面に形成されたパターンからなる、可撓性を有し、照射された光を集光する集光機構と、
前記フィルム状基材に取り付けられており、前記集光機構によって集光された光を受光し、受光した光を電気エネルギーに変換する受光素子と、
を有する受光装置。
【請求項2】
前記集光機構は金属パターンからなるプラズモンアンテナである、請求項1に記載の受光装置。
【請求項3】
前記フィルム状基材の、前記集光機構によって光が集められる位置に孔が開けられており、前記受光素子は、受光面が前記孔に対向するように前記フィルム状基材の裏面に取り付けられている、請求項2に記載の受光装置。
【請求項4】
前記受光素子を外部部材に接続させる接続端子部を有し、外部部材に電力を供給可能である、請求項1から3のいずれか1項に記載の受光装置。
【請求項5】
前記受光素子は半導体チップ上に設けられており、前記半導体チップには、情報を記憶して保存するメモリー回路と、前記メモリー回路に情報を読み書きする制御回路と、情報に基づいて演算処理を行う論理演算回路と、前記電気エネルギーを用いて各回路を駆動する電源回路がさらに設けられており、前記受光素子が受光した光に基づいて前記メモリー回路に情報が書き込まれる、請求項1から4のいずれか1項に記載の受光装置。
【請求項6】
前記メモリー回路に書き込まれた前記情報を光を用いて出力するために前記半導体チップに設けられた発光素子と、前記フィルム状基材の裏面に前記発光素子と対向するように形成された出力用集光機構とを有する、請求項5に記載の受光装置。
【請求項7】
前記出力用集光機構は出力用プラズモンアンテナであり、前記フィルム状基材の、前記出力用プラズモンアンテナによって光が集められる部分に対向する位置に孔が開けられており、前記発光素子は、前記孔に発光面が対向するように、前記フィルム状基材の裏面に取り付けられている、請求項6に記載の受光装置。
【請求項8】
前記フィルム状基材は物品の包装材の少なくとも一部として用いられ、前記メモリー回路に書き込まれる前記情報は被包装物である前記物品に関する情報である、請求項5から7のいずれか1項に記載の受光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−225767(P2007−225767A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−45174(P2006−45174)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】