説明

口腔用組成物

【課題】 優れた使用感とタバコヤニ除去効果を有する口腔用組成物を提供する。
【解決手段】 (A)水溶性ピロリン酸塩、(B)平均分子量が190〜420のポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の多価アルコール、及び(C)ラウリル硫酸塩と(D)ベタイン型両性活性剤を特定質量比、特定量で口腔用組成物に配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に使用感がよく、優れたタバコヤニ除去効果を有する口腔用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タバコヤニなどを除去することにより歯牙を白くすることを目的とした歯磨組成物は従前から知られている。例えば、ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドンをタバコヤニの溶解除去剤として配合した歯磨が一般に市販されている。しかし、歯牙に付着したタバコヤニは非常に取れにくく、研磨剤による高い研磨効果を加えなければなかなか除去できず、歯牙の磨耗に気をつける必要があった。また、フィチン酸化合物にはタバコヤニ除去効果があることが知られており、これを配合した歯磨等の口腔用組成物が提案されている(特許文献1,2:特許第1354286号公報、特許第1423565号公報参照)。しかし、フィチン酸は口腔用組成物へ配合した場合、変色や香味劣化を起こしやすく、製剤化が困難であった。一方、フィチン酸と同様のリン酸化合物であるピロリン酸は、口腔用組成物中で着色汚れ除去には有用ではあるが、強固な汚れであるタバコヤニに対してはそれ単独では十分に効果的ではなかった。更に、これら着色汚れ除去に有用なリン酸化合物を口腔用組成物に配合した場合、使用感が悪くなるという課題があった。
【0003】
【特許文献1】特許第1354286号公報
【特許文献2】特許第1423565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記したように歯牙に付着したタバコヤニを除去するための従来技術にはいずれも課題があり、未だ十分なものとはいえず、これらの課題を克服したタバコヤニ汚れ除去効果を十分に有する口腔用組成物の開発が望まれており、本発明者もかかる要望に応えるべく鋭意研究を重ね、その結果本発明を完成した。即ち、本発明は歯牙磨耗性や製剤安定性への影響が少なく、また、使用感も良好であり、かつ優れたタバコヤニ除去効果を有する歯磨剤組成物等の口腔用組成物を提供することを解決すべき課題とし、そのための組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記目的を達成するための歯磨剤等の口腔用組成物を提供するものであり、そのために本発明者らが新たに見出し、口腔用組成物に採用した手段は、タバコヤニ除去のために(A)水溶性ピロリン酸塩、(B)平均分子量が190〜420のポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の多価アルコール、(C)ラウリル硫酸塩を配合し、更に使用感の悪化を防ぐために(D)ベタイン型両性活性剤を(C)/(D)の質量比が1〜4で含有させたことである。但し、水溶性ピロリン酸塩は3.0質量%を超えるとやはり使用感が悪くなる。そこで、(A)0.1〜3.0質量%の水溶性ピロリン酸塩、(B)平均分子量が190〜420のポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の多価アルコール、(C)ラウリル硫酸塩/(D)ベタイン型両性活性剤の質量比が1〜4、その合計量が0.6〜4.0質量%で含有させたことにより、使用感の悪化がなく、しかも、タバコヤニ除去効果が相乗的に高まることを知見し、本発明をなすに至ったものである。なお、ベタイン型両性活性剤は水等との混液としてしか得られないものがあるが、本発明における配合時の質量は溶媒等を除いた活性剤の純分である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の口腔用組成物は、(A)水溶性ピロリン酸塩、(B)平均分子量が190〜420のポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の多価アルコール、及び(C)ラウリル硫酸塩と(D)ベタイン型両性活性剤を特定質量比、特定量で配合したことにより、使用感に問題がなく、優れたタバコヤニ除去効果を発現させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第一のタバコヤニ除去成分である(A)水溶性ピロリン酸塩は、化学式M4・P27で示される、リン酸の脱水縮合したものであり、Mはアルカリ金属イオン又はアルカリ金属+水素イオンとからなる。具体的な化合物としては、ピロリン酸4ナトリウム、ピロリン酸2水素2ナトリウム、ピロリン酸4カリウム、ピロリン酸2ナトリウム2カリウム等が挙げられる。水溶性ピロリン酸塩の配合量については組成物全体の0.1〜3.0質量%がよく、好ましくは0.5〜2.0質量%がよい。0.1質量%未満であると、タバコヤニ除去効果が十分に発揮されず、3.0質量%を超えると使用感が悪化する。
【0008】
本発明の第二のタバコヤニ除去成分は、(B)平均分子量が190〜420のポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコールから選ばれる多価アルコールである。ここで、ポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)の平均分子量を示し、ポリエチレングリコール200(平均分子量190〜210)、ポリエチレングリコール300(平均分子量280〜320)、ポリエチレングリコール400(平均分子量380〜420)が該当する。商品によっては、例えばポリエチレングリコール#200等のように、ポリエチエチレングリコールと数値との間に#がつく場合がある。なお、平均分子量が420を超えると、タバコヤニ除去力が十分に発揮されない。使用感の面から、これらの多価アルコールのうち、特に、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、プロピレングリコールが好ましい。
【0009】
これら多価アルコールの配合量は、練歯磨、液状歯磨の場合、0.5〜50.0質量%が好ましく、更に1.0〜20.0質量%が好ましい。0.5質量%未満であると、タバコヤニ除去効果が十分に発揮されない場合がある。また、50.0質量%を超えると使用感が悪くなったり、製剤化が不可能になったりする場合がある。また、洗口剤やデンタルクリーム、貼付剤等の場合、0.5〜90.0質量%が好ましく、更に1.0〜80.0質量%が好ましい。0.5質量%未満であると、タバコヤニ除去効果が十分に発揮されない場合がある。また、90.0質量%を超えると使用感が悪くなったり、製剤化が不可能になったりする場合がある。
【0010】
本発明の第三のタバコヤニ除去成分である(C)ラウリル硫酸塩は、高級脂肪酸より合成された平均アルキル鎖長が12であるアニオン活性剤である。具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等が挙げられるが、口腔用組成物への配合のしやすさから、ラウリル硫酸ナトリウム(東邦化学工業(株)製、第一製薬(株)製等)が最も好ましい。その量は組成物全体の0.5〜2.0質量%であることが好ましく、更に0.8〜1.6質量%であることが好ましい。2.0質量%を超えると、使用感の悪化が発生する場合がある。また、0.5質量%未満であるとタバコヤニ除去効果が発揮されない場合がある。
【0011】
使用感の悪化防止成分として配合される(D)ベタイン型両性活性剤は、R123−N+−CH2COO-で表される活性剤で、R1、R2、R3の親油基により様々な種類が存在する。具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、N−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、特に2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン(ライオン(株)製、日本油脂(株)製等)が使用感、及び、口腔用組成物への配合のしやすさから好ましい。
【0012】
また、界面活性剤であるラウリル硫酸塩(C)とベタイン型両性活性剤(D)の質量比[(C)/(D)]は1〜4であり、特に2〜3が好ましい。ラウリル硫酸塩の量がこの質量比を超えると、使用感の悪化が発生する。また、ラウリル硫酸塩の量がこの質量比より少ないとタバコヤニ除去効果が発揮されない。また、ラウリル硫酸塩とベタイン型両性活性剤の合計量は、組成物全体の0.6〜4.0質量%であり、特に1.1〜2.4質量%が好ましい。4.0質量%を超えると、使用感の悪化が発生する。また、0.6質量%未満であると、タバコヤニ除去効果が発揮されない。
【0013】
また、本発明の口腔用組成物には、その効果を損ねない程度に、ノニオン活性剤を単独で又は2種以上を併用することも可能である。ノニオン界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ラウリル酸モノ又はジエタノールアミド等の脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルあるいはプルロニック等が挙げられる。
【0014】
本発明の口腔用組成物は、歯磨、洗口剤、貼付剤等に応用することができる。その際には口腔用組成物に通常使用されている各種の成分を配合することができるが、剤形によって必要とする成分及びその配合量が異なるので、その成分及び配合量の選択は従前の場合と同様に行われると共に、本発明の効果を妨げない範囲で行うことが必要である。例えば、練歯磨の場合であれば、研磨剤、粘稠剤、粘結剤、甘味剤、防腐剤、香料、各種有効成分等を水と混和し、常法に従って製造することができる。
【0015】
その際に配合する研磨剤としては、第2リン酸カルシウム(2水和物あるいは無水物)、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、酸化チタン、ゼオライト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸チタニウム、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂系研磨剤等があるが、効果の面からシリカ系の研磨剤が好ましい。その配合量は、代表的な剤形である練歯磨の場合には5〜80質量%がよく、好ましくは10〜50質量%がよい。
【0016】
粘稠剤としては、先に記載した多価アルコールの他に、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクトール等の糖アルコールや、ポリエチレングリコール4000などの高重合度のポリエチレングリコール等が使用できる。
【0017】
粘稠剤としては、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキエチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、カーボポール、シリカゲル、アルミニウムシリカゲル、ビーガム、ラポナイト等がある。
【0018】
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルヒドロカルコン、ペルラルチン、グリチルリチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等がある。
【0019】
香料としては、メントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テレピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油あるいはユーカリ油等が挙げられる。
【0020】
本発明の口腔用組成物には、これらの成分以外にも薬効成分あるいは有効成分として、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテナーゼ、ムタナーゼ等の酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ等のフッ化物、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アズレン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、塩化ナトリウム、ビタミン類等の抗炎症剤、銅クロロフィル、グルコン酸銅、セチルピリジニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌剤、ピロリン酸塩以外のポリリン酸塩類、ゼオライト等の歯石予防剤も配合できる。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の口腔用組成物に該当する組成例(即ち、実施例)及び該当しない組成例(比較例)を用いたタバコヤニ除去効果、使用感の実験例を示し、本発明の特徴及び優れた効果を具体的に説明するが、本発明はこの実施例により制限されるものではない。
【0022】
[実験例]
[実施例1〜5、比較例1〜10]
表1及び表2に示した成分を配合した試験歯磨剤を常法により調製し、タバコヤニ除去効果及び使用感を以下の方法により評価した。
【0023】
[タバコヤニ除去試験方法]
ハイドロキシアパタイトペレット表面(ペンタックス社製、直径7mm×厚さ3.5mm)をサンドブラストにて処理後、中性洗剤水溶液中、超音波洗浄機で洗浄した。30%リン酸水溶液にて表面をエッチング(10分間)してから水洗し、自然乾燥した。タバコヤニ付着前のペレットのLab値(L0)を測定した後、タバコヤニを付着した〔タバコ(ピース(日本たばこ産業(株)(JT)製))が燃え尽きた後、吸引を止め、3分間放置した。この操作を3回繰り返す〕。100℃で1時間乾燥し、放冷後、37℃水浴中に3時間浸漬した。水洗後、150℃で3時間乾燥した。放冷後、歯ブラシ(平切り)で軽く20回ブラッシングし、表面の水分を取り、タバコヤニ付着後のペレットのLab値(L1)を測定した。次に、上記の方法で作製したタバコヤニ付着ハイドロキシアパタイトペレットを表1及び表2に示す歯磨中に15分間浸漬後、表面を軽く20回歯ブラシ(平切り)でブラッシングし、ペレットのLab値(L2)を測定した。タバコヤニ除去率を次の式より得た。
タバコヤニ除去率(%)=〔(L2−L1)/(L0−L1)〕×100
タバコヤニ除去率から以下の基準に従い、タバコヤニ除去効果を評価した。
◎:タバコヤニ除去率15%以上
○:タバコヤニ除去率10%以上15%未満
△:タバコヤニ除去率5%以上10%未満
×:タバコヤニ除去率5%未満
【0024】
[歯磨時の使用感評価方法]
被験者10名を用い、表1及び表2に示す歯磨約1gを歯ブラシにとり、3分間歯磨を行ったとき、及び歯磨後の口腔内の違和感の有無を、(1)あり、(2)少しあり、(3)なしの3段階で回答を得た。この回答のうち、(1)ありを1点、(2)少しありを2点、(3)なしを3点として、10名の平均点から以下の基準で使用感を評価した。
◎:平均点2.5点以上3.0点以下
○:平均点2.0点以上2.5点未満
△:平均点1.5点以上2.0点未満
×:平均点1.0点以上1.5点未満
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
ピロリン酸4ナトリウム:大平化学産業(株)製
プロピレングリコール:ダウケミカル社製
ポリエチレングリコール400:ライオン(株)製
ポリエチレングリコール600(比較品):ライオン(株)製
ラウリル硫酸ナトリウム:東邦化学工業(株)製
イミダゾリンベタイン(2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン(純分30%)):ライオン(株)製(但し、表1及び表2に記載した配合量は2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインの純分換算での配合量を示す。)
【0028】
表1及び表2の結果から認められるように、実施例1〜5において、(A)0.1〜3.0質量%水溶性ピロリン酸塩、(B)平均分子量が190〜420のポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の多価アルコール、及び特定質量比、特定量で(C)ラウリル硫酸塩と(D)ベタイン型両性活性剤を含有した歯磨剤組成物は、タバコヤニ除去効果、歯磨時の使用感のいずれも良好であった。一方、比較例1〜10においては、タバコヤニ除去効果、歯磨時の使用感のいずれかの点で充分な効果が発揮されていなかった。なお、これら実施例は、タバコヤニ除去成分(A)、(B)、(C)を配合しない場合と研磨性は同等であった。また、保存安定性試験(40℃、1ヶ月保存品と室温保存品を比較)を行った結果、特に、大きな変色や香味劣化はなかった。
【0029】
[実施例6〜13]
以下、本発明の口腔用組成物に該当する組成の歯磨剤の実施例6〜13を示すが、これらの実施例ではいずれも(A)0.1〜3.0質量%の水溶性ピロリン酸塩、(B)平均分子量が190〜420のポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の多価アルコール、及び(C)ラウリル硫酸塩と(D)ベタイン型両性活性剤が特定質量比、特定量で配合されており、実施例1〜5の場合と同様に、使用感に問題がなく、優れたタバコヤニ除去効果を有することを確認した。また、保存安定性試験において変色や香味劣化でいずれも問題は見られなかった。なお、下記例で%は質量%を示す。
【0030】
[実施例6] 練歯磨:
(A)ピロリン酸4ナトリウム 1.5%
(B)ブチレングリコール 10.0%
(C)ラウリル硫酸ナトリウム 1.2%
(D)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.6%
沈降性シリカ 25.0%
70%ソルビトール液 20.0%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.4%
サッカリンナトリウム 0.1%
グリチルリチン酸カリウム 1.0%
トラネキサム酸 0.05%
α−アルミナ無水物 3.0%
メチルパラベン 0.05
塩化ベンゼトニウム 0.25%
香料 1.0%
リン酸水素2ナトリウム 1.0%
水 残
計 100.0%
(C)/(D)=2、タバコヤニ除去効果:◎、使用感評価:○
【0031】
[実施例7] 練歯磨:
(A)ピロリン酸2ナトリウム2カリウム 1.0%
(B)ポリエチレングリコール200 2.0%
(C)ラウリル硫酸ナトリウム 1.2%
(D)ラウリルスルホベタイン 0.4%
水酸化アルミニウム 35.0%
酸化チタン 2.0%
グリセリン 20.0%
ヒドロキシエチルセルロースナトリウム 1.4%
サッカリンナトリウム 0.1%
コロイド状シリカ 3.0%
フッ化ナトリウム 0.22%
トリクロサン 0.1%
メチルパラベン 0.05%
香料 1.0%
水 残
計 100.0%
(C)/(D)=3、タバコヤニ除去効果:◎、使用感評価:○
【0032】
[実施例8] 練歯磨:
(A)ピロリン酸4ナトリウム 0.8%
(B)プロピレングリコール 3.0%
(C)ラウリル硫酸ナトリウム 0.9%
(D)2−アルキル−N−カルボキシメチル 0.3%
−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン
無水ケイ酸 30.0%
ソルビトール 20.0%
グリセリン 10.0%
ポリアクリル酸ナトリウム 1.5%
サッカリンナトリウム 0.2%
安息香酸ナトリウム 0.3%
パラオキシ安息香酸メチル 0.1%
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.76%
酢酸トコフェロール 0.1%
香料 1.0%
水 残
計 100.0%
(C)/(D)=3、タバコヤニ除去効果:○、使用感評価:◎
【0033】
[実施例9] デンタルクリーム:
(A)ピロリン酸4ナトリウム 1.8%
(B)ジエチレングリコール 1.0%
(C)ラウリル硫酸ナトリウム 0.8%
(D)ラウリルスルホベタイン 0.2%
ソルビトール 20.0%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0%
サッカリンナトリウム 0.1%
パラオキシ安息香酸エチル 0.1%
塩化ベンザルコニウム 0.5%
香料 0.8%
水 残
計 100.0%
(C)/(D)=4、タバコヤニ除去効果:◎、使用感評価:○
【0034】
[実施例10] 液状歯磨:
(A)ピロリン酸4ナトリウム 1.0%
(B)ジプロピレングリコール 3.0%
(C)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0%
(D)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.4%
無水ケイ酸 15.0%
60%ソルビット液 30.0%
グリセリン 35.0%
キサンタンガム 0.2%
カラギーナン 0.5%
アルギン酸ナトリウム 1.0%
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.76%
デキストラナーゼ(100万u/g) 0.5%
サッカリンナトリウム 0.1%
香料 1.0%
水 残
計 100.0%
(C)/(D)=2.5、タバコヤニ除去効果:◎、使用感評価:○
【0035】
[実施例11] デンタルクリーム:
(A)ピロリン酸4カリウム 1.2%
(B)ポリエチレングリコール200 10.0%
(B)ジエチレングリコール 5.0%
(C)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0%
(D)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.8%
60%ソルビット液 30.0%
グリセリン 30.0%
カラギーナン 0.5%
アルギン酸ナトリウム 1.0%
フッ化ナトリウム 0.21%
硝酸カリウム 5.0%
サッカリンナトリウム 0.1%
塩化セチルピリジニウム 0.3%
香料 1.0%
水 残
計 100.0%
(C)/(D)=1.25、タバコヤニ除去効果:○、使用感評価:○
【0036】
[実施例12] 洗口剤:
(A)ピロリン酸4ナトリウム 0.8%
(B)ポリエチレングリコール400 5.0%
(C)ラウリル硫酸ナトリウム 0.4%
(D)2−ウンデシル−N−カルボキシメチル 0.4%
−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン
エタノール 10.0%
グリセリン 10.0%
サッカリンナトリウム 0.05%
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.05%
グルコン酸クロルヘキシジン 0.01%
黄色4号 0.0001%
パラオキシ安息香酸メチル 0.1%
安息香酸ナトリウム 0.2%
香料 0.3%
クエン酸3ナトリウム 0.2%
塩化ベンゼトニウム 0.2%
水 残
計 100.0%
(C)/(D)=1、タバコヤニ除去効果:○、使用感評価:◎
【0037】
[実施例13] 練歯磨:
(A)ピロリン酸4ナトリウム 1.0%
(B)プロピレングリコール 3.0%
(C)ラウリル硫酸ナトリウム 0.9%
(D)2−ウンデシル−N−カルボキシメチル 0.3%
−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2%
70%ソルビット液 30.0%
無水ケイ酸 25.0%
フッ化ナトリウム 0.21%
青色1号 0.0001%
香料 1.3%
酸化アルミニウム 2.0%
4A型ゼオライト 1.5%
サッカリンナトリウム 0.2%
酸化チタン 0.2%
水 残
計 100.0%
(C)/(D)=3、タバコヤニ除去効果:◎、使用感評価:◎

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)水溶性ピロリン酸塩、(B)平均分子量が190〜420のポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の多価アルコール、(C)ラウリル硫酸塩、及び(D)ベタイン型両性活性剤を含有してなり、(A)成分の水溶性ピロリン酸塩の含有量が組成物全体の0.1〜3.0質量%であると共に、(C)成分のラウリル硫酸塩と(D)成分のベタイン型両性活性剤の質量比[(C)/(D)]が1〜4であり、かつ(C)成分と(D)成分の合計含有量が組成物全体の0.6〜4.0質量%であることを特徴とする口腔用組成物。

【公開番号】特開2006−104101(P2006−104101A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291429(P2004−291429)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】