説明

口腔用組成物

【課題】 デヒドロアビエチン酸あるいはデヒドロアビエチン酸含有物を安定に配合し、しかも歯周疾患予防あるいは治療用の口腔用組成物を提供する。
【解決手段】 デヒドロアビエチン酸を40%以上含有するデヒドロアビエチン酸高含有不均化ロジンと第四級アンモニウム塩を配合する口腔用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔用組成物に関する。さらに詳しくは、デヒドロアビエチン酸と第四級アンモニウム塩からなる口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は、細胞外マトリックスを分解する金属酵素の総称である。細胞外マトリックスは、哺乳動物の組織において細胞間のすきまを埋めている生体高分子であり、コラーゲンやプロテオグリカン、エラスチンなどを成分とする。この細胞外マトリックスの代謝は、マトリックスメタロプロテアーゼと、マトリックスメタロプロテアーゼに特異的な組織由来メタロプロテアーゼインヒビター(TIMP)とのバランスにより、主に調節されている。細胞外マトリックス成分の構造異常や、合成・分解の代謝バランスの崩れは、変形性関節症や慢性関節リウマチ等の関節疾患や癌の浸潤・転移と関連し、歯周病においても、病態の進行と種々のマトリックスメタロプロテアーゼ活性の上昇は関連していることが知られている。
【0003】
マトリックスメタロプロテアーゼとしては、コラゲナーゼ(MMP-1および8)、ストロメライシン(MMP-3)、ゼラチナーゼ(MMP-2および9)など10種類以上の酵素分子種が知られ(吉原, 新名:炎症と免疫,2,177-185,1994)、これらは多種の細胞によって産生される。コラゲナーゼは通常上皮系の細胞からは産生されないが、歯周組織においては付着上皮およびポケット上皮周辺においてしばしば発現が認められている(M.Kylmaniemi et al: J.Dent Res.,75:919-926,1996)。また、基底膜の構成成分であるIV型コラーゲンを分解するゼラチナーゼは、歯周病原因菌由来のリポ多糖等の因子の刺激により上皮細胞から産生されることが報告されており、これらのことから、マトリックスメタロプロテアーゼは、歯周病の進行と深く関っていると考えられる。
【0004】
さらに、歯周病患者の口腔洗浄液、歯肉溝滲出液および唾液中のマトリックスメタロプロテアーゼ量は、患者の病態を反映し、治療行為によりマトリックスメタロプロテアーゼ量が減少することが報告されている(M..Makela et al:J.Dent Res.,73:1397−1406,1994)。また、マトリックスメタロプロテアーゼとTIMPの量を健常者と比較した場合、歯肉炎患者においてかなり高く、歯周炎患者はさらに高かったことが報告されている(A.Haerian et al:J.Clin Periodontol.,22:505-509,1995)。これまでに、テトラサイクリンおよびこの修飾体が、線維芽細胞と上皮細胞のマトリックスメタロプロテアーゼ活性を阻害することが報告されている(L.H.Nip et al:J.Periodont Res.,28:379-385,1993)。また、マトリックスメタロプロテアーゼに対する阻害剤として、多数のヒドロキサム酸誘導体(特表平7−505387号公報、特開平08−81443号公報)、エスクレチン誘導体(特開平08−183785号公報)等が合成され、天然物を由来とするフラボン類またはアントシアニジン類を有効成分とするものも報告されている(特開平08−104628号公報)。
【0005】
また、天然物由来のキノン、三環式ジテルペンおよび五環式トリテルペンが、マトリックスメタロプロテアーゼ活性に対する阻害効果、および/または、細胞のマトリックスメタロプロテアーゼ産生に対する阻害効果を有するとの報告がある。(特開平11−139947号公報)
近年、ロジン由来のデヒドロアビエチン酸がマトリックスメタロプロテアーゼ活性阻害を有することが報告された(二宮、武村、永田:the Quintessence, Vol.22 No.9: 41-47, 2003)。なお、デヒドロアビエチン酸はこれまでにテルペノイド及びフラボノイドを含む口腔用組成物(特表2004−521880号公報)、ロジン及びロジン加工物質を配合する歯周病菌増殖抑制剤(特開平04−66523号公報)、イソチペンチジル類含有組成物(特開昭63−63614号公報)において口腔用組成物に配合されることが報告されている。しかしながら、デヒドロアビエチン酸を配合した口腔用組成物は、製剤化、歯周病予防効果の面で問題点があり、上記の報告においても改善するべき課題があった。
【0006】
【非特許文献1】吉原,新名:炎症と免疫,2,177-185,1994
【非特許文献2】M.Kylmaniemi et al: J.Dent Res.,75:919-926,1996
【非特許文献3】M..Makela et al:J.Dent Res.,73:1397−1406,1994
【非特許文献4】A.Haerian et al:J.Clin Periodontol.,22:505-509,1995
【非特許文献5】L.H.Nip et al:J.Periodont Res.,28:379-385,1993
【特許文献1】特表平07−505387号公報
【特許文献2】特開平08−81443号公報
【特許文献3】特開平08−183785号公報
【特許文献4】特開平08−104628号公報
【特許文献5】特開平11−139947号公報
【非特許文献6】二宮、武村ら:the Quintessence, Vol.22 No.9: 41-47, 2003
【特許文献6】特表2004−521880号公報
【特許文献7】特開平04−66523号公報
【特許文献8】特開昭63−63614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記問題を解決したデヒドロアビエチン酸を配合した口腔用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、デヒドロアビエチン酸を配合してなる口腔用組成物に第四級アンモニウム塩を配合することにより、製剤化、歯周病予防効果の面での問題点が改善することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の口腔用組成物を提供するものである。
項1 デヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸含有物から選ばれる1種以上と第四級アンモニウム塩を含有してなる口腔用組成物。
項2 第4級アンモニウム塩が塩化セチルピリジニウムである項1に記載の口腔用組成物。
項3 デヒドロアビエチン酸含有物がデヒドロアビエチン酸を40%以上含有するデヒドロアビエチン酸高含有不均化ロジンである項1、2の何れか1項に記載の口腔用組成物。
項4 デヒドロアビエチン酸含有物がデヒドロアビエチン酸を55%以上含有するデヒドロアビエチン酸高含有不均化ロジンである項1、2の何れか1項に記載の口腔用組成物。
項5 口腔用組成物が歯周疾患予防、あるいは治療用である項1、2、3及び4の何れか1項に記載の口腔用組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の口腔用組成物においてデヒドロアビエチン酸の製剤化、歯周病予防効果の面での問題点が改善しており、実使用において好ましく使用できる。また、本発明の口腔用組成物はデヒドロアビエチン酸高含有物の配合により歯周疾患予防あるいは治療の効果が期待できる
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるデヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸含有物は、特に限られるものではなく、合成品あるいは天然物由来品として得られ、主として松に含まれる樹脂から製造され商業的に入手できるデヒドロアビエチン酸あるいは不均化ロジンであり、中でもデヒドロアビエチン酸を40%以上含有するデヒドロアビエチン酸高含有不均化ロジンが好ましく、特にデヒドロアビエチン酸を55%以上含有するデヒドロアビエチン酸高含有不均化ロジンが好ましい。これらは、例えばKR614、ロンジスR(荒川化学株式会社製)、G-100F(ハリマ化成株式会社製)などとして商業的に入手できる。
【0011】
本発明におけるデヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸含有物の配合量は組成物全量に対して0.001〜20重量%であり、特に0.01〜10重量%が好ましい。配合量が0.001重量%に満たないときは、十分な効果が得られず、20重量%を超えると口腔用組成物として製剤化が困難となる。
【0012】
本発明に用いる第四級アンモニウム塩は特に限定されるものではなく、例えば塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム等があげられるが、特に塩化セチルピリジニウムが好ましい。
【0013】
本発明における第四級アンモニウム塩の配合量は0.001〜30重量%であり、特に0.01〜5.0が好ましい。配合量が0.001重量%に満たないときは、目的を達成するための十分な効果が得られず、30重量%を越えると香味の面から好ましくない。
また、本発明では、特にデヒドロアビエチン酸と第四級アンモニウム塩の重量比が50:1〜1:50の範囲が好ましい。
【0014】
本発明のデヒドロアビエチン酸は、マトリックスメタロプロテアーゼの活性阻害効果が知られており、該阻害効果は歯周病等に罹患した歯周組織細胞が産生したマトリックスメタロプロテアーゼが、組織間の細胞外マトリックスを分解し、組織の破壊を増悪させるのを阻害するものである。マトリックスメタロプロテアーゼの産生阻害効果は、歯周炎、歯肉炎、歯根膜炎、智歯周囲炎、インプラント周囲炎等の歯周疾患等の症状、疾患の予防、治療に有効とされている。従って、本発明の口腔用組成物は、歯周病の予防及び治療に好適である。
【0015】
本発明の口腔用組成物は、その形態に応じて種々の公知成分を配合し、練歯磨、液体歯磨、洗口剤、口腔用ゲル剤等として提供でき、特に洗口剤が最適の形態である。これらの口腔用組成物の形態にあっては、通常の製造方法によって製造することができ、特に洗口剤にあっては高エネルギー下で製造する方法も有効とされる。
【0016】
本発明では上記必須の成分以外にそれぞれの形態に応じ、その他の成分、例えば殺菌剤、界面活性剤、研磨剤、湿潤剤、1価アルコール、粘結剤、香料、甘味剤、pH調整剤、防腐剤、色素等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
界面活性剤としてアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性界面活性剤を単独または2種以上を組合わせて配合することができ、ノニオン性界面活性剤は、特に限定されるものではなく、口腔用組成物に用いられるショ糖脂肪酸エステルやマルトース脂肪酸エステルなどの糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、モノラウリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートやポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリン酸ジエタノールアミドのような脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックコポリマーなどが挙げられる。アニオン性界面活性剤としてはラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、N−ミリストイルザルコシン酸ナトリウムなどのN−アシルザルコシン酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜C14)スルホコハク酸2ナトリウムなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸型、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、スルホベタイン型、イミダゾリン型等であり、好ましくは2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインまたはヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなどが挙げられる。これらの配合量は通常、組成物全量に対して0.05〜30重量%であり、特に0.1%〜5%重量%が好ましい。
【0017】
研磨剤として、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、酸化チタン、非晶質シリカ、結晶質シリカ、アルミノシリケート、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、レジンなどを、単独または2種以上を組合わせて配合することができる。これらの配合量は、通常、組成物全量に対して10〜60重量%である。
【0018】
湿潤剤としては、例えば、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクチトールなどの多価アルコールを、単独または2種以上を組み合わせて配合することができ、その配合量は、通常、組成物全体に対して3〜20重量%である。
【0019】
1価アルコールとしては、例えば、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどが挙げられ、特にエタノールが好ましい。これら1価アルコールは単独または2種以上を組み合わせて配合することができ、その配合量は、通常、組成物全体に対して0〜15重量%である。
【0020】
粘結剤としては、例えば、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム等のアルカリ金属アルギネート、キサンタンガム、トラガカントガム、アラビアガム等のガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成粘結剤、シリカゲル、アルミニウムシリカゲル、ビーガム等の無機粘結剤などが挙げられ、これら粘結剤の配合量は、通常、組成物全量に対して0.01〜5重量%である。
【0021】
香味剤としては、例えば、アネトール、メントール、ペパーミント油、スペアミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油、カルボン、シンナミックアルデヒド、シネオール、メントン、リモネン、サリチル酸メチルなどを本発明の効果を損なわない範囲で、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。その配合量は通常組成物全量に対して0.0001〜1.0重量%である。
【0022】
甘味剤としては、例えば、パラチニット、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、タウマチン、アスパラチルフェニルアラニルメチルエステル、p−メトキシシンナミックアルデヒドなどが挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。その配合量は、通常、組成物全体に対して0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0023】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウムなどが挙げられ、これらは、組成物のpHが5〜9の範囲となるよう、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。その配合量は、通常、組成物全体に対して0.01〜2重量%である。
【0024】
さらに、本発明の口腔用組成物には、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸トコフェロール、またはニコチン酸トコフェロールなどのビタミンE類、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)などの酵素、トラネキサム酸やイプシロンアミノカプロン酸の抗プラスミン剤、アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレステロール、グリチルリチン塩類、グリチルレチン酸、グリセロフォスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウム、カロペプタイド、水溶性無機リン酸化合物、フッ化物としてフッ化ナトリウム 、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、フッ化銅、フッ化亜鉛、フッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化ジルコニウム、フッ化スズ、フッ化水素酸、モノフルオルリン酸ナトリウム、モノフルオルリン酸カリウム、フッ化チタンナトリウム、フッ化チタンカリウム、ヘキシルアミンハイドロフルオライド、ラウリルアミンハイドロフルオライド、グリシンハイドロフルオライド、アラニンハイドロフルオライド、フルオロシラン、フッ化ジアンミン銀などを、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0025】
本発明の口腔用組成物は、これらの成分を混合し、通常の方法に従って製造することができる。さらに殺菌剤としてビスビグアニド系、フェノール系、非カチオン性殺菌剤が配合でき、ビスビグアニド系殺菌剤としてはビスビグアニドヘキサン類、ビスビグアニドプロピルエーテル類、ビスビグアニドキシレン類、ビスビグアニドデカン類、ビスビグアニドドデカン類及びそれらの化学的に許容な塩などが挙げられ、特にビスビグアニドヘキサン類であるグルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジンなどのクロルヘキシジン塩類が好ましい。フェノール系殺菌剤としてはイソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオールが挙げられる。非カチオン性殺菌剤としてはトリクロサンが挙げられる。これら殺菌剤の配合量は、0.001〜0.5重量%であり、特に0.01〜.0
口腔内粘膜滞留性を向上させるため、ゼラチン、コラーゲン、コンニャクマンナン、プルラン、キトサン、デンプンなどの天然高分子、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマーなどの合成高分子、デキストラン、ポリアクリルデキストランなどの多糖類、大豆レシチン、卵黄レシチンなどのレシチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、アルブミン、シクロデキストリン等から単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
【実施例】
【0026】
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが,本発明は下記の実施例に制限されるものではない。また、特に断らない限り[%]は[重量%]である。
実施例1 洗口液
成分 配合量%
デヒドロアビエチン酸 0.2
酢酸dl−α−トコフェロール 0.05
塩酸クロルヘキシジン 0.05
エタノール 8.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.3
サッカリンナトリウム 0.05
アネトール 0.1
メントール 0.3
ペパーミント油 0.5
グリセリン 15.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
塩化セチルピリジニウム 0.05
プルラン 0.1
精製水 残量
合計 100.0
【0027】
実施例2 練歯磨
成分 配合量%
デヒドロアビエチン酸 1.0
塩化セチルピリジニウム 0.1
モノフルオロリン酸ナトリウム 1.0
リン酸水素カルシウム 20.0
ソルビット液 15.0
グリセリン 20.0
アルキルグルコシド 2.0
ヒドロキシエチルセルロース 1.5
パラオキシ安息香酸エステル 0.5
プロピレングリコール 3.0
サッカリンナトリウム 0.1
ペパーミント 0.3
サリチル酸メチル 0.2
アネトール 0.1
メントール 0.2
シネオール 0.3
塩化ベンゼトニウム 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
キトサン 2.0
精製水 残量
合計 100.0
【0028】
実施例3 洗口剤
成分 配合量%
不均化ロジン 0.5
パラチニット 1.0
プルロニック 3.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.5
ステビアエキス 0.3
アネトール 0.3
ペパーミント 0.6
スペアミント 0.04
エタノール 5.0
ソルビトール 15.0
塩化セチルピリジニウム 0.02
塩化ベンザルコニウム 0.03
ポリリジン 0.5
精製水 残量
合計 100.0
【0029】
実施例4 練歯磨
成分 配合量%
第2リン酸カルシウム 25.0
グリセリン 15.0
ソルビトール 18.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.6
カラギーナン 0.4
サッカリンナトリウム 0.2
香料 1.5
安息香酸ナトリウム 0.5
不均化ロジン 0.03
塩化セチルピリジニウム 0.05
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ショ糖脂肪酸エステル 0.1
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.05
プルラン 2.0
精製水 残量
合計 100.0
【0030】
実施例5 洗口剤
成分 配合量%
エタノール 5.0
グリセリン 10.0
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
ポリオキシエチレン(60EO)硬化ヒマシ油 5.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.3
香料 0.5
デヒドロアビエチン酸高含有不均化ロジン 3.0
トリクロサン 0.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.0
塩化セチルピリジニウム 0.08
レシチン 1.0
精製水 残量
合計 100.0
【0031】
実施例6 洗口剤
成分 配合量%
エタノール 5.5
トラネキサム酸 0.1
グリセリン 5.5
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.4
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.8
パラオキシ安息香酸メチル 0.3
デヒドロアビエチン酸高含有不均化ロジン 1.5
シラカバエキス 0.6
グリセリン脂肪酸エステル 0.5
塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム 0.5
デキストラン 1.0
精製水 残量
合計 100.0
【0032】
実施例7 口腔用パスタ
成分 配合量%
流動パラフィン 11.0
セタノール 9.0
グリセリン 20.0
ソルビタンモノパルミテート 1.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 4.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.3
塩化ベンゼトニウム 0.2
ニコチン酸トコフェロール 1.0
塩化セチルピリジニウム 0.05
塩化セチルベンゼトニウム 0.1
サリチル酸メチル 0.15
サッカリン 0.05
香料 0.3
ローズマリーエキス 0.3
α−アミリン 0.08
デヒドロアビエチン酸 0.5
塩化セチルトリメチルアンモニウム 2.0
レシチン 2.0
精製水 残量
合計 100.0
【0033】
実施例8 口腔用パスタ
成分 配合量%
カルボキシメチルセルロース 5.0
グリセリン 20.0
デヒドロアビエチン酸 1.5
塩化ラウリルトリメチルアンモニウム 2.0
シクロデキストリン 2.0
精製水 残量
合計 100.0
【0034】
実施例9 洗口液
成分 配合量%
エタノール 11.0
グリセリン 7.0
クエン酸 0.03
クエン酸ナトリウム 0.2
ポリオキシエチレン(60EO)硬化ヒマシ油 0.7
ラウリン酸ジエタノールアミド 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.3
デヒドロアビエチン酸高含有不均化ロジン 1.0
塩化セチルピリジニウム 0.45
精製水 残量
合計 100.0
【0035】
実施例10 練歯磨
成分 配合量%
第2リン酸カルシウム 25.0
グリセリン 15.0
ソルビトール 18.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.6
カラギーナン 0.4
サッカリンナトリウム 0.2
香料 1.5
安息香酸ナトリウム 0.5
デヒドロアビエチン酸高含有不均化ロジン 0.05
塩化セチルピリジニウム 2.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ショ糖脂肪酸エステル 0.1
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.05
精製水 残量
合計 100.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸含有物から選ばれる1種以上と第四級アンモニウム塩を含有してなる口腔用組成物。
【請求項2】
第4級アンモニウム塩が塩化セチルピリジニウムである請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
デヒドロアビエチン酸含有物がデヒドロアビエチン酸を40%以上含有するデヒドロアビエチン酸高含有不均化ロジンである請求項1、2の何れか1項に記載の口腔用組成物。
【請求項4】
デヒドロアビエチン酸含有物がデヒドロアビエチン酸を55%以上含有するデヒドロアビエチン酸高含有不均化ロジンである請求項1、2の何れか1項に記載の口腔用組成物。
【請求項5】
口腔用組成物が歯周疾患予防、あるいは治療用である請求項1、2、3及び4の何れか1項に記載の口腔用組成物。

【公開番号】特開2006−312589(P2006−312589A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−134741(P2005−134741)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(000106324)サンスター株式会社 (200)
【Fターム(参考)】