説明

可動台車及び可動台車の載置台の昇降方法

【課題】油圧制御手段を用いた可動台車を提供し、載置台を人手で持ち上げる際、持ち上げ力の軽減化を図る。
【解決手段】可動台車1は、通常時は、油圧制御手段により油圧シリンダー6を制御して、油圧シリンダー6のロッドを進退させて、スプロケット支持部材、スプロケット、チェーンを介して載置台5を昇降させる。載置台5が上昇した位置にあって、油圧制御手段が故障した場合、手動式開閉弁MVを開いて、ロッド側通路を開とし、載置台5の物品4の自重により載置台5を下降させて、油圧シリンダー6のピストンを非圧縮方向へ移動させ、シリンダーのロッド側の室の油をロッド側通路を介してタンクへ導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動台車及び可動台車の載置台の昇降方法に係り、特に、油圧制御手段を用いた可動台車及び可動台車の載置台の昇降方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本件出願人は、可動台車(1)として、軌道(2)上を移動する走行台(3)と、この走行台(3)と一体となって軌道(2)上を移動し軌道(2)から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられ物品(4)を載置する載置台(5)と、一端を載置台(5)の側に他端を走行台(3)の側に取り付けられた弾性部材(6)とを備え、載置台(5)上に物品(4)が搭載されている時は、載置台(5)の上下方向の摺動に支障を生ぜず、載置台(5)上に物品(4)が搭載されていない時は、載置台(5)の上方向の移動を阻止する上昇移動阻止手段(7)とを設けたものを提案した。これによれば、弾性部材(6)は、物品(4)が搭載されている載置台(5)を人手で持ち上げる際、持ち上げ力の軽減化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平7−17196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これも人力によるため、労力を要するという問題点が生じた。
【0005】
本発明は、上記の問題点の改善を図った可動台車及び可動台車の載置台の昇降方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の可動台車は、軌道上を移動する走行台と、この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、スプロケットと、前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのロッド側の室と油を貯留するタンクとを接続するロッド側通路と、このロッド側通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、前記載置台が上昇した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記ロッド側通路を開とし、前記載置台の前記物品の自重により前記載置台を下降させて、前記油圧シリンダーのピストンを非圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記ロッド側通路を介して前記タンクへ導くことができる。
【0007】
また、請求項2記載の可動台車は、軌道上を移動する走行台と、この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、スプロケットと、前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と前記シリンダーのロッド側の室とを接続するバイパス通路と、このバイパス通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、前記載置台が上昇した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記バイパス通路を開とし、前記載置台の前記物品の自重により前記載置台を下降させて、前記油圧シリンダーのピストンを非圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記バイパス通路を介して前記シリンダーのピストン側の室へ導くことができる。
【0008】
また、請求項3記載の可動台車は、軌道上を移動する走行台と、この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、スプロケットと、前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、前記スプロケット支持部材の下方に位置し、前記載置台に取り付けられたジャッキーと、前記油圧シリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と油を貯留するタンクとを接続するピストン側通路と、このピストン側通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、前記載置台が降下した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記ピストン側通路を開とし、前記ジャッキーの昇降部を上昇させて、前記油圧シリンダーのピストンを圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのピストン側の室の油を前記ピストン側通路を介して前記タンクへ導くと共に、前記ジャッキーの昇降部で前記スプロケット支持部材を上昇させるものである。
【0009】
また、請求項4記載の可動台車は、軌道上を移動する走行台と、この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、スプロケットと、前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、前記スプロケット支持部材の下方に位置し、前記載置台に取り付けられたジャッキーと、前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と前記シリンダーのロッド側の室とを接続するバイパス通路と、このバイパス通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、前記載置台が降下した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記バイパス通路を開とし、前記ジャッキーの昇降部を上昇させて、前記油圧シリンダーのピストンを圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記バイパス通路を介して前記ピストン側の室へ導くと共に、前記ジャッキーの昇降部で前記スプロケット支持部材を上昇させることができる。
【0010】
また、請求項5記載の可動台車の載置台の昇降方法は、軌道上を移動する走行台と、この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、スプロケットと、前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのロッド側の室と油を貯留するタンクとを接続するロッド側通路と、このロッド側通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、通常時は、前記油圧制御手段により前記油圧シリンダーを制御して、前記油圧シリンダーのロッドを進退させて、前記スプロケット支持部材、前記スプロケット、前記チェーンを介して前記載置台を昇降させ、前記載置台が上昇した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記ロッド側通路を開とし、前記載置台の前記物品の自重により前記載置台を下降させて、前記油圧シリンダーのピストンを非圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記ロッド側通路を介して前記タンクへ導くものである。
【0011】
また、請求項6記載の可動台車の載置台の昇降方法は、軌道上を移動する走行台と、この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、スプロケットと、前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と前記シリンダーのロッド側の室とを接続するバイパス通路と、このバイパス通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、通常時は、前記油圧制御手段により前記油圧シリンダーを制御して、前記油圧シリンダーのロッドを進退させて、前記スプロケット支持部材、前記スプロケット、前記チェーンを介して前記載置台を昇降させ、前記載置台が上昇した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記バイパス通路を開とし、前記載置台の前記物品の自重により前記載置台を下降させて、前記油圧シリンダーのピストンを非圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記バイパス通路を介して前記シリンダーのピストン側の室へ導くものである。
【0012】
また、請求項7記載の可動台車の載置台の昇降方法は、軌道上を移動する走行台と、この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、スプロケットと、前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、前記スプロケット支持部材の下方に位置し、前記載置台に取り付けられたジャッキーと、前記油圧シリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と油を貯留するタンクとを接続するピストン側通路と、このピストン側通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、通常時は、前記油圧制御手段により前記油圧シリンダーを制御して、前記油圧シリンダーのロッドを進退させて、前記スプロケット支持部材、前記スプロケット、前記チェーンを介して前記載置台を昇降させ、前記載置台が降下した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記ピストン側通路を開とし、前記ジャッキーの昇降部を上昇させて、前記油圧シリンダーのピストンを圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのピストン側の室の油を前記ピストン側通路を介して前記タンクへ導くと共に、前記ジャッキーの昇降部で前記スプロケット支持部材を上昇させるものである。
【0013】
また、請求項8記載の可動台車の載置台の昇降方法は、軌道上を移動する走行台と、この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、スプロケットと、前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、前記スプロケット支持部材の下方に位置し、前記載置台に取り付けられたジャッキーと、前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と前記シリンダーのロッド側の室とを接続するバイパス通路と、このバイパス通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、通常時は、前記油圧制御手段により前記油圧シリンダーを制御して、前記油圧シリンダーのロッドを進退させて、前記スプロケット支持部材、前記スプロケット、前記チェーンを介して前記載置台を昇降させ、前記載置台が降下した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記バイパス通路を開とし、前記ジャッキーの昇降部を上昇させて、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記バイパス通路を介して前記ピストン側の室へ導くと共に、前記ジャッキーの昇降部で前記スプロケット支持部材を上昇させるものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の可動台車によれば、油圧制御手段により油圧シリンダーのロッドの進退を制御して、油圧シリンダーのロッド、スプロケット支持部材、スプロケット、チェーンを介して載置台を昇降させることができ、しかも、載置台が上昇した位置にあって、油圧制御手段が故障した場合、手動式開閉弁によりロッド側通路を開とし、載置台の物品の自重により、ピストンを非圧縮方向へ移動させ、シリンダーのロッド側の室の油をロッド側通路を介してタンクへ導くようにして、載置台を下降させることができる。
【0015】
また、請求項2記載の可動台車によれば、油圧制御手段により油圧シリンダーのロッドの進退を制御して、油圧シリンダーのロッド、スプロケット支持部材、スプロケット、チェーンを介して載置台を昇降させることができ、しかも、載置台が上昇した位置にあって、油圧制御手段が故障した場合、手動式開閉弁によりバイパス通路を開とし、載置台の物品の自重により、ピストンを非圧縮方向へ移動させ、シリンダーのロッド側の室の油をバイパス通路を介してシリンダーのピストン側の室へ導くようにして、載置台を下降させることができる。
【0016】
また、請求項3記載の可動台車によれば、油圧制御手段により油圧シリンダーのロッドの進退を制御して、油圧シリンダーのロッド、スプロケット支持部材、スプロケット、チェーンを介して載置台を昇降させることができ、しかも、載置台が降下した位置にあって、油圧制御手段が故障した場合、手動式開閉弁によりピストン側通路を開とし、ジャッキーの昇降部を上昇させて、ピストンを圧縮方向へ移動させ、シリンダーのピストン側の室の油をピストン側通路を介してタンクへ導くようにして、載置台を上昇させることができる。
【0017】
また、請求項4記載の可動台車によれば、油圧制御手段により油圧シリンダーのロッドの進退を制御して、油圧シリンダーのロッド、スプロケット支持部材、スプロケット、チェーンを介して載置台を昇降させることができ、しかも、載置台が降下した位置にあって、油圧制御手段が故障した場合、手動式開閉弁によりバイパス通路を開とし、ジャッキーの昇降部を上昇させて、ピストンを圧縮方向へ移動させ、シリンダーのロッド側の室の油をバイパス通路を介してピストン側の室へ導くようにして、載置台を上昇させることができる。
【0018】
また、請求項5記載の可動台車の載置台の昇降方法によれば、通常時は、油圧制御手段により油圧シリンダーを制御して、油圧シリンダーのロッドを進退させて、スプロケット支持部材、スプロケット、チェーンを介して載置台を昇降させ、しかも、載置台が上昇した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、手動式開閉弁によりロッド側通路を開とし、載置台の物品の自重により、ピストンを非圧縮方向へ移動させ、シリンダーのロッド側の室の油をロッド側通路を介してタンクへ導くようにして、載置台を下降させることができる。
【0019】
また、請求項6記載の可動台車の載置台の昇降方法によれば、通常時は、油圧制御手段により油圧シリンダーを制御して、油圧シリンダーのロッドを進退させて、スプロケット支持部材、スプロケット、チェーンを介して載置台を昇降させ、しかも、載置台が上昇した位置にあって、油圧制御手段が故障した場合、手動式開閉弁によりバイパス通路を開とし、載置台の物品の自重により、ピストンを非圧縮方向へ移動させ、シリンダーのロッド側の室の油をバイパス通路を介してシリンダーのピストン側の室へ導くようにして、載置台を下降させることができる。
【0020】
また、請求項7記載の可動台車の昇降方法によれば、通常時は、油圧制御手段により油圧シリンダーを制御して、油圧シリンダーのロッドを進退させて、スプロケット支持部材、スプロケット、チェーンを介して載置台を昇降させ、しかも、載置台が降下した位置にあって、油圧制御手段が故障した場合、手動式開閉弁によりピストン側通路を開とし、ジャッキーの昇降部を上昇させて、ピストンを圧縮方向へ移動させ、シリンダーのピストン側の室の油をピストン側通路を介してタンクへ導くようにして、載置台を上昇させることができる。
【0021】
また、請求項8記載の可動台車の昇降方法によれば、通常時は、油圧制御手段により油圧シリンダーを制御して、油圧シリンダーのロッドを進退させて、スプロケット支持部材、スプロケット、チェーンを介して載置台を昇降させ、しかも、載置台が降下した位置にあって、油圧制御手段が故障した場合、手動式開閉弁によりバイパス通路を開とし、ジャッキーの昇降部を上昇させて、ピストンを圧縮方向へ移動させ、シリンダーのロッド側の室の油をバイパス通路を介してピストン側の室へ導くようにして、載置台を上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の一実施例の可動台車の要部の概略的側面図である。
【図2】図2は、図1の可動台車の載置部が降下した状態の概略的側面図である。
【図3】図3は、図1の可動台車から物品を取り除き拡大して示す概略的拡大側面図である。
【図4】図4は、図3のAーA線による概略的断面図である。
【図5】図5は、図3のBーB線による概略的断面図である。
【図6】図6は、図3の概略的背面図である。
【図7】図7は、図2の可動台車から物品を取り除き拡大して示す概略的拡大側面図である。
【図8】図8は、図7の概略的背面図である。
【図9】図9は、図3の一部を断面して示す概略的一部断面図である。
【図10】図10は、図7の一部を断面して示す概略的一部断面図である。
【図11】図11は、図8の第1の作動棒に第2の作動棒を係合させた状態の概略的図である。
【図12】図12は、図11の第2の作動棒を回転させてジャッキーの頂部でロッドを持ち上げている状態の概略的図である。
【図13】図13は、図1の油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段の概略的図である。
【図14】図14は、図13の他の実施例の油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段の概略的図である。
【図15】図15は、図11の第1の作動棒と異なる他の実施例の概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施例の可動台車及び可動台車の載置台の昇降方法を図面を参照して説明すると、図1乃至図12において、1は、可動台車で、可動台車1は、例えば、小型消防車等の車両(図示せず)に搭載され、車両から比較的に重い物品4(例えば、約80Kg〜90Kg程度の可搬式ポンプ)の出し入れを容易にするもので、概略的に、特公平7−17196号公報に記載されたものと同様の車両Cに取り付けられた軌道2上を移動する走行台3と、この走行台3と一体となって軌道2上を移動し軌道2から離脱すると上下方向(「上下方向」とは、図1記載のように若干傾きを有する方向をも含むものであり、結果的に摺動して、物品4を下方に搬送する方向であれば良い。)に摺動自在となるように取り付けられると共に物品4(例えば、可搬式ポンプ)を載置する載置台5とから構成されている。
【0024】
3aは、走行台3の枠体で、枠体3aには、ロ−ラ3b、3c、3dが取り付けられ、図4及び図5に示すロ−ラ3c、3dにより、載置台5の摺動部5aをガタツキを防止して摺動すると共に、軌道2上を移動する際、ロ−ラ3b、3c、3dにより、走行台3と一体となって軌道2上を移動するようになっている。
【0025】
また、6は、走行台3に取り付けられた油圧シリンダーで、この油圧シリンダー6のロッド61の進退は、説明を後述する油圧制御手段100により制御されるようになっている。7はスプロケットで、8はスプロケット支持部材で、スプロケット支持部材8は、ロッド61に接続され、スプロケット7、7は、スプロケット支持部材8に取り付けられている。
また、9はチェーンで、チェーン9、9は、一端9a、9aを走行台3に、他端9b、9bを載置台6に、それぞれ取り付けられ、チェーン9、9の中途は、スプロケット7、7にそれぞれ係合され,載置台6が走行台3から離脱しないようになっている。
【0026】
一方、載置台5は、略L字形の形状を有し、物品4(例えば、可搬式ポンプ)を載置し、その下方には、ロ−ラ5bが設けられ、載置台5が軌道2上に位置するときには、軌道2の溝部に位置し、載置台5が軌道2から離脱する(図2参照)と、昇降を阻止するものがなく、走行台3のロ−ラ3c、3d と載置台5の摺動部5aとの当接により昇降自在となる。
また、Jは、スプロケット支持部材8の下方に位置し、載置台5に取り付けられたジャッキーで、ジャッキーJは、物の下に置かれてその物を支えたり、持ち上げるために使われる周知のもので、例えば、パンタグラフジャッキーで、図11及び図12に示すように、4個のリンクで菱形を形成し、該菱形の対向する水平方向の頂部の一方に雌ネジを、他方に回転自在に支持し、前記雌ネジに螺合する雄ネジJ1からなり、該雄ネジJ1を正逆に回転させて、パンタグラフジャッキーJの頂部J2を昇降させるようになっている。J3はユニバーサルジョイントで、J4は第1の作動棒、J5は第1の作動棒J4に係合して雄ネジJ1を正逆に回転させる第2の作動棒である。
【0027】
油圧シリンダー6のロッド61の進退を制御する油圧制御手段100は、例えば、図13に示すように、油圧回路100Aと、この油圧回路100Aを動作させるスイッチ100aとから構成されている。スイッチ100aは直流電動機Gを正転(ロッド61の伸作動)する図示しないスイッチと、直流電動機Gを逆転(ロッド61の縮作動)する図示しないスイッチとを有し、直流電動機Gは、スプロケット支持部材8に取り付けられた作動部材Sが第1のマイクロスイッチM1又は第2のマイクロスイッチM2に当接することにより停止されるようになっている。第1のマイクロスイッチM1は、ジャッキーJの頂部J2に取り付けられ、車両Cに応じて、例えば、油圧シリンダー6のロッド61のストロークが長いときは、ジャッキーJの頂部J2を低い位置に、油圧シリンダー6のロッド61のストロークが短いときは、ジャッキーJの頂部J2を高い位置に、それぞれ位置させて対応することができるようになつている。
なお、Gは直流電動機、Tは油を貯留するタンク、RDは油圧シリンダー6のシリンダーのピストンPを介して仕切られたシリンダーのロッド側の室6aと油を貯留するタンクTとを接続するロッド側通路、MVはロッド側通路RDを開閉する手動式開閉弁である。
また、PDは、油圧シリンダー6のピストンPを介して仕切られたシリンダーのピストン側の室6bと油を貯留するタンクTとを接続するピストン側通路で、MVはロッド側通路RDを開閉する手動式開閉弁であると共に、ピストン側通路PDを開閉する手動式開閉弁でもある。
【0028】
図13に示す11は切換弁、12はギヤポンプ、13は第1のパイロットチェック弁、14は第2のパイロットチェック弁、15はギヤポンプ12と第1のパイロットチェック弁13を接続する第1の通路、16は切換弁11と第1のパイロットチェック弁13を接続する第2の通路、17はギヤポンプ12と第2のパイロットチェック弁14を接続する第3の通路、18は切換弁11と第2のパイロットチェック弁14を接続する第4の通路、19は切換弁11とタンクTとを接続する第5の通路、20は第1の通路15のパイロット圧を第2のパイロットチェック弁14に導く第1のパイロットライン、21は第3の通路17のパイロット圧を第1のパイロットチェック弁13に導く第2のパイロットラインである。
【0029】
上記のように構成された可動台車1の物品4を取り出したい場合には、図1に示す位置に手動で車両(図示せず)に取り付けられた軌道2上の走行台3と載置台5を移動させる。そして、スイッチ100aの内、直流電動機Gを正転(ロッド61の伸作動)する図示しないスイッチを押すと、ギヤポンプ12が正方向に回転すると共に、切換弁11が第5の通路19と第2の通路16を接続するように切り替わり、タンクTより油を吸い上げるように作用し、第1のパイロットチェック弁13、ピストン側通路PDを介して、シリンダーのピストン側の室6bに送り込まれ、シリンダーのロッド側の室6a内の油は、第2のパイロットチェック弁14、第3の通路17を介してギヤポンプ12に送り込まれることとなる。その結果、油圧シリンダー6のロッド61が下方に伸び、スプロケット支持部材8、スプロケット7、7、チェーン9、9を介して載置台5を降下させ、作動部材Sが第1のマイクロスイッチM1に当接することにより直流電動機Gが停止されるようになっている。そして、載置台5が下降した状態で(図7参照)、載置台5より物品4を取り除くことができる。
【0030】
次に、載置台5を当初の状態(図1及び図3)に戻すには、スイッチ100aの内、直流電動機Gを逆転(ロッド61の縮作動)する図示しないスイッチを押す。すると、ギヤポンプ12が逆方向に回転すると共に、切換弁11が第5の通路19と第4の通路18を接続するように切り替わり、ギヤポンプ12から出た油は、第2のパイロットチェック弁14、ロッド側通路RDを介してシリンダーのロッド側の室6aに送り込まれ、シリンダーのピストン側の室6b内の油は、第1のパイロットチェック弁13、第1の通路15を介してギヤポンプ12に送り込まれることとなる。その結果、油圧シリンダー6のロッド61が上方に収縮し、スプロケット支持部材8、スプロケット7、7、チェーン9、9を介して載置台5上昇させ、作動部材Sが第2のマイクロスイッチM2に当接することにより直流電動機Gが停止されるようになっている。
【0031】
上述した載置台5の昇降は、油圧制御手段100が正常に動作した通常時であり、例えば、図1に示す載置台5が上昇した位置にあって、スイッチ100aを押しても、油圧シリンダー6のロッド61が動作しない油圧制御手段100が故障した場合には、先ず、ロッド側通路RDを開くために、手動式開閉弁MVを手動にて開く。すると、載置台5の物品4の自重により載置台5が下降し、油圧シリンダー6のピストンPを非圧縮方向へ移動させ、シリンダーのロッド側の室6aの油をロッド側通路RDを介してタンクTへ導く
ことができる。
また、逆に、図2に示す載置台5が降下した位置にあって、スイッチ100aを押しても、油圧シリンダー6のロッド61が動作しない油圧制御手段100が故障した場合には、先ず、ピストン側通路PDを開くために、手動式開閉弁MVを手動にて開く。それと共に、第2の作動棒J5を手動にて回転させて、ジャッキーJの昇降部J2を上昇させる。すると、油圧シリンダー6のピストンPを圧縮方向へ移動する。その際、シリンダーのピストン側の室6bの油はピストン側通路PDを介してタンクTへ導かれると共に、ジャッキーJの昇降部J2でスプロケット支持部材8を上昇させることができる。
【0032】
なお、上述の実施例においては、ロッド側通路RD、ピストン側通路PDを用いたが、本願発明にあってはこれに限らず、例えば、図14に示すように、油圧シリンダー6のシリンダーのピストンPを介して仕切られたシリンダーのピストン側の室6bとシリンダーのロッド側の室6aとを接続するバイパス通路Bを用いることができる。
即ち、載置台5が上昇した位置(図1参照)にあって、油圧制御手段100が故障した場合、手動式開閉弁MVを手動にて開いて、バイパス通路Bを開とし、載置台5の物品4の自重により載置台5を下降させて、油圧シリンダー6のピストンPを非圧縮方向へ移動させ、シリンダーのロッド側の室6aの油をバイパス通路Bを介してシリンダーのピストン側の室6bへ導くことができる。
また、載置台5が降下した位置(図2参照)にあって、油圧制御手段100が故障した場合、手動式開閉弁MVを開いて、バイパス通路Bを開とする。それと共に、第2の作動棒J5を手動にて回転させて、ジャッキーJの昇降部J2を上昇させる。すると、油圧シリンダー6のピストンPが圧縮方向へ移動する。その際、シリンダー6のロッド側の室6aの油はバイパス通路Bを介してピストン側の室6bへ導かれると共に、ジャッキーJの昇降部J2でスプロケット支持部材8を上昇させることができる。
【0033】
また、上述の実施例においては、パンタグラフジャッキーJの頂部J2を昇降させるために、ユニバーサルジョイントJ3、第1の作動棒J4を介して第2の作動棒J5を手動で回転させるようにしたが、本願発明にあってはこれに限らず、例えば、図15に示すように、第2の作動棒J5を省略に、第1の作動棒J4の中途を屈曲させ、走行台3に切り欠き部3e、切り欠き部3eの近傍に留め具3fをそれぞれ設け、第1の作動棒J4の不使用時、第1の作動棒J4を留め具3fに係止させ、第1の作動棒J4が走行台3より突出しないようにしても良い。
また、上述の実施例においては、パンタグラフジャッキーJの頂部J2を昇降させるために、ユニバーサルジョイントJ3、第1の作動棒J4を介して第2の作動棒J5を手動で回転させるようにし(図11及び図12)、ユニバーサルジョイントJ3、第1の作動棒J4、第2の作動棒J5の位置を、背面視右側としたが、本願発明にあってはこれに限らず、背面視左側としても良い。
【符号の説明】
【0034】
1 可動台車
4 物品
5 載置台
6 油圧シリンダー
61 ロッド
7 スプロケット
8 スプロケット支持部材
9 チェーン
100 油圧制御手段
MV 手動式開閉弁
RD ロッド側通路
P ピストン
T タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道上を移動する走行台と、
この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、
前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、
この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、
スプロケットと、
前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、
一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、
前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのロッド側の室と油を貯留するタンクとを接続するロッド側通路と、
このロッド側通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、
前記載置台が上昇した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記ロッド側通路を開とし、前記載置台の前記物品の自重により前記載置台を下降させて、前記油圧シリンダーのピストンを非圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記ロッド側通路を介して前記タンクへ導く
ことを特徴とする可動台車。
【請求項2】
軌道上を移動する走行台と、
この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、
前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、
この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、
スプロケットと、
前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、
一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、
前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と前記シリンダーのロッド側の室とを接続するバイパス通路と、
このバイパス通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、
前記載置台が上昇した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記バイパス通路を開とし、前記載置台の前記物品の自重により前記載置台を下降させて、前記油圧シリンダーのピストンを非圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記バイパス通路を介して前記シリンダーのピストン側の室へ導く
ことを特徴とする可動台車。
【請求項3】
軌道上を移動する走行台と、
この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、
前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、
この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、
スプロケットと、
前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、
一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、
前記スプロケット支持部材の下方に位置し、前記載置台に取り付けられたジャッキーと、
前記油圧シリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と油を貯留するタンクとを接続するピストン側通路と、
このピストン側通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、
前記載置台が降下した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記ピストン側通路を開とし、前記ジャッキーの昇降部を上昇させて、前記油圧シリンダーのピストンを圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのピストン側の室の油を前記ピストン側通路を介して前記タンクへ導くと共に、前記ジャッキーの昇降部で前記スプロケット支持部材を上昇させる
ことを特徴とする可動台車。
【請求項4】
軌道上を移動する走行台と、
この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、
前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、
この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、
スプロケットと、
前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、
一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、
前記スプロケット支持部材の下方に位置し、前記載置台に取り付けられたジャッキーと、
前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と前記シリンダーのロッド側の室とを接続するバイパス通路と、
このバイパス通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、
前記載置台が降下した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記バイパス通路を開とし、前記ジャッキーの昇降部を上昇させて、前記油圧シリンダーのピストンを圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記バイパス通路を介して前記ピストン側の室へ導くと共に、前記ジャッキーの昇降部で前記スプロケット支持部材を上昇させる
ことを特徴とする可動台車。
【請求項5】
軌道上を移動する走行台と、
この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、
前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、
この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、
スプロケットと、
前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、
一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、
前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのロッド側の室と油を貯留するタンクとを接続するロッド側通路と、
このロッド側通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、
通常時は、前記油圧制御手段により前記油圧シリンダーを制御して、前記油圧シリンダーのロッドを進退させて、前記スプロケット支持部材、前記スプロケット、前記チェーンを介して前記載置台を昇降させ、
前記載置台が上昇した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記ロッド側通路を開とし、前記載置台の前記物品の自重により前記載置台を下降させて、前記油圧シリンダーのピストンを非圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記ロッド側通路を介して前記タンクへ導く
ことを特徴とする可動台車の載置台の昇降方法。
【請求項6】
軌道上を移動する走行台と、
この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、
前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、
この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、
スプロケットと、
前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、
一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、
前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と前記シリンダーのロッド側の室とを接続するバイパス通路と、
このバイパス通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、
通常時は、前記油圧制御手段により前記油圧シリンダーを制御して、前記油圧シリンダーのロッドを進退させて、前記スプロケット支持部材、前記スプロケット、前記チェーンを介して前記載置台を昇降させ、
前記載置台が上昇した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記バイパス通路を開とし、前記載置台の前記物品の自重により前記載置台を下降させて、前記油圧シリンダーのピストンを非圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記バイパス通路を介して前記シリンダーのピストン側の室へ導く
ことを特徴とする可動台車の載置台の昇降方法。
【請求項7】
軌道上を移動する走行台と、
この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、
前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、
この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、
スプロケットと、
前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、
一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、
前記スプロケット支持部材の下方に位置し、前記載置台に取り付けられたジャッキーと、
前記油圧シリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と油を貯留するタンクとを接続するピストン側通路と、
このピストン側通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、
通常時は、前記油圧制御手段により前記油圧シリンダーを制御して、前記油圧シリンダーのロッドを進退させて、前記スプロケット支持部材、前記スプロケット、前記チェーンを介して前記載置台を昇降させ、
前記載置台が降下した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記ピストン側通路を開とし、前記ジャッキーの昇降部を上昇させて、前記油圧シリンダーのピストンを圧縮方向へ移動させ、前記シリンダーのピストン側の室の油を前記ピストン側通路を介して前記タンクへ導くと共に、前記ジャッキーの昇降部で前記スプロケット支持部材を上昇させる
ことを特徴とする可動台車の載置台の昇降方法。
【請求項8】
軌道上を移動する走行台と、
この走行台と一体となって前記軌道上を移動し前記軌道から離脱すると上下方向に摺動自在となるように取り付けられると共に物品を載置する載置台と、
前記走行台に取り付けられた油圧シリンダーと、
この油圧シリンダーのロッドの進退を制御する油圧制御手段と、
スプロケットと、
前記ロッドに接続され、前記スプロケットが取り付けられたスプロケット支持部材と、
一端を前記走行台に、他端を前記載置台に、それぞれ取り付けられると共に、中途を前記スプロケットに係合させたチェーンと、
前記スプロケット支持部材の下方に位置し、前記載置台に取り付けられたジャッキーと、
前記油圧シリンダーのシリンダーのピストンを介して仕切られた前記シリンダーのピストン側の室と前記シリンダーのロッド側の室とを接続するバイパス通路と、
このバイパス通路を開閉する手動式開閉弁とを備え、
通常時は、前記油圧制御手段により前記油圧シリンダーを制御して、前記油圧シリンダーのロッドを進退させて、前記スプロケット支持部材、前記スプロケット、前記チェーンを介して前記載置台を昇降させ、
前記載置台が降下した位置にあって、前記油圧制御手段が故障した場合、前記手動式開閉弁を開いて、前記バイパス通路を開とし、前記ジャッキーの昇降部を上昇させて、前記シリンダーのロッド側の室の油を前記バイパス通路を介して前記ピストン側の室へ導くと共に、前記ジャッキーの昇降部で前記スプロケット支持部材を上昇させる
ことを特徴とする可動台車の載置台の昇降方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−235716(P2011−235716A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107823(P2010−107823)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(391033838)株式会社日消機械工業 (2)
【Fターム(参考)】