説明

可変ラッチ動作を備えた回転式アクチュエータ

【課題】簡単な構造を有し、低コストで製造可能な可変ラッチ動作を有する回転式アクチュエータを提供する。
【解決手段】筐体(22)と、回転ノブ(2)と、当該回転ノブ(2)と固定状態で連結された回転軸(3)とを備えた可変ラッチ動作を有する回転式アクチュエータ(1)において、支持部(6、12、18;26、33)と関連したラッチ輪郭部(5、11、17;25、32)に係止する少なくとも1つのラッチ部品(7、13、19;28、35)が配置され、支持部(6、12、18;26、33)が回転軸(3)を中心として回転可能であるように取り付けられ、1つの前記支持部(6、12、18;26、33)につき少なくとも1つのロック装置(9、15、21;30、37)を備え、当該ロック装置(9、15、21;30、37)を用いて、前記支持部(6、12、18;26、33)が前記筐体(22)に対してロックされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の前提部分による可変ラッチ動作を備えた回転式アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転式アクチュエータの場合において、特に自動車では、例えば操作ステップの完了を示すために、ある程度だけ回転式アクチュエータの回転に関して操作者に触覚フィードバックを提供するのが望ましい。この目的のため、ラッチ動作を備える回転式アクチュエータはラッチ部品がラッチ輪郭部に係止するという点で公知である。しかし、このような回転式アクチュエータは不変ラッチ動作を有するという欠点があり、したがって、複数の機能、例えば車載コンピュータを操作するために、限られた範囲でしか適合できない。
【0003】
触覚制御素子として電子的に制御される流体回転ノブは、ドイツ連邦共和国特許出願公開公報第10029191号明細書において公知である。この公知の回転式アクチュエータの回転ノブは磁気流動学的流体で動き、磁気流動学的流体の粘度は磁場を用いて制御でき、磁場を制御することで、異なるラッチ動作をもたらすことは可能であるけれども、このような回転式アクチュエータは、複雑な構造を有し、製造にコストがかかり、複雑な制御システムを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開公報第10029191号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、先行技術の欠点を示すことのない可変ラッチ動作を備えた回転式アクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、特許請求項1および特許請求項2に基づいた回転式アクチュエータで達成される。有益な実施形態は、従属特許請求項に明記される。
【0007】
特許請求項1の可変ラッチ動作を備えた回転式アクチュエータは、筐体、回転ノブ、当該回転ノブと固定状態で連結された回転軸、および当該回転軸と固定状態で連結された少なくとも2つのラッチ輪郭部を備える。さらに回転式アクチュエータは、1つのラッチ輪郭部につき1つの支持部を備え、前記支持部と関連した前記ラッチ輪郭部に係止する少なくとも1つのラッチ部品が配置され、前記支持部が回転軸を中心として回転可能であるように取り付けられる。支持部の数は、ラッチ輪郭部の数を一致させる。その上、回転式アクチュエータは、1つの前記支持部につき少なくとも1つのロック装置を備え、そのロック装置を用いて、前記支持部が前記筐体に対してロックできる。
【0008】
特許請求項2の別の実施形態では、回転式アクチュエータは、筐体、回転ノブ、当該回転ノブと固定状態で連結された回転軸、および当該回転軸と固定状態で連結された少なくとも2つのラッチ部品を備える。したがって、回転ノブを回転すると、ラッチ部品は回転軸と一緒に動く。さらに回転式アクチュエータは、支持部と関連した前記ラッチ部品が係止するラッチ輪郭部を支持部に配置して、1つのラッチ部品につき1つの支持部を有し、前記支持部が前記回転軸を中心として回転可能であるように取り付けられる。その上、回転式アクチュエータは、1つの支持部につき少なくとも1つのロック装置を備え、そのロック装置を用いて、前記支持部が前記筐体に対してロックされることができる。好ましくは支持部の数は、ラッチ部品の数を一致させる。オプション的に、2つのラッチ部品が同じ支持部のラッチ輪郭部に係止する場合、ラッチ部品の数は支持部の数よりも多い。
【0009】
ラッチ部品は、ラッチ輪郭部したがって回転ノブと、支持部との間の有益な適合での連結を確立する。すべてのロック装置が作動解除される場合、すなわち、すべての支持部がロックされない場合、次に回転ノブの回転が支持部の回転を引き起こす。支持部は、回転ノブと同じ角速度で回転する。
【0010】
ロック装置が作動される場合、次にその関連した支持部は、回転式アクチュエータの筐体に関連して固定される。回転ノブの回転は、ラッチ部品とラッチ輪郭部による周知の方法でもたらされた力によって対抗される。操作者がこの力を乗り越える場合、回転ノブおよび回転軸は、ロックされた支持部に関連して回転する。ラッチ部品はラッチ輪郭部に対して動き、操作者は、ラッチ止めの形において回転ノブの回転に関して触覚フィードバックを受ける。この場合の回転ノブの回転角度に対するラッチ止めの動作は、ラッチ輪郭部の設計にほぼ依存する。
【0011】
他支持部のロック装置が作動される場合、次に当該他支持部は、回転式アクチュエータの筐体に関連して固定される。回転ノブを回転する際、その結果は固定された他支持部に配置されたラッチ部品が係止するラッチ輪郭部にほぼ依存するラッチ動作である。したがって、ラッチ動作は、ロックされた支持部を選択することで変化することができる。この目的のために、ラッチ輪郭部、および/あるいはラッチ部品は、好ましくは異なる方法で構成される。オプション的には、いくつかの支持部が同時にロックされることができる。そのため、ラッチ動作は個別のラッチ止めの重ね合わせの結果である。
【0012】
ラッチ輪郭部は、くぼみ部および隆起部の連続配置である。そのためその結果は、例えば、鋸歯の形状あるいは波形状である。好ましくはラッチ輪郭部は、閉じた円を形成する。回転式アクチュエータの構造に応じて、ラッチ輪郭部は、支持部の内部あるいは外部に位置する。回転ノブの完全1回転あたりのラッチ位置数は、ラッチ輪郭部のくぼみ数に依存する。とりわけ、ラッチ止めを乗り越えるための力は、くぼみ部に対する隆起部の高さに依存する。ラッチ止めのフォースカーブは、ラッチ輪郭部の側面の形状に依存する。好ましくはラッチ部品は、ばね付きの球、あるいはラッチばねである。
【0013】
好ましくはラッチ装置は、筐体内に固定配置される。例えばロック装置と関連する支持部の凹部に導入されるか、あるいは例えば供給機構を用いて凹部から引き出されるロッキングバーを有する。他の実施形態では、ロック装置は下記のように磁性ボールラッチ装置を備える。
【0014】
磁性ボールラッチ装置は、支持部のラッチ形状部と係合できる少なくとも1つの永久磁石、強磁性コアに接する電磁石、およびボールを備える。この場合では、永久磁石は、ラッチ装置内に移動可能に配置され、少なくとも2つの端部位置の間で移動できる。
【0015】
永久磁石は、強磁性コアの開口端とボールとの間に配置される。ボールは、磁場によってボールに力を与えることができるように、磁性材料あるいは磁化可能な材料から成る。永久磁石は、その端部位置のそれぞれにおいて、強磁性コアの脚部の端部の領域に位置する。永久磁石の磁場は強磁性コアの脚部に及ぶ。したがって、その位置に永久磁石を保持する。
【0016】
永久磁石の位置の変化は、電磁石に電流を流すことによって達成されるため、磁場は結果として強磁性コアに生じる。電磁石を通じての電流の方向、すなわち強磁性コアの磁場の方向は、強磁性コアと向かい合う永久磁石の極に対応する磁極が、永久磁石が位置する領域の強磁性コアの脚部に生じるように選択される。これはその電流位置から他の端部位置への永久磁石の反発を引き起こす。好ましくは移動可能な永久磁石は、永久磁石がひっくり返るのを防ぐように構成される。これに関連して、ひっくり返ることは、永久磁石の別の磁極が強磁性コアと向かい合うように永久磁石が回転することを意味する。
【0017】
永久磁石の磁場領域に位置するボールは、永久磁石の動きに追随する。したがって、例えば2つの端部位置の間で移動することもできる。一方の端部位置では、ボールは支持部のラッチ形状部と係合状態にある。したがって、少なくとも一方向の支持部の動きを阻止する。もう一方の端部位置では、ボールはラッチ形状部と係合状態にはない。ボールと永久磁石との間の比較的短い距離のため、比較的弱い永久磁石は、ボールに強力な磁力に導き、高い耐振動性をもたらす。
【0018】
好ましくは、例えば鉄から成る強磁性コアは、ほぼU形状に形成される。しかしロック機能を制限せずに、強磁性コアの、特に非対称の他のどの形状でも可能である。
【0019】
強磁性コアに配置された電磁石と移動可能な永久磁石は、永久磁石の位置にボールを追随して、機械的双安定フリップフロップを形成する。たとえボールがラッチ形状部で引っ掛かって動かなくなったとしても、永久磁石は移動可能である。ボールがやがて後の時点でこれ以上引っ掛からなくなった場合、永久磁石に追随してラッチ形状部との係合をやめる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の3つのラッチ輪郭部を備える回転式アクチュエータの第1実施形態を示す。
【図2】本発明の2つのラッチ輪郭部を備える回転式アクチュエータの第2実施形態を示す。
【図3】本発明の2つのラッチ輪郭部を備える回転式アクチュエータの第3実施形態を示す。
【図4】本発明の3つのラッチ輪郭部を備える回転式アクチュエータの第4実施形態を示す。
【図5】本発明の磁性ボールラッチ装置の詳細図を示す。
【図6】本発明のラッチ形状部との係合状態での磁性ボールラッチ装置の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、4つの具体例の実施形態を参照して、より詳細に説明される。
【実施例】
【0022】
図1から図4は、本発明の回転式アクチュエータ1の様々な実施形態の概略断面図を示し、回転ノブ2および当該回転ノブと固定状態で連結された回転軸3を備える。分かりやすい概観を示すために、図1、図3、図4において筐体を省略した。以下繰り返しの同一部品には、同一の参照番号を与えることにする。
【0023】
図1の回転式アクチュエータ1は、ラッチ円盤4、10、16の1つにそれぞれ組み込まれる3つのラッチ輪郭部5、11、17を備える。ラッチ円盤4、10、16は、回転軸3と固定状態で回転不能に連結されるか、あるいは回転軸3と一体形成される。3つの円盤状支持部6、12、18は、回転軸3を中心として回転可能であるように取り付けられる。ラッチ円盤4のラッチ輪郭部5に係止している球7は、支持部6上にばね8を用いて取り付けられる。ラッチ円盤10のラッチ輪郭部11に係止している球13は、支持部12上にばね14を用いて取り付けられる。ラッチ円盤16のラッチ輪郭部17に係止している球19は、支持部18上にばね20を用いて取り付けられる。
【0024】
可動ボールをそれぞれ含む3つの磁気ボールラッチ装置9、15、21は、回転式アクチュエータ1の筐体内に固定配置される。図5、6に関して記載されるように、前記ボールは支持部6、12、18の外周においてラッチ形状部と係合することができる。ボールがラッチ形状部に係止すれば、対応する支持部はロックされる。これは前記支持部が回転式アクチュエータ1の筐体内で回転できないことを意味する。
【0025】
ボールラッチ装置9、15、21の何れも作動されない場合、3つの支持部6、12、18のすべてが回転軸3を中心として回転できる。回転ノブ2が回転される場合、球7、13、19は、支持部6、12、18に力を及ぼすので、支持部6、12、18は、回転ノブ2と同じ角速度で回転する。
【0026】
図1において、前記ボールラッチ装置のボールの位置は円で示される。今回の場合では、ラッチ装置15が作動される、すなわち、ラッチ装置15のボールは、支持部12の外周上のラッチ形状部との係合状態にある。したがって支持部12の回転を行うことができないようにし、球13は回転ノブ2の回転の際に、ラッチ円盤10のラッチ輪郭部11に入る。ラッチ止めを乗り越えるために、ラッチ輪郭部11の側面は、支持部12の方向にばね14の力に逆らって球13を押し付ける。これは、ラッチ止めとして回転式アクチュエータ1の操作者によって触覚的に感じることができる。
【0027】
ラッチ輪郭部5、11、17は、図1に示されるように、異なった方法で構成される。前記ラッチ輪郭部の異なる構成のため、ラッチ止めを乗り越える際にフォースカーブが変わる。および/あるいは回転ノブ2の1回転あたりのラッチ止め数は、ラッチ輪郭部の異なる構成に依存する。どのボールラッチ装置を作動するか、すなわちどの支持部をロックするかを選択することによって、回転式アクチュエータ1のラッチ動作、すなわちその触覚特性曲線を変化させることができる。所望のラッチ動作に応じて、1つ以上の支持部がロックされる。
【0028】
図2による第2実施形態では、回転軸3は玉軸受23を用いて筐体22に回転可能に取り付けられる。回転軸3は、回転軸3の軸方向に間隔をおいて配置され、かつ回転軸3と同心円状に形成された2つの円筒状ラッチ円盤24、31を備える。異なって構成されたラッチ輪郭部25、32はそれぞれ、互いに向き合うラッチ円盤24、31の端面に組み込まれる。
【0029】
ラッチ円盤24と31との間には、支持部26、33が回転軸3を中心として回転可能であるように配置される。支持部26は、回転軸3の軸方向にばね29の力に逆らって移動可能な球28を保持する。環状鋸歯のラッチ形状部27は、円盤状支持部26の外縁に配置される。支持部33は、回転軸3の軸方向にばね36の力に逆らって移動可能な球35を保持する。環状鋸歯のラッチ形状部34は、円盤状支持部33の外縁に配置される。
【0030】
ボールラッチ装置30のボールは、ラッチ形状部27に導入できる。ボールラッチ装置37のボールは、ラッチ形状部34に導入できる。ボールラッチ装置が作動される場合、すなわち、ボールがラッチ形状部に導入された場合、次にその関連支持部はロックされ、すなわち筐体22に関連した支持部の回転が阻止される。
【0031】
第1具体例の実施形態に類似して、ボールラッチ装置30、37が作動解除される際には、回転ノブ2は自由に回転できる。例えば、ボールラッチ装置30が作動される場合、ボールラッチ装置のボールは、ラッチ形状部27に係止して支持部26をロックする。今現在、回転ノブ2が回転される場合、球28は、ラッチ輪郭部25に対して動き、その過程でばね29の力に逆らって移動する。回転式アクチュエータ1の操作者は、これをラッチ動作と触覚的に感じる。ボールラッチ装置37が作動される場合、かつ球35がラッチ輪郭部32に対して動く場合、ラッチ動作は類似した方法をもたらす。ラッチ輪郭部25、32が異なって構成される場合、次に異なるラッチ動作が生じる。ボールラッチ装置30も37も両方とも作動される場合、その結果は重複ラッチ動作である。
【0032】
図3は、回転式アクチュエータ1がカップ形状の回転ノブ2を備える他の具体例の実施形態を示す。2つの支持部38、43もまたカップ形状に構成され、回転軸3を中心として回転可能であるように、互いにおよび回転ノブ2に関連して同心円状に配置される。支持部38は、玉軸受42を用いて回転ノブ2に取り付けられる。支持部43は、玉軸受47を用いて支持部38に取り付けられる。回転軸3に対して垂直に延び、回転軸3が延びる中心部を通る保持円盤49は、玉軸受48を用いて支持部43、その結果支持部38もまた保持する。
【0033】
2つのラッチ球40、45は、回転軸3と固定状態で連結される。したがってラッチ球は、回転ノブ2と同じ角速度で回転する。ラッチ球40、45は、それぞればね41、46を用いて取り付けられる。そのため回転軸3に関連して、ラッチ球は半径方向に移動可能である。球40は、支持部38のラッチ輪郭部39に係止する。球45は、支持部43のラッチ輪郭部44に係止する。ラッチ輪郭部39、44は、それぞれ支持部38、43の底面において円形凹部の円周に沿って延びている。
【0034】
ボールラッチ装置52と連携するラッチ形状部53は、支持部38の環状端部に組み込まれる。ボールラッチ装置50と連携するラッチ形状部51は、支持部43の環状端部に組み込まれる。前述の具体例の実施形態と同様に、ボールラッチ装置50、52が作動解除される際には、支持部38、43は回転軸3を中心として自由に回転可能である。回転ノブ2を回転する場合、球40、45はそれぞれ支持部38、43を引っ張って動く。
【0035】
ボールラッチ装置50あるいは52が作動される場合、ボールはそれぞれ関連したラッチ形状部51あるいは53に係止することによって、支持部43あるいは48は、それぞれロックされる。ボールラッチ装置50が作動される場合、回転ノブ2が回転され、回転式アクチュエータ1の操作者によって回転触覚フィードバックとして感じることができるラッチ動作をもたらす際、次に球45はラッチ輪郭部44に対して動く。ボールラッチ装置52が作動される場合、回転ノブ2が回転され、ラッチ輪郭部44と連携して球45によってもたらされたラッチ動作から好ましくは逸れたラッチ動作をもたらす際、次に球40はラッチ輪郭部39に対して動く。
【0036】
図4の回転式アクチュエータ1の他の実施形態は、3つのカップ形状支持部54、55、56が互いにおよび回転ノブ2に関連して同心円状に配置されるという点において、図3の回転式アクチュエータとは異なる。支持部54、55、56は、回転軸3を中心として回転可能であり、図示されていないボールラッチ装置を用いて単独にロックされることができる。回転ノブ2を回転する際、ロックされていない支持部は、関連したラッチ球によって回転される。ロックされた支持部の場合には、ラッチ球は、支持部54または55または56上、あるいは内のラッチ輪郭部に対して動き、対応するラッチ動作をもたらす。図3および図4の回転式アクチュエータ1は、特にコンパクトである。
【0037】
図5および図6は、例として、図3からのボールラッチ装置50を示す。ボールラッチ装置50は、強磁性コアに接する電磁石58、U字型コア57、永久磁石59、および磁化可能ボール60でほぼ構成される。永久磁石59は、2つの端部位置の間で移動可能にするように取り付けられ、その磁極のうちの1つが強磁性コア57の方向に永久に向くように、配置され導かれる。永久磁石はその端部位置のそれぞれにおいて、強磁性コア57の開口端の脚部のうちの1つの領域に位置する。磁力のために、磁化可能ボール60は永久磁石59の動きに追随する。図5および図6において、N極はドット方式で表わされ、S極はハッチング方式で表わされる。
【0038】
図5で示された状態では、ボールラッチ装置50は作動解除される。永久磁石59は、その第1端部位置にあり、ボール60は支持部43のラッチ形状部51との係合状態にない。
【0039】
ボールラッチ装置50が作動される場合、電磁石58は強磁性コア57の磁場を逆転させる。磁力は、図6に示されたその第2端部位置に移動させるように永久磁石59に作用する。ボール60は、永久磁石59の動きに追随し、したがって、支持部43のラッチ形状部51と係合する。支持部43は、今現在ロックされている。
【0040】
磁性ボールラッチ装置9、15、21、30、37、52は、磁性ボールラッチ装置50とほぼ同じ構造を有する。
【符号の説明】
【0041】
1 回転式アクチュエータ
2 回転ノブ
3 回転軸
4、10、16 ラッチ円盤
5、11、17 ラッチ輪郭部
6、12、18 (円盤状)支持部
7、13、19 球
8、14、20 ばね
9、15、21 磁気ボールラッチ装置
22 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(22)と、回転ノブ(2)と、当該回転ノブ(2)と固定状態で連結された回転軸(3)とを備えた可変ラッチ動作を有する回転式アクチュエータ(1)において、
当該回転軸(3)と固定状態で連結された少なくとも2つのラッチ輪郭部(5、11、17;25、32)と、
1つのラッチ輪郭部(5、11、17;25、32)につき1つの支持部(6、12、18;26、33)と、
を備え、
前記支持部(6、12、18;26、33)と関連した前記ラッチ輪郭部(5、11、17;25、32)に係止する少なくとも1つのラッチ部品(7、13、19;28、35)が配置され、前記支持部(6、12、18;26、33)が前記回転軸(3)を中心として回転可能であるように取り付けられ、
1つの前記支持部(6、12、18;26、33)につき少なくとも1つのロック装置(9、15、21;30、37)を備え、当該ロック装置(9、15、21;30、37)を用いて、前記支持部(6、12、18;26、33)が前記筐体(22)に対してロックされる、
ことを特徴とする回転式アクチュエータ(1)。
【請求項2】
筐体(22)と、回転ノブ(2)と、当該回転ノブ(2)と固定状態で連結された回転軸(3)とを備えた可変ラッチ動作を有する回転式アクチュエータ(1)において、
当該回転軸(3)と固定状態で連結された少なくとも2つのラッチ部品(40、45)と、
支持部(38、43)と関連した前記ラッチ部品(40、45)が係止するラッチ輪郭部(53、51)を支持部(38、43)に配置した、1つのラッチ部品(40、45)につき1つの支持部(38、43)と、
を備え、
前記支持部(38、43)が前記回転軸(3)を中心として回転可能であるように取り付けられ、
1つの前記支持部(38、43)につき少なくとも1つのロック装置(52、50)を備え、当該ロック装置(52、50)を用いて、前記支持部(38、43)が前記筐体(22)に対してロックされる、
ことを特徴とする回転式アクチュエータ(1)。
【請求項3】
前記ラッチ部品は、係止ばねであることを特徴とする請求項1または2記載の回転式アクチュエータ(1)。
【請求項4】
前記ラッチ部品は、ばね付きの球(7、13、19;28、35;40、45)であることを特徴とする請求項1または2記載の回転式アクチュエータ(1)。
【請求項5】
前記ロック装置は、ロッキングバーを備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の回転式アクチュエータ(1)。
【請求項6】
前記ロック装置は、少なくとも1つの磁性ボールラッチ装置(9、15、21;30、37;52、50)を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の回転式アクチュエータ(1)。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−532896(P2010−532896A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515411(P2010−515411)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005622
【国際公開番号】WO2009/007111
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(510003601)プレー ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】