説明

合成ポリイソプレンのフォリィ・カテーテル

【課題】低アレルゲンまたは非アレルゲン合成ポリイソプレンベース配合物からなる留置尿ドレナージカテーテルを提供することにある。
【解決手段】合成ポリイソプレンゴム(SPIR)を備えた留置尿ドレナージカテーテル(12、110)。SPIRカテーテルは、フォリィ(Foley)・カテーテルの引っ張り強度条件および弾性条件に適合すると同時に、敏感な患者におけるアレルギー反応の危険性を回避できる。SPIRは、促進剤として、カルバメートのみ、グアニジンのみ、グアニジンおよびカルバメートの組合せ、カルバメートおよびチアゾールの組合せ、またはグアニジン、カルバメートおよびチアゾールの組合せを使用する促進剤システムを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2008年1月4日付米国仮特許出願第61/019,213号明細書の利益を主張する。尚、該米国仮特許出願第61/019,213号の開示は本願に援用する。
【背景技術】
【0002】
本願は、留置尿ドレナージカテーテルに関し、より詳しくは、低アレルゲンまたは非アレルゲン合成ポリイソプレンベース配合物からなる留置尿ドレナージカテーテルに関する。
【0003】
バルーンカテーテルは良く知られた医療器具であり、カテーテルシャフトの近位端の医療器具に隣接して膨張可能部材が配置されており、カテーテルがひとたび患者の体内に配置されると膨張可能部材が膨張されて、遠位端を係止(アンカー)する。このようなカテーテルは、ドレナージ(排出)ルーメンおよび膨張ルーメンを形成する細長シャフトを有している。ドレナージルーメンは、カテーテルシャフトの横断面の大部分を占めかつチップ部分により遠位端が閉じられる。バルーンより遠位側の開口すなわちポートは、流体がドレナージルーメンに流入することを可能にする。ドレナージルーメンの近位端は、尿ドレナージバッグのようなドレナージ手段に流体連通して配置される。或る実施形態では、この連通は、カテーテルの近位端に配置されたドレナージファンネル(該ドレナージファンネルを通ってドレナージルーメンが開口している)を介して行われる。
【0004】
膨張ルーメンは、カテーテルシャフトの壁内に形成されており、かつバルーンの内部の位置から、カテーテルシャフトに沿っておよび開口、一般にシャフトの近位端に隣接する分枝を通って延びている。分枝の端部の膨張弁または他の開口は、流体が膨張ルーメン内に流入することを可能にする。
【0005】
フォリィ(Foley)・カテーテルのような尿カテーテルの場合、カテーテルは、患者の体内に導入され、バルーンを含むカテーテルの遠位端が膀胱内に入るまで尿道内に前進される。次に、一般に、シリンジを膨張弁に連結して膨張弁を作動させることによりバルーンを膨張させ、流体をシリンジから膨張ルーメンを通してバルーン内に排出させる。フォリィ・カテーテルは、一般に、天然ゴムラテックスまたは或る場合にはシリコーンから製造される。天然ゴムラテックスはタンパク質を含有しており、これが或る個人にアレルギー反応を引き起こすことがある。このような場合に、アレルギー反応を回避すべく、シリコーン製のフォリィ・カテーテルがときどき使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、合成ポリイソプレンラテックスと、グアニジンからなる促進剤システム(accelerator system)とを有する組成物に関する。該組成物の加熱および硬化により形成されるポリイソプレン膜は、約3,000psi−約5,000psiの引っ張り強度を有している。
【0007】
他の態様は、合成ポリイソプレンラテックスと、カルバメートからなる促進剤システムとを有する組成物に関する。該組成物の加熱および硬化により形成されるポリイソプレン膜は、約3,000psi−約5,000psiの引っ張り強度を有している。
【0008】
他の態様は、合成ポリイソプレンラテックスと、促進剤としてのグアニジンおよびカルバメートを有する促進剤システムとからなる組成物から膜を形成する段階を有する合成ポリイソプレンラテックスの硬化方法に関する。この方法は更に、前記膜を、約50℃−約140℃の温度で約30−240分間加熱する段階を有している。合成ポリイソプレンラテックス硬化膜は、約3,000psi−約5,000psiの引っ張り強度を有している。
【0009】
他の態様は、合成ポリイソプレンラテックスと、促進剤としてのカルバメートおよびチアゾールを有する促進剤システムとからなる組成物から膜を形成する段階を有する合成ポリイソプレンラテックスの硬化方法に関する。この方法は更に、前記膜を、約50℃−約140℃の温度で約30−240分間加熱する段階を有している。合成ポリイソプレンラテックス硬化膜は、約3,000psi−約5,000psiの引っ張り強度を有している。
【0010】
他の態様は、合成ポリイソプレンラテックスと、促進剤としてのカルバメート、チアゾールおよびグアニジンを有する促進剤システムとからなる組成物から膜を形成する段階を有する合成ポリイソプレンラテックスの硬化方法に関する。この方法は更に、前記膜を、約50℃−約140℃の温度で約30−240分間加熱する段階を有している。合成ポリイソプレンラテックス硬化膜は、約3,000psi−約5,000psiの引っ張り強度を有している。
【0011】
他の態様は、本明細書に開示する方法により形成される留置尿ドレナージカテーテルに関する。
【0012】
上記および他の特徴、態様および長所を、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態に関連して説明する。図示の実施形態は単なる例示であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】非膨張状態にある本発明の好ましい実施形態によるフォリィ・カテーテルを示す斜視図である。
【図2】図1のカテーテルと同様なフォリィ・カテーテルの平面図であり、カテーテルのバルーン部分が膨張状態にあるところを示すものである。
【図3】本発明の一実施形態によるバルーンカテーテルを示す側面図である。
【図4】図3の4−4線に沿う断面図である。
【図5】図3の5−5線に沿う断面図であり、明瞭化のため拡大仕上げ層は省略されている。
【図6】図5の上部に番号6で示す円で囲まれた部分の拡大図である。
【図7】本発明の好ましい実施形態によるフォリィ・カテーテルを製造する方法の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明は、本発明の或る特定実施形態に関連して述べる。この説明では、図面の全体を通して、同じ部品は同じ参照番号を用いて説明する。
【0015】
留置尿ドレナージカテーテルすなわちフォリィ・カテーテルは、一般に、一端にバルーンを備えた柔軟で薄いゴムチューブ(すなわちボディ)を有している。カテーテルは、膀胱から尿を排出させるため、尿管(尿道)を通って膀胱内に挿通される。フォリィ・カテーテルは、一般に、感染、腫れた前立腺、膀胱結石、または時として怪我により通常の排尿が妨げられるときに使用される。重病の人には、カテーテルは、尿生成の通路を維持するのに使用されることがある。
【0016】
一般的なフォリィ・カテーテルは、ドレナージルーメンおよびバルーンの膨張および収縮を行わせる膨張ルーメンを有している。バルーンは、通常、患者の膀胱内に適正に配置されるまでは収縮されている。ひとたびカテーテルが適正に配置されると、膨張ルーメンが流体を供給してバルーンを膨張させる。膨張されたバルーンは、カテーテルを所定位置に保持する。
【0017】
留置カテーテルは、主として天然ゴムラテックスから製造される。シリコーンカテーテルは、天然ゴムラテックスに含まれるタンパク質により引き起こされる酷い(例えば、タイプI)アレルギー反応を防止するのにときどき使用されている。しかしながら、シリコーンカテーテルは、コストの嵩む工具および複雑な製造方法を必要とする。また、シリコーンカテーテルは、天然ゴムラテックスと同じフィーリング、物理的特性および多様な加工可能性を有していない。例えば、シリコーンは、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンゴムと同じ弾性を有していない。また、シリコーンゴムで作られたバルーンは、収縮後にポリイソプレンのようにうまく復元せず、患者に不快感および怪我をもたらす虞れがある。更に、挿入のために必要なシリコーンカテーテルのスチフネスが、挿入後に接触組織に強い不快感を与える虞れがある。
【0018】
製造後、或るカテーテルは、人体内に挿入する場合に滑り易くするため、コーティング溶液中に浸漬される。しかしながら、慣用のコーティング材料は、しばしば、器具表面上に完全に保持されず、使用中に表面から滲み出て患者に毒を与えかつ潤滑性が低下することがある。
【0019】
合成ポリイソプレンラテックスは人工のポリマーであり、天然ゴムラテックスまたは他の任意のタンパク質(すなわちアレルゲン)を含有していない。本発明の実施形態では、合成ポリイソプレンはシリコーンのコスト有効性に優れた代替品となることができ、留置尿ドレナージカテーテルのような医療器具を形成する場合に天然ゴムラテックスに代わる低アレルギーまたは非アレルギー材料となる。種々の実施形態によれば、合成ポリイソプレンカテーテルは、天然ゴムラテックスのアレルギー反応の危険性がなく、天然ゴムラテックスのフィーリングおよび物理的特性が得られる。また、種々の実施形態では、シリコーンゴムカテーテルと比較して、収縮後のバルーンの回収性も改善されている。
【0020】
天然または合成のラテックスからエラストマー製品を製造する慣用方法は、一般に、ラテックス分散液すなわちエマルションを用意する段階と、製造すべき製品の形状をなす浸漬型をラテックス中に浸漬する段階と、浸漬型上にある間にラテックスを硬化させる段階とを有している。硬化段階では、ポリマーユニット間に、硫黄基を介して架橋または加硫が生じる。慣用の或る浸漬方法および浸漬機械は、合成ポリイソプレンカテーテルの製造に適用できる。しかしながら、天然ゴムラテックスの加工に使用される慣用の配合物配合条件および硬化条件は、留置尿ドレナージカテーテルでの使用を含む所望の或る医療用途をもつ合成ポリイソプレン製品を作るのには充分ではない。
【0021】
本発明の実施形態では、合成ポリイソプレンラテックスを硬化させて天然ゴムラテックスの強度に一致させると同時に、患者が天然ゴムラテックスのタンパク質に曝されることを防止するという目的を達成する新規な配合物および配合方法が提供される。また、本発明の実施形態では、留置尿ドレナージカテーテルのような或るエラストマー製品の所望特性が、製造方法の架橋段階および硬化段階中に有利な影響すなわち調節を受ける。これらの特性として、例えば、スチフネス、引っ張り強度および摩擦係数がある。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、合成ポリイソプレンラテックス用促進剤システムを含む促進剤システムが設けられている。促進剤システムには合成ポリイソプレンラテックスが配合されており、促進剤システムには1つ以上の促進剤を含めることができる。例えば、促進剤システムには単一の促進剤を含めることができ、単一の促進剤の例として、グアニジンおよびカルバメートがある。促進剤システムには、2つの促進剤の組合せを含めることができる。2促進剤システムの例として、グアニジンとカルバメートとの組合せまたはカルバメートとチアゾールとの組合せがある。3促進剤システムの一例として、グアニジンと、カルバメートと、チアゾールとの組合せがある。これらの促進剤システムは、3,000psi−約5,000psiの引っ張り強度をもつ合成ポリイソプレンを作るのに使用される。本発明の実施形態はまた、合成ポリイソプレンラテックスを硬化する方法を含む。
【0023】
本発明の実施形態はまた、異なる所望の機能を一緒に遂行する多層型設計を有する留置尿ドレナージカテーテルを提供する。例えば、患者の快適性を高めるべく体内への容易な挿入およびソフトタッチを可能にするため、低摩擦係数とともに充分なスチフネスを有する多層型製品を作ることができる。他の例として、製品の第1層は疎水性にして、体液の排出を容易にし、かつバクテリア成長および製品の壁により保持された体液残留物を最小にすることができる。第2層は挿入を容易にすべく製品を強(こわ)くする(stiffen)ように構成でき、および/または患者の接触組織に作用する圧力を低減させるべく、製品が体温で軟化するように構成できる。第3層には組織修復栄養剤を設けるか、および/または第3層は、製品の挿入および取出しを容易にして、製品の挿入に付随する痛みを軽減させるべく、牽引力および摩擦力を低減させる超吸収材料(super absorbent material)で形成できる。
【0024】
或る実施形態では、挿入を容易にするため、留置尿ドレナージカテーテルの1つ以上の層が、約500psiより大きい500%モジュラスを有するように構成できる。或る実施形態では、合成ポリイソプレンラテックスは、500psiまでの500%モジュラスを得るため、他の合成ポリマーまたはピグメントと配合される。例えば、合成ポリイソプレンラテックスは、所望の材料特性を達成するため、ポリウレタン(PU)、クレーおよび/またはポリマーフィラーと配合される。例えば、所与の層のPUの量を増大させると、一般に、当該層の500%モジュラスが増大される。
【0025】
内層すなわちゴム引き層の一実施形態では、合成ポリイソプレンラテックスは、0−15重量部(phr:per hundred rubber)クレーおよび0−5重量部ポリマーフィラーと配合される。内層すなわちゴム引き層の他の実施形態では、合成ポリイソプレンラテックスが0−3重量部PUと配合される。ビルドアップ層の一実施形態では、合成ポリイソプレンラテックスは、0−15重量部クレー、0−5重量部ポリマーフィラーおよび0−3重量部PUと配合される。仕上げ層の一実施形態では、合成ポリイソプレンラテックスはクレー、ポリマーフィラーまたはPUとは配合されない。他の合成ポリマーと配合されるか否かにかかわらず、配合合成ポリイソプレンラテックスは、上記促進剤システムを含んでいる。
【0026】
或る実施形態では、カテーテルの仕上げ層すなわち外層は、滑り易い超吸収材料中に浸漬され、その摩擦係数(ウェット状態)を0.1以下に低減させて、患者へのカテーテルの容易な挿入および患者からのカテーテルの容易な取出しが行えるようになっている。或る実施形態では、カテーテルは、患者の体内への挿入後数分以内に軟化し、患者の快適性を向上させかつ外傷の危険性を低減させるように構成できる。
【0027】
本発明の或る好ましい実施形態は、異なる機能をもつ層が一体結合された多層設計の留置尿ドレナージカテーテルを提供する。材料に関連して本明細書で使用される用語「互いに結合(bonded)」とは、ボンド、引力(attractions)、または材料自体の間に形成される架橋並びに各材料にボンド、引力または架橋を形成するのに使用されるバインダまたは接着剤を含む(但しこれらに限定されない)あらゆる手段により互いに接合される材料をいう。このような構成により、薬品が滲み出る危険性を低減しまたは無くすことができる。
【0028】
図1は、本発明の好ましい一実施形態によるフォリィ・カテーテルが非膨張状態にあるところを示す斜視図である。カテーテルはカテーテルボディ12を有し、該カテーテルボディ12は、近位端14および遠位端(すなわちチップ)16を備えている。またカテーテルは、バルーン18と、膨張ルーメン20と、ドレナージルーメン22とを有している。患者に導入するため、バルーン18は収縮された状態にある。バルーン18は、遠位端16の近くに配置されている。膨張ルーメン20はカテーテルボディ12内を近位端14からバルーン18まで延び、バルーン18に流体連通していて、バルーン18を膨張および収縮させる。図2には、バルーンが膨張された他のフォリィ・カテーテルが示されている。
【0029】
カテーテルのドレナージルーメン22は、近位端14から遠位端16まで延びている。遠位端16は開口26を有し、該開口26はドレナージルーメン22に流体連通していて、患者の膀胱から尿の排出を行う。
【0030】
図1に示すフォリィ・カテーテルは、合成ポリイソプレンゴム(synthetic polyisoprene rubber:SPIR)からなる。立体規則ポリイソプレンが、秩序だった方法でモノマー単位を選択的に一体結合する種々の触媒システムを用いて合成される。得られる合成ポリイソプレンゴム(SPIR)は、製品均一性、硬化速度および純度の点で、天然ラテックスゴムを超える傾向を有している。SPIRはまた、混合加工、押出加工、成形加工およびカレンダリング加工の点で優れた特性を呈する。SPIRは、フォリィ・カテーテルの特定の引っ張り強度条件および弾性条件を満たすと同時に、敏感な患者のアレルギー反応の危険を回避できるように製造される。
【0031】
フォリィ・カテーテルは、その一部または全部をSPIRで形成できる。例えば、ボディ12、膨張ルーメン20、ドレナージルーメン22、バルーン18および/またはカテーテルチップ16は、SPIRで形成できる。これらの部品は、押出成形および/または例えばインジェクション成形のような成形方法により形成できる。SPIRは、シス―1,4−ポリイソプレン、トランス―1,4ポリイソプレンで形成でき、或いは主として1,2または3,4構造にすることができる。またSPIRは、フォリィ・カテーテル用途の所望の特性を得るため、架橋処理または他の処理を行うことができる。
【0032】
ここで図3を参照すると、カテーテル110は、細長いカテーテルシャフト112を有している。バルーン114は、カテーテルシャフト112の前方チップ116に隣接して配置されている。ドレナージルーメン118がカテーテルシャフト112内を長手方向に延びかつチップ116の直前に終端している。ドレナージルーメン118は、複数の半径方向ドレナージ・アイ120を介して、チップ116の周囲の大気に連通している。
【0033】
図4は、図3の4−4線に沿うカテーテルシャフト112の断面図である。カテーテルシャフト112の幾つかの実施形態は、2つ以上の別個の層から形成されている。図3に示すカテーテルシャフト112は、3つの別個の層すなわち、最内層すなわちゴム引き層130と、中間層すなわちビルドアップ層132と、最外層すなわち仕上げ層134とで形成されている。2層実施形態の一例では、仕上げ層が省略される。ビルドアップ層132内には膨張ルーメン140が形成されており、該膨張ルーメン140の下縁部がゴム引き層130に接触している。
【0034】
図5は、図3の5−5線に沿うカテーテルシャフト112の断面図である。図5には示されていないが、バルーン114が膨張されているので仕上げ層134はビルドアップ層132から離れて拡大されており、ゴム引き層130およびビルドアップ層132のみが見える状態に残されている。図6は、図5に示す円6で囲まれた上部の拡大図であり、膨張ルーメン140および膨張アイ144を示すものである。膨張アイ144は半径方向に配置できる。膨張アイ144は、膨張ルーメン140を、ビルドアップ層132とバルーン114との間の空間に流体連通させる。
【0035】
ヤング係数で表わされるバルーンカテーテル110の種々の層130、132、134の相対スチフネスは調節できる。本発明のカテーテルは、中間層132のヤング係数より大きいヤング係数をもつゴム引き内層130を有する。中間層132および外層134の両層を備えた幾つかの実施形態では、内層130のヤング係数は、中間層132および外層134の両層のヤング係数より大きくすることができる。本明細書で使用するとき、ヤング係数とは、米国材料・試験協会(American Society for Testing and Materials: ASTM)の方法D−412−98aで定められた試料準備手順を用いた、ASTMの方法E−111−82のような標準手順にしたがって決定されるときの弾性係数をいう。本明細書で使用するとき、「ウェット」ヤング係数とは、材料を、60−85°Fの温度で脱イオン水中に4−5日間浸漬した後に測定したヤング係数をいい、「ドライ」ヤング係数とは、浸漬されていない材料のヤング係数をいう。
【0036】
幾つかの実施形態では、合成ポリイソプレンからエラストマー製品を作るのに凝着浸漬法が使用される。最初に、製品成形金型が、ラテックスを不安定化させることが知られている凝結剤溶液中に浸漬される。次に、凝着浸漬された金型が乾燥されかつ配合された合成ポリイソプレン中に浸漬される。配合された合成ポリイソプレンラテックスの一部として、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレン、ポリブタジエンエマルション、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーエマルション、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリクロロプレン、スチレン/ブタジエンコポリマー、ニトリルラテックス等の他の合成物質を首尾よく配合できる。凝着浸漬およびポリイソプレンラテックス浸漬は複数回行って、エラストマー製品(またはその層)の種々の機能を遂行するのに必要な適当な厚さを形成することができる。残留配合物成分および凝結剤を浸み出させるため、金型に凝着されたウェットゲルは水に浸される。浸出プロセス後に、金型上のウェットゲルは、例えば50−140℃の温度範囲内で、オーブン内に置くことができる。一定時間オーブン内に留まらせた後、金型が取出され、冷却される。最後に、製品が金型から剥ぎ取られる。
【0037】
一実施形態では、細長ロッドすなわち「成形品(form)」が第1液体コーティング材料中に浸漬され、コーティング材料の層を成形品上に形成する。成形品は、カテーテルのドレナージルーメン118の形状および寸法を有している。この第1コーティング層は、カテーテルの内層すなわちゴム引き層130を形成する。ひとたび第1層130が乾燥されたならば、細長ワイヤが、第1層130の外面に長手方向に取付けられる。次に、第1層130およびワイヤを備えた成形品が、第2コーティング材料中に浸漬され、中間層すなわちビルドアップ層132を形成する。適当な厚さの中間層132を形成するには第2コーティング材料中への多数回の浸漬が必要である。次に、膨張ルーメン140を第2層132の周囲の大気に連通させる膨張アイ144が、第2層132の遠位端の近くに形成される。次に、ビルドアップ層132が乾燥される。次の浸漬により仕上げ層134が形成されかつ乾燥される。
【0038】
バルーン114は多くの方法で形成でき、任意のバルーン形成方法を使用する。幾つかの好ましい実施形態では、バルーン114は、予め形成されたバルーンコンポーネントを第2層132上に取付けることにより形成される。これらの実施形態のうちの1つでは、仕上げ層134が使用されかつ予め形成されたバルーンコンポーネント上に取付けられ、これによりバルーン114の壁の一部が形成される。これらの実施形態のうちの他のものでは、仕上げ層134は全く使用されず、予め形成されたバルーンコンポーネントがバルーン114の全壁を形成する。他の実施形態では、膨張ルーメン140の膨張アイ144を包囲する領域においてビルドアップ層132と仕上げ層134とが接合されないようにするため、バルーン形成領域における第2層132の外面にマスキング材料が塗布される。この後者の実施形態では、仕上げ層134の非接着部分が膨張バルーン114となる。
【0039】
バルーン114の形成に使用される方法の如何にかかわらず、第1および第2層130、132を備えかつバルーンが形成された成形品は、次に第3コーティング溶液中に浸漬され、外層すなわち仕上げ層134を形成する。ひとたび外層134が乾燥されたならば、カテーテル110が成形品から取出される。成形品および膨張ワイヤが以前に占拠していた空間は、それぞれ、ドレナージルーメン118および膨張ルーメン140となる。次に、カテーテル112には、その遠位端116に隣接して、ドレナージルーメン118をシャフト112の前端部を包囲する大気に連通させるドレナージ・アイ120が形成される。バルーン114は、膨張媒体を、膨張ルーメン140の膨張アイ144からバルーン114内に流入させることにより膨張される。
【0040】
非膨張状態のバルーンカテーテル110を患者の体内に導入するため、スタイレットが、カテーテルのドレナージルーメンの近位端の開口(例えば、ドレナージファンネルの開口)内に挿入され、スタイレットの前端部がカテーテルの前方チップ116の内面に当接するまで前進される。次に、スタイレットを備えたカテーテル110が、尿道を通り、膀胱のネック内に前進される。カテーテル110を所定位置に引き入れる力の全てが、カテーテル110のチップ116内の1点に加えられるため、一般に、ファブリック補強キャップをカテーテルチップ116の壁内に埋入して、スタイレットにより加えられる力をカテーテルチップ116のより大きい領域に拡散させる必要がある。幾つかの実施形態では、カテーテル110の最内層130が強化されており、このため補強を行う必要なく、スタイレットにより最内層130に加えられる力に耐えることができ、したがって、埋入ファブリックの必要がなく、構造を実質的に簡単化できる。
【0041】
図7は、本発明の好ましい実施形態によるフォリィ・カテーテルの製造方法を例示して説明するブロック図である。この方法は、金型を凝結剤中に浸漬することから開始する(ブロック200)。適当な凝結剤の一例として、例えば、40グラムの硝酸カルシウム、8グラムの炭酸カルシウムおよび52グラムの水からなる溶液がある。次のブロック202では、浸漬された金型が空気乾燥される。
【0042】
ブロック204で使用する、促進剤システムを含む合成ラテックスの例示配合物を以下に説明する。ブロック204で使用する合成ラテックスを作るため、配合物が、特定温度に、特定時間加熱される。例示のクックプロファイル(cook profile)として、1−4時間100°Fに保ち、4.75時間冷却する。他の例示プロファイルとして、1時間100°Fに保つものがある。他の例示プロファイルとして、1−2時間90°Fに保つものがある。
【0043】
ブロック204では、金型は、例えば1−7分間、好ましくは2−5分間、配合されたポリイソプレンラテックス中に置かれる。ブロック200、202、204は、医療用製品すなわち層の所望のジオメトリおよび特性に基づいて、必要に応じて反復される。
【0044】
次に、ブロック206では、ゲル膜が、例えば10分間水中に浸出される。次に、金型が1以上の段階で乾燥される。例えば、金型は、ブロック208において、空気循環型オーブン内で、55℃で30分間乾燥され、次に、ブロック210において、空気循環型オーブン内で、85℃で45分間乾燥される。ブロック212では、乾燥された金型がオーブンから取出されて、冷却される。冷却後、ブロック214で、医療用製品が金型から剥ぎ取られる。
【0045】
次の例は、図7のブロック204で使用すべく配合される合成ラテックスの種々の配合物を説明する。合成ラテックスの各配合物は、促進剤システムを含んでいる。以下に列挙する促進剤システムの組成は、単なる例であって、特許請求の範囲をここで説明する実施形態に限定するものと解釈すべきではない。また、多層医療用製品の異なる層には、異なる促進剤システムを使用できる。
【0046】
例1
下記表1に列挙する配合成分を用いて合成ポリイソプレンラテックスを作り、次に評価した。成分は、重量部で示す。使用した促進剤は、0.1−2重量部、好ましくは0.2−1.0重量部の範囲内のジフェニルグアニジンのみであった。
【0047】
典型的な硬化条件は、55℃で30分間、次に85℃で45分間であった。物理的特性は、Instron5564を用いて評価され、かつASTM D−412にしたがって測定された。この方法で作られた製品は、次のような物理的特性を呈した。すなわち、引っ張り強度:3541psi、破断時の伸び:1075%、および500%モジュラス:237psiである。この例は、グアニジン促進剤のみを用いて作られた製品が、3000psiより大きい引っ張り強度を呈することを示している。
【0048】
【表1】

【0049】
例2
下記表2に列挙する配合成分を用いて合成ポリイソプレンラテックスを作り、次に評価した。ジフェニルグアニジン(DPG)促進剤とジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(sodium dibutyl dithiocarbamate:SBC)促進剤との組合せを使用した。DPGの範囲は、約0.1−2重量部、好ましくは0.2−1重量部である。SBCの範囲は、約0.01−2重量部、好ましくは0.025−1.0重量部である。典型的な硬化条件は、55℃で30分間、次に85℃で45分間であった。この方法で作られた製品は、次のような物理的特性を呈した。すなわち、引っ張り強度3356psi、破断時の伸び:983%、および500%モジュラス:337psiである。この例は、グアニジン促進剤とカルバメート促進剤を用いて作られた製品が、3000psiより大きい引っ張り強度を呈することを示している。
【0050】
【表2】

【0051】
例3
下記表3に列挙する配合成分を用いて合成ポリイソプレンラテックスを作り、次に評価した。使用した促進剤は、0.01−2重量部、好ましくは0.025−0.5重量部の範囲内のジブチルジチオカルバミン酸ナトリウムのみであった。典型的な硬化条件は、55℃で30分間、次に105℃で45分間であった。この方法で作られた製品は、次のような物理的特性を呈した。すなわち、引っ張り強度3898psi、破断時の伸び:960%、および500%モジュラス:328psiである。この例は、カルバメート促進剤のみを用いて作られた製品が、3000psiより大きい引っ張り強度を呈することを示している。
【0052】
【表3】

【0053】
例4
下記表4に列挙する配合成分を用いて合成ポリイソプレンラテックスを作り、次に評価した。使用した促進剤は、約0.1−2重量部の亜鉛メルカプトベンゾチアゾール(zinc mercaptobenzothiazole:ZMBT)および0.05−2重量部の亜鉛ジエチルジチオカルバメート(zinc diethyl dithiocarbamate:ZEC)である。ZMBTの好ましい範囲は、0.25−1.5重量部、ZECの好ましい範囲は、約0.05−1重量部である。典型的な硬化条件は、120℃で30分間であった。この方法で作られた製品は、次のような物理的特性を呈した。すなわち、引っ張り強度3266psi、破断時の伸び:1098%、および500%モジュラス:288psiである。この例は、チアゾール促進剤とカルバメート促進剤との組合せを用いて作られた製品が、3000psiより大きい引っ張り強度を呈することを示している。
【0054】
【表4】

【0055】
例5
下記表5に列挙する配合成分を用いて合成ポリイソプレンラテックスを作り、次に評価した。使用した促進剤は、約0.1−2重量部の亜鉛メルカプトベンゾチアゾール(ZMBT)、約0.05−2重量部のジフェニルグアニジン(DPG)および約0.05−2重量部のジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(sodium dibutyl dithiocarbamate:SBC)である。典型的な硬化条件は、115℃で45分間であった。この方法で作られた製品は、次のような物理的特性を呈した。すなわち、引っ張り強度3161psi、破断時の伸び:863%、および500%モジュラス:387psiである。この例は、チアゾール促進剤と、カルバメート促進剤と、グアニジン促進剤との組合せを用いて作られた製品が、3000psiより大きい引っ張り強度を呈することを示している。
【0056】
【表5】

【0057】
かくして、種々の実施形態による上記SPIRフォリィ・カテーテルは、既知のフォリィ・カテーテルに比べて多くの利益が得られる。もちろん、上記SPIRフォリィ・カテーテルの任意の特定実施形態によって必ずしも全ての上記目的および長所が達成される訳ではないことは理解されよう。したがって、例えば当業者ならば、必ずしも本明細書で教示されまたは示唆された他の目的または長所を達成することなく、本明細書で教示された1つの長所または1群の長所を達成しまたは最適化できる態様でSPIRフォリィ・カテーテルを開発できることは理解されよう。
【0058】
上記本発明の種々の態様および特徴は、別々に、一緒に組合せてまたは互いに置換して実施でき、およびこれらの特徴および態様の種々の組合せは本発明の範囲内で行うことができかつ本発明の範囲内に包含されるものであると考えることができる。したがって、本明細書で説明した本発明の範囲は、上記特定実施形態により制限されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ決定されるものである。
【符号の説明】
【0059】
110 カテーテル
112 カテーテルシャフト
114 バルーン
116 前方チップ(遠位端)
118 ドレナージルーメン
120 ドレナージ・アイ
130 最内層(ゴム引き層)
132 中間層(ビルドアップ層)
134 最外層(仕上げ層)
140 膨張ルーメン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ポリイソプレンラテックスと、グアニジンからなる促進剤システムとを有する組成物において、該組成物の加熱および硬化により形成されるポリイソプレン膜が約3,000psi−約5,000psiの引っ張り強度を有することを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記グアニジンが唯一の促進剤であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記グアニジンはジフェニルグアニジンであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記ジフェニルグアニジンの量は、約0.1重量部と2重量部との間にあることを特徴とする請求項3記載の組成物。
【請求項5】
前記ジフェニルグアニジンの量は約0.5重量部であることを特徴とする請求項3記載の組成物。
【請求項6】
合成ポリイソプレンラテックスと、カルバメートからなる促進剤システムとを有する組成物において、該組成物の加熱および硬化により形成されるポリイソプレン膜が約3,000psi−約5,000psiの引っ張り強度を有することを特徴とする組成物。
【請求項7】
前記カルバメートは、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項6記載の組成物。
【請求項8】
前記ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウムの量は、約0.01重量部と2重量部との間にあることを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項9】
前記ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウムの量は、約0.1重量部であることを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項10】
前記カルバメートが唯一の促進剤であることを特徴とする請求項6記載の組成物。
【請求項11】
合成ポリイソプレンラテックスと、促進剤としてのグアニジンおよびカルバメートを有する促進剤システムとからなる組成物から膜を形成する段階と、
前記膜を、約50℃−約140℃の温度で約30−240分間加熱する段階とを有する合成ポリイソプレンラテックスを硬化する方法において、合成ポリイソプレンラテックス硬化膜が約3,000psi−約5,000psiの引っ張り強度を有することを特徴とする合成ポリイソプレンラテックスを硬化する方法。
【請求項12】
前記グアニジンはジフェニルグアニジンであることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ジフェニルグアニジンの量は、約0.1重量部と2重量部との間にあることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記カルバメートは、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウムの量は、約0.01重量部と2重量部との間にあることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
合成ポリイソプレンラテックスと、促進剤としてのカルバメートおよびチアゾールを有する促進剤システムとからなる組成物から膜を形成する段階と、
前記膜を、約50℃−約140℃の温度で約30−240分間加熱する段階とを有する合成ポリイソプレンラテックスを硬化する方法において、合成ポリイソプレンラテックス硬化膜が約3,000psi−約5,000psiの引っ張り強度を有することを特徴とする合成ポリイソプレンラテックスを硬化する方法。
【請求項17】
前記チアゾールは亜鉛メルカプトベンゾチアゾールであることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記亜鉛メルカプトベンゾチアゾールの量は、約0.1重量部と2重量部との間にあることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記カルバメートは亜鉛ジエチルジチオカルバメートであることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記亜鉛ジエチルジチオカルバメートの量は、約0.05重量部と2重量部との間にあることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
合成ポリイソプレンラテックスと、促進剤としてのカルバメート、チアゾールおよびグアニジンを有する促進剤システムとからなる組成物から膜を形成する段階と、
前記膜を、約50℃−約140℃の温度で約30−240分間加熱する段階とを有する合成ポリイソプレンラテックスを硬化する方法において、合成ポリイソプレンラテックス硬化膜が約3,000psi−約5,000psiの引っ張り強度を有することを特徴とする合成ポリイソプレンラテックスを硬化する方法。
【請求項22】
前記チアゾールは亜鉛メルカプトベンゾチアゾールであることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記亜鉛メルカプトベンゾチアゾールの量は、約0.1重量部と2重量部との間にあることを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記カルバメートはジブチルジチオカルバミン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項25】
前記ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウムの量は、約0.05重量部と2重量部との間にあることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記グアニジンはジフェニルグアニジンであることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項27】
前記ジフェニルグアニジンの量は、約0.05重量部と2重量部との間にあることを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項28】
請求項1、6、11、16および21のいずれか1項記載の方法により形成されることを特徴とする留置尿ドレナージカテーテル。
【請求項29】
仕上げ層、ビルドアップ層および内層を更に有し、仕上げ層のヤング係数が、中間層および内層の少なくとも一方のヤング係数より小さいことを特徴とする請求項28記載のカテーテル。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−510110(P2011−510110A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541517(P2010−541517)
【出願日】平成20年12月30日(2008.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/088526
【国際公開番号】WO2009/088851
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(510014755)シー.アール.バード,インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】C.R.BARD,INC.
【住所又は居所原語表記】Bard Medical Division,8195 Industrial Blvd.,Covington,Georgia 30014 United States of America
【Fターム(参考)】