説明

合成樹脂製排水ます

【課題】排水ます本体と上流側に接続される配管および下流側に接続される配管との間で液溜まりを生じることがなく角度調整自在に配管を接続することができ、かつ、比較的大きな口径を有することができる樹脂製排水ますを提供する。
【解決手段】上向きに点検筒接続部と、上流側および下流側のそれぞれに自在管継手を備えた樹脂製排水ますであって、前記自在管継手は、部分球状内表面を有するソケット継手と前記ソケット継手の部分球状内表面に一致して回動自在に嵌合される部分球状外表面を有するスピゴット継手と、そして前記ソケット継手およびスピゴット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な環状内壁部材とを含み、前記排水ます本体の上流側および下流側には、前記スピゴット継手が一体成形されていることを特徴とする樹脂製排水ますを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製排水ますに関し、特に、排水ます本体と上流側に接続される配管および/または下流側に接続される配管との間で接続角を調整する必要性が生じた場合に、角度調整自在に配管を接続できる樹脂製排水ますに関する。
【背景技術】
【0002】
排水配管を施工する場合、埋設された配管内の点検や他の排水配管を合流させるために、その排水配管経路の途中に排水ますを設置することがある。このとき、排水ます本体とこれに接続される上流側および/または下流側配管との間で、各配管の勾配等に合わせて接続角を左右上下に調整する必要性が生じる場合がある。
【0003】
このような場合の対処方法としては、実公昭57−34391号公報、実開昭63−24484号公報、実開平1−87394号公報、実開平6−80092号公報、特開2004−332788号公報に記載されているような接続角調整可能な自在管継手を排水ます本体の流入口および/または流出口に後付けすることや、特開平4−175597号公報、特開平6−330552号公報、特開2001−21080号公報、および第852140号意匠公報、第852140号の類似の1意匠公報、第852140号の類似の2意匠公報、第1237342号意匠公報に記載されているような流入口(上流側)および/または流出口(下流側)の少なくとも一方に予め自在管継手が一体的に備え付けられた排水ますを使用することが提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの自在管継手単体および自在管継手が備え付けられた排水ますの多くは、排水ます本体とこれに接続される外部配管との間で接続角の調整を行うと、その内部で液溜まりが生じて流水を阻害してしまうものであったり、または、上流側配管と下流側配管との間の大きな勾配変化に合わせて接続角を十分に調整することができないものであった。
【0005】
さらに、上記のように、施工現場において後から自在管継手を取り付ける方法の場合は、排水ます本体に自在管継手を接着するための手間が掛かり、また、接着後は2〜3時間以上の養生が必要であるため、その間は次の配管を接続することができずに作業性を悪化させるという問題があった。また、予め自在管継手が一体的に備え付けられた排水ますを使用する方法の場合は、排水ますの価格が通常の排水ますより高価であり、また、選択できる排水ますの大きさ(口径)が、以下の理由により小径なものに制限されるという問題があった。
【0006】
従来型の自在管継手が備え付けられた樹脂製排水ますの場合は、流入口および/または流出口に自在管継手を取り付けるために、通常の排水ます本体から外方向へ長く突出した専用の流入口および/または流出口を排水ます本体上に一体成形しなければならない。このため、同じ大きさ(口径)の点検口を有する排水ますの製造を望む場合は、通常より外方向へ長く突出した専用の流入口および/または流出口の長さに相当する分だけ、より大きな金型を作製して使用しなければならなかった。
【0007】
ところが、これに対し樹脂製排水ますは、射出成形機を用いて金型に樹脂を注入することにより作製されるため、射出成形をすることが可能な排水ますの最大の大きさ(排水ます本体の最大口径)、すなわち、使用することが可能な最大の金型の大きさは、この射出成形機の能力により決定され、略一定である。
【0008】
したがって、既存の射出成形機を用いて自在管継手を備えた排水ますを製造しようとする場合は、通常の排水ますの製造に使用される金型と略同じ大きさの金型を用いて、外方向へ長く突出した専用の流入口および/または流出口の長さに相当する分だけ、排水ます本体の点検口の口径をより“小さく”した排水ますを作製しなければならなかった。一方、自在管継手を備えたより大きな排水ますを製造しようとする場合は、外方向へ長く突出した専用の流入口および/または流出口の長さに相当する分だけ、より“大きな”金型を新たに作製し、さらに、より高い能力を有する射出成形機を新たに購入するなどして使用する必要があった。
【0009】
このため、市場で手に入れることができる自在管継手が一体的に備え付けられた樹脂製排水ますは、その本体の口径が小さなものであったり、または、大きめであると非常に高価であるという問題があった。さらに、特開平6−330552号公報、特開2001−21080号公報に記載されているような流入口または流出口の一方にのみ自在管継手を一体成形することにより、排水ます本体の口径の大径化を少しだけ可能としたものも開発されているが、このような排水ますの場合は、自在管継手が備え付けられていない側の接続口において、接続される外部配管との間で接続角を左右上下に調整する必要性が生じた場合に対処することができず、このため、上流側配管と下流側配管との間に比較的大きな勾配変化を有する配管経路の途中に排水ますを設置することができないという問題があった。
【特許文献1】実公昭57−34391号公報
【特許文献2】実開昭63−24484号公報
【特許文献3】実開平1−87394号公報
【特許文献4】実開平6−80092号公報
【特許文献5】特開平4−175597号公報
【特許文献6】特開平6−330552号公報
【特許文献7】特開2001−21080号公報
【特許文献8】特開2004−332788号公報
【特許文献9】第852140号意匠公報
【特許文献10】第852140号の類似の1意匠公報
【特許文献11】第852140号の類似の2意匠公報
【特許文献12】第1237342号意匠公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、上記の課題について、特に排水ます本体と上流側に接続される配管および下流側に接続される配管との間で液溜まりを生じることがなく角度調整自在に配管を接続することができ、かつ、従来と同じ大きさの金型を用いても比較的大きな口径を有することができる樹脂製排水ますを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、上向きに点検筒接続部と、上流側および下流側のそれぞれに自在管継手を備えた樹脂製排水ますであって、前記自在管継手は、部分球状内表面を有するソケット継手と前記ソケット継手の部分球状内表面に一致して回動自在に嵌合される部分球状外表面を有するスピゴット継手と、そして前記ソケット継手およびスピゴット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な内壁部材とを含み、前記排水ます本体の上流側および下流側には、前記スピゴット継手を一体成形させた。
【0012】
この結果、請求項1に記載の発明によれば、特開2005−207548号公報、特願2004−67685号明細書に記載されているようなソケット継手およびスピゴット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な内壁部材を含む自在管継手の基本構造を基にこれを改良して使用したため、排水ます本体と上流側に接続される配管および下流側に接続される配管との間で液溜まりを生じることがなく角度調整自在に配管を接続することができるようになる。
【0013】
また、請求項1に記載の発明によれば、排水ます本体から外方向へ突出する流入口および流出口に、管長が極めて短いスピゴット継手を一体的に形成するようにしたため、従来と同じ大きさの金型を用いても比較的大きな口径を有する樹脂製排水ますを提供することができる。
【0014】
さらに、請求項1に記載の発明によれば、上流側および下流側のそれぞれに、広範囲にわたって任意方向に角度調節可能な特殊な構造を有する自在管継手を一体的に備え付けたため、上流側配管と下流側配管との間に比較的大きな勾配変化を有する配管経路の途中であっても排水ますを設置することができるようになる。
【0015】
請求項2に記載の発明では、上向きに点検筒接続部と、上流側および下流側のそれぞれに自在管継手を備えた樹脂製排水ますであって、前記自在管継手は、部分球状内表面を有するソケット継手と前記ソケット継手の部分球状内表面に一致して回動自在に嵌合される部分球状外表面を有するスピゴット継手と、そして前記ソケット継手およびスピゴット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な内壁部材とを含み、前記排水ます本体の上流側には前記スピゴット継手を一体成形させて、そして下流側には前記ソケット継手を一体成形させた。
【0016】
この結果、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様に特開2005−207548号公報、特願2004−67685号明細書に記載されているようなソケット継手およびスピゴット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な内壁部材を含む自在管継手の基本構造を基にこれを改良して使用したため、排水ます本体と上流側に接続される配管および下流側に接続される配管との間で液溜まりを生じることがなく角度調整自在に配管を接続することができるようになる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明によれば、排水ます本体から外方向へ突出する流入口には管長が極めて短いスピゴット継手を一体的に形成させ、流出口には外部配管を接続するための差口(長さ)を省略することにより管長を短くしたソケット継手を形成させたため、従来と同じ大きさの金型を用いても比較的大きな口径を有する樹脂製排水ますを作製することができ、また、下流側自在管継手の中で、環状内壁部材の噛み合わせを順フロー方向に揃えたため、よりスムーズな流水を達成できるようになる。
【0018】
さらに、請求項2に記載の発明によれば、上流側および下流側のそれぞれに、広範囲にわたって任意方向に角度調整可能な特殊な構造を有する自在管継手を一体的に備え付けたため、上流側配管と下流側配管との間に比較的大きな勾配変化を有する配管経路の途中であっても排水ますを設置することができるようになる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明の上流側に設けられた自在管継手の外部配管との接続端にはゴム輪接合方式の受口を形成させ、下流側に設けられた自在管継手の外部配管との接続端にはゴム輪接合方式に対応する差口を形成させた。
【0020】
この結果、請求項3に記載の発明によれば、施工現場において外部配管との接続作業が容易となり、また、排水ます本体に自在管継手を接着するための手間も不要であるため、非常に短時間に排水ますの設置作業を完了させることが可能となり、低コストで施工作業を行うことができるようになる。
【0021】
請求項4に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明の自在管継手の自在振り角を−15°〜+15°の範囲内で回動可能に調節できるようにした。
【0022】
この結果、請求項4に記載の発明によれば、排水ます本体とこれに接続される上流側および下流側配管との間で、それぞれの配管の勾配等に合わせて接続角を任意方向に別々に調整することが可能となり、上流側配管と下流側配管との間に比較的大きな勾配変化や屈曲部を有する配管経路の途中であっても排水ますを容易に設置することができるようになる。
【0023】
請求項5に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明の排水ます本体上に形成される上流側のスピゴット継手と下流側のスピゴット継手、または上流側のスピゴット継手と下流側のソケット継手は、それぞれの管軸が互いに一致するように配置した。
【0024】
この結果、請求項5に記載の発明によれば、勾配等をもって略直線上に配置される1本の排水配管経路の途中に本発明による排水ますを容易に設置することができ、そして、排水ますの設置によっても流水を阻害することがなくスムーズな流水を保証することができる。
【0025】
請求項6に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明の排水ます本体の上流側に、少なくとも2以上の自在管継手を備え付けた。
【0026】
この結果、請求項6に記載の発明によれば、上流側からは複数の外部排水配管を受け入れることができ、そして、これらの配管を排水ますの中で合流させた後、下流側へは1つの排水配管へ統合して排水するような機能が求められる排水ますの設置場所であっても、排水ます本体と上流側に接続される配管および下流側に接続される配管との間で液溜まりを生じることがなく、角度調整自在に配管を接続することができ、かつ比較的大きな口径を有する樹脂製排水ますを提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ソケット継手およびスピゴット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な内壁部材を含む自在管継手の基本構造を基にこれを改良して使用したため、排水ます本体と上流側に接続される配管および下流側に接続される配管との間で液溜まりを生じることがなく角度調整自在に配管を接続することができるようになる。
【0028】
また、本発明によれば、排水ます本体から外方向へ突出する流入口および流出口に、管長が極めて短いスピゴット継手等を一体的に形成するようにしたため、従来と同じ大きさの金型を用いても比較的大きな口径を有する樹脂製排水ますを提供することができる。
【0029】
さらに、本発明によれば、上流側および下流側のそれぞれに、広範囲にわたって任意方向に角度調整可能な特殊な構造を有する自在管継手を一体的に備え付けたため、上流側配管と下流側配管との間に比較的大きな勾配変化を有する配管経路の途中であっても排水ますを設置することができるようになる。
【0030】
また、さらに発明によれば、排水ます本体の上流側に設けられた自在管継手の外部配管との接続端にはゴム輪接合方式の受口を形成させ、下流側に設けられた自在管継手の外部配管との接続端にはゴム輪接合方式に対応する差口を形成させたため、施工現場において外部配管との接続作業が容易となり、また、排水ます本体に自在管継手を接着するための手間も不要であるため、非常に短時間に排水ますの設置作業を完了させることが可能となり、低コストで施工作業を行うことができるようになる。
【0031】
また、本発明によれば、排水ますのコンパクト化により、排水ます本体の上流側に、少なくとも2以上の自在管継手を備え付けることが可能となるため、上流側からは複数の外部排水配管を受け入れることができ、そして、これらの配管を排水ますの中で合流させた後、下流側へは1つの排水配管へ統合して排水するような機能が求められる排水ますの設置場所であっても、本発明による排水ますを設置することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態に係る角度調整自在に配管を接続できる樹脂製排水ますについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示される実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
【実施例1】
【0033】
図1は、本発明による実施例1の角度調整自在に配管を接続できる樹脂製排水ます1の側面図であって、排水ます本体2の上流側および下流側には、自在管継手3、4の構成部品うちスピゴット継手3a、4aが一体成形されているものが示されている。
【0034】
本発明による排水ます1は、上向きに点検筒接続部5と上流側および下流側のそれぞれにスピゴット継手3a、4aが一体成形された排水ます本体2(図4参照)と、これと回転自在に嵌合されるソケット継手3b、4bと、そして前記一対のスピゴット継手およびソケット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な環状内壁部材3c、4cとを含む。
【0035】
本発明による排水ます1は、塩化ビニールまたはポリプロピレンなどの一般的な樹脂材料から作ることができ、排水ます本体2、および上流側と下流側に取り付けられるソケット継手3b、4b、回動可能な環状内壁部材3c、4cなどの部品のそれぞれは、射出成形法またはコールドパリソン法によるブロー成形などにより成形される。
【0036】
図2には、図1に示された本発明による樹脂製排水ます1を、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図が示されている。また、図3には、図2に示された本発明による樹脂製排水ます1の上流側および下流側の自在管継手3、4を、それらに接続される配管の勾配に合わせて屈曲させた場合の中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図が示されている。
【0037】
図2、3に示されるとおり、本発明による樹脂製排水ます1は、排水ます本体2上に形成される上流側および下流側のスピゴット継手3a、4aが、それぞれの管軸aが互いに一致するように配置されているため、勾配等をもって略直線上に配置される1本の排水配管経路の途中に容易に設置することができ、そして、排水ますの設置によっても流水を阻害することがなくスムーズな流水を保証することができる。
【0038】
また、排水ます1に取り付けられた上流側自在管継手3の外部配管との接続端、すなわち、ソケット継手3bの接続端近傍には、溝部30を内周面に設けて、この溝部30にO−リング(図示せず)またはリップル31が嵌め込まれたゴム輪接合方式の受口3dが一体成形されている。一方、下流側自在管継手4の外部配管との接続端、すなわち、ソケット継手4bの接続端近傍には、外径が略一様な一定の長さを有するゴム輪接合方式に対応する差口4dが一体成形されている。
【0039】
このため、本発明による排水ます1によれば、施工現場において外部配管との接続作業が容易となり、また、排水ます本体2に自在管継手を接着するための手間も不要であるため、非常に短時間に排水ますの設置作業を完了させることが可能となり、低コストで施工作業を行うことができるようになる。
【0040】
図5には、図3で示された本発明による樹脂製排水ます1のうち、下流側に設けられた自在管継手4近傍を部分拡大し、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図が示されており、ここでは図示しないが、その基本的構造は上流側に設けられた自在管継手3と同じ構造である。
【0041】
また、本発明による排水ます1の一部を構成する上流側および下流側に設けられた自在管継手3、4の基本的な構造は、特開2005−207548号公報および特願2004−67685号明細書の中で詳細に述べられており、ここでは両出願に係る発明を参照として取り入れる。
【0042】
図5を参照しながら、本発明による排水ます1に使用される自在管継手3、4の概略について説明する(なお、以下、カッコ内に示された符合は、上流側に設けられた自在管継手3の場合に対応する構成要素の符合を示す。)と、自在管継手(3)、4は、部分球状内表面(33b)、43bを有するソケット継手(3b)、4bと前記ソケット継手の部分球状内表面に一致して回動自在に嵌合される部分球状外表面(33a)、43aを有するスピゴット継手(3a)、4aと、そして前記ソケット継手およびスピゴット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な環状内壁部材(3c)、4cとを含み、下流側に設けられたスピゴット継手4a(および上流側に設けられたスピゴット継手3a)は排水ます本体2と一体となって成形されている。
【0043】
この場合、排水ます本体2から外方向へ突出して一体成形されるスピゴット継手(3a)、4aは、図5に示されるように、スピゴット継手の部分球状外表面(33a)、43aをスピゴット継手本体(34a)、44aとスピゴットリング(35a)、45aに分割するように、それぞれ別部品として構成されていることが好ましい。
【0044】
なぜなら、スピゴット継手(3a)、4aの突出長d(図4参照)さは、それ自体でも従来の排水ますに設けられた流入口および流出口の管長に比べて十分に短いが、スピゴット継手(3a)、4aをさらに分割することにより、あとで組み付けられる分割されたスピゴットリング(35a)、45aの長さに相当する分だけ、より口径の大きな排水ますを一体成形することができるようになるからである。
【0045】
また、スピゴット継手の部分外表面(33a)、43a上には、ソケット継手の部分内表面(33b)、43bとの嵌合を液密にするためのO−リング(36)、46、およびこれを嵌め込んで固定するための溝部(37),47が周方向に設けられている。
【0046】
また、スピゴット継手およびソケット継手の内部に配置される環状内壁部材(3c)、4cは、スピゴット継手の基部から突出した支持部材(32a)、42aおよびソケット継手の基部から突出した支持部材(32b)、42bとの間で齟齬状となって支持されている。
【0047】
このため、スピゴット継手(3a)、4aおよびソケット継手(3b)、4bは、自在管継手を液密に接続し、かつ円滑に方向自在に屈曲部を形成するためのガイド部材として機能し、一方、環状内壁部材(3c)、4cおよび支持部材(32a、32b)、42a、42bは、自在管継手内部に生じる凹部や段差を解消するための流水の円滑化部材として機能する。
【0048】
すなわち、本発明による樹脂製排水ます1によれば、スピゴット継手(3a)、4aおよびソケット継手(3b)、4bの内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な環状内壁部材(3c)、4cを含む自在管継手(3)、4を排水ます本体2の上流側および下流側に一体的に設けたため、上流側に接続される配管および下流側に接続される配管との間で液溜まりを生じることがなく角度調整自在に配管を接続することができるようになる。
【0049】
また、本発明で使用される自在管継手(3)、4の自在振り角は、−15°〜+15°までの広範囲にわたり回動可能に調節できる。このため、排水ます本体2とこれに接続される上流側および下流側配管との間で、それぞれの配管の勾配等に合わせて接続角を任意方向に別々に調整することが可能となり、上流側配管と下流側配管との間に比較的大きな勾配変化や屈曲部を有する配管経路の途中であっても本発明による排水ます1を容易に設置することができるようになる(図6、7参照)。
【0050】
図4には、上流側および下流側にスピゴット継手3a、4aが一体成形されている本発明による排水ます本体2を、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図が示されている。
【0051】
本発明によれば、上述されたように、排水ます本体2から外方向へ突出して一体成形されるスピゴット継手3a、4aの突出長さdは、従来の排水ますに設けられた流入口および流出口の管長に比べて極めて短く形成されている。このため、本発明による排水ます1は、通常の射出成形機を用いて通常の大きさの金型これに適用した場合であっても、排水ます本体2から外方向へ突出した流入口および流出口の管長が短縮された分、比較的大きな口径を有する樹脂製排水ますを一体成形することができるようになる。
【0052】
また、本発明によれば、排水ます本体2上に一体成形されるスピゴット継手3a、4aの突出長さdが極めて短いため、排水ます施工後においても、スピゴット継手3a、4aに道路上の車両などからの荷重が掛かることを容易に回避できるようになり、排水ます1に備え付けられた自在管継手3、4を不慮の破損から保護できる。
【0053】
例えば、図6には、上流側および下流側に接続される配管がある勾配を有している場合の本発明による排水ます1を接続した場合の施工例が示されており、図7には、上流側に接続される配管がある屈曲角を有しており、かつ下流側に接続される配管がある勾配を有している場合の本発明による排水ます1を接続した場合の施工例が示されている。
【0054】
通常、排水ます1の施工に際しては、図6、7に示されるとおり、排水ます本体2の点検筒接続部5から地表に向かって点検筒6を立ち上げ、この点検筒6の上方に位置する地表付近には、道路上の車両などからの荷重が点検筒6および排水ます本体2に直接掛からないようにするために保護筐受座7に支承される保護筐8が設けられる。
【0055】
この保護筐受座7は、地上から保護筐8を介して掛かる荷重を地中に分散しながら定位置に留まる基礎のような役割を果たすものであるが、本発明による排水ます1のスピゴット継手3a、4aの突出長dさは極めて短いために、この保護筐受座7の真下に位置することができ、その結果、スピゴット継手3a、4aを含む自在管継手3、4には、地上からの予測されない荷重が掛かることを回避することができる。
【実施例2】
【0056】
図8は、本発明による実施例2の角度調整自在に配管を接続できる樹脂製排水ます1の側面図であって、排水ます本体2の上流側には自在管継手のスピゴット継手3aが一体成形されており、下流側には自在管継手4のソケット継手4bが一体成形されているものが示されている。すなわち、本発明による実施例2の樹脂製排水ます1は、下流側に配置される自在管継手4のスピゴット継手4aおよびソケット継手4bの配列を入出口で逆向きに配列したこと以外は、実施例1で説明された樹脂製排水ますと同じ構造を有するものであって、下流側自在管継手4の内部に配置される環状内壁部材4cと支持部材41a、41bとの噛み合わせを重視(図13参照)して、よりスムーズな流水を達成できるようにしたものである。
【0057】
本発明による排水ます1は、上向きに点検筒接続部5と上流側にスピゴット継手3a、下流側にソケット継手4bが一体成形された排水ます本体2(図12参照)と、これと回転自在に嵌合されるソケット継手3bおよびスピゴット継手4aと、そして前記一対のスピゴット継手およびソケット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な環状内壁部材3c、4cとを含む。
【0058】
本発明による排水ます1は、実施例1の排水ますと同様に塩化ビニールまたはポリプロピレンなどの一般的な樹脂材料から作ることができ、排水ます本体2、上流側に取り付けられるソケット継手3bと下流側に取り付けられるスピゴット継手4a、回動可能な環状内壁部材3c、4cなどの部品のそれぞれは、射出成形法またはコールドパリソン法によるブロー成形などにより成形される。
【0059】
図9には、図8に示された本発明による樹脂製排水ます1を、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図が示されている。また、図10には、図9に示された本発明による樹脂製排水ます1の上流側および下流側の自在管継手3、4を、それらに接続される配管の勾配に合わせて屈曲させた場合の中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図が示されている。
【0060】
図9、10に示されるとおり、本発明による樹脂製排水ます1は、排水ます本体2上に形成される上流側スピゴット継手3aおよび下流側ソケット継手4bが、それぞれの管軸aが互いに一致するように配置されているため、勾配等をもって略直線上に配置される1本の排水配管経路の途中に容易に設置することができ、そして、排水ますの設置によっても流水を阻害することがなくスムーズな流水を保証することができる。
【0061】
また、排水ます1に取り付けられた上流側自在管継手3の外部配管との接続端、すなわち、ソケット継手3bの接続端近傍には、溝部30を内周面に設けて、この溝部30にO−リング(図示せず)またはリップル31が嵌め込まれたゴム輪接合方式の受口3dが一体成形されている。一方、下流側自在管継手4の外部配管との接続端、すなわち、スピゴット継手4aの接続端近傍には、外径が略一様な一定の長さを有するゴム輪接合方式に対応する差口4dが一体成形されている。
【0062】
このため、本発明による排水ます1によれば、施工現場において外部配管との接続作業が容易となり、また、排水ます本体2に自在管継手を接着するための手間も不要であるため、非常に短時間に排水ますの設置作業を完了させることが可能となり、低コストで施工作業を行うことができるようになる。
【0063】
また、本発明によれば、排水ます本体2から外方向へ突出する流入口には管長が極めて短いスピゴット継手3aを一体的に形成させ、流出口には外部配管を接続するための差口(長さ)を省略することにより管長を短くしたソケット継手4bを形成させたため、従来と同じ大きさの金型を用いても比較的大きな口径を有する樹脂製排水ますを作製することができ、また、下流側自在管継手の中で、環状内壁部材の噛み合わせを順フロー方向に揃えたため、よりスムーズな流水を達成できるようになる。なお、後者の効果に関しては、実施例1の排水ます本体2の下流側自在管継手4においても、図11に示すように、環状内壁部材4cの噛み合わせを順フロー方向に揃えることで、同様の効果を得ることができる。
【0064】
図13には、図10で示された本発明による樹脂製排水ます1のうち、下流側に設けられた自在管継手4近傍を部分拡大し、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図が示されており、ここでは図示しないが、その基本的構造は上流側に設けられた自在管継手3と同じ構造である。
【0065】
図13を参照しながら、本発明による排水ます1に使用される自在管継手3、4の概略について説明する(なお、以下、カッコ内に示された符合は、上流側に設けられた自在管継手3の場合に対応する構成要素の符合を示す。)と、自在管継手(3)、4は、部分球状内表面(33b)、43bを有するソケット継手(3b)、4bと前記ソケット継手の部分球状内表面に一致して回動自在に嵌合される部分球状外表面(33a)、43aを有するスピゴット継手(3a)、4aと、そして前記一対のソケット継手およびスピゴット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な環状内壁部材(3c)、4cとを含み、下流側に設けられたソケット継手4b(および上流側に設けられたスピゴット継手3a)は排水ます本体2と一体となって成形されている。
【0066】
この場合、排水ます本体2から外方向へ突出して下流側に一体成形されるソケット継手4bは、外部配管を接続するための差口に相当する長さを省略することができ、また、上流側に一体成形されるスピゴット継手3aは、実施例1のスピゴット継手と同様に、スピゴット継手の部分球状外表面33aをスピゴット継手本体34aとスピゴットリング35aに分割して、それぞれを別部品として構成することができる(図5参照)。
【0067】
この結果、ソケット継手4bおよびスピゴット継手3aの突出長さd、d(図12参照)は、いずれもそれ自体で従来の排水ますに設けられた流入口および流出口の管長に比べて十分に短いが、さらに下流側ソケット継手4bの差口に相当する長さを省略し、上流側スピゴット継手3aを分割することにより、省略および分割された長さに相当する分だけ、より口径の大きな排水ますを一体成形することができるようになる。
【0068】
また、ソケット継手4bと回転自在に嵌合されるスピゴット継手4aの部分外表面(33a)、43a上には、ソケット継手の部分内表面(33b)、43bとの嵌合を液密にするためのO−リング(36)、46、およびこれを嵌め込んで固定するための溝部(37),47が周方向に設けられている。
【0069】
また、スピゴット継手およびソケット継手の内部に配置される環状内壁部材(3c)、4cは、スピゴット継手の基部から突出した支持部材(32a)、42aおよびソケット継手の基部から突出した支持部材(32b)、42bとの間で、流水に対して小さな接続段差を降りていくように齟齬状となって支持されている。
【0070】
このため、スピゴット継手(3a)、4aおよびソケット継手(3b)、4bは、自在管継手を液密に接続し、かつ円滑に方向自在に屈曲部を形成するためのガイド部材として機能し、一方、環状内壁部材(3c)、4cおよび支持部材(32a、32b)、42a、42bは、自在管継手内部に生じる凹部や段差を解消するための流水の円滑化部材として機能する。
【0071】
すなわち、本発明による樹脂製排水ます1によれば、スピゴット継手(3a)、4aおよびソケット継手(3b)、4bの内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な環状内壁部材(3c)、4cを含む自在管継手(3)、4を排水ます本体2の上流側および下流側に一体的に設けたため、上流側に接続される配管および下流側に接続される配管との間で液溜まりを生じることがなく角度調整自在に配管を接続することができるようになる。
【0072】
また、本発明で使用される自在管継手(3)、4の自在振り角は、−15°〜+15°までの広範囲にわたり回動可能に調節できる。このため、排水ます本体2とこれに接続される上流側および下流側配管との間で、それぞれの配管の勾配等に合わせて接続角を任意方向に別々に調整することが可能となり、上流側配管と下流側配管との間に比較的大きな勾配変化や屈曲部を有する配管経路の途中であっても本発明による排水ます1を容易に設置することができるようになる。
【0073】
図12には、上流側にスピゴット継手3aが一体成形され、下流側にソケット継手4bが一体成形されている本発明による排水ます本体2を、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図が示されている。
【0074】
本発明によれば、上述されたように、排水ます本体2から外方向へ突出して一体成形される上流側スピゴット継手3aおよび下流側ソケット継手4bの突出長さd、dは、従来の排水ますに設けられた流入口および流出口の管長に比べて極めて短く形成されている。このため、本発明による排水ます1は、通常の射出成形機を用いて通常の大きさの金型これに適用した場合であっても、排水ます本体2から外方向へ突出した流入口および流出口の管長が短縮された分、比較的大きな口径を有する樹脂製排水ますを一体成形することができるようになる。
【0075】
また、本発明によれば、排水ます本体2上に一体成形されるスピゴット継手3aおよびソケット継手4bの突出長さd、dが極めて短いため、実施例1の中で述べられたように、排水ます施工後においても、スピゴット継手3aおよびソケット継手4bに道路上の車両などからの荷重が掛かることを容易に回避できるようになり、排水ます1に備え付けられた自在管継手3、4を不慮の破損から保護できる。
【実施例3】
【0076】
図14には、上流側に2つの自在管継手3、3’が備え付けられ、下流側には1つの自在管継手4が備え付けられた本発明による実施例3の樹脂製排水ます1の平面図が示され、図15には、図14に示された樹脂製排水ます1の側面図が示されている。
【0077】
本発明による排水ます1は、上向きに点検筒接続部5と上流側に2つのスピゴット継手3a、3a’と下流側に1つスピゴット継手4aが一体成形された排水ます本体2と、これと回転自在に嵌合されるソケット継手3b、3b’、4bと、そして前記一対のスピゴット継手およびソケット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な環状内壁部材3c、3c’、4c(図示せず)とを含む。
【0078】
上流側に設けられた2つの自在管継手3、3’および下流側に設けられた1つの自在管継手4の配置は、排水ます1内でのスムーズな流水を考慮して適宜決定されるが、一般的には、一対の上流側スピゴット継手3aおよび下流側スピゴット継手4aは、それぞれの管軸が互いに一致するように配置されていることが好ましい。
【0079】
また、排水ます本体2上に取り付けスペース上の問題さえなければ、上流側に2以上の自在管継手(流入口)を設けることもでき、さらに、よりスムーズな流水を重視する場合は、排水ます本体2上に一体成形される下流側スピゴット継手4aを実施例2に示したようなソケット継手に置き換えて一体成形してもよい。
【0080】
また、本発明による排水ます1は、実施例1、2の排水ますと同様に塩化ビニールまたはポリプロピレンなどの一般的な樹脂材料から作ることができ、排水ます本体2、上流側に取り付けられるソケット継手3b、3b’と下流側に取り付けられるソケット継手4b、回動可能な環状内壁部材3c、3c’、4cなどの部品のそれぞれは、射出成形法またはコールドパリソン法によるブロー成形などにより成形される。
【0081】
なお、本発明による排水ます1に使用される上流側および下流側に設けられた自在管継手3、3’、4の基本的な構造は、実施例1、2で述べられた自在管継手の構造と同じである。
【0082】
この結果、本発明によれば、上流側からは複数の外部排水配管を受け入れることができ、そして、これらの配管を排水ます1の中で合流させた後、下流側へは1つの排水配管へ統合して排水するような機能が求められる排水ますの設置場所であっても、排水ます本体2と上流側に接続される配管および下流側に接続される配管との間で液溜まりを生じることがなく、角度調整自在に配管を接続することができ、かつ比較的大きな口径を有する樹脂製排水ますを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】排水ます本体の上流側および下流側には自在管継手の構成部品うちスピゴット継手が一体成形されている、本発明による実施例1の樹脂製排水ますの側面図である。
【図2】図2は、図1で示された本発明による樹脂製排水ますを、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図である。
【図3】図3は、図2で示された本発明による樹脂製排水ますの上流側および下流側自在管継手を、それらに接続される配管の勾配に合わせて屈曲させた場合の中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図である。
【図4】図4は、図1、2で示された本発明による樹脂製排水ますの本体を、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図である。
【図5】図5は、図3に示された本発明による樹脂製排水ますのうち、下流側に設けられた自在管継手近傍を部分拡大し、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図である。
【図6】図6は、上流側および下流側に接続される配管がある勾配を有している場合の図1、2に示された本発明による排水ますを接続した場合の施工例を示した側面図である。
【図7】図7は、上流側に接続される配管がある屈曲角を有しており、かつ下流側に接続される配管がある勾配を有している場合の図1、2に示された本発明による排水ますを接続した場合の施工例を示した側面図である。
【図8】排水ます本体の上流側には自在管継手のスピゴット継手が一体成形されており、下流側には自在管継手のソケット継手が一体成形されている、本発明による実施例2の樹脂製排水ますの側面図である。
【図9】図9は、図8で示された本発明による樹脂製排水ますを、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図である。
【図10】図10は、図9で示された本発明による樹脂製排水ますの上流側および下流側自在管継手を、それらに接続される配管の勾配に合わせて屈曲させた場合の中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図である。
【図11】図11は、実施例1の樹脂製排水ますにおける下流側自在管継手の中で環状内壁部材の噛み合わせを順フロー方向に揃えた場合を示す断面図である。
【図12】図12は、図8、9で示された本発明による樹脂製排水ますの本体を、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図である。
【図13】図13は、図10に示された本発明による樹脂製排水ますのうち、下流側に設けられた自在管継手近傍を部分拡大し、その中心軸を含む平面で鉛直方向に切り取った断面図である。
【図14】図14は、上流側に2つの自在管継手が備え付けられ、下流側には1つの自在管継手4が備え付けられた本発明による実施例3の樹脂製排水ますの平面図である。
【図15】図15は、図14で示された樹脂製排水ますの側面図である。
【符号の説明】
【0084】
1 樹脂製排水ます
2 排水ます本体
3、3’ 上流側自在管継手
4 下流側自在管継手
3a、3a’、4a スピゴット継手
3b、3b’、4b ソケット継手
3c、3c’、4c 環状内壁部材
5 点検筒接続部
6 点検筒
7 保護筐受座
8 保護筐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上向きに点検筒接続部と、上流側および下流側のそれぞれに自在管継手を備えた樹脂製排水ますであって、
前記自在管継手は、部分球状内表面を有するソケット継手と前記ソケット継手の部分球状内表面に一致して回動自在に嵌合される部分球状外表面を有するスピゴット継手と、そして前記ソケット継手およびスピゴット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な環状内壁部材とを含み、
前記排水ます本体の上流側および下流側には、前記スピゴット継手が一体成形されていることを特徴とする樹脂製排水ます。
【請求項2】
上向きに点検筒接続部と、上流側および下流側のそれぞれに自在管継手を備えた樹脂製排水ますであって、
前記自在管継手は、部分球状内表面を有するソケット継手と前記ソケット継手の部分球状内表面に一致して回動自在に嵌合される部分球状外表面を有するスピゴット継手と、そして前記ソケット継手およびスピゴット継手の内側で追従し、かつ内断面を略一定に保つように回動可能な内壁部材とを含み、
前記排水ます本体の上流側には前記スピゴット継手が一体成形され、そして下流側には前記ソケット継手が一体成形されていることを特徴とする樹脂製排水ます。
【請求項3】
前記上流側に設けられた自在管継手の外部配管との接続端にはゴム輪接合方式の受口が形成されており、前記下流側に設けられた自在管継手の外部配管との接続端にはゴム輪接合方式に対応する差口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製排水ます。
【請求項4】
前記自在管継手の自在振り角が、−15°〜+15°の範囲内で回動可能な請求項1又は2に記載の樹脂製排水ます。
【請求項5】
前記排水ます本体上に形成される上流側のスピゴット継手と下流側のスピゴット継手、または上流側のスピゴット継手と下流側のソケット継手は、それぞれの管軸が互いに一致するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製排水ます。
【請求項6】
前記排水ます本体の上流側には、少なくとも2以上の自在管継手が備え付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製排水ます。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−70890(P2007−70890A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259016(P2005−259016)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】