説明

含フッ素共重合体とその製造方法および塗料組成物

【課題】貯蔵安定性や顔料分散性に優れた含フッ素共重合体およびこれを用いた塗料組成物を提供する。
【解決手段】クロロトリフルオロエチレン(a1)と、クロロトリフルオロエチレン(a1)と共重合可能な他の単量体(a2)とからなる単量体組成物を重合させて、他の単量体(a2)に含まれるCF=CClHに基づく単位が全単位に対して0.04モル%以下である含フッ素共重合体を得ることを特徴とする含フッ素共重合体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素共重合体とその製造方法および含フッ素共重合体を用いた塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
含フッ素共重合体をバインダー成分とした塗料組成物は、従来の炭化水素系共重合体を用いた塗料組成物に比べて卓越した耐候性能を発揮するため、ライフサイクルアセスメントを背景とした環境適応性の要請からその需要が増大している。
該塗料組成物用の含フッ素重合体としては、クロロトリフルロオエチレンの重合単位を含む重合体が広く用いられている。
クロロトリフルオロエチレンを含フッ素単量体としてビニルエーテル類やビニルエステル類と共重合した含フッ素共重合体(たとえば特許文献1)は、共重合構造に起因して高い顔料分散性と耐候性が得られるため、これを用いた塗料組成物には、使いやすさの面から、特に高い需要が存在している。
【特許文献1】特開昭58−136662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、クロロトリフルオロエチレンの重合単位を含む含フッ素共重合体やこれを用いた塗料組成物は、貯蔵中に増粘してしまい、塗装作業性に影響を与えることがあった。また、顔料分散性が充分ではなく、光沢度等の塗膜性能を低下させてしまうことがあった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、貯蔵安定性や顔料分散性に優れた含フッ素共重合体とその製造方法およびこれを用いた塗料組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の課題を達成するために、鋭意検討した結果、CF=CClHの重合した単位が重合体の貯蔵安定性や顔料分散性に影響を与えていることを見いだした。すなわち、本発明要旨は以下のとおりである。
【0005】
[1]クロロトリフルオロエチレン(a1)と、クロロトリフルオロエチレン(a1)と共重合可能な他の単量体(a2)とからなる単量体組成物を重合させて、他の単量体(a2)に含まれるCF=CClHに基づく単位が全単位に対して0.04モル%以下である含フッ素共重合体を得ることを特徴とする含フッ素共重合体の製造方法。
[2]他の単量体(a2)に含まれるCF=CClHが、CFCClを含むCFCl−CFClに、金属亜鉛の存在下にプロトン供与体を作用させて脱塩素化反応によって得たクロロトリフルオロエチレン中に含まれるCF=CClHであり、該脱塩素化反応によって得たクロロトリフルオロエチレンとCF=CClHを重合に用いる[1]に記載の製造方法。
[3]CF=CClH以外の他の単量体(a2)が、ビニルエーテル、ビニルエステル、プロペニルエーテル、プロペニルエステルおよびアクリル酸エステルからなる群より選ばれる1種以上の単量体からなる[1]または[2]に記載の製造方法。
[4][1]〜[3]のいずれかの製造方法で得られる塗料用の含フッ素共重合体。
[5]クロロトリフルオロエチレンに基づく単位(b1)と、他の単位(b2)からなる共重合体であり、かつ、共重合体中のCF=CClHに基づく単位が、全単位に対して0.04モル%以下であることを特徴とする含フッ素共重合体。
[6]CF=CClHに基づく単位以外の他の単位(b2)が、ビニルエーテル、ビニルエステル、プロペニルエーテル、プロペニルエステルおよびアクリル酸エステルからなる群より選ばれる1種以上の単量体に基づく単位からなる[5]に記載の含フッ素共重合体。
[7]含フッ素共重合体が、塗料用の含フッ素共重合体である[5]または[6]に記載の含フッ素共重合体。
[8][4]〜[6]のいずれかに記載の含フッ素共重合体と、媒体および/または塗料用添加剤を含む塗料組成物。
[9]塗料用添加剤として、顔料および硬化剤から選ばれる少なくとも1種を含む[8]に記載の塗料組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明の含フッ素共重合体、及び本発明の含フッ素共重合体の製造方法によって得られる含フッ素共重合体は、貯蔵安定性および顔料分散性に優れている。また、本発明の塗料組成物は、貯蔵安定性および顔料分散性が高く、塗装作業性および塗膜性能が優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
[含フッ素共重合体]
本発明の含フッ素共重合体は、クロロトリフルオロエチレン(a1)と、クロロトリフルオロエチレンと共重合可能な他の単量体(a2)の1種以上を重合させてなる共重合体である。すなわち、クロロトリフルオロエチレン(a1)に基づく単位(b1)と、クロロトリフルオロエチレンと共重合可能な他の単量体(a2)に基づく重合単位等の他の単位(b2)からなる共重合体である。
なお、本明細書における単位とは、重合性モノマー(単量体)の重合した重合単位と該重合単位を化学変換してなる繰り返し単位の両方を意味する。
【0008】
<クロロトリフルロオエチレン(a1)>
本発明で使用するクロロトリフルロエチレン(a1)(以下、クロロトリフルオロエチレンをCTFEと記す。)の入手方法は特に限定されず、下記反応式(1)の製造方法により製造されたものを用いるのが好ましい。
CFCl−CFCl +Zn→ CF=CFCl + ZnCl (1)
すなわち、CFCl−CFCl(以下R−113と記す。)を、金属亜鉛の存在下にプロトン供与体を作用させて脱塩素化反応によって得る方法により製造するのが好ましい。プロトン供与体としてはメタノールが好ましい。金属亜鉛量は、R−113に対して1.2〜1.6倍モルを用いるのが好ましい。
【0009】
<他の単量体(a2)>
他の単量体(a2)は、CTFEと共重合可能な他の単量体である
本発明における単量体(a2)は、CF=CClHを含んでいても、含んでいなくてもよい。CF=CClHを含まないとは、ガスクロマトグラフ法(以下、GC法という。)で分析した場合のCF=CClH量が検出限界以下であることをいう。単量体(a2)はCF=CClHを含み、かつ、CF=CClH以外の単量体の1種または2種以上を含むのが好ましい。
CF=CClH以外の他の単量体(a2)は、ビニルエーテル、ビニルエステル、プロペニルエーテル、プロペニルエステルおよびアクリル酸エステルからなる群より選ばれる1種以上の単量体、からなることが好ましい。単量体(a2)は、該選ばれる単量体を1種または2種以上含み、かつCF=CClHを含む単量体組成物からなるのが好ましい。
【0010】
単量体(a2)におけるビニルエーテル類としては、CH=CHORで表される化合物が好ましい。ただし、Rは、炭素原子数2〜8の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を示し、アルキル鎖上に水酸基、カルボキシ基、アミノ基、グリシジル基等の官能基を持つものも含まれる。
ビニルエーテル類の具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、(パーフルオロアルキル)ビニルエーテル、オクダデカンビニルエーテル、(2−ヒドロキシエチル)ビニルエーテル、(3−ヒドロキシプロピル)ビニルエーテル、(4−ヒドロキシブチル)ビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテルが挙げられる。
【0011】
単量体(a2)におけるビニルエステル類としては、CH=CHOORで表される化合物が好ましい。ただし、Rは、炭素数1〜9のアルキル基を示し、アルキル鎖上に水酸基、カルボキシ基、アミノ基、グリシジル基等の官能基を持つものも含まれる。
ビニルエステル類の具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、オクタン酸ビニル、ベオバ9およびベオバ10(シェル化学社製、炭素数9または10の分岐脂肪酸のビニルエステルの商品名)、バーサテック酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル類、ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシイソ酪酸ビニル、ヒドロキシプロピオン酸ビニル、ヒドロキシ酪酸ビニル、ヒドロキシ吉草酸ビニル、ヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸ビニルなどのヒドロキシアルキルカルボン酸とビニルアルコールとのエステル類が挙げられる。
【0012】
単量体(a2)におけるプロペニルエーテル類としては、CH=C(CH)OR、CHCH=CHOR、CH=CHCHORで表される化合物が好ましい。ただし、Rは炭素数1〜2のアルキル基である。
プロペニルエーテル類の具体例としては、メチルイソプロペニルエーテル、メチルアリルエーテルが挙げられる。
【0013】
単量体(a2)におけるプロペニルエステル類としては、CH=C(CH)OCOR、CHCH=CHOCOCR、またはCH=CHCHOCOCRで表される化合物が好ましい。ただし、Rは、直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基であって、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、グリシジル基等の官能基を持つものも含まれる。
プロペニルエステル類の具体例としては、脂肪酸イソプロペニルエステル類が挙げられる。
【0014】
単量体(a2)におけるアクリル酸エステル類としては、CH=CRCOORで表される化合物である。ただし、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜18のアルキル基であって、水酸基、カルボキシ基、アミン等の官能基を持つものも含まれる。
アクリル酸エステル類の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル酸アミド類、アクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1などのシアノ基含有モノマー類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0015】
これらのうち、CF=CClH以外の他の単量体(a2)としては、CTFEとの共重合性がよい理由から、ビニルエーテル類とビニルエステル類が好適に使用される。CF=CClH以外の他の単量体(a2)は、重合安定性、塗料組成物の安定性から官能基を有する単量体が好ましい。
CF=CClH以外の他の単量体(a2)の官能基は、特定の化合物と反応させて、重合後に他の硬化反応性部位に変換してもよい。例えば、水酸基は、無水コハク酸等の二価カルボン酸無水物と反応させることによりカルボキシル基に変換することができる。
【0016】
単量体(a2)が官能基部位として水酸基を有する場合、本発明の含フッ素共重合体の水酸基価が、10〜200mgKOH/gとなるように、水酸基を有することが好ましい。含フッ素共重合体の水酸基価が上記範囲内にあることで、硬化物が充分な耐衝撃性が確保される。特に好ましい水酸基価は25〜200mgKOH/gである。
クロロトリフルロオエチレン(a1)と単量体(a2)の割合は、単量体組成物の全量(すなわち、(a1)+(a2)量)に対して、クロロトリフルロオエチレン(a1)が30〜70モル%、単量体(a2)が70〜30モル%であるのが好ましく、クロロトリフルロオエチレン(a1)が40〜60モル%、単量体(a2)が60〜40モル%であるのが特に好ましく、クロロトリフルロオエチレン(a1)が45〜55モル%、単量体(a2)が55〜45モル%であるのがとりわけ好ましい。前記割合を採用することにより、含フッ素共重合体の有機溶媒への溶解性が向上し、また、該含フッ素共重合体を用いた塗膜が充分に優れた耐候性を発揮する利点がある。
【0017】
本発明における他の単量体(a2)はCF=CClHを含むのが好ましいことから、本発明の含フッ素共重合体は、他の単位(b2)としてCF=CClHに基づく単位を含むのが好ましい。
単位全体(すなわち、(b1)+(b2)量)中のCF=CClHに基づく単位量は、0.04モル%以下(すなわち0〜0.04モル%)である。該量は、GC法により定量できる。CF=CClHに基づく単位量は、全単位中に0.0012(CT中20ppm)〜0.012モル%であるのが好ましく、0.0012〜0.011モル%が特に好ましく、0.0012〜0.006モル%がとりわけ好ましい。
単量体組成物におけるCF=CClHは、任意に添加してもよく、製造工程で副生する等の理由から単量体中に含まれるものであってもよい。本発明においては、クロロトリフルオロエチレンの製造過程で副生し、クロロトリフルオロエチレン中に含まれるCF=CClHを用いるのが好ましい。
【0018】
製造工程で副生するCF=CClHの生成メカニズムについては必ずしも明らかではないが、本発明者はつぎのように考える。
理由1:クロロトリフルオロエチレンを、CFCl−CFClをメタノール等のプロトン供与体の存在下で金属亜鉛に接触せしめ、脱塩素化する方法(前記式(1)で表わされる方法)により製造した場合において、CFCl−CFCl中にCFCClが含まれていた場合には、CFCClにプロトンが作用してCFCHClが生成する。つぎに、該CFCHClが亜鉛の作用のもとに脱FCl反応を起こすことにより、CF=CClHが生成する(下記反応式(2)および反応式(3)参照)。
CFCCl + H → CFCHCl + HCl (2)
CFCHCl +Zn→ CF=CHCl + ZnFCl (3)
【0019】
理由2:前記式(1)で表される方法によりクロロトリフルオロエチレンを製造する場合において、CFCl−CFClにCFCl−CClHが含まれていた場合には、亜鉛の作用のもとに脱塩素反応が起こり、CF=CClHが生成する(下記反応式(4)参照)。
CFCl−CClH +Zn → CF=CClH+ ZnCl (4)
【0020】
理由3:前記式(1)で表される方法の原料であるCFCl−CFClの入手方法としては、下式(B)で表される方法を採用した場合において、副生するCF−CClに水素置換反応および脱FCl反応が起こり、CF=CClHが生成する。(下記反応式(2)および(3)参照)。
2CCl=CCl + 3HF + Cl
→ CClF−CClF + CF−CCl+ 3HCl (B)
CFCCl + H → CFCHCl + HCl (2)
CFCHCl +Zn→ CF=CClH + ZnFCl (3)
【0021】
<単位(b1)、(b2)>
本発明の含フッ素重合体中の単位(単位とは、重合性単量体の重合により直接生成する重合単位と、重合のあとに化学変換して生成する繰り返し単位を総称していう。)としては、重合単位、または、官能基を有する重合性単量体に基づく重合単位の官能基を化学変換して生成する繰り返し単位が好ましい。
本発明の含フッ素重合体は、クロロトリフルオロエチレンに基づく単位(b1)と、クロロトリフルオロエチレンに基づく単位以外の他の単位(b2)からなる共重合体である。
【0022】
他の単位(b2)は、重合単位であっても重合単位以外の繰り返し単位であってもよく、重合単位と繰り返し単位からなるのが好ましい。本発明の含フッ素重重合体は、他の単位(b2)としてCF=CClHに基づく単位を含んでいても、含まなくてもよく、含むのが好ましい。さらに、単位(b2)は、前記のCF=CClH以外の他の単量体(a2)に基づく重合単位、または、該重合単位を化学変換した繰り返し単位を含むことが好ましい。
【0023】
全単位に対するクロロトリフルオロエチレンに基づく単位(b1)の割合は、30〜70モル%であることが好ましく、40〜60モル%であることがより好ましく、45〜55モル%であることが特に好ましい。他の単位(b2)は、70〜30モル%が好ましく、60〜40モル%がより好ましく、55〜45モル%が特に好ましい。さらに、CF=CClHに基づく単位は、全単位に対して0.04モル%以下(0〜0.04モル%)であり、0.0012〜0.012モル%が好ましく、0.0012〜0.011が特に好ましく、0.0012〜0.006がとりわけ好ましい。該量は、重合反応後の反応粗液中に残存する単量体量をGC法により分析することにより、またはNMR法による定性法とGCによる定量法を組み合わせることにより定量できる。CF=CClHの単位量が0モル%であるとは、仮に含まれていたとしても、GC法により定量できる限界値以下であることを示す。
本明細書における単位とは、重合性モノマーの重合した重合単位と該重合単位を化学変換してなる単位の両方を意味する。
CF=CClHに基づく単位を前記割合とすることにより、本発明の含フッ素共重合体は、目的とする効果を奏する。CF=CClHに基づく単位としては、式−(CF−CClH)−で表される重合単位、とともに、式−CF−CF(CF−)−で表される単位も考えられるが、大部分は前者の単位である。
【0024】
<含フッ素共重合体の製造方法>
本発明における含フッ素共重合体は、前記クロロトリフルオロエチレン(a1)と他の単量体(a2)を重合させることによって得る。または、前記重合後、官能基を有する重合性単量体に基づく重合単位の官能基を化学変換することにより得る。
重合反応の手法としては、公知の手法を採用できる。例えば、クロロトリフルオロエチレン(a1)および他の単量体(a2)の1種以上からなる単量体組成物を、重合溶媒の存在下または非存在下で、重合開始剤または電離性放射線などの重合開始源を作用させて共重合反応を行う方法が挙げられる。
【0025】
共重合体の製造方法としては、通常パーオキサイド類、またはジアゾ化合物等のラジカル発生源を使用して行うラジカル重合を採用するのが好ましい。また重合形態については、共溶媒中に各単量体成分が溶解した状態で行う溶液重合と、乳化剤や親水性共重合性単量体を用い、水分散状態で行う、乳化重合や懸濁重合が挙げられ、安定した重合が行える点で、溶液重合が好ましい。
溶液重合の場合の溶媒としては、キシレン、エタノール、tert−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、エトキシエチルプロピオネート、CHCl等を用いることができる。
【0026】
[塗料組成物]
本発明は、前記含フッ素共重合体を必須成分とする塗料組成物を提供する。塗料組成物は、含フッ素共重合体と、媒体および/または塗料用添加剤、を含む塗料組成物であるのが好ましい。添加剤としては、用途に応じた、顔料、硬化剤等が好ましく、媒体としては、有機溶媒および/または水が好ましい。
【0027】
<顔料>
顔料としては、通常の塗料に添加する顔料を採用できる。特に、白を含む様々な色の塗料とするために、着色顔料を含有することが好ましい。着色顔料としては、樹脂特性を最大限発揮できるように、耐候性の良好な顔料を用いることが好ましい。このような顔料としてはマグネシウム、アルミニウム、鉄、コバルト、ビスマス、クロム等の金属酸化物結晶系顔料や、ペリレン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ベンズイミダゾロン、インダンスレンブルー、ジオキサンバイオレット、アゾ等の有機顔料、表面処理を施した酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。また塗膜に金属光沢感を出すためのパール顔料、アルミフレーク、ガラスフレーク等も使用できる。
【0028】
顔料としては、体質顔料、防錆顔料等であっても、耐候性能を損なわない程度の添加量であれば使用できる。該添加量としては0超〜10質量%、好ましくは0超〜5質量%が採用できる。体質顔料としては、シリカ、ハイドロタルサイト、金属炭酸塩、アルミナシリケート等が挙げられる。また、防錆顔料としてはトリポリリン酸アルミニウム、ストロンチウムクロメート、亜鉛粉末、アルミフレーク等が例示される。
本発明の塗料組成物における顔料の含有量は、全組成物に対して、0超〜5質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。該範囲とすることにより、塗膜の耐候性と顔料としての要求性能を両立できる利点がある。
【0029】
<媒体>
媒体としては、有機溶媒および/または水を使用するのが好ましい。有機溶媒としては、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ミネラルスピリットに代表される脂肪族炭化水素混合物、150〜220℃の沸点範囲をもつ芳香族炭化水素混合物、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、アルコール類、エトキシプロピオン酸エチル、tert−ブチルアセテート、クロルベンゼントリフロリド等に代表されるHAPS Free(Hazardous Air Pollutants Free)有機溶剤が好ましい。
媒体としては、水と有機溶媒の混合媒体を用いてもよく、該有機溶媒としては水を溶解する水溶性有機溶媒が好ましい。該有機溶媒としては、アルコール類、エチレングリコールモノ(ジ)アルキルエステル、プロプレングリコールモノ(ジ)アルキルエステル類等の水溶性有機化合物からなる溶媒が挙げられる
本発明で用いる媒体としては、溶液重合なので生成共重合体の溶解性及び重合安定性の面からキシレン、エタノールが好ましい。
本発明の塗料組成物における媒体の含有量は、全モノマーに対して、モル比で0.67〜12.5であることが好ましく、0.7〜10であることがより好ましい。
生成される共重合体の分子量や媒体への溶解性が良好だからである。
【0030】
<硬化剤>
硬化剤としては、含フッ素共重合体の官能基部位(硬化反応性部位)に応じて選択する。
含フッ素共重合体が官能基部位として水酸基を有する場合、硬化剤としては、ポリイソシアネート樹脂が好適に使用される。ポリイソシアネート樹脂の市販されているものとしては、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、HDI(ヘキサンジイソシアネート)、又はこれらの変性体が挙げられる。
変性体としては、イプシロンカプロラクタム(E−CAP)やメチルエチルケトンオキシム(MEK−OX)、メチルイソブチルケトンオキシム(MIBK−OX)、ピラリジンまたはトリアジン(TA)を用い、イソシアネート基をブロックしたもの、ポリイソシアネート樹脂同士をカップリングしてウレトジオン結合としたもの等が挙げられる。また、常温で固形を呈すようにアダクト体としたり、水分散しやすいよう、親水性部位や乳化剤を用いて乳化状態としたりしたものが挙げられる。
含フッ素共重合体が官能基部位として水酸基を有する場合のその他の硬化剤としてはメラミンが使用可能である。
【0031】
官能基部位としてカルボキシ基、フェノール性水酸基等を有する含フッ素共重合体である場合、硬化剤としてはグリシジル基含有の硬化剤やオキサゾリン系硬化剤が好適に使用できる。該硬化剤としては、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、TGICのグリシジル基部分にメチレン基を導入したTM239(商品名:日産化学社製)、トリメリット酸グリシジルエステルとテレフタル酸グリシジルエステルの混合物であるPT−910(商品名:Ciba社製)等、エポキシ樹脂が使用できる。また、縮合反応を行う硬化剤としてはβ−ヒドロキシアルキルアミド系硬化剤が使用できる。該硬化剤としてはPrimidXL−552(商品名:EMS社製)が挙げられる。
官能基部位としてグリシジル基を有する含フッ素共重合体である場合は、二塩基酸系硬化剤、アミン系硬化剤等が好適に使用できる。具体例としては、ドデカン二酸、環状アミジン、ポリアミン、ポリヒドラジド、酸を導入したポリマー等が挙げられる。
【0032】
硬化剤の使用割合としては、アミン系硬化剤以外の硬化剤の場合、通常は含フッ素共重合体の官能基部位のモル数に対し、硬化剤の官能基のモル比を0.7〜1.3とするのが好ましく、さらに0.8〜1.2とするのが好ましく、特に0.9〜1.2とするのが好ましい。硬化剤が環状アミジンの場合は、該モル比としては0.1〜0.7が好ましく、さらには0.2〜0.6が好ましく、特に0.3〜0.5が好ましい。
【0033】
<その他の添加剤>
本発明の塗料組成物においては、従来から塗料用途に使用されているその他の添加剤も適宜使用できる。該その他の添加剤の具体例としては、酸化防止剤、タレ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料分散剤、表面調整剤、スリップ剤、触媒、親水化剤、撥水剤、撥油剤等が挙げられる。その他の添加剤の配合量(質量基準)は、含フッ素共重合体の100部に対して、5〜150部程度の範囲から適宜選定される。
また、本発明においては、本発明の含フッ素樹脂の耐候性能を損なわない範囲で、他の樹脂、例えばポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を併用してもよい。但し、本発明の含フッ素共重合体以外の樹脂の含有量は、含フッ素共重合体量に対して、0.1〜100質量%であることが好ましく、0.2〜50質量%であることが、含フッ素共重合体のもつ耐候性が維持される点でより好ましい。
【0034】
<塗料組成物の製造方法>
塗料組成物の製造方法は、当業者にとって公知の方法が採用できる。たとえば、溶液系塗料組成物とする場合には、ディスパー等の撹拌機中で必要成分を混合分散して製造する方法が好ましい。粉体塗料組成物とする場合には、予め各成分を混合した粉末状態の原料を、加熱した押し出し機で混練し、つぐに押し出された混練物を冷却後に、粉砕および分級して、目的の粒子径を有する粉体からなる粉体塗料を得て、さらに該粉体塗料と添加剤を含む粉体塗料組成物とするのが好ましい。
塗料組成物が硬化剤を含む場合には、塗料形態により添加の時期は変更されうる。たとえば、焼付け用塗料等の1液タイプの塗料(粉体塗料も含まれる)である場合には、重合体の製造直後に硬化剤を添加するのが好ましい。硬化剤とその他の成分が分かれてる2液タイプ塗料組成物である場合には、塗布の直前に硬化剤とその他の成分を混合するのが好ましい。
【0035】
<塗料組成物の塗工方法>
塗料組成物の塗工方法については、塗料形態により適宜変更されうる。
たとえば、溶液系塗料とした場合には、刷毛、ローラー、ディッピング、スプレー、ロールコーター、ダイコター、アプリケーター、またはスピンコーター等の塗装装置を用いて数〜数十マイクロメーターの厚みになるよう塗装し、つぎに常温〜300℃程度の温度で、一定時間乾燥することにより塗膜を得る方法を採用するのが好ましい。
粉体塗料については、静電塗装機、摩擦帯電塗装機、流動浸漬、クラウド塗装機、エレクトリックマグネティックブラシ(乾式コピー類似の塗装方法)により粉末状態(予熱流動浸漬塗装の場合は溶融状態)で塗装され、120〜300℃で一定時間焼付けを行い塗膜を得る方法を採用するのが好ましい。
被塗工物としては、橋梁、タンク、建築部材、移動体、その他金属、非金属部材等が挙げられる。
【0036】
[作用効果]
本発明の含フッ素共重合体は、貯蔵安定性および顔料分散性に優れている。該含フッ素共重合体を含む塗料組成物は、貯蔵安定性および顔料分散性が高く、塗装作業性および塗膜性能が優れている。該効果を奏する理由は、必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
すなわち、CF=CClHの重合単位は、水素原子の電子が、周囲のハロゲン原子により吸引されて極性を有するため、水素引抜が発生しやすい。水素引抜が発生すると、ポリマーが3次元化してしまい、ポリマー溶液の粘度が上がってしまうという現象をもたらす。また、水素引抜が発生すると、含フッ素共重合体の極性が低くなり、顔料分散性が低下するものと思われる。
そのため、R−1122の存在量を所定量以下とすれば、水素引抜に基づくポリマーの3次元化によって、粘度が上がってしまうことを抑制できるものと考えられる。また、水素引抜に基づいて含フッ素共重合体の極性が低くなり、顔料分散性が低下することも抑制できるものと考えられる。
【実施例】
【0037】
以下に本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
なお、反応粗液中のモノマーの定量はGC分析により行った。GC分析は、キャピラリーカラム(DB1301)を用いて行い、検出器はFIDを用い、移動相にはヘリウムを用いた。反応粗液をトルエンで希釈したものを分析試料として用い、反応粗液中に残存するCTFEは、全て希釈に用いたトルエンに吸着されたと仮定して測定した。また、共重合体の単位の定性はNMR法によって行った。
[含フッ素共重合体]
<製造例1(実施例)>
内容積2500mlのステンレス製撹拌機付き耐圧反応器にキシレンの590g、エタノールの170g、エチルビニルエーテル(EVE)の206g、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の129g、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の208g、炭酸カルシウムの11g及びパーブチルパーピバレート(PBPV)の3.5gを仕込み、窒素による脱気により液中の溶存酸素を除去した。
次にCF=CClH(単量体の総量に対して0.0012モル%)を含むクロロトリフルオロエチレン(CTFE量として660g)を導入して徐々に昇温し、温度65℃に維持しながら反応を続けた。
10時間後、反応器を水冷して反応を停止した。この反応液を室温まで冷却した後、未反応モノマーをパージし、得られた反応液を珪藻土で濾過して固形物を除去し、濃度を調整して含フッ素共重合体1を固形分濃度60%で含む含フッ素共重合体溶液A1を得た。
反応器中に残存する未反応の単量体量を測定した結果、含フッ素共重合体1はCF=CClHに基づく重合単位を含み、含フッ素共重合体1中の全単位に対するCF=CClHに基づく重合単位は0.0012モル%以下であった。
【0038】
<製造例2(実施例)>
製造例1のクロロトリフルオロエチレンを、単量体の総量に対して0.011モル%のCF=CClHを含むクロロトリフルオロエチレンに変更すること以外は、製造例1と同様に反応を行い、含フッ素共重合体2を固形分濃度60%で含む含フッ素共重合体溶液A2を得た。含フッ素共重合体2中の全単位に対するCF=CClHに基づく重合単位は0.011モル%であった。
【0039】
<製造例3(参考例)>
製造例1のクロロトリフルオロエチレンを、単量体の総量に対して0.044モル%のCF=CClHを含むクロロトリフルオロエチレンに変更すること以外は、製造例1と同様に反応を行い、含フッ素共重合体3を固形分濃度60%で含む含フッ素共重合体溶液A3を得た。含フッ素共重合体2中にはCF=CClHに基づく重合単位が存在し、含フッ素共重合体2中の全単位に対するCF=CClHに基づく重合単位は0.04モル%超であった。
【0040】
<共重合体の物性値>
含フッ素共重合体溶液A1〜A3中の各含フッ素共重合体の物性値は表1に示すとおりであった。なお、各物性値は以下のようにして求めた。
(数平均分子量、重量平均分子量)
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)により求めた。分子量換算用の標準物質としてポリスチレンを用いた。
(水酸基価)
赤外線分光光度計による3450cm−1のピークの吸光度により求めた。
(加熱残分)
JIS K5601−1−2により求めた。
【0041】
【表1】

【0042】
[樹脂顔料組成物]
<樹脂顔料組成物B1>
得られた含フッ素共重合体溶液A1の83gに、酸化チタン(石原産業製、商品名:CR−90)の200g、キシレンの43g、酢酸ブチルの43gを加え、さらに、直径1mmのガラスビーズの369gを加えて、ペイントシェーカーで2時間撹拌した。撹拌後ろ過を行ってガラスビーズを取り除き、樹脂顔料組成物B1を得た。
【0043】
<樹脂顔料組成物B2、B3>
含フッ素共重合体溶液A1に代えて、含フッ素共重合体溶液A2を用いた他は、樹脂顔料組成物B1と同様にして、樹脂顔料組成物B2を得た。また、含フッ素共重合体溶液A1に代えて、含フッ素共重合体溶液A3を用いた他は、樹脂顔料組成物B1と同様にして、樹脂顔料組成物B3を得た。
【0044】
[塗料組成物]
<塗料組成物C1>
得られた樹脂顔料組成物B1の100gに、含フッ素共重合体溶液A1の150g、ジブチルチンジラウレート(10−4倍にキシレンで希釈して3gとしたもの)、HDIヌレートタイプのポリイソシアネート樹脂(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートHX)を加えて混合し、とりよう組成物C1を得た。
【0045】
<塗料組成物C2、C3>
樹脂顔料組成物B1に代えて樹脂顔料組成物B2を用い、かつ含フッ素共重合体溶液A1に代えて、含フッ素共重合体溶液A2を用いた他は、塗料組成物C1と同様にして、塗料組成物C2を得た。
また、樹脂顔料組成物B1に代えて樹脂顔料組成物B3を用い、かつ含フッ素共重合体溶液A1に代えて、含フッ素共重合体溶液A3を用いた他は、塗料組成物C1と同様にして、塗料組成物C3を得た。
【0046】
[評価]
<貯蔵安定性試験>
含フッ素共重合体溶液A1〜A3の100gを、各々耐熱容器に入れ、70℃RH50の恒温槽内に放置し、初期粘度と、3日後、7日後、14日後における粘度を測定した。なお粘度はJIS K5600準拠の泡粘度計を用いた。初期粘度と、3日後、7日後、14日後における粘度の初期粘度に対する比率を表2に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
<流動性試験>
樹脂顔料組成物B1〜B3の50gを、各々225mL容積のガラス製容器に入れた。結果を表3に示す。
この容器を45度に傾けた際、樹脂顔料組成物の液面が容器の傾きに追随して水平状態となるまでの時間を計測し、以下の基準で評価した。
○:液面が水平状態となるまでの時間が5秒以内。
×:液面が水平状態となるまでの時間が5秒超。
【0049】
【表3】

【0050】
<塗膜光沢値>
塗料組成物C1〜C3の各々を、0.8mm厚のクロメート処理アルミ板に乾燥膜厚が25〜30μmになるように塗装し、23℃RH50%の恒温恒湿機中で2週間放置して充分乾燥させた後、JIS K5600準拠の鏡面光沢値(60°)を測定した。結果を表4に示す。
【0051】
【表4】

【0052】
表2〜4の結果から明らかであるように、CF=CClH量を特定の割合で含む単量体組成物を重合させて得た本発明の含フッ素共重合体1又は共重合体2を含む含フッ素共重合体溶液および樹脂顔料組成物は、いずれも貯蔵安定性に優れ、流動性が高かった。また、含フッ素共重合体1又は共重合体2を含む塗料組成物から形成された塗膜は、高い光沢値を示す塗膜を形成した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロロトリフルオロエチレン(a1)と、クロロトリフルオロエチレン(a1)と共重合可能な他の単量体(a2)とからなる単量体組成物を重合させて、他の単量体(a2)に含まれるCF=CClHに基づく単位が全単位に対して0.04モル%以下である含フッ素共重合体を得ることを特徴とする含フッ素共重合体の製造方法。
【請求項2】
他の単量体(a2)に含まれるCF=CClHが、CFCClを含むCFCl−CFClに、金属亜鉛の存在下にプロトン供与体を作用させて脱塩素化反応によって得たクロロトリフルオロエチレン中に含まれるCF=CClHであり、該脱塩素化反応によって得たクロロトリフルオロエチレンとCF=CClHを重合に用いる請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
CF=CClH以外の他の単量体(a2)が、ビニルエーテル、ビニルエステル、プロペニルエーテル、プロペニルエステルおよびアクリル酸エステルからなる群より選ばれる1種以上の単量体からなる請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの製造方法で得られる塗料用の含フッ素共重合体。
【請求項5】
クロロトリフルオロエチレンに基づく単位(b1)と、他の単位(b2)からなる共重合体であり、かつ、共重合体中のCF=CClHに基づく単位が、全単位に対して0.04モル%以下であることを特徴とする含フッ素共重合体。
【請求項6】
CF=CClHに基づく単位以外の他の単位(b2)が、ビニルエーテル、ビニルエステル、プロペニルエーテル、プロペニルエステルおよびアクリル酸エステルからなる群より選ばれる1種以上の単量体に基づく単位からなる請求項5に記載の含フッ素共重合体。
【請求項7】
含フッ素共重合体が、塗料用の含フッ素共重合体である請求項5または6に記載の含フッ素共重合体。
【請求項8】
塗料用途
請求項4〜6のいずれかに記載の含フッ素共重合体と、媒体および/または塗料用添加剤を含む塗料組成物。
【請求項9】
塗料用添加剤として、顔料および硬化剤から選ばれる少なくとも1種を含む請求項8に記載の塗料組成物。

【公開番号】特開2009−286873(P2009−286873A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139769(P2008−139769)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】